カテゴリー : 2016年 1月

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/01/30

mb160130

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

 今朝は先週好評だった損害ブル—ズで始めましょう、「朝日のあたる家」では

 ありませんよ。

M01.Al Hassidi Terei(3’41”)Songhoy Blues

-Songhoy Blues –  Trans192

 

N  ソンガイ・ブルーズの「アラシリ・テリ」で始まりました。これは良い。わたしは先週

の「ソ—バ—」より好きかな。ドラムスのパタンとハーモニー・ヴォ—カルの絡みがゼツミョ—、タエ

です。マリの首都、バマコのスタジオでの録音。広範囲で政情不安定が続く北アフリカ、

音楽活動には支障が無いのでしょうか。大勢の死傷者が出るテロの報道を耳に

する度に、心配になります。この辺りの武力闘争がここまでに酷くなるとは、

わたしは考えていませんでした。

さて、先々週の14日、電子雑誌エリスの新年会が行われ、執筆者の末席を汚

しているわたしも参加しました。ちょうど目の前にミュージカルの連載をしている

水口正裕さんが座っていたので、先に紹介した『ウエスト・サイド物語』の疑問点

をお尋ねしたら、親切に教えてくれました。

ジャケットの特徴を話すと、すぐに分ってくれまして、「ただその場面、本当は

無いんですよ」と解説を始めてくれました。これはオリジナル・キャスト版だそうで

す。当然わたしのCDは復刻ものですが、「LPとしては、コロムビアのスタジオに初

演のキャスト全員を集めて、本番と同じように通して演奏したのを録音したのだ

ろう、おそらくは」との事でした。バーンスタインが棒を振ってるかもとも言って

ましたね。

中盤にいい歌がずらりと並んでる事の不自然さを問うと、「この辺りで面白

くしとかないと、前半が終った幕間でみんな帰っちゃうから、その対策なん

でしょう」なんてサラリと言ってました。詳しい人はありがたいですね。さまざ

まな事をスラスラと優しく説明してくれる、それが実に嬉しそうなんです。聞い

ていて気持ち良かったなあ。こうでなきゃね。それに引き換え新発見の毎日

を送るワツシイサヲのテータラク・・・。

では前回お届けしてなかった「ウエストサイド物語」の中の名曲のひとつ、

「マリア」、オリヂナル・ブロードウェイ・キャスト、リ—ド・ヴォーカルはラリー・カートです。

 

M02.Maria(2’38”)Original Broadway Cast

-S.Sondheim, L.Bernstein-  Columbia  CK 32603

 

N  「マリア」、オリヂナル・ブロードウェイ・キャスト、リ—ド・ヴォーカルはラリー・カートでした。

さて、エリスの新年会、目の前が水口正裕さんで、隣に来たのは安富歩、マイコー・

ジャクスンの事を情熱的に書いている人です。「大阪から来た」という事で、わた

しの馴染みのある府下の特定地域の話をしたら、とてものってくれて、しば

らく語り合いました。関連でマイコーの話にも当然なったのですが、面白いです

ね、あの人はモ—タウン時代には全然興味がないんですよ。というか、レイベルなん

てどうでもいい感じ。過去のソロ作品もその場でスマフォで調べて「ああ、そうか」

なんて言ってるんです。不思議かつ興味深かったですね。

その時に安富歩さんの向こうにいた某英国人とマイコ—のモ—タウン時代のソロ作品

のカヴァの話にもなったんですが、この人も昔ふたりで夢中になった決定的1

曲について、何にも憶えていない。アタマ来たなあ。

翌日、ふたりにファイルで届けたこの歌を、みなさんも聞いて下さい。

まずマイコー・ジャクスンでアルバム『ベン』から「おしゃれな恋」。

 

M03.We’ve Got A Good Thing Going(3’03”)Michael Jackson

-F.Perren, A.Mizell, B.Gordy, D.Richard-  Motown  B0011431-02

 

M04.We’ve Got A Good Thing Going(4’54”)Sugar Minott

-F.Perren, A.Mizell, B.Gordy, D.Richard-  ピーヴァイン AC-8001

 

N  マイコー・ジャクスンで「おしゃれな恋」、そしてそのカヴァ、シュガー・マイノットの「グッシ

ン・ゴーイン」でした。このカヴァはスタジオ・テクノポリス27時代に一時期毎週のように

流していて、矢野顕子に「あんたたちは本当に・・・」と呆れられた程の1

曲だったんです。この後でこの曲もシュガ—も日本でちょっと知られるようにな

りましたけれど、その最大の功労者は俺たちだ、と今も自負しています。

それをさ、「そんなのあったっけ」なんて言われちゃうと、「青春を返せ」

と言いたくもなります。当人からは即座に「シュガ—のはイントロ聞いてすぐに蘇っ

た」というメイルを貰いはしました。以上、ご報告まで。

さて、昨年の嬉しかったクリスマス・プレゼントはモダーン・レコードの12月25日アルバ

ムで出会ったジェシー・メルヴィンという歌い手でした。全然知らなかったのですが

「アイ・ヲント・ユー・ウィズ・ミー・クリスマス」の歌声に惹かれまして、調べたら比較的

簡単に2枚のアルバムを手に入れる事が出来ました。今朝はそれらから聞いても

らいましょう。

まずこれ。いい歌ですね。これまでフレディ・フェンダーで何度もお届けしてい

ます。

初登場ジェシー・メルヴィンでどうぞ。「シークレット・ラヴ」。

 

M05.Secret Love(2’30”)Jesse Belvin

-S.Fain, P.Webster-  Jackpot 48748

 

N  ジェシー・メルヴィンで「シークレット・ラヴ」でした。1958年にRCAに吹き込んだアルバ

ム『ジャスト・ジェシー・メルヴィン』からです。デビュ—作品ですが、彼の生きている時

に発表された唯一のアルバムでもあります。本人は60年に自動車事故で亡くな

っていますから。

彼は1932年にテキサスの・サン・アントンに生まれています。幼少時代にロス・エインジ

ェルスに移り住みまして、そこで地元のヴォーカル・グループに入り音楽人生が始まり

ました。1958年と言いますと、ロス・エインジェルスにR&Bのマイナー・レイベルが沢山発

生して音楽が活発化していた頃です。一方ではポピュラー・ヴォーカリストとしてのナッ

ト・キング・コールの大成功がありました。RCAはやはりキング・コールの路線を望ん

だのでしょう。ジェシ—も総合的にその方向性にハマる性格でした。お聞きのよう

な保守的なビッグ・バンド仕様で、スタンダ—ドを唄うジェシー・メルヴィンがここに誕生

したのです。

 

M06.Alright, Okay, You Win(3’02”)Jesse Belvin     blueschord

-M.Watts-  Jackpot 48748

 

N  「あなたの勝ちよ」という邦題も確かあった「オ—ライ、オーケイ、ユー・ウイン」、昔テ

キサスの州都オースティンに滞在した時、みなが「オーケイ」じゃなくて「オーカイ」と言って

るように聞こえるんですね。綴りも通常は「O.K.」なんですが、こう書かれ

ているのを見るとロ—マ字読みで「オーカイ」と言いたくなります。ジェシ—もバックグラ

ウンド・ヴォーカルの姐さんたちも「オーケイ」と発音していしまたけれども。

さて、ここまでの2曲、今聞くと非常に陳腐に聞こえるかも知れません。

また、この道を歩んだジェシー・ベルヴィンを、商業主義に日和った男と言う方も

いるでしょう。ただし、1950年代のアンサムブル、響きの主流はこういったもの

です。既にロックンロールはあちこちで暴発していましたが、あれはあくまで田舎の

不良の衝動現象で済まされていましたから、この時代のエンタテイナーを志す人間た

ちは皆、最終的にこの形で唄えるようになる事を目指していました。チャック・

ベリーだって、チャック・ブラウンも、こういうゴージャスなスタイルで唄いたかったんです。

特にジェシーは十代の頃からこのスタイルを確立した、ビリー・エクスタインに憧れていたそ

うです。ナット・キング・コールというお手本も同じ町にいました。

RCAにはこんな歌も吹き込んでいます。象徴的ですね。

「ザ・ヴェリ・ソート・オヴ・ユー」。

 

M07.The Very Thought Of You(3’20”)Jesse Belvin    little willie john

-R.Noble-  Jackpot 48748

 

N  ジェシー・ベルヴィンで「ザ・ヴェリ・ソート・オヴ・ユー」、この歌は男が唄ってもおか

しくないんですね。これまで女性のヴァ—ジョンしか聞いてなかった気がします。

こういうふうに丁寧に唄うのが彼の魅力、持ち味です。聞いていて気持ちが

素直になります。

さて、ジェシ−のスタンダ—ド歌手的な側面を聞いていただきました。ここまで聞

いて貰った3曲はRCAからのLP2枚『ジャスト・ジェシー・ベルヴィン』と、アート・

ペパ−もセッションに参加している『ミスタ・イーズィー』を1枚にしたCDにからお聞き

頂きました。オマケに付いている3曲のボーナス・トラックは、RCA録音であるものの、

それらとは別の企画で、毛色も違っています。ではその中からも1曲どうぞ。

詳細は不明です。

「ディーコン・ダン・タカー」。

 

M08.Deacon Dan Tucker(2’04”)Jesse Belvin

-J.Gray-  Jackpot 48748

 

N  「ディーコン・ダン・タカー」。こういうノヴェルティR&B調の方が、わたしはしっくり

来るな。

さて、キング・コールの名前が何度か出て来ましたが、ジェシーには、もうひとり

のお手本がいました。今のRCA原盤ともう一枚、今回手に入れたCDは、

その前の56年から57年にかけてモダーンに吹き込んだシングル盤を集めたもので

す。そのアルバムの題名が、『忘れられないジェシー・ベルヴィン』そして副題でこう

続くのです。

「センチメンタル・リーズンズ」。

 

M09.For Sentimental Reasons(2’13”) Jesse Belvin

-Watson, Best-  Alfa AFCD-1001

 

N  ジェシー・ベルヴィンの「センチメンタル・リーズンズ」でした。これはサム・クックの持ち歌と

して有名ですね。ジェシ—は黒人レイベルのモダーンにR&Bを吹き込みながら白人市

場へのクロスオーヴァを考えていました。そこには既に素晴らしい成功例として、

サム・クックがいました。ジェシ—の声、唄い方そして風貌も、サムに似た端正なもの

です。相当に意識していたのではないでしょうか。その好例が、つぎの1曲。

ほとんどそのまんまです。「ユー・センド・ミー」。

 

M10.You Send Me(2’40”)Jesse Belvin

-L.C. Cooke-  Alfa  AFCD-1001

 

N  伴奏までがクリソツな「ユー・センド・ミー」、ジェシー・ベルヴィンですが、この動かぬ証

拠で、彼がサム・クックの開拓した道を歩もうとしていたのは明白になりました。

RCAへ移るのも、サムの後を追ったからなのでしょうか。不運な交通事故がな

かったら、同じようにヒットを飛ばして、わたしも以前から知っていた歌い手に

なっていた可能性は、大いにあります。

ここまで他人の成功例との比較ばかりで、少々ジェシーには失礼を続けたかも

知れません。それでは彼の代表的なオリヂナル・ヒットをお聞き下さい。

これは決定的な1曲です。ダグ・サームもお気に入りの、「グッドナイト・マイ・ラヴ」。

 

M11.Goodnight My Love(3’05”)Jesse Belvin

-Motola, Marascado-  Alfa AFCD-1001

 

N  実にいいですね、「グッドナイト・マイ・ラヴ」。当時のR&Bとはひと味違う品位

が漂います。ダグ・サームのカヴァはアルバム『ジュ—クボックス・ミュージック』の一番最後に、

フェイド・インして来てほんの少し、十数秒くらいでフェイド・アウトして行くという思

わせぶりな形で入っています。ちゃんと通して聞きたかったなあ。

さてこうやってモダーン時代の録音を知ると、冒頭のRCA路線はちょっとや

り過ぎの感もなくはありませんが、この時代に人種の壁を超えるのは容易な

事ではありません。最大限の努力の結果でもあった筈です。

一方、彼はソング・ライターとしての才能がありましたから、大勢の人たちに聞

いて貰えるオリジナル曲をたくさん作ったことでしょう。こちらなら可能性はも

っと高かった筈です。譜面上では、黒人という事が分りませんからね。

では、彼が書いたもっとも有名な作品、ペンギンズの大ヒット曲

「アース・エインジェル」をどうぞ。

 

M12.Earth Angel(2’59”)The Penguins

-C.Williams, J.Belvin, G.Hodges-  Fantastic Voyage  FVTD116

 

M13.Sincerely()The Moonglows

-A.Freed, H.Fuqua-  One Way DAY2CD274

 

N   ペンギンズ「アース・エインジェル」、そしてムーン・グロウズ1955年のヒット曲「シンシアリー」

でした。この間「アース・エインジェル」に触れた時に、わたしは間違えてこの「シンシ

アリー」を思い浮かべて話ししてたのに気付きましたので、改めてお届けしまし

た。

さて、先々週「次週はナタリ—・コールの若い頃のヒットを・・・」と言っていまし

たがお届けしていませんでした。これまた改めてお届けしましょう。

まず「アイヴ・ガット・ラヴ・オン・マイ・マインド」。

 

M14.I’ve Got Love On My Mind(4’21”)Natalie Cole

-C.Jackson, M.Yancy-  Capital Heart & Soul 7243 8 38308 2 4

 

N  「アイヴ・ガット・ラヴ・オン・マイ・マインド」、ナタリ—・コールでした。これを聞いて、す ぐに記憶を呼び起こせる人は、それほどいないんじゃないかな。3枚目のアルバ

ム『アンプリデイクタボー』に収録、わたしはこれが彼女の持ち歌で一番好きです。

全米R&Bチャ—トでも第一位獲得曲ですが、この国ではあまりヒットしなかった。

なんせそれ以前の彼女の活躍は異常な程でしたから、このような落ち着いた

曲調で周りを冷ます事も必要だったのではないでしょうか。

彼女の登場は、まさに「彗星のよう」でした。なにしろ人種を超えた成功

者ナット・キング・コールの娘です。また聞けば誰でも分る歌の天性、優れた容姿、

明るい性格と、傷ひとつ無い玉(ギョク)が突然この世に墜ちて来たのです。

父親と同じ所属レイベル、キャピトルは、当時考えられる最高の制作環境を与えま

した。それがすべて大当りだったのです。

 

M15.Sophisticated Lady(3’27”)Natalie Cole

-C.Jackson, M.Yancy, N.Cole-  Capital Heart & Soul 7243 8 38308 2 4

 

N  「ソフィスティケイテド・レイディ」でした。邦題は「粋な女」、これには当時も今も、

わたしにはちょっと違和感がありますが、とにかく76年に大ヒット。まるで世

界中が彼女を祝福しているように雰囲気の中で、鮮やかなキャリアが更新されて

行きます。

日本では「ミスタ・メロディ」が東京音楽祭の大賞に輝いて、あっという間に大

スターになりました。これには父親がナット・キングという親日家だった事も大いに

影響しているでしょう。この頃の人気は凄かったですよ。どこからもケチの付

けようがない存在でした。2枚目のアルバム『微笑(Natalie)』のジャケットがどれほ

ど輝いて見えた事か・・・。

それでは、こうなる事が分っていたかのような、示唆的な題名のデビュ—曲

をお聞き下さい。

「ディス・ウィル・ビ」。

 

M16.This Will Be(2’49”)Natalie Cole

-C.Jackson, M.Yancy-  Capital Heart & Soul 7243 8 38308 2 4

 

N  「ディス・ウィル・ビ」でした。ここまでこんなナタリ—は初めて、という方も多い

でしょう。わたしも実は、30年は聞いてなかったな。それにしてもよく出来

てるなあ、という感嘆のひと言しか出ません。楽曲、アレンヂ、演奏、ミックス、そ

れぞれがこの時代のポップ・ソウルを先導する瑞々しさに溢れています。そして

天才的なナタリ—の唄。否の打ち所の無い、高い完成度を今も感じさせます。

デビュ—直後のナタリ—は、リズムが抜群でね。基本的に3蓮府のノリで全てを捉え

て、身体中から4ビ—トのスイング感、シャッフル・ビートを発散していました。これは

親父のジャイヴ感覚の遺伝だろう、と思ったものです。その気持ち良い唄のリズ

ム感を上手に作曲、編曲に反映させ、しかも高度な演奏で16ビートと絡める手

法が斬新でした。いわゆるプロデュ—スが良かったんですね。部分的には次の時

代を担う音楽概念の「ファンク」も控え目ながら忍ばされています。

実はナタリー・コール2度目の来日時の、新宿厚生年金会館公演の実況収録が、わ

たしのラジオ局での最初の仕事でした。重たい録音機材を、技術の人間と一緒

に運んだけなんですが、その時に目撃したリハ—サルは、わたしの音楽観を大きく

左右するものでした。黒人たちの日常感覚と音楽との関係の深さ、そしてナタリ

—の天才ぶりはまだ記憶にはっきり残っています。

演奏メムバーではない、誰かの知り合いみたいな高齢のおばあちゃんが舞台に

上がって、みんなと抱き合った後、勝手にハモンドB3でゴスペルを弾き出して、

それに全員が即興で合わせ、立派な一曲に仕上げて、その後みんなやたらは

しゃぎ回るという絵巻が、目の前で生展開するのです。わたしにとっては夢

を見ているか、宇宙の出来事のようでした。そういうところに絡むナタリ—の瞬

間的な発声が、格別の響きを誘導して行くのです。今も目に浮かぶなあ。

ここまでに聞いて貰った中で、そんな天才の片鱗、感じ取っていただけま

したでしょうか。来週は唯一のライヴ・アルバムから少々お届けする予定です。わ

たしの感じた、ここまでと異なる側面についてもお話ししましょう。八王子

のファンの方、お楽しみに。

ではナタリー・コール4枚目のアルバム『サンクフォー』から、これも地味ながら重要曲。

「アワ・ラヴ」。

 

M17.Our Love(5’27”)Natalie Cole

-C.Jackson, M.Yancy-  Capital Heart & Soul 7243 8 38308 2 4

 

M18.Pretty Messed Up(3’45”)Ina Forsman

-unknown-  BSMF 2490

 

N  ナタリ—の「アワ・ラヴ」に斬り込んで来たのは、もうお馴染みイーナ・フォルスマン。今

朝は「プリティ・メスド・アップ」。とりわけ特徴の突出していない、こういった普

通の曲調でも、彼女の独特の存在感は変わりませんね。先週末に発売となっ

ていますから、皆さんも実際に確かめて下さい。そしてご感想を是非お聞か

せ下さい。楽しみにしています。恐い顔、化粧、墨についてでもいいですよ。

さて、先々週お届けしたクリス・ステイプルトンの『ザ・トラヴェラー』、グラミ—の年間優

秀アルバム候補なんですってね。恐れ入りました。他国言語使用者でも何かずっ

しりと重いものを感じ考えさせられる、言ってみれば「真面目」な音楽が正

当に評価される世界は健全です。また彼は自立した歌書きとしてもたくさん

のヒット曲をよに出していまして、ケニー・チェズリー、ジョージ・ストレイト、ブラッド・ペイズ

リーなどにも唄われているそうです。再び恐れ入りました。

それでは今朝もこそのアルバムから聞きましょう。

意味深長です。「音楽という名の悪魔」

 

M19.The Devil Named Music(3’56”)Chris Stapleton

-C.Stapleton, L. Thomas-  Mercury   0602537577439

 

N  重たいなあ、実に。「音楽という名の悪魔」にやられたお話です。ただ、彼

は1978年生まれの、まだ36歳になるかならない男です。困るなあ、こんな

のを唄われちゃうと。まだ悟るなよ、音楽も人生も。先は長いよ。

次は充分に齢を重ねてもまだ悟っていない風のT.G.シェパ—ド。例のデユーオ・

アルバムから、なんとエンゲルバート・フムパディンクとの二重唱です。

「お前、本当に女を愛した事あるか」、皆さまは如何でしょう。

 

M20.Have You Ever Really Loved A Woman(5’01”)

-R.J.Lange, M.Kamen, B.Adams-

T.G.Sheppard & Engelbert Humperdinck

 

N  T.G.シェパ—ドとエンゲルバート・フムパディンクで「ハヴ・ユー・エヴァ・リリ・ラヴドヲーマン」、

フムパデインクの声、唄、共に田舎音楽に調和していましたね。流石、上手いもん

です。ザ・バンドではない「ラスト・ワルツ」だけじゃないんだな。T.G.のアルバムタイ

トルに「リジェンダリー・フレンズ」とありますが、昔からの仲なんでしょうか。この

「ハヴ・ユー・エヴァ・リリ・ラヴドヲーマン」はブライアン・アダムズが書いていて、スパニッシュ

の編曲もそこから来てます。なかなかいい大人の歌ですね。

さあ、そろそろ「アサ—」です。元気よく行きましょう。只今mbで株が高騰

中。トビー・キース、前の『仕事終わりに一寸一杯』アルバムからナンパの歌です。

「ショウ・ミ—・ワット・ヨー・ワーキン・ウィズ」。

 

M21.Show Me What You’re Workin’ With(3’15”)Toby keith

-T.Keith,R.Rutherford-  Universal B001926-02

 

M22.You Brought The Sunshine(3’18”)The Ward

-E.Clark-  Vanguard  76456-2

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  トビー・キースのは、この「ショウ・ミ—・ワット・ヨー・ワーキン・ウィズ」の入っている『ド

リンク・アフタ・ワーク』にも、そして最新盤[『時速35マイルの町』にもフォ—ドのピック・

アップ・トラックの広告が挿入されています。本国ではコマ—シャルでもやってるんでし

ょうか。このフォ—ドのピック・アップ・トラックというのは、アメリカ国内で最も共和党的

な車なんだそうです。その逆、民主党的なのはトヨタのプリウスだって。本当でし

ょうかね。そのフォ—ドが日本市場から撤退するそうですね。マスタングが正規に入

って来なくなる。まあ、米国内でもフォ—ドのやる気の無さは10年以上前から

言われていた事ですが、アメリカ、しっかりしてくれよ。

最後の1曲はザ・ワードの最新作『ソウル・フード』から「あなたは陽射しを運ん

で来る」でした。クラーク・シスターズのコンテムポラリー・ゴスペル・ソングです。コンテムポラリー

と言っても、1980年代にヒットしてたから、もうオールド・スクールかな。確かヲマック・

アンド・ヲマックがカヴァしましたね。明日の日曜日の教会礼拝の予習です。

先週は以下の間違いがありました。どこか教えず訂正しておきます。

「意外に」

「クーバ」、以上。

もう2月だよ。「二月は逃げる」と言いまして、これまた過ぎるのが早い。

もっとも今年はうるうですから1日多いのですけれど、短い事に変りはあり

ません。すぐ春分ですよ。そしてまた・・・。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/c035da0d84cf4e99a55cd1ec3f9d3e90939eecf2

ダウンロードパスワード qqed8yf5

今朝もちょうど時間となりました。
こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、今年も続きます。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

Awesome Rock【01/29 O.A.】Playlist

Awesome Rock【01/29 O.A.】Playlist

1月29日の番組は、

MEGADETH特集

megadeyh
これぞ、メガデス!
キコさんが加入時には曲はできていたらしいので、楽曲制作の面でキコさんが活躍してくれそうなのは次回作からになりそうですね。日本盤のボートラ曲”Me Hate You”が好みです。
M01: Evil Twin / ANTHRAX
M02: Hallelujah / Panic! At The Disco
<コーナー: AwesomeRecommendation>
M03: Holy Wars…The Punishment Due / MEGADETH
M04: The Thread is Real / MEGADETH
M05: The Emperor / MEGADETH
M06: Foreign Policy / MEGADETH
おしまい♪


ボートラが優秀楽曲の日本盤をオススメ!

Awesome Rock 毎週金曜日夜9時~9時半@中央FM
再放送は毎週土曜 午後7時~7時半

 

Real Rocks 【01/28 O.A.】Playlist

Real Rocks【01/28 O.A.】Playlist

Bowieee
1月28日の番組は、チャート!久々にZIP-City Rock Albums Chartを紹介しました!
1位は David Bowie!!『 ★ 』10日に69歳で亡くなったデヴィッド・ボウイの最期の作品『ブラックスター』が首位です。

stp
ちなみに、Stone Temple PilotsのNo4のジャケと白黒の配置違いですね。
スコット・ウェイランドも先日亡くなりましたね。クスリを絶ち切れたら、いまも声を聴けたとおもうと残念でなりません。残された家族や仲間もやりきれない気持ちだとおもいます。

——————————————————–

M01: Work This Body  /  Walk The Moon
M02: Hmp (Live)  / Zebrahead
M03: Working Overtime  / The Slackers
<コーナー: RockAroundTheWorld>
M04: Changes  / David Bowie
M05: Against All Odds  / Zardonic
M06: Pale Snow  / Suede
M07: In Metal We Trust  / Primal Fear
M08: Hallelujah  / Panic! At The Disco
M09: The Thread is Real  / MEGADETH
M10: Razarus  / David Bowie
<コーナー: RockAroundTheWorld>終わり
M11: Wouldn’t It Be Nice  / The Beach Boys
<コーナー:メタルの光>
M12: Memories  /  Bury Tomorrow
おしまい♪

 


ボウイの遺作となってしまいました。


2016年01月のREAL ROCKS SELECTION。
ニューヨーク、マンハッタンで結成されたスカシーンのベテラン!The Slackers『The Slackers』

 

Real Rocks 【01/27 O.A.】Playlist

Real Rocks【1/27 O.A.】Playlist

1月27日の番組は、

Walk The Moonがナビゲーター!!

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来日公演を大盛況のうちに終えたWalk The Moonが特別にナビゲーターを務めてくれました!
彼らの選曲とトークはいかがでしたか?

——————————————————–

M01: Paranoid Android / Radiohead
M02: Charlemagne / Blossoms
<コーナー: RockSteadyGo>
M03: Shut Up And Dance / Walk The Moon
M04: Don’t Stop ‘Til You Get Enough [2003 Edit] / Michael Jackson
M05: UGH! / THE 1975
M06: Fame / David Bowie
M07: Loser / Motorhead
M08: Work This Body / Walk The Moon
<コーナー: RockSteadyGo > 終わり
M09: Working Overtime / The Slackers
M10: Champs Elyses / NOFX
M11: Twenty One / Wage War
M12: Rock You Like A Hurricane / Scorpions
<コーナー:メタルの光>
M13: The Thread is Real / MEGADETH
おしまい♪

 


2015年を代表するポップロックの一枚

 


2016年01月のREAL ROCKS SELECTION。
ニューヨーク、マンハッタンで結成されたスカシーンのベテラン!The Slackers『The Slackers』


【2015年ベスト・アーティスト】
2015年5月のREAL ROCKS SELECTION ARTIST。
CHON(チョン)。アメリカ西海岸=サンディエゴ出身の凄腕ミュージシャン4人組!
2015年の澤田的 ベスト・インストアルバム!

1月27日(水曜)は、Walk The Moonがナビゲーターを務めます!

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Walk The Moon @ Summer Sonic 2016

今週水曜深夜2時からのGood Speed REAL ROCKS内の特集コーナー「Rock Steady Go」はWalk The Moonを特集!

といいますか、
特集どころか、本人たちが登場!自ら選曲、さらにトークで番組をナビゲートしてくれます!

過去にHoobastank、Nickelback、Evanescenceなどもスペシャル・ナビゲーターを担当してくれたこのコーナー。今回も必聴であります!

乞うご期待!

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/01/23

mb160123

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

いきなり、これです。

 

M01.Patricia(3’29”) Ry Cooder  Manuel Galban

-S.Fain.&P.F.Webster-  Nonsuch/perro Varde 7969-2

 

N  ライ・クーダーの「パトリシア」でした。よく聴くと相当に複雑なリズム構成ですね。

 これまで普通のオ—ディオで聞いていて気づかなかった階層に、PCのスピ−カ再生で

 気づかされました。こういう事もあるんですね。

  皆さんご存知のように、この曲は2002年、うわー、もう14年前になるのか、

 遥かな昔だ・・・、とにかく2002年のアルバム『マムボ・シヌエンド』に収められたチ

 ャーミングな録音です。これはあるライヴ・ハウスで、本番開演前に流れているのを耳

 にして、「これ何ですか」とPA席まで聞きに行って教えてもらって、その帰

 りに買って以来ずっと楽しんでいる、わたしにとっての重要作品です。

  ところが、大変な誤解をしていた事が最近発覚いたしました。「またか」

 とうんざりする方も多いでしょう。そんな事ばかりですからね。お許しを。

  この『シヌエンド』、実はライだけの作品ではなかったのです。ジャケット上部に彼

 の名前と並列で表示されている「Manuel Galban」というのは、このアルバム

 の共同名義人だったのです。

  これを知ったのは2015年師走の事。某レコ—ド店頭での事でした。

  わたしが「え、そうなの」と言いましたら、相手はもっとびっくりして、

  「本当に知らなかったの」と聞き返されました。その位に当たり前の事実

 だったのでしょう。

  1枚のアルバムを買って来て、何度も何度も聴き通して、印刷されている全て

 を頭に叩き込む、というような事を、14年前にはしなくなっていましたか。

 それよりスリーヴの裏に写ってるのが、日本の楽器製造会社グヤトーン、東京サウンド

 のかつての最高機種という事の方が興味の対象でした。

  さて、今朝はその共同名義人、マヌエル・ガルバンについて少々お話をしましょ

 う。

M02.Bossa Cubana(3’16”)Manuel Galban

-L.R.Chanivecky-  Concordpicante  CPI-33646-00

 

N  この絵に描いたようなC調さ。恐れ入りますね。ほとんどカヨーキョクです。浜

口庫之助がやりそうです。「ボッサ・クバーナ」、マヌエル・ガルバン名義、2015年のアルバ

ム『ブルー・チャ・チャ』からお届けしました。

ヴォーカルは、昨年ここでも紹介したトリオ・エスペランサだって。こういうとこで稼

いでるのか。やられた感じ。仕上がりがお見事。『シヌエンド』ではどちらかと

言えば控え目に慎重にライと一緒にギターを爪弾いていた男の、別の側面がこれ

です。

では次にタイトル曲を聞いてもらいましょう。

「ブル—・チャ・チャ」。

 

M03.Blue Cha Cha(3’46”)Manuel Galban

-L.R.Chanivecky-  CPI-33646-00

 

N  これもC路線ですが、なんとリード・ヴォーカルが、エリック・ビブ。昨年J.J.ミルトゥ

とのデユーオ・ライヴが出て、これまでにない強面を曝したあのビブです。ここで

は「C」の顔もある事が分りました。アクースティク・ギタ—も弾いてます。

先ほどから調子のいい部分ばかりを意識的に強調していますが、こんなシーリ

アスなトラックもありますよ。リード・ヴォーカルはロサ・パソスです。

「アルマ・ミーア」。

 

M04.Alma Mia(5’17”)Manuel Galban

-M.Grever-    Concordpicante  CPI-33646-00

 

N  どことなく「ザ・ヴェリ・ソウト・オヴ・ユー」を連想させる「アルマ・ミーア」でした。

このアルバム『ブル—・チャチャ』は、マヌエル・ガルバンの音楽の集大成的な意味合いもあ

るのでしょうか、それぞれにフィーチュア・アーティストを配して、さまざまな形態の音

楽を聞かせてくれています。それぞれに質は高く、キュ—バ音楽の歴史を物語る

ようでもあります。

実際のところ彼自身が、セッション・ギタリストとして革命後のキュ—バでの音楽を先

導していた存在でもありましたから、このような天然色絵巻のようなアルバムを

作れるのも納得が行きます。魅力は「C」だけではありません。

30分ほどのDVDも付いていまして、豪華なゲストたちとの徳音風景、貴重

な証言などが盛り込まれています。とても楽しめる良質な作品と、推薦して

おきましょう。

さて、そのマヌエル・ガルバンがかつて在籍していたヴォ—カル・グル—プがあります。

これは北米で盛り上がったドゥー・ワップに影響されて結成されたロス・サフィーロスと

いう少年4人組に、保護者のような立場で歳上のガルバンが参加したもので、

客層も十代の少女中心。ガルバンは老舗GSのバンマス的に、きっと浮いてたでし

ょうね。彼らが発表したシングルを集めたアルバムも、以前発売になっています。

そこからも聞いてもらいましょう。

あっと驚く先ほどのナムバ—の原ヴァージョンです。

「ボッサ・クバーナ」。

 

M05.ボッサ・クバーナ(2’38”) ロス・サフィーロス

-L.R.Chanivecky-  ライス WCR-22002

 

N  「C」度はこっちの方が高いかな。台頭し始めたボッサ・ノーヴァを素早く捕ま

えてクーバ風に仕立てたノヴェルティ歌謡です。ロス・サフィーロスで「ボッサ・クバーナ」でし

た。1963年の録音で、ハイトーンの男声ですから、エスペランサの姐さん方とそれほ

ど変わらない響きですね。通常この手のものはオリヂナルだけが面白い、という

事になってますが、42年の時空を経ても、先ほどのように魅力が褪せないそ

の訳は何処に・・・。

ロス・サフィーロスはドゥー・ワップの影響を受けて結成されたグループと申しましたが、

世界の流行には敏感だったようで、この時期のブラジルからの波をだいぶ浴び

ています。こんな歌もリパトゥワにしていました。

「オルフェの歌」。

 

M06.オルフェの歌(3’54”)ロス・サフィーロス

-L.Bofa-  ライス WCR-22002

 

N  商業戦略が練られていたのでしょうか。メムバーから、というより周囲の思惑

で吹き込まれたような「オルフェの歌」、ロス・サフィーロスでした。おそらくその「周囲」

の男のひとりがマヌエル・ガルバンだったのでしょう。それ以前はプラターズをお手本

にしていた事もあったようです。

お聞き下さい。共産主義仕様の「マイ・プレイヤー」

 

M07.祈り(3’54”)ロス・サフィーロス

-G.Boulanger-  ライス WCR-22002

 

M08.La Negra Tomanos(4’19”)Vocal Sampling

-L.R.Fife-  Ashe Records Inc. ASHE CD 2008

 

N  ロス・サフィーロスの「マイ・プレイヤー」、続けてお届けしたのは現代のクーバのヴォ—カル・

グル—プ楽器を使わないアカペラとヒューマン・パカッション・スタイルで売るヴォ—カル・サムプリング

の「ラ・ネグラ・トマノス」、ライヴ・ヴァ—ジョンでした。

ク—バ人というのは、一般的に異例なくらい音楽的能力に恵まれていまして、

今のようなチョウジンワザを難なくモノにしています。幾多の商業主義に翻弄されな

がらも、ロス・サフィーロスのヴォーカル・ハーモニーに一貫した個性的な味わいがあるのも、

その証明。そして今に続くその魅力を体現しているヴォ—カル・サムプリングでした。

ではマヌエル・ガルバンもメムバーだったロス・サフィーロスの初期の吹き込みから、これは

『マムボ・シヌエンド』でも採り上げられていましたね。

「君の瞳の中の月」。

 

M09.君の瞳の中の月(3’54”)ロス・サフィーロス

-L.R.Chanivecky-  ライス WCR-22002

 

M10.Secret Love(5’49”)Ry Cooder  Manuel Galban

-S.Fain.&P.F.Webster-  Nonsuch/perro Varde 7969-2

 

N  ロス・サフィーロスの「君の瞳の中の月」、そして冒頭にもお届けした『マムボ・シヌエン

ド』から、ふたりのギターが絶妙の対比を聞かせる、これもよく知られた名曲

「シークレット・ラヴ」、ライ・クーダーとマヌエル・ガルバンでした。

  ライ・クーダーの『マムボ・シヌエンド』からの派生でお聞き頂きましたマヌエル・ガルバン、

 彼の人格が何となく分ったような気がしております。皆さんは如何でしょう。

  一方のライ・クーダーは猫が好きなようですよ。わたしのところにはこんな情報

 も入って来ています。興味のある方はどうぞ。

  https://twitter.com/nekojisin/status/685343549919854592

  さて、正直に言うとね、昨年末にモーニン・ブルーズで少々話題になった『チキン・

 スキン・ミュージック』以外、わたしは全編満足出来るライのアルバムがなかたのです。誤

 解されないように言っときますが、決して嫌いどころじゃなくて、尊敬して

 いる音楽家です。これまで随分と広い分野でお世話になって来ました。

  ただ彼名義のアルバムを1枚通して聴いてると、どうもイライラして来るというか、

 落ち着けなくなるんです。彼がよく起用した黒人歌手のボビー・キングのアルバム

 も似た印象だったな。これまた尊敬しているヴォ—カル・グル—プのマンハタン・トランスファ

 を聴いている時と同類の欲求不満が襲って来るのです。もう一度いいますが、

 決して嫌いじゃないんですよ。分ってね。

  それで行きますと『マムボ・シヌエンド』は全編問題なしどころか、繰り返して

 聞いていた程です。器楽曲アルバムだからかな、なんて思っていましたが、もう

 ひとりの共同名義人がいたからとは・・・言いません。ハラホロヒレハレ・ヒレハレハ。ま

 たまた新発見でした。

 

M11.Boyal Keur(4’28”)Khamdel Lo & Le Ceddo

-K.Lo, I Cisse- KL Prod.

 

N  これはアフリカ、セネガルの新しいアーティスト、カームデルとル・セドゥ。録音は2009年と少

し前のアルバム『ヨン・ビ』から「ボヤル・ケウル」です。世代的には明らかに若手第

一線ですが、シンセサイザ—の音色には、だいぶ古さも感じましたね。楽器が原因

でしょうか。わたしが惹かれたジャケット写真はカームデルひとりですが、決まった

メムバーによるグループで、そのサウンドも売りにしているようです。どの担当者も

細かくて多い手数が特徴。セット・ドラムのチューニング・ピッチがかなり高めなので、

何度か面白がって倍速の演奏トラック再生に歌を載せているのかと感じましたが、

そうではありません。

今のようなリズム歌謡を得意としているようで、幅広いヴァリエイションを通して聞

いて印象に残ったのは、やはり今の「ボヤル・ケウル」や、次に聞いて貰う

「サバブ・ロウル」でした。

 

M12.Sabab Loul(4’33”)Khandel Lo & Le Ceddo

-K.Lo, I Cisse- KL Prod.

 

N  「サバブ・ロウル」などでした。これでも倍速風演奏が聞かれましたね。

セネガルの洋楽器演奏者は、時としてこのような素早い音を重ねて叩き込んで来

ます。洋楽器でそれまでにない表現をされると、一瞬なんの音なのか分らな

くなりますね。倍速現象もそのひとつかも知れません。

さて次はソンガイ・ブルーズの新作から、「迷信」、「スレッヂ・ハマー」と言ってもい

いような「ソーバー」。

 

M13.Soubour(3’30”)Songhoy Blues  

– Songhoy Blues –  Trans192

 M14.Kodhi(4’40”)Ayub Ogada

-A.Ogada, I. Gem, T.Warren-  LTR1501

 

N  エレキ・ギターのリフで強引に組み伏せて来るような「ソーバー」、ソンガイ・ブルーズでし

た。アフリカや中東の音楽に西洋の電気楽器が採り入れられて行く様子には大い

に興味がありますが、それが結果としてハード・ロックのような音になってしまう

と、どこかしらつまらなくなります。まあ極東人の勝手な戯言ですが、今の

はギリギリの線ですね。アルバム全体がこうなっている訳ではありませんので、取

り越し苦労かも知れません。ただ私達もかつて同じようだったような、アメリカ

の音に近づくと無性に嬉しいという思いが、今あの大陸にはあるのかなあ。

もしそうだったら、考えを改めて欲しいですね。アメリカ的な音楽はアメリカのもの

を聞けばそれで済みます。

「迷信」、それもB.,B. & Aヴァージョン的な「迷信」の次は、2日の放送「黙

示的正月のアサー」で「イ・パラ・アンゴ・ヤワ」を聞いて貰ったアユブ・オガダの「コーデ

ィ」でした。

新しいアルバムの表題曲です。最新作は基本的に「静寂」という主題が背景に

あるように感じられてなりません。どのトラックにも屋外の効果音が敷かれてい

まして、楽器演奏は非常に静かな大人しい表現に留められ、そこに決して大

声で叫ばない語りのような声が重なって来ます。この音が以外に太い流れと

なって腹の中を通り過ぎて行く、1枚を聞く度にこんな気分になります。

もちろんそれを味わうには静かな環境が必要です。わたしが聞くのは、い

つも夜更けですね。

さて、今になって気づきました。今朝は英語の歌が少ない、というかエリック・

ビブの「ブルー・チャ・チャ」しかありませんでしたね。珍しい事です。

最後は英語の歌を続けましょう。1年」長生きしたジョニ—・ウインターの1998年

のヌーヨーク、ボトムラインでの実況録音から、

素晴らしい出来の「ザ・スカイ・イズ・クライング」、

そしてジョニー・ギター・和登さんとの共作で「ジャニー」、いや「ジョニー・ギター」

 

M15.The Sky Is Crying(7’19”)Johnny Winter

-E.James-  Pointblank 7243 8 45527 2 5 VPBCD43

 

M16.Johnny Guitar(4’32”)Johnny Winter

-J.Watson, J.Winter-  Pointblank 7243 8 45527 2 5 VPBCD43

 

M17.ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド(USA ヴァージョン)(6’20”)フリート・ウッド・マック

-L.W.John-  ソニー ESCA 7826

 

M18.ニュー・キッド・イン・タウン(5’05”)イーグルズ

-J.D.Souther, D.Henry, G.Frey-  ワーナー・パイオニア 20P2-2016

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  終盤の英語攻撃いかがでしたでしょうか。少し安心出来たかな。ただ考えて

みるとでも殆どの人間は自分の理解出来る言語の音楽しか聞かない筈ですか

ら、わたしたちはちょっと変わってるのかも知れません。そもそもわたしは

英語だってよく分らないのですから。

ジョニーのはポイント・ブランクからのアルバムでした。「ジョニー・ギター」はアンコ—ル。この

後にもう一曲演奏してまして、そちらは16ビ—ト・ニュアンスのタイトな曲で、ちょっ

とジョニ—が遅れ気味。この頃ジョニ—は体力低下で長い時間の演奏が出来なくな

っていましたから限界だったのでしょうね。全体は充実したブルーズ・ライヴ・

アルバムに仕上がっています。

その後は、6分を超える「ニード・ヨー・ラヴィン・ソー・バド」、フリート・ウッド・マック

時代のピーター・グリーンです。『聖なる鳥』のCD再発時に、この曲の別テイクが追

加されていました。今回ようやく入手してちゃんと聞けました。いいですね。

先日ご案内したユーチューブの女性はこれを「コピ—しなさい」ってオッショさんに言わ

れたんでしょうか。

そして最後に「ヌー・キド・イン・タウン」、グレン・フライでした。途中で「アサー」の乱

入、こちらお許し下さい。生放送ですから。

彼の訃報にも驚きましたね。やはりユーチューブにこの「ヌー・キド・イン・タウン」の

実演実写が揚げられていて、これが素晴らしい。ちゃんと完璧なハ—モニ—を再現

してるんです。イーグルズも非常に高度なヴォ—カル・グル—プでしたね、そこの中心

人物グレン・フライ、あまりに早過ぎる死です。日本に来た時に、渋谷にあったレコ

—ド店芽瑠璃堂で大量のR&Bを買って行った話は、ずっとこれからも憶えて

いるでしょう。合掌、礼拝。

 

お直り下さい。

先週、誤字脱字がありました。といっても気づいただけかな。正しいもの

だけ、以下にお伝えしておきます。

「四匹のオッサン」

「期待される人間像」以上。さてどの部分でしょう。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/2865c9303195ca522ec85da64008bf21a77bef4f

ダウンロードパスワード fq3ey35z

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、今年も続きます。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

s-IMGP1440

Awesome Rock【01/22 O.A.】Playlist

Awesome Rock【01/22 O.A.】Playlist

1月22日の番組は、

Glenn Frey追悼

el
イーグルスのグレン・フライさん。1月8日に67歳で亡くなりました。
あの歌声はもう生では聴けないんですね。

M01: Hallelujah / Panic!At The Disco
M02: Chocolate / THE 1975
M03: The Sound / THE 1975
<コーナー: AwesomeRecommendation>
M04: Hole In The World / The Eagles
M05: Take It Easy (Live) / The Eagles ※グレンさんと言えば、コレ
M06: Desperado (Live) / Glenn Frey ※グレンさんが歌う”ならず者”。
おしまい♪

ロック界の偉人達の訃報が相次ぎますね。
レミーも、ボウイ、そしてグレン・フライの死。
ミュージシャンが生きているうちに、その音楽に触れておきたい、応援したいっておもいます。

Awesome Rock 毎週金曜日夜9時~9時半@中央FM
再放送は毎週土曜 午後7時~7時半

 

Real Rocks 【01/21 O.A.】Playlist

Real Rocks【1/21 O.A.】Playlist

1月21日の番組はチャート!US Alternative Albums Chartを紹介しました!

Blurryface
1位は Twenty | One | Pilots!!『Blurryface』。リリースは2015年の5月!本当に息の長い作品です。
3月に来日公演を控えています(残念ながら名古屋公演はなし)。

 ——————————————————–

M01: Hallelujah  /   Panic!At The Disco※ドキャッチー
M02: Anna Sun  /  Walk The Moon※ドキャッチー
M03: The Sound  /  THE 1975※ドキャッチー
M04: Working Overtime  /  The Slackers
<コーナー: RockAroundTheWorld>
M05: Cold Cold Cold  /  Cage the Elephant
M06: Soap  /  Melanie Martinez
M07: Hurricane (Arty Remix)   /  Halsey
M08: Pressure Off (Featuring Janelle Monae and Nile Rodgers)  /   Duran Duran※ドキャッチー
M09: Adventure Of A Lifetime   /  Coldplay※ドキャッチー
M10: The Judge  /   Twenty | One | Pilots
<コーナー: RockAroundTheWorld>終わり
<コーナー:メタルの光>
M11: Majoring In the Minors   /  August Burns Red※革命的なメタルコアソング
M12: Memories   /  Bury Tomorrow
おしまい♪

 


全米1位を獲得したセカンドアルバム!


2016年01月のREAL ROCKS SELECTION。
ニューヨーク、マンハッタンで結成されたスカシーンのベテラン!The Slackers『The Slackers』


【2015年ベスト・アーティスト】
2015年5月のREAL ROCKS SELECTION ARTIST。
CHON(チョン)。アメリカ西海岸=サンディエゴ出身の凄腕ミュージシャン4人組!
2015年の澤田的 ベスト・インストアルバム!

Real Rocks 【01/20 O.A.】Playlist

Real Rocks【1/20 O.A.】Playlist

1月20日の番組は、

Panic! At The Disco特集!

deathof
邦題は『ある独身男の死』。全米1位を記録した作品を紹介しました!
ブレンドンただ一人になってしまいましたが、相変わらずの作曲センス、そしてゴージャスな内容の仕上がりです。

——————————————————–

M01: Shut Up And Dance / Walk The Moon
M02: Fat Lip / Sum41※春に来日!
M03: Working Overtime / The Slackers
<コーナー: RockSteadyGo>
M04: But It’s Better If You Do / Panic! At The Disco
M05: I Write Sins Not Tragedies / Panic! At The Disco
M06: Nine In The Afternoon / Panic! At The Disco
M07: The Ballad Of Mona Lisa / Panic! At The Disco
M08: Hallelujah / Panic! At The Disco
M09: Emperor’s New Clothes / Panic! At The Disco
M10: Death Of A Bachelor / Panic! At The Disco
M11: Impossible Year / Panic! At The Disco
<コーナー: RockSteadyGo > 終わり
M12: Take It Easy (Live) / The Eagles
M13: Desperado (Live) / Glenn Frey ※ご冥福をお祈りいたします。
<コーナー:メタルの光>
M14: Cannons At Dawn / In Dread Response ※祝再来日
おしまい♪

 

 


バンド史上初の全米1位を獲得しました!Panic! At The Disco『ある独身男の死』


2016年01月のREAL ROCKS SELECTION。
ニューヨーク、マンハッタンで結成されたスカシーンのベテラン!The Slackers『The Slackers』


【2015年ベスト・アーティスト】
2015年5月のREAL ROCKS SELECTION ARTIST。
CHON(チョン)。アメリカ西海岸=サンディエゴ出身の凄腕ミュージシャン4人組!
2015年の澤田的 ベスト・インストアルバム!

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/01/16

mb160116

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

いやあ、参ったなあ。ナタリ—の後、オーティス・クレイでしょ、そしてデイヴィド・ボウ

イまでが慌ただしくあの世に旅立ちました。

ボウイは、いつも自らを掻き立てて活動を続けている姿が気になる存在でし

た。年始のラジオ番組でジャズの最先端の手法を採り入れた新作が面白いと聞い

たので、それにも興味が沸きました。聞いてみようと思ってたのです。闘病

中とは言え、本人はやる気充分だったようです。

その新作、もう電子市場には出ているようですね。死亡する前の2700倍の

売上げだそうです。それにはちょっと納得し難い部分がありますけれども、

社会的存在の偉大さが分ります。

さて、わたしにとってのデイヴィド・ボウイは、何をおいてもこの歌です。

 

M01.スペース・オディティ(5’16”)デビッド・ボウイ

-D.Bowie-  東芝 TOCP-54024

 

N  「スペース・オディティ」でした。この歌にはやられましたね。画期的な物語の発

想です。シビレました。脱帽いたしました。と言ってもわたしの事ですから、

発表後10年近く経ってからです。何気なく耳にした歌の内容にノーテンに杭を打

ち込まれるような思いがしたものです。幸いにも法で規制された正規の長さ

には少し足りなかったので、魂は護られましたが、凄いなあ、ブッ翔んでるな

あ、と感心する事しきりでした。

この事を信頼している音楽仲間に素直に話したら、「ああ、そう」というそ

っけない返事でしたが、顔は「何を今ごろボケてんだ、この馬鹿」と言ってい

ましたね。

今回の訃報に関連して、デイヴィドがティーネイヂの頃のアイドルだったという「イジ

ワル・ミー」さんからリクエストを頂きました。わたしの知らなかった曲です。

お送りしましょう、「チェインヂーズ」。

 

M02.チェンジス(3’14”)デヴィッド・ボウイ

-D.Bowie-  東芝 TOCP-54024

 

N  「イジワル・ミー」さんからリクエストで「チェインヂーズ」でした。これは彼の持ち歌の

中でも、「自叙伝的に生み出した作品」で、彼の「変容の連続、存在価値の作

り出し方」を見ても「自分自身に捧げたテーマ・ソング的な曲である」と解説にあ

ります。そうですか、「イジワル・ミー」さん。

1972年の夏頃から、レコ—ド会社と極く一部の音楽ミーディアの策略で、グラム・

ロックというのが、突然この国で流行り出しまして。その最右翼がデイヴィド・ボ

ウイでした。デイヴィ・ジョーンズという、マンキズのリ—ド・シンガ—と同じ本名を嫌がっ

てデイヴィド・ボウイと改名した話は、ニュー・ミュージック・マガジーンでそれより前に読

んでいたような憶えがありますから、芸能活動の開始はもっと早かったよう

です。

当時のボウイ人気は圧倒的でした。なにしろ芸の背景が違う。その頃からロック

という狭い世界越しに、もっと大きな場所を見ていたんですね。後年、フランク・

シナトラ級の次世代芸能家だ、という彼に対する評価を耳にした時、わたし自身

も何の違和感もありませんでした。ロック馬鹿じゃないんですよ。

初来日は横浜港着の客船で来たんですよね。衣装をやまもと寛斎が担当し

たり、振りに歌舞伎の動きを採り入れたり、日本文化からたくさんの閃きを

得ていたようです。京都の山科に家を持っているという噂でした。

グラム・ロックというと、Tレックスとがボウイの反対側の翼に奉られててね。これ自

体がおかしな図式なのですが、踊らされたわたしはTレックス。鉛筆の芯の粉を

アイシャドウ代わりに目の回りに塗ったりね、グラム・ロックの馬鹿馬鹿しさを楽しん

でました。『電気の武者』、『ボラン・ブーギー』、『スライダー』を持っていて、マーク・

ボランのロックンロ—ルごっこには憧れたなあ。ボウイはほとんど聞かなかったですね。

親しむ機会がなかった。

エディ・コクランの人生をなぞったように、マーク・ボランが交通事故で亡くなってし

まった後も、ボウイはずっと生きて芸能を続けました。大物ですから、わたし

も折にふれて新譜を耳にする事が多く、常に新機軸を導入する創作意欲には

一目置いていました。ただ、聞く人より先に自分でウットリしちゃってるような、

あの歌に馴染めず、心底ノレなかったのが正直なところです。ナイル・ロジャーズと

組んで、スティーヴィー・レイ・ヴォーンを起用した「レッツ・ダンス」もダメだったなあ。

それでも実は、直接の影響を受けています。それはこの曲からなのです。

 

M03.ジーン・ジニー(4’08”)デヴィッド・ボウイ

-D.Bowie-  東芝 TOCP-54024

 

N  「ジーン・ジニー」でした。スト—ンズの「落下傘女」によく似てますね。今初めて

そう感じました。これまで通してちゃんと聞いた事はなかったかも知れませ

ん。横浜に同じ名前のライヴ・クラブがあって、いつかそこにトラックが突っ込みま

せんでしたか。ランキン・タクシーがまだ貧弱なサウンドシステムでレゲDJ実演を始めたのは

そこじゃなかったかな・・・あ、脱線しました。

話を元に戻しますと、わたしの身辺に今の「ジーン・ジニー」が切っ掛けで生

まれた1曲があるのです。名盤の澤ホマレ高き『永久保存盤/静岡ロックンロ—ル組合』

の解説から引用しましょう。

 

レインボウ・クイーン(森下均-鷲巣功)深夜ラジオで流れたD.ボウイの「ジーン・ジニー」か

ら閃き、20分で即完成。新宿歌舞伎町のロック喫茶のウェイトレスへ一方的に捧げられ

ている。初演。

 

事実もこの通りです。深夜番組でたまたま聞いた「ジーン・ジニー」の、特に

ハーモニカ・リフがインスピレイションを授けてくれまして、あっという間に出来上がりまし

た。すぐヴォーカリストのチャ—リ—のとこに行って「これ唄ってくれ、ハープも吹いて」

と頼んでイッチョ上がり。早かったね、これは。

久し振りに聞いてみたら、動機が「ジーン・ジニー」というのに変りはありま

せんが、結果としてはTレックスのブーギ−形式の方が、色濃く出ています。皮肉

です。

1973年、新宿の歌舞伎町の入り口に「レインボー」というロック喫茶があって、そ

こに細かなパーマのロングヘアでドギツ系の奇麗なお姉さんがいました。受験名目で

上京滞在中に短期間だけ通ったわたしにも声かけてくれましてね。入試どこ

ろではなく舞い上がってたある日、訪れたら彼女が店の前で男と待ち合わせ

してる現場に出くわしてしまいました。お相手はロックスタ—みたいな感じのイカし

た奴で、ちょうど今ごろの季節ですよ、お揃いで毛皮のコ—トなんか着ちゃって。

田舎の子供はまるで敵わない。小田急新宿駅までひとりで泣いて帰りました。

この想いをぶつけて少年鷲巣功が書き上げたのが、次に紹介する1曲です。

「ジーン・ジニー」はちょっと迷惑でしょうが、どうもありがとう、デイヴィッド。

お聞き下さい。静岡ロックンロ—ル組合で「レインボウ・クイーン」。

 

M04.レインボウ・クイーン(4’53”)静岡ロックンロ—ル組合

-H.Morishita, I.Washizu-  UKプロジェクト DCRC-0061

 

M05.愛なき世界で(2’50”)オーティス・クレイ

-E.Williams-  ビクター VDP-1111

 

N  清きお耳を汚した後は、オーティス・クレイの紛う事なき傑作「愛なき世界で」。

これで聴感を正常に戻して下さい。

いや、このオーティス・クレイ他界の知らせにも驚きました。彼は極めて真面目な

性格で、それほど不摂生もしていなかったから、まだまだ唄い続けられると

思っていました。ゆえに偶然見つけた先週のアルバム程度の作品はまたすぐに創

れるだろうなんて気でいたんです。それが、突然の心臓病とは。

改めてお祈りいたします。追悼。

次に聞いて貰うのはジャッキー・ムーアのヴァ—ジョンがオリヂナルですが、この国ではこ

の、オーティス・クレイのヴァ—ジョンの方が知られている筈です。

「プレシャス、プレシャス」。

 

M06.プレシャス、プレシャス(3’12”)オーティス・クレイ  

-D.Crawford, J.Moore-  ビクター VDP-1111

 

M07.サンクス・ア・ロット(3’37”)オーティス・クレイ    92  Albert King

-L.Fulson-   アメリカーナ  28C-8108

 

N  「プレシャス、プレシャス」に続いては、先週もお届けした92年のアルバム『アイル・トリー

ト・ユー・ライト』から「サンクス・ア・ロット」をお聞き頂きました。ブルーズ・フィーリングを、

とても上手に洗練させていましたね。こういう事が出来る歌い手は、彼の後

に出ていないのではないでしょうか。

まだハイ・レコードがキングから出発売されていた頃に彼は日本に登場しています

が、アルバムの高評価に較べて個人の人気は今ひとつ盛り上がっていませんでし

た。それがO.V.ライト病欠の代理で急遽やって来た1978年、久保講堂の伝説的

実演で、絶対的な存在となりました。

おそらくピンでこんな大きな場所でのライヴ経験は、本人にもなかったでしょ

う。シカゴで毎晩のように行っているクラブ・ショウそのまま、という感じではあり

ましたが、飾られていない生のR&Bに触れた事のなかった日本の若い音楽フ

ァンの心を捉えるには、充分以上の魅力でした。

翌年以降は順調に来日を続け、おそらく本国以上の人気を持っていたので

はないでしょうか。

わたしも初来日の時から観ています。赤坂にあった小林克也も回してたソウ

ル・ディスコティークへの出演後、ベイスマンを連れ出して遊んでたら、彼が我が儘な事

を言い出して手に負えなくなったので、六本木のズッケロかどこかのクラブに放り

出して逃げたのは、何回目に来た時だったかな。下北沢のバ—でオーティス本人と

同席した事もあります。その時ホッヂズ兄弟のギタ—奏者の名前がティーニーでもあり、

メイボンでもある事を教えてもらいました。国立の一橋大の兼松講堂では演奏が

ハイ・リズムでしたから、そのまんまレコードの音でした。

このように全国各地で本場を知らないソウル音楽好きに、いろいろな体験をさ

せてくれたオーティス・クレイ。わたしの心の中では、虎ノ門の久保講堂から家まで、

ずっと興奮したまま帰った想い出が、まだ褪めていません。

残念だったのは、新しいヒット曲を作れなかった事でしょう。日本ビクターも、

独自に懸命な努力をして、花を咲かそうとしたんですが、現実はそんなに甘

くなかったようです。歌が上手くていい人だけじゃダメなんですね。

手許に彼がマイアミのT.K.から出していたシングルがあります。このケイヴェット・レイ

ベルともこの1枚だけの契約だったようです。そのA面、初めての来日でも唄

っていた「レット・ミー・イン」を聞いて下さい。発表1977年。悲しい歌です。

 

M08.Let Me In(3’55”)Otis Clay

-J.Slates, S.Pippin, L.Keith-  Kayvette 5133

 

N  あまり盤の状態が良くなかったですね。すみません。「レット・ミー・イン」でした。

こういうのをオ—ティスが手掛けると、本当に悲しくなってしまうのです。真心過

剰という表現はおそらくないでしょうが、ちょっとシンミリし過ぎます。逆にそ

こがこの国で受けた要因なのかも知れませんが、彼の逞しい魅力を何度も味

わっているだけに、もしわたしが現場でセッションを指揮していたら、「もうひと

味、明るく」「一瞬だけ笑って」というような指示を出したでしょう。今の「ケ

イヴェット5133」のB面、こちらでは彼の暖かい心が肯定的に出ていて、大いに

気に入っています。

聞いて下さい。「スウィート・ヲーマン・ラヴ」。あ、ジョ—ジ・ジャクスンの曲だったんだ

な、これ。

 

M09.Sweet Womans Love(3’29”)Otis Clay

-G.Jackson-  Kayvette 5133

 

M10.Besame Mucho(4’04”)Natalie Cole wt. Andrea Bochelli

-C.Velazquez-  Verve 0602537323951

 

N  さて、次も亡くなったばかりの歌い手です。ご存知、ナタリー・コール。先週はデュ

ーオの曲ばかりお聞き頂いて、若い時のヒットは今週に、と言っておりましたが、

予定変更。彼女が2003年に発表したラテン・アルバム『アン・エスパニョール』からお届け

します。これも気になるアルバムですね。まずはテノ—ル歌手のアンドレア・ボチェッリとの

二重唱で「ベサメ・ムーチョ」でした。この曲はコースターズのテッテ的に下卑たヴァ—ジョン

がわたしのアタマにこびりついているからでしょうか、このヴァージョンはちょっと

気品過多です。

次はひとりで伸び伸びと唄ってもらいましょう。

名曲「ソラメンテ・ウナ・ヴェス」。

 

M11.Solamente Una Vez(2’30”)Natalie Cole

-A.Lara-  Verve 0602537323951

 

N  ナタリー・コールのラテン・アルバム『アン・エスパニョール』から「ソラメンテ・ウナ・ヴェス」でした。

ナタリ—がこの企画に取り組んだ時に、父親であるナット・キング・コールのスペイン語連

作が頭をかすめたのは言うまでもない事でしょう。ブックレットには、彼女自身の

言葉で挨拶があり、こんな行りが出て来ます。

この種の、音楽的にも社会的にも馴れない世界に挑むのは、これまでの楽に

していられる環境から踏み出す事を意味します。その時わたしは父が同じよ

うな作品を仕上げていたのを思い出しました。それも一度きりでなく3枚も

作っていたんです。そしてその反響たるや、普通ではありませんでした。

 

ナタリ—が勇気を持って飛び込んだラテンの世界。父ナサニエルも唄ったこの曲です。

「キサス、キサス、キサス」。

 

M12.Quizas, Quizas, Quizas(2’27”)Natalie Cole

-O.Farres-  Verve 0602537323951

 

N  故ナタリー・コ—ルで、ラテン・アルバム『アン・エスパニョール』から「キサス、キサス、キサス」でした。

ではこの曲名に「テ」をつけて、もう一度お願いしましょう。

「手キサス、手キサス、手キサス」。

 

M13.I’m Not That Kat Anymore(3’01”)Texas Tornados

-D.Sahm- Riprise 9 26683-2

 

M14.Tennessee Whiskey(4’53”)Chris Stapleton

-D.Dillon, L.Hargrove-  Mercury   0602537577439

 

N  「テキサス、テキサス、テキサス」と呼びましたら竜巻が起こりました。テキサス・トーネイドー

ズで「アイム・ノット・ザット・キャット・エニモー」。これにはダグ・サームとオーギ−・マイヤーズだ

けが参加しています。この強者4人組なら、「あとは俺たちがやっとくよ」の

ひと言で「じゃあ頼んだよ」となるんでしょう。昨年しつこくお届けしたベス

ト盤を年末年始と聞き続けました。ホントいいね。その中の同一曲とは、ちょっ

とミクスが違ってるみたいです。どうなのでしょうか。

続けたのはクリス・ステイプルトンの新作から「テネシー・ウイスキー」。ジョージ・ジョーンズがヒ

ットさせた有名曲ですね。ここのところ続けてお送りしている田舎男たちの歌

と同系列に並ぶ酒の歌です。

「テネシー・ウイスキー」とレイベルに刷り込んでいるのは、かの有名な、デュエイン・オール

マン御用達で、それを真似てかキース・リチャーズも呑んでいたジャック・ダニエルズです。

今の音の重さからすると、悪酔いしてるのかな。

クリス・ステイプルトンの新作からもう1曲聞きましょう。

「我が心のならず者州」。

 

M15.Outlaw State Of Mind(5’35”)Chris Stapleton

-C.Stapleton, R.Bowman, J.Salley-  Mercury   0602537577439

 

N  ローン・スター・ステイトというのはテキサスの事。州の旗に星がひとつだからなんだそう

です。ならず者州はどこなんでしょうか。「オン・マインド」とあるからには、北

鮮やISの事ではないでしょう。クリス・ステイプルトンの最新作は「渡世人」という

タイトルで、全編がこれら2曲と同じ響きに覆われています。ずしりと重く、起

伏に乏しい、単調な、それでいて妙な必然性で迫る演奏、そして吠えるよう

な、吐き出すような歌。先週末にこの新譜を流しながら掃除をしましたら、

あんまり作業が捗らなかった。単純な軽い肉体労働には、軽快で小気味よい

リズムの、そうサル—サなんかが最適ですね。

昨今のカントリ—音楽を聞いてますと、非常に人間的な表現、つまり生身の演奏

や発声が尊重されている思いが強くします。クリス・ステイプルトンの新作からも同じ

事を感じました。必要な音なんでしょう。とても立派な主張です。えらいぞ、

田舎野郎たち。

さて、ここで音声ファイルの再生は、一時停止。暫しユ—チュ—ブでお楽しみ下さい。

ムジ・ファイアバードさんが教えてくれたイーナ・フォルスマンが唄う「16トンズ」です。

 

M16.16 tons(2’17”)Ina Forsman

-M.Travis-


https://www.youtube.com/watch?v=T597Xqgwmkg

N  素晴らしいね。この周辺にあったイーナの実況映像も観ました。カッコいい。顔恐

い。ds., b., gtr., hca.の3匹のオッサンたちの影が薄くなってしまいますね。

先ほどの動画を観た某白人が「singing blues is not only for old men」とコ

メントを寄せてました。もちろんです。いつからブルーズは歳とった男たちだけの

ものになってしまったのでしょうか。北欧の、若い、墨の入った女の音楽で

もあるのです。そして、わたしたちにも、ブル—ズはずっと一緒でした。

 

M17.16トン(4’21”)憂歌団

-M.Travis, T.Ozeki-  TDK  TKCA-30169

 

N  ユーカダンで「16トンズ」でした。マール・トラヴィスの原作に比較的チュージツな訳詞は尾

関 隆。名古屋に住んでいたオゼキ・ブラザーズのお兄さんの方だったかな。一度

お会いした事があります。とても大人しい落ち着いた人でして、憂歌団は彼

らの影響を強く受けた、と勘太郎から聞いていたので、「こんな真面目な人が

あのワル集団に影響を・・・」と、信じられませんでした。

さて「16トンズ」には、それ以前にこんな素敵なカヴァがあります。

 

M18.16トン(3’12”)フランク永井  

-M.Travis, S.Ida-   ビクター VICL-41268/9

 

N  フランク永井の「16トンズ」、1956年頃の発表です。下層労働歌の傑作ですね。

寺岡真三による昭和庶民歌謡調の編曲も大変結構。進駐軍ジープの運転手から

基地回りの歌手に転じた、フランク永井の真心のこもった歌い回しが、今も新鮮

に聞こえます。英語詞も丁寧に唄われていまして、だいぶ前に某朝番組でテネシ

ー・アーニー・フォードのオリヂナル・ヒットが流れた時に、わたしは「あ、フランク永井には英

語だけで唄った別のヴァージョンもあったのか」と思い違いをした程です。

さて「16トンズ」、イーナの分も入れると合計48トンを積ませていただきました。

重かったでしょう。ではその報酬に13,800円、お支払いいたします。

 

M19.13,800円(3’27”)フランク永井

-F.Takada, I.Tone-   ビクター VICL-41268/9

 

N  18,300円、1950年代半ばの大学卒業就業者の平均的給与だったそうです。

歌の内容は、「16トンズ」続きなのでしょうか、日雇い肉体労働者が資格を取得

し、結婚して家庭を築き団欒で明日への勤労意欲を燃やすという「期待さる

人間像」が章を重ねて描かれています。その間、昇給はなかったみたいです。

64年頃かな、何かの雑誌で見た西郷輝彦の「一ヶ月のお小遣いが20,000

円」という事だったので、それを父親に話したら月給総額と勘違いしたらし

く「そのくらい貰える人は、相当だ」という答えでした。10年で1割くらい

しか上がってなかったんですね。その後、経済は急成長しました。あ、また

また余談でした。

ジャズ歌手として世に出たフランク永井には、このような庶民生活に主題を求め

た歌が多く、それとは反対側に位置する「有楽町」「ナイトクラブ」イメヂだけで語

ってはいけません。上方ものもいいんだよ。あ、また脱線。

それはお待たせいたしました。今朝のイーナ・フォルスマンは「ドント・ハートゥ・ミー・ナウ」。

 

M20.Don’t Hurt Me Now(4’34”)Ina Forsman

-unknown-  BSMF 2490

 

N21.Early Morning Time(3’01”)The Ward

-The Ward-  Vanguard  78456-2

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  イーナ・フォルスマンの「ドント・ハートゥ・ミー・ナウ」、これもいいでしょう。顔はホント恐い

ですよ。お化粧のせいだ、との説がありますけれど、動画のスッピンも優しくな

いなあ。遠くから見ていよう。

その次はロバート・ランドルフのセイクリッド・スティールをフィーチュアしたザ・ワ—ドの「ソーチョージ」。

今回の彼らのアルバム『ソール・フード』は充実してますよ。こんなエキサイトメントがある

んなら、毎週キョーカイへ通ってもいいですね。わたしは日曜日以外にゴスペルを聞

くのに何となく抵抗があるのですが、これなら悪魔の金曜日でもいいな。ま

だ魅力的なトラックがたくさんありますから、この後も紹介して行きましょう。

さて年明け早々、身近な音楽家の死で始まった2016年。おそらく今後もた

くさんの訃報が届くでしょう。これは仕方ない。誰でも限りある人生です。

だからその場面に接して悲しむより、残された作品をずっと聞き続ける事が、

何よりの供養なのではないでしょうか。音楽家にとっての「録音」とは、そ

の為の物でもあるでしょう。

もちろん死んでからではなくて、生きているうちに作品を、本人を愛す事

の方が、絶対に大切なのは言うまでもありません。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/0ca7caf00a6ea54ff1e5425833593c7783bf6004

ダウンロードパスワード:wrysxrrt

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、今年も続きます。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

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