カテゴリー : 2017年 1月

Awesome Rock【1/27 O.A.】Playlist

Awesome Rock【1/27 O.A.】Playlist

放送299回目!1月27日の番組は、

日本のメタルバンド=PHANTOM EXCALIVER特集!

メロディック・スピード・デスメタルという独自のジャンルを確立し、
新世代ラウドシーンにHeavy Metalバンドとして殴り込みをかけるオトコたち!
ファントム・エクスカリヴァー!

M01: On Hold  /  The xx

M02: Rooting for You  /  London Grammar

<コーナー: AwesomeRecommendation>

M03: 聖歌ZEUS  /  PHANTOM EXCALIVER

M04:鋼鉄の誓い  /  PHANTOM EXCALIVER

M05: METAL HEART  /  PHANTOM EXCALIVER

M06: 英雄  /  PHANTOM EXCALIVER

M07: MOTHER  /  EARTH          PHANTOM EXCALIVER

<コーナー: AwesomeRecommendation>終わり

M08: Who’s Cryin’ Now  /  Journey

おしまい♪

中央エフエム Awesome Rock
澤田修の完全監修番組。選曲、編集、トーク、全て担当!
毎週金曜日21時~21時半。再放送:毎週土曜日23時~

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/01/28

mb170128

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。暖かくして聞いてくれていますか。

本当に寒い日が続きました。ただよく考えると、50年程前はこのくらいの気

候だったんではないでしょうかね。もちろん暖房環境も貧弱でした。羽毛入

りの上着なんて、まだな普及してかったし、着物で過ごす人も居たわけです

から、体感上は、もっと寒かったかも。

わたしは瞬間湯沸かし器の導入時に「きっとこの利器はもう止められない

だろうな」という予感がしました。その通り、朝の洗顔時を除くと、今では

一年中使っています。人間の弱さですね。しかし文明の歴史は肉体的心理的

負担の軽減でもあります。うー、開始早々むつかしいぞ。

ではますます冷え込んで来る真冬の夜明けに相応しい音楽を聞きながら、

考えて下さい。

ジーノ・シツォンで「シング・ジーン」。

 

M01.Song Zin’(3’46”)Gino Sitson

Gino Sitson –  Buda/Universal  5709663

 

N  まだ一番電車も走っていません。外は寒気で凍り付いています。先週は、「ナ

ット・キング・凍る」というお便りを戴きました。その寒さをますます厳しくし

そうな響きでしたが、いかがでしょう。

ア—ティスト一人の音声多重録音で仕上げたアルバム『ボディ・アンド・ヴォイス』から、

「シング・ジーン」、ジーノ・シツォンでした。アカペラのコーラスを聞くと感じるのが、人間

の声というのは暗いな、という事です。皆さんは思い当たりませんか。シンセサイ

ザ—の肉声サムプルなどを聞くと、これはもう悲しいほど、いや怖いほど暗い響

きです。ですから声だけでアンサムブルを作ると、どうしても沈んだ印象の物にな

りが。ひとりでの多重となると相当な集中力を必要としますから、暗くなっ

て当たり前です。ボビ—・マクファリンは「心配するなよ、上手くやれよ」なんて、

よくあそこまで明るく唄えたな、と感心します。

このジーノも決して暗い表現をしようとしている訳ではないでしょうが、寒

い夜にひとりで聴き込んでいると、内省的になって来ます。逆に今の季節に

合っているのではないか、そんな気持ちでもう1曲。こんどは両手、両頬も使

っていますから、少し感じが違うかも知れません。

ジーノ・シツォンのひとり多重録音アルバム『ボディ・アンド・ヴォイス』から、

「トゥ・ハンズ、トゥ・チークス、ワン・マウス」。

 

N02.Two Hands, Two Cheeks, One Mouth(3’30”)Gino Sitson

– Gino Sitson –  Buda/Universal  5709663

 

M03.Con Alma(4’43”)Simona Parrinello

-D.Gillespie-  Dot Music DT9049

 

N  ジーノ・シツォンの「トゥ・ハンズ、トゥ・チークス、ワン・マウス」に続けました。シモーナ・パリネ

ロという女性歌手の「コン・アルマ」でした。名前から推測するとイタリアの人のよう

ですね。録音もイタリア中部のペル−ジァで行なわれていますし。「コン・アルマ」は、

ディジ・ギレスピの作った器楽曲。わたしはレイ・ブライアントでよく聞いていました。

ヴォ—カル物とは初めての出逢いで、それがこのシモーナのアルバムを手に入れた動機で

す。スキャットで仕上げていましたね。

先々週、先週とアメリカ以外のアメリカ音楽をまとめて聞きました。それで今朝は

ジャズか、と先回りした方もいらっしゃるでしょうが、ジャズはもう世界共通

の音楽になっている、とわたしは考えます。ヴォ—カルも含めてね。このアルバムも、

これ以外は極めてオ—ソドックスなジャズのスタイルで、ちょっとハラホロしましたが、そ

の位にジャズという形、響きは確立しているのでしょう。それを思い知った1

枚です。

ただし最近は、特に女性に多いんですが、いわゆる「ヴォ—カル」の領域を飛

び出した、民族音楽の香りを漂わせながら独自の表現法を披露する歌い手が

多くいて、彼女たちは結局「ジャズ」の世界に入れられている現象が見受けら

れます。

次に聞いて貰うカレン・ダルトンは年代からして、フォークとかシンガ・ソングライターの仲

間に入っていますが、もし今の時代に登場していたら、きっとそういった領

域をクロスオーヴァした存在として注目を集めたでしょう。

今朝はティム・ハーディンの作品を唄います。

彼らしい歌ですね、「ハウ・ディド・ザ・フィーリング・フィール・トゥ・ユー」。

 

M04.How Did The Feeling Feel To You

-T.Hardin-  megaphone CDMEGA 10

N  「ハウ・ディド・ザ・フィーリング・フィール・ユー」、カレン・ダルトンでした。この空間浮遊

唱法は、誰も真似出来ませんね。一緒に演奏している人たちは、どこを唄っ

てるのか分るのでしょうか。気になります。

わたしが彼女の唄全体からいつも感じるのは、ブル—ズ感覚です。ブル—ズ的

な、といった方がいいかもしれません。特定の形ではなく、ブル—ズ音楽の持

つ漠然とした自由さと同じ物が漂っているのです。彼女がそれを意識してい

たかどうかはわかりませんが。

昨年の「幻」モーニン・ブルーズ幸薄歌合戦で大好評を博した、マドリーン・ペルーに

も同じような物を感じます。こちらはもう少ししっかりした形を作って、相

方たちとの確かな会話を聞かせてくれます。

「ジャズ」のところに置かれていますけれど、ちっともジャズ的ではなく、

「21世紀のビリー・ホリデイ」という呼び名をとても陳腐に感じたのは、わたしだ

けではないでしょう。今週あるDVD売り場で目にした国内の安易なオールディー

ズ・グル—プに「日本のエルヴィス」と書かれていたのと同じ位に貧困な発想です。

では、マドリーン・ペルーのアルバム『世俗的宗教歌』から、トラディショナル歌曲です。

正に今のタイミングで、「トラムピン」。

 

M05.Trampin’(3’01”)Madeleine Peyroux

-trd. Arr. M. Peyroux-  Impulse!/Universal  060255701704

 

M06.Jambalaya(On The Bayou)(2’43”)Brenda Lee

-H.Williams-  Not Now Music NOT3CD240

 

N  「芸術」から「大衆芸能」へと急に雰囲気が変わりました。先週突然のブレ

ンダ・リ—は皆様を驚かしてしまったようで、全く反応がありませんでした。年

末から年明けは沢山お便りを戴いていたので、余計に淋しかったです。単独

ボ—ソ—だったかな。「バイロン・リー」との関連をガクが教えてくれただけです。バイ

ロンはリ—家に生まれ育ったんじゃなくて、ブレンダ・リ—からだったのか。

それはともかく、あの手の女性歌手はこの「幻」では未だ登場した事がな

かったからでしょうか、「沈黙」でした。今朝はまず、デビュ—曲の「ジャムバラヤ」、

そして愛称になった「ダイナマイト娘」の由来であるこの歌です。

発破炸裂、「ダイナマイト」。

 

M07.Dynamite(2’03”)Brenda Lee

-Garison-  Not Now Music NOT3CD240

 

N  いかがでしょうか。「ジャムバラヤ」、「ダイナマイト」、共に外れたセンスのアレンヂが印象

的でした。前のが12歳、後のは13歳の時の吹き込みです。正に小型ダイナマイ

トの爆発、凄いパンチ力です。先週お話した大先輩のお言葉も「御意」と従うし

かないでしょう。ちょっと気になったのは、ブレンダはいつでもどこでもこう

いう殺傷能力を要求されるのに困惑したのでないか、という部分です。やは

り十代半ばでデビュ—した都はるみの「唸り」と同じですね。大衆は昔から残

酷なのです。

さて、次も「幻」モ—ニン・ブルーズでは珍しい種類の音楽かも知れません。

 

M08.Hey Girl(2’17”)Small Faces

-Marriott, Lane-  London 820 766-2

 

N  すぐに分った人もいるでしょう。スモール・フェイシズの「ヘイ、ガール」です。1966

年の作品。非常にモッド風ですね。これ1曲でまた雰囲気がガラリと変わってし

まいました。このモッドと云うのが、わたしは未だによく分らないままです。

同時代に日本に紹介された風俗は、花柄のシャツに細身のパンツ、八枚天のキャスケット

という軟派なものだったようですが、スモール・フェイシズの写真はそんなヤワではな

いですね。活動的な細身の三ツボタンのジャケットをきちんと着こなしています。色

使いがそれまでと違って、ちょっと鮮やかかな。でも充分に労働者的です。

ザ・フーとスモール・フェイシズがモッドたち、つまりモッズの音楽的な英雄だった、と

いうのも理解し難いですね。だって、両者はぜんぜん性格が違っています。

これまでスティーヴ・マリオット個人は何回も登場しましたけれど、グループとしてスモ

ール・フェイシズに光を当てた事はなかった筈です。実は突如スモール・フェイシズのアルバム

が大量に手に入ったのですよ。今朝はその一部を聞いて貰いましょう。

次も彼ら、と言いますかスモール・フェイシズの中心人物スティーヴ・マリオットとロニー・レイン

の作品です。

「マイ・ウェイ・オヴ・ギヴィング」。

 

M09.My Way Of Giving(2’18”)Small Faces

-Marriott, Lane-  テイチク 25CP19

 

N  スモール・フェイシズの「マイ・ウェイ・オヴ・リヴィング」、これもカッコいいですね。わたし

はロッド・ステュアートが唄ってるのを聞いて好きになりました。ロッドも「ロッド・ザ・

モッド・ステュアート」と云う異名を取っていたといいます。やはりモッドの代表格な

のでしょうか。

スティーヴ・マリオットとロッドの唄にはたくさんの共通点があります。まず声が似て

ますね。こういう声で唄の上手いイギリス人がR&Bに痺れるとこうなる、とい

う典型とも言えます。もうちょっと大人を感じさせるジョ−・コッカー派の説得力

とは異なって、瞬間的なスピ—ド感に溢れています。

次は彼らの数少ないヒット曲ですね、「シャラララ・リー」。

 

M10.Sha-La-La-La-Lee(2’49”) Small Faces

-Lynch, Shuman-  London 820 572-2

 

N  スモール・フェイシズ「シャラララ・リー」、1965年のヒットでした。「ラストダンスは私と」のモ

—ト・シュ—マンが作者というのが意外でした。それが理由でしょうか、よく出来た

曲です。

こういうグループサウンズ的な側面もスモール・フェイシズにはあります。と言いますか、

この時代のビ—ト・グループはみんな同じですね。それとR&Bや硬派ロックンロ—ルを

吸収してロック確立に辿り着くまでの端境期にあったのが、ひょっとしたらモッド、

こんなわたしなりの解釈が、いま浮かび上がりました。どうでしょうか。

次は意外な、というか私は知らなかったカヴァです。

「涙の街角」。

 

M11.Runawy(2’48”)Small Faces

-Shannon, Crook-  London 820 766-2

 

N  スモール・フェイシズの「涙の街角」、こんなのもリパトゥワにしてたんですね。67年

の録音です。日本ではデル・シャノン版がロカビリー時代に大当たりしただけですが、

イギリスではずっと聞かれ続けてたんでしょうかね。70年代にボニー・レイットが、当

時メムバに小原礼もいたバンドでカヴァしてました。シングルにもなったな。

スティーヴはとても荒っぽくキメていました。自暴自棄的な表情が歌に相応しか

ったですね。アレンヂ、演奏にも既に本格的なロックが感じられます。こういう上

手なカヴァをしながら、オリヂナルを磨いて行ったんでしょう。

次もスティーヴ・マリオットとロニー・レインの作品です。

「アンダスタンディング」。

 

M12.Understandig(3’21”) Small Faces

-Marriott, Lane-  London 820 766-2

 

N  スティーヴ・ザ・モッド・マリオット、カッコいいですね。60年代半ばには、ロンドンではも

うギタ—・ソロ偏重で荒々しい表現歓迎のハ—ド・ロックが動き始めていました。その

中で、堂々と唄で勝負する姿が美しい。日本にはあまり紹介されていません

でしたが、人気も相当ありました。でもスティーヴは女子供に騒がれるのが嫌で、

グループを飛び出したのもそれが理由だった、と言います。

これにはわたしの疑問があります。まず、女子供に騒がれるのが、なぜ嫌

なのかという点です。人気稼業なんだからいいじゃないか、わたしはこう思

いますけれどね。「キャー」なんて言われたら、ウチョーテンになってしまいますよ、

ワツシは。それにスモール・フェイシズを飛び出して組んだ相手がピーター・フラムプトンだった

事。ハ—ドというグル—プにいたピ—タ—はより美形で、女子供が騒ぎ出すのは火を

見るより明かだった筈です。これも分らない。スティーヴの謎、ふたつでした。

さて今回こんなカヴァにも出会いました。イギリスでのモ—タウン人気を物語ります。

「ユーヴ・リアリ・ガタ・ホーロン・ミー」。

 

M13.You’ve Really Got a Hold On Me(3’21”)Small Faces

-W.Robinson-  London 820 766-2

 

N  部分的にジェイムズ・ブラウン調でしたね、「ユーヴ・リアリ・ガタ・ホーロン・ミー」。

そして、これもロッド・ステュアートと重なるカヴァです。やり方も殆ど同じ。

サム・クックの「シェイク」。

 

M14.Shake(2’47”)Small Faces

-S.Cooke-  London 820 572-2

 

M15.Sugar Dumpling(2’44”)Valentinos

-S.Cooke-  Abkco  8259-2

 

N  サム・クックのカヴァと言えば、先日三鷹のライヴハウスで教えてもらった1枚のCD

からお届けしましした、「シュガー・ダムプリング」、ボビ−・ヲマックのヴァレンティノーズで

す。これは今まで未発表でした。2014年に出たヴァレンティノーズの『コムプリート・サー・

コレクッション』です。ヴァレンティノーズをわたしはだいぶ前に出ていた、サム・クックが興し

た自身のレイベル、サーのコムピ盤で断片的に聞いただけでしたので、こうやってま

とめた盤は有り難い。教えてもらった次の日には発注していました。

次もこのテイクは未発表でした。やはりサム・クックの作品です。

「悲しき田舎暮らし」。

 

M16.Tired Of Livin’ In The Country(2’24”)Valentinos

-S.Cooke-  Abkco  8259-2

 

N  ヴァレンティノーズで「タイアード・オヴ・リヴィング・イン・ザ・カントリー」でした。アル・グリ

ーンもサム・クック好きでしたから、「悲しきひとり暮らし」は、ここからの閃きだ

ったのかも知れませんね。

ヴァレンティノーズの前身はヲマック・ブラザーズと名乗る家族で唄うシンシナティのグループで

した。巡業中のサムの目に止まりサ—に迎えられ、当初はゴスペルの吹き込みをし

ていました。この完全仕様アルバムには、その時代の録音も4曲が収録されてい

ます。

ではそこから「イエールド・ノット・トゥ・テムプテイション」、ヲマック・ブラザーズです。

 

M17.Yield Not To Temptation(2’26”)Womack Brothers

-B.Womack-  Abkco  8259-2

 

M18.Lookin’ For Love(2’33”)Valentinos

-J.W.Alexander, A.Samuels-  Abkco  8259-2

 

N  ヲマック・ブラザーズからヴァレンティノーズのヒット曲、「ルッキン・フォ−・ラヴ」でした。これ

は名曲ですね。ボビ—が一人になってもカヴァしただけでなく、アルバム表題曲に

したのも頷けます。62年かあ。その頃に聞けていた人たちは、幸せですね。

さてヴァレンティノーズの「イッツ・オール・オーヴァ、ナウ」はザ・ローリング・ストーンズの全英

第一位獲得曲の第一号として有名ですが、それ以前にイギリスでも発売されてい

たオリヂナル・ヴァージョン、つまりこのヴァレンティノーズ盤を当時のストーンズのマネジャだっ

たアンドルー・オールダムが買い占めて、自分たちの盤のチャート上昇を有利にした、と

いう説があります。今回の完全仕様盤も発売がアブコ、悪名高きアラン・クラインのレイ

ベルです。アンドル—もこれには一枚噛んでるような気がしますね。音楽の世界に

はこういうキナ臭さが付き物ですが、なんとなく嫌だなあ・・・。

ではヴァレンティノーズの「イッツ・オール・オーヴァ、ナウ」を気持ち良く聞きましょう。

 

M19.It’s All Over Now(2’55”)Valentinos

-B.&S.Womack-  Abkco  8259-2

 

M20.You Can Make It If You Try(2’27”)Johnny Adams

-T.Jarrett-  Ace CDCHD1424

 

N  ロ—リング・スト—ンズがカヴァした地味なR&Bの代表として、「ユ—・キャン・メイキット・

イフュー・トライ」があります。スト—ンズ、と言いますかマイケル・フィリップ・ジャガ−は、

ジーン・アリスンのヴァ—ジョンで聞いていたようですが、ジョニ—・アダムスがこんな素敵

に唄っていました。彼の『ザ・コムプリート・リック・アンド・ロン・シングルズ1959-1964』

からです。彼がニュー・オーリーンズのリックとロンに吹き込んだシングル盤のA/B面24曲集、

2015年の発売でした。これも同じ三鷹のライヴハウスで収集した情報によるモノで

す。

ジョニ—・アダムスはお聞きのように綺麗な節をもった歌い手で、バラードにはカント

リ—の味わいが色濃く出ます。強烈な刺激は持ち合わせていませんが、なんと

も心休まる唄を聞かせてくれます。その魅力に対して、大きな成功を収めた

訳ではありません。それは彼がニュー・オーリーンズを出なかった事も影響していた

カモ。

そんな彼の若い時代を想像させてくれるには充分の内容を持った『ザ・コムプ

リート・リック・アンド・ロン・シングルズ1959-1964』です。

では珍しくノヴェルティ調、これはリトル・ウイリー・ジョンの「フィーヴァ」のパロディでし

ょう。

「オ−、ソー・ナイス」。

 

M21.Ooh So Nice(2’36”)Johnny Adams

-F.Kaz, C.Morgan-  Ace CDCHD1424

 

M22.I Won’t Cry(2’24”)Johnny Adams

-D.L.Bostrie, J.Ruffino-  Ace CDCHD1424

 

N  ジョニ—・アダムス、「オ−、ソー・ナイス」に続いては、ヒットしなかった名曲の「私は泣

かない」でした。こんな題名の映画がなかったかな。オ—スチンのダグ・サームが自

分のお気に入りばかりをカヴァしたアルバム『ジュ—クボックス・ミュージック』の冒頭に持

って来ていた1曲です。いい味ですね。ダグの気持ちが分ります。

ライヴ・ショウの休憩時間にこれが流れてね。わたしはすぐにカウンタ—に駆け寄っ

て「今の、ジョニー・アダムスか」と尋ねて、他にもいろいろ教えてもらいました。

当の実演はR&Bとは全く関係のない音楽でしたが、いや、行って良かったな。

さて・・・、

 

M23.Mad Dog Blues(3’25”) ドン・コヴェイ

– D.Covay –  セピア・トーン  Stone11

 

N  ローリング・ストーンズの『ブル—・アンド・ロンサム』、早くも未発表トラックが発売されまし

た。今の「マッド・ドッグ・ブルーズ」がそれで・・・はありません。正確には

ドン・コヴェイの作品です。唄がミックにそっくりでしょう。ドンはアトランティックで「マーシ

ー、マーシ−」や「シーソー」などのヒットを持つ唄い手。独特なノヴェルティ味を持っていて

ソングライター、プロデューサーとしても仕事を残しています。でも相当なやんちゃ坊主

で、メムフィスのスタックスに預けられていた時は悪戯が過ぎて、ニュ—ヨ—クに連れ戻され

たという余談も残っています。

彼が69年に真面目にブルーズに取り組む目的で組んだ、とされるジェファスン・

レモン・ブルーズ・バンドの『ザ・ハウス・オヴ・ブル—ライト』という非常に珍しいLPが

CDになって出ていました。これは三鷹情報ではありません。

スト—ンズの「マーシー、マーシー」はかなりよく出来たカヴァだとわたしは評価してい

ますが、そこでミックはドンそっくりに唄っています。もともと声の質が似てい

るのと、微妙な表情付けで勝負する点が共通していました。

例によってわたしの推測ですが、このLPは、ロック・バンドの頂点に昇り詰め

たスト—ンズ、そしてミック・ジャガ—から多くのヒントを得て、持ち前の企画力をフルに

発揮して造り上げたブル—ズ・アルバム、と言えます。もちろん彼の事ですから全

曲、一筋縄では行きません。簡単には分らないヒネリがたくさんあるようです。

次はジョン・ハモンド・ジュニアとの共作。

「ステディ・ローラー」。

 

M24.Steady Roller(3’33”)ドン・コヴェイ

-D.Covay, J.Hammond jr.-  セピア・トーンStone11

 

N  タイトルからして「ステディ・ローリン・マン」のパロディですね。ドン・コヴェイで「ステディ・

ローラー」でした。ジョン・ハモンド・ジュニアがドブロを弾いているのかなあ。はっきり

したクレジットはありません。

さてこの『ザ・ハウス・オヴ・ブル—ライト』、表題曲は二つの仕様が収められてい

て、第一部は7分半の長さ。複雑な楽器構成で、ややサイケ調です。今朝は短い

方、第二部をお聞き頂きましょう。同名のカントリ—スウィングの名曲とは何も関係が

ありませんので、ご注意下さい。アルバム『ザ・ハウス・オヴ・ブル—ライト』は、この

ようにドンの異才が随所に冴え渡った1枚です。

では「ザ・ハウス・オヴ・ブル—ライト、パートII」。

 

M25.House Of Blue Lights pt.2(4’04”) ドン・コヴェイ

-D.Covay –  セピア・トーン Stone11

 

M26.Bouldwe Birmingham(4’01”)Emmylou Harris

-B.Danoff, E.Harris-  Rounder/Universal  0888072009103

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  ドン・コヴェイの真面目なブルーズ・アルバムの表題曲「ザ・ハウス・オヴ・ブル—ライト、パ

ートII」に続けましたのは、エミルー・ハリスの実況録音盤『ザ・ライフ・アンド・ソングズ・

オヴ・エミル—・ハリス』から、最後の大団円「ボルドー・トゥ・バーミングハム」です。

写真が投稿されているのでご存知でしょうが、今週音楽雑誌エリスの新年会が

ありまして、いつもながらのソーソーたる執筆者の方々が参列いたしました。そ

こで、ごく素直に「ドン・ヲズって、ベイス弾くの」と尋ねたら、「そんな事もし

らないのか」と、もう非難の嵐。それぞれの方から丁寧にベイス奏者ドン・ヲズ

を教えて頂きました。この実演でずっとベイスを弾いているのも彼ドン・ヲズ自

身でした。改めてお伝えいたします。あ、みんなとっくに知ってましたね。

75ドルの請求書については、済みません、今週はなにも新情報がありませ

ん。雑誌アンカットの記事をじっくりと読んだくらいです。そこでリック・ブラウンが叩

いているのは「搬送用の合板木枠」だと説明があった事だけを、今朝はお伝

えしておきます。来週はアルバムを聞ける予定です。待っててね。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/07104cb97ee0c46e9c5420b4e50fcf1997bf1e5d

ダウンロードパスワード 430250ks

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

 

Awesome Rock【1/20 O.A.】Playlist

Awesome Rock【1/20 O.A.】Playlist

放送298回目!1月20日の番組は、

THE XX(ザ・エックス・エックス)特集!

1月13日発売、3作目となる『I See You』、過去最高傑作です。


最新作より”On Hold”

デビュー作からの名曲

M01: Hey Now  /  London Grammar

M02: Rooting for You  /  London Grammar

<コーナー: AwesomeRecommendation>

M03: Islands  /  The xx

M04: Lips  /  The xx

M05: Performance  /  The xx

M06: On Hold  /  The xx

<コーナー: AwesomeRecommendation>終わり

M07: …So We Can Die Happy  /  Anaal Nathrakh ※昨年の澤田修が選ぶベストアルバムです

おしまい♪

中央エフエム Awesome Rock
澤田修の完全監修番組。選曲、編集、トーク、全て担当!
毎週金曜日21時~21時半。再放送:毎週土曜日23時~

 


名盤です。過去最高にキャッチーです!


THE XXでは刺激が足らないというあなたにはコチラ!
澤田が選んだ2016年ベストアルバム!

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/01/21

mb170121

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。寒かったねー先週、ホント。昨日の雪

予報はなんとかやり過ごせたようで、ひと安心ですか。アイス冷巣ですね。ショージ

ョ・フロム・ノ—ス・カントリー、冴えてるね。寒気のお陰ですか。え、何、カンキーないっ

て、失礼しました。

若い頃は「夏は暑い方がいい、冬は寒い方がいい」何てイキがっていたワツシも

すっかり穏やかで暖かい気候が好みになっています。ただ冬はコ—トが必要な位

までは寒くて、それで歩いても汗をかかない程度が・・・あ、こういう贅沢

はいけませんね。バチが当たります。

奮闘虚しく荒ワツシは負け越し。でも大丈夫だよ。まーだまだ行ける。玉ワツシ

は三賞に残るかな。両ワツシ関が今場所を盛り上げてくれました。皆様のご声援

に多謝。

トラムプも「無事」大統領に就任できました。さあ合衆国どうなるか。

ジミー・クリフで聞いて下さい。

「シップス・イズ・セイリング」。

 

M01.Ship Is Sailing(3’06”)Jimmy Cliff  nyahbinghi repeater

Ume/Universal  0602537081004

 

N  先日、久しぶりにレゲを連続して聞く機会がありまして、やっぱりいいなあ、

と実感する事しきりでした。レコ—ド店へ行く度に最新の盤も見ていますが、欲

しくなる物にはここ暫く出会っていません。そこで、2012年のジミー・クリフを

お届けしました。わたしにとっては充分に新しい音楽です。

この盤のクレジットには、各楽器担当者の最後に「ジミー・クリフ・・・ナイヤビンギ・

リピーター」とあります。ジャマイカの隠遁者野外合同即興演奏形態継承者ですか。

ナイヤビンギには、わたしも大いに惹かれるところです。その大御所と言えば、

ザ・ミスティック・レヴェレイション・オ—ヴ・ラスタファーライですね。こちらも久し振りです。

聞きましょう。「エティオピアン・セレネイド」。

 

M02.Ethiopian Serenade(4’20”)The Mystic Revelation Of Rastafari

-copyright control-  Recording Arts  R2CD40-41

 

M03.Boogie On Reggae Woman(4’58”)Bart Brandje

-S.Wonder- Woodward Avenue Records  nonumber

 

N  ザ・ミスティック・レヴェレイション・オヴ・ラスタファーライに続けたのは、スティーヴィー・ワンダーの

「ブーギ−・レゲ・ヲーマン」。バート・ブランデュスのカヴァです。これが入っているアルバム

『リール・ライフ』はロスアンジェルスの録音ですが、バ—ト自身はオランダの人。「ずっと昔か

らの憧れミュ—ジシャンたちと一緒に出来てとても嬉しい」という本人のコメントが添

えられていて、長年の夢を叶えた作品だという事が分ります。

先週フランスのロックンロ—ルを紹介した折にヨ—ロッパの音楽事情が気になりまして、

以前にも聞いて貰ったバートのアルバムを引っ張り出して来ました。

もう1曲聞いて下さい。

書き下ろし曲でしょうか。「フォーリン・イン・ラーヴ・アゲイン」。

 

M04.Fallin’ In Love Again(3’34”)Bart Brandje

-P.Brown, D.Reynosa- Woodward Avenue Records  nonumber

 

N  録音時に現地のテレビに出演し、そこでは「ザ・ヴォイス・オーヴ・ホ—ンド」なんて

紹介されたそうです。オランダというと国土の殆どが海抜以下で、風車とチュ—リップ、

そして薬物合法の国というイメヂが安易に浮かんで来ます。音楽と言えば・・・、

確か「ヴィーナス」のショッキング・ブルーがこの国の人たちでしたね。他にわたしが思

い当たるのは、ハーマン・ブルードという歌い手です。オランダのジョー・コカーみたいな

感じで、オーティス・レディングの影響がモロに感じられる唄でした。好きだったな。

ずっと昔にキングからレコ—ドが出ていました。

今のバートはおそらく自主的な音楽活動を続けているのでしょう。彼にも非

常にアメリカ音楽の影響は強いですね。特にスティーヴィー節が随所から聞こえて来ま

す。アルバムは全曲英語で唄われていて、演奏陣も西海岸のスタジオ・メン。30年程

前のアメリカのシンガー=ソングライター作品のような響きですね。特に阿蘭陀を感じさせ

るところはありません。敢えて探せば、ジャケットの木製の自転車に乗っている

写真くらいかな。

彼の地ではこういう音楽が一般的に聞かれているのでしょうか。実情をも

う少し知りたいですね。

さて先週はフランスのロックンロ—ルでしたが、今朝はご当地のソウル・シンガーに登場して

いただきましょう。

ベン・ロ—ンコー・ソウルです。

ニーナ・シモンの作品を唄います。「フィーリン・グーッド」。

 

M05.Feeling Good(4’13”)Ben L’oncle Soul

-N.Simone-  EnChante/Blue Note  RBCP-3147

 

N  昨年秋にブルーノート東京で実演を行なったベン・ロ—ンコー・ソウルの「フィーリン・グーッド」

でした。かなりニ—ナの歌を研究していたのが分ります。いい雰囲気でした。彼

は唄や数少ない写真から判断する限りでは、かなりユ—モアを理解する男のよう

です。先のオランダ人がとても律儀な印象だったのに較べると、「粋」な部分が

感じられますね。名前にも「ソウル」と入れている位ですからR&Bが好きだと

いうのが分ります。フランス人の黒人音楽好きはよく知られていますが、フランス人

でソウル・シンガーというのが成立するのかどうか、このアルバム1枚ではちょっと測

りかねますが、大いに興味ある所です。

ではベン・ロ—ンコー・ソウル、今度はアル・グリーンのカヴァです。

「シムプリー・ビューティフォー」。

 

M06.Simply Beautiful(3’41”)Ben L’oncle Soul

-A.Green-  EnChante/Blue Note  RBCP-3147

 

M07.Let’s Stay Together(6’25”)Jeff Cascaro

-A.Green-  herzog records 901026 HER

 

N  ベン・ロ—ンコー・ソウルの「シムプリー・ビューティフォー」に続いて、同じくアル・グリーンのナム

バをカヴァした、こちらはドイツの歌い手です。ジェフ・カスカロ、というのかな。い

かにもゲルマン人的な顔写真をジャケットにした新譜『ディ・アザ−・マン』から「レッツ・

ステイ・トゥゲザー」でした。6分を超える長尺ですが、あまり長さを感じさせませ

ん。控え目なアレンヂが効果的です。薄く被せているバック・グラウンド・コーラスがい

いですね。先のベン・ロ—ンコー・ソウルの「シムプリー・ビューティフォー」が、かなりオリヂナル

のアル・グリーンの唄、ハイ・サウンドを意識していたのに較べると、こちらは独自の

響きを持っています。押し付けがましさも皆無で、これをドイツ的でない、と

したら偏見でしょうか。

レコ—ド店頭で「ドイツのソウル・シンガー」と紹介されていたので興味が沸きました。

やはりドイツ人でソウル・シンガーというのが成立するのか、という点で聞いてみま

した。果たして・・・・。

次は自分自身の事を唄っているのかも知れません

「ル—ツ」。

 

M08.Roots(4’57”)Jeff Cascaro

-A.Green-  herzog records 901026 HER

 

N  「ル—ツ」、ジェフ・カスカロでした。実に落ち着きのあるリズムです。「レッツ・ステイ・トゥ

ゲザー」よりこちらの方がハイ・サウンド的ですね。瞬間的に「ラーヴ・アンド・ハピネス」

を思い浮かべていました。このアルバムは全篇ペテル・ルーブルという一人のドラマーが

叩いています。彼のビ—トがいいですね。収録曲は全て英語で綴られ、英文歌

詞カ—ド付きです。

ここまでの欧州男性三人は、いずれも40歳を超えた年齢層と見受けられ、

ここまでにソウル・ミュージックを含んだ豊富なキャリアを積んで来たという履歴が伝わ

って来るような唄が聞けました。

では、若い女性はどうか。ちょうど新譜で見つけました。彼女もドイツのソウル・

シンガーという形容でジェフ・カスカロの隣に並んでいました。ミウという女性です。

まず軽いファンク調で聞いて貰いましょう。

「ビター・ソウル・アンド・ブルーアイド・ハート」。

 

M09.Bitter Soul & Blue-eyed Heart(4’19”)Miu

-Miu-   herzog records/BBQ  901050JP

 

N  「ビター・ソウル・アンド・ブルーアイド・ハート」、ミウでした。この程度でしたら、極め

て一般的な唄い手と言える範疇でしょうか。現時点でアメリカのソウル・ミュ—ジックと

無縁の大衆軽音楽家は殆ど居ないでしょうからね。黒人音楽は限りなく泥臭

い反面、高度に洗練された感覚を追い求める傾向も合わせ持っていて、彼ら

の正確な音感、ビ—ト感、表現技術がそれを可能にしてきた歴史があります。

それは国境人種を超えた憧れの対象でもあり、音楽を志す者ならば避けては

通れない存在です。

ドイツの若き女性歌手ミウも、その辺は充分に認識しているでしょうが、だか

らといってベッタリ真似しようとせずに、最終的には自分自身の表現を心がけて

いる点に、わたしは好感を持ちました。

もう1曲行きましょう。60年代の南部のバラッド・スタイルを借りて唄います。

「自滅型のあなたに」。

 

M10.Ms Selfdestructive(4’56”)Miu

-Miu-   herzog records/BBQ  901050JP

 

N  メイヴィス・ステイプルの最新盤に入っていた「キリストさん、ゆっくりお休みよ」のよ

うに、友達に助けを差し伸べています。両者の関係はあまり上手く行ってな

いようですが。「ミス・セルフディストラクティヴ」、ドイツのソウル・シンガー、ミウでした。いわ

ゆるソウルを唄う声ではないですね。神経質なほどの繊細さを感じます。彼女を

リオン・ブリヂーズなどの流れと同じに捉えて、現代ヴィンテーヂ・ソウル派とする見方

もあるようですが、わたしには、その種の流れとは別の、より幅広い一般性

をもった唄い手として聞こえました。自作の詞曲で勝負している傾向もあり

ますね。

先ほども言いましたように、黒人以外の人間がソウル・ミュージックに憧れを持つ

のは極く当たり前の事です。問題はそれからで、その純な気持ちをどう自身

の個性と繫ぎ合わせるかが重要です。例えばアイルランドのヴァン・モリスン、彼の音楽

もソウル・ミュージックと深い関係にありますが、全く独立したオリヂナルな音楽の世界

を創造しています。ここまで紹介して来た人たちにも、そこまでやって欲し

いですね。

言葉の問題も大きいでしょう。ここまでの歌はオランダ人もフランス人もドイツ人も

それぞれの母国語ではなく英語でした。この辺どうなのかなあ。わたし自身

の中でもまだ解決出来ていないのですが、ソウル・ミュージックと言うからには言語

表現が非常に重要ですから、これからも考えて行きたい一項目です。

こんな事を考えるきっかけになったのは、例のブルーズ・シスターズの実況盤で

した。ドイツでブルーズやR&Bの実演が、スウェ—デン人、北米黒人、カナダ人によっ

て行なわれて、歌はもちろん進行もすべて英語で「ダンケシェーン」のひと言もな

い。バンドはスウェ—デン人、それをドイツ人が楽しんでいる・・・、よく考えると

不思議な光景と映りませんか。決してブルーズ、R&Bの全宇宙に訴える魅力を

否定しているのではないのですけれども。

さてそれでは、そのブルーズ・シスターズ、今朝はアンコール最後の1曲です。ベイスと

ドラムスのソロがいいですよ。

B.B.キングの十八番、ご存知「ロック・ミー、ベイビ−」。

 

M11.Rock Me Baby(5’28”)Blues Sisters

-J.Bihari, R.B.King-  BSMF 2542

 

M12.Just Out Of Reach(2’51”)Brenda Lee

-Stewart-  Not Now Music NOT3CD240

 

N  興奮冷めやらぬドイツはニュンベルクのクラブ・ヒルシェです。お待たせしました、この

実況録音盤は来週の金曜日に発売となります。DVD付です。ぜひお求め下さ

い。

その後に続いた「ジャスト・アウト・オヴ・リーチ」、ソロモン・バークの熱唱で有名なこの

歌、いま唄っていたのはブレンダ・リーです。先週はコニー、今週がブレンダ。「幻」

は本格的なオールディーズ番組になって来たのでしょうか・・・。

実は昨年末にブルーズやR&B通の大先輩たちと会う機会がありまして、そこ

で女性歌手の話が盛り上がり、何かの拍子にわたしが「弘田三枝子の方が同

時代の白人歌手よりパンチがあった」というような発言をしました。

すると大先輩のひとりが「君はブレンダ・リーを聞いた事あるか」と訊いて来

ました。わたしが「いやあ、彼女よりはミコのほうが」と反論したら、「ブレンダ・

リ—は『この世の果てまで』なんかじゃダメなんだよ」と軽くいなされ、彼は他

の先輩たちとブレンダが如何にカッコ良かったかを話し始めたのです。

そこに追いて行けなかった悔しさから、2017年も明けて早々、彼女の3枚

組を入手しました。昨今の価格破壊CDはこういう時に、大いに助かります。

他にオリヂナルLPをすべてまとめた箱物もありましたが、今回は魅力的なカヴ

ァが並んだノット・ナウ・ミュージックの編集物です。そこで出会って、感銘を受けた1

曲が、今の「ジャスト・アウト・オヴ・リーチ」だったのです。

いいでしょう、とても。確かに「この世の果てまで」とは違います。この

他にもR&Bのカヴァがたくさんあって、それをちゃんと咀嚼している彼女の才

能には脱帽、起立、礼なのです。もちろんR&B歌手としてではなく少女ポピ

ュラー歌手ですから、本筋では十代の恋の甘辛さに終始してますが、それだけで

は済まない人生観を既に歌で持ってるんですね。

続いての原曲は、供に恐ろしく唄の上手な先輩たちが唄っていた決定的な

ものです。果たしてブレンダは・・・。では続けてどうぞ。

 

M13.Hallejuah, I Love Him So(2’22”)Brenda Lee

-R.Charles-  Not Now Music NOT3CD240

 

M14.Only You(And You Alone)(2’52”)Brenda Lee

-Rand, Ram-  Not Now Music NOT3CD240

 

N  レイ・チャ—ルズの「ハレルヤ・アイ・ラヴ・ハー・ソウ」を「アイ・ラヴ・ヒム」に替えて、そし

て希代のハイトーン・シンガー、トニー・ウイリアムズの決定的名唱「オンリー・ユウ」、ブレンダ・リ—

でした。圧倒的な声量。絶対のタイミング感覚、音程の確かさ、そして気持ち次

第で自由に唄い変えて行く高度な技巧。わたしは今まで知らなかったなあ。

この時代の、特に「オールディーズ」に属するポピュラ−・シンガ—の歌は、すぐ似た

ようなパタンが出て来たり、お決まりの定番が続いたりで、LP1枚だけで飽き

飽きする事が多いのですが、この3枚組は全75曲を通しても退屈しません。

それは何よりも、先ほど述べた彼女の卓越した才能で支えられているのです

が、選曲の良さもかなり影響しているのも事実。

ここまでは全てがR&Bヒット曲です。彼女自身が好きだったのかどうかは不

明ですが、極く自然に唄いこなしていますね。たいていはビッグ・バンド編成

の伴奏とコーラスは、当時のポピュラ—音楽の標準的なもの。黒人感覚を理解してい

るとは言い難い。それでも通して聞けるのはやはりブレンダ・リ—だからでしょ

う。

続けます。30年代から唄っていたヴォーカル・グループ、インク・スポッツの出世作

「昔はものを」。

そしてリトル・リチャード版でわたしたちにはお馴染みの「センド・ミー・サム・ラヴィン」

 

M15.If I Didn’t Care(2’40”)Brenda Lee

-Lawrence-  Not Now Music NOT3CD240

 

M16.Send Me Some Lovin(2’51”)Brenda Lee

-Price, Marasclo-  Not Now Music NOT3CD240

 

N  ブレンダ・リーで「イフ・アイ・ディドゥント・ケア」、「センド・ミー・サム・ラヴィン」でした。

「センド・ミー・・・」、いいねえ、本当に。伴奏他はともかく、ブレンダだけじゃ

なくて、周囲にきっとR&Bの理解者がいましたね。

ロックンロール・ブームの終わりには白人のポピュラー・シンガ—がこの種のリパトワを摘ん

で全国的ヒット、というパタンがよくありましたが、はっきりいってパット・ブーンの

「瞳は君ゆえに」や「アイル・ビ・ホーム」なんか聞けたもんじゃないです。

それに較べて、ブレンダ・リーときたら・・・。大先輩に感謝感激アメアラレです。

この3枚組にはファッツ・ドミノーのカヴァが2曲入っています。これも当時の少女

歌手には珍しい事ではないでしょうか。共に出来は文句なし。特に「ブルーベリ

ー・ヒル」のアレンヂが斬新です。どうぞ。

 

M17.Walking To New Orleans(2’20”)Brenda Lee

-Batholomew, Domino, Guidry-  Not Now Music NOT3CD240

 

M18.Blueberry Hills(2’27”)Brenda Lee

-Lewis, Stock, Rose-  Not Now Music NOT3CD240

 

N  共にファッツ・ドミノーのオリヂナルで、「ヲーキング・トゥ・ヌーオーリンズ」、「ブルーベリー・ヒル」

でした。

さて、ブレンダ・リーはこんなにR&Bを唄っていた、それも相当にいい感じで、

という事ばかり言ってきましたが、彼女にはもちろん自身のヒットがたくさんあ

ります。そして、当時のポピュラー・シンガ—として、ギリギリでジャズと呼べるスタンダ

—ド曲も唄っていました、というか唄わなきゃならなかったんでしょう。

これは如何ですか、「今夜教えて」。

 

M19.Teach Me Tonight(2’58”)Brenda Lee

-De Paul, Chan-  Not Now Music NOT3CD240

 

N  充分な雰囲気を漂わせるブレンダ・リーの「ティーチ・ミー・トゥナイト」、これは彼女が

まだたったの17歳の時の吹き込みです。オソロシー。彼女は「ラヴァ−、カムバック・トゥ・

ミー」も唄っていまして、ひょっとするとダイナ・ワシントンの事も好きだったのかも

知れません。実際この3枚組を聴き始めて、わたしの頭にはすぐにダイナのこ

とが浮かびました。

ダイナほど居直った感じはありませんけれど、よくあるベッタベタの仕上がりで

はない「ティーチ・ミー・トゥナイト」、これも秀逸な出来です。今週は木曜日にもこれ

ら3枚を通しました。その時はちょっと上質のオーディオ装置だったので、サウンド

面で欲求不満になるかなと思ったのですが、結局のところは彼女の唄声ばか

り聞いていました。いやお見事です。

ちょっとワツシだけで盛り上がってる感じもしますが、許してね。

そこでお詫びの意味も込めて、ブレンダ・リー、最後はこのキラー・チューンです。

永遠、不滅、栄光のラーヴ・ソング、エディット・ピアフ作

「愛の賛歌」。

 

M20.If You Love Me(2’37”)Brenda Lee

-Piaf, Parsons, Monnot-  Not Now Music NOT3CD240

 

M21. You Can’t Do That(2’45”)5th ave south

-J.Lennon, P.McCartney- DCT entertainment.Mastard Records LNCM-1012

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  多分わたしが最初にはっきり聞いたブレンダ・リーは、今の「愛の賛歌」では

なかったでしょうか。その後が「この世の果てまで」で、そこで止まってい

ました。若き日の無知を大いに恥じなければなりません。

先の大先輩たちは、まだブル—ズのレコ—ドが輸入盤でも手に入らない頃に、シュ

ワンなどのメイル・オーダ−で3ヶ月以上も待って手に入れ、それを持ち寄って「レコ—

ド・コンサ—ト」なる集会を開いていた人たちです。今でもブル—ズの話を始めると

止まりません。わたしはとても敵わない。今回は貴重な事を教えてもらいま

した。ありがとうございます。

最後の「ユー・カ−ント・ドゥ・ザーット」は『フィフス・アヴェヌ−・サウス』という、小原礼

と林立夫を中心としたセッション・アルバムからです。70年代終わり頃の東京の繁華

街、と言っても歌舞伎町や赤羽じゃなくって、六本木や西麻布、青山あたり

で遊び人のツウーたちが良く聞いていた「らしい」音楽を集めた企画物です。「ユ

ー・カ−ント・ドゥ・ザーット」は意外だったな。

この制作監修をしていたのが岡部良雄という男で、彼もわたしの先輩です。

ひょっとしたらご存知の方もいらっしゃるかも知れません。その先輩が年末

に亡くなっていて、先週お別れの会が開かれて、そこでお土産に貰ったのが、

この『フィフス・アヴェヌ−・サウス』でした。

岡部良雄、彼はわたしが一緒になった西新宿のfmラジオの仕事場では、珍し

く音楽が好きで、詳しくて、知らない事をたくさん知っていて、わたしは当

然一目置いていました。

けれども好みが違うんで意見はいつもぶつかってまして、最終的に「だから

ワシズは分ってないんだよ」で終りました。

ピーター・バラカンをラジオの出演者に推挙したのも彼です。このふたりもそれほ

ど仲良しではなかったですがね。いつだったか「ピーターと張り合えるのはお前

だけだよ」と浴びせられた事もあります。とても有り難きお言葉ですが、今

だに張り合えていません。

最後に会ったのはもう随分前で、渋谷の並木橋陸橋の上でした。30分程立

ち話をしましたね。1年ほど患っていたようですが、知らせを聞いたのが急

だったので、わたし自身も相当に混乱しました。

今更ですが、ここに落ち着いてご冥福をお祈り致します。

岡部良雄さん、たくさんの事をありがとうございます。ずっと忘れません。

ここまで話して来て、何か急にこみ上げて来ました。

さて正体不明の75弗の請求書、反応よかったですね。あの後すぐにレコ—ド

屋に行って問い合わせたんですが、初回限定のアナログLPを出しただけで、今

は配信でしか買えないそうです。やってくれるじゃないの、えー。そんな訳

で、今週は他のトラックをお届けしようと思っていましたが、先送りさせて下さ

い。実のところわたしはまだ音楽配信で購入をした事がないのです。これま

では澤田修に買って貰っていました。今度はどうしよう。他のも聞きたいか

らね。

「シャウト」が「死にたい気持ち」というのは知りませんでした。ブルーズ・プロ

ジェクトに「泣きたい気持ち」というのが・・・、待てよブラインド・フェイスの1曲

目も「泣きたい気持ち」ではなかったか。調べましょう。ヒノさんありがとう

ございます。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/e3082b1ce88fd0a4a63a13e73fe18726ec53f1f2 

   ダウンロードパスワードは、2eju525w

あ、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

作品ジャケット写真はコチラからダウンロードしてください。
http://1.gigafile.nu/0114-m9c113d951e7885a7da2e21cf4ca3908b

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/01/14

mb170114

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。本格的に寒くなって来ましたね。

先週は某所で雪に降られました。大した事なかったのですが、日頃ヤワな都会

生活を送っている人間は、瞬間的に頭上の脅威を感じます。皆様にはお変わ

りないでしょうか。大寒ですよ。山からコゾ—が飛んで来ます。

さあ、今朝も行けー、弾けろー、朝の6時まで。

 

M01.Jump From Six To Six(2’04”)Jimmy Wilson

-O.Ervin-  Fantastic Voyage  FVTD185

 

N  先週の類似穴さんの質問にお答えしてお送りしたコリン・ジェイムズの「ジャムプ・

フロム・シクス・トゥ・シクス」、そのオリジナルかどうかは不祥ですが、たぶん原曲でしょ

う。以前3週間くらいの連続でご紹介した3枚組CD『ジャムプ・ブルーズ・ジャ

メカ・ウェイ』に収録の1曲です。先週コリンのを聞いた時に「確かオリヂナルみたいの

があったな」と、探しました。全体構成は殆どコピーと言ってもいいですね。

というか、この形しかありませんです。ダラダラとソロを伸ばさないのが潔い。

さて、この盤のこのトラックの前に、こんな歌が入っていました。今まで素通

りしてまして、しっかり聴いたのは初めてです。

ウイリー・メイボンで「ポイズン・アイヴィ」。

 

M02.Poison Ivy(2’56”)Willie Mabon

-M.London-  Fantastic Voyage  FVTD185

 

N  ウイリー・メイボンがシカゴの独立レイベル、チェスの前身アリストクラットに吹き込んだ「ポイズン・

アイヴィ」でした。この毒蔦、別名「蔦漆」ツタウルシというのは触ると気触れる毒

性を持った植物。わたしは当初は綺麗な薔薇には棘がある位の、気楽な喩え

だと思っていました。それが「梅毒」「淋病」を意味する俗語だと知ったのは、

ずっと後。薔薇館さんという英国人に教えてもらったのです。

そもそもの切っ掛けはロ—リング・ストーンズのカヴァした同名異曲の「ポイズン・アイヴ

ィ」でして、ウイリー・メイボンのこの歌は知りませんでした。ストーンズ版の元歌は、

ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーがコースターズに書いた究極のノヴェルティ・ソング。年代的

にはウイリーの方が1954年と少し早いので、ブルーズ好きだったジェリーたちは何ら

かのヒラメキをこの歌から感じ取って、自分たちのオリヂナルを創り上げたのかも知

れません。シンソーはヤブの中ですが。

ではコースターズの「ポイズン・アイヴィ」も聞いてもらいましょう。59年の作品で

す。

 

M03.Poison Ivy(2’45”)The Coasters  2-12

-J.Leiber, M.Stoller-  Rhino RHM2 7740

 

M04.Shout pt.1&2(4’26”)The Isley Brothers

-Isley, Isley, Isley –  RCA  07863 66883-2

 

N  コースターズの「ポイズン・アイヴィ」に続けましたのは、アイズリー・ブラザーズのご存知

「シャウト」でした。こちらも1959年の作品ですが、今でも迫力充分ですね。

お正月に友達と話していて、イギリスの女性歌手ルールの話題になったんです。

相手は「いつも心に太陽を」がえらく気に入っていて、すぐそちらに流れる

のですが、わたしは「ル—ルは偉い。立派なR&B歌手だ」と引き合いに出した

のが、彼女の「シャウト」でした。ウツツ時代にもジャケット写真が大塚ゆうすけクリソツだ

ったデッカのベスト盤から聞いて貰いましたよね。

これが当時日本でヒットしたかどうかは知りませんが、明星か平凡の付録の歌

本で歌詞を見た事があります。そこには「歌:ルル」と書いてありました。アイズ

リーのオリヂナルを知るのはそれから十年近く経ってからだった筈です。

聞いて下さい。ダイナマイト娘ルールで、「シャウト」。

 

M05.Shout!(2’56”)Lulu

-Isley, Isley, Isley-  RPM Records  Retro D 856

 

N  このパンチ。素晴らしい。弾け飛ぶようなビ—ト感が凄いですね。さて、話をお

正月の語らいに戻します。その場で今の「シャウト」を回したら、そこにいたも

うひとりが、「あ、これヴィ—ナスがやってる『だから唄うのさ、シャウト!』」と実

演付きで」と反応しました。わたしは全く知らなかったので非常に興味を持

ちました。数日後、彼女からCD-Rが届きまして、そこにヴィーナス版「シャウト」

が入っていました。

お聞き下さい。「シャウト」、ヴィ—ナスです。

 

M06.Shout(2’44”)ヴィーナス

-Isley, Isley, Isley –  徳間ジャパン 番号不祥

 

M07.サーファー・ガール(2’49”)ヴィーナス

-B.Wilson- —  徳間ジャパン 番号不祥

 

N  ヴィーナスで「シャウト」、そして続けて「サーファー・ガール」でした。先ほどお話したよ

うにCD-Rに焼いて貰った音源なので、どういう盤から録ったのか不明です。

少し音飛びもありますが、ご了承下さい。おそらくこれはミニ・アルバムではない

でしょうか。短い曲が8つ、この他には日本人好みの定番オールディーズが並んで

います。密林で調べたら12枚組の箱物があって驚きましたが、「シャウト」は入

っていなかったなあ。いま続けた「サーファー・ガール」も秀逸ですね。女性の歌に

置き換えてあるところも、素直に納得できました。

さて、1950年代以降に北米で勃発したロックンロールの急激な燃焼は、世界中で

連鎖反応を引き起こしまして、極東の島国日本では、このように80年代まで

その炎が燃え続けていました。イギリスではその結果、数多くのビ—ト・グル—プが

世に出て60年代の「ロック革命」に繋がって行きます。

その他の地域、国ではどうだったのでしょうか。ちょうど昨年末に手に入

れた面白い1枚があるので、ここで紹介しておきましょう。

 

M08.Hound Dog(4’41”)George Richard

-J.Leiber, M.Stoller-  Born Bad Records  BB rcds 022

 

N  これまたご存知の「狂犬~湯煙夏原ハウンド・ドッグ」でした。原語、つまり英

語でうたわれていましたが、少々おかしい。これ実はフランスで発売されていた

カヴァなんです。収録のアルバム・タイトルは、『フレンチ・ロックンロール 1956-1959』というも

ので、北米ロックンロール革命に影響を受けたフランス産大衆軽音楽が16曲入っていま

す。

今の「湯煙夏原ハウンド・ドッグ」は、ビッグ・バンド・ジャズの音楽家がお仕事

で吹き込んだロックンロールといった感じでした。風俗現象としてロックンロールが伝播し

ても、彼の地にはまだその感覚で演奏出来る音楽家はいなかった、という事

実ですね。間奏の掛け合いで聞かれるギタ—からは、何故かチャーリー・クリスチャンが連

想されて仕方なかったです。

次は同じ頃の、ジャズのヒット曲にフランス語詞が付いています。

「あなたの勝ちよ」。

 

M09.C’est D’accord OK Tu Gagnes(2’40”)Caterine Caps

-G.Liferman, S.Wyche, M.Watts-  Born Bad Records  BB rcds 022

 

N  「あなたの勝ちよ」、カトリーヌ・キャプスという女性シンガ—でした。フランス語の言葉が

載っていると、当初はぎこちなく感じますが馴れてくると、不思議な魅力に

取り憑かれます。かの有名な「カタコト歌謡曲」と共通するものを感じますね。

こういった仏訳カヴァをもっと聞きたかったのですが、アルバムにはオリヂナルが

多く収録されていて、こちらもまたひと味タエです。

ではアンドレ・フェンドレルの「ロックンロ—ルお嬢さん」。

 

M10.Mademoiselle Rock And Roll(2’35”)Andre Fandrel

-C.Niviere, S.Watson, M.Olez-  Born Bad Records  BB rcds 022

 

N  アコーディオンを使った「マドモアゼル・ロケンロー」、面白いですね。フランスの弾き語り文化

が「ロックンロ—ル」という新機軸に出会って融合しかけて挙げ句には破綻するよう

な凝った構成です。フランス語は、わたしにとって、ギリギリで単位を取得した、

いやーな思い出の第二外国語でしかなく全く理解出来ませんが、今の1曲で

「ロックンロ—ル」はひとつのキイワード、新時代の現象、概念のように扱われてるよう

な気がします。果たして・・・。

次は言語というより楽音のように人の声が使われているので、意味を解す

る事が出来なくても楽しめます。

フェリー・ロック・ブレンゼの「ロックンロ—ル・マップス」。

 

M11.Rock And Roll Mops(2’00”)Ferry “Rock” Brendse

-B.Vian, M.Legrand-  Born Bad Records  BB rcds 022

 

N  ビ—トルズが登場した時「モップ頭の四人組」と言われましたが、こちらは1959

年までの作品集ですから、それよりだいぶ先の話です。全く違う事を唄って

いるのかも知れません。なんせ解説もフランス語なので。

全体の響きから来る印象は、非常に吾妻光良的でしたね。特に最終部分の

掛け合いなど、スウィンギン・バッパーズの面々の姿が浮かんで来ました。これもロッ

クンロール・ショックド・ポピュラー・ジャズ・ソングですね。フェリー・ロック・ブレンゼという男

は「パツラ」、つまりトラムペット奏者で、顔はワイノニー・ハリスと良く似ています。「ロック・

アンド・ロ—ル・マップス」でした。

このようにロックンロール革命は、世界各地で混乱を巻き起こし、今日に至るわけ

です。このアルバム『フレンチ・ロックンロール 1956-1959』を聞いていると、その一例が、

手に取るように分ります。この流れがシルヴィ・ヴァルタン星人の旦那だったジョニー・

アリデイに繋がったのでしょうか。それはコンゴの研究課題でもあります。

ではフランスの50年代ロックンロール、最後はその名もズバリの「ロカビリー」です。

ただし、全く別の響きです。悪しからず。

 

M12.Rockabilly(2’03”)Lee Six Trongnes

-W.Harris, E.V.Deane-  Born Bad Records  BB rcds 022

 

N  北米カントリ—音楽の特徴のひとつ、疑似カマトト唱法をお手本にしたような「ロカビ

リー」、リー・シクス・トゥラングネスでした。1957年の発表です。アメリカ合衆国に過剰な敵

対心を持っていた、とされるフランス共和国ですが、この時代、この世代は既に

アメリカ文化の洗礼を受けつつあったようですね。

さて、ルールの「シャウト!」から始まった異国ロケンロー談義、ヴィーナスに戻りましょ

う。今回送ってもらったCD-Rの中で、わたしが一番気に入ったトラックを聞い

て貰います。

それは外国曲ではありませんでした。

なんと服部良一の「トキヨ・ブ—ギ—・ウーギ−」だったのです。

 

M13.東京ブギウギ(3’09”)ヴィーナス

-M.Suzuki, R.Hattori-    徳間ジャパン 番号不祥

 

N  冒頭の小さな雑音、失礼いたしました。ヴィ—ナスの「トキヨ・ブ—ギ—・ウーギ−」。

ヴィーナスと言いましても、録音に参加しているのは、おそらくリード・シンガ—のコニ

ーだけでしょう。バック・グラウンド・ヴォ—カルも歌のお兄さんお姉さんたちのよう

ですね。

ただ今回の大きな発見です。コニ—は唄うまいね。特に今の「トキヨ・ブ—ギ—・

ウーギ−」では、豊かな表現力が十二分に発揮されています。この国の「オールディ

ーズ」という領域では、あまり創造性を求められず、安易な風俗意匠の模倣で

済ませられます。コニ—もその流れで世に出たひとりですが、今の唄を聞いてい

ると、もっと広い世界で唄って欲しかったなあ、と感じ入りました。今もオール

ディーズ専門歌手なのかな。勿体ないよ。

さて、今朝はここまで古い音楽ばかりでしたね。あ、いつもそうですか。

では改めて、21世紀の同時代音楽です。

ここまで散発的に紹介して来たエミルー・ハリスの最新実況盤、きょうも断片的に

ですが1曲聞いて下さい。

ジョン・スターリングとのデユーオです。

「ウェン・ウイア−・ゴーン」。

 

M14.When We’re Gone Lomg Gone(3’52”)

John Starling And Emmylou Harris

-K.Kane, J.P.O’hara-  Universal Rounder 0888072009103

 

N  ジョン・スターリングとエミルー・ハリスで「ウェン・ウイア−・ゴーン」。ちょっとこの録音は、エ

ミルーが鼻詰まり気味ですね。今のも始める前に咳してたし、大丈夫かな。ライヴ・

アルバム『ライフ・アンド・ソングズ・オヴ・エミルー・ハリス』からでした。

同じく同時代的実況録音、先週もお聞きいただいた、ブルーズ・シスターズです。

今朝は3人で唄い継ぐ悩殺爆弾の炸裂。このライヴ・ショウ後半の絶頂場面です。

まずエタ・ジェイムズがシュガー・パイ・デサントと唄ったヒット曲、

「イン・ザ・ベイスメント」。

そして、アンコール1曲目でビートルズの、いやこれはアイク・アンド・ティナかな、

「カム・トゥゲザー」。

 

M15.In The Basement(3’45”)ブルーズ・シスターズ

-B.Davis, R.Miner, C.W.Smith-  BSMF 2542

 

M16.Come Together(4’12”) ブルーズ・シスターズ

-J.Lennon, P.McCartney-  BSMF 2542

 

N  「イン・ザ・ベイスメント」、「カム・トゥゲザー」、イナ・フォルスマン、タシャ・テイラー、レイラ・ゾ

ウ3人のブルーズ・シスターズでした。メムバ—の中にルールが居るみたいに聞こえません

でしたか。ヨ—コ・オノも一瞬出て来たような気が・・・。ブル—ズかしまし娘ショウ

実況録音盤、発売は再来週の金曜日です。どうぞお楽しみに。

さてアメリカ初の黒人大統領だったバラク・オバマの任期満了です。今週最後の演

説会が行なわれました。会場からは「あと4年」「もう4年」という掛け声

もかかっていましたが、ここで潔く退く事が最良と判断したのでしょう。い

や、就任直後からどうしようもない限界、壁との闘いだった筈です。おそら

くは現在も志半ばにして、後悔の山を抱えている思いでしょう。

でもね、よくやった。大統領職の周囲に理解者がどんどん少なくなって行

く中で、健康保険や広島訪問に象徴的な核兵器撤廃への取り組み、クーバとの

国交回復など、アメリカ政府を敵に回してでも独断を押し切った事を、わたしは

讃えます。きっと歴代で一番孤独な大統領だったでしょう。でも、他のアメリカ

人に出来ない事を、自らの正しい信念でやってみせたんです。この国では、

既に彼の業績をあざ笑い、次期の歴代で最低の大統領にすり寄る輩が続出中

です。何と品位、教養のない事か。そんな奴らは放っておけばいい。

俺たちは、まだ出来る。これからはみんなでやって行こう。

 

M17.Yes, We Can(4’45”)Lee Dorsey

-A.Tousaint- Charley  SNAX624CD

 

N  そしてあの日の願いは必ず叶うんだ。

 

M18.A Change Is Gonna Come(4’19”)The Band

-S.Cooke-  Capital 72435 25393 2 1

 

N  リー・ドージ−で「イエス、ウイ・キャン」、そしてザ・バンドの「ア・チェインヂ・イズ・ゴナ・

カーム」でした。この二つ、「キャン」と「チェインヂ」がバラク・オバマアメリカ合衆国第44

代大統領のキイ・ワードでした。それらがこのふたつの歌から来ているのは明白

です。

サム・クック作の「ア・チェインヂ・イズ・ゴナ・カーム」をもう一度、オーティス・レディングで

聞きましょう。

 

M19.Change Gonna Come(4’15”)Otis Redding

-S.Cooke-  Rhino Atco  R2 4222140

 

N  モノーラルの「ア・チェインヂ・イズ・ゴナ・カーム」、オーティス・レディングでした。いや、やは

りオーティスは凄いなあ。正に圧倒されてしまいます。おそらくは演奏も歌も一緒

に行なっているでしょうから、ブッカー・Tを始めとする演奏陣は膨大な量のイン

スピレイションを浴びながらのセッションだったと想像します。ビッグ・オウという呼び名

が、全く相応しい。脱帽、起立、礼。

さて、同時代音楽番組「幻」モーニン・ブルーズです。最新の音楽をお届けしま

しょう。と言いましても楽曲、演奏者に関して、今のところ何の情報もあり

ません。出会ったきっかけ、その他は、来週のお楽しみ。

長尺物ですよ。覚悟して聞いて下さい。

「ベニー・セッド」、セヴンティファイヴ・ダラー・ビル。

 

M20.Beni Said (12’28”)75Dollar Bill

-Che Chen, Rick Brown-  UNCUT 201701のオマケCD

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  75ドルの請求書、いかがでしたか。わたしは非常に気に入りました。惹かれ

たという表現の方が相応しいかな。今のところ正体不明です。来週は何か少

し分っているかも。皆さんは既に知っているかも知れませんね。情報提供、

ご意見ご感想などありましたら、どうぞお寄せ下さい。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/10ad62f375f623ba6d4baa2c14259461b74d7492

ダウンロードパスワード meq3204v

ここのところ、ファイアストレイヂが安定しているようで、わたしも落ち着いてい

られます。こういうシステムは、今や当り前のように誰でも使っている訳ですが、

それがフツーとなっている恐ろしさを、最近感じるようになりました。一度使え

なくなった時の不便さ、これも瞬間的に感じる「頭上の脅威」のひとつです。

さて今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

作品ジャケット写真はコチラからダウンロードしてください。
http://1.gigafile.nu/0114-m9c113d951e7885a7da2e21cf4ca3908b

 

Awesome Rock【1/13 O.A.】Playlist

Awesome Rock【1/13 O.A.】Playlist

放送297回目!1月13日の番組は、

Anaal Nathrakh(アナール・ナスラック)の最新作『The Whole of the Law(ザ・ホール・オブ・ザ・ロウ)』特集!

12月21日発売、2016年の澤田が選んだベスト・アルバムです。
UKが世界に誇るエクストリーム・メタルバンド!ウギャ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!


タ、タイトルからすごいっす!
5曲目の”…So We Can Die Happy”はシリア問題にインスパイアされた曲。
ある報道で、シリアのある子供が化学兵器の脅威にさらされている中で、「化学兵器を使うのなら、そうすればいい。でもパンのニオイにしてくれないかな、せめて僕たちが幸せに死ねるようにね」と語っていたのを目にして生まれた曲。胸の深いところにグサリと突き刺さる一曲です。
こういうとてつもないパワーで訴えかけてくれるエクストリームなところが、アナール・ナスラックの魅力です。

M01: Inherit The Crown  /  Suicide Silence

M02: Stars Abound  /  Auras

<コーナー: AwesomeRecommendation>

M03: The Nameless Dread  /  Anaal Nathrakh※昨年の澤田修が選ぶベストアルバムです

M04: Depravity Favours The Bold  /  Anaal Nathrakh

M05: …So We Can Die Happy  /  Anaal Nathrakh

M06: In Flagrante Delicto  /  Anaal Nathrakh

<コーナー: AwesomeRecommendation>終わり

M07: Star Wars Main Theme  /  Galactic Empire

おしまい♪

中央エフエム Awesome Rock
澤田修の完全監修番組。選曲、編集、トーク、全て担当!
毎週金曜日21時~21時半。再放送:毎週土曜日23時~

 


澤田が選んだ2016年ベストアルバム!

Awesome Rock【1/06 O.A.】Playlist

Awesome Rock【1/06 O.A.】Playlist

300回迫る!放送296回目!1月06日の番組は、

今年1月に来日するアーティストを紹介!


そして、オランダの貴公子、ロビー・ヴァレンタイン!
18年ぶりの来日!!
彼に多大な影響を与えたバンド「クイーン」の楽曲を中心とした
「クイーン・トリビュート・ナイト」(1/20(金曜)公演)
ヴァレンタインのドラマチックかつメロディアスなオリジナル楽曲を堪能出来る
「ヴァレンタイン・ナイト」(1/21(土曜)公演)
ヴァレンタイン・ワールドに酔いしれる至福の2日間!!
会場は、渋谷・duo MUSIC EXCHANGE


堂々たるパフォーマンス!

CATFISH AND THE BOTTLEMENの単独来日公演!
2017/1/11 (Wed) Nagoya CLUB QUATTRO

 

M01: Champagne Feat. Nick Johnston  /  Polyphia

M02: Star Wars Main Theme  /  Galactic Empire

<コーナー: AwesomeRecommendation>

M03: Back To The Future Theme  /  Valentine

M04: The Magic Breeze  /  Valentine

M05: 7  /  Catfish And The Bottlemen

M06: Red  /  Catfish And The Bottlemen

<コーナー: AwesomeRecommendation>終わり

おしまい♪

中央エフエム Awesome Rock
澤田修の完全監修番組。選曲、編集、トーク、全て担当!
毎週金曜日21時~21時半。再放送:毎週土曜日23時~

 


これぞ、次世代UKギターロック!全英1位を獲得したセカンド!


澤田が選んだ2016年ベストアルバム!

豪華福袋プレゼント企画第三弾!

豪華福袋プレゼント企画、ダメ押しの第三弾!

今週1月7日のZIP-FM REAL ROCKSは、
日頃のご愛聴に感謝の気持ちをこめて大プレゼント大会第3弾を実施します!

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【幻】モーニン・ブルーズ 2017/01/07

mb170107

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。年末年始の暴飲暴食で、体調不良

です。師走に亡くなった知り合いを偲ぶ会に出席して神妙に始めた筈の2017

年、早くも挫折。皆さんは健康に新しい年を過ごしていますか。

大晦日の「幸い薄い歌合戦」には、暖かな声援を頂きました。ありがとう

ございます。投稿では「定期更新しなくても良い」という複数のご意見を頂

きまして、年始休暇を取ろうかとも考えましたが、今の生活リズムを崩すのも

またいろいろと面倒なので、可能な限り同じように続けます。変わらずにお

付き合い下さい。

さて、その「幸い薄い歌合戦」、最後はキング・カーティスの「大晦日の夜に何を

するの」で美しく終えましたが、実はその前、幸い組、薄い組両軍の闘いが

全て終了した後に、特別ゲストが待機していました。この後にキング・カーティスが吹

き始めて大団円という構成だったのが、マドリーン・ペルーのカ—テン・コールが長引き割

愛されてしまった、これが真相です。あれから年を超え一週間、特別ゲストは

今も想像都架空区の午前中憂鬱劇場で唄い出しキュウを待っています。

それでは、お待たせいたしました。お送りいたしましょう。

オーティス・レディングとカーラ・ト—マス、文字通りのキング・アンド・クイーンで

「2017年の誓い」。

 

M01.新年の誓い(3’24”)オーティス・レディング&カーラ・ト—マス

-Carton, Catron, Frierson-  ワーナー  WPCR-27558

 

N  オーティス・レディングとカーラ・ト—マスで「新年の誓い」でした。1967年1月に録音さ

れたアルバム『キング・アンド・クイーン』は一種の企画物で、殆どがカヴァでした。その

中で、書き下ろしかどうかは分りませんが、この「新年の誓い」が異彩を放

っていましたね。作者に心当りはなく、他のヴァージョンで聞いたこともこれま

でにありません。大学院からクリスマス休暇で帰省中だったカーラの日程優先でお正

月早々に行なわれたセッションだったそうですから、それにひっかけたのでしょう

か。

 

信じ合って、がっちり行こう

これが俺たちの新年の誓いだ

 

前向きな呼びかけです。皆さんは年頭に何か誓いを立てましたか。もしお

持ちでしたら、どうぞ今年の大晦日まで、お忘れなきように。

さて昨年の「幸い薄い歌合戦」は女性が幸い組、男性が薄い組に別れて熱

戦を繰り広げました。ただし、人間が多種多様を極めつつある昨今の世相で

は、その中間、「品紅組」ともいうべき存在の台頭が目立ちます。

実は先週もそれらに属する唄い手に声をかけておいたのですが、兵庫県明

石市の日本標準時刻が想像よりも早く2017年の訪れを告げたため、出番がな

くなってしまい、関連団体から激しい抗議を頂きました。この場を借り改め

てお詫び致します。

ではまいりましょう、「幸い薄い歌合戦」2017年前哨戦です。

「品紅組」まずは、ごく一部で大きな話題を呼びました、アメリカはミシシッピ生

まれのジェイムズ・ゴーヴァンです。

フェイム録音の、歌も「女の如く」、どうぞ。

 

M02.Just Like A Woman(4’55”)James Govan

-B.Dylan-  Kent CDKEND 398

 

N  ボブ・ディランの「ジャスト・ライク・ア・ヲーマン」、ジョー・コッカーのカヴァをお手本にした

のがモロ見えのジェイムズ・ゴーヴァンでした。これはずっとお蔵入りしていたトラック

のようですね。フェイム・レコ—ドからは2枚のシングルが出されたのみでしたが、そ

れを遥かに上回る12曲が仕上げられていて、それらをまとめたアルバムが、『ヲン

テッド(未経験者に限る) フェイムレコーディングズ』でした。あの「品紅組」所属を

決定づけるステイヂ衣装の写真を覚えているでしょうか。

さて、日本のテレビ・ヴァラエティ芸能者には「品紅組」所属者があまたデバって

おります。「幸い薄い歌合戦」2017年前哨戦では、その祖とも呼ぶべきスーパー

スターに登場を願いました。1週間の先延べ、お疲れ様でした。

池畑慎之介、ピーターです。

歌は「去年と来年のあいだに」。

 

M03.夜と朝のあいだに(3’09”)ピーター

-R.Nakanishi, K.Murai-  ソニー SRCL 2980

 

N  失礼、曲目は「夜と朝のあいだに」、でした。このような「品紅組」も含ん

で「2017年幸い薄い歌合戦」は、果たして行なわれるのでしょうか・・・、

あっ、突如舞台にラメのタキシード男が乱入です。

「『品紅組』なら、なぜ俺様に声をかけないのか」と大声で叫んでいます。

その空気振動で、ここ午前中憂鬱劇場の窓は震え、天井からはタイルが剥がれ落

ちて来ました。危険です。避難して下さい。件の男がピアノに飛びつきました。

そしてなんとも繊細で可憐なリフを爪弾くと、始まりました。

「ルシヤ」です。

 

M04.Lucille(2’28”)Little Richard

-R.Bowling,H.Bynum-  ACE ABOXCD 1

 

M05.Lucille(2’32”)Every Brothers

-R.Bowling,H.Bynum-  Real Gne RGMCD022

 

N  乱入男リトル・リチャードの「ルシヤ」に続いては、エヴァリ兄弟の同じく「ルシア」でした。

昨年5月の亀渕昭信大先輩とのロックンロール合戦で、ザ・ゴ—ルデン・カップスのカヴァの

元ネタはこれだよ、と教えてもらったものです。確かにその通り。ほぼ丸ごと

そのままの演奏でしたね。

ザ・ゴ—ルデン・カップスのカヴァの元ネタと言えば、昨年は他にも、「幻」重度聴取

者の「火の鳥」さんから教えてもらったものもあります。同じくカップスのアルバ

ム『ブルーズ・メッセヂ』収録の「君は僕に首ったけ〜悲しき叫び」のメドリーです。

 

M06.You Really Got A Hold On Me(3’40”)Zombies

-W.Robinson, B.White-  Repertorie REP 5179

 

N  聞けば聞くほど、カップスとの類似点が見えて来ます。いや本当に嬉しい事を

教えてもらいました。今も感謝感激アメアラレ。火の鳥さん、ありがとうございま

す。

さて同じく「幻」重度聴取者の類似穴さんからは質問を頂いています。

曰く「たぶんあまり好きではなかろう”アーミング”で「この曲」というのが

ございましたら」という内容です。

エレキギターのブリッヂの後ろ、弦を止める部分にあって張力を任意に加減出来る

調整棒、それが「トレモロ・アーム」でして、エレキ・インストゥルメンタル楽曲では必ずと言っ

て良いほど使われる演奏効果です。ロック時代になってエレキ時代の過剰な奏法が

「ナンセンス」視されて用いられなくなりましたが、ストラトキャスター遣いジミ・ヘンドリクス

の大胆な奏法にしばし導入され、再び陽の目を見るようになっています。

類似穴さんの想像通り、わたしはあまり”アーミング”に詳しくはないのです

が、意外なところ、例えばジョージ・ベンスンの「ディス・マスカレイド」冒頭部分のギタ

ーのカデンツァで一箇所、実に効果的に使われていて、唸った事があります。こう

いう風にほんの一瞬、瞬間的に、触る程度に使うのが本来の用途ではないで

しょうか。

具体的な例を揚げて同類の用法を聞いてもらいましょう。

コリン・ジェイムズの「ジャムプフロム・シクス・トゥ・シクス」、

テナー・ソロの次ぎに来るギターの終盤、開始から2分5秒前後、一瞬です。

 

M07.Jump From Six To Six(2’54”)Colin James

-L.Scott-  WEA  CD 23010

 

M08.Don’t Lie To Me(2’43”) イーストサイド・キングズ、ボビ−・ギルモア

-H.Whittaker-  Pヴァイン  PCD25208

 

N  コリン・ジェイムズの「ジャムプフロム・シクス・トゥ・シクス」でのアーミング、如何でしたか。

類似穴さん、お分かりになったかな。

その後に続けたのはイーストサイド・キングズの新譜から、ボビ−・ギルモアをヴォ—カル

とギターに据えて仕上げた「ドント・ライ・トゥ・ミー」でした。ボーナス・トラック扱いです

けれど、わたしにはとても快く響きます。2016年録音の現在進行形音楽です

よ。

さて、一時行方不明になったロニー・アール & ブロードキャスターズの最新アルバム『マクス

ウェル・ストリート』が、他の大事なものと一緒に発見された、というお話を年末に

しましたね。その後、同じく捜索中だった別の大事な物も、思わぬ所から出

て来まして、わたしの生活では奇跡的に捜査継続中の物件なし、という状態

で年越しになりそうだったんですが・・・、

まずはそのロニー・アールを聞いてからに致しましょう。女性シンガ—のダイアン・ブル

ーをフィーチュアしています。

レイ・チャールズでお馴染みですね「ユー・ドント・ノウ・ミー」。

 

M09.You Don’t Know Me(8’05”)ロニー・アール & ブロードキャスターズ、ダイアン・ブルー

 

N  「ユー・ドント・ノウ・ミー」、ロニー・アール & ブロードキャスターズ、フィーチュアリング・ダイアン・

ブルーでした。8分を超える長尺ですが、適度に緊張感が保たれていて、飽きま

せん。ロニ—の音色が美しく、それも仕上がりに大いに影響しています。

捜査物件の話です。それら大切な物が発見されて気分の良かった年の瀬、

馴染みの仲間たちとの忘年会に出掛けまして、ある贈り物を頂いたのです。

その忘年会はノリノリでハシゴとなって、ここでもノリノリ、挙げ句にその贈り物を

ハシゴ先に置いて来てしまいました。年忘れならぬ物忘れです。すぐに気付い

て引き返したのですが、店内は大混雑で見つけられず、そのまま帰宅。やは

り捜査継続中の物件を背負った年越しとなりました。

昨晩おそく同所を訪ねたところ、その後見つかって保管されていました。

無事に受け取ってひと安心。コイツァ春から縁起が、いいんだか悪いんだか、よ

く分らず2017年が始まっております。

 

M10.Haging Loose(4’16”)イナ・フォルスマン

-unknown-  BSMF-2542

 

M11. Devil May Dance Tonight(5’12”) イナ・フォルスマン

-unknown-  BSMF-2542

 

N  2016年「幸い薄い歌合戦」でのハイライト、若干20歳というスウェ—デンのR&B娘、

イナ・フォルスマン。その時にちょっとお話ししたライヴ盤から「ハギング・ルーズ」、そし

て「歌合戦」でも披露した「デヴォ−・メイ・ダンス、トゥナイト」でした。堂々たる

唄いっぷり、大したものですね。

この録音は、所属レコード会社ラフが昨年行なった「ブルーズ・キャラヴァン」のライヴ

盤に収録されているものです。他に、タシャ・テイラー、レイラ・ゾ−の二人が参加、司

会者からは「ブルーズ・シスターズ」なんて呼び方をされていますね。16曲入りの

CDと、同じ時に撮られた26曲入りのDVDの2枚組。2700円という値段は、

決して高いものではないでしょう。今月の27日の発売です。それまでは当「幻」

サイトでお楽しみ下さい。

では次はタシャ・テイラーです。

前のアルバムにも入っていて、確か以前にこちらでもお聞きいただいてました

ね。

「ウェザーマン」。

そして親父ジョニー・テイラーの決定的ヒット曲「フーズ・メイキング・ラーヴ」。

 

M12.Weatherman(3’38”) タ−シャ・テイラー

-T.Taylor, T.Hambrighde, R.Fleming-  BSMF-2542

 

M13.Who’s Making Love(4’56”)タ−シャ・テイラー

-D.Davis-  BSMF-2542

 

N  「ウェザーマン」、「フーズ・メイキング・ラーヴ」、タシャ・テイラーでした。収録は2016年の2

月22日。場所はドイツ、ニュルンベルクのヒルシュというのかな、比較的大きなクラブです。

DVDで見るとお客さんは年寄りばかり。舞台上のかしまし娘たちは若いのに

ねえ。ちょっとそれが残念だな。唄もMCも英語で進行します。それに障害

はないようですが、反応がちょっと鈍い。それが年齢層的なものか、ドイツだ

からかは不明です。ただこのようなブルーズ系の音楽を愛し馴染んでいる事は

しっかりと伝わって来ます。この暖かさは、今や米国では味わえない種類の

物かも知れません。

今お聞ききのように、タシャはアメリカ南部のR&Bショウのようなテムポーでステイヂを進

めていました。ドイツ人の反応が今ひとつでも、お構いなし。これは現役黒人

の強みでしょうか。

そしてブルーズ・シスターズ最後のひとりが、カナダ生まれのレイラ・ゾ−。3人の中で

は最もオーソドックスなシンガ—です。お父さんの影響もあって、幼い頃から古いロック

を聴き込んでいたそうです。古いロック時代の女性シンガーと言えば、ティナ・ターナーや

ジャニス・ジョプリンなど数える程しかいなかったですけれども、それら先達から

受けた講義は、彼女の血肉となっているのがよく分るライヴ・パフォーマンスを残し

ていますね、このライヴ盤では。

ではシムプルな、ブルーズ・ナムバーからお聞き下さい。

レイラ・ゾ−です。「ワーク・ホース」。

 

M14.Work Horse(5’01”) レイラ・ゾーイ

-unknown-  BSMF-2542

 

N  レイラ・ゾ−で「ワーク・ホース」でした。長く伸ばした金髪を振り乱して唄う様は、

60年代のロック・クイーンそのものです。

このブルーズ・シスターズを支えるのは、おそらくフィンランド人の3人組。「アーミング」

を多用するギタ—がデイヴィド・フルリーノ、日本人のような風貌のベイスはヲルター・ラトゥペ

リーサ、そしてなかなか気の効いたリズムをキープするドラムスがマルクー・レインカイネンです。

欲を言えば、もう二人、ピアノ/オルガンとパカッションが欲しいですね。出来たら管も。

ギター・トリオですと、どうしても音量で説得するハード・ロック傾向に進んでしまい

ます。タシャの音楽には、この編成では無理があるようにも聞こえました。それ

でも彼女は「ザ・ハーデスト・ワーキング・バンド・イン・ジャーマニー」と賞賛していまし

た。フィンランド人というと、イナのロ—ド・バンドなのでしょうか。

先ほども言いましたように、このブルーズかしまし娘ショウはCDとDVDの2

枚組。発売は1月27日です。もうしばらくお待ち下さい。ではレイラ・ゾ−でも

う1曲。

「ネヴァ・メッタ・マン・ライキュー」。

 

M15.Never Met A Man Like You(8’15”)レイラ・ゾーイ

-unknown-  BSMF-2542

 

N  「ネヴァ・メッタ・マン・ライキュー」、レイラ・ゾ−でした。こういう長尺物では、やはり

それぞれが特別に優れたソリストではないので、小さな楽器編成が障害になって

しまいます。もうちょっと豪華な演奏陣で聞きたいですね。あ、さっきから

同じような事ばかり言ってますか。

ショウ自体は最初に三人が登場して、この決定的な1曲を唄い継ぎます。

アリサ・フランクリンの「チェインズ・オヴ・フール」。

 

M16.Chains Of Fools(5’04”)イナ・フォルスマン、タシャ・テイラー、レイラ・ゾ−

-D.Covay-  BSMF-2542

 

N  「チェインズ・オヴ・フール」、ラフ・ブルーズ・シスターズでした。「ブルーズ・キャラヴァン2016」

はこの曲で3人が揃って登場し、後イナ、タシャ、レイラの順にソロを披露し、最後に

また3人で盛り上げてくれます。その模様は、また来週以降にお聞き頂きま

しょう。

さて「チェインズ・オヴ・フール」で連想したのは、この歌です。同じように鎖の

ような愛の拘束状態を唄っています。

ガール・グループ好きなジョン・レノンがビ—トルズ時代にカヴァしていました。

「チェインズ」、クッキーズです。

 

M17.Chains(2’31”)The Cookies

-J.Goffin, C.King-  VSOP CD134

 

M18.Chain Gang(3’53”)King Cool”

-S.Cooke-  Vogue  74321193812

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  キャロル・キング作1962年のヒット曲「チェインズ」、クッキーズでした。

そして最後はサム・クックが書いた「チェイン・ギャング」こちらは文字通り鎖に繋が

れて作業をする刑務所に拘留されている受刑者たちの歌。本物のクサリです。キン

グ・クールというロンドンにいたジャメカ人の歌手のカヴァでした。デニス・ボーヴェルがプロ

デュ—スしていまして、ミクスも彼、ベイスも弾いています。実に多彩な声の持ち主

でして、文句なしの楽曲を七色の声で楽しませてくれた1994年のカヴァ—・アル

バムからでした。もう23年も前の作品なんですね。クリビツテンギャウです。

さてさて、クリスマス・イヴに乱入したチャック・ベリ—の「走れルドルフ」、あれはあそ

この時点で時間が余るのが分って、急遽手許にあったものから差し込んだ1

曲です。缶入り3枚組から大急ぎで抜いた筈です。クリスマス曲は」どれも短いも

のが多いですから、多めに揃えておいてもこんな緊急事態が発生します。あ

の歌なら雰囲気も内容も分ってるし、すぐに放り込めたんです。

それを台本の中に入れ忘れて揚げてしまいました。決して隠しクリスマス・プレゼ

ント・トラックではありません。そのように受け取ってくれると、嬉しいですけれ

ども。実は今朝の付録にはお年玉が・・・あ、それはないですね。

 

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/dc5746fa14748adc5b73b3a8139c0c4d7bf0cff2

ダウンロード・パスワードは、hhxm3992です。

 

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

 

作品ジャケット写真はコチラからダウンロードしてください。
http://1.gigafile.nu/0114-m9c113d951e7885a7da2e21cf4ca3908b