カテゴリー : 2017年 8月

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/08/19

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前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

おそらく何処でもやらない愚連キャムベル追悼を試みましたが、間違えて「カント

リー・ボーイ」を「ラインストーン・カウボーイ」と紹介していました。申し訳ない。全く気

付かなかったですね。ちょっと怖くなりました。おそらく「フィーニクス」の次に

この国で知られているグレンの「ラインストーン・カウボーイ」です。わたしも大好きな歌

のひとつなのに・・・。いやはや何とも言い訳すら浮かびませんです。改め

てお届けします。紹介は、先週と同じ事を言いましょう、以下。

この翌年に「ラインストーン・カウボーイ」を世界中でヒットさせて、グレンは大御所となり

ました。この歌も彼自身がラジオで聞いて気に入り、すぐに実演の場で唄い始

めたといいます。こういうところは実に好感の持てる音楽愛好家でした。日

本ではその後で何か のコマ—シャルに使われたような記憶があるのですが、思い

出せない。どなたかご存知ではないですか。

では聞いて下さい、「ラインストーン・カウボーイ」。

 

M01.Rhinestone Cowboy(3’16”)Glen Campbell

-L.Weiss-  Zonophone  7243 8 21834 2 6

 

N  「ラインストーン・カウボーイ」でした。当初は装飾の付いたダンガリ—・シャツを着ている

だけの似非西部牛追い男、シティ・サーファーのような人種の歌だと思っていたので

すが、違いました。「俺だって・・・」と明日の大成功をモーソーするウダツの上が

らない庶民の歌でした。グレンの丁寧で誠実な唄い方が心に残ります。

グレン・キャムベルではささきがくさんが動画を揚げてくれた「ゲス、アイム・ダム」、

これが良かったですね。モロにフィル・スペクター衝撃波を浴びたブライアン・ウイルスンの制

作で、コ—ラス担当のオネーサンたちの大雑把な振りが大変宜しい。観ながら一緒に合

わせました。1965年の作品ですからグレンのビ—チボ—イズ参加騒動の頃かな。

聞いて下さい。「ゲス、アイム・ダム」。

 

M02.Guess I’m Dumb(2’58”)Glen Campbell 

-Wilson, Titleman-  Zonophone  7243 8 21834 2 6

 

N  先週のグレン・キャムベル集に追加で二曲、「ラインストーン・カウボーイ」と「ゲス、アイム・ダ

ム」でした。

積み残しはまだあります。8月5日のホ—ソ—でお届けした、タージ・マハルとケブ・

モーの「ドント・リーヴ・ミー・ヒア」、そしてロバ—ト・クレイの「ザ・セイム・ラーヴ・ザット・

メイド・ミー・ラーフ」、更にはエアロン・ネヴィルの「ガッタ・サーヴ・サムバディ」ゴスペル・アルバ

ム『ビリーヴ』仕様、これらに共通する編曲発想の原点です。「ちょうど時間と

なりました。また来週」と翌週にもお届けするような事を言ってましたが、

まだでした。と言いますか調べたら「原点」の「原仕様」が手許になかった

のです。2種類の実況録音はありましたが、どちらも先の3仕様のオオモトとは

言い難い出来でした。それで町を歩いて探し出したのが、こちらです。

アル・グリーン1972年の発表作品、「ラーヴ・アンド・ハピネス」。

 

M03.Love And Happiness(5’01”)Al Green

-A.Green, T.Hodges-

 

N  名曲「ラーヴ・アンド・ハピネス」、アル・グリーンでした。「午前3時に電話があって、

物事は動き出した・・・」推理小説のような唄い出しです。愛の力を信じて

懸命に恋人を説得する内容で、演奏面でもとても優れた、南部R&Bの理想的

な成立ちを持っています。当初はシングル曲ではなかったのですが、評判が高く

なり1年後に改めて単独で発売されました。わたしにはその前後と大して変

わってないようにも聞こえますが、アル自身、このアルバム『アイム・スティル・イン・ラ

−ヴ・ウィズ・ユー』は初期の形に戻ろうと試みた、と語っていまして、特にこの「ラーヴ・アンド・ハピネス」では化学作用みたいに全てがうまくハマっている、と満足

げです。冒頭の語りから「1、2、3、4」とヘッドカウントが入って来るところが、

カッコ良い。これはギターのティーニー・メイボン・ホッヂズが足踏みで刻んでいるようです。

確かオーティス・クレイも来日した時、ほぼカーボン・コピーのような形でリパトゥワに入れて

ました。わたしは美しき20代の頃から親しんでいるのですが、先の3曲には

この残像が投影されているように聞こえてならないのです。如何でしょうか。

さて、エリス次の号は今月の終わりに公開されるのかな。わたしは今回も一番

最後になって原稿を入れました。故意ではありません。「締め切りはいつです

か」と訊ねたら「先週だよ」という返事が帰って来て、慌てて書き出したの

です。さすがに途中で怒られてね。「みんなもう揃ってるから、お前の字数

はこれだけだ」と指定も受けました。こちらが悪いのだから従うしかありま

せん。なんとか間に合わせましたが、出来はどうだろう。ご意見をお待ち致

します。

テ—マはチャック・ベリ—。彼の追悼で何種類か冊子が出ていたので、ついつい買っ

てしまい、読んだ後の感想文のつもりだったのですが、チャックだと沢山の思い

出がこぼれるように流れ出て、ヨユーであっという間に字数超過。泣く泣くでは

ありませんがかなり削りました。今朝はそこに載せられなかった事も含めて、

チャック・ベリ—の初盆です。旧暦にしても少々遅くなりましたが、関西では今が

地蔵盆の真っ盛りです。

まずはこの1曲から。

 

M04. ベイトーヴェンをぶっとばせ(2’37”) ヘレン・ディクソン    

-C.Berry-  Pヴァイン PCD-17762

 

N  ハイ、例のイントロが初めて世に出た「ロール・オーヴァ・ベイトーヴェン」、ヘレン・ディクスンで

す。この女性歌手、白人なんです。コロムビアの黒人レイベルのオーケイからもレコ—ド出

してるし、今のギタ—演奏はミッキー・ベイカーだと言うし、謎が多いなあ。黒人のロッ

クンロ—ル的R&Bを白人がカヴァしてポップ市場で売り出す形は1950年代前半には

よく見られました。ブレンダ・リ—などはその好例でしょう。この「ベイトーヴェン」

もそのひとつだったのですが、ヘレン側の目論みは外れました。チャックのオリヂナル盤

がヒットしてしまったからです。

また、このヘレンの吹き込みには大きな過ちがあります。それはこの楽曲を、

ノヴェルティ色の濃いジャムプ・ブルーズの延長で仕上げている点です。出来は決して

悪くはありませんが、チャックの音楽の持つ「永遠の十代感覚」が不在なのです。

オリヂナル仕様から沸き上がって来る生き生きとした若さの躍動がないのです。

ビ—トの解釈が、前時代のものですね。大人に「ベイトーヴェンをぶっとばそうぜ」

と呼びかけても、きっと相手にされないでしょう。ルードヴィヒ・ヴァン・ベイトーヴ

ェン自身が非常なユ—モア家だったとしてもです。

さて、今のヘレン・ディクスンは以前も紹介したイギリスのエイスの編集盤からお届けし

ました。これは何度も言うように、流石の出来映えです。実に多方面からの

収集が為されていて、やはりイギリスのロックンロ—ル通でしか作れない内容です。し

かも中途半端な出来のトラックが皆無、という点でも太鼓判。解説も実に詳しい。

日本の大いに誤解されたチャック・ベリ—・カヴァを集めて1枚というのも成立する

でしょうが、酷いだろうね、その質は。

次も同じ『ロックンロ—ル・ミュージック! ソングス・オヴ・チャック・ベリ—』からです。チャック

本人の事を「あんな嫌な奴はいない」、と本気で罵っていたジョン・ハモンド・ジュ

ニアが唄っています。

「ノー・マニ・ダウン」。

 

M05. ノー・マネー・ダウン(3’49”)ジョン・ハモンド

-C.Berry-  Pヴァイン PCD-17762

 

M06.ブラウン・アイド・ハンサム・マン (2’02”)バディ・ホリー  

-C.Berry-  Pヴァイン PCD-17762

 

N  ジョン・ハモンド・ジュニアがとても真面目に一生懸命唄っていた「ノー・マニ・ダウン」、

そしてバディ・ホリ−で「茶色い目玉の色男」でした。これはバディの死後、残っ

ていた録音にスタジオ・バンドの伴奏をオーヴァダブした物だそうです。ひょっとし

たら本人は発表するつもりがなくて吹き込んでいた物かも知れません。

冒頭では不法労働の罪で証言台に立っていた「茶色い目をした男」が、歌

が進むに連れて歴史的な騒動を引き起こして行きます。最後はミロのヴィーナスと

戦ったり、完全に抑えられていた試合でフルカウントからホ—ムランをかっ飛ばしたり

するので同一の人物の逸話ではなく、通して語られていたのは如何に「ブラウ

ン・アイド」、つまり黒人が優れているかという、明らかな人種論です。これを

そのまんま「ブラック・マン」と唄ったら当局から危険分子として目をつけられ、

早めのムショ入りをしていたかも知れません。バディ・ホリーはどういう思いだった

のでしょうかね。

次は1964年、出所後のヒット曲として有名な「ネイディーン」です。どこかで、こ

の曲は既にロックンロ—ルの次に来るロックのスタイルで作られているとも書かれていまし

たが、基本的にはギタ—伴奏を伴う語り物がチャックの基本である事に変りはなく、

自動車販売店頭でのやりとりを唄った先ほどの「ノー・マニ・ダウン」、「茶色い目

玉の色男」などと同じように、ここでもチャック・ベリ—劇場が展開して行きます。

このカヴァは、ザ・バンチというイギリスのフォーク系ミュージシャンの集まりの唄と演奏で、

フェアポート・コンヴェンションのメムバ—も参加しているそうです。

 

M07.Nadine(3’20”)The Bunch   

-C.Berry-  Pヴァイン PCD-17762

 

N  ザ・バンチで「ネイディーン」でした。チャックの歌は例えば「ジョニ—・ビ・グッド」な

どのように非常に分り易い反面、独得な観点、発想で書かれた難解な物語も

多く、沢山の解釈が成立します。この「ネイディーン」もどちらかと言うとそのひ

とつじゃないかな。バスに乗っていてイカした女を見つけて追いかける粗筋には、

何か他の例えが隠されているような気がします。

『ロックンロ—ル・ミュージック! ソングス・オヴ・チャック・ベリ—』からもう1曲聞きましょう。

ホリーズで「スウィート・リトル・シクスティーン」。

 

M08. スウィート・リトル・シックスティーン(2’21”) ホリーズ     

-C.Berry-  Pヴァイン PCD-17762

 

N  ホリーズらしい秀逸なカヴァでした「スウィート・リトル・シクスティーン」。60年代のイギリスの

ビート・グループらしい「イキがり」が随所で鳴っています。さて、今回出版され

たチャック・ベリ—関連の冊子のひとつに「ブルース & ソウル・レコーズ」誌8月号があり

ます。そこでわたしが絡んだ事件について、首都圏で9人、全国で9500万人

のあなただけには逸早くお伝えしました。それにはエリスの記事でも触れていま

すからお楽しみに。それはともかく、この号には特別付録としてチャック・ベリ—

のCDが付いていました。それも、1960年代半ばから70年代初頭までのあ

まり重要視されていない珍しい録音を集めた物で、なかなかに面白い1枚で

した。そこからも聞きましょう。

まずはあの印象的なイントロのリフの元ネタ曲を自身で礼儀正しくカヴァした、

「エイント・ザット・ジャスタ・ウーマン」です。

 

M09.Ain’t That Just Like A Woman(2’15”)Chuck Berry  

-C.Berry-  ブルース & ソウル BSR-136

 

M10.Johnny B. Goode(2’45”)Chuck Berry  

-C.Berry-  ブルース & ソウル BSR-136

 

N  20世紀後半の若者音楽を支配したあのイントロのリフの元ネタとなった「エイント・ザ

ット・ジャスタ・ウーマン」のチャック・ベリ—による感謝と表敬仕様、そして1966年再吹

き込みの「ジョニー・B・グーッド」でした。

かつては全く気にも留めなかった、二度目の録音ですが、オリヂナルとは比較

のしようもありませんが、粗雑なライヴに馴れたからでしょうか、この「J.B.D.」

にもそこそこに活気を感じました。

後年この歌は「ほぼ俺の事だ」と本人も言っていたそうです。ただし、「読

み書きゃ全然ダメだけど、ギタ—弾かせりゃ最高さ」という行りは明らかに彼自

身ではないですね。チャック・ベリーは決して文盲ではなく、多くの書物に親しん

でいて、何よりもこんな素晴らしい歌の言葉を編み出せたのですから。それ

とも、奴隷時代に黒人たちは読み書きを法律で禁じられていた歴史を揶揄し

ているのでしょうか。そのくらいチャックは「読んでいた」のです。

例のイントロも、時代によって微妙に変化しているのも分りましたね。その最

終型はこれでした。

 

M11.Lady B. Goode(2’55”)Chuck Berry       

-C.Berry-  Decca 00602557561241

 

N  チャック・ベリー、遺作となったアルバム『チャック』から「レイディ・B・グーッド」でした。

長く芸能活動を続けていると、自分の最も売れた頃、一般に認知されている

姿を自分で演じるようになります。パブリック・イメヂである自身のパロディをなぞ

れば大向こうも納得してくれる訳です。個性的である人ほど、そう成り易い。

たとえば、偉大なるサッチモ、ルイ・ア—ムストロングの晩年を思い出して下さい。受け手

がそれしか望まない、という状況もあるでしょうね。こういう事を終世一切

拒否したのはマイルズ・デイヴィスとボブ・ディランだけのようにも思えます。チャールズ・

エドワード・アンダスン・ベリ—の場合は、彼がチャック・ベリ—になった時点で、既にパロデ

ィだったとわたしは理解しています。

「分ったよ、あれを演りゃいいんだろ。演ってやるよ」と架空のロックンロ—ル・

スタ—、チャック・ベリ—をずっと演じていたのではないでしょうか。だからと言って

そこに欺瞞はなく、懐メロ感情とは無縁で、いつも現在進行形のチャック・ベリ—が

いて、「お仕事」と言い切りながらも、人格が滲み出ていた点が多くの人を惹

き付け続けたのだと、わたしは確信しています。

最後になってしまったアルバムでは、その突っ張りがちょっと緩んでいる、そ

んな印象を持ちました。そのひとつがこの「レイディ・B・グーッド」です。これ

は自分でアンサー・ソングを唄っていた「メムフィス」と「リトゥル・マリー」、あるいは「ジョニ

ー・B・グーッド」と「バイ・バイ・ジョニー」との関係とは少し違って聞こえません

か。今の録音は、彼の他に息子と孫のギタ—三本セッションとされていますが、間奏

の二番目に出て来るのは、かなりギャリー・クラ—ク・ジュニア風でしたね。

さて「ジョニー・B・グーッド」は、ピアノ弾きのジョニー・ジョンスンをモデルにして書か

れた、という説もあります。そもそもチャックはジョニーのトリオに入れて貰ってそこ

から職業音楽家として始まった訳です。それ以後は彼の独創性が爆発して恩

師よりも名が知られるようになってしまった訳です。義理堅いチャック・ベリ—は

ジョニ—を録音、舞台でもずっと専属として固定しましたが、長い時間が経つう

ち疎遠になって、本人も行方不明状態でした。映画「ヘイル、ヘイル、ロケンロー」の撮

影の前に故イアン・ スチュアートが音楽責任者のキース・リチャ—ズに「ジョニ—はまだ生きて

るぞ」と告げ、なんとか探し出して再び共演が出来た、という美談が残って

います。

映画の中でジョニ—は現役時代と変わらぬ演奏能力を発揮して存在を表明。そ

の結果、ソロ・アルバムも制作されました。ここで「恩師」のピアノを聞いてみまし

ょう。

まずは「ジョニー・B・バーッド」。

 

M12.Johnnie B.Bad(2’35”)Jonnie Johnson 

-unnkown-  Elektra 9 61149-2

 

N  ジョニー・ジョンスン、1991年のソロ・アルバム『ジョニー・B・バーッド』から、その表題

曲でした。この盤現物は、新宿三丁目で拾って来たCDプレイヤーに入っていた

もので、長い事再生不能でしたが、長い時間が経ってポリカ—ボネイトの変質でも

起こったのでしょうか、今はこのように聞く事が出来ます。ただ盤しかない

ので、収録曲名など周辺事項はネットで拾ってい書き加えてあります。

ジョニー以外の参加メムバーは以下の通り。

ギター:エリック・クラプトン

ギター:スティーヴ・ファーガスン

ベイス:ジョリー:スパムピナート

ドラムス:トム・アードルノ

この中でクラプトンとスパムピナートは映画でも付き合っていましたね。あの変な形

のベイスを弾いていたのがスパムピナート。ここでの彼の演奏は出色の出来映えです。

ブルーズ・ピアニストのソロ・アルバムですから全体も地味ですが、とても充実している

セッションで、気持ちの良い音が続きます。ジョニ—はチャックの録音では割とひとつの

スタイルに徹してたようですが、ここでは実に達者な腕前を存分に披露していま

す。早朝のゴミ捨て場に感謝。

次もとても良い演奏です。

「クリーク・マーッド」。

 

M13.Creek Mud(5’29”)Jonnie Johnson 

-unnkown-  Elektra 9 61149-2

 

N  「クリーク・マーッド」、ジョニー・ジョンスンでした。ジョニー、冴えてますね。例えば1950

年代だったらこの位の弾き手は、どこの黒人酒場にでもいたでしょう。彼ら

は放っておくと1曲をいつまでも続けます。即興演奏の霊感がずっと降り注

いでいる感じ、そんな情景がこのアルバムからも伝わって来ます。

次のは60年代前半のデッチ上げインストゥルメンタル曲を再現したかのような、ノヴェルテ

ィ感覚が愉快です。

「フォールト・ライン・トリーマー」。

 

M14.Fault Line Tremer(3’45”)Jonnie Johnson  

-unnkown-  Elektra 9 61149-2

 

M15.ユー・キャント・キャッチ・ミー (2’42”)チャック・ベリ—    

-C.Berry-  MCA MVCM-48001/3

 

N  「フォールト・ライン・トリーマー」。ジョニー・ジョンスンに続けたのはローリング・ストーンズもカヴァ

した「ユー・キャント・キャッチ・ミー」でした。ここでのピアノはジョニーではなく、チェスの

大御所、オーティス・スパンです。何らかの事情でジョニーが来れなかったのでしょう

か。スパンがチャックに付き合ったのはこの時だけだそうです。1956年の録音でし

た。

さて、LP時代に入ってからは、シングル盤の王様チャック・ベリ—も対応に迫られ

まして、ひとつの概念でまとめられた、と言えなくもないアルバム制作に取り組

みます。その代表作が1973年の『バイオ』でした。この表題曲ではスライドをエル

モア・ジェイムズ的に鳴らしながら、自分自身が音楽を志してからの半生を語って

います。「実録 ジョニー・B・グーッド」です。

 

M16.Bio(4’24”)Chuck Berry 

-C.Berry-  ブルース & ソウル BSR-136

 

N  さて何気なく始めたチャック・ベリ—集、話が長いですね。どうしてもこうなって

しまう。エリスだってあの倍は行けた、あ、それはないですね。ここからまた1

曲毎に語っていると、タケ小山さんの時間を侵害してしまいます。ここから先

はわたしの今の気分でチャック・ベリ—・トップ9を紹介しましょう。ただ順不同で

す。まずは誰も知らないこの珍しい1曲からどうぞ。

 

M17.トゥー・ポップド・トゥ・ポップ (2’34”)チャック・ベリ— 

-C.Berry-  MCA MVCM-48001/3

 

M18.バック・イン・ザ・U.S.A.(2’27”)チャック・ベリ— 

-C.Berry-  MCA MVCM-48001/3

 

M19.ウィー・ウィー・アワ—ズ(5’24”)チャック・ベリ—

-C.Berry-  MCA  MVCM -22106

 

M20.バイ・バイ・ジョニー(2’04”)チャック・ベリ—

-C.Berry-  MCA MVCM-48001/3

 

M21.コンフェッション・ブルース(2’08”)チャック・ベリ—

-J.MacShan, W.Brown-  MCA MVCM-48001/3

 

M22.You Never Can Tell(2’40”)Chuck Berry 

-C.Berry-  Chess  CH-92521 JVC-473

 

M23.メムフィス・テネシー (2’12”)チャック・ベリ—

-C.Berry-   MCA MVCM-48001/3

 

M24リトゥル・マリー (2’38”) チャック・ベリ—

-C.Berry-  MCA MVCM-48001/3

 

M25.Come On(1’48”)Chuck Berry wt. Martha Berry 

-C.Berry-  Chess  CH-92521 JVC-473

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N   今の気分の「チャック・ベリ—・トップ9」如何でしたか。

まず「トゥー・ポップド・トゥ・ポップ」。これについて言及した文章をわたしは

読んだ事がないですね。「ハバナ・ムーン」同じくカリブ調のノヴェルティ曲です。16歳の

時に初めて聞いてからずっと好きです。

次は「バック・イン・ザ・U.S.A.」。最後に出て来る「ハンバーガーがジュウジュウと音

を立てて鉄板の上で焼かれてる」という行りが迫って来ます。これに感化さ

れ、しばらく立ち入るファミリ—・レストランを「シズル」だけに決めていた位です。

そして「ウィー・ウィー・アワ—ズ」。わたしの唯一好きなエリック・クラプトンのソロで、映

画「ヘイル、ヘイル、ロケンロー」サウンドトラックからでした。

ひねくれ者のわたしは「J.B.D.」より「バイ・バイ・ジョニー」の方が好きで、

これも「出稼ぎに出たジョニ—が一嫁さんを連れて帰って来て、線路の側に家を

立てて、汽笛が鳴ると台所の扉のところに立って手を振ってる」という最後

の章がたまらなくてね。一緒に唄ってると涙がこみ上げて来る事もありまし

た。こんな美しい情景を、あの人間不信男が唄うんですよ。

「コンフェッション・ブルース」これもストーンズ版で知りました。テムポーを少し落とした

そちらもなかなか良いですよ。よりブルーズ的です。

「ユー・ネヴァ・キャン・テル」、チャックの「そんなモノよ」という世界観がよく現れた

歌ですね。この思想に共鳴する多くの人間がカヴァしてます。これは珍しいスティ

ーリオ・ミクスでお届けしました。

そして「メムフィス」、その続編の「リトゥル・マリー」。わたしがチャック・ベリーに決定的

に打ちのめされた1曲は、これかも知れません。続編では娘さんと長距離通

話が出来たようで何よりでした。

最後の「カム・オン」は、チャックとしては異色とも言える程の「一般的性を持っ

た」ポップ曲です。これもちょっと珍しい、娘と唄った仕様で聞きました。

この盤ではクレジット「Martha Berry」とありますが、「イングリッド」ではないで

しょうか。マーサはチャックのおばあちゃんです。

今もチャック・ベリーのCD盤は、まだ店頭在庫で沢山手に入る筈です。チェスの初

期の物は紙ジャケットで殆どが発売されていました。最低でもベスト盤はいつでも

買えるでしょう。ぜひ自分の物として聞いて、自分なりのチャック・ベリーを創り

上げて下さい。16歳の時から約30年間、友達の2枚組ベストをずっと借りっ

放しにしていた男からのお願いです。

8月11日の中央エフエム放送をお聞き頂き、ありがとうございます。わたしも

想像ほど酷い出来ではなかった、という感想でした。ポークパイさん、喉の調子

をご心配下さって、ありがとうございます。多分ね蚊取り線香の副作用では

ないかな。わたしも最初に自分の声をきいて、「なんてしゃがれているんだ」

と驚きました。別に風邪等ではないですよ。歳を取ると鼻が詰まったような

声になってしまうようで、エミルー・ハリスにややその兆候が感じられます。NHK

土曜朝のDJも第二変声期を過ぎて久しいですね。わたしはまだそこまでは

行ってません。元々がこんな声ですからこれで鼻が詰まったら多分誰も聴き

取れなくなってしまうのではないでしょうか。気をつけます。

「DJはしゃべくり声と曲のピンポンだな~と、感じました」とクリやん。な

る程そう考えればいいか。今回のようにひとりだけだと、結構持て余す訳で

すよ、時間空間を。そんな時にお便り等があると、その人とお話が出来て順

調に進みます。それに突然ハコを用意されると、えらく構えてしまって挙げ句

に舞い上がって終わり、です。ト—シロはやっぱ生の方がいいな。

とりあえず無事終了しました。どうもありがとうございます。

さあ、今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/0b5084e639cdee22abe781e2ce67e49bb26adcbd

ダウンロードパスワードは、3duxm8v7です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国9500万人のあなたにも、アサ—。

 

 

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/08/12

mb170812

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。先週は大変失礼いたしました。

みなさんのお楽しみを少々お預けにしてしまいましてここ改めてお詫び致し

ます。前回は必死の思いで間に合わせたのですが、それが災いしてか、公開

が遅くなりました。お許し下さい。

わたしの過失、重過失です。

「イッツ・マイ・オウン・フォールト」。

 

M01.It’s My Own Fault(3’32”)B.B.King

-King, Taub-  Blues Encore CD 52020

 

N  B.B.キングで「ワツシの誤り」でした。コムピ盤を使いましたが、これはリーガル

での実況盤テイクですね。この頃のB.B.はまだ黒人観客だけの前で歌っていまし

て、その後とだいぶ雰囲気が違います。とても落ち着いていますね。後期に

なると会場も大きくなって「不特定多数多民族」を相手にせざるを得ないよ

うなB.B.自身の存在に変わりましたから、本人もこんなリラックス状態とは少し違

いました。B.B.キング「わたしの誤り」でした。

さて、次の曲は奇しくも訃報と重なってしまいまして、大慌てで構成変更

をいたしました。それはともかく、まずはお聞き下さい。

「フィ−ニクスに着く頃までには」。

 

M02.By The Time I Get Phoenix(2’44”)Glen Campbell 

-J.Webb-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

N  2017年8月8日に亡くなったグレン・キャムベルで「バイ・ザ・タイム・アイ・ゲット・

フィーニクス」お聞き頂きました。81歳という年齢は、本人にとって充分だったの

か短かったのかわたしには分りませんが、ここ数年間はアルツハイマー病に悩まされ

ていました。

今の1曲、日本では「恋はフェニックス」でしたか。布施明じゃないですよ。こ

の歌で「by」が「(何時)までには」と憶えた人も多いでしょう。ワツシもそう

です。朝早く行き先も告げず恋人の眠っている部屋から旅立つ男、堺正章の

「さよなら恋人」、発想はひょっとして・・・。

 

   彼女は全然気にしないだろうね

   なぜならこれ迄にもこんな事が何度もあったから

   オクラホマに着く頃までには、もう眠っているだろう

   そして、俺が本当に去って行ったんじゃないか

   ひょっとしたら・・・、と思い始めるかもしれない

   俺はいつか出て行くぜ、とこれまで何度も言っていた

   でも気付かなかった、いつか本当に出て行くという事を

 

ジム・ウェブの大傑作のひとつです。聞き始めた時から見事な描写のこの物語

は、子供のわたしにもリアルな映像を伴って迫ってきました。置き手紙が貼付け

られているのは、灰色に塗られた無機質なドア−です。効果的な弦のアレンヂがと

ても印象に残りました。

恥ずかしながらこのような状況を実際に体験した事はこれまでにありませ

ん。今後味わうとしたら自分の死ぬ時でしょうかね。実はこれ、こんな風に

突然この「幻」が更新されなくなったら、君はどうするの、ここ迄にこんな

事はなかったから・・・、と脅かしのつもりで選んだ1曲なのです。「オオカミだ

—」、となると元も子もないのですがね。それがこのような不幸とつながって

しまいました。

この歌を、若くして死んだ福澤諭吉の曾孫の幸雄が袋井のヤマハのコースで事故

死する直前に、当時の恋人小川知子に聞かせて「こんな風に僕が去って行っ

たら、君はどうする」と訊ねたという余話がありまして、中学生の頃には信

じていました。ゲーノー週刊誌の記事からですから、マユツバですね。しかもサチオに

は別の「本命」がいたらしい。ますます真実味が・・・あ、グレン・キャムベルで

す。

この「フィ−ニクスに着く頃までには」が、わたしとグレン・キャムベルとの出逢いで

した。もう100%ポップ・シンガ—に転身した後で、この後のナムパなヒット曲は、何

故かよく聞いていましたね。それだけ流行っていたのでしょう。「生涯の1001

曲」に入る「夢を見るだけ」もグレンとボビ−・ジェントリ—で知った筈です。その

後、本来はギタ—の名手で、ビーチ・ボーイズにも一時的に正式メムバとして入って

いた事があるのを知り、だいぶ見る目が変わりました。尊敬の対象となった

のです。

日本に個人として紹介されたのはピンの歌手としてで、かなり商業的な存在

になってからですから、熱心な音楽ファンにはあまり真剣に聞かれていなかった

とも思います。本人も結構C調に唄ってましたしね。

わたしにはフィーニクスでの出会い以来、なぜかずっと気になる存在でした。カント

リ—音楽とちゃんと付き合う、遥か前です。何より、唄が上手いのですよ。聞

いて下さい。

「ジェントル・オン・マイ・マインド」。

 

M03.Gentle Of My Mind(2’59”)Glen Cambell

-J.Hartford-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

N  8日に亡くなったグレン・キャムベルで「ジェントル・オン・マイ・マインド」、真剣に唄って

いるのが伝わって来ます。まだ純な感じですね。これは本来デモ録音だったと

いいます。充分にリラックスしているのは、そのせいでしょうか。日雇いギタ—弾き

を卒業してソロの唄い手になるの決心してから、彼は熱心に良い歌の書き手を

探していたようです。初めてのヒット曲「ユニヴァーサル」・ソルジャーは、アメリカ先住民の血

を引くカナダ生まれのバフィ・セイント・メアリの作品でした。

その後、ジョニー・リヴァースのアルバムで自ら見つけた「フィ−ニクスに着く頃までには」

を吹き込んで大ヒットにつなげたのも、この熱心さがあっての事かも知れません。

勘も冴えていましたね。ジム・ウェッブとの出会いは、その後もヒット曲を生みまし

た。

 

M04.Wichita Lineman(3’06”)Glen Cambell    

-J.Webb-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

N  加藤和彦のソロ作品「僕のおもちゃ箱」の原曲、これは本人がそう言ってまし

たから本当でしょう、「ウイチタの保線工夫」グレン・キャムベルでした。ブルーズとかカン

トリ—によくある主題の楽曲ですね。トレモロの効いた間奏のギターが大変宜しい。ジ

ムはこの時代の寵児として大活躍していましたし、バカラック的な都会派作曲家の

イメヂがありましたが、元はオクラホマの田舎の教会の子ですからこういう環境を思

い浮べる事が出来たのでしょう。ここでもグレンの歌は見事です。どこにもぶ

つけられないやるせない想いを上手く節に載せています。想像力の賜物です。

グレン/キャムベルはヒットを連発したお陰もあって、70年代には「昼間のラジオの王

様」と呼ばれていました。しょっちゅう彼の歌が流れていたようです。声は

見た目より断然いいしね。微妙な低い倍音が奥様方のココロをシビレさせたのでし

ょう。流石「昼間のラジオの王様」です。「専業主婦の夢」なんて歌も出してま

した。その延長線にあるのでしょうか、女性関係でもなかなかの発展家で、3

回離婚再婚を繰り返しています。最後の奥さんはタニア・タカーじゃなかったかな。

その延長線上か、女性とのデューオも得意でして、アン・マレー、ボビ—・ジェントリー

などとはフル・アルバムも作っています。では先ほども出て来ました、わたしの「生

涯の1001曲」の1曲、

「夢を見るだけ」、ボビ—・ジェントリーとの二重唱でどうぞ。

 

M05.All I Have To Do Is Dream(2’33”)Glen Cambell wt.Bobbie Gentry 

-B.Bryant-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

M06.Southern Night(2’58”)Glen Cambell

-A.Tousaint-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

 

N  「夢を見るだけ」、そして「サザ−ン・ナイト」でした。こちらはもちろんアラン・ト

ゥーセイントの作品で、彼を有名にした1曲です。グレンの仕様はとても洗練されて

いて親しみ易く、異国情緒を伴った楽曲の良さが誰にも伝わった筈です。あ

のキョ—フのトレモロ・ヴォ—カルのオリヂナル版よりは。

さてグレン・キャムベル、先ほど元々は日雇いのギタ—弾きだった、と申しました。

ロスエインジェルズのステューディオでは数えきれないセッションに参加していた事でしょう。

かのレッキング・クルーの一員でもありました。その中でも大物との手合わせが記録

に残っています。本人の略歴にも誇らし気に記されています。そこから聞い

てもらいましょう。

まずエルヴィス・プレズリで「ラス・ヴェガス万歳」、

そしてフランク・シナトラとの「夜のストレインヂャーズ」、2曲続けてどうぞ。

 

M07.Viva Las Vegas(2’25”)エルヴィス・プレスリー

-D.Pomus, M.Shuman-  BMG BVCM-31223

 

M08.Strangers In The Night(2’45”)Frank Sinatra

-B.Kaempfert, C.Singleton- ワーナー WPCR-12892

 

N   エルヴィス・プレズリの「ラス・ヴェガス万歳」、フランク・シナトラで「夜のストレインジャーズ」、

2曲、グレン・キャムベルがギタ—を弾いているセッションでお送りしました。共に彼らし

くない曲調ですね。日雇いとしては何でも出来なきゃいけません。好きだの

嫌いだのは言っていられない世界ですから、ソツなくこなしたのでしょう。細

かなリズムカット、オブリガートに終始する「ヴェガス」が64年、ほとんど聞こえなか

った「ストレインヂャー」は65年。グレンがそろそろギタ—弾きから足を洗おうとして

いた頃です。カリアとしては円熟期ですね。

わたしの好きなジョージ・ベンスンも、歌うようになってからはあまりギタ—を弾

かなくなりました。今年のモントルーでも唄ってばかりいたらしいです。バッキング

なんかやらせると実にいい味出すんだけどなあ。やっぱ唄が一番なのかな。

分るような気がします。

グレンは自曲の録音ではどうか知りませんが、実演の場ではそこそこ弾いて

いたようです。日本だけで出ていた『ライブ・イン・ジャパン』でも中間部に、ほ

んの少しその腕前を披露します。聞いて下さい。

この時にアメリカから連れて来た4人のミュ—ジシャン達との器楽合奏です。

「ソング・フォ−・ヨール」

 

M09.Song For Y’all(2’04”)Glen Cambell   

-C.Jackson-  Real Gone Music RGM-0018

 

M10.Coming Home(2’30”)Glen Cambell   

-B.Wood-  Real Gone Music RGM-0018

 

N  1974年5月、新宿の東京厚生年金会館で収録されたグレン・キャムベルの来日公

演から「ソング・フォ−・ヨール」、そして「カミン・ホ−ム」でした。先の「ソング・フォ−・

ヨール」ではかなりブルーグラス的な演奏が聞かれましたが、グレンのギタ—・ソロは、オー

ヴァダビングのような気がします。バンジョ—やフィドルのパ—トでは当時のエレアコの頼

りない音色なのですが、ソロになると急に音が変わる、アクースティクも全然違う。お

そらく後で被せたトラックでしょう。ただ本番でも似たような事はやってたと思

います。この来日ライヴ・アルバムのすべての写真でグレンは新興勢力のオヴェイション・

ギタ—を使っていて、何らかの固有の契約下にあったと思われます。先の「頼

りない音色」は、この頃のオヴェイションの特徴でした。

「カミン・ホ—ム」は、本人が語っている通りコカ・コ—ラのコマ—シャルに使われて、その

後シングルになったもの。これを切っ掛けにグレンは日本でも認知度が大いに上昇

しました。「スカとサワヤカ、コカコ-ラ」の連発は、彼のサーヴィス精神旺盛な側面を見せて

くれます。多分ね、来日時は東芝やキョードーなどのカンケーシャがずーっとチヤホヤした

んでしょう。本人もだいぶ調子に乗ってます。

この翌年に「ラインストーン・カウボーイ」を世界中でヒットさせて、グレンは大御所となり

ました。この歌も彼自身がラジオで聞いて気に入り、すぐに実演の場で唄い始

めたといいます。こういうところは実に好感の持てる音楽愛好家でした。日

本ではその後で何か のコマ—シャルに使われたような記憶があるのですが、思い

出せない。どなたかご存知ではないですか。

では聞いて下さい、「ラインストーン・カウボーイ」。

 

M11.Rhinestone Cowboy(3’08”)Glen Campbell 

-L.Weiss-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

M12.Galveston(2’41”)Glen Campbell

-J.Webb-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

N  「ラインストーン・カウボーイ」、そして1969年の「ギャルヴェストーン」、これもジム・ウェブ

の作品でした。グレンは2011年からアルツハイマー病に悩まされていました。今回ご

家族が「長い勇気ある戦い」と表現した闘病生活の末に亡くなりました。大

勢いる子供たちが本人を助けて地方巡業をしたり、録音作品も死亡する直前

の2017年6月に発表したりしています。最後まで音楽愛好家でした。

「現」モーニン・ブルーズでも2013年に発表された『シー・ユー・ゼア』からお届け

したことがあります。今朝はそのアルバムから神様が自分の元にやって来るのを

待っている歌「ウェイティング・カミン・オヴ・マイ・ロード」を聞きましょう。

グレン・キャムベル 2017年8月8日没。81歳でした。

 

M13.ウェイティング・カミン・オヴ・ザ・ロード(3’12”)グレン・キャムベル 

-G.Campbell, J.Raymond-  ビクター  VICP-75110

 

M14.Reason To Believe (2’24”)Karen Dalton

-T. Hardin-  Delmore Recording Society DE 023

 

N  「ウェイティング・カミン・オヴ・ザ・ロード」、8日に亡くなったグレン・キャムベルでした。

先に吹き込まれていた唄を活かして、ほぼ全てを作り直したという録音です。

よくここまで自然に仕上げられたなあ、という思いがします。このころ既に

闘病中でした。

それに続けたのは「リーズン・トゥ・ビリーヴ」の最も素朴な仕様、カレン・ダルトンで

した。先日片付けをしていたら、このトラック収録のカレンのアルバム『カレン・ダルトン 1966』

が出て来まして、その1曲目がこれでした。特に目的も無いデモセッション、それ

も節約のためにテイプ速度を落としての録音。1966年の民生機ですから音は推

して知るべし、ですが不思議とその場の空気が伝わって来ます。数年前にわ

たしの6歳くらいの時の家庭録音が出て来た事がありまして、そうっとひと

りで再生してみたら見事な位にその時の情景が浮かび上がりました。そうい

う物なのですね、簡素な録音というものは。内容に関して詳しく申し上げら

れませんが、最後には家族全員にいじめられて、幼きワツシは泣き出しています。

酷い家です、最年少者を寄って集って。

それはともかく、聞き直してみたこの『カレン・ダルトン 1966』アルバムは面白か

った。で、同じこの歌をグレン・キャムベルも唄っています。そちらも聞いて下さ

い。

「リーズン・トゥ・ビリーヴ」。

 

M15.Reason To Believe(2’24”)Glen Campbell 

-T. Hardin-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

N  グレン・キャムベル1968年の録音で「リーズン・トゥ・ビリーヴ」でした。作者のティム・

ハーディンは60年代に限られた周囲に対してはボブ・ディランと同じ位の影響力を

持っていたと言われますが、まだまだ無名な存在。この歌は1966年に発表さ

れた彼の一枚目のLPに収められていましたが、決してヒット曲ではありません。

先のカレンはその年に既に持ち歌にしていた訳ですから、音楽通の間でティム・ハーデ

ィンは、ぼつぼつ知られ始めていたようです。

グレン・キャムベルはまだジム・ウエブの作品を唄っている時代ですが、こういう処

に目を付ける辺りは流石です。たぶんその頃からシングル曲だけでなく他のLP

収録曲も対象とするフォ—マットが大学内のラジオ放送などで台頭して来ていました

から、グレンはそれを耳にしたのかも知れません。この放送形式が後に「A.O.R.

アルバム・オリエンテド・レイディオ」になって行きます。

ではそのティム・ハ—ディンの原仕様を聞いてみましょう。

「リーズン・トゥ・ビリーヴ」。

 

M16.Reason To Believet(2’00”)Tim Hardin

-T. Hardin-  Polydor  440 016 405-2

 

N  ティム・ハ—ディンのオリヂナル「リーズン・トゥ・ビリーヴ」でした。

 

   嘘をつかれて泣いている時

   目の前であんたに笑われた

   それでも信じられる訳を探してる・・・

 

「俺が落ちる込んでる時に、なんで笑えんだよ」というのはポール・マカートニの

「アイム・ダウン」ですが、今のティムの唄は過酷な事実を当事者に訴えているよう

な、真に迫る説得力がありますね。予算委員会の代表質問もこの位の真実味

が欲しいな。

それはともかく、この曲の前に「もしわたしが大工であなたが貴婦人でも、

結婚してもらえますか」とティムが唄った「イフ・アイ・ワー・ア・カーペンター この小さ

な願い」がボビ—・ダーリンに採り上げられてヒットしていました。ここでもティムは

テッテ的に遜って謙虚な姿勢です。こういう男の弱さがビューチフォーなフラワー・ピーポ−

に支持されたのでしょうか。

さて、かつてアーサム・ビートで時折送り出していた「千本ノック」のようになって

きました、今朝のモーニン・ブルーズです。「もしも大工なら」と来たら、この二人

は外せませんね。カ—ペンタ—ズです。聞いてみましょう。

 

M17.Reason To Believe (3’05”)Carpenters

-T. Hardin- A&M B001322302

 

N  カ—ペンタ—ズで「リーズン・トゥ・ビリーヴ」でした。軽いポップ・カントリ—仕様、こちら

はあまり深刻な問題ではなかったようです。1970年のアルバム『遥かなる影』

に収録 されていました。

この歌、わたしはロッド・ステュアートで知りました。イギリス本国ではヒット・シングル「マ

ギー・メイ」のB面で、そちらもヒットしたそうです。まだ真剣に良い楽曲を探し、

真面目に音楽に取り組んで心をこめて唄っていた頃のロッドの名唱のひとつで

しょう。

最後の「リーズン・トゥ・ビリーヴ」、ロッド・ステュアートで聞いて下さい。

 

M18.Reason To Believe(4’10”)Rod Stewart 

-T. Hardin-  Mercury 558 060-2

 

M19.I Say A Little Prayer(3’37”)Aretha Franklin

-H.David, B.Bacharach-  Atlamtic SD 8186

 

N  ロッド・ステュアートの「リーズン・トゥ・ビリーヴ」に続いては、「アイ・セイ・ア・リトル・プレ

イヤー 小さな願い」、アリサ・フランクリンでした。日本で流行ったのはディオンヌ・ワーウィック

の方でしたか。

先ほどの「イフ・アイ・ワー・ア・カーペンター」は「『この』小さな願い」、こちらは

「小さな願い」、これら2曲は日本で流行ったのがほぼ同じ時期だったので、

よく混乱していました。小山ルミがゴーゴ−・ガールで踊っていたテレビ番組の「ビー

ト・ポップス」で、司会の大橋巨泉がしつこく言及していたのを憶えています。

 

M20.Satisfaction(3’41”)インサニヤ

Pヴァイン PCD-25233

 

N 突然の中東言語音楽は、インサニヤという集団。ビル・ラズウェル企画制作のアルバム『イ

エメン・ブルーズ』がカッコ良くて、何度も聞いています。しばらくヘヴェィ・ローテイション

になるかな。またお届けするつもりです。お楽しみに。今朝は「サティスファクション」

でした。

 

M21.ワード・アップ(4’21”)キャメオ

-L.Blackmon, T.Jenkins-  ユニバーサルUICY-1191/2

 

N  突然のキャミオ、これも片付け中に出て来た2枚組ベスト盤からです。ファンク音楽

を今のスタイルに持ち込んだ貢献者、キャミオ。当初は「カメオ」と表記されていました。

もともとは管部門を含む大型ファンク楽団で、当時の成功者アース、ウインド・アンド・

ファイアの流れに従った王道を歩んでいました。それをディジタル器機でひっくり返

してファンクの新しいスタイルを打ち出したのが只今の「ワード・アップ」です。大幅な

人員削減は時代の先を見据えた方針だったのでしょうか。オハイオはデイトンのロジャ

ー・トラウトマン一族の動きも注視していたのかな。とにかくこの曲の刺激は強烈で

した。ファンクは今もこの延長線上にあります。

一方でこの2枚組ベスト盤にも収録されている1978年の作品、「ウイ・オール・ノ

ウ・フー・ウイ・ア−」には、まだその他大勢的大編成集団の姿、マジな黒人意識が

強く感じられて、これも面白い。聞いてみて下さい。

 

M22. ウイ・オール・ノウ・フー・ウイ・ア−(5’51”) キャメオ

-L.Blackmon-  ユニバーサルUICY-1191/2

 

M23.シーズ・ストレンジ(7’10”)キャメオ

-L.Blackmon, T.Jenkins-  ユニバーサルUICY-1191/2

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  わたしは転換期のキャメオにしばらく付き合ったことがあります。正直言って

余りの大胆なディジタル移行には全面的な肯定が出来なくて、ヴィディオ・クリップ集

に一瞬だけ盛り込まれていた昔のツアー・バスに全員が乗り込んでワンナイト・スタンド

を続ける姿に安堵したりもしていました。でも「ワード・アップ」以降の路線は、

歴史的に証明された新機軸でした。最後は1984年の傑作「シーズ・ストレインヂ」

をお聞き頂きました。

先週お届けした自作楽器奏者エルサリー=サミュエルの動画が「幻」ツイターで揚げられ

ています。”火の”鳥さんありがとうございます。この人に間違いありません。

奏法はちょっとわたしの記憶が違っていたようですね。「割り箸」で弦を引っ

掻いてます。またどこかで会えるかなあ。

昨晩の「真夏特番」は如何でしたか。どうぞ忌憚のないご意見をお寄せ下

さい。正直なところ、あまりうまく出来なかった悔しい思いが残っています。

どうだったかな・・・。

さて今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/8989203e350595edd754463ddc085f574d17e32c

        ダウンロードパスワードは、9rk0vt3uです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国9500万人のあなたにも。

 

 

Real Rocks 【8/05 O.A.】Playlist -Fuji Rock Festival 特集-

Real Rocks【8/05 O.A.】Playlist

8月05日の番組は、

Fuji Rock Festival’17のライヴ音源を120分に渡ってお届けしました

許諾の出たアーティストのライヴ音源の中から厳選してお送りしました!
来週以降もお届けできるとおもいます。

——————————————————–

M01: Play That Song (Live)  /  TRAIN

M02: Hey, Soul Sister (Live)  /  TRAIN

M03: Get What You Need (Live)  /  JET

M04: Genius (Live)  /  JET

M05: Look What You’ve Done (Live)  /  JET

M06: Are You Gonna Be My Girl (Live)  /  JET

M07: Rit It Up (Live)  /  JET

M08: Little Something (Live)  /  THE AMAZONS

M09: Junk Food Forever (Live)  /  THE AMAZONS

M10: Stardust (Live)  /  ASGEIR

M11: Going Home (Live)  /  ASGEIR

M12: Torrent (Live)  /  ASGEIR

M13: Behind Closed Doors (Live)  /  THE STRYPES

M14: Great Expectations (Live)  /  THE STRYPES

M15: Scumbag City (Live)  /  THE STRYPES

M16: Please (Live)  /  RHYE

M17: Summer Days (Live)  /  RHYE

M18: Open (Live)  /  RHYE

M19: Hunger (Live)  /  RHYE

M10: It’s Over (Live)  /  RHYE

M21: Do To Me (Medley)(Live)  /  TROMBONE SHORTY&ORLEANS AVENUE

おしまい!

 

ちなみに!

radikoのタイムフリー機能を使えば、1週間限定で番組を聴くことができますよ~。

【TRAIN フジロック・ライヴ音源】

http://radiko.jp/share/?sid=ZIP-FM&t=20170806030329

M01: Play That Song

M02: Hey, Soul Sister

 

【JET フジロック・ライヴ音源】

http://radiko.jp/share/?sid=ZIP-FM&t=20170806031259

M03: Get What You Need

M04: Genius

M05: Look What You’ve Done

M06: Are You Gonna Be My Girl

M07: Rit It Up

 

【ASGEIR フジロック・ライヴ音源】

http://radiko.jp/share/?sid=ZIP-FM&t=20170806034556

M10: Stardust

M11: Going Home

M12: Torrent

 

【RHYE フジロック・ライヴ音源】

http://radiko.jp/share/?sid=ZIP-FM&t=20170806042050

M16: Please

M17: Summer Days

M18: Open

M19: Hunger

M10: It’s Over

 

【TheStrypes フジロック・ライヴ音源】

http://radiko.jp/share/?sid=ZIP-FM&t=20170806040208

M13: Behind Closed Doors

M14: Great Expectations  /  M15: Scumbag City

 

     

  

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/08/05

mb170805

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  だいぶ遅めのアサーです。失礼いたしました。「イッツ・マイ・オウン・フォールト〜わたし

の誤り」です。申し訳ありません。

改めて、ご挨拶。おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。さあ8月だ。真

夏だ、盛夏だ。ギラギラと輝く太陽が落ちた後の、夏が来れば思い出す、あの

暴風雨の中の大音量騒乱、グランド・ファンク・レイルロ—ドです。

これです、「ザ・ロコモ—ション」。

 

M01.The Loco-Motion(2’39”)Grand Funk

-J.Goffin, C.King-  Capital  72435-80531

 

N  「皆さん、ウッドストックでも雨が降りました。ここ後楽園でも雨が降っています」

糸居五郎の有名な名文句で有名な1971年の後楽園球場のグランド・ファンク・レイル

ロ—ド公演、憶えている方いらっしゃいますでしょうか。激しい夕立の中、か

つてない大音量で行なわれたロックの音楽会、衝撃以外にはあまり残した物がな

かったようですが、わたしは8月になると一度は思い出す出来事です。何年

か経ってグランド・ファンクはあの時は実演をしていなかった、録音テイプが流れて

いただけだ、という噂が立ちました。雨の中で高圧電源を使いますから、危

険を避けてひょっとしたら・・・、有り得ない事ではないですね。遠く離れ

た観客席からは何も分らなかったでしょう。ただ彼らは前日にフジテレビのスタジ

オで、リハ—サルをしています。やるつもりはあった、という事でしょうか。

では感電の心配のない実演をどうぞ。

二枚組ライヴアルバム『ライヴ・アット・カーネギー・ホール アン・アク—スティク・イ—ヴニング』から

今朝は「ブラック・ラング・ハートエイク」、ジョ−・ボナマッサです。

 

M02.Black Lung Heartache(5’58”)Joe Bonamassa  

-Joe Bonamassa-  J&R Adventures JRA56880

 

N  ナショナル・スティールの音が聞こえました。ジョ−・ボナマッサで「ブラック・ラング・ハートエイク」。

誰なのか分らずに入手したこのアルバム、確かに相当な手応えです。大きなオーデ

ィオ・システムを鳴らして聞いていないので、定かではありませんが、録音も相当

に良いですね。大家澤田修の説明ですと、普段の活動とはほとんど関係のな

い相手、楽曲ばかりのようですが、この説得力。略歴ですとかなりブル—ズ系

統の演奏家ですが、この実況録音盤ではそれほど強くその音楽性が反映して

いる訳でもありません。そのくらいの幅広さを持っているということでしょ

うか。これまでお付き合いのなかったジョ−・ボナマッサ、なかなかです。

さてジョ—はアメリカ人ですが、先週「フランスのジョ−・ボナマッサ」というギタ—弾きに

出会いました。ロ—ズデイルというロック・バンドのチャーリー・ファーベルという男です。

マクス・ミドルトゥンがバナード・パーディーらと結成し短命に終った理想的ロック・バンド、

ハミング・バードのヴォ—カル担当だったボビ−・テンチなどとも活動歴があるそうです。

デビュ—・アルバムを通して聞きますと、確かにギタ—の腕前は標準以上。バンド全

体の要になっているのが分ります。結構なエレキ弾きまくりでちょっとアレンヂが

古いところが気にはなりました。皆様はいかがでしょうか。

ではロ—ズデイルのアルバム『ロング・ウェイ・トゥ・ゴウ』から、「ビフォア・ユー」です。

 

M03.Before You(4’56”)ロ−ズデイル  

-unknown-  BSMF  2561

 

M04.I Ain’t Gonna Stand For It(3’35”) シャノン・マクナリー 

-S.Wonder-   BSMF  6115

 

N   「フランスのジョ−・ボナマッサ」を擁したロック・バンド、ロ—ズデイルの「ビフォア・ユー」に

続いては、シャノン・マクナリーの「アイ・エイント・ゴナ・スタンド・フォ−・イト」です。イントロな

しで唄い出される冒頭部に記憶があって、聞いた瞬間に「あー、これ何だっ

け」が発症、数十分間苦しみました。ようやく思い出したのはスティーヴィー・ワンダ

—の「疑惑」、1980年のアルバム『ホッター・ザン・ジュライ』収録の1曲です。原仕様

はすべて電気楽器の多重録音で作られ、この時期のスティーヴィーを象徴するよう

な成り立ちをしていましたが、この録音は見事なカントリ—・スタイルに生まれ変わっ

ています。後半にスティール・ギタ—が絡んで来る辺りは堪りませんね。

唄っているシャノン・マクナリーは既にかなりのカリアのあるアメリカのシンガ・ソングライタです。

1997年に初録音をしたのですが、すぐには世に出ず、世紀を跨いだ2002年

に発売されました。普通は一旦お蔵入りすると二度と出て来ないのが通例で

すが、珍しい現象ですね。

今回の作品はオリジナルとカヴァの程よい割合で楽しませてくれます。ロドニ—・クロ

ウウェルのプロデュースがかなり冴えていて、ツボがしっかり押さえられています。

はっきり言って全体に地味ですが、随所にル—ツ音楽への敬意が感じられる響き

にはとても好感が持てます。同時にそういう演奏がすぐ出来る音楽家が周囲

にいる事の幸福感も伝わって来ます。羨ましいですね。

ではステイプルシンガ—ズの古いリパトゥワをどうぞ。

「レッツ・ゴ−・ホーム」。

 

M05.Let’s Go Home(2’23”)シャノン・マクナリー   

-P.Staples-   BSMF  6115

 

N   いかにもステイプルズらしい「レッツ・ゴ−・ホーム」、シャノン・マクナリーでした。どことな

く可愛らしい仕上がりですね。今月18日に発売になるシャノン・マクナリーの最新アルバ

ム『ブラック・アイリッシュ』からです。

さて、次はこれら2曲を続けて聞いてみて下さい。

 

M06.Don’t Leave Me Here(5’03”)Taji Mahal & Keb Mo’   

-K.Moore, T.Mahal, G.Nicholson-  Concord 0888072024649

 

M07.The Same Love That Made Me Laugh(3’51”)Robert Clay

-B.Withers-  Jay-Vee  JV2017

 

N  まずタージ・マハルとケブ・モーで「ドント・リーヴ・ミー・ヒア」、そしてロバ—ト・クレイの「ザ・

セイム・ラーヴ・ザット・メイド・ミー・ラーフ」、共に最新アルバムの冒頭曲です。

力強く引き締まったエイトビート、しかも黒人R&Bでは珍しいマイナ—・キイ、全体

の雰囲気に共通する部分が多い、そんな風に感じませんか。わたしが先に聞

いたのはクレイの方でした。その時に「おおっ」と来たのですが、タジモのアルバム

の1曲目でまたしても同じように感じました。たぶん偶然でしょうが、私に

は次のエアロン・ネヴィルのこの歌との関連性が気になって仕方ないのです。

「ガッタ・サーヴ・サムバディ」。

 

M08.Gotta Sarve Somebody(4’32”)Aaron Neville

-B.Dylan-  Tellit 7243 8 20381 2 2 EGD 20381

 

N  キリスト教に改宗したボブ・ディランのゴスペル・ソング「ガッタ・サーヴ・サムバディ」、

これまでも沢山のカヴァがありますが、2003年のエアロン・ネヴィルのゴスペル・アルバム

『ビリーヴ』収録の仕様でお送りしました。

いかがでしょう、前の2曲ととても似た感じではないでしょうか。ここの

ところ何度もお届けしている「ドント・リーヴ・ミー・ヒア」、「ザ・セイム・ラーヴ・ザット・

メイド・ミー・ラーフ」、これらを聞く度にこのエアロンを思い出してまして、いつか一

緒に、と考えていました。と言いながらも実際に続けて聞くと、逆に相違点

の方が妙に響いて、「そんなに近くなかったなあ」というのが今の本音です。

さてそれはともかく、本当はこの奥にもうひとつ重要な決定的な仕様の楽

曲とわたしが睨んでいる作品があります。それ は・・・、ちょうど時間と

なりました。また来週。

 

M09.Wine Drinkin’ Woman(2’27”)Roy Hawkins & His Orchestra  

-R.Howkins-  Pヴァイン PCD-24625

 

N  はい、今朝もご機嫌なジャムプ・ブルーズ集『キングストン・バウンス ルーツ・オヴ・スカ』

から沢山聞いてもらいましょう。まずはロイ・ホウキンズ1950年の録音で「ワイン・

ドリンキング・ウ−マン」でした。ギターのオブリガートには縦横無尽という言葉がぴった

りですね。アフタービートも強烈です。「こういうカウンタ−が庶民感情を刺激する」、わ

たしの説もお忘れなく。

お酒関連で続けましょう。ロニー・ザ・キャットで、

「俺は酔っ払ってないよ」。

 

M10.I Ain’t Drunk(2’27”)Lonnie “The Cat”   

-L.Cation-    Pヴァイン PCD-24625

 

M11.Bristol Drive(2’19”)Maxwell Davis & His Orchestra   

-M.Davis-  Pヴァイン PCD-24625

 

N  ロニー・ザ・キャットの「アイ・エイント・ドランク」でした。続けたのは名アレンヂャー、バンド

リ—ダ—のマクスウェル・デイヴィスです。ブリストル・ドライヴ、ライナによればエイモス・ミルバーンの

「バーッド、バーッド・ウイスキー」の原曲と言いますから、お酒関連で3曲続いたと

言えなくもないですね。これはコジ付けですか。

この『キングストン・バウンス ルーツ・オヴ・スカ』、制作側の狙いとしてはスカの好きな

人たちに季節も考えての事だろうと思いますが、どうしてどうして、立派な

ジャムプ・ブルーズのコムピ盤に仕上がっています。音源がモダ—ンですから当たり前

と言えばその通りなのですが、これまで余り知られていないこの種の在庫が

きっとまだまだあるのでしょう。というか、ヒット曲、有名ア—ティスト作品の他は、

多分こんなものばかりだったのでしょう、この頃は。

 

M12.Ojai(4’06”)Joe Lutcher & His Orchestra

-J.Lutcher, J.Taub-  Pヴァイン PCD-24625

 

N  これはジョ—・ラッチャーと彼の楽団で「オジャーイ」というものです。少々ラテン風味が

まぶしてあって、更にはハ—レムの密林音響的でもあり、若干アヴァンギャルドな要素

も感じられます。大きなキャバレーのバンドスタンドが目に浮かびますね。当然その

前ではストリップ・ショウです。ジャズとブルーズとスウィングとラテンが一緒になった五十年

代の飲食場に於ける娯楽音楽が、このアルバム『キングストン・バウンス ルーツ・オヴ・スカ』

に一杯詰め込まれています。そして時代が変わり始めて更にもうひとつの要

素が・・・。

 

M13.Lolly Pop(2’30”)Oscar McLollie & His Honey Jumpers 

-R.Rene, L.Rene-  Pヴァイン PCD-24625

 

N   オスカ—・マクローリーとホネー・ジャムパーズ1953年の録音で「ロリ・パップ」でした。「も

うひとつの要素」とはロックンロ—ル感覚ですね。オスカ—・マクローリーは極めてロックンロ—ル的

なのですが、後の白人の若者を狂乱状態に連れ込んだロックンロ—ルとはちょっと違

って、まだジャムプ・ブルーズの新種と言った方が良いかもしれません。そもそ

も「ロックンロ—ル」という言葉自体がブルーズの世界から生まれて来たのですしね。

ではジャムプ・ブル—ズ・アルバム『キングストン・バウンス ルーツ・オヴ・スカ』からその名

もズバリの「ロックンロ—ル」、ワイルド・ビル・ム—アです。

 

M14.Rock And Roll(2’50”)Wild Bill Moore        

-W.Moore,T. Reig-  Pヴァイン PCD-24625

 

M15.Little Queenie(2’23”)Jerry Lee Lewis     

-C.Berry- Pヴァイン PCD 17762

 

N  ハーイ、チャック・ベリ—ですよ。カヴァ—のコムピ盤、イギリスのエイスで組まれた『ロックンロ—ル・

ミュ—ジック ザ・ソングズ・オヴ・チャックベリー』から、ジェリー・リー・ルイズの「リル・クイニー」

でした。1959年の作品です。特徴的な左手のビ—ト感覚が心地良かったですね。

ジェリー・リーはチャックの歌がとても好きだったと言います。仲も良かったみたい。

お互いに変人同士です。果たしてどんな会話をしていたのでしょうか。

次に行きましょう。これも知らなかったカヴァ・ヴァ—ジョンです。ひょうきん

な変人、ドン・コヴェイです。

「メムフィス」。

 

M16.Memphis(3’18”)Don Covay        

-C.Berry- Pヴァイン PCD 17762

 

N  ドン・コヴェイで「メムフィス」。これは傑作ですね。実に良く出来ている。カリブ調に

なってますから「メムフィス・テネシー」ではなくて「ハバーナ、カリビアン・シー」にしても

良かったかもしれませんね。いずれにせよドン・コヴェイの豊かな才能が発揮さ

れたカヴァです。1973年にマ—キュリ—で吹き込んだ作品でした。

この『ロックンロ—ル・ミュ—ジック ザ・ソングズ・オヴ・チャックベリー』は、さすが凝った

コムピの名門エイスから出ているだけありまして、珍しいトラックがずらりと並んでい

ます。かねてよりカヴァに興味をもっていたわたしですら初めて出会う吹き込

みばかり。こういうのは日本では決して組めないですね。Pヴァインからの国内

盤にはオリヂナルの英文ライナの訳も付いていますから、世界が拡がりますよ。ぜひ

こちらでどうぞ。

さて次はビ—ト・グル—プが比較的当たり前に演っているカヴァ・ヴァ—ジョンです。

スウィンギン・ブルージーンズで「アラウンド・アラウンド」。

 

M17.Around And Around(2’09”)The Swinging Blue Jeans

-C.Berry- Pヴァイン PCD 17762

 

M18.幻トラック第8番(6’42”)エルサリー

-unknown-  No Label name No Number

 

N  チャック・ベリ—から一転、正体不明の無国籍音楽へ繋げました。曲名不詳、演者

もエルサリ—としか分りません。以前一度お聞き頂いた事がありますね。人の集ま

る駅改札周辺で夜になるとやって来る路上演奏者のひとりです。おそらく自

作の楽器、木で出来た箱に鉄の弦を渡してあって、それを布の撥で叩いて奏

でます。足はペダルを操作してキックドラムのような音を打ち出します。全てひと

りで同時演奏。お聞きのようになかなかの説得力です。下北沢と渋谷で見か

けた事がありまして、『幻』、『光』と題されたCDをその場で買いました。今

朝は『幻』の8番目のトラックをお届けしました。エルサリ—です。

さて類似穴さんから「サマタイム」のリクエストを頂きました。ところが調べてみる

と、わたしは殆ど持っていないという事が判明いたしました。『チープ・スリルズ』

くらいはありますが、考えたら他の有名なヴァ—ジョンを知らなかったのです。

余りに有名な歌ですが、果たして決定的な吹き込みは誰なのでしょうか。

それでも夜の大捜索作戦の結果、これはやっぱりだな、という録音に出会

えたので、今朝はそれをお届けします。

1959年9月15日、ヌー・ヨークのタウンホ—ルでの実況録音です。

ニーナ・シモンの唄とピアノでどうぞ。

「サマタイム」。

 

M19.Summertime(5’30”)Nina Simone   

-I.& G.Gershwin, Heyward-  Collectable CDL- CD-6206

 

M20.Beyond The Reaf(3’04”)The Mills Brothers  

-J.Pitman-   ユニバーサル  UCCU-9026

 

M21.I Remember You(2’20”)Kui Lee    

– K.Lee-  Sony A28604

 

M22.Na ‘Ali’i(2’02”)Kui Lee

– K.Lee-  Sony A28604

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

 

N  ニ—ナ・シモンの「サマタイム」とても宜しい。如何でしょうか。これに勝るとも劣ら

ないヴァ−ジョンをご存知でしたら、ぜひ教えて下さい。大抵の「スタンダード」あ

るいは「ジャズ」歌手と呼ばれる人ならば、一度は吹き込んでいるでしょうが、

今わたしが考えても考えても、全く浮かんで来ないのですよ。盲点だったな

あ。

続きましてはこの時期の「幻」定番、ミルズ・ブラザ—ズで「珊瑚礁の彼方に」、

そしてクイ・リーのオリヂナル吹き込みで「想い出はいつまでも アイ・リメムバ—・ユー」で

した。さらにはハワイ語で唄われた「ナ・アリ」同じくアルバム『ハワイ伝説集その2』か

らお届けいたしました。

今週の金曜日、国民の休日、山の日、夜の10時から中央エフエムで「音頭で大

盆奢り」の放送があります。全国各地からの聞き方は、お便り欄でソ—ダラ節師

範代が指南してくれています。どうも有り難う。久し振りの相手のいないDJ、

ちょっと調子が出なかったです。はたしてどんな出来具合でしょうか。ご感

想もお待ちしていますよ。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/65bae93b39ca8f9bc0a93fd6a42ff078575c2823

  ダウンロードパスワードは、85ckeszjです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国9500万人のあなたにも。

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/08/05 大家よりお知らせ

鷲巣師匠から最新の【幻】がまだ届いておりませんので、

突然ですが、、、告知をさせてください!

 

来たる、8月11日22時から!
中央エフエムにて、鷲巣さんによる盆踊り特番があります!

真夏特番

音頭で大盆踊り

60分盆踊り尽くし!

サイマルラジオのサイトからなら世界中で聴けます!
是非、お聴きくださいませ。

そのときに素敵なお知らせもできるかとおもいます!

ご期待ください!

大家