カテゴリー : 2018年 6月

ZIP-FM HAPPY SMILE WEEK プレゼント!

リアルロックスをお聴きのみなさま♡

6月16日深夜3時からのZIP-FM REAL ROCKSは、

ハッピー・スマイル・ウイーク開催中、日頃のご愛聴に感謝の気持ちを込めて
”心のこもったプレゼント”を差し上げます!

愛情こもってます♡

まずは

Don Broco(ドン・ブロコ)のTシャツを1名様にプレゼント!!

続きましては

U2のTシャツを1名様にプレゼント!!!

まだまだあるぞ!

5 Seconds of Summerのクオカード(500円分)2名様にプレゼント!!!!

イメージ画像です♡

そして最後に!

Red Hot Chili Peppersのビーチサンダルを1名様にプレゼント!!!!!

澤田家で熟成されていたレア品です。

欲しいという方は、
郵便番号、住所、お名前、電話番号、さらにメッセージご記入のうえ、

① Don BrocoのTシャツ希望

② U2のTシャツ希望

③ 5 Seconds of Summerのクオカード希望

④Red Hot Chili Pepperのビーチサンダル希望

と、希望のプレゼントを明記の上、
メール、またはZIP-FMのwebsiteメッセージにアクセスしてください。
メール・アドレスは realrocks@zip-fm.co.jp
websiteは zip-fm.co.jp です。
応募締切は、6月20日(水曜日)いっぱいとさせていただきます。

あなたのご応募お待ちしています!

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/06/16

mb180616

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。もう来週21日は夏至です。これ

を過ぎたら昼間の方が短くなっちゃう。日の出はこの前にもう遅くなり始め

ているのですが、日の入りが29日に一番遅くなるんですね。夏至は日の出が

一番早く、日の入りが一番遅い、と思い込んでいましたが、違っていました。

いずれにせよ数秒単位で昼間の時間が変わる毎日です。

いのち短し走れメロス、今朝も元気で行きましょう。

まずライ・クーダーです、「放蕩息子」。

 

M01.Prodigal Son(4’38”)Ry Cooder 

-trd.arr.by R.Cooder-  Fantasy FAN 00235

 

N  ライ・クーダー、「放蕩息子」でした。ザ・ローリング・ストーンズ、ライ・クーダー、「放蕩息

子」この三つは因縁の関係です。まず「放蕩息子」という楽曲、これは今で

こそロバート・ウィルキンズ師の作で知られていますが、ストーンズ1968年発表のアルバム

『乞食の晩餐』では「ジャガー / リチャード」とクレジットされて、ふたりの創作曲に

なっていました。現在の公的資料は皆ストーンズ寄りでまとめられているため、

「当時は作者が不明だった」などという記述で胡麻化されてますが、それは

方便。ちょっと調べれば判明するでしょう。わたしは意図的なゴマカシだったの

ではないか、と考えています。少なくとも70年代前半まではミックとキースの原曲

盗用という見方が支配的でした。前科あるしね、ミックたちは。古いSPかなん

かで聞いたんじゃないでしょうか。

一方ライ・クーダーは次の『レット・イト・ブリード』アルバム制作時にセッション・プレイヤーと

して参加したのが知られていますが、これについてもわたしは『乞食の晩餐』

の録音で既に断片的な接触があったんじゃないか、と見ています。ブライアン・

ジョーンズがほとんど参加しないで作られた、アクースティク・ギターのブルーズ曲中心の

このアルバムからキースは急に腕が上達しますし、「奴らはジャム・セッションを密かに録

音して俺のフレイズや奏法を盗んだ」、とライが訴えた事件もありました。その賠

償として発売になったのが、その時の物的証拠『ジャミング・ウィズ・エドワード』

で、聞けば『ベガーズ・バンクェット』との関連性が 偲ばれるのです。このセッション

にキースだけ居ないってのも不自然でしょ。

今回のライ・クーダーの新譜はこの因縁楽曲と同じ題名で『プロディガル・サン』と

名付けられています。表題曲のベイスが面白いなあ、と思って詳細表記を調べ

たら、ご本人でした。基本的にライ自身が音階楽器を多重演奏していまして、

ドラムズ、パカッションを、あのブエナ・ヴィスタ・ソシアル・クラブにも出てくる息子のジョーキ

ムが受け持っています。ボビー・キング他のバック・グラウンド・ヴォーカル陣はいつも通

りですが、テリー・エヴァンスは今年亡くなったという追記がありました。

ここで唄われる「プロディガル・サン」は、前述の『ベガーズ・バンクェット』収録の

ものとは別曲ですが、身持ちの悪いバカ息子が家に帰ってくるという教訓的な

主題は同じ。そもそもは流れのゴスペル伝道師が唄い継いでいた俗謡歌ですか

ら、様々な仕様があってもおかしくは無い。ライ親子はそれらを整理して、端

正にまとめています。最後のオチが「馬鹿でかい音で奏でられる音楽だけが信

じるに値する真実だ」となっていますが、これは明らかにふたりが新たに付

け加えた行りでしょう。笑わせてくれますね。

ではライ・クーダー、新譜『プロディガル・サン』からもう1曲。

「ジーザス・アンド・ウディ」。

 

M02.Jesus And Woody (5’58”)Ry Cooder

-R.Cooder-  Fantasy FAN 00235

 

N    もう一度「我が祖国」を唄ってくれよ

全体主義者をやっつけてくれ

ガスリーさんよ、あんたは理想を夢見る人だった

俺も同じかもしれない

 

歌詞も記載されている丁寧な造りのブックレットには、思わせ振りな写真が何葉

か配されています。そのひとつがこの歌の頁で、そこにはウディ・ガスリーのかな

り状態の良いSP盤が置かれていました。

この曲です。「ジーザス・クライスト」。

 

M03.Jesus Christ(2’40”)Woody Guthrie

-W.Guthrie-  NOT5CD915-5

 

M04.Hard To Handle(2’18”)Otis Redding

-A.Jones,A.Isbell. O.Redding-  ワーナー WPCR-27559

 

N  先週お話ししたオーティス・レディングの新譜について分かりました。

「日本でも人気の非常に高い『ドック・オブ・ザ・ベイ』(唯一の全米NO.1

シングル)を筆頭に1967年12月10日の死の直前に録音された辞世の作品の

全貌が明らかになる、オーティス・ファン、ソウル・ファン必携のドキュメンタリー的作品集」

という事だそうで、「ドック・オブ・ザ・ベイ」の全米第1位50周年を記念し

ての発売だそうです。50年だってさ。俺はなんて無為に歳を重ねて来たんだ

ろう・・・という複雑な気持ちにならざるを得ません。もうオーティスの倍以上の

年月をこの世で生きてるのです。嫌んなっちゃいますね。

只今の1曲は、その新譜『ドック・オブ・ザ・ベイ・セッションズ』から「ハード・トゥ・

ハンドル」でした。

飛行機事故で亡くなる2、3日前に行った最終録音の各トラックは、死後別々の

アルバムに分けて発表されました。ですから今回のようにまとめられた形は初め

てですが、テイク、録音詳細共に新事実はありません。「オリヂナルの英文ライナも大

した事ないよ」と制作担当者が言ってましたから、本当でしょう。全12曲で

すが、各曲が短いので30分あまりの長さ。流石に音はだいぶ綺麗にはなって

います。今わたしの最大の興味は、どんなジャケット になるんだろう、という点

です。

オーティスの没テイク集はかつてまとめられて出ていました。大都会のアトランティックが

片田舎のスタックスを罠にかけた不公平な契約条件のため、この辺りの権利がウヤムヤ

になっているようで、この時はこれらは何故かファンテイジーからの発売でした。

この盤で「ドック・オブ・ザ・ベイ」を聞いた時、「何でこんなに明るく演っ

てるんだろう」と、疑問に思いましたね。当初は「哀愁の波止場」という邦

題が考えられていた程、公式テイク全編に漂う暗さ、哀しさ。それらはオーティスの

死という事件で更に増幅されました。全米第1位になった理由の一つと言っ

ても良いでしょう。「本人は死を予感していた」などという見解もありまし

たから。誰もが迫ってくる運命に抗えず、沈痛な雰囲気に終始した最後の録

音ステューディオ時間、だった筈です。

それが、喉の手術を終えたこの場この時のオーティスは心機一転、冗談を交わし

ながら伸び伸び唄っています。「あれえ」というような思いでしたね、ワタクシ。

 

M05.Sittin’ On The Bock Of The Bay (Take1)(2’59”) オーティス・レディング 

-O.Redding, S.Cropper-  Pヴァイン PCD-4933

 

N  「ドック・オブ・ザ・ベイ」のテイク1、でした。まだエレキ・ギターが追加録音される

前で、鴎擬音効果も本人が声で出しています。終了部分の口笛も未完成です。

「テイク1」かどうかは信用出来ませんが、おそらくは初期リハーサル段階の録音でし

ょう。それにしても明るい。「死を予感していた」兆候すらありません。スタッ

クスのミュージシャンたちとの共同作業も新しい局面に差し掛かっていた頃で、リズム

のさらなる細分化、リフの強化など、何曲かではこれまでよりファンク的に進みつ

つあるのが特徴です。

オーティスはお聞きのようにユーモアを交えながらセッションを敢行しました。この最終

録音で生まれた傑作といえば、この歌でしょう。

「(ダムダムディディディダムダム)ハッピー・ソング」。

 

M06. ハッピー・ソング(2’40”)オーティス・レディング

-O.Redding, S.Cropper-  ワーナー WPCR-27559

 

M07.エーメン(3’04”)オーティス・レディング

-trd.arr.by O.Redding, S.Cropper-  ワーナー WPCR-27559

 

N  「(ダムダムディディダムダム)ハッピー・ソング」、「エーメン」、オーティス・レディングの

新譜『ドック・オブ・ザ・ベイ・セッションズ』からお届けしました。

 

M08.The World We Live In(4’21”)マイク・ジト

-unknown- BSMF 2607

 

N  以前もお聞きいただいたマイク・ジトの『ファースト・クラス・ライフ』から「ザ・ワールド・

ウイ・リヴ・イン」でした。このアルバムでわたしはこれが一番好きかな。メイジャー・

キイでやるせないマイナー感をうまく出してますね。いい味です。

さて先週少し触ったジョー・ボナマッサの新譜2枚組『ブリティッシュ・ブルーズ・イクスプ

ロージョン ライヴ』は、2016年7月にロンドンの旧王立海軍大学で行われた実演を収

録したものです。付録の豪華4色刷り20頁冊子には世界遺産の素晴らしい建

物に囲まれた中庭での演奏風景の写真がありまして、まずこれが絶品です。

そして更には・・・、

 

イギリス製ブルーズへの愛は、自分の音楽感性の真髄であり、わたしに大いに影

響を与えてくれた、ギター弾き達に感謝出来る機会を得られて大変嬉しい。

もし彼等が1960年代の前半に居なかったら、今わたし達が知っているよう

なロックの大爆発もなかった。これは確かだ。思い切り楽しんでくれ。

 

ジョー・ボナマッサ本人のこんな言葉も載せられていまして、彼の「ブリティッシュ・

ブルーズ」への情熱の燃焼度合いも分かろうというものです。収録曲は先週の

「ベックのボレーロ〜ライス・プディング」に続きまして、「プリンス」「スパニッシュ・ブーツ」

「マザレス・チルドレン」「ブーギー・ウィズ・ステュ」「アイ・キャント・クイッチュー・ベイビー」

「ハウ・メニ・モー・タイムズ」などが並びます。わたしでも知っているハードロックの超有

名曲ばかりです。笑っちゃうでしょ。

そんな中から、今朝はこの2枚組唯一のジョー・ボナマッサのオリヂナルを、まず

どうぞ。

「ブラック・ウインター〜ジャンゴー」。

 

M09.Black Winter / Django(5’59”)Joe Bonamassa

-J.Bonammasa- J&R Adventures JRA58241

 

M10.Let Me Love You(5’36”)Joe Bonamassa  

-W.Dixon-  J&R Adventures JRA58241

 

N  「ブラック・ウインター〜ジャンゴー」、そして「レット・ミー・ラヴ・ユー」でした。ジョー・

ボナマッサの「ブリティッシュ・ブルーズ愛」、伝わりましたでしょうか。「レット・ミー・ラヴ・

ユー」は、バディ・ガイ1961年のヒット曲ですが、ロン・ウド、ニッキ・ホプキンズ、ミック・ヲ

ーラーという黄金メムバーの第一期ジェフ・ベック・グループで世界的に知られました。

当時まさに伸び盛り、青天井のロド・ステュアートのパートを唄っちゃうんだからジョー

も大したもんです。「ブリティッシュ・ブルーズ愛」は充分ですね。

彼の事を澤田修は「何でもやってますけど、ブルーズ・ギタリストですよ、彼」

と言います。現代の一般的な認識はそうかも知れません。

ただわたしに言わせると、全然ブルーズ・ギタリスト的ではない。まず、いつも

清潔で綺麗な衣服を身につけている。洗濯したばかりのような小ざっぱり感

が漂います。一緒に舞台に上がる仲間の演奏家も同じく。また、音楽に対す

る態度が、恐ろしく真面目。演奏も極めて丁寧。たぶんそういう人なんでし

ょう。杜撰でC調、E加減さは微塵も感じられない。全く恐れ入ります。彼

にはさっきの「ブラック・ウインター〜ジャンゴー」、あるいは前作のカーネギー・ホールでの

実況録音盤で披露したような過剰な集中力で研ぎ澄ました音楽が似合ってる

ように聞こえてなりません。今回、思い出してジェフ・ベック・グループを少しだ

け聞いて見たんですが、鍛錬して完璧さを追求するジョー・ボナマッサと、「どう

なるか分からないけど精一杯このまま演ってみるよ」と音楽に寄り添うジェフ・

ベックには大きな違いがありました。ジョーにはチンピラ・ロックに必要なスピード感が

不足しているのも聞き取れた気もします。

でもね、だからと言って全部ダメという訳じゃないんです。ロックはこの50年

で大きく変わってきているんです。ジェイムズ・テイラーの歌に「今じゃロックンロールは

音楽だってよ」というのがあります。その通り。ロックはもはや清廉潔白で健全

な娯楽、芸能、芸術なのですよ。改めてわたしはジョーに、「こういうブリティッシ

ュ・ブルーズのどういうとこが好きになったの」と尋てみたいですね。

では「レット・ミー・ラヴ・ユー」をジョー・ボナマッサの敬愛するジェフ・ベックでどうぞ。

 

M11.レット・ミー・ラヴ・ユー(4’41”)ジェフ・ベック

-W.Dixon-  東芝 TOCP 53094

 

M12.Balabajagal(Love Is Hot)(3’25”)Donovan

-D.Leitch-  Epic / Legacy 88691958682  Thirsday

 

N  「レット・ミー・ラヴ・ユー」、ジェフ・ベックでした。続けましたのは、ドノヴァンの

「バラバジャガ」、ジェフ・ベックがほぼ同じメムバのグループで客演しています。こ

のふたりのプロデューサ/マネージャは、当時ミッキ・モウストという同一の男でした。

これを聞くのは本当に久しぶりだな。40年近く経っているかも知れません。

ドノヴァンはしばらく前に希少な木曜日曲の「ジャーヂ・サースデイ」で思い出したの

ですけれども、今の「バラバジャガ」もとてもいいですね。ちっとも古くなっ

ていない。唄のリズム感が素晴らしかったです。何てったって、ビートルズの次に

日本武道館で演奏会を行った音楽家、しかも楽器は生ギター1本でしたからね。

彼は「イギリスのボブ・ディラン」という触れ込みで世に出たのですけれど、ご

本家とはだいぶ違っていました。ディランが社会の現実を独自の解釈で斬ったの

に対し、ドノヴァンは彼にしか見えない色彩、聞こえない音色を伝えてくれたよ

うです。またいつか聞いて見ましょう。

さて音楽雑誌エリス最新号、早速タクシドライヴァ45979号さんはお読み下さったよ

うです。お便りありがとうございます。バーブラ・デインは今年の春に何度も紹

介してますよ。かなりしつこくお届けしてます。伝え方が良くなかったかな。

今朝はわたしが彼女を知るきっかけとなった2枚組ベスト盤の題名にも

なっている『ホット・ジャズ、クール・ブルーズ、アンド・ハードヒッティング・ソングズ』に

倣って、3つの女の顔をご覧にいれましょう。

まずはホット・ジャズです。彼女はサッチモ、ルイ・アームストロングに気に入られて、旅回

り一座に抜擢されたそうです。確かに唄は上手。ジャズのヴォーカルを難なくこな

していました。ただ左寄りシムパからは、堕落した退廃的なジャズを唄う事は「日

和見転向」と糾弾されたそうです。でもこの2枚組ベスト盤で聞ける彼女のホット・

ジャズは、オーハシ・キョセンが出入りするような都心のナンパ場ではなく、それこそフォ

ークやブルーズのカフェに相応しい物でした。

では実況録音で聞きましょう。伴奏のピアノの調律が悪いですね。

「マイ・メランコリ・ベイビー」。

 

M13.My Melancholy Baby(3’52”)Barbra Dane 

-E.Burnett, G.A.Norton-  Smithonian Folkways SFW CD 40227

 

N  バーブラ・デインのホット・ジャズ、「マイ・メランコリ・ベイビー」の次はクール・ブルーズです。

この2枚組の冒頭に収められている「アイ・アム・ア・ウィリー・ロンサム・トラヴェラー」。

 

M14.I Am A Weary Lonsome Traveler(4’19”)Barbra Dane 

-L.Hays,W.Lowenfels-  Smithonian Folkways SFW CD 40227

 

N  そして最後はハードヒッティング・ソング。これをわたしは心を刺激する歌、と解釈

致しました。心を刺激されて興味を持つわけですから、自分の気に入った音

楽は全てがハードヒッティング・ソングでありまして、わたしはそれをここ「幻」で紹

介している事にもなります。今回バーブラ・デインの場合は、殊更にこういう傾

向の歌を選んでみました。

「連帯は不滅なり」。

 

M15.Soldarity Forever(4’41”)Barbra Dane

-R.Chaplin-  Smithonian Folkways SFW CD 40227

 

N  バーブラ・デインで「ソリダリティ・フォエヴァ」でした。一緒に唄っているのはピート滋

賀です。この原曲は南北戦争時の軍歌「リパブリック賛歌」ですね。我が国では

数々の仕様がありまして、「オタマジャクシはカエルノコ」「ゴンベサンのアカチャンがカゼヒイタ」

とか「マアルイミドリのヤマノテセン」辺りが筆頭ですね。たまたま今週立ち寄ったヨドバ

シカメラの電子鍵盤楽器売り場では、この「連帯は不滅なり」が自動演奏設定さ

れて置いてあり、譜面台に作詞「藤沢昭和」書かれた歌詞カードが添えられて

いて驚きました。この人、ヨドバシカメラの創業者なんですね。他に珍しいトコロで

は「オハギがオヨメにイクトキは」というのを同じ人間から何度も聞かされた事があり

ます。

既に皆さんお感じでしょうが、バーブラは左翼のフォーク歌手です。アメリカ合衆国

が天敵と決め付けた、世界を滅ぼす社会主義思想に侵された危険なひとりで

す。それでもこういった歌を唄い続け、信条を曲げず生きています、今も。

かつて合衆国では「赤狩り」で多くの自由な考えを持つ人間が追われまし

た。そのうちの何人かは、娯楽、芸能、芸術の世界に居た人たちです。既存

思想と全く無縁だったジョン・レノンでさえ社会主義者として恐れられ、付け回

されていた位です。この危険な思想を極東の島国を楯にしてくい止めろ、と

いうのが大戦後アメリカの急務でした。今でもその考え方は変わっていません。

依然「反共」です。それを、現在最も社会主義的成り立ちの独裁国家の、義

兄を薬殺し部下を公開処刑した暴君を讃え、「体制を保証する」だと。どう

いう事だ。側近は文言を訂正しなかったのかね。トラムプの無責任な場当たり的

言動、此処に極まれり、です。

こういう見地、品性に欠けた人間をダイトーリョーに選ぶ国なんです、アメリカは。

おっと、極東の島国も見地、品性に欠けた人間がシュショー、ソーリダイジンでした。

閑話休題 バーブラ・デインの「ホット・ジャズ、クール・ブルーズ、アンド・ハードヒッティング・

ソング」、以上、3曲をお届けしました。

 

M16.Seasons Of My Heart(2’12”)George Jones

G.Jones, D.Edwards- RetroWorld Blue178

 

N  お聞きいただいたのは「シーズンズ・オヴ・マイ・ハート」、ジョージ・ジョーンズです。

音楽雑誌エリス最新号の第16回亀渕昭信「どうしても聞いておきたいアメリカン・ポ

ップス1001」にはジョージ・ジョーンズの「ホワイト・ライトニング」が出てきます。ノースカロラ

イナで密造酒業者の歌で、このヒットがこの変わり者アル中患者を全国的な人気者に

してくれたんだそうです。ちょっと聞いてみましょう。

 

M17.White Lightning(2’52”)George Jones

-Richardson- RetroWorld Blue178

 

N  かなりヒルビリー的な、カントリー・ロックンロールですね。ジョージ・ジョーンズは沢山の自作

ヒットを持っていますが、これは他の人間が書いた歌です。作者はJ.P.リチャードスン。

作者の自唱仕様もあります。そちらもどうぞお聞きください。

 

M18.White Lightning(2’16”)The Big Bopper  

-Richardson-  USM Media USMMCD0012

 

N  J.P.リチャードスン作「ホワイト・ライトニング」、強烈なノヴェルティ調でした。唄っているの

も作者自身ですが、ここでは「ザ・ビッグ・バッパー」という芸名を使っていま

す。ロックンロール創成期のこの手のゲテ歌を得意としたヒーローのひとりです。彼の書

いた1曲は、この中にも唄い込まれていました。

 

M19.Good Old Rock’nRoll(3’26”)Dave Clark Five 

-Smith,Chin,Micheals,Equine,Berry,Johnson,Blackwell,Penniman,

Richardson,Williams,Perkins-   Universal 1781774

 

N  キャロルのデビュー・アルバム『ルイジアンナ』B面の1曲目に収められていた「グーッド・

オールド・ロケンロー」です。わたしは長い事、A面とB面を取り違えていまして、

CDを手に入れるまで、このLPはこれで始まっていると思っていました。

今のはデイヴ・クラーク・ファイヴのオリヂナル版。テーマに続いてメドリーで次々に唄われ

るのは「スウィート・リトル・シクスティーン」「のっぽのサリー」「シャンティリー・レイス」「陽気に

やろうぜ」「ブルー・スェード・シューズ」の5曲です。この中の「シャンティリー・レイス」

がザ・ビッグ・バッパーの歌なんですね。日本でのヒット状況を考えると、一番知

られていないかも知れません。わたしも当初は誰の歌か分かりませんでした。

では「シャンティリー・レイス」、オリヂナルでどうぞ。ザ・ビッグ・バッパーです。

 

M20.Chantilly Lace(2’24”)The Big Bopper

-Richardson- USM Media USMMCD0012

 

M21.Air Crush Newscast(0’45”) 

 

N  ザ・ビッグ・バッパーで「シャンティリー・レイス」でした。彼の作品にノヴェルティ味が共通

しているのは、元々がテキサスのラジオ局のDJだったせいでしょうか。作曲者とし

て成功したひとつが先の「ホワイト・ライトニング」でした。

その後で流れたのは1959年2月4日のラジオ・ヌーズ同録。飛行機事故で3 人

の前途有望なロックンロール・スターズが亡くなった事を告げています。その3人とは、

バディ・ホリー、リッチ・ヴァレンス、そしてこのザ・ビッグ・バッパーでした。この事故

についてもカメちゃんは今回の「どうしても聞いておきたいアメリカン・ポップス1001」

で触れています。それにつきましては、来週ゆっくりとお話ししましょう。

時間がなくなっちゃった。

ツイターに写真が揚がってましたが、先週の土曜日に新宿のカブキラウンジでのDJ

ショウへ行ってきました。宮治の淳に出したメイルが戻って来ちゃうんで、直接本

人に会いに行ったのです。「幻」首都圏の聴取者約半数さま達が聞きに来て

いました。その時オリヂナルが流れた「ミスタ・ムーンライト」、これのビートルズ版を聞き

ながら、今朝はお別れです。「アサー」が出て来ません。悪しからず。

写真は夏の衣替え。台は風呂場の簀です。今までで一番上手く撮れたかな。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/bde653e2f47a53a41a86d2de6912282c744c290f

ダウンロードパスワードは、i2ttuv50です。

「おっ月さんよ」が終わって、ちょうど時間となります。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

M22.ミスター・ムーンライト(2’37”)ザ・ビートルズ

-Johnson-  EMI CDP 7 46438 2

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/06/09

mb180609


TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

 

01.ボレロ(6’53”)山下洋輔

-Ravel-  Polydor POCJ-1360

 

N  いきなりの長尺、なおかつやや難解な器楽曲。如何でしたか。山下洋輔の

「ボレロ」、ラヴェルの有名な作品、1996年の録音からです。

セシル・マクビーがベイス、フィーローン・アクラフのドラムズ、この二人はこの時期にヌー・ヨーク・

トリオと名付けられたヤマシタのレギュラー共演者。それにラヴィ・コルトレインが、この「ボレロ」

ではソプラノ・サキソフォーンを吹いています。ジョンとアリスの息子ですね。ヤマシタはラヴェル

の「ボレロ」が殊更好きなようで、この他にも何回か吹き込んでいます。彼の

場合は全ての楽曲は即興のきっかけのようにも思えますが、いく種類かの録

音を聞きますと、冒頭から何度も繰り返される打楽器のモチーフで、彼はひとつ

の共通した概念を思い浮かべているような気がします。それが時、場、相手

で形を変えて行くのですね。今の録音は山下洋輔がヴァーヴと契約、世界的な

レコード演奏家として羽ばたいた1996年、ヌー・ヨークでのセッションでした。

さて、この大曲を今朝の冒頭に持って来たのには訳がありまして、昨年カーネ

ギー・ホールでの実況録音盤でわたしをノックアウトしたギタリスト、ジョー・ボナマッサの新譜

が、また2枚組の実況録音盤。それが今のヤマシタのラヴェルの「ボレロ」と同じスネア

のパタンで始まるのです。

こんな具合に・・・。

 

02.Beck’s Bolero / Rice Pudding(9’01”)Joe Bonamassa

-W.Dixon-  JR Adventures  JRA58241

 

N  ジョー・ボナマッサの新譜『ブリティッシュ・ブルーズ・エクスプロージョン・ラーイヴ』から冒頭の

「ベックのボレロ〜ライス・プディング」でした。共にご存知、ジェフ・ベック60年代の

代表的な楽曲です。アルバムの題名でお分かりの通り、これはジョーの音楽感性を

大いに刺激したイギリスのブルーズ・ロックを再現している作品なのです。それらの、

ヘヴェメトー・ロック確立以前の音楽と子供の頃に同時代を過ごした、還暦過ぎ音楽

愛好家にとっては、収録楽曲だけを見ても笑ってしまうような内容で、実際

に聞くとジョーの極めて真面目な姿が余計に可笑しい。通して聞いていると、「ク

スクス、ニヤリ」の連続であります。

この作品の全容に関しては来週のこの番組で詳しくお伝えしますが、冒頭

曲に「ベックのボレロ」を、ラヴェル調に始める心意気に敬意を評して、とりあえず

1曲お届けしました。

 

03.Married, But Not To Each Other(3’41”)Denise LaSalle

-D.LaSalle, F.Miller-  ACE  CDSEWD 152

 

N  「マリッド、バット・ノット・トゥ・イーチ・アザー」、デニース・ラサールでした。先々週アルバム

『アイム・ソウ・ホット』CD発売記念でお送りした「猛女デニース集」で、実は間違い

を申し上げていました。

その1、この「マリッド、バット・ノット・トゥ・イーチ・アザー」を、「不倫楽曲専門家、

バーブラ・マンドリルの作品です」と語っていた事。この歌はバーブラ・マンドリルとは

関係なく、デニース・ラサール本人とフランシス・ミラーの作品でした。逆にバーブラがこれを

カヴァして、カントリー・チャートで3位に上がるヒットを記録していました。南部では人

種を問わない日常茶飯的不倫にわたしも刺激を受けまして、事実関係の確認

が疎かになっていました。申し訳ない。

さてその南部の不純な男女関係を考えますと、確かに沢山の歌があります。

特別に探さなくとも、まず誰にも思い当たるのが、これでしょう。

 

04.(If Loving You Is Wrong)I Don’t Wanna Be Right(3’32”)Luther Ingram

-H.Banks, R.Jackson, C.Hampton-  Pヴァイン PCD-2296

 

N  ルーサー・イングラム1972年発表の名曲「イフ・ラヴィング・ユー・イズ・ロング、アイ・ドント・

ヲナ・ビ・ライト」でした。73年公開の記録映画「ワッツタックス」でも、ハイライト場面にな

っていました。

「もしお前を愛する事がいけないなら、俺は間違たっていいんだ」という

強い愛情を唄い上げるルーサー。その昔、某イギリス人がこの歌をくどいほど熱狂

的に支持していました。この繰り返されるタイトルをいちいち日本語で口にして、

「素晴らしい」と繰り返すのです。確かに忌み多きこの世で「正しく健全で

ある」という評価は別に無視してもいいですが、その原因がちょっとねえ。

果たしてその真意は何処にあったのでしょうか。

ルーサー・イングラムのアルバムは日本で正式に紹介された事がなく、ところどころで

「プツプツ」と針が盤を擦るような音が聞こえるこの1991年のCDが初めてで

した。発売時に付けられていた帯には「ヨッ!アメリカの美川憲一!!」とあります。ひ

ょっとして、この人・・・。

さてこのように婚姻関係以外の交際、恋愛、つまり「シン〜罪」を唄った楽

曲には何故か傑作、名曲が沢山あります。次もそのひとつですね。

「フーズ・メイキング・ラヴ」、ザ・ブルーズ・ブラザーズです。

 

05.フーズ・メイキング・ラヴ(3’34”)ブルース・ブラザーズ

-H.Banks, B.Crutcher-  イースト・ウエスト AMCY-2747/8

 

N  「お前の女とイチャついてるのは誰だろう、お前が他所で同じ事をしてる時に

な」というキョーレツな繰り返しを持つ「フーズ・メイキング・ラヴ」、ザ・ブルーズ・ブラザ

ーズでした。不倫の日常茶飯事感が良く表現されています。オリヂナルはジョニー・

テイラー、この人はこういう主題が得意です。

さて次も「シン〜罪」の大傑作、「ザ・ダーク・エンド・オヴ・ザ・ストリート」、

作者自身の唄でどうぞ。ヲレス・ダニエル・ペニントンです。

 

06.ダーク・エンド・オヴ・ザ・ストリート(2’52”)ダン・ペン

-C.Moman, D.Penn-  ワーナー WPCR-33

 

  1. アイヴ・ガット・ドリームズ・トゥ・リメンバー(3’17”)オーティス・レディング

-Z.&O.Redding-  ワーナー WPCR-27559

 

N  ダン・ペンが自分の書いた歌を自ら唄って仕上げた、味わいのあるアルバム『ド

ゥ・ライト・マン』から「ザ・ダーク・エンド・オヴ・ザ・ストリート」でした。これには背

徳感が重くのしかかっていますね。薄暗い場所でしか逢えないふたり、もし

昼日中に偶然出会っても知らぬ振りをしていよう、と確かめ合う袋小路の恋。

これをダン・ペンが書いたのは25歳より前ですから、それ以前に相当数の実例

を目の当たりしていたのでしょうか。

ギターの分散和音で引っ掛けて続けたのはオーティス・レディングの「数々の忘れ得

ぬ夢」、これはここまで聞いてきた歌とは違いまして、不義密通を繰り返す不

実な恋人に泣かされる歌です。こういうのは日常茶飯事ものに較べると、若

干の救いがあります。

その昔、大昔、男性化粧品のラジオ・コマーシャルで

「ジューク・ボックスから聞こえて来るのはオーティス・レディングの『アイヴ・ガット・ドリ

ームズ・トゥ・リメンバー』、古いけれど、いい歌だ」

という行りがありまして、その時の印象は今も頭に残っています。確かに

「古いけれど、いい歌」です。

咽頭癌を患って、もう力強い声が出せないオーティスが泣きじゃくるように回す

節が、何と言ったらいいんでしょうか、堪りません。スウィート・インスピレイションズが

盛り上げてくるバック・グラウンド・ヴォーカル・ハーモニーも素晴らしい。

オーティス・レディングに関しては、この夏に最終録音セッションをまとめた編集盤が出

るというヌウズを聞きました。間違いのないように精査検証してお伝え致しま

しょう。

さて、「不義密通を繰り返す不実な恋人に泣かされる歌」に決定打はまだま

だあります。その代表格が「モーモクになってしまいたい」ですね。ロド・ステュアート

のカヴァで一般的に知られるようにました。オリヂナルはエタ・ジェイムズ。この歌はか

なり作為的な背景を持つようですが、「アイヴ・ガッタ・ドリーム・トゥ・リメンバー」と

同じようにとても純真な愛情が感じられます。今朝はシル・ジョンスンの娘のシリーナ

が新譜『ソウル再深呼吸』に入れていた仕様でどうぞ。

 

08.I’d Rather Go Blind(4’31”)Syleena Johnson

-E.Jordan, B.Foster,-  Shanachie 5840

 

09.Woman To Woman(3’54”)Shirley Brown

-J.Banks, E.Martin, H.Thigpen-  ビクター VDP-1110

 

N  シリーナ・ジョンスンで「アイド・ラザー・ゴー・ブラインド」、そして入り組んだ恋愛関係

を情緒に流れる事なく、どちらかと言えば冷静に表現した「ヲーマン・トゥ・ヲーマン」、

シャーリー・ブラウンの名唱でお聞き頂きました。

さて先々週はわたしがこれを唄ったバーブラ・マンドリルに関して、少々勘違い

をしていまして、更にはタミー・ウィネットとの混同が加わり、そこにまたいくつか

の誤った解説があったようです。「初めまして、バーブラね。わたしはシャーリー」

と語りかける「ヲーマン・トゥ・ヲーマン」はシャーリー・ブラウンがオリヂナル。74年のR&Bチャー

トでは、第1位になっています。これをきっかけに、R&B界では女性による

不倫異性交遊の歌が流行りまして、大口女ミリー・ジャクスンや、先のデニース・ラサール

もそれに倣ったようです。それを4年後にバーブラ・マンドリルがカヴァしてカントリーの

世界で再びヒットさせたのでした。その後、彼女は、今朝お届けしたルーサー・イング

ラムの「イフ・ラヴィング・ユー・イズ・ロング、アイ・ドント・ヲナ・ビ・ライト」やデニース・ラサー

ルの「マリッド、バット・ノット・トゥ・イーチ・アザー」を唄いまして、「不倫異性交遊専門

歌手」になったようです。日本だけでなく、アメリカでもこういうレッテル付け

商法はあるんですね。

それにしても「ヲーマン・トゥ・ヲーマン」は鮮やかです。歌の中では奥さんが一方

的に夫の愛人に対し「分かってくれるわね」と喋っていて、解決はしていま

せんが、発表された74年当時には南部を中心に多くの人々の共感を得たので

しょう。

もう誰も口にしませんが、「マン・トゥ・マン」というのは古いサッカーの戦術で、

敵側のひとりひとりに味方ひとりひとりが付いて、徹底的にマークするやり方で

した。「マンツーマン・デフェンス」です。バスケット・ボールでもありましたね。女子の場合

は「ヲーマン・トゥ・ヲーマン」と呼んだのでしょうか。シャーリー・ブラウン、上手だったり

してね。

さて今回の当事者、もう一人の白人カントリー女性歌手タミー・ウィネットは初めて百万

枚のLPを売った女性カントリー歌手だそうで、立派な大物です。それがわたしの

頭の中では何故かバーブラ・マンドリルと一緒になってしまって、その挙句「ヲーマン・

トゥ・ヲーマン」という題名の歌が入ったアルバムを取り寄せて聞いてみたら、全くの

別物だったのです。

 

10.Woman To Woman(3’00”)Tammy Wynette

-B.Sherrill-  Morello MRLL 74

 

N  タミー・ウィネットの「ヲーマン・トゥ・ヲーマン」、お聞きの通り別の歌です。これは交際、

あるいは婚姻関係が深刻な状態に陥っている女性への女友達からのアドヴァイス、

助言でしょうか。「女から女、わたしからあなたへ」という繰り返しが肝です。

こういう重たい主題が多いです、カントリー音楽の世界は。気楽に「サイコー」、「アイトヘ

ーワ」、「シャーワセ」なんて言ってるだけじゃないんですね。

タミー・ウィネットに興味を持ったのは、題名が定かでありませんがやたらと人が

死ぬフランス映画で使われていた「スタンド・バイ・ヨー・マン」を聞きたかったからで

して、すぐに手に入れたタミーのベスト盤には、他にこんな歌が入っていました。

これもタミーとバーブラ、わたしが陥った両者混同の原因になったのかも知れませ

ん。

 

11.D-I-V-O-R-C-E(2’55”)Tammy Wynette

-B.Braddock, C.Putman-Epic Legacy EK 69437

 

N  ナット・キング・コールには「L-O-V-E」という素敵な歌がありました。タミーは「離

婚〜D-I-V-O-R-C-E」です。これで綴りはもう頭に入った。ここで彼女が唄っ

ているのは別離の哀しみです。両親の不和によって運命を引き裂かれる4歳

の子供を憂い、その将来を案じます。ごく普通の母親の心境です。彼女はこ

のような一般的な母親を演じる事が多かったようで、次の歌でも亭主と別れ

て家を出て行く前に「子供たちのために」と唄っています。

「フォー・ザ・キッズ」。

 

12.For The Kids(3’13”)Tammy Wynette

-S.Silverstein-  Morello MRLL 74

 

N   早く新しい奥さんを見つけてね、子供たちのために

その人がよくしてくれる事を祈るわ、子供たちのために

 

だそうであります。子供の事を考えれば、当然の心理とも言えます。ただ

し、芸術芸能の世界で子供と愛玩動物を出すのは狡い、という考え方があり

ます。誰も否定できない存在だから、ケチが付けられないからです。わたしも

賛同しますね。ですからあまり子供を出汁に使うのは如何なものでしょうか。

一方タミー・ウィネット、男に対してはどうでしょう。その思想は最大のヒット曲「スタ

ンド・バイ・ヨー・マン」に唄われています。

 

13.Stand By Your Man(2’40”)Tammy Wynette

-B.Sherill, T. Wynette –  Epic Legacy EK 69437

 

N   彼が勝手な事をしていても

愛してるなら、誇りに思ってるんなら

いつも傍にいてあげて

暖かく迎えてあげるのよ

冷たく淋しい夜には

 

これまた大変結構な心がけであります。1968年の歌ですから、世の中では

そろそろヲーマン・リブが動き出していた時代です。南西部の保守的な考えの表れ

なのでしょうか。70年にはR&Bでキャンディ・ステイトンがヒットさせていますから、

人種を問わずまだまだ男性優位社会だったようですね。こんな事を思い浮か

べていると、「歌は世に連れ」という格言は正しいと言えるでしょう。ただ、

「世は『決して』歌に連れ」ません。ここのところをお忘れなく。

訂正と共にお届けしたタミー・ウィネット集、近々バーブラ・マンドレルの南部不純異

性交遊歌も一緒に聞いてみましょう。

 

14.Sunday Morning Coming Down(3’46”)Johnny Cash

-K. Kristofferson- MCPS NOT3CD007

 

N  カントリーが続きます。先週もお届けした南部の貧困白人のパンク・ロッカー、アウトロウ・

カントリー界の雄、ジョニー・キャッシュがライヴで唄う「サンデイ・モーニング・カミング・ダウン」で

す。パンク・ロックのジョニー・キャッシュことジェシー・モーリスではありません、本物です。

類似穴さんの投稿にあったジョニー・キャッシュ伝記映画「ヲーク・ザ・ライン」はだい

ぶ前に旅先のホテルのケイブル・テレビで観ました。結構面白くてね。チェックアウトに遅れ

てしまいました。この映画ではキャッシュの録音を使わずに主演の役者ホアキン・フェニク

スが全部を歌ったらしい。どこも不足ない出来でした。実演で演奏が始まって

「押忍、ジョニー・キャッシュだ」と一言かけるところなんかカッコ良かったですよ。

今朝のジョニー・キャッシュもう1曲は、本人のヴァージョンでお送りします。

「俺はジョーシキ的に生きて行く」。

 

15.I Walk The Line(2’45”)Johnny Cash

-J.Cash-  MCPS NOT3CD007

 

N  「アイ・ヲーク・ザ・ライン」、ジョニー・キャッシュでした。彼はこのスタイルで最後まで通し

ました。もちろん作品を重ねるに連れて、聞く側を飽きさせないためにいろ

いろなお化粧が施され、目先は多少変わっていましたが、基本はずっとこの

形でした。本人の爪弾くギターの音がずっと同じなのには驚かされます。「昔

から俺は確かな音しか出してない」と言っているようでもあります。そうい

うところはブルーズ・ミュージシャンよりも頑固だったんでしょうか。いや、ジョニー・

キャッシュもひとりのブルーズ・マンだったのです。

さて、先ほどの「サンデイ・モーニング・カミング・ダウン」、作者クリス・クリストファスンの

原曲を聞きましょう。だいぶ印象が違います。クリストファスンの人格が反映してい

るのでしょうか、かなり優しい仕上げで、唄が描き出す画にも違いがありま

すね。正直に言うと、今わたしが一番好きなのは、ユーチューブで観られるパンク・

ロック・ジョニー・キャッシュ、ジェシー・モーリスの唄った「サンデイ・モーニング・カミング・ダウン」

なのです。

ではクリス・クリストファスンでどうぞ、「サンデイ・モーニング・カミング・ダウン」。

 

16.Sunday Morning Coming Down(4’32”)Kris Kristofferson

-K. Kristofferson- Columbia C2K 64992

 

17.Teach Me Tonight(2’58”)Brenda Lee

-Chan, Depaul- Not Now Music NOT3CD240

 

N  先週のフィービ・スノウはごく種数の方にですが、気に入って貰えたようで嬉しか

った。ありがとう。そこで沢口靖子似のブレンダ・リーの「今夜教えて」でした。

とても大時代な造りですが、決して陳腐ではない。ブレンダの一生懸命な歌い

方が、余計に歌の主題を浮き彫りにしています。このヴァージョンも大好きだな。

さて次は「御中」南佳孝です。今週の昼にテレビの「徹子の部屋」に南佳孝

本人が出て来ましてね、実に自然に語っていました。半ほどで持って来たギタ

ーを弾いて唄ってくれました。「御中」です。ブルーズ的に崩してたのが、また

感動的だった。この日一緒に出て来たもう一人の「音楽家」が全く無内容な

過去の歌を安易になぞったのとは雲泥の差でした。カッコ良かったよ。

今朝は「シャノアール〜黒猫」です。あ、前回の中央エフエムの生放送の時に、可搬

用ファイルを送ってくれた黒猫さん、あれは素晴らしい事務用品ですね。打ち合

わせなどの外出時に、いつも持ち歩いています。キングジムの5894H番、非常

に使い易い。スグレモノと呼ぶのでしょうか。どうもありがとうございます。

ではお返しです、「御礼」。

 

18.Chat Noir(黒猫)(4’25”)南佳孝   

-Y.Minami-  ソニー SRCL 2059

 

19.No More Silence(5’10”)

ゴースト・ノート feat. Kamasi Washington & Prudence The Auset Sneed

-unknown-  BSMF  5050

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  「ニーナ・シモンが大好きな女だった・・・」、ここんとこいいですね、「黒猫」。

南佳孝でした。これ詞曲とも本人です。お相手は、ひょっとして・・・。

最後の1曲は、ゴースト・ノートで「ノーモー・サイレンス」。これには「幻」で赤丸付き

評価急上昇中のカマシ・ヲッシントンが参加している事になっていますが、サクスフォーンの

音は聞こえて来ませんね。何演ってんだろ。後ろで騒いでいるその他大勢の

一人かな。

さあ皆さんも、「ノーモー・サイレンス」です。何事に対しても黙ってちゃダメです。

一昨日、音楽雑誌エリスの最新23号が公開になりました。わたしは全く不慣

れな「フォーク」について書いています。お読み下さい。日比野音も忘れずにね。

ウェブサイトのアドレスはhttp://erismedia.jp/、無料です。

「足のサイズを教えて欲しい」というち冷えさん、わたしの足は「2本」です。

これでよろしいですか、間違いは黙っていて下さいね。

特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/1a809479fd84521a2f8a62d756de0f480acdf849

   ダウンロードパスワードは、dhx6e4utです。

写真には影が入り込んでいますね。ゲージツだ、バクハツだ。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

Awesome Rock【2018/06/08 O.A.】Playlist

Awesome Rock【2018/06/08 O.A.】Playlist

370回目、6月08日の番組は、

デンマークの新星Royal Mobのデビュー作『Cinematic』特集!


5月25日発売!
Dizzy Mizz Lizzy meets Closure In Moscow!
今年のベストニューカマーは彼らだ!。


M01: Give Yourself A Try  /  The 1975

<コーナー: AwesomeRecommendation>

M02: Snake  /  Royal Mob

M03: Wanna Lie With You  /  Royal Mob

M04: Fire  /  Royal Mob
アルバム購入はコチラ https://itunes.apple.com/jp/album/cinematic/1370965702
M05: Like This  /  Royal Mob

M06: Become  /  Royal Mob

<コーナー: AwesomeRecommendation>終わり

M07: Not Original  /  Sevendust

おしまい♪

 

中央エフエム Awesome Rock
澤田修の完全監修番組。選曲、編集、トーク、全て担当!
毎週金曜日21時~21時半。再放送:毎週土曜日23時~23時

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/06/02

mb180602

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

先週、忘れかけていた唄声に再会しました。瞬時に世界が蘇りまして、と

ても嬉しかったですね。翌日直ぐに盤を探して、残部希少のベストを手に入れ

ました。聞いていたら、当初の目当てとは違う「この歌」が出て来ました。

 

M01.ドント・レット・ミー・ダウン(5’40”)フィービ・スノウ

-J.Lennon, P.McCartney-ソニー SICP 8005

 

N  フィービ・スノウで「ドント・レット・ミー・ダウン」でした。1976年の『雪模様』という

C調な邦題の付けられたLPからです。42年前になりますね、この録音は。

でも全然古臭くないでしょ。その昔NHK-fmの午後の「軽音楽をあなたに」

って言ったかな、没個性的な原稿をアナウンサが棒読みするというナンセンスな番組が

ありまして、全く面白くないのですが、話題の新譜がほぼ全曲紹介され流の

で、それを目的に聞いている人がほとんどだった筈です。事前に曲目、順番、

時間までが発表されるという、歪んだこの国のFMラジオ方式の骨頂ですね。

わたしのような貧乏人たちは当然カセット・テイプへ録音する目的で、ポウズ・ボタン

に指をかけてずっと待機状態のまま聞いていました。

この時の『雪模様』はうまく録音出来まして、何度も聞いた覚えがありま

す。これだけ時間を経て聞き直すと、あの頃には全く気付かなかった音が鳴

っていたのが分かるんです。今の「ドント・レット・ミー・ダウン」の後半にスティール・

パンが入ってたなんて全く記憶になかった。楽器の名前すら知らなかったんじ

ゃないかな。唄そのものも、なんと豊かな表情でしょう。これも感じていな

かったなあ、子供の頃は。

実はこの盤との再会のきっかけは、次の歌だったのです。

 

M02.ティーチ・ミー・トゥナイト(4’31”)フィービ・スノウ

-Chan, Depaul-  ソニー SICP 8005

 

N  「ティーチ・ミー・トゥナイト」です。ひょっとしたら当時のLPには「今夜教えて」

という邦題がついていたかも知れません。今回手に入れたベスト盤では英語読

みのままのカタカナ曲名でした。

 

   わたしが恋の経験豊富だって言ったけど

   そんな事はないの、勘違いしないでよ

   ABCからXYZまで恋の謎を今夜教えてね

 

わたしの大好きな歌でして、ここしばらくは沢口靖子似のブレンダ・リーのを

聞いてましたが、先日夜更けのバーのカウンターで突然流れたフィービ・スノウにはやら

れました。モロにノックアウトでした。

「この酔いしれる感覚を何と表現したらいいのだろうか。ヴォーカルもバックの

音も完璧で、どんな言葉をもってしても物足りないほどだ」と解説にありま

す。制作がデイヴィド・ルービンスンですから間違いはありません。この文章を書い

たのは滝上よう子。この人は西新宿の放送局のレコード室にいまして、わたしは

「返却が遅い」と始終追っかけられていました。そう言えば、フィービを「ポエト

リー・マン」の頃から好きだったね、よう子さん。

いつかお話しした雑誌の音楽家自前オーディオ特集で、フィービが見せてくれたの

は、何と小型トランジスタ・ラジオ1台。本人のコメントに「ここヌー・ヨークでは数え切れ

ない程のラジオ局があるから、これだけで好きな音楽を聞けるの。わたしのスーパ

ー・オーディオよ」とかありまして、何とも羨ましかったですね。その他やはりヌー・

ヨークのライヴ・スポット、ミケールズかスモール・パラダイスかでゴードン・エドワーズのスタッフが演

奏しているスナップに、フィービがお客さんで写っていた事がありました。これも

「凄いや」と感心したものです。

皆さんも「ティーチ・ミー・トゥナイト」にはノックアウトされて貰いたい。わたし自身に、

「ドント・レット・ミー・ダウン」の印象が強く残っていたのですが、この歌の事をす

っかり忘れていました。思い出せて嬉しかったですよ、本当に。

 

M03.Teach Me Tonight(2’46”)Dina Washington

-Chan, Depaul-  Golden Stars GSS 5287

 

N  正に決定的なダイナ・ヲッシントンの「ティーチ・ミー・トゥナイト」でした。こちらも素晴ら

しい。しかし、フィービが満を持して歌っている感じがするのに対して、ダイナの

方を聞いていると、一人でのこのことスタジオにやって来て、「ああ、ちゃんと

黒人演奏家も雇ってんのね、上等じゃない」なんて言いながら、「今日はこれ

ね、2回しか唄わないわよ、いいわね」とあっという間に仕上げて、「はい頂

戴100ドル、約束でしょ」なんて帰っていく姿が見えて来ました。多分実際に

そうだったんじゃないかな、ダイナの吹き込みは。

さて、歴史的女傑から変わって、現代的なロック的な女性ふたりの唄を紹介し

ておきましょう。共にコマーシャルな世界で売り出されているメイジャーな存在ではあ

りませんが、なかなか面白いですよ。

まずはルビー・ヴェラで「壊れた女」。

 

M04.Broken Woman(3’20”)ルビー・ヴェラ & ザ・ソウルフォニックス

-unknown-  BSMF REDN-0003

 

N  部分的にエイミー・ワインハウスを感じさせるルビー・ヴェラの「ブロークン・ヲーマン」でした。

彼女はザ・ソウルフォニクスという専属の演奏家集団を持っていまして、この「ブロー

クン・ヲーマン」を含む新しいアルバムも、彼らと一緒に制作しています。かなり往年

のソウル・ミュージック的な試みが随所に見られまして、多分その辺りの響きを目指

しているんでしょう。難しいぞ、こういうのを再現するのは。

次はカリフォーニャ生まれのニッキ・ブルーム。着ている物のせいでしょうか、どこかし

ら70年代のロック・クイーンのような雰囲気が漂います。大女でね、音楽も「ロック」

だなあ。ただ唄は、よく聴くと可愛らしいですよ。

「シングズ・アイヴ・ダーン」。

 

M05.Things I’ve Done(3’21”)ニッキー・ブルーム

-unknown-  BSMF 6144

 

M06.Tumbling Dice(3’48”)The Rolling Stones

-M.Jagger, K.Richards-  Virgin 7243-83950-24-

 

N  ニッキ・ブルームで「やっちまった事」でした。続けたのは冒頭のリズム・ギターから

連想したザ・ローリング・ストーンズの「ダイスをころがせ」でした。これはヴァージンか

らのCD盤ですが、ミクスし直されてるのかな、特にドラムズの音が違って聞こえ

ます。永遠の名曲名唱名演ですね。傑作2枚組LP『メインストリートのならず者』か

らでした。

これは1972年夏のヒット曲。これが発売になった時、今のリズム・パタンを聞い

て「ニヤリ」と笑った人がいました。

この人です、マーク・ボラン。Tレックスで「ゲット・イト・オン」。

 

M07.Get It On(4’29”)T.Rex

-M.Bolan- Universal 493 488-2

 

M08.もう話したくない(4’47”)ロッド・スチュワート

-Whitten-  ワーナー  WPCR-75098

 

N  Tレックスで「ゲット・イト・オン」でした。このリズムは今でも十分に乗れますね。

これをもう少しゆっくりにすると、「ダイスをころがせ」のビートと同じ、にはな

りませんが、よく似た感じです。アクセントの場所が近い、というかこの頃の進ん

だ流行リズム感覚だったのでしょうか。

今ユニヴァーサルから出ているベスト盤からです。記載はありませんが、このジャ

ケット写真は、鋤田正義の写真ですね。72年当時「ニュー・ミュージック・マガジーン」

の特写でした。

その次は先週の「ダヤシンク・アイム・セクシー」から引っ張られてるのかな。妙に聞

きたくなったロド・ステュアートの「もう話したくない」。この時のロドは本当にいい

ですね。このアルバム『アトランティック・クロシング』はLP時代にA面が「ファスト・サイド」

B面が「スロウ・サイド」と銘打たれていまして、それぞれの面に早いテムポーの曲、

ゆっくりな曲がまとめられていました。CD盤では曲目表示だけですが、「ファ

スト・ハーフ」、「スロウ・ハーフ」と括られています。なるほどね。

75年に出た時ローリング・ストーン誌に「スロウ・サイドでロドは村一番の内気男を演じ

ている」というようなレコード評が載り、それを本人がとても喜んでいたエピソード

がありました。いい話です。ただしその後すぐ商業的成功に満心してしまい

ました。某イギリス人が「真面目に歌を唄わなくなった」と評したくらいです。

全く事実ですが、とても残念だなあ。

さて先週末ここの大家さん、澤田修に会って久しぶりにゆっくりと話しま

した。その日は早朝に国際電話インタヴュウが会ったそうで、それについて興奮冷

めやらずといった感じで語っていました。何でも「アウトロウ・カントリー音楽」を、「南

部の貧困白人のパンク・ロックだ」と表現したのを相手にエラく気に入ってもらえた

そうです。良かったじゃないか、オサム。

それを思い出していたら連想で、「幻」で以前お届けしたある楽曲が浮かん

で来ました。

まずは聞いていただきましょう、この歌です。覚えてるかな。

 

M09.Punk Rock Johnny Cash(4’23”)カレン・ラブリー

-unknown-  BSMF 2565

 

N  「カレン・ラブリーで『パンク・ロック・ジョニー・キャッシュ』、如何でしたか。この歌の背景

を只今調査中。ご存知の事象ありましたら教えて下さい。充分に精査してお

伝えしたいところです」

昨年の7月29日付「幻」モーニン・ブルーズからの引用です。「充分に精査」は

そのままになっていまして、歌の背景追求は放置されていました。この題名

には「パンク・ロック」とカントリー音楽界の権化「ジョニー・キャッシュ」が併存しています。

先の「アウトロウ・カントリー即ち南部の貧困白人のパンク・ロック」説で再び思い出したの

で、今回は少し調べてみました。

ここで唄われている「パンク・ロック・ジョニー・キャッシュ」とは、ジェシー・モーリスとい

う白人の音楽家です。彼はサンフランシスコでバーテンをしながら、地下鉄の駅などで路

上演奏活動をしていました。ジーパン、革ジャン、刺青、短髪というパンクロックの出

で立ちで、生ギターを爪弾いて唄うのがジョニー・キャッシュの「サンデイ・モーニング・カミン・

ダウン」。クリス・クリストファスンの書いた、朝食にビールというかなりイカれた男が失った

過去を悔やむ穏やかな歌です。映像で観たジェシー・モーリスは、決して怒鳴ったり

叫んだりせずに歌うのですが、不釣り合い感が付きまといます。その姿から「パンク・ロック・ジョニー・キャッシュ」と呼ばれるようになったらしく、カレン・ラブリーのこ

の歌はこの男を主人公にしていたのです。

 

   初めて見た時あんたはあそこに立ってた

   オレンジ色の髪のパンク・ロック・ジョニー・キャッシュよ

   道ゆく人から小銭を恵んで貰いながら

   「サンデイ・モーニング・カミン・ダウン」を唄うのよ

 

商業的な成功は何ひとつも得られなかっだェシー・モーリスは、サンフランシスコでは有

名人で、亡くなった時には町中の新聞に訃報が載ったそうです。

一方白人保守派の象徴のようだったジョニー・キャッシュ自身も相当なはみ出し者

で、カントリー音楽界で重要な地位を築きながらも、ナッシュヴィルで造られる明るく楽

しい健全なカントリーとは明らかに違う音楽を求めていました。まずはあの不遜な

態度が人気稼業的じゃありません。ボブ・ディランには早くから注目していまし

たし、B.B.キングより早く刑務所での慰問音楽会実況録音盤を出しているのも

その表れでしょう。刑務所、好きだったみたいですよ。

では一曲どうぞ。「お尋ね者」。

 

M10.Wanted Man(3’25”)Johnny Cash

-B.Dylan-  Columbia / Legacy CK 66017

 

N  「お尋ね者」ジョニー・キャッシュ。多くの凶悪犯が服役するサンクゥェンテイン刑務所で行

われた慰問音楽会の実況録音です。このパンク精神は見上げたものです。偉い

ですね。ちなみに歌の作者はボブ・ディランでした。沢山の名曲を残したハンク・

ウイリアムズとも重なるジョニー・キャッシュの心根。わたし自身はかねてより全てのゲージ

ツはパンクであるというシソーで生きていますけれど、合格ですね。授業料免除だ。

ジョニー・キャッシュのような存在は決して珍しくなく、通常の幸せ、成功から外

れた南部の白人たちにどうしようもなく付きまとっている音楽がアウトロウ・カントリ

ーですから「南部貧困白人パンク・ロック」説はあながち間違いではないですね。

そんな外れ者4人が集まって1985年から10年間組んだのが、ザ・ハイウェイ・

メン。クリス・クリストファスン、ウイリー・ネルスン、ワイロン・ジェニングズ、そしてジョニー・キャッシュ。

ダグ・サームたちのテキサス・トーネイドーズは彼らをヒントにしたのかな、とも思えます。

ではこの4人が順々に唄い継いでゆく「ビグ・リヴァ」、こちらも実況録音で

どうぞ。

 

M11.Big River(3’25”)Highwaymen

-J.R.Cash-  Columbia / Legacy 88985306692

 

M12.Chinky Pin Hill(3’26”)I’m With Her

-J.Cash, I’m With Her-  Columbia / Legacy 88985306692

 

N  ザ・ハイウェイ・メンで「ビグ・リヴァ」。1990年ナッソーでの実況録音とありますが、

バハマの首都の事でしょうか。彼の地でこんな暑苦しい音楽が受けるのかなあ。

それに続けたのはアイム・ウィズ・ハーで「チンキ・ピン・ヒル」、ジョニー・キャッシュが残し

た言葉に様々な音楽家たちが旋律を付けて作り上げたアルバム『フォエヴァ・ワーズ』

からお届けしました。

さてほぼ1年かかった「パンク・ロック・ジョニー・キャッシュ」の解明、これで説明つ

いたかな。

次は築地のセリ場に並んでいるマグロのカマからの発想でリクエストを頂いた、カマシ・

ヲッシントンです。アルバム『ハーモニー・オヴ・ディファレンス~格差の調和』は、この言葉でま

とめられた、コンセプト・アルバムで、六つのトラックが微妙に繋がっている点もその現

れでしょう。現代の常識として参加演奏家の技量は非常に高く、全編に亘っ

て鋭い音色が行き交います。当初は難解な印象を持ちましたが、普通に聞く

事も充分に可能で、この手のものにありがちな独り善がりな前衛性は感じら

れません。過剰な重量感もなく、個々のフレイズには親しみ易ささえ漂います。

今朝は冒頭曲「煩悩」をお聞きください。

 

M13.Desire(4’35”)カマシ・ワシントン     

-K.washington-   Beat Records YTCD171

 

M14.Swagism(4’02”)ゴースト・ノーツ

-unknown- BSMF 5050

 

N  カマシ・ワシントンの最新作『ハーモニー・オヴ・ディファレンス』から「ディザイア」でした。充

分に鍛錬を積んだ演奏技術は、こういう表現を可能にするんでしょう。

続けて飛び込んできたやや過激な演奏はドラムズ担当のロバート・シーライト、パカッシ

ョンのネイト・ワースのふたり組、ゴースト・ノウトの新作からです。量感たっぷりな2枚

組というで、若手ジャズ客演者が大挙して最先端の音を競っています。ただ、

妙に響きが懐かしい。70年代初頭の変わって行くジャズのようにも聞こえるん

です。先のカマシ・ワシントンも参加しています。また改めてお届けしますが、今朝

はまずリズム解釈が面白いアルバム表題曲「スワギズム」を聞いていただきました。

最後の電話会話もトラックの一部です。

 

 

M15.テン(5’04”)マッドハウス

-Madhouse-  ワーナー 32XD-869

 

N  ゴースト・ノウトの「スワギズム」を聞いていて連想したのが、プリンスの制作したジャ

ズ的未確認演奏家集団、マドハウスです。彼らは1986年に登場ですから、もう

32年も前なんですが、カマシ・ワシントンらの現代若手ジャズを聞いていると、わたし

の中で、妙にマドハウスと繋がります。今回のゴースト・ノウトも、モロにそうでした。

今の「テン」と「スワギズム」は、4つと16のビート解釈がほぼ同じにように聞こ

えますし、トラックの合間に短い会話を挟む構成手法も、似ています。

さてこの辺りはゴースト・ノウトの2枚組新作をもう少し聴き込んで見てから、

またお話ししましょう。

 

M16.Mama Don’t Like No Wah Wah(3’56”)マイク・ジト

-M.Zito, B.Arrison- BSMF 2607

 

M17.Do You Wanna Dance(2’35”)Bobby Freeman

-R.T.Freeman-  Fremeaux & Associes  FA 5415

 

N  「ママ・ドント・ライク・ノー・ワー・ワー」、マイク・ジトでした。最新アルバム『特級人生』

からです。今のはバナード・アリスンとの共作。なかなか同時代的なファンキー・ブルーズ

ですね。今回のアルバムには、地味ですが力の入った作品がいくつかあります。

またお聞きいただく事にいたしましょう。

その次はボビー・フリーマンの「踊ろよベイビー」。わたしはビーチ・ボーイズのカヴァで

この曲を知りました。その後数十年を経て出会ったベット・ミドラーのスロウ仕様に

は感動しましたね。

この何でもないダンス曲、実は3枚組『ザ・ルーツ・オヴ・パンク・ロック・ミュージック

1926-1962』に収録されている1曲なんです。時間をかけて読解中の難物であ

るこのコムピ盤の意図は、未だに釈然としません。この「踊ろよベイビー」も、

なぜこれがパンクなんだろうと、疑問のままです。まあ、人生に謎はあった方

がいいかもしれません。ゆっくりと解いて行きましょうか。

さて西城秀樹、彼に「ブルースカイブルー」という代表曲があったのは、ヴェンテンさ

んの投稿を読むまで知りませんでした。すぐ図書館で探しましたが借り出さ

れていて未だ聞けず。戻ってきたらお届けします。その代りに今朝は先週も

登場したジム・クェスキンでどうぞ「ブルー・スカイズ」。

 

M18.Blue Skies(3’42”)Jim Kweskin

-I.Verlin-  Blix Street  G2-10091

 

M19.Satori Part I(5’30”)フラワー・トラヴェリン・バンド

-Flower Travelin’ Band- ワーナー WPC6-8425

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の最後は、フラワー・トラヴェリン・バンドで「サトリ パート・ワン」でした。先週の

日曜日昼ごろ、家への帰り道で突然「サトリ パート・トゥ」が聞こえてきましてね。

通り沿いのアパートの2階からです。かなり大きな音で聞こえてきたので、嬉し

くなりまして、その場でずっと聞いていました。ようやく終わったらすぐに

英語の曲目紹介的な語りが入りましたから、「あ、ラジオだ」と分かりました。

その日は天気が良かったから「サン・シャインズ・エヴェデイ」に引っ掛けたのか。悪

くないセンスじゃないの。それに対抗して、「幻」も1971年の日本のロックの極限

状態を象徴する1曲、プログレ、ハード、第三世界、そして絶叫の「サトリ パート・

ワン」でした。

さて「処分を重く受け止め」ながらも監督、コーチの「命令」を認めない教育

機関、日本大学。多分これで時間が経てば通り抜けられるつもりなんですね。

全くやり方がジミントーアベとおんなじだ。こういう事がまかり通る国では、国民

が噓をついたり、約束を守らなかったりするのが当たり前になるんです。あ

なたもすでに身近なところで実例に枚挙に遑がないでしょう。いいのかな、

民の範たる教育者、政治家、官僚がそういう事をして。

よく立ち上がったぞ、教職員。「報復の恐れ」なんて前提を公言する位、

腐っているんだね、当局は。いちばん大事な一般学生たちよ、お前たちはこ

のままで良いのか。集え、語れ、叫べ。

わたしにもかつてこんな事がありました。カドカワから出ていた「週刊ザ・テレ

ビジョン」に連載していたコラム「レイディオ・フラッシュ」1986年3月7日号からの引用

です。書いたのは今より32歳若いワツシイサヲでした。以下。

 

子供達に罪はない (1986/3/7)

数年前、わたしは民放FMで「ミュージック・ラボラトリー」という番組

の制作を担当していた。一所懸命やっていたのだが、ある時音楽を間違えて

流してしまった。更に悪い事には、それに気づかず居た。数日たって、聴取

者から葉書が来た。関西に住む中学校一年生だったと思う。彼は放送の誤り

を指摘した上で、こんな事を書いて来た。

「この間違いを誰にも喋らずに黙っておくから、LPレコードを送って欲し

い」アーティスト名、作品名も添えてあった。何の事はない、一種の恐喝で

はないか。わたしは啞然とした。「欲しい物が手に入らない辛さは解る」。け

れど、何故こんな発想が出来るのだろう。

当時は一連の田中角栄問題の他、戦後の物質金権主義一直線の結果として、

倫理の乱れが続けて露わになった頃だ。きっとこの少年も、そういった出来

事に日常茶飯事の如く接しているうちに、道を見失ってしまったのだ。

転じて昨今の「いじめ」である。これとて「数が多ければ」「有名ならば」

「力があれば」何をしても良い、という大人社会を支配する論理の反映だ。

ラジオも含めて、今のマスコミはこの考え方を増幅させて子供達に伝えてい

る部分が目立つ。しかも娯楽の中に巧みに隠して、である。言う迄もなくそ

の影響力は計り知れない程大きい。

冒頭にあげた「間違え事件」は、きちんと番組の中でお詫びと訂正をした。

担当者としてとても恥ずかしかったが、フェア・プレイを通した。これが当

然の道だったからだ。あの少年は、今どんな若者になっているだろう。

グリコ犯だったりしてえ…。

以上。

 

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/acce738a5ecef4b4bac13e2c859497db1448a4e0

  ダウンロードパスワードは、0s09n2nxです。

今朝もちょうど時間となりました。あ、写真に『アトランティック・クロシング』入っ

ていませんね。曇り空だったから光らずに撮れたのに。足も写ってないし。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

Awesome Rock【2018/06/01 O.A.】Playlist

Awesome Rock【2018/06/01 O.A.】Playlist

368回目、6月01日の番組は、Sevendustの新作『All I See Is War』特集!


5月18日発売!
SEVENDUSTの最新作『All I See Is War』!
RISE RECORDSに移籍して初となる作品です。


M01: Rosanna  /  WEEZER

M02: Africa  /  WEEZER

<コーナー: AwesomeRecommendation>

M03: Home  /  Sevendust

M04: Denial  /  Sevendust

M05: Dirty  /  Sevendust

M06: God Bites His Tongue  /  Sevendust

M07: Cheers  /  Sevendust

M08: Not Original  /  Sevendust

<コーナー: AwesomeRecommendation>終わり

おしまい♪

 


フロントマンの黒人ヴォーカリスト=ラジョンのソウルフルで野太い歌声と、ザックザク刻んでくるギターのリフ、骨太なバンドのサウンドがクセになるバンドです。

 

中央エフエム Awesome Rock
澤田修の完全監修番組。選曲、編集、トーク、全て担当!
毎週金曜日21時~21時半。再放送:毎週土曜日23時~23時