カテゴリー : 2019年 3月

【幻】モーニン・ブルーズ 2019/03/23

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TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年03月23日を  

 始めましょう。

  桜も開花し、一方で春の嵐が吹き荒ぶ中、まず季節外れのクリスマスの歌です。

  「赤鼻のトナカイ」、唄っているのは、ザ・デストロイヤー。

M01.赤鼻のトナカイ(2’25”)デストロイヤー A・Kキングコーワ合唱団

-Marks-  ビクター JRT-1398

N  3月7日に亡くなったザ・デストロイヤーで「赤鼻のトナカイ」でした。1974年の作

 品です。彼は70 年代中期に日本のテレビ番組に出演して人気者になりましたが、 

 元々はその10年前に力道山と死闘を繰り返していたプロレスラーです。必殺技「4

 の字固め」は全国の小学生の間で大流行しました。わたしも掛けられますよ。

 頭の良い人らしく、この類の人種によくある身の持ち崩しがなかったですね。

 今の「赤鼻のトナカイ」もまず唄が上手ですし、見事に役割を演じ切っています 

 ひょっとしてアルバム出していたかも。ザ・デストロイヤーでした。

  そして今週はもうひとり、多方面に影響力のあった人間が他界しています。

M02.コミック雑誌なんかいらない(3’29”)内田裕也 & 1815ロックンロール・バンド

-Pantak’s world-  ワーナー・パイオニア  L-8019

N  そう、ロックンロール内田裕也です。樹木希林死去のヌーズで、彼の存在に注目が集

 まっていた矢先の訃報でした。最近はいつも車椅子に乗っていて、この人ま

 だ若いのになんでこんなに体を悪くしちゃったんだろう、と心配していまし

 た。最後に見かけたのはシーナ・アンド・ロケッツのシーナのお葬式だったかな。その時

 は、例によって仰々しく登場したお姿を離れた所から見つけただけでしたが、

 もう少し至近距離で出会ったのは「中村とうようお別れの会」で、これにつ

 いては以前月刊「出版人・広告人」で書いた事があります。それをここに引

 用いたします。以下。

   中村とうようニュー・ミュージック・マガジン(1980年にミュージック・マガジンに改名)

  編集長は後年、博識な民族音楽愛好家、重鎮として音楽界に君臨していた

  ので、弔辞も「ワールドミュージック」への貢献を讃える内容が多く、会全体は非

  常にアカデミックな雰囲気に満たされていました。

   その最後に、ロックンロール内田裕也が突然登壇。「ワールドミュージックが何だ。俺た

  ちにとって中村とうようの最大の業績は、この国に『ロック』を正しく紹介し

  た事にあるんじゃないのか」というような啖呵を切ったのです。カッコ良

  かったですよ。

   集まった人たちは今でこそ、様々な音楽業務、研究、愛好に携わってい

  ますが、69年のニュー・ミュージック・マガジン創刊期、あの夜明け前に、同じ夢を

  ロックに託した人たちのはず。そこを振り返らないで、ナーニが民族音楽だ、と

  いうひと言。みんな凍り付きました。

   何となくお上品な雰囲気がつまらなかったわたしは、その時に思わず「異

  議なし」の拍手をしました。極めて自然な反応だったのですが、周囲から

  の冷やかな視線放射を、全身に浴びせられました。そこをカメちゃんが「あ、

  拍手が起こりました」と被せてくれ、すぐに雰囲気は楽になりました。流

  石の腕前です。名DJに相応しい捌きですね。これがわたしと大先輩との、

  唯一の接点でした。

  以上、この会で司会を務めた亀渕昭信大先輩について書いた文章です。当

 の御大は白髪を長く伸ばして、ステッキを突いて白いスニーカーという恐ろしい風体で

 すから迫力十分、みんな震え上がってました。

  神戸の生まれで、大瀧詠一よりも先に「プロデューサー」という言葉を定着させ

 たのはこの人です。もちろん自分自身でも唄っていまして、何枚もレコードを創

 っています。今の「コミック雑誌なんかいらない」は、内田裕也 & 1815ロックンロール・

 バンド名義で1973年に出した『ロックンロール放送局 Y・U・Y・A 1815KC』とい

 うLPからです。ほとんどは古いロックンロールのカヴァですが、これだけが新しい歌

 でした。頭脳警察のパンタの作った曲ですね。

  わたし自身このアルバムは発売当初から聞いていまして、A面の最初、つまり

 冒頭部分で、「良いセンスだなあ」と感心しました。そこの部分を聞いて貰いま

 しょう。

M03.恋の大穴(3’42”)内田裕也& 1815ロックンロール・バンド

-A.Schroeder, S.Wiche-  ワーナー・パイオニア  L-8019

N  ラジオの同調雑音を持って来る辺り、憎いじゃありませんか。はっきり言っ

 てアルバム全体としては平均的な出来で、ヌー・ミュージック・マガジンでは「この世代

 にはまだ黒人の影響が全くない」というような事が書かれていました。評者

 は中村とうようです。でも「ロックンロールに犯された」内田裕也像がくっきりと浮

 き彫りにされているアルバムでした。

  彼はお決まりのバンドボーイとしてこの世界に入り、前歌唄いからピンの歌手

 になりますが、その時代がロカビリーとグループ・サウンズの端境期だった故に、苦汁

 を嘗めさせられた、と言えなくもないでしょう。その頃の録音を聞いて下さ

 い。いずれもカヴァです。

  まず「天使のハンマー」、

  そして樹木希林が好きだったという、「朝日のあたる家」。

M04.天使のハンマー(2’47”)内田裕也  寺内タケシとブルージーンズ

-L.Hays, P.seeger, K.Sazanami-  東芝  TOCT-11140/1

M05.朝日のあたる家(3’50”)内田裕也  寺内タケシとブルージーンズ

-A.Price-  東芝  TOCT-11140/1

N  特別頭出し音入りミクスで、ロックンロール内田裕也で「天使のハンマー」、そして「朝日

 のあたる家」でした。尾藤イサオと収録曲を半分ずつ分け合って唄われた2枚の

 アルバム『ロック、サーフィン、ホット・ロッド』、『レッツ・ゴー・モンキー』からでした。彼のよう

 に楽団付きでなく、といって歌謡曲とも違う唄い手には、時折この種の吹き

 込み企画があるだけで、他は「ジャズ喫茶」と呼ばれた軽音楽生演奏の場所で

 の実演しかなく、厳しい状況でした。そんな中でロックンロール魂を貫いた内田裕也

 は違いますね。ただ、どうにもこうにも不器用で、途中から妙にコワモテになっ

 てしまったのは残念です。横尾忠則が「裕也さんは、コンセプチュアルでスジを通す

 ところがあった」と言ってたのには頷けますが、後年はゴリガンを押し切る人

 間のパロディを自分で演じていたようにも見えます。

  次の歌なんかその典型かも知れません。

  指原苅乃とのデューオです。

  「シェキナベイベー」。

M06.シェキナベイベー(4’57”)内田裕也 feat. 指原苅乃

-K.Akimoto, Simon-  エイベックス AVCD-48977/B

N  内田裕也が指原苅乃と唄った「シェキナベイベー」でした。2014年のこの作品、

 周囲の人間たちは大穴を狙ったのでしょうが、殆ど話題にならなかったです

 ね。わたしも店頭で見つけられず注文をして手に入れました。

  沢田研二のタイガーズを大阪のジャズ喫茶「ナムバ一番」で見出したのは裕也さ

 んで、当初は「内田裕也とファニーズ」と名乗っていたようです。それが所属の

 渡辺プロダクションの思惑で彼だけ追い出され、自分で結成したのがフラワーズ。裕也

 さんの描いた完成予想図は、欧米に対抗できる世界水準のロック・バンドでした。

  その夢はフラワーズが発展して生まれ変わったグループ、フラワー・トラヴェリン・バンド

 で成就します。武者修行先のカナダでこの「サトリ・パートII」がチャート入りを果たし、

 アトランティックでもシングル盤が切られたのですから。

M07.サトリ・パートII(5’01”)フラワー・トラヴェリン・バンド

-Flower Travelin’ Band-  ワーナー・パイオニア  L-6007

N  「サトリ・パートII」、フラワー・トラヴェリン・バンドでした。これは短い仕様です。LP

 では7分を超えていました。裕也さんはこのバンドから演奏そのものには加わ

 らず、マネジメントやプロデュースを受け持つ裏方に回りました。「担当楽器リード・タムバ

 リン」なんて言ってね、これも粋な表現ですね。

  その頃ロックの演奏会は大体がオムニバス形式でしたから、全体のまとめ役が必要

 なのです。こういう役は裕也さんが適任で、MCや司会進行役も上手でした。

SEジョー山中の紹介『ロックンロール・ジャム ’70』(Pヴァイン PCD-7228/9)から

SEキャロル解散公演でのゲスト出演『燃えつきるキャロル』(フォノグラムPHCL-3031)から

N  「みんな、乗ってっか」、この頃はこれが登場時の决めゼリフでしたね。「これ

 でロックンロールが終わった訳じゃねえからな」なんてカッコイイ事言いますね、ホント。

  わたし自身、内田裕也から大きな影響を受けたひとりだ、と自信を持って

 言えます。音楽の裏方仕事を志したのも、彼の姿を見たからでしょう。これ

 は秘密ですが、18歳の頃には一緒に演奏をした事もあります。帰国凱旋公演

 のフラワー・トラヴェリン・バンドの前座を務めた時に、わたしのエルトン・ジョンを真似た

 奇妙な衣装を裕也さんが気に入ってくれて、「ピアノだったら一緒に演ろう」と

 誘ってくれたのです。「のっぽのサリー」と「ブルー・スウェード・シューズ」の2曲。フラ

 ワー・トラヴェリン・バンドのショウは、重たくて複雑かつ長時間演奏という楽曲が続く

 中間部で、裕也さんが出て来て簡単なロックンロールを差し挟むという洒落た構成だ

 ったのです。そんな縁があったので、わたしたち静岡ロックンロール組合の名作『永

 久保存盤』を作った時に送ったら、週刊プレイボーイか何かの「内田裕也が選ぶ

 12枚のロックLP」に入れてくれた事もありました。この話は知人から聞いてい

 ただけでしたが、今回の訃報に絡んでその写真を仲間が送ってくれたので、 

 初めて見ました。本当だったのです。12枚、真ん中の列がフリーしか分からない

 なあ。全てをじっくり考えて選んだとは思えませんが、スライ、ストーンズ、それに

 キャロルや頭脳と並んでいるのはとても嬉しい。凄いでしょ、お終いに証拠を掲

 載しときます。

  裕也さんに関してはかなりの複雑な想いがあります。エレキングあたりに寄稿

 しようかな。その時はまたお知らせします。

  さてロックンロール内田裕也を偲んで、もう1曲、わたしはやはりこれですね。

  「マンジョキ・ロックンロール」。

M08.マンジョキ・ロックンロール(2’27”)内田裕也& 1815ロックンロール・バンド

-Y.Jyo, K.Kase-   ワーナー・パイオニア  L-1141

M09.Miserlou(2’09”)Dick Dale and His Del-Tones

-Leeds, Pina, Roubanis, Russel, Wise-  Starbucks / Rhino NoNumber

N  もうひとり、訃報が入って来た音楽家の1曲です。サーフィン・エレキの創始者と評

 されるディック・デイルです。初期のフェンダ・ストラトキャスタの左用を持っている写真が

 あります。特別に作って貰ったのでしょうかね。そのストラトキャスタにヘヴィ・ゲイヂ

 弦を張って弾いているという「ミザールー」、テレビ東京の「出没!アド街ック天国」

 で使ってるのは、このヴァージョンかなあ。目が眩むようなフレイジングでした。トラム

 ペット・ソロの部分はメキシコの音楽みたいにも聞こえます。ディック・デイル没、享年八 

 十一、合掌。

M10.Some Other Time(7’09”)ドゥワイト・トリブル

-unknown-  BSMF 5067

N  3人の冥福を祈って鎮魂歌。ドゥワイト・トリブルの「サム・アザー・タイム」でした。

  先週ガラにもなくスピリチュアル・ジャズを皆さんと一緒に聞いてみました。する

 と即刻、このドゥワイト・トリブルの新譜に出逢いました。伝播したのかな。彼はオハ

 イオ出身の唄い手で、1978年からはロス・エインジェルズを拠点としています。ファラオ・

 サンダーズ、カマシ・ヲッシントンらとの共演でも有名です。スピリチュアル系のヴォーカリストと言

 いますと、鋭い声で刻み込むような唄い方をする人が多いのですが、ドゥワイト・

 トリブルはお聞きのように太い包容力のある声で柔らかに表現します。この「サ

 ム・アザー・タイム」もその声があってこその作品ですね。

  新しいアルバム『マザーシップ』にはもうひとつ意外なカヴァ・ソングが入っていまし

 た。

  「トモロウ・ネヴァ・ノウズ」です。

M11.Tomorrow Never Knows(5’23”)ドゥワイト・トリブル

-J.Lennon, P.McCartney-  BSMF 5067

N  これも「混沌ミクス」と呼びたくなるような不思議な雰囲気ですね。先ほどの

 「サム・アザー・タイム」もそうでしたが、過剰にヴォーカルを前に押し出さない仕上げ 

 はドゥワイト・トリブルの特徴なのでしょうか。全ては人間による生演奏ですが、あ

 の原曲の音色がよく再現されていました。

  ではその原曲です。

M12. トモロウ・ネヴァー・ノウズ2’57”)ザ・ビートルズ

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-71047

N  ザ・ビートルズで「トモロウ・ネヴァ・ノウズ」、強い薬物臭漂うアルバム『リヴォルヴァー』

 からです。この頃ジョン・レノンは起きている間ずっとラリッていたそうで、「トモロウ・

 ネヴァ・ノウズ」のアイディアを聞かされてプロデューサーのジョージ・マーティンが狼狽える様

 子が「ビートルズ/レコーディング・セッション」他に記されています。面白いエピソードで

 す。

  さてLSDでぶっ飛んでいるのが『リヴォルヴァー』だとすれば、その前の『ラバ・

 ソウル』は、緑色を基調としたジャケットからしてモロに大麻的です。先日家の片付け

 をしながらモノ盤を通して聞いていたら、スティーリオ仕様との大きな違いに、今頃

 気づきました。

  まずは聞いてください、

  B面1曲目の「消えた恋」です。リード・ヴォーカルは、リンゴー。

M13.消えた恋(2’52”)ザ・ビートルス

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-71046

N  今の終了部分、その昔のスティーリオ盤にはジョージの短いリフが入ってましたが、こ

 ちらにはありません。オーヴァ・ダブで付け加えたたんでしょうか。現行のスティー

 リオ仕様にはそのリフがちゃんと載っかってます。他の部分は同じテイクです。まだ

 マルチ・トラックとは言い難い機材で録音制作をしていたこの頃ビートルズは、モノのミクス

 にこそ長い時間をかけていましたが、スティーリオは実に短時間であっさり仕上げ

 ていた記録が残っています。それからするとこの特別仕様は珍しいですね。

M14.ガール(2’34”)ザ・ビートルス

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-71046

N  LP『ラバ・ソウル』の「消えた恋」の次に入っているのが、この「ガール」。その

 昔のテレビ番組「シャボン玉ホリデー」で、タイガーズのジュリーが真面目にこの歌を唄っ

 ていて、サビに入ると突然ダボシャツにステテコ、腹巻の植木等がツマ楊枝を咥えて登

 場。「チュッ、チュッ、チュッ、チュッ」のところで歯間のゴミをほじくるギャグがありまし

 た。それ以来「ガール」を聞く度に、その場面が浮かんで来ます。かなり神経

 質な歌なのにね。お許し下さい。

  さて『ラバ・ソウル』はわたしが一番好きなビートルズLPかも知れません。高校

 一年生の夏休みの水泳合宿から帰って来て、真っ先に聞いた覚えがあります

 けれど、全体の印象は秋から冬ですね。それを決定付けているのは特にこの

 歌です。

M15.ノルウェーの森(2’09”)ザ・ビートルス

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-71046

N  先週の最終曲「ダーカー・シェイド・ザン・ブラック」の原曲、「ノルウェーの森」でした。

 子供の頃は、この歌の抽象的な印象が理解出来ませんでしたが、後年「公演

 旅行中に訪れた売春婦の部屋での出来事だ」というジョンの言及で解決しまし

 た。成る程と全てが分かったのです。最後の「一服」は、絶対にマリワーナですね、

 ラークじゃない。

  世界的な存在になって世の中を引っ張っていたビートルズ、ただのポップ・グル

 ープから脱皮しかけていた時代の葛藤とか屈折が随所に感じられる『ラバ・ソウル』、

 この歌も忘れられません。

  ふと振り返った望郷感が迫ります。

  「イン・マイ・ライフ」

M16.イン・マイ・ライフ(2’30”)ザ・ビートルス

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-71046

M17.KanGaroo Boogaloo(5’40”)バンデラス

-unknown-  Pヴァイン PCD-24751

N  さて元気よくブーガルー。バンデラスという日本人グループで「カンガルー・ブーガルー」。

 サルーサという音楽領域は、最も高度な演奏感覚、技術を求められますが、昨今

 では上手な日本人プレイヤーも増えて来ているようです。このバンデラスも当初は

 プエトリカンのグループだと思って聞いていましたが、この「カンガルー・ブーガルー」で

 「こりゃ違う」と気づきました。日本語詞の歌もあって、なかなか面白い。

 何より元気があって力強い。実演を観たいですね。

  さて次は細野晴臣です。さすが大御所、新譜の話題が賑やかです。わたし

 でさえラジオ で2回も聞きました。それで大いに興味が沸き、手に入れました。

 ひょっとして自分で買った細野作品はこれが初めて、いやアルバムをしっかり聞

 いたのも初の体験かも知れません。そんなワツシイサヲなのです。お許しを願いま

 して、先ずはこちらをお聞き下さい。

  「福は内 鬼は外」。

M18.福は内 鬼は外(3’06”)細野晴臣       

-H.Hosono-  ビクター VICL65086

N  「福は内 鬼は外」、細野晴臣でした。今回のアルバムは1973年発表の『ホソノ・

 ハウス』の自作再演です。先ほど「アルバムをしっかり聞いたのも初の体験」と告

 白した未熟若輩者も収録楽曲のほとんどを知っていたのは何故だろう。

  今の「福は内 鬼は外」もそのひとつですが、これはわたしがサム・アンド・デ

 イヴを聞いていたら当時の音楽仲間が「これ『ハイレハイレモンカラ』じゃん」と言い出

 し、それ以来本来の題名も知らずに「ハイレハイレモンカラ」と呼んでいました。

  その時に聞いていたサム・アンド・デイヴの歌は、これです。

M19.ソウル・マン(2’41”)サム・アンド・デイヴ       

-I.Hayes, D.Porter- ワーナーWPGR-13404

M20.Clean Up Woman(2’47”)Betty Wright 

-C.Reid, W.Clarke-  Rhino R2 79861 

N  サム・アンド・デイヴで「ソウル・マン」でした。ね、似てるでしょ。その次は類似し

 たリフを持つ、ベティ・ライトの「クリーンナップ・ヲーマン」でした。R&Bダンス曲の基本パタ

 ンですね。「ソウル・マン」は1967年、「クリーンナップ・ヲーマン」は1971年のヒットです。

  さて細野晴臣の新作、わたしは非常に楽しめました。詳しくは来週またご

 紹介いたします。今朝の最後はこれもよく知っていた一曲です。ただ新しい

 方はだいぶ印象が異なりました。

  「恋は桃色」。

M21.恋は桃色(3’55”)細野晴臣      

-H.Hosono-  ビクター VICL65086

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  いろいろ含むところがたくさんありそうな細野晴臣の新作、彼自身による

 解説も面白くて、納得出来るところが多い。来週をどうぞお楽しみに。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/8b65e29f8c1838a3ff6608f953ea13183e6ac1b9

  ダウンロード・パスワードは、w2zcy2c5です。

  先週は上手く落とせない方々に、ご迷惑をおかけいたしました。ファイア・ストレ

 イヂ側の問題のようです。大家には「こういう事が続出するから揚げ先を変え

 ろ」としょっちゅう言われています。今週はどうだろうか。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

Awesome Rock【2019/3/22 O.A.】Playlist

3月22日のAWESOME ROCKは、21日(春分の日)に幕張メッセで開催された、DOWNLOAD FESTIVAL JAPAN 2019を振り返りました。
https://www.downloadfestivaljapan.com/ja

ヘッドライナーのオジーのキャンセルを受けて自ら出演を打診してきたという我らがメタルゴッド=JUDAS PRIEST
◆最後のワールドツアー中のSLAYER
さらに、◆SUM 41、◆GHOST、◆ANTHRAX、◆ARCH ENEMY、◆HALESTORM、◆MAN WITH A MISSION、◆AMARANTHE、◆LIKE A STORMという10組でした。

<コーナー: AwesomeRecommendation>

M01: Firepower  /  Judas Priest

M02: Dance Macabre  /  GHOST

M03: Cirice  /  GHOST

M04: South Of Heaven  /  SLAYER

M05: Angel Of Death  /  SLAYER

<コーナー: AwesomeRecommendation>終わり

中央エフエム Awesome Rock
澤田修の完全監修番組。選曲、編集、トーク、全て担当!
毎週金曜日21時~21時半。再放送:毎週土曜日23時~

Real Rocks 【2019/03/16 O.A.】Playlist

3月16日のREAL ROCKSは久々にチャートを紹介しました。
Hozierの勢いはしばらく続きそうです。
特集は、いよいよ3月21日(木・祝日)に幕張メッセで開催されるDOWNLOAD JAPAN2019を紹介しました。LIKE A STORM(初来日)、GHOST(来日2度目)をオススメいたします。

M01: Tighten Up  /  The Black Keys

M02: Lo/Hi  /  The Black Keys

M03: Snake  /  Royal Mob

M04: Deceiver Believer  /  ANNALYNN

<コーナー: RockAroundTheWorld >

M05: Take Me To Church  /  Hozier

M06: Otherside  /  Red Hot Chili Peppers

M07: No Scrubs (Cover)   /  WEEZER

M08: Zombie Bastars  /  WEEZER

M09: Almost (Sweet Music)   /  Hozier

<コーナー: RockAroundTheWorld >終わり

M10: Tamacun (Live)   /  Rodrigo y Gabriela

M11: Mettavolution  /  Rodrigo y Gabriela

M12: Mudshovel  /  Staind

M13: It’s Been Awhile  /  Staind

<コーナー: RockSteadyGo >      

M14: The Hellion  /  Judas Priest

M15: Electric Eye  /  Judas Priest

M16: Angel Of Death  /  SLAYER

M17: Repentless  /  SLAYER

M18: Dance Macabre  /  GHOST

M19: The Devil Inside  /  Like A Storm

<コーナー: RockSteadyGo >終わり            

M20: Finish Him  /  ANNALYNN

M21: 10 Dimes  /  ANNALYNN

M22: Diary Of A Madman  /  Ozzy Osbourne

<Ending>          

<コーナー:メタルの光> 

M23: Derelict Minds  /  Avandra

◆今月のReal Rocks Selectionはタイ王国のメタルコアバンド、ANNALYNNを大プッシュ!
〇澤田修がメンバーにインタビューした模様は、NM Magazineに掲載中!
https://nmmag.jp/?p=76658
〇来日公演のライヴレポも掲載中。
https://nmmag.jp/?p=76689



【幻】モーニン・ブルーズ 2019/03/16

mb190316

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  「全国的にアサー」、おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019

 年03月16日を始めましょう。春になったようですね。「ホンカクテキニ、ハルー」でし

 ょうか。

  今朝は、1975年夏の世界的ディスコ・ヒット曲で元気よくまいります。

  ヴァン・マッコイとソウル・シティ・シムフォニーです。「ザ・ハッソー」。

M01.The Hustle(4’03)Van McCoy & The Soul City Symphony

-V.Macoy-  Universal 556 408 2

N  この録音セッションがスタッフを生んだ、とも呼ばれているヴァン・マッコイとソウル・シティ・

 シムフォニーの「ザ発想」でした。沢山あった「お仕事」のひとつに過ぎなかっ

 たのでしょうが、それぞれのメムバはここで意気投合してグループ結成に至り、

 それが後のフュージヨン音楽興隆を導いた、とされています。本当でしょうかね。

 エリック・ゲイルとゴードン・エドワーズは確かにここに居ますね。他のメムバは分からな

 いなあ。

  そもそもソウル・シティ・シムフォニーと言う名義も今ここではじめて意識しました。

 「発送」は当時みんな、ただヴァン・マッコイとしか知らなかった筈です。流行っ

 ている最中に、新宿のディスコ、ブラック・シープで一人の女の子がひとりで踊って

 いたのを覚えています。一生懸命に覚えようとしている、そんな感じでした。

  サイズが大き目で洗いざらしのブルージーンにオープン・シャツと言う流行最先端のサーフ

 ァー・ルックで可愛らしかったな。ただ声をかけたらド突かれそうな気もしました。 

 いつものように遠距離観察。その頃もうわたしはそういう場所にバイト的な仕

 事で出入りしていましたけど、この晩は自分でお金払って出かけたんじゃな

 いかな、しかもひとりで。お客さんは余り入っていなかった。今でもこの「ザ

 八双」を聞くと、その光景が浮かんで来ます。

  「ハッソー」というのはヌー・ヨーク・ラテン、つまりサルーサの基本ダンス・フォームのひとつ

 で、本来は男女ペアで踊るものです。何かで写真入りの振り付け講座を見た事

 があります。かなり難しそうでした。ブラック・シープでその子が踊ってたのは、

 日本で付けられた独自の振り、というか誰かがデッチ上げた踊りじゃないかな。

 その頃はレコードを売るための事実無根のいい加減なプロモーションが沢山ありまし

 たからねえ。

  さてなぜ今朝「ザ・ハッソー」か、と言いますと、先週立ち寄った中華料理屋

 で、「ザ・ハッソー」とほぼ同じ歌謡曲が流れていたからです。おそらく有線放送

 でしょう。まだ子供のような女性の声でした。多分その子はヴァン・マッコイもソウル・

 シティ・シムフォニーも、そして「ザ・ハッソー」自体を知らないでしょう。「これ、次の

 新曲だから」なんて渡されて完全に唄わされてる感じ。

  仕上げは、もう「カヴァ」と言っていい、いや言い切る事が出来るくらいに

 クリソツなんです。あの特徴的なシンセサイザーの音色も含めてね。そこで一緒にいた

 人間は何も感じてなかったみたいでしたが、わたしは可笑しくて可笑しくて、

 ひとりで笑っていました。

  もう一度聞きたい。誰か知らないかなあ。「ザ・ハッソー」とほぼ同じ歌謡曲。

 もちろん、最近の新譜の筈ですよ。

M02.Desafinado(2’03”)Joao Gilberto   

-A.C. Jobim,, N.Mendonca- Fremeaux & Associes  FA 5371  

N  ジョアン・ジルベルトで「ディサフィナード」、アントニオ・カルロス・ジョビムの名作です。これは

 ジョアンの始めの3枚のアルバム収録36 曲を1枚にした、スリーLP・オン・ワンCDか

 らです。大分前に出ていたみたいです。同じような内容の CDは他にも出て

 いて、ボーナス・トラックの付いた38曲収録盤もありました。こちらも持っていた

 ような気がしますが、すぐに出て来ないので、今朝はこのフレミュー・アンド・アソシエ

 盤でお届けしました。わたしがこれを手に入れたのは今年になってからです。

  ジョアンは世界的なボッサ・ノーヴァのブームの寵児となって、この後で大手のヴァーヴ

 に沢山の吹き込みをしました。でもこれらは歌詞が英語だったり、多分に西

 洋の白人市場を意識した商業的な傾向が強く、同じ楽曲もこのスリー・オン・ワンで

 聞く方がボッサ・ノーヴァ創成期の様子が生々しく響きます。

  これを手にした時、「真夏のカラスミ」ならぬ「真冬のボッサ・ノーヴァ」、次の「幻」

 は、これで行こうと決めていたのですが、肝心のCD盤を某所に置き忘れ、「真

 冬」の間じゅうケイスだけが手元にありました。それがようやく帰って来た時に

 は、もう春だった、というオチです。今朝は「早春ボッサ・ノーヴァ」です。極く初

 期のジョアン・ジルベルトを少し聞いて貰いましょう。

  次は「サムバ・デ・ウナ・ノータ・ソ〜ワン・ノート・サムバ」。

M03.Samba De Uma Nota So(1’41”)Joao Gilberto

-A.C. Jobim,, N.Mendonca- Fremeaux & Associes  FA 5371  

N  ジョアン・ジルベルト、オリヂナルの録音で「サムバ・デ・ウナ・ノータ・ソ〜ワン・ノート・サムバ」。

  いいですね。半音移動を多用した複雑な進行を持つカルロス・ジョビムの楽曲が

 秀逸なのは言う迄もありませんが、ジョアンのボソッとした声で全体の雰囲気が不

 思議なくらいにひとつにまとまっています。ほんと不思議。

  音楽の最終的な理想形はボッサ・ノーヴァにある、という格言があったのを憶え

 ていますが、ジョアンは最初からほぼ完成されたボッサ・ノーヴァ感覚を持っていた

 んですね。彼自身は、ボッサ・ノーヴァではなくサムバを唄っているつもりだ、と言

 っていたそうですが、心の内に込めた情熱を淡々と冷んやり表現出来る音楽

 はボッサ・ノーヴァ以外には無いのではないでしょうか。言葉もやはりポルトガル語

 がしっくり来ます。

  ではヴァーヴ時代にも録音された有名曲をもうひとつどうぞ。

  「我が祖国のサムバ」と言う題名ですが、別の邦題、英題が有るかも知れま

 せん。いや、きっとある。でも今は出て来ない。

  「サムバ・ダ・ミンハ・テラ」。

M04.Samba Da Minha Terra(2’22”)Joao Gilberto  

-D.Caymmi-  Fremeaux & Associes  FA 5371  

M05.Disse Alguem (All Of Me) (5’19”)Joao Gilberto

-S.Simons, G.Marks-  Warner Bros 9 45165-2

N  ジョアン・ジルベルト1961年録音の「我が祖国のサムバ」、そして1977年録音のア

 ルバム『ブラジル』からおなじみの「オール・オヴ・ユー」でした。16年を隔てて、声

 もギターの音も変わっていません。ただよく聴くと、編曲とミクスには時代的な洗

 練が感じられます。

  そうか、『ブラジル』はもっと後の作品と思っていましたが1977年ですか。

 42年も前に聞いていたのですね。この音楽形態、そして表現している世界は

 21世紀になっても変わりがないと言う事なのでしょうか。初来日した時も、

 60年代と同じでしたものねえ。これは「昔の名前で出ています」ではなくて、

 彼自身の基本がこの60年間不動だった事の証明でもあります。不変なまま今

 なおブラジル音楽をリードし続けるジョアン・ジルベルト、偉大です。

  とは言いましても、ブラジルでの音楽が変わっていない訳ではありません。

 次は「現代ブラジリアン・メロウ・グルーヴの頂点」を極めた音楽家の、「ブラジリアンAOR~

 モダン・ソウルの近年最高傑作」から聞いていただきましょう。

  ルーカス・アルーダです、「ホワット・アイド・ドゥ・フォー・ラヴ」。

M06.ホワット・アイド・ドゥ・フォー・ラヴ(5’38”)ルーカス・アルーダ

-unknown-  Pヴァイン  PCD-24816  

N  「ホワット・アイド・ドゥ・フォー・ラヴ」、ルーカス・アルーダでした。これが「ブラジリアンAOR~

 モダン・ソウルの近年最高傑作」なのか。わたしには極めてドナルド・フェイゲン的に聞

 こえましたね。聞いている間じゅう、旋律、唄い方、楽器の音色、中間のラリー・

 カールトン的なギター・ソロ、全体構成に『ナイト・フライ』がチラついて仕方なかったです。

 前回中央エフエムでの「現」で、澤田修が「恥ずかしい位に昔をなぞった最新音

 楽」とか言って何曲か紹介していましたが、これも立派に並びますね。今度

 持って行って聞いて貰おうかな。「現代ブラジリアン・メロウ・グルーヴの頂点」、ルーカス・

 アルーダでした。

  さてもう去年の事になりますが、スピリチュアル・ジャズと呼ばれる領域がヨーロッパ

 で見直される動きにある事をお伝えしました。丁寧に編集されたコムピ盤がシリー

 ズで出ていまして、興味を唆られます。年末にその中でも難解な「ヴォーカル」

 集を聞いてみました。『スピリチュアル・ジャズ第6巻ヴォーカルズ』これは、わたしに

 とってはラップ・ブラウンやリオン・トーマスから繋がって来た好奇心の延長でもありま

 す。今以て実態不明で すが、今朝は一緒に少し聞いて下さい。

  まずマクス・ローチズ・フリーダム・ナウ・スートゥで「ティアーズ・フォー・ジョハネスバーグ」。

M07.Tears For Johannesburg(1’34”)Max Roach’s Freedom Now Suite

-M.Roach-  Jazzman  JMANCD 076 

N  マクス・ローチズ・フリーダム・ナウ・スートゥで「ティアーズ・フォー・ジョハネスバーグ~ヨハネスブルグ

 への涙」でした。これは短く編集された仕様です。

  マックス・ローチは早くから音楽的に新しい動きを起こしたと共に、アメリカ合衆国で

 黒人である事を強く意識した生き方をしたドラム奏者です。当然人種差別に反

 対していまして、1960年制作のアルバム『ウイ・インシスト~我々は抗議する』では同

 じく抵抗を続ける詩人オスカー・ブラウン・ジュニアの作品を主題としていました。

  この「ヨハネスブルグへの涙」もそこからの物です。リード・ヴォーカルは後にマクス・

 ローチ夫人となったアビ・リンコンが取っていました。人種分離政策による南アフリカの

 実態を、そしてそこに映し出される母国アメリカ合衆国の差別を訴えています。

  『スピリチュアル・ジャズ第6巻ヴォーカルズ』から、次は1973年の驚異の高校生集

 団、シンガーズ・アンド・ミュージシァンズ・オヴ・ヲッシントン・ハイ・スクール、ヲッシントン高校の唄

 い手と演奏家たちです。

  「ザ・ラダー」。

M08.The Ladder(4’42”)

The Singers And Musicians Of Washington High School  

-L.Theus, G.Lyles-  Jazzman  JMANCD 076

N  北米ロス・エインジェルスにあるヲッシントン高校の唄い手と演奏家たちによる「ザ・ラダ

 ~梯子」でした。3週間程前に「驚異の高校生楽団」を3つ聞いて貰いまし

 た。このシンガーズ・アンド・ミュージシァンズ・オヴ・ヲッシントン・ハイ・スクールも入れれば良

 かったな。彼らには周囲の理解、援助があったのでしょう、1973年に『ピース・

 ウィル・カーム~平和はきっと来る』という題名のLPを出していまして、そこから

 今の「ザ・ラダー」でした。「平和への梯子をどこまでも登り続けるのよ」とい

 うメセヂです。奇しくも同じ73年発表となった静岡ロックンロール組合とは相当な開

 きがあります。主題も、楽曲の成り立ち、演奏技術、そして録音も。

  北米ではこのようにクラシック以外でも若年層の音楽活動が公認されていまし

 て、どこの高等学校にもある程度の音楽施設があって、正しい指導者もいる

 ようです。ですからこのように、世の中を否定、破壊しない音楽には発表の

 機会がもたらされるのでしょうか。

  昨今はこの国でも学内でロックバンド程度なら許されるようですね。だいぶ前

 に友達の息子と話していたら、通っていた文京区の高校には音楽の練習室が

 あって、そこにはマーシャル・アムプが置いてあったという話です。これは行き過ぎ

 だ、絶対に。わたしは慢性的な資金不足に喘ぎながら、学校からは逃げ回り、

 ロックンロール禁止令の家には嘘をついて志を通したのです。だからこんなに捻くれ

 てしまった、と言えなくもないですが・・・。

  さて本来黒人たちの娯楽音楽だったジャズは、芸術的側面を拡大して精神性

 を重視する傾向に進みました。その発端、そして今も頂点に君臨しているの

 が、ジョン・コルトレインでしょう。彼はマイルス・デイヴィスみたいな物欲もなく、いい加

 減じゃなかったですから。「スピリチュアル・ジャズ」とは、ジョン・コルトレインが生み出

 したひとつの概念なのかもしれません。この『スピリチュアル・ジャズ第6巻ヴォーカル

 ズ』にも、そのものズバリな1曲が入っています。

  「ジョン・コルトレイン」、クリフォード・ジョーダン・クヲーテットです。

M09.John Coltrane(6’49”)Cliford Jordan Quartet   

-B.Lee, C.Lee-  Jazzman  JMANCD 076  

M10.My Favorite Things(5’33”)Tadao Hayashi  

-Rodgers, Hammerstein-  Jazzman  JMANCD 096  

N  今朝のモーニン・ブルーズは「お尻をピョンと跳ねスウィング」しながらも、「スピリチュアル・

 ジャズ」を聞いております。ジャズの「芸術的側面と高い精神性」は昭和中期

 の日本でも美徳でした。昔の人が言う「モダン・ジャズ」の世界ですね。

  黒いタートル・ネックのスウウェタを着て朝日ジャーナルを持ち、大きなスピーカーの前でテイブル

 に突っ伏して「至上の愛」を聞く。薄暗い店内でコーヒー一杯の注文で3時間居

 座る・・・、これが「モダン・ジャズ」の聞き方です。こういうところで「芸術

 的側面と高い精神性」は絶対的価値基準でした。非常に抽象的でしたが。わ

 たしも16歳の頃ちょっと真似した事がありますが、馬鹿らしくてすぐやめた。

  こういうお粗末なモダンジャズ落伍者がいる中で、日本のジャズ演奏家たちは

 概ね真面目でありまして、熱心に「芸術的側面と高い精神性」を磨きました。

 この『スピリチュアル・ジャズ』の第8巻は、2枚組で、なんと日本のスピリチュアル・ジ

 ャズ集なんです。

  今のクリフォード・ジョーダン・クヲーテット「ジョン・コルトレイン」に続いてお聞き頂いたの

 はその『スピリチュアル・ジャズ第8巻 日本』から林忠男のハープで「私の好きな物」

 でした。多分コルトレインからの発想でしょう。スカボロフェア調に始めるのも悪くない。

 「芸術的側面と高い精神性」を感じて頂けましたでしょうか。

  次も同じ2枚組からです。

  秋吉敏子で「木更津甚句」。

M11.Kisarazu Zinku(5’49”)Toshiko Akiyoshi   

-trd.-  Jazzman  JMANCD 096

N  マンデイ満ちるの母、秋吉敏子のピアノで「木更津甚句」でした。1961年の録音

 です。非常に端正にまとめられた演奏でしたね。これは主題の選び方からし

 て、確かにスピリチュアルな音楽と言えるでしょう。

  この『スピリチュアル・ジャズ第8巻 日本』収めら得ているトラックは16で、錚錚た

 る名前が並んでいますが、わたしは全て初めて耳にする物ばかり。サトウ製薬

 提供「勝ち抜きエレキ合戦」の審査員で知っていた「ギター日本一」澤田駿吾先生

 も実際の演奏を聞いた事なかったからねえ。

  この人は聞いた事があった。サクスフォンの松風鉱一です。1948年生まれで、60

 年代後半からジャズの世界で高く評価されていたようです。わたしが知ったの

 はつい最近の事。きっと真面目な人なんでしょう。音楽にその性格が投影さ

 れているように聞こえます。近年ヨーロッパでとても認められていると聞きまし

 た。オリヂナル・アルバムがCDになって向こうで出ているようです。

  『スピリチュアル・ジャズ第8巻 日本』からはこれを聞いて貰いましょう。

  「工事中」。

M12.Under Construction(6’39”)Koichi Matsukaze  

-K.Matsukaze-  Jazzman  JMANCD 096

N  松風鉱一で「アンダ・コンストラクション」でした。これにもジョン・コルトレインの影が見え

 ます。やはり圧倒的の存在なんですね。コルトレインをあまり得意じゃないわたし

 ですら、彼の音楽に接すると姿勢を正されます。まだ二十代初頭、R&Bの延

 長でスタッフのような器楽曲を聞き始めた頃、子分の家でコルトレインの「バラッド」を

 聞かされて、自分の聞いていた音楽に対し非常なる恥ずかしさを感じた事が

 あります。

  しかもその時その後輩が「アドリブなんかに載ってる音楽聞いてる奴は、ダメ

 だね」なんて止めを刺すもんだから、わたしはもう火達磨になりました。

  さて『スピリチュアル・ジャズ第8巻 日本』の他にも海外で評価の高い日本のジャ

 ズ・アルバムが出ています。相澤徹クヲーテットの『橘』、これは群馬県沼田市で1975

 年に録音された自主制作版です。日本全国各地にジャズの愛好家は住んでいま

 す。彼らはジャズ喫茶で出会い、知り合って、地元のジャズ気運を高めようと

 力を合わせます。この『橘』も、群馬県出身の医学生だった相澤徹を中心に

 愛好家たちが協力して作り上げた一枚なのです。分かるでしょ、その雰囲気。

  75年の地方都市に於けるジャズの現状を聞いて下さい。

  「オルフェのサムバ」。

M13.Samba De Orfeu(6’06”)   

-L.Bonfa-  BBE  469CCD  

N  「オルフェのサムバ」、相澤徹クヲーテットでした。如何でしょう1975年の群馬県沼田

 市に於けるジャズの現状。決して完璧ではありませんが、あらゆる部分から愛

 好家たちの情熱が感じられます。当時のライナにいソノてるヲがこう書いています。

  「限定数でプレスされるこのアルバムは将来きっと話題になると思う」

  その通り、2018年にイギリでCDに復刻されたのです。

  もう1種類やはりイギリスで出ているコムピ盤を紹介しましょう。『J Jazz: Deep  

 Modern Jazz From Japan 1969-1984』という物です。ジャケットには片仮名で

 「ジャパニーズ ディープ モダンジャズ」とあります。こちらは先ほどの「芸術的

 側面と高い精神性」に特化された演奏よりも、ジャズを新世代による新解釈で

 捉えた演奏が集められているように感じました。何れにせよ奥は深い。今よ

 りも知識、情報が圧倒的に不足している中で、ここまでの音楽を作り上げる

 事が出来た日本人はやはり異常とも言える位に素晴らしい。

  サクスフォン奏者の植松孝夫です。

  「ホワイト・ファイア」。

M14.White Fire(7’52”)Takao Uematsu  

-T.Uematsu-  BBE  434CCD      

N  フェラ・クティのアフロ・ビートを連想させる植松孝夫の「ホワイト・ファイア」でした。トリオ・ 

 レコードから出た『ストレイト・アヘッド』というLPからです。全編聞きたくなりまし

 た。

  今朝の「幻」は珍しくジャズ、それも「芸術的側面と高い精神性」を感じさ

 せる器楽曲を集めてお送りしました。こういう音楽の時は、なぜかたくさん

 話したくなりますね。これもジャズ音楽の特性でしょうか。「芸術的側面と高

 い精神性」も、万国に共通するジャズ音楽の持性と言えますね。

  日頃はダンスの踊り方を教えてくれるような単純で分かり易い音楽ばかりを

 聞いている身に、今朝の楽曲はどれも抽象的で取っ付きにくいものではあり

 ましたが、たまにはじっくりと聴き込む音楽と接するのも面白い事です。わ

 たしはそれぞれの楽曲に「色調」と「構図」を思い浮かべて聞いていました。

  さて、新しい音楽も聞きましょう。ノルウェイの演奏集団アヴェニュー・アムガラです。

 短い単純なモチーフが繰り返されて、大きな慣性を伴って押し寄せるような組み

 立ての、

  「アムガラ・テンプル」。

  3月6日に発売されたばかりの『インヴィジボー・エア・シップス』からどうぞ。

M15.アムガラ・テンプル(7’03”)アヴェニュー・アムガラ       

-unknown-  Pヴァイン  PCD-24819   

M16.ノルウェイの森(3’34”)ベイス・スピナーズ

-J.Lennnon, P.McCartney-   イーストウエスト AMCY-2448  

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N   長い演奏時間の音楽が多かった今朝の「幻」最後は「ノルウェイの森」、ベイス・

 スピナーズでした。原曲ではインド文化にカブれ始めたジョージ・ハリスンのシタールで奏で

 られていた特徴的なリフは、ダンスホール・レゲのリズムのひとつとして90年代中期に

 持て囃されました。「ダーカー・シェイド・ザン・ブラック」とかいう名前だったかな。

  先日最終電車に近い総武線で、御茶ノ水終点に気づかず乗ったままだった

 外国人に「降りなよ、終点だよ」と声をかけたら、しばらく話してくれまし

 てね。ノルウェイの若者3人組でした。新宿まで一緒で、12時過ぎてんのに「こ

 れから歌舞伎町へ遊びに行くんだ」って言うから「危険だよ、気をつけな」

 と伝えて別れましたが、無事だったでしょうかね。「ノルウェイから来た」という

 自己紹介に「ああノルウェイか。家具を知ってるよ」と応じた冗談は分かってもら

 えなかったようです。

  さて今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/00cc104d3a1c58b17a0ba53a4fe610bed96bbdbf 
  ダウンロード・パスワードは、x3kerjqqです。

http://firestorage.jp/download/94b156c30e565620f1869e59d274d6126c1b7f64
(不調が非常に多い)Firestorageのサーバー・エラーが出ています。こちらのリンクをご利用ください。ダウンロードパスワードは 【 8px7k2zj 】
by 大家 3/18 3:32am

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

Awesome Rock【2019/3/15 O.A.】Playlist

3月15日のAWESOME ROCKは、プエルト・リコ発のプログレッシヴメタル・バンド=AVANDRAを紹介しました!かなりのポテンシャルを秘めたバンドです!
4月リリースの新作には元DREAM THEATERのケヴィン・ムーアが参加しています。

M01: Happier Feat. BASTILLE  /  Marshmello ※来日間近!切なくも温かい一曲

M02: Here With Me Feat. CHVRCHES  /  Marshmello

<コーナー: AwesomeRecommendation>

M03: Intro (Spection)  /  Avandra

M04: Threshold of Evolution  /  Avandra

M05: Derelict Minds  /  Avandra

<コーナー: AwesomeRecommendation>終わり

中央エフエム Awesome Rock
澤田修の完全監修番組。選曲、編集、トーク、全て担当!
毎週金曜日21時~21時半。再放送:毎週土曜日23時~

Real Rocks 【2019/03/09 O.A.】Playlist

3月9日のREAL ROCKSは、感謝の気持ちを込めながら120分お届けしました。
前半は、The Prodigyのキース追悼。後半はBuckcherryの最新作を紹介いたしました。嗚呼、感謝。。。

M01: Burn It  /  Fever 333

M02: Sleep Now In The Fire  /  rage against the machine

M03: Like This  /  Royal Mob

M04: Wanna Lie With You  /  Royal Mob

M05: Deceiver Believer  /  ANNALYNN

<コーナー: RockSteadyGo >

M06: Rebel Radio (Live)   /  The Prodigy

M07: Intro (Live)               /  The Prodigy

M08: Breathe (Live)   /  The Prodigy

M09: Omen (Live)   /  The Prodigy

M10: Firestarter (Live)   /  The Prodigy

M11: Voodoo People (Live)   /  The Prodigy

M12: O Reprise (Live)   /  The Prodigy

M13: Invaders Must Die (Live)   /  The Prodigy

M14: Smack My Bitch Up (Live)   /  The Prodigy

<コーナー: RockSteadyGo >終わり            

M15: Pensacola, 2013  /  Deaf Havana

M16: Stallions, Foals, Foxes, Crows  /  We Came From Wolves

M17: Just Tonight…   /  Jimmy Eat World

<コーナー: RockSteadyGo >         

M18: Lit Up  /  Buckcherry

M19: Th1rt3en Or Nothing  /  Backyard Babies

M20: Mind Your Manners  /  Slash

M21: Warpaint  /  Buckcherry

M22: Backdown  /  Buckcherry

M23: Radio Song  /  Buckcherry

<コーナー: RockSteadyGo >終わり            

M24: 10 Dimes  /  ANNALYNN

M25: The Rain, The Park And Other Things  /  The Cowsills

<Ending>

<コーナー:メタルの光> 

M26: Kick in a Spleen  /  Children of Bodom

M27: Flatline  /  Periphery

相変わらずのロッケンロール魂!

◆今月のReal Rocks Selectionはタイ王国のメタルコアバンド、ANNALYNNを大プッシュ!
〇澤田修がメンバーにインタビューした模様は、NM Magazineに掲載中!
https://nmmag.jp/?p=76658
〇来日公演のライヴレポも掲載中。
https://nmmag.jp/?p=76689





【幻】モーニン・ブルーズ 2019/03/09

mb190309

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年03月09日を  

 始めましょう。

  先々週のスタンダード音楽再考集の時にお送りしたダイナ・ヲッシントンとブルック・ベント

 ンのインスタント・デューオは良かったですね。とてもポップで即興性に富んでいた。特

 にダイナの優れた対応能力が光っていました。

  その時にお送りした「ベイビー」で今朝は始めましょう。

  ヌー・オーリンズ出身のシャーリーとリーです。

M01.Baby(You’ve Got What It Takes)(2’19”)Shirley And Lee 

-S.Goodman, L.Lee-  Jasmine  JASCD 848    1953

N  シャーリーとリーで「ベイビー」でした。先程はダイナ・ヲッシントンとブルック・ベントンが唄っ

 たのと同曲のような表現をしましたが、全く別の物です。確か先々週も「オリヂ

 ナルがシャーリーとリー」というような事を言っていましたが、済みません。間違いで

 す。何故そんな事を言ったかも分かりません。ダイナのを聞いた時には「オリヂナ

 ルがシャーリーとリー」という事に「そうか」と、妙な納得があったのは覚えていま

 すけれど、それを何処から引っ張って来たか不明なのです。

  今の「ベイビー」は全然別の1953年のヒット曲。シャーリーとリーはヌー・オーリンズの男女

 デューオ。こちらはインスタントではなく、パーマネントの二人組です。普通こういう組み

 合わせですと主導権を握るのは男の方で、女性は添え物的に入れ替わったり

 するのですが、このシャーリーとリーの場合は、シャーリー・グッドマンの方が活動の主体で

 した。そもそもシャーリーの声がアラディン・レコーズの社主エティー・メスナーの耳を捉えて、

 世に出る時にデューオを組んだ、というのが真相ですから、シャーリー主導も頷けま

 す。相棒のリオナルド・リーはシャーリーとは学校時代からの知り合いでした。

  エティー・メスナーの耳を捉えたシャーリーの歪んだソプラノ・ヴォイス、しばらく聞いて下さ

 い。

  このふたりの代表曲といえば、まずこれですね。

  「レッザ・グッタイム・ロール」、1956年のヒットです。

M02.Let The Good Times Roll(2’21”)Shirley And Lee

-S.Goodman, L.Lee-  Jasmine  JASCD 848     

N  シャーリーとリーで「レッザ・グッタイム・ロール」でした。これが大ヒットしたので、それ以

 降このスタイルはふたりの代名詞のようになりました。しかし、それ以前からも

 この愛すべきヌー・オーリンズ調はこのデューオの専売特許のリズム感覚でした。

  「レッザ・グッタイム・ロール」の1年前1955年のヒット曲です。

  「フィール・ソウ・グッド」。

M03.Feel So Good(2’47”)Shirley And Lee 

-L.Lee-  Jasmine  JASCD 848    

N  「フィール・ソウ・グッド」、シャーリーとリーでした。よく似ていますね。ノヴェルティ風味

 のヌー・オーリンズ調、いい感じです。これはわたしが初めて意識したヌー・オーリンズ

 の歌かも知れません。と言いますのは、1965年の夏、エレキ・インスト楽団の筈の

 ザ・ヴェンテュアズが、確か歌入りでシングルを出していたような記憶があるのです。

  当時彼らは飛ぶ鳥を落とす勢いの人気絶頂。小島正雄が司会をしていた 

 「9500万人のポピュラー・リクエスト」でもいきなり上位にチャート・インして来ました。

 でも何故かすぐに何処でも聞かれなくなってしまった。これがわたしの覚え

 ている事の全てなんですが、今手に入るヴェンテュアズのベスト盤にも入っていない

 し、その後は聞いた事もありません。20代前半でシャーリーとリーの原曲に出会って

 「これかあ」と知りましたが、ヴェンテュアズのは今も行方が分からず。このグルー

 プとしては珍しいヴォーカル入りですから、もう少し尊重されてもいいと思うん

 ですが。誰が唄ってたんだろう。どなたかご存知ではありませんか。

  さて、それはさて置き、歪んだソプラノが生きているシャーリーとリーのヴォーカル・ハーモ

 ニーで、次は「ロッキン・ウィズ・ザ・クロック」をどうぞ。1957年のヒットです。

M04.Rockin’ With The Clock(2’35”)Shirley And Lee

-L.Lee, E.Messner-  Jasmine  JASCD 848  2-3  

N  「ロッキン・ウィズ・ザ・クロック」でした。彼女たちのヒット曲には「ロック」という言葉

 が頻繁に出て来ます。さっきの代表曲「レッザ・グッタイム・ロール」もサビの落とし

 は「一晩中ロックしてえ」でしたしね。

  そもそもは黒人の俗語で、ブルーズ音楽で用いられ始めました。現代日本語

 では適切な訳がありませんが、大抵は性的にシビレさせる、イカレさす、キメるなど

 の意味ではないでしょうか。「ロック・ミー、ベイビー」なんてのもありますね。シャー

 リーたちが50年代初頭にR&Bで用いたのはかなり早い時期だと思われます。

 まだロック音楽は誕生前で、アラン・フリードの「ロックンロール」命名が厳密に何時だった

 かは不明ですが、一般的な市民権を持っていた言葉ではなかったでしょうか

 ら。

  にも関わらず、町ではみんながロックしてました。

M05.Everybody’s Rockin’(2’14”)Shirley And Lee

-S.Goodman, L.Lee-  Jasmine  JASCD 848  

N  「エヴェバディズ・ロッキン」シャーリーとリーでした。「ロック」ここでは「はしゃいで大騒

 ぎ」でしょうか。「集団乱交」ではありません。

  「ロック」ここまでは活動的な積極性の意味合いを持った言葉でしたが、次は

 文字通り「固まって」しまった状態のようです。

  「ロッキン・アンド・クライング・ブルーズ」、ザ・ファイヴ・キイズ。

M06.Rockin’ & Crying Blues(2’32”)The Five Keys

-R.Toombs-   Collectable COL-5632  S21-18441      

M07.涙の口づけ(4’31”)マンハッタンズ

-W.Lovett-CBSソニー  CSCS 5206

N  ヴォーカル・グループが続きます。ザ・マンハタンズの決定的名唱「涙の口づけ」でし

 た。先週、ビルボードライヴ東京へ彼らを観に出掛けました。ここ数年頻繁に来

 日しているようですが、わたしは全く接触していませんでした。

  マンハタンズは、わたし自身がバリバリのラジオ・ディレクター—として調子に乗っていた

 80年代初頭、同時代的に絶頂期を体感したヴォーカル・グループです。既にリード・

 シンガーのジェラルド・アルストン以外のメムバはこの世に居ません。時の流れに無慈悲を

 感じる状況下でどんなショウを展開するのか、大いに興味がありました。

  何よりも強く印象付けられたのは、良い歌は永遠だ、という事実です。

M08.ハート(2’56”)マンハッタンズ

-A.Jacobs, B.Sigler, N.Harris-  CBSソニー  CSCS 5206

N  マンハタンズ、1976年の決定的ヒット曲「ハート」でした。

   元々5人組だったマンハタンズは現在、途中で加入してグループとしての魅力を最

 大限に引き揚げたリード・シンガーのジェラルド・アルストンだけが残っていて、他はふた

 りの新しいメムバによるトリオ編成です。バリトンのブルー・ラヴェットの語り、ケネス・ケリー

 のファルセトゥもありません。ですが現行マンハタンズ、たくさんあるヒット曲を縦横無尽

 に配した見事な構成で、存分に楽しませてくれました。

  特にジェラルドは全盛期そのままの力量で、完全なマンハタンズ・ショウを維持してい

 ましたね。86年に一旦はソロ歌手として独立しながらも、こうやって唄い続け

 るジェラルド・アルストン、美しかったですよ。そして、やっぱり良い持ち歌が沢山

 あるのは素晴らしい事だな、と実感しました。

  実は開演時刻を間違えて、会場に入ったらもうショウは始まって居ましたが、

 冒頭の1、2曲を逃しただけなので安心しました。そして、わたしが席に着い

 てすぐジェラルドが唄い出したのは、これでした。

M09. ゼアズ・ノー・グッド・イン・グッドバイ(3’50”)マンハッタンズ 

-T.Randazzo, R.Joyce-  CBSソニー  CSCS 5206

N  マンハタンズで「ゼアズ・ノー・グーッド・イン・グーッドバイ」でした。素晴らしい。

  「えー、言わしてもらいますと、わたしはこれが一番好きな歌でありまして、

 説得力とはこういう事をいうのかと、ひとりで感心しながら毎晩聞いていた

 頃があります。説得力というか、真実味だね」

  これは1990年に発売されたベスト盤のライナからの引用です。筆者は鷲巣功。

 以前、「鷲巣功が選曲した決定的なベスト盤が行方不明」と皆さんにお伝えした

 事を記憶していますが、当該盤はなんとずっと手元にありました。ジャケットを

 勘違いしていたようです。その後、93年には吉岡正晴先生監修の別のベスト盤

 が『スター⭐︎ボックス』のシリーズのひとつで出ています。今、手に入りやすいのはこ

 っちかな。でもそれには「ゼアズ・ノー・グーッド・イン・グーッドバイ」が収録され

 ていませんです。   

M10.忘れじの日々(5’04”)マンハッタンズ

-K.Bloxson aka Sasha-   ソニーSRCS 6904

N  これはジェラルド・アルストンが脱退前に残した最後のシングル曲「忘れじの日々」、

 一緒に唄っているのはレジーナ・ベルです。この出来自体は秀逸なのでわたしは

 とても気に入っていましたが、ヴォーカル・グループとしての魅力が感じられず、

 不満でした。収録アルバム『バック・トゥ・ベイシック』全体からもジェラルドと他のメムバ

 に隔たりが感じられ、嫌な予感がしました。それが当たって彼の独立、とな

 った訳です。

  「シャイニング・スター」の大ヒット後、本国ではマネジメントと揉めて活動休止状態を余

 儀なくされ、第一線から消え入ってしまったマンハタンズでしたが、この晩はまだ

 まだ現役で大看板を張っている姿が確かめられました。嬉しかったです。新

 曲も披露していました。録音は配信で手に入るようです。

M11.A Change Is Gonna Come(4’15”)Manhattans

-S.Cooke-  ソニーSRCS 6904

N  これはご存知「ア・チェインヂ・イズ・ゴナ・カーム」、1974年のアルバム『ザッツ・ハウ・

 マッチ・アイ・ラーヴ・ユー』に収録されていました。ジェラルドのサム・クック好きはよく知

 られています。前回の来日時にはアカペラでこれを唄ったらしい。聞きたかった

 な。

  さて、ヌー・ジャージー出身のマンハタンズはジェラルドの前にジョージ・スミスというリード・

 シンガーがいましたが、70年の12月に脳腫瘍で亡くなっています。彼が唄って

 いた頃の録音を1曲どうぞ。ドゥー・ワップの名残りを残したスタイルで、

  「アイム・ザ・ワン・ラーヴ・フォガット」。

M12.I’m The One Love Forgot(3’14”)Manhattans

-unknown-   Collectable COL- CD-1416

N  「アイム・ザ・ワン・ラーヴ・フォガット」、ザ・マンハタンズ・フィーチュアリング・ジョージ・スミス

 でした。これはコレクタボーから出ている『ジョー・サイモン・ミーツ・ザ・マンハタンズ』とい

 うアルバムからです。今回慌てて手に入れた1枚で、ライン・ショップの在庫で見つけ

 た時には「へえ、ジョー・サイモンとねえ」と珍しく感じたのですが、何の事はな

 い、両者の昔の録音を合わせただけの盤でした。やられた。

  そこから、ジョー・サイモンも1曲どうぞ。

  フレディ・フェンダーも唄っていました「マイ・スペシアル・プレイヤー」。

M13.My Special Prayer(2’47”)Joe Simon 

– unknown-   Collectable COL- CD-1416

M14.Love Is A Many Splendored Thing(4’54”)Nat “King” Cole

-S.Fain-  NILO Entartainments  MMV-1002   18’30”

N  恋の花 咲けば 

  やるせない想いは ふと燃えて

   昼も夜も心に夢を誘う 

   恋は楽しきもの

  ナ ット・キング・コールで「慕情」です。1963年2月赤坂ヌー・ラテン・クヲーターでの実

 況収録。先週のコパカバーナに続けてナイトクラブにご招待です。お聞きのようにこれ

 は最終曲、締め括りに唄われました。その後の演奏者紹介がカッコいいですね。

 無伴奏で唄い出す前のキイ出しのタイミングもツバチリ。流石のエンタテイナです。

  では同じくマフィア系芸能者の筆頭、フランク・シナトラにもご登場願いましょう。

  こちらもスタンダード曲です。ガーシュウィン作、

  「アイヴ・ガッタ・クラッシュ・オン・ユー」。

M15.I’ve Got A Crush On You(3’23”)Barbra Streisand with Frank Sinatra 

-G.Gershwin, I.Gershwin-  Columbia  CK 86126

N  フランク・シナトラ、「アイヴ・ガッタ・クラッシュ・オン・ユー」でした。

  デュエットしていたのはバーブラ・ストライザンドです。最後に「マイ・バーブラ・・・」

 と呼びかけるのは、きっと即興でしょう。虚を衝かれた感じのバーブラが、即

 座に対応する処にスリルがありました。

  これはバーブラ・ストライザンドの『デュエッツ』という編集盤からお届けしました。

 バーブラは音楽活動から身を引いて長い時が経ちます。全ての作品をほぼ完璧

 に仕上げ通した彼女ですから何処にも悔いはないでしょうが、唄いたくなる

 時はないのかな、とこのアルバムを聞きながら考えました。

  さて同じ『デュエッツ』から、今度は女の対決です。

  ドナ・サマーとの一戦、「ノー・モア・ティアーズ」。

M16.Enough Is Enough(4’44”) Barbra Streisand with Donna Summer

-P.Jabara, B.Rpberts-  Columbia  CK 86126

M17.ウーム・ラヴ(2’31”)ボブ・ケリー

-R.Kelly, G.H.Shilkert-  ワーナー WPCR-18181

N  バーブラ・ストライザンドとドナ・サマー、両者の意地がぶつかり合ったような「ノー・

 モア・ティアーズ」を鎮めるかのような「ウーム・ラヴ」、ボブ・ケリーでした。アカデミー賞

 の映画「グリーン・ブック」のサウンドトラック盤からです。1960年のヒットですね。

  この作品の監督が宣伝のために来日していました。きっと急に忙しくなっ

 たんじゃないかな。先週「今月末からの公開」と申しましたが、1日からもう

 全国で掛かってますね。失礼しました。お時間ございましたら、ぜひご覧く

 ださい。現大統領が掲げている「人種差別」のかつての実態を体験する事が

 出来ます。

  では映画「グリーン・ブック」のサウンドトラック盤から、もう1曲どうぞ。ちょっと

 イミシンですね、お判りでしょうか。

  ミュージカル「南太平洋」で唄われた「ハッピー・トーク」、クリス・バワーズの演奏です。

M18.ハッピー・トーク(1’20”)クリス・バワーズ

-R.Rodgers, O.Hammerstein-  ワーナー WPCR-18181

M19.捨てられた仔犬のように(3’58”)ザ・キングトーンズ 

-S.Kashu-   ユニバーサル  UPCY-7508

N 先週のキンクトーンズ集、如何でしたか。1曲忘れていた名曲がありました。シングル

 盤「グッドナイト、ベイビー」のB面、知る人ぞ知る「捨てられた仔犬のように」

 です。同グループ創立メムバのひとり、加生スミオの作品でステージでもよく取り上げられてい

 ました。ややハードなバラッド、この路線もキントンは得意でしたね。いい味だ。

M20.星屑の街(3’31”)三橋美智也   

-J.Tojo, Y.Abe-   キング  KICX 3734 

N  「星屑の街」三橋美智也でした。唄い出しの「両手を回して」というのが、

 わたしには何のことか分からず、長い期間に亘って大きな謎でしたが、先日

 の「幻」投稿によりますと、これは蒸気機関車の動輪を真似た踊りの所作な

 のだそうです。

  だったらこれでしょう「哀愁列車」ならぬ、

  「ロコモーション」、伊東ゆかりです。

M21.ロコモーション(2’20”)伊東ゆかり

-G.Goffin, C.King, H.Arakawa-   ビクター   VICL-5305

N  実はこの「ロコモーション」の正確な振りをわたしはまだ見た事がありません。こ

 こで唄われているように「お尻をピョンと跳ねスウィング」すればよろしいのでし

 ょうか。また謎は深まりました。

  数ある「ロコモーション」のカヴァで、わたしの決定版はこれです。

M22.ロコモーション(2’50”)グランド・ファンク・レイルロード

-G.Goffin, C.King-  東芝 ECR-10514

M23.Bailando(4’29”)Zapp

-L.Troutman jr..,F.J. Bautista, E.C.Anene jr., D.Manuel-  N 77054

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  「みんなおいで、汽車ごっこしようぜ」、「ロコモーション」に続いては「俺も踊り

 たいよう」と言ってる感じがする「バイラーンドゥ」、ザップの「VII」からお送り

 しました。今週公開されたエリス最新号では、わたしザップについて書いていま

 す。お読いただければ、大変嬉しい。第26号のURLは、 

  https://bccks.jp/bcck/158372/info、購読者パスワードはa26bsです。
  先日ご案内したわたしの間違いへのお詫びと訂正は、巻末の執筆者紹介欄

 に掲載して貰いましたので、そちらもお忘れなく。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/fcbbd5625ba2786541d9cd9011583de32a86c9e5

  ダウンロード・パスワードは、2jf2ivdqです。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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Awesome Rock【2019/3/08 O.A.】Playlist

TheProdigy Facebookページより

3月8日のAWESOME ROCKは、現地時間2019年3月4日朝、49歳で亡くなったキース・フリントを追悼、THE PRODIGYのライヴ音源を爆音PLAYしました。
心からご冥福をお祈り申し上げます。

M01: Hummer  /  Foals

M02: Sunday  /  Foals

<コーナー: AwesomeRecommendation>    

M03: Intro [Live]  /  The Prodigy

M04: Breathe [Live]  /  The Prodigy

M05: Omen [Live]  /  The Prodigy

M06: Firestarter [Live]  /  The Prodigy

M07: Voodoo People [Live]  /  The Prodigy

<コーナー: AwesomeRecommendation>終わり       

全音楽ファン必聴、永遠の大名盤『The Fat Of The Land』(1997年)!!

タイのメタルコアバンド、ANNALYNNのインタビュー

微笑みの国、タイ王国のメタルコアバンド、ANNALYNN(アナリン)。彼らがWHILE SHE SLEEPSの来日公演のサポートアクトとして出演した2019年1月22日に楽屋でインタビューしてきた模様がNM MAGAZINEに掲載されました。

ライヴでは8弦、9弦ギター+5弦ベースでバッキバキの音を出す5人ですが、普段はとても穏やかな人たちでした。

お時間があるときに是非読んでくださいませ。

Real Rocks 【2019/03/02 O.A.】Playlist


今夜のREAL ROCKSは、MARK MORTON、ANNALYNNの新作特集2本立て。
ANNALYNNは、今月のReal Rocks Selectionに選びました。
今月、大プッシュしていきます!
〇澤田修がメンバーにインタビューした模様は、NM Magazineに掲載中!
https://nmmag.jp/?p=76658
〇来日公演のライヴレポも掲載中。
https://nmmag.jp/?p=76689

M01: Can’t Knock The Hustle  /  WEEZER ※新作『Black Album』より

M02: Zombie Bastars  /  WEEZER ※新作『Black Album』より

M03: Twice  /  Catfish And The Bottlemen

M04: Deceiver Believer  /  ANNALYNN ※タイ王国のメタルコアバンド

<コーナー: RockSteadyGo >

M05: Ruin [Remixed & Remastered]   /  Lamb of God

M06: Cross Off Feat. Chester Bennington  /  Mark Morton

M07: The Truth Is Dead Feat. Randy Blythe & Alissa White-Gluz  /  Mark Morton

M08: Save Defiance Feat. Myles Kennedy  /  Mark Morton

M09: Blur Feat. Mark Morales  /  Mark Morton

M10: Back From The Dead Feat. Josh Todd  /  Mark Morton

<コーナー: RockSteadyGo >終わり            

M11: Birdie  /  Avril Lavigne

M12: Howl  /  Covet

<コーナー: RockSteadyGo >

M13: Come Alive  /  The Ramona Flowers

M15: Deceiver Believer  /  ANNALYNN

M14: Natural Born Killer  /  EMMURE

M15: E  /  EMMURE

M16: Finish Him  /  ANNALYNN

M17: 10 Dimes  /  ANNALYNN

M18: Codes  /  ANNALYNN

M19: Fear  /  ANNALYNN

M20: Welcome to the Crew  /  ANNALYNN

<コーナー: RockSteadyGo >終わり            

M21: Tutti Frutti  /  Little Richard ※グリーンブック、アカデミー作品賞受賞!

M22: Jumpin’ Jack Flash  /  The Rolling Stones

<Ending>          

<コーナー:メタルの光> 

M23: Salvation Feat. Bon of Annalynn  /  TERESA ※タイ王国のメタルコアバンド!

M24: Electric Messiah  /  High On Fire ※祝・グラミー受賞!

◆今月のReal Rocks Selectionはタイ王国のメタルコアバンド、ANNALYNNを大プッシュ!
〇澤田修がメンバーにインタビューした模様は、NM Magazineに掲載中!
https://nmmag.jp/?p=76658
〇来日公演のライヴレポも掲載中。
https://nmmag.jp/?p=76689