【幻】モーニン・ブルーズ 2019/10/26
- 2019 10/26
- 投稿者 : 大家
mb191026
前TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band
-R.Johnson- Rhino 8122 798434 0
N おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年10月26日を
始めましょう。今朝は、1971年2月7日のサンフランシスコ、フィルモー・オーディトリアムへご
招待いたします。もうお馴染みですね。キング・ピーンズが演奏をしています。
ビート、ウェル、「メムフィス・ソウル・ステュウ」。
M01.Memphis Soul Srew(7’36”)King Curtis
-C.Ousley- イーストウエスト AMCY-2905
N キング・カーティスとキングピーンズで「メムフィス・ソウルステュウ」、1971年2月7日のサンフランシ
スコ、フィルモア・オーディトリアムの実況盤からお送りしました。有名な『キング・カーティス・
ライヴ・アット・フィルモー・ウェスト』の1曲目に入っていて、このあと素晴らしい演奏
が8曲も続くのですが、その後の未発表録音や資料を調べると、3日間行われ
たこの時の公演の最後の日の最終曲なんですね、この「ソウル・ステュウ」のテイクは。
曲順やツナギが実に巧みで、何の抵抗もなく興奮させられるので、20年以上に
亘って、わたしはこの曲で始まったと信じていました。編集っていうのは、
ここまでやれなきゃダメだなあ、と痛感しましたね。
さて今朝この決定的な名演が冒頭に来た訳は、先週ナマでこのパロディに接し
たからです。まず1/2カップの出汁、ベイスのジェリー・ジェモットは小原礼、1ポンド
の背脂ドラムズのバナード・パーディが林立夫、大さじ4杯のメムフィス・ギター、コーネル・
デュープリーが鈴木茂、一掴みのオルガン、ビリー・プレストンがダクタ・キョンというリズムで、
マヂック・バンド2019と名付けられていました。そうです、小坂忠が今年のライヴ・
マヂック出演のために組んだ特別編成、と言っても大体この顔触れで演ってます
けど、レギュラー・グループではないので、一応は今回のための特別編成楽団です
ね。彼らが10月19日の演奏に臨んで、その冒頭曲に選んだのが、この「エビ
ス・ソウル・ステュウ」でして、そのメムバ紹介をするバンマス、キング・カーティスの代行が、
ピーター・バラカンでした。全員がこの「ソウル・ステュウ」をずっと朝晩のお祈りのよう
に聞いてきた訳ではないので、完全コピー演奏ではなく、実演の場ならではの
ご愛嬌「パロディ」でしたが、さすが歴戦の強者揃い、それなりに楽しめまし
た。
帰りにバンマス代行に「あれは反則だよ」と言ったら、「まあまあまあ」と窘め
られ、「これまでに品川でも、目黒でも演った事あるよ」との事でした。あら
まあ。
このあとに出て来た忠さんの1曲目が「ノック・オン・ウド」、これもカーティスたち
がフィルモーのこの時に1曲目に持って来たR&Bでしたね。忠さんも病気の心配
を吹き飛ばす熱唱で、ひと安心でした。今朝の前半は今回のライヴ・マヂックを簡
単におさらいしておきましょう。
まずわたしの印象に強く残った演奏家です。
これを聞いて下さい、
「フォークス・アンド・ピーポー」。
M02. Folks & People(4’53”) Steinar Raknes Ola Kvernberg vln.
-S.Raknes- Reckless Records RR513 hca.
N 「フォークス・アンド・ピーポー」、スタイナー・ラクネスでした。アク-スティク・ベイスを弾きながら
唄います。この日はたくさんの簡易型効果機器を使っての単独演奏。静寂の
中で、手応え充分な響きを作り出していました。この日、この前に柏で昼過
ぎに一仕事してきたそうで到着が遅れましたが、こんな日程でよく集中力が
散らないなあ、と感心したのも事実です。
彼はノルウェイから来た男で、このソロ形だけでなく、スモール・コムボでも演奏してい
ます。何と新宿のピットインでの実況録音盤を出していまして、会場で手に入れ
る事ができました。そちらからも聞いて下さい。
スタイナー・ラクネス・クヲーテットという名義になっています。2011年12月の録音です。
「モーニング・ソンクグ」。
M03.Morning Song(4’53”)Steinar Raknes Quartet
-S.Raknes- Reckless Records RR504
N スタイナー・ラクネス・クヲーテットで「モーニング・ソンクグ」でした。さて、アクースティク・ベイスの
単独演奏と言いますと、多分に技術的な要素が大きい構成を想像しますが、
彼の場合はそうではありません。大きな体でベイスを完璧に操るのは当然です
が、同時に唄われる歌がいいのですよ。低い魅力的な声で語りかけるように
唄います。その日はボブ・ディランの「マギーの牧場で働くのはもうコリゴリだ」を
披露していたので、「おや」と思ったのですが、アルバムには面白いカヴァが他に
もありました。「みんなが知っている良い曲を上手に」というジャズ・ヴォーカル
によくある手合いではないですね。固有の知性とユーモアが感じられる、「フォーク・
ソング」に近い空気を感じます。
では昨年発表されたソロ名義のアルバム『チェイシング・ザ・リール・シングズ』から、
自作曲です。「アンダー・ザ・ペイル・ムーンライト」、スタイナー・ラクネスです。
M04.Under The Pale Moonlghit(5’03”)Steinar Raknes
-S.Raknes- Reckless Records RR513
M05.ラ・アンダリエガ(4’02”)フロール・ディ・トロアチェ feat. ラス・ミガス
-A.C.Alarcon,J.Acosta- ミュージック・キャンプ BG-5235
N 禁欲的なアクースティク・ベイス奏者スタイナー・ラクネスの「アンダー・ザ・ペイル・ムーンライト」に
続けましてはスペイン語の女声ヴォーカル、フロール・ディ・トロアチェの「ラ・アンダリエガ」で
す。これにはラス・ミガスという女性が助演していました。彼女たちはメキシコ音楽
を演奏する5人組。ベイスのような大型の低音弦楽器、そしてギターに近い、な
んて言ったけかな、ヴィオラみたいな名前だったかな、比較的小型の6弦楽器、
それとヴァイオリン、トラムペットが2本、合計5人編成で全員がヴォーカルを取ります。
パツラが2本でマリアッチと称していますが、音楽性は広くて、構成も楽しさ溢れ
るものでした。今の5人が正式メムバなのでしょうか。アルバムには3人しか写っ
ていませんでしたがね。当たり前でしょうが、とにかくみんな上手です。電
気楽器はないのに、その上手さで迫力は充分、加えてメキシコ情緒がありますか
ら、ライヴ・マヂックでも会場から拍手喝采でした。終わってからの即売サイン会も
長蛇の列、遅れて並んだわたしは一番最後でした。
ここまでの最高傑作と呼ばれる最新アルバム『インデストルクティブレ』は、確かによ
く出来ています。これは今の5人で作ったようで、当日の感じと重なる響き
ですね。冒頭曲「ラ・アンダリエガ」に続いては、珍しいこんなカヴァをどうぞ。
イヴォンヌ・エリマンが『サタデイ・ナイト・フィーヴァー』でヒットさせました。スペイン語で唄わ
れる「イフ・アイ・キャント・ハヴ・ユー」、「シ・ノ・エレス・トゥ」です。
M06シ・ノ・エレス・トゥ(3’15”)フロール・ディ・トロアチェ
-B.Gibb, M.Gibb, R.Gibb- ミュージック・キャンプ BG-5235
M07.Besame Mucho pt.I(2’19”)The Coasters
-C. Velasquez, S.Skylar- Rhino / Atlantic R2 71090
N フロール・ディ・トロアチェが唄ったスペイン語の「イフ・アイ・キャント・ハヴ・ユー ~ シ・ノ・エレ
ス・トゥ」」に続きましてはザ・コースターズの「ベサメ・ムーチョ」でした。実はこのフロール・
ディ・トロアチェのショウの中でこのメキシコ歌謡の代表曲が披露されました。他にガーシュウ
ィンの「サマタイム」が聞かれたりするところから、彼女たちは相当にいろんな場所
で仕事をしているな、と感じた次第です。
M08.What A Difference A Day Makes(2’37”)The Axidentals
-M.Grever- Not Now Music NOT3CD308
N 「恋は異なもの」、これもメキシコの歌ですね。ダイナ・ヲッシントンがジャズR&Bで有
名にしました。今のディ・アクシデンタルズというヴォーカル・グループです。途中からビ
ッグ・バンド・アレンヂになるところがキャバレー的でした。
これは3枚組の『アメイジング・ジャズ・コーラス・・・サムタイムズ・スキャット』という編
集盤からです。タワー・レコーズが古い音楽専門のコムピ屋「ノット・ナウ・ミュージック」と
組んだ共同企画です。ジャズ・コーラスの黄金期50年代の美しいヴォーカル・ハーモニーが
全部で60曲入ったお得盤です。お行儀が良い白人のグループばかりですが、そ
れほど嫌味もなく、楽しめました。
次は1938年の映画音楽で「ジーパーズ、クリーパーズ」、ハイ・ローズです。
M09.Jeepers Creepers(2’03”)The Hi-Lo’s
-J.Mercer, H.Warren- Not Now Music NOT3CD308
N 「ジーパーズ、クリーパーズ」、ハイ・ローズ55年の録音でした。男性4人組のハイ・
ローズ、わたしは武道館で聞いた事があります。全盛期をとおに過ぎた1970年
代後期、確かレイ・チャールズの前座じゃなかったかな。マイク1本で、4人が歌いま
す。絶妙のバランスでスウィング感に溢れたハーモニー、「前座だし」と軽くサラリと流しち
ゃうところも含めて「流石だなあ」と口アングリ、感動的でした。
この『アメイジング・ジャズ・コーラス・・・サムタイムズ・スキャット』は、先ほども言いま
したように白人のヴォーカル・グループ集ですが、おそらくこの中でたったひとり
の黒人が、ジョン・ヘンドリクスです。ラムバート、ヘンドリクス、アンド・ロスのメムバとして、
参加して、発声、節回しで異彩を放っています。
では聞きましょう、「ショーティ・ヂョーヂ」、1958年の吹き込みです。
M10.Shorty George(3’08”)Lambert Hendricks And Ross
-J.Kern, J.Mercer- Not Now Music NOT3CD308
N ラムバート、ヘンドリクス、アンド・ロスで「ショーティ・ヂョーヂ」でした。
さて、ジャズのヴォーカル・グループと言いますと、やはりフォー・フレッシュメンです。マン
ハタン・トランスファーのアルバム『ヴォーカリーズ』のプロモーション・ヴィディオで、彼等がゲストとし
て登場する場面があります。「紳士淑女諸君、フォー・フレッシュメンだよ」と紹介され
て、マントラが興奮して驚くのです。当然演出なんでしょうが、ここだけで彼等
の偉大さが伝わってきます。この『アメイジング・ジャズ・コーラス・・・サムタイムズ・
スキャット』には、当然フォー・フレッシュメンが何曲も入っています。
今朝は55年録音のオリジナル曲、「ウィル・ビ・トゥゲザ・アゲイン」をどうぞ。
M11.We’ll Be Together Again(3’08”)The Four Freshmen
-C.Fischer, F.Laine – Not Now Music NOT3CD308
N フォー・フレッシュメンで「ウィル・ビ・トゥゲザ・アゲイン」でした。さてこの3枚組には、
珍しいグループも入っています。わたしも初めて出会ったザ・ダブル・シクス・オヴ・
パリス、そこそこに知られているらしいです。当初は「フランスに 12気筒の車あっ
たかな」なんて考えてしまいましたが、 12人ではなく、男4 人、女2人の
6人編成。それぞれが2種類の声を出すのでしょうか。
ではザ・ダブル・シクス・オヴ・パリスです。やはりおフランスですから、多少手触り
が違います。そこが面白いところでしょう。
「ボルピリシティ」、こちらは1962年の録音ですね。
M12.Bolplicity(2’58”)The Double Six Of Paris
-unknown- Not Now Music NOT3CD308
N 「ボルピリシティ」、ザ・ダブル・シクス・オヴ・パリスでした。
さて3枚組『アメイジング・ジャズ・コーラス・・・サムタイムズ・スキャット』、今朝は表題
にもなっている「スキャット」が少ししかなかったですね。探しておきます。最後
のヴォーカル・グループは、この夏にもリクエストをいただいた、これです。
「ドリーム」、パイド・パイパーズ。
M13.Dream(2’47”)The Pied Pipers
-J.Mercer- Not Now Music NOT3CD308
N さて、今年に入って、口癖のように「新譜が少ない」とこぼしています。
多分ね、実際には形になっていなくても、ファイルでは「新譜」が出ているので
しょう。それをケータイに落としてイヤフォーンで聞いて、飽きたら消去する、そうい
うのが今日的な音楽との付き合い方なんでしょうか。ただファイルでは、制作者
の都合で勝手に、知らない間に、更新されてオリヂナルがどれなのかわからなく
なってしまう事もあります。
油絵などでは筆を置く時がとても重要だ、と言われます。「ここで完成だ」
と決める瞬間ですね。マルチトラック、ましてディジタル方式の録音ですと、どんな事
でもどこまでもやれます。ですから「これはここで出来上がり」と終わらせ
る判断が大切です。そして、それを元に戻せない状態でまとめて、公表する、
芸術には今この勇気が必要です。潔くね。
そんな事を考えていたら、知らぬ間にザク・ブラウン・バンドが新しい盤を発売
していました。これまでと同じように一聴して「あ、ザク・ブラウンだ」、と分か
るいつもの音が聞こえます。
今朝はこれ、「ミー・アンド・ザ・ボーイズ・イン・ザ・バンド」。
M14.Me And The Boys In The Band(4’41”)Zac Brown Band
-Z.Brown- Zac BrownCollective / BMG 538477552
M15. Foggy Mountain Breakdown(2’41”)
Lester Flatt, Earl Scruggs And The Foggy Mountain Boys
-E.Scruggs- Legacy / SONY 19075960422
N 突然のブルーグラス古典曲「フォギー・マウンテン・ブレイク・ダウン」です。これはケン・バ
ーンズの撮った「カントリー・ミュージック」という映画のサウンドトラック盤からです。これが
2019年発表ですから映画も今年の作品だろうと思われますが、全く知りませ
んでした。全体が8つの章に分かれていて、おそらくはこの音楽を歴史的に
綴ったものでしょう。副題に「ア・ストーリー・オヴ・アメリカ、ワン・ソング・アット・ア・タイ
ム」とあります。付録の冊子には有名な写真が散りばめられていて、非常に
魅力的です。おそらくは日本公開されないでしょうが、観たいですね。
M16.I’m So Lonsome I Could Cry(2’44”)
Hank Williams with his Driffting Cowboys
-H.Williams- Legacy / SONY 19075960422
M17.Girl From The North Country(3’41”)Bob Dylan with Johnny Cash
-B.Dylan- Legacy / SONY 19075960422
N 「カントリー・ミュージック」だったら、絶対出てこなきゃおかしいハンク・ウイリアムズの
「泣きたいほどの淋しさだ」、そしてボブ・ディランとジョニー・キャッシュの「北国の
少女」でした。こういう70年代以降のカントリー音楽界がどう描かれているかも、
大いにきになるところです。早く観たいなあ。
70年代以降と言いますと、ドリー・パートンたちの活躍も見落とせません。やは
りこのサントラ盤にも収録されていました。73年の作品です。
「ジョーリーン」。
M18.Jolene(2’42”)Dolly Parton
-D.Parton- Legacy / SONY 19075960422
M19.Jolene(3’21”)Dolly Parton
-D.Parton- RCA / Sony 1907589082
N 「ジョーリーン」のオリヂナル、そして先週「トゥー・ドアーズ」を聞いて貰ったアルバム『ダ
ムプリン』に収められていた、その新しい弦編曲版を続けて聞いて頂きました。
先週も少し触れていましたが、こんな形で紹介出来るとは考えていませんで
した。
さて、映画「カントリー・ミュージック」付録冊子では第六章がこの歌で始まる事に
なっています。何度も言いますが、「早く観たい」。
M20.Stand By Your Man(2’39”)Tammy Wynette
-B.Sherrill, T.Wynette- Legacy / SONY 19075960422
M21.I Can’t Stop Loving You(4’14”)Ray Charles
-D.Gibson- Legacy / SONY 19075960422
後TM Born In Chicago 「アサー入り / Paul Butterfield Blues Band
-N.Gravenites- Rhino 8122 798434 0
N 映画「カントリー・ミュージック」のサントラ盤からタミー・ウィネットで「スタンド・バイ・ヨー・マン」、
そしてレイ・チャールズで「愛さずにはいられない」でした。これが入ってるのも
いいですね。サントラは合格よ。
さて今年背負い込んだ大仕事も、なんとかカタがつきそうです。正直言って
疲れ気味。後日談は発表の折にでも、またお話ししましょう。
あ、チューオーエフエムの生放送、また延期になりました。年越しです。これは私の
方から提案しました。お年玉になります。また澤田修から詳しいお知らせが
あるでしょう。
今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。
http://firestorage.jp/download/0e1bbe78be660fb386cc78865b40c0e4dd031d41
ダウンロード・パスワードは、nr3t7005です。
今朝もちょうど時間となりました。
こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/
「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。
そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。
♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

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