カテゴリー : Mornin’ Blues by IsaoWashizu

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/11/10

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TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  2018年11月10日、アサー。「幻」モーニン・ブルーズ、ワツシイサヲです。

「島田の袖も由比ヶ浜・・・」、そうだ、白浪五人男もいた。トンちゃん、有

難う。先週の「5を名乗るグループ集め」、国内では「エレキ・ギター・バンドの井上

宗孝とシャープ・ファイヴくらいしか浮かびません」などと言ってましたが、リス子

どののご指摘通り「いけない人」でした。何よりもこの人たちを忘れちゃい

けませんね。大変失礼いたしました。

内山田洋とクール・ファイヴです。コムピ盤『山口洋子作品集』から、「噂の女」。

 

M01.噂の女(3’50”)内山田洋とクール・ファイブ

-Y.Yamaguchi, K.Inomata-  テイチク TECE-3302

 

N  「噂の女」、内山田洋とクール・ファイヴでした。この人たち、デビューの時は6人

編成だったんですよね。内山田洋と、前川清を含んでイカした五人だから、間

違ってはいない。当時はヴォーカル・アンド・インストゥルメンタル・グループでして、ちゃん

と演奏しながら唄っているのをテレビで観た記憶があります。「ファイヴ」といえ

ば、まずクール・ファイヴ、失礼いたしました。

他にも皆さんから教えていただいた中では、「サニー・ファイヴ」を知ってたな。

名前だけですけど。

そして、このグループも盲点でした。すみません。

フィンガー・ファイヴです。今回、彼等の1枚目のアルバムを初めて聞きまして、驚

きました。全12曲中半分以上の7曲がジャクスン・ファイヴ関連のカヴァで、かなり

徹底した意識が感じられます。言葉は和訳、和異訳に置き換えられています

が、アキラがよく唄っています。曲間には録音中のメムバの喋りが挟まれていて、

アイドル盤的な造りになっています。

ではお聞き下さい、1973年のフィンガー・ファイヴで「小さな経験」。オリヂナルはジ

ャクスン・ファイヴで1970年のヒットでした。

 

M02.小さな経験(2’23”)フィンガー・ファイヴ

-K.Katagiri, D.Richards, F.Perren, F.Mizell, B.Gordy jr.-

フォノグラム  PHCL-3020

 

M03.さよならは言わないで(3’00”)ジャクソン・ファイヴ

-C.Davis-  ポリドール DCI-3061

 

N  フィンガー・ファイヴで「小さな経験」、そしてお手本となった本家ジャクスン・ファイヴ

の「さよならは言わないで」、こちらは1971年にヒットしています。ディスコ時代

にグロリア・ゲイナーがカヴァして、こちらも当りましたね。デイヴィド・T・ヲーカーが弾

いてまして、わたしはこれが好きだな。先週「5」と来て、ジャクスン一家が閃か

なかったのは、なぜだろう。ボケて来たのかな。

さてフィンガー・ファイヴは沖縄出身。今朝も久保田麻琴がまとめた4枚の編集

CDから琉球諸島音楽を聞きましょう。3枚目は『かなす ミャーク』です。この

盤はアカペラで唄われたトラックが多く、殊更に印象が強い1枚ですね。

まずは宮古島平良の舟漕ぎ歌です、「仲屋まぶなりゃぬアヤグ」。

 

M04.仲屋まぶなりゃぬアヤグ(3’51”)唄:仲間玄徳、伊波善雄、小禄恒栄

-trd.-  コロムビア  COCJ-40465

 

N  「仲屋まぶなりゃぬアヤグ」、唄は仲間玄徳、、伊波善雄、小禄恒栄の3人でし

た。たいへん力強い節ですね。返答的に返されるバック・グラウンド・ヴォーカルが、

舟漕ぎ歌だと連想させてくれます。言葉は殆ど分かりませんが、生まれた6

人の子供がすべて女で最後に出来たのが男の子だったという、舟漕ぎとは関

係ない内容だそうです。

次は伊良部島の佐良浜に伝わる素朴で美しい歌、女性の独唱です。

「佐良浜ぬはいま」。

 

M05.佐良浜ぬはいま(1’51”)唄:諸久島マツ子 

-trd.-  コロムビア  COCJ-40465

 

N  「佐良浜ぬはいま」、諸久島マツ子の唄でした。この4枚シリーズの合言葉「かな

す」が何度も出て来ましたね。「いとおしさと神々しさの混じったジーンとくる

感覚、ブラジルではサウダージと呼ばれ、マレー語圏ではリンドゥとも呼ばれる感覚」を

表現する、久保田麻琴が本4枚シリーズに与えた造語です。浜辺で網を繕いなが

ら唄われている情景が浮かびましたが、果たして実態は如何に。「はいま」と

いう名前の蟹が脱皮を目指してリキむ姿を唄っているそうですが、今ひとつ理

解出来ませんです。

無伴奏琉球伝承歌が続きましたので、今度は三線の伴奏付きでどうぞ。

「狩俣ぬいさみが」、宮古島平良に伝わっていた歌です。

 

M06.狩俣ぬいさみが(3’12”)唄・三線:伊波善雄、新里 敏   

-trd.-  コロムビア  COCJ-40465

 

N  「狩俣ぬいさみが」、唄と三線は伊波善雄、そして新里 敏でした。女の人

の声が聞こえましたが、シンザトトシさんは女性なのでしょうか。こちらは如何に

も琉球的なリズム、旋律です。現代では民謡というと大抵がその特定地方でひ

とつの楽曲に統一されて伝承されていますが、この4枚シリーズには重なる同じ

歌、節がありません。なんと豊かな音楽群でしょうか。ただし、見方を変え

れば、本来なら日本でも全国に小さな隣り合った集落ごとでも異なった節や

拍が伝わっていた筈で、近代に入って都道府県別に地域がまとめられた事や、

メディアの発達によって、その種の細かな違いが押し並べられたのではないか、

とも言えます。いずれにせよ、本土復帰前の1960年代半ばまでは、琉球にこ

れらの音楽が日常に溶け込んでいたのですね。美しい。

次は、まだ幼い子供が唄っていると思われる「子守唄」です。

 

M07.子守唄(我んが守り)(3’24”)唄:古堅明子 三線:古堅宗雄

-trd.-  コロムビア  COCJ-40465

 

N  フェイド・アウト処理が誠に残念です。「子守唄(我んが守り)」、唄は古堅明子、三

線が古堅宗雄でした。今回の4枚ではこの『かなす ミャーク』が一番気に入った

かな、わたしは。最後にいつものように最新リミクスをお届けしましょう。クレジッ

トには「ミキオ・ブラック・ワクス」とあります。宮古島のジャズ・ファンク楽団のドラマーと

久保田麻琴の手になる21世紀更新版「佐良浜ぬはいま」です。

 

M08.SARAHAMA NU HAIMA(3’54”)

Mikio “Black Wax” & Makoto Kubota

-trd.-  コロムビア  COCJ-40465

 

N  「佐良浜ぬはいま」、これは素晴らしい仕上がりですね。

久保田麻琴がまとめた4枚の琉球諸島音楽CD、来週は最後に残った1枚、

『かなす ウチナー』を聞きましょう。どんな音が飛び出してくるでしょうか。

どうぞ、お楽しみに。

さて、次はトニー・ジョー・ホワイトの新作です。本人曰く「ようやく作るべき時

が来た」、という会心のブルーズ・アルバムなんですが、トニー・ジョー特有の、暗い煙

が 立ち込めるような響きで全曲が覆われていて、正直なところ「これでい

いのかなあ」という感じもしました。有名曲のカヴァが多いのも特徴です。

その中から、これどうでしょう。どなたでもご存知のあの歌です。

 

M09.Heartbreak Hotel(3’44”) トニー・ジョー・ホワイト

-T.Durden, M.B.Axton-  BSMF 6153

 

N  トニー・ジョー・ホワイトで「ハートブレイク・ホテル」でした。歌の主題から遠くはない仕上

がりでしょうけれど、この「傷心宿」は相当に息が詰まりそうに重苦しい空

気が漂っています。ここに泊まっていたら、失恋の痛手からなかなか抜け出

せそうもありません。もし、あなたが今なにかの事情でこんな雰囲気がたま

らなくお好きでしたら、トニー・ジョー・ホワイトの新譜『バーッド・マウシン』をお聞きく

ださい。思う存分に浸れますよ。

さて、先週2曲だけ紹介したコムピ盤『荒くれ者たちと複数の甲殻狸  カントリー

の騒然たる70年代』を、今週はもう少し聞きましょう。

まずパンク・カントリーの親玉、ジョニー・キャッシュです。実に意外ですが、ザ・ローリング・

ストーンズの名盤『乞食の晩餐』に収録されていた歌を唄っています。お聞き下

さい。

「何のあてもないまま」。

 

M10.ノー・エクスペクテーションズ(3’11”)ジョニー・キャッシュ

-M.Jagger, K.Richards-   ソニーSICP 5815/6

 

N  ジョニー・キャッシュで「ノー・エクスペクテイションズ」でした。これはストーンズの原曲も秀逸

ですが、こちらの仕様も魅力的ですね。キャッシュは調子を少し変えて、軽快なビ

ートで唄っています。そしてそれが余計に「お先まっ暗」感を煽っています。

絶望に向かって走り続けている感じかな。大いに気に入りました。

次は今やカントリー界の女王、と呼んで差し支えないエミルー・ハリスです。彼女はナッシ

ュヴィルでも成功を収めましたけれど、1970年代半ばに登場した時にはそれま

での舌足らず的女声カントリー唱法と全く無縁の唄い方で、それがはみ出し者たち

に歓迎されまたようです。ウイリー・ネルスンと一緒にトゥアをしていたと聞けば、どん

な演奏態度だったか想像出来ますね。

1978年の作品です、「イージー・フロム・ナウ・オン」。

 

M11.イージー・フロム・ナウ・オン(3’06”)エミルー・ハリス

-S.Clark, C.Routh-  ソニーSICP 5815/6

 

M12.コズミック・カウボーイ(3’57”)マイケル・マーフィー  

– M.Murphy –  ソニーSICP 5815/6

 

N  エミルー・ハリスの「イージー・フロム・ナウ・オン」に続けましたのは、マイケル・マーフィーの「コ

ズミック・カウボーイ 上巻」。この「コズミック・カウボーイ」という言葉の意味するところ

が、わたしにはさっぱり分からないまま、この歳になってしまいました。横

浜は保土ヶ谷のダグ・サームこと、オレンヂ・カウンティ・ブラザーズの飯田雄一は新しい

グループを「コズミック・カウボーイズ」と名付けていましたから、ピンと来ていたよう

です。多分、気ままに行動するヒッピーの事なんでしょう。対訳に拠ればマイケル・

マーフィーはここで「俺はなりたいコズミック・カウボーイ、超自然のカントリー・ロッキン馬鹿」

と唄っています。このヒットの後、「斬新的なカントリー・シンガーはコズミック・カウボーイ&ガ

ール」として知られるようになるのであった」そうです。

ではこれまた異端者、コズミック・カウボーイのウェイロン・ジェニングズで、

「安酒場の英雄たち」。

 

M13.ホンキー・トンク・ヒーローズ(3’38”)ウェイロン・ジェニングス

-B.J.Shaver-  ソニーSICP 5815/6

 

N  ウェイロン・ジェニングズ「ホンキ・トンク・ヒーローズ」でした。ここまでお聞きになってお

分かりのように、ソニーから発売中のこの2枚組『荒くれ者たちと複数の甲殻狸

カントリーの騒然たる70年代』には、特にこの国で紹介され難かったカントリー音楽が

たくさん入っています。わたしが買ったのは輸入盤で、国内盤を澤田修から

借りたのですが、こちらにはオリヂナル盤の詳しい解説が、妙訳によってたいへ

ん分かり易い読み物となって付いていて、入り組んだカントリー音楽の世界を理解

するのに役立ちます。カントリー初心者ワツシイサヲ、お勧めの1枚、いや2枚組です。

どうぞご自身でもお聞き下さい。

さて、先週「5」を名乗るヴォーカル・グループを探している途中で、アイズリー・

ブラザーズにこんな歌があるのを見つけました。彼らは70年代にソリッドなファンク

で圧倒的な人気を集めました。その代表とも言える73年発表の定番曲に「ザ

ット・レイディ」というのがあります。その原曲は64年に発表されていた「フーズ・

ザット・レイディ〜あの女だれだ」でした。

 

あのいい女、誰だか知ってるか

   チョー綺麗じゃん、紹介して欲しいな

 

一般男性としてはたいへん共感を持てるメッセヂが込められています。音楽の

造りにはカーティス・メイフィールドの「ジプシー・ヲーマン」から閃きを貰ったような感じも

あります。多分ファンの人たちには当たり前の如き事実なのでしょうが、これが

9年後に更に強力な「ザット・レイディ」となって、歌舞音曲の場でドギツイ欲望を

剥き出しに撒き散らしていたのです。21世紀に新たな認識をしたワツシイサヲであ

りました。お聞き下さい。

 

M14.Who’s That Lady(2’48”)The Isley Brothers

-R., O., R.Isley-  EMI CDP-7-95203-2

 

M15. 翼(4’14”)石川セリ

-T.Takemitsu-  コロムビアCOCY-78624

 

N  突然の「翼」、石川セリでした。モーニン・ブルーズでは既に何度か紹介しています。

実は今、作者の武満徹と小澤征爾の対談集、その名もズバリ「音楽」、という

文庫本を読んでいます。この手の談話物は、普通あっという間に読めてしま

う筈なんですが、付箋を付けたりして何度も読み返す部分が多いからか、例

外的に時間がかかっています。もちろん現代音楽を含む西洋古典音楽が主題

ですから、わたしは門外漢なのですけれど、頷ける発言がとても多いのです。

今の「翼」もタケミツの作詞作曲でして、ここで唄われる思想が一貫して彼に

は流れているような気がします。「希望」、「夢」、「自由」を運ぶ「翼」。彼の

音楽も、「希望」、「夢」、「自由」を運ぶのでしょう。つまり彼は正しい人間な

のです。

 

M16.明日ハ晴レカナ曇リカナ(2’05”)石川セリ

-T.Takemitsu-  コロムビアCOCY-78624

 

N  こちらも作詞作曲が武満徹「明日ハ晴レカナ曇リカナ」、同じく石川セリでした。

さて作曲家タケミツの出世作は「ノヴェムバ・ステップス〜11月の階梯」でした。1967

年にヌー・ヨーク・フィルハーモニックからの依頼で作られたオーケストラ曲です。ここでフィーチュアさ

れているのは尺八と琵琶という和楽器。この組み合わせだけで当時、大きな

話題となりました。価値の変革、混乱がアヴァンギャルド表現になって行く過渡期

の最先端の形だったでしょう。

「ブォーッ」「ベベベーン」「ヒューンヒューン」「ジャジャジャジャーン」といった音が飛び交

う難解な抽象表現が短絡的に想像されます。事実、そういう音も出て来ます

し、最初に提示される主題がオドロオドロしいのは否定できません。しかし20分

を通して、苦痛を覚える人はいないでしょう。作品の背景には多少難しい西

洋古典音楽の流れが横たわっていますし、前衛芸術で、且つ環境音楽的でも

ありますが、軽いバック・グラウンド・ミュージックでもあると言う事も出来ないでし

ょうか。スピーカーと向き合わず、何か他の事をしながらでも充分に流していら

れます。実際にわたしはそんな風に聞いていました。ここにも「希望」、「夢」、

「自由」を運ぶ武満徹がいるのです。

では20分を超える長さとなりますが、季節もよろしいようです。

「霜月の階梯」をお聞き下さい。

小澤征爾指揮、トロント交響楽団の演奏、琵琶 鶴田錦史、尺八は横山勝也、

演奏は超一流の保証付です。

 

M17.ノヴェンバー・ステップス(20’24”)小澤征爾      

-T.Takemitsu-   ソニー  SICC 30014

 

N  武満徹作曲「ノヴェムバ・ステップス〜11月の階梯」、小澤征爾指揮、トロント交響楽

団、琵琶 鶴田錦史、尺八は横山勝也でした。始まってしばらくの響きが、ジ

ョン・レノンの「レヴォルシオン・ナムバ・ナイン」を連想させます。あちらはジョージ・マーティン

がアビー・ロード・ステューディオにあった有り物のテープを使ってコラージュを作り上げた

ようですが、妙な類似感がありますね。成立期は、ほぼ同じ。時代の響きだ

ったのでしょうか。

録音に臨んで、タケミツは琵琶と尺八のふたりに、西洋音楽ではなく「自分た

ちの間」で演奏して欲しい、と要望したそうです。カナダの交響楽団を使って

いる訳ですから、現場は五線紙上で作業が進んだと思われます。それでも作

者の意図は見事に表現されています。それを振ったオザワも大したものですね。

先ほどは、「軽いバック・グラウンド・ミュージックでもある」などと申しましたが、

やはり圧倒されてしまいそうな内実を持っています。霜月に聞くタケミツの「ノヴ

ェムバ・ステップス」如何でしたでしょうか。

それでは短いヴォーカル曲で今朝の最後といたしましょう。先週、レスター・ブーイ

が熱演してくれた「ザ・グレイト・プリテンダ〜そのフリ仮面」、オリヂナル仕様です。

ファビュラス・ザ・プラターズでどうぞ。

 

M18. グレイト・プリテンダー(2’42”)プラターズ    

-B.Ram-   ユニバーサル  UICY 80014

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の最後は「ザ・グレイト・プリテンダ」、ザ・プラターズでした。わたしはプラター

ズでこの歌が一番好きかな。もちろん「墓場まで持っていく1001曲」に入っ

ています。先週のレスター・ブーイ録音のバック・グラウンド・ヴォーカルには、フォンテラ・バス

も参加していたのですね。詳細を読んで発見し、少々驚きました。

さて今日は昼前に浅草の木馬亭に行って鉄砲光丸の音頭を見届けて、午後3

時からは四谷の伝説的ジャズ喫茶「いーぐる」でアリーサ・フランクリン追悼集会に参加

です。時間的には余裕がある筈ですが、当日のハシゴ移動というのはちょっと

緊張ですね。仕切り進行役の佐藤英輔も取材からの流れ込みと聞きましたが、

本編の前に京王技研、コルグの新機軸のデモ演を行うようです。これはわたし自

身も聞いてみたいなあ。どちらかでお会いできましたら、どうぞお声を掛け

て下さいな。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。最近ダウ

ンロード数が増えて来ました。ここまである一定量を目安にして来ましたが、そ

れを超えてしまうと・・・、お早めにどうぞ。

http://firestorage.jp/download/7bac7ee9813d27234c5bcbb52db1a3f792011135

   ダウンロードパスワードは、dcpcp0hz です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2018/11/03

mb181103

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  アサー、おはようございます、ワツシイサヲです。気がつけば11月。10月は過ぎて

行くのが速かったなあ。そうでもなかったですか。わたしには9月の次が11

月だったような気分です。色々な事があったからかなあ。

さてモーニン・ブルーズ、今朝は今週の始めから何故か頭の中で鳴りっぱなしだ

ったこの歌で始めましょう。

ザ・ファイヴ・テュトーンズです、「シェイク・ア・テイル・フェザー」。

 

M01.Shake A Tail Feather(2’23”)The Five Du-Tones

-Hayes, Williams, Rice-  Shout! SHOUT 28

 

N  「シェイク・ア・テイル・フェザー」。1963年のザ・ファイヴ・テュトーンズでした。

目覚める前の脳は音感が鋭くなっていて、偉大なる音楽は大体この時間帯

に生まれる事が多い、そんな学説を聞いた事があります。アトランティック・レコーズの

創始者アーメット・アーティガンは、数少ない自作曲はみな目覚める前に自然と生まれ

て来た、と語っていました。決して傑作をたくさん生み出した訳ではありま

せんけれど、1950年代のブルーズ曲で「Nugitre」とクレジットされている作品が

いくつかありまして、これは「アーティガンErtigun」をひっくり返した綴りで、

アーメット・アーティガンの作品です。

わたしも毎朝、起きる前の脳味噌はフル回転で音楽を奏でていまして、時に

は「これだ」という決定的なリフやフレイズが閃きます。忘れないように飛び起き

て録音機に吹き込むのですが、朝食後に聞くと殆ど全く大した事ないですね。

あるいは睡眠中の潜在意識の中で既成の特定楽曲から離れられなくなる事

もあります。今週月曜日の目覚め前ヘヴィ・ローテイションがファイヴ・テュトーンズの「シェイク・

ア・テイル・フェザー」で、これはその日の午前中、繰り返して鳴り続けていました。

そこでみなさんにも同じような睡眠効果を味わって貰おうと、聞いて頂い

た次第です。映画「ブルーズ・ブラザーズ」の中で質屋の親父のレイ・チャールズが突

然唄い出して、周辺のみんなが合わせて踊り出す場面を思い出してくれまし

たでしょうか。

 

M02.Dedicated To The One I Love(2’44”)The 5 Royals

-F.Parris- Fantastic Voyage FVTD 190

 

N  2018年11月4日の「幻」モーニン・ブルーズ第2曲は、ザ・ファイヴ・ロイヤルズで「デ

ディケイテド・トゥ・ザ・ワン・アイ・ラーヴ」でした。ファイヴ・テュトーンズからの連想です。

「そうかファイヴ・デュトーンズか・・・、そういえば名前にファイヴの付くヴォーカル・

グループは多いなあ」と思いつき、手近なところで「5」たちを探してみました。

先ずはザ・ファイヴ・ロイヤルズ。しかし「5」といえば゚、やはりこれ。

ザ・ファイヴ・サテンズです、「イン・ザ・スティル・オヴ・ザ・ナイト」。

 

M03.In The Still Of The Night(2’58”)The Five Satins 

-E.Pitte- Fantastic Voyage FVTD 116

 

N  永遠の「イン・ザ・スティル・オヴ・ザ・ナイト」。ザ・ファイヴ・サテンズでした。セント・ル

イスのテュトーン、ノース・カロライナのロイヤル、シカーゴからサテンと並んだ「5」、まだ来ます。次

はブルックリン、ヌー・ヨーク出身のザ・ジャイヴ・ファイヴです。

「俺のホントの物語」。

 

M04.My True Story(2’36”)Jive Five

-R.Bass, L.Pouling- Fantastic Voyage FVTD 190

 

N  いいですねえ、ザ・ジャイヴ・ファイヴ「マイ・トゥルー・ストーリー」。1961年のヒットで

した。

「5」を名乗るヴォーカル・グループまだあります。これでどうでしょう。

ザ・ファイヴ・キイズです。これまた決定的な「ザ・グローリー・オヴ・ラーヴ」。

 

M05.The Glory Of Love(3’09”)The Five Keys 

-B,Hill-  Collectable COL-5632  S21-18441

 

N  秋の夜長に窓辺で聞くのに相応しい「ザ・グローリー・オヴ・ラーヴ」、ザ・ファイヴ・

キイズでした。

今週は突発事がありまして、かなり慌ただしく「幻」の準備を致しました。

そんな中で「5」を名乗るヴォーカル・グループを・・・と探していましたところ、

素晴らしい閃きが降りて来ました。日頃の行いがよろしいせいでしょうか。

これです。ザ・5スペラーズ。先ほどのザ・ファイヴ・キイズのナムバを唄っています。

「ロッキン・アンド・クライング・ブルーズ」。

 

M06.Rockin & Crying Blues(2’29”)ザ・ゴスペラーズ

-R.Toombs-   ソニー   KSC2 295

 

N  「ロッキン・アンド・クライング・ブルーズ」、ザ・5スペラーズでした。これは彼らが1999

年に発表した5枚目のアルバム、その名も『ファイヴ・キイズ』に収録されています。

ただし、ジャケットにこの曲目表記はありません。実際にこのアルバムを持っていて

も、存在を知らなかった方もいる事でしょう。「5」人のメムバで1994年から「5」

年間続けて来て「5」枚目のアルバムです。凝り症の村上てつやとしては、何か

を引っ掛けたかったのですね。それがザ「5」キイズの「ロッキン・アンド・クライング・

ブルーズ」をカヴァするという案でした。しかもこれはいわゆる「隠しトラック」な

んです。

全10曲が終了して、そのまま盤を回していると、無音状態がしばらく続き、

時間表示が「5分55秒」になったところで、突然この「ロッキン・アンド・クライング・

ブルーズ」が始まります。てつやの欲求は満たされたでしょうか。この曲の録

音だけに参加した演奏家、技術者、そして制作担当の鷲巣功の名前は、スペシア

ル・サンクス欄にあるだけですから、知らない人には全く分からない事実です。

わたしは「5」関連で本当に久しぶりに聞きました。結構、いい感じでした

ね。実はこの短尺仕様の他に、テイクの違う長時間演奏仕様も録音された事を、

そっとお伝えしておきましょう。

 

M07.わが名を聞く人あり(2’47”)ファイヴ・ブラインド・ボーイズ・オヴ・ミシシッピ

-A,Brownlee-    ユニバーサル  UCCC-3040

 

N  「5」を名乗るヴォーカル・グループ集め、これが出て来なきゃ始まりませんね。

ファイヴ・ブラインド・ボーイズ・オヴ・ミシシッピです。曲は「わが名を聞く人あり」、

彗星の如くゴスペル界に登場して注目を集めつつあった1950年前後の作品で

す。途中からリードを奪うように務めるアーチー・ブラウンリーのシャウト、スクリーミング唱法が

出色です。大勢のソウル・シンガーに多大なる影響を与えた彼の底力ですね。いや、

全く凄い。

彼らは名前通り「ミシシッピ」州ジャクスンの出身者を中心に結成されていますが、

みなさんもご存知の通り「ファイヴ・ブラインド・ボーイズ」を名乗る有名なゴスペル・

グループはもうひとつあります。それはファイヴ・ブラインド・ボーイズ・オヴ・アラバマ。

1944年結成で、2014年にも内容の濃いアルバムを発表しています。全員の健康

状態が良い時は、まだ実演活動をしているのかも知れません。

では聞いて頂きましょう。これも1950年の録音です。

アップ・テムポーのゴスペル・ダンス曲、「リヴィン・フォー・マイ・ジーザス」。

 

M08.Living For My Jesus(2’29”)Five Blind Boys Of Alabama

-trd.-  MCPS  NOT2CD292

 

M09.Because(2’24”)Dave Clark Five      

-Clark-   Universal 1781774

 

N  「5」を名乗るヴォーカル・グループ集め、最後は番外的にデイヴ・クラーク・ファイヴを

お届けしました。デイヴ、マイク、デニス、リック、レニーの5人組。1960年代中期に活

躍したイギリスのビート・グループです。アメリカのR&Bに魂を抜かれてしまったよう

にベッタリの親米派。運転手付きのフォード・ギャラクシー2台と一緒に写っている写真

にそのイカレ具合が象徴されています。ただ、それによって逆にイギリスの白人グル

ープである個性が浮き彫りにされていたのが、とても面白いですね。「幻」で

は、「グーッド・オールド・ロケンロー」の初演者としての方が強調されていますが、今

の「ビコーズ」、こちらもまぎれもない傑作でしょう。

「5」を名乗るヴォーカル・グループ集め、慌ただしい中での準備でしたので、完

璧とは言えず、コジ付けも混ざりました。ただ、5人組という形は、大衆音楽

の基本形のように思えます。テムプテイションズもローリング・ストーンズも5人です。ゴスペ

ルの世界では5人でもクヲーテットと呼びます。これは「4声のハーモニー」を基本とす

るヴォーカル・グループという事で、5人目が入ればリードが充実し、ファルセトーも加えら

れようになって無敵です。ただし、冒頭のザ・ファイヴ・テュトーンズのジャケット写真

には、6人のメンバが写っていました。どういう事でしょうかね。

ところで日本で「5」を名乗るグループというと、エレキ・ギター・バンドの井上宗

孝とシャープ・ファイヴくらいしか浮かびませんでした。他に絶対あるはずです。

どなたか、教えて下さい。

2018年11月初めての「幻」「5」を名乗るヴォーカル・グループ集め、以上お粗

末でした。

 

M10.黒島口説(5’45”)

唄・三線:大浜賢扶、玉代勢長伝、笛:大浜源吉、太鼓:国吉長扶

-pd.-   コロムビア COCJ-40466

 

N  先週お届けした1965年発表の『沖縄音楽総攬』を久保田麻琴がCD4枚に

まとめたシリーズ、早速ヴェンテンさんから反響を頂きました。ありがとうございま

す。今朝は八重山諸島の音楽をまとめた『かなす ヤイマ』からお届けします。

今お聞き頂きましたのは「黒島口説」、「くるしまくどぅき」と読むのが正

しいようです。唄と三線は大浜賢扶、玉代勢長伝、笛が大浜源吉、太鼓は国

吉長扶でした。この形は琉球全域に知られているそうですが、わたしは何故

か江戸のお囃子に近いものを感じました。部分的に入る締め太鼓の音が、仙

波清彦の継承している和楽器アンサンブルと似ているように聞こえるのです。不思

議です。唄はモロに琉球的ですけれどね。

さて次は本土でも最もポピュラーな沖縄民謡のひとつでしょう。

「安里屋ユンタ」です。「チィンダラカヌシャマヨー」。

 

M11.安里屋ユンタ(2’50”)大浜賢扶、玉代勢長伝、新城ムツ、本部ツル、大浜マス  

-pd.-   コロムビア COCJ-40466

 

N  「安里屋ユンタ」、大浜賢扶、玉代勢長伝、新城ムツ、本部ツル、大浜マス、各氏のヴ

ォーカルでした。印象的な最後の繰り返しは「チィンダラカヌシャマヨー」、「おお、愛おしい

乙女よ」という意味だそうです。「死んだら神様よ」ではありません。

さて、台湾に近い琉球諸島は物によって類似した文化を持ちます。わたし

の直感的な印象なので、決して定かではありませんが、次の「いんきゃらぬ

唄」には、金属製打楽器の使い方、響きに、長崎の中華街のお祭りで聞いた

ような台湾とのつながりを感じました。皆さんは如何でしょうか。

 

M12.いんきゃらぬ唄(1’55”)

川平 亀、新本 米、新本善康、川平 節、桴海ヨシ、

仲島一夫、桴海 亀、仲島 玉

-pd.-   コロムビア COCJ-40466

 

M13.INKYARA NU UTA(5’39”)Makoto Kubota

-pd.-   コロムビア COCJ-40466

 

N  1965年発表の『沖縄音楽総攬』を久保田麻琴がCD4枚にまとめたシリーズか

ら、今朝はCD『かなす ヤイマ』をお届けしています。川平 亀、新本 米、新本

善康、川平 節、桴海ヨシ、仲島一夫、桴海 亀、仲島 玉らによる「いんき

ゃらぬ唄」、そしてそれを久保田真琴がリミクスした「いんきゃらぬ唄」でした。

この「かなす」という言葉は、久保田真琴の造語で、沖縄で「カナサン」、八

重山で「カヌシャ」、宮古なら「カナシャ」と発音される「いとおしさと神々しさの混

じったジーンとくる感覚、ブラジルではサウダージと呼ばれ、マレー語圏ではリンドゥとも

呼ばれる感覚」を表現しているのだそうです。なんとなく分かりますね。

今回のこのシリーズ、久保田真琴の仕事がとても良い。ここまで彼が民族音楽

をいじる時にあった「ゴリガンさ」が影を潜め、とても謙虚な姿勢で臨んでい

るように感じられます。リミクスもここまでは嫌味じゃないですね。

来週は『かなす ミャーク』からご紹介しましょう。ご期待下さい。

 

M14.ミー・アンド・ポール(3’47”)ウイリー・ネルソン

-W.Nelson-   ソニー SICP 5515/6

 

N  突然のあの声、ウイリー・ネルスンです。紹介がずっと遅れていたコムピ盤『荒くれ者

とアルマヂロ カントリーの騒然たる70年代』からです。ナッシュヴィルに馴染めない

はみ出し白人たちのパンク・カントリー音楽を集めた秀逸な2枚組です。これはそう

簡単にやり過ごせないので、来週以降もう少し詳しく聞いて行きます。それ

でも今朝は取り敢えず2曲聞いて下さい。

今のウイリー・ネルスンは「ミー・アンド・ポール」、そして

「グルーヴァーズ・パラダイス」、ダグ・サームです。

 

M15.グルーヴァーズ・パラダイス(3’23”)ダグ・サーム

-D.Sahm-   ソニー SICP 5515/6

 

N  2枚組『荒くれ者とアルマヂロ カントリーの騒然たる70年代』から ウイリー・ネ

ルスンで、「ミー・アンド・ポール」、そして「グルーヴァーズ・パラダイス」、ダグ・サームでし

た。

さて先週のコリン・ジェイムズ、如何でしたか。わたしはアルバム全体が気に入って

います。決して派手なところのない、どちらかと言えば地味なブルーズ・アルバム

ですが、そこが良い。大人になったコリン・ジェイムズが普通にブルーズに取り組ん

でいる、そんな感じかな。彼の身体にも心にも、既にブルーズが染み込んでい

る事実を感じました。彼はカナダ生まれの白人です。

今回のアルバムで冒頭と最後を飾るのは同じ曲。それをイレクトリックとアクースティクで

演り分けています。両方を聞いて下さい。

ジェイムズ・コトンが1974年に挑戦したファンキー・ブルーズ、その完成形です。

「ワン・モー・マイル」。

 

M16.One More Mile(3’25”)Colin James

-J.Cotton-  BSMF 2633

 

M17.One More Mile(acoustic)(2’59”)Colin James

-J.Cotton-  BSMF 2633

 

N  「ワン・モー・マイル」、コリン・ジェイムズでした。アクースティク仕様のヴォーカル・ハーモニーが良か

ったですね。この新しいアルバムは『マイルズ・トゥ・ゴー』という表題です。コリンは

まだまだ演ってくれそうです。

さて、先週「ジョナサン・スケイルズの新譜が国内で初めて発売される」とお伝え

しました。ポークパイさん、ご反応ありがとうございます。わたしは確か前回の

来日時に至近距離で彼のスティール・パンの音を浴びています。一心不乱状態で演

奏に没頭している姿は、本当に感動的でした。非常にシムプルな構造のこの楽器

は、時として前衛的音楽の武器になります。今朝は先週と同じ『ピラー』とい

 

うアルバムから、その類の演奏を聞いて下さい。

「ウィ・ケイム・スルー・ザ・ストーム」。

 

M18We Came Through The Storm(7’41”))ジョナサン・スケイルズ・ファーケストラ

-unknown-  BSMF 5055

 

M19.The Great Pretender(13’30”)Lester Bowie  

-B.Ram-  ECM  1209 1776214

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N 「ウィ・ケイム・スルー・ザ・ストーム」、ジョナサン・スケイルズ・ファーケストラ、そして最後はレスター・

ブーイの「ザ・グレイト・プリテンダ」でした。1981年発表のアルバム表題曲です。

実は今の始まるところから更に3分以上の演奏がありまして、今朝は途中

から聞いて貰いました。

アート・アンサムブル・オヴ・シカーゴの中心人物だったこの人、非常なクセ者ですが、

わたしは何よりも彼の知性を評価します。今の、途中で部分的にはアブストラクト

にもなる「ザ・グレイト・プリテンダ」でも一貫したセンス・オヴ・ユーモアが伝わって来

ます。アルバム全体を通しても、同じですね。わたしはその前のジョナサン・スケイルズ・

ファーケストラの「ウィ・ケイム・スルー・ザ・ストーム」のような抽象的な音楽はあまり得意で

はないのですが、時折、ググーっと惹かれる事があります。レスター・ブーイの「ザ・

グレイト・プリテンダ」でした。

ムジさん、ラジオの情報、ありがとうございます。今日の放送ですね。聞きま

すよ。これまでに知らない森岡賢一郎の編曲を聞けるだろうから、楽しみで

す。でも圧倒的物量でやられちゃうだろうなあ。

11月3日 17時55分からラジオ日本「タブレット純 音楽の黄金時代」です。

来週11月10日土曜日には、15時から四ツ谷のいーぐるでアリーサ・フランクリン追

悼会。大御所の鈴木啓志、高地明、佐藤英輔たちと一緒です。

前評判が割と高いらしのですが、果たして・・・。四ツ谷いーぐるでは事

前予約を受け付けていないようですが、電話番号をお伝えしておきましょう

 

03-3357-9857です。わたしはその日、浅草の木馬亭から直行。夏に錦糸町を

湧かした河内音頭の鉄砲光丸が、浪曲師真山隼人と二人会です。開演が12時

30分と早いので、光丸さんを観てから四ツ谷に向かいます。

そして今年最後のビッグなお知らせ。中央エフエムでオーサム・ビーツ、そして「現」

モーニン・ブルーズが生放送。2018年、12月27日午前0時00分から5時までの

5時間。もう年末休暇の人も・・・、ちょっと早過ぎますね。慌ただしい年の

瀬、ご都合ついたら、お聞き下さい。また情報は改めてお伝えします。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/a10f2a848dc758b2de5bf2fd4670b638e0299565

    ダウンロードパスワードは、mcz7n0d8です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2018/10/27

mb181027

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  お早うございます。アサー、ワツシイサヲです。完全に秋ですね。早くも「寒い」な

んて言葉が口から出るようになりました。にもかかわらず、このシーズンは「暖

かい」とか。ところが、南洋上にはまた大きな台風26号が生まれて、北上の

機会を狙っています。地球は悲鳴をあげています。

では今朝もお付き合い下さい。

コリン・ジェイムズで、「朝6時まで飛び跳ねろ」。

 

M01.Jump From 6 To 6(2’54”)Colin James

-L.Scott-  Warner CD 23010

 

M02.Ooh Bay Hold Me(3’27”)Colin James

-C.Burnett-  BSMF 2633

 

N  「ジャムプ・フロム・シクス・トゥ・シクス」に続けまして、「オウ・ベイビー、ホールド・ミー」

共にコリン・ジェイムズでした。これはフリートウド・マックがシカーゴのジャムで演ってたな。

コリンの新譜『マイルズ・トゥ・ゴウ』からです。この人カナダ生まれなんですね。国

籍はどこだろう。新しい写真ではだいぶ歳を取ったなという印象ですが、音

楽は相変わらず若いですね。声にもギター演奏にも張りがあります。今回は極

く普通のブルーズ・アルバムですけれど、とても心地良い響きです。今朝1曲目の

アルバム『アンド・ザ・リル・ビグ・バンドII』が1998年ですから、20年かあ。長

いけど、早いなあ。新譜にはまだ聞き物があります。来週以降にご紹介致し

ましょう。

次はここのところ連続して聞いて貰っているデルグレスです。フランス語のガレーヂ

的ブルーズ・ロック。今朝は、中心人物のパスカル・ダナエがドブロ・ギターを使っている

ナムバです。本人はこの楽器に出会って「救われた」と語っていました。

「ヴィヴレ・スール・ラ・ルートゥ」

 

M03.Vivre Sur La Route(3’27”)デルグレス   

-P.Danae-  PIAS / ホステス JV570160J

 

N  デルグレス、最新盤から「ヴィヴレ・スール・ラ・ルートゥ」でした。切実に迫るパスカル・

ダナエの声がいいですね。説得力あります。

さて先週のジョー・ウイリアムズ、八王子60オーヴァさんから反応ありました。有難

うございます。投稿にあった「あなたの勝ちよ」、同じアルバムにも入っていま

す。これはてっきり女性の歌だと思っていましたが、そうでもないのかな。

素晴らしいスウィング感をご満喫下さい。

「オールライト、オーケイ、ユー・ウイン」、ジョー・ウイリアムズとベイシー楽団です。

 

M04. Alright Okay You Win(3’07”)Joe Williams, Count Basie orchestra

-M.Watts, S.Sidney-  Jazz Images 38040

 

M05.エヴリ・イヤー・アイ・ゲット・ザ・ブルース(5’44”)ザ・レオン・トーマス・ブルース・バンド

-B.Seal, G.D.Wise-  ソニー 28・8P-5031

 

N  ジャズ・ブルーズを続けました。ここのところ気になっているリオン・トーマスです。

彼の最終作品がこの『リオン・トーマス・ブルーズ・バンド』と言う表題のアルバムで、1988

年1月に録音されています。その冒頭曲「エヴリ・イヤー・アイ・ゲット・ザ・ブルース」

をお聞き頂きました。クリスマス・イヴに消えた恋人を探して町を彷徨う男の歌で

す。厳しい内容ですが、参加者全員が大笑いしながら演奏している感じです

ね。

表現が非常に直接的で、嘆きが愚痴に変わって、「どうせ俺は毎年ブルーズさ」

となります。悪くないですね。ところが今のリード・ヴォーカルは、リオン本人ではな

く、ドナルド・スミスという男です。この作品では彼が唄う事が多く、リオンらしい

重要と思われる楽曲でも彼が起用されているのが謎です。

次もドナルド・スミスが唄う、ひと捻りが加えられたナムバですね。

「ザ・ブルーズ・イズ・ザ・ブルーズ、イズ・ザ・ブルーズ」。

 

M06.ザ・ブルース・イズ・ザ・ブルーズ、イズ・ザ・ブルース(3’55”)

ザ・レオン・トーマス・ブルース・バンド

-H.Ott-  ソニー 28・8P-5031

 

N  ドナルド・スミスが唄う、「ザ・ブルース・イズ・ザ・ブルーズ、イズ・ザ・ブルース」、

ザ・レオン・トーマス・ブルース・バンドでした。「ブルーズはブルーズでしかない、という

考え方こそがブルーズなんだよ」と、なかなかに奥の深い真理を持っています。

間奏のスライド・ギターはヒュー・マクラケンでしょうか。なおベイスはゴードン・エドワーズ、

ドラムズはバナード・パーディ、テナー・サクスフォーンはヒューストン・パースンです。

豪華な陣容のザ・リオン・トーマス・ブルース・バンド、では今度こそリオン・トーマスのヴォ

ーカルをどうぞ。岩浪洋三の解説では、「ビル・ヘイリー・アンド・ヒズ・コメッツの最初の

ミリオン・セラーとなったロックン・ロール・ナンバー」ですけれど、わたしならビッグ・ジョー・

ターナーの決定的なジャムプ・ブルーズと紹介します。ジャケット写真ではリオン・トーマス、

ビッグ・ジョーを意識したような衣装、ポーズで写っています。

「シェイク、ラトル・アンド・ロール」。

 

M07.シェイク、ラトル・アンド・ロール(3’42”)ザ・レオン・トーマス・ブルース・バンド

-J.Stone, C.Calhoun-  ソニー 28・8P-5031

 

N  ザ・リオン・トーマス・ブルース・バンドで「シェイク、ラトル・アンド・ロール」でした。こんな

風にストレイトなブルーズを上手にこなすリオン・トーマス、自身の名前を冠したブルーズ・

バンドのアルバムの中途半端な仕上がりがわたしには理解できません。お聞きの

ように収められている各トラックはみな良い出来なのですけれどもね。

さてここ数週間はリオン・トーマスという名前を意識して過ごしました。すると、

レコード店でも結構な出会いがありまして、しかも人気歌手ではないので、値段

が安い。既に4枚ほど揃いました。ベスト盤があったのには驚きました。

そこにも収められていた、同じく知性派のM.J.Q.ミルト・ジャクスン作の名曲を

ヴォーカライズした「バグズ・グルーヴ」を聞きましょう。

 

M08.Bag’s Groove(3’17”)Leon Thomas

-M.Jackson- BGP CDBGP 270

 

N  「バグズ・グルーヴ」、リオン・トーマスのヴォーカル仕様でした。彼はイムパルス・レコードを

創立したボブ・シールから高い評価を受けていて、レコード制作を続けられたよう

です。ボブがイムパルスの後に立ち上げたフライング・ダチマンからあまり売れそうもな

い一風変わった作品を出していました。そんなキャリアの中で、やはり知性的クセ

者ファラオ・サンダーズと活動を共にした頃、数少ない、いや唯一のヒットを出してい

ます。

それが次にお聞き頂きます、

「ザ・クリエイター・ハズ・ア・マスタ・プラン」です。

 

M09.The Creator Has A Master Plan(Peace)(4’23”)Leon Thomas

-P.Sanders, L.Thomas-   Soul Brother Records CD SBP J1

 

N  「ザ・クリエイター・ハズ・ア・マスタ・プラン」、リオン・トーマスでした。これを初めて聞い

た時にヲーの「サマー」を連想しました。

 

M10.Summer(6’36”)War

-Allen, Brown, Dickerson, Jordan, Miller, Oscar, Scott, Goldstein-

Avenue Records R2 750903

 

M11.My Special Prayer(2’50”)Freddy Fender

-Scott-  Edsel EDCD 604

 

N  「サマー」、ヲーでした。「ザ・クリエイター・ハズ・ア・マスタ・プラン」とよく似ていません

かね。聞いていると音から見える像が重なって来ます。

それに続いては先週ジョー・サイモンでお聞きいただいた「マイ・スペシャル・プレイヤー」

のフレディ・フェンダー版。わたしの記憶にあったのは、ひょっとしてパーシー・スレッヂ

じゃなかったかな、とも思いましたが、フレディ・フェンダーで間違っていませんで

した。やれやれ、良かった。多分1970年前の録音の筈です。

さて先週末、ライヴ・マヂックは無事終了しました。お客さんも大勢来てくれま

したし、今回も大成功ですね。わたしには馴染みの出演者があまり居なかっ

たのですが、充分に楽しめました。

ツイターで教えて貰ったデレブ・ジ・アンバサダーも聞きましたよ。彼らはずっと

嬉しそうにステイヂを務めて、マナーがたいへん宜しかったですね。パンチ・ブラザ

ーズのノーム・ピルケニーとステュアート・ダンカンは絶品でした。フィドルとバンジョーで「世界」

を作っていました。ここまでの職人的演奏家にはなかなか触れる事は出来

ません。良かったな。そこで、と言いますかちょっとこじ付けですがバンジ

ョーの世界第一人者ベラ・フレックが2015年この催事に出演したスティール・パン奏者

のジョナサン・スケイルズと共演した1曲を聞いて下さい。ジョナサン・スケイルズはこの

アルバム『ピラー』が日本で初登場となります。

「フォーカス・ポエム」をどうぞ。

 

M12.Focus Poem(4’36”)ジョナサン・スケイルズ・フォーケストラ feat.Bela Fleck

-unknown-  BSMF 5055

 

N  第5回ライヴ・マヂック2018、今年も正面入り口にはヴォルヴォの実車展示があり

まして、そこでアンケートに答えると、ピーター・バラカン選曲の特製CDが貰えます。

明日にでもセールスマンが訪ねて来そうな具体的な質問が並んだ質問に答えて、わ

たしも1枚入手。かなりファンキーなソウル・ジャズのコムピレイションで、面白い出来です。

そこから聞きましょう。

グラント・グリーンがデトロイトのクラブ・モザンビークで演奏した時の実況録音です。

バート・バカラックの名曲、「ヲーク・オン・バイ」。

 

M13.Walk On By(7’11”)Grant Green

-B.Bacharach-  Volvo 0001

 

N  グラント・グリーン、ギター、クラーレンス・トーマス、ヒューストン・パースン、サクスフォーン、ロニー・フォスタ

ー、オルガ ン、そしてイードリス・ムハムマドがドラムズという強力な布陣がデトロイトのクラブ・

モザンビークで演奏した「ヲーク・オン・バイ」でした。穏やかで奥の深い響きですね。

とても宜しい。

クラブ・モザンビークという場所は1970年前後にいくつかの名演奏が行われた場

所で、ジャズの音楽家たちにたいへん気に入られていました。オルガン奏者ロニー・

スミスも半ばハコのような形で、ここで毎晩演奏を続けて居た時期がありまして、

今のグラント・グリーンに勝るとも劣らない名盤を残しています。

ロニー・クーバ、ジョージ・ベンスンらのサイドメンも好演、ここではロニーさん、まだターバ

ンを巻く前で、ハンティング・キャップです。ジェイムズ・ブラウンを連想させる掛け声がと

ても効果的です。

「アイ・キャント・スタンド・イト」。

 

M14.I Can’t Stand It(8’24”)Lonnie Smith

-L.Smith-  Blue Note CDP 7243 31880 2 4

 

N  「アイ・キャント・スタンド・イト」、『ロニー・スミス・ライヴ・アット・クラブ・モザンビーク』からで

した。この盤は他もファンキーなトラックばかりで演奏時間も非常に長い。収録時間は

73分を超えています。LP時代は2枚組だったのかも知れません。今の「アイ・

キャント・スタンド・イト」もフェイド・アウトだったでしょ。もっと続いていたんですね。

こんな演奏を毎晩続けるって、どういう感覚なんでしょうか。ちょっとわた

しの想像を超えますね。

さて、次は誰でもご存知の沖縄のヒット曲です。まずはお聞き下さい、どうぞ。

 

M15.ハイサイおじさん(3’54”)喜納昌吉と喜納チャンプルーズ

-S.Kina-  コロムビア COOJ-40467

 

N  喜納昌吉と喜納チャンプルーズで「ハイサイおじさん」でした。これがオリジナルですね。

この度、久保田麻琴が日本コロムビアに残されていた豊富な琉球諸島の音楽を掘

り起こしまして、取り敢えず4枚の編集CDにまとめています。コロムビアは1970

年代に大量の現地録音を行っていまして、その模様は当事者から、どこだっ

たかな、高円寺の円盤だったかな、そこで行われた座談会で聞いた事があり

ます。その臨場感溢れる話にはだいぶ興奮させられました。今回はこの4枚

を聞いて、再び想像しています。

4枚は、『ハイサイ!沖縄』『かなすヤイマ』『かなすウチナー』『かなすミャーク』となって

いまして、わたしもまだ全貌を掴むには至っておりません。今朝はその導入

部として、「ハイサイおじさん」を聞いて頂きました。残されている膨大な録音は、

おそらくまだ手着かずの物もあるでしょう。以前LP16枚の組物で発売され

た時ですら、それぞれが短縮版に切り詰められていたそうです。

それぞれ20数曲入りで、マスタリングまでを久保田麻琴が担当。もちろん彼の

手によるリミクスも入っています。

 

M16.NAHKNY-TIMATOH Remixed by Oorutaichi(4’20”)山内昌徳ほか 

-trd.-  コロムビア COOJ-40467

 

M17.When You Are My Girl(3’25”)The Four Tops   

-L.Gottlieb, M.Blatte-  Motown / Universal 80000488-02

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  オオルタイチという名義で収録されている「ナークニー・チミトー」、唄は山内昌徳、お囃

子は黒島あき子、川田公子、仲宗根冴子、池田清子、中里勝子、比嘉国子、

高津ヨシエでした。いい感じで仕上がってましたね。残りの3枚も通して聞いて、

いくつかお届けしましょう。来週以降にご期待下さい。

今朝の最後は先週お届け出来なかったフォー・トップスの復活ヒット、1981年の「ウ

ェン・シー・ヲズ・マイ・ガール」でした。リーヴァイ・スタブスはやはり良い。永遠の唄い

手です。

ライヴ・マヂックでは皆さんから声をかけて頂きまして、有難うございます。去

年ほど大勢の人たちには会えませんでしたが、みなさんきっとお起こしの事

だったでしょう。楽しかったですか。ある方からはこの「幻」継続を労って

頂きました。これにも感謝。

この次わたしが人前に姿を晒すのは、11月10日土曜日です。15時から四

ツ谷のいーぐるでアリーサ・フランクリン追悼会。大御所の鈴木啓志、高地明、司会進

行が佐藤英輔です。船頭多くして何とやら、わたしは大人しくしているつも

り。多分それぞれに珍しい盤を持って来たりするんでしょうが、わたしはフィル

モアの「リスペクト」が聞ければ、それで満足なのです。

でもこの企画、前評判が割と高くて、ライヴ・マヂックで出会った人たちからも

お話に出ていました。四ツ谷いーぐるでは特に予約を受け付けていない、と

の情報が入っていますが、それぞれテイブルに着くような形ですから、意外と収

容人員は少ないかも。お早めにお越し下さい。と言ってもわたしはその日、

浅草の木馬亭から直行なので、ギリギリに入る予定です。もう入れて貰えなか

ったりしてね。四ツ谷いーぐる、電話番号は03-3357-9857です。

その後、年を越えて三鷹の梅勇芸徒、渋谷のリポでもお目にかかれそうです。

また詳細がはっきりしましたら、お伝えいたします。「あしながおじさん」

がこんなにちょくちょく人前に出て来ちゃダメかな。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/a00439643ac13df70500bf1fc8176429fc0cc41f

  ダウンロードパスワードは、qx57ztcfです。

今朝もちょうど時間となりました。

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「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2018/10/20

mb181020

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  お早うございます。アサー、ワツシイサヲです。寒いね、実感です。窓を開けている

と、はっきりと外気の冷たさが感じられます。普段家にいる時の短パンから、

いきなり冬用の厚手長ズボンに衣替えです。本来ならば、間に薄手長ズボンの

時期がもう少しあるのに。こういう時に風邪をひくと、厄介ですよ。お気を

つけ下さいな。

さて勿体つけたように小出しにして来たジョー・サイモン、お待たせしました。

私が欲しかったのは、これです。

世界中の、今朝お誕生日を迎えた方にお送りします。

「ハピー・バースデイ、ベイビー」。

 

M01.Happy Birthday、Baby(5’10”)Joe Simon

-J.Simon, V..Pike-  South Bound / ACE  CDSEWD 131

 

N  ジョー・サイモン1979年のヒット「ハピー・バースデイ、ベイビー」でした。あまり、と言

いますか殆ど知られていませんね、この歌は。今回紹介している『ステップ・バ

イ・ステップ~ザ・コムプリート・ポップ・ヒッツ』にも入っていません。尤もこの2枚組

はポップ・チャートに入った歌だけが選ばれているので、そのせいでしょう。この

歌は発売当時、新宿二丁目にあったR&Bバーの「勝手チャート」で長い間第1位

にありまして、その影響でよく聞いていました。「Baby, You’re Everything

To Me」だってさ。

当時は世界中がこの種のディスコ・ビートで回ってまして、ジョー・サイモンとの相性

も悪くなく、同傾向のヒット曲をいくつか出しています。

こちらなら皆さんもご存知でしょう。

75年の大ヒット「ゲット・ダウン、ゲット・ダウン」。

 

M02.Get Down Get Down(Get On The Floor)(3’44”)ジョー・サイモン

-Gerald, Simon-  BSMF 7570

 

N  具体的には思い出せないけれど、いつかどこかで聞いた事があるでしょう。

「ゲット・ダウン、ゲット・ダウン、ゲット・オン・ザ・フロア」でした。

ジョー・サイモンはルイジアナ州の生まれ。ご多聞に漏れずゴスペル音楽で育った後、R&B

歌手として世に出ました。スーパー・スターの座には着けませんでしたが、64年か

ら76年までの間に35曲もヒットさせているのは、並大抵の業績ではありません。

先週お届けした69年の「チョーキン・カインド」ではグラミーも受賞しています。今は

基督司教としてゴスペル界に戻っています。

わたしは彼を思うと必ず連想するのがアル・グリーンです。簡単に語った略歴が

似ているだけでなく、声、歌い方などに非常に近い物を感じます。アル・グリーン

には、ウイリー・ミッチェル、ハイ・リズム、つまりハイ・レコーズという強力なレイベルによって

育てられた幸運があり、プロデューサー、ミュージシャン、ステューディオを変えて活動を続け

たジョー・サイモンとは環境が全く違いますが、わたしは両者の音楽の質にも近い物

を感じ続けています。

 

M03.My Spacial Prayer(2’44”)ジョー・サイモン

-Scott-  BSMF 7570

 

N  ジョー・サイモンで「マイ・スペシャル・プレイヤー」、1966年に発表したシングル曲です。確か

フレディ・フェンダーも唄っていたような気もします。ジョー・サイモンはアーサー・プライソニック

の影響も受けているようで、この歌は彼をお手本に唄われているようですね。

どことなくカントリー調を滲ませる点でもアル・グリーンとの類似性を感じる訳です。

ふたり共クリス・クリストファスンをカヴァしてるしね。

通してもわずか6曲、ジョー・サイモンの極く一部ではありましたが、なぜか気

になるこの歌い手がぼんやりとは見えて来ましたでしょうか。

最後もカントリー調です。「ハンギン・オン」、ジョー・サイモンは1968年にヒットさせていま

す。

 

M04.(You Keep Me) Hangin’ On(2’44”)ジョー・サイモン

-Mize, Allen-  BSMF 7570

 

M05.Chains Are Broken(3’16”)The Devil Makes Three

-P.Bernhard-  New West Records NW6425

 

N  ジョー・サイモンの「ハンギン・オン」、ポップ・ヒットを集めた2枚組からお届けしました。

それに続けましたのはザ・デヴォー・メイクス・スリーの新譜表題曲「鎖が切れた」。

この歌ではコーラス部分で紅一点ルシア・トゥリーノの声がはっきりと聞こえました。や

っぱり女だった。

妙にイギリス人たちのグループダ、イアストレイツ風ですが、そこの中心人物マーク・ノプラ

ーはカントリー通で、本当はこういう音楽を演りたかったんじゃないかな、と思い

当たりました。彼のギターの音色は明らかにカントリー音楽のそれでして、ナシュヴィル

の穏やかさとは違って、地平線の向こうに竜巻が起こりそうな、限りなく拡

がった南部の大地が浮かんで来ます。ザ・デヴォー・メイクス・スリーの奏で出す響き

も同じような光景を連想させますね。「チェインズ・アー・ブロークン」、ありふれたよ

うな歌の旋律、ギターのリフが何故か新鮮です。

さて次も三人組、先週紹介したデルグレスです。カリブ産フランス語ブルーズ、今朝も

聞いて下さい。

「ミスタ・プレジデント」。

 

M06.Mr.President(3’27”)デルグレス

-P.Danae-  PIAS / ホステス JV570160J

 

N    俺はあんたに投票したんだ

だけど何もしてくれなかった

苦しさだけが続いている・・・

 

デルグレスの『モー・ジョディ』から「ミスタ・プレジデント」でした。プリンスのピアノ・

アルバムとは別の緊張感が漂いますね。主題からの連想でしょうか、返答を迫

られているような気にさせられます。真面目に返事しろ、安倍晋三、ボーっと

生きてんじゃねえよ。

デルグレスのアルバムを聞いていて、別の1枚が浮かびました。去年買った数少

ないアナログ盤のひとつ、75 Dollar Billです。その後の音沙汰が無いのか、わ

たしが知らないのか、現状近影は不詳。当時ブルックリンに居た二人組で、演り方

はミニマル的ですが豊かな音楽を奏でます。わたしの頭の中では打楽器の響きが

このふたつを結びつけたようです。

長い演奏時間ですが、久しぶりに聞きましょう。ロンドンの音楽雑誌「アンカット」

の2017新年号特別付録CDの最後に入っていた、

「ベニ・セッド」。

 

M07.Beni Said(12’28”)75 Dollar Bill

-C.Chen, R.Brown-   Thin Wrist Recordings TW-J

 

N  2年経過しても良さに変わりがありませんね。単純なモチーフを繰り返しながら

少しづつ変化させ、大きくしていく過程がそのまま描写されます。効果機器

を使いながらも一貫したエンヤコラ精神で通す潔さ。12分以上の長さは正当です。

聞き入ってしまいました。75ダラーズ・ビルで「ベニ・セッド」でした。

さて先週ご紹介したリオン・トーマス、彼はジョー・ウイリアムズの後にカウント・ベイシー楽団

にヴォーカリストとして加入したんだそうで、そういう縁を知っていて繋げた訳で

はなかったのです。そうか、あのヨーデル唱法はジョー譲りか・・・、と短絡的に

は考えませんで、これについては後日改めます。八王子60オーヴァさん、来週

楽しみにしててね。

それとは別に今朝はリオン・トーマス本来の創作を聞いて行きましょう。これも長

い演奏時間ですが、お付き合い下さい。

ファラオ・サンダーズの書いた「マルコムズ・ゴーン」、

暗殺されたマルコムXを唄っています。1969年ヌー・ヨークでの実況録音です。

 

M08.Malcom’s Gone(8’45”)Leon Thomas

-P.Sanders-  BMG BVCJ-37317

 

N  「マルコムズ・ゴーン」、リオン・トーマスでした。感動的な仕上がりですね。終了部分で

客席から自然に拍手、歓声が沸き起こる醍醐味、感じて貰えたかな。哲学的

鍵盤奏者ロニー・リストン・スミスが参加しているのもこの雰囲気には寄与してるので

しょう。作者ファラオ・サンダーズの代わりにサキソフォーンを吹いて居るのはジェイムズ・

スポルディングで、サン・ラーの処にも居たそうです。クセ者が集まってますね。

 

M09.Um, Um, Um(1’42”) Leon Thomas

-L.Thomas-    BMG BVCJ-37317

 

N  前作と変わって2分足らずの短尺で「有無、有無、有無」。同じくリオン・トーマ

スでした。

この「ウム、ウム、ウム」は、カーナビーツもカヴァしたカーティス・メイフィールド作のダンス曲と

は別の歌です。異様に短いのも収録後に摘ままれているからで、本編はもっ

と長い筈。

リオン・トーマスは先々週お話ししたH.ラップ・ブラウンと共同名義で1枚アルバムを出し

ています。学生非暴力調整委員会(Student Nonviolent Codinating Committee)

での演説が殆どで、これまた各トラックが非常に長い。更にはマイクロフォーン設定が不

完全だったり、アナログ・テイプの転写があったりして聞き辛い録音ですが、「アフリ

カ、ラテンアメリカだって自由にしなければならない」と強固に主張するラップ・ブラウン

には迫力があります。この頃はストークリー・カーマイケルに代わってSNCCの委員長だっ

たのでは無いでしょうか。その長い演説の途中、そろそろ飽きが来る後半に、

先の「ウム、ウム、ウム」の断片が差し込まれて来て、ちょっと面食らうのです。

多分それなりの意図ある編集なのでしょうが、わたしにはその理由までは分

かりません。

これはアマゾンの配信で購入した物で、ジャケットがありません。同サーヴィスは「10

月からアイ・チューンズへの対応を停止した」とかで、ファイルを探し出すのに苦労し

まして、こうやってお届けするまでに結構な手間がかかったのです。詳しい

人間のとこにPCを持って行ってね。そしたら30秒で解決してしまって、恥

ずかしかったな。でももう大丈夫。とは言え、わたしはやっぱり盤の現物が

いいな。録音詳細も付いているし。

ではまた長尺ですが、覚悟して聞いて下さい。

ラップ・ブラウンで「SNCCでの演説 第四章」。

 

M10.H. Rap Brown Part IV SNCC’s Rap(10’10” )H. Rap Brown Leon Thomas

-H.R.Brown, L.Thomas-  Flying Dutchman / Amazon

 

M11.ウー・シュー・ヒィ゙・ドゥ・ビィ(2’33”)ジョー・キャロル 

-J.Carroll, B.Graham-   エピック / ソニー ESCA 7766

 

N  はい、ラップ・ブラウンで「SNCCでの演説 第四章」、お疲れさまでした。耳休め

にお届けしたのはジャイヴ歌手ジョー・キャロルで「ウーシュビドゥビ(ドゥ、ウ)」。彼の自作

曲です。リオン・トーマスは子供の頃にジョー・キャロルの唄から閃きを貰ったと言います。

ジョー・キャロルはやはりジャイヴ好きなトラムペッター、ディジ・ガレスピのバンドでヴォーカ

リストを務めた男。一時はジョー・ビバップ・キャロルとも呼ばれ、器楽奏者が自由に

旋律を解体していく様を見て「俺は同じ事を唄でやってやる」と挑んだ勇気

ある者です。リオン・トーマスが感じた閃き、分かりますね。

では1956年にレイ・ブライアントと吹き込んだアルバムから、

ジュリー・ロンドンの旦那だったボビー・トゥループの作品で「ルート66」。

 

M12.ルート66!(4’03”)ジョー・キャロル

-B.Troup-  エピック / ソニー ESCA 7766

 

M13.We All Gotta Stick Together(3’50”)フォー・トップス

-L.Payton, R.Knight, F.Bridges, R.Beasley-  BSMF-7569

 

N  ジョー・ビバップ・キャロルの「ルート66」に続きましては、こちらも連続企画で

ダンヒル時代のフォー・トップスです。今の1曲は1975年の「ウィ・オール・ガッタ・スティック・

トゥゲザー」でした。

モータウンでは常にリーヴァイ・スタブスの泣き節を前面に出して、後はH-D-Hの「ザ・

サウンド・オヴ・ヤング・アメリカ」。女性のバック・グラウンド・ヴォーカルが加えられる事も

普通でしたから後の3人のメムバは「その他大勢」的存在でしたが、ダンヒルに移

籍してからはリードを持ち回ったりして、4人のヴォーカル・グループである事を強調

していました。今の「ウィ・オール・ガッタ・スティック・トゥゲザー」も、リーヴァイの声では

なかったですね。

R&Bがソウル・ミュージックへと変わっていくこの時代、フォー・トップスは思い切った

脱皮を図る事が出来ませんでした。かつての競合者テムプテイションズが時代感覚を

上手く反映した企画で常に先頭を走っていたのと対照的です。それでも、大

きな事を言わずに個人的な身近な出来事を歌い続けた4人のヴォーカル・グループ

は、今回紹介しているダンヒル時代も含めて不滅でしょう。

 

N14.Look At My Baby(3’44”)フォー・トップス  

-R.&V.Benson-  BSMF-7569

 

N  1976年のアルバム『キャットフィッシュ』から「ルック・アット・マイ・ベイビイ」でした。ジョー・

サイモンと同じく僅か数曲でおさらいしたダンヒル時代のフォー・トップス、少しでもこの

ヴォーカル・グループの、モータウン時代とは違う魅力を感じていただければ、嬉しいと

ころです。

とは言え、やはりリーヴァイの泣き節は余人をもって代え難し。正直なところ

改めてそう感じました。これ言っちゃダメかな。最後は元々ジャズ系のヴォーカル・

グループだった事を証明するかのように気持ちの良いスウィング感を聞かせてくれ

ます。

1975年のヒット曲で「セヴェン・ロンリー・ナイツ」。

 

M15.Seven Lonely Nights(2’56”)フォー・トップス    

-J.R.Bailey, K.Williams, R.Clark-  BSMF-7569

 

M16.Tonight I’m Gonna Love You All Over(4’37”)Four Tops

-M.Williams, R.Ferguson-  Motown / Universal 80000488-02

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  フォー・トップスは、1981年にカサブランカ・レイベルから「ウェン・シー・ヲズ・マイ・ガール」

で鮮やかに復活します。これは嬉しかったですね。同時に芸能の世界で長く

第一線に留まる事の厳しさを痛感も致しました。その時のアルバムから2枚目の

シングルとして切られた「トゥナイト、アイム・ゴナ・ラーヴ・ユー・オーヴァ」です。これも

素晴らしく良かったな。

新聞記事で見た知らせ。

『キャッチ・ウェイヴ』の小杉武久が10月12日に亡くなりました。享年八十。

わたしは彼の音楽をそれ程知っていた訳ではありませんが、70年代初頭の

全てが釣り合いを失なっていたこの国の最前線で狂奏したタージ・マハル旅行団の

首謀者、小杉武久には一目を置いております。その思想は現代の渋さ知ラズに

受け継がれている部分もあるでしょう、と想像します。彼の作品から紹介を、

とも考えましたが、手元にある『キャッチ・ウェイヴ』は、これまたLPの片面1枚

が1曲になっていてとてつもなく長い。KCの番組に侵入しちゃいます。特に

今朝は長尺物が多かったんで、遠慮しました。改めて合掌です。

あー、手を合わせる事が多いなあ。

さて今日と明日は「ライヴ・マヂック」です。わたしも出かけます。目当ては・・・。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所にあります。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/8f6cc3155dac63b42d21f67ddc1c91d72d5bcf5a

   ダウンロードパスワードは、gjg0rku7

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/10/13

mb181013

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲでございます。気持ち良く肌寒い、この

位の気候がわたしは一番好きです。

先週のジャケット写真一覧からある一枚が漏れていました。何も今に始まった

事ではなく、厳しく観察していれば頻繁に起こる不祥事ですが、今朝は自ら

の過失を反省いたしまして、その盤からもう1曲お届けします。

『ザ・ワイルド・ワンズ・アルバム』から「帰らぬ舟」。

 

M01.帰らぬ舟(3’22”)ザ・ワイルドワンズ

-K.Yasui, K.Kase-  東芝 TOCT-8703

 

N  ザ・ワイルド・ワンズで「帰らぬ舟」でした。再発のCDでお送りしました。

森岡賢一郎の弦編曲が秀逸で御座います。この主人公は、嵐が来そうな海

へ漕ぎ出した恋人を心配して浜で待つ女性を第三者として想い慕ってこの歌

を唄っているのでしょうか。その「恋人」は主人公の先輩かもしれない。複

雑な人間関係が浮かび上がります。聞くたびに51年前の少年ワツシイサヲは考えて

いたのでした。

1967年6月にLPの形で出た『ザ・ワイルド・ワンズ・アルバム』は、当時ベイス担

当の 島英二にイカれていた姉が買いまして、家にありました。ジャケット表が赤

いニッサン・シルヴィアにまだ4人だったメムバがアイヴィの装いで寄り掛かっている、な

んとも明るく健全な写真。裏は6台しか造られなかったコブラ・フォード・デイトナ・

クープを、胸にヴァン・ジャケットのエムブレムが縫い付けられたレイシング・スーツの4人が囲

んでいます。67年当時最先端の風俗でしょう。特選自動車用品店、千葉市川

の式場病院理事の式場壮吉がする経営「レーシング・メイト」も撮影協力していたん

じゃないかな。

内容はこれまでのシングルA面2曲、勝負を賭けた3枚目の「夕陽と共に」を

加え、他は書き下ろしのオリジナル曲。それも詞曲はメムバによるものばかり。「帰

らぬ船」が安井かずみ、もう1曲「ひとりぼっちの渚」を岩谷時子が書き、

弦を中心とした編曲は、ご存知森岡賢一郎という当代一流の人たちも関わっ

ていますが、何より加瀬邦彦、ワイルド・ワンズの主体性が強く伝わって来る点が

出色です。

その頃ここまで創造的なオリヂナリティを持っていたグループ・サウンズは他になか

ったでしょう。アルバムといえば、シングル曲に洋楽ヒットの安易なカヴァでお茶を濁し

たような物ばかりで、内実が全く伴っていませんでした。翌年発売のザ・タイガ

ーズ『ヒューマン・ルネサンス』は統一概念を持ったアルバムと評価されましたが、これは

時流を読んだ渡辺プロダクション主体の企画で、業界人の「お仕事」ですから、「愛、

自由、平和」を主張する根拠も怪しいものです。そういった中で、この『ザ・

ワイルド・ワンズ・アルバム』は圧倒的であります。

しかし67年夏にワイルド・ワンズの加瀬邦彦が目指していたのは生まれて間も

ない「フォーク・ロック」という理解して楽しむのにはある程度の知性を必要とする、

新しくも比較的地味な音楽領域だったために、先に述べたような秀でた個性

もあまり大向こうウケは得られませんでした。何よりもワイルド・ワンズにはGSの

バカ馬鹿しさが不足してましたから。

それでもこの『ザ・ワイルド・ワンズ・アルバム』は、私の中で51年間という時を

超えて輝き続けています。その中から「帰らぬ舟」でした。1曲めから随分話

しましたね。

さて次も来週からの話題、ジョー・サイモンです。彼についてわたしは詳しくあ

りません。それで今回のヒット集2枚組は全貌を摑むいい機会になると思ったの

ですが、わたしにとっては重要な、これに入ってなかった1曲の入手に時間

がかかりまして、ジョー・サイモン解剖は来週以降に延期いたしました。ご了承下

さい。とは言いましても、今朝も1曲お届けします。

1969年のヒット曲、「チョーキン・カインド」。

 

M02.The Choking Kind(2’42”)Joe Simon

-H.Howard-  BSMF 7570

 

M03.Ain’t No Woman Like The One I’ve Got(3’04”)ザ・フォー・トップス 

-D.Lambert, B.Potter-  BSMF 7569

 

N  なぜか復活以降のエルヴィス・プレズリを連想させるジョー・サイモン「チョーキン・カインド」。

てっきりエルヴィスも唄ってると思ってましたが、調べてみても何処にもありま

せん。イントロで、白いジャムプ・スーツが浮かんじゃうのは何故だろう。誰方か何

か・・・。

続けましたのはザ・フォー・トップスの「エイント・ノー・ヲーマン・ライク・ザ・ワン・アイヴ・

ガット」1972年のヒットですが、日本ではもう少し後かな。大分長い間に亘って

聞き続けられていました。

そのフォー・トップスのダンヒル / ABC時代の作品集も2枚組で出ます。彼らの絶

頂は何と言っても栄光のモータウン時代です。その功績があまりにも偉大なので、

その後移籍したダンヒルでの活動はほとんど無視されていました。事実は冷酷で

あります。

わたしは彼らによってヴォーカル・グループ好きになった、とも言えるのですが、

この時代をしっかり記憶しているかと言うと、自信がありません。ですから

この2枚組はとてもありがたい。今のような名曲がありましたし。

次の1曲も覚えていますね。1974年のヒット「ミドナイト・フラワー」。

 

M04.Midnight Flower(3’31”)ザ・フォー・トップス

-M.Jackson, R.Dozier-  BSMF 7569

 

M05.Ask The Lonely(2’44”)The Four Tops 

-W.Stevenson, I.J.Hunter-   Motown B0000488-2

 

N  もっとレゲのアクセントが強かったような記憶の「ミドナイト・フラワー」、そして1965

年、栄光のモータウン時代の「アスク・ザ・ロンリー」、ザ・フォー・トップスでした。

これはモータウン初期のA&R責任者、ベリー・ゴーディ・ジュニアの片腕として多大な

貢献をしたウイリアム・ミッキー・スティーブンスンが、アイヴォリーではなくて、アイヴィ・ジョー・

ハンターと書いた歌です。フォー・トップスはソングライター・プロデューサー三人組のブライアン・ホラ

ンド、ラモント・ドヂャー、エドワード・ホランドが専任制作担当として付き、見事な成功

を納めていましたが、ミッキーの作品も唄っていたんですね。

でもミッキー・スティーブンスンと言えば、何と言ってもこれでしょう。

マーサとヴァンデラスです。「ダンシン・イン・ザ・ストリート」。

 

M06.Dancin’ In The Street(2’38”)Martha Reeves And The Vandellas  

-W.Stevenson, M.Gaye I.J.Hunter-  Motown 530 230-2

 

N  マーサとヴァンデラス、永遠の「ダンシン・イン・ザ・ストリート」でした。マーサはミッキー・スティ

ーブンスンの秘書だったそうです。唄い手志望でモータウンに勤めていて、マーヴィン・ゲ

イのバック・グラウンド・ヴォーカルも担当していました。そこから自分の名前を冠し

たグループで世に出られるようになった訳です。

これは1964年の大ヒット曲。飛ぶ鳥を落とす勢いだったモータウン行進曲でもあり

ます。わたしにとっては「探していたパーフェクト・ビート」曲のひとつです。ここ

で試された錬拍法は制作担当者ミッキー曰わく「企業秘密」なんだそうですが、

ドラムズに鍵がありそうです。2拍目4拍目で打ち鳴らされるハイハット、シムバル、ス

ネア、タムバリンの混ざったような音は80年代に流行ったクラップ・マシーンと全く同じ

響きです。冒頭でマーサは「新しいビートよ、あんた大丈夫かしら」と呼びかけて

アジります。「待ってました」と応えましょう。

こう言うダンス物はミッキー・スティーヴンスンの得意とするところ。次の1曲もどうぞ。

「俺みたいにジャークを踊れるかい」、ザ・コントゥアーズ1962年のヒットです。

 

M07.Can You Jerk Like Me(2’29”)The Contours

-W.Stevenson, I.J.Hunter-   Motown / Universal 544 259-2

 

M08.What Becomes Of The Brokenhearted(3’01”)Jimmy Ruffin

-W.Weatherspoon, P.Riser, J.Dean-    Motown  374636312-2  prd.

 

N  「キャン・ユー・ジャーク・ライク・ミー」ザ・コントゥアーズ、そしてジミー・ラフィン1966年の

名曲「ワット・ビカムズ・オヴ・ザ・ブロークン・ハーテド」でした。ここではミッキーは曲作

りには関わらず制作だけを担当しています。これには何か邦題が付いていま

せんでしたか。この原題のままでヒットは無理だなあ。

さてフォー・トップスに始まって、ここまでウイリアム・ミッキー・スティーブンスン絡みの楽曲

を聞いて頂いたのには、ワケがあります。それはミッキーのソロ・アルバム『ヒア・アイ・アム』

のCDを中古レコード店で見つけたからです。「こんなのを出してたのか」と、

正直とても驚きでした。1972年発表のそのLPにはこんな歌のカヴァが入って

いて、これも非常に意外です。

 

M09.Rocky Racoon(3’23”)Mickey Stevenson

-J.Lennon, P.McCartney-  Fantastic Voyage  FVCD009

 

N  先月の動物愛護週間にケモノ歌を少し集めてお届けしたときの「山狸」、ザ・ビ

ートルズと言いますか、ポール・マカートニの「ロキー・ラクーン」でした。この歌のカヴァを

聞いたのは初めてです。しかも黒人のミッキー・スティーブンスンが唄っているんです。

MGMから出たこのアルバムは表に「60年代のモータウンのプロデューサー」と栄光の肩書

きが添えられていますが、全体はいわゆるモータウン風な音ではないですね。ミッキー

は60年代初頭の黒人音楽制作者としては例外的に幅広い音楽性を持っていま

した。サンフランシスコでスライ・ストーンとも親交があった位で、いわゆるそれ迄の旧態依

然R&B派じゃないんです。だからこそ画期的な「ダンシン・イン・ザ・ストリート」を

体現化出来たのでしょうけれど、このソロ作品でそれまでの領域を超えていく

感覚が随所に感じ取れます。その現れがこの「山狸」でしょうか。そもそも

『ホワイト・アルバム』を聞いてたって事実が、わたしには素直に納得出来なかった。

ウイリアム・ミッキー・スティーブンスンは当初唄い手としてモータウンの扉を叩きましたが、社

長ベリー・ゴーディ・ジュニアの「A&Rマンが欲しいんだよ」という言葉を聞いて、「A&R」

が何を意味するかも知らないというのに、「俺の他に誰がいると言うんだ」と

強引にその仕事に就いた男です。その判断は間違っていませんで、このよう

にたくさんの成功例があります。が、やはり歌手志望だった本性はこのソロ作

品の「唄」によく出ていて、このソロ・アルバムも「裏方のご挨拶」と言うよりは、

かなりの演出を自ら施して唄っています。その基調がR&B唱法であるのはご

愛嬌ですね。

ではそんな出自がよく分かる一曲、「ゴナ・ビ・オールライト」。

 

M10.Gonna Be Alright(3’17”)Mickey Stevenson

-M.Stevenson-   Fantastic Voyage  FVCD009

 

N  「ゴナ・ビ・オールライト」、ウイリアム・ミッキー・スティーブンスン1972年発表のソロ・アルバム『ヒ

ア・アイ・アム』からお届けしました。ミッキーは67年にモータウンを離れます。MGMに

引き抜かれたんです。その頃、世界のレコード産業はヒット連発の「ザ・サウンド・オヴ・

ヤング・アメリカ」、モータウンの唄い手、制作者に注目していましたから、ベリー・ゴーデ

ィ・ジュニアより良い条件の引き抜きが表面化していました。モータウン初期のA&R

責任者、ベリー・ゴーディ・ジュニアの片腕として多大な貢献をしたミッキーに声が掛か

ったのも当然でしょう。

その時にモータウンから一緒に連れて出たのが、女性歌手のキム・ウェストン。彼らは

婚姻関係にもありました。キム・ウェストンと言えばマーヴィン・ゲイとのデューオでも知ら

れています。ミッキーはマーヴィンのモータウン時代の初期から付き合っていましたから、

そこで関係が出来たのかも知れません。またその頃のマーヴィンとミッキーの唄い方

には沢山の共通点があります。切なく絞り出す高い声、突然放り出すような

掛け声など、どちらがどうだとは、分かりません。相互作用でしょうか。

ではウイリアム・ミッキー・スティーブンスンが書いて制作、キム・ウェストンとマーヴィン・ゲイの唄

でヒットした「イト・テイクス・トゥ」を聞いてください。1966年末に発売されていま

す。

 

M11.It Takes Two(2’59”)Marvin Gaye & Kim Weston   

-M.Stevenson, S.Moy-  Motown 3746352462

 

M12.Oh Not My Baby(2’36”)Maxine Brown

-G.Goffin, C.King-  Varese Sarabande 302 066 378 2

 

N  キム・ウェストンとマーヴィン・ゲイの「イト・テイクス・トゥ」でした。ここまで、偶然にソロ・

アルバムに出会ったウイリアム・ミッキー・スティーブンスンについて、しばらくお話ししました。

それに続けましたのは、「オウ、ノット・マイ・ベイビー」、マキシン・ブラウンの、これが

オリヂナル・ヴァージョンですね。これまではロド・ステュアート、アリーサ・フランクリンでよく聞い

ていました。マキシンのは初めてではありませんが、持ってはいなかった。25曲

入りのベスト盤からです。

ここには彼女の代表曲が並んでいます。その中に、これまた意外な1曲が

ありました。殆どの方はキング・カーティスのサキソフォン・ブロウでご存知でしょう。歌詞

が付いたヴォーカリーズ仕様もあったのですね、知らなかった。

「ソウル・セレネイド」です。

 

M13.Soul Serenade(2’39”)Maxine Brown   

-C.Ousley, L.Dixson-  Varese Sarabande 302 066 378 2

 

N  マキシン・ブラウンで「ソウル・セレネイド」でした。1967年の吹き込みで。ルーサー・ディク

スンが言葉を載せています。この手の歌曲となったR&B器楽曲としては、「ソウ

ルフル・ストラット」改め「グルーヴィー・シチュエイション~ハマった関係」というのがありますね。

ヴォーカライズ、器楽曲の歌曲化というのは、高度な言語感覚、旋律感覚が必要で、

天才ジョン・ヘンドリクスがその頂点に居ます。歌曲「ソウル・セレネイド」、如何でしたで

しょうか。

このマキシンのベスト盤は、収録楽曲の作家陣がけっこう豪華です。先のゴフィン=

キングでしょ、アシュフォード・アンド・シムプスン、ヴァン・マッコイ、デイヴィド=バカラックなど錚々

たる顔触れ。そこに混じって、この人の作品もありました。オーティス・レディング

です。

 

M14.Slipping Through My Fingers(2’18”)Maxine Brown    

-O.Redding-  Varese Sarabande 302 066 378 2

N  マキシン・ブラウンでオーティス・レディング作の「スリッピング・スルー・マイ・フィンガーズ」でした。

オーティスは喉の手術後、飛行機事故で亡くなる直前まで、自らの活動範囲を積極

的に拡げていました。充分以上に分かり合えていたたスタックス以外でセッションを行

ったり、他人の制作を手掛けたりもしました。

マキシン・ブラウンの「スリッピング・スルー・マイ・フィンガーズ」もそのひとつ。マキシンの所

属していたワンド・レコード主導で、オーティス・レディングに彼女を預けてみようという

企画が持ち上がり、「スリッピング・スルー・マイ・フィンガーズ」ともう1曲「ベイビー・

ケイクス」をマスルショールズで録音したのです。共に書き下ろし。その後両者は実演で

も付き合ったりして、長い関係を希望していたのですが、あの事故でそれっ

きりになってしまいました。「スリッピング・スルー・マイ・フィンガーズ」の終了部が

きちんと処理されていないのは、実に思わせぶりです。

さて話はウイリアム・ミッキー・スティーブンスンに戻ります。彼のソロ・アルバム『ヒア・アイ・アム』

には他に興味深い題名の曲がありました。「40日と40夜」というのがそれで、

わたしは即座にマディ・ヲーターズのあの歌を思い浮かべ、「ミッキーはストレイト・ブルーズ

も好きなんだ」と勘違いしたのですが、こちらはカントリー調の全く別物でした。

そもそもこの言葉、聖書ではジーザス・クライストが修行のために飲まず食わずで過

ごした苦難の期間だそうで、「40」という数はキリスト教の「数霊」の一つと

も言われています。ミッキーの歌の中では「長い辛い時間」というような意味で

用いられています。「人の噂も七十五日」や「嘘八百」の数量と同じですね。

「北京の55日」というのもあったなあ。これは違ったか。

 

M15.Forty Days Forty Nights(3’10”)Muddy Waters

-B.Ritch-  Chess / MCA  CHD-92522

 

M16.Mo Jodi(3’49”)デルグレス

-P.Danae-  PIAS / ホステス JV570160J

 

N  マディ・ヲーターズ、アルバム『ファザーズ・アンド・サンズ』から「フォ-ティ・デイズ、アンド・

フォーティ・ナイツ」でした。ここでも「長い苦しい間」として「40日と40夜」が

使われていました。ポール・バタフィールドのハーモニカが少しうるさかったですね。憧

れのマディと一緒に出来るのが嬉しくてたまらない感じです。

それに続けたのが、デルグレスの「モージョディ」。8月末に発売された最新アルバム

の表題曲です。彼らは新進気鋭のカリブ海はリーワード島出身の3人組。ドラムズと

ギター、ここまでは良い のですが、あと一人がサクスフォーンという変則編成。今の

ようにテューバが低音部を受け持つこともあります。言語はフランス語。カリブ諸国は

統治時代の名残りでフランス語を使う国がまだ多く、ちょっと前までだったら英

語を公用語とするのは、ジャメカ、バルベイドス、トリニダード、ドベイゴの4カ国、こ

れらは「キャリコム」として連帯、通関などで便宜を図り合っていました。今キャリコ

ムと言うとは中米のもっと大きな繋がりですが、以前のキャリコムが拡がったもの

かどうかは不明です。

デルグレスの中心人物パルカス・ダナエはカリブを脱出してオランダに亡命しアムステルダムに

住んでいた経歴があり、そんな処から世の中に対する主張も明確です。お聞

きのように響きは独特。しかもフランス語が絡む事によって、更に特別になって

います。その底に流れているのは、ブルーズ。世界の共通言語としてブルーズが

機能している姿をここに確かめられます。ダナエはこの音楽によって、自らを

解放できたそうです。

 

M17.The Promise(0’20”)デルグレス

-non credit- PIAS / ホステス JV570160J

 

M18.MR President(3’34”)デルグレス

-B.Brondy, R.&P.Danae –  PIAS / ホステス JV570160J

 

N  デルグレスで、インストゥルメンタルという特記が付いた「ザ・プロミス」、そして切実に迫

った「ミスタ・プレジデント〜権力を握っている支配者への問いかけ」でした。彼

らの最新アルバム『モージョディ』は力作。来週以降も聞いて貰いましょう。

次も3人組。こちらはアップライト・ベイスとギター2本の編成。アルバムでは全曲ドラ

ムズが入っていて、3人と並列にクレジットされていますが、写真は3人だけです

から、メムバではありません。なんせ「デヴィル・メイクス・スリー」というのがグループ

名ですから。ベイスのルシア・トゥリーノは女性で、北米先住民族インディアンのような顔立

ちです。キャリフォーニァのサンタ・クルスで結成されて、もう10年以上のキャリアがあります。

今回の新譜は品質保証のレイベル「ヌー・ウエスト」からです。カントリーと大きく括る事

が出来なくもありませんが、どこかで聞いたような親しみやすいリフの裏に

沢山の複雑な要素が絡み合った味わいの深い音楽です。

静かに始まります 奥行きのある音です。「オール・イズ・クワイエット」。

 

M19.All Is Quiet(5’03”)The Devil Makes Three   

-P.Bernhard-  New West NW625

 

M20.ダム・ナム(Ain’t Goin’ To Vietnam)(4’47”)レオン・トーマス

-L.Thomas-  BMG BVCJ-37317

 

N  ちょっとテムポーを変えましょう。リオン・トーマスで「ダム・ナム」、「狂ってると思うか

もしれないけど、俺はヴィエトナムなんか行かないぜ」でした。

かつてサンタナに在籍して一躍有名になったリオン・トーマスは、ジャズ・ヴォーカリストの

ひとりではありますけれど、その表現法は独自のものです。節も言葉も全く

自由に編み出されたもので、ちょっとアブストラクトでもあります。女性なら甘く

切ない愛の歌をリパトゥワにしていれば許されるジャズの唄い手でも、男性の場合

は更に踏み込んだ表現をしたくなるのでしょうか。今の「俺はヴィエトナムなんか

行かないぜ」でお分かりの通り黒人意識に支えられた主張が随所に見られ、

なかなかのクセ者である事が分かります。

その彼が当たり前の「A列車で行こう」をどう唄ってOKとしたか、聞い

てみましょう。

 

M21. A列車で行こう(2’08”)レオン・トーマス

-B.Strayhorn-  BMG BVCJ-37317

 

M22.Everyday I Have The Blues(5’30”)Jo Williams    

-P.Chatman, M.York-  Jazz Image 38040

 

N  「A列車で行こう」、リオン・トーマスでした。そして同じくジャズ・スタンダードの

「エヴェデイ・アイ・ハヴ・ザ・ブルーズ」、こちらは『ジョー・ウイリアムズ・シングス、カウント・

ベイシー・スイングス』という素敵な題名が付けられた1955年録音のアルバムからでし

た。フレディ・グリーン、サド・ジョーンズ、フランク・フォスターが居た黄金期のベイシー楽団。

ユーモアたっぷりな編曲も良かったですね。終了部分でジョー・ウイリアムズがファルセトーを

ずっと伸ばしていたの、聞こえましたか。こういう所でそっと「ザマア見ろ」

をやるんですね、技術巧者は。粋です。

ジョー・ウイリアムズとベイシー楽団、もう1曲聞きましょう。

これもよく知られた「ティーチ・ミー・トゥナイト〜今夜教えて」。

 

M23.Teach Me Tonight(3’06”)Jo Williams 

-S.Cahn, G.DePaul-  Jazz Image 38040

 

M24.Skin In The Game(3’50”)Jon Cleary

-unknown-  BSMF 2623

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N モーニン・ブルーズ、今朝の最後はジョン・クリアリーで「スキン・イン・ザ・ゲイム」でした。

来週は彼の実演が見られます。10月20日、21日東京恵比寿のガーデン・プ

レイス。初日は彼の単独演奏、二日目はトリオです。どちらも楽しみですが、私は

特にソロが聞きたいですね。「ピーター・バラカンズ ライヴ・マヂック 2018」です。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/875c3c1ed0b06d2b86707847eaf2b9462af9ab99

  ダウンロードパスワードは、0vgv5if0です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

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【幻】モーニン・ブルーズ 2018/10/06

mb181006

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  10月に入って初めてのアサーです。毎週台風に襲われる日本列島。毎回「これ

までにない大型規模」という呼称で紹介されて25号。しかも農作物の収穫期

を狙ったようにやってくる暴風雨。いまいましい事まったく限り無し。せめ

て皆さまどうかご無事で。

楽しい事もまだまだあります。今月20日、21日に行われるライヴ・マジックも

そのひとつ。そこでの演奏に期待の集まるジョン・クリアリーの新譜、来日記念盤で

すね。そこから、

「ダイナ-マイト」。

 

M01.Dyna-Mite(4’21”)John Cleary

-unknown-  BSMF-2623

 

N  いい感じ、です。ジョン・栗蟻「ダイナ-マイト」。今月のライヴ・マジックでわたしはソロ

のステイジを楽しみにしています。

次も、ジョンの実に秀逸な感覚が光ります。スロウ・ソングですよ。

「『わたしのあの人』を唄う21世紀の放浪者」

 

M02.21st Century Gypsy Singing Lover Man(6’24”)John Cleary

-T.Mahal-  BSMF-2623

 

N  ライヴ・マヂックが楽しみですね、ジョン・クリアリ。「トゥエンティファースト・センチュリ・ジプシ・

シンギング・ラヴァ・マン」、いい唄でした。

 

M03.Hey Mr. Pinetop Perkins(3’29)Pinetop Perkins feat. Angela Strehll

-unknown-  BSMF  7023 9

 

N  今のは「ヘイ、ミスタ・パイントップ・パーキンズ」、先月に再発されたパイントップ・パーキ

ンズ2004年発表のアルバム『レイディーズ・マン』からです。ここでは各曲にそれぞれ

大勢の女性歌手を据えて唄わせています。それぞれがパイントップへの尊敬があ

るからでしょうか、コミュニケイションがとてもうまく行っている感じです。今のヴォー

カルはアンジェラ・ストリールでした。

次はマデリーン・ペルーです。2004年ですと、彼女がまだそんなに知られていな

かった頃ですね。ベッシー・スミスの持ち歌だった「ヒーズ・ガット・ミー・ゴーイン」。

 

M04.He’s Got Me Goin(3’38”)Pinetop Perkins feat.Madeliene Peyroux

-Gray-  BSMF  7023

 

N  「ヒーズ・ガット・ミー・ゴーイン」、パイントップ・パーキンズ、唄はマデーリン・ペルーでした。

パイントップ・パーキンズは1913年の生まれで、2011年に亡くなっています。60

年代後半にオーティス・スパンの後釜でマディ・ヲーターズのバンドに居た事で知られてい

ますが、有名な生演奏ラジオ番組「キング・ビスケット・タイム」にレギュラー出演していた

他の豊かな経歴を持っているブルーズ第一世代のひとりです。サム・フィリップスのサ

ン・レコーズでパイントップ・スミスの「パイントップ・ブーギー」を録音して以来「パイントップ」

と呼ばれるようになり、パイントップ・パーキンズと名乗るようになったそうです。

初代の許諾を貰っていたかどうかは分かりません。

では2004年版の「パイントップ・ブーギー」を聞いて下さい。

 

M05.Pinetop’s New Boogie Woogie(4’30”)Pinetop Perkins feat. Marcia Ball

-P.Perkins-  BSMF  7023

 

N  「パイントップズ・ヌウ・ブーギー・ウーギー」、パイントップ・パーキンズでした。これには

マーシャ・ボウルが参加していますが、唄ではなくてピアノ、それも二台の連弾です

ね。冒頭でパーキンズに話しかけて、最後のコーラスに入るところで「これで終わり

よ」と声を上げているのが彼女です。

わたしは彼女が2003年にアリゲイタから出したアルバム『ソウ・メニ・リヴァーズ』がと

ても好きで、一時期こればかり聞いていました。今回このパイントップのアルバムで

名前を目にして、久しぶりにそのアルバムを聞きました。やっぱり良かったです。

あまり、というかほとんど知られていないマーシャ・ボウル、少なくともわたしは

他所で名前を聞いた事がありませんが、彼女の事ご存知でしたか。

ではその『ソウ・メニ・リヴァーズ』からお聞き下さい。

「フォアクローズ・オン・ザ・ハウス・オヴ・ラーヴ」、マーシャ・ボウルです。

 

M06.Foreclose On The House Of Love(4’46”)Marcia Ball

-J.L.Sanders-  Alligator  ALCD 4891

 

N  鰐が踊り出しそうなヌー・オーリンズ調で「フォアクローズ・オン・ザ・ハウス・オヴ・ラーヴ」、

マーシャ・ボウルでした。テキサス州オレンヂ郡出身という正しい血統の彼女はずっとオーステ

ィンに住み音楽活動を続けています。その容貌も含め、わたしにはとても素敵

な女性に映ります。今の「フォアクローズ・オン・ザ・ハウス・オヴ・ラーヴ」、その前の「パ

イントップズ・ヌウ・ブーギー・ウーギー」で分かるように、明るくて元気でね。こんな

人が当たり前のように演奏しているテキサスという土地は羨ましいですね。

もう1曲マーシャ・ボウルを聞いて下さい。

今度はスロウ・ソングです「ザ・ストーム」。

 

M07.The Storm(4’46”)Marcia Ball

-M.Bell-  Alligator  ALCD 4891

 

N  「幻」モーニン・ブルーズ2018年10月の第一回放送、今朝はなぜかピアノ弾きの

音楽でここまで来ました。ならば、先週もお届けしたプリンスのピアノ・アルバムか

らお届けしましょう。最後に収められているこの一曲です。

「ワイ・ザ・バタフライズ」。

 

M08.Why The Butterflies(6’27”)Prince

-Prince- Warner Bros. 603497861293

 

N  「ワイ・ザ・バタフライズ」、プリンスのピアノ・アルバムからでした。張り詰めた空気感

が実にプリンスらしい。ただ、ずっとこんな雰囲気の中にいたら神経が切れてし

まいそうです。わたしには無理だなあ。今の6分半だって、ひとりで悶えて

集中し続けるのは並大抵の事ではないでしょう。このピアノ作品集は、このアルバ

ムために改めて録音された、という話を耳にしました。ならば尚更だ。プリンス

はこういうところが違ったのですね。

今の「ワイ・ザ・バタフライズ」、先週お届けしようとしたのですが、時間の都合

で今朝のご紹介となりました。本来は「バタフライズ」で、次の音楽に繋げよう

としていたのです。

 

M09.バタフライズ / アイ・リメンバー(2’09”)ニッキ・ジヨバンニ

-N.Giovanni, A.Mardin-  WPCR-27520

 

N  ニキ・ジヨバンニで「バタフライズ / アイ・リメンバー」、後にスタッフとなるコーネル・デュープリー、

リチ・ティー、ゴードン・エドワーズらのゆったりとした演奏が素晴らしかったですね。

二匹の蝶々がわたしの体に授けてくれた歓びの周りを舞っている・・・詩

人の言う事は難解です。このアルバム『ザ・ウェイ・アイ・フィール』で詠まれている詞

のすべては和訳本に掲載されているそうです。読んでみたい。手に入るかな。

ラジオ朗読のお話をしたら、ち冷えさんが松平定知の「徳川慶喜」を聞いた、

と伝えてくれました。わたしも先週末、台風情報を知るためにラジオを点けっ

放しにして寝ていたら宿敵「深夜便」の冒頭で朗読をやってました。村上春

樹が書きそうな、過剰な神経戦を展開する同棲生活者たちの物語だったので、

わたしには面白くなくてすぐに切りましたがね。

先週の「ヒップホップ前夜」では、北米政治における演説の重要性などにも触

れました。そんな折、自分の本棚に「ニガーよ、死ね」というまだ読んでいな

い古い一冊を発見。著者はラップ・ブラウン。手に取って読んでみました。

 

M10.Violence Is As American As Cherry Pie(0’31”)Rap Brown

– R.Brown –  Shout! D2K 37398

 

N  今のは「ニガーよ、死ね」の著者ラップ・ブラウンの「暴力はアメリカ人にとってチェリー・

パイみたいなものだ」という有名な演説の一部です。ラップ・ブラウンの「ラップ」

はヒップホップのラップ、喋りまくるという単語のラップです。古くから路上で行な

われていたダズンと呼ばれる罵り合いの言葉喧嘩が別格的に強かった彼に付

けられた愛称です。

ラップ・ブラウンは1960年代にNAG(非暴力行動グループ)の議長、SNCC(非暴力

学生委員会)の委員長を務めていました。70年に日本で訳本として出された

この「ニガーよ、死ね」は、「政治的自伝」と副題がついていて、彼の闘争史が

語られています。

彼の論理の基本は、北米の黒人は白人のために尽くし働いて生きる「ニグロ」

と自分たちで勝手にやる「ニガー」に大別される、という処にあります。「ニグロ」

は無意識のうちに人種差別を肯定しその中で一生を白人社会に捧げますが、

結局は搾取され続けて終わるのです。これは人種差別社会に限らず見られる

現象で、例えば先日の沖縄県知事選で敗れた佐喜眞淳候補は時の権力安倍晋

三に勘違いして擦り寄って利用され、最後には銃弾尽き刀折れ見捨てられま

した。初入閣なんて言ってはしゃいでるギーンさんたちも同じ様なもんだぜ。

世界中でこのような例は枚挙にいとまがありません。北米では肌の色と言う

分かり易い理由が差別の根拠ですから、余計に露わです。ラップ・ブラウンはそう

いった主体性を持たない惨めな存在を「ニグロ」と呼んでいます。

一方「ニガー」は白人社会に対するに報われない献身をせずに、自分たちの

流儀で権利も主張して生きる黒人たちですから、当然ながら最後は白人にな

ぶり殺されて終わります。「ニガーよ、死ね」と言うこの著作の題名は白人の誰

もが持っている意識を言葉にしたものですが、逆説的に自分たちの存在をも

否定する意味合いが感じ取れます。

全編かなり激しい口調で語られていまして、それが60年代に彼が生きてき

た北米の人種差別をはっきりと縁取ります。読むのがつらくなる程に酷い部

分も沢山あります。実際に今も特に警察官による暴力、発砲事件などを見聞

きすれば、この「差別」は根絶されていない事がお分かりでしょう。

先に紹介したラップ・ブラウンの語りは『ブラック・パワー』と言う2004年に出た

2 枚組CDからのトラックです。そこに録音詳細はないものの、これはこの著作

「ニガーよ、死ね」の最終章に収められている「デトロイトでの演説」からの抜粋

のようです。

ここでは

この国は暴力から生まれたのである。

暴力はチェリー・パイと同じようにアメリカ的である。

と綴られているのです。ほとんど同じ内容でしょう。彼は非暴力学生委員

会の代表を務めながら、「暴力は革命的な闘争の必要な部分である」と、それ

を否定せず、自身も銃を帯同していた事を語っています。革命のために暴力

を行使したかどうかは不明。

ここで「チェリー・パイ」と言う単語が用いられているのが、わたしは気になっ

ていました。辞書で調べると北米社会では「あって当たり前の物」の比喩で

 

使われるのだそうです。なるほど、合点が行きます。「アメリカでは暴力はあって

当然」 なのです。ただしこの「チェリー・パイ」、「シュガ」「ハネ」などと同じよう

に、愛しい人を例えて表現する場合にも用いられるのは、勿論で御坐います。

 

M11.Nothing Can Change This Love(2’36”)Sam Cooke

-S.Cooke-  RCA  PD87127

 

N  サビで「君はリンゴ、チェリー・パイ」と唄われるサム・クックの「ナッシング・キャン・チェインヂ・

ディス・ラーヴ」でした。ここでの「チェリー・パイ」がわたしの頭に引っ掛かってい

たのであります。

さてここからは、「ヒップホップ前夜」に引き続き「森岡賢一郎 編曲のツボ」の

復讐戦を行います。

まずはこれから。西田佐知子「涙のかわくまで」。

 

M12. 涙のかわくまで (2’39”)西田佐知子 

-S.Tsukada, H.Miyagawa-   ユニバーサル UICZ-6041

 

N  「涙のかわくまで」、西田佐知子でした。若干ブガルーを意識したリズムが心地

よく、弦と管のあしらい方はモロに森岡賢一郎流。中村晃子「虹色の湖」にも

通ずるこの手のエレキ歌謡でも彼の才能は冴えてます。いや、素晴らしい。

次は1960年後半に「作曲者不詳」のまま競作となってそれぞれが固有の詞、

編曲で競い合った「夢は夜ひらく」です。これは70年に発表された藤圭子の

その名も「圭子の夢は夜ひらく」が圧倒的ですが、初出は園まりの66年版で、

この編曲を森岡賢一郎が担当していました。トレモロの効いたエレキとヴォックス・オルガ

ン、そこに絡むヴァイブラフォーンが、「来ない貴方は罪な人」の寂しい情感を醸し出

しています。

 

M13.夢は夜ひらく(4’05”)園まり

-T.Nakamura, S.Tomita, K.Sone-  ユニバーサル UPCY 9286

 

M14.夢酒場(3’23”)内山田洋とクール・ファイブ 

-T.Araki, K.Suzuki-  コロムビア  COCP-35453/4

 

N  「夢は夜ひらく」園まりに続きましては、内山田洋とクール・ファイブ「夢酒場」

でした。前川清は、本当に唄が上手いね。しかも気持ち良く唄ってるのが伝

わって来ます。こういうオーソドックスな汎歌謡曲をきちんと仕上げられるのは、

音楽の基礎がしっかりしている証拠です。彼は特に楽器の特性、楽音の効果

を理解しているなあ。若干遊び風なサビ導入部のベイスの動きがいいですね。

さて、戦後の日本にはありとあらゆる西洋大衆音楽が流布して、制作陣も

それらに振り回されていた感があります。職業音楽家なら、一年を通してハワイ

アン、マムボー、ロカビリー、シャンソーン、サーフィンなどなどを上手に扱えなきゃなりません。

タンゴも一部から熱烈な支持を受けていました。「これがタンゴだ」というラジオ番

組がありましたね。何回か聞いた事があります。

森岡賢一郎も仕事の中で「タンゴ」を料理しています。奥村チヨの「思い出の

タンゴ」がそれですが、「なぜこれがタンゴ何だろう」と疑問が湧くほど、全くタン

ゴでないのが何とも言えません。

 

M15.思い出のタンゴ(2’32”)奥村チヨ  

-K.Katagiri, J.DeShannon-  ユニバーサル TYCN-60010/11

 

N  「思い出のタンゴ」奥村チヨでした。声量、パンチに溢れたこの頃の彼女、とても

素敵です。

さて、次は「予想屋」ムジ日野さんが上げてくれた1曲。わたしは知らなか

ったな。この盤は幡ヶ谷のツタヤかどこかで中古を手に入れたもので、冊子の表

1と表4以外が抜け落ちていました。ですので録音楽曲詳細が分かりません。

「予想屋」ムジ日野さんの情報を信用してお届けしましょう。

森岡賢一郎編曲、「ドリフのパイのパイのパイ」。

 

M16.ドリフのパイのパイのパイ(2’40”)ザ・ドリフターズ

-S.Soeda, Y.Mori, H.C.Work-  TOCT-6352

 

N ザ・ドリフターズで「ドリフのパイのパイのパイ」スマップ並みに5人で斉唱、随所に薬

味を効かせたディスコ調のアレンヂが光ります。「ドゥ・ザ・ハッソー」という掛け声が何

度も聞かれますから、ヴァン・マッコイ「ザ・ハッスル」のヒット後1976年くらいの発表でしょ

うか。

さて「森岡賢一郎 編曲のツボ」今朝も、作者本人による原曲、そして森岡

賢一郎の編曲を経た完成形を較べてみましょう。

マナイタ曲は、これです。加山雄三「蒼い星くず」。

まずはランチャーズとの気楽な器楽演奏、そしてシングル曲として岩谷時子、森岡

賢一郎らによって整えられた完成版です。

 

M17.Three Blue Stars (2’37”)加山雄三

-K.Dan-  東芝  ドリーミュージック MUCD-1005

 

M18.蒼い星くず(2’21”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD-1002/3

 

N  如何でしょう。全体構成は殆ど変わりません。それでもこの仕上がり。人気

街道爆進中のスターが繰り出すシングル曲に相応しい出来映えと言えます。間奏も

原曲仕様と変わりがないように聞こえますが、節目で旋律を低い主音に戻す

所がミソ。ここにも冴え渡る森岡賢一郎手法が窺えます。

加山雄三を始めとして彼は東芝音楽工業の作品で沢山の傑作を生み出して

来ました。初期のワイルド・ワンズのヒット曲も彼の手で美しく仕上げられています。

その代表は「思い出の渚」でしょうが、全曲メムバのオリヂナルという意欲作品、

一枚目の『ザ・ワイルド・ワンズ・アルバム』の最後を飾った、「小さな倖せ」を聞い

て下さい。流れるような弦の旋律にご注意を。

 

M19.小さな倖せ(2’41”)ザ・ワイルド・ワンズ   

-The Wild Ones, K.Kase-  東芝 TOCT-8703

 

M20.Looking Back(2’22”)Joe Simon

 

N  「森岡賢一郎 編曲のツボ」の復讐戦は如何でしたでしょうか。「予想屋」ムジ

日野さんの一覧表を見ますと、わたしの知らない、かつ興味深い楽曲が沢山

あります。残りの人生で、このうちのいくつに出逢えるでしょうか。それも

大きな楽しみです。それらがまとまったら、また「森岡賢一郎 編曲のツボ」

第二集をお届けしましょう。ここまでお付き合い頂き、どうもありがとうご

ざいます。

さて秀逸なカントリー・バラッドは「ルッキング・バック」今度2枚組のベスト盤が出る

ジョー・サイモンです。このアルバムは来週もお聞き頂く予定です。お楽しみに。

 

M21.I Can’t Help My Self(6’10”)Bobby Broom 

-S.Wonder-

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の最後はボビー・ブルームとオーガニゼイションでスティーヴィー・ワンダー作品の「アイ・キ

ャント・ヘルプ・マイ・セルフ」、最新盤『ソウル・フィンガーズ』からです。

9月29日にオーティス・ラッシュが亡くなりました。10月1日にはシャルル・アズナヴール

も。今年は実に沢山の音楽関係者が他界しています。わたしの周りでも同じ

で、これまで毎月お葬式に出ています。先月は静岡ロックンロール組合時代の仲間、

ギタリストの岩崎孝弘が亡くなって、とうとう残りは3人だけになってしまいま

した。既に過半数がこの世にはいません。これも時の流れなのでしょう。乗

り越えて生きてやるぞ。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/93f7e72474f69f85df3b480cc52adb24cf66ed20

ダウンロードパスワードは、1c437qseです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2018/09/29

mb180929

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようざいます。アサー、ワツシイサヲです。涼しいを通り越して、寒くなってき

ました。もう半袖シャツ1枚では居られません。気温が15度から19度です。

この位の温度では、記憶能力が向上するそうです。「朝の涼しいうちに勉強

しましょう」なんて標語が「夏休みの友」にあったのを思い出しますね。

さて今朝は酷暑の通り過ぎたアサーにふさわしい1曲から始めましょう。

ボビー・ブルームで「蒼い陰」。

 

M01.A Whiter Shade Of Pale(4’37”)Bobby Broom

-G.Brooker, J.Fisher, K.Reid-  Jazzlife N 77059

 

N  ボビー・ブルームで「蒼い陰」。これ正式な邦題は「青い影」何ですが、深い陰

影に富んだこの傑作は、「蒼い陰」の方が相応しいのではないでしょうか。オリ

ヂナル仕様で唄われている言葉は支離滅裂でして、ラリってる時の閃きではない

か、とわたしは見ています。

今の演奏はジャズ・ギタリストのボビー・ブルーム。60歳前のヴェテランです。デイヴ・

グルーシンのGRPオールスターズや渡辺貞夫の『オレンヂ・イクスプレス』に参加していた、

とありますから、わたしもどこかで出会っていたかも知れませんが、覚えて

いませんでした。『ソウル・フィンガーズ』というイカした表題の最新盤からです。

「カム・トゥゲザ」で始まるこの器楽演奏集は「ドゥ・イト・アゲイン」「俺のギター咽

ぶ間に」「サマブリーヅ」「ゲッレディ」そして「蒼い陰」など興味深い曲目がずらり。

過剰な派手さのない地味な響きは何処となく1950年代のオルガン・ジャズのLP

のようです。わたしは店頭試聴でいたく気に入りまして直ぐに入手いたし

ました。

今の「蒼い陰」は、「オーガニゼイション」というオリヂナル・トリオでの演奏。これが基

本編成です。他にはスティーヴ・ジョーダンなどが臨時差し込み演奏で参加していま

す。

ではもう一曲興味深い演奏をどうぞ。ジャスティン・トーマスがヴァイブラフォーンで加わ

った、

ボビー・ジェントリーの、いやキング・カーティスで知られた「オード・トゥ・ビリー・ジョウ」。

 

M02.Ode To Billie Joe(5’45”)Bobby Broom

-B.Gentry-  Jazzlife N 77059

 

M03.Looking For The Perfect Beat(7’00”)

Afrika Bambaataa & The Soul Fonic Force 

-A.Baker, J.Robie, Soul Sonic Force-  TBCD 1457

 

N  ボビー・ブルームとオーガニゼイションで「ビリー・ジョーの唄」そして、アフリカ・バムバータ・

アンド・ザ・ソウル・ソニック・フォースで「完璧ビートを探して」でした。ボビー・ヲマックは

60年代から「愛」を探していましたが、ヌーヨークのバムバータたちは「完璧なビート」

を1983年に追い求めていました。

唐突にオールド・スクール・ヒップ・ホップですが、これは先週放送された上越エフエムの

「サースデイ・グルーヴ」で漏れた1曲なんです。なんせ1時間番組でしょう。普

段と勝手が違います。まして12インチ・シングルの長尺物主体。泣く泣く落とした

名曲が幾つもありました。今朝はそれらを返り討ちです。

番組中でバムバータは大物となってからの作品で、ジェイムズ・ブラウンとの「ユニティ」

をお聞き頂きました。これはこれで大変結構でしたが、恵まれない制作環境

でムキになって新しいリズムを創り出そうとしていた頃の健気な姿にも、聞く人

の心を打つ物があります。その象徴がこの「無欠なビートを追い続け」でしょ

う。集団ユニゾーン・ラップ、貧弱な音響効果機器、薄っぺらなシンセサイザーの音色、

稚拙な仕上げなど、全てが時代遅れですが、未成年者たちの生命力が伝わっ

て来ます。いや今聞いても心を洗われる思いです。

バムバータはまずその名前、集団の長としての存在、そしてラップ、ブレイクDJ

的音響制作能力と、ヒップ・ホップ現象の全てを一人で備えていた点で別格でし

た。第一世代の最後に登場するのに相応しい属性をも持ち合わせていた男で

す。

ヒップ・ホップのDJ感覚はラップより先に一般化しました。その代表格はグラン

ド・ミキサ・DST。ハービー・ハンコックが「ロッキット」で起用して以来、彼の地名度はバム

バータの比ではなく、一躍時代の寵児となりました。なんせハービーだからね。

「ターンテイブルで音楽作っちゃう奴がいるんだって」とトーシロに持て囃され有名

になって行く過程を、「ラッパーズ・ディライト」以降、極東の島国でこの世界に精

通しているという自負を持つわたしは、横目で苦々しく見ておりました。

わたしはこの男からファンキなセンスをあまり感じなかった。そもそもハービーがファン

キじゃないからね。

「だいたいが名前からしてフラッシュのパクりじゃねえか」とばかりに、ね。

では、けなしてばかりいないで「ロッキット」以前のDSTの作品を聞いてみま

しょう。「ヒップ・ホップの故郷」、1984年の作品です。

 

M04.Home Of Hip Hop(3’49”)Grand Mixer DST

-D.Shward, T.Johnson-  Sessions  SESHDCD206

 

N  グランド・ミキサ・DSTで「ホーム・オヴ・ヒップ・ホップ」でした。

80年代初頭にヌー・ヨークの郊外の貧しい庶民の間から起こったヒップ・ホップ現象

は、このようにターンテイブルを操って音楽を進行させて行く、DJという職種を生

み出しました。彼等はまず沢山の音楽を聞き、記憶して、それを私物で消耗

品として所有していなければ務まりません。次にはそれらを選び出して繋げ

る感覚とその技術が必要とされる、高度な専門領域で生きていくのです。20

世紀末に全世界の音楽に対して多大なる影響を与えた、ヒップ・ホップ流儀の大

きな流れは彼等が産み出したと言えます。もちろんそこには、良いものだけ

があったあった訳ではありませんけれどもね。

他人の創造を分析し模倣し咀嚼して自分の物とするより、手っ取り早くそ

のまんま使った方が楽だし、カッコいいじゃん、というカッパライ思想は「サムプリング」

という響きの良い言葉に置き換えられて、20世紀末の主流文化となって行き

ました。その発端は彼等ヒップ・ホップのDJたちにあったのです。先週放送のサ

ースデイ・グルーヴ本編では、正にその象徴として「ディ・アドヴェンチュア・オヴ・グラン

ドマスタ・フラッシュ・オン・ザ・ウィールズ・オヴ・スティール」をお聞き頂きましたが、今朝

は映画「ワイルド・スタイル」にも登場したDJ、ファヴ・ファイヴ・フレディが、ヒップ・ホップ

現象に早くから目を着けたフランスのセルロイド・レイベルから発表したブレイク・ミクス、

「チェインヂ・ザ・ビート」をどうぞ。世界初のフランス語ラップが聞けます。

 

M05.Change The Beat(7’37”)Fab Five Freddy

-Material, B.Zekri- Sessions 206 SESHDCD

 

N  ファヴ・ファイヴ・フレディで「チェインヂ・ザ・ビート」でした。彼は映画「ワイルド・スタ

イル」の前宣伝で日本に来ている筈です。わたしが初めて接したブレイクDJでし

た。池袋のスタジオ200だったかな、至近距離でその技を確認しようとしたので

すが、見れば見るほど何をやってるんだか分からなくなりました。その位に

レコード遣いが鮮やかだった。

さて上越エフエムの「サースデイ・グルーヴ」で漏れた大変な1曲があります。それ

はグランドマスタ・フラッシュ・アンド・ザ・フューリアス・ファイヴの「ザ・メッセヂ」です。それ

までは、自分が「如何に美形で、洒落ていて、力持ちで、誰からも一目置か

れていて、どこでも顔パスで、綺麗な姉ちゃんたちの注目の的」であるか、を

延々と喋っていたラップ音楽の言葉を変えた楽曲です。

大都会の底辺で貧しさと闘いながら暮らす有色難民、移民の現実を、素晴

らしい音韻で表現した傑作「ザ・メッセヂ」。ヒップ・ホップを紹介するのなら絶対

に取り出さなければいけない1曲だったのですが、収録直前の選曲決定です

んなりと外してしまいました。今朝はその後で思い出した7インチのドーナツ盤用

に編集された最短尺仕様をお聞き頂きましょう。

1982年、グランドマスタ・フラッシュ・アンド・フューリアス・ファイヴ、

3分10秒の「ザ・メッセヂ」。

 

M06.The Message(3’10”)Grand Master Flash & Furious Five

-E.Fletcher, M.Glover, S.Robinson, J.Chase-  Union Square METRDCD606

 

N  おそらく7インチ盤の短尺版「ザ・メッセヂ」、グランドマスタ・フラッシュ・アンド・ザ・フュ

ーリアス・ファイヴでした。通常の7分超に慣れてしまった耳には、確かに短くて

物足りないですけれど固有のビート、ジリジリと切迫してくる恐怖感は失われて

いませんね。時空を超えた確かな傑作です。

この「北米大都会裏側からの主張」は世界中に響き渡りました。これ以降

「如何に美形で、お洒落で、力持ちで、誰からも一目置かれていて、どこで

も顔パスで、綺麗な姉ちゃんたちの注目の的」的な自画自賛は影を秘め、様々

な社会的不平不満がビートに乗せて語られるようになります。人種差別という

高く厚い壁が厳然と存在し続けた北米合衆国では、昔から極く少数ながらも、

圧倒的白人優位な不均衡を叫び続けた人たちがいました。かつてのその種の

指導者も再認識され、彼等の生前の演説をコラージュしたヒップ・ホップの傑作があ

ります。これも「サースデイ・グルーヴ」でお届けできなかった1曲です。

「ノー・セル・アウト」マルコムX。

 

M07.No Sell Out(5’40”)Malcom X  

-Malcom X, K.LeBlanc-  Tommy Boy TB 840

 

N  マルコムXの演説をとても上手にコラージュした「ノー・セル・アウト」でした。これ

を作ったのが、デューク・ブーティという、先程の「ザ・メッセヂ」にも関わっていた

男です。この頃には録音関係の周辺機器がディジタル的に長足の進歩を遂げまし

て、高度なターンテイブル操作技能がなくても所望するフレイズを切り貼りする事が、

以前より容易に出来るようになりました。ブレイクDJたちはこの現場に雪崩れ

込んで新時代の響きを模索したのです。「ノー・セル・アウト」はその成功例で、デュ

ーク・ブーティはこの後ソロ・アルバムを発表するまでに至りました。

仇花的に見られていたヒップ・ホップ要素は、行き詰まった商業大衆音楽の突

破口として用いられました。ポップ曲をブレイクDJ感覚で仕上げたり、ラップを盛

り込む手法です。

ではそれが素晴らしく上手く行ったこの1曲をどうぞ。

シャカ・カーン、「フィール・フォー・ユー」。

 

M08.Feel For You(4’09”)Chaka Kahn

-Prince-  Warner  PRO-A-2185

 

N  シャカ・カーン、「フィール・フォー・ユー」でした。ラップはフューリアス・ファイヴの中心人物メリー・

メルです。これが1984年の大ヒット曲。この頃すでにランDMCたち、つまり第二

世代が台頭し始めまして、ヒップ・ホップは全面的に更新されます。機械による

自動演奏は当たり前で、わたしにはそれが音楽のダイナミズムを失ったように聞

こえ、徐々に遠ざかるようになりました。皮肉な事にこの時期からヒップ・ホップ

現象は世の中で肯定されるようになり、その感覚はあらゆる領域で根付いて

行くのです。ひとことで言えば、安易で便利だったのでしょう。その他、風

俗のカジュアル化への引導はヒップ・ホップが渡したようなものです。

どうもこの話題になると言いたい事がたくさん出てきます。もう少し纏め

て、いつかまたお話ししましょう。「ヒップ・ホップ前夜」の復讐戦、ここ迄です。

さて今の「フィール・フォー・ユー」はプリンスの書いた曲でした。今週レコード店に出掛

けたらありましたよ、以前から噂になっていたプリンスのピアノ曲集が。興味がず

っとありましたから、即座に入手。既に何回か通して聞いています。録音が

同一ステューディオなので、この盤のためのセッションかとも思われますが、未完成デモ

や気分で唄っているトラックも散見されますから、死後残された録音を編集した

ものと言っていいでしょう。

何でもテッテ的にやるプリンスなので想像は出来たのですが、それ以上のピアノ演

奏技術には驚きました。いい加減な和音弾きではなく、両手がしっかり機能

しています。冒頭には技術者に指示する会話も入っていますから、常時他人

が立ち会っていたんでしょうが、完全に孤独な宇宙に飛んで唄い弾いている

のも凄い。プリンスの録音として完全に仕上げた作品は、わたしには過剰である

事が多く苦手でもありますが、これはいい。プリンス・ネルスンが見える。

今朝は「パープル・レイン」、ジョーニ・ミッチェルの「ア・ケイス・オヴ・ユー」、「メアリー、ドント・

ウィープ」の3曲を続けて聞いていただきましょう。実際に続けて唄ったかどう

かは分かりません。おそらくは緻密な編集が施されている筈です。こういう

所もわたしには少々煩わしい。もう本人がいないのに、彼の意思が受け継が

れているのでしょうか。

ではお聞きください。

プリンスの新譜『ピアノ・アンド・ア・マイクロフォーン1983』からです。

 

M09.Purple Rain(1’27”)~A Case Of You(1’44”)~Mary Don’t You Weep (4’43”)

Prince

-Prince, J.mitchell, trd.- Warner Bros. 603497861293

 

N  「パープル・レイン」、「ア・ケイス・オヴ・ユー」、「メアリー、ドント・ウィープ」、プリンス、『ピア

ノ・アンド・ア・マイクロフォーン1983』からでした。無理やり繋げているから、次の「風

変わりな関係」の冒頭部分が出てしまった。失礼。

さて「サースデイ・グルーヴ」でも紹介した詩人ギル・スコット・ヘロンのようなスタイル、

つまり厳選された音楽を背景に朗読をするという形で主張を続けている人間

は世界中に居ます。リントン・クワシ・ジョンスンのような「ダブ・ポエット」はその代表

でしょう。

上手な朗読を聞くのは大変宜しい物です。だいぶ前ですがNHKのFM

放送ではお昼前に朗読の時間がありまして、わたしはよく聞いていました。

朗読こそラジオ深夜便などで取り扱う最良の材料の筈ですが、昨今はどうなん

でしょうか。モーニン・ブルーズでも「現」時代には仮想敵「ラジオ深夜便」をぶっ

飛ばすべく、「朗読の時間」を考えましたが、わたしのこの声では、絶対に成

立しませんね。今年、何回かミーディアを通して自分の語りを聞く機会があって、

その都度「ひどい声だ」と実感しております。本当にこれは人に聞かせる声

ではない。

さて次は美しい声を持った音楽詩人、朗読家のひとり、ニキ・ジョヴァンニです。

この女性を知ったのは1975年の作品がCDになって出た2012年の事でした。

コーネル・デュープリー、リチ・ティー、ゴードン・エドワーズという後の「スタッフ」が演奏を付

けています。加えてこのトラックは、バナード・パーディがドラムズ。

ではニキ・ジョヴァンニ、「ザ・ウェイ・アイ・フィール」。

 

M10.ザ・ウェイ・アイ・フィール(2’’54”)ニッキ・ジヨバンニ

-N.Giovanni, A.Mardin-  WPCR-27520

 

N  如何でしたかヌー・ヨークのR&B詩人ニキ・ジョヴァンニの「ザ・ウェイ・アイ・フィール」。

それでは日本代表、横浜生まれのダブ・ポエット、ランキン・タクシーでお聞き下さい。

「誰にも見えない、匂いもない」。

 

M11.誰にも見えない、匂いもない(4’00”)ランキン・タクシー

-T.Shirahama-  ワツシ / ヴィヴィド WAZCD-002

 

N  続々と核発電所の操業再開が裁判所で認可され始めました。今後は徐々に

東北大地震で停止される前の状態に戻るのでしょう。あれから7年間核発電

なしに過ごせたという事は、こんな物は必要ない事の証明です。わたしは地

震が起きたら危険だから、ではなくて「核発電そのものから手を引け」とい

うのが主張ですが、現状は「これ以上停めたままだと、電気代が上がる」と

脅かされて、誰も見て見ぬ振りです。そんな事は絶対ない。わたし達はこれ

まで英知を集約し技術改革を実現させて、この種の困難を克服してきたでは

ありませんか。この7年間に風や太陽光、地熱による発電技術開発利用への

参入を自由にして競争させたら、絶対に世界一の自然発電国になれた筈です。

わたしたちは優秀なんだ。

そうしないのは、すでにこの国の政財官の中に核発電ムラという巨大な世界

が出来上がってしまっていて、戻れなくなっているのです。東海核発電所は

40年で廃炉する約束でしたが、その期限ギリギリに20年の使用延長を通すん

ですよ。詐欺だ。他所では新設なんていう時代錯誤の馬鹿げた話もあるらし

いし、こんな危険な施設を海外で造るのを手伝ったりもしている。何てこっ

た。隣国に核廃棄を迫っているのにです。

山道で迷った時、必要なのは引き返す勇気です。関わってる誰もが、自分

の生きているうちは大丈夫、と考えているでしょうが、地球の我慢にも限り

があります。今の「誰にも見えない、匂いもない」は31年前、1987年の作

品です。この時に想定していた仮説が全て事実となっているのに気がつかな

いのでしょうか。この録音は『ジャパニーズ・レゲエ・ファンデーション・ミックス』という

新譜に引用されているようです。それを通じて事実に気づいて貰えると有難

いなあ。

「またか」とウンザリしないで、核発電のゆくえから目を離さないで下さい。

さて樹木希林が好きだったという「朝日のあたる家」のリクエストが来ていまし

た。1965年の録音でどうぞ。内田裕也が寺内タケシとブルージーンズをバックに叫び

ます。

 

M12.朝日のあたる家(3’51”)内田裕也 寺内タケシとブルージーンズ  

-A.Price-   東芝 TOCT-11140/1

 

M13.バラ色の桜ンボの木と白い林檎の木(3’13”)イヴェット・ジロー  

-Louiguy, L.Jacques, T.Iwatani-   コロムビア COCP-39523

 

N  カタコト英語の次は片言ニホンコ。イヴェット・ジローで「バラ色の桜ンボの木と白い林檎

の木」でした。この歌は「セレソ・ローサ」という題名の他に「チェリー・ピンク・チャチャ」

という名前も持っています。場所によっては「チェリー・ピンク・マムボ」とも呼ば

れているらしい。この事は先週出掛けた見砂和照(カズアキ)と東京キューバン・ボ

ーイズの演奏会の曲目紹介で知りました。キューバン・ボーイズなら、マムボですね。

このラテン楽団は和照の父、直照(タダアキ)が戦後の1949年に結成し、生の大

型楽団の受難期が始まる1980年に一度解散しています。2005年に本場クーバ

からお声がかかったのを機に、和照が一切を引き受け再結成したそうです。

彼は美乃家セントラルステイションという演奏集団を主宰しドラムズを担当していて、大橋

純子のバックで演奏していたのが知られています。わたしも「キューバンの見砂さ

んの息子だよ」と教えてもらった事があります。その時のギタリストはマー坊こと、

土屋の昌己でした。

ここまでに至るにはもっと複雑ないきさつがあったのでしょうが、東京キュー

バン・ボーイズは、今でも素晴らしいラテンの響きを聞かせてくれます。この日バン

マスはビッグ・バンドの窮状を訴え、このように響きの良い場所で思い切り演奏

できる事は本当に嬉しいと、歓びを全身で表現していました。わたしも感動

です。2018年9月17日は、とても素晴らしい1日になりました。

では手元にある東京キューバン・ボーイズの録音から、「花笠踊り」をどうぞ。

1970年発表の作品です。

 

M14.花笠踊り(3’13”)見砂直照と東京キューバン・ボーイズ 

-trd.arr.N.Maeda-  コロムビアCOCB 54062

 

N  「花笠踊り」、これはバンド・マスターが先代の見砂直照時代の録音ですね。彼ら

は数え切れない程のレコードを吹き込んでいて、このような日本の伝承音楽を素

材にした企画盤も何種類か出していました。クーバのオリヂナルに対抗する思いも

あったのでしょう。戦後の動乱が収まって進駐軍がいなくなると、欧米追従

の主体性のなさが見直され始め、特にジャズの世界ではこのような試みが多く

見られました。そんなひとつの例、「ホーハイ節」を聞いてもらいましょう。三橋

貴風という尺八奏者を、邦人ジャズプレイヤーたちが盛り上げます。1976年の作

品。ギターは杉本喜代志ですよ、あの。

 

M15.ホーハイ節(3’41”)三橋貴風、山屋清  

-trd.-  コロムビア COCB 54062

 

N  三橋貴風の尺八で「ホーハイ節」でした。70年代によく見られた他流試合の一

例です。この頃は山本邦三という尺八奏者がクロス・オーヴァな活動をしていまし

てね、よくジャズ演奏家たちと手を合わせていました。

さて17日に福生までキューバン・ボーイズを観に行ったのは民謡クルセイダーズとの

合同コンサートだったからです。民クルは福生のグループで、一方キューバン・ボーイズには

この町の在住者がいて、それが縁となって実現した音楽会でした。市民会館

で文芸員のような女性が司会を務めて、曲目紹介などをしたり、和照バンマスと

絡んだりする演出は今時得難いもの。それなりに面白かったですよ。先ほど

の「チェリー・ピンク・マムボ」という呼称もこの場で聞きました。

当日は大先輩キューバン・ボーイズに敬意を払って、まず前座で民クルが登場。地

元の英雄たちの凱旋とあって、贔屓筋が立ち上がって踊り出しました。酔っ

払いのタコ踊り的ではなく、溌溂とした若さと元気一杯。脇のP.A.スピーカー前で

したから誰の邪魔にもならず、雰囲気も盛り上がりました。生DJ会でよく見

かける顔もいましたね。

一部が無事終了して休憩の時にロビーに出たら、係員に苦情を伝えているお

ば様たちがいます。興味が涌いて側で聞き耳を立てました。するとあの贔屓

たちの騒ぎに抗議してるんです。「ライヴハウスじゃあるまいし」とか「わたし達

は聞きに来たんです」。見るからにお行儀の良さそうな、見識豊かで、保守的

な方々でした。昭和40年代のご意見です。わたしは一瞬、信じられなかった

な。係員は平身低頭で苦情を聞くばかり。案の定、二部のキューバン前には「ど

うぞお座りになったままお楽しみ下さい云々」の一言が入りました。その前

のキューバン紹介で「ラテン音楽は聞く愉しみ、そして観る愉しみもあります」とか

も言ってましたが、何より「踊る愉しみ」が一番じゃないのかな。本番中に

舞台の上で上手なペアのダンス演出があっても良かったと思った位です。

こんな事があっても会場は険悪な空気にならなくて幸いでしたが、和照バン

マスを始めキューバン・ボーイズも、ほんとは踊って欲しかった筈です。かつてのナイト

クラブのように。東京都福生市2018年秋の出来事でした。

では民謡クルセイダーズ、一枚目のアルバムから、

今と同じ「ホーハイ節」、48年間の隔たりや、如何に。

 

M16.ホーハイ節(5’12”)民謡クルセイダーズ

-trd.-  Pヴァイン  PCD-23218

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  木曜日の上越エフエム放送「サースデイ・グルーヴ」を聞きました。門外漢のわたしの

歌謡曲紹介ですから、仕上がりには自信がなかったのですが、とにかく面白

がって聞いている様子は伝える事が出来たようで、ホッとしました。

放送に先立ってムジ日野さんが「流されそうな曲目」リストを揚げてくれてい

ます。これが驚異的充実度でして、わたしも「和久田竜」「ベイビーツ」などの

名前にはトキメキました。来週は今朝に倣って、「泣いて別れた森岡健一郎編によ

る名曲集」でも行きましょうか。やはり世界最強の大衆音楽は歌謡曲です。

親切なお方のお陰で、わたしもツイターが読めるようになりました。本編に反

映は無理かなあ、大家さん。共益費が必要ですか。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/a46e39ba4a61cf496211ecdb212f54732908ed72

   ダウンロードパスワードは、2stgy3ihです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/09/22

mb180922

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。ワツシイサヲです。

生きるものが必ず直面するのが「死」です。生きていない物質でも「滅び」

の形で全ては命を全うするのです。大きな災害が続き、否応無しの状態でこ

の「死」「滅」に迫られた今年の夏。その最後にまたひとつの大きな最期があ

りました。ご冥福をお祈りいたします。

合掌。同志たち、静聴せよ。

 

M01.マンジョキ ロックンロール(2’28”)

内田裕也&1815ロックンロールバンド ジョキ安とトメさん(ふくとめのりお)

-Y.Jou, K.Kase-  ワーナー・パイオニア  L-1141E

 

N  ご静聴に感謝いたします。「マンジョキ ロックンロール」、内田裕也&1815ロックンロールバンド

ジョキ安とトメさんでした。これは1973年頃の毎日夕方に日本テレビで放送され

ていた子供向け報道番組「マンガジョッキー」の主題歌です。当時のワーナー・パイオニア

洋楽部長折田育三が制作責任者となって、親交の厚かった内田裕也に持ち込

んだお仕事でしょう。

演奏は、ギターが水谷公生、ピアノは大石洋三、ベイス岡沢章、そしてドラムズが

和田ジョージ。現場監督は大野良治です。これらの面々をご存知の方はご存知

ですね。当時の裕也人脈です。作曲が加瀬邦彦だったのは知らなかった。

番組はジョキ安という人形が主役で、トメさんことふくとめのりおがキャスターを

勤め、子供に馴染みのある社会現象を分かり易く語っていました。わたしが

観ていた頃はキャスターが江戸家子猫、今の猫八に交代していました。アイヴィー調の

服装がよく似合ってたなあ。とても清潔な印象が今も残っています。

6時半頃からだったな、今のチャック・ベリーのイントロで番組は始まります。多分

誰にも関係なかったでしょうが、この主題歌にわたしは毎回反応していまし

た。それで唄が「あ、裕也さんだ」ですから、レコード店でこのシングルを見つけ

た時は嬉しかったですね。即座に購入しました。

その内田裕也夫人の樹木希林が亡くなりました。北陸の旅から帰って来て

最初に聞いたヌーズがこの訃報です。つい先だってまで元気でテレビに出ていた

ので、驚きでした。このふたりは築地の本願寺仏前結婚式を挙げた筈です。

仏教徒だったのかな。

常に避けられない自らの「死」に向き合ってあらゆる物事の価値を決めて

いた彼女の「生き」方は、とても魅力的でしたね。最近の話で「あの世でや

って行くのはとても大変で、現世の比ではない」、と本気で心配していたのが

面白かった。誰でも安らかに死を迎えることで楽になると信じています。黒

人奴隷に対するキリスト教では、「死」で悩み苦しみから解放される事だけが救い

なのです。

誰から聞いたかは知りませんが「あの世の方が大変」説が正しいとなると、

わたしたちは死ぬ事も出来なくなってしまいます。これはもっと大事だ。ど

うしましょう。

その解決は各々それぞれにおまかせして、ここに彼女の生前の功績を讃え、

夫内田裕也の唄うオリヂナル・ヒット曲「マンジョキロックンロール」、お送りいたしました。

あの世も大変でしょうが、上手くやって下さい。

 

M02.Boogie On Reggae Womann(4’58”)Bart Brandjes

-S.Wonder- Woodward Avenue  nonumber

 

N  冒頭からお話が長くなりました。今朝は先週末の土曜日に上越市の古い映画

館「高田世界館」で行った皿回し合戦、ピーター・バラカンとのピンポンDJを片側再

生してお届けします。「片側」といいますのは、相手のサーヴ、レシーヴ、スマッシュは

手元にありませんので、自分の打った玉しかお届けできないからです。ご了

承下さい。

上越エフエム「サースデイ・グルーヴ」番組ブログ(https://blog.goo.ne.jp/kurenai-king)

には両者の打ち合いの模様が掲載されていますので、参照して頂ければ幸い

です。

今お聞きいただいたのはバート・ ブレンジェスの「ブーギー・オン・レゲ・ヲーマン」で

す。以前「幻」でもお届けしております。オランダ人がアメリカ西海岸で録音した「リ

ール・ライフ」というアルバムからでした。

これが対戦相手にはエラく受けまして、すぐにその場で「コピーさせてくれ」

と申し込まれた程です。わたしとしては大いに意外ながら、無事試合開始と

なりました。

これに先方はマーシャ・グリフィスの「若く才たけて黒人で」を返して来ました。

いきなりこんな大曲で攻め込まれました。そこでわたしがスマッシュを狙ったので

すが、打ち損じで出てしまったのが、これです。

ジェフ・カスカロで「レッツ・ステイ・トゥゲザー」。

 

M03.Let’s Stay Together(6’25”)Jeff Cascaro    

-W.L.Mitchell, A.Green, A.Jackson-   herzogrecords  901026 HER

 

N  ジェフ・カスカロの「レッツ・ステイ・トゥゲザー」、これも「幻」重度聴取者の方々には

お馴染みですね。ドイツの唄い手で緻密な作業ぶりが印象的です。

この日は主催者から「PCで音楽を出してくれ」という要望があり、それに

従いました。ただわたしは普段PCで音楽を聞いていませんし、所蔵盤を全て

呑み込ませている訳でもありません。便宜的に使いますが、倉庫に何が入っ

てるかも把握出来ていない。ですから、この試合のための専用楽曲を改めて

入れたプレイリストを作って臨みました。ただ操作に慣れてないのでこのように間

違って出てしまった訳です。でも上手く誤魔化せました。

そして次。前の曲がアル・グリーンだという事で、彼の最新録音曲「涙のしずく」

を聞かせて貰った後、わたしはコーナー奥を突きました。

「プリーズ、プリーズ、プリーズ」、ベン・ランコー・ソウルです。

 

M04.Please Please Please(2’53”)Ben L’oncle Soul           

-J.Brown- Rambling Records RBCP-3147

 

N  ベン・ランコー・ソウル、「シュルブプレ、シュルブプレ、シュルブプレ」、これを相手はJBの

没テイクと聞き違えたらしい。ま、その位にクリソツな仕上げですけれどもね。声が

違うでしょ、全然。

ベン・ランコー・ソウルはフランス人。こういった60年代のソウル音楽を愛好している男

です。日本にも何度か来ているようですね。実演はどんなだろう。この国に

もJ.B.に心を奪われている人間は何人もいまして、中には舞台構成から使用

楽器までをフル・コピーしている集団もありました。ただそういうのは見ていて

痛々しい印象もあります。「何もそこまで・・・」という気持ちですね。

さて今の「プリーズ、プリーズ、プリーズ」をヴァン・モリスンがいたゼムの「ベイビ、

プリーズ・ドント・ゴウ」で返された後、わたしが出した手は、

ニコ・ウエイン・トゥーセイントの「コトン・クロップ・ブルーズ」です。

 

M05.Cotton Crop Blues(2’27”)Nyco Wayne Toussaint  

-J.Cotton-  BSMF 2573

 

N  「コトン・クロップ・ブルーズ」、ニコ・ウエイン・トゥーセイントでした。これには元ブルーズ・ハ

モニカ奏者、フランス人だという事も含めて、かなり反応していましたね。彼のバンド

の実演映像を試験前の一夜漬け的に観たばかりだったので、衣装とか動きが

フランス的だった、と話したらば、随分と興味を掻き立てられていたようです。

演者のファミリ・ネイム「トゥーセイント」に引っ掛けてアラン・トゥーサンの「カントリー・ジョン」

で応酬された後にわたしがもう一度突いたコーナーは、魔のJ.B.交差点。

西アフリカはベニンのダンス・バンド、ニョナス・ペドロと彼のダジェズ・バンドで

「愛の価値」です。

 

M06.How Much Love Naturally Cost(6’19”)      

Gnonnas Pedro And His Dadjes Band

-unkown-  Analog Africa AACD 086

 

N  ニョナス・ペドロと彼のダジェズ・バンドで「愛の価値」、彼らの本拠地ベニンは19

世紀にイギリスに占領されていまして、その後もこの国との関係が続いている筈

ですが、その割にはなんともカタコトな英語のMCでしたね。

彼らはジェイムズ・ブラウンの影響下にある、というかJ.B.の影響を受けて帰っ

たフェラ・クティに刺激されていると思われますが、6分余りの連続演奏を聞いてい

ると、こっちの方が原形ではないか、そんな気持ちにもなります。

ピーターの次の一手はジャー・ヲブルでした。何故だったかは思い出せません。そ

してもう一打、魔のJ.B.交差点を攻めます。

「チョムボ、パラティエンダ」、ソウル・アパロとフレデリック・クラークです。

チョムボ。

 

M07.Chombo Pa’ La Tienda(3’18”)Soul Apollo with Frederick Clarke   

-F.Clark-  Sound Way SNDWCD018

 

 

N  ソウル・アパロとフレデリック・クラークで「チョムボ、パラティエンダ」でした。以前「幻」で

やったみたいにタモリを呼んできたかった。でもどうだろう、ウケを取れたかな。

会場に集まってくれた人たちは、皆さん熱心な音楽愛好家。しかもなかな

かお詳しい。先のフェラ・クティやニコ・ウェインの行りでは客席から助けてもらいまし

た。どうもありがとうございます。

ジェイムズ・ブラウンとボビー・バードの掛け合いを、漫才のボケとツッコミ的に再現し

ていたソウル・アパロとフレデリック・クラークの「チョムボ」には、エチオピアのJ.B.インフルーエンスド・

ダンス・バンドを聞かせて貰いました。

そしてわたしはフランス人ミキサー / DJ、ソウル・シュガーの

「ワイ・カーント・ウイ・リヴ・トゥゲザー」を返します。

 

M08.Why Can’t We Live Together(5’20”)   

Soul Suger feat.Leonardo Carmichael 

-T.Thomas-  Gee Recordings GEE CD001

 

N  リオナルド・カーマイコーというおそらく英語を母国語とする唄い手を起用した「ワイ・

カーント・ウイ・リヴ・トゥゲザー」でした。これにはクリーヴランド・ワトキスという90年代

に台頭した黒人歌手が返って来ました。これも意外でした。

そして次。開演前の試演で流したら「これ、エイミ・ワインハウスか」と尋ねられた

イナ・フォルスマンで「アイ・ヲント・ア・リル・シュガー・イン・マイ・ボウル」。

 

M09.I Want A Little Sugar In My Bowl(2’54”)Ina Forsman

-N.Simone-  BSMF 2490

 

N  この日は特別な音響装置を持ち込んではいませんで、PCのイヤフォーン端子から

ミニ・ステレオ・プラグで取り出して、ピンの延長接続で繋いで調整卓に入力すると

いう@驚く民生仕様だったのですが、音声が非常に良く、今のイナ・フォルスマンの「ア

イ・ヲント・ア・リル・シュガー・イン・マイ・ボウル」は、殊更に心地よい響きでした。伴

奏のピアノの低音弦の鳴りが綺麗で、家に戻って聞き直した位です。音量も丁

度良かったですね。ただこの古い映画館は防音遮音などされていないので、

外に丸聞こえだそうです。満員で会場に入れなかった人たちが外でそれを聞

きながら一緒に唄っていた・・・あ、それはないですね。

「シュガー」へは、「兄弟、俺は腹減ってんだ」という今年のライヴ・マヂックに出

演するジョン・クリアリで打ち返されまして、わたしが送ったのは「ハラペコ・ハートの

子守歌」です。

 

M10.Hungry Heart(3’23”)The Blue Beaters 

-B.Springsteen-  Record Kiks RKX048

 

N   ブルース・スプリングスティーンの「ハングリー・ハート」、ブルー・ビーターズというスカを得意と

する中の良さそうな5人組。イタリアのグループです。ビッグ・バンド・ジャムプ、カント

リー・スイング、そしてスカタを楽しく演奏したい第四世代の大所帯楽団が世界中に

居る事の証明です。

これに対してバラカン氏はスプリングスティーン「ファイア」からの連想で、同じポインター・

シスターズがバック・グラウンド・ヴォーカルで参加したタージ・マハルの

「スウィート・ホーム・シカーゴ」で切り返して来ました。これ、とても良かったです

よ。

 

M11.Sweetest Berry(3’46”)Ed Motta 

-unknown-  PCD-24767

 

N  今度はわたしが「スウィート」でこじ付けました。ブラジルのエド・モッタの最新盤

から、「スウィーテスト・ベリー」。英語で唄われている北米産のポップ音楽のような仕

上げです。こういうのがフツーになっている社会、時代にちょっと抵抗があるわ

たしは、今回あえて英語を母国語にしない民族の英語の歌を集めて、それを

言語にうるさいピーター・バラカンに聞いて貰ってご意見を、という狙いだったの

ですが、あまりうまく引っ掛かって来ませんでした。発音への文句はなかっ

たので、そこは全員合格だったようです。

わたしとしましては、第二公用語のように英語が通用する欧州での話から

この国、日本の社会、時代の話に持って来たかったのです。次の機会には直

接的な具体例を突きつけて、意見を聞いてみたいと考えています。

さて、「スウィート」の欧州には決定的なスタッフの「マイ・スウィートネス」で返して来まし

た。ここでスティーヴ・ガッドの話から、スタッフの初来日、晴海の見本市会場で行わ

れた「ローリング・ココナッツ・リヴュウ」の昔話が盛り上がり、最後の1曲はふたりの

打ち納めとして、1976年モントルーへ登場したこのグループの最高傑作実況録音か

ら「ブーギー・オン・レゲ・ヲーマン」を聞いて貰いました。

現場ではちょっと混乱してゆっくりお届け出来なかったので、今朝はその

前の「ヨー・ソー・ビューチフォー」から、最後の「サテン・ソウル」までを通してお聞きい

ただけます。CD盤のクレジットが「Do It Again」になっている曲は、バリー・ホワイ

トの「サテン・ソウル」です。確か76年の放送の時も同じ紹介をしていたな。上越

で話題になったガッドのドラム・ソロ、堪能して下さい。

 

M12.You Are So Beautiful~Boogie On Reggae Woman~Do It Again(13’10”)

Stuff

-B.FisherB.Preston, S.Wonder, G.Edwards, C.Dupree,E.Gale, R.Tee-

Eagle Records  EP 20142-2   サテン・ソウル

 

M13.涙のしずく(3’36”)Al Green

-V.Keith, B. Peters-  Amazon Original No number

 

N  9月15日土曜日に行われた「ピーター・バラカンの出前DJ vol.11@高田世界館」

最後の1曲は、正式デビュー以降には結局越えられなかったスタッフ最高の演奏、

1976年のモントルー・ジャズ・フェスティボーでの実況録音からでした。記憶を頼りに再

現しましたが、現場にいた皆さんの中には、「いや、そこは違う」というよう

なご意見もあるでしょうから、どうぞご意見、ご感想をこちらまでお寄せ下

さい。大歓迎です。

続けましたのはその上越で知った「涙のしずく」アル・グリーンです。帰って来

てから早速アマゾンで探して、落としました。配信購入は3曲目かな。音楽自体

は聞けますけれど、物質的には何もないので、今ひとつ「買った」実感があ

りません。でも、すぐにこうなって行くんでしょうね。これからは落とした

ら自分でCD-Rを焼いて、ジャケットを作って、録音詳細を調べて、解説を書い

て仕上げる・・・、こんな作業が必要かも知れません。えらい手間です。

 

M14.エル・クンバンチェロ(5’52”)ペレス・プラード

-RHernandez-   ビクター  VICP-60806

 

N  さて東京に戻って翌日は福生に出掛けました。民謡クルセイダーズの地元凱旋公

演を観るためです。このグループの実演はまだ経験がありませんでしたか。し

かもこの日は東京キューバン・ボーイズとの共演です。どちらも楽しみでした。

結果を簡単に言えば、素晴らしかった、のひとことです。キューバン・ボーイズ

はかつて持て囃されたラテンのスタンダードをずらりと並べた圧巻のプログラム。きち

んとしたコンサートホールに響き渡る生の打楽器、管楽器の音はいいものですね。

最後に披露されたのが今の「エル・クンバンチェロ」、残稔ながら今朝は東京キューバン・

ボーイズではなく、ペレス・プラード楽団1970年の録音でお聞きいただきました。

当日の模様について詳しくは来週以降にお話しします。面白い事もありまし

た。どうぞお楽しみに。

さて、民謡クルセイダーズは最新の10インチシングルからお聞きください。イタリア人ミキサ

ー / DJのクラップ! クラップ!のリミクスで

「炭坑節」。

 

M15.炭坑節(6’09”)民謡クルセイダーズ     

-trd.-   Pヴァイン P10-6228

 

M16.旅立て俊徳丸 冷や醒まし惰撫(3’’47”)速水直樹

-trd.-  歌舞音曲 KB-1001

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  民謡クルセイダーズの「炭坑節」、クラップ! クラップ!のリミクスでした。彼らの活動は前向

きに肯定的に評価されています。この流れがもう少し太くなる事を願います。

伝統芸能の更新が、今の日本には絶対必要です。このような事を以前から世

間に相手にされずやって来たレイベル、歌舞音曲の出番も間近でしょうか。マヂカ。

2010年に発表された初音家賢治の「旅立て俊徳丸〜冷や醒まし惰撫をお聞き

頂きました。

さて、上越市はとても良いところですよ。以前新潟市へ行った時も感じた

のですが、新潟県は独立してもいいんじゃないか、とさえ思える位に豊かで

す。その豊かな文化的な表れのひとつが、今回の「ピーター・バラカンの出前DJ

vol.11@高田世界館」でありました。ありがとう、上越。

実は現地に着いてから眼鏡の忘れ物に気づ来ましてね。わたしは今これが

ないと 何にも見えず読めないんです。慌てて雁木の下を走って文房具屋を

見つけ、そこで緊急用老眼鏡を入手いたしました。それで何とか始められた

卓球選手権だったのであります。

ここ数週間、ツイタが表示されてませんが、何故だろう。投稿がないのかな。

大家さん、どうなってんの。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/dafd5066c7a283b86320b48799caf946bdf89a66

  ダウンロードパスワードは、6rih7t3fです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/09/15

mb180915

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  アサー、はいワツシイサヲです。急に涼しくなって来ましたね。お勉強をするにはピ

ッタリです。今日は上越で卓球合戦。彼の地の天候を想像するに、さぞかし気持

ちが良さそうです。でも事前に確かめて出かけなくちゃね。

今朝も爽やかに参りましょう。一曲めはこの人のこれです。打ち返せるか

な、この変化球。

 

M01.胸いっぱいの悲しみ(3’11”)沢田研二  

-K.Yasui, K.Kase-  ポリドール UPCY-6521/2/3

 

N  「幻」の重度聴取者の間でサワダといえば、名門オーサカゲーダイ卒業のあの人にな

りますが、こちらは沢田研二。夏が過ぎて涼しい風が吹き始めると、わたし

はいつも彼のこの歌を思い出します。あまりヒットしませんでしたからそれ程は

知られていない。そこがまた気に入っている理由のひとつです。確かロンドン録

音じゃなかったかな。弦のダイナミクスが違います。スケール感が大きい。ティムパニの使

い方、ニクいね。沢田研二で「胸いっぱいの悲しみ」でした。

タイガーズ時代から沢田研二は欧州進出を試みていまして、このセッションもその

一環ではなかったかな。ビージーズに楽曲を貰ったりしてましたね。英語詞の

「愛の逃亡者」なんてのもあった。仏蘭西にも目配りを怠らず、「巴里にひと

り」の頃は、向こうのテレビ番組にも出演してた筈です。わたしとしてはロンドン

よりパリの方が沢田研二には似合っていたように思えます。

ではその頃のシングル曲、フランスでヒットの実績のあった曲の日本語詞カヴァです。

「見せられた夜」。

 

M02.魅せられた夜(2’57”)沢田研二   

-J.Renard, K.Yasui-  ポリドール UPCY-6521/2/3

 

N  これは国内録音かな。編曲は東海林修。現場には加瀬邦彦もいた筈です。

他の歌謡曲とはひと味違う奥行きを感じますね。この路線で掴んだ手応えは

その後の沢田研二にかなり大きな影響を与えている、わたしはそう確信して

います。

それでも、1973年の「危険なふたり」、このヒットは圧倒的でした。これによ

って、沢田研二の世界は異常なほど拡大しました。この次のシングルがさっき

の「胸いっぱいの悲しみ」ですから、影が薄くなってしまっても仕方ないで

すね。いかにロンドン録音と言えども。

 

M03.危険なふたり(3’23”)沢田研二  

-K.Yasui, K.Kase-  ポリドール UPCY-6521/2/3

 

M04.シーサイド・バウンド(2’49”)ザ・タイガース

-J.Hashimoto, K.Sugiyama- ユニバーサルUICZ 6033

 

N   1973年夏の日本列島を席巻した「危険なふたり」でした。これは名作です

ね。いつ聞いてもカッコいい。演奏はドラムズが原田裕臣、ギターが井上尭之、鍵盤

が大野克夫の井上バンド。萩原「ショーケン」健一と組んだスーパー・グループ「PYG」

の失敗を糧に実力本位で編成した沢田研二専属楽団です。そしてここのベイス

担当が、タイガーズ時代からの盟友、岸部修三でした。続けて聞いて貰った「シー

サイド・バウンド」では彼のバリトン・ヴォイスがよく聞こえていましたでしょ。GSの

場合、自分たちで演奏している例は稀です。メイジャーなヒット曲の録音では特にそ

うですが、この時は岸部修三本人がベイスも弾いているのではないでしょうか。

そんな感じの単純なベイス・ラインです。

タイガーズのメムバでは彼が一番楽器演奏に熱心でした。最初は見た目重視の定

番ヴァイオリン・ベイスでしたが、すぐにより強力なフェンダー・ジャズ・ベイスに持ち替

えたしね。その実力で井上バンドにも参加したのでしょう。今は岸部一徳とい

う名前で役者をやってます。

この岸部修三の仇名が「サリー」なんです。彼は身長が180cm以上の背高ノッポ。

そこで「のっぽのサリー」に因んで「サリー」という愛称を賜ったのだそうです。

わたしはそう聞いていました。もちろん「サリー」は女の名前。ウイルスン・ピケットも

「じゃじゃ馬サリー」には苦労してました。

先ほどまで無理して「沢田研二」で通しましたが、彼は通称ジュリー。これも

女の名前。この辺りのお話は、多少の異論も含みまして「音楽雑誌エリス」の最

新号で語られています。「ロング・トール・サリー」と「チッチ」で3週間引っ張ったカマシ

も亀渕昭信大先輩に先を越されてしまった。これは仕方がないですね。

 

M05.のっぽのサリー(1’39”)ザ・マックショウ     

-Johnson, Penniman,Blackwell-  Bad Records IDCG 1003

 

N  只今お聞き頂きましたのはザ・マックショウという日本のロケンロー・バンドの「のっぽ

のサリー」です。2003年の発売ですからもう随分と前の盤です。全体の構成は

ほとんどビートルズのカヴァと同じですが、もっとテムポーを早くして音を過剰に粗

く仕上げています。パンク以降の時代背景を意識したのでしょうか。

家から歩いて30分ほどのところにポツンとバーがありまして、ギネスを飲まし

ている。通る度に気になっていまして、夏の暑い午後に立ち寄りました。そ

の時に流れていたのがジョニーとビート・ブラザーズ仕様の「マイ・ボニー」でした。「こ

れは映画『ノーウェア・ボーイ』のサントラか」と尋ねたところ有難い事にすぐに話が繋

がって、「いやザ・マックショウという日本のグループです」と教えて貰えました。

家で調べたらもう活動歴も長く、沢山のアルバムを出してました。今回はこの

「のっぽのサリー」が必要で、1枚目を手に入れました。グッドールド・ロケンロー曲の

他にオリヂナルがいくつかあって、それがなかなか良いのですよ。

矢沢のエーちゃんそっくりな唄い方が印象的な

「彼女は青い月」、

そして「いとしのカロライナ」、2曲続けてどうぞ。

 

M06.彼女は青い月(2’07”)ザ・マックショウ  

-K.Miyagawa-  Bad Records IDCG 1003

 

M07.いとしのカロライナ(2’12”)ザ・マックショウ 

-K.Miyagawa-  Bad Records IDCG 1003

 

N  ザ・マックショウで「彼女は青い月」、そして「いとしのカロライナ」でした。3人組と

いうのが意外ですが、最新の作品も聞いてみたくなりました。この国の歪ん

だロケンロー観を覆してくれていると良いなあ・・・。

 

M08.Zing Went The Strings Of My Heart(2’45”)The Coasters  

-J.F.Hanley- Rhino / Atlantic R2 71090

 

N  晩夏葉月末、新宿歌舞伎町でワツシイサヲがトラムプスの「ペンギン、ヌー・ヨークへいく」

でゴーゴーを踊ったお話は、以前いたしました。その原曲は今のザ・コースターズの

「ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・マイ・ハート」でありますが、これは大変に

古い歌でして、その前にオリヂナルが御座います。ゴーゴーを踊った後で、ふと自

分はそれを聞いていない、少なくとも持っていないな、と気づきました。と

なるとすぐにどうしても確かめたくなります。ジュディ・ガーランドの歌だっての

は記憶にありましたから、比較的すぐに手に入りました。と言いましてもイギ

リスから送って貰ったんですけどね。

まずは聞いて頂きましょう。

「心の弦(イト)をかき鳴らせ」、ジュディ・ガーランドです。

 

M09.Zing Went The Strings Of My Heart(2’57”)Judy Garland   

-J.F.Hanley- Musical Memories RGCD 1153

 

N  ジュディ・ガーランドで「「ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・マイ・ハート」」でした。

「心の弦をかき鳴らせ」というのは、正確な邦題かどうか分かりません。昔

の仕事場だった新宿の放送局のレコード室に詳しい人がいまして、そこで聞いた

ような気がしますが、確かではない。ただ「「ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・

マイ・ハート」」と呼ぶよりはカッコ良いような気がするので、わたしはよく使います。

正確には「心の弦がかき鳴らされた」、ですね。初対面の人の微笑みを見て

美しい和音、旋律が心に響き亘った、という「ひと目会ったその日から恋の

花咲くこともある」と、「パンチDEデート」みたいな内容です。1934年のブロード

ウエイ・リヴュウ「サムズ・アップ」で披露された歌で、ジュディだけの物ではないよう

ですが、彼女の唄が一番有名になりました。今回手に入れたアルバムはジュディの

廉価ベスト盤です。その表題が『「ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・マイ・ハート」』

でした。ジュディはいかにもミュージカル的に唄い上げていました。

さて「幻」では珍しいミュージカル楽曲、『ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・マイ・

ハート』から少し聞きましょう。

まずはガーシュイン作品で超有名なこれです。

「アイ・ガット・リズム」。

 

M10.I Got Rhythm(2’53”)Judy Garland   

-I.&G.Gershwin-  Musical Memories RGCD 1153

 

N  ジュディ・ガーランドでガーシュインの「アイ・ガット・リズム」でした。1930年のミュージカ

ル「ガール・クレイズイ」で発表されました。

皆さん御推察の通り、わたしはミュージカル自体があまり得意ではないのですが、

ジュディ・ガーランドには特別な思い入れがあります。それは1972年末頃に刊行

された「ローリング・ストーンズ・ブック」に「ミック・ジャガーはジュディ・ガーランドの実演

を観た事があるのではないか。彼女から多くを学んでいるように思える」と

いったような記述があったためです。映画になった作品は「オズの魔法使い」

「イースター・パレイド」「スタア誕生」くらいしか観ていませんで、両者の共通点は未

だに分かりませんけれども。

それでも元気に明るく歌ってくれたジュディの存在はわたしの心の中にあり

ます。今回初めて手に入れたこの盤に収録されているトラックが正規のオリヂナルで

あるかどうかも定かではないので、これを機にグラミー賞を獲ったカーネギー・ホールの

実況盤を聞いてみたくなりました。ハリウド映画産業の巨大メカニズムの犠牲になっ

た人生には、お悔やみ申し上げます。

ジュディ・ガーランドでもう一曲。

「オズの魔法使い」からは、これしかありません。

「虹の彼方に」です。

 

M11.Over The Rainbow(2’48”)Judy Garland  

-Y.Harburg, H.Arlen-  Musical Memories RGCD 1153

 

M12.君といくつまでも(1’13”)葉山雄三   

-unknown-  アルファ  TAMORI-3

 

N  申し訳ありません。間違えました。改めてお送りします。

加山雄三で、「君といつまでも」。

 

N13.君といつまでも(3’21”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

N 「君といつまでも」、加山雄三でした。かつての円満な結婚式の定番曲、一世

を完璧に風靡しました。作詞岩谷時子、作曲弾厚作、非の打ち所がないこの

歌は、もう一つの要素、完璧な編曲で支えられています。その素晴らしい仕

事をしていた森岡賢一郎が、去る8月19日に84歳で亡くなりました。

わたしは加山雄三のシングル盤ジャケットのクレジットで、音楽制作に「編曲」という

仕事領域がある事を知りました。そこに書かれていた担当者名が「森岡賢一

郎」です。同期ですと三木たかし、東海林修、服部克久などの優秀な編曲家

が何人もいて、森岡賢一郎はその中で安定した位置に居ました。彼の作風は

「調和」、この一言に尽きます。丁寧に書かれた管弦のスコアによる響きは特筆

すべきでしょう。柔らかで幅があります。それも今朝の1曲めの「胸いっぱ

いの悲しみ」でのイギリスの管弦楽団とは異なる、「歌謡曲」という世界に誇る

音楽分野での独創に満ちています。

この人の属性を語る四方山話には、実際のところ全く接した事がなく、顔

も知らなかった。編曲者という裏方に徹していた生き方は、彼の性格の現れ

だと考えます。暗い歌でも希望につながる一筋の光を見せてくれる彼の作風

「調和」は、音楽の持つ基本的な歓びと共に彼の人生観、世界観なのでしょ

う。

ここからしばらくはこの偉大な裏方に敬意を評して加山雄三作品での仕事

をいくつか紹介して行きましょう。まずは異色のボッサ・ノーヴァ・アレンヂです。

「暗い波」。

 

N14.暗い波(3’24”)加山雄三  

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

N  1968年の映画「リオの若大将」主題歌、「ある日渚に」のB面「暗い波」で

した。この頃の加山雄三はヒット・パレイドの常連ではありましたが、爆発的人気

が一段落した安定期。何かの歌番組で「ボッサ・ノーヴァをやってみたいんです」

と言っていたのを覚えています。世界的な流れを察知し、その先端の髄を吸

収しようとしていたのですね。詞曲とも国産ボッサ・ノーヴァとして一級品ですが、

森岡賢一郎の編曲が無ければ完全な成立は不可能だったでしょう。後の世に

登場する電子弦アンサムブル楽器ソリーナそっくりのロング・トーンが印象に残ります。

森岡賢一郎はきちんとクラシックを学んでいて、オーケストラの棒振りも出来ます。決

してラテン系が得意という訳ではないのですが、このような世界水準の整然とし

た編曲もきちんと出来るのには舌を巻きます。きっと当時の最先端ボッサ・ノーヴ

ァを緻密に解析したのでしょう。

次も同傾向にある1曲です。こちらはコムボ編成のヘッド・アレンヂ風ですが、お

そらく細かな気分リフ的なフレイズも全てオタマジャクシで表された書き譜ではないで

しょうか。

 

M15.ロンリー・ナイト・カミング(3’05”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

M16.アロハ・レイ(さよなら恋人)(3’05”)加山雄三  

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

N  ボッサ・ノーヴァに続いてはハワイアン。ヒット・シングル「お嫁においで」のB面「アロハ・

レイ」でした。A面は大橋節夫のハニー・アイランダーズがハワイアン・バンドらしくまとめ

て仕上げていたのに対し、こちらはアメリカの避暑地映画サントラ風です。見事です。

次はとても地味ですけれども森岡賢一郎のメロディ感覚、リズム感、音色のセンス

がしっかりと感じ取れる一曲です。1968年の秋に発表された充実のアルバム『君

のために』に収められていました。

「落日の彼方」。

 

M17.落日の彼方(2’17”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

M18.君のスープを(3’37”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

N  「加山雄三作品に聞く森岡賢一郎の編曲術」、最後は東芝からの第一弾LP

に入っていた、これも地味ですが森岡賢一郎的調和のツボがよく分かる「君の

スープを」でした。当初は恋人を故郷に置いて単身赴任に向かう男の歌だとい

う事が分からずに解釈に苦労しました。単発完結型連続テレビドラマ「新婚さん」

の主題歌だったような気がしますが、覚えている方、いらっしゃいませんで

しょうか。こっちも地味だったなあ。

「現」の初代プロデューサー大塚祐介の親父は車に乗るとずっと加山雄三を流し

っ放しだったそうです。続けて聞いていて、そんな事も思い出しました。

さてこの巨匠森岡賢一郎は加山雄三だけと仕事をしていた訳ではありませ

ん。他の唄い手のヒット曲で何度もレコード大賞編曲賞を受賞しています。

その代表曲が、これです。

 

M19.ブルー・エンペラー(54”)ジャッキー佐藤とブルー・コメットさん

-unknown-  アルファ  TAMORI-3

 

N  また間違えました。只今のはジャッキー佐藤とブルー・コメットさんの「ブルー・エンペラ ー」

でした。森岡賢一郎の作品はこちらです。

ジャッキー吉川とブルー・コメッツで「ブルー・シャトー」。

 

M20.ブルー・シャトー(2’44”)ジャッキー吉川とブルー・コメッツ

-J.Hashimoto, T.Inoue-  テイチク  TECH32412/3

 

N  ジャッキー吉川とブルー・コメッツで「ブルー・シャトー」でした。

今日これから出かける上越市のエフエム放送「エフエム上越局で木曜日夜9時から

放送の「サースデイ・グルーヴ」でも「森岡賢一郎の編曲ツボ」をお話ししようと考

えています。明日の収録で、放送は今月の27日午後9時からです。その前の

週、20日も「ヒップホップ前夜」と題して、ワツシイサヲ登場です。周波数は76.1Mhz。

PCやスマフォでも聞けます。森岡賢一郎については、今朝より幅広くお届けする

つもりです。どうぞお楽しみに。

 

M21.Before The Next Teardrop Falls(2’38”)Freddy Fender

-Peters, Keith-  Park South 80246 90634 2-4

 

N  これはフレディ・フェンダーの「涙のしずく」、2002年にCDで発売された実況録

音盤からです。いつどこでの実演なのか何も記載がありませんが、おそらく

は70年代の収録で、場所はきっとテキサス周辺でしょう。2番からスペイン語で唄

うのが、カッコ良いですね。

土曜日に四谷のブルー・ヒートでのR&Bレコード・コンサートに顔を出しました。主宰

の鈴木啓志御大から直接声を掛けられるというパワハラを受け、行かざるを得ま

せんでした。そこでこの歌が話題になりました。キャンディ・ステイトンがずっと好き

で持ちに歌していた、と語るラジオ番組のインタヴュウなども流されまして、幅広い

討議が行われました。私は「これはもうフレディの歌だよ」と主張したのですけ

れど、啓志御大が、誰だったかな、とにかくオリヂナルにやたら拘って譲らず、

平行線でした。ご想像下さい。

こういう所にひとりで来て、配られたプレイ・リストに書き込みなんかして一言

も喋らず帰って行く人は今も居るんですね。ここで知った楽曲を家でシングル盤

「ヲント・リスト」に加えるのでしょうか。何十年も前の地下ソウル集会を見た思いで

した。彼らからは、わたしなど相当に不謹慎に見えた事でしょう。

それでもこの場でフレディの名前が出た事は嬉しかった。では同じライヴ・アルバ

ムから表題曲をどうぞ。

これも立派にフレディ・フェンダーの持ち歌でした。「シークレット・ラーヴ」。

 

M22.Secret Love(4’00”)Freddy Fender

-E.Green, C.Montgomery-  Park South 80246 90634 2-4

 

M23.これぞ男たちの人生(4’49”)オレンジ・カウンティ・ブラザーズ

-Y.Iida-  ケンロード・ミュージック MOCD 1006

 

N  同じくテクス・メクス調で「これぞ男たちの人生」、オレンジ・カウンティ・ブラザーズでし

た。いつか日の出町ファーストのピンポンDJ合戦で聞いて貰いましたね。その時は

天王町まで出かけてグループ・リーダー本人からLPを借りて来ました。今のはCD

でお送りしましたけど。

オレンジ・カウンティ・ブラザーズは保土ヶ谷育ちの飯田雄一という男が組んだグループ

で、立教大学の軽音楽サークルを根城にしていました。彼の音楽センスは抜群でして、

あの久保田麻琴が一目を置いているという事で首肯ける方も多いでしょう。

今の「これぞ男たちの人生」のような素敵なオリヂナル、そしてカヴァがピカイチでし

た。

ハギリョウさんからご希望をいただいている「恋の特効薬」、今朝はオレンジ・カウン

ティ・ブラザーズで聞いて貰いましょう。ハモニカは妹尾「ウィーピング・ハープ」隆一郎。

カッコいいですよ。

 

M24. 恋の特効薬(3’59)オレンジ・カウンティ・ブラザーズ

-J.Leiber, M.Stoller, Y.Iida-   コロムビア  COCP-38175

 

M25.Aquarela Do Brasil(6’36”)Joao Gilbert 

-Mateus, Dadinho-  Warner Bros. 9 45165-2

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の「逝く夏を惜しんで」は、ジョアン・ジルベルトの「ブラジール」。素晴らしい

仕上がりです。これから夏に向かう南半球の町が水彩画で浮かび上がります。

45979号さん、特別付録では特別な音質調整はしていません。恥ずかしい

位の低価格汎用機ですから、CDを回してそのまんまアナログ状態で付録にして

います。ただエーちゃんはベイス上手いんだよ。多分にポール・マカートニ的ではありま

すが、独創的なフレイズも持っていたし、沢山くすぐってくれるラインを編み出し

ていました。わたしとしては、「E.YAZAWA」になってから後ご愛嬌程度でし

か弾かなくなってしまったのがとても残念です。

さてこれから上越へと出かけます。10時32分発の新幹線。国境のトンネルを

抜けたらお花畑が・・・。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/3552fd9d535e5f590bc8bdb93c9891a8710f7595

   ダウンロードパスワードは「5fn9qqtm」です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/09/08

mb180908

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  涼しくなってきましたね、オハヨゴザマス、ワトゥシアイザオです。もう動いても汗が

出る事もありません。10日ほど前は髪を梳かした後に、もう一度シャワーを浴び

なければならなかったほどですからね。

さあ今朝も活動的に行きましょう。

「グッドールド・ロケンロー」。

 

M01.グッド・オールド・ロックンロール(1’59”)キャロル

-Smith, Chin, Michaels, Equine, Jonson, Blackwell, Penniman-

フォノグラム 30LD-21

 

N  音頭屋台船出港が中止になった9月2日、河内音頭〆踊りは墨田区役所1

階ロビーで行われました。「船頭」の役割を解任されたわたしは、冒頭で司会者、

山口屋サヒチの紹介をしただけですが、ここの場でロケンロー・ハギリョウさんに会う事

が 出来ました。台風がらみの悪天候の中、お越し頂来ましてどうもありが

とうございます。元気なお姿を確認しました。

ほんの短い間のすれ違いでしかありませんでしたが、その時に話題になっ

たのは、やはり「のっぽのサリー」。キャロルのカヴァはこの「グッドールド・ロケンロー」

に唄い込まれているものしかありませんね。実演の場では通して演ってたか

もしれない。リパトゥワを古いロケンローだけで済ませてた時もあったからね。

ところで「グッドールド・ロックンロール」のオリヂナルには、もっとたくさんの名曲が

メドリー形式で繋がっています。そちらを聞いてみましょう。

デイヴ・クラーク・ファイヴです。

 

M02.Good Old Rock’n’Roll(3’23”)Dave Clark Five

-Smith, Chin, Michaels, Equine, Berry, Jonson, Blackwell, Penniman, Richardson, Williams, Perkins-

Universal  1781774

 

N  「グッドールド・ロケンロー」、唄い込まれていたのは「スウィート・リル・シクスティーン」、

「のっぽのサリー」、「シャンティリー・レイス」、「ホーロッタ・シェイキン・ゴーイン・オン」、「ブルー・スウェ

ード・シューズ」でした。とても上手にまとめてます。もちろん全員一緒の同時

演奏同時録音。よく途中で破綻しなかったなあ。ただしキャロルがこれ全部をや

らずに「のっぽのサリー」だけに留めたのはそれで正解と、わたしは考えます。

デイヴ・クラーク・ファイヴで「グッドールド・ロケンロー」でした。

さて、先週の外れたカマシ案件、「サリーはのっぽだよね」には意外な反応があり

ました。「『誰がチッチやねん』ってアタシなら言う」です。ワツシだって知ってますよ。

すぐ思い出しました。恋愛漫画の「チッチとサリー」でしょ。「小さな恋の物語」っ

て題名でしたっけ。作者は誰だったかな。この手の少女的な物に一切興味を

示さなかった3ツ年上の姉が、ごく短期間面白がって読んでました。母親にも

見せたりしてね。何故だ。

「チッチ」という名の小柄で可愛らしい女の子が主人公で、彼女にサリーという

背の高いボーイフレンドがいたのではなかったかな。これについては全く調べ物を

せず、記憶だけで話してますから、間違えていたら失礼。

「誰がチッチやねん」、そうです。これをお聞きください。

 

M03.誰がカバやねんロックンロール・ショー(4’03”)誰がカバやねんロックンロール・ショー

-D.Yoshitaka,R.Kamon-  CLINCK CRCD-5015

 

N  誰がカバやねんロックンロール・ショーというグループの、「誰がカバやねんロックンロール・ショー」

という歌でした。「誰がチッチやねんロケンロー・ショウ」ではありません。

このグループ「誰カバ」は、昔の情報誌「ぴあ」の大きな催事で出会って、非

常に気に入りました。関西ローカルで同名のテレビ番組を持っていたらしい。吉本

新喜劇の常連出演者でひと目で河馬ヅラと分かる男がいたでしょう。直接は関

係ないらしいんだけど彼の事らしいんですね、この場合の「カバ」は。その辺

はまだ詳細が掴めていません。これも「チッチ」と同じくインタネット上で調べればす

ぐにある程度の事は分かるでしょうが、それではつまらない場合もあります。

害のない領域ならば、漠然とした状態や思い出そうとしているままの方が面

白い。脳味噌動かさなきゃね。

「誰カバ」は、鳶職の現場作業服にヘルメットを被った衣装などで登場し、全体

がひとつのコントのようなショウを展開し、音楽を通して笑わせてくれる傑出した

滋賀のバンドでした。鈴木ヒロミツも唄ってたリル・リチャードの「ジェニ・ジェニ」を「ゼ

ニ・ゼニ」と叫んで「銭くれ、銭」と唄います。その時わたしは持っている小

銭を全て舞台に投げ入れました。西新宿の工学院大学の学園祭だったかな。

そして、わたしのノーテンを直撃した「誰カバ」のオリジナル楽曲が、これでした。

 

M04.どこかで狼が鳴いている(3’21”)誰がカバやねんロックンロール・ショー

-D.Yoshitaka,R.Kamon-  CLINCK CRCD-5015

 

N  わたしが「永遠の傑作」の誉れを授ける「どこかで狼が鳴いている」、誰が

カバやねんロックンロール・ショウでした。当楽曲につきましてはその昔、某所で大いに

語った事がありますので、もう何も申しません。

さてこの夏は、あちこちに熊、鹿、猪が出て来ましたね。こういう時の大

騒ぎを見聞きすると、今の人間たちが如何に野生動物と離れて日常を生活し

ているか、という事実を痛感します。愛玩用の猫や犬には「家族です」なん

て扱いするクセにね。野生、自然と離れる事が文明の証なのでしょうか。台風

20号の大被害に接しても同じく。なんて考えていたら、北海道で大地震が起

こりました。不幸中の幸いは、津波を伴わなかった事。それでも突然の被害

は相当に酷い。度重なる自然の脅威に、底知れぬ恐ろしさを感じます。ここ

のところ、天災が何故か関東を素通りしているのも気になるのです。

台風が去ったら今度は地震、本当にこの島国は一年中地球の猛威に振り回

される運命にあります。にも関わらず愚かな人間どもは、いつの間にか自分

たちが自然より優位な立場で支配しているんだ、というような誤った意識を

持つようになってしまっているようです。

俺たちは完璧でも最強でもなんでもない、同じ過ちを繰り返す、ただの宇

宙のカスなんだ。電力が来ないだけで、もう何にも出来ないのですから。この

「幻」だって同じです。「これを機に安定度の高い原子力発電の整備を」なん

て言うバカな自民党議員が出て来なけりゃいいのですがね。いつもより速やか

な自衛隊派遣決定も、軍隊が必要だという説得力増強に利用されています。

ただわたし達も、電力依存の生活、スマフォ無ければこの世は闇だ、といった生

活習慣をタショー改めた方がいいかも知れません。

バベルの塔は絶対に崩れます。この国ではその前に「バブルの塔」が木っ端

微塵になりました。謙虚になりましょう、特に大自然には。

まずは募金、義援金して被害にあった人たちに元気になって貰いましょう。

度重なる天災で、隣国の人たちからの応援も、今回は無理かもしれません。

わたしたちの民度が試されます。

さて本題に戻りますと、狼は町に出て来なかったですね。「ニホンオオカミ」は絶

滅して久しいんだっけ。10年ほど前に「東北で生存か」なんて話が・・・あ、

これもすべてうろ覚えですからこの辺にしましょう。とにかく、今年も今月

20日から26日までは動物愛護週間です。人間河馬男、何処かで鳴いている

オオカミに敬意を表して、思いつくままに野生動物の歌を並べてみしました。

多忙時、苦肉の策ですが、どうぞお楽しみ下さい。皆さまの高度なカマシ、ご

提案も歓迎いたします。

では「鰐」から参りましょう。

 

M05.クロコダイル・ロック(3’55”)エルトン・ジョン

-E.John, B.Taupin-  Polydor 314 512 532-2

 

N  「鰐のロック」、エルトン・ジョンでした。「左ヒラメに右カレイ」ならぬ「左クロコに右ラコステ」、

しかしもうひとつ、ブガルーを踊る「アリゲイタ」、と言う種類もあります。

こちらは如何でしょうか。

 

M06.ワニさんがいっぱい(1’53”)キャロル・キング

-C.King, M.Sendak-  ソニー EICP 847

 

N  「ワニさんがいっぱい」、キャロル・キングでした。絵本作家モーリス・センダクの制作した

テレビ番組「おしゃまなロージー」のサウンド・トラックからです。お聞きのように、こ

れは「A」から「Z」までのアルファベット数え歌です。普通なら「A of  “A”pple」

と来ますが、「”A”lligators  “A”ll  “A”round」とひねられています。作詞も

担当したセンダクの才気冴え渡るところですね。「ド」は「ドアホ」の「ド」では

ありません。

さて河馬、狼、2種類の鰐と来ました。次は類人猿です。

ジェイムズ・テイラーで「ゴリラ」。

 

M07.Gorilla(3’10”)James Taylor

-J.Taylor-  Warner 7599-27293-2

 

M08. モンキー・スピークス・ヒズ・マインド(3’52”)ザ・ダーティ・ダズン・ブラス・バンド

-D.Batholomew-  アメリカーナ 28C-7047

 

N  ジェイムズ・テイラーの「ゴリラ」、そしてザ・ダーティ・ダズン・ブラス・バンドの「マンキ・

スピークス・ヒズ・マインド」でした。先程お聞き頂いた河馬、狼、鰐の歌とは違っ

て、どちらも「ゴリラ」「猿」と愚かなホピサピエンスとの対比で語られる風刺です。

これらの歌では人類の知的水準は彼ら以下という事になります。事実かも知

れません。

さてザ・ビートルズの動物が主人公になっている歌というと「俺は海象」とい

う強力な1曲があります。同じ『マヂカル・ミステリ・トゥア』に収められている「ザ・

フール・オン・ザ・ヒル」も、「丘の上に立っている自閉症気味の人間」というより

は、いつもそこに居てモゴモゴと口を動かしている麒麟か駱駝のように思えま

すが如何でしょう。

そういえば狸が居たな、とホワイト・アルバムを引っ張り出したら、その前の収録

曲が「豚」でした。糊の効いたワイシャツを着て夕食にフォークとナイフを使って夫人と

「共食い」をする豚の歌「ピッギーズ」、ジョージ・ハリスン作です。

そして、恋人を奪われ嫉妬に狂い恋仇を撃ち殺しに行く北米ダコータ州の山狸

の物語「ロッキー・ラックーン」、こちらはポール・マカートニ作。続けてどうぞ。

 

M09.ピッギーズ(2’02”)ザ・ビートルズ

-G.Harrison-  東芝 TOCP-71050

 

M10.ロッキー・ラックーン(3’32”)ザ・ビートルズ

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-71050

 

N  河馬、狼、鰐、ゴリラ、猿、豚、狸と並んだ2018年動物愛護週間自発的協賛

音楽図鑑「世界の獣たち」、如何でしたでしょうか。ご感想をお待ちいたしま

す。

 

M11.Slow Dance(6’37”)アナ・ポポビッチ feat.Robben Ford 

-unknown-  BSMF 2622

 

N  「スロウ・ダンス」、アナ・ポポビッチでした。ケブ・モが企画制作責任者の新作『ライク・

イト・オン・トップ』から、ロベン・フォードをフィーチュアしてお届けしました。先週冒頭曲

「ラースティング・カインド・オヴ・ラーヴ」を聞いていただきましたが、手元にあった

音源の状態が悪く、お聞き苦しかった点、申し訳ありませんでした。今週は

正規の音質でお届けしています。いい響きでしょ。

同じアルバムから、今度はちょっと前の天才少年ケニー・ウェイン・シェパードをフィーチュア

して、「セクシ・トゥナイト」をどうぞ。

 

M12.Sexy Tonight(2’55”)アナ・ポポビッチ  feat. Kenny Wayne Shepherd

-unknown-  BSMF 2622

 

N  先の「スロウ・ダンス」はカントリー・バラッド調に唄うアナ・ポポビッチが魅力的でした。

ロベン・フォードを差し置いて弾くギターも見事。この「セクシ・トゥナイト」でも以前のヤン

チャぶりを思い起こさせるケニー・ウェイン・シェパードに負けずしっかりと主役を演じ

る彼女、ひと回りもふた回りも大きくなったように感じられますね。

先ほどもお話ししたように、今回はケブ・モがプロデュース。やはり、いかにも

というナムバが入っていました。

ドブロ・ギターを全面で使った「ア・マター・オヴ・タイム」。

 

M13.A Matter Of Time(2’55”)アナ・ポポビッチ 

-unknown-  BSMF 2622

 

N  「ア・マター・オヴ・タイム」、アナ・ポポビッチの新作『ライク・イト・オン・トップ』からです。

では先週ひどい状態でお届けした「ラースティング・カインド・オヴ・ラーヴ」を、良

好な状態で、もう一度どうぞ。

 

M14. ラースティング・カインド・オヴ・ラーヴ (4’55”)アナ・ポポビッチ

-unknown-  BSMF 2622

 

M15.スウィーテスト・ベリー(3’46”)エヂ・モッタ

-unknown-  Pヴァイン PCD-24767

 

N  アナ・ポポビッチの「ラースティング・カインド・オヴ・ラーヴ」に続けましたのは、エヂ・

モッタというブラジルのシンガーの新譜から「スウィーテスト・ベリー」です。この辺りの音楽

に関して、皆さんはどのようにお感じでしょう。

北米の黒人MOR歌手といっても誰も疑問を抱かないような造りです。わ

たしはここ数年、この手の作品群が気になっています。「この手の作品」と申

しましても、皆さんにはちょっと曖昧すぎる領域かも知れません。わたしの

考える「この手の作品」、来週の上越生DJ合戦の主題に据えようかとも考え

ています。果たしてどうなりますやら・・・。

 

M16.アイ・ファウンド・ユー(3’22”)ウィリー・ハイタワー

-unknown-  Pヴァイン PCD-17786

 

N  来月ハイ・リズムにスティーヴ・クロッパーという演奏陣と共に東京と大阪で公演を行う

ウイリー・ハイタワー、なんと今年77歳なのですが、お聞きのような元気な歌声を聞

かせてくれます。この新譜のプロデューサーはゴールド・ワックスの創設者である白人

のクイントン・クランチという男。エルヴィス・プレズリとの演奏経験を持っていて、既に95

歳だそうですが、今回のマスルショールズでの録音制作は極めて宜しい出来です。スタ

イルは当然ながら南部のソウル・ミュージックながら、昔のシングル盤にあった妙な突出感

がなく、誰でも素直に入って行ける響きになっています。ひょっとしたらクイン

トンは昔からこんな音が欲しかったのではないか、そんな事も考えました。

今のは冒頭曲「アイ・ファウンド・ユー」。とても滑らかな唄は現役感充分ですが、

果たして今までずっと人前で歌い続けてきたのでしょうか。この国ではウイリ

ー・ハイタワーというと、ふた言目には「サム・クック・フォロワー」と表現されますが、わ

たしが聞く限りでは、そんなに近くない。あの頃に幅広く支持を求めようと

したR&Bシンガーに共有の感覚、技術を身に付けているだけ、のように聞こえ

ます。大体からしてサム・クックの影響を受けていない唄い手など有り得ない、と

いうのがわたしの持論ですので、殊更に言い及ぶのはナンセンスだと考えます。も

ちろんこれは彼の絶対評価を左右するものではありません。

とにかくこの新譜『アウト・オヴ・ザ・ブルー』は、押し付けがましさのない好

盤です。また来週お届けしましょう。

さて、亡くなったソウル・ミュージックの女王アリーサ・フランクリンを追悼し、なんとバッキン

ガム宮殿の音楽隊は、彼女がオーティス・レディングから奪い取った名曲「リスペクト」を

演奏しました。英国教会はカソリックで、アリーサは当然プロテスタントです。いいのかな。

わたしはインタネットのヌーズで知りまして聞きに行ったのですが、これが秀逸。

セット・ドラムもエレキ・ギターもベイスもないのに、立派なR&Bになっています。ご興

味のある方は、ぜひこちらでお確かめ下さい。ブラスバンド関係者にとっては、

来年夏の高校野球応援の参考になるかも知れません。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180902-00010000-afpbbnewsv-int

では、その罰金が無宮殿R&B楽隊が演奏した「リスペクト」、今朝はオリジナルの

ステューディオ録音版をお送りしましょう。

 

M17.Respect(2’26”)Aretha Franklin     

-O.Redding-  Rhino / Atlantic

 

N  永遠の「リスペクト」、アリーサ・フランクリンでした。

さてようやく長く暑い夏も終わり始めたようですね。先週の「サマー・ワイン」

の虚しく響くこだまはなかなかの趣きでした。今朝も出番を失った夏の定番

曲をお届けしましょう。

これはわたしだけの思いかも知れませんが、一瞬涼しさがよぎる真夏の深

夜に聞くと効果抜群です。

ディ・イーモーションズで「愛に咲く花」。

 

M18.フラワーズ(4’20”)エモーションズ        

-M.White, A.McCay-  ソニー SICP 3171

 

M19.愛のご加護(0‘39”)エモーションズ

-G.D.Martin, W.S.Martin- ソニー SICP 3171

 

N20.In The Summertime(3’39”)Mungo Jerry   

-R.Doset-  MPS FG0099

 

N  アカペラ「愛のご加護」のオマケ付き「フラワーズ」、イーモーションズ、そしてこちらも過ぎ

た夏の日の定番、マンゴー・ジェリーで「イン・ザ・サマタイム」でした。中間部で一旦終

了して、車の排気音が入って再開、という部分がツボかな。

日本でのジャグ・バンドのヒット曲というのは、ひょっとしたらこれしかないか

も知れません。1970年の出来事でした。それ以来、この国でも主に大学の音

楽サークルなどでこの演奏形態が試され始めました。昨今の若い人たちが好んで

いる「アクースティク・スウィング」もこの辺りが発端と言えなくもありません。

さて逝く夏を眺めて思い出す避暑地の出来事、「夏の日の恋」・・・

 

M21.夏の日の恋(2’46”)パーシー・フェイス楽団

-M.Discant, M.Steiner-  Phillips 322 529 BF

 

M22.逢いたくて逢いたくて(3’48”)園まり

-T.Iwatani, H.Miyagawa-  ユニバーサル UPCY-9286

 

N  突然の純然たるカヨー曲は、言うまでもありません,園まりの最高傑作、「逢い

たくて逢いたくて」です。パツラが咽び泣くこの素晴らしい編曲を担当して

いた森岡賢一郎が亡くなりました。それで今朝はまず1曲、とお送りしまし

た。来週はもう少し彼の仕事を聞いてもらうつもりです。お楽しみに。

 

M23.朝のコーヒー(3’24”)エラスモ・カルロスとナラ・レオン 

-N.Leao-  ポリドール MP 2642

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の最後はエラスモ・カルロスとナラ・レオンのデューオで「朝のコーヒー」。朝からなんとも

気怠いこの二人は昨夜何をしていたんでしょう。 たぶん今もCDになってい

ないエラスモ・カルロスの『饗宴』からでした。

9月3日の「河内の語り屋」「初代桜川唯丸 江州音頭革命記」上映会には

多数のお越しをありがとうございます。満員御礼申し上げます。会場となっ

たアップリンクは消防法をしっかり尊守する映画館でして、定員以上の入場を認め

ないため入り口まで来られて何人もお帰り願ったようです。申し訳ありませ

ん。只今アンコール上映会を企画中。決定しましたら、こちらでもご案内いたしま

す。今度は事前予約をお忘れなく、ね。

わたしも駄文を寄稿している音楽雑誌エリスの最新号が公開になりました。

https://bccks.jp/bcck/155789/info へ出向いて、pm64tで入って下さい。奇

しくも某氏の文章で、来週にとっておいたネタが語られてしまっています。さ

て、どこでしょう。

来週15日は上越でピーター・バラカンとピンポンDJ。この種の合戦は嫌いではな

いのですが、今回は初めてPC音源を人前で使用するので、やや緊張気味です。

実際これまでもPCからの音楽送りはした事がないのです。ファイル音源も必ず

CD-Rを焼いて回していました。そうしないと安心出来ません。古い奴だとお

思いでしょうが、今でもそうなんです。

さてそのピンポンDJの詳細です。

9月15日土曜日 午後5時から

新潟県上越市本町六丁目4番21号

現存する日本最古の映画館、高田世界館にて。

ここは来場者を断ったりしないだろうけれど、事前にご予約をした方が安

心でしょう。 info@takadasekaikan.comで受け付てくれます。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/78cf10970e45e3a4a2f1571603f15ee657341b2f

   ダウンロードパスワードは、h4my48xpです。

さあちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。アキー。