カテゴリー : Mornin’ Blues by IsaoWashizu

【幻】モーニン・ブルーズ 2020/07/11

mb200711

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年6月13日

を始めましょう。

豪雨で大きな被害がまた出ました。温泉街は泣き面に蜂でしょう。まだ雨

が止んでいないのに、そしてまたすぐに降り出すのが分かっているのに、泥

水をかき出す作業に追われる人々、一度泥を浴びたら、もうそれはゴミにしか

ならないのです。心中いかばかりや・・・。

あちこちで募金活動が始まるでしょう。わたしも参加しますが、本当に現

地で困窮している方々に届くように確かめてね。こういう時にあの現金バラ撒

きスタンド・プレ イ男は何もしないのでしょうか。

コロナ禍と続いた長雨で、春、初夏という最もいい季節をすっかり奪われてし

まった2020年です。さあみんな、元気出して生きましょう。

忘れていました。毎年5月の下旬、陽射しが強くなってくる頃、いつもこ

の歌をお届けしていました。覚えていてくれたかな。

 

M01.Rock Your Baby(6’03”)George McCrae

-H.W.Casey, R.Finch-  Unidisc SPEC-1576

 

N  「ロック・ヨー・ベイビ」、ジョージ・マクレー、今はなかなか聞けない長尺でお届けし

ました。12 インチ・シングルとLPがこの長さでした。先日久しぶりに外で食事を

した際、そこの店内音楽が有線かなんかの70年代後半古めのディスコ・チャネルだ

ったようで、殆どが耳にした事のある物ばかり。それで思い出した、「ロック・

ヨー・ベイビ」です。そこから繋がって、マイアミのT.K.レイベルが蘇って来ました。

確かベスト・コムピがあった筈、と探したのですが見つかりません。最近ここ

のシブーいR&B / ソウルを国内で選曲編集した盤が出ているようですが、やはり

T.K.と来ればC調ディスコにトドメでしょう。日本ではKCとサンシャイン・バンドの「フ

ァンキー・ホーン」が最初だったかな、ヒットしたのは。1973年の事です。それからし

ばらくは「我が世の春」でしたね、TKディスコ。今朝はまずこのマイアミの響きで

始めましょう。

その頃ジョージ・マクレーの「ロック・ヨー・ベイビ」はどこのジュークボクスにも入ってい

て、誰かがこれを選んで回すと、店内の従業員もお客も一緒に振りを取るの

がフツーのコーケーでした。もはや誰も信じないでしょうがね。KCたちの協力もあ

って、「ロック・ヨー・ベイビ」は世界中で大ヒットしました。オート・リズムの大胆な導入

がイカしてますね。多分地元マイアミのスナックでのオルガン弾き語りからの発想でしょう。

エライ。中間部分の何も変化がないところが、この歌の肝です。このクールさ。今

でも充分にカッコいい。

これを唄っていたジョージの奥さんだったのが、やはりソウルの唄い手グエン・マク

レー。実力では彼女の方が上、と評する人もいる程の実力派でした。

これは1978年発表ですから油の乗り切った頃の吹き込み、スタクスのメル・アン

ド・ティムが元の歌です。

「スタティング・オール・・オーヴァ・アゲイン」。

 

M02.Starting All Over Again(3’51”)Gwen McCrae  

-P.Mitchell-  Sequel NEX CD 189

 

N  これは大変宜しい出来です、「スタティング・オール・・オーヴァ・アゲイン」グエン・マクレー

でした。彼女はこのように充実した70年代を送りましたが、80年代の変化

に対応出来なかったようです。

さてTKの女性歌手と言えば、もうひとり必ず揚がって来るのが、ベティ・

ライトです。グエンより10歳下の妹分で、大姉御の風格を漂わせていたグエンに較

べると、ずっと小悪魔のような可愛らしさを持っていました。彼女はTK時

代の後、レゲに傾倒して80年代を乗り越えました。わたしの推測では、その

陰に誰か「男」がいたような・・・。ファンだった私としては、マイアミのソウル・クイー

ンの意地をもう少し張って欲しかったですね。

では1974年のシングル曲です。アラン・トゥーセイント作の

「シュラー、シュラー」。

 

M03.Shoorah! Shoorah! (3’13”)Betty Wright   

-A.Tousaint-  Rhino R2 79861

 

N  「シュラー、シュラー」、ベティ・ライトでした。TKレコードはカリブ海に面したマイアミを拠点

として沢山のレイベルを抱えていまして、この避暑地全体の芸能娯楽を司ってい

たグループ企業です。地域的にクーバやジャメカとも深いつながりがありました。カリ

ブ音楽の新大陸進出はまずマイアミから、それともヌー・ヨークのどちらかでひと花咲

かせるのが成功への道だったのです。

Tコネクションもそんなカリブのファンク・グループで、バハマ諸島ナソーからマイアミにやって来

た6人組でした。1978年発表のアルバム『Tコネクション』のジャケットは、ブラックライトに

浮かび上がった黒い裸体でうずくまるメムバ写真。何とも言えない不気味さが

醸し出されていました。

 

M04.ファンカネクション(5’11”)Tコネクション

-M.Kemp, T.Coakley-  ワーナー WPCR-27743

 

N  Tコネクションで「ファンカネクション」、78年のアルバム『Tコネクション』からでした。

避暑地マイアミはアメリカでも裕福な現役引退者、高齢者が住むところ。一年中暖

かくて、暮らし易いようです。長年ヌー・ヨークのアトランティックで働いていたトム・ダウド

が自身のクライテリア・スタジオを置いたのもここです。

わたしはキングストンからの帰りに乗り換えで立ち寄った事がありますが、郊外

の大きな飛行場のそばのホテルに泊まったので、町中を楽しんだ訳ではありませ

ん。それでもTKのお膝元だから、とバスを使って繁華街に出てみました。

避暑の終わった頃だったからでしょうか、人通りも少なく盛り場の裏の顔

のような、非常に退廃的な雰囲気でした。帰りにバスを間違えたので相当に長

い距離を歩くハメにもなりまして、あまり良い印象はありません。マイアミ・ソウルの

真髄に少しは触れたかったのですけれどね。

それとは正に逆の明るく元気な音楽を聴かせてくれたのが、KCとサンシャイン・

バンドです。彼らは数年間の間、出すシングルが全てヒットしていました。その中で

もわたしが特に憶えているのは、これです。

 

M05.Get Down Tonight(5’15”)KC & The Sunshine Band

-H.W.Casey, R.Finch-  EMI 7243 4 94019 2 1

 

N  KCとサンシャイン・バンドで「ゲット・ダウン・トゥナイト」、こちらも5分を超える長尺

仕様でお聞き頂きました。わたしは彼らのリパトゥワの中で、この歌に一番官能

を感じます。最後の「ゲット・ダウン、ゲット・ダウン、ゲット・ダウン・トゥナイト、ベイブエ」

のところが堪りません。

この頃からわたしは都内のディスコに仕事の名目で出入りしていましてね、こ

の「ゲット・ダウン・トゥナイト」が流れると、お客さんたちがみんな立ち上がりまし

て、ハッソーと同時期に流行ってた「オールド・マン」というのを踊るワケ。今も鮮明に

憶えています。「ザッツ・ザ・ウェイ、アハ、アハ、アハ」とか「セッセッセッ、セクヨ・ブーチ」の

方が人気があるでしょうが、わたしは断然この「ゲット・ダウン・トゥナイト」です。

KCたちは2回来日してますね。初回は台風で飛行機が遅れて順延になった

んじゃなかったかな。だから後楽園ホールに2日続けて出かけました。次は飯倉

の森ビルの地下の宴会場だった筈です。どちらの会場にもマイアミでわたしの肌が

味わったのとは違う、ズーミーバイショー的退廃感が充満していました。

 

M06.Let Me In(3’54”)Otis Clay

-L.Keith, S.Pippin, J.Slate-   TK / Kayvette 5133

 

N  シカゴ出身、O.V.ライトの代打で来日して大成功したR&Bシンガー、オーティス・クレイ

もTKからシングル盤を出していました。1977年の「レット・ミー・イン」です。メムフィ

スのハイ・レコードの後、しばらくの空白を置いて発表されています。これは偶然

見つけて安く買った物です。本人は恐らくマイアミには行ってないでしょうね。

確か2回目の来日公演では唄っていた筈です。原曲はカントリーらしいですが、未

だ聞いた事がありません。

 

M07.Why Can’t We Live Together(4’40”)Timmy Thomas

-T.Thomas-  Collectables COL-5433

 

N  これが今日の1曲目の「ロック・ヨ・ベイビ」のオート・リズム導入に大きなインスピレイ シ

ョンとなった、とわたしは考えています。ティミー・トーマスの「ワイ・カーント・ウイ・リヴ・

トゥゲザー」でした。

彼はオルガン弾き。多分マイアミ「夜の街」の飲食店のハコ演奏が生業だったじゃな

いのでしょうか。オルガン1台あればある程度の音楽提供は可能です。それに唄

が付けば、スナックの弾き語りとしては充分。また1970年前後からはアムプ/スピーカ

内蔵の単体完結型オルガンにリズム・ボクスが組み込まれるようになり、これで更に

表現は拡がりました。今の「ワイ・カーント・ウイ・リヴ・トゥゲザー」はティミーひとりだ

けの、スナック・ハコ出演時と同じ形で録音された筈です。それを聞いたKCたち

が「その音、面白いね」と、「ロック・ヨ・ベイビ」に流用したのではないか、こ

れがわたしの説です。

その少し前にスライ・ストーンは既にリズム・ボクスを用いて音楽録音をしていました

が、こちらは非常に大胆で実験的な使用でして、TKで行われたような俗っぽ

さはありませんでした。何れにせよ「人間の代用」ではなく「新しい音」の

採用だったところに、柔軟な感性が見て取れます。TKの録音ではその他にも

この音は聞かれますから、テクノの祖はTKだった、という人は・・・、わたし

の他には誰もいませんね。

さて、TKが先導した音楽面での「革命」はまだ他にもありました。それに

関しましては、ちょうど時間となりましたので、来週お話し致しましょう。

そのヒントを3曲ほどお届けしておきます。何かピンと来たら、教えて下さい。

 

M08.She’s A Woman(4’22”)Jeff Beck With The Jan Hammer Group

-J.Lennon, P.McCartney-  Sony BMG / Legacy / Epic 88697302772

 

M09.Fool’s Fallin’ Love(2’07”)Elvis Presley 

-J.Leiber,M.Stoller-  BMG 3026-2-R

 

M10.ウォナ・ビー・ユア・マン(4’10”)ロジャー

-R.Troutman, L.Troutman-  ワーナー WPCP-5536

 

N  マイアミのTKレイベルがきっかけとなった音楽革命現象のヒント3曲、

ジェフ・ベックとヤン・ハマー・グループの「シーザー・ヲーマン」、

エルヴィス・プレズリで「フールズ・フォーリン・ラーヴ」、

そしてロヂャーの「アイ・ヲナ・ビ・ヨ・マン」でした。

 

M11. Mna Na hEireann(3’32”)Davey Graham 

-trd.-  Stefan Grossman Guitar Workshop SGGW122

 

N  デイヴィ・グレアムのなんと発音するか分からない「Mna Na hEireann」です。

多分イギリスの古語でしょうね。音楽自体も彼の地に伝承されていたものと思わ

れます。以前これをサイモンとガーファンコーの「スカボロフェア」の原曲であるかのように

紹介したことがあります。まあ、無関係ではないでしょう。ポール・サイモンは非

常に幅広く音楽を聞いていましたからね。この男性デューオが世に出られたのも

ポールが欧州放浪の際に培ったコネが大きく作用しています。そのイギリス滞在中に

出会った音楽家マーティン・カーシーから得たものは多かったようです。これを聞いて

下さい。

 

M12.Scarborough Fair(3’29”)Martin Carthy

-trd.-  Topic  TSCD770D

 

N  ご存知「スカボロフェア」です。これはマーティン・カーシーの1965年の録音。サイモンとガー

ファンコーがこの歌をシングルで出すのが1967年です。65年には既に詞も旋律もこ

の形で存在していた証明です。何かの時にポールがどこかで「スカボロフェア」を披

露したら、そこに居合わせたイギリスの音楽家と非常に気まずい雰囲気になった、

という余話を聞いた覚えがあります。そりゃそうでしょう、そのまんまパクっ

てるんですから。ただそれがこのマーティン・カーシー本人だったかどうかは分かりま

せん。機会があったら確かめてみます。

さてマーティン・カーシーはイギリス伝統音楽の大御所。いわゆるブリティッシュ・トラッド界の

頂点にいた人です。ここに2枚組のベスト盤があります。これまでじっくり聞

いた事がなかったので、この間通して聞いてみました。

はっきり言って歌は奇妙なものばかり。旋律や和音進行が今様ではないで

すね。これらの音楽が新大陸に持ち込まれてカントリー音楽の祖になった、とはよ

く言われますが、北米ではこの音楽が様々な人種によっていいようにいじら

れて大きく形を変えました。ナッシュヴィルの存在も大きいですしね。

ですから、ここで唄われるマーティン・カーシーの歌は今日的なカントリー音楽とはだい

ぶ距離があります。楽曲によっては、もはや非常に陳腐に聞こえる場合もあ

ります。「スカボロフェア」は例外的に普遍性を持っていたのかも知れません。

そんな中で比較的親しみ易いものをひとつお聞き下さい。

 

M13.Siege Of Delhi(4’21”)Martin Carthy 

-trd.-  Topic  TSCD770D

 

N  ギターの音色が古楽器の響きですね。6本の弦でしょうか、調弦法は今と同じ

なのでしょうか。「シージ・オヴ・デリ」、マーティン・カーシーでした。今のは太鼓が入っ

ていたので、テムポーとビートが門外漢を飽きさせませんでした。ギターのメロディに

も馴染みが持てましたが、他のアカペラで唄われる楽曲となると、ちょっと遠ざ

けたくなる気分にもなります。ここまでの印象を素直に申し上げました。

マーティン・カーシーはギター弾きとしてイギリス伝承音楽界の王座に君臨していました。

彼をお手本にした音楽家は大勢いる事でしょう。こんな録音もあります。

 

M14.The Harry Lime Theme(3’34”)Martin Carthy  

-A.Karas-  Topic  TSCD770D

 

N  アントン・カラスのチター演奏で知られる「第三の男」、マーティン・カーシーのギターでお聞きい

ただきました。この2枚組には全部で34曲入っています。ほとんどが素朴な

アンサムボーで、聞いていて歴史の重みを感じられる、そんな印象も受けました。

 

M15.The Prickle Holly Bush(4’09”)Martin Carthy 

-trd.-  Topic  TSCD770D

 

N  マーティン・カーシーで「ザ・プリコー・ホーリー・ブッシュ」、これを聞いていて「あっ」と

思い浮かんだのが、ピーター、ポール、アンド・マリーの「虹と共に消えた恋」でした。

この歌は唄っているピーターたち3人が作者として記載されていますが、元々

はアイルランドの古い 歌曲を土台にしているそうで、もっとよく似た物もあるよ

うです。わたしはことばの部分的な響きで連想しました。ちょっと聞いてみ

て下さい。

 

M16.虹と共に消えた恋(2’42”)ピーター、ポール、アンド・マリー

-Stookey, Travers, Yarrow, Okun-  ワーナー WPCR-14347

 

M17.Stealin’, Stealin’(2’59”)Memphis Jug Band

-W.Shade-   MCPS RGNET 1397CD

 

N  ピーター、ポール、アンド・マリーの「虹と共に消えた恋」、そして『分かり易いブルー

ズ入門』CDから「スティーリン」、メムフィス・ジャグ・バンドでした。憂歌団が生実演で

盛り上げに唄っていましたね。これは1928年の録音です。木村充揮たちは他

のカヴァを参考にしたんでしょう。わたしは知りませんが、この国で広く親し

まれている大衆仕様がある筈です。どなたかご存知でしたら教えて下さい。

さて、ここでお知らせです。だいぶ前になりますが、ピーター・バラカンとわたし

がピンポンDJを行った横浜は日の出町のジャズ・クラブ、ファースト。あそこがコロナ禍

で瀕死の痛手を負っています。ここに限らずあちこちで同じような話を聞き

ますが、52年続いているヨコハマ・ジャズの祖は危機に晒されています。わたしも

出入りして40年近くなるかな。店を取り仕切るオウナーの山崎昭さんは77歳に

なりました。

今回は「幻」の重度聴取者の皆さんに、ファースト救助に協力して頂きたいので

す。今ではかなり一般化したクラウド・ファンディング、大衆からの資金調達です。

終 了まで残り40日足らず。あともう少し集まれば目標額達成で、また続け

られます。どうぞ皆さま、下記に揚げた「ファースト」のウェブサイトまで出向いて下

さい。

https://camp-fire.jp/projects/view/292988、お家が側で歩いて15分、と

言っていたヴェンテンさんも見てね。お願い致します。

では音楽に戻りましょう。レッド・ガーランドのピアノで

「ビリー・ボーイ」。

 

M 18.Billy Boy(7’12”)Miles Davis (Red Garland Trio)

-trd.-   MCPS / Not Now Music / TowerRecords NOT 3CD208

 

M19.Rock Your Baby(3’53”)KC & The Sunshine Band

-HW.Casey, R.Finch-  EMI 7243 4 94019 2 1

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  先々週でしたか、50年ぶりに渡辺貞夫の「イナー・トリップ」を聞き直して、ま

た新たな印象を受けました。その時に若干これまでの記憶と異なる事実に出

会ったので、16歳の時にLPを聞かせてくれた友達に葉書を出しました。

そうしたら丁寧なお返事を頂きましてね、大変恐縮致した次第です。

そこに、当時はまだ日本コロムビアから出ていたマイルズ・デイヴィスの『モードの探

求』という2枚組、これは家に置いてあった姉の所有物なのでしたが、その

中で「これがいいんだよ」と生意気に今の「ビリー・ボーイ」についてわたしが

喋っていたというんです、わたしが。出がけに受け取ったこの手紙を読んで

いたのは鮫洲の陸運局で、車検の順番を待ちながらだったのですが、顔から

火が出るくらいに恥ずかしかった思いです。

マイルズ・デイヴィス名義ですが、ピアノがレッド・ガーランド、ベイスにポール・チェインバーズ、

ドラムズはフィリー・ジョー・ジョーンズというスーパーなリズムセクションだけの演奏で「ビリー・

ボーイ」でした。最後のブルーズ・エンディング、カッコ良かったですね。

そして「ロック・ヨ・ベイビ」で始まったTKの朝、それらしく同じ曲で終わり

ましょう。こちらは KCとサンシャイン・バント名義゙の演奏です。ジョージのと同じマ

ルチ・トラック・テイプを使ってのリミクス的多重生演奏追加仕様ですね。

 

今朝は下書きをちゃんと消さなきゃね。先週は失礼いたしました。今月末

の生放送へのリクエストは、チューオー・エフエムに送ってください。曲名、歌唱演奏者名

を明記して下さいよ。メイルの会話の延長で何気なく言われても、時々分からな

い事があります。なんせ今もって未熟若輩者なので、申し訳ありませんで

 

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

https://firestorage.jp/download/e1d60d1d5ca9b633694d3fab3c38b0b8f45fa16e

ダウンロード・パスワードは、9kdzzerpです。

 

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

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OAした作品画像一覧のダウンロードはこちらからよろしくお願いいたします。

→ https://15.gigafile.nu/0809-df4af4c90592279b177236ec2b3e1896c

7月31日の生放送の告知画像はコチラです。。

→ https://15.gigafile.nu/0809-c9f3f033d341944a80f032ccbd3c8dadd

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2020/07/04

mb200704

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年7月4日

を始めましょう。まるで戦いのない今回の都知事選。オリムピック、コロナと失政

の多いタヌキ都知事でも、対抗がないからなあ。某音楽バーのオウナーがこんな事を

言ってました。「前回投票をしなかった人たちが出掛ければ、何か変わるかも

知れない」と。そうかも知れませんね。わたしは木曜日に済ませまています。

来訪者は割と多かったですね。ただこういう人はいつも投票してんだよなあ。

さあ、あなたは如何でしょうか。

 

M01.Sukkar, Sukkar, Sukkar(6’52”)Ali Hassan Kuban

-A.H.Kuban, A.A.Khalek-  Piranha PIR3166-CD

 

N  アリ・ハッサン・クバーン「スカー、スカー、スカー」、いい調子です。この「スカー」はジャケット

の英文解説によりますと「シュガー」の事だそうです。「モンキーズ・ショウ」の後釜

番組として始まった「アーチー・ショウ」の主役アーチーズのデビュー曲が「シュガー、シュガー」。

ウイルスン・ピケットも唄ってました。あ、関係ないですね。

このアリ・ハッサン・クバーンという人は、覚えてるかな、桜川唯丸の「サノセ」を横

浜のタクシーの中で聞いて閃いてカヴァしたエジプトの音楽家です。わたしはエチオピア

人だと思ってましたが、今回の作品表題が『フロム・ヌビア・トウ・カイロ』ですから、

エジプト人ですね。生まれた町ヌビアから大都会カイロ目指した彼の生涯を語る題名

ですね。頼めば卒業証紙を発行してくれる「カイロ大学」のあるエジプトの首都で

す。

2001年に亡くなっていますから、現在はこの「スカー、スカー、スカー」を冒頭に

置いたアルバムが遺作になってるようです。1989年に発表されていますから、

それ以前の録音でしょう。お聞きのようにとても元気です。声も若い。20年

以上前の音楽ですが、いま聞いても充分に新しい、というか彼が生きている

ように響きます。いや、いい調子。アルバム全体も同傾向の楽曲ばかりです。気

になったのは全てが7分前後の尺で仕上げられている点です。当時、彼の地

ではこの時間が何かの単位だったのでしょうか。12インチ・シングルかなあ。

 

M02.Moko Ti Y Lamban Don(4’20”)Lobbi Traore

-L.Traore –  Glitterhouse Records GRCD 711

 

N  以前、ブルーズ的なモティーフを持っているという事で1曲紹介したロビ・トゥラオレの

新作冒頭曲「モコ・ティ・イ・ラムバン」、音の響きの空気感がうまく捕らえられてい

ます。スティリオ・スピーカズの間にロビの大きな体が浮き上がって来るような音像で

す。アルバムは『レイニー・シーズン・ブルーズ』というもので、湿度も高そうな写真の

ジャケットです。レイベル自体はドイツのピラニアですけれど、アフリカ大陸西海岸、マリでの

録音。セッションは2009年8月ですから、これも11年前となりますが、聞き様に

よっては未来の響きでもあり、有史以前の音楽にも聞こえます。不思議です

ね、実に自然な鳴りです。

次はベルギーのハーヴという町で録音されたコラ奏者バラケ・シソコと打楽器担当のバ

バ・シソコのデューオ作品『シソコ・シソコ』からです。この「シソコ」姓は世襲で受け継が

れる音楽家の特別な名前で、「名人」の保証とも言えます。多分司祭などにも

欠かせない存在なのでしょう。

今朝はマイケル・ヘイジェロジュという、ベルギーの電気ベイス奏者が参加した「ディアンヌ・

カラヤラ」をお聞き下さい。異流儀の音楽に、彼がおっかなびっくり弾いている

姿が浮かびます。

 

M03.Diegne Kalayara(6’02”)Ballake Sissoko & Baba Sissoko

-Ballake Sissoko, Baba Sissoko-  

Homerecords.be / Federation / SCPP  Nonumber

 

M04.長い髪の少女(2’45”)ザ・ゴールデン・カップス

-J.Hashimoto, K.Suzuki-  キング KICW 8569

 

N  突然のザ・ゴールデン・カップスで「長い髪の少女」でした。この歌には独特の

湿り気がありまして、いつ聞いても何故か梅雨の時期を連想します。ただ発

売は68年の4月1日という事になってますから、本来は五月晴れの空の下で

唄われたのでしょう。本格的に流行ったのが6月だったのかな。

本人たちは「こんな歌謡曲は嫌だ」と突っ張っていましたが、わたしは断

然カップスはオリヂナル曲が好きだな。この他にも「愛する君に」とか「本牧ブルーズ」

なんて、唯一無二ですよ。しょせん全てはカヨーキョクなんです。

それはともかく、何故「長い髪の少女」かと言いますと、先週わたしは長

くしていた髪の毛を思い切って短くしたのです。思春期より様々な問題を起

こしてきた髪の毛、正直あんまり気にしてはいませんでしたが、死ぬ前に一

度は長くしたいと願い、この先あんまり時間がないので 2年ほど前から伸ば

していました。床屋へは通っていましたがまだまだ伸びるようで、髪が背中

に触るという初めての経験もしました。でもやっぱり煩わしくなってね。特

に家事などの作業をする時に非常に邪魔になるのです。洗って乾くまでも面

倒だし、それほど暑苦しくはなかったですけど、これは徐々に慣れていった

んでしょう。発起しまして「もういい」とばかりに切り落としました。プロフェ

ッサー・ロン毛さん並みには無理だとしても、「長髪族」に成りたかったのですが、

ここに諦めました。

この報告をする時に、欲しかった1曲があったのです。

こんな歌です。若い女性歌手が男声コーラスを従えて唄います。

 

(女)あなたに

(男たち)何故か何故か

(女)捨てられたから

(女)わたしは

(男たち)泣いて泣いて

(女)髪を切ったの

(男たち)髪を切ったの

 

これだけでも充分にC調な雰囲気が分かるでしょ。題名は「髪を切ったの」、

の筈です。14歳の時にラジオで聞いた覚えがあります。ずっと渥美マリの歌だと

思っていましたが、調べたら違います。「ツツイマリ」とかいう女もいたなあ、と

思い出したのですが、これも間違いでした。

自分の断髪に引っ掛けて、このC調歌謡の星「髪を切ったの」をご紹介し

たかったのですが、存在すら突き止められなかったので、カップスでお茶を濁し

た、というのが顛末。お粗末でした。どなたか、ご存知ではないでしょうか。

検索王、ムジ火の鳥さん、探してくれませんか。聴きたいなあ。

さて、先週の「ナイアガラ音頭」のB面には、正直なところ感服いたしました。

さすがイーチだなあ、と納得する事しきり。男たちの掛け声が特に良かった。そ

して、ひょっとしてここからの閃きではないか、と思い当たった次第です。

 

M05.フラメンコかっぽれ(2’45”)森繁久彌

-trd.-  コロムビア COCP-34538/9

 

N  多分これは一発合わせでしょう。事前に軽く練習して、後は本番、凄いねモ

リシゲは。充分な対応をしているギターのアントニオ古賀も大したものです。今の「カポ

ーレ、カポーレ」これが「ナイアガラ音頭」の「オドーレ、オドーレ」につながったのではな

いか、と推測いたします。森繁久彌で「フラメンコかっぽれ」でした。

さてここ数週間に亘って東京新聞の夕刊の「この道」という連載を担当し

ているのが、つのだ⭐ひろです。生まれた時のややこしい話から、音楽を志し

て太鼓叩きとして大成していく過程がかなり細かく丁寧に描かれていて、な

かなかに面白い。

ちょうど今は成毛滋たちとフライド・エッグを組んだ辺り。わたしも多少は想像

出来る世界ですから説得力がありまして、毎日読んでいます。これまでジャック

ス、赤い鳥、などのあまりリズム重視ではないグループに加入していたのも不思議

だったんですが、そのいきさつも明らかになって来ました。

彼自身が語っているように、つのだ⭐ひろは特定の音楽だけでなくあらゆる

領域で叩ける「ドラマー」を目指していたのです。当時の習わしとして、先生に

師事する事で音楽は全てが始まりまして、そのお師匠さんが天才、鬼才の富

樫雅彦だったという事も、わたしはこれまで知りませんでした。わたしには

非常に唐突にのように思えた渡辺貞夫グループへの参加は、ちゃんと筋道があ

ったのですね。

この連載でも貞夫さんに関連したよもやま話が何度か出て来ます。最もイク

サイティングな件りのひとつでしょう。

 

M06.ラウンド・トリップ ゴーイング(6’00”)渡辺貞夫

-S.Watanabe-  ソニー  SICP 4233

 

N  渡辺貞夫で「ラウンド・トリップ」の「ゴーインク」でした。渡辺貞夫以外は、ジャック・

ディジョネットがドラムズ、ミロストラ・ヴィトウスのベイス、そしてチック・コリアがピアノ、1970年

ヌー・ヨークでの録音です。多分これはテーマだけが書かれた譜面を渡して一回きりの

演奏でしょうから、こういう形にならざるを得なかったのは理解出来ます。

それにしても、激しいぶつかり合いですね。

つのだ⭐ひろが渡辺貞夫のグループに参加して直ぐ、彼らは世界演奏旅行に出

ます。まずヨーロッパから始まって、次に北米へと渡りヌー・ヨークでこのセッションが行わ

れました。その前にはスイスのモントルーであのジャズ・フェスティヴォーに出演しています。

こちらは貞夫さんの他、鈴木勲がベイス、増尾好秋がギター、そしてドラムズが、

つのだ⭐ひろです。この頃は8ビートを採り入れたジャズや管楽器の入ったロック

が「ジャズ・ロック」なんて呼ばれて、一括りにされていました。マイルス・デイヴィス

には遥かに及ばないのですが、「モダン」以降に行き先を失ったジャズは過渡期

だったのです。

貞夫さんはビーバップを通り抜けた後、更に表現を突き詰めていまして、アルト

サキソフォンをソプラノ、ソプラニーノに持ち替え、ベイス、ギターを電気仕様にして増強。そ

れを支える万全なリズムとして、つのだ⭐ひろに白羽の矢が立ったのです。

ではその渡辺貞夫グループによる、モントルー・ジャズ・フェスティヴォーの実況演奏、今

と同じ「ラウンド・トリップ」の「ゴーインク」を聞きましょう。MCの「サダオ・ワナタベ」

という紹介に何度も大笑いをしているのは、つのだ⭐ひろでしょう。

 

M07.ラウンド・トリップ ゴーイング(13’30”)渡辺貞夫

-S.Watanabe-  ソニー  SICJ 64

 

M08.Hunky Twist(2’27”)Gene’s‘Bowlges’Miller

-G.Miller-  ソリッド / Stomper Time OTLCD70174

 

N  白熱の実況演奏から一休み。今朝もトゥイストをどうぞ。メムフィスの「ホーム・オヴ・ブ

ルーズ」というレイベルのコムピ盤『ロッキン・リズムン・ブルーズ・フロム・メムフィス・ヴォリウム2』

から、ジーン・ボールグズ・ミラーで「ハンキー・トゥイスト」でした。こういう時間稼ぎ的

なC調器楽曲の前座が済めば、真打ちの登場です。

 

M09.Do You Know How To Twist(2’28”)Hank Ballard And Midnighters

-H.Ballard,G.Redd, N.Nathan-  Hallmark / MCPS 714302

 

N  ここのところずっとトゥイスト楽曲をお届けしておりましたが、本来の立役者、

ハンク・バラードとミドナイターズが登場していませんでした。大変失礼しました。今

朝はまず大滝詠一の傑作「コブラ・トゥイスト」にも唄い込まれている「ドウ・ユー・

ノウ・ハウ・トゥ・トゥイスト」をお届けしました。これは1962年のヒット曲です。その前

の1960年にハンク・バラードたちは「ザ・トゥイスト」を当ててまして、そこでこの踊

りがブームになっていたのです。

ではオリヂナルの「ザ・トゥイスト」、ハンク・バラードとミドナイターズです。

 

M10.The Twist(2’36”)Hank Ballard And Midnighters

-H.Ballard-  Hallmark / MCPS 714302

 

N  「ザ・トゥイスト」、ハンク・バラードとミドナイターズでした。チャビー・チェッカーに較べるとや

はり地味な印象ですね。まだR&B番付の上位曲という印象です。ただし踊り

流行の兆しは既にあったのでしょう。チャビーのあの明るさ全灯で同じ歌が2年

後に再びヒットして、そこから火が点きました。ユーチューブでは当時の踊りの様子

が何種類も観られます。その前のジターバグの延長で、アメリカの青少年層が何の

悩みもないように、全身全霊ので夢中に踊る姿は、正に戦勝国の活力が漲っ

ています。敵わないですね、これには。

ではお時間も宜しいようですので、また地元楽団のソウル・トゥイスト調器楽曲で

お別れです。今朝は非常に狭い「幻」トゥイスティン・フロアでした。

ジーン・ミラー楽団です。「ボウレグ・トゥイスト」。

 

M11.Bowleg Twist(2’26”)Gene’s‘Bowlges’Miller

-G.Miller-  ソリッド / Stomper Time OTLCD70174

 

M12.World’s In A Tangle(5’00”)Fleetwood Mac And Others

-J.Lane-  Columbia  480527 2

 

N  先週に引き続き、フリートウド・マックの『ブルーズ・ジャム・イン・シカーゴ』から「ザ・

ワールド・イズ・イン・ア・タングル」でした。2枚組のこのアルバムの2枚目の冒頭曲で

すね。1970年当時、CBSソニーから国内発売された時には1枚ずつのバラ売りで

した。わたしが先に買ったのは「ヴォリウム2」のこちらだったので、初めて自分

の家で聞いたブルーズ曲は、この「ザ・ワールド・イズ・イン・ア・タングル」という事

になります。

そもそもこのアルバムは脈々と活気が漲っている性質のものではありません

で、はっきり言ってダラけたセッションの記録です。今のも冒頭コーラスの途中でドラム

が演奏をやめちゃってます。本来ならNGでやり直しです。聞いていてもか

ったるかったでしょ。

参加しているシカーゴ・ブルーズの錚々たる顔触れに目を奪われて飛びついたわ

たしも、針を落として「こんなもんかなあ」と疑問が浮かびました。これを

聞くと、16歳のあの怠惰な暑い夏が蘇って来ます。

それを敢えてお聞き頂きましたのには、また少々訳があります。いま読ん

でいる「ブルース百歌一望」(日暮康文著 Pヴァイン)に突然この歌が出て来たので

す。高名で博識な研究家が書いたこの本では、わたしの知っているブルーズ曲

が全然出て来ません。それぞれの章を読めば、関連したいくつか心当たりの

ある楽曲、歌い手、録音テイクなどが浮かびますが、主題となっているレコード盤

には殆ど無縁です。多分ね、これは78回転のSP盤で聞いていたんじゃない

か、と思われます。

そこに唐突にシカーゴ・ジミー・ロジャーズの歌としてこの「ザ・ワールド・イズ・イン・

ア・タングル」出て来ました。主題は共産主義の脅威を唄ったものだそうです。

とは言えあまり「新聞」的な歌ではなくボヤキ節的何ですが、いま唄ってたダニ

ー・カーウィンはその事を分かってたのかな。歌詞にある「レッド」は「アカ」、共産主

義者の事ですって。

この「ブルース百歌一望」は北米における黒人社会史という側面も持ち合わせ

ていて、わたしには初めて接する事象が連なっています。だからこそしっか

り読み進められるのかも知れません。

わたしの「河内音頭」の次の刊行がこれに決まっていて、嫌味な事に原稿

は既に出来上がっていたのです。それを編集者に何度も言われましてね、辛

かったですよ。こちとらディザイナーの仕事場でまだ書いてるっていうのにね。

さて浅学のわたしがこの本で知ったお話を、ひとつ。南部の農園で働く黒

人たちの敵のひとつが害虫でした。最近はあまり集団発生の知らせを聞きま

せんが、かつては大きな難題だったようですね。ボール・ヴィーヴィルという虫は

綿花の収穫を食べ尽くしてしまう天敵で、南部は幾度となく被害にあってい

ます。人間の細菌病感染と並んで、その頃の恐怖の一つでしょう、その害虫

を芸名としたブルーズ唄いもいました。

ボ・ヴィーヴィル・ジャクスンで「デヴォー・アンド・マイ・ブラウン・ブルーズ」。

 

M13.Devil And My Brown Blues(3’11”)Bo Weevil Jackson

-S.Butler-  MCPS  RGNET 1397CD

 

N  非常に荒っぽい唄と演奏はボ・ヴィーヴィル・ジャクスン、「デヴォー・アンド・マイ・ブ

ラウン・ブルーズ」でした。

さて先週間違えたアメリカ合衆国の独立記念日は、7月4日、今日です。今年は

244回目。こんな短い歴史の国に世界は振り回されています。しっかりして

くれ、アメリカさんよ。頼むぜ。

 

M14.America The Beautiful(3’36”)Ray Charles

-K.L.Bates, S.A.Ward-  Rhino 8122-76098-2

 

N  「アメリカ、ザ・ビューティフォー」、これは19世紀からキリスト教会内で唄われ続けた歌

だったらしいですね。わたしはレイ・チャールズが野外公演で披露していたのを観

て、釘付けになり、探しまくって手に入れました。公式に吹き込んでいてく

れて嬉しかった、本当に。

レイ・チャールズの唄ったアメリカ史に関連した歌というと、わたしはランディ・ヌーマンの

「セイル・アウェイ」が忘れられません。極悪非情な奴隷商人がアフリカの黒人たちを船

に載せる時に、こんな事を言ってその気にさせたのかどうかは定かではあり

ませんが、この歌は想像力を持った人間に素晴らしい映像を拡げてくれます。

 

アメリカにはジャングルなんてないんだ

獅子や虎たちのような猛獣もいない

いつもたくさん食べられるし

天災の心配もない

さあ、行こう 船出をしよう

希望の国、アメリカへ

 

作者、ランディ・ヌーマンの唄でどうぞ。

 

M15.Sail Away(2’52”)Randy Newman

-R.Newman-   Rhino / Reprise  R2 75567

 

M16.We Need Some Money(8’16”)Chuck Brown And The Soul Searchers

-C.Brown-  RAW VENTURE VPA007-2

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N     マスタカードが何だ、ヴィザあ、知らねえよ

アメクスなんてブッ飛んじまえ

クレジットカードがエラソーしたって、現ナマが最高よ

 

244回目のアメリカ合衆国独立記念日の最後は「ウィ・ニード・サム・マニ」、チャック・ブ

ラウンとソウル・サーチャーズでした。先月で商店での現金以外の取り引き優遇は終了し

たのかな。わたしの周りにもこの処置の恩恵にあやかろうとムキになっている

人がいましたが、コロナ禍でそれほど使えなかったですね、わたしは。何かにつ

けて、トンチンカンな政策です。間が悪い。カッコ悪いね。さあ明日はトチヂセンの投票日、

資格のある方々、どうぞ棄権をなさらないように願います。そしてわたしか

らは以下のお知らせをひとつ。

◆Awesome Beats & Mornin’ Blues深夜の生放送◆

日時:2020年7月31日(金曜) 24時~29時(8月1日午前0時~5時)

放送局:中央エフエム http://fm840.jp/

出演:澤田修&鷲巣功

 

そろそろ準備を始めなきゃ。事前のご希望音楽は、エフエム中央へお寄せ下さ

い ( voiceアットマークfm840.jp ) 。「幻」宛てでも構いませんが、向こうにいった方がデモンストレイションとして有

効ですからね。

 

さて、今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

https://firestorage.jp/download/da3b707dd9aad5ba34bda438be0f4cc16aa08f45

ダウンロード・パスワードは、ht6reuw6です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

何十年も前に友達に言われたこんな言葉を、わたしは今も座右に置いてい

ます。

「効率だけを求めるもんじゃない」

人と人の接触は、最も無駄の多い行為ですが、会えば相手の全てが分かり

ます。長く生きてたらその位の勘は身に付けなきゃね。

♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

OAした作品画像一覧のダウンロードはこちらからよろしくお願いいたします。

→ https://3.gigafile.nu/0717-b25663bbaabf232defa10a30ff91247db

7月31日の生放送の告知画像はコチラです。。

→ https://3.gigafile.nu/0901-c20ec8f646a8f19fb6993ee60d98118c6

 

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2020/06/27

mb200627

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年6月27日

を始めましょう。6月最後の土曜日です。早いですね・・・などと当たり前の

事は言いません。特に今年は、3、4、5、6月が無かった様なものですから、

当然でしょうか。

今朝は先週の最後にお聞きいただいた1曲の、ヒットした仕様からお届けしま

す。クラーレンス・カーター、1970年の録音です。

「パチーズ」。

 

M01.パッチズ(3’11”)クラレンス・カーター

-R.Dunbar, N.Johnson-   ワーナー WPCR-27570

 

N  クラーレンス・カーター、1970年の録音で「パチーズ」でした。

先週の最後にお届けしたジョージ・ジョーンズとB.B.キングの「パチーズ」、あれは

名盤『リズム・カントリー・アンド・ブルーズ』を締め括るに相応しい出来の録音でした

ね。B.B.はオリヂナルを基にほとんどを語りで通していました。彼は英語圏での

実演では「歌を唄う」というよりも、「物語を詠む」様に観客に話しかけて、

その合いの手的にルシールをつま弾く、こんな形で通していたそうです。日本の

様に言葉が通じないと、どうしても「歌を唄う」構成になってしまいますが、

さだまさし並みに喋りまくるそうです。香港のショウはいつもこの形だったらし

いです。あそこは元英国領で、英語が通じますから。断じて中共の一部では

ない。

さて、この歌「パチーズ」をシングルにして大ヒットさせたのがクラーレンス・カーターです。

1970年にR&B番付で2位という、彼の代表作ともなっています。ですが、

オリヂナルは、チェアメン・オヴ・ザ・ボードという4人組ヴォーカル・グループのLP収録曲

でした。デトロイトのモータウンを追い出された栄光のヒット製造3人組、ホランド、ドジャー、

ホランドが興した新しいレイベル「インヴィクタス / ホットワックス」からのデビュー盤に入って

ます。その時はシングルにもなってなかったようです。一方のクラーレンスはアルバム表

題曲にしています。制作担当のリック・ホールがどこかで聞いて、知っていたんで

しょうか。今お届けしたのがそのヒットした仕様です。ハマリ具合が大変よろしい

ようで、まるでクラーレンスのために書かれたような歌に仕上がってますね。。

ではヴォーカル・グループによる原仕様をお聞き下さい。

チェアメン・オヴ・ザ・ボードで「パチーズ」です。

 

M02.Patches(3’32”)Chairman Of The Board 

-R.Dunbar, N.Johnson- ウルトラヴァイヴCDSOL-5555

 

N 「パチーズ」、チェアメン・オヴ・ザ・ボードのオリヂナル仕様でした。

さて、先ほどLP『リズム・カントリー・アンド・ブルーズ』の話が出ました。わたし

も発売以来、何千回聞いたか分からないこの名盤に、先週新たな事実を発見

したのです。それはゴスペル歌手、マーティ・ステュアートの存在です。彼についてはこ

れまで全く知識がなく、一昨年ですか、ウイルスン・ピケットでおなじみの「キュウジュウ

キュウテンゴ」を唄っているアルバムを手に入れて以来の付き合いでした。8枚組の

DVDで手に入れたケン・バーンズのテレビ記録映像作品『カントリー・ミュージック』にはし

ばしば顔を出していたので、そこで妙な親近感を覚えたのも事実なんですが、

とにかくここまでは知らない唄い手の筈でした。それが、なんとこの『リズム・

カントリー・アンド・ブルーズ』に参加していたじゃ、アーリマセンカ。

ジョージ・ジョーンズとB.B.キングの「パチーズ」の前のトラックの「ザ・ウエイト」をステイ

プル・シンガーズと唄っていたんです。まずマーティ、次がメイヴィス、そしてローバックと

唄い継がれていました。ほんとうにわたしは何千回と何を聞いて来たんでし

ょうか。ダメだな、もっと神経を研ぎ澄まさなきゃ。反省です。

では改めてマーティ・ステュアートとザ・ステイプル・シンガーズでお聞き願いましょう。

「ザ・ウェイト」。

 

M03.ザ・ウェイト(3’37”)ザ・ステイプル・シンガーズ・アンド・マーティ・スチュアート

-J.R.Robertson-  MCA MVCM-466

 

M04.I Saw The Light(3’03”)Willie Nelson & Leon Russell

-H.Williams-  BSMF 7609

 

N  反省の「重荷」を感じながら、「もっと光を」と、「アイ・ソウ・ザ・ライト」でし

た。特徴的な声でお分かりでしょうが、唄っていたのはリオン・ラッセルとウイリー・ネル

スンです。1979年にふたりで作った『ウイリー・アンド・リオン』が再発売されます。

奇人リオン・ラッセルはずっとブルーズ、R&B、ゴスペルなどの黒人音楽信奉者だと思

い込んでいましたが、その絶頂期とも言える1973年に黒人女性と結婚したと

思ったら、その直後に発表したアルバムが、本名のハンク・ウイルスンを名乗ってカントリー

音楽を讃える作品だったので、大いに面食らいました。その頃はわたしもキョー

リョーな音楽好きでしたから、この動きが「転向」と映りましてそれ以来リオンか

ら意識的に遠ざかった程です。今なら何ともないのですがね。

さてこの『ウイリー・アンド・リオン』は、ウイリーが他の音楽家と組んでアルバム制作

の幅を広げ始めた頃の作品です。わたしがウイリーを聞くようになったのは、クリ

ス・クリストファスンとのアルバムからですが、その前がこれだったのですね。国内で出

てたのかなあ。

内容は前半がリオンとのデユーオ、後半はウイリーがひとりで唄ってリオンは裏方作業。

楽曲は今の「アイ・ソウ・ザ・ライト」他、有名なものばかりです。その中に面白い

歌がありました。聞いて下さい。

「ザ・ワイルド・サイド・オヴ・ライフ」。

 

M05.The Wild Side Of Life(3’16”) Willie Nelson & Leon Russell

-W.Warren, A.A.Carter-  BSMF 7609

 

N  リオン・ラッセルとウイリー・ネルスンで「ザ・ワイルド・サイド・オヴ・ライフ」でした。再発アルバ

ムの『ウイリー・アンド・リオン』からです。これを聞いていて「おや」と感じた人も

多いのではないでしょうか。よく知られた「神様が居酒屋の天使をお作りに

なったんじゃないのよ」と同じ旋律が出て来ます。興味が湧いて調べたら、

この「ザ・ワイルド・サイド・オヴ・ライフ」のアンサソングが「イト・ヲズント・ガッド・フー・

メイド・ホンキ・トンク・エインジェル」だったのですよ。これも新発見。世界は広い。

「ザ・ワイルド・サイド・オヴ・ライフ」は、妻帯者が遊びの相手に「神さんが居酒

屋の天使を作ったのを知らなかったんでね」と、逃げの口実を唄っているよ

うな内容です。1952年にハンク・トムプスンが発表して大ヒットになりました。それ応

える形で「そうじゃないの、イーカゲンな男たちが悪いのよ。神様が居酒屋の天

使をお作りになったんじゃないの、分かって」と戒める「イト・ヲズント・ガッド・

フー・メイド・ホンキ・トンク・エインジェル」が同じ年に出されて大ヒット、今ではこちらの

歌の方が有名になっています。

唄ったのはキティ・ウェルズでした。

「イト・ヲズント・ガッド・フー・メイド・ホンキ・トンク・エインジェル」。

M06.It Wasnt’t God Who Made Honky Tonk Agels(2’32”)Kitty Wells

-J.D.Miller-  Sony / Legacy  19075960422

 

M07.That Lucky Old Sun(2’44”) Willie Nelson & Leon Russell

-B.Smith,H.Gillespie-  BSMF 7609

 

N  リオン・ラッセルとウイリー・ネルスンで「ザット・ラッキー・オールド・サン」、こちらの「サン」は

太陽、お天道様ですね。「何の苦労もなくいつものんびり回ってるだけでいい

なあ」、天動説です。久保田麻琴が50年も前に唄っていました。

「アイ・ソウ・ザ・ライト」、「ザ・ワイルド・サイド・オヴ・ライフ」、「ザット・ラッキー・オールド・

サン」、以上有名な3曲をこのたび再発売されるアルバム『ウイリー・アンド・リオン』から

お届け致しました。

コロナ禍の影響で、しばらくレコード店に出向いてなかったのですが、先々週あ

たりから時折り町へ出た時などに覗いています。さぞや沢山の新譜が・・・

と、思っていましたが、圧倒的に少なかったですね。世界的に音楽製造物の

制作、生産は少なくなっています。経済活動全体が低調という事もあります

がもうひとつ、CD離れが大きいいのではないでしょうか。あるラジオ番組の

プレイリストを専門店に持って行って見て貰ったら、全てが配信ファイルで「CDはど

れも出てないね」との事でした。これはショックだったなあ。

そんな状況下でも、何か心に引っ掛かる新譜はある筈。そう信じて探しま

した。次にご紹介するブランディ・クラークという女性の『ヨ・ライフ・イズ・ア・レコード』

という、題名からして象徴的なアルバムは良かったですよ。通して聞いていて、

8番目から3曲が、特に良かった。続けて聞いてもらいましょう。

「バド・カー」、

「フー・ブローク・フーズ・ハート」、

そして「キャン・ウィ・ビ・ストレインジャ」。

 

M08.Bad Car(3’03”)Brandy Clark

-B.Clark, J.Saenz-  Warner 093624895688

 

M09.Who Broke Whose Heart(3’03”)Brandy Clark

-B.Clark, S.McAnally-  Warner 093624895688

 

M10.Can We Be Stranger(3’29”)Brandy Clark

-B.Clark, J.J.Dillon,C.Daniels-  Warner 093624895688

 

N  「バド・カー」、「フー・ブローク・フーズ・ハート」、「キャン・ウィ・ビ・ストレインジャ」、アルバム

『ヨ・ライフ・イズ・ア・レコード』からブランディ・クラークでした。ジャケットはこの女性が

皮ジャンにニット系素材のパンタロンという衣装で表に立っている写真です。これは内

側も含めてセット撮影ですね。ここまでで私ちょっとダメなんですが、その傍ら

に大型ジュークボクスが置いてある。それも70年代的な45回転ドーナツ盤用の物

です。

これを見て「何かあるかな」と聞いてみました。この手の女性音楽家達は、

わたし苦手なんですけれども、良かったな。別に目新しいところはないけれ

ど、妙に新鮮でした。今の3曲では、最後の「キャン・ウィ・ビ・ストレインジャ」が心

に残っています。繰り返しが迫って来ます。

 

もう貴方を求めたりしない、愛したりもしない

もちろん憎んだりも、気にかけたりもしない

恋人同士として始まったふたりの仲・・・

わたしたちもう一度、他人同士になれるかしら

 

結構せつないでしょ。「恨みっこなしで別れましょうね」と唄う「二人でお

酒を」を連想しました。あ、あまりに俗かな。ブランディ・クラークの『ヨ・ライフ・イズ・

ア・レコード』からでした。

さて、「パッケイヂ・ミーディアの死」を続けましょうか。ファイル配信というやり方

は、印刷物やレコード、CDなど複製量産に頼らなければならなかった領域の商

品にとって、これほど都合の良い事はありません。まず、印刷所やプレス工場

という生産設備、環境が必要なくなります。これは圧倒的に大きい。今まで

は、この社会資本を持ってるところが製造の最終判断を握っていたのです。

ましてアフリカや東南エイジアなどこれまでにその種の設備のなかった地域では、

今後もそんな設備を整える必然がないのです。パルプ、塩化ビニールやポリカーボネイ

トなどの材料もいらない。これによって在庫とも無縁になる。取り次ぎ、卸し

などの流通経路も不要です。最終的には小売店もなくなる。制作者と購買者

が直接繋がる、自分の心から地球全体へ表現の発信が出来るのです。権限を

持つ石頭の編集者やディレクタのご機嫌を伺わずに、自由に創造が出来る、夢の

ような状況でしょう。

でも自分だけの考え、判断で物事を進める怖さを、あなたは感じませんか。

もちろんこれまでの制度や行程が全て正しく機能していた、とは申しませ

んが、途中に他者との接触があってこそ、物事は磨かれるのです。タモリも言っ

てるでしょ、「接触のないところに快楽は生まれない」と。

「テレワーク」のお陰で「事務所や仕事場なんて要らないのではないか」、とい

う考え方が台頭して来ています。おっしゃる通りかも知れません。ただね、

無駄な必要「接触」は絶対にあって、それなしでは人類も終わり、とまでわ

たしは考えます。ひょっとしたらもう終わったのかも知れませんが。コロナ禍で

わたしは、こんな事も考えるに至りました。

これは以前お話ししたように、決して「元の『密』に戻せ」ではありませ

ん。ぜひここのところのビミョーな境界線をご理解下さい。お願い致します。

さて、新譜の紹介を続けましょう。今度はイギリス人のカントリー・デューオです。そ

う言えば、これまで不思議と出会わなかったですね、この手の人たち。そも

そもカントリー音楽自体の大元はイギリスから持ち込まれているのにね。一度聞いた

ところでは、やはり基本的にはナッシュヴィル・サウンドに憧れているような感じでし

た。録音もご当地ナッシュヴィルで行われています。

では2020年の下半期の始まりにふさわしく、

「ヌー・イヤー」、シャイルズ、ベン・アールとクリッシ・ライムズの男女二人組です。

 

M11.New Year(3’49”)The Shires

-B.Warle, K.Rae-  BMG 538565512

 

M12.Madison Blues(4’37”)Fleetwood Mac and Others 

-James, Tristan- Columbia 480527 2

 

N  「ヌー・イヤー」、シャイルズでした。アルバムは『グド・イヤー』という題名です。生ギタ

ーの音が良かったですね。

それに続けましたのはフリートウド・マクがシカーゴのチェス・ステューディオで現地ブルーズメン

とセッションしたアルバム『ブルーズ・ジャム・イン・シカーゴ』から、「マディスン・ブルーズ」で

した。70年に日本でCBSソニーから出ていた時は題名が『ブルーズ・ジャム・アット・

チェス』でしたけど、今はCDの2枚組で『ブルーズ・ジャム・イン・シカーゴ』です。

この「マディスン・ブルーズ」は、先週の60年代ゴーゴー・パーティの「マディスン」の

ところでお聞き頂きたかったのですが、盤が見つけられなくて今週になりま

した。これはオリヂナルがエルモ・ジェイムズ。今のは「エルモアの真似しか出来ない」と

某イギリス人に言われているフリートウド・マクのジェレミー・スペンサーが中心になってのセッシ

ョンでした。サクスフォンのJ.T.ブラウンは原仕様にも参加している男です。久しぶりの

録音で吹いたのでしょうか、ピッチ、テムポー共に若干ズレているような感がなき

にしもあらず、でしたね。

さて、今年の黄金週間明けの悲しいヌーズはリル・リチャードの訃報でした。一度

観たかったですね、あの狂ったロケンロール・ショウを。そんな気分を紛らわしてくれ

るのが、次にお届けする実況録音盤かも知れません。既に全盛期を過ぎてい

た1967年にエピック傘下のオーケイから発表した『リル・リチャード・グレイテスト・ヒッツ・リコ

ーデド・ライヴ』です。聞いた限りでは実況録音場所は、どうもイギリスのようで

すが、果たして・・・。

バンドは現地調達だと思います。この人の音楽はチャック・ベリー御大と同じく、

本人がいれば、あの形になってしまいますから、心配ありません。きっと白

人ばかりの若い聴衆を前にノリノリでアジテイション、そして始めるのは「ジェニ、ジェニ」、

鈴木やすしもモップスもマッツァオです。

 

M13.Jenny, Jenny(2’45”)リトル・リチャード

-R.Penniman-  BSMF 7610

 

N  凄いねえ、この人は。神様だね。無条件で全面的に降参するしかないなあ。

この実況録音盤は、オーケイから発表したスタジオ収録盤と一緒にCD1枚に編集さ

れて再発されます。本人がデビューの時に持っていた殺傷能力は衰えていませ

んが、全体の仕上がりはだいぶ穏やかです。それが何故か、はっきりとは分

析出来ないものの、「時代」が絡んでいるのは確かでしょう。

さてキョーヨー番組「幻」、次はクラシックです。まずはお聞き下さい。

 

M14.キューバ舞曲(1942/1952改訂)(7’12”)レナード・スラットキン指揮 デトロイト交響楽団

-Copland-  ナクソス・ジャパン 8.55 9758

 

N   レナード・スラットキン指揮デトロイト交響楽団で、アメリカ人作曲家のエアロン・コープランド「ク

ーバ舞曲」でした。「まるで荒馬を易々と乗りこなすカウボーイの如く。これぞま

さしく『真のアメリカ音楽』です」と解説にありますが、これは同じ盤に収めら

れている「ロディオ」と題された別の交響曲の事でしょう。

この春に、以前から聞いていたNHK第一放送の朝の番組がそっくり入れ

替わってしまって、あまりわたしの感覚と合わないので、その時間帯はfm放

送を聞いています。クラシック音楽が多くて、ほとんど知らないものばかり。もち

ろんピンと来ない時もありますが、キョーヨーのためにと聞いていたら出会ったの

が、今の「クーバ舞曲」。

題名が成る程と感じられるモティーフを持っていました。カウベルが良かったです

ね。でも殆どの人たちが連想したのは、この歌ではないでしょうか。

 

M15.いい湯だな(3’30”)ザ・ドリフターズ

-R.Ei, T.Izumi-  東芝 TOCK-6352

 

N  ご存知ドリフターズの「いい湯だな」、これは永六輔、いずみたくとボニー・ジャク

スが組んで作った「にほんの歌」連作で発表されたのが初出と記憶しています

が、テレビ番組「8時だよ、全員集合」の幕引き歌であっという間に有名になり

ました。

わたしは年代的にも感覚的にもクレイジーキャッツ派なのですが、ドリフのカヴァ曲に

は一目置いております。「ズンドコ節」、「ミヨちゃん」など、選編曲のアイディアが素

晴らしい。「いい湯だな」は、きっと担当者がコープランドを聞いて閃いたのでし

ょう。これは決して盗作ではありません。神様から貰った「霊感」です。幸

いにも原曲があまり知られていなかった事も影響していますが。

NHK-fm番組の解説者も司会者も放送中に、絶対に気づいていましたね。

日本で暮らしていてドリフの「いい湯だな」を知らない人間がいる訳ありませ

ん。でも会話では触れていませんでした。残念です、実に。決して堅苦しい

雰囲気の番組じゃなかったのに。ザ・ドリフターズ「いい湯だな」、でした。

さてここのところ続けてお送りしている抜き出しシングル盤、今週は正に決定

的なこの1枚です。どうぞ。

 

M16.ナイアガラ音頭(3’06”) 布谷文夫 with ナイアガラ社中

-E.Ohtaki- コロムビア / ナイアガラ LK-15-E

 

N  布谷文夫・ウィズ・ナイアガラ社中で「ナイアガラ音頭」でした。このドーナツ盤が「突

然」段ボールから出て来た時には震えました。今はCDで簡単に聞けますが、

アナログ、しかもシングル、さらには「SAMPLE」とジャケットに穴抜き入りです。

感激の余韻も収まらないままに聞きますと、大滝詠一がいかに「本気」で

この音頭の制作に取り組んでいたのが分かりました。それはB面の「ヴァージ

ョン」仕様を聞けば、更に克明にお分かり頂けるでしょう。

 

M17.あなたが唄うナイアガラ音頭(3’20”)布谷文夫 with ナイアガラ社中 

-E.Ohtaki-  コロムビア / ナイアガラ LK-15-E

 

M18.Pledging My Love(2’10”)Chubby Checker with Dee Dee Sharp

-Robey,Washington-  Not Now Music NOT2CD729

 

N  さて、恥ずかしいのを覚悟で「マッシュポテトを見つめて」を告白しましたところ、

身近な人間から「あれは『マッシュポテトを煮詰めて』ではないのか。みんなそう

信じてるぞ」と本気で尋ねられました。なるほど。しかしマッシュポテトは茹でる

料理ですから煮ちゃダメです。他のレシピもあるのかなあ。煮ジャガイモ、どんな

踊りでしょうか。

それはともかく、先週は集中的にお届けした事で、ペタシ66さんにはチャビー・

チェッカーの素晴らしさが伝わったようです。ワツシ、大変嬉しい。今の「プレッシング・

マイ・ラヴ」はディー・ディー・シャープとの二重唱です。唄い出しのハーモニーが絶妙です

ね。このトゥイスト男はどうしても軽快なノヴェルティ曲専門委員長と捉えられますが、

こんな繊細なヴォーカル表現力も持っていたんです。

先週お届けしたカリブ海のビートへの対応も見事でした。今朝はメキシコ・トゥイスト歌

謡曲を聞いて下さい。

「ラ・パロマ・トゥイスト」。

 

M19.La Paloma Twist(2’12”)Chubby Checker

-Mann-  Not Now Music NOT2CD729

 

M20.Mi Niro Curo(3’33”)Paco De Lucia

-P.D.Lucia-  Philips / Universal 06007 5379798 (set 06007 5379796)

 

N  西班牙関連で、パコ・デ・ルシアの「ミ・ニーロ」でした。わたしも発売時に聞いて

いた1987年のLP『シロッコ』からです。冒頭のごく当たり前の和音が鳴ると、

何故か安心出来ます。先週、今週とトゥイストに翻弄されてしまった感のあるパコ

もあと2枚のアルバムを残すだけとなりました。もうしばらくお付き合い願いま

す。

 

M21.スター・スパングルド・バナー〜パープル・ヘイズ(3’43”~4’43”)ジミ・ヘンドリクス

-J.Hendrix-  ユニバーサル / MCA  MVCZ-10042

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Bandravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  ウドゥストークでのジミ・ヘンドリクスで「アメリカ国歌〜紫のけむり」でした。これが収め

られている『ライヴ・アット・ウッドストック』の解説で大鷹俊一が「アメリカの現実をギター

で串刺しにした」と書いているんです。カッコいいじゃないの、トシちゃん。正に

その通りですね。その「アメリカの現実」は、この演奏から51年経った今も変わ

っていないのかも知れません。

本当の事を言いますと、見難いカレンダのせいで、224回目のアメリカ合衆国独立

記念日を1週間間違えたのでした。来週ですね、7月4日は。今週は約束を

1 日間違えたりもしました。曜日や日付の感覚が狂ってるのでしょうか。

 

さて間違えられない生放送のお知らせです。ようやく決まりました。以下。

◆Awesome Beats & Mornin’ Blues深夜の生放送◆

日時:2020年7月31日(金曜) 24時~29時(8月1日午前0時~5時)

放送局:中央エフエム http://fm840.jp/

出演:澤田修&鷲巣功

 

今週はこの告知までです。どうぞお楽しみに。当日の名古屋の生放送、

修さん、大丈夫でしょうかね。寝過ごしたりして。

 

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

https://firestorage.jp/download/b3260ac99636d49f2ce2958185c17927fbf16511

ダウンロード・パスワードは、zidjknnzです。

さて、ちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2020/06/13

mb2020613

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年6月13日

を始めましょう。

今朝は普段と違いまして、襟を正して始めましょう。白人警察官に殺され

た黒人ジョージ・フロイドさんのお葬式が6月4日に行われました。その費用を、

同じく黒人で元ボクシング・チャムピオンのメイザー・ジュニアが負担した、という美談が

僅かばかりの気休めにもなります。

では「幻」からも、その足元にも及びませんが、同様の熱い想いを伝えま

しょう。ご静聴願います。

「ア・チェインヂ・イズ・ゴナ・カム」、サム・クック。

 

M01.ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム(3’17”)サム・クック

-S.Cooke-  ABKCO / ユニバーサル  UIGY-7043

 

N  「ア・チェインヂ・イズ・ゴナ・カム」、サム・クックでした。

アメリカ合衆国では白人警察官による黒人殺人事件を発端に人種差別反対運動

が燃え上っています。そこへ出てきましたね、オバマ元大統領です。彼はトラムプ

という史上最低の男に大統領職を譲った後、もうこのような場には出て来な

いだろうと思っていました。何も変えられなかった自分自身、そして変わろ

うとしなかったアメリカ合衆国という現実の壁の厚さに、辟易し戦意喪失してい

た筈です。でも、今回の騒動に鮮やかに登場して来ました。わたしは拍手で

迎えます。そして彼が大統領選期間中、常に口にしていた「チェインヂ」、これは

「ウィ・キャン」と同じく、音楽からの連想で生まれたキャッチ・フレイズですね、その

閃きを与えてくれた一曲、「ア・チェインヂ゙・イズ・ゴナ・カム」をお送りしました。

皆さんのご静聴に感謝致します。

音楽の世界では黒人優位の事実が、圧倒的とは言えないまでも進行してい

ますが、実際の社会、生活では、まだまだ人種差別が現状として存在するの

がアメリカ合衆国です。元々が先住民族を追い出して成立した難民の国なのに、

どうもそれを忘れているようですね。ただ巡査などの一般警察官達には潜在

意識として「黒人は凶暴で恐ろしい」という刷り込みがあるようです。ずい

ぶん前ですがヌー・ヨークの外れで、深夜何もしていないわたしが5台のパトカーに

囲まれた事があります。降りて来たのは全員が白人警察官でした。その時に

わたしは黒人と一緒に居たのです。それを見かけた何者かが通報したんでし

ょう。「不審な黒人がウロついている」と。職務質問を受けながら、「何で5台

も集まって来るんだ」と疑問でした。

「それは俺が黒人だからさ。奴らは田舎から勤務に来ている。日頃接触が

ないから特に黒人を怖がっている。ここでこんな時間帯なら、何をしでかす

か分からないという妄想を抱くんだ」と、解放された後にその友人が教えて

くれました。そう言えば警察官達は皆ビビッてましたね。

今度の事件も詳細な事実は分かりませんが、背景にはまず歴然とした人種

差別、そしてこのような拭えない黒人恐怖症があるのではないでしょうか。

確かに黒人達は体格に優れており屈強です。運動神経もいいから、とても敵

わない。極限状態での行動も読めません。例えば、今回もこの事件を切っ掛

けに暴動や略奪が起きています。しかしなぜ彼らがそういう状態に追い込ま

れてしまうのか、という根元を解明しなければ、このような事件は必ずまた

起こるでしょう。ロス・エインジェルズのロドニー・キングさんが射殺されたのは1992年。

それから大きな報道はされていませんが、似たような事件は皆無ではない筈

です。

人種差別がなくなるのは、「幻」モーニン・ブルーズの願いです。ワツシ・イサヲは、バ

ラク・オバマ元大統領に、大いに活躍を期待します。イギリスでは奴隷商人の記念像

が倒されたり、アメリカ本国でも大陸発見者コロムブスを「先住民虐殺者」と否定す

る見識が出たりしています。これらの動きを、わたしは遠くから複雑な気持

ちで見守るだけですけれども。

さて、今の「ア・チェインヂ・イズ・ゴナ・カム」は64年発表のLP『エイント・ザット・

グッド・ニューズ』に収められている原仕様です。お聞きのように3コーラスとサビの

構成で、今ではこちらが一般的になっているかも知れません。でもそれまで

はずっと第二コーラス抜きの短縮版が正規の「ア・チェインヂ゙・イズ・ゴナ・カム」で通

っていました。わたしがこの歌を知ったのはオーティス・レディングのカヴァでした。

そちらは短縮版をお手本に再現していました。ザ・バンドが『ムーン・ドグ・マチネ

ー』でカヴァした時も同じです。何より黄色いジャケットのLP『ザ・ベスト・オヴ・サム・

クック』に入っていたのが、こちらの短縮版だったのです。

わたし自身、長尺物の存在に気づいたのは、オリヂナルと同じ形でLP『エイント・

ザット・グッド・ニューズ』が出る事になって、その解説を担当した時で、1986年

という決定的に遅買ったのでした。

この取り除かれたコーラスは「映画を観に行ったら、『おい若いの、ウロウロすんじ

ゃねえ』という言葉を投げつけられた」という人種差別をほのめかす内容で

す。当時サムは明らかに黒人のリーダーでしたから、RCAの白人管理職たちが恐

れをなしてこの部分を抜き取ったのでしょう。暴動寸前に盛り上がるフロリダ、

ハーレム・スクエアの実況録音をオクラ入りにしたのも彼らでしたね。ですから去勢され

た「ア・チェインヂ゙・イズ・ゴナ・カム」は、生まれ育ちを振り返る、漠然とした美

しい歌になってしまっていたのです。オーティスもザ・バンドの連中もきっとシングル

盤を持っていたか、ラジオで親しんでいたのでしょう。

ただ、最後のコーラスの「生きているのはとても辛い、でも死ぬのは怖い」と

いう行りには、まだ奴隷制度の延長線上に置かれていた黒人達の境遇が現れ

ている、とわたしは読んでいます。

と、長い話で「ア・ チェンジ・イズ・ゴナ・カム」、でした。

 

M02.ホープ・ソー(3’45”)J・ラモッタ・すずめ     

-unknown-  Pヴァイン PCD-24952

 

N  「すずめ」と日本語、それもひらがなで芸名に入れているJ・ラモッタの新譜、

「ホープ・ソー」でした。イスラエル生まれ、ドイツに在住、歌は英語で、その響はお聞

きの通り、「新世代ソウルの女王」なんて呼ばれるらしいですけれど、まさに無

国籍な今の音楽です。今後おそらく特に女性のヴォーカル音楽は、ほとんどがこ

ういう造りになっていくのでしょう。それは時代的な必然ではないかと、わ

たしは考えています。

次はどうかな・・・。

 

M03.The Cat(4’18”)Long House

-J.Smith- アオラ / ABY 021

 

N  ジミー・スミスでお馴染み、「ザ・キャット」。これは子供の頃に深夜のテレビ番組の主

題曲として聞いた覚えがあります。おそらくアメリカの番組でしょう。わたしが

観られたのはたった1回だけですけれど、このヤクザっぽい旋律とハモンド・オルガ

ンの音色は瞬時に心の襞まで沁みこんで、今に至ります。どなたかこの番組を

覚えていないかなあ。

お聞きいただきましたのは、60年代のジミー・スミスではなくて、2018年のロン

グ・ハウス〜長屋という徳島のジャズ・コムボです。盤はこの6月に初めて見かけ

たから、今年の発売ではないでしょうか。現地で少なくとも40年ほどは演奏

を続けている人達です。皆堅気で、オルガンの伊藤和範は地方公務員だったそう

で、定年退職してから、演奏活動に力を入れ出したというお話。

このアルバム『阿波ジャズ』は阿波踊りを観に徳島を訪れた久保田麻琴が出会

って感激、即座に制作したもので、四国大学のスタジオでの録音となっています。

想像でしかありませんが、部屋の狭さが場末のジャズ・クラブ的な雰囲気を醸し

出していますね。

ではもう1曲アルバム『阿波ジャズ』から聞きましょう。ギターのトーンがとても個

性的です。

「匕首マック」。

 

M04.Mack The Knife(3’44”)Long House

-K.Weill, B.Brecht- アオラ / ABY 021

 

N  「マック・ザ・ナイフ」、徳島のロング・ハウスの演奏、アルバム『阿波ジャズ』からでした。

では真打にお願いします。ジミー・スミスで「ス・ワンダフォー」。

 

M05.S Woderful(4’59”)Jimmy Smith

-G.Gershwin, I.Gershwin-   Blue Note CDP 7 46097 2

 

N  ジミー・スミス、1959年のアルバム『ザ・サーモン』から「ス・ワンダフォー」でした。アブス

トラクト寸前のジミーのソロ、実にファンキーでしたね。トラムペットは、「サイドワインダー」の。リー・

モーガンです。このアルバムは各トラックの演奏時間がとても長い。そもそもアルバムとし

て企画制作されたものではなく、「時間のある人は来ていいよ」と声をかけて、

集まった人間のヘッド・アレンヂで形が決まったような内容です。表題曲「ザ・サー

モン」は、なんと20分を超えています。

オルガニストっていうのは一度神様から霊感を貰うと、しばらくはずっと弾き続

ける性格が共通しています。ベイスもペダル鍵盤だから、思うままに進行できま

すしね。それにしても驚異の長時間演奏です。これらの録音、LP時代にはこ

れと『ハウス・パーティ』の2枚に振り分けられていました。当然でしょう。

さてジミーではないもう一人のオルガン・スミスと来れば、ロニー・スミス。ぶっつけ本

番のセッション、次郎吉での収録『ライヴ・ジャム』から「スラウチン」。

 

M06.スラウチン(6’50”)ジャズ・ファンク・マスターズフィーチュアリング・ロニー・スミス

-L.Smith-  Pヴァイン PCD-2401

 

M07.Honey Bee(3’56”) Father Muddy Waters and Sons 

-M.Morganfield-   Chess / MCA CHD-92522

 

N  高円寺ブガルー「スラウチン」、ジャズ・ファンク・マスターズフィーチュアリング・ロニー・スミスでした。

さて続けて、先週勿体つけてお届けしたアルバムから同じく実況録音でお聞き

いただきました。父マディ・ヲーターズとその義理の息子達で「ハニー・ビ」こちらは

シカーゴのスーパー・コズミック・ジョイ・スカウト・ジャムボリー、1969年4月の録音です。

アルバム『ファーザーズ・アンド・サンズ』、これは本当の名盤ですね。一時期やたら

と流行った「トリビュート」物の唯一の成功例でしょう。ポール・バタフィルドとマイケル・

ブルームフィルドが中心になって、自分たちにたくさんの事を教えてくれた言わば

「父親」たちと一緒に演奏をして記録に残そう、それをひとりでも大勢の人

たちに聞いて貰って、ブルーズ音楽を愉しんで貰おう、と企画したこの2枚組

は、選曲、演奏、録音、すべての釣り合いがうまく取れていて、ミケロッティのシステ

ィーナ礼拝堂天井画をパロったジャケットも大変宜しかったし、何より題名『ファーザー

ズ・アンド・サンズ』が決定的だったですね。バタフィルドたちの狙いは見事に当た

りました。そのカモのひとりがわたしです。確か一昨年に亡くなった妹尾龍一

郎も、このLP2枚組を聞いてハモニカを吹き始めたと言っていました。嬉しかっ

たね。

「父の日」にちなんで今年はこの名盤を、と考えていました。しかし、6月

の第3日曜日は、明日ではなく来週だったのです。お粗末。

 

M08.Forty Days And Forty Nights(3’05”)Father Muddy Waters and Sons

-B.Ross-   Chess / MCA CHD-92522

 

M09.Sigi Gno Gonya(8’05”)Ballake Sissoko & BabaSissoko

Federation / homerecords.be  HR4446209

 

N  「40日と40夜」、マディ・ヲーターズとその義理の息子達でした。マディが元気一

杯なのには、聞いていてつい顔がほころんでしまいます。唯一の来日時に、

貫禄は感じられましたけれど、もう少し元気でいて欲しかったと願ったのは、

わたしだけではないでしょう。

続いてお届けしたコラとアフリカン・ドラムの演奏は、バラケ・シソコとババ・シソコの最新

盤『シソコ・アンド・シソコ』から「シジ・グノ・ゴニャ」。ブルーズ的なモチーフを繰り返して

その上に自由度の高い即興霊感演奏が拡がります。演奏している場所の空気

感が左右のスピーカの間に見えるように漂うのがなんとも素敵です。気分が変わ

りますよ。

似たようなブルーズ的なモチーフはこちらでも聞けました。ロビ・トラオレ、と発音す

るのかなあ、ギターを弾いて、私たちにも馴染みのあるブルーズ的なパタンを繰り

返します。彼は西アフリカ、マリの音楽家。エレキを弾く事が多かったですね。この溜

め込んだようなビート感は唯一のものでしょう。

曲名は「ア・ラメン」、と読んでいいのかな・・・。

 

M10.A Lamen(2’21”)Lobi Traore

Glitterhouse Records  GRCD 7111

 

M11.Higher Ground(3’43”)Stevie Wonder

-S. Wonder-  ビクター  BVCM-5007

 

N  続けましたのは、非常に酷似したリフレインで構成されたスティーヴィー・ワンダーの「ハ

イヤー・グラウンド」、絶頂期にあった1973年のLP『イナー・ヴィジョンズ』からです。

「ヘルプ・ミー」や「グリーン・オニオンズ」でも聞かれる、黒人ダンス物によく出てくる

パタン、ブルー・ノートを使用した相手に有無を言わせない強引な平行移動フレイズで

す。

さてスティーヴィーのLP『イナー・ヴィジョンズ』と言えばこの曲が忘れられません。

「リヴィン・フォー・ザ・シティ」です。そのカヴァ演奏を、発売直後に大阪アメリカ村のタワ

ー・レコーズの店内演奏で耳にして大いに気に入り、その場で購入しました。そ

の興奮が家では得られなかったのも事実ですが、充実した内容を持つ好盤と

して、今も時折聞いています。カーク・ウェイラムのサクスフォンでどうぞ。

「リヴィン・フォー・ザ・シティ」。

 

M12.Livin’ For The City(4’33”)Kirk Whalum

-S. Wonder-  Columbia  CK 64364

 

M13.ChaChaCha(3’06”)Brazzos Et O.K.Jazz

-unknown-  Soul Jazz Records  SJR CD437

 

N  「リヴィン・フォー・ザ・シティ」カーク・ウェイラムでした。そして「チャチャチャ」、演奏してい

るのはブラゾズ・エ・オウケイ・ジャズです。『コンゴー・リヴォルシオン』という編集アルバム

からで「リヴォルーショナリイ・アンドエヴォルーショナリイ・サウンズ・フロム・トゥー・コンゴーズ 1955-62」

という副題が付いていて、ベルギーとフランスふたつの国に領土を分けられていた

時代のダンス音楽を集めた盤です。立派な冊子も付いています。このコンゴーとい

う国はフランコという音楽の天才を輩出していまして、彼が組織していたオウケイ・

ジャズという集団がふたつのコンゴーの音楽に大きな影響を与えていました。こ

こに収められている演奏家集団のほぼ全てがオウケイ・ジャズに何らかの関連を持

っています。このアルバムはその時代のシングル曲、SP盤でしょうか、を集めた物

です。音質は頗る良好です。

お聞きのようにクーバ音楽の影響が強いのは、第二次大戦後のアフリカ独立国家

がその範をカリブ海の社会主義国クーバに倣った事による、副作用的効果です。

ですからカリブ海ダンスの基本パタン「チャチャチャ」が取り入れられている訳ですね。「マ

ムボ」なんて掛け声も聞こえました。

次も綴りこそ違え、同じ「チャチャチャ」です。

 

M14.Tcha Tcha De Mi Amour(3’09”)Brazzos Et O.K.Jazz

-unknown-  Soul Jazz Records  SJR CD437

 

N  前と同じグループ、ブラゾズ・エ・オウケイ・ジャズで「チャチャ・デ・ミ・アモール」でした。

これは「チャチャチャ」の二番煎じ曲でしょうか。何れにせよクーバから持ち込まれ

たリズムですね。エレキ・ギター主体の演奏が、ピアノを土台とする本家クーバとは違う

ところです。もちろん夜の飲食店やクラブで演奏されていたのでしょうが、響

きはあまり水商売的ではありません。

次も明るい太陽を連想させる楽しそうな演奏です。

エドゥとオウケイ・ジャズで「ソイ・サゲ・アモール」。

 

M15.Soi Sage Amour(3’07”)Edo Et O.K. Jazz

-unknown-  Soul Jazz Records  SJR CD437

 

M16.Les Voyeurs(2’39”) Rock-A-Mambo

-unknown-  Soul Jazz Records  SJR CD437

 

N  コーラス・ハーモニーが何とも楽しげな「ソイ・サゲ・アモール」。エドゥとオウケイ・ジャズでした。

そして、これも明るい器楽曲「レ・ヴォイヤーズ」、ロッカ・マムボというグループです。

管楽器の合わせ方がとても洗練されていました。これは独自の発案でしょう

か。同年代の北米ジャズにもなかなか見出せない響きです。粋でした。

さて先週大量のシングル盤がわたしの元にやって来ました。その昔に新宿のfm

局で一緒に働いていた人が「貰ってくれ」と送って来たのです。あらかじめ

話はついていたので全部目を通してから、シングル盤収集をしている友人のとこ

ろへ運び込みました。先方は歓迎してくれまして、無駄にならずに済んで良

かった。もちろんわたしも何枚か抜きましたが、興味を持った物の全てでは

ありません。何せわたしは収集家ではありませんで、既に管理しきれなくな

っております。

その抜いた1枚、これはLPの宣伝用に特別に作られた見本盤ですね。担当

者の熱心な解説が付いていました。今朝はそちらをお届けしましょう。

誰かお分かりでしょうか。

 

M17.おきなサイ(3’58”)山内テツ

-T.Yamauchi-  シーソー / キャニオン  WF-9002

 

N   お分かりになった方はおそらくいないでしょう。元明治大学フォーク・ソング同

好会員、その後ミッキー・カーチスとサムライ、ロド・スチュアートのいたフェイシズでベイスを担当し

た山内テツの「おきなサイ」です。フェイシズの解散に伴って帰国して作ったソロ・アルバ

ム『ききょう』の冒頭に収められていた1曲です。わたしは発売当時にラジオで

聞いた覚えがありますが、大向こうには全く理解されなかったのではないで

しょうか。あまりに本人がリラクスしすぎているような気は、当時わたしも感じ

ました。その頃の日本ではもっとハード・ロック的な要素が求められていましたか

らね。でもこのリラクス感は欧米ロックの最先端にあったのです。テツは当時世界最高

峰でロックを演奏していた男です。ですから日本の音楽界、いや歩みだしたばか

りのロックの世界との時差はどうしようもなかったのでしょう。

今ならわたしも、ゆっくりと聞けます。唄があまりにも弱々しい、とかの

指摘は出来ますが、この歌は力強かったら成立しません。ロック音楽の幅広さが

理解されない「夜明け前」の悲劇というには大袈裟かな。テツはこの後英国人

をリード・ヴォーカルに据えてグド・タイム・ロール・バンドを結成しましたが、こちら

の結果もパっとしませんでした。山内テツの「おきなサイ」、ソロ・アルバム『ききょ

う』からでした。

さて、パコ・デ・ルシアの連続聞き、ここまで何の反応もいただけておりませ

んが、あと4枚のLPをお付合い下さい。今朝は個人でなくて六人編成の名義

です。先週お届けした『ソロ・クイエロ・カミナー』の吹き込みに参加したメムバがほと

んどそのままパコ・デ・ルシア・セクステットとなって、世界巡業をしたのでしょう。

これは1984年5月にフランスで実況録音されています。スペインはフランスと国境を

接していまして、非常に近い関係にあります。多分客席にはスペイン系の人たち

も多かったのではないでしょうか。何度か大きな声がかかります。全体の編

集も前の実況盤より自然で上出来。タイトルは『ライヴ・・・ワン・サマ・ナイト』と

英語で来ました。

では最後に収められている「ジタノス・アン・ダルーセス」をどうぞ。六人の火の出

るような楽器演奏の応酬がたまりません。

 

M18.Gitanos An Daluces(5’27”)Paco De Lucia Sextet   

-P.D.Lucia-  Philips / Universal 06007 5379798 (set 06007 5379796)

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  パコ・デ・ルシア六重奏団の演奏、いかがでしたか。ベイスの音色が何ともフュージ

ョン的なので、わたしとしては今ひとつ馴染めない部分もありましたが、この

音色は、このような民族楽器アンサムブルの為にあったのか、と思い知らされまし

た。更には、この位ならば世界を回っても娯楽音楽として親しまれる気がし

ます。パコひとりだけの演奏では、やはり個人の崇高な心根や姿勢が、取り付

き難い雰囲気を出し過ぎていたようにも思えます。

民族の音楽に限らず、文学や絵画、彫刻を含む広範囲な芸事が人に知られ

支持されて行く過程では様々な相互作用が起こります。その結果、最初に漂

わせていた本質が変わってしまう事例も珍しくはありません。パコの10枚の

アルバムを聞いていると、大衆性と真髄の駆け引きが感じられて、なかなかに面

白い。わたしは決してゴリガンなオリヂナル信奉者ではありませんので、お間違い

なきように願います。

さて芸能の変容について続けます。それが最初から「世界」という広い範

囲を対象として見えている人間の場合は、ちょっと違うんです。いま続々と

生まれているアフリカの音楽には、そういった非常に意識された世界感覚と極め

て狭い社会で継承されて来た共有感覚が混在していて、興味深く感じていま

す。あなたは如何でしょうか。

さて今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

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今朝もちょうど時間となりました。

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「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2020/06/06

mb2020606

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年6月6日を

始めましょう。6の6解決ゾロ目土曜日、アサーです。今朝はニキ・ホプキンズの偏執

狂的ピアノが冴え渡るゴーカなブルーズ・ナムバで始めます。

ジェフ・ベックです、「ブルーズ・デラクス」。

 

M01.ブルース・デラックス(7’31”)ジェフ・ベック 

-Rod-  東芝TOCP-53094

 

N  ジェフ・ベックでアルバム『トゥルース』から、「ブルーズ・デラクス」でした。ジェフ・ベック、

ギター、ベイスがロン・ウド、ドラムズがミク・ヲーラー、そしてヴォーカルがロド・ステュアート、更

にピアノがニキ・ホプキンズという最強の布陣のジェフ・ベック・グループです。素晴らし

い面子ですね。ただ今回、長い間わたしは間違っていた事に気付きました。

この5人のままで2枚目のルネ・マグリットの「聞き耳をたてる部屋」がジャケットに

使われたLP『コーザ・ノーストラ・ベック・オーラ』を吹き込んだと信じ込んでいました

が、そちらはドラムズがトニー・ヌーマンに変わっているのですね。東芝から出ていた

「リンゴ」アルバムを聞いていたのは16歳の時だから、50年間も勘違いしたまま

でした。お恥ずかしい。

ミク・ヲーラーはわたしの大好きなドラマーで、ロドのソロ作でずっと付き合っていた

男です。「イッツ・オール・オーヴァ・ナウ」の叩きっぷりは天下一品、文句なしです。

今の「ブルーズ・デラクス」も、ミクがドラムズ担当でした。良かったでしょ。

もう一曲ブルーズ・ナムバを続けましょう。

「アイム・レディ」、マディ・ヲーターズです。

 

M02.I’m Ready(3’37”)Muddy Waters and etc. 

-M.Morganfield-   MCA / Chess CHD-92522

 

N  マディ・ヲーターズが取った事のない弟子たち、勝手に学んだ教え子たち、ポール・

バタフィルドやマイク・ブルームフィルドたちに担ぎ出されて制作した名盤『ファーザーズ・アン

ド・サンズ』からでした。こちらにつきましては、来週お話しします。とにか

くご機嫌でしたね、「アイム・レディ」。

さて、創業者コムビが退いてから、次の世代の経営となって新しい路線を、

と言いますか、音楽そのものの価値が大きく変わりつつある中で続いている

独立レイベルの祖、Pヴァイン・レコーズ。ここの新譜案内を見ていますと、かつてゴ

リガン・ブルーズしか出していなかった頃には想像もつかなかった領域の音楽が

発売されていて、時折驚かされます。そのひとつは日本で「アダルト・オリエンテド・

ロック」と改称された、北米西海岸風の巧みに造られたロックを土台とした軟派な

流行歌です。Pヴァイン創業者たちが忌み嫌っていた種類の音楽のはずですが、

今の制作陣にはこの手が好きな人がいるようですね。変われば変わるもので

す。

ではPヴァインの「アダルト・オリエンテド・ロック」今月の新譜から、

ティム・トレファーズで「オーサカ・ムーン」を聞きましょう。

なお「A.O.R.」は本来「アルバム・オリエンテド・レイディオ」の略称です。蛇足なが

ら申し上げておきます。

 

M03.オーサカ・ムーン(3’56”)ティム・トレファーズ

-unknown-  Pヴァイン PCD-24955

 

N  ティム・トレファーズで「オーサカ・ムーン」でした。冒頭の効果音は大阪の雑踏でしょう。

戎橋あたりで採取されたのでしょうかね。

「オーサカ・ムーン」と言えば、その昔に同名の洋楽曲がありました。ニック・セイント・

クラウスとかいう名の「A.O.R.」アダルト・オリエンテド・ロック音楽家が大阪限定国内発売

したアルバムがある程度の結果を出したので、直ぐに「有難う大阪」とばかりに

書き下ろして吹き込んだ物です。この一連の流れはわたしがFMラジオの洋楽

ディレクターに成り立ての頃の出来事で、実体験で知っています。ソニーの同系会社

エピックからだったな。

それとは別の「オーサカ・ムーン」、ティム・トレファーズでした。

 

M04.ニア・パーフェクト・シンクロナイゼーション(2’51”)中野公揮

-unknown-  Pヴァイン PCD-25300     オーヴァダブ

 

N  こういう種類の音楽がPヴァインから発売されるのにも、多少、驚きます。

中野公揮の「ニア・パーフェクト・シンクロナイゼーション」です。ピアノ1台でオーヴァダブを重

ねて、その上にノイズ的な具快音を載せる、極めて環境音楽的な仕上がりです。

作者の中野公揮という演奏家はパリで活動しているようですね。原盤はパリの

「No Format !」レイベルから出ています。「ニア・パーフェクト・シンクロナイゼーション」でし

た。

さて今朝もパコ・デ・ルシアを聞きましょう。先週までで、初めの5枚セットは

終了致しまして、これからは1981年から93年までの『ファイヴ・オリヂナル・アルバ

ムズ・ヴォリウム・トゥウ』からになります。今朝はそこから1枚目の『ソロ・クエイロ・

カミナ』です。

このアルバムは5人との共演、と言いますか、パコをリーダーとするセッション演奏の

録音です。これまでの実演などでは師弟関係がはっきりと見て取れまして、

パコ以外はあくまで伴奏者だったように聞こえましたが、今回は対等な立場

での応酬です。パコ自身もあの恐ろしい程の集中力はそのままに、更に伸びや

かなギター演奏を聞かせてくれます。

まず行きましょう、

「ルムバ」という但し書き付きの「コンヴィト」。

 

M05.Convite(rumba)(3’56”)Paco de Lucia

-P.d.Licia-  Philips / Universal Spain S.L. 06007 5379797(set 5379796)

 

N  パコ・デ・ルシア、アルバム『ソロ・クエイロ・カミナ』から「コンヴィト」でした。気心の知れ

た仲間とのしなやかな流れが特徴です。冒頭の和音には、ヨーロッパの香りが漂

っていました。この頃パコはもう世界中を旅して回っています。スペイン人以外

とも手を合わせていますから、その影響でしょうか。

さてアルバム『ソロ・クエイロ・カミナ』から、次は表題曲です。ここには唄が入って

います。今までお届けしたパコの楽曲はすべて演奏だけでしたが、この『ソロ・

クエイロ・カミナ』では全編ではないにしても、唄がフィーチュアされる部分があって、ギ

ター演奏との対比が絶妙です。こちらには「タンゴ」という但し書き付きです。

 

M06.Solo Quiero Caminar(Tangos)(6’17”)Paco de Lucia

-P.d.Licia-  Philips / Universal Spain S.L. 06007 5379797(set 5379796)

 

M07.Your Smiling Face(2’45”)James Taylor  

-J.Taylor- Columbia  CK85223

 

N  2ヶ月近くかかって到着したジェイムズ・テイラーの『グレイテスト・ヒッツ・ヴォリウム2』

から「ヨ・スマイリング・フェイス」でした。こういう響きが先に述べた「アダルト・オリエン

テド・ロック」として日本では無条件に受け入れられたのです。コロムビアに移籍し

て保守的な音楽制作を始めたJ.T.はその核だったかも知れません。みんなこ

の種の洗練されて小洒落た音楽に憧れて真似をしていました。ちょうどR&B

が「ブラック・コンテムポラリー・ミュージック」へと変わって柔らかな手触りだけの音楽に

になる頃と時期が同じですね。北半球の先進国が保守化して行く頃です。パン

ク現象はその反動でもありました。

ただジェイムズ・テイラーは昨今の活動を見てもわかるように、本当に音楽が好き

なだけの純なアメリカ人なのです。『グレイテスト・ヒッツ・ヴォリ ウム2』を通して聞いてい

ると、いくつかの時代を経ても基本的には変わらない世界観、宇宙観が伝わ

ってきます。

それはそうと、今週わたしは古くからの友人の訃報に接しました。美しき

十代に互いに迷い悩んだ間柄の男です。数年前に再会して、付き合いも復活

したばかりでした。あまりに急な事で、まだ動揺している心を抱えながら、

J.T. の『グレイテスト・ヒッツ・ヴォリウム2』から、かけがえのない友人、遠藤均に送

ります。

「ネヴァ・ダイ・ヤング」。

 

M08.Never Die Young(4’24”)James Taylor

-J.Taylor- Columbia  CK85223

 

M09.会いにゆく(3’17”)やのとあがつま

-A.Yano. H.Agatsuma-  ビクター VICL-65280

 

N  ジェイムズ・テイラーの「ネヴァ・ダイ・ヤング」、そしてやのとあがつまで「.会いにゆ

く」でした。

先週の「今夜おしえて」の3本ノックには、フェスロンゲさんからフィービ・スノウへの

ご賛同を頂きました。「世界で一番」なんだそうです。ありがとうございます。

フィービは決して商業的に成功した唄い手ではないでしょうが、このように潜

在的な支持者が多かったようです。わたしが持っているベスト盤の和文解説を

書いている滝上よう子と言う人もそうでしたね。この人は西新宿のFM放送

局のレコード室にいた方で、わたしは「返却が遅い」と、しょっちゅう追っかけ

られていたのですが、心の底から音楽が好きで特にフィービを愛していました。

フェスロンゲさんと同じく、「世界で一番」なんでしょう、きっと。

先週の「今夜おしえて」 を向き合って聞いて、今更のように彼女のブルーズ

感覚には舌を巻きました。わたしが彼女の事を気に留めたのは、ラジオから流

れていたこの歌を耳にした時からです。

 

M10.ドント・レット・ミー・ダウン(5’50”)フィービ・スノウ

-J.Lennon, P.McCartney-  ソニーSICP 8005

 

N  ジョン・レノンの最高傑作のひとつ、「ドント・レット・ミー・ダウン」です。アポー・ビル 屋

上セッションの原仕様に纏わり付いていた粘着性を濾過してあっさりさわやかに、

しかもブルーズ・フィーリングたっぷりに聞かせてくれたフィービ・スノウ。彼女をはっき

りと意識したのはこの時です。そのラジオ番組はNHK-fmの「軽音楽をあなた

に」だったかな。

さて先ほど紹介したベスト盤に入っている実況録音には面白いものがありま

す。彼女がデビュー・アルバムで唄っていた、

「グド・タイムズ」、サム・クックのオリヂナル作品です。

 

M11.グッド・タイムス(6’18”)フィービ・スノウ

-S.Cooke-  ソニーSICP 8005

 

N  「グド・タイムズ」これは1977年のヌー・ヨーク、カーネギー・ホールでの録音です。

クアイアというほど大所帯ではないものの、男女混成の合唱隊を従えて、本編に

入る前にルバートのカデンツァを存分に聞かせるフィービ・スノウ。ブルーズ・シンガレスの面目

躍如です。

多分ね、フィービはずっとこういう歌を唄っていたかったんじゃないかなあ。

「ポエトリー・マン」がヒットしてしまったので、女性シンガ・ソングライタの流れに加えら

れてしまって、当惑していたのではないのか、とも思います。もちろんそう

いう側面がないわけではないのですが、本人はヒットする作品を書くより、好き

なブルーズとかR&Bを唄っていられれば良かったんじゃないかな。

ではこのベスト盤の最後に収められている、多分先の「グド・タイムズ」と同じ

公演のアンコールにひとりで出て来て唄ったのでしょう、デビュー・アルバムの表題曲

「サンフランシスコ・ベイ・ブルーズ」です。唄い終わった後の笑いが、とても素敵です。

 

M12.サンフランシスコ・ベイ・ブルース(3’33”) フィービ・スノウ

-J.Fuller-  ソニーSICP 8005

 

M13.サンフランシスコ・ベイ・ブルース(3’01”)ピーター、ポール・アンド・マリー

-J.Fuller-  ワーナー WOCR-14347

 

N  ブルーズ・エンディングをカッコ良く決めてくれたのは、ピーター、ポール・アンド・マリーの

「サンフランシスコ湾ブルーズ」でした。この歌はジェシー・フラーのオリヂナルで、唄う人によ

って形が変わっても構わない、古いブルーズのような成り立ちを持っています。

そんな中で今のP.P.M.の仕様が最も洗練されていて、ポピュラーでしょう。わた

しはこの歌を一度でいいから上手に仕上げたかったな。ただいつものように

周囲に理解者が全くおりませんで、未だにこの願いは実現しておりません。

 

M14.The Twist(2’37”)Chubby Checker 

-H.Ballad-  Not Now Music NOT2CD565

 

N  突然の「ザ・ツイスト」、チャビー・チェッカーでした。実は以前の大滝詠一「コブラ・ツイ

スト」以来、わたしの頭の中ではずっと「ツイスティン・ダンス・パーティ」開催中でして、

毎朝目覚めてから床に就いて眠り始めるまで、ずっとツイストなんです。そこで

今朝はそれを皆さまにもお届けいたします。

この踊りは、1959年頃に北米で流行り始めたと伝えられます。多分白人

若年層の流行でしょう。それが1960年、チャビー・チェッカーの「ザ・ツイスト」で世界

的な流行になったのです。わたしが生まれて初めて同時代的に知った、イカれ

た踊りでもあります。ただまだ就学前の出来事ですから、実際にダンス・ホールで

踊ったりはしていません。小学校に上がった頃にマセた友達が「タバコをもみ消

すように足を動かすんだよ」なんて説明してたのを聞いた記憶があります。

この国ではやや遅れて1961~2年に流行ったのかなあ。スリー・ファンキーズの「でさ

のよツイスト」も62年ですしね。一世を風靡した割にブームはあっという間に終息

しまして、その途端に古臭くなりました。64年公開の映画「ビートルズがやって

来る ヤア! ヤア! ヤア!」の中では、ビートルズの4人を含めて、もう誰もツイストを踊っ

ていません。「ツイスト・アンド・シャウト」なんていう傑作を唄ってたのにね。

しかし、明確なエイトビートに載って腰を捻るツイストは、若者と若ヅクリな心と共に

不滅です。ではもう一度踊りましょう。

「レッツ・ツイスト・アゲイン」。

 

M15.Let’s Twist Again(2’19”)Chubby Checker 

-Mann, Appel-   Not Now Music NOT2CD565

 

M16.Let’s Twist Again(2’12”)The Ventures

-Mann, Appel-  Not Now Music NOT2CD565

 

N  「前の年の夏の日に踊ったみたいに、もう一度ツイストを踊ろうよ」という「レ

ッツ・ツイスト・アゲイン」、チャビー・チェッカー61年のオリヂナル、そしてヴェンチュアズ62年のカ

ヴァでお聞きいただきました。

さて「レッツ・ツイスト・アゲイン」と言えば、忘れちゃいけないのがこちらです。

「レッツ・オンド・アゲイン」。

 

M17.レッツ・オンド・アゲイン(‘81リミックス)

(5’04”)ナイアガラ・フォーリン・スターズ feat.アミーゴ布谷

-Mann, Appel, Ohtaki-  ソニー  SRCL3502

 

N   なかなか素直に終わらないナイアガラ・フォーリン・スターズで「レッツ・オンド・アゲイン(‘81

リミックス)」でした。これは実によく出来ています。リード・ヴォーカルのアミーゴ布谷は

お調子者の音頭取りを完璧に演じています。発声、唱法ともに吉幾三的です

ね、あ、逆かあ。

では今朝のツイスト・パーティの発端となった「コブラ・ツイスト」をもう一度。

 

M18.コブラ・ツイスト(2’12”)大滝詠一   

-E.Ohtaki-  ソニー  SRCL3500

 

M19.Soul Twist(2’48”)King Curtis  

-C.Ousley-   Not Now Music NOT2CD565

 

M20.チャンベレケ(3’08”)コルティーホ・イ・コンボ   

-unknown-   PCD 25295

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  「コブラ・ツイスト」に続いては、キング・カーティスで「京城ツイスト」、そして最後はコルテ

ィーホ・イ・コンボで「チャンベレケ」、1959年録音のアフロ・クーバン・ダンス音楽です。LP

『エン・ヌーヨーク』からお届けしました。リード・シンガーは、イスマエル・リベーラです。

後半が早朝ダンス・ホールになってしまった今朝の「幻」モーニン・ブルーズ。

特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

https://firestorage.jp/download/9ac2ee615b576bf87f1c7f00dbd1243020c14a9e

ダウンロード・パスワードは、jyh9wcb5です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

OAした作品画像一覧のダウンロードはこちらからよろしくお願いいたします。

→ https://5.gigafile.nu/0705-d928858812eca1fb8c57a35e78fd0dd68 

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2020/05/30

mb20200530

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年5月30日

を始めましょう。明後日からはもう6月です。今年は空白の約3月間があり

ましたから、余計に早く感じます。気候も例年の様に徐々に暖かくなって来

て、「夏」というんじゃなかったですね。

さて今朝の1曲目はリアノン・ギデンズ、

「アップ・アバヴ・マイ・ヘッド」。

 

M01.Up Above My Head(3’10”)Rhiannon Giddens

-S.R.Tharpe-  nonesuch 7559-79563-1

 

N 「アップ・アバヴ・マイ・ヘッド、アイ・ヒア・ミュージック・イン・ディ・エア」、リアノン・ギデンズ

でした。わたしは今でも朝起きてからしばらく頭の中で特定の音楽がずっと

鳴り続けている事があります。この歌を聞くと、いつもそんな状況を想像し

ます。実はこれ、先週の最後に「河内ONdoLINE盆踊り」のケーキヅケにお届け

しようと用意していた1曲でした。それが時間の都合で、1週遅れの冒頭曲と

なりました。

「河内ONdoLINE盆踊り」はおかげさまで終了する事が出来ました。ご参

加下さった方々には厚く御礼申し上げます。最新流行のzoom会議システムを使っ

たテレ・フェス、やはり簡易中継の範疇を出ない送信でした。放送基準には敵いま

せん。ただし考えてみれば小型PCだけであそこまで出来るというのは凄い事

でもあります。今はテレビ出演も同じ様なシステムで行われているようです。特別

回線を使うのでしょうか、映像や音声の乱れはありませんね。今回の「河内

ONdoLINE盆踊り」では、途中でほぼシステム・ダウンに近い状況になってしまい

ました。そもそも通信環境のない稽古場ですから、ポケット・ワイファイを持ち込ん

で送信していて、容量不足になったようです。イヤコラセ東京のIT担当者が咄嗟

に携帯電話経由に切り替えてその後は何とかなりましたが、危なかったです。

受信される方も全員が万全ではなかったようで、ずっと音声が届かなかっ

たという状況でお付き合いを続けてくれた方もいらしたようです。それも複

数。課金方式をとったので、余計に面倒だったようですね。これは今後の課

題でもあります。

何人か見覚えのある方とも画面でお会い出来ました。嬉しかったですよ、

元気なお姿を拝見出来て。重ねて御礼申し上げます。

 

M02.Dreams Of A Mechanical Man(5’35”)アーロン・パークス

-unknown- BSMF 5096

 

N  アーロン・パークスという「天才」ピアニストの新譜からです。全12曲入りの新作は

なかなかの意欲作でして、いろいろと思わせぶりな楽曲が並んでいます。そ

の中でも最も印象的だったのが、今の表題曲「ドリームズ・オヴ・ア・メカニカル・マン」

でしょうか。ソロが初期のフュージョン的で、面白く聞けました。如何でしたか。

さて今週はある調べ事がありまして、古い雑誌を引っ張り出しました。そ

れは「ヌー・ミュージック・マガジーン」の1971年12月号です。中村とうよう編集長

のこの雑誌をわたしは1969年の創刊号からずっと読んでいましたから、バッ

クナムバもズラリと揃っていましたが、わたし自身が寄稿しなくなってからしばら

くして、一度それらを処分しました。書き込みや切り取り頁もなくずっと揃

っていたのに1円にもならなくて、なんとか引き取って貰ったのが実情です。

この1971年12月号は古本屋で見つけて買い直した一冊です。

ちょうど創刊3年目で調子が出て来た頃ですね。まだ福田一郎が「輸入盤

紹介」欄を担当していました。この号ではそこにこの盤が筆頭に来ています。

 

M03.New Ways Train Train(5’52”)Jeff Beck Group    

-J.Beck-  Epic PE 30973

 

M04.Reason To Believe(2’24”)Karen Dalton  

-T.Hardin-  ウルトラ・ヴァイヴ / Delmore  OTLCD 1702

 

N  短命に終わった第2期ジェフ・ベック・グループの「ヌー・ウェイズ・トレイン・トレイン」で

す。複雑な構成でしたね。彼らの1枚目が本国で出た直後だったのでしょう。

国内盤ではなく、輸入盤として紹介されています。文章の最後が「ジェフ・ベッ

クのカムバックに乾杯!!」と締め括られているのは、その前の足掛け3年間くらい、

ジェフは演奏活動をしていなかったんからです。ヴァニラ・ファッヂのティム・ボガート、

カーマイン・アピスとトリオを結成する直前に交通事故に遭って入院生活を送るハメにな

ったのが原因です。それでアメリカ人たちとの話は先送りになって、ロンドンで集め

たメムバと組んだのが、この第2期ジェフ・ベック・グループでした。

短命に終わったとは言え、マクス・ミドルトン、コージー・パウウェルなど、後に世界的

な活躍をするプレイヤーを擁していましたし、ジェフとコージーを除く3人はハミング・

バードという先進的なグループを結成するなど、音楽的には大きな可能性を秘め

ていました。何よりもジェフがヤード・バーズ以降のハード・ロックに見切りをつけた

作品として、わたしは見ています。それまで来日した事がなく、生実演が観

られなかったので、本当の彼のギター弾きとしての魅力は充分に伝わっていま

せんでしたが、精悍な容貌に狼カットのジェフは人気者でした。何しろシングルで「監

獄ロック」だからね。こんな背景もあって、福田一郎の「輸入盤紹介」でこの盤

が筆頭に来たのでしょう。

続けてお届けしたのはカレン・ドールトンが唄った「リーズン・トゥ・ビリーヴ」です。

彼女は同じ「ヌー・ミュージック・マガジーン」1971年12月号の「ニュー・スター登場」欄

に登場しています。尤も唄い手としての経歴は1960年からですから「ヌー・ス

ター」でもないでしょうが、本人名義の最初のアルバム『イン・マイ・オウン・タイム』が発

表された事で、ここでの紹介となったようです。

この頃の「ヌー・ミュージック・マガジーン」は明らかに日本の音楽雑誌の中で最先

端を突き進んでいました。まだそれほど偏っていなくて「幅広い」軽音楽の

健全な行き亘りを目指していましたから、彼女のような個性的かつ優れた音

楽家も紹介の範疇にありました。

今の「リーズン・トゥ・ビリーヴ」はご存知のようにティム・ハーディンの作品。カレンの吹

き込みは1966年という事になっていますが、どう考えても正規の録音ではな

いですね。多分デモ的なセッションだったのでしょう。2012年にアルバムの形に組ま

れた中に収録され、発売されました。

わたしもこのページを読んでいた筈ですが、全く記憶にありませんで、カレ

ン・ドールトン を知ったのは21世紀になってから、レコード屋で流れていたこの歌

を聞いた時でした。

 

M05.How Sweet It Is(3’44”)Karen Dalton   

-B.Holland, L.Dozier, E.Holland-   Light In The Attic Records  LITA 022

N  マーヴィン・ゲイでお馴染みの「君の愛に包まれて」、カレン・ドールトンでした。お聞

きのように捉えどころのないスタイルで人の心をしっかり捕まえる唄です。彼女

をビリー・ホリデイと比較するのも分かりますね。自分で作品を書くのではなく、

独特の解釈で既にある歌を新しいオリヂナルのように仕上げてくれるカレン・ドールトン

は、ジャンルを問わない選曲も個性のひとつでした。次は1969年に吹き込まれ

たアルバムの表題曲です。

リロイ・カーのブルーズ・ナムバーで

「イン・ディ・イーヴニング」

長い副題が付いています。

「イッツ・ソウ・ハード・トゥ・テル・フーズ・ゴーイン・トゥ・ラーヴ・ハー・ザ・ベスト」

 

M06.In The Evening(It’s So Hard To Tell Who’s Going To Love You The Best)

(4’31”)Karen Dalton

-L.Carr-  Megaphone CD Mrga 10

 

N  「イン・ディ・イーヴニング~イッツ・ソウ・ハード・トゥ・テル・フーズ・ゴーイン・トゥ・ラーヴ・

ハー・ザ・ベスト」、カレン・ドールトンでした。ロバート・ジョンスンの「ラーヴ・イン・ヴァイン」

と同じ行りがありましたが、お気付きだったでしょうか。

さてこの「ヌー・ミュージック・マガジーン」1971年12月号をわたしが再び手に入

れたのは、実のところ「ソウルの万華鏡~アリサ・アット・フィルモア」というマイケル・ライドン

の書いた、アリサ・フランクリンの、あの感動的なフィルモア・ウエスト出演時のリポート記事が掲

載されていたからなんです。

 

M07.Bridge Over Troubled Water(7’25”)Aretha Franklin

-P.Simon-  Atlantic / Rhino  8122- 77629 2

 

N  「明日に架ける橋」フィルモア・ウエストでのアリサ・フランクリン実況録音でした。これは後

で出た2枚組からで、リミクスされているんでしょうか、客席のガヤが多いように

聞こえます。CDが実用化されてすぐ、この「ライヴ・アット・フィルモア・ウエスト」は市

場に出ました。それもオリヂナルのアトランティックからではなく、アルファ・エンタプライズとい

う聞き慣れない企業からです。CDのように溝がない録音媒体への契約はまだ

未整備だったので、その間隙を縫っての発売だったようです。わたしは飛び

つくようにして買いました。まだ、持ってるかなあ。音質はそれ程でもなく、

あまり価値も付いていないようですがね。

さてこの「ヌー・ミュージック・マガジーン」1971年12月号は特集が「ぼくたちに

とっての伝統の問題」です。この頃のマガジーンは啓蒙主義の権化のような側面

がありまして、時折こういう難しい主題で切り込んできました。この特集は

覚えているな。高等学校2年生のわたしは何度も真面目に読み返したもので

す。それが2020年の5月に何故必要になったか、それは「エリス」次号をお楽

しみに。

それはそうと、調べ事ついでにこの号の頁をめくっていたら、意外な事実

に出会いました。この人です。

 

M08.When I’m Not With You(2’07”)Conway Twitty   

-C. Twitty, R.Nance-  Acrobat ACQCD7068

 

N  コンウェイ・トウィティの「ウェン・アイム・ノット・ウィズ・ユー」でした。ここのところ、何か

につけて引っ掛かって来る4枚組イギリスの1959年のシングル盤のB面集からで

す。A面は「ヘイ、リル・ルーシー」というロケンロー曲だったそうですが、知らないなあ。

この、昨今「幻」で引っ張りダコのロカビリー歌手の名が、「ヌー・ミュージック・マガ

ジーン」1971年12月号に載っていたのには、わたしも驚きました。それも内

田裕也の寄稿文です。ちょうどジーン・ヴィンセントが亡くなった時で、まだ彼が中

村とうようさんに可愛がって貰っていた頃でしたから、ヴィンセントの訃報に寄せ

る記事を裕也さんに頼んだんでしょう。追悼文はいつの間にか奮闘を続ける

日本のロックをアジる内容になっています。そこで「月収はマージャンでしか得られ

ないのだヨ」と事実を語ってしまったりしているのは、ご愛嬌。その冒頭で

「1815 Rock’nRoll Bandのリハーサルでジーン・ヴィンセント、コンウェイ・トゥィッティ、ファッツ・

ドミノ、リトル・リチャード等のボロボロのアルバムを聞いていた俺は、・・・」と彼の名前

が出て来るのです。この文章にはもちろん憶えがありますが、コンウェイ・トゥィッティ

は忘れてました。いや、1971年12月わたしは、まだ彼の名を知らなかった

のでしょう。

これではっきりしましたね。彼はエルヴィス・プレズリらと同じ時代に世に出た

ロカビリー・スターだったのです。裕也さんが知っていて、71年の段階で聞き直し

ているとは、かなりの存在でもあったのでしょう。「思わせぶり」という邦題

付きのシングル曲があるのも頷けます。実情は知らないけどね。

さて、コンウェイ・トウィティではこんな出会いもあったのです。

 

M09.Handy Man(1’59”)Conway Twitty  

-J.Jones-    Reel To Reel / maps RTRCD145

 

N  コンウェイ・トウィティの「ハンディ・マン」でした。「便利な男」でしょうか。これはジェ

イムズ・テイラーがモノクロームのブロマイド写真のようなポートレイトが非常に印象的なアルバム

『J.T.』でカヴァしていた事で有名です。

まずそちらを聞いて貰いましょうか。

 

M10.Handy Man(3’19”)James Taylor

-J.Jones-  Columbia CK85223

 

N  ジェイムズ・テイラーでアルバム『J.T.』から「ハンディ・マン」でした。初めて聞いた時

は終わり頃に出て来る「カマカマカマ・・・」でハッとしました。「嗚呼、あの歌か」

とようやく分かったのです。多分日本人のポップ歌手のカヴァで聞いた事があっ

たのでしょう。この国でもほんの少し流行ったはずです。スリー・ファンキーズだっ

たかな。いやあれは「『ナカナカナカ』見つからない」だったか・・・。

ともかくコンウェイ・トウィティの仕様を知ってから、J.T.の「ハンディ・マン」を無性に

聞きたくなって探したんですが、わたしはコロムビア時代のジェイムズ・テイラーを殆ど

持っていない事が分かりました。日本人の前にジェイムズ・テイラーが登場したのは

1970年だったでしょうか。「君の友達」ですぐに大スターになったようです。「よ

うです」というのは、わたしはその頃ジェイムズ・テイラーのようなシンガソングライタは

全く聞いていませんでしたからね。聞く余裕がなかった、というのが本当の

事実でしょう。

その後、カメちゃんのラジオで「寂しい夜」を聞いて大いに感動して、ワーナー時

代の『グレイテスト・ヒッツ』を代々木の輸入盤店ダンで買いました。憶えています。

でも相当に後です。だから新世代の旗手としてに注目を集めていた頃は、同

時代的には知らないんです。

ですがその後の、大物となってからは同時代的付き合いが多少ありました。

それで、『グレイテスト・ヒッツ』の第2集が出ているのを知り、今回注文しておいた

のですが、配送の手違いで一旦発送元のオランダに戻ってしまって、だいぶ到着

が遅れました。結局、夏も近く5月30日にお聞き頂けたのです。

コロムビア時代のJ.T.は音楽および周辺演奏家が定まっていまして、あまり新

鮮な魅力はなかったかも知れません。既に大御所ですからね。あまりスッキリし

た出来ではないですが、アルバム『フラッグ』はよく聞きました。

そこからどうぞ。キャロル・キング作、ドリフターズのヒット曲です。

「アップ・オン・ザ・ルーフ」。

 

M11.Up On The Roof(4’22”)James Taylor

-C.King, G.Goffin -Columbia CK85223

 

N  「アップ・オン・ザ・ルーフ」、ジェイムズ・テイラーでした。何年か前、J.T.がキャロル・キング

と来日してショウを行った時に、当然この名曲はリパトゥワに入っていて、ふたりで

唄うのですが、紹介の時にJ.T.が「カヴァした時はキャロルの歌だと知らなかった。

ただ好きで唄ってた」と喋っていたのが面白かったですね。

この次のアルバムが『ダッド・ラーヴズ・ヒズワーク』だったかな。溶接工のような

格好をしたJ.T.の写真がジャケットで、もう頭が薄くなってました。でも充分に

カッコ良くてね、「こりゃ敵わない」と思い知らされました。

そこからどうぞ、ジョン・デイヴィド・サウザーとのデューオです。

「想い出の街」。

 

M12.Her Town Too(4’34”)James Taylor

-J.D.Souther, J.Taylor-  Columbia CK85223

 

M13.ニュー・キッド・イン・タウン(5’04”)イーグルス

-G.Frey, J.D.Souther-  ワーナー・パイオニア 20P2-2016

 

N  柄にもなく西海岸調「幻」です。ジェイムズ・テイラーとジョン・デイヴィド・サウザー

の「想い出の街」に続きまして、イーグルズの「ヌー・キド・イン・タウン」でした。

J.D.サウザー調ですね、2曲とも。そこからのダブル・プレイでした。

さてジェイムズ・テイラーはギターの名手としても知られています。「ハンディ・マン」の

実演映像を見ると、大御所とその伴奏者という関係ではなくて、楽団の同じ

メムバという意識で舞台に立っているのが分かります。ちゃんとイントロを自分で

出して、終わりの合図も決めている。立派です。音楽を好きなのがとても伝

わって来ますね。彼がセッション・ギタリストとして参加した録音は数多くありますが、

今朝はこれなど如何でしょうか。

ジョーニ・ミチェルのアルバム『ブルー』から

「キャーフォーニァ」。

 

M14.California(3’48”)Joni Mitchell

-J.Mitchell-  Riprise / Warner  7599-27199-2

 

M15.Danza Riual del Fuego(4’22”)Paco de Lucia

-Manuel de Falla-  Philips / Universal 06007 53979790

 

N  さて、今朝のパコ・デ・ルシアは、1978年の『プレイズ・マヌエル・デ・ファリャ』とい

う同じスペインの作曲家の作品を取り上げたアルバムからです。わたしはここまで

で、これが一番しっくり来ました。何よりも作品が固定されているので、こ

こまでに紹介してきた物のように気まぐれな進行ではなく、きっちりと構成

が出来ている点で、落ち着きがあります。

もちろん恐ろしい程の集中力の演奏は変わらず、アンサムブルもちゃんと考えら

れています。傑作ですね。今お聞きいただいたのは、マヌエル・デ・ファリャ作バレエ

音楽「恋は魔術師」より「火祭りの踊り」でした。魂がつめられた終了部分

は怖かったですね、呪いのような想いが伝わって来ました。

同じアルバムからもう1曲。

やはりバレエ音楽「恋は魔術師」より、

「狐の火踊り」。

 

M16.Cancion del Fuego Fatuo(4’04”)Paco de Lucia

-Manuel de Falla-  Philips / Universal 06007 53979790

 

M17.Teach Me Tonight(2’58”)Brenda Lee 

-De Paul, Cahn-  Not Now Music NOT3CD240

 

M18.Teach Me Tonight(4’31”)Phoebe Snow     

-S.Kahn, G.de Paul-  Sonny SICP 8005

 

N  聞く方にも相当な集中力を要求するパコ・デ・ルシアのマヌエル・デ・ファリャ作バレエ

音楽「恋は魔術師」より「狐の火踊り」でした。

そしてリラクスして聞ける、心地よい、ブレンダ・リーの「ティーチ・ミー・トゥナイト」、更

にフィービ・スノウで同じ歌を聞いて貰いました。フィービは完全なブルーズ・シンガ、い

やブルーズ・シンガレスですね。録音は1976年、制作はデイヴィド・ルービンスンでした。

ここまで来ましたら、最後はこの人しかいません。

ダイナ・ヲッシントンで「ティーチ・ミー・トゥナイト」。

 

M21.Teach Me Tonight(2’46”)Dina Washington 

-Cahn, Depaul- Golden Stas GSS 5287  2-1

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  久しぶりの千本ノック、今朝は「ティーチ・ミー・トゥナイト」を三人の女性に唄って貰い

ました。大家さんのサイトの具合が今ひとつのようです。すんなりとは入れませ

んが、工夫をしてみて下さい。そうすれば「わたしにも入れます」。

あと20日ほどで夏至です。今朝の日の出は4時26分でしたか。もう3時

半頃には明るくなって来てますね。さあ夏だ。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

https://firestorage.jp/download/b1f773c37818d5449ce2c8ca2b89b7f01c4ac393

ダウンロード・パスワードは、rce4isugです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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OAした作品画像一覧のダウンロードはこちらからよろしくお願いいたします。

→ https://2.gigafile.nu/0728-d20b09f0be9655d042e8ed6f70a3fb8f1

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2020/05/23

mb20200523

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年5月23日

 を始めましょう。後14時間で「河内ONdoLINE盆踊り」開始です。昼過ぎ

 から回線接続などの準備確認を始めます。本部に貸してもらう場所は毎週土

 曜日に太極拳の教室開催中なので、ぎりぎりまで入れません。それまでは路

 上で歴史的中継の準備作業です。1967年にビートルズが「愛こそはすべて」を

 唄った世界テレビ中継「アワ・ワールド」の放送現場に立ち会うような興奮です。忙

 しいぞ。

 

M01.In The Sprit(5’02”)カヒル・・エル・ザバール

-unkown-   BSMF 5097

 

N  カヒル・・エル・ザバールの「イン・ザ・スピリット」で始まりました今朝の「幻」。彼は

アメリカ生まれの打楽器奏者で、こういった知的な音楽を長く続けています。同

じように精神性が高く定型を決める事を避けるジャズを追求しているデイヴィ

ド・マレイとの交流も長く、今の「イン・ザ・スピリット」でも共演しています。わた

しは決して嫌いではないのですが、この種の「スピリチュアル・ジャズ」特有の発声、

唱法が特徴的でした。新しいアルバム『スピリット・グルーヴ  フィーチュアリング・デイヴィド・

マレイ』からです。全7曲入りで、他のトラックはもっと長時間の演奏です。ただ通

して聞いても押し付けがましくないので、疲れません。カヒル・・エル・ザバールで

した。

次は4月に何人かご紹介した北米先住民、アメリカン・インディアンの血を引く女性

歌手です。クリスタル・シャワンダで「ウェン・イト・カムズ・トゥ・ラーヴ」。

 

M02.When It Comes To Love(4’55”)クリスタル・シャワンダ

-unknown-  BSMF 2702

 

N  若干ジャニス・ジョプリン調でしたね、「ウェン・イト・カムズ・トゥ・ラーヴ」クリスタル・シャワン

ダでした。彼女は当初カントリー歌手を目指して、ナッシュヴィルへ出ましたが挫折して

故郷のカナダはオンタリオ州に戻ります。そこで何年か過ごした後、一念発起して再

びナッシュヴィルへ。今度はある程度の成功を収める事が出来まして、あのブラッド・

ペイズリとも全国巡業もしていたそうです。しかし、本来好きだったブルーズへ

の夢絶ち難く、5年ほど前からこのようなスタイルの音楽に挑んでいます。北米先

住民だから、というわけではないでしょうが、歌唱力は充分な物を持ってま

すね。いわゆるブルーズ・ロックでしょうけれど、ギリギリでハード・ロックじゃない。

歌の旋律を大事にしているように聞こえました。

次はあの大洪水の事を唄っています。

「ヌー・オーリンズが沈んで行く」。

 

M03.New Orleans Is Sinking(3’48”)クリスタル・シャワンダ

-unknown-  BSMF 2702

 

M04.I’ll Never Let You Go(2’20”)Little Richard

-R.Penniman-  Acrobat ACQCD7068

 

N  シーリアスな「ヌー・オーリンズ・イズ・シンキング」クリスタル・シャワンダに続きましては、こち

らもマジな歌です。「アイル・ネヴァ・レッチュー・ゴウ」、リル・リチャードです。先々週ご紹

介したCD4枚組B面曲集『1959ブリティッシュ・ヒット・パレイド・ザ・Bサイズ』の

冒頭、CD1の1曲目がこれでした。

飯沢匡作の三匹の子豚が主人公の人形劇「ブーフーウー」は、この歌の最初の掛

け声から発案された、という説は今まで聞いたことありませんが、充分にそ

う考えられる1959年のリル・リチャード、「アイル・ネヴァ・レッチュー・ゴウ」です。正しく

爆発しています。

先週訃報をお届けしたリル・リチャードが、わたしの心の中ではすっかり生き返

ってしまっております。もう、うるさくてしょうがない。今の「ブーフーウー」と

同系列の意味不明音声が炸裂する、超有名曲、もう1曲行きましょう。

「ワッパバウヮバラバウァッパムバ、トゥティ・フルティ」。

 

M05.Tutti Frutti(2’22”)Little Richard

-R.Penniman, D.LaBostrie-  Real Gone / Maps RGRNRCD001

 

N  「トゥティ・フルティ」、リル・リチャードでした。例えばチャック・ベリーの書いた歌は世界じ

ゅうでいろいろな人たちに様々な解釈をされて、親しまれて生き続けている

のに較べると、この人リル・リチャードのは、彼が爆発してこそ成立します。みん

なリル・リチャードみたいに狂いたかったんでしょう。

その彼が突然宣教師に転身したのは先週お話しました。あれ程のロックンロールを

世に出した男ですから、すぐにゴスペル・レコードも制作発売しています。やはり

神様の前ですから、若干燃焼程度も控え目です。

定番中の定番を唄っている、これなど如何でしょうか。

 

M06.Precious Lord(3’05”)Little Richard

-T.A.Dorsey-  Real Gone / Maps RGRNRCD001

 

N  「プレシャス・ロード」、リル・リチャード、1960年のアルバム『プレイ・アロング ヴォリウム1〜

祈り続けて第1集』からでした。ロックンロール的な発声、唱法ではなく、可能な限

りの素直な唄い方のリル・リチャード、18番のシャックリが出て来ませんが悪くはないで

すね。彼はこの年に2枚ものゴスペルLPを出しています。全編が彼の唄ではな

く、もちろんリー・アレンやアール・パーマーたちもいません。由緒正しいキリスト音楽家た

ちとの合作的な内容です。

それでも信仰心が激しくなりますと、やはりこういう表現が顔を出します。

「サーテンリ・ロード」。

 

M07.Certainly Lord(1’55”)Little Richard

-unknown-  Real Gone / Maps RGRNRCD001

 

N  「サーテンリ・ロード」でした。リル・リチャードは当然ながら幼少時に教会で唄い始め

ました。その頃から声量の大きさは別格で、彼の唄声で窓ガラスが割れたそう

です。大風呂敷で知られるリル・リチャード談ですから真偽の程は未確認ですが。

面白い歌があります。「わたしはゲーノー界から離れつつある」という、この

頃の彼の思いを素直に現した作品で、パート1 と2の構成です。今朝はこれを

逆の順番で、まず語り版から、そして謡い版の順番でお聞きください。

 

M08.I’m Quitting Show Business pt.2&1(5’37”)   

-R.Penniman-  Real Gone / Maps RGRNRCD001

 

N  「アイム・クイティング・ショウ・ビジネス」リル・リチャードでした。「俺はロケンローラーだった。

大いに稼ぎまくった。だけどもう芸能界を離れて、真っ当に生きたいんだ」

と切実に訴えるリチャード・ペニマン、健気ですね。ジェイムズ・ブラウンばりに語りが上

手、これならお説教も出来ます。1960年のアルバム『祈り続けて第2集』から

でした。

「芸能界を離れて」と言えば、この人もそんな事を一時よく言ってました。

 

M09.コミック雑誌なんかいらない(3’30”)内田裕也 & 1815ロックンロールバンド

-Pantax World-  ワーナー WQCQ-690

 

N  「コミック雑誌なんかいらない」、内田裕也 & 1815ロックンロールバンド、1973年発表

のLP『ロックンロール放送局』からでした。

今回の黒川弘務検事長の騒動は本当にこの歌の通り、笑ってしまいました。

あまりにも愚かだ。でも辞職する事で巨額の退職金を貰えるんですよ。その

額7,000万円。おかしくないですか。時節背景を考えれば「懲戒免職」が正

しいでしょう。こういうとこが同僚に甘いモロな公務員体質なんです。上に行

けば行くほどね。ヒラの新宿区職員なんか区長室に乗り込んで割腹自殺未遂し

ただけで即刻クビです。あ、これは当たり前か。

わたしは賭け麻雀が悪いとは決して考えません。博打は現金が掛かってる

からこそ面白くなる。各種公営ギャムブルも全てこの論理があってこそ存在出来

る。ただゴルフとか麻雀は有効な接待環境で、周りのみんなは負けてやってる

んですよ、ゴマ擦り対象をチヤホヤして自分たちに利益を誘導するためにね。常識

だ。それを緊急事態宣言下、更には自分の保身が原因で国会が紛糾してる時

に数回、新聞記者の自宅で朝まで、帰りは新聞社手配のハイヤーだって。本当に

笑わしてくれます。

これもし、競技参加者たちが黒川を意図してハメたんなら、偉いですね。し

かも文春に張り込みさせるなんて、完璧なシナリオだ。「事実とは異なる部分が

ある」だなんてよく言えるな。ノセられた方が決定的に悪いの。分からんか、

このトーダイホーカ卒めが。

今の「コミック雑誌なんかいらない」は、頭脳警察のパンタの書いた歌です。頭

脳警察は「世界革命戦争宣言」や「銃をとれ」で知られるように政治発言を

歌にして世に知られるようになったロックデューオです。始めは4人組。モップスが好

きで掘プロに入ったポップ少年パンタ中村治雄は、とても矛盾の多い人生を通っ

て来ています。ただこの時は革命思想に正直な心で夢中だった、純だった。

この歌もユーモアというよりも本心でしょう。それが50年経った今でも通用する

とはね。これもお笑いです。

ただ「音楽は言論たり得ない」これはわたしのケーベツする無責任男、青島幸

男の発言で、事実です。「歌は世につれるけど、世は歌につれない」のです。

こちらはランキン・タクシーのご名言。その通りですね。こういう時に何かといえば

例に引きずり出されるジョン・レノンは特別な政治思想を持っていた訳じゃないと

わたしは考えています。アメリカ合衆国当局から危険人物と見なされていてもね。

過去に政治問題を取り上げた音楽で成功した例も、それ程ないでしょう。

大型ブラス・ロック・バンドのシカゴは反体制思想で売り出しました。でもこれも

圧倒的存在のプロデューサーだったジェイムズ・ウイリアムズ・ガルシオによる、存在を特徴

づける演出だったんじゃないか、と考えます。でなければ、70年代中期以降

のナムパ路線テンコーが説明出来ない。実際にそれ程明確な思想を訴えていた訳で

もないですし。

彼らの最も象徴的な邦題が付けられた歌をどうぞ。1970年の発表です。

「一体現実を把握している者はいるだろうか」何でもない1曲です。

 

M10.Does Anybody Really Know What It Is(3’22”)Chicago

-R.Lamm-   Chicago CRD-30009

 

M11.Almoraima(Bulerias)(5’23”)Paco De Lucia

-unknown- Universal / Philips 06007 5379793

 

N  さて先週お休みしたパコ・デ・ルシアです。今朝は1976年のLP『アルモライマ』か

らです。きっとこの前の実況録音盤が好評で、名前が広く知れ渡ったのでし

ょう。この作品は響きがえらくポップです。ある人間が「これ、ジプシー・キング

ズか」と聞いたくらいですから。

まずは1曲目に収められた表題曲「アルモライマ」をお聞き頂きました。打楽器

やベイスを加えて、求道色を薄めた一般的な響きに仕上げられて、いや第三者

がそう造ろうとしていしました。しかしこれもパコのお思うままに進行してい

まして、終わりをフェイド・アウトで誤魔化していますね。きっと録音時には限り

なく演奏が続いたのでしょう。まだ演ってるかも。

それにしてもリズムの多様さ、旋律の豊富さには舌を巻きます。「これだ」と

閃いてそれを手に伝えて奏でるのではなく、弦を爪弾く指先に心と脳が付い

ているみたいです。

もう1曲、「リオ・アンコー」、これには鍵言葉「ルムバ」が添えられています。

 

M12.Rio Ancho(Rumba)(4’29)Paco De Lucia

-unknown- Universal / Philips 06007 5379793

 

M13.Mr.Johnson And Mr.Dunn(2’54”)Michel Bloomfield

-Michel Bloomfield-  Ace / Takoma CDTAK 7059

 

N  はい、「馬場こずえの深夜営業」を聞いていた人たちにお送りしました。

「ミスタ・ジョンスン・アンド・ミスタ・ダン」、マイケル・ブルームフィルドです。3月22にペタシ66

さんに頂いたお便りでは、番組の中でこの器楽曲が流れていたそうですね。

多分それはネットしている地方局のコマーシャル・スポット用のBGMでしょう。

人気番組は地方局でも欲しがります。ただ営業までは手が回りませんから、

ネットを受ける局で別々にコマーシャルを取る事になりますが、個々の事情でそれがい

つどこで入って来るかは分かりません。なので番組を送り出す方は、あらか

じめ定められた場所に番組内容とは切り離された空き時間を作っておいて、

各局で独自に獲得したコマーシャル・スポットをそこに入れて貰えるように造るのです。

ただし30秒以上も無音になっては放送事故ですから、そこにはフェイド・イン / ア

ウト可能な音楽を入れておくようにします。

マイケル・ブルームフィルドの「ミスタ・ジョンスン・アンド・ミスタ・ダン」はそこで使われてい

たのですね。なかなかのセンスじゃありませんか。それを知っていたペタシ66さ

んもツワモノです。これを収録しているアルバム『アナライン』の事は知りませんでした。

今、イギリスのエイス・レコードからCDになって出ているのを知り、注文したのはだ

いぶ前の事でしたが、コロナ禍の影響で通関に手間取り、届いたのは先週。よう

やく今朝、お届けすることが出来ました。

わたしのギター・ヒーローであるマイケル・ブルームフィルドは、華やかなニュー・ロックのスター

の座を離れても1981年に亡くなるまで、ずっと音楽を続けていました。その

ほとんどはクラブなどでの実演と独立レイベルへの吹き込みで、遠い日本に実態が

伝えられる事はありませんでした。わたし自身、『永遠のフィルモア・ウエスト』以降

はKGBくらいでしか知りません。時代が変わってCDでその頃の録音に接す

る事が出来るのを、大変嬉しく感じています。

では1979年の録音、LP『ビトゥウィーン・ザ・ハード・プレイス・アンド・ザ・グラウンド』

から、「みなし児ブルーズ」。

 

M14.Orphan’s Blues(5’10”)Michael Bloomfield

-R.Brown-  MPS / Takoma  CDTAK 7070

 

N  マイケル・ブルームフィルドが「俺は本当の名前も生まれた場所も分からない」と唄う

「オーファンズ・ブルーズ」でした。マイクは歌、唄う事が好きだったみたいですね。

あまり上手とは言えませんが、結構な味わいを醸し出しています。

次は先ほどのアルバム『アナライン』に戻って、その表題曲。これはシカーゴ時代の盟

友ニック・グラヴェニティーズの作品で、バタフィールド・バンドの仲間、マーク・ナフタリンや、サン

フランシスコで一緒にやっていたドラマーのボブ・ジョーンズも演奏で付き合っています。

ちょっとライ・クーダーを連想させる出来ですね。

「アナライン」。

 

M15.Analine(5’32”)Michel Bloomfield

-N.Gravenites-  Ace / Takoma CDTAK 7059

 

M16.Gospel Truth(4’40”)Michel Bloomfield

-N.Dayron-  Ace / Takoma CDTAK 7059

 

N  「アナライン」に続きまして、78年に『アナライン』の後で発表したアルバム『マイケル・ブ

ルームフィルド』からインストゥルメンタルで「ザ・ゴスペル・トウルース」をお聞き頂きました。

このようにマイクはわたしたちの前から消えても、ずっとブルーズを唄い続けて

いました。ニュー・ロックの貴公子アル・クーパーと一緒の登場が鮮やかだっただけに、

その後の印象は地味ですが、お聞きのようにブルーズへの愛情は少しも衰えて

いませんでした。ただし、これは時代感なのでしょうか、あの時の息も止ま

るような緊張感がなく、制作意図や採り上げている楽曲が、やや安易なよう

にも感じます。では今朝のマイケル・ブルームフィルド、1968年の出世作『スーパー・セッシ

ョン』からA面最後に収められたスロー・ブルーズ「リアリイ」をどうぞ。この弾き始め

は、夜遅く静かなところで一人になって、煙草に火をつけて一息吸い込んで

吐き出した時のように聞こえます。わたしにはずっとそうでした。今朝はど

うだろう。

 

M17.リアリー(5’26”)アル・クーパー、マイク・ブルームフィールド

-M.Bloomfield, A.Kooper-   ソニー  SICP 1962

 

M18.旅立て俊徳丸 ラヂオ用短尺模乃音(4’55”)初音家賢次

-trd.-  歌舞音曲KB-1001

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の最後は、12時間後に始まる「河内ONdoLINE盆踊り」の景気付け

に「旅立て俊徳丸」初音家賢次でお送りしました。このパンク的な響きがわた

しは非常に気に入っています。彼の人間性に負うところが大きいようですね。

さて今日行われるイヤコラセ東京主催、世界初の「河内ONdoLINE盆踊り」

は、https://sites.google.com/view/iyakorasetokyo/ こちらでご案内していま

す。まだ参加申し込みは間に合います。本番は17時30分に音頭開始ですよ。

河内音頭コロナウイルス撲滅隊は以下のメムバ、精鋭揃いです。音頭は三本

を予定しています。今、生の実演で河内音頭を聞けるのは、世界じゅうでこ

こだけです。ぜひご参加を願います。わたしも出て来ますね、きっと。

音頭、太鼓:永田充康(ながたみちやす)

音頭、三味線:司家貴嗣(つかさやたかぢ)

音頭、ギター:ファミリー博希(ふぁみりーひろき)

三味線:司家由美嗣(つかさやゆみじ)

ギター:桜井哲也(さくらいてつや)

太鼓:嶋﨑紗也佳(しまざきさやか)

囃子:ユイ、山口家フヂヲ(ゆい、やまぐちやふぢを)

 

協力:河内音頭 つかさ会

以上です。どうぞ社会的空間を保って、思う存分お楽しみ下さい。

 

さて「幻」、今朝の特別付録は以下の隠し場所です。

https://firestorage.jp/download/5fbcf371bc8ec974e02b69cc96ebdb2f00638408

ダウンロード・パスワードは、6wb9z8ibです。後テーマ曲が最後ブツリと切れます。

申し訳ありません。ディスク容量を読み違えました。フェイドアウト処理が間に合いま

せんでした。最後の最後なので、このままでお許し下さい。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

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【幻】モーニン・ブルーズ 2020/05/16

mb200516

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年5月16日

 を始めましょう。 5月12日の東京新聞1面コラムに、9日に亡くなったリル・

 リチャードが採り上げられていました。チャック・ベリーの時はどんなだったのかな、

 と思い出そうとしましたが、記憶がありません。チャックの時は社会面に大きな

 記事が出ました。リル・リチャードは通常の死亡記事で、そこまでは行かなかった

 んですけれど、このコラムにわたしは感謝しています。いたんだねえ、好きな人。

  今この国で彼の事が知られているのは、このカヴァ・ヒットのチカラが大きいと思

 います。

  ザ・ビートルズです、「のっぽのサリー」。

M01.ロング・トール・サリー(2’02”)ザ・ビートルズ  

-Johnson, Penninan, Blackwell-  東芝 TOCP-71041/53

N  ポールの絶叫、ジョンとジョージのワン・コーラスずつのギター・ソロ、終了部分で聞かせる

 リンゴのロール打ち、そしてジョージ・マーティンの三連ピアノ、2分そこそこの短い時間に、

 ロックンロールの全てが詰め込まれています。「のっぽのサリー」でした。

  小学校4年生の時に持っていたシングル盤です。裏が「アイ・コール・ヨ・ネイム」

 でね、ジャケットのモノクローム写真を覚えています。この歌の題名、今は「ロング・トール・

 サリー」になっているんですね。2009年に発売されたモノ・ボクス の表記はこうな

 っていました。でもわたしは、断然「のっぽのサリー」と呼びます。それじゃな

 きゃ岸部修三が「サリー」になれません。

  その後で買ったビートルズの譜面集にも「のっぽのサリー」は載ってました。作

 者に「Johnson」とあったのは、ずっと記憶から離れませんでした。シンコーの月

 刊音楽誌「ミュージック・ライフ」のAMラジオ・スポットがBGMにこの「のっぽのサリー」

 を使っていまして、新しい号の発売日前後には何度となく耳にしたものです。

  エルヴィス・プレズリも唄っているこの決定的なロックンロールで、人生が変わってしま

 った人は世界中にいくらでもいるでしょう。そのオオモトのリル・リチャードが2020年  

 5月9日に他界してしまいました。チャック・ベリーと同じで、わたしにとっては死

 なない人だったのに・・・、いやこの人は死んじゃいけない人でした。今も

 こうやって思い出を語っていると、何故か興奮してきます。

  「のっぽのサリー」は、わたしが17歳の頃に組んでいたグループの需要なリパトゥ

 でした。リード・ヴォーカルは、シャンという、高校を3日で辞めた同世代の男。英語

 なんて全くデタラメでしたから、唄い出しの「’Bout Uncle John」は、ずっと「暴

 論ジョン」と聞こえていました。これはこれで成立します。

  オリヂナルのロックン・ロール・レコードが殆ど市場になかったこの時代、次に出会った

 リル・リチャードの歌はこれでした。

  クリーデンス・クリアヲータ・リヴァイヴォーの「グッド・ゴーリー、ミス・モーリー」。

  ジョン・フォガティが狂っています。

M02.グッド・ゴリー、ミス・モーリー(2’43”)クリーデンス・クリアヲータ・リヴァイヴァル

-O.Blackwel, J.Marascalco-  ビクター VICP-63512 

N  「グッド・ゴーリー、ミス・モーリー」。クリーデンス・クリアヲータ・リヴァイヴォーの2枚目LP『バ

 ユー・カントリー』からです。この盤は、ジャケット表にオリヂナルでは裏にあったメムバの顔

 写真を持ってきて、本来のA面とB面のトラックをそっくり入れ替えるという日

 本独自の「編集」過程を経た形で東芝から発売されていました。ですから、1

 曲目は、今の「グッド・ゴーリー、ミス・モーリー」なんです。

  思い出すなあ、誰かから借りて、学校から帰って毎日聞いていたのを。夏

 の暑い頃でした。ももいろクローヴァZ並みに全力疾走のジョン・フォガティ、リル・リチャ

 ードばりに叫び続けています。一度どこかで一緒に演って欲しかったね。もち

 ろんこの歌で。後年、リル・リチャードは、「ジョン・フォガティの『トラヴェリン・バンド』は

 俺の作品を盗んで作った」とブチ上げてましたから、顔を合わせてすんなり行 

 ったかどうかは不明ですが。

  次は王様エルヴィス・プレズリ。彼は先ほどの「のっぽのサリー」、「レディ・テディ」な

 どをカヴァしてました。世代的にはエルヴィスの方が少し後になります。なんせカヴ

 ァですから、当然ですね。

  今朝はこれです、「リト・イト・アップ」。

M03.Rit It Up(1’52”)Elvis Presley 

-O.Blackwel, J.Marascalco-  RCA07863 66050-2

M04.ミス・アン(3’40”)ジョニー・ウインター    

-Johnson, Penninan-  Colubmia C2K 85735

N  エルヴィス・プレズリ「リト・イト・アップ」、そしてジョニー・ウインタで「ミス・アン」。彼は同

 じLP『セカンド・ウインタ』で他に「スリッピン・アンド・スライディン」を採り上げています。

 ジョニー・ウインタのロックンロール感覚には確かにリル・リチャードの影響が見て取れます。「狂

 気」で通じるところがあったように思えますが、真相は何処に。

  そして、サム・クックとリル・リチャードから影響を受けた、と語っていたこの人のこ

 の歌、デビュー・アルバム『ペイン・イン・マイ・ハート』から

  「ルシヤ」、オーティス・レディングです。

M05.Lucille(2’29”)Otis Redding

-A.Collins, R.Penniman-  Rhino / Atco  8122 79827 4

N  「ルシヤ」、オーティス・レディングでした。発声や節回しはリル・リチャードにクリソツですが、

 こちらには何か風格のようなものが感じられました。原仕様にはない落ち着 

 きもありました。この歌は「のっぽのサリー」よりもリル・リチャードの名前をこの国

 に拡げたのではないでしょうか。日劇ウエスターン・カーニヴァル時代には出演者が競っ

 て採り上げていたようです。一番売れたのは、平尾昌晃のかな。「ゼニゼニ」は

 鈴木やすしの十八番でした。

  オリヂナルのリル・リチャード版はもちろん御大の狂った唄いっぷりが一番の印象で

 すが、「ゴーヘー、ゴーヘー」と全速前進感満点のアール・パーマーのドラム・ビート、リー・

 アレンのサクスフォーン・ソロなど、聴き処は沢山あります。わたしはイントロのほんの一瞬

 だけ聞こえるピアノのグリッサンドにリル・リチャードの繊細さを感じています。ご静聴

 下さい。

  「ルシヤ」です。

M06.ルシール(2’28”)リトル・リチャード

-A.Collins, R.Penniman-  Pヴァイン PVCP-8109

M07.キープ・ア・ノッキン(2’15”)リトル・リチャード  

-Penniman, Williams, Mays-  Pヴァイン PVCP-8109

N  皆様のご静聴に感謝致します。リル・リチャードの「ルシヤ」でした。そして凶暴な

 爆発ぶりが凄まじい「キープ・ア・ノッキン」、こういうのは真似出来ませんね、誰

 にも。天下無敵のロックンローラー、リル・リチャードの真骨頂です。多分ポール・マカートニは、

 こういうところに今でも痺れているんじゃないでしょうか。ハンター・デイヴィスの

 「ビートルズ」には彼がテレビでリル・リチャードの実演を観て、何かを掴み「分かった

 ぞ」とバイクでジョンその「分かった」事を伝えに行く場面が書かれています。

 ポールは火急速やかにこの謎解きを伝えたかったんですが、ミミ叔母さんがジョン

 に会わせてくれなかったそうです。この時、「分かった」のは何だったんでし

 ょうか。

  リル・リチャードは、殆どのアップテムポー曲をこの調子で唄いました。1933年のミュー

 ジカル・ナムバもこんな風になります。

M08.ベイビー・フェイス(2’15”)リトル・リチャード

-Davis, Akst-  Pヴァイン PVCP-8109

N  ボビー・ダーリンも唄っている「ベイビー・フェイス」です。他の仕様で聞くと、可愛

 らしい旋律、ユーモア感じられるリズムなどが作用して、とても肯定的な楽曲に思

 えますが、このリル・リチャート版にはなんかそういう健全さを茶化しているような

 臭いが撒き散らされています。本人には何の悪意もなく、全力で取り組んで

 いるのでしょうが、絶対に他では得られない雰囲気です。この歌を彼に与え

 た企画発案者には、ノーベル賞ですね。

  ご存知のようにリル・リチャードは何回か引退と復活を繰り返していまして、そ

 の背景にはキリスト教があります。最初の引退は1957年の絶頂期でした。オーストラ

 リア公演に向かう途中の飛行機の発動機が火を吹いて墜落寸前となり、機上で

 必死に祈りを捧げて窮地を逃れた経験から、宣教師として出直す事を決意し

 たのです。その後も聖と俗の間を行ったり来たりしていました。確か「現」

 時代に「ロス・エインジェルズの街角で突然リル・リチャードに出会った。その時彼はキリスト

 教の勧誘員をしていた」というお便りを読ませてもらった事がありましたね。

 その時わたしは、ポールの「分かったぞ」と同じような気分になりました。

  60年代にも似たような言動を繰り返しながら、「バッド・ボーイ」や「スロウ・ダ

 ウン」、「デイジイ・ミス・リジイ」などでシビートルズ、特にジョン・レノンに気に入られてい

 たラリー・ウイリアムズの下で、録音制作を行います。この作品はあまりヒットしなかっ

 たものの、ロックンロールからR&Bへと時代の波を越えて行くリル・リチャードの姿を捉

 えていました。

  ではその時1967年の作品で、ダクタ・ロックの異名を取るロックンロール研究家、チャー

 ルズ・ホワイトが「然るべき宣伝活動が伴えば、今でもヒットする」と断言する、

  「ア・リトル・ビット・オヴ・サムシング(ビーツ・ア・ホール・ロッタ・ナシング)」をどうぞ。

M09.ア・リトル・ビット・オヴ・サムシング(3’07” )リトル・リチャード 

-L.Williams-  ソニー  MHCP298

N  この世で唯一の存在、リル・リチャードは、50年代のスペシャルティ期があまりに桁外

 れ的に素晴らしいので、どうしても後の時代はパッとしないように見えますが、

 彼自身の全力本気体制は、全く衰えていませんでした。その好例が、1994年

 に発表された『リズム、カントリー・アンド・ブルーズ』アルバムへの吹き込みです。

  ここで彼はエディ・コクランの「サムシン・エルス」をタニア・タカーと唄っていますが、若い

 頃の迫力はそのままで、後半はタニアが「もうやめてよ」と言い出すまでに、迫

 力満点で煽り続けるのです。これは側にいたら恐怖でしょう。ビディオで観る

 と、特に笑えます。

  ではその場面を想像しながら聞いて下さい。

  タニア・タカーとリル・リチャードです、「サムシン・エルス」。

M10.Something Else(2’51”)Little Richard & Tanya Tucker

-B.Cochran,S.Sheeley-   MCA  MCAD-10965   

N  リル・リチャード、タニア・タカーと「サムシン・エルス」でした。面白いでしょう。このアルバ

 ム中、このトラックだけがモノーラルでした。オシレイターの中でピンと斜めに伸びた一文字信

 号が綺麗だったのを覚えています。

  彼は絶頂期もその後も結局来日せずにあの世へ旅立ってしまいました。機

 会があったら至近距離で確かめたかったですね、あの狂乱ぶりを。

  今の「サムシン・エルス」の2年前、1992年にはなんとフュージョンの世界で大成した

 ギタリスト、高中正義と1枚のアルバムを作っています。ジャケット中面にはリル・リチャード

 自身によるエクゼクティヴ・プロデューサーの石坂敬一を始めとする日本人関係者への

 謝辞が綴られていますが、よくある「昔の名前で演ってます」盤で、御大も

 不完全燃焼。そもそもが安易な企画ですし、何より高中がリル・リチャードを何に

 も尊敬していないのがあからさまに伝わってくるので、可哀想です。その中

 から、なんとか他の伴奏者に支えられて聞ける1曲、

  「カンザス・シティ〜ヘイ、ヘイ、ヘイ」のメドリーをどうぞ。

M11.カンザス・シティ~ヘイ、ヘイ、ヘイ(3’50”)リトル・リチャード

-J.Leiber, M.Stolle, R.Penniman-  東芝 / East world  TOCT6619

M12.センド・ミー・サム・ラヴィン(2’21”)リトル・リチャード

-J.Marascalco, L .Price-  Pヴァイン PVCP-8109

N  「センド・ミー・サム・ラーヴィン」でした。1956年の録音ですね。

  ここまでリル・リチャードの事を夢中になって話してきましてけれど、ふと振り

 返れば、もうこの世にあの人はいないわけです。最初にお話したように、わ

 たしにとってリル・リチャードは死んではいけない存在でした。それを思えば気分

 は時折寂しくなりますが、これだけ素晴らしい吹き込みが手元にあるのです

 から、いつだって会える、唄を聞かせて貰えます。わたしはこれからも彼の

 全力投球に付き合って生きて行けます。合掌。

M13.Back In The U.S.A.(2’29”)Chuck Berry

-C.Berry-  MCA / Chess   CHD#-80,001

M14.Back In The U.S.S.R.(2’44”)The Beatles

-J.Lennon, P.McCartney- 東芝 TOCP-71041/53

N  リル・リチャードと同じくわたしの大切なあの世の人、チャック・ベリーで「バック・イン・

 ザU.S.A.」そしてザ・ビートルズ、の「バック・イン・ザU.S.S.R」でした。この流

 れはリル・リチャードの訃報を聞く前に考えていて、今朝はこうやって始まる予定

 でしたが、先にリル・リチャード関連をお送りしました。

  「バック・イン・ザU.S.S.R」はポール・マカートニひとりの多重演奏です。そしても

 ちろん「バック・イン・ザU.S.A.」のパロディ作品です。この中の「ジョージア・イズ・

 オールウェイズ・オン・マイ・マインド」の行りはホーギー・カーマイケル作で、レイ・チャールズで有名

 な「ジョージア・オン・マイ・マインド」の本歌取りですが、U.S.S.R、ソビエト連邦下で

 は「グルジア」と呼ばれていた属国でした。ソ連崩壊後独立しましたが、一昨年

 だったかな、国名の呼び方を「ジョージア」に改めました。使われている言語は

 グルジア語と言いますが、米英風に「ジョージア」にしちゃっていいのかな、とそ

 の時に感じましたね。旧ソビエト連邦への嫌悪は想像がつきますがね。

  それはともかく、そこでコジ付けようとしたのが、この歌です。

M15.Rainy Night In Georgia(5’13”)Sam Moore & Conway Twitty

-T.J.White-  MCA  MCAD-10965

N  トニー・ジョー・ホワイトの名作「雨のグルジア〜レイニー・ナイト・イン・ジョージア」です。名

 盤『リズム、カントリー・アンド・ブルーズ』からですが、このアルバムは先ほどリル・リチャード

 に関連して使ったばかりですね。これだけ聞いても、いかに素晴らしいアルバム

 であるか、お分かりいただけるでしょう。

  さて、今の「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」を唄っていたのは、サム・ムーアとコンウェ

 イ・トゥウィティというR&Bとカントリーのヴェテラン同志。サム・ムーアの方はわたしもサム・アン

 ド・デイヴ時代から知っていましたが、コンウェイ・トゥウィティはわたしにとっては名

 前をかろうじて知っていた程度の唄い手です。この「レイニー・ナイト・イン・ジョージ

 ア」が素晴らしいので、何度も聞くうちに当事者にも興味が募っておりました

が、オリヂナルのアルバムに手を出すには至りませんでした。それが、先々週のデイヴィド・ブロムバーグの新譜に入っていた「ジョージ、マール・アンド・コンウェイ」という歌で好奇心が拡大し、もう少し知ってみようか、となった次第です。

M16.Make Me Know Yore’ Mine(2’21”)Conway Twitty

-A.Schroeder, D.Hill-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145    

M17.It’s Only Make Believe(2’09”)Conway Twitty   

-C.Twitty, J.Nance- MPC / Reel To Reel  RTRCD145

N  コンウェイ・トゥウィティで「メイク・ミー・ノウ・ヨーマイン」、そして「イッツ・オンリー・メイク・ビリーヴ」

 でした。後の方が1958年に全米1位を記録。「思わせぶり」という邦題があ

 りますから日本国内でも発売されたのかもしれません。先に聞いていただい

 たのには、その次の大当たりを狙った2番煎じ感がしましたが、どちらも大

 変上手く唄われています。

  本当は適当なベスト盤を探していたのですが、どれも収録曲数に不満があり

 まして、結局初期の6枚のLPとそれ以外のシングル曲をまとめたCD4枚組を

 手に入れました。全93曲ですからかなりの量です。年代は1957年から62

 年まで。古き良き時代スレスレ、まだロックの世界価値革命前の音楽です。今朝は

 その始めのCD2枚から聴いて行きます。お付き合い下さい。

  最初のLPの2曲めに「ハレルヤ、アイ・ラーヴ・ハー・ソウ」があったので、きっと 

 コンウェイはレイ・チャールズを好きなんだろう、と閃きました。そうしたら案の定、こ

 んなカヴァも入っていました。

  ハンク・ウイリアムズ作で、レイも吹き込んでいる、これです。

  「ユー・ウイン・アゲイン」。1959年の作品です。

M18.You Win Again(2’19”)Conway Twitty    

-H.Williams-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145

N  いい味ですね。先ほど「大変上手く」と表現しましたが、実際とても上手。

 この時代のポピュラー歌手に必須だった基本的歌唱力を身につけています。音声

 のコントロールが上手い、と言ったらいいかな。全体の表現がちゃんと考えられて

 いますね。

  古き良き時代の唄い手ですから、いわゆるスタンダード曲もたくさん唄ってい

 ます。例えばこんな具合に。

M19.Danny Boy(2’44”)Conway Twitty     

-trd. F.Weatherly-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145

N  「超」の字がつくスタンダード・ナムバ「ダニー・ボーイ」でした。編曲がちょっと

 新しく、リズム重視なところが面白かった筈です。コンウェイ・トゥウィティはこんな様に

 なかなかに前向きな録音制作を続けていたようです。わたしがざっと聞いた

 感じでは、「古き良き時代の最後に現れた上手な唄い手」という事になりかけ

 ましたが、そのうちにある革命的スーパー・スターの影がちらつき始めます。

M20.Heart Break Hotel(2’13”)Conway Twitty      

-Axton, Durder, Presley-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145

M21.Blue Moon(2’19”)Conway Twitty    

-Hart, Rodgers-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145

N   コンウェイ・トゥウィティで、「ハート・ブレイク・ホテル」「ブルー・ムーン」をお聞きいただきまし

 た。そうです、革命的スーパー・スターとはエルヴィス・プレズリです。この2曲ともエルヴ

 ィスが得意としていたナムバですね。これを初めて聞いた時は、特にあの決定的

 な「ハート・ブレイク・ホテル」には、この歌を数年遅れて同年代がカヴァしてどうなる

 んだろう、という疑問が湧いて来ました。当時周囲の認識としては「ハート・ブ

 レイク・ホテル」イクォール「エルヴィス・プレズリ」ですからね。

  1994年制作の『リズム、カントリー・アンド・ブルーズ』に収められていた「レイニー・

 ナイト・イン・ジョージア」で正式に出逢った身には理解し難いのですが、そもそも

 コンウェイ・トゥウィティはロカビリー歌手として売り出されています。それが革命的スーパー・

 スター、エルヴィス・プレズリの登場で自身にはない性格を持たされる事になった、こ

 のコンウェイ・トゥウィティ初期のアルバムを聞いていて、彼の運命がわたしにも分かって

 来ました。

  当時、若くてロカビリー的な歌を唄う人間は何人もいたでしょう。それが成長

 してカントリーの大御所になる、そんな図式は既に出来上がっていた筈です。しか

 しエルヴィス・プレズリは「若くてロカビリー的な歌を唄う」だけの人間ではなかった、

 もっと世の中を動かす力、人間性を持っていた。コンウェイ・トゥウィティは次世代を担

 う唄い手として、その種のカリズマ的性格を持たされたのではないでしょうか。

  今お聞き頂いた2曲は、新鮮味やアレンヂの面白さを除けば、ひょっとしたら

 コンウェイ・トゥウィティの方が上手く仕上げているかもしれない。そんな気もします。

 ただエルヴィスが全米を震撼させた、あの恐ろしさは感じられません。誰でもが

 安心して聞く事の出来るポピュラー音楽です。「若くてロカビリー的な歌を唄う人間」

 は、何より安全な存在でなくては、将来もなかったのです。そこで コンウェイ・

 トゥウィティは合格でした。しかしポピュラー歌手としては時流に合わせて、エルヴィス的

 な音楽も採り上げなくてはならなかったのではないでしょうか。彼はデビュー

 直後からとても唄の上手な人です。それはこの2曲のカヴァで充分に分かりま

 した。だからこそ最盛期を過ぎても「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」を、あんな

 に素晴らしく唄えたのです。

  次の1曲ももエルヴィスの持ち歌ですが、これに限っては、過度なカリズマ性のな

 い分、コンウェイ・トゥウィティの方が上手く仕上がって知るようにも聞こえます。

   リーバー・ストーラー作の「トリート・ミー・ナイス」。

M22.Treat Me Nice(2’07”)Conway Twitty   

-J.Leiber, M.Stoller-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145

M23.Jailhouse Rock(2’15”) Conway Twitty   

-J.Leiber, M.Stoller-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145  

N  「トリート・ミー・ナイス」、そして「監獄ロック」、いずれもコンウェイ・トゥウィティのカヴァでお

 聞きいただきました。「ハート・ブレイク・ホテル」と並ぶ決定的なエルヴィスのロックンロール、

 唄が上手なら、こんな普通の演奏でも成立するんですね。ブチ込まれた罪状も

 凶悪犯ではなくて軽犯罪でしょうか。でもエルヴィス版のあの衝撃を味わってし

 まうと、どうしても物足りなさが残ります。これは仕方のない事でしょう。  

  時代のヒットを唄わなければならない諚めで、コンウェイ・トゥウィティはこんな歌も吹

 き込んでました。

  なんと「ダイアナ」です。

M24.Diana(2’30”)Conway Twitty    

-P.Anka-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145

N   ここでもコンウェイ・トゥウィティの高所からの解釈と控えめな表現が冴えています。

 わたしポール・アンカよりもはこっちの方が好みですね。最後まで聞いていられる。

  如何でしょうか、古き良き時代最後の唄い手、コンウェイ・トゥウィティ。ここまでで 

 わたしはエルヴィスの煽りを食らって変わってしまった生命に興味が湧いて来ま

 した。ここから「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」までの道程も、もう少し知りた

 い。この後もお付き合い下さい。

  さてもう1曲お聞きいただきましょう、これです。

M25.Hey Miss Ruby(2’21”)Conway Twitty

-unknown-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145

N  コンウェイ・トゥウィティで「ヘイ、ミス・ルビー」でした。これとそっくりな、ヒット曲があり

 ます。もうお分かりでしょう、ザ・ドリフターズの

  「ルービー・ベイビー」です。

M26.Ruby Baby(2’22”)The Drifters     

-J.Leiber, M.Stoller- Warner / Atlantic 8122-73249-2     

N  若い人たちはダナウ・フェイゲンがカヴァしていた事でご存知でしょう。リーバー・スト

 ーラーの傑作のひとつ、「ルービー・ベイビー」でした。廉価盤ゆえ、コンウェイ・トゥウィティ

 の盤には作者記載がありませんが、多分リーバー・ストーラーではないでしょう。き

 っと1959年当時、あちこちで唄われていた俗謡歌のひとつなんでしょう。わ

 たしとしましても、これは大いに産駒になりました。

  さてリーバー・ストーラーの傑作を唄ってヒットを飛ばし続けたのは、何と言っても

 ザ・コースターズです。先週ちょっとご紹介した「ブリティッシュ・ヒット・パレイド  ザ・

 Bサイド」にも「チャーリー・ブラウン」の片面として入ってました。

  「スリー・クール・キャッツ」。

M27.Three Cool Cats(2’07”)The Coasters

-J.Leiber, M.Stoller-  Acrobat ACQCD7068 

M28,悲しき願い(4’45”)ジョー・コッカー

-B.benjamin, G.Galwdwell, S.Marcus-  テイチク25CP-34

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  リル・リチャードの死という突発時があった為、ここのところ続けて聞いて来てい

 ましたパコ・デ・ルシアは、今朝なしです。ご了承下さい。

  最後は「悲しき願い」、ジョー・コカーでした。これ原題は「Don’t Let Me Be

 Missunderstood」、見捨てられた恋人の悲痛な願いが唄い上げられています。 

 「あなたを信じてこの恋を終えたい。だから、どうか誤解させないでくれ」

 です。美しい。分かるなあ、この想い。

  PCR検査を受けられる基準として設定されていた「体温37.5度が4日以上」

 がなんと「国民の誤解」だなんてヌカした加藤勝信よ、死んでしまえ。ここ2

 ヶ月間、毎日20回以上はこの「37.5度が4日以上」という基準はあらゆる方

 面で叫ばれていました。命に関わる事項です。「国民の誤解」だったら即刻

 訂正させるのが道でしょう。ふざけるな。加藤六月の婿養子勝信は、ここの

 ところどんどん厚かましくなっているのが、あのふてぶてしい表情で分かり

 ますね。

  加えて、政府の役人たちの国会での答弁がみんなソーリダイジンやカンボーチョーカンと

 同じになって来ているのを強く感じます。つまりテキトーにアシラットケと国民を明ら

 かに馬鹿にしている。こんなわたしでさえ、生まれた事実に誇りを持って生

 きたいのです。あらゆる暴挙を繰り拡げている現政権、これ以上許せますか。

 相撲取りが亡くなった過程でのタライ回し、門前払いも、医療現場が悪いんじゃ

 なくて、元を正せば政府の方針の間違いが原因なんです。

  でもソーリダイジンやカンボーチョーカンを選んだのはわたしたちなのです。この事実も

 お忘れなく。

  こんな世相をぶっ飛ばす企画のお知らせです。来たる5月23日、来週の土

 曜日に、わたしが議長を務めております首都圏河内音頭推進協議会 イヤコラセ東

 京の主催で、「河内ONdoLINE盆踊り」を開催いたします。コロナ禍の影響で、

 本場河内でも盆踊りの日程が立てられない状況です。「今年は無理かも」こ

 んな悲しい噂も囁やかれている程です。もうわたしたちとは縁が切れた錦糸

 町の河内音頭大盆踊りも下請け業者には「不開催」の通告が流れているよう

 です。

  みなさんご存知のように、盆踊り会場は危険な「三密」を凝縮した場所で

 す。だからこそあの雰囲気が生まれます。加えて「密談」「密告」そして「密

 通」もしばし起こります。救いは「密閉」空間でない事でしょうか。

  ですからこの時世にとんでもない事なんですが、これがないと1年が通せ

 ない人たちが関東にも大勢います。そんな音頭狂のボヤキから生まれたこの「河

 内ONdoLINE盆踊り」は、全世界で同じ時にみんなで勝手に踊ろう、という

 呼びかけです。インタネットを使った試みが盛んに行われていますが、これは何よ

 りも「みんなが同じ時に」というライヴ感を大切にします。「俺たち元気だぜ」

 と実感を分かち合おうではアーリマセンカ。

  音楽は本場河内から、もちろん生の実演をお届けします。次の世代を担う

 油の乗り始めた現役音頭取り、地方(ぢかた)を超会派で揃えました。523

 日、土曜日の午後5時半からです。皆さん、それぞれお好きなところで、社

 会的間隔を保ちながら参加して下さい。ズームの会議システムを使います。PCでも

 スマフォでも接続可能。音と画の品質は「それなりに」ですが、とにかく今、生

 の河内音頭実演です。貴重ですよ。詳細は主催団体「首都圏河内音頭推進協

 議会 イヤコラセ東京」ウェブサイトをご覧下さい。

  アドレスは、https://sites.google.com/view/iyakorasetokyo/  です。

  さて、「幻」モーニン・ブルーズ、今朝の特別付録、こちらは以下の隠し場所で

 す。どうぞお楽しみ下さい。

https://firestorage.jp/download/a4fd95bd27b3b6f1bbff4cbb660dc17bfb8ee48a

  ダウンロード・パスワードは、vt8b9z24です。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。オンドー。

♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

【幻】モーニン・ブルーズ 2020/05/09

mb200509

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年5月9日

 を始めましょう。

  恐れていた5月7日が過ぎました。わたしはこの日非常事態宣言発令前に

 約束した届け物を渡しに近所のロックバーを覗きました。たぶん大騒ぎだろうと

 想像していましたが、31日まで休業延長で、意中の人間にも会えませんでし

 た。賢明ですね。先は見えないけれども、もう少しだけ続けよう、これです。

  さて、先週のウイリー・ディクスン紹介、「後半のブルーズ曲がそこが『幻』らしい」

 なんて言われて気をよくしました。調子に乗って、その延長で行きましょう。

 実はこの歌、先週の「放送」で溢れてしまった1曲なんです。本当はこれで

 終わる筈でした。ですから今朝はその続きで始めます。

  アルバム『ザ・ソングズ・オヴ・ウイリー・ディクスン』から

  「アイ・ジャスト・ヲナ・メイク・ラーヴ・トゥ・ユー」、

  ヴォーカルは、クラーレンス・ゲイトマウス・ブラウンです。 

M01.I Just Want To Make Love To You(2’56”)

Willie Dixon feat. Clarence “Gatemouth” Brown

-W.Dixon-   Telarc  CD-83452  

N  クラーレンス・ゲイトマウス・ブラウンで「アイ・ジャスト・ヲナ・メイク・ラーヴ・トゥ・ユー」でした。

 サクスフォーンは、エディ・ショウ。このアルバム『ザ・ソングズ・オヴ・ウイリー・ディクスン』は、

 彼の死から7年ほどたって制作 / 発表された1枚で、特定の名義が付いてい

 ません。ダグ・ワイノリズという堅実な演奏をする白人ブルーズ・ギター弾きを中心

 とするセッションで、収録されている14曲にはそれぞれ多彩なゲストを迎えて作ら 

 れています。ルーサー・アリスンやサニー・ランドレスも参加しています。

  そのアルバム最終曲が、今の「アイ・ジャスト・ヲナ・メイク・ラーヴ・トゥ・ユー」でした。

 ザ・ローリング・ストーンズがデビュー・アルバムでカヴァして有名になったブルーズですね。

 何よりも題名が全てを語ってしまっていまして、衝動的な性的欲求を表現す 

 るには、これ以上の文言はないでしょう。内気なわたしとしましては、とて

 も日本語では言う事が出来ません。博多のザ・ルースターズにも、明らかにこの歌

 から閃きを貰った1曲がありまして、ヴォーカルの大江慎也ははっきりと叫んで 

 ましたけどね。

  先週お話ししたように、ディクスンの綴る言葉は、呪術モージョの魔力を背景とし

 たカリズマ支配が基本概念です。それに白人やわたしのような捻くれた黄色人種

 は大いに刺激され、想像力を拡げたわけなんですけれど、アップライト・ベイスとヴ

 ォーカルで通した現役時代はもっと洒落た小粋な音を響かせていました。1992年

 に亡くなる前、彼がしたためた自伝の題名は、確か「アイ・ラーヴ・マイ・ライフ・アイ・

 リヴ」ではなかったかな。「俺は自分の生きて来た人生が好きなんだ」です。 

 素敵でしょう。これは彼が以前に発表していた歌の題名をひねった物でもあ

 ります。それは、「アイ・リヴ・マイ・ライフ・アイ・ラーヴ」といいまして、各コーラス

 が「I Live The Life I Love, I Love The Life I Live」という惹句で落とされて

 います。こういうところにディクスンの同時代的なジャイヴ的要素、言葉の遊び感

 覚を強く感じます。強面で通るウイリー・ディクスンの可愛らしい側面です。興味が

 湧いたらぜひもっと聞いてみて下さい。面白いですよ。 

   さて、ずっと前にアナログ盤で持っていたアルバムを CDで買い直すというのは

 年季の入った音楽ファンとしては少々恥ずかしい事なんでしょうけれども、今回

 は密かにやってしまいました。それはフォー・トプスの『スティル・ヲーターズ・ラン・ディ

 ープ』という1970年の作品です。

  まず、冒頭から聞いて頂きましょう。

M02.Still Waters Run Deep(Love)(3’02”)Four Tops

-S.Robinson, F.Wilson-  Universal / Motown 88502

M03.Reflection(3’25”)Four Tops

-Holland, Dozier, Holland- Universal / Motown 88502

N  クロス・ミクスではありません。オリヂナルがこういう風につながっています。フォー・

 トプスのアルバム『スティル・ヲーターズ・ラン・ディープ』から最初の2曲、「スティル・ヲーター(ラ

 ーヴ)」、そしてダイアナ・ロスとスプリムズでも知られた「リフレクションズ」でした。

  1970年と言いますと、日本は「世界の国からこんにちは」の大阪万博の年

 です。わたし自身を振り返りますと、ブルーズ音楽に出会って、周りの価値観

 全てがゆっくりと変わり始めた頃ですね。このアルバムはその頃全く知らなかっ

 た。

  フォー・トプスの所属していたモータウン・レコーズはまだ発祥地のデトロイトに本拠を構

 えていましたが、ロス・エインジェルズ移転を画策し始めていた頃でもあります。ベ

 トナム戦争のどうしようもない泥沼化という大きな時代の流れ、そして自由な若

 者文化の興隆で、R&Bにも転換期が訪れていました。同じレイベルの対極で番

 を張るヴォーカル・グループ、テムプテイションズは、リード・シンガーの交代や、サイケデリック・

 ファンク路線での成功で既に新境地を進んでいました。そうした突出した派手な

 個性を持たないオーソドクスなフォー・トプスも新しい路線を切り開かなくては・・・、

 という周囲の要請に対する答えが『スティル・ヲーターズ・ラン・ディープ』だったので

 す。

  今の2曲で、それまでのシングル寄せ集めではなく、ひとつのコンセプトが通った

 アルバムだという事がお分かりの筈です。ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・

 ハーツ・クラブ・バンド』以降、ポップ音楽のLPにはこの種の「明確な企画意図」

 が求められるようになっていました。abc移籍の後もフォー・トプスはこうした

 企画制作を続けますが、最高傑作はやはりこの『スティル・ヲーターズ・ラン・ディープ』

 でしょう。思わせぶりなのも時代を感じさせます。

  西海岸ロス・エインジェルズへの移転を考えながらも、まだモータータウンで事業を続け

 るモータウン、演奏陣は1959年の創立以来のアール・ヴァン・ダイク率いるファンク・ブラザ

 ーズ、ベイスには、L.A.には行かなかったジェイムズ・ジェイマスンが健在です。

  ではフォー・トプスの傑作、『スティル・ヲーターズ・ラン・ディープ』を50年経った今、 

 もう一度聞いて行きましょう。次は今の2曲の後に来る3曲目、

  伊達男トミー・エドワーズがこれ以前に唄っていた、「恋のゲイム」。

M04.It’s All In The Game(2’44”)Four Tops

-C.Dawes,C.Sigman- Universal / Motown 88502

N  「イッツ・オール・イン・ザ・ゲイム」、フォー・トプスでした。彼ら最大の魅力はリードを

 取るリーヴァイ・スタブスの泣き節にありますが、ここではリーヴァイ以外の声もはっき

 りと聞こえます。歌の中に深い陰影が彫られていて、ワン・ヴォーカル・グループと

 しての存在を際立てています。彼以外もその他大勢ではなく、アナザ・スリー・ト

 プスなのです。ヴォーカル4人の絡みはこのアルバムが他の作品よりも緊密でしょう。

  さてこの「恋のゲイム」の次が映画「真夜中のカウボーイ」で使われたニールスンの

 「噂の男」です。この辺りからも社会性を意識した「企画意図」が伝わって

 来ますね。LP時代の作品ですから、B面はスモーキー・ロビンスンの書いたこの歌で

 始まりました。

  「ラーヴ・イズ・ザ・メセヂ」。

M05.Love Is The Answer(2’26”)Four Tops 

-S.Robinson, K.Wakefield, F.Wilson-  Universal / Motown 88502

N   「ラーヴ・イズ・ザ・メセヂ」、フォー・トプスでした。これも他の唄い手のヴァージ

 ョンがヒットしませんでしたかね。ちょっと調べたら、「愛こそ証」のイングランド・ 

 ダンとジョン・フォードばっかりに当たるので、挫折しました。詳細不明です。わ

 たしはこのフォー・トプスの仕様で満足ですが。

  今回手に入れたCDは、ユニヴァーサルが以前発売していた「収集家向け再発売」

 の1枚らしく、オリヂナル通りの二つ折りダブル・ジャケット、特製イナー・スリーヴ付き

 でした。以前わたしが持っていたLPは廉価版のシングル仕立てでしたから、こ

 こで初めて元の姿に出会えた事になります。録音詳細もこの頃のモータウンにして

 はかなり詳しく、参加者はほぼ全て記載されています。4人の他にバッキング・

 ヴォーカルにジ・アンダンツ(The andantes)という3人組を配しているのが目を惹き 

 ました。

  わたしがヴォーカル・グループの魅力を最初に強く感じたのが、何を隠そうこの

 フォー・トプスなのです。だいぶ遅い73年頃の「ニュー・ソウル」のブームに便乗して出

 されたベスト盤を年下の友達から借り、録音したカセット・テイプを毎晩聞いていま

 した。覚えています。TDKの60分用でした。その最後が、1曲目の「スティル・

 ヲーター(ラーヴ)」でして、これを聞きながら酔っ払って眠るというのが日課でした

 ね。それだけに御茶ノ水のレコード店でLPを見つけた時はとても感動しまして、

 何度も聞いていた筈なんですが、今回聞いて改めて分かった事ばかり。それ

 を皆さんにお伝えしたかったものですから、このような形に致しました。

  ではフォー・トプスの傑作、『スティル・ヲーターズ・ラン・ディープ』最後の2曲です。

  これも繋がった仕様になっていました。

  この後のモータウンを考えると象徴的な歌ですね、「L.A.(マイ・タウン)」。

  そして表題曲を別仕様でもう一度、「スティル・ヲーター(ピース)」。

M06.L.A.(My Town)(3’09”) Four Tops

-S.Mathews- Universal / Motown 88502  

M07.Still Waters Run Deep(Peace)(2’42”) Four Tops

-S.Robinson, F.Wilson-  Universal / Motown 8850  

N  フォー・トプス1970年発表の傑作アルバム『スティル・ヲーターズ・ラン・ディープ』から、

  「スティル・ヲーター(ラーヴ)」

  「リフレクションズ」

  「イッツ・オール・イン・ザ・ゲイム」

  「ラーヴ・イズ・ザ・メセヂ」

  「L.A.(マイ・タウン)」

  そして「スティル・ヲーター(ピース)」以上6曲お届けしました。普通このようなコンセ

 プト作品と言いますと、妙に複雑な造りだったり、無用な長時間演奏だったり

 と、意味のない重厚長大方向へ進むのですが、この『スティル・ヲーターズ・ラン・ディ

 ープ』は、そこまでの編曲傾向とそれ程変わらない雰囲気ですし、長くても3

 分台です。全てが書き下ろしではないのに強い統一感が全体を締めています。

 「この1枚」に打ち込んだ本人たち、そして制作陣の意欲も充分に伝わって

 来ます。ポップ・ヒットには事欠かないフォー・トプスですから、実演でのリパトゥワには

 あまりこの作品からの歌が採り上げられていないようです。2月頃お届けした

 ラスヴェガスでの実況録音でも同じでした。それでもこの『スティル・ヲーターズ・ラン・

 ディープ』は、彼らの最高傑作と言って間違いのないアルバムです。あまり人に知

 られてないのもいいな。以上、フォー・トプスでした。

M08.Comme Les Fleurs (3’41”)ジル・バーバー

-J.Barber –   BSMF 509   

N  さてフランス語です。ジル・バーバーという、普段はジャズを唄っているらしいカナダ

 の女性歌手の「コム・ル・フラワー」、今月発売の新譜『アントレ・ヌー』からです。この

 ジル・バーバーという人とわたしは初めての出会いです。2013年にカヴァ・アルバム

 で『シャンソンズ』というのを出しているそうなので、全編フランス語はそれに次ぐ

 第2弾という事になります。大英帝国のひとつとなっていたカナダは国内でケベ

 ック州がフランスの植民地だった関係を強く残していて、この地域は今でも公用語

 がフランス語です。イギリス派との武力闘争も起こっていまして、東京にも以前はカナ

 ダ大使館とは別にケベック領事館が置かれていました。今はどうなのかな。

  日本に紹介されるカナダ文化は殆どがアメリカ、英国風のものですが、このよう

 な流れを理解すれば、カナダ人とフランス語は遠い存在でもないのがお分かりでし

 ょう。今の「コム・ル・フラワー」にも、不自然さは感じられませんでしたね。では

 もう1曲フランスを強く感じさせる歌をお聞き下さい。

  ワルツです。「レフレッツ」。

M09.Reflets(3’24”)ジル・バーバー

-J.Barber –   BSMF 5095     

N  ジャズというよりも、日本ではフレンチ・ポップと呼んだ方が通りの良さそうな

 ジル・バーバーの「レフレッツ」でした。こちらも言葉の響きを生かした上品な編曲

 が施されています。こういうのを聞く迄もなく、歌曲に言葉は非常に重要な

 要素なのだ、と思い知らされます。

  ここまでは今回の作品にジル・バーバー自身が用意したオリヂナル楽曲ですが、次

 は既によく知られている歌です。しかも原曲は英語詞でした。それを仏語訳

 して唄っているのでしょう。

  レナード・コーエン作の「スザンヌ」です。

M10.Suzanne(3’36”)ジル・バーバー

-L.Cohen-   BSMF 5095   

N  最後まで丁寧に唄われたジル・バーバーの「スザンヌ」でした。わたしはこの歌を

 ニーナ・シモンで知ったので、今の仕様は別の歌に聞こえてします。これは解釈の

 違いでしょうか。ジル・バーバーを紹介する時に「ジャズ& フォーク歌手」という言

 葉が使われる事があります。この国ではこのふたつの音楽にはかなりの隔た

 りがありますけれど、アクースティクの世界で唄を突き詰めてゆくと、誰でもジャズ

 という概念にぶち当たる筈です。それは上品なクラブで「ミスティ」を唄うという

 世界とは全く別の次元です。まず正確なリズム感、音程感、発声、表情付け、

 即興的な反応、対応などは、ジャズという音楽での感覚、技術と大いに重なっ

 て来ます。水割りを飲む客を前にサクスフォン・クヲーテットの伴奏で唄うという状況で

 はない世界です。

  かつてニーナ・シモンは「自分はフォーク・シンガーだと思う」と語っていました。これ

 は土着的、民族的で社会意識のある素材を採り上げる自身の姿勢を強く意識

 しての発言でしょう。また白人向け有産階級酒場の背景音楽に堕ちて行った

 ジャズ、特に女性ヴォーカルへの嫌悪もあって「フォーク歌手」と定義づけたと想像出

 来ます。ただ、先ほどのような音楽を詰めてゆく唄の技法などを考えると、

 どんな歌い手、演奏家もジャズという言葉でしか現在言い表せない領域へ入っ

 ていかざるを得ないのでしょう。少し話が難しくなって来ました。音楽に戻

 ります。

  低音の魅力、ニーナ・シモンで「スザンヌ」。

M11.スザンヌ(4’16”)ニーナ・シモン

-L.Cohen- BMG BVCJ-37235

M12.No More Songs(4’46”)Bethany & Rufus

-P.Ochs-  Hyena HYN 9353   

N  ニーナ・シモンの「スザンヌ」に続きましては5弦チェロと女性ヴォーカルという風変わりで

 すがとても快いアンサムボーを聞かせてくれるベサニーとルーファスで「ノー・モー・ソングズ」

 でした。このデューオの音楽は冬の寒い夜にひっそり聞くととても良いのですけ

 れど、今シーズンはその機会を逸してしまいました。五月ならまだ良いでしょう

 か。明け方はかなり寒くなりますからね。

  さて、続けて聞いているパコ・デ・ルシアです。今朝は先週お届けした1974年

 マドリードのテアレス・レアルで行われた演奏会のアンコールです。霊感豊かな演奏への賛辞、 

 歓声と割れんばかりの拍手に再び舞台に呼び戻されたパコ・デ・ルシア、伴奏者

 にローマン・デ・アルジェシラスを連れて来ました。中央の椅子に座って調弦も済んで、

 演奏開始です。

  「ルムバズ」。

M13.Rumba(8’55”)Paco De Lucia  

-P.D.Lucia-  Philips 06007 5379793

N  素晴らしい演奏でしたが、先週も文句をつけたように編集が酷い。以上なほ

 ど早く拍手をぶつけています。張り詰めた心持ちがずっと続いただけに、一

 瞬の余韻に浸りたいのに、ぶち壊しです。この後に「完全盤」とか言って自

 然な拍手の編集を施した仕様が出ていないものでしょうか。「ルムバズ」という

 題名ですが、俗にフラメンコ旋律と呼ばれる、AmからG、Fと下がる、日本人も

 大好きなコード進行が用いられていました。「傘がない」ですよ。陽水の。グラン

 ド・ファンク・レイルロードの「ハートブレイカー」とも同じですね。

  「ハートブレイカー」と言えば、G.F.R.のこの歌が圧倒的に支持されていた1970

 年夏、わたしは英語の授業中にこの単語を英和辞典で引きまして、「胸が張り

 裂けるよ うな思いをさせる物[人]、無情な美人」という和訳に妙に納得して

 いました。今もその研究社新英和中辞典(携帯版)を使っていまして、692頁に

 掲載されている「heart-break-er」には下線が引かれたままになっています。

 お粗末。

  なお、フランス語、スペイン語はローマ字読みのカタカナ書きですので悪しからず。

M14.マンドラゴラ(4’52”)クラップ!クラップ!

-unknown-  Pヴァイン  PCD-24947    

N  はい、クラップ!クラップ!の「マンドラゴラ」でした。機械の音楽ですが、音色に輝

 きがありますね。いい加減なフェイド・アウト処理ではなくて、ちゃんと終わりが

 あるのも意外でした。微妙なイフェクト制御も印象的です。結構マヂに作られてい

 るんですね。世相の反映か、ここのところ静聴するような音楽が多くなって

 いましたので、少し雰囲気を変えるつもりでお送りしました。

  今の「マンドラゴラ」に対抗できるビートは・・・、これだ。

  やのとあがつまで「斎太郎節」。

M15.斎太郎節(4’35”)やのとあがつま

-trd.-  ビクター  VICL-65280  

N  「斎太郎節」、矢野顕子と上妻宏光です。仙波清彦の太鼓が良いですね。正

 確でかつ控えめ、しかもビート感に溢れています。二部構成的な成り立ちで、

 後半のピアノと三味線の絡み、ふたりのヴォーカルの綾が素晴らしい。この最新アルバ

 ム『アステロイド・アンド・バタフライ』の中で、最も興奮するトラックではないでしょうか。

  これは伊豆熱海あたりのテレビ・コマーシャルでも使われていたのと同じ楽曲です

 ね。どこの温泉旅館だったかなあ。野坂昭如は「伊東に行くならハトヤ」です。

  さて前回それぞれの新譜から1曲ずつ聞いて貰っただけになっていた、若

 きカントリー音楽家の音楽をお届けしましょう。共に力作、というか良い加減に作

 ってはいませんね。通して聞いたら手応え充分でした。

  ではブレイク・シェルトン、『フーリー・ローデッド、ガッズ・カントリー』から

  「テキーラ・シエーラ」。

  そしてフロリダ・ジョージア・ラインは『キャーント・セイ、アイ・エイント・カントリー』から

  「スモール・タウン」。

M16.Tequila Sheila(4’34”)Brake Shelton

-M.Davis, S.Silvestein-  Waner Nashville 093624896593

M17.Small Town(3’17”) Florida Georgia Line

-T.Hurbard, B.Kelley, M.Hardy, J.Schmidt-   BMLG 008439300

N 「テキーラ・シエーラ」ブレイク・シェルトン、「スモール・タウン」フロリダ・ジョージア・ライン、共に新譜

 からです。最新の若手カントリー音楽をお届けしました。

  さてこの間、実に興味深いコムピレイションCDを手に入れました。それは『1959

 ブリティッシュ・ヒット・パレイド ザ・Bサイド』という4枚組です。もうお分かりでし

 ょうが、1959年にイギリスで発売されたシングル盤のB面を集めた物でして、

 「へえ、これがB面扱いだったのか」と驚くような名曲がたくさんあるんで

 す。何せ4枚組ですからね。あなたもきっとクリビツテンギャウです。

  今朝はその中からいくつかお届けしましょう。

  まず、世界中のヒット曲の大元、リチー・バレンズの「ラ・バムバ」、これは「ドン

 ナ」の裏面で売り出されました。担当ディレクタはクビですね。圧倒的にこちらだ

 もの。リチー・バレンズの「ラ・バムバ」、どうぞ。

M18.La Bamba(2’05”)Ritchie Valens

-R.Valens-  Acrobat ACQCD7068

N   次はバディ・ホリーの「ウェル・オールライト」。クリームを解体させたエリック・クラプトンとジンジ

 ャ・ベイカーが組んだスーパー・グループの祖、ブラインド・フェイスがカヴァしていたので、

 よく知られているでしょう。ただ原曲を聞いた事がある人は、非常に少ない 

 筈です。何せ「B面」です。わたしもここで初めて出会いました。彼の「ハ

 ートビート」のB面でした。本人の生ギターにその場で合わせたようなシムバルの飾り

 付けだけの伴奏で唄われる、楽曲デモ録音のような形ですから、これを印象的

 なリフで飾ったブラインド・フェイスの仕様は、かなりいいセン行ってましたね。「バディ・

 ホリーは古すぎるよ」なんて事も言われてましたけれども・・・。

M19.Well…All Right(2’12”)Buddy Holly

-B.Holly, J.Allison, N.Petty, Maudlian-  Acrobat ACQCD7068

N  そしてリル・リチャード。イギリスでも人気者でした。この歌は12小節の普通のブル

 ーズ進行で、御大もあまり爆発していません。恐怖のシングル曲「ベイビ・フェイス」

 の次のシングル「バイ・ザ・ライト・オヴ・シルヴァ・ムーン」のB面でした。

  もう5時前、辺りは少しは明る苦なって来てますね、

  「アーリイ・ワン・モーニング、アサー」です。

M20.Early One Morning(2’11”)Little Richard

-R.Penniman-  Acrobat ACQCD7068

M22.Talk To Me(3’26”)Doug Sahm       

-Seneca-  ポニーキャニオン PCCY-00093

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  今朝の最後はダグ・サームの『ジューク・ボックス・ミュージック』から、「もっと話して

 よ、教えてよ」でした。「あんたのお名前なんてえの」と同じく、堪らなくい

 い歌ですね。いつ聞いてもジーンと来ます。

  前枠でもお話ししましたが、7日にどうなってしまうか、わたしは怖かった

 んです。でも見た限りではそんなに浮わついていなかった。賢いぞ。いいぞ。

 みんな自分たちで抑えるしかないって、分かって来たんだ。わたしたちは、 

 世の中が普通の状態に戻れば、必ずやって行ける。ここまでがそうだった。

 ただ政権は、収まる気配の根拠も何もないのに自粛緩和や経済再始動を画策

 し始めた。「密接な」関係に気配りをしようとしているのは全く愚の骨頂です。

   木曜日の夕方の突発的会見は面白かったですね。これはあからさまな「政

 府の方が上」という絶対的現状を認識させる儀式でした。あんなムキになって

 ね、みっともないったらありゃしない。権限が問題じゃないんだ、分からな

 いか、西村康稔。制度、規則が優先するんだったらここまでの国会運営は何

 だ。コロナ対策ではシドロモドロのクセに、今回の会見ではえらく自信にあふれていま

 した。エライんだね、アンタは。

  吉村洋文大阪府知事は「そのうち何とかなる」という政府のいい加減な態

 度に、我慢が限度を超えたんだよ。「このままじゃ府民を救えない」と思い立

 ったんだ。白鴎大学の岡田晴恵教授も言ったように、側近の作った原稿をカンニ

 ングして読むんじゃなく「自分で理解して、自分の言葉で話」す吉村知事に西

 村は脅威を感じたんだよ。自分たちはこの国家の最上級の身分であって万能、

 本気でそう思い込んじゃってるし、庶民が賢くなるのを一番に嫌ってるんだ

 よ、奴らは。他に「地方の首長が政府を舐めてる」と永田町の無能代議士た

 ちが 騒ぎ出したんじゃないかな。国会議員ってのは、党派を問わず、庶民

 が想像も付かない程に思い上がってるからね。それはここのところ不祥事を

 起こしている人間たちの日頃の言動でお分かりでしょ、皆さんも。でもそう

 いう人間が票を稼ぐんだよ。投票する人がいるんです。とにかく国会議員は

 メンツを潰されると、瞬間湯沸かし器的に逆上する。「頭下げないと、大阪には

 もう金なんか回さないぞ」位のこと言ったんじゃないか、本当は。「わだかま

 りはない」と頭を下げちゃダメだよ。謝る必要ない。

  アベはまだ今も 5ヶ月間の長きに亘って医療崩壊だなんて言い続けてるし、

 何の具体策も持ち込まないから、今だにひとつも改善されていない。世界中

 から笑われてる。なのに思いつきで学校を閉鎖したり、こんな時に9月新学

 期制を導入しようとしたり、「あんた、家で犬でも相手におとなしくして引退

 後の人生を考えてろ」と言えない周りも全く情けない。国を民をどこへ導こ

 うとしているんだ。それでケンポーカイセーか。

  それにしてもテレビ朝日は、コロナの女王こと岡田晴恵教授に、もう少しマトモな

 スタイリストを付けてあげて頂きたい。わたしの強い要望です。

  さあ今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

https://firestorage.jp/download/ef7337796a2903597270db7a3f4b09e95f282f64

  ダウンロード・パスワードは、cps57rp2です。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、五月のアサー。

♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

【幻】モーニン・ブルーズ 2020/05/02

mb2000502

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年2月29日

 を始めましょう。2002年5月の第一土曜日です。来週、第二日曜日は「母の

 日」。知人から「なるほどな」と共感できるリクエストが来ていました。が、それ

 に逆らって、こちらで始めます。

 ザ・テムプターズで「おかあさん」。

M01.おかあさん(3’00”)ザ・テンプターズ

-H.Matsuoka, Y.Matsuzaki-   テイチク TECH 32412/3

N  ザ・テムプターズで「おかあさん」でした。これを聞いた時にワツシ少年は、「ああ、

 グループサウンズも終わったな」と実感しましたね。大宮の不良少年たちザ・テムプ

 ターズには「忘れ得ぬ君」で世に出た時から大いに期待しておりまして、新し

 い世界を切り開いてくれる筈だったんですよ。ヨッチン、松崎由治は才能あった

 し、所属事務所スパイダクションの田辺昭知が買ってあげたんでしょうが、本物の

 良い楽器使ってました。それが「エメラルドの伝説」以降は、ショーケンの異常人気に

 依存したフツーのGSになってしまった。久しぶりにヨッチンが作ったのがこの「オカ

 ーサン」。芸能雑誌で歌詞を公募したのが元になったんじゃないでしょうか。

  ゲンメツでした。ビートグループにこの主題は反則だよ。これまでアレルギー的に遠ざ

 けていたので、通して聞いた記憶もありません。ひょっとして今朝が初めて

 かも。感想としてはそれほど酷い物ではなかったですね。でも「オー、ママ、ママ」

 の繰り返しが非常に安易に聞こえます。もう一度言いましょう、ビートグループ

 にこの主題は反則だよ。

  次もリクエスト外からお届します。

  森進一で「おふくろさん」。

M02.おふくろさん(3’40”)森進一

-K.Kawauti, K.Inomata-   ビクター VICL-60604

N  「サビになると、目は涙でいっぱい。あれほど聴衆を感動させる歌謡は滅

 多にない。見ていて私もジーンとなった」と作曲者の猪俣公章も絶賛する「お

 ふくろさん」、森進一でした。

  今の談話は、塩澤実信という人の著した「昭和の作詞家 20人 100曲」(論

 創社 2020年)からの引用です。同じ本によると、森進一自身は母親への感謝

 の念が人一倍あって、それがこのような表現になったという事ですが、わた

 しにはちょっと過剰な感情表現に聞こえますね。

  詞(ことば)は川内康範です。この歌の導入部分に創作した言葉と旋律をつけ

 て実演で披露していたのを知って、月光仮面のおじさんが激怒、森進一が謝

 りに青森の自宅まで出向いた、なんて出来事もありましたね。これは森進一

 の失態です。しかもその謝罪行にテレビ取材を同行させたり、手土産をありき

 たりの菓子折で済まそうとした、なんてのはみっともない。そもそもこの時

 の月光仮面のおじさんの怒りは、以前に何らかの伏線があったのではないで

 しょうか。森進一の不義理とかの・・・。

  ただ「新しい部分と繋げて改作するのは罷りならん」とする川内康範の主

 張は間違っている、というのがわたしの考えです。こんな事を言われたらカヴ

 ァなんか出来なくなる。独特な解釈が原作品を更に強固にして行くのです。誰

 だって当該作品を嫌いで採り上げる筈がない。然るべき尊厳の元に、「自分だ

 ったらこうしたい」、と独自の表現を盛り込むのです。これは後から演る者の

 特権でもあります。ベートヴェンは寺内タケシを聞いて「謝りに来い」と菓子折を要

 求したでしょうか。あ、生きていないか。

  人に弄られたくなかったら、大切にしまっておいて、発表しなければ良い

 のです。しかもこの場合は、別に盗作やパクリではなく、本作品は著作権協会

 に権利を委託していますから、使われれば月光仮面にもお金が入るのです。

 あ、とにかく「おふくろさん」、森進一でした。

  「おふくろさん」ねえ。わたしも母親には感謝の思いがずっとあります。

 しかし、いま振り返るとそれだけではない。もう少し複雑です。付き合いも

 長かったですから、そんなに簡単なものではありません。どなたも同じでは

 ないでしょうか。6月第三日曜日の「父の日」はオマケみたいなもんですから、

 シャレでやり過ごせますが、この母の日というのは一般的な認識も高いですし、

 実に面倒なのですよ。確か中学校2年生の英語の教科書には、ちょうどこの

 頃に「マザーズ・デイ」なんて章がありました。九月開始の新学年新学期になる

 と、どうなるのかな。この九月新学年制度は、そう簡単に導入出来る事じゃ 

 ないでしょう。一斉休校指示に次いで、どうも教育現場を混乱させるのが好 

 きみたいだな、あのソーリダイジンは。

  さて、先週お届けした、ジ・イントゥルーダーズのベスト盤『カウボーイズ・トゥ・ガールズ』

 には母の日に相応しいこんな歌が入っていました。

M03.Mother And Children Reunion(4’05”)The Intruders

-P.Simon-  P.I.R. / Legacy / Epic ZK 66688

N  ジ・イントゥルーダーズ「母と子の絆」、1973 年の発表です。ポール・サイモンが自身2

 枚目のソロ・アルバム 、1年前に発表したのがオリヂナルでした。こちらはレゲのリズム

 が心地良い仕上がりで大ヒットしました。ジャメカのダイナミック・ステューディオで録音され

 ていますから現地の演奏家を使っているんでしょう。

  アメリカ南部のマスルショールズ周辺の音楽事情を綴った記録映画「黄金のメロディ」で

 は、ステイプル・シンガーズの「アイル・テイク・ユー・ゼア」につながるヒット曲からの発想で、

 その頃スタクス・レコードを取り仕切っていたアル・ベルにポール・サイモンが直接電話をか

 けてきて、「あの録音に参加した演奏家を使いたいけど、紹介してくれ」と頼

 みます。アル・ベルは快く了承します。そして一言「構わんが、奴らは白人だぞ」

 と念を押します。サイモンはそれを聞いて絶句するんですね。この映画でわたし

 が一番面白く観た場面です。これはこの2枚目のソロ・アルバム制作開始時のやり

 取りではなかったでしょうか。一転してキングストン録音になったのは何故か分か

 りませんが、このジ・イントゥルーダーズのカヴァで、黒人たちによる仕様も出来上が

 りました。

  ケニー・ギャムブルとリオン・ハフのフィラデルフィア・インタナショナル・レコーズに代表されるフィリー・

 ソウルは70年代の思想を牽引しました。その核は「家族の絆」でした。そもそ

 もがMFSBは「マザーズ、ファーザーズ、シスターズ、ブラザーズ」の頭文字です。マーヴ

 ィン・ゲイが「ワッツ・ゴーイン・オン」で漠然と提示した、反戦、平等、公正さなどを

 「家族」という単位で要約したのです。「セイヴ・ザ・チルドレン〜次の世代の子供

 達に」という言葉も大いにハバを効かせました。マーティン・ルーサー・キングが暗殺さ

 れてひとつの時代を終えた公民権運動の後、ソウル・ミュージックには社会性が要求

 され、自分たちが暮らしている場所を清潔にしよう、それにはまず魂を浄化

 しようという「クリーナップ・ゲトー」運動もこの後の1977年に興りました。その

 資金は、フィラデルフィア・インタナショナル・レコーズで充分に稼いでいたギャムブル / ハフから供

 出されたのです。それはとにかく70年代のフィリー・ソウルはこの種の「家族愛」

 で彩られていました。

  ジ・イントゥルーダーズはその象徴とも言えるこんな歌も唄っています。

 「アイル・オールウェイズ・ラヴ・マイ・ママ」。

M04.I’ll Always Love My Mama(6’30”)The Intruders

– K.Gamble, L.Huff, McFadden & Whitehead- P.I.R. / Legacy / Epic ZK 66688

N 「アイル・オールウェイズ・ラヴ・マイ・ママ」、ジ・イントゥルーダーズ、1973年の作品です。

 今のは長尺版で6分半もあります。後半のメムバによるやり取りが全部入って

 います。ちょっと蛇足の感もありますが、当時のディスコ・プレイで要求され始め

 た長時間演奏に対応したのでしょう。

  さてイントゥルーダーズのベスト盤『カウボーイズ・トゥ・ガールズ』を聞いていたら、とて

 も懐かしい1曲に出会えました。それは「アヲナ・ノウ・ヨ・ネイム」というナムパ歌謡

 です。これは80年代にとても長い名前を持ったR&Bヴォーカル・グループがカヴァ

 してましてね。遅れて来たソウル・ファンのわたしはそちらを気に入っていたので

 すが、年期入りのマニアが「その原曲は、イントゥルーダーズだよ」と教えてくれたの

 です。

  毎度ながら到りませんで、今その長い名前を持ったR&Bヴォーカル・グループ

 を思い出せません。リーダーの名前があって、「アンド」でグループ名が付いてた筈

 です。12インチのシングルも持っていたんだけどなあ・・・。

  今朝は先輩に教えて貰ったイントゥルーダーズの原仕様でどうぞ。

  「アヲナ・ノウ・ヨ・ネイム」、これも1973年のシングルでした。

M05.I Wanna Know Your Name(5’50”)The Intruders

-K.Gamble, L.Huff-    P.I.R. / Legacy / Epic ZK 66688

M06.What Your Name(2’17”)Don & Juan

-Johnson-  Collectable COL-5519

N  ジ・イントゥルーダーズ「あんたのお名前おせーてよ」、続けてドンとホアンで「あんた

 のお名前なんだっけ」でした。と言いましても「アベック歌合戦」や、左とん平

 ではありません。このドンとホアンが「幻」に登場したのは今年に入ってからで

 したか。それまではダグ・サームで聞いて貰っていました。この歌を彼がLP『ジ

 ュークボクス・ミュージック』に入れたかった訳が分かります。やはりオリヂナルが素晴ら

 しい。この黒人男声デューオには、この「ワッチョー・ネイム」以外にあまり傑出したヒッ

 トはありませんで、いわゆる「一発屋」でした。よくある事ですが、デビュー・

 ヒットを飾った後の第2弾が、この「ワッチョー・ネイム」にクリソツなんですね。特に終了

 部のひと声は全く同じ、ここには笑ってしまいます。

 最後まで注意して聞いて下さい。

 「トゥー・フールズ・アー・ウイ」。

M07.Two Fools Are We(2’46”)Don & Juan

-Johnson-  Collectable COL-5519

N  「シュビドバッパドゥー」、同じでしたね。

M08.Color Of The Blues(2’54”)George Jones

-G.Jones-  Blue 178

N    別れてからは、俺の唄う歌に必ずブルーノートが入って来る、ああ憂鬱だ・・・

 20世紀の最大の発明とわたしが主張するのは、西洋長音階の3度と7度が

 半音下がるブルーノートです。まあひとりの個人が見つけ出したものではありませ

 んが、このブルーノートのおかげで世界中の音楽は表現力を向上させました。決し

 て哀愁を誘うだけではなく、時として他に較べようのない力強さも奏でてく

 れますが、今の「カラー・オヴ・ザ・ブルーズ」ではどうやら悲しい響きを運ぶ音

 のようですね。今では珍しい典型的なカントリー・スタイルで、変人ジョージ・ジョーンズ

 の「カラー・オヴ・ザ・ブルーズ」でした。1961年の作品です。

M09.Marle’s Boogie Woogie(3’02”)Marle Travis

-M.Travis-  グッドデイズ GSRS 2113

N  今度は「マールズ・ブーギー・ウーギー」もちろんマール・トラヴィスです。彼はカントリー・ギ

 ターのギャロッピング奏法を編み出した功績で高く評価されていますが、ここでは

 更にテープの倍速回転を使って、驚異的なフレイジングを聞かせています。レス・ポー

 ルも同じような事をやってましたが、ジェフ・ベックはそれを実演で生演奏で、つ

 まり倍速で弾いて再現してくれます。上手く行った時には実に嬉しそうな、

 得意そうな顔がオマケに付いて来ます。これを見られるのも格別ですね。

  次はコンウェイ・トゥウィティ、彼は傑作アルバム『リズム、カントリー、アンド・ブルーズ』でサム・

 ムーアと一緒に「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」を唄っていて、わたしはそこで知っ

 たのですが、彼の地では50年代からたくさんのヒットを持つ大物でした。エルヴィ

 ス・プレズリの前のロカビリー・スターだったようです。今わたしの手元にある昔のコンウ

 ェイ・トゥウィティはこれだけです。

  「トリート・ミー・ミーン、トリート・ミー・クルーエル」。

M10.Treat Me Mean, Treat Me Cruel(1’35”)Conway Twitty

-C.Twitty-  Metro Tins / Union Square METROTN080

N 1分35秒という短さのシングル曲「トリート・ミー・ミーン、トリート・ミー・クルーエル」、コンウェ

 イ・トゥウィティでした。「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」とはだいぶ趣が異なります。

 多分若い頃のヒット曲はこう行ったロカビリー調のものが多いのではないか、そんな

 邪推をしております。

 さて、ジョージ・ジョーンズ、マール・トラヴィス、コンウェイ・トゥウィティと、わたしにとって

 は馴染みの薄い3人の歌をお聞き頂きました。勘の良い人ならば、もうお分

 かりでしょう。先週お届けしたデイヴィド・ブロムバーグの「ジョージ、マール・アンド・

 コンウェイ」という歌に登場するカントリー音楽家たちです。まだ詳しい資料がないの

 で、歌の内容はほんの少ししか分かりません。しかも自分なりに調べて行く

 うちに、「マール」」は、「トラヴィス」では無くて「ハガード」ではないか、という説

 も台頭して来ています。

  ではマール・ハガードも聞いておかなきゃね。

 やはりこれですね、「オーキー・フロム・ムスコーギー」、実況録音です。

M11.Okie From Nuskogee(2’36”)Marle Haggard with The Strangers

-Haggerd, Burris-  Music Digital CD6054

N  「俺たちゃマリワナなんて吸引しない」と唄い出す「オーキー・フロム・ムスコーギー」、

 マール・ハガード1969年の大ヒットです。ギャロッピング奏法が出て来ちゃうとマールとは

 自ずから「トラヴィス」になりますが、果たしてどうでしょう、お楽しみにもう

 しばらくお待ち下さい。

  ではデイヴィド・ブロムバーグの「ジョージ、マール・アンド・コンウェイ」を今朝もう一度

 聞きましょう。

M12.George, Merle & Conway(4’49”)デイヴィド・ブロムバーグ

-unknown-  BSMF 6290

M13.Guajiras(4’56”)Paco De Lucia

-P.D.Lucia-  Philips 06007 5379793

N  「ジョージ、マール・アンド・コンウェイ」に続けて、ここのところマーキュリーでのアルバムを

 続けて聴き込んでいるパコ・デ・ルシア、今朝は実況録音盤です。これは1974年

 マドリードのテアレス・レアルで行われた演奏会の模様が収められています。今のは最

 終曲の「グアジラス」、サイド・ギターが伴奏をつけていました。素晴らしい集中力

 が伝わって来ます。多分ね、どこでどう行くか、こう変わるか、なんてのは 

 打ち合わせではいないでしょう。フラメンコの神様がこの二人の肩に降りています。 

 もう次に起こる事が見えているのです。怖ろしい。これが霊感というもので

 しょう。

  ただしレコードとしての仕上がりにはちょっと問題を感じました。最終曲です

 から拍手喝采を浴びてこの後にアンコールとなるのですが、お聞きのようにガヤの

 中で調弦が始まるような編集がされています。神様を前にして、精神統一に

 入る演奏家にそんな失礼が許される訳がありません。聴衆の殆どはフラメンコを理

 解しているスペイン国民ですし。同じような箇所は他にも見られ、演奏後の拍手

 が急すぎたりと、仕上がりに文句をつけたくなります。ロックじゃないんだよ。

 来週は同じ盤から、そのアンコールをお聞き頂きます。

M14.ユー・シュック・ミー(6’22”)レッド・ツエッペリン

-W.Dixon-  ワーナー・パイオニア 32XD-520

N  はい、ハードロック・ファンの皆様、お届けしましたレド・ゼペリンです。デビュー・アル

 バムから3曲めの「ユー・シュック・ミー」、わたしがこのグループで許せる唯一のトラック

 でもあります。

  わたしはこれでウイリー・ディクスンの名前を知りました。15歳の時です。他にも

 イギリスのハードロック・グループがカヴァしているブルーズ曲で、「いいな」と感じるのは

 大抵の作者名記載欄に、マキンリ・モーガンフィールドか「W.Dixon」がありました。

  その彼の1974年にシカ–ゴのラジオ局用の実況録音が発見され、日本でも今月

 発売になります。これが凄い出来。どちらかと言えば裏方、陰の顔役だった

 ディクスンが前面に出てヴォーカルを取ります。マディ・ヲーターズとハウリン・ヲーフの両巨頭に

 楽曲を書き下ろしていたディクスンですから、リパトゥワに困るなんて事はありませ

 ん。既によく知られたシカゴ・ブルーズの代表曲がズラリと並びます。

  まずはお聞き下さい。

  「フーチー・クーチー・マン」、

  そして「リル・レド・ルースター」。

M15.Hoochie Coochie Man(4’39”)ウイリー・ディクソン

-W.Dixon-  BSMF 7606

M16.Little Red Rooster(5’00”)ウイリー・ディクソン

-W.Dixon-  BSMF 7606

N  「フーチー・クーチー・マン」「リル・レド・ルースター」1974年のシカーゴWXRTラジオ局用の

 実況演奏、パースネルは、ウイリー・ディクスンがリード・ヴォーカルで、その他は、キャリー・ベル

 のハーモニカ、ラファイエット・リークがピアノ、 バスター・ベントンがギター、 ジェイムズ・クリフトゥンの

 ドラムズでした。ディクスンとツインのように合わせるヴォーカルは誰だろう、キャリー・ベル

 かなあ。でもハープの音がしてる時にも入ってるし、ラファイエットかも。こんな迫力

 で続く『ライヴ・イン・シカーコ1974』、充実した内容です。

  ウイリー・ディクスンの専門楽器はベイス、それもエレキではなくてアップライトの方です。

 フリートウド・マクの『ブルーズ・ジャム・アット・チェス』のジャケットにベイスを弾いている姿が

 あって、「ああ、ベイスを演るのか」と知りました。確かチャック・ベリーの「メイベリー

 ン」のベイスは、ディクスンがその場で合わせて弾いている筈です。

  ただそれ以上にシカーゴのブルーズ界では親分的な存在で、この町では彼を通さ

 ないとどんなセッションも行えなかったそうです。チェス・レコーズの作家としても大御

 所ですからねえ。

  ただし、自分がバリバリの現役だった頃は、自作品ほどブラック・マジック・ブルーズ

 的ではなく、どちらかと言えば洒落た音楽を演奏していました。ナッキン・コール・

 トリオ的な高度な演奏力とアンサムブルに支えられた小粋な響きを目指していたみた

 いです。

  ではジャイヴ・ウイリー・ディクスンを聞いてみましょう。

 彼がリーダーのビグ・スリー・トリオです。1947年録音の

  「ビグ・スリー・ブーギー」、

  そしてピアニストのメムフィス・スリムに付き合ってパリで演奏した時の録音で、

  「ロック・アンド・ローリング・ザ・ハウス」、1962年、ドラムズはフィリップ・コムベルです。

M17.Big 3 Boogie(2’30”)Big 3 Trio

-unknown-   Columbia  CK  46216

M18.Rock And Rolling The House(4’01”)Memphis Slim feat. Willie Dixon

-W.Dixon-   Polydor / Privilege    276 673-6

N  1947年、そして1962年、現役のアップライト・ベイス奏者、ウイリー・ディクスンの参加

 した演奏で「ビグ・スリー・ブーギー」、「ロック・アンド・ローリング・ザ・ハウス」でした。

 どうですか、小味の効いたお洒落な演奏でしょう。意外です。彼の代表作は

 どれにもブードゥーやモージョといった黒人たちの頼る縁起の悪い超現実支配力が

 背景に横たわっていて、それはブルーズ音楽の重要な骨格であると同時に、そ    

 れらを唄うマディ・ヲーターズやハウリン・ヲーフたちの取り替えられない人格の一部でも 

 ありました。先の「フーチー・クーチー・マン」はその象徴ですね。そういう怖ろしさ 

 がほとんどなく、「可愛らしい」と表現しても良い位の演奏家ウイリー・ディクスン、

 現役時代の録音でした。

  とは言いましても、やはりブラック・マヂック、カリズマ的なブルーズ概念とディクスンは

 切っても切れない深い関係にあります。最後に代表作を聞きましょう。

  レド・ゼペリンに「胸いっぱいの愛を」という題名の作品の原曲として盗まれ

 てディクスン本人も「深く傷ついた」という、

  マディ・ヲーターズの「ユー・ニード・ラーヴ」、

  そしてクリームの喧嘩演奏の素材として知られるようになった、

  「スプーンフル」、ハウリン・ヲーフです。

M19.You Need Love(2’40”)Muddy Wataers

-W.Dixon-     MCA / Chess MCD 16500

M20.Spoonfull(2’46”)Howlin’ Wolf

-W.Dixon-     MCA / Chess MCD 16500

TM Born In Chicago 「アサー入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  ウイリー・ディクスンの存在はやはり圧倒的ですね。マディとヲーフ二枚の大看板に楽曲

 を提供していた彼は、相方から「あいつにばっかいい歌をあげてる」と常に

 嫉妬を浴びていたそうです。これ、わたしの好きな話です。

  さて緊急事態宣言が延長されました。あ、まだ正式には発表されていない

 のかな。センモンイインカイの意見を尊重しているようですから。ここまで「セーフとし

 て判断しました」とか言って、勝手な事を続けて来ておきながら、こういう

 時には責任転嫁ですか。

  今回もアベシンゾーの不手際ですね。5月6日一杯で解除して「わたしの功績で

 す。正しかった、間違っていなかった、わたしの功績です」と言いたかった

 だけなんですよ、ソーリダイジンは。オリムピックの時と同じシソーですね。他にダイアモンド・

 プ リンセス事件からも何も学んでいない。ガクシューノーリョク皆無じゃないの。選んで

 しまったわたしたちの責任はともかく、この人間をこのままに放置していて

 いいのかねえ。

  ただこのまま行ったら5月7日の晩は国中「乾杯」とパチンコの嵐で、暴動が

 起こっても不思議ではない、と見ていましたから、正直なところわたしはホッ

 としています。そもそも5月6日には何の根拠もないからね。この問題がそ

 んなに簡単じゃないのは誰にも分かる筈です。

  ところであの小型アベノマスク、カメラがないところでは着けてないらしいですね。

 無能官僚たちも同じらしい。これも馬鹿にした話だ。そもそもソーリは滑舌が最

 悪なのに会見時にあんなフィルターされたら、殆ど何言ってんだか全く分かりませ

 ん。まあ、聞くに値もしませんが。大阪府知事は会見時に外して喋ります。

 距離も空間も大きく取ってあるからこちらの方が正しい姿です。

  興味深いのは都道府県の長(オサ)たちが、中央政府に対して、異議を唱え始め

 た事です。ジミントーに泣きついて次の都知事選での支援を取り付け、事前運動

 まがいのテレビ会見を続けているトチヂは別ですがね。やたらと自分しか知らな

 いつもりの安易なカタカナを使いたがるのも困ったモンですね。世界であんなデカイツ

 ラしてる人間はいないでしょうが、「自称小顔」だそうです。

  政府と地方自治体の関係は、江戸時代の幕府と藩にも似ています。ここま

 では忖度でどれだけ助成してもらえるか、というのが地方自治の歴史でした。

 大体が税収の殆どを政府が握ってんだから、気に触るような事は出来ない。   

 参勤交代と同じような締め付けに耐えて来たのです。でも今回は「要望」と

 いう言葉で、不平不満をはっきりと口にする首長が何人かいて、頼もしく見

 ています。「絶対安全地帯」からでは、事態の切迫度合いは何も分からないの

 ですよ。

  さて、今はラジオが一番です。今朝の特別付録は、以下の隠し場所、どうぞ

 存分にお楽しみ下さい。

https://firestorage.jp/download/ec43f8a6fa70826e5c521cae1411440db824cc53

  ダウンロード・パスワードは、h1y75eieです。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

 そして全国で9500万人のあなたにも、オー、ママママ・・・ではなくて、アサー。

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