カテゴリー : Mornin’ Blues by IsaoWashizu

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/08/19

mb170819

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

おそらく何処でもやらない愚連キャムベル追悼を試みましたが、間違えて「カント

リー・ボーイ」を「ラインストーン・カウボーイ」と紹介していました。申し訳ない。全く気

付かなかったですね。ちょっと怖くなりました。おそらく「フィーニクス」の次に

この国で知られているグレンの「ラインストーン・カウボーイ」です。わたしも大好きな歌

のひとつなのに・・・。いやはや何とも言い訳すら浮かびませんです。改め

てお届けします。紹介は、先週と同じ事を言いましょう、以下。

この翌年に「ラインストーン・カウボーイ」を世界中でヒットさせて、グレンは大御所となり

ました。この歌も彼自身がラジオで聞いて気に入り、すぐに実演の場で唄い始

めたといいます。こういうところは実に好感の持てる音楽愛好家でした。日

本ではその後で何か のコマ—シャルに使われたような記憶があるのですが、思い

出せない。どなたかご存知ではないですか。

では聞いて下さい、「ラインストーン・カウボーイ」。

 

M01.Rhinestone Cowboy(3’16”)Glen Campbell

-L.Weiss-  Zonophone  7243 8 21834 2 6

 

N  「ラインストーン・カウボーイ」でした。当初は装飾の付いたダンガリ—・シャツを着ている

だけの似非西部牛追い男、シティ・サーファーのような人種の歌だと思っていたので

すが、違いました。「俺だって・・・」と明日の大成功をモーソーするウダツの上が

らない庶民の歌でした。グレンの丁寧で誠実な唄い方が心に残ります。

グレン・キャムベルではささきがくさんが動画を揚げてくれた「ゲス、アイム・ダム」、

これが良かったですね。モロにフィル・スペクター衝撃波を浴びたブライアン・ウイルスンの制

作で、コ—ラス担当のオネーサンたちの大雑把な振りが大変宜しい。観ながら一緒に合

わせました。1965年の作品ですからグレンのビ—チボ—イズ参加騒動の頃かな。

聞いて下さい。「ゲス、アイム・ダム」。

 

M02.Guess I’m Dumb(2’58”)Glen Campbell 

-Wilson, Titleman-  Zonophone  7243 8 21834 2 6

 

N  先週のグレン・キャムベル集に追加で二曲、「ラインストーン・カウボーイ」と「ゲス、アイム・ダ

ム」でした。

積み残しはまだあります。8月5日のホ—ソ—でお届けした、タージ・マハルとケブ・

モーの「ドント・リーヴ・ミー・ヒア」、そしてロバ—ト・クレイの「ザ・セイム・ラーヴ・ザット・

メイド・ミー・ラーフ」、更にはエアロン・ネヴィルの「ガッタ・サーヴ・サムバディ」ゴスペル・アルバ

ム『ビリーヴ』仕様、これらに共通する編曲発想の原点です。「ちょうど時間と

なりました。また来週」と翌週にもお届けするような事を言ってましたが、

まだでした。と言いますか調べたら「原点」の「原仕様」が手許になかった

のです。2種類の実況録音はありましたが、どちらも先の3仕様のオオモトとは

言い難い出来でした。それで町を歩いて探し出したのが、こちらです。

アル・グリーン1972年の発表作品、「ラーヴ・アンド・ハピネス」。

 

M03.Love And Happiness(5’01”)Al Green

-A.Green, T.Hodges-

 

N  名曲「ラーヴ・アンド・ハピネス」、アル・グリーンでした。「午前3時に電話があって、

物事は動き出した・・・」推理小説のような唄い出しです。愛の力を信じて

懸命に恋人を説得する内容で、演奏面でもとても優れた、南部R&Bの理想的

な成立ちを持っています。当初はシングル曲ではなかったのですが、評判が高く

なり1年後に改めて単独で発売されました。わたしにはその前後と大して変

わってないようにも聞こえますが、アル自身、このアルバム『アイム・スティル・イン・ラ

−ヴ・ウィズ・ユー』は初期の形に戻ろうと試みた、と語っていまして、特にこの「ラーヴ・アンド・ハピネス」では化学作用みたいに全てがうまくハマっている、と満足

げです。冒頭の語りから「1、2、3、4」とヘッドカウントが入って来るところが、

カッコ良い。これはギターのティーニー・メイボン・ホッヂズが足踏みで刻んでいるようです。

確かオーティス・クレイも来日した時、ほぼカーボン・コピーのような形でリパトゥワに入れて

ました。わたしは美しき20代の頃から親しんでいるのですが、先の3曲には

この残像が投影されているように聞こえてならないのです。如何でしょうか。

さて、エリス次の号は今月の終わりに公開されるのかな。わたしは今回も一番

最後になって原稿を入れました。故意ではありません。「締め切りはいつです

か」と訊ねたら「先週だよ」という返事が帰って来て、慌てて書き出したの

です。さすがに途中で怒られてね。「みんなもう揃ってるから、お前の字数

はこれだけだ」と指定も受けました。こちらが悪いのだから従うしかありま

せん。なんとか間に合わせましたが、出来はどうだろう。ご意見をお待ち致

します。

テ—マはチャック・ベリ—。彼の追悼で何種類か冊子が出ていたので、ついつい買っ

てしまい、読んだ後の感想文のつもりだったのですが、チャックだと沢山の思い

出がこぼれるように流れ出て、ヨユーであっという間に字数超過。泣く泣くでは

ありませんがかなり削りました。今朝はそこに載せられなかった事も含めて、

チャック・ベリ—の初盆です。旧暦にしても少々遅くなりましたが、関西では今が

地蔵盆の真っ盛りです。

まずはこの1曲から。

 

M04. ベイトーヴェンをぶっとばせ(2’37”) ヘレン・ディクソン    

-C.Berry-  Pヴァイン PCD-17762

 

N  ハイ、例のイントロが初めて世に出た「ロール・オーヴァ・ベイトーヴェン」、ヘレン・ディクスンで

す。この女性歌手、白人なんです。コロムビアの黒人レイベルのオーケイからもレコ—ド出

してるし、今のギタ—演奏はミッキー・ベイカーだと言うし、謎が多いなあ。黒人のロッ

クンロ—ル的R&Bを白人がカヴァしてポップ市場で売り出す形は1950年代前半には

よく見られました。ブレンダ・リ—などはその好例でしょう。この「ベイトーヴェン」

もそのひとつだったのですが、ヘレン側の目論みは外れました。チャックのオリヂナル盤

がヒットしてしまったからです。

また、このヘレンの吹き込みには大きな過ちがあります。それはこの楽曲を、

ノヴェルティ色の濃いジャムプ・ブルーズの延長で仕上げている点です。出来は決して

悪くはありませんが、チャックの音楽の持つ「永遠の十代感覚」が不在なのです。

オリヂナル仕様から沸き上がって来る生き生きとした若さの躍動がないのです。

ビ—トの解釈が、前時代のものですね。大人に「ベイトーヴェンをぶっとばそうぜ」

と呼びかけても、きっと相手にされないでしょう。ルードヴィヒ・ヴァン・ベイトーヴ

ェン自身が非常なユ—モア家だったとしてもです。

さて、今のヘレン・ディクスンは以前も紹介したイギリスのエイスの編集盤からお届けし

ました。これは何度も言うように、流石の出来映えです。実に多方面からの

収集が為されていて、やはりイギリスのロックンロ—ル通でしか作れない内容です。し

かも中途半端な出来のトラックが皆無、という点でも太鼓判。解説も実に詳しい。

日本の大いに誤解されたチャック・ベリ—・カヴァを集めて1枚というのも成立する

でしょうが、酷いだろうね、その質は。

次も同じ『ロックンロ—ル・ミュージック! ソングス・オヴ・チャック・ベリ—』からです。チャック

本人の事を「あんな嫌な奴はいない」、と本気で罵っていたジョン・ハモンド・ジュ

ニアが唄っています。

「ノー・マニ・ダウン」。

 

M05. ノー・マネー・ダウン(3’49”)ジョン・ハモンド

-C.Berry-  Pヴァイン PCD-17762

 

M06.ブラウン・アイド・ハンサム・マン (2’02”)バディ・ホリー  

-C.Berry-  Pヴァイン PCD-17762

 

N  ジョン・ハモンド・ジュニアがとても真面目に一生懸命唄っていた「ノー・マニ・ダウン」、

そしてバディ・ホリ−で「茶色い目玉の色男」でした。これはバディの死後、残っ

ていた録音にスタジオ・バンドの伴奏をオーヴァダブした物だそうです。ひょっとし

たら本人は発表するつもりがなくて吹き込んでいた物かも知れません。

冒頭では不法労働の罪で証言台に立っていた「茶色い目をした男」が、歌

が進むに連れて歴史的な騒動を引き起こして行きます。最後はミロのヴィーナスと

戦ったり、完全に抑えられていた試合でフルカウントからホ—ムランをかっ飛ばしたり

するので同一の人物の逸話ではなく、通して語られていたのは如何に「ブラウ

ン・アイド」、つまり黒人が優れているかという、明らかな人種論です。これを

そのまんま「ブラック・マン」と唄ったら当局から危険分子として目をつけられ、

早めのムショ入りをしていたかも知れません。バディ・ホリーはどういう思いだった

のでしょうかね。

次は1964年、出所後のヒット曲として有名な「ネイディーン」です。どこかで、こ

の曲は既にロックンロ—ルの次に来るロックのスタイルで作られているとも書かれていまし

たが、基本的にはギタ—伴奏を伴う語り物がチャックの基本である事に変りはなく、

自動車販売店頭でのやりとりを唄った先ほどの「ノー・マニ・ダウン」、「茶色い目

玉の色男」などと同じように、ここでもチャック・ベリ—劇場が展開して行きます。

このカヴァは、ザ・バンチというイギリスのフォーク系ミュージシャンの集まりの唄と演奏で、

フェアポート・コンヴェンションのメムバ—も参加しているそうです。

 

M07.Nadine(3’20”)The Bunch   

-C.Berry-  Pヴァイン PCD-17762

 

N  ザ・バンチで「ネイディーン」でした。チャックの歌は例えば「ジョニ—・ビ・グッド」な

どのように非常に分り易い反面、独得な観点、発想で書かれた難解な物語も

多く、沢山の解釈が成立します。この「ネイディーン」もどちらかと言うとそのひ

とつじゃないかな。バスに乗っていてイカした女を見つけて追いかける粗筋には、

何か他の例えが隠されているような気がします。

『ロックンロ—ル・ミュージック! ソングス・オヴ・チャック・ベリ—』からもう1曲聞きましょう。

ホリーズで「スウィート・リトル・シクスティーン」。

 

M08. スウィート・リトル・シックスティーン(2’21”) ホリーズ     

-C.Berry-  Pヴァイン PCD-17762

 

N  ホリーズらしい秀逸なカヴァでした「スウィート・リトル・シクスティーン」。60年代のイギリスの

ビート・グループらしい「イキがり」が随所で鳴っています。さて、今回出版され

たチャック・ベリ—関連の冊子のひとつに「ブルース & ソウル・レコーズ」誌8月号があり

ます。そこでわたしが絡んだ事件について、首都圏で9人、全国で9500万人

のあなただけには逸早くお伝えしました。それにはエリスの記事でも触れていま

すからお楽しみに。それはともかく、この号には特別付録としてチャック・ベリ—

のCDが付いていました。それも、1960年代半ばから70年代初頭までのあ

まり重要視されていない珍しい録音を集めた物で、なかなかに面白い1枚で

した。そこからも聞きましょう。

まずはあの印象的なイントロのリフの元ネタ曲を自身で礼儀正しくカヴァした、

「エイント・ザット・ジャスタ・ウーマン」です。

 

M09.Ain’t That Just Like A Woman(2’15”)Chuck Berry  

-C.Berry-  ブルース & ソウル BSR-136

 

M10.Johnny B. Goode(2’45”)Chuck Berry  

-C.Berry-  ブルース & ソウル BSR-136

 

N  20世紀後半の若者音楽を支配したあのイントロのリフの元ネタとなった「エイント・ザ

ット・ジャスタ・ウーマン」のチャック・ベリ—による感謝と表敬仕様、そして1966年再吹

き込みの「ジョニー・B・グーッド」でした。

かつては全く気にも留めなかった、二度目の録音ですが、オリヂナルとは比較

のしようもありませんが、粗雑なライヴに馴れたからでしょうか、この「J.B.D.」

にもそこそこに活気を感じました。

後年この歌は「ほぼ俺の事だ」と本人も言っていたそうです。ただし、「読

み書きゃ全然ダメだけど、ギタ—弾かせりゃ最高さ」という行りは明らかに彼自

身ではないですね。チャック・ベリーは決して文盲ではなく、多くの書物に親しん

でいて、何よりもこんな素晴らしい歌の言葉を編み出せたのですから。それ

とも、奴隷時代に黒人たちは読み書きを法律で禁じられていた歴史を揶揄し

ているのでしょうか。そのくらいチャックは「読んでいた」のです。

例のイントロも、時代によって微妙に変化しているのも分りましたね。その最

終型はこれでした。

 

M11.Lady B. Goode(2’55”)Chuck Berry       

-C.Berry-  Decca 00602557561241

 

N  チャック・ベリー、遺作となったアルバム『チャック』から「レイディ・B・グーッド」でした。

長く芸能活動を続けていると、自分の最も売れた頃、一般に認知されている

姿を自分で演じるようになります。パブリック・イメヂである自身のパロディをなぞ

れば大向こうも納得してくれる訳です。個性的である人ほど、そう成り易い。

たとえば、偉大なるサッチモ、ルイ・ア—ムストロングの晩年を思い出して下さい。受け手

がそれしか望まない、という状況もあるでしょうね。こういう事を終世一切

拒否したのはマイルズ・デイヴィスとボブ・ディランだけのようにも思えます。チャールズ・

エドワード・アンダスン・ベリ—の場合は、彼がチャック・ベリ—になった時点で、既にパロデ

ィだったとわたしは理解しています。

「分ったよ、あれを演りゃいいんだろ。演ってやるよ」と架空のロックンロ—ル・

スタ—、チャック・ベリ—をずっと演じていたのではないでしょうか。だからと言って

そこに欺瞞はなく、懐メロ感情とは無縁で、いつも現在進行形のチャック・ベリ—が

いて、「お仕事」と言い切りながらも、人格が滲み出ていた点が多くの人を惹

き付け続けたのだと、わたしは確信しています。

最後になってしまったアルバムでは、その突っ張りがちょっと緩んでいる、そ

んな印象を持ちました。そのひとつがこの「レイディ・B・グーッド」です。これ

は自分でアンサー・ソングを唄っていた「メムフィス」と「リトゥル・マリー」、あるいは「ジョニ

ー・B・グーッド」と「バイ・バイ・ジョニー」との関係とは少し違って聞こえません

か。今の録音は、彼の他に息子と孫のギタ—三本セッションとされていますが、間奏

の二番目に出て来るのは、かなりギャリー・クラ—ク・ジュニア風でしたね。

さて「ジョニー・B・グーッド」は、ピアノ弾きのジョニー・ジョンスンをモデルにして書か

れた、という説もあります。そもそもチャックはジョニーのトリオに入れて貰ってそこ

から職業音楽家として始まった訳です。それ以後は彼の独創性が爆発して恩

師よりも名が知られるようになってしまった訳です。義理堅いチャック・ベリ—は

ジョニ—を録音、舞台でもずっと専属として固定しましたが、長い時間が経つう

ち疎遠になって、本人も行方不明状態でした。映画「ヘイル、ヘイル、ロケンロー」の撮

影の前に故イアン・ スチュアートが音楽責任者のキース・リチャ—ズに「ジョニ—はまだ生きて

るぞ」と告げ、なんとか探し出して再び共演が出来た、という美談が残って

います。

映画の中でジョニ—は現役時代と変わらぬ演奏能力を発揮して存在を表明。そ

の結果、ソロ・アルバムも制作されました。ここで「恩師」のピアノを聞いてみまし

ょう。

まずは「ジョニー・B・バーッド」。

 

M12.Johnnie B.Bad(2’35”)Jonnie Johnson 

-unnkown-  Elektra 9 61149-2

 

N  ジョニー・ジョンスン、1991年のソロ・アルバム『ジョニー・B・バーッド』から、その表題

曲でした。この盤現物は、新宿三丁目で拾って来たCDプレイヤーに入っていた

もので、長い事再生不能でしたが、長い時間が経ってポリカ—ボネイトの変質でも

起こったのでしょうか、今はこのように聞く事が出来ます。ただ盤しかない

ので、収録曲名など周辺事項はネットで拾ってい書き加えてあります。

ジョニー以外の参加メムバーは以下の通り。

ギター:エリック・クラプトン

ギター:スティーヴ・ファーガスン

ベイス:ジョリー:スパムピナート

ドラムス:トム・アードルノ

この中でクラプトンとスパムピナートは映画でも付き合っていましたね。あの変な形

のベイスを弾いていたのがスパムピナート。ここでの彼の演奏は出色の出来映えです。

ブルーズ・ピアニストのソロ・アルバムですから全体も地味ですが、とても充実している

セッションで、気持ちの良い音が続きます。ジョニ—はチャックの録音では割とひとつの

スタイルに徹してたようですが、ここでは実に達者な腕前を存分に披露していま

す。早朝のゴミ捨て場に感謝。

次もとても良い演奏です。

「クリーク・マーッド」。

 

M13.Creek Mud(5’29”)Jonnie Johnson 

-unnkown-  Elektra 9 61149-2

 

N  「クリーク・マーッド」、ジョニー・ジョンスンでした。ジョニー、冴えてますね。例えば1950

年代だったらこの位の弾き手は、どこの黒人酒場にでもいたでしょう。彼ら

は放っておくと1曲をいつまでも続けます。即興演奏の霊感がずっと降り注

いでいる感じ、そんな情景がこのアルバムからも伝わって来ます。

次のは60年代前半のデッチ上げインストゥルメンタル曲を再現したかのような、ノヴェルテ

ィ感覚が愉快です。

「フォールト・ライン・トリーマー」。

 

M14.Fault Line Tremer(3’45”)Jonnie Johnson  

-unnkown-  Elektra 9 61149-2

 

M15.ユー・キャント・キャッチ・ミー (2’42”)チャック・ベリ—    

-C.Berry-  MCA MVCM-48001/3

 

N  「フォールト・ライン・トリーマー」。ジョニー・ジョンスンに続けたのはローリング・ストーンズもカヴァ

した「ユー・キャント・キャッチ・ミー」でした。ここでのピアノはジョニーではなく、チェスの

大御所、オーティス・スパンです。何らかの事情でジョニーが来れなかったのでしょう

か。スパンがチャックに付き合ったのはこの時だけだそうです。1956年の録音でし

た。

さて、LP時代に入ってからは、シングル盤の王様チャック・ベリ—も対応に迫られ

まして、ひとつの概念でまとめられた、と言えなくもないアルバム制作に取り組

みます。その代表作が1973年の『バイオ』でした。この表題曲ではスライドをエル

モア・ジェイムズ的に鳴らしながら、自分自身が音楽を志してからの半生を語って

います。「実録 ジョニー・B・グーッド」です。

 

M16.Bio(4’24”)Chuck Berry 

-C.Berry-  ブルース & ソウル BSR-136

 

N  さて何気なく始めたチャック・ベリ—集、話が長いですね。どうしてもこうなって

しまう。エリスだってあの倍は行けた、あ、それはないですね。ここからまた1

曲毎に語っていると、タケ小山さんの時間を侵害してしまいます。ここから先

はわたしの今の気分でチャック・ベリ—・トップ9を紹介しましょう。ただ順不同で

す。まずは誰も知らないこの珍しい1曲からどうぞ。

 

M17.トゥー・ポップド・トゥ・ポップ (2’34”)チャック・ベリ— 

-C.Berry-  MCA MVCM-48001/3

 

M18.バック・イン・ザ・U.S.A.(2’27”)チャック・ベリ— 

-C.Berry-  MCA MVCM-48001/3

 

M19.ウィー・ウィー・アワ—ズ(5’24”)チャック・ベリ—

-C.Berry-  MCA  MVCM -22106

 

M20.バイ・バイ・ジョニー(2’04”)チャック・ベリ—

-C.Berry-  MCA MVCM-48001/3

 

M21.コンフェッション・ブルース(2’08”)チャック・ベリ—

-J.MacShan, W.Brown-  MCA MVCM-48001/3

 

M22.You Never Can Tell(2’40”)Chuck Berry 

-C.Berry-  Chess  CH-92521 JVC-473

 

M23.メムフィス・テネシー (2’12”)チャック・ベリ—

-C.Berry-   MCA MVCM-48001/3

 

M24リトゥル・マリー (2’38”) チャック・ベリ—

-C.Berry-  MCA MVCM-48001/3

 

M25.Come On(1’48”)Chuck Berry wt. Martha Berry 

-C.Berry-  Chess  CH-92521 JVC-473

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N   今の気分の「チャック・ベリ—・トップ9」如何でしたか。

まず「トゥー・ポップド・トゥ・ポップ」。これについて言及した文章をわたしは

読んだ事がないですね。「ハバナ・ムーン」同じくカリブ調のノヴェルティ曲です。16歳の

時に初めて聞いてからずっと好きです。

次は「バック・イン・ザ・U.S.A.」。最後に出て来る「ハンバーガーがジュウジュウと音

を立てて鉄板の上で焼かれてる」という行りが迫って来ます。これに感化さ

れ、しばらく立ち入るファミリ—・レストランを「シズル」だけに決めていた位です。

そして「ウィー・ウィー・アワ—ズ」。わたしの唯一好きなエリック・クラプトンのソロで、映

画「ヘイル、ヘイル、ロケンロー」サウンドトラックからでした。

ひねくれ者のわたしは「J.B.D.」より「バイ・バイ・ジョニー」の方が好きで、

これも「出稼ぎに出たジョニ—が一嫁さんを連れて帰って来て、線路の側に家を

立てて、汽笛が鳴ると台所の扉のところに立って手を振ってる」という最後

の章がたまらなくてね。一緒に唄ってると涙がこみ上げて来る事もありまし

た。こんな美しい情景を、あの人間不信男が唄うんですよ。

「コンフェッション・ブルース」これもストーンズ版で知りました。テムポーを少し落とした

そちらもなかなか良いですよ。よりブルーズ的です。

「ユー・ネヴァ・キャン・テル」、チャックの「そんなモノよ」という世界観がよく現れた

歌ですね。この思想に共鳴する多くの人間がカヴァしてます。これは珍しいスティ

ーリオ・ミクスでお届けしました。

そして「メムフィス」、その続編の「リトゥル・マリー」。わたしがチャック・ベリーに決定的

に打ちのめされた1曲は、これかも知れません。続編では娘さんと長距離通

話が出来たようで何よりでした。

最後の「カム・オン」は、チャックとしては異色とも言える程の「一般的性を持っ

た」ポップ曲です。これもちょっと珍しい、娘と唄った仕様で聞きました。

この盤ではクレジット「Martha Berry」とありますが、「イングリッド」ではないで

しょうか。マーサはチャックのおばあちゃんです。

今もチャック・ベリーのCD盤は、まだ店頭在庫で沢山手に入る筈です。チェスの初

期の物は紙ジャケットで殆どが発売されていました。最低でもベスト盤はいつでも

買えるでしょう。ぜひ自分の物として聞いて、自分なりのチャック・ベリーを創り

上げて下さい。16歳の時から約30年間、友達の2枚組ベストをずっと借りっ

放しにしていた男からのお願いです。

8月11日の中央エフエム放送をお聞き頂き、ありがとうございます。わたしも

想像ほど酷い出来ではなかった、という感想でした。ポークパイさん、喉の調子

をご心配下さって、ありがとうございます。多分ね蚊取り線香の副作用では

ないかな。わたしも最初に自分の声をきいて、「なんてしゃがれているんだ」

と驚きました。別に風邪等ではないですよ。歳を取ると鼻が詰まったような

声になってしまうようで、エミルー・ハリスにややその兆候が感じられます。NHK

土曜朝のDJも第二変声期を過ぎて久しいですね。わたしはまだそこまでは

行ってません。元々がこんな声ですからこれで鼻が詰まったら多分誰も聴き

取れなくなってしまうのではないでしょうか。気をつけます。

「DJはしゃべくり声と曲のピンポンだな~と、感じました」とクリやん。な

る程そう考えればいいか。今回のようにひとりだけだと、結構持て余す訳で

すよ、時間空間を。そんな時にお便り等があると、その人とお話が出来て順

調に進みます。それに突然ハコを用意されると、えらく構えてしまって挙げ句

に舞い上がって終わり、です。ト—シロはやっぱ生の方がいいな。

とりあえず無事終了しました。どうもありがとうございます。

さあ、今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/0b5084e639cdee22abe781e2ce67e49bb26adcbd

ダウンロードパスワードは、3duxm8v7です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国9500万人のあなたにも、アサ—。

 

 

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/08/12

mb170812

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。先週は大変失礼いたしました。

みなさんのお楽しみを少々お預けにしてしまいましてここ改めてお詫び致し

ます。前回は必死の思いで間に合わせたのですが、それが災いしてか、公開

が遅くなりました。お許し下さい。

わたしの過失、重過失です。

「イッツ・マイ・オウン・フォールト」。

 

M01.It’s My Own Fault(3’32”)B.B.King

-King, Taub-  Blues Encore CD 52020

 

N  B.B.キングで「ワツシの誤り」でした。コムピ盤を使いましたが、これはリーガル

での実況盤テイクですね。この頃のB.B.はまだ黒人観客だけの前で歌っていまし

て、その後とだいぶ雰囲気が違います。とても落ち着いていますね。後期に

なると会場も大きくなって「不特定多数多民族」を相手にせざるを得ないよ

うなB.B.自身の存在に変わりましたから、本人もこんなリラックス状態とは少し違

いました。B.B.キング「わたしの誤り」でした。

さて、次の曲は奇しくも訃報と重なってしまいまして、大慌てで構成変更

をいたしました。それはともかく、まずはお聞き下さい。

「フィ−ニクスに着く頃までには」。

 

M02.By The Time I Get Phoenix(2’44”)Glen Campbell 

-J.Webb-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

N  2017年8月8日に亡くなったグレン・キャムベルで「バイ・ザ・タイム・アイ・ゲット・

フィーニクス」お聞き頂きました。81歳という年齢は、本人にとって充分だったの

か短かったのかわたしには分りませんが、ここ数年間はアルツハイマー病に悩まされ

ていました。

今の1曲、日本では「恋はフェニックス」でしたか。布施明じゃないですよ。こ

の歌で「by」が「(何時)までには」と憶えた人も多いでしょう。ワツシもそう

です。朝早く行き先も告げず恋人の眠っている部屋から旅立つ男、堺正章の

「さよなら恋人」、発想はひょっとして・・・。

 

   彼女は全然気にしないだろうね

   なぜならこれ迄にもこんな事が何度もあったから

   オクラホマに着く頃までには、もう眠っているだろう

   そして、俺が本当に去って行ったんじゃないか

   ひょっとしたら・・・、と思い始めるかもしれない

   俺はいつか出て行くぜ、とこれまで何度も言っていた

   でも気付かなかった、いつか本当に出て行くという事を

 

ジム・ウェブの大傑作のひとつです。聞き始めた時から見事な描写のこの物語

は、子供のわたしにもリアルな映像を伴って迫ってきました。置き手紙が貼付け

られているのは、灰色に塗られた無機質なドア−です。効果的な弦のアレンヂがと

ても印象に残りました。

恥ずかしながらこのような状況を実際に体験した事はこれまでにありませ

ん。今後味わうとしたら自分の死ぬ時でしょうかね。実はこれ、こんな風に

突然この「幻」が更新されなくなったら、君はどうするの、ここ迄にこんな

事はなかったから・・・、と脅かしのつもりで選んだ1曲なのです。「オオカミだ

—」、となると元も子もないのですがね。それがこのような不幸とつながって

しまいました。

この歌を、若くして死んだ福澤諭吉の曾孫の幸雄が袋井のヤマハのコースで事故

死する直前に、当時の恋人小川知子に聞かせて「こんな風に僕が去って行っ

たら、君はどうする」と訊ねたという余話がありまして、中学生の頃には信

じていました。ゲーノー週刊誌の記事からですから、マユツバですね。しかもサチオに

は別の「本命」がいたらしい。ますます真実味が・・・あ、グレン・キャムベルで

す。

この「フィ−ニクスに着く頃までには」が、わたしとグレン・キャムベルとの出逢いで

した。もう100%ポップ・シンガ—に転身した後で、この後のナムパなヒット曲は、何

故かよく聞いていましたね。それだけ流行っていたのでしょう。「生涯の1001

曲」に入る「夢を見るだけ」もグレンとボビ−・ジェントリ—で知った筈です。その

後、本来はギタ—の名手で、ビーチ・ボーイズにも一時的に正式メムバとして入って

いた事があるのを知り、だいぶ見る目が変わりました。尊敬の対象となった

のです。

日本に個人として紹介されたのはピンの歌手としてで、かなり商業的な存在

になってからですから、熱心な音楽ファンにはあまり真剣に聞かれていなかった

とも思います。本人も結構C調に唄ってましたしね。

わたしにはフィーニクスでの出会い以来、なぜかずっと気になる存在でした。カント

リ—音楽とちゃんと付き合う、遥か前です。何より、唄が上手いのですよ。聞

いて下さい。

「ジェントル・オン・マイ・マインド」。

 

M03.Gentle Of My Mind(2’59”)Glen Cambell

-J.Hartford-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

N  8日に亡くなったグレン・キャムベルで「ジェントル・オン・マイ・マインド」、真剣に唄って

いるのが伝わって来ます。まだ純な感じですね。これは本来デモ録音だったと

いいます。充分にリラックスしているのは、そのせいでしょうか。日雇いギタ—弾き

を卒業してソロの唄い手になるの決心してから、彼は熱心に良い歌の書き手を

探していたようです。初めてのヒット曲「ユニヴァーサル」・ソルジャーは、アメリカ先住民の血

を引くカナダ生まれのバフィ・セイント・メアリの作品でした。

その後、ジョニー・リヴァースのアルバムで自ら見つけた「フィ−ニクスに着く頃までには」

を吹き込んで大ヒットにつなげたのも、この熱心さがあっての事かも知れません。

勘も冴えていましたね。ジム・ウェッブとの出会いは、その後もヒット曲を生みまし

た。

 

M04.Wichita Lineman(3’06”)Glen Cambell    

-J.Webb-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

N  加藤和彦のソロ作品「僕のおもちゃ箱」の原曲、これは本人がそう言ってまし

たから本当でしょう、「ウイチタの保線工夫」グレン・キャムベルでした。ブルーズとかカン

トリ—によくある主題の楽曲ですね。トレモロの効いた間奏のギターが大変宜しい。ジ

ムはこの時代の寵児として大活躍していましたし、バカラック的な都会派作曲家の

イメヂがありましたが、元はオクラホマの田舎の教会の子ですからこういう環境を思

い浮べる事が出来たのでしょう。ここでもグレンの歌は見事です。どこにもぶ

つけられないやるせない想いを上手く節に載せています。想像力の賜物です。

グレン/キャムベルはヒットを連発したお陰もあって、70年代には「昼間のラジオの王

様」と呼ばれていました。しょっちゅう彼の歌が流れていたようです。声は

見た目より断然いいしね。微妙な低い倍音が奥様方のココロをシビレさせたのでし

ょう。流石「昼間のラジオの王様」です。「専業主婦の夢」なんて歌も出してま

した。その延長線にあるのでしょうか、女性関係でもなかなかの発展家で、3

回離婚再婚を繰り返しています。最後の奥さんはタニア・タカーじゃなかったかな。

その延長線上か、女性とのデューオも得意でして、アン・マレー、ボビ—・ジェントリー

などとはフル・アルバムも作っています。では先ほども出て来ました、わたしの「生

涯の1001曲」の1曲、

「夢を見るだけ」、ボビ—・ジェントリーとの二重唱でどうぞ。

 

M05.All I Have To Do Is Dream(2’33”)Glen Cambell wt.Bobbie Gentry 

-B.Bryant-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

M06.Southern Night(2’58”)Glen Cambell

-A.Tousaint-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

 

N  「夢を見るだけ」、そして「サザ−ン・ナイト」でした。こちらはもちろんアラン・ト

ゥーセイントの作品で、彼を有名にした1曲です。グレンの仕様はとても洗練されて

いて親しみ易く、異国情緒を伴った楽曲の良さが誰にも伝わった筈です。あ

のキョ—フのトレモロ・ヴォ—カルのオリヂナル版よりは。

さてグレン・キャムベル、先ほど元々は日雇いのギタ—弾きだった、と申しました。

ロスエインジェルズのステューディオでは数えきれないセッションに参加していた事でしょう。

かのレッキング・クルーの一員でもありました。その中でも大物との手合わせが記録

に残っています。本人の略歴にも誇らし気に記されています。そこから聞い

てもらいましょう。

まずエルヴィス・プレズリで「ラス・ヴェガス万歳」、

そしてフランク・シナトラとの「夜のストレインヂャーズ」、2曲続けてどうぞ。

 

M07.Viva Las Vegas(2’25”)エルヴィス・プレスリー

-D.Pomus, M.Shuman-  BMG BVCM-31223

 

M08.Strangers In The Night(2’45”)Frank Sinatra

-B.Kaempfert, C.Singleton- ワーナー WPCR-12892

 

N   エルヴィス・プレズリの「ラス・ヴェガス万歳」、フランク・シナトラで「夜のストレインジャーズ」、

2曲、グレン・キャムベルがギタ—を弾いているセッションでお送りしました。共に彼らし

くない曲調ですね。日雇いとしては何でも出来なきゃいけません。好きだの

嫌いだのは言っていられない世界ですから、ソツなくこなしたのでしょう。細

かなリズムカット、オブリガートに終始する「ヴェガス」が64年、ほとんど聞こえなか

った「ストレインヂャー」は65年。グレンがそろそろギタ—弾きから足を洗おうとして

いた頃です。カリアとしては円熟期ですね。

わたしの好きなジョージ・ベンスンも、歌うようになってからはあまりギタ—を弾

かなくなりました。今年のモントルーでも唄ってばかりいたらしいです。バッキング

なんかやらせると実にいい味出すんだけどなあ。やっぱ唄が一番なのかな。

分るような気がします。

グレンは自曲の録音ではどうか知りませんが、実演の場ではそこそこ弾いて

いたようです。日本だけで出ていた『ライブ・イン・ジャパン』でも中間部に、ほ

んの少しその腕前を披露します。聞いて下さい。

この時にアメリカから連れて来た4人のミュ—ジシャン達との器楽合奏です。

「ソング・フォ−・ヨール」

 

M09.Song For Y’all(2’04”)Glen Cambell   

-C.Jackson-  Real Gone Music RGM-0018

 

M10.Coming Home(2’30”)Glen Cambell   

-B.Wood-  Real Gone Music RGM-0018

 

N  1974年5月、新宿の東京厚生年金会館で収録されたグレン・キャムベルの来日公

演から「ソング・フォ−・ヨール」、そして「カミン・ホ−ム」でした。先の「ソング・フォ−・

ヨール」ではかなりブルーグラス的な演奏が聞かれましたが、グレンのギタ—・ソロは、オー

ヴァダビングのような気がします。バンジョ—やフィドルのパ—トでは当時のエレアコの頼

りない音色なのですが、ソロになると急に音が変わる、アクースティクも全然違う。お

そらく後で被せたトラックでしょう。ただ本番でも似たような事はやってたと思

います。この来日ライヴ・アルバムのすべての写真でグレンは新興勢力のオヴェイション・

ギタ—を使っていて、何らかの固有の契約下にあったと思われます。先の「頼

りない音色」は、この頃のオヴェイションの特徴でした。

「カミン・ホ—ム」は、本人が語っている通りコカ・コ—ラのコマ—シャルに使われて、その

後シングルになったもの。これを切っ掛けにグレンは日本でも認知度が大いに上昇

しました。「スカとサワヤカ、コカコ-ラ」の連発は、彼のサーヴィス精神旺盛な側面を見せて

くれます。多分ね、来日時は東芝やキョードーなどのカンケーシャがずーっとチヤホヤした

んでしょう。本人もだいぶ調子に乗ってます。

この翌年に「ラインストーン・カウボーイ」を世界中でヒットさせて、グレンは大御所となり

ました。この歌も彼自身がラジオで聞いて気に入り、すぐに実演の場で唄い始

めたといいます。こういうところは実に好感の持てる音楽愛好家でした。日

本ではその後で何か のコマ—シャルに使われたような記憶があるのですが、思い

出せない。どなたかご存知ではないですか。

では聞いて下さい、「ラインストーン・カウボーイ」。

 

M11.Rhinestone Cowboy(3’08”)Glen Campbell 

-L.Weiss-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

M12.Galveston(2’41”)Glen Campbell

-J.Webb-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

N  「ラインストーン・カウボーイ」、そして1969年の「ギャルヴェストーン」、これもジム・ウェブ

の作品でした。グレンは2011年からアルツハイマー病に悩まされていました。今回ご

家族が「長い勇気ある戦い」と表現した闘病生活の末に亡くなりました。大

勢いる子供たちが本人を助けて地方巡業をしたり、録音作品も死亡する直前

の2017年6月に発表したりしています。最後まで音楽愛好家でした。

「現」モーニン・ブルーズでも2013年に発表された『シー・ユー・ゼア』からお届け

したことがあります。今朝はそのアルバムから神様が自分の元にやって来るのを

待っている歌「ウェイティング・カミン・オヴ・マイ・ロード」を聞きましょう。

グレン・キャムベル 2017年8月8日没。81歳でした。

 

M13.ウェイティング・カミン・オヴ・ザ・ロード(3’12”)グレン・キャムベル 

-G.Campbell, J.Raymond-  ビクター  VICP-75110

 

M14.Reason To Believe (2’24”)Karen Dalton

-T. Hardin-  Delmore Recording Society DE 023

 

N  「ウェイティング・カミン・オヴ・ザ・ロード」、8日に亡くなったグレン・キャムベルでした。

先に吹き込まれていた唄を活かして、ほぼ全てを作り直したという録音です。

よくここまで自然に仕上げられたなあ、という思いがします。このころ既に

闘病中でした。

それに続けたのは「リーズン・トゥ・ビリーヴ」の最も素朴な仕様、カレン・ダルトンで

した。先日片付けをしていたら、このトラック収録のカレンのアルバム『カレン・ダルトン 1966』

が出て来まして、その1曲目がこれでした。特に目的も無いデモセッション、それ

も節約のためにテイプ速度を落としての録音。1966年の民生機ですから音は推

して知るべし、ですが不思議とその場の空気が伝わって来ます。数年前にわ

たしの6歳くらいの時の家庭録音が出て来た事がありまして、そうっとひと

りで再生してみたら見事な位にその時の情景が浮かび上がりました。そうい

う物なのですね、簡素な録音というものは。内容に関して詳しく申し上げら

れませんが、最後には家族全員にいじめられて、幼きワツシは泣き出しています。

酷い家です、最年少者を寄って集って。

それはともかく、聞き直してみたこの『カレン・ダルトン 1966』アルバムは面白か

った。で、同じこの歌をグレン・キャムベルも唄っています。そちらも聞いて下さ

い。

「リーズン・トゥ・ビリーヴ」。

 

M15.Reason To Believe(2’24”)Glen Campbell 

-T. Hardin-  Zonophone 7243 8 21834 2 6

 

N  グレン・キャムベル1968年の録音で「リーズン・トゥ・ビリーヴ」でした。作者のティム・

ハーディンは60年代に限られた周囲に対してはボブ・ディランと同じ位の影響力を

持っていたと言われますが、まだまだ無名な存在。この歌は1966年に発表さ

れた彼の一枚目のLPに収められていましたが、決してヒット曲ではありません。

先のカレンはその年に既に持ち歌にしていた訳ですから、音楽通の間でティム・ハーデ

ィンは、ぼつぼつ知られ始めていたようです。

グレン・キャムベルはまだジム・ウエブの作品を唄っている時代ですが、こういう処

に目を付ける辺りは流石です。たぶんその頃からシングル曲だけでなく他のLP

収録曲も対象とするフォ—マットが大学内のラジオ放送などで台頭して来ていました

から、グレンはそれを耳にしたのかも知れません。この放送形式が後に「A.O.R.

アルバム・オリエンテド・レイディオ」になって行きます。

ではそのティム・ハ—ディンの原仕様を聞いてみましょう。

「リーズン・トゥ・ビリーヴ」。

 

M16.Reason To Believet(2’00”)Tim Hardin

-T. Hardin-  Polydor  440 016 405-2

 

N  ティム・ハ—ディンのオリヂナル「リーズン・トゥ・ビリーヴ」でした。

 

   嘘をつかれて泣いている時

   目の前であんたに笑われた

   それでも信じられる訳を探してる・・・

 

「俺が落ちる込んでる時に、なんで笑えんだよ」というのはポール・マカートニの

「アイム・ダウン」ですが、今のティムの唄は過酷な事実を当事者に訴えているよう

な、真に迫る説得力がありますね。予算委員会の代表質問もこの位の真実味

が欲しいな。

それはともかく、この曲の前に「もしわたしが大工であなたが貴婦人でも、

結婚してもらえますか」とティムが唄った「イフ・アイ・ワー・ア・カーペンター この小さ

な願い」がボビ—・ダーリンに採り上げられてヒットしていました。ここでもティムは

テッテ的に遜って謙虚な姿勢です。こういう男の弱さがビューチフォーなフラワー・ピーポ−

に支持されたのでしょうか。

さて、かつてアーサム・ビートで時折送り出していた「千本ノック」のようになって

きました、今朝のモーニン・ブルーズです。「もしも大工なら」と来たら、この二人

は外せませんね。カ—ペンタ—ズです。聞いてみましょう。

 

M17.Reason To Believe (3’05”)Carpenters

-T. Hardin- A&M B001322302

 

N  カ—ペンタ—ズで「リーズン・トゥ・ビリーヴ」でした。軽いポップ・カントリ—仕様、こちら

はあまり深刻な問題ではなかったようです。1970年のアルバム『遥かなる影』

に収録 されていました。

この歌、わたしはロッド・ステュアートで知りました。イギリス本国ではヒット・シングル「マ

ギー・メイ」のB面で、そちらもヒットしたそうです。まだ真剣に良い楽曲を探し、

真面目に音楽に取り組んで心をこめて唄っていた頃のロッドの名唱のひとつで

しょう。

最後の「リーズン・トゥ・ビリーヴ」、ロッド・ステュアートで聞いて下さい。

 

M18.Reason To Believe(4’10”)Rod Stewart 

-T. Hardin-  Mercury 558 060-2

 

M19.I Say A Little Prayer(3’37”)Aretha Franklin

-H.David, B.Bacharach-  Atlamtic SD 8186

 

N  ロッド・ステュアートの「リーズン・トゥ・ビリーヴ」に続いては、「アイ・セイ・ア・リトル・プレ

イヤー 小さな願い」、アリサ・フランクリンでした。日本で流行ったのはディオンヌ・ワーウィック

の方でしたか。

先ほどの「イフ・アイ・ワー・ア・カーペンター」は「『この』小さな願い」、こちらは

「小さな願い」、これら2曲は日本で流行ったのがほぼ同じ時期だったので、

よく混乱していました。小山ルミがゴーゴ−・ガールで踊っていたテレビ番組の「ビー

ト・ポップス」で、司会の大橋巨泉がしつこく言及していたのを憶えています。

 

M20.Satisfaction(3’41”)インサニヤ

Pヴァイン PCD-25233

 

N 突然の中東言語音楽は、インサニヤという集団。ビル・ラズウェル企画制作のアルバム『イ

エメン・ブルーズ』がカッコ良くて、何度も聞いています。しばらくヘヴェィ・ローテイション

になるかな。またお届けするつもりです。お楽しみに。今朝は「サティスファクション」

でした。

 

M21.ワード・アップ(4’21”)キャメオ

-L.Blackmon, T.Jenkins-  ユニバーサルUICY-1191/2

 

N  突然のキャミオ、これも片付け中に出て来た2枚組ベスト盤からです。ファンク音楽

を今のスタイルに持ち込んだ貢献者、キャミオ。当初は「カメオ」と表記されていました。

もともとは管部門を含む大型ファンク楽団で、当時の成功者アース、ウインド・アンド・

ファイアの流れに従った王道を歩んでいました。それをディジタル器機でひっくり返

してファンクの新しいスタイルを打ち出したのが只今の「ワード・アップ」です。大幅な

人員削減は時代の先を見据えた方針だったのでしょうか。オハイオはデイトンのロジャ

ー・トラウトマン一族の動きも注視していたのかな。とにかくこの曲の刺激は強烈で

した。ファンクは今もこの延長線上にあります。

一方でこの2枚組ベスト盤にも収録されている1978年の作品、「ウイ・オール・ノ

ウ・フー・ウイ・ア−」には、まだその他大勢的大編成集団の姿、マジな黒人意識が

強く感じられて、これも面白い。聞いてみて下さい。

 

M22. ウイ・オール・ノウ・フー・ウイ・ア−(5’51”) キャメオ

-L.Blackmon-  ユニバーサルUICY-1191/2

 

M23.シーズ・ストレンジ(7’10”)キャメオ

-L.Blackmon, T.Jenkins-  ユニバーサルUICY-1191/2

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  わたしは転換期のキャメオにしばらく付き合ったことがあります。正直言って

余りの大胆なディジタル移行には全面的な肯定が出来なくて、ヴィディオ・クリップ集

に一瞬だけ盛り込まれていた昔のツアー・バスに全員が乗り込んでワンナイト・スタンド

を続ける姿に安堵したりもしていました。でも「ワード・アップ」以降の路線は、

歴史的に証明された新機軸でした。最後は1984年の傑作「シーズ・ストレインヂ」

をお聞き頂きました。

先週お届けした自作楽器奏者エルサリー=サミュエルの動画が「幻」ツイターで揚げられ

ています。”火の”鳥さんありがとうございます。この人に間違いありません。

奏法はちょっとわたしの記憶が違っていたようですね。「割り箸」で弦を引っ

掻いてます。またどこかで会えるかなあ。

昨晩の「真夏特番」は如何でしたか。どうぞ忌憚のないご意見をお寄せ下

さい。正直なところ、あまりうまく出来なかった悔しい思いが残っています。

どうだったかな・・・。

さて今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/8989203e350595edd754463ddc085f574d17e32c

        ダウンロードパスワードは、9rk0vt3uです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国9500万人のあなたにも。

 

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/08/05

mb170805

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  だいぶ遅めのアサーです。失礼いたしました。「イッツ・マイ・オウン・フォールト〜わたし

の誤り」です。申し訳ありません。

改めて、ご挨拶。おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。さあ8月だ。真

夏だ、盛夏だ。ギラギラと輝く太陽が落ちた後の、夏が来れば思い出す、あの

暴風雨の中の大音量騒乱、グランド・ファンク・レイルロ—ドです。

これです、「ザ・ロコモ—ション」。

 

M01.The Loco-Motion(2’39”)Grand Funk

-J.Goffin, C.King-  Capital  72435-80531

 

N  「皆さん、ウッドストックでも雨が降りました。ここ後楽園でも雨が降っています」

糸居五郎の有名な名文句で有名な1971年の後楽園球場のグランド・ファンク・レイル

ロ—ド公演、憶えている方いらっしゃいますでしょうか。激しい夕立の中、か

つてない大音量で行なわれたロックの音楽会、衝撃以外にはあまり残した物がな

かったようですが、わたしは8月になると一度は思い出す出来事です。何年

か経ってグランド・ファンクはあの時は実演をしていなかった、録音テイプが流れて

いただけだ、という噂が立ちました。雨の中で高圧電源を使いますから、危

険を避けてひょっとしたら・・・、有り得ない事ではないですね。遠く離れ

た観客席からは何も分らなかったでしょう。ただ彼らは前日にフジテレビのスタジ

オで、リハ—サルをしています。やるつもりはあった、という事でしょうか。

では感電の心配のない実演をどうぞ。

二枚組ライヴアルバム『ライヴ・アット・カーネギー・ホール アン・アク—スティク・イ—ヴニング』から

今朝は「ブラック・ラング・ハートエイク」、ジョ−・ボナマッサです。

 

M02.Black Lung Heartache(5’58”)Joe Bonamassa  

-Joe Bonamassa-  J&R Adventures JRA56880

 

N  ナショナル・スティールの音が聞こえました。ジョ−・ボナマッサで「ブラック・ラング・ハートエイク」。

誰なのか分らずに入手したこのアルバム、確かに相当な手応えです。大きなオーデ

ィオ・システムを鳴らして聞いていないので、定かではありませんが、録音も相当

に良いですね。大家澤田修の説明ですと、普段の活動とはほとんど関係のな

い相手、楽曲ばかりのようですが、この説得力。略歴ですとかなりブル—ズ系

統の演奏家ですが、この実況録音盤ではそれほど強くその音楽性が反映して

いる訳でもありません。そのくらいの幅広さを持っているということでしょ

うか。これまでお付き合いのなかったジョ−・ボナマッサ、なかなかです。

さてジョ—はアメリカ人ですが、先週「フランスのジョ−・ボナマッサ」というギタ—弾きに

出会いました。ロ—ズデイルというロック・バンドのチャーリー・ファーベルという男です。

マクス・ミドルトゥンがバナード・パーディーらと結成し短命に終った理想的ロック・バンド、

ハミング・バードのヴォ—カル担当だったボビ−・テンチなどとも活動歴があるそうです。

デビュ—・アルバムを通して聞きますと、確かにギタ—の腕前は標準以上。バンド全

体の要になっているのが分ります。結構なエレキ弾きまくりでちょっとアレンヂが

古いところが気にはなりました。皆様はいかがでしょうか。

ではロ—ズデイルのアルバム『ロング・ウェイ・トゥ・ゴウ』から、「ビフォア・ユー」です。

 

M03.Before You(4’56”)ロ−ズデイル  

-unknown-  BSMF  2561

 

M04.I Ain’t Gonna Stand For It(3’35”) シャノン・マクナリー 

-S.Wonder-   BSMF  6115

 

N   「フランスのジョ−・ボナマッサ」を擁したロック・バンド、ロ—ズデイルの「ビフォア・ユー」に

続いては、シャノン・マクナリーの「アイ・エイント・ゴナ・スタンド・フォ−・イト」です。イントロな

しで唄い出される冒頭部に記憶があって、聞いた瞬間に「あー、これ何だっ

け」が発症、数十分間苦しみました。ようやく思い出したのはスティーヴィー・ワンダ

—の「疑惑」、1980年のアルバム『ホッター・ザン・ジュライ』収録の1曲です。原仕様

はすべて電気楽器の多重録音で作られ、この時期のスティーヴィーを象徴するよう

な成り立ちをしていましたが、この録音は見事なカントリ—・スタイルに生まれ変わっ

ています。後半にスティール・ギタ—が絡んで来る辺りは堪りませんね。

唄っているシャノン・マクナリーは既にかなりのカリアのあるアメリカのシンガ・ソングライタです。

1997年に初録音をしたのですが、すぐには世に出ず、世紀を跨いだ2002年

に発売されました。普通は一旦お蔵入りすると二度と出て来ないのが通例で

すが、珍しい現象ですね。

今回の作品はオリジナルとカヴァの程よい割合で楽しませてくれます。ロドニ—・クロ

ウウェルのプロデュースがかなり冴えていて、ツボがしっかり押さえられています。

はっきり言って全体に地味ですが、随所にル—ツ音楽への敬意が感じられる響き

にはとても好感が持てます。同時にそういう演奏がすぐ出来る音楽家が周囲

にいる事の幸福感も伝わって来ます。羨ましいですね。

ではステイプルシンガ—ズの古いリパトゥワをどうぞ。

「レッツ・ゴ−・ホーム」。

 

M05.Let’s Go Home(2’23”)シャノン・マクナリー   

-P.Staples-   BSMF  6115

 

N   いかにもステイプルズらしい「レッツ・ゴ−・ホーム」、シャノン・マクナリーでした。どことな

く可愛らしい仕上がりですね。今月18日に発売になるシャノン・マクナリーの最新アルバ

ム『ブラック・アイリッシュ』からです。

さて、次はこれら2曲を続けて聞いてみて下さい。

 

M06.Don’t Leave Me Here(5’03”)Taji Mahal & Keb Mo’   

-K.Moore, T.Mahal, G.Nicholson-  Concord 0888072024649

 

M07.The Same Love That Made Me Laugh(3’51”)Robert Clay

-B.Withers-  Jay-Vee  JV2017

 

N  まずタージ・マハルとケブ・モーで「ドント・リーヴ・ミー・ヒア」、そしてロバ—ト・クレイの「ザ・

セイム・ラーヴ・ザット・メイド・ミー・ラーフ」、共に最新アルバムの冒頭曲です。

力強く引き締まったエイトビート、しかも黒人R&Bでは珍しいマイナ—・キイ、全体

の雰囲気に共通する部分が多い、そんな風に感じませんか。わたしが先に聞

いたのはクレイの方でした。その時に「おおっ」と来たのですが、タジモのアルバム

の1曲目でまたしても同じように感じました。たぶん偶然でしょうが、私に

は次のエアロン・ネヴィルのこの歌との関連性が気になって仕方ないのです。

「ガッタ・サーヴ・サムバディ」。

 

M08.Gotta Sarve Somebody(4’32”)Aaron Neville

-B.Dylan-  Tellit 7243 8 20381 2 2 EGD 20381

 

N  キリスト教に改宗したボブ・ディランのゴスペル・ソング「ガッタ・サーヴ・サムバディ」、

これまでも沢山のカヴァがありますが、2003年のエアロン・ネヴィルのゴスペル・アルバム

『ビリーヴ』収録の仕様でお送りしました。

いかがでしょう、前の2曲ととても似た感じではないでしょうか。ここの

ところ何度もお届けしている「ドント・リーヴ・ミー・ヒア」、「ザ・セイム・ラーヴ・ザット・

メイド・ミー・ラーフ」、これらを聞く度にこのエアロンを思い出してまして、いつか一

緒に、と考えていました。と言いながらも実際に続けて聞くと、逆に相違点

の方が妙に響いて、「そんなに近くなかったなあ」というのが今の本音です。

さてそれはともかく、本当はこの奥にもうひとつ重要な決定的な仕様の楽

曲とわたしが睨んでいる作品があります。それ は・・・、ちょうど時間と

なりました。また来週。

 

M09.Wine Drinkin’ Woman(2’27”)Roy Hawkins & His Orchestra  

-R.Howkins-  Pヴァイン PCD-24625

 

N  はい、今朝もご機嫌なジャムプ・ブルーズ集『キングストン・バウンス ルーツ・オヴ・スカ』

から沢山聞いてもらいましょう。まずはロイ・ホウキンズ1950年の録音で「ワイン・

ドリンキング・ウ−マン」でした。ギターのオブリガートには縦横無尽という言葉がぴった

りですね。アフタービートも強烈です。「こういうカウンタ−が庶民感情を刺激する」、わ

たしの説もお忘れなく。

お酒関連で続けましょう。ロニー・ザ・キャットで、

「俺は酔っ払ってないよ」。

 

M10.I Ain’t Drunk(2’27”)Lonnie “The Cat”   

-L.Cation-    Pヴァイン PCD-24625

 

M11.Bristol Drive(2’19”)Maxwell Davis & His Orchestra   

-M.Davis-  Pヴァイン PCD-24625

 

N  ロニー・ザ・キャットの「アイ・エイント・ドランク」でした。続けたのは名アレンヂャー、バンド

リ—ダ—のマクスウェル・デイヴィスです。ブリストル・ドライヴ、ライナによればエイモス・ミルバーンの

「バーッド、バーッド・ウイスキー」の原曲と言いますから、お酒関連で3曲続いたと

言えなくもないですね。これはコジ付けですか。

この『キングストン・バウンス ルーツ・オヴ・スカ』、制作側の狙いとしてはスカの好きな

人たちに季節も考えての事だろうと思いますが、どうしてどうして、立派な

ジャムプ・ブルーズのコムピ盤に仕上がっています。音源がモダ—ンですから当たり前

と言えばその通りなのですが、これまで余り知られていないこの種の在庫が

きっとまだまだあるのでしょう。というか、ヒット曲、有名ア—ティスト作品の他は、

多分こんなものばかりだったのでしょう、この頃は。

 

M12.Ojai(4’06”)Joe Lutcher & His Orchestra

-J.Lutcher, J.Taub-  Pヴァイン PCD-24625

 

N  これはジョ—・ラッチャーと彼の楽団で「オジャーイ」というものです。少々ラテン風味が

まぶしてあって、更にはハ—レムの密林音響的でもあり、若干アヴァンギャルドな要素

も感じられます。大きなキャバレーのバンドスタンドが目に浮かびますね。当然その

前ではストリップ・ショウです。ジャズとブルーズとスウィングとラテンが一緒になった五十年

代の飲食場に於ける娯楽音楽が、このアルバム『キングストン・バウンス ルーツ・オヴ・スカ』

に一杯詰め込まれています。そして時代が変わり始めて更にもうひとつの要

素が・・・。

 

M13.Lolly Pop(2’30”)Oscar McLollie & His Honey Jumpers 

-R.Rene, L.Rene-  Pヴァイン PCD-24625

 

N   オスカ—・マクローリーとホネー・ジャムパーズ1953年の録音で「ロリ・パップ」でした。「も

うひとつの要素」とはロックンロ—ル感覚ですね。オスカ—・マクローリーは極めてロックンロ—ル的

なのですが、後の白人の若者を狂乱状態に連れ込んだロックンロ—ルとはちょっと違

って、まだジャムプ・ブルーズの新種と言った方が良いかもしれません。そもそ

も「ロックンロ—ル」という言葉自体がブルーズの世界から生まれて来たのですしね。

ではジャムプ・ブル—ズ・アルバム『キングストン・バウンス ルーツ・オヴ・スカ』からその名

もズバリの「ロックンロ—ル」、ワイルド・ビル・ム—アです。

 

M14.Rock And Roll(2’50”)Wild Bill Moore        

-W.Moore,T. Reig-  Pヴァイン PCD-24625

 

M15.Little Queenie(2’23”)Jerry Lee Lewis     

-C.Berry- Pヴァイン PCD 17762

 

N  ハーイ、チャック・ベリ—ですよ。カヴァ—のコムピ盤、イギリスのエイスで組まれた『ロックンロ—ル・

ミュ—ジック ザ・ソングズ・オヴ・チャックベリー』から、ジェリー・リー・ルイズの「リル・クイニー」

でした。1959年の作品です。特徴的な左手のビ—ト感覚が心地良かったですね。

ジェリー・リーはチャックの歌がとても好きだったと言います。仲も良かったみたい。

お互いに変人同士です。果たしてどんな会話をしていたのでしょうか。

次に行きましょう。これも知らなかったカヴァ・ヴァ—ジョンです。ひょうきん

な変人、ドン・コヴェイです。

「メムフィス」。

 

M16.Memphis(3’18”)Don Covay        

-C.Berry- Pヴァイン PCD 17762

 

N  ドン・コヴェイで「メムフィス」。これは傑作ですね。実に良く出来ている。カリブ調に

なってますから「メムフィス・テネシー」ではなくて「ハバーナ、カリビアン・シー」にしても

良かったかもしれませんね。いずれにせよドン・コヴェイの豊かな才能が発揮さ

れたカヴァです。1973年にマ—キュリ—で吹き込んだ作品でした。

この『ロックンロ—ル・ミュ—ジック ザ・ソングズ・オヴ・チャックベリー』は、さすが凝った

コムピの名門エイスから出ているだけありまして、珍しいトラックがずらりと並んでい

ます。かねてよりカヴァに興味をもっていたわたしですら初めて出会う吹き込

みばかり。こういうのは日本では決して組めないですね。Pヴァインからの国内

盤にはオリヂナルの英文ライナの訳も付いていますから、世界が拡がりますよ。ぜひ

こちらでどうぞ。

さて次はビ—ト・グル—プが比較的当たり前に演っているカヴァ・ヴァ—ジョンです。

スウィンギン・ブルージーンズで「アラウンド・アラウンド」。

 

M17.Around And Around(2’09”)The Swinging Blue Jeans

-C.Berry- Pヴァイン PCD 17762

 

M18.幻トラック第8番(6’42”)エルサリー

-unknown-  No Label name No Number

 

N  チャック・ベリ—から一転、正体不明の無国籍音楽へ繋げました。曲名不詳、演者

もエルサリ—としか分りません。以前一度お聞き頂いた事がありますね。人の集ま

る駅改札周辺で夜になるとやって来る路上演奏者のひとりです。おそらく自

作の楽器、木で出来た箱に鉄の弦を渡してあって、それを布の撥で叩いて奏

でます。足はペダルを操作してキックドラムのような音を打ち出します。全てひと

りで同時演奏。お聞きのようになかなかの説得力です。下北沢と渋谷で見か

けた事がありまして、『幻』、『光』と題されたCDをその場で買いました。今

朝は『幻』の8番目のトラックをお届けしました。エルサリ—です。

さて類似穴さんから「サマタイム」のリクエストを頂きました。ところが調べてみる

と、わたしは殆ど持っていないという事が判明いたしました。『チープ・スリルズ』

くらいはありますが、考えたら他の有名なヴァ—ジョンを知らなかったのです。

余りに有名な歌ですが、果たして決定的な吹き込みは誰なのでしょうか。

それでも夜の大捜索作戦の結果、これはやっぱりだな、という録音に出会

えたので、今朝はそれをお届けします。

1959年9月15日、ヌー・ヨークのタウンホ—ルでの実況録音です。

ニーナ・シモンの唄とピアノでどうぞ。

「サマタイム」。

 

M19.Summertime(5’30”)Nina Simone   

-I.& G.Gershwin, Heyward-  Collectable CDL- CD-6206

 

M20.Beyond The Reaf(3’04”)The Mills Brothers  

-J.Pitman-   ユニバーサル  UCCU-9026

 

M21.I Remember You(2’20”)Kui Lee    

– K.Lee-  Sony A28604

 

M22.Na ‘Ali’i(2’02”)Kui Lee

– K.Lee-  Sony A28604

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

 

N  ニ—ナ・シモンの「サマタイム」とても宜しい。如何でしょうか。これに勝るとも劣ら

ないヴァ−ジョンをご存知でしたら、ぜひ教えて下さい。大抵の「スタンダード」あ

るいは「ジャズ」歌手と呼ばれる人ならば、一度は吹き込んでいるでしょうが、

今わたしが考えても考えても、全く浮かんで来ないのですよ。盲点だったな

あ。

続きましてはこの時期の「幻」定番、ミルズ・ブラザ—ズで「珊瑚礁の彼方に」、

そしてクイ・リーのオリヂナル吹き込みで「想い出はいつまでも アイ・リメムバ—・ユー」で

した。さらにはハワイ語で唄われた「ナ・アリ」同じくアルバム『ハワイ伝説集その2』か

らお届けいたしました。

今週の金曜日、国民の休日、山の日、夜の10時から中央エフエムで「音頭で大

盆奢り」の放送があります。全国各地からの聞き方は、お便り欄でソ—ダラ節師

範代が指南してくれています。どうも有り難う。久し振りの相手のいないDJ、

ちょっと調子が出なかったです。はたしてどんな出来具合でしょうか。ご感

想もお待ちしていますよ。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/65bae93b39ca8f9bc0a93fd6a42ff078575c2823

  ダウンロードパスワードは、85ckeszjです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国9500万人のあなたにも。

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/08/05 大家よりお知らせ

鷲巣師匠から最新の【幻】がまだ届いておりませんので、

突然ですが、、、告知をさせてください!

 

来たる、8月11日22時から!
中央エフエムにて、鷲巣さんによる盆踊り特番があります!

真夏特番

音頭で大盆踊り

60分盆踊り尽くし!

サイマルラジオのサイトからなら世界中で聴けます!
是非、お聴きくださいませ。

そのときに素敵なお知らせもできるかとおもいます!

ご期待ください!

大家

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/07/29

mb170729

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。今週は苗場経由でお送りいたしま

す。

ひと雨ありまして、少しは涼しくもなりましたが、八月はこれから。まだ

まだ暑さにはご用心、ご用心。

都心に出ると、本当に暑さを感じます。これは街が火照っているんでしょ

う。もう何年も前になりますが、夜遅く、いや朝早く、午前2時頃までの仕

事が習慣になっていた時期がありまして、自転車で帰る時に、出発点の皇居

周辺は比較的涼しいのですが、新宿御苑を過ぎて明治通りを跨ぐあたり、新

宿四丁目交差点付近に差し掛かると、明らかに気温が上昇して来るのを、毎

回肌で感じていました。建物や自動車のク—ラ—から吐き出される、湿度が高く

油が混じったような熱い空気がベッタリと身体にまとわり付くように、伝わって

来るのです。いかにも24時間大量のエネルギーを燃やし続ける都会的ではありま

すが気持ちの良い物ではありません。

さて遥か遠いナッシュヴィルの空はどんなでしょうか・・・。

 

M01.Om Sweet Om(3’36”)Taj Mahal & Keb’ Mo  

-K.R.Moore, J.Lewis, O.Johan- Concord 0888072024649

 

N  多慈毛ことタージ・マハルとケブ・モで「オム・スウィート・オム」でした。女声はリズ・ライ

トです。こうやって聞くと、ケブの表現の深さがよく分ります。何と言っても声

が特別な奥行きを持ってますし、加えて物語を説き解すようなあの唄い方で

すから聞いていると自然と素直な気持ちになります。これは考えてみれば当

然なのですが、徳の高いお坊さんの講話のようです。

今の「オム・スウィート・オム」にはハーモニカでリー・オスカーが参加しています。久し振り

だなあ。ギターにはジョ−・ヲルシュもいます。ジョ−は次の曲「シェイク・ミー・イン・ヨ・ア—

ムズ」でリードを取っています。お聞き下さい。

 

M02.Shake Me In Your Arms(5’58”)Taj Mahal & Keb’ Mo

-B.Nichols- Concord 0888072024649

 

N  マーカス・ファイニーが叩くドラムスのリズムが本当に気持ちの良い「シェイク・ミー・イン・ヨ・ア

—ムズ」、タージ・マハルとケブ・モでした。ケブの唄のリズムの正確さも凄い。

このアルバムの録音は基本リズムをバークリーで行なった他、全米の各地のスチューディオ

でオーヴァ−・ダブ、そしてナッシュヴィルで最終的に仕上げられています。律儀な詳

細表記がされていまして、そこから全貌がほぼ摑めます。おそらくはかなり

の月日をかけて作られたのでしょう。ひとつひとつの音に重さが感じられま

す。流行最先端のR&Bからは得られない響きです。先々週迄何度も聞いても

らっていたロバート・クレイの新譜と似た手触り、手応えです。こちらは更に幅広

い感性を併せ持っています。

次はアクースティク・ギタ—をタージ・マハル、ケブ・モはリゾネイター・ギター、この二人だけで

奏でられるジョン・エスティスの「ダイヴィング・ダック・ブルーズ」。

 

M03.Diving Duck Blues(4’28”)Taj Mahal & Keb’ Mo  

-J.Estes- Concord 0888072024649

 

M04.The Milky Way Home(4’17”)Sonny Landreth 

-S.Landreth-  Provogue PRD75232

 

N  すぐ側で唄い演奏してくれているかのような「ダイヴィング・ダック・ブルーズ」、

タージ・マハルとケブ・モのアルバム『タジモ−』からでした。

そして場所はロスエインジェルズのアカディアナ芸術センタ—に移ります。発明狂科学者サニ

ー・ランドレスの実況録音盤です。デイヴィド・ランスンのベイス、ブライアン・ブリグナックのド

ラムスというレギュラ—・トリオで「ザ・ミルキー・ウェイ・ホーム」、サニ—版「空の終列車」でし

ょうか。ウチュー的な演奏です。ベイスがとてもいいですね。こういう刺激的な演

奏でも何処か優しいのがサニ—の特色。夜空の遠くに見える天の川をロケットに乗っ

て横断中、そんな気分になりました。

今回のアルバムは普段のトリオにゲストがふたり、鍵盤楽器のスティーヴ・コン、アクースティク・

ギタ—のサム・ブロザードが加わっています。つぎはそのフルメムバ—による演奏で、

「ザ・ユーエスエス・ザイディコールズモービル」。

先週のアフリカン・ヘッド・チャーヂ「ゴスペル・トレイン」にも似た突っ走り調です。

 

M05.The U.S.S. Zydecolosmobile(6’00”)Sonny Landreth

-S.Landreth-  Provogue PRD75232

 

M06.Humming Bird(7’00”)Joe Bonamassa 

-Leon Russel-  J&R Adventures JRA56880

 

N  実況録音が続きます。ジョ−・ボナマッサのこちらも2枚組盤『ライヴ・アット・カーネギ

ー・ホール アン・アクースティク・イーヴニング』から、リオン・ラッセル作の「ハミング・バード」でし

た。

この新譜はレコ—ド店で試聴して納得し即座に購入したのですが、その後で

「はて、ジョ−・ボナマッサって誰だっけ」という事になり、その日会った友人に

「知ってるか」と訪ねた位です。そこでの説明にもピンと来なかったので、過

剰硬直音楽専門家の澤田修博士に聞いてみましたら、次のような答えを戴き

ました。以下、原文ママ。カタカナ全角です。

 

ジョー・ボナマッサはブルーズギタリストですよ。ブルーズ志向の強いハ

ードロックバンド、ブラック・カントリー・コミュニオンでの活動で好き

になりました。番組でもおそらくブラック・カントリー・コミュニオンの

曲をかけていたはずです。ちなみに、ブラック・カントリー・コミュニオ

ンは、ディープパープルのメンバーだったグレン・ヒューズ、ジョン・ボ

ーナムの息子、ジェイソン・ボーナム、元ドリームシアターのメンバーで、

凄腕キーボーディスト、デレク・シェリニアンがメンバーです。

 

お分かりでしょうか、皆さん。こういう人らしいです。文中の「番組」と

いうのは、伝説の「アーサム・ビート」の事でしょう。それでもわたしには不明の

まま。ただ今の「ハミング・バード」でお分かりのように、この盤の充実度は格

別です。全楽器非電気仕様の看板に偽りのない「アクースティク・イーヴニング」です。

流石に音響はいいですね。なんてったってカーネギー・ホールですからね。遠い昔マン

ハタンを歩いていて、偶然この前に出てしまいまして、入り口に白馬に引っ張ら

れた馬車が停まっていたので驚いた事があります。

アルバムには本人からの謝辞も添えられていまして、曰く「あなた方ファンの皆

様なしには、わたしの長年の夢であったカ—ネギ—公演は実現しなかった。あり

がとうわたしの世界水準楽団、裏方さんよ、そしてカ—ネギ—・ホ—ルさま」とあり

ます。よほどこの歴史と伝統の音楽館で演奏したかったようです。

 

ギタリストらしくジョ—の使用楽器も記載されていまして、「1978 Gallagher Doc

Watson、 2012 National Duolian、 1950 Martin D-18、 1947 Martin ooo-28、

1972Martin D-41」だそうです。復刻型ながらリゾネイター付き金属ボディのドブロ

仕様も入ってます。次の曲では、それを使っているようにも聞こえます。

「ザ・ヴァリ−・ランズ・ロウ」。

 

M07.The Valley Runs Low(4’35”)Joe Bonamassa  M.McDonald 

-J. Bonamassa, J.House –  J&R Adventures JRA56880

 

N 「ザ・ヴァリ−・ランズ・ロウ」、ジョ−・ボナマッサの最新2枚組『ライヴ・アット・カーネギー・

ホール アン・アクースティク・イーヴニング』からお送りしました。ハードロック・グループのギタリス

トという話ですが、歌はエルトン・ジョンやドゥービーのマイケル・マクダナウみたいでしたね。

付属冊子の中央見開き頁は今回の世界水準楽団の集合写真で、各員がそれ

ぞれの出自を物語るような民族衣装を纏っていまして、なかなかの画です。

おそらく誰もが日頃は北米で活動していると思われますが白人ばかりではあ

りません。今の「ザ・ヴァリ−・ランズ・ロウ」でジョ−から「ティナ」と声を掛けられ

ていたのはセロと二胡を弾くティナ・グヲ(Tina Guo)です。東洋系ですね。

さて、先週7月21日、平尾昌晃が亡くなっていました。まだまだ若いのに、

ちょっと早過ぎますね。在学中の交流はなかったようですが、慶応高校で加

山雄三と同期だった筈です。

わたしにとってはロカビリ—というよりもウエゥスタン・カーニヴァル歌手の印象が何より

も強いのですが、「大作曲家没す」という報道がほとんどでした。確かにロカビ

リ—三人男の中で音楽で大成したのは彼だけかもしれません。テレビの必殺シリ—ズ

の音楽が彼の担当で、とても良かったですね。「昭和歌謡1945~1989 歌謡曲

黄金期のラブソングと日本人」という著書を読みますと、かなりの箇所でわ

たしも頷ける意見があり、見直した事があります。

西新宿の放送局で働いていた頃、午後の歌謡曲番組に何度かゲストで来てい

たのを見かけました。出演が終ってロビ—に出て来ると、一般の見学者に彼の

方から気軽に話しかけていましてね。よく言われる「気さく」な感じとも違

いまして、わたしにはちょっとした驚きでした。

彼の傑作のいくつかは、豊富ではないわたしのコレクションからも、探せばいく

つかでて来るでしょうが、アルバムとして記憶に残っているのは2013年に英エイ

スでまとめられた『ニッポン・ロックンロール』です。「日本からのエルヴィスへの回答」と

誇らし気に添えられ、護国寺のキング・レコードに死蔵されていた全23曲の録音

を収録しています。

彼が早くから自作を試み、それで大成功していたのは衆知の事実ですが、

ここに収められている作品を通して聞きますと、ウエゥスタン・カーニヴァルで日劇を騒

然とさせていたカヴァ曲と自作曲との隔たりにしばし驚かされます。ほとんど

ロックンロ—ルの影響が感じられないオリヂナル曲なのです。

たとえばこれを聞いて下さい。

「南の島は恋の島」。

 

M08.Minami No Shima Wa Koi No Shima(4’03”)Hirao Masaaki

-S.Mizushima, M.Hirao-  BigBeat CDWKID 313

 

N  平尾昌晃で「南の島は恋の島」でした。ハワイアン・スイングにクラリネットのソロという

地域不明なアレンヂが印象的ですが、唄のどこからもロックンロ—ルが感じられません。

ササキガクさんがツイターで触れていた「ロック夕焼け小焼け」がこのエイス盤に収められ

ている「Yuuykake Koyake」と同じかどうかは不明ですが、こちらも演奏は

エルヴィス調を土台にした安易な「クロック」風で、唄の表層部分には模倣が見られ

るものの、本質的な部分では何より重要なロックンロール衝動が不在なのです。

「星は何でも知っている」とか「ミヨちゃん」などこの頃の自作曲は、それ

以前から平尾昌晃自身が持っていた、この国に生きる人間の琴線に触れる感

性で書かれ、後に連発したヒット曲もその延長線上にあったのですね。これが彼

の「エルヴィスへの回答」です。

イギリス人に珍しい物として興味を持たれたのは想像に難くありませんが、彼

らはその奥に何を聞いた、見たのでしょうか、気になるところです。

それでは平尾昌晃を偲んでもう1曲。

アラン・ゴラゲール作の「黒のブルーズ」。

 

M09.Blues De Memphis(2’46”)Hirao Masaaki

-A.Goraguer, T.Otowa-  BigBeat CDWKID 313

 

M10.Dirty Water(3’56”)ナイトホークス     

-E.Cobb-  BSMF 2567

 

N  実に暗い雰囲気の「黒のブルーズ」、平尾昌晃でした。それに続けたのは「ワシ

ントンDC、お前は俺の心の故郷だ」と唄うナイトホウクスの「ダーティ・ヲーター」。全体は

60年代のイギリスのビートグループのような響きですが、ゆったりしたリズム進行が黒

人音楽ならではの落ち着きを持っています。でナイトホウクスは結成45年という超

ヴェテラン。その昔、オーキトールというブル—ズの唄い手がいまして、何枚かLPを日本

で出していました。その1枚がこのナイトホウクスとのアルバムでした。それからもう

40年近く経った事になります。グループは健在で、2017年にこんな新譜を出し

て来ました。

この「ダーティ・ヲーター」という曲は、アメリカのスタンデルズというグル—プの1966年

のヒット曲です。70年後期にイギリスのディ・インメイツという軽量級ロックバンドがたいそ

うカッコ良くカヴァしてまして、わたしはそれで好きになりました。スタンデルズのオリ

ヂナルでは「ボストン、お前は俺の心の故郷だ」で、インメイツの仕様では「ロンドン、お

前は俺の心の故郷だ」となっていました。居酒屋「北の家族」のコマ—シャルに使

われたとか使われなかったとか。今のナイトホウクスのは、間奏にゼムのグロリア、ジミヘ

ンやストーンズのサティスファクションのリフを、明らかに故意に繫いでいましたね。ヴェテランの

ヨユーでしょうか。

さて先々週お届けしたマイク・チャムピオン、わたしはオ—ストラリアの白人だ、と言って

いましたが、れっきとした黒人でした。アルバムを通して聞いていたら、黒人じ

ゃないか、という思いが沸いてきて、確かめたら南アフリカ出身の両親を持つシド

ニ—生まれの黒人自作自演歌手という事でした。ちょっと複雑だな、わたしの

心境も。

今回のアルバム『経験』は彼にとって2枚目です。辺見マリではないですよ。

全体は、70年後期のソウル・ミュ—ジックを80年代のテクノロジーでなぞった、そんな印

象でした。

彼は大の東京好きだそうで、「渋谷スラムボー」交差点も登場する、

「トキヨウ」というそのものズバリの1曲と、

それにすぐ続く「サムシン・フォ—・ユウ」を聞いて下さい。

 

M11.T.O.K.Y.O(3’10”)マイク・チャンピオン  

-M.Champion-   Pヴァイン PCD-14647

 

M12.Something 4 U(4’52”) マイク・チャンピオン

-M.Champion-   Pヴァイン PCD-14647

 

M13.Black And Blue(2’50”)Little Willie Jackson    

-A.Razaf, F.Waller, H.Brooks-  PCD-24625

 

N  70年後期のソウル・ミュ—ジックを80年代のテクノロジーでなぞった2017年のR&Bか

ら、正真証明の1950年代音楽へ「進み」ます。

『キングストン・バウンス ~ ルーツ・オヴ・スカ』というコムピレイション・アルバムです。誰もが

好きなジャムプ・ブルーズはこの「幻」でも何回も繰り返してお聞きいただいて

おります。同じようにこの音楽はカリブの島ジャマイカでの人気も高く、そちらで

評判の良かった楽曲の魅力的なコムピ盤も以前には紹介してきました。

この『キングストン・バウンス』は、アメリカの名門ブルーズ/R&Bレイベル、モダーンの豊富

な録音から、ジャムプ・ブルーズを選りすぐり、さらにジャマイカのスカ的観点を通し

てまとめられた物です。

全26曲、たっぷりとお楽しみ頂ける内容です。只今のはリトル・ウイリー・ジャクス

ンという紛らわしい名前の男が唄った「ブラック・アンド・ブルー」でした。

では次は、選曲者に因んでお届けしましょう。

ボビ−・レイと彼のオーケストラで、「ブルー・マムボウ」。

 

M14.Blue Mambo (2’39”)Bobby Rey & His Orchestra     

-Freeman-  PCD-24625

 

M15.Sweetest Little Girl(2’08”)Jimmy Nelson    

-J.Nelson-  PCD-24625

 

N   「ウーッ」という掛け声が聞こえてきそうな「ブルー・マムボウ」、素敵です。

続いてジミー・ネルスンの「スウィート・リトル・ガール」、ジャマイカ人を刺激したシャッフル・ビー

トが心地良いですね。こういうリズムがラジオの電波に載ってカリブ海を渡って途中

で変調ズレを起こし、当時のジャマイカ統治への一般庶民の反逆心情とも相まって

スカの裏拍強打につながったというのが、ずっと前からの私の持論です。しか

しながら、どこからの肯定も異論も反論も未だありません。今回の『キングストン・

バウンス』は、それを実証する作品となって欲しいですね。

さて名門モダーンにはプロデューサー/バンド・リーダーとして鬼才アイク・ターナーが出入り

していました。ご存知アイク・アンド・ティナのアイクです。彼は沢山の興味深い録音を

このレイベルに残しています。この盤にもアイクの息のかかった作品がいくつかあ

りますが、今朝は本人名義のカッコ良い1曲をどうぞ。

「ク—バノ・ジャムプ」。

 

M16.Cubano Jump(2’15”)Ike Turner & His Orchestra

-J.Josea,I.Turner-  PCD-24625

 

M17.One Whole Year Baby(2’56”)Warl Curry & His Orchestra   

-W.Curry-  PCD-24625

 

M18.Jump Jive, Then You Wail(3’44”)リル・ロニー&ブルー・ビーツ      

-unknown-  BSMF 2566

 

N  アイク・ターナーで「ク—バノ・ジャムプ」、1月から12月までの呼び名を繰り返して読

み上げる歌詞が耳に残る「ワン・ホウル・イヤー・ベイビ−」、ジャムプ版キャレンダ・ガールで

しょうか。土居まさるの唄にも似たようなのがあったなあ。アルバム『キングストン・

バウンス』からでした。

続いた女声リ—ドのジャムプ・ブル—ズはリル・ロニー&ブルー・ビーツという現代のグルー

プです。活動歴は長いらしく、今の「ジャムプ、ジャイヴ、ゼン・ユー・ウェイル」は23

年かけて完成させたアルバムに収められています。制作を始めたのは1991年と

言いますから、たいした持続力です。リ—ダ—のリル・ロニーはハ—モニカ奏者で、今の「ジ

ャムプ、ジャイヴ、ゼン・ユー・ウェイル」でも快調なブロウが聞けましたね。

このように1950年代のジャムプ・ブルーズは今世界中で楽しまれていますが、

長い間オリヂナルを集めた国内盤の発売がありませんでした。久し振りの『キングス

トン・バウンス』からは、これからもお聞き頂く予定です。どうぞお楽しみに。

さて次もブル—ズを好きな女性歌手。新しいアルバムでも彼女なりのブルーズを

力一杯に披露しています。わたしが気に入ったのは、ちょっと抑えた表現の

カントリー曲でした。今朝の最後です。

カレン・ラブリーで「パンク・ロック・ジョニー・キャッシュ」。

 

M19.Punk Rock Johnny Cash(4’23”)カレン・ラブリー

-unknown-  BSMF 2565

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  カレン・ラブリーで「パンク・ロック・ジョニー・キャッシュ」、如何でしたか。この歌の背景を

只今調査中。ご存知の事象ありましたら教えて下さい。充分に精査してお伝

えしたいところです。

先週の「夏の日の恋」のヴォ—カル・ヴァ—ジョンにつきましては矢島京子さんか

ら4つの例を教えて貰いました。ワルツでアレンヂされたジェリー・ロンドンのヴァージョン

が気に入りました。

アンディ・ウイリアムズ嫌いへの反響、ありましたね。みんな好きなんだなあ。ひ

とつカタコト関連で手に入れた決定的なシングル盤があります。これを聞いたら、み

んなもきっとわたしの考えに同意してくれると思うんですが、わざわざ嫌い

な物を紹介するのもなあ・・・、思案中です。

グリ子さん、お帰りなさい。ああ、良かった。お料理が好きなんですね。そ

れとお酒も。ワタシ、付き合えますよ。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/67d527b899b23d2b5122dcddb793665e144ed176

  ダウンロードパスワードは、ge5qfybjです。

さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国9500万人のあなたにも。

 

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/07/22

mb170722

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

イナヅマが光り、カミナリが鳴り響き、ヒョウが降りました。わたしも丁度外出直前。

軒下で土砂降りをやり過ごし難は逃れましたが、鉄道の遅れで約束には間に

合わず、相手を待たせてしまいました。

2週間程前の九州北部豪雨の被害状況は、時と共にさらに分ってきました。

泥水、濁流、激流に呑まれてしまう怖さ、恐ろしさ、改めて思い知らされま

す。先週のヌーズでは、休校だった小中高の各学校が授業を再開して、そこに

みんながまた通ってきた姿がとても印象的でした。元気でやって行こう。少

なくとも首都圏で9人はみんなを応援しているよ。どこかで「幻」を聞いて

いてくれ。

それでは今朝も始めましょう。

「モーニン・ブルーズ真夏の名曲百選」から今年もお届けします。

1959年の映画「避暑地の出来事」から「夏の日の恋」、

パーシー・フェイス楽団でどうぞ。

 

M01. 夏の日の恋(2’49”)パーシー・フェイス楽団 

-M.Steiner-  ソニー MHCP 63

 

N  ウーン、名曲ですね。「夏の日の恋」、パーシー・フェイス楽団でした。これは1959年

の映画「避暑地の出来事」の主題歌で、本来は歌曲、歌詞もあるそうなんで

すが、わたしはこれまで聞いたことがありません。ウェブサイトで「唄アンディ・ウイリ

アムス」と紹介されていて聞く事も出来ます。ただわたしはどうしても彼の声を

聞くのが嫌なので、未聴。どなたか上質なヴォーカル・ヴァ—ジョンを教えてくれま

せんか。夏が通り過ぎて行く前に・・・、ぬわんちって。

 

M02.Don’t Leave Me Here(5’03”)Taj Mahal & Keb Mo’  Billy Branch hca.

-K.R.Koore, T.Mahal, G.Nicholson-  Concord  CRE00431  0888072024649

 

N  「迫力あるう」と唸りたくなるこの響き、タージ・マハルとケブ・モーという、なる

ほどと確かに頷ける顔合わせの「タージモー」です。1942年と1951年生まれ、

そんなに歳は離れてないですね。でもタージが60年代後半から世に出ているの

に対してケブは正式なデビュ−が94年ですから、メイジャー・カリアでは随分と差があ

ります。正直なところ、ケブはもっと若いと思ってました。

お互いに独創的で群を抜いた音楽性を持っている点で重なります。その土

台はブルーズ、というところも共通しますね。特にタ—ジは70年代以前からカリブ

他の幅広い音楽に親しんでいたため、日本の偏狭な音楽ファンからはなかなか理

解されませんでした。ブル—ズマンとして紹介されたハンディ・キャップもあったでし

ょうね。当時この国でブルーズと言えばスクイーズ・ギターが動き回るハ—ドロックのお手

本となったシカ—ゴのバンド・スタイルしかないような風潮でしたから。

今回のアルバムは両者の共同制作。どちらが声を掛けたのかは不明ですが、ま

ずは大成功。顔と名前だけで完成、となってしまう大御所どうしですが、要

所に適材をあてがって、かなり奥の深いアルバムに仕上げています。流石です。

今朝は試聴器でまず飛び込んで来る冒頭曲「ドント・リーヴ・ミー・ヒア」、来週以降

も何曲か聞いてもらうつもりです。タージモー、但馬春と毛撫毛でした。

ケブ・モーはドブロ・ギタ—をよく弾きます。ラリ—・カールトンと一緒に東京に来た時

に使っていたイレクトリックのドブロもいい音がしていました。そう言えば、ここの

ところドブロの音色を耳にする事が多くなっています。新しい録音にこの古い

楽器が重用されているのが、嬉しいですね。そんな折も折、昨年イエビスで大活

躍したスライドギター教授、サニー・ランドレスの2枚組実況録音盤が届きました。この

中から、ドブロもソロを取る「ア・ワールド・アウェイ」を、まず聞いて下さい。

 

M03.A World Away(7’34”)Sonny Landreth   

-S.Landreth-   Provogue PRCD75232

 

N  サニー・ランドレス自身のヴォーカルをフィーチュアした「ア・ワールド・アウェイ」、最新の2枚組実

況録音盤からでした。「サマタイム」に似た感じです。サニーのソロの導入部にそのライン

が使われていたのも、同じ連想からかな。彼の唄はとても初々しい味わいを

もっていますね。研究狂科学者的風貌とはだいぶ距離を感じます。今のソロ・オ

—ダ—は、まずスティーヴ・コンのアコーディオン、次にギタ—のサム・ブロザード、そしてサニーの

ドブロになっています。サニ—のはマイクの仕込んであるイレクトリック・ドブロですが、写

真で見ますとマイクロフォーンも楽器に向けて立てられているので、両方で拾ってい

るのかも知れません。独特の音色です。このアルバムもなかなか強力でした。2

枚組なので素材は豊富。まだまだお聞き頂きますよ。

さて、ドブロと言えばシャーマン・ホームズ・プロジェクトの最新盤で活躍するロン・アイクス。

今朝も1曲どうぞ。アルバート・キングのナムバです。名手アル・ジャクスンも作者の一人

に名を連ねた「ブレイキング・アップ・サムバディズ・ホーム」。

 

M04.Breaking Up Somebody’s Home(6’30”) シャーマン・ホームズ・プロジェクト 

-A.Jackson jr., T.Matthews-  BSMF 2562

 

M05.Biscuits And Gravy(4’43”)ロン・アイクス & トレイ・ヘンスリー  

-unknown-  BSMF 6086

 

N  「ブレイキング・アップ・サムバディズ・ホーム」シャーマン・ホームズ・プロジェクトに続いては、

そのドブロ奏者ロン・アイクスがヴォ—カリストのトレイ・ヘンスリーと組んで作ったアルバム、その

名も『ザ・カントリー・ブルーズ』からインストゥルメンタルの「ビスケット・アンド・グレイヴィ−」、

これはスティール・ギタ—でしょうか、かなり高度な技術でスイング感たっぷりに聞か

せてくれました。これは1年前の発売だったかな。多分ですが一度紹介して

いる筈です。トレイ・ヘンスリーの唄にはジェイムズ・テイラーを連想させる瞬間があります。

次の1曲ではどうでしょうか。サニーボーイ・ウイリアムスンIIの代表曲でもあります。

「ワン・ウェイ・アウト」。

 

M06.One Way Out(5’07”)ロン・アイクス & トレイ・ヘンスリー

-A.Miller-  BSMF 6086

 

M07.What Are You Listening To(4’15”)ラシー・フォスター

-C.Stapleton-  BSMF 2563

 

N  抜群なノリでお聞き頂きました「ワン・ウェイ・アウト」、ロン・アイクス & トレイ・ヘンスリー。

そしてこちらもここしばらく続けてお届けしている、ラシー・フォスターの『ジョーイ・

カムズ・バック』からまだ紹介していなかった冒頭曲「ワット・ア−・ユー・リスニング・トゥ」

です。クリス・ステイプルトンという、カントリー系のヴォ—カリストの作品を、ラシーが情感豊かに

唄っています。いつかお話ししたように、現代の南部カントリー・ソウルとして出色

の仕上がりですね。このアルバムはラシーのヴォーカリストとしての成長が如実に現れて

います。自作にも期待だな。

さて先週は発表曲目の間違いを早々に指摘されて、訂正するという不祥事

がありました。重ねてお詫びいたします。まずアフリカン・ヘッド・チャーヂの方から

行きますと、これはLP3枚をそれぞれCDにしたもので、紙ジャケットの箱物か

らでした。ジャケット、レイベルは当初オリヂナルの復刻ですが、収録曲にはボ—ナスが付

いているものですから、かなり楽曲特定には混乱しました。それがあのよう

な間違いにつながったようです。

今朝はその時に「ヒ—リング・セエレモニー」の対立候補として挙がっていたトラックを

お聞き頂きましょう。

まず「ゴスペル・トレイン」です。

 

M08.Gospel Train(3’03”)African Head Charge

-B.Anderson, A.Maxwell,B.Alexander-  BRC-290

 

N  サムバで使われるクイーカ、筒に皮を張って中心に棒を付け、それを擦って鳴ら

す楽器、あれに似た音がずっと入っていましたね。何を使って出していたの

でしょうか。「ゴスペル・トレイン」、アフリカン・ヘッド・チャーヂでした。イギリスに住んだジ

ャメカ難民たちが創り出した音楽文化は非常に独特で、どれもこのように極端な

音響操作が施されています。それがリミクスという概念を生みダブに繋がり、白

人を介在してテクノやユーロビート、クラブミクスにもなって行くのですが、大事なのはマル

チ・トラックとエフェクターを操る事ではなく、まずビ—トへの探究心、そして音そのもの、

つまり空気の振動に対する嗅覚でしょう。奇しくもこの解説に次のような行

りがあります。

「ダブは身構えや態度のことで、真実はフィ—リングにあり、サウンドではない」

御意。オン説ごもっともであります。極端な電気効果を多用するアフリカン・ヘッド・

チャーヂに静かな場所で浸っていると、原点はキリスト教が極度に変化したラスタファリズ

ムの儀式ナイヤビンギで執り行われる音楽演奏による自然との交信にある、そんな

思いになって来ます。

ではもう1曲、「ヘディング・トゥ・グローリ」。大きな音でどうぞ。

 

M09.Heading To Glory(4’35”)African Head Charge   

-B.Anderson, A.Maxwell,B.Alexander-  BRC-290

 

M10.Bitch Dub(4’35” Linto Kwesi Johnson / Dennis Bovell    

-L.K.Johnson, D.Bovell-   Mango  182-539 650-2

 

N  アフリカン・ヘッド・チャーヂで「ヘディング・トゥ・グローリ」、このヴォ—カルのフレイズからは、

非常にイギリス的なものを感じます。ユーリズミクスが使いそうなモティーフですね。続け

ましたのは、こちらも先週の間違い表記にあったリントン・クウェシ・ジョンスンとデニス・

ボーヴェルの「ビッチ・ダブ」でした。両者の間のはっきりとした違いを聞き分け

て下さい。共に相当な喫煙者ですが、効能に違いが出ているようです。

さて、リクエストは誰だっけ、と探していたらなんと北国の少女でした。5月18

日に亡くなったジャメカの本格派、フランキー・ポールです。彼の事はこの国に初登場

した時から知っていまして、好きな唄い手のひとりでした。と北米のソウル・ミュ

—ジックの影響を強く感じさせてくれたのが、当時は心地良かったですね。その

後ダンス・ホ—ル・スタイルの大波が彼の地の音楽を一変させた後でも、彼の存在は揺

るがず、大御所として君臨し続けました。1994年に日本に来た時は公演を手

伝ような仕事をしていたので、かなり近くに居ました。わたしは現場を目撃

していませんが、滞在先のキャピトル東急ホテルで池の錦鯉に餌を与えていたという

情報があります。「なんだ、見えてるんじゃないか」そう思った人は何人かい

る筈でしょう。本番の待ち時間に「ブランデ—を呑みたいから一旦ホテルに戻る」

と日本側の世話役を困らせていた姿は、日比谷野音の楽屋でわたしもしっか

り見ています。

その時に渋谷のクラブ・クアトロで行なった単独公演がCDになっています。こ

れはその当日午後に呼び屋の社長から「ライヴ録るから来てよ」と呼び出され、

携帯型DAT を持って慌てて行った録音でした。名手デイヴィッド・ロウが一緒に

来ていたのでミクスは文句なしですが、何の用意もなく駆けつけたので、場内音

収録のマイクを立てられず、臨場感が乏しい録音になったのが悔しい。

次に聞いてもらう「アイ・ノウ・ザ・スコア」でも後半の観客からの反応が聞こ

えないのは残念です。フランキ—はほぼ完璧に唄っていますね。

ではどうぞ。1994年5月18日、渋谷クアトロでのフランキー・ポ—ルです。安らかに。

 

M11.I Know The Score(6’23”)Frankie Paul

-F.Paul-  バッド・ニュース BN-009

 

M12.アイ・カム・フロム・ジャマイカ(2’37”)クリフォード・ブラウン

-C.Powell-  ソニ— SICJ 20

 

N  先週のブラッデスト・サキソフォンの新譜からお送りした「アイ・カム・フロム・ジャマイカ」、

これがオリヂナルのようです。作者のクリス・パウェルが唄っています。日本で出てい

るCDはクリフォード・ブラウン名義の『ザ・ビギニング・アンド・ディ・エンド』という盤

ですが、正規の演奏者クレジットは、「クリス・パウェル・アンド・ヒズ・ブルーズ・バンド」

となっていまして、そこにクリフォードがパツラ担当で参加していたのです。早くし

て亡くなった事もあり、かなり禁欲的な人格で捉えられがちなクリフォ—ド、おシゴ

トではこんなC調なカリプソ風R&Bも吹いていたのです。そのセッションで同時に録

音されたもう1曲、これもあっと驚くナムバでした。

 

M13.Ida Red(1’59”)クリフォード・ブラウン

-C.Powell-  ソニー SICJ 20

 

N   ご存知「アイダ・レッド」、チャック・ベリーのデビュ—曲「メイベリーン」の元歌です。

カントリ—・スィングの古参、ボブ・ウィルスとテキサス・プレイボーイズの持ち歌でヒルビリ—のヒット

曲でした。それをクリス・パウェル・アンド・ヒズ・ブルーズ・バンドが録音していたと

は、驚き。クリフォードは短いですがソロも取ってました。発売されたシングルは先の

「アイ・カム・フロム・ジャマイカ」がA面、この「アイダ・レッド」がその裏、演奏はブル

ーズ・バンドを名乗る黒人のジャズ楽団。恐ろしいクロスオーヴァです。

では、その「アイダ・レッド」を更にカントリ—好きな黒人ブル—ズ・シンガ—/ギタリストが

自分なりに作り替えた「メイベリーン」を、白人カントリ—歌手が唄ってカントリ—番付で9

位を記録した、マーティ・ロビンズのヴァ—ジョンを聞いて下さい。

 

M14.メイベリーン(2’29”)マーティ・ロビンズ  

-C.Berry-  Pヴァイン PCD 17762

 

N  マーティ・ロビンズの「メイベリーン」でした。このカントリ—料理には何の違和感もありま

せんね。こっちの方がオリヂナルみたいです。チャック・ベリー自身も本当はこんな風

に仕上げたかったのではないでしょうか。

これは『ロックンロ—ル・ミュージック〜ソングス・オヴ・チャック・ベリー』という英国エイスで

組まれたコムピ盤からの選曲です。これは本人が亡くなる前、新録の発表をし

た前後に制作されたものらしく、解説で死亡については触れられていません。

それが余計に運命的な物を感じさせるのですが、流石エイス、今迄知られている

ベタなカヴァではなく、かなり珍しいヴァ—ジョンを集めています。選曲作業はさぞ

や楽しかった事でしょう。

ではこれも珍しい異色の出来映えです。

泣く子も黙る「ジョニー・ビ・グッド」。

 

M15.Johnny B. Goode(2’46”)Jay & The Americans       

-C.Berry-  Pヴァイン PCD 17762

 

N  ジェイとアメリカンズで「ジョニー・ビ・グッド」でした。これは通常発想出来ないアレ

ンヂですね。故郷を離れてギタ—無宿少年の出世街道「前編」が、ハ—プシコ—ドや

弦セットを混じえたソフトなポップに生まれ変わっています。良く出来てるね。

ジェイとアメリカンズはヌー・ヨークのイタリア移民を中心とした白人ドゥー・ワップ・ヴォーカル・

グループ。この選曲自体が意外です。そのくらいオリヂナルがヒットしてたって事でし

ょうか。ロックンロ—ルのギター・ヒーローより、自分たちの成功を夢見る歌に改作しても

良かったんじゃないでしょうか。ゴウ、ジェイ、ゴウ、ゴウ、ゴーズ・オン。

次も珍しいですがシングル曲でした。当時わたしは知っていたけど、こんなに

趣のある作品だとは気付いていなかったな。きっと真面目に聴いてなかった

んでしょう。

カルロス・サンターナの「ハヴァーナ・ムーン」1983年の発表で、ヴォ—カルはなんとブッカーTジ

ョーンズです。

 

M16.Havana Moon(4’10”)Carlos Santana Vocal:Booker T    

-C.Berry-  Pヴァイン PCD 17762

 

M17.Rock Your Baby(6’03”)George McCrae          

-H.Casey, R.Finch-  T.K. 501

 

M18.浪路はるかに(2’09”)ビリー・ヴォーン     

-B.Bacharach- ユニバ—サル UICY 80038

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  ハバナからマイアミに戻って、ジョージ・マクレアで「ロック・ヨ・ベイビ−」、更にはビリー・

ヴォーン楽団で「浪路はるかに」、共に「モーニン・ブルーズ真夏の名曲百選」から、

お届けしました。これはバカラック作曲なんですね。原曲は別で、ビンクロ仕様もあ

るそうですが、これも聞きたくないな。やはりビリー・ヴォーンですよ、絶対に。

久し振りにワトゥーシ・アイザオが電波に載ります。東京都中央区のコミュニティ・エフエム

放送局、チューオー・エフエムの「真夏特番 音頭と盆踊り」でワツシが発声いたします。

2017年8月11日、22時から23時、午後10時から11時まで。旧盆の入

りを前に、この国の夏になくてはならない行事、風物詩である盆踊りを多面

的に考察・・・、出来るでしょうか、お楽しみに。

来週の土曜日、29日には中野駅北口の広場で中野区民謡連盟主催の盆踊り

があって、ちょうど太陽が建物に隠れる前、ビル、アスファルト路面の照り返しで最

も暑くなる午後4時頃、わたしも現場にいる筈です。昨年は灼かれる思いで

した。果たして今年は・・・。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/1fcebb548be56f3d72d9c808563173c61804135b

  ダウンロードパスワードは、54sxpb74です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも。ワツシイサヲでした。

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/07/15

mb170715

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。もうじき夏至から1ヶ月です。

午前3時は真っ暗、これからもっと暗くなる、それはないですね。今週秋の

風が吹いたのに気付いた人はいるかな。真夏はもう秋なんです。今朝はさて

そんな風がとても似合う1曲で始めましょう。

これまでのソウル・ミュージックのスタイル、歌唱はすっかり北米以外の白人が担うよ

うになった、これは昨今わたしがしきりに強調する現象です。そしてまたこ

こに同系統の人間が登場しました。こんどはオーストレイリアからです。

その名はマイク・チャムピオン。まずはお聞き下さい。南半球のソウル・ミュージックです。

 

M01.エクスペリエンス(4’46”)マイク・チャンピオン   ロック・ウィズ・ユー

-unknown-   Pヴァイン  PCD-24647

 

N  マイクー・ジャクスンの「ロック・ウィズ・ユー」の影響が非常に強く感じられますね、意

識してやってんのかな。マイク・チャムピオンで「イクスピアーリアンス」でした。とても滑ら

かな唄声は、確かに洗練された70年代以降のソウル・ミュ—ジックの流れを受け継ぐ

物でしょう。ヨ—ロッパでの同傾向の現象は度々紹介して来ましたが、南半球で

もこういう状況なんですね。洗練を求めた緻密な編曲と高度な演奏力で構成

されたこの時代のソウル・ミュ—ジックが様々な国でポップ音楽のお手本になるのは理

解出来ます。ただかつては完全にアメリカの職業音楽人の領域でした。それがこ

のような世界各国の自立系音楽家達によって実演されるようになって来てい

るのも、驚きと言えば驚き。

この国でだって80年代のカヨー曲は多かれ少なかれ、ソウルかそれをなぞった欧

米のポピュラ—音楽の真似をしていたのですからね。ただ言語の問題は遺憾とも

し難く、ここからの綻びが「あ、歌謡曲だ」になってしまっていたようです。

それとは別に「洋物に似ていれば偉い」というこの国独自の判断基準がウラ

の評価としてありましたが、その辺はわたしの生涯追究課題でもあり、加え

て非常に複雑ですので、また場を改めます。マイク・チャムピオンで「イクスピアーリアンス」

でした。アルバムも聞いてみますから、またお楽しみに。

さて次は先週「グリーン・リヴァ」を聞いてもらったシャーマン・ホームズです。このアル

バム、『ザ・リッチモンド・セッション』の出来がなかなか良くて、既に何度か繰り返し

て聞いています。わたしはホームズ・ブラザーズ時代も多少は聞いていましたが、

はっきり言って心に残るような良い曲が少なかったですね。その点、今回は

既存の本人お気に入りの楽曲が揃えてありますから、手応え充分。渋い味わ

いの演奏で、心地良い世界を創ってくれています。

今朝はヴィンス・ギルの作品です。

「ライザ・ジェイン」。

 

M02.Liza Jane(5’40”)Sherman Holems Project

-R.Nielsen, V.Gill- BSMF 2562

 

M03.Hound Dog(3’50”)ダニ・ワイルド       

-J.Leiber, M.Stoller-  BSMF 2560

 

N  シャ—マン・ホ—ムズの「ライザ・ジェイン」でした。続けては湯煙夏原「ハウンドグ」、

ダニ・ワイルドというイギリスの女性歌手の最新盤からです。甘えん坊な声はノーラ・

ジョンーズ的にも聞こえますが、未熟若輩省みず、こんな大曲に挑戦するいい度

胸を持っています。

アクースティク、イレクトリックと分けて収録された今回のアルバム、今の「狂犬」はイレクトリッ

ク領域でした。ピアノ・ソロが秀逸でしたね。ハ—モニカはダニの弟のウィル・ワイルドです。

次はアクースティク仕様で、ブルーズの大姉御メムフィス・ミニーの名曲「バムブル・ビ−」。

 

M04.Bumble Bee(3’36”)ダニ・ワイルド          

-M.Minnie –  BSMF 2560

 

N  勿体着けた終り方に何か含むところあるのでは、と勘ぐらざるを得ない「バ

ムブル・ビ−」、ダニ・ワイルドでした。甘えたような声とは裏腹にかなり意志の強

さも感じられる唄い方です。力入ってますね。声や唄い方には北米の女性カント

リー歌手に近いものも感じられます。

ここまでの2曲でお分かりの通り、このアルバムは自然な雰囲気のライヴ・セッショ

ン録られています。楽器の素朴な音色だけでなく、演奏者がつい発した掛け声

などが聞こえて来るところが嬉しいですね。あ、そうそう、彼女はギタリストで

もありまして、大半は自分で弾いています。趣味悪くないですね。

次は迫力充分のイレクトリック・ブルーズ曲。ここでの唄声はなかなか他で得難い味

わいです。

「ドント・クウィット・ミー、ベイビー」。

 

M05.Don’t Quit Me Baby(3’43”)ダニ・ワイルド 

-unnkown-  BSMF 2560

 

M06.SNK Shuffle(4’07”)ブラッデスト・サキソソフォン feat. ビッグ・ジェイ・マクニーリー  

-Shuji-  スペースエイジ SPACE-006

 

N  ダニ・ワイルドの「ドント・クウィット・ミー、ベイビー」ブルーズに続けたのは、ブラッディスト・

サキソフォーンとビッグ・ジェイ・マクリーニーの合作アルバム『ブロウ・ブロウ、オールナイト・ロング』か

ら「SNKシャフォー」。メムバ—のギタ—担当シュージの作品ですが、どこかで聞いたよ

うなメロディが耳について離れません。1950年代のエレヴェイター・インストゥルメンタルR&B

的な音色処理も成功しています。

2年前の2015年の11月に山中湖のギャラクシ—・ステューディオで録音。使用機材が

細かく記載されています。多分マルチトラックを使った多重過程ではなく、みんな揃

って一緒に通して演奏したようです。ブラッディスト・サキソフォ−ンは抜群のアンサムブル力

ですから特別な事ではないでしょうが、よくやりました。

言葉のやりとりが上手く出来なくとも、そこは音楽の力、お互いの応答で

順調に進んで行きます。次はビッグ・ジェイがこの吹き込みのために新しく書い

て来た曲だそうです。

「アイ・ヲント・ビ・ウィズ・ユー」。

 

M07.I Want Be With You(3’58”)ブラッデスト・サキソソフォン feat.ビッグ・ジェイ・マクニーリー 

-J. McNeely-  スペースエイジ SPACE-006

 

M08.I Came From Jamaica(5’16”)

ブラッデスト・サキソソフォン feat.ビッグ・ジェイ・マクニーリー

-C.Powell-  スペースエイジ SPACE-006

 

N  詩的情緒溢れる「アイ・ヲント・ビ・ウィズ・ユー」、そしてカリプソ風味で「俺はジャ

メカから来たさ」、ブラッディスト・サキソソフォンとビッグ・ジェイ・マクニーリーでした。ビッグ・

ジェイは1927年の生まれですから、カリプソが世界的に流行った50年代は現役真

っ只中。これはクリフォード・ブラウンも吹き込んでいるナムバです。スウィンギン・バッパー

ズが採り上げそうですね。既にリパトゥワに入っているかも。

このように選曲が幅広く全体のサウンド傾向は同一ですが、なかなかに楽しま

せてくれるアルバムです、『ブロウ・ブロウ、オールナイト・ロング』。

そして「まさかこれは」と思っていたこの歌の仕上がりが良かった。じっ

くり聴いて下さい。

「落ち込んでる時にゃ、誰も見向きもしてくれないよ」、これが世の常。

 

M09.Nobody Knows You When You’re Down And Out(6’20”)   

ブラッデスト・サキソソフォン feat. ビッグ・ジェイ・マクニーリー

-J.Cox-  スペースエイジ SPACE-006

 

M10.旅立て俊徳丸(4’53”)初音家賢次  

-trd. Arr.by K.Hatsuneya, I.Washizu- 歌舞音曲 KB-1001

 

N  「ノーバディ・ノウズ・ユー、ウェン・ユー・ダウン・アンド・アウト」ブラッディスト・サキソソフォンと

ビッグ・ジェイ・マクニーリー、リラックスしきったビッグ・ジェイのヴォーカルは、自身の90年

の人生を語っているようでした。これは「いいね」だね。ブラッディスト・サキソソフォ

ンの方向性については、多少意見もあるのですが、今回の作品は合格です。よ

くやった、シンタロー。

それに続けましては故初音家賢次の「旅立て俊徳丸」でした。独特のパンク

な感覚が漂います。やはりこの人は名人ですね。現録音は無伴奏で延々と二

十分以上を詠んでいます。そのタイム感の正確さ、そこから繰り出されるビ—ト、

これが恐ろしい。初めて聞いた時には、本当に舌を巻きました。長年劣悪な

音響環境の「ヤグラ」で鍛えられたからでしょうか。研ぎ澄まされたような音

感が輝いています。

さてもう近づいて参りました「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」、36回目

となります。

今年の対抗会派の二つ、ひと組は河内松原に本拠を構えるファミリー会。鉄砲系

の師匠、ファミリ—光博を中心とした、もうヴェテラン会派です。とは言え、息子、娘、

娘婿などの若い陣営に支えられたリズムのイキの良さは、現在の河内でも屈指の

評判です。きっと皆さんをシビレさせる事でしょう。

もうひとつの「関西音頭連盟 羊の會四十二」というのはいわゆる芸人の一

家ではなく、江州音頭の近江若三郎を代表理事とする企画集団で、各種のイヴ

ェントを独自に会派に囚われず開催、運営を行なう新機軸。このような形で音頭

会、踊りの会が開かれ始めているところに、次の時代の息吹が感じられます。

今回はこれまで錦糸町に縁のなかった音頭師、鳴り物師を擁し、新鮮な出し

物を披露してくれるでしょう。

今後も新しい情報をお伝えいたして行きますが、今朝はまず出演の決定し

ているメムバをここで紹介しておきます。

ファミリ—会

ファミリ—光博  河内音頭

ファミリ—博美  河内音頭/江州音頭

ファミリ—博夢  河内音頭/太鼓

ファミリ—博希  河内音頭/ギター

司家 貴嗣    河内音頭/三味線

月乃家 菊二   河内音頭/太鼓

ファミリ—ゆかり 三味線

瀧乃家 尚紀   ギター

ファミリ—博彦  お囃子/ベース

ファミリ—博奈  お囃子

 

関西音頭連盟 羊の會四十二

生駒一久   河内音頭

生駒尚子     河内音頭

大道とおる   河内音頭

永田充康      河内音頭

河洲虎丸      河内音頭

久乃家夢太   河内音頭

八常大介      河内音頭

近江若三郎   江州音頭

八常鶴若   太鼓

生駒竜也    ギター

ひふみ家三郎 ギター

京極由加    三味線

櫻 奈美路   三味線

近江秀丸    囃子

 

以上です。近年になく初登場の名前が多いので、大いに楽しみですね。

2017年8月30日(水曜日)

8月31日(木曜日)

両日とも午後5時開場 午後5時30分開演

竪川親水公園内特設会場(首都高速道路7号線高架下)

JR総武線錦糸町駅 東京メトロ半蔵門線錦糸町駅 から徒歩5分

都営地下鉄新宿線/東京メトロ半蔵門線 住吉駅から徒歩10分

問い合わせ先:03-3631-8506 関根楽器 午前10時から午後6時まで

詳細掲載ウェブサイト:盆踊り広場イヤコラセ東京

http://www.iyakorase.com/

本番前に踊りの練習会もございます。思い出しておきたい方、おさらいを

したい方、どうぞご参加下さい。この後は以下3回予定されております。わ

たしも裏方を手伝っております。

7月19日(水曜日)午後6時から8時まで  江東橋三丁目会館

8月11日(金曜日)午後1時から4時まで  本所地域プラザ4階

8月21日(月曜日)午後6時から8時まで  江東橋三丁目会館

 

では情報整理の背景音楽に河内音頭「旅立て俊徳丸」の冷や醒ましダブを

お届けいたします。夜明けですが大きな音でどうぞ。

 

M11.旅立て俊徳丸 冷や醒まし惰撫(3’46”)速水直樹  

-trd. Arr.by K.Hatsuneya, I.Washizu, N.Hayami- 歌舞音曲 KB-1001

 

M12.Bitch Dub(4’35)Linto Kwesi Johnson / Dennis Bovell

-L.K.Johnson, D.Bovell-   Mango  182-539 650-2

 

M13.Release The Doctor(3’53”)African Head Charge  

-B.Anderson, A.Maxwell,B.Alexander-    Beat Records BRC-290

 

M14.Eastan Standard Time(4’43”)Courtney Pine

-D.Doramond,J.Mittoo,I.Brivett,I.Knibbs,R.AlphonsoI.Sterling,J.Moore,

T.McCook,J.Haymes-   4th & Broadway 162-444 054-2

 

N  「旅立て俊徳丸」の冷や醒ましダブ、デニス・ボヴェルのミクスで「ビッチ・ダブ」、

そしてオン・ユー・サウンドからアフリカン・ヘッド・チャーヂの「リリース・ザ・ダクタ」とダブ処

理的音響を続けました。蒸し暑くて眠れない明け方に、こういうク—ルな音は効

きます。

そしてコートニー・パインの傑作アルバム『アイズ・オヴ・クリエイション』からスカタライツのオリヂナ

ル楽曲「東海岸標準時刻」でした。ほとんどオリヂナルに忠実に仕上げられたこの

ヴァ—ジョンはコートニーの故国に対する愛情が溢れるようです。演奏と録音は新しい、

と言っても1992年の発表なんですね。もう23年も前なんだ。これは驚き。

わたしはこの間に何をしていたのでしょうか。明石の日本標準時刻では、只

今2017年7月15日午前4時03分過ぎです。

ではそれぐらい「古い」ですけれども、わたしがひと夏に必ず1回は聞く

レゲエの定番を、ご一緒に楽しんで参りましょう。

アズワド、1990年大ヒット、イーグルズのカヴァです。「ザ・ベスト・オヴ・マイ・ラヴ」。

そしてこちらはマイク−・ジャクスンがオリヂナルでした。

「グッシン・ゴーイン」、シュガー・マイノットです。

 

M15.The Best Of My Love(3’59”)Aswad  

-D.Henley, G.FreyJ.D.Souther-  Island MLPS 1054

 

M16.Good Thing Goin’(4’55”)Sugar Minot 

-Corporation-  PヴァインAC-8001

 

M17.I’ll See You Again(4’43”)Fania All Stars 

-N.Crowford-   RVC FAN-5020

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.  

 

N    アズワドで「ザ・ベスト・オヴ・マイ・ラヴ」、そしてシュガー・マイノット、「グッシン・

ゴーイン」、でした。最後はファニア・オールスターズの「アイル・シー・ユー・アゲイン」1976年。

ジーン・ペイヂが、大ヒットした「愛のテーマ」を多分に意識して制作したイージ−・リスニ

ング楽曲です。収録アルバム『デリケイト・アンド・ジャムピー』にはスティーヴ・ウインウドが参

加しているようなのですが、何処で何をしているのか、未だに不明。発表当

時はナムパ路線をかなり手厳しく批判されたようですが、わたしは「何処が悪

い」と半ば居直って愛聴しておりました。遠い昔の物語です。

おーたかさん、マロンさん、地方からの力強いお便り、ありがとうございます。

「全体は細部の集合体だ」これは物理の大原則。音楽がまずそうです。国家

も地方の集合体であるのは自明の理。こういう事が分っていれば大切に出来

ない筈がないのですがねえ。税金のクニ→トドーフケン→シ→クという上から下への流

れがある限りは、地方差別は続くでしょう。せめてこれだけでも逆にしなき

ゃね。そう、「中央はあてにならない」。名言です。同感ですね。中央の後に

「の政府」、「の役人」と入れてもいいでしょう。

隔月刊誌「ブルーズ・アンド・ソウル・レコーズ」第136号ではチャック・ベリーの追悼特

集が行なわれています。それに関連して小出斉が「勝手にライナ—ノーツ」で、1981

年のチャック・ベリー初来日時に録音された『トウキョウ・セッション』について書いていま

す。ここに突然わたしの名前が出て来ます。それがなんと間違いなのです。

多分ね、ミュージック・マガジン掲載の河村要助さんの来日リポートではないか、と

思うんですけど、当初は記載の通り「はて、どこでリハ—サル見たっけ」と脳味噌

を揺すりましたが、見てませんね。あの日は他の仕事で会場に入るのが遅れ

て、前座ハウンド・ドッグの演奏中に会場に着いて、舞台下手袖から観始めまし

たから。そこであの劇的な出会いがあったのですよ。

一応出典とされている三枚組を確認してね、小出斉に電話したら留守だっ

たので、「俺じゃないよ」と吹き込んでおいたら、すぐに電話が折り返され

て来て、「えーっ、違ったっけ」と慌ててました。編集部にも伝えて、「オリヂ

ナルの人に悪いから、正しい書き手を載せといてね」とお願いしてあります。

機会があったら立ち読みでもして下さい。この話は次のエリスでしようかな。

「現」時代に番組プロデュ—サ—としてわたしと修を支えてくれていた八木新之

助と久し振りに話しました。来週あたり、会うかもしれません。フジロックの中

継を手伝うとか言ってたな。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/7cf058890ed544748673479018a6e976087f3efb

ダウンロードパスワードは、6r258pgwです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国9500万人のあなたにも。

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/07/08

mb170708

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

先週参列した法事で、坊さんが言いました。「娑婆はそもそも不安定な場所

である。ゆえにそれが理由でウヲーサヲーする必要はない。その中で落ち着く事だ」

御意。

さてまずは真摯に反省し訂正いたします。先週「サムウェア」の際に紹介した

「ウエストサイド物語」は、イタリア移民のお話ではございませんでした。お詫びして訂

正させて頂きます。どこからの移民かと言いますと・・・。

 

M01.Amecica(4’35”)Original Broadway Cast

-S.Sondheim, L.Bernstein- Columbia CK 32603

 

N  冒頭から言葉が「プエリトルコ」でしたね。「ウエストサイド物語」から「アメリカ」です。

コーセージョオ−ち冷えさんのご指摘通り、このお話はイタリア移民ではなく、プエリトルコ

移民たちのシャーク団とポ—ランド移民のジェット団のお話でした。舞台となるマンハタンの

最南端から、リルリラリー、マフィア、シシリー、イタリアと繋がっていましたです。大変失礼

いたしました。まさか放送劇の演技経験があるとはね。マリア役かあ。ヒロインじゃ

ないの。あれは不良少年団の抗争物語でしょ。結末もハピエンドじゃないと思っ

たけど、中学校健全教育のどういう部分に食い込めたのでしょうか。興味あ

ります。

実はこのミュ—ジカルもわたしは観ていません。映画でも知らない。「ア・ハード・

デイズ・ナイト」の時に流れた予告編を観ただけです。当時もう何回かロ—ドショウに

掛かっていた有名な作品として知られていまして、ドサ回し公開の予告だった

んじゃないかな。この映画館自体が三番館だったしね。間接的に聞いた話の

筋は概ね分っていますが、どこかで記憶がすれ違って、今回言われるまで何

の疑いもなくイタリアだと思い込んでいました。マンハタンの南の方は黒人かイタリア人し

かいない、という誤った潜在意識です。そうだ、スパニッシュだって大勢いる。今

の「アメリカ」もプエリトルコらしく、クラーベのリズムで始まっていました。

ではアメリカはヌー・ヨーク、マンハタンの下町、移民たちの間で舞台に繰り拡げられる

青春の情熱と苦悩、「ウエストサイド物語」から次は「トゥナイト」。

 

M02.Tonight(3’53”)Original Broadway Cast

-S.Sondheim, L.Bernstein- Columbia CK 32603

 

N  「トゥナイト」、名曲です。このミュ—ジカルはレナード・バ—ンスタインが音楽を担当していま

して、各曲がガーシュウィン並に素晴らしい出来です。格安中古盤で手に入れたこ

のオリジナル・ブロードウェイ・キャスト盤の仕上がりが、筆舌に尽くし難い程に優れてい

ます。きっと演奏者、役者たちを一同に集めて、本番と同じように弾き唄っ

たたのでしょう。記載はありませんが、バーンスタインが実際に棒を振っていると

思われます。音がね、また良くて。もちろん生楽器生演奏です。

今聞いているオリジナル・ブロードウェイ・キャスト盤は1957年の録音のようです。59

年前の録音ですから、今のような過剰な電気効果もなく、とても奥の深いダイ

ナミクスで全編が奏でられます。ステレオ感も充分。モノーラルもあったようですね。静か

な夜に正しく調整されたオーディオ装置で聴くと、その良さが体感出来るでしょ

う。

ロック以降の人間はミュージカルやその映画をケーベツする傾向にありまして、わたし

もそのひとりでしたが、仕事に入った頃に改めて聴く機会があって、優れて

いるモノは美しいという当たり前のジョ—シキを、遅ればせながら悟りました。

先ほどお話しした予告編で聞いた音楽では「アメリカ」、「トゥナイト」、そしてもう1

曲を憶えています。

「クール」。

 

M03.Cool(4’01”)Original Broadway Cast

-S.Sondheim, L.Bernstein- Columbia CK 32603

 

M04.ヌ・トゥ・セ・ヨン(4’46”)ボカンテ

-M.Tirolein, M.League,M.Tiroliein, –  Pヴァイン PCD-25227

 

N  1962年から2017年にひとっ飛び。女性歌手マリカ・ティロリエンのヴォーカルをフィーチュア

したボカンテという新世代グループです。テキサスで活動していたスナーキー・パピ−という

音楽家集団を中心に固定メムバではないような形で存在するようです。今回の

アルバム『ストレインヂ・サークー』には小川慶太という打楽器奏者も参加していました。

これは何語でしょうね。詞を作ったマリカ・ティロリエンはグアドループというプエルトルコ

からも遠くないカリブの島の出身で、現在はカナダのモントリオールで活動しています。

アルバムは、音声デイタの国境を越えたやり取りを重ねた、つまりかなり複雑な過

程を経て作られたようですが、考えてみれば今ではそんな事フツーでした。

もう1曲聞いて下さい。ボカンテの最新作『ストレインヂ・サークー』から、

「ズイ・ウーヴェ・ズィ・フェーメ」。

 

M05.Zye Ouve, Zye Feme(4’12”)ボカンテ

-M.League,M.Tiroliein, –  Pヴァイン PCD-25227

 

M06.What Are You Wearing ? (3’37”)ボトル・トゥリー  

-A.M.Prison, B.Lamar Gay –  Pヴァイン PCD-24642

 

N  かなり現代的な響きの多国籍民族音楽集団ボカンテの「ズイ・ウーヴェ・ズィ・フェー

メ」に続いては、こちらも実態の分り難いトリオ、ボトル・トゥリーの新作から「ワター・

ユ—・ウェアリング」という1曲です。コルネット奏者、ドラマー、唄い手の三人に機械の重

装備で作られた音楽、とでも言ったらいいのかな。アヴァンギャルド・ジャズ・トリオ

と形容されていますけれど、ウーン、今はこれがジャズかあ。メムバ全員がかなり

のインテリでして、中心になっているコルネット奏者のA.M.フリンは博物館の学術研究員

でもありました。昨今ではかつての大雑把で無神経なバンド野郎ではなく、こ

ういう経歴の知的で繊細な神経を持った人たちが 音楽に参加して来る傾向

は珍しくないので、驚くには値しませんが、こういう人たちの作る音楽は、

今ひとつ実像が摑みにくい特徴があります。

このボトル・トゥリーのアルバムを通して聴くと、高度に計算された破綻のない響き

には脱帽ですが、どういう顔してんのかな、どんなカッコで演奏してるのかな、

という部分は重箱の中で、想像出来ません。割と昔の音色のギターが幅を効か

せている点は意外でもありました。オリヂナルはカセット・テイプと配信で公開された

そうです。

ではドラムス、パカッションだけの、リズムコラージュです。これも顔、表情を隠した演

奏と言えるでしょう。見えそうで見えないですね、演奏者の姿が。

「エンドレス・エンド」。

 

M07.Endless End(3’41”)ボトル・トゥリー  

-B.Lamar Gay-  Pヴァイン PCD-24642

 

M08.Green River(2’54”)シャ—マン・ホームズ・プロジェクト

-J.Fogerty-  BSMF 2562

 

N  また昔に逆戻り、ではありません。最新盤から「グリーン・リヴァ」、シャ—マン・ホー

ムズ・プロジェクトというセッションでの録音です。かつてホ—ムズ・ブラザーズというゴスペ

ルの兄弟グループがありまして、活動歴50年と言いますから超ヴェテラン・グループ

として君臨していました。特別なヒット曲もなく、かなり地味な存在でしたから、

この国ではほとんど知られていなかった筈です。アメリカ本国でもおそらくはキリス

ト教関係の世界でしか活動していなかったでしょう。基本的に3人組でしたが、

二人が2015年に他界。残ったベイス奏者シャ—マンが、じっくりと腰を据えて始め

たのがこのプロジェクトです。今回のアルバムは今の「グリーン・リヴァ」の他にも、ザ・

バンドやアルバート・キングの持ち歌をカヴァしていて、まあすべて今のシャ—マン・ホームズ

流ゴスペルとなるのでしょう。ブルーズ、R&B、カントリー、これらは皆ゴスペル的解

釈が成立しますからね。こういうところが羨ましいんだな、汎北米音楽は。

今の「グリーン・リヴァ」、ドブロ・ギタ—のソロが秀逸でした。ロブ・アイクスという人の

ようです。

さて、カヴァ曲をもうひとつお届けしましょう。先週聞いて頂いたルシー・フォスタ

−の最新作からです。このアルバムとても気に入りました。理解ある演奏陣、制

作者とルシー本人が作ったフツ—の何気ない1枚でしょうが、落ち着いた雰囲気の

中に深い包容力が感じられます。

今朝はスティーヴィ・ワンダーのオリヂナル、というよりわたしはフォー・トップスだな、

「ラヴィグュー・イズ・スウィター・ザン・エヴァ」。

 

M09.Loving You Is Sweeter Than Ever(4’15”)ルシー・フォスター

-R.Foster- BSMF 2563

 

M10.愛なき世界で(2’50”)オーティス・クレイ

-E.Williams-  ビクター VDP-1111

 

N  はい、ルシー・フォスターの「ラヴィグュー・イズ・スウィター・ザン・エヴァ」に続いてお届け

したのは1972年型オーティス・クレイの「愛なき世界で」でした。詞曲、唄、演奏と

南部R&Bのひとつのお手本ですね。それぞれの音色が見事な南部色。そしそ

れらが響きあって醸し出す雰囲気が、更に濃い南部色。今のは録音商品がLP

からCDに移行し始めた頃、1986年発売の盤で、決していい音で仕上げられ

ているとは言い難いのですが、それでも迫力は確かに伝わって来ます。スタックス

と同じくこの頃のハイ・レコードからは魔法が漂っていました。

オーティス・クレイをもう1曲。1977年発表の『アイ・キャント・テイク・イト』から、これ

もいいですね、「ホーム・イズ・ウェア・ザ・ハート・イズ」。

 

M11.ホーム・イズ・ホエア・ザ・ハート・イズ(2’51”)オーティス・クレイ

-B.Crutcher-  ビクター VDP-1111

 

N  オーティスの唄には、とても深い真心がこもっています。そんな歌への姿勢が如

実に現れていた「ホーム・イズ・ウェア・ザ・ハート・イズ」でした。同名の楽曲はキング・

ソロモン・バークにもありますね。「家庭とは暖かな心の住む処」、ゴスペルの大き

なテ—マのひとつでしょう。これがね、ギル・スコットーヘロンの手に掛かると「ホーム・イズ・

ウェア・ザ・ヘイト・イズ」となります。「家庭とは憎しみを生み出す処」・・・、

これもよーく分ります。近親感の憎悪はまた特別。流石ギル・スコットーヘロンさま。

さて先週お届けした映画「約束の地、メムフィス〜テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァ」の

サウンドトラックは如何でしたでしょうか。マロンさんからこんなお便りを戴きました。

 

「愛なき世界で」 オーティス・クレイ featuring リル・ピーナッツ は、先週、宮治さん

の名盤アワーでもかかって、いい演奏だなと思って聞いていました。映画「約

束の地」は大都市だけでなく、地方都市でもやってほしいです。

 

ありがとうございます。「宮治さん」というのは淳一ですね。あの番組は、

こんなのも採り上げるのか。別に文句ではありません。結構なことですよ。

「地方都市でも」という行りに、グッと来ますね。そうです、今では音楽関

係の情報が大都市の一部に集中し過ぎていて、それ以外の場所に居る人間に

は「ネットがあるじゃん」で済まされています。たぶんこの傾向は今後もっと進

行するんじゃないかなあ。と言いますか、この国から地方はなくなる、少な

くとも地方から芸術、芸能、娯楽、つまり文化的無駄は消滅するように思わ

れます。

それを強固に押し進めているのが現政権です。地方創世大臣なんて職があ

りますが、利権取り引きのための大臣ポストでしかないですね。現職山本幸三

は「お友達に便宜供用」以外、ナーンもしてない。

例えばね、今回の大雨土砂災害で酷い目にあった九州の中央部は、もう元

に戻れないような気がします。これを機会に国は見せかけの支援をして放置。

高齢者の多い過疎集落が滅びて行くのを待つのです。その方が国にとっては

都合がいい。福島が、今そうでしょう。麻生太郎も「数多くの安否の不明者

がいる。事態は極めて深刻な状況にある」なんて心にもない事をよく言うよ。

こういう時にこそ「ミゾーユーの被害だ」と言って欲しいね。一方、人々と対面

する自治体は大変です。

もはや大都市圏以外は、業種を問わず、単なる物資と動力の生産場所でし

かなく、そこの人間と文化についてなんて全く考えてないですから、この国

の政府、官僚は。

やはり映画は密閉された空間で、大きな画面で見たいし、いい音で聞きた

い。ところが回って来ない。DVDを家のテレビ画面で観てもねえ。わたしは市

川雷蔵の「沓掛時次郎」を家人の居ない時に観て毎回泣いています。これも

一度大きなスクリーンで観ているから蘇る感動なのです。

マロンさんがどういうところにお住まいか分りませんが、わたしも田舎育ちで

すから、あなたの悔しさはとてもよく分ります。しかし現状ではこの種の作

品で映画館が潤うほど地方の人たちを集める事は不可能です。結局は諦める

事になるのでしょうか。

でもね、マロンさん、求め続ける事をやめてはいけませんよ。自分の興味ある

対象から離れてもダメだ。きっと他にも同じような事を願ったり祈ったりして

いる人がどこかに居ます。「ウエストサイド物語」の「サムウェア」ですよ。もしそうい

った人たちに出逢えなかったとしても、少なくとも自分自身は成長出来るで

しょう。

DVDを持ち寄って、仲間で週末に集中上映したらどうだろう、こんな案が

思い浮かびました。映画の上映は音楽の実演に較べれば、遥かに手間がかか

りません。DVDを大きな画面とちゃんとした音響で楽しむ、これならすぐ

にでも出来る筈です。何か手掛かりを当たってみたら如何でしょうか。

さて今朝もこの盤『約束の地、メムフィス〜テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァ』から少し

聞いて行きましょう。

まずはこの決定的な一曲です。

 

M12.ノック・オン・ウッド(3’36”)ウイリアム・ベル with スタックス・ミュージック・アカデミー  

-E.Floyd, S.Cropper- Curioscope CSAZ-0001

 

N  なかなか個性的なアレンヂの「ノック・オン・ウッド」でした。ただし、あの黄金のリ

フが出て来ちゃうとね、どうやってもこの曲になってしまいます。当たり前で

すが。

唄っていたのはウイリアム・ベル。ソングライタ—としてスタックスで仕事をしていました。

オーティス・レディングがデビュ−LPで採り上げた「恋を大切に」が有名ですが、ビリー・

ヴェラの「プライヴェイト・ナムバ」も彼の作品です。自ら唄い出したのはその後の成

り行きのようですが、78歳になる今も現役続行中。2、3年前には日本にも来

てましたね。決して派手な人ではありませんが、この映画ではそのウイリアム・ベ

ルの存在がとても上手に描かれている、そう感じました。

スタックス・ミュージック・アカデミーというのはメムフィスの青少年郷土音楽振興団体かなん

かで、地元の誇りスタックス・レコ—ドの無限資産を引き継ぐための音楽教育機関と

して、若い人間を養成しているようです。財団化されているのかな。

このセッションに参加したのはみな十代の音楽家。ドラマーは16歳の白人でした。

実体験のない子供たちに、こんなカッコ良く演られちゃってるぞ。日本のオッサンた

ち、しっかりしろよ。ウイリアム・ベルとの組み合わせも成功しています。次も同

じ顔触れでどうぞ。今度はウイリアム・ベル本人の作品です。

「アイ・フォ−ガット・トゥ・ビー・ユア・ラヴァ−」。

 

M13.アイ・フォ−ガット・トゥ・ビー・ユア・ラヴァ−(4’02”)  

ウイリアム・ベル with スタックス・ミュージック・アカデミー  featuring スヌープ・ドッグ

-W.Bell- Curioscope CSAZ-0001

 

N  「アイ・フォ−ガット・トゥ・ビー・ユア・ラヴァ−」、ウイリアム・ベルとスタックス・ミュージック・アカデ

ミー、ラッパーのスヌープ・ドッグも参加していました。

次はやはりメンフィスの音楽を語る上で書かせない人物のブッカー・T.ジョーンズ。そ

の存在については、もはや何の説明も要らないでしょうが、この映画が撮ら

れた2012、3年に弾いても、あの1962年のMGズの音が出るのが不思議で

なりません。ここでもその音が冴え亘ります。

「サポーズ・トゥ・ビ」。

 

M14.サポーズ・トゥ・ビ−(3’58”)   

ブッカー・T.ジョーンズ with ノース・ミシシッピ・オ—ルスタ—ズ featuring アル・カポネ

-B.T.Jones, A.Bailley,L.Dickinson-  Curioscope CSAZ-0001

 

N 「サポーズ・トゥ・ビ」ブッカー・T.ジョーンズとノース・ミシシッピ・オ—ルスタ—ズ、M.C.とラップ

はアル・カポネでした。女性バック・グラウンド・ヴォ—カルは、スーザン・マーシャルです。遠く

にメイヴィス・ステイプルズの声が聞こえるような気もします。映画の中では、かつ

てアル・グリーンの後ろで唄っていたサンドラ・ローズを中心にしたローズ・シスターズとい

う女性トリオが中二階みたいな場所から懸命のコーラス・ハ—モニ—を送る姿が、感動的

に何度も観られます。彼女たちはみな白人なんですね。随分前にル・グリーンか

誰かのヴィディオで知った時は驚きました。

さて今回のこの「約束の地、メムフィス〜テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァ」のテ—マは、

先週も言いましたように、メムフィスという土地から世界にソウル・ミュージックを発信し

たスタックス、ハイ両レイベルの伝説を、今の世代がなぞる、と云うところでしょう。

その今の世代のなぞり方は、先ほどのスタックス・ミュージック・アカデミーのように教材

としてかつての名曲を演奏する形もありましたが、その他の殆どではヒップホッ

プ系のラップ、M.C.やミックスが用いられています。クレイやボビ−・ブランドを誘い出

す時も「ラップと一緒にどうでしょう」と言われ、本人も「おう、今様だね」

と乗って来ます。

これは白人監督/プロデュ—サ—の好みでもあるのでしょうが、現代仕様にする

のにちったぁ他のこたぁ出来ねえのか、という気持ちにもなりました。この

世の春を謳歌するラッパ—たちが一様に手持ちの携帯電話の画面で言葉を追い

ながら吹き込む態度もハナに付いたなあ。ある年寄りの意見ですけどね。

シャクですが、『約束の地、メムフィス〜テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァ』から紹介する最

後の曲にもラップが絡んでます。これはわたしも許せる出来です。スタックス創業の

貢献者、ルファス・ト—マスの「恋の駆け引き」、ボビ−・ラッシュとフレイザー・ボーイです。

 

M15.プッシュ・アンド・プル(4’05”)ボビ−・ラッシュ featuring フレイザー・ボーイ  

-R.Thomas- Curioscope CSAZ-0001

 

M6.The Same Love That Made Me Laugh(3’51”)ロバート・クレイ&ハイ・リズム  

-B.Withers-  ウルトラ・ヴァイヴ JV 2017J

 

N   「約束の地、メムフィス〜テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァ」サウンドトラックから2週間に亘っ

てお送りしました。最後に本音が出たな。

その次にお届けしたのはこれまたずっと聞いてもらっている、ロバート・クレイ

&ハイ・リズムの「ザ・セイム・ラーヴ・ザット・メイド・ミー・ラーフ」、アルバムの冒頭曲です。

このセッションもこの映画とかなり近い環境で撮られていまして、主だった演奏者

は重なります。ホヂズ兄弟のギタリスト、メイボン・ティーニーは映画撮影後亡くなったの

で、クレイの作品には参加出来ませんでしたが、リ—ロイ、チャ—ルズの二人と、オルガン

以外の鍵盤などを担当していたアーチー・アーチャーは何度も画面に出て来ました。同

じようなブ—ツ履いてたなあ。

その気になれば、こんな風にラップもヒップホップ的要素もなく、しっかり21世

紀仕様に出来るじゃないの。今R&Bにはそこからの脱出口が必要ではないで

しょうか。これもわたしの本音です。

 

M17.The Promised Land(4’30”)James Taylor  

-C.Berry-  Warner Bros. 2794-2

 

N  ジェイムズ・テイラーで「約束の地」でした。1974年のLP『ヲーキング・マン』からで

す。もちろんチャック・ベリーの作品です。デイヴィド・スピノザの編曲がちょっと気

に入らないんだけど、偉大なるJ.T.です。許しましょう。ヴォ—カルはとても良

かったね。フェイド・アウトが長過ぎる。絞っちゃうぞ。

チャック・ベリー最後のアルバムで残った2曲、控え目にリクエストをいただきました。

八王子60オーバ−さん、有り難うございます。

まず行きましょう。「シー・スティル・ラーヴズ・ユー」。

 

M18.She Still Loves You(3’01”)Chuck Berry    

-C.Berry-  Decca 00602557561241

 

N  間奏ではチャックのギター・スタイルの殆ど全てが出て来たような、「シー・スティル・ラーヴ

ズ・ユー」でした。唄とも語りともつかないチャックの音声、この形も彼の得意と

するところで、ひとつの話、いきさつを説いて行く姿勢が打ち出されていま

す。「ゴウ・ジョニー、ゴウ」のような誰にでも分る簡単な繰り返しで大向こうの

人気を摑んだチャックは、物語師だったのですよ。講談師や浪曲師と極めて類似

しています。先日NHKの朝番組で長い時間が彼の業績再確認に費やされて

いましたが、この側面には言及出来ていませんでしたね。健太に言いつけち

ゃうぞ。

さて最後のチャック・ベリーです。この曲の終り方がなんとも唐突で淋しいので

すが、何度も聴けば、必然性に満ちている事が分ります。とてもチャックらしいク

—ルさですね。兎にも角にも、チャールズ・エドワード・ベリーの録音作品はこれで終わ

ってしまいました。でもね、これから先、何時だって何だって聞けるんです。

だから生きているのと何も変わらない。これからも何度もチャック・ベリ—、聞い

て行きましょう。

では最後のアルバムから最終曲。先ほどのプロミスト・ランドと似て、人生、世の中

を大きな観点で捉えながらもマジにエラソーに語らない、いかにも彼らしい作品に

なっています。

「アイズ・オヴ・マン」、チャールズ・エドワード・ベリーは永遠です。

 

M19.Eyes Of Man(2’24”)Chuck Berry  

-C.Berry-  Decca 00602557561241

 

N  「アイズ・オヴ・マン」、チャック・ベリーでした。また聞きましょうね、チャック・ベリー。

先週のダボーオ−・セヴン集、わたしにはとても面白かった。自画自賛です。た

だし年代順に通して聞いて行くと、ここにも取り返しのつかない時の流れを

感じて、すこし感傷的にならざるを得ませんが、今朝も聞いてもらいましょ

う。「ダイアモンドは永遠に」が初めて買ったシングル盤というお話、ありがとうご

ざいます、ヴェンテンさま。

今朝は同じシャーリー・バッシーですが、こちらです。

ご存知、決定的、伝説の、永遠不滅「ゴールドフィンガー」。

 

M20.ゴールド・フィンガー(2’50”)シャーリー・バッシー              

-L.Bricusse, A.Newley, J.Barry-  東芝 TOCP-8093/4

 

M21.ジェームス・ボンドのテーマ(1’59”)ジョン・バリー・オーケストラ       

-M.Norman-  東芝 TOCP-8093/4

 

M22.007は二度死ぬ(ラジオ・スポット)(1’00”)

東芝 TOCP-8093/4

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  凄い歪みだらけの「ゴールドフィンガー」、マスターはこれしかないのでしょうか。こ

の名曲にしてはちょっと保存がお粗末だなあ。ひょっとして原盤自体が歪ん

でるのか。録音技術担当、出て来い。その後はジョン・バリ—・オ—ケストラ名義で「ジ

ェームス・ボンドのテーマ」、そして最後に「007は二度死ぬ」のラジオ・スポットでした。

やっぱりダボーオ−・セヴンは映画館で観たいね。

「幻」きっての町の事情通氏が「アンゼリカ閉店なのか〜」と嘆いています。

同じ名前のパン屋さんが下北沢にありまして、池波正太郎も贔屓にしていたそ

うです。大勢のパン屋さんになりたい若い子たちが熱心に働いていて、いつも

お客さんが入っていて、経営状態も悪くなかった筈なんですが、どうしてだ

ろう、今月一杯で閉店です。50年続いたといいますから、大したもんだな。

近くの、開店以来わたしがよく訪れていた和食屋も突然店を閉めてしまった。

これも淋しい。

先週の左チャンネル音飛びは、プラグ不良が原因でした。今週はダイジャブの筈。

使っているのは全くの民生機ですから、いつ壊れるか分りません。新時代へ

の対応は、わたしも迫られております。

都議選の結果は如何でしたでしょうか。過ぎてしまったからと云って、終

ったわけではありません。始まりです。ここから目を離さないように、ね。

今回の当選者ひとりひとりをしっかり視て行きましょう。

特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/0e2cc1ead2fb095e82401e3116ba3af83c1a7f9d

  ダウンロードパスワードは、25t1ky9z

さあ、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国の「地方」で楽しんでくれている9500万人のあなたにも。

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/07/01

mb170701

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。降らずに明けそうな今年の梅雨、

とは言え昨日は朝の雨でした。「アシタノアメ」と読んで下さいよ。

昨晩は2017ライヴ・マヂック総決起集会に参加して参りました。修と会うのも

久し振りでした。半ズボンにVネックのTシャツでね。ヘヴェ・メトーの夏服でした。

さあ今朝は景気付けに力一杯行きましょう。梅雨明けツーユー。ウドンにもツーユー。

「太陽のツイスト・アンド・シャウト」、過大な低周波にご注意下さい。

ベイス・スピナーズの登場です。

 

M01.太陽のツイスト・アンド・シャウト(3’59”)ベイス・スピナーズ

-Russel, Valens-  イーストウエストAMCM4296

 

M02.コウンコウン(4’46”)ウム・サンガレ 

-O.Sangare-  P-ヴァイン PCD-18822

 

N  熱い陽射しの下、大音量で鳴らすのが相応しい「ツイスト・アンド・シャウト」に続い

ては、ウム・サンガレの「コウンコウン」、最新アルバムから紹介する最後の1曲、例によっ

て長いフェイド・アウトでした。淡々と進行する機械的なリズムを牽引しながら、ウム・

サンガレは「誤ったプロパガンダに自制を促している」と唄っていると楽曲解説に

は書かれています。この和文がちょっと難解で、実は毎曲ごとに苦労しまし

た。おそらく当人は分っているのだろうと思いますが、訳が今ひとつ難しい。

もう少し一般的な文章の方が、より多くの賛同者を得られるのでは、とも思

えます。訳者名は表記がありません。あ、今の冒頭で左チャンネルが少々不良でし

た。失礼しました。本来なら「テイクII」で仕上げたいところですが、今回は御

免。

さて次はルシー・フォスターの新譜からお届けしましょう。レコ—ド店頭でたまたま

試聴して気に入ったのが、『ザ・フェノーメナル・ルシー・フォスター』ですから、もう10年

近く前の事になります。それ以来も順調にアルバムを作り続け、今回の『ジョーイ・

カムズ・バック』で、自己名義通算10枚目。冷静に考えると、これも凄い話です。

あのビ—トルズだってオリヂナル・アルバムはたったの12枚、この中にはサントラ的なもの

が4枚も入っています。世界的に様々な音楽賞を貰っているとは言え、絶大

な人気がある訳ではない彼女が、地道な活動を続けている事の証明でしょう。

今回は自作曲がたったひとつで、他はすべて他人の既に発表されている楽

曲です。中にはブラック・サバスの「戦争豚野郎」も入っていますが、わたしはこ

れの原録音を聞いた事がないので、その面白さについては何とも言えません。

また、このような成立ちからするとカヴァ・アルバムとなるんでしょうが、全体

はこれまでのルシーの作品と大きな違いはありません。いつも通りの、彼女の元

気な唄声が聞こえて来ます。

まず1曲どうぞ。表題曲ですね「ジョーイ・カムズ・バック」。

 

M03.Joy Comes Back(4’30”)ルシー・フォスター 

-S.Staples-BSMF 2563

 

N  ホンキ・トンク・ゴスペル、とでも形容しましょうか。極めて難しいテムポー、ビート感

で奏でられた「ジョーイ・カムズ・バック」、ルシー・フォスターの最新作表題曲です。今回

はデレク・トラクスも参加しているそうで、今のスライドがデレクでしょうか。わたし、

実はそれほど多く彼の音楽を聴いていないものですから、瞬時に分りません。

調べておきましょう。

ルシー・フォスター、今回はこのように自信にあふれた歌が印象的です。わたしが

初めて聞いた『ザ・フェノーメナル・ルシー・フォスター』は、彼女にとって既に5枚目の作

品だった訳ですから、そんなに幼い頃から知っていたとは言えませんが、そ

れにしても今回の彼女はとても大きく見えます。

では『ジョーイ・カムズ・バック』に収められた唯一の彼女自身によるオリジナル曲を

聞いて下さい。サザーン・カントリ—・ソウル・バラッドの理想的な形で唄われます。

「オープン・スカイ」。

 

M04.Open Sky(4’20”) ルシー・フォスター

-R.Foster – BSMF 2563

 

M05.消え行く太陽(4’29”)ボビ−”ブルー”ブランド featuring ヨー・ガッティ

-B.Weatherts-   Curiouscope CSAZ-0001

 

N  ルシー・フォスターの最新作『ジョーイ・カムズ・バック』から「オープン・スカイ」、そしてそれ

に続いたこの声、お分かりですね。ボビ−・ブランドです。先週もお話しした只

今公開中の映画「約束の地、メンフィス〜テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァ」のサウンド・トラック

からです。この盤は今月26日に発売ですが、映画公開劇場の新宿ケイズ・シネマ

では先行発売中。ただし販売は現金のみで、公開初日に観に行った時は買え

ず、後日改めて買いに出掛けました。12曲すべて新録。この地から世界にソウ

ル・ミュージックを発信したスタックス、ハイ両レイベルの伝説を、今の世代がなぞる形で吹

き込んでいます。ボビ—はテネシー州生まれで、世に出る前はこの聖地メムフィスのゴス

ペル・グループで唄っていました。今の「消え行く太陽」で彼にラップで絡んだの

は81年メムフィス生まれのヨー・ガティ。

収録時にボビ—は車椅子に乗って登場。なかなか歌の全体を摑めずに苦労し

ている様子が撮られています。ボビ—ほどの唄い手でも最初はこうなんですね。

それにしても「消え行く太陽」にボビ−・ブランドとは、ドンズバ。これまでに

誰か思いつかなかったのでしょうか。その位ビシッと決まった仕上がりです。

コーダ部分のギター・ソロもなかなかに宜しい。カーク・スミサートが弾いています。

次はやはりこの地の伝説レイベル、スタックスで大成功し、公民権や民族解放運動

の拡大に力を与えたステイプル・シンガーズの絶世リード・シンガー、メイヴィス・ステイプルズ

がノース・ミシシッピ・オールスターズと唄ったゴスペル・トラディショナル゙・ソングです。

「ウイッシュ・アイ・ハド・アンサード」。

 

M06.ウイッシュ・アイ・ハド・アンサード(4’08”)  

メイヴィス・ステイプルズ with ノース・ミシシッピ・オールスターズ

-trd. Arr.by R.Staples-  Curiouscope CSAZ-0001

 

N  「ウイッシュ・アイ・ハド・アンサード」、メイヴィス・ステイプルズとノース・ミシシッピ・オールスターズ

でした。ギタ—はグル—プのリ—ダ—でもあるルーサー・ディキンスンです。映画の中では、

ステイプルズのレコ—ドからフレイズをコピ—する場面がありまして、音の拾い方が面白

かったですよ。意外と一発即完コピではなくて何回も聴き直して探ってました。

先週はベン・ハ−パ−との共演を聞いてもらったチャーリー・マッセルホワイトは、映画の中

でザ・シティ・チャムプスと一緒に出て来ます。サントラのこのブルーズがとても宜しい。

ベイスは、アラバマ、マスル・ショールズの伝説、デイヴィド・フッドというのが、また何と

もはや・・・。

 

M07.イフ・アイ・シュッド・ハブ・バッド・ラック(4’26”)    

チャーリー・マッセルホワイトwith ザ・シティ・チャンプス

-C.Musselwhite-  Curiouscope CSAZ-0001

 

N  チャーリー・マッセルホワイトとザ・シティ・チャンプスで「イフ・アイ・シュッド・ハブ・バッド・ラック」

でした。いいですね、素晴らしい。シティ・チャンプスは決して若くはありませんが、

ボビ−、メイヴィス、そして今のチャ—リ—たちの次の世代になります。自然なブル—ズ

表現が出来る最後の人たちかも知れません。チャーリー・マッセルホワイトは今年で73歳

になりますが、まだまだ現役で活動中。映画の中では「伝説」を前に興奮し

ている若い制作陣の前で「すべてはもう大昔の話だ」などと言って、今回の

セッションに少々戸惑い気味でしたが、どうしてどうして、こんなに力の漲ったヴ

ォ—カル、ハ—プを聞かせてくれました。まだまだやれますね。

さて次の曲はおそらくこの映画、サウンドトラックで一番の話題となるでしょう。

オーティス・クレイの「愛なき世界で」です。ギタ—のメイボン・ティーニー・ホッヂズを含むホッヂ

ズ3兄弟によってほぼ1972年のあの決定的な録音と同じ音で演奏されていま

して、オ—ティスも全盛期のように力一杯唄います。それを21世紀仕様にしてい

るのが、リル・ピーナッツ。7歳の時に子供ラッパ—として登場、その後はテレビや映画

で活躍中です。2002年生まれと言いますから、この録音当時はまだ10歳か

11歳だったのでしょう。こういった「驚異の天才子供」が出て来るのも黒人

芸能界のおジョーシキ。前世紀41年生まれのオーティス・クレイと対等に張り合っていま

す。

ではお聞き下さい、「愛なき世界で」。

 

M08.愛なき世界で(3’50”)オーティス・クレイ featuring リル・ピーナッツ

-E.Williams, B.Floves-  Curiouscope CSAZ-0001

 

M09.Don’t Explain(5’13)モニカ・チャップマン  

-B.Holiday, A.Herzog Jr.- BSMF 5046

 

N  「愛なき世界で」、オーティス・クレイとリル・ピーナッツ、演奏はハイ・リズムでした。先ほ

どお話ししましたように、このサウンドトラックは公開中の映画「約束の地、メンフス〜

テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァ」のもので、今月26日の発売。映画自体は東京、京

都、大阪でそれぞれ単館ロードショウ。7月4日まで予定されています。ぜひご覧

になって感想などをお寄せ下さい。音楽は来週も紹介するつもりです。お楽

しみに。

急に雰囲気を変えてくれたのは、カナダで活動中のモニカ・チャップマン。ひと昔前

なら絶対に遠ざけていたこの手の女性ヴォ—カルを、最近はよく聞くようになり

ました。ひと言で「ジャズ」と括ってしまうのには抵抗がありますけれど、他

に呼び様がないようです。今の「ドンド・イクスプレイン」もビリー・ホリデイ作のジャズ・

スタンダード・ナムバですしね。

モニカはル—マニアの生まれですが、9歳の時からカナダの、おそらく英語圏で、暮ら

していました。正式な音楽教育を受けてクラシックの声楽家として唄っていました

が、ジャズに転向した経歴の持ち主です。あの悪趣味なベルカント唱法の悪影響は、

感じられません。逆にクラシック歌手時代の吹き込みを聞いてみたくなりました。

今回のアルバム『スモール・ワ—ルド』は、昔の映画音楽を集めて唄ったものです。

「ドンド・イクスプレイン」は2002年の「路上」という映像作品で使われたという

事です。「路上」と言えばケルアックでしょうが、わたしは全く知らなかったです

ね。

あ、映画と言えば、8月に公開予定の「ロスト・イン・パリ」という作品がありま

す。これもカナダの女性が監督、主演しています。面白いですよ。脚本、画、

音楽の選び方もとても素敵です。こちらもぜひご覧下さい。

さて次の歌なら知ってますよ。フレッド・アステアが出ていた「踊る騎士」からで

すね。

「ア・フォーギ−・デイ・イン・ロンドン・タウン」

 

M10.A Foggy Day(In London Town)(3’19”)モニカ・チャップマン 

-I.&G.Gershwin-  BSMF 5046

 

N  「ア・フォーギ−・デイ・イン・ロンドン・タウン」、モニカ・チャップマンの歌は明るくカラリと乾い

ていて、雰囲気を出したつもりのベタ—ッと湿度過多に仕上げられた、よくある

仕様とは異なっていました。歌の内容も「あんたの出現が霧のロンドンを明るく

陽の注ぐ町にしてくれたんだよ」、ですから彼女の解釈は間違っていないでし

ょう。そもそもロンドンの霧の原因はスモッグですから、そんなに情緒を煽る感傷

的なものでもないのですよ。

さてモニカ・チャップマンの映画音楽に題材を集めたアルバム『スモール・ワ—ルド』には、

こんな歌も入っていました。

 

M11.Goldfinger(3’14”)モニカ・チャップマン  

-L.Bricusse, A.Newley, J.Barry-  BSMF 5046

 

 

M12.ジェームス・ボンドのテーマ(1’48”)モンティ・ノーマン・オーケストラ    

-M.Norman-  東芝 TOCP-8093/4

 

N  モニカ・チャップマンのアルバム『スモール・ワ—ルド』から、ご存知「ゴールドフィンガー」でした。

このアルバムは基本的にピアノ・トリオの演奏で仕上げられていますが、これに限っ

ては例外的に必須のエレキ・ギターが起用されています。それに限らず、他の曲は

概ねジャーズと言えなくもないのですが、そこにこの「ゴールドフィンガー」が出て

来るとタショー違和感があります。逆にそのくらい印象が強い、とも言えますね。

で、考えてみますと映画「007」連作は、かなり音楽に力を入れていて、

それも人気の大きな要素だった、という事に思い当たります。第一作から30

周年を記念して組まれた1992年発売の『ジェ—ムス・ボンドに捧ぐ 私たちの愛し

たスパイ(デラックス版)』という2枚組がありまして、話題を集めた主題歌やその

周辺作品の並びがなかなか面白い。そこからまずダボーオ−セヴンと言えば必ず出

て来る「ジェイムズ・ボンドのテーマ」をお届けしました。

これは「007は殺しの番号」という邦題が付けられた第一作、原題「ダクタ・

ノオ」の主題曲です。編曲はジョン・バリー。彼は007で名を上げて映画音楽の大

物になりました。1962年の発表ですから、エレキ・インストが流行し始めた時です

ね。ビリ付く低音弦の半音進行は、その後の諜報モノの音楽の定番になりました。

しっかり聴いていますと、エレキのリフが既に8ビ—トなのに、ビッグバンドの譜割

りはスウィングの4ビ—トで、時代がまだリズム過渡期だった事が偲ばれます。まあ、

とにかくカッコ良い事には変りありません。今朝はこの後ダボーオ−セヴンの音楽を

聞いて行きましょう。

 

M13.サンダーボール(3’01”)トム・ジョーンズ 

-J.Barry, D.Black-  東芝 TOCP-8093/4

 

M14. サンダーボール ラジオ・スポット(0’54”)     

東芝 TOCP-8093/4

 

N  1965年の第四作「007/サンダ—ボ—ル作戦」の主題歌、唄はトム・ジョーンズでした。

ウェ—ルズ生まれの将来有望な歌手と云う事を、制作陣は既に見抜いていたので

しょうか。この人が世界中で人気を摑むのはこれから2年程してからです。「原

爆作戦」のお陰で、主題歌を唄った男の人気がバクハツした訳です。ゲージツです。

さてジェイムズ・ボンドは日本にもやって来ました。1967年公開「007は二度

死ぬ」の舞台は日本でした。ボンド・ガールが浜美枝、ボンド・カーがトヨタ2000GT

の特別仕様というご当地サーヴィスは、この国のファンを狂喜させました。主題歌は、

あのナンシー・シナトラ。これに何の不満もありませんが、出来るならサーヴィスの延長

で、日本語詞のカタコト仕様が欲しかったですね。

 

M15.007は二度死ぬ(2’46”)ナンシー・シナトラ

-L.Bricusse, J.Barry-  東芝 TOCP-8093/4

 

M16. 007は二度死ぬ ラジオ・スポット(1’00”) 

東芝 TOCP-8093/4

 

N  「007は二度死ぬ」、ナンシー・シナトラでした。先ほどからポツン、ポツンと挿入され

ているのは、 当時のラジオ・スポットです。音が非常に悪いのですが、雰囲気出

てますね。これらもこの2枚組『ジェ—ムス・ボンドに捧ぐ 私たちの愛したスパイ

(デラックス版)』に収録されていて、作品の立体像が俯瞰できます。他にはデモ

とか使われなかった録音も入っていて、モーソーはボーチョーします。

ショ—ン・コネリーが主役を降りて、ポール・マカートニが主題歌を担当した1973年の「007/

死ぬのは奴らだ」の頃から諜報アクション映画には強力な対抗作品が続出するよう

になって、それまでのひとり天下状態ではなくなって来ます。敵も音楽には

力を入れていましたから、ウカウカしていられません。そこで白羽の矢が立った

のが、グラディス・ナイトでした。

1989年「消されたライセンス」の主題歌をどうぞ。

 

M17.消されたライセンス(5’13”)グラディス・ナイト    

-N.M.Walden, J.Coden, W.Love-  東芝 TOCP-8093/4

 

M18.愛はすべてを越えて(3’14”)ルイ・ア—ムストロング

-H.David, J.Barry-  東芝 TOCP-8093/4

 

N  007連作の主題歌を集めて送る「幻」モーニン映画劇場、「消されたライセンス」を

グラディス・ナイトで聞いて頂きました。唄は普遍ですが、演奏楽器の音色がなん

とも時代です。特にスネアドラムね。これ機械でしょう。

それに続けましたのは、第十作1969年公開「女王陛下の007」に挿入され

ていた「愛はすべてを越えて」、ルイ・アームストロングの唄でした。ここまでの主題

歌はすべてどことなく「ゴールドフィンガー」調でしたが、これは違いました。

この2枚組『ジェ—ムス・ボンドに捧ぐ 私たちの愛したスパイ(デラックス版)』で

聞ける黒人はこのふたりだけです。その他は、リタ・クーリヂ、カーリー・サイモン、シーナ・

イーストン、アハー、ドゥラン・ドゥランといった公開時の大物を次から次へと起用してい

て、このシリ—ズが大人気作品だった事が分ります。

2015年には「007スペクター」というのが作られていますから、きっとこの後

も続きますね。ロケ地の話題を聞いたような気もします。主題歌は誰だ。

実はわたしは映画館では1本も007連作を見た事がありません。断片的な

映像の記録はテレビや予告編、機内放送からだと思います。イアン・フレミングがジャメ

カで書いていた、というのを聞いて親近感を持ち、「カジノ・ロワイヤル」を読んだの

ですが、余りにナムパな筋書きで閉口しました。2006年の復刻版も観てまして、

アストン・マーチンDBSの8回転レシーヴも憶えていますが、はてどこだ。やはり映画

館ではなかったような・・・。

ただし音楽は自然と耳に入って来て、大体を知っていました。そのくらい

あちこちで流れていたのでしょう。それほど熱心に聞いていなかったわたし

にも、こうやってまとめて聞くとズドーンと来ましたね、今朝は。

ショーン・コネリーのボンドで人気が上がって来た絶頂期にわたしはまだ、ドギツイ色

気も含まれた大人の娯楽映画を観る事が出来ない子供でして、映画館の大き

くて刺激的な看板画を遠くから見つめているだけだったのが事実です。

この主題歌は今も大好きです。1964年公開の「007/危機一髪」から

「ロシアより愛をこめて」、マット・モンローです。

 

M19.ロシアより愛をこめて(2’34”)マット・モンロー

-L.Bart-  東芝 TOCP-8093/4

 

M20.ラジオ・スポット(1’02”)  死ぬのは奴らだ

東芝 TOCP-8093/4

 

N  「007/危機一髪」から「ロシアより愛をこめて」、マット・モンロー、その次は「死ぬ

のは奴らだ」のラジオ・スポットでした。

さてモニカ・チャプマンの「ゴールドフィンガー」から始まったダボーオ−セヴンの音楽集、

如何でしたでしょうか。最後に「ゴールドフィンガー」のオリヂナル歌手シャーリー・バッシー

が唄ったもうひとつのダボーオ−セヴン主題歌を聞いて下さい。

1971年公開、1作だけ復活したショ—ン・コネリ—のジェイムズ・ボンドが好評だった

「007/ダイアモンドは永遠に」。

 

M21.ダイアモンドは永遠に(2’42”)シャーリー・バッシー 

-J.Barry, D.Black-  東芝 TOCP-8093/4

 

M22.Somewher(7’34”)West Side Story-Original Broadway Cast 

-S.Sondhem, L.Bernstein-

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  最も苦手な映画音楽を採り上げてみました。たぶん映画好きな人とは、聞き

方、感じ方が違うと思います。未熟若輩者をお許し下さい。

最後はこれも苦手なミュージカル音楽、ウエスト・サイド物語から「サムウェア」でした。

ここのところすぐ側にある図書館で作業をする事が多く、夢中になって続け

ていて閉館時刻になってしまう事も少なくありません。その時に流れる音楽

がこの「サムウェア」なんですよ。ご存知の様にこの傑作ミュ—ジカルはイタリア移民達の

物語で、彼らが「どこかに必ず自分たちの場所がある」と唄っている、ミュ—ジ

カル好きの友達からそんな説明を聞いた事があります。今ヌ—・ヨ—クのタイムズ・スクエ

アに芸術展示作品として昔の公衆電話ボックスが置かれ、受話器を取るとこの国

にやって来た移民達の苦労体験が聞けるそうです。作者代表は「アメリカは移民

の国だ、と云う事を国民としてもっと認識して欲しい」と語っていましたが、

本音は「ダイトーリョーに」ではないでしょうか。いずれにせよ素敵な企画です。

この公衆電話の中に長距離扱いでチャック・ベリ—の「メムフィス」が聞ける一台がある

とかないとか・・・。

今の「サムウェア」はオリジナル・ブロードウェイ・キャスト版でした。

あのソニーがアナログ・レコ—ドの再生産を始めるというヌウズ、HNKで同じ日に

何度も見ました。言っておきますと、ソニ—が、今のディヂタル市場を作ったので

すよ。3348という一世を風靡したマルチ・トラックレコ—ダ—やベ—ト—ヴェンの第九が収め

られる長さとして78分という規格なんかも含めてね。絶対にこっちの方が全

面的に優れている、という科学技術的な裏付けも何回か聞かされました。ど

うしたのよ。

さあ、明日は都議選の投票です。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/e030570deb8b16bbc46f133f95a2cbe1f6206bf8

  ダウンロードパスワードは、esnm7w53です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国9500万人のあなたにも。

 

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2017/06/24

mb170624

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。カラ梅雨かと思いきや集中的な大雨、

怖いですね。ここのところ各地で毎年のように「観測史上最大の雨量」を記

録更新しているようにも感じられます。まだ油断大敵、お気をつけ下さい。

大雨が降っていると、つい河川の様子を知りたくなる、これは恐いもの見た

さという、人間の性、本能でしょう。また、年寄りのお百姓が田んぼを見に

行く気持ちはとても理解できます。でも家で待機、あるいは早めの避難。何

もなければそれに超した事はないのですから、クタビレモウケで上等です。

梅雨明けは、もう少しで必ずやって来ます。沖縄、明けたってさ。

そうすれば「熱波」が・・・。

 

M01.(Love Is Like A )Heat Wave(2’44”)Martha Reeves and The Vandellas

-B.Holland, L.Dozeir, E.Holland- Motown 530 230-2

 

N  マーサとヴァンデラスで「ヒート・ウエイヴ」でした。さて、いつもながら当てにならな

いわたしの記憶でお話いたしますと、1970年代終わり頃、いや80年代初頭

かな、他業種が音楽戦線に参加して来た時期があります。そのひとつにアパレル

関係者が多数参加したモータウン・サウンドを得意とするグループで、スクーターズというの

が、この歌の邦訳版をシングルにして デビュ—していました。ラッツ・アンド・スターの

前身シャネルズが新宿のカフェ・タバーン ルイードを熱くしていた頃だと思います。

「わたしのヒート・ウェイヴ」なんていう唄い出しじゃなかったかな。先週まで

にお届けした「ダンシン・イン・ザ・ストリート」、「ノーウェア・トゥ・ラン」、「ア・ラーヴ・ライク・

ヨーズ」なんかよりもこの「ヒート・ウエイヴ」が日本では圧倒的に流行ったようで

す。わたしはとにかく「ダンシン・・・」が好きだったのですが、ウケてた理由が、

今聞いていて分ったような気がします。確かに異例とも言えるカッコよさ。イギリ

スにも日本にも 同じ名前のグループがありましたね。

さてモ—タウンの女性3人ヴォーカル・グループ、マーサとヴァンデラス。 わたしは彼女たち

がマーヴィン・ゲイのバック・グラウンド・ヴォーカルを務めていた頃から好きでした。と

言っても聞き始めたのはだいぶ後です。75年頃でしたか、ビクターからオリヂナル

仕様でモ—タウンのアルバムが何枚も出ていました。その頃は本国と同じ仕様でLPが

出るという事はまだ稀で、大抵はジャケットも異なった『○△□のすべて第X集』

といった形でしかなく、今ほど輸入盤がなかった頃、このシリーズは貴重でした。

そのシリーズが廃盤になる、なんて噂が流れて、わたしは丸井の中野本店で月

賦を組んで相当数買い込みました。レコードにのめり込む切っ掛けだったかも知

れません。

その1枚がこの63年発表の『スタボン・カインダ・フェロウ』でした。裏にはマーサた

ちの写真もあって、表題曲などで元気な唄声を聞かせています。後で見たど

こかの「ヒチ・ハイク」実演映像では、マ—ヴィンが「シカゴへ行きたいんだ、あの娘が

最後にいた場所へ」と唄った後に、「ヒチ・ハイク、薩摩守タダ載り移動だよ」と3

人揃って親指を立てて行き交う車を停める仕草をするのがカッコ良くてね。憧れ

たもんです。

では聞いて下さい。マーヴィン・ゲイ、フィーチュアリング・マーサ・アンド・ヴァンデラスです。

決定的な、この「スタボン・カインダ・フェロウ」。

 

M02.Stuborn Kind Of A Fellow(2’46”)Marvin Gaye 

-M.Gay, M.Stevenson, B.Gordy-  ユニバーサル  UICY-94923

 

N  「スタボン・カインダ・フェロウ」、マーヴィン・ゲイ、フィーチュアリング・マーサ・アンド・ヴァンデラス

でした。作者には、先週お話ししたミッキー・スティーヴンスンも名前を連ねていました。

この録音は正に決定的です。今も聞く度に興奮します。素晴らしい。63年発

表というと、今から53年前。まだ色褪せないこのミリキ、凄いな。

さて、わたしに50年後はもうないでしょうが、これから死ぬまで聞き続け

そうなアルバムがウム・サンガレの今年の2017年新譜『モゴヤ』です。今朝まで毎週続

けてお届けして来て、残っているのはあと2曲。モーニン・ブルーズで全曲紹介と

いうのは、ヤマダかつてない偉業です。「特集物が(yaya)苦手なのは」、もう

みなさんご存知でしょう。が、この『モゴヤ』は別。

あ、特集じゃないか。ただの連続全曲紹介ですね。今朝は6番目のトラック、

「頼れる誰かを見つけられることほどすばらしいことはない」と唄いってま

す。サンガレ版「レット・イト・ブリード」でしょうか。

「ジュクル」。

 

M03.ジュクル(4’10”)ウム・サンガレ

-O.Sangare- P-ヴァイン PCD-18822

 

N  「寿来る」、ウム・サンガレのアルバム『モゴヤ』からでした。長いフェイド・アウトにも、

何やら意味がありそうです。よく聴くと完奏してますね。来週のあと1曲で、

日本だけのオマケ・トラックも入れて、ここからは全て紹介した事に成増東上線駅。

どうぞお楽しみにお待ち下さい。もちろんその後でもまだまだ聞いてもらい

ますよ。

さて次も集中的に紹介、といってもまだ2回目か。チャック・ベリーの遺作と

なった『チャック』からです。今朝はとても洒落の利いた1曲をお届けします。

「ジャメカ・ムーン」。

 

M04.Jamaica Moon(3’50”)   

-C.Berry-  Decca 00602557561241

 

N  「ジャメカ・ムーン」、チャック・ベリーでした。どなたもお分かりのようにこれは名曲

「ハバナ・ムーン」のパロディです。世界中の期待にきちんと応えてくれました。唄

はオリヂナルよりも熱が入っている様にも聞こえます。1956年の発表から60年

経って、あの時言い忘れた事が沢山出て来たのかもしれません。パトワ、ジャマイ

カ訛り英語を上手に使っているところは変わりません。

ロックンロ—ルだけじゃなくてカントリーもカリプソもある。流石です。これに象徴される

ようにこのアルバムは、チャック自身が楽しんで作っていますね。次もチャックの側面を

物語る1曲。冷静な洞察と推理、それを抑えめの抑揚で落ち着いて表現して

います。契約通りに腕時計を見ながら務めるステイヂでの覚めた姿が浮かんで来

ます。

「ダッチマン」。

 

M05.Dutchman(3’47”)Chuck Berry  

-C.Berry-  Decca 00602557561241

 

N  カッコいいでしょ。チャック・ベリー、「ダッチマン」。演奏も語り口調も非常にクール。これ

を聞くと、死ぬ間際までチャックの想像意欲は衰えていなかった事が分ります。

カッコ良い。彼を最高齢とする黒人世代は、今なにかと言えば新しいスタイルの象徴

として「ラップ」、「ヒップホップ」スタイルを持ち出しますが、そうじゃないやり方で

見事に現代の一面を切り取って見せます。もっとも彼のこういう観察力や発

想は大昔からのものですありますが。

さあチャック・ベリー、朝からロックンロ—ルだぜ。30センチのアナロ−グさ。

「ビグ・ボーイ」。

 

M06.Big Boys(3’06”)Chuck Berry  

-C.Berry-  Decca 00602557561241

 

N  死後、一足先にネット上で公開されていた「ビグ・ボーイ」。リード・シングル扱いに

なっていました。呆れるほどのチャック・ベリ—・スタイルです。掛け合いのギターは、

トム・モレロ。チャックを最大限に尊重した演奏です。それを面白がっているチャックの笑

い顔が見えるようですね。こういうのには、何も言う事はありません。

さて、先週のスタンダ—ド曲「ユー・ゴ−・トゥ・マイ・ヘッド」で絶品のハーモニーを聞か

せてくれた娘のイングリッド、今回は唄だけでなくハ—モニカも披露しています。ギター

で参加しているチャック・ベリ—三世、孫は彼女の子供なのでしょうか。そのイングリ

ッド、ここでも一緒に唄っています。

「ダーリン」。ライヴ・アナローグ、チャック・ベリ—。

 

M07.Darlin’(3’21”)Chuck Berry       

-C.Berry-  Decca 00602557561241

 

N  「ダーリン」、チャック・ベリ—でした。これは年老いた父親が娘に「もうわたし、先

は長くないよ」と語って聞かせる歌です。お客が帰った酒場で専属ピアノ弾き

に「ちょっと付けてくれ」と店の主人が唄っているような雰囲気です。場末

感満点。ずっと月に一度の実演を続けていた知人のクラブ「ブルベリー・ヒル」の「ク

ロージング・タイム」はこんなだったのでしょうかね。

さてLPでお届けした『チャック』、これで8曲を聞いてもらいました。残った

2曲、「シー・スティル・ラーヴズ・ユー」「アイズ・オヴ・マン」、こちらは皆さんからのリクエ

ストを待つ事にしましょう。

 

M08.My Generation(3’18”)The Who

-P.Townshend-  ユニバ—サル UICY-20181

 

M09.We’re Not Gonna Take It / See Me, Feel Me(5’28”)The Hillbenders

-P.Townshend-  BSMF 6064

 

N  ちょっと長い時間でしたが、聞いて頂きました。始めの曲目はザ・フーの「マ

イ・ジェネレイション」です。「さらば青春の光」という映画をご存知でしょうか。手

元のDVDには1979年のクレジットがあります。実際に観たのはもう少し後かな。

映画館でした。ザ・フーにもモッズにも門外漢のワツシイサヲですが、高い緊張感の持

続した画面には惹き付けられました。「ディ・アイス」のスティングが高級ホテルの荷物

運びだった事を知って、揺れ動くする心で断崖絶壁に向き合う主人公の姿、

あの場面をもう一度確認したくて観ました。良く出来ています。貧しく将来

の展望もなく、生命力と時間を持て余して屯す若者たちの苛立ちが痛いほど

に伝わって来ます。

「50年代の生まれで60年代に音楽を聞き始めた若者はロックンロールが

すべてだったんだ」、これはチャック・ベリーの『ザ・ロンドン・チャック・ベリー・セッションズ』

(MCA MVCM 22105)の解説にある文章です(発言:ピーター・バラカン、聞き手

ワツシイサヲ)。この「さらば青春の光」を観ると、それは本当の事だったんだろう、

と思えますね。

原作はピート・タウンゼントの『四重人格者』だという事です。そちらは未体験な

ので、何とも言えませんが、この時代にここまで直接的に、病めるロンドンの若

年層状況提示をした人間はいなかったでしょう。『トミ—』と同じ作者であるピ—

トという男は相当な才人だなあ、という事くらいは、わたしも分りました。

そこでヒルベンダーズのブルーグラス仕様『トミ—』から「ウィア・ノット・ゴナ・テイキット〜

シー・ミー、フィール・ミー」も聞いて頂きました。

ここからはしばらくカントリーです。

 

M10.Save The Last Dance For Me(3’41”)Emmylou Harris  

-D.Pomus, M.Shuman-  Warner Bros. / Rhino 8122 79835 1

 

N  エミルー・ハリスで「ラストダンスは私に」でした。アルバム『ブルー・ケンタッキー・ガ—ル』から

です。これは1979年の作品なんですが、わたしの記憶ではもう少し前に聞い

たような覚えがあります。どうもわたしは『エミルー・ホテル』と混同してるようで

すね。

それとは全く関係ありませんが、エミル—のこの録音の印象で作られたんじゃ

ないか、と思われる1曲に最近出会いました。まず聞いて下さい。

「スタート・オーヴァ」、ザク・ブラウン・バンドです。

 

M11.Start Over(4’12”)Zac Brown Band  

-Z.Brown, N. Moon, B.Simonetti, P.Williams-  Elektra 7576-86620-3

 

N  如何でしょう。主題も違えば詞曲も異なります。それでも全体の響きがエミル

ー・ハリスの「ラストダンスは私に」とそっくりです。これは盗作暴露をしているので

はありません。多分詞曲が出来上がってアレンヂを考える時に、「ああ、エミルーの

『ラストダンス』みたいにしようよ」と誰かが言い出して、即座に全員の合意で物

事が進んだのではないでしょうか。作業中の楽しそうな様子が目に浮かびま

す。ザク・ブラウン・バンドで、「スタート・オーヴァ」、ザク・ブラウン・バンドでした。

では同じく彼らの最新作『ウェルカム・ホーム』から、「ルーツ」。

 

K12.Roots(3’50”)Zac Brown Band

-Z.Brown, N. Moon, B.Simonetti, C.Bowis-  Elektra 7576-86620-3

 

N  ザク・ブラウン・バンド、「ルーツ」でした。わたしにはかなりブラッド・ペイズリー調に

聞こえますが、このテムポー、唄い方は現代北米カントリ—の大きな流れなのでしょ

う。もう何も言いません。

次は如何にもザク・ブラウン・バンドらしい暖かなハーモニーで満たされた1曲。

「トゥー・プレイシーズ・アット・ワーン・タイム」。

 

M13.2 Places At 1 Time(3’40”)Zac Brown Band

-Z.Brown, N. Moon, B.Simonetti-  Elektra 7576-86620-3

 

M14.リトル・ハウス・オン・ザ・ヒル(3’03”)ウイリー・ネルスン  

-L.Rhodes- ソニー SICP 5311

 

N  ギター・ソロ、珍しく滑らかなウイリー・ネルスンの「リトル・ハウス・オン・ザ・ヒル」、新しいア

ルバム『なんてこったい』の冒頭曲です。歌の内容も、旅の途中で生まれ育っ

た我が家を懐かしむという不滅のカントリー主題。こういうシムプルなスタイルをかくも

あっさり決められるのは、もはやウイリー・ネルスンくらいしかいないでしょう。も

っとも今も昔もそれしか出来ない、という人はまだ大勢北米南西部に生息し

ていると思われますが、別格的に気持ちの良い出来でした。「リトル・ハウス・オン・

ザ・ヒル」。

 

M15.It’s Time You Made Up Your Mind(3’42”)Dave Keller 

-D.Keller-  Tastee Tone  TT-3043

 

N  さて先週のロバート・クレイではありませんよ。またまた多分にアル・グリーン的な1

曲をお届けしました。デイヴ・ケラーの「決めてくれ」です。白人のヴォーカリスト / ギ

タリスト、生まれはマサチュ—セッツです。今40歳くらいでしょう。ロニー・アールの下で演奏

を続けて独り立ちしました。1年程前でしょうか、かつてのブルーズ音楽はその

殆どを白人女性に奪われてしまったと、毎週のようにわたしが騒いでいた時

期があります。昨今ではソウル歌手という場所も欧米では白人男性の定位置にな

りつつあるようですね。

その類いの音楽を聞いていつも連想されるのが、ハイ・リズムとアル・グリーンの作

っていた数々の名曲です。今回デイヴ・ケラーたちがそれをお手本にしているか

どうかは別として、どれもどうしても似た響きになって来ています。彼の場

合も特にマイナー・キイで奏でられる楽曲は非常にそれに近い。ハイ・リズムとアル・グリ

ーンは、ひとつのカッコ良い典型、理想的な音楽を70年代に創り出していた、と

言えるのではないでしょうか。しかも誰にでもやってみる事のできる形で。

ここんとこが大きいと思われます。

ではそのデイヴ・ケラー、最新アルバムの表題曲です。

「ライト・バック・アッチャ」。

 

 M16.Right Back Atcha(3’41”)Dave Keller    

-D.Keller-  Tastee Tone  TT-3043

 

M17.Honey Bad(6’08”)ロバート・クレイ&ハイ・リズム 

-Sir Mac Rice-  ウルトラ・ヴァイヴ JV 2017J

 

N   デイヴ・ケラーの「ライト・バック・アッチャ」に続いては、ロバート・クレイ&ハイ・リズム。

今朝はクレイのギタ—・ソロが堪能出来る「ハネ・バーッド」でした。彼のソロはこういう

淡々とした進み方に特徴があります。劇的なクライマックスを意図的に演出するタイプ

では決してありません。実演などではそれが物足りなく感じられる時もあり

ますが、音色も芯があるけど細くて乾いているでしょ。今の「ハネ・バーッド」

は延々と場当たり的に続く処も含めて、とてもクレイらしい。長い時間をかけた

フェイド・アウトもその辺を強調しているのかもしれません。制作責任は、スティーヴ・

ジョーダンです。

さて先週末から公開されている「約束の地、メンフィス 〜テイク・ミー・トゥ・ザ・

リヴァ」という映画があります。事前知識を全く持たずに、初回上映を観に行

きました。わたしと同年代位の人たちが結構大勢来ていまして、まずまずの

入り。メムフィスのスタックス、ハイというふたつの大きな黒人音楽レイベルを軸に、この町

のR&B世界が語られています。とても面白く、終映後に映画館の外で「ぴあ」

に聞かれた感想では「89点」と答えました。

オリヂナルのサウンドトラックがありまして、詳しくはそれを使って来週お話するつも

りです。今朝は映画の中でとても印象的だった出演者のひとり、チャーリー・マッセル・

ホワイトがこの地メムフィスで、2013年にベン・ハーパーと行なったブルーズ・セッション、正式

にはベンのセッションにチャーリー・マッセルが参加した形ですね、その時のアルバム『ゲタップ』

からゆっくりと聞いて下さい。

「オール・ザット・マターズ、ナウ」。

 

M18.All That Matters Now(4’54”)Ben Harper With Charlie Mussel White

-B.Harper-  Stax 0888072338746

 

M19.ダブ天国(4’45”)ランキン・タクシー   

-T.Shirahama, I.Washizu-  WEA WPC6-8504/5

 

N  男甲「あ、ツノシタ・ギュウヒです。しばらくですね」

男乙「これはこれは。トシマ・ネンマルです」

男丙「クメバ・ヂモチです。お待ちしていました」

男甲「便利になったもんですねえ、こうやって離れたところの人間が、お

互いの姿を見ながら、話し合いが出来るなんてね。しかも音が遅れ

ない」

男丙「あ、チョーカンですよ、チョーカンが見えられました」

男戊「みなさん、お揃いで。お変わりありませんか」

男乙「オリムピックの経費負担がもう大変で、と言い続けて県民の注意を公立高

教員の不祥事からそらしていますが、ネタが尽きてしまいそうです」

男甲「うちもです。福祉施設の事件の他、教員、警官に問題が多いんです

よ。更には自衛隊/米軍基地もありましてテンテコトマコマイ。イージス艦っての

は意外に脆いんですねえ。挙げ句に大事な版画がコピ—にすり替えられ

ていたなんて、泣き面にハチです」

男丙「女子禁制のゴルフクラブ問題もありまして、手に負えません」

男戊「いずこも同じですなあ。五輪開催に伴う具体的な負担金額は後ほど

調整するとしまして、如何でしょう、お三人が揃ってモヂレ・ムキヨ知事

の方針に団結して異論を唱える、というのは」

男乙「賛成ですね」

男丙「わたしは少しでも負担が軽減されれば構いません」

男甲「いいですね。大々的に報道してもらえますか。ワタシ、映りますね」

男戊「もちろん。ゴミ売り新聞の他にも子飼いのマスコミはいくらでもいますし、

こちらのいう通りですよ。どうです、三人で官邸を訪問して決起文

書を手渡し、そこを取材させるというのは。テレビはその日のうちに

露出ですよ。」

男甲、乙、丙「意義ありません。嬉しいですね」

男戊「では早速手配しましょう。念のため申し上げておきますが、これは

まず来る都議選で都民カーストを撃退することが目的です。モヂレ都知事

は本当の事を言ってしまうから、困るのですよ。フシギ移転問題でも、

寝た子を起こすような事をしてくれました。我が党の被害は大きい

ですね。ここで派手に三県知事とソーリ大臣の合意、連帯を打ち上げて

おけば、数ある閣僚不祥事のゴマカシに少しはなるでしょうし。『民主

主義』がどうのこうの、という論調はテッテ的に抑えなければいけませ

ん。お分かりですな。それぞれの次の選挙では、全面支援をお約束。

もちろん闇交付の件は了承しております」

男乙「何か証文でも書きますか」

男戊「そういう事をするから、アシが付くんですよ。このネット会談すら極秘な

んです」

男乙「そうでした。失礼」

男戊「ではお揃いでの訪問日程を決めさせます。早い方がいいですね」

男甲、乙、丙「何とぞ宜しくお願い致します」

男丙「あれ、画面にツイタ—飛んで来ましたよ。出席者以外で見てる人間がい

るんですか」

男乙「混信じゃないですか」

男丙「混信だったら、漏れてる可能性もある。大丈夫でしょうか。まあコーム

インの内部告発は罪に出来ますから、揉み消しも楽になりましたがね」

男戊「怪電波で乗り切れます。ご協力を」

 

以上、今朝のロックンロ—ル時事砲弾、「役人天国」のダブをB.G.M.にお送りし

ました。

 

M20.シーユー・イン・セプテンバー (2’03”)テンポズ 

-edwards, Wayne-   ワーナー WMC5-87/8

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  今朝の最後は夏休み前に恋する十代が不安と共に唄う「我々は新学期の9

月にまた再び逢い見えるのであろうか」、ザ・テムポ−ズでした。これは6月の

歌です。決して9月の歌ではありません。先ほどの「ラストダンス」もそれと同じ

です。「最後の1曲はわたしに取っておいて頂戴ね」ですから、これを最後に

聞かされても困ります。

来週は2017年ライヴ・マヂック総決起集会に参加する予定です。遅れそうです

が、大家さんの澤田修も来るって言ってます。

さて、昨日公示された都議選。大事ですよ、とても。それだけ申し上げて

おきます。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/e9fd14bfe7cb0ba7f1d27829413f311fd53f3239

  ダウンロードパスワードは78k9iuuvです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも。