カテゴリー : Mornin’ Blues by IsaoWashizu

【幻】モーニン・ブルーズ 2019/01/12

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TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年01月12日を  

 始めましょう。月、火、水、木曜日と寒かったですね。実は昨年秋の冬仕度

 の時にガス・ストーブが1台行方不明になったままでした。レコードや本が仕舞った

 筈の場所に有らず、なんてのは日常茶飯事なのですが、ストーブのように大きな

 物が無いなんてどうした事でしょう。「多分あそこに」という察しを付けたの

 ですけれど、そこにもありませんでした。そして年が開けて、整理もせずに

 使わないものを放り込んである場所を別の目的で整理していたら、なんと探

 していたガス・ストーブ、きちんと箱に入って有りました。ちょうど月曜日の寒

 くなる日。それから毎日フル稼働です。助かったあ・・・。

  さて昨年末の生放送の時に、本当は愛と憎しみの2018年最後にお送りした

 かった1曲があります。今朝はそれから始めましょう。

M01.ヒッピー・ヒッピー・シェイク(1’40”)ジョージア・サテライツ

-C.Romero-   WEA WMC5-584

N  ヂョーヂア・サテライツ、1988年の、これは映画に使われた録音でしたかね。スウィン

 ギン・ブルージーンズ、シルヴァ・ビートルズでもお馴染み、チャン・ロメロがオリヂナルの決定的

 な「ヒピー・ヒピー・シェイク」、1分40秒でお送りしました。

  最後に「お正月」の除夜の鐘の音にぶつけて「フォー・グーッネッセイク・・・」と

 騒ぎたかったのですが、残念。もう松の内を過ぎましたが狂って下さい。

  そしてもう1曲、これも時間切れでした。

M02.Fools Fall In Love(2’31”)The Drifters

-J.Leiber, M.Stoller- Atlantic 8122 73249-2

N  ドリフターズの「フールズ・フォール・イン・ラーヴ」、これはね、クリスマス前に行ったブラデス

 ト・サキソフォンの実演終了後にDJが回していて、「いいな。やっぱり俺はこういう

 のが好きだな」と再認識した次第。放送では押し込むところがないまま、ち

 ょうど時間となってしまったのです。「間抜けなキューピド」の前後なら違和感

 なかったかな。

M03.Ton Ton(3’43”)Salif Keita  

-S.Keita-  believe NJ 629011

N  年末に出たサリフ・ケイタのアルバム『アン・オー・ブラン』から「トン・トン」です。何でも

 これが彼の最後の作品になるとの事で、遺作的に扱われていますが、亡くな

 った訳ではありません。69歳という高齢になってもう活動を続けられない、

 と「引退」宣言をしたようです。彼はアルビノ、先天的に肌が異様に白く生まれ

 る症状持ち、なのでもともと虚弱体質で、こんなに長生きする事じたいが稀

 です。

  同じ病気を持っていたジョニー・ウインターは結構長生きしたね。他にアルビノという

 と、ジャメカのイエロー・マンもそうでした。キングストンのスーパー・マーケット駐車場で遭遇し

 た事がありまして、至近距離ですと見るからに病弱でしたね。彼は比較的若

 くして亡くなっています。

  それはともかく、ワールド・ミュージックの盟主として20世紀末を風靡した浅利不

 携帯、彼の最終作品はこれまでわたしが苦手としていた、完璧な設計で人心

 の入り込む隙を与えない、ある意味で聞く人をも拒絶するような、最高裁判

 所の建物のようなコンクリート打ちっ放し感がなく、柔らかい印象の出来です。そ

 れだからでしょうか、わたしも抵抗なく聞けています。古いギブスンのギター

 を抱えたジャケットも素敵なアルバム『アン・オー・ブラン』です。

  では冒頭の一曲となる「ヲェレ・ヲェレ」も聞いて下さい。

M04.Were Were(4’56”)Salif Keita  

-S.Keita-  believe NJ 629011

N  「ヲェレ・ヲェレ」、サリフ・ケイタでした。後半でジーザス・クライストの生まれ変わりとされ

 たエチオピア皇帝でジャメカ基督教の神の名「ハイレ・セラシエ」を叫んでましたね。

  この曲は先ほど述べた、わたしの苦手な、ここまでのサリフ・ケイタ調が強いで

 すが、それでも聞いていて拒絶される事なく楽しむ事が出来ます。他にも実

 に完成度の高い楽曲が並んでまして、充分以上の仕上がりと言って良いでし

 ょう。音質も非常に良好です。多分主要な作業はパリで行われたと思われま

 すが、なかなか得られない水準です、ホント。しかも生まれ故郷のマリから少しも

 離れていない。逆に欧米の世界基準導入部分が陳腐に響く程、「民族音楽の本

 質」が込められています。いやあ凄いなあ。

  この人はどの作品も全力投入で向き合っていまして平均打率が高いのです

 が、本作は特に別格ですね。

  ではアルバム『アン・オー・ブラン』からもう一曲、全編をヴォーカルで構成した

  「トリランケ」。

M05.Triranke(6’38”) Salif Keita   

-S.Keita-  believe NJ 629011

M06.Movin On(2’15”)Ray Camacho Super Band

-R.Muller, W.Williamston- Ever Land 015CD

N  ハイ、出ました。昨年初登場の異色尖り男、レイ・カマチョのスーパー・バンドです。明

 らかにジェイムズ・ブラウンの影響が感じられるダンス曲で、「ムーヴィン・オン」でした。

  続きまして、こちら・・・。

M07.Not Guilty(3’56”)ヴォードゥ・ゲーム

-unknown-  オルター・ポップ AFPCD-36361

N  「俺はシャチョーじゃないんだ、ただの運転手だよ」と繰り返すのは、昨年末の

 生放送でもお送りしたヴォードゥ・ゲイム最新作の冒頭曲です。レコード店で見かけ

 た時には「ジェイムズ・ブラウンの・・・」という紹介付箋紙が付いていました。

 レイ・カマチョ・スーパー・バンドと同じく、確かにその通り。ま、分かり易いからね。

 ただヴォードゥー・ゲイムの場合は、J.B.よりもフェラ・クティの方が強いのではないでし

 ょうか。また最新作全編を通して聞くと、他の音楽から受けた影響よりもグル

 ープ・リーダーのピーター・ソロの創造性の方が強く感じられます。

  ところで今週月曜日の朝、ラジオを点けたらこの音楽が流れてました。

M08.タタ・ファティゲ(3’34”)ヴォードゥー・ゲーム

-unknown-  オルター・ポップ AFPCD-36361

N  ヴォードゥー・ゲイムの「タタ・ファティゲ」です。とても素敵なベイス・ライン。「はて何だ

 っけ」と、聞いた時はすぐに何だか分からず、DJの送り曲目紹介もなかった

 ので番組ホームペイヂで探したら、アルバム『オトディ』の3曲目のこの歌でした。な

 あんだ。

  本当に何て魅力的なベイス・ラインでしょう。弾いているのは、発音不詳の男、

 Gaetan Ahouandjogbeという人。「Gaetan」の「e」の上には、ローマ字の長音

 記号と同じ物が付きます。このアルバム全体を支配するクールでエキサイティングなベイス・

 ライン、これはね、スマフォじゃ味わえない音域ですから、せめて小さくてもいいの

 でオーディオ・スピーカで鳴らして下さい。集中力を高めてベイスだけ聴き込んでると

 発狂しそうになります。

  ではヴォードゥー・ゲイムの最新作から、「タタ・ファティゲ」と並ぶ魅力の「サムシング・

 イズ・ロング」を、昨年末の生放送に引き続きお聞き下さい。早朝ですので、音

 量には充分お気をつけて、でも大きくね。

  なお、前述の素敵なラジオ番組はNHK-fmの「音楽遊覧飛行」で、DJはサラー

 ム海上でした。

M09.サムシング・イズ・ロング(4’13”) ヴォードゥー・ゲーム

-unknown-  オルター・ポップ AFPCD-36361

N  「サムシング・イズ・ロング」ヴォードゥー・ゲームでした、お分かりですな、「死刑」。

  先週のザーップ特集は、若干の驚きを持って迎えられたようですね。わたし

 としても、それが意外でした。確かに「幻」は北米黒人音楽番組じゃないか

 らね。それとこの響きが「ディースコウ」の連想に繫がるのにも戸惑いましたが、

 考えてみれば、当然です。これを他のどんな音楽と呼べましょうか。ただディ

 ースコウ音楽成立以前から、特に北米黒人たちにはこの種の踊りの音楽が空気や

 水のように必要不可欠だった、という点はお見逃しなきよう願います。ま、

 これは世界中どこの庶民にとっても同じ事ですけれどもね。

  さてこの日の特集で一連のザーップ音楽をザーップと紹介したつもりでしたが、

 あるヴォーカル・グループをすっかり忘れていました。1984年に2枚のアルバムを出

 していたヌウ・ホライズンズです。5人組として出て来ましが、果たして実態が

 あったかどうか疑わしい。1枚目にはコンサーヴァティヴな服装でニコヤカに微笑んだメム

 バ写真が掲載されていましたが、2枚目では地平線に立つ4人の全身像。遠景

 ですからそれぞれの特定も出来ません。マーク・トーマスとバート・トーマスの、兄弟かな、

 この二人がリードを取っています。例によってロジャー・トラウトマンが作業の殆ど全て

 を仕切っていますが、1枚目ではバーニー・ヲレルやメイシオ・パーカーも参加してますね。

  では聞いて下さい、ヌウ・ホライズンズです。

  1枚目のLPから「リーチング・フォー・ヌウ・ホライズンズ」。

M10.Reaching For New Horizons(6’39”)New Horizons   

-R.Troutman, L.Troutman-  Sony / Columbia funky town groove HTS-004

N  「リーチング・フォー・ヌウ・ホライズンズ」でした。この繰り返しの長さは確かに「デ

 ィースコウ」ですね。後半ベイス・シンガーが出て来る辺りは本格派的でもありますが、

 どこか可愛いらしいヴォーカル・グループです。当時からわたしは好きでした。そ

 れを忘れてちゃダメだね。「ヌウ・ホライズンズ」です。

  この盤もその頃持っていたアナログLPが出てこないんですよ。2オン1で2枚

 のLPが聞けるCDが出ているので、それを入手しました。今回はこういった

 買い直しが数多くあります。梅勇芸徒でも使いますからね。

  さて御大ロジャー・トラウトマンは「アイ・ヲナ・ビ・ヨー・マン」の大ヒットの後もアルバムを

 発表してまして、正規の物としてはこれが遺作になってる筈です。今回それ

 をわたしはじっくり聴いていなかった、という事実も判明しました。年明け

 早々から早々にこの遺作を聴き込みましたので、1曲お聞き頂きましょう。

M11.キュリオシティ(6’40”)ロジャー   

-R.Troutman-  ワーナー WPCP-4569

N  「胡瓜安、胡瓜安」と叫び続けている「キュリオシティ」、ロジャーの遺作『ブリッジング

 ・ザ・ギャップ』からお聞きいただきました。このアルバムはそれまでの作品と

 少々手触りが異なります。何よりもジャケットのロジャーが難しい顔をしています。

 それまではサーヴィスたっぷりにひょうきんな表情で楽しませてくれていました

 が、これは違う。収録曲もマジな雰囲気で彩られていまして、ザーップ一連に共

 通するノーテンキ度が低い。今の「キュリオシティ」だって「ずっと見てんだよ、興味あ

 るからさ」とかなり切実に迫っています。ヘラヘラ笑ってナムパしてたこれまでと

 は別人格です。発表当時感じていた印象はあまり変わりませんでした。

  こんな事を今月26日の三鷹バイユー・ゲイトで行われる「生語り皿回し」で披

 露します。持ってなかった『ザーップIV』も手に入ってます。中古盤CDでも

 7500円しましたから、存分に聴いてもらいましょう。ぜひお運び下さい。

  さて次はガラリと変わって、弘田三枝子です。「幻」重度聴取者の「火のムジ

 鳥」さんが以前に送ってくれたCD-Rに『ミコ・イン・ヌー・ヨーク』という盤があり

 ます。弘田三枝子が1965年にヌー・ポート・ジャズ祭に出演した帰りにヌー・ヨーク

 で吹き込んだジャズ・アルバムで、ビリー・テイラーのピ アノ、ベン・カッターがベイス、そし

 てドラムズがグレイディ・テイトというトリオ編成が演奏を務め、その年に国内発売され

 ていました。

  これに収められている1曲が、「サニー」。黒人カントリー歌手ボビー・ヘブのあの歌

 です。一説によるとこれがこの楽曲の初録音だとか。確かにヘブ本人によるヒッ

 トは翌66年ですから、可能性はありますね。ここではボブ・ドロウとヘブの共作

 になっているのにも注目。ボブ・ドロウと言えば、「マイルス・デイヴィスと吹き込ん

 だたったひとりの歌い手」でして、1980年には金子晴美のデビュー作をプロデュ

 ースしていました。クレジットこそありませんが、このミコのアルバムでも企画制作進行

 をしていたのではないでしょうか。自分の作品も提供しています。おそらく

 このクレジットは、著作印税で労働報酬を捻出するための作者登録でしょう。本

 来「サニー」はボビー・ヘブひとりで書かれた歌ですから。

  では聞いて下さい、弘田三枝子とビリー・テイラー・トリオです。

  「サアニイ」。

M12.サニー(4’00”)弘田三枝子 

-B.Drough, B.Hebb- コロムビア COCP-35121

M13.Sunny(3’35”)イナ・フォルスマン 

-unknown-  BSMF 2644

N  弘田三枝子とビリー・テイラー・トリオで「サアニイ」でした。この初録音時に、周辺の

 人間はこの「サニー」の良さに気づかなかったのでしょうか。岩浪洋三のライナで

 も別に特筆されていません。これをシングルにしてたら世界中でヒットした楽曲の

 誉れ高きオリヂナル録音として威張れたのに、残念ですね。

  続けましたのは、イナ・フォルスマンで同じタイトルの「サニー」。こっちは「シャニー」かな。

 今月末に発売になる新作『ビーン・ミニング・トゥ・テル・ユー』から、最後に収められ

 ている無伴奏独唱でした。

  これは凄いですね。集中力を切らさず3分半唄い上げています。表情も豊

 か。今回は前作に較べて、収録曲も表現もグッと幅が広がった感じ。写真で見

 る限り、美しくもなられました。全体のサウンドも上手くツボを抑えていますが、

 やはり一番はイナの唄だなあ。若干エイミー・ワインハウス的にも聞こえますが、それは

 昔から。彼女は着実に大きくなっています。

  では、ヴォーカル・アレンヂが巧みな「ワチャ・ゴナ・ドゥ」。

M14.Whatcha Gonna Do(3’55”)イナ・フォルスマン

-unknown-  BSMF 2644  

M15.シュアー・ドント・ミス・ユー(2’56”)ザ・ディップ

-unknown-  Pヴァイン PCD-17792   

N  「ワチャ・ゴナ・ドゥ」イナ・フォルスマンでした。その後に出てきたのは、ザ・ディップ

 というシアトルから出た7人組R&Bバンドです。説明には「まるで60’sヴィンテージ

 ソウル」とありますが、捻くれ者のわたしにはとても「今」の音に聞こえます。

 ヴォーカルがいいですね。MBLシアトル・マリナーズの偉人スズキ・イチロー、入団決定の菊池

 雄星と共に、今年の注目です。アルバムは来月の発売。他のトラックを聞いてみたい

 ですね。 

  そしてブラジルからは、こんな音楽が届いています。  

M16.タンバリン、クイーカ、カンザ、ビリンバウ(4’15”)ザ・ジャズインヴェーダース  

-unknown-  Pヴァイン PCD-24806   

N  ザ・ジャズインヴェーダースで「タンバリン、クイーカ、カンザ、ビリンバウ」でした。ブラジル

 音楽には馴染みの深い楽器、「タンバリン」、「クイーカ」、「カンザ」、「ビリンバウ」を呼び

 上げた面白い詞(ことば)、そしてサムバ・フュージョンに必須の超絶的馬鹿テクが心

 地よく混じり合っています。原曲はアジムスだそうで、ここでも共演しています。

 アジムス、まだ演ってたのか。わたしの印象ではコワモテ楽団ですが、こんなユーモアも

 あったのですね。これもアルバムを聞いてみたい。

  さてオルガン・トリオと言えば、オルガン、ギター、ドラムズの3人編成が基本。ベイス部

 分はペダル鍵盤で対応、渋い素材をシブーく、またある時はポップに提供してく

 れる、わたしの好きな器楽形態です。次に紹介するクッキン・オン・スリー・バーナーズ

 も紛れもなくそのオルガン・トリオなんですが、ちょっと違います。非常に今風、

 新しい感覚なんでしょうか。聞いているとわたしには、ロックを通り抜けてきた

 若い音楽家たちが見えて来ます。

  今朝はまず、ザ・メルトダウンというグループのサイモン・バークをヴォーカルでフィーチュアした

 「ガーデン・オヴ・フリーダム」を聞いて頂きましょう。クッキン・オン・スリー・バーナーズ

 です。

M17.Garden Of Freedom(4’02”)クッキン・オン・スリー・バーナーズ

-unknown-  BSMF 5060

M18.A Whiter Shade Of Pale(4’37”)Bobby Broom & The Organi-Station 

-G.Brooker, C.Fisher, K.Reid-  Jazzline N 77059 

N  クッキン・オン・スリー・バーナーズで「ガーデン・オヴ・フリーダム」でした。年明け早々に

 家のガスコンロが壊れましてね。新しく来たのがスリー・バーナーズでした。関係あり

 ません。

  さて、新年になってから昨年を振り返っていると、非常にオーソドックスなオルガン・

 トリオでキメてくれたギタリスト のアルバムがあったなあ、と思い出しました。2020年

 代の新しいオルガン・トリオの後は、1960年代の楽曲「青い影」と、オーソドックスな

 ボビー・ブルームとオーガニゼイションの演奏でお楽しみ頂きました。プロコルハルムのこの名

 曲は、フィルモア・ウエストでのキング・カーティスの演奏が素晴らしい。ビリー・プレストンの頂

 点を極めるように弾かれたオルガンが今も鮮やかに蘇ります。それとは趣を変え

 たボビー・ブルームとオーガニゼイションの「青い影」、如何でしたでしょうか。

  年末になって初めて向き合ったダスティ・スプリングフィールドの余韻もまだ相当な

 物がありますね。わたしが手に入れたベスト盤表紙のポートレイト写真が強烈な印象

 で、誘い込むような悪魔の魅力が伝わって来るんです。それに惑わされた身

 としては、生放送のどこかでお届けしたかったのですが敵わず、年明けに持

 ち込みとなりました。さあ2019年、こちらも改めてお届けしましょう。

  アリサ・フランクリンが蹴っ飛ばしたシングル候補曲です。

  「サン・オヴ・ア・プリチャーマン」。  

M19.Son Of A Preacherman(2’39”)Dusty Springfield 

-J.Hurley, R.Wilkins-   Atlantic R2 8214 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N ダスティ・スプリングフィールドで「サン・オヴ・ア・プリチャーマン」でした。

  今朝も更新出来てよかったなあ。ホットした思いです。基本的に暖冬であるは

 ずこの季節、今週のように突然冷え込む事もあります。どうぞお気をつけて

 乗り越えて下さい。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/e8f61c6c2b47fb2c173830f1bd79cab6272c0706

   ダウンロード・パスワードは、s0chq0yfです。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/01/05

mb190105

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。明けました。おめでとうございます。

 年末の生放送から曜日感覚が無くなって、気がついたら金曜日。大慌て。

 慌てまして、おめでとうございます。

  さあ、新年の「幻」モーニン・ブルーズ、2019年01月05日を始めましょう。

M01.Get Up Off The Wall(3’46)Zapp           

-Z.Troutman, L.Troutman-  Zapprown Records

N  ザーップの7枚目アルバムから「ゲット・アップ・オフ・ザ・ヲール」でした。先週の後枠

 (アトワク)でお話ししましたように、今月の26 日、2019年初月給日後の週末に、

 三鷹の音楽バー「梅勇芸徒」でワツシ・イサヲの「生語り皿回し」第2回があります。

 「もうネタがないなあ」と思いあぐねていたところ、この「新譜」が引っかか

 り、「そうだ、ロジャーだ」と閃きました。わたしのロジャー観をたっぷりと「生語

 り」、そしてたくさんの「皿回し」を致します。どうぞお運び下さい。今朝は

 その予行練習、「後悔」しないようにね。

M02.Make You Shake It(5’31”)ヒューマン・ボディ                 

-L.Troutman, R.Troutman-     funkytowngrooves BBR-3054

N  ヒューマン・ボディで「メイキュー・シェイキット」でした。これはロジャーがファンク界で確固たる

 地位を築いた1984年の発表。オリヂナル・レイベルはベアズヴィルでした。トッド・ラング

 レンも所属していたところですね。わたしは全米で発売早々に輸入盤で入手。

 日本盤は出なかったと思います。

  お聞きのように全くのロジャーの音ながら、3人組ヴォーカル・グループとしての魅

 力が上手に盛り込まれていて、わたしは生前ロジャーの関わった作品の中では最

 もポップな出来、としています。ビリー・ベック、レイ・デイヴィス、ラリー・ハッチャーの正

 式メムバー達は、かねてよりオハイオ州デイトンでザーップ一族の周辺で音楽活動をして

 いました。当時、精力的な制作活動を続けていたロジャーはヴォーカル・グループが

 大好きでしたから、3人に「やってみない、どお」と声を掛けて気軽に始めた

 んじゃないでしょうか。そもそもヒューマン・ボディというのは、ロジャーが兄弟達と

 組んでいたグループの名前だった事も、結成の気軽さを裏付けます。そのデビュ

 ー作がこの出来。飛ぶ鳥を落とす勢いのあったロジャーの冴え渡る才気がここに

 現れていました。

  次はシャーリー・マードック。音楽集団ザーップの女性歌手筆頭です。間違いなくゴスペ

 ル出身で、エドウィン・ホーキンズのところに居たのではないか、とわたしは睨んで

 いますが、ちょっと根拠が曖昧。以前本人に会った時に訪ねておけば良かっ

 たなあ、と今でも悔しい思いです。

  強力無比なシャーリーが表現力豊かに唄い上げて、ロジャーにとっては大きなヒットと

 なった1985年のシングル曲、

  「アズ・ウイ・レイ」、「アサー」です。

M03.As We Lay(5’59”)Sirley Murdock                   

-L.Troutman, B.Beck-     Elektra  9 60443-2

N  シャーリー・マードックで「アズ・ウイ・レイ」でした。今のはレギュラー・ミクスですね。時す

 でにマルチトラックの多重録音は当たり前で、ちょうど12インチ・シングルがディスコ重用さ

 れるようになって、ヒット曲には正規以外に沢山の仕様が出され始めた頃でしょ

 うか。26日の梅勇芸徒ではそれをお聞きいただこうかな。

  この「アズ・ウイ・レイ」はロジャーにとって、特別な想い入れがある一曲のよう

 で、先のヒューマン・ボディを含めて彼自身によって、何回か録音されています。

 確か自分のグループがまだ全然知られて居ない頃にも自ら吹き込んでいる筈で

 す。ですからヒットした時には、ロジャーはさぞかし嬉しかった事でしょう。

  さて今度は、シャーリー・マードックの強力無比な側面をお楽しみ下さい。

  「ヲマンズ・ポイント・オウ・ヴュウ」。

M04.A Woman’s Point Of View(4’06”)Sirley Murdock              

– L.Troutman, R.Troutman, S.Murdock-   Elektra  9 60791-2

M05.Bright Skies, Sunny Days(4’20”)Bobby Glover                

-L.Troutman, R.Troutman-  Expansionrecords EXCDM 24

N  シャーリー・マードックの「ヲマンズ・ポイント・オウ・ヴュウ」でした。これは彼女の最も強

 力なトラックですね。当時最先端の分厚い音に対抗するシャーリーの唄声、紛れもなく

 この頃の女性歌手筆頭でした。音楽集団ザーップの女番長として君臨した後、

 今はゴスペルの世界に戻って、安定した音楽活動を続けています。

  その次にお届けしたのはピンの男性歌手、ボビー・グローヴァ。LP『バーッド・ボ

 ビー・グローヴァ』から、「ブライト・スカイズ、サニー・デイズ」。リングに上がったチャムピオン・

 ボクサー姿のジャケットが印象的でした。全体のサウンドは完璧にザーップなんですが、

 唄自体は実にオーソドックスなソウルのスタイルで、しかもそれが違和感なく調和している

 仕上がりには、少々驚かされます。1984年の発表で、確か鈴木啓志御大が、

 ミュージック・マガジーンの輸入盤紹介で取り上げていました。評価については記憶

 がないな。

  さてここまで勝手にザーップ、ロジャーと進めて来ましたが、分からない方には

 全くチムプンカムプンでしょう。遅ればせながら、簡単に紹介しておきます。

  ロジャーというのは、ロジャー・トラウトマンといいまして、オハイオ州デイトンに生まれ育っ

 た男です。彼は不動産業などを手広く営む資産家の御曹子で、家族から音楽

 の才能を認められ、その支援の下でラリー、レスター、ザーップら男兄弟の協力も得て、

 地元で積極的な音楽活動をしていました。

  ちょっとややこしくなるのですが、1980年にワーナー・ブラザーズから世に出た

 時の集団名義がザーップ。オハイオ州デイトンはファンク音楽が盛んな町で、親族を中心と

 した大所帯の成り立ちから「大型ファンク軍団」と称されて、高い評価を受けて

 います。

  それとは別にロジャーは、個人としても活動。またプロデューサーとして何人、幾

 組もの音楽家たちを全米に送り出していました。

  団体、個人、企画制作者としてやる事はほぼ同じ。ファンク・ビートを基調とし

 た新世代のソウル・ミュージックです。概念、質、内容、人員などはほとんど重なっ

 ていますから、敢えて別名義にした根拠は分かりません。まだエンヤコラ時代だっ

 た1970年後半に、次の時代を予測したかのように、大胆な電子楽器の導入を

 計り「テクノ・ファンク」という新しい領域を開拓した事で、今もその存在は別格的

 です。そのすぐ後に全世界の音楽は、高度な電子技術の発達とも相まって、

 ディジタル色に染まったのはご存知の通り。

  ただしわたしとしては、その種の新機軸の導入よりも、ロジャーのファンキーな感

 覚、そして電子技術との付き合い方に拍手を送ります。これこそ、どんな他

 の人間でも敵わないところなのです。

  1987年に「アイ・ヲナ・ビ・ヨ・マン」を大ヒットさせて、安定した地位を築いたの 

 ですが、1999年4月25日に兄のラリーに銃で撃たれて亡くなりました。誰でも

 銃を持てるアメリカ合衆国の悲劇でしょう。

  簡単に説明すると、こんなところかな。普通ならここで終わってしまうと

 ころですが、「幻」2019年冒頭曲が、昨年新録新譜として発表され、わたし

 は驚いたのであります。

M06.Pinch Of Lynch(3’55”)Lynch                                

-L.Troutman, R.Troutman-  Capital CDP 7 48611 2

N  お聞きいただいたのはロジャーの息子、リンチが1989年に発表した『リンチ危うし』

 から、同名の表題曲。もちろんロジャーの企画制作です。ロジャー自身、初来日の

 時に嬉しそうに二代目の話をしてまして、次の来日時には一緒について来て

 ました。有名人の子息にありがちな、ちょっと自意識過剰なところが印象に

 残っています。

  次はロジャーの作品の中でも異例なものです。ジェシー・レアという白人音楽家。

 彼はスコットランドの王族の末裔だそうで、中世の甲冑に身を包んだジャケット写真に

 は度肝を抜かれました。わたしの推測では、多分音楽が大好きな道楽息子で、

 ザーップの音に惚れ込んで、デイトン詣での挙句にロジャーに制作を依頼した、とい

 うところでしょうか。今はリミクスを含んだCD2枚組で手に入るようですね。レコ

 ード店で偶然に見つけました。「幻」で一度紹介したような記憶があります。

  楽曲はほとんど本人の作。編曲とバック演奏、ミクスをロジャーが手掛けています。

 これだけは彼の仕事経歴と大きな関係を持っていませんが、「お仕事」ならな

 んでもします、という姿勢が見えて、当時ロジャーに対するわたしの好感度は上

 昇しました。

  では家系、家紋に関わるアザミの花の名前「シスル」を表題としたアルバムから、

  「ザーット・カインド・オヴ・ガール」。

M07.That Kind O’ Girl(3’16”)Jesse Rae                          

-O.Mcintyre, J.Rae-  Special Edition LUZ2014

N   ジェシー・レアで、アルバム『シスル』から、「ザーット・カインド・オヴ・ガール」でした。

  さてようやくロジャー本人の音楽になります。ここまでもロジャーの音でしたが、

 名義は他人のものばかりでしたからね。

  先ほど、わたしがロジャーを評価するのはその「ファンキーな感覚」に於いてであ

 る、と申しました。電気ドラムやトーキング・ボックスなどの使い方がもう圧倒的で、

 「コロムブスの卵」的発想ではありますが、決して他人の及ばない領域です。こ

 の時代は電子機器を音楽演奏に持ち込む場合、至らない表現技術を補うため

 に後ろめたさと共に極秘裏に使う、あるいは先進的な事をしているという自

 負が暴走して完全に依存して顕示するという、ふたつの姿勢が顕著でした。

 ロジャーはどちらでもなく、ごく当たり前に楽器として付き合っています。まだ

 開発初期段階の器具の不完全な欠点も利用して、それぞれの一番面白い特性

 を最大限に発揮させるやり方は、適材適所の人事方針と全く同じです。

  しかもそれは、当代随一のファンキー感覚でしっかりと裏付けられています。こ

 れは彼の音楽に留まらず、言動や身につける物までの全人格において発散さ

 れている日常生活感覚でして、この魅力的なビートの源でもありましょう。

M08.ブルー(3’25”)ロジャー                                     

-L.Troutman, R.Troutman-  ワーナー  WPCP-3669

M09.血の轍(4’16”)ロジャー                                      

-L.Troutman, R.Troutman-  ワーナー  WPCP-3670

N  ロジャー名義のアルバム第1作『P-ファンクって何だ』から「ブルー」、そして同じくロジ

 ャーの2枚目『武勇伝は続く・・・』から「血の轍」でした。共にファンク系の音

 楽家、演奏集団が触らない、触れたがらないストレイト・ブルーズ・スタイルです。こう

 いうのも珍しいですね。かと思うとこれらの対極にあるようなフュージョン的なギ

 ターを嬉しそうに弾いたりして、幅広い音楽性を持った新世代であるのが分か

 ります。何よりも好奇心の強い人ですね。

  一方、彼の歌では「踊れ、踊れ、夜が明けるまで」とか「気持ち良くして

 やるよ」と言い続けるだけの他意のない詞(ことば)が殆どです。これは黒

 人大衆音楽の立派な伝統ですから、「思想性がない」とケチをつけても始まらな

 いのですが、珍しく政治家を謳った1曲をお聞き下さい。かつてマーチン・ルーサー・

 キング師亡き後、黒人初の大統領候補として持て囃されたジェシ・ジャクスンを讃え

 る歌です。1989年の発表ですから予備選挙を快調に進めていた頃ですね。シュ

 ガー・ヒルの名人ラッパー、メリー・メルも同様の「ジェシー」というシングルをこの頃出して

 いました。この頃のジャクスンは黒人に選挙投票権登録を促していまして、それ

 を煽るために芸能界にも協力を求め、それに応じたひとりがロジャーだったとい

 う事なのでしょうか。

M10.ジェシー・ジャクソン(4’58”)ザップ                              

-L.Troutman, R.Troutman, Z.Troutman, B.Beck-  ワーナー  22P2-3004

N  ザッフ5枚目のアルバム『ヴァイブ』から、「ジェシー・ジャクソン」でした。さて次は先

 ほども出て来た「アイ・ヲナ・ビ・ヨ・マン」です。1988年の全米第3位獲得曲、

 もちろんロジャー関連で最大のヒットでした。これ以降、トーキング・ボックスと言います

 か、ヴォーカルにモデュレイションをかけるのは普通になって、音程やリズム修正も禁断事

 項ではなくなりました。ただ当時はこのようなミディアム・スロウのラーヴ・ソングのリー

 ド・ヴォイスにここまで深くトーキング・ボックスを通すのは異例、ある意味では過激

 にも響いた事でしょう。ただし結果は全米第3位でした。

  では、ロジャーと言えば、これです。

  「アイ・ヲナ・ビ・ヨ・マン」。

M11.I Want To Be Your Man(4’11”)ロジャ–                        

-L.Troutman, R.Troutman-  ワーナー 32XD-868

N  「アイ・ヲナ・ビ・ヨ・マン」、ロジャー・トラウトマンでした。今でも充分に魅力的ですね。

 さて、ロジャーが兄弟たちと始めたグループの名前が「ヒューマン・ボディ」だった事は

 今朝の始めの方でお伝えしましたが、その頃残していた録音があります。殆

 ど自主制作版のような、70年代ですから当然アナログLPですけれども、CD時

 代に復刻されました。非常に荒削りな出来で、ザーップの本質はこの頃すでに

 確立していた事が分かる、面白い内容です。

  1曲聴いて下さい。

  「ブラザー・レスター」。 

M12.Brother Lester(2’49”)The Human Body                     

-L.Troutman, R.Troutman-   クアトロ QTCY-2056

N  「ブラザー・レスター」、初代ヒューマン・ボディでした。大勢でユニゾンを取るところな

 どは先ほどの「血の轍」などによく似ていましたね。洗練されたヴォーカル・グル

 ープのハーモニーが好きな反面、こうしたチャント形式にも興味を示していた全ての音

 楽を好きなロジャーが蘇ります。さて新年最初の放送の最後は、皆さんの今年の

 幸運を願っての贈り物です。オハイオ州デイトンのファンク軍団による強烈なダンス・ビート

 をたっぷりお楽しみ下さい。音は大きい方が宜しいようです。

  まず「メイク・ミー・フィール・グーッド」、

  そして「アイ・キャン・メイキュー・ダンス」、

  決定的テクノ・ファンク・ドゥーワップ「ドゥ・ワ・ディティ」、

  最後が、地球上の全人類を金縛りにした「モー・バウンス・トゥ・ジ・アウンス」

  全てザーップの唄と演奏でござんす。

M13. メイク・ミー・フィール・グーッド(5’17”)ザップ                          

-L.Troutman, R.Troutman-   ワーナー WPCP-3668

M14.アイ・キャン・メイク・ユー・ダンス(9’02”) )ザップ          

-L.Troutman, R.Troutman-   ワーナー  22P2-3667

M15.ドゥ・ワ・ディティ(5’00”) )ザップ 

-L.Troutman, R.Troutman-   ワーナー WPCP-3666

M16. モア・バウンス・トゥ・ジ・アウンス(9’31”)Zapp

-L.Troutman, R.Troutman-   ワーナー  WPCP-3665

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  「メイク・ミー・フィール・グーッド」、

  「アイ・キャン・メイク・ユー・ダンス」、

  「ドゥ・ワ・ディ・ティ」、

  「モー・バウンス・トゥ・ジ・アウンス」

  全てザーップでした。

  今朝お届けしたのは、全て30年前の音楽になりますが、ずっと聞いて来ま

 して、ちっとも古くなかったですね。歪んだ80年代感も漂ってこなかった。

 ディジタル・システムがのさばり始めた時代の音楽は、いま聞くと恥ずかしくなって

 しまうのが多いですけれど、その源流とも言えるロジャーは、堂々と普通の音楽

 を自然に作っていたのでしょう。それが実感として分かって嬉しかった。

  26日は同じ主題でお送りしますが、もう少し深く詳しくなるでしょう。今

 朝は出てこなかった周辺関係者も登場します。

 どうぞ、お運び下さい。お待ちしております。

    2019年1月26日 JR三鷹駅北口 バイユ—・ゲイト

    開場、開演時刻は来週の「幻」で正しくお伝えします。

  今年のお年玉は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/3a0009ad2a146e8297c0ef988635e010ef23a93d

 ダウンロード・パスワードは、8jxywrwtです。

 諸般の事情により、写真が少し不鮮明かもしれません。新しいヨガマットに免じ

 てお許し願います。

  今朝もちょうど時間となりました。今年もよろしくね。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2018/12/29

mb181229

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2012年12月29日を  

 始めましょう。と言いますか、既に終わった27日早朝の放送のおさらいです。

  今回は楽しく、しかも充実した気分で中央エフエムを後にする事が出来まして、

 ある程度満足しております。いつもは後悔と挫折感で地下鉄に乗るんですけ

 ど、何か妙に爽やかだったんですよ、何故か。一年の終わりがこれだと嬉し

 いね。

  さて今回は音が2回切れたPC出しに続いて、変則的リレーで始まりました。

 2時40分くらいだったかな。1曲めはこちらでした。

  • Sweet Louisiana(3’02”)Steven Tyler 

-S.Tyler, G.Barlowe, M.Barlowe, H.Lindsey-  Dot B002521902

N  スティーヴン・タイラーの「スウィート・ルイジアナ」でした。「ヘヴィ・メタルの連中がカントリーを好

 きで、機会があったら演ってみたいと常日頃から願っている」、という話が

 前の番組オーサム・ビーツで出ていまして、その「好例」としてスティーヴンのカントリー・

 アルバム『ウィ・アー・サムバディ・フロム・サムウェア』からでした。

  そして、この時に気づいた収録曲、「心のかけら」、同じアルバムからスティーヴン・

 タイラーでした。これ忘れてちゃダメだな。

  • Piece Of My Heart(4’23”)Steven Tyler

-B.Barns,J.Ragovoy-  Dot B002521902

N  カントリー音楽は今年も活況でした。面白い新作にたくさん出会っています。

 その一方、面白いコムピも出てました。何度も紹介した『複数のならず者と甲

 胄狸』、これはとても「面白くて為になる」アルバムでした。そこから、ジョニー・

 キャッシュで

  「何の展望、期待もなく」

  • No Expectatitions(3’12”)Johnny Cash

-M.Jager, K.Richards-  Leacy / Sony  19075839962

N  ここでいつもの前テーマ曲を出しまして、本格的に始めました。3時00分丁度

 に出したかったんですが、ちょっと遅れたな。

  さて、今年出会った大切な人に、バーブラ・デインという女性がいました。ナレソ

 メその他、詳しくは、ウェブ音楽雑誌「エリス」の前の前の号に長い文章をわたし

 が書いていますので、興味のある方はそちらをご覧下さい。大橋康一さんは

 同じアルバムを買って聞いている、というメイルを送ってくれました。どうもあり

 がとう。

05.Kom By Here(5’33”)Barbra Dane

-trd.-  Smithonin Folkways SFW CD40227

N  ここでわたしの調整卓操作間違いがありまして、また前テーマ曲が出てしまい

 ました。「イッツ・マイ・オウン・フォールト〜私の誤り」です。

  さて、バーブラの3枚組コムピのタイトルに引っ掛けて、今度こそ「クール・ブルーズ」。

06.Cognac(5’22”)Buddy Guy

-B.Gy, t.Hambridge, R. Fleming-  Silvertone / Sony 19075812472

N  バディ・ガイで「コーニヤック」、最新作『ブルーズ・イズ・アライヴ・アンド・ウェル』から

 です。このアルバムをわたしはとても気に入っていまして、これもウェブ音楽雑誌

 「エリス」で書いたな。昨今のブルーズ・アルバム、特に黒人大御所の作品には納得

 出来るものが少ないのですが、これは別格的に評価しています。正直言って、

 バディを見直しました。

  そして大きな話題になると思ったジョー・ボナマッサ、この人もわたしは今年は

 じめて出会った人ですね、彼が昔に刺激を受けたブルーズ・ロック曲を丁寧になぞ

 った2枚組から、第1期ジェフ・ベック・グループの演奏をお手本にしている、

  「レット・ミー・ラーヴ・ユー」。

07.Let Me Love You(5’35”)Joe Bonamassa

-W.Dixon-  J & R Adventures   JRA58241

N  わたしの予測を裏切って、全く話題にならなかったジョー・ボナマッサの『ブリティ

 ッシュ・ブルーズ・イクスプロージョン・ラーイヴ』から「レット・ミー・ラーヴ・ユー」でした。

 ここまで丁寧にやると、ちょっとロックを逸脱しているような気にもなります。

 ジョーはきっと、恐ろしく真面目な人なんでしょうね。

  次はリクエスト。状況をご理解下さって、かなり早めに頂いたのに正式にお答え

 出来ずにすみません。別の、国内仕様でお許し願いました、ロンゲさま。

08.ラストダンスは私に(3’21”)越路吹雪 

-T.Iwatani, M.Schuman-  東芝 TOCT-10852 

09.間抜けなキューピッド(2’13”)コニー・フランシス   

-H.Greenfield, N.Sedaka-  ユニバーサル   UICZ1420

N  ここでは『亀渕昭信のロックンロール伝〜16歳の僕はドーナッツ盤に恋をした』から

 「間抜けなキューピッド」を続けしまして、60年代の型録注文、それも郵便を

 使っての気の長い取引をご紹介しました。当日配達の現在では考えられない

 でしょうね。

  そして年代歌手関連で、今年、40回以上聞いたこの人のこの歌です。

10.Teach Me Tonight(2’58”)Blenda Lee

-S.Kahn, G.DePaul-  Notnowmusic  N0T3CD240

N  「今夜教えて」、ブレンダ・リーでした。廉価3枚組のベスト盤の中の写真に沢口

 靖子によく似たのがありまして、今年はそれを眺めながら何度も聞いており

 ました。

  そしてこの歌を初めて聞いたのは、この人のじゃなかったか、とお届けし

 たのがこれです。

11.ティーチ・ミー・トゥナイト(4’31”)フィービ・スノウ

-S.Kahn, G.DePaul-  Sony SICP 8005

N  フィービ・スノウで「ティーチ・ミー・トゥナイト」でした。50年前のNHK-FM放送の「軽

 音楽をあなたに」にまつわる四方山話をしました。こういうラジオ放送の明ら

 かに偏向した事実を真剣に考えると、わたしは憤りすら覚えますが、冷静に

 なれば滑稽に思えます。バッカバカしいですね、音楽放送への無理解は。

  2018年が主題なのに古い話ばかり。時計の針を今に戻して、

  アリスン・クラウスで「ウインディ・シティ」。

12.Windy City(3’18”)Alison Krauss

-G.B. Osborne-   東芝 / ユニバーサル UCCQ 2002

N  今調べたら、これも2017年の作品ですね。わたしの記憶では今年なんです

 けど。「幻」のプレイリストを見直してみましょう。この前からちょっと声が枯れ

 てきてしまって、「仁丹」のど飴を舐めてました。まず無礼を、そしてお聞苦

 しくなっていた点、お詫び致します。

  そして八王子60オーヴァさんの3枚ものリクエスト・メイルにお応えして、実況録音

 の長尺仕様でお届けした、ベティ・ライトの「クリーナップ・ヲーマン」です。

13.Clean Up Woman(11’55”)Betty Wright  

-C.Reed, W.Clarke, M.Bufon, S.Robinson, C.Kahn, R.E..Parker, M.Yancy D.Mitcum, K.Gamble. L.Huff, J.Davis, A.Green, W.W.Clarke, H.Casey, R.Finch, B.Wright, W.Clarke-  TK / ソリッド CDSOL 5602

N  何と12分の長きに亘る「クリーナップ・ヲーマン」、ベティ・ライトでした。自身の代表

 ヒット曲に挟んだ、物真似の巧みさ面白さが決定的です。シルヴィア・ロビンスン、釈迦

 カーン、ナタリー・コール、マリア・マルダー、ビリー・ポール、レヴァート、アル・グリーン、レヴァートが出

 てきます。お客さん達の反応もいいですね。お楽しみ頂けましたか、60オーヴ

 ァさんからは即座にご返信頂きました。ありがとうございます。

  こうしたR&Bの実演では、バック演奏陣が表方の半ば気分的進行に従って、

 このようにずっとビートを絶やさず維持しなければなりません。場が熱気を帯

 びたままショウが続くかどうかの瀬戸際です。特にベイスが大事です。

  そこで、今年2018年に出逢えた超絶物のベイス・ラインを少しだけお楽しみ頂

 きました。

  ヴォードー・ゲイムの「サムシング・イズ・ロング」。

14.サムシング・イズ・ロング(4’14”)ヴォードー・ゲイム  

-unknown- オルターポップ AFPCD-36361 

N  「サムシング・イズ・ロング」、オトデイと言っていましたが、それは作品表題でして

 正式なグループ名はヴォードー・ゲイムです。この音楽集団に関しては、年が明け

 て2019年の「幻」で詳しくお伝えしましょう。それにしても素晴らしいベイ

 ス・ラインですね。まだ耳に残っています。

15.カラコンナシクロカミオトメ(3’18”)谷川ポップ・ゴリラ 

-unknown- スペースシャワー DQC-1579

N  これには驚いた方も多いでしょう。澤田修は敏感に反応していました。今の

 東京のタイム感、ビートなんだなあ。谷川ポップ・ゴリラというグループの「カラコンナシクロカ
 ミオトメ」です。たまに行くラーメン屋のアルバイトから貰ったCDでお送りしました。

 タイトル解明にご協力、ありがとうございます。「アルタ前」なんて言葉が出て来る

 ので、わたしの中では新宿歌舞伎町飲食系楽団というジャンルに入っております。 

  そして、「フラミンゴー」のアール・ボズティック的なセンを狙ったのではないか、とも思

 えるブラッデスト・サキソフォンの「サムタイム・アゲイン」。

15.Sometime Again(3’50”)ブラッデスト・サキソフォン

-Shuji-  Mr.Daddy-O  SPACE-017

N  ブラッデスト・サキソフォンは、同時に発売した別のアルバムで「ワン・グーッド・マン」を唄

 っていた女性歌手、クリスタル・トーマスとの実演を年末に2回観ました。良かったで

 すよ。新しい編成に心配はありません。それぞれ有能だったトロムボーンが抜け、

 ベイスが変わった事は何も問題ないですね。後安心を。

  と言いますか、何かこれからに期待が持てそうです。なおこの年末年始、

 彼らは香港をクリスタルと巡業中です。

  次も頂いたペタシ66さんからリクエストを完全にお届け出来なかったのですが、

 これはわたしからの推奨曲でもあります。

16.Lucky Old Sun(4’14”)Kenney Chesney

-B.Smith, H.Gillespie-  Blue Chair / Sony  88697-34553-2

N  さてこの昔のポップ・ヴォーカル・トリオも、わたしには2018年の出逢いでした。

 トニー・オーランドとドーンです、「幸せの黄色いリボン」。

17.Tie A Yellow Ribbon Round The Ole Oke Tree(3’27”)Dawn 

-I.Levine, L.R.Brown-  Arista  07822-19036-2

N  トニー・オーランドとドーンで「幸せの黄色いリボン」でした。このグループは殆どこの

 歌しか知らなくていたのですが、矢口清治が話してくれた誕生のエピソードが、

 ずっと頭の中に有ったのと、映画「幸せの黄色い『ハンカチ』」を観て感動してアル

 バムを手に入れました。オリジナル作品の傾向が絞り込まれすぎているキライはあり

 ましたが、気に入りましたね。松崎しげる的トニー・オーランド、悪くない。果敢に

 有名曲のカヴァに挑戦している辺りには大いに好感が持てます。この次、清治

 に会うのがとても楽しみになりました。

  そして・・・。

18.ハレルヤ(4’59”)アウラ  

-G.F.Hendel arr. J. Nagao-  トエラ TEAR-4

19.お正月(2’47”)  13 Bells Of New Year’s Eve~Bells Of New Year’s Eve

-trd.-  Niagara / Sony SRCL 5009

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  今年のモーニン・ブルーズの最後は「ハレルヤ」アウラでした。以前「ユーモレスク」を聞いて

 頂きまして、手応えがあった女声アカペラ・グループです。年末のクリスマス公演に出

 かけたところ、想像を遥かに超える自由度で、窮屈なところがありませんで

 した。とても良かったですよ、全体の印象が。

  その次の男声アカペラは大滝詠一の『1978年カレンダー』アルバムから「お正月」。

  「日本だったらお正月だけで良いのではないか」というご意見で「ロックンロール

 お正月」をリクエスト頂いていましたが、これでいかがでしょうか。 

  さて、今回はここまでとは違ってあまりギッチギチの構成をせずに持ち込んだ

 盤をその場で選んでいく形を採りました。今までの段取りも結局最後に大混

 乱となってしまって無意味、という経験からの反省もあります。その割に上

 手に出来たなあ、というのが正直な感想です。調整卓誤操作が1回ありまし

 たが、途中で澤田修がね、「なんで今回はそんなに順調に行ってるんですか」

 なんて聞いてきて、「ああ、うまく行ってんだ」と実感しました。これは自画

 自賛、我田引水、手前味噌ですね。皆さんにはどう聞こえましたか。

  新春第一回は26日に三鷹の「梅勇芸徒」で行う「皿回し生語り」の前哨戦

 として、ザーップとロヂャーをたっぷりと聞いて頂きます。「幻」重度聴取者の皆

 様には特別に各種ネタも後悔しちゃおうかな。強烈なビートの渦に、乞うご期待。

  今朝の特別付録は、隠し場所がありません。皆さまのご希望が9500万人を

 超えたら、わたしの語りも入ったままの番組ごとお聞き頂けるように致しま

 しょう。

  今年もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来年も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。良いお年をお迎え下さい。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2018/12/22

mb181222

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2018年12月22日を  

 始めましょう。今日は今年の冬至、関東ではまだ夜明け前。6時46分が日の

 出、入りは16時32分だから、「昼間」は10時間に足りない長さ、いや短さ

 しかありません。ザ・ショーテスト・デイ・イン・ディ・イヤです。1年で太陽が最も弱く

 なる1日ですが、明日からは再び復活しますから大丈夫。

  今朝は厳かに参りましょう。1916年2月3日ダイアモンド・ディスク 80183-Lへ

 の録音からハイドン作オラトリオ「メサイア」から第二楽章最終曲「ハレルヤ」です。

M01.Hallelijah Chorus From Messiah(3’41”)

-G.F.Hendel-  Document Records  DOCD-1112

N  1916年の録音からハイドン作オラトリオ「メサイア」から第二楽章最終曲「ハレルヤ」です。

  「ダイアモンド・ディスク 80183-L」とありますから、円盤への記録でしょうか。

 20世紀初頭から1915年までが蝋管録音の黄金時代だったと言いますね。そ

 の後、現代まで百年近く続き、もはや既に終わってしまったかのような、円

 盤時代創始期の歴史的な録音を聞いて頂きました。

  これはもちろん現行CDでの再生ですが、収められている前世紀初頭の楽

 曲は基本的に宗教系のものばかりで、これは一昔前まで音楽自体が、宗教儀

 式と深いつながりによって奏でられていた事の証明です。そしてクリスマス期の音

 楽が多いのは、キリスト教一般化以前から冬至のお祭りは各地で行われていた事

 例の裏付けでもありましょう。冬至、この日は北半球温帯世界共通の祝日な

 のであります。さあ後一緒に、ハレルーヤ。

  但し、わが国では「ハレルヤ」と来れば、これでしょう。  

M02.恋のハレルヤ(2’20”)黛ジュン

-R.Nakanishi, K.Suzuki-  東芝 GES-30602

N  そしてもうひとつ、こちらです。

M03.ハレルヤ、アイ・ラヴ・ハー・ソウ(5’03”)ハンブル・パイ  

-R.Charles- ユニバーサル / A&M UICY-20095

N  スティーヴ・マリオットの驚異的なヴォーカルが冴え渡るヌー・ヨークはフィルモア・でのハムブル・パ

 イ、1971年5月の実況録音で「ハレルヤ、アイ・ラヴ・ハー・ソウ」でした。本当にカッコ

 良い演奏ですね。これが出た後、日本のハードロック系グループの殆どがこの歌をリパ

 トゥワにしたのも当然でしょう。オリヂナルのレイ・チャールズ版が一般的になるのは、こ

 れからだいぶ後の事でした。

  「ハレルヤ」は、「エイメン」のように訳せない基督教の掛け声のひとつ。「主よ、

 幸あれ」みたいな意味があるとは思いますが、「頼むよ」みたいなものかなあ。

 今の「ハレルヤ、アイ・ラヴ・ハー・ソウ」では「ありがてえな」くらいの感じではない

 か、と思われます。ジャクスン・ファイヴには「ハレルヤ・デイ」というのがありました。

 これもそれほど神々しい意味ではないのではないでしょうか。

  さて、今日は12月22日。まだクリスマス関連の歌をお届けしてもよろしいです

 ね。今年「幻」では未だ登場していないカントリー・クリスマス・ソングです。

  ボブ・ウィルズとテキサス・プレイボーイズで、「サンタクロース接近中」。

M04.Santa Is On His Way(2’28”)Bob Wills & His Texas Playboys

-unknown-  BSMF 7543 1

M05.Walking In Jerusalem(Just Like John)(1’58”)Marty Stuart

-pd.- Gaither Music Group 7884894528

N  「サンタクロース・イズ・オン・ヒズ・ウェイ」、ボブ・ウィルズとテキサス・プレイボーイズ、そして

 「ヲーキング・イン・ジルルサレム・ジャスト・ライク・ジョン〜ヨハネのようにイェルサレムを歩こうぜ」、

 今年「99.5」のカントリー・ヴァージョンをお聞きいただいたマーティ・スチュアートでした。テキ

 サス・プレイボーイズの冒頭で大きな雑音が載ってしまいました。失礼。 

  さて、毎年恨み辛みのクリスマス、あるいはドギツいノヴェルティ曲でお楽しみ頂いて

 おります「幻」クリスマスですが、今朝は健全に家庭的に主の降誕を祝いましょう。 

  まずは「C-H-R-I-T-M-A-S」の綴りを唄い込んだ「クリスマス・アルファベット」、

  スパイク・ジョーンズとシティ・スリッカーズが、あまりふざけないで演奏しています。  

M06.Christmas Alphabet Medley

Christmas Alphabet ~Christmas Polka~Chirsymas In America(3’26”)

Spike Jones And The City Slickers

-B.Kaye,J.Loman, P.Webster, F.Burke, S.Cahn, H.Borne, T.Martin-

Verve 314 557 367-2

M07.フロスティ・ザ・スノウマン(2’01”)チップマンクス

-S.Nelson, J.Rollins-  東芝  TOCP-67281

M08.ドンデスタ・サンタクロース(3’01”)坂本スミ子

-R.Parker, A.Greiner, G.Scheck, T.Nakano-  テイチク  TECH-25459

N  「クリスマス・アルファベット」、「クリスマス・ポルカ」、「クリスマス・イナメリカ」、3曲をつないだ

 「クリスマス・アルファベット・メドリー」、スパイク・ジョーンズとシティ・スリッカーズ。そして今年も

 登場の3匹の縞栗鼠集団チップマンクスが「子供たちに冷んやりしたお友達の事を

 話してやってくれよ」と保護観察員のデイヴィッドに言われ、「かしこまりま

 した」とばかりに唄い出す「凍りついた雪男」、それから今年の思わぬ収穫、

 坂本スミ子の「ドンデスタ・サンタクロース ~汝は何処に、三太さん」、以上3曲をお送り

 しました。

  さて続けて健全に家庭的に美しい歌声で主の降誕を祝いましょう。家族円

 満のヒケツ、一家に一枚の近親惨事避け、ナット・キング・コールのアルバム『ザ・クリスマス・

 ソング』から、

  まずは「キャロリング、キャロリング」です。

M09.Caroling, Caroling(2’02”)Nat King Cole

-pd.-  Capital CDP 7 46318 2

M10.ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス(3’28”)フランク・シナトラ

東芝 TOP-53389

M11.ブルー・クリスマス(2’09”)エルヴィス・プレスリー

-B.Hayes, J.Johnson-  BMG BVCM-34072

M12.The Christmas Song(3’11”)Nat King Cole

-M.Torme-  Capital CDP 7 46318 2

N  今度は誰の前でも聞ける定番曲を続けました。

  ナット・キング・コール、「キャロリング、キャロリング」、

  フランク・シナトラで「ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」、

  そしてエルヴィス・プレスリーの「ブルー・クリスマス」、

  最後にまたナット・キング・コールで「ザ・クリスマス・ソング」、如何でしたか。

  何れ劣らぬ美声と唄の上手さ、暖かい歌声は暖炉の側にいるような気分に

 させてくれます。それにしても圧巻はナット・キング・コールでしょうか。先ほど一

 家に一枚の近親惨事避け、ナット・キング・コールのアルバム『ザ・クリスマス・ソング』、と

 申しましたが、これは本当に素晴らしい出来です。タバコの吸い過ぎが原因で

 肺癌を患って亡くなったとか、マフィア芸能部の黒人歌手筆頭だったとかの属性

 はありますが、これらの歌に抵抗出来る人は居ないんじゃないでしょうかね。

  実は先週、美空ひばりの『ナット・キング・コールをしのんで』というアルバムを手に

 入れました。彼女がお得意のジャズの中からキング・コールのナムバを選んで唄った

 LPです。日本語詞に置き換えられている楽曲もありますが、今朝は全編英語

 詞のまま唄われている「歩いて帰ろう」を、聞いて下さい。演奏は原信夫と

 シャープス・アンド・フラッツです。

M13.歩いて帰ろう(2’18”)美空ひばり

-R.Turk, F.E.Ahlert-  コロムビア  COCA-70172

N  美空ひばりで「歩いて帰ろう」、天性のリズム感が冴えてます。アルバム『ナット・

 キング・コールをしのんで』は、全体にこの調子。随所にナット・キング・コールに対する

 敬愛が溢れています。マフィアと山口組の連帯感系は強固ですね。

  1965年に46歳で亡くなってしまったナット・キング・コールは、戦後の日本で一

 時期最も影響力を持った黒人歌手です。来日してのナイトクラブ公演や日本語詞で

 吹き込んだレコード戦略が上手くいった事もありますが、何よりの魅力はあの穏 

 やかな歌声にありました。洋楽志向の日本人男性はみんなキング・コールの真似を

 した位です。ジェリー藤尾などクリソツでしたね。

  元々はピアニストで、ベイスとギターを従えたトリオ編成で唄って残したジャイヴ曲には

 洒脱な感覚が冴えた傑作も多いのですが、より幅広い魅力となると、ピンのスタ

 ンダップ・シンガーになってからの方が圧倒的です。

  上手な唄い手に共通する、ひとつひとつの言葉を丁寧に扱う節回し、そし

 て紳士的で洗練された感覚。ナット・キング・コールはある種の絶対的存在でしょう。

 持ち歌の殆どはジャズ的なポピュラー・ソングでしたが、ラテン・リズム物でも能力を発

 揮。異国情緒に溢れたその唄の影響はこんな形でも残されています。

M14.カチート(2’51”)アイ・ジョージ

-C.Velozquez, T.Nakano-  テイチク  TECH-25459

N  日本のラテン界第一人者だった、アイ・ジョージこと本名石松譲治の「カチート」です。

 これも明らかにナット・キング・コールの影響下にあるカヴァです。中野ただしによる

 日本語詞も面白かったですね。

  では美空ひばり、アイ・ジョージがカヴァした歌をナット・キング・コール自身の唄で聞

 いてみましょう。

  「歩いて帰ろう」。

  そして、

  「カチート」。

M15.歩いて帰ろう(2’41”)ナット・キング・コール

-R.Turk, F.E.Ahlert-   TOCP-70710

M16.Cathito(2’53”) Nat King Cole

-C.Velozquez-  Capital CDP 7 46318

M17.Joy To The World(1’25”)Nat King Cole

-pd.-  Capital CDP 7 46318 2

N   「歩いて帰ろう」、「カチート」ナット・キング・コールでした。そして先ほどの『ザ・

 クリスマス・ソング』から、「もろ人こぞりて」もお届けしました。

  今年の「幻」冬至祭は、ナット・キング・コールで締めて貰いましょう。

  最後に「牧人ひつじを」をどうぞ。

M18.The First Noel(1’57”)Nat King Cole

-pd.-  Capital CDP 7 46318 2

M19.Hey Little Girl(3’04”)Professor Longhair

-H.R.Byrd-  Premeaux Associets FA 5664

N  古くから親しまれたキャロルに乱入したのはプロフェッサ・ロン毛ならぬ、ロングヘアの

 「ヘイ・リル・ガール」、先週までお届けしていた3枚組『キャリビーン・イナメリカ1915-1962』

 からです。これは1枚目の13番目に入っているのですが、家で聞き通してい

 て、このビートに仰け反りました。何も初めて聞くものではなかったし、この

 前までカリブがリズムが続いていたのですが、重たいピアノの第一音には戦慄が走  

 りました。本職はボクサー上がりの博打打ちと自認していた男に、こんな演奏を

 されてしまっては職業音楽専門家の立つ瀬がありません。流石はロフェッサ・ロン毛、 

 いや、ロングヘアでした。

  次も先週の積み残し、性技の二刀流ダスティ・スプリングフィールドです。スティーヴ・

 マックウィーンとフェイ・ダナウェイの映画「華麗なる賭け」の中で唄われた「風のささや

 き」。オリヂナル・サウンド・トラックでヒットしたのは、ノエル・ハリスンの唄でした。作曲はミシェ

 ールルグラン。これを選んだダスティのセンスは秀逸です。先週と同じくアルバム『ダスティ・

 イン・メムフィス』からです。

M20.The Wind Mills Of Your Mind(3’52”)Dusty Springfield    

-A.Bergman, M.Bergman, M.Legrand-  Atlamtic R2 8214

N  「風のささやき」、ダスティ・スプリングフィールドでした。そして次も先週からの

 続き。アーマ・フランクリンでお届けした「心のかけら」の曲目英文記載が何故か「Piece

 Of My Mind」となっていました。即刻「くれないキング」さんから投稿欄で指

 摘されました。その通り「Piece Of My Heart」です。「mind」と「heart」

 近いですけど、全然別の単語ですね。ここで訂正しておきます。ご指摘あり

 がとうございます。

  ではその「心のかけら〜Piece Of My Heart」、今朝は内田裕也とフラワーズ、

 1969発表のLP『チャレンヂ』からお聞き下さい。

M 21.心のカケラ(4’03”)内田裕也とフラワーズ

-B.Berns, J.Ragovy-  コロムビア HMJA-108                  

N  スチール・ギターの小林勝彦が大活躍でした。元になった演奏はご存知ビッグ・ブ

 ラザーとホールディング・カムパニで、こちらがほぼ完璧なフレイズの連続する出来栄えで

 したから、似た楽器編成ではこの形しかない、というところでしょう。ただ

 当時ここまで真似できた人たちは、この国にいませんでした。

  フラワーズはこの後ほとんどのメムバが変わって「トラヴェリン・バンド」になります。

 小林勝彦とリード・ヴォーカルの麻生レミは70年以降、アメリカに渡って音楽活動をして

 いました。このアルバムは内田裕也が「時代は、世の中は、今ロックなんだ」、と高

 い志を貫いて出来上がったものですが、その想いが成就したとは言い難い出

 来です。ただあらゆる情報が不足、というより全く無かった時代、周囲の理

 解も得られず、ほぼ単独で暴走しているような状況下でなんとか辿り着いた

 結果が、このLP『チャレンヂ』だったのではないでしょうか。表現の切実さには

 心を打たれます。内田裕也とフラワーズで「心のかけら」でした。

  さて、今晩下北沢のライヴ・スポット440でテキサス帰りのブラッデスト・サクスフォンが公演

 を行います。新しいアルバム『ア・ジャスト・ヲナ・メイク・ラーヴ・トゥ・ユー』で参加して

 いる女性、クリスタル・トーマスも一緒です。

  それとは別にもう一枚、自分たち名義で『イン・テキサス』という表題のアルバム

 も発表しました。これがかなり良い出来です。わたしがとても気に入った1

 曲を聞いて下さい。

  「ザーット・メロウ・サキソフォン」。

M22.That Mellow Saxphone(4’47”)ブラッデスト・サキソフォン

-Montell, Marascalco,Blackwell –  スペースエイジ  SPACE-017

N  「ザーット・メロウ・サキソフォン」、今夜下北沢の440でテキサスからの凱旋公演を行う

 ブラッデスト・サクスフォンでした。太鼓の音がとても良かったね。リード・ヴォーカルはソウル

 マン・サミュエル・エヴァンスで、甲田伸太郎と激しくやり合ったテナーはカズ・カザノフでし

 た。この人は現地の白人です。グループには移動があり、トロムボーンのコウが抜けて

 います。今夜のバリトンとテナー二本のサクスフォンのアンサムブル、果たしてどうなっている

 でしょうか。

  さて、バディ・マイルズという男の事は誰でもご存知でしょう。ジミ・ヘンドリクス

 のバンド・オヴ・ジプシーズのドラマーでしたから、超有名です。ただしキャリアはそれ

 以前からあって、マイク・ブルームフィールドと「アン・アメリカン・ミュージック・バンド」という

 構想で組んだイリクトリック・フラッグのメムバとして世に出ています。短命に終わった

 その楽団の跡がバンド・オヴ・ジプシーズで、こちらもジミの死ですぐに消滅。そ

 れからバディ・マイルズ・イクスプレスを結成して活動していましたが、これといった

 大成功は収められませんでした。

  ただ個人の存在感は圧倒的で、手数の多い激しいビート、そして熱い唄で数々

 の名演を残しています。マディ・ヲーターズの『ファーザー・アンド・サンズ』の「モージョ・

 ワーキン」でも叩いている筈です。わたしはどうしても、つのだ⭐︎ひろと印象が重

 なってしまいます。フュージョン時代を引っ張ったビリー・コバーンなんかも年上だけ

 ど影響受けてるんじゃないかな。

  その彼がバディ・マイルズ・バンドという名前で73年に出していたアルバム『チャプ

 ターVII』がCDになって再発されていました。名盤だそうですが、このグループ

 の名前も含めて、わたしは知らなかった。彼個人に興味があって聞いてみま

 した。制作年代を考えると、R&B、ロックの様々な新感覚が取り入れられていて、

 カオス状態。というか何でも取り入れようという姿勢が優先してちょっと欲張り

 過ぎ、展望がはっきり見えていない中で演奏を続けたような印象もあります。

 但しこういった模索、挫折が次の世代にファンクとなって受け継がれたのは事実

 であると断言出来ます。注意して聞いていると実に興味深いですよ。

  ではバディ・マイルズ・バンドで聞いて下さい。

  「ヒア・ノー・イーヴォー」。 

M23.Hear No Evil(4’50”)バディ・マイルス・バンド        

-unknown-  BSMF  7567

M24.チェンジズ(7’07”)キング・カーティス  

-B.Miles-    ワーナー AMCY-2905

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  「幻」モーニン・ブルーズ2018年冬至大祭の最後は「チェインジーズ」、キング・カーティス

 とスーパー・キングピンズの1971年2月、サンフランシスコのフィルモア・ウエストで行われた「決

 定的な」実況演奏です。まずカーティスがブロウで引っ張り、ビリー・プレストンがレズリー・

 スピーカの早回しでそれに呼応、そしてコーネル・デュープリーがリズム・カットとメロディを

 同時に弾いて追従します。100分の1秒ごとに温度が上昇していく白熱度合

 い。バナード・パーディはもう発狂寸前です。

  これはバディ・マイルズの作品で、ジミ・ヘンドリクス、ビリー・コクスとのトリオ、バンド・

 オヴ・ジプシーズでの録音も残っています。前述の素晴らしい演奏も、それを引

 き出す楽曲の魅力があったからの事でしょう。冬至の朝は暑い暑い。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。先週外

 れてたリンク、今朝はどうだろう。オーヤさーん、大丈夫ですか。

http://firestorage.jp/download/bd6b2f327386d47ac39a81673d1e5793b4d2eba0

  ダウンロード・パスワードは、 kyuzpqieです。

  その澤田修と来週は生放送。今回は午前3時にアサーではなく、「AZウェイヴ」

 的なDJ入れ替わりを考えています。27時のタイマ設定では、遅いかもよ・・・。

  12月27日未明からの放送をどうぞお楽しみに。 

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

【お知らせ】

今年最後の生放送!

AWESOME BEATS + Mornin’ Blues


今年最後の生放送は、

2018年12月26日24時〜29時 (12月27日早朝0時〜早朝5時)】です。

放送局:いつもの中央エフエム
出演:いつもの澤田修&鷲巣功

AWESOME BEATS 12月26日24:00- 未定
Mornin’ Blues 12月27日未定-早朝05:00
※前代未聞の放送時間未定!

◆澤田は2018年ベストをテーマにお届け予定!

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/12/15

mb181215

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2018年12月15日を  

 始めましょう。

  今週は2日銀座に出ました。どこの店舗も音楽は「クリスマス」。町中でお祝い

 をしています。4丁目交差点を中心にキリスト教国家が成立したかの様です。もち

 ろん健全で安心できる優しい器楽曲中心。皆さんの町では如何ですか。

  「幻」モーニン・ブルーズも負けずに行きましょう。基主益大舞踏会の始まり。

M01.Sledge Ride(2’19”)The Ventures

-Anderson-  Rhino R2 75767

M02.Santa Claus Go Straight To The Getto(3’00”)James Brown

HIP-O Select Com / Universal   B0014791-02

M03.Merry Twist-Mas(2’07”)The Macels

-Wolfson, Hall,Singleton-  Rhino R2 71057 

M04.Santa Claus U.S.A.(2’10”)Lonnie & The Crisis

-unknown-  Pヴァイン PCD-1618

M05.Merry Christama Baby(2’56”)Chuck Berry

-Baxter, Moore-  DigMode / First Music Co.,LTD. XCD-006

M06.遙かなクリスマスのブルース(3’21”)リトル・エスターとメル・ウォーカー

-unknown-   オーディオブック  AB125 

M07.クリスマスはそこに(2’27”)ブルック・ベントン

-Owens, Holliis-  DigMode / First Music Co.,LTD. XCD-006

M08.White Cristmas(3’39”)

The Drifters feat.Clyde McPhatter & Bill Pinckney

-Berlin-  Rhino R2 71057

N  毎度お馴染みの年末の馬鹿騒ぎに便乗して、暫くお楽しみ頂きました。

 「幻」モーニン・ブルーズ基主益大舞踏会、如何でしたでしょうか。

  お届けしましたのは、番組定番ですね、ヴェンチュアズの「そり滑り」。

  そしてジェイムズ・ブラウンで「サンタよ、貧民街へ突っ走れ」。

  これは初登場かな、「ツイストマスおめでとう」、マーセルズです。見事な「ザ・トウィ

 スト」のパロディです。

  同じく初登場の「サンタクロースU.S.A.」、ロニーとクライシス。こちらも「マッシュ・ポテイト

 U.S.A.」の痛快な変唱歌でした。変声期前の男声ソプラノは使い様によって、い

 い味が出せますね。

  テムポーを落としまして、「クリスマスおめでとう、愛しき人よ」チャック・ベリーです。

  「遙かなクリスマスのブルース」こちらは14歳のリトル・エスター・フィリップスとメル・ウォーカー、

 共にジョニー・オーティス楽団在籍時の録音です。エスターは未成年ですが、素晴らしい

 表現力ですね。もう男を知ってんのかな。

  そして「クリスマスはそこに」をブルック・ベントンが美しい声で礼儀正しく納めてく

 れて、最後はクライド・マクファターのファルセトーが冴え渡った「夢見る純白クリスマス」、ザ・

 ドリフターズでした。

  「幻」重度聴取者の中には、玄関に「伴天連降誕祭」のお飾り、クリスマス・リー

 スでしょうか、を飾って邪教除けにしている方がいるそうですが、クリスマスとい

 うのは、冬至を祀る催事との複雑な関係があります。秋分を境に弱って来た

 太陽が回復に転じる重要な日が冬至ですから、25日前後にはキリスト教が拡がる

 前から東欧ではお祭りのような行事は存在していました。一概にジーザス・クライ

 ストの誕生日と結びつけるのには無理もあります。そもそも中東で生まれた筈

 なのに厩の周りは雪が降ってたりする伝承には多くの矛盾も見られますしね。

 冬至を一年の終わりとして出直そう、という人類共通の叡智でしょうか。日

 本でもヤクザや芸者さんたちはお正月を 12月中に行うそうです。とにかく、

 クリスマスもここまで来たらキリスト教とは無関係の年忘れ馬鹿騒ぎで構わないでは

 ないか、自分自身でも最近ではこんなヤケッパチ的な想いにもなっています。

  来週の放送は22日ですから、まだ間に合いますね、もう一回何曲か、お届

 けしますのでお楽しみに。どんな並びにしようかな。

  さて馬鹿騒ぎをクールな実況録音で、冷ましましょう。連続してお送りしてい

 るベン・シドランの3枚組ライヴから、今朝はポップ曲を集めた3枚目です。

  この1枚目がリズム主体の「グルーヴ編」、2枚目は「ビー・バップ集」、そして3

 枚目が「ポップ」という括りは、なんとなく分からないでもないのですが、今

 ひとつ釈然としないのが本当のところ。まあ「リズム・トーク」という学位論文を

 基にした一冊を著しているインテリのベンですから、その思想は未熟若輩無学非才

 のわたしには分からなくて当然なのでしょうが。

  それはともかく、この3枚組を通して強く感じられるのは、ベン・シドランが

 如何に音楽を愛しているか、という一言につきます。全て実況録音ですから、

 余計にその場での本人の瞬間的肉体反応が伝わって来ます。舌を巻きました。

 信頼に値する音楽家ですね。

  今朝も実演を充分に楽しんでいるベンの姿をお見せしましょう。

  「マイ・リル・シェリー」、素晴らしい出来栄えです。

M09.My Little Sherry(4’35”)ベン・シドラン

-C.Rouse, S.Sidran-  BSMF

N  「マイ・リル・シェリー」、演奏終了を待ちきれず拍手が間髪をおかずに沸き起こ

 る、分かりますね。スキャットの様な囁き女声ヴォーカルは、ジョイ・ドラグランド、女医

 か。サクスフォーンはボビー・マラックでした。ベンはここでオルガンを弾いています。最後

 に来るソロ・オーダーの導入部分、カッコ良かったですね。この3枚組は数量限定で

 す。お早めにどうぞ。

  さて、次はハード・ロック。ジャニス・ジョプリンをリード・ヴォーカルに擁した、ビッグ・

 ブラザーとホールディング・カムパニです。妄想のカオス1968年のフィルモア・オーディトリアムでの

 実況録音とされているLP『チープ・スリルズ』。これは「実況そのままではなく、

 オーヴァ・ダビングを追加した制作過程を経ているのではないか」と、16歳の少

 年鷲巣功が当時自費出版していたミニコミ誌に書いていました。それはともかく、

 その『チープ・スリルズ』からです。

  「心のかけら」。

M10.Piece Of My Mind(4’17”)Big Brother & The Holding Company

-B.Berns, J.Ragovy-  Columbia CK 9700

N  16歳の少年は、最後のギターの音が消えてゆく余韻に「永遠」を感じていま

 した。50年近く前の話ですが、今も聞いて同じ気持ちになっていました。

  これを突然お聞き頂いたのは、今週オリヂナル・ヴァージョンを聞いてみたからで

 す。1967年に全米R&Bチャートで10位まで上がったこの歌を唄っていたのはア

 ーマ・フランクリン。アリーサ・フランクリンの4歳上のお姉さんですね。11月の四谷いーぐる

 でのアリーサ追悼集会でも一度だけ名前が上がりました。あ、わたしが出したの

 か。

  夭折したレコード制作者の作品を集めた『バート・バーンズ・ストーリー第二集』に入

 っているオリヂナルは当然ながら、こんな歪んだギターが活躍するハード・ロックではな

 く趣のあるR&Bです。よく聴けばジャニスもアーマの唄をなぞっているのが分かり

 ますが、ビッグ・ブラザーたちの大音量に反応してあんな唄い方になってしまっ

 たのでしょうか。

  では聞いてください。アーマ・フランクリンで「心のかけら」。

M11.Piece Of My Mind(2’36”)Erma Franklin

-B.Berns, J.Ragovy-  ACE CDCHD 1251

N  「心のかけら」、アーマ・フランクリンのオリヂナル仕様でした。とてもいいでしょう。

   彼女の1969年のブランズウィック盤LPが5年ほど前にCDになっていまして、

 そこにも面白い録音がいくつかあります。ブランズウィックで働きはじめたシャイ・ライ

 ツのユージン・レコードが書いた歌を唄っているのもそのひとつ。69年というと、

 R&Bが少しづつ変わりはじめた頃です。その好例としてスライ・ストーン・インフルーエン

 スドな1曲を聞いて下さい。なお、ユージンはこのアルバム『ソウル・シスター』のプロデュー

 サーも担っています。

  「ガッタ・ファインド・ミー・ア・ラヴァ」。

M12. ガッタ・ファインド・ミー・ア・ラヴァ(24 Hours A Day)(2’17”) アーマ・フランクリン

-E.Record, C.Davis-  Solid / ウルトラ・ヴァイヴ CDSOL-5725

M13.キャント・シー・マイ・ウェイ (2’20”)アーマ・フランクリン

-E.Franklin-  Solid / ウルトラ・ヴァイヴ CDSOL-5725 

N  「ガッタ・ファインド・ミー・ア・ラヴァ」、そしてアーマ・フランクリン自信の作品で「キャント・

 シー・マイ・ウェイ」でした。誰でも、ついアリーサと較べてしまうでしょうけれど、

 彼女もひとりの自立している唄い手です。こうやってオリヂナル曲だって書いて

 ます。そこんとこを忘れなく。

  しかし、次の1曲はやはり偉大な妹絡みです。元々はアリーサの為に用意され

 たのですが、彼女に唄う事を拒まれたので、彼女を担当していたジェリー・ウエクス

 ラーがイギリス人のダスティ・スプリングフィールドに回したらヒットしてしまった「サン・オヴ・

 ア・プリーチャー・マン」です。これは日本でもシングル盤で出ていた筈です。ラジオのヒッ

 ト・パレイド番組で聞いた覚えがあります。邦題は単に「プリーチャー・マン」。それを

 アーマがここで採り上げていました。

M14. サン・オヴ・ア・プリーチャー・マン(2’37”) アーマ・フランクリン

-J.Hurley, R.Wilkins-  Solid / ウルトラ・ヴァイヴ CDSOL-5725

M15.Son Of A Preacher Man(2’29”)Dusty Springfield

-J.Hurley, R.Wilkins-  Atlamtic R2 8214

N  アーマ・フランクリン、ダスティ・スプリングフィールドで「サン・オヴ・ア・プリーチャー・マン」を

 聞いて頂きました。最終的にアリーサも唄う事になった、ややこしい過程を持つ

 歌です。

  さてこのダスティ・スプリングフィールド、日本では「この胸のときめきを」で知ら

 れています。若干カマトト的な唄い方が印象的ですが、本人は性技の二刀流、バイ

 セクシュアルを自称したりして、隅に置けませんですね。海外での評価は頗る高く、

 ローリング・ストーン誌の選ぶ100人の歌手にも選ばれています。ちょっと意外。

  彼女は60年代から主体性を持った制作活動を志しておりまして、1968年

 にマスルショールズを訪れてアルバムを吹き込んでいます。これも凄い行動力。別

 にR&Bを指向した訳ではないように思えますが、南部の響きに何か共感を得

 たのでしょうか。この『ダスティ・イン・メムフィス』は、バランスの取れた良い出来のアル

 バムです。

  その時に制作を受け持ったのが、ジェリー・ウエクスラーとトム・ダウド、そして新進

 気鋭のアリフ・マーディンでした。「サン・オヴ・ア・プリーチャー・マン」の謎も解けて来ます。

  『ダスティ・イン・メムフィス』は作家陣が大変充実していまして、ゲフィン=キング、バカラ

 ック=デイヴィド、ミシェール・ルグランもいます。ランディ・ヌーマンを起用しているのも先進

 の気概ですね。

  アトランティックのR&Bプロデューサー、ジェリー・ウエクスラーはこの「サン・オヴ・ア・プリーチャー・

 マン」のヒットで気を良くしたのか、続いてやはりイギリスのパンチ狸娘、ルールをメムフィス

 に連れて行き、アルバム制作を行いました。その中で、やはりアリーサ・フランクリン

 が後年カヴァする事になるこの歌を聞いて下さい。

  「オー・ミー、オー・マイ ~ お馬鹿さん」、1969年のヒットでした。

M16.Oh Me Oh My(I’m A Fool About You Baby)(2’47”)Lulu

-J.Doris-   BSMF 7511 

M17.アシー・エレス・トゥ(4’22”)アカツ         

-J.Santamaria-  オフィス・サンビーニャ PM-982

N  50年を隔てた音圧感の差が如実に現れました。先週と同じくコムピ盤『スカ・

 アラウンド・ザ・ワールド』から、スペイン代表のアカツです。当然スペイン語。スカを生んだ

 国ジャメカは元々スペイン領でしたから、無関係でもないですね。スパニッシュ・タウンと

 か、セイント・ルチアなんて地名も残ってますし、睫毛が長い人たちはスペインの血が

 入っているのではないかな、とも思えます。

  さて『スカ・アラウンド・ザ・ワールド』から、今度はカナダ代表です。その名も、クリ

 ス・マーリーで「ザ・リアル・スカ」。

M18.ザ・リアル・スカ(2’07”)クリス・マーレイ

-D.C.Nurray-  オフィス・サンビーニャ PM-982

N  「ザ・リアル・スカ」、クリス・マーリーでした。カナダもジャメカと関係あります。陸上競技

 短距離のベン・ジョンスンはジャメカ人ですが楓の葉を胸につけてカナダ代表として走

 っていました。移民ですね。カナダは好意的にジャメカからの人々を受け入れてい

 ました。寒さ平気かなあ。ダウン・ジャケットとか着られて嬉しいか。彼らが故郷

 に帰るのがクリスマス休暇。常夏ですからこの時期も野外で終夜のダンスホール。そこ

 で旧友と再会するのです。

  大橋康一さんからカナダ人のシェンタ・チェイムバーランドという人のリクエストを頂きまし

 た。有難うございます。ただしわたしも初対面。探しておきますね。

  さて『スカ・アラウンド・ザ・ワールド』から次はブラジル代表です。

  オルケスタ・ブラジレイラ・デ・ムジカ・ジャマイカで「アトランティダ」。

M19.アトランティダ(4’12”)オルケスタ・ブラジレイラ・デ・ムジカ・ジャマイカ  

-S.Soffiatti-  オフィス・サンビーニャ PM-982

N  スカパラ調の演奏でした。オルケスタ・ブラジレイラ・デ・ムジカ・ジャマイカで「アトランティダ」。

 ブラジルといえば圧倒的にサムバですけれど、ジャメカ音楽恐るべし。今のは器楽曲

 でしたが、歌曲はポルトガル語が載るんでしょうね。聞いてみたいな。

  さてこんな風に世界各国で親しまれているスカは、もうロックやレゲと同じく完

 全に地球上での市民権を獲得しているのが分かります。その素は・・・、や

 はりあの裏打ちビートでしょう。こういうカウンター拍というのは、抵抗、叛逆の意

 思表示です。その逆説的証明となるのが頭打ちだけの行進曲で、裏が全くな

 いでしょ。『スカ・アラウンド・ザ・ワールド』を聞けば、世界中で庶民の不平不満が

 爆発寸前なのが分かるのです。

  さて最後はアメリカ東海岸のヌー・ヨークのスカです。別に珍しくもない感じですが、

 冒頭部分のアジテイションが流暢な英語なのに、なぜか落ち着きます。ザ・ニューヨーク・

 スカ・ジャズ・アンサンブルという名前から、クラシック畑の人間による編成を想像しまし

 たが、ほとんどジャメカそのまんまでした。

  曲名は「ブッダ」です。

M20.ブッダ(4’00”)ザ・ニューヨーク・スカ・ジャズ・アンサンブル

-D.James-  オフィス・サンビーニャ PM-982

M21.Matilda(3’41”)Harry Belafonte

-N.Span-  FreMeaux & Associates FA 5664

N  さてスカの次は、こちらも先週に引き続き『キャリビアン・イナメリカ1915-1962』から

 です。まずはカリプソ全世界普及の貢献者ハリー・ベラフォンテで「マティルダ」でした。

 1955年かあ。しかもちゃんとした作者が記載されてます。こういうのは元々

 が民間伝承歌なんでしょうが、楽曲としてまとめ上げて作品登録した人の物

 になります。でもきっと元歌がある筈です。 

  次はそのベラフォンテもリパトゥワにしていた「ママ・ルック・ア・ブーブー」。わたしはこ

 の3枚組『キャリビアン・イナメリカ1915-1962』で、初めて他の唄い手による仕様を

 聞きました。ベラフォンテのよりも発音が明瞭に聞こえます。

  「ママ・ルック・ア・ブーブー」、エアロン・コリンズ、1965年の録音です。

M22.Mama Look A Boo Boo(2’43”)Aaron Collins

-F.Alexander-  FreMeaux & Associates FA 5664

M23.Siesta(2’20”)Josephine Premice  

-S.Manning-  FreMeaux & Associates FA 5664

N  ビートの効いた「ママ・ルック・ア・ブーブー」から一転、如何にも眠たそうな声で

 「おひるね」です。ジョセフィーン・プリマイスという女性歌手、1956年の吹き込み。

 彼女は極く短期間にこのノヴェルティ味で一世を風靡したのでしょう。当時ヴァーヴ

 から出ていたレコード・ジャケット写真が付属冊子に掲載されていまして、見事なま

 でにカリプソ娘です。

  さて、『キャリビアン・イナメリカ1915-1962』、カリブ海の表玄関はヌー・オーリンズ。この

 元フランス領だった音楽の町を代表するふたりのピアノ弾きにも登場してもらいま

 しょう。ここは北米というよりも、カリブの町のひとつのようにも思えません

 でしょうか。  

  アラン・トゥーセイントで「チコ」、怒らないでね。

  そしてファッツ・ドミノーです。

  「イト・キープス・レイニン」。

M24.Chico(2’18”)Allen Tousaint

-A.Tousaint-  FreMeaux & Associates FA 5664

M25.It Keeps Rainin’(2’47”)Fats Domino

-A.Domino-  FreMeaux & Associates FA 5664

M26.Sleeping Beauty(4’18”)Beress Hamond      

-H.Hammond-  Harmony House / VP  VP2564  

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N 歴史的カリブ再訪の最後は、2018年現在のジャメカの音楽、ベレス・ハモンドの

 「眠れる森の美女」でした。唄い出しの高域が、実にジャメカ的です。 

  さて今週、月曜日NHK総合テレビの「家族に乾杯」に、偶然湯浅学が出て

 来たのには驚きました。加山雄三と埼玉県の東秩父村を尋ねるこの回で湯浅

 が横浜の倉庫を追い出されて、新しくこの村に資料、主にレコード盤を移してい

 る作業現場に鶴瓶が遭遇したのです。追い出された話は聞いていたのですが、

 まさか引越しが全国版テレビで報道されるとはねえ。それにしても凄い量でし

 た。カセット・テイプも沢山あったなあ。わたしはこれまで何回か突然「全部いら

 ねえや」というような気分になって処分してしまっていますが、あいつは違

 うみたいだね。でもこんな大量の「資料」どうすんの。先は短いんだよ。

  それに関連しまして 1月26日に三鷹の梅勇藝徒で行う「新春生語り皿回

 し」のネタを「ロジャーとザーップ」に決めて素材確認をしていたら、アナログが全然

 見つからないんですよ。サインをして貰った盤が何枚もある筈なんだけどなあ。

 当日まで捜索を続けます。『VI』や新譜の『VII』も含めて、あのビートに酔い

 ましょう。ぜひお越し下さい。お問い合わせは、0422-55-5782までどうぞ。

  その前に中央エフエムの早朝生放送ですね。そろそろこっちも内容を考えなきゃ。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/8b1e0d26f25d7891bc68f82b0f9a094d58275832

    ダウンロードパスワードは、x60ukixzです。  

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

【お知らせ】

今年最後の生放送!

AWESOME BEATS + Mornin’ Blues


今年最後の生放送は、

2018年12月26日24時〜29時 (12月27日早朝0時〜早朝5時)】です。

放送局:いつもの中央エフエム
出演:いつもの澤田修&鷲巣功

澤田は2018年ベストをテーマにお届け予定!

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/12/08

mb181208

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2018年12月8日を

始めましょう。

今週水曜日に手帳を、といっても中身だけですが、2019年仕様に変更いた

しました。少ないながらも来年の予定が入っていまして、それをまず書き込

んで新年の開始です。今更「早いですね」はなし。フツーに師走を過ごして、2019

年を迎える、そんな心境でしょうか。暑かったり、急に冷え込んだりする気

候にも少し落ち着いてもらって、この1ヶ月ゆっくり味わいたいですね。た

だでさえ慌ただしいですから。

一時期より多少は控え目になりましたが何の勘違いか家の外へ向けた電飾

を見かけることがあります。あれで景観向上に貢献していると思えるんでし

ょうか。この国の年末はもっと地味で静かな佇まいのはずです。

さて、今朝の1曲目は、ベン・シドランの3枚組実演集から、「ビー・バップ」と

題された2枚目からです。

「ハード・タイムズ」。

 

M01.Hard Times(5’01”)ベン・シドラン

-R.Charles-  BSMF 5057

 

N  わたしにとっては最も理想的な音楽を鳴らしていた頃のクルセダーズが十八番

にしていた「ハード・タイムズ」、ベン・シドランの3枚組実演集からお届けしました。

ご存知、レイ・チャールズの名作です。レイはヴォーカル版、演奏版で録音を残していま

す。今のベンの仕様では、そのオリヂナル・セッションで付き合っていたレイの盟友、デイ

ヴィド・ファットヘッド・ヌーマンがサクスフォンを吹いていました。2008年のヌー・ヨーク「ジャズ・

スタンダード」という場所での収録です。

今回の実況セッションのほぼ全トラックで付き合っているのが、ドラムズのリオ・シドラン。

ベンの息子ですね。親父譲りの手堅い演奏が光っています。ただ、どうなんで

しょう、親子で旅回りをしながら音楽演奏を続ける、というのは・・・あ、

毎度毎度の余計なお世話ですね。

2枚目の「ビー・バップ」集にはこの他、ビリー・ジョーの「ヌー・ヨークの想い出」

なども入っています。これが10分を超える長時間物。確か初めての来日公演

でも唄っていました。厚生年金会館で観た覚えがあります。好きなんですね、

この歌。

ベンは非常に幅広い音楽性を持っていまして、単なるジャズ・マンではありま

せん。一口に「ジャズ」と言いましてもほとんどの演奏家は得意領域で更に狭

い自分だけの個人の音楽を演っています。まあ流行り物ならなんでも手を出

すハービー・ハンコックという輩がいますが、この人はお金のためという前提が付き

ます。そこへ行くと、ベン・シドランの音楽理解力の範疇は驚異的で、この2枚

目の最後ではバップ調の演奏に載せて歴代の名ピアニストが実名で次々に出て来

る「ピアノ・プレイヤー」というオリヂナル曲を披露しています。ほとんど「ジャイヴ」

といって良い洒落た感覚でまとめられていまして、こういう才能も特筆すべ

きでしょう。

ベン・シドランの3枚組実演集、来週は「ポップ」ナムバーをまとめた3枚目から

です。どうぞお楽しみに。

 

M02.ベルナルドのアイスクリーム・ショップ(3’22”)ザジ

-H.Dorrestijn-  オフィス・サンビーニャ  PM 952

 

N  聞き慣れない言語ですね、これはオランダ語でしょうか。『スカ・アラウンド・ザ・ワ

ールド』という素敵なコムピ盤から、オランダ代表のザジ唄う「ベルナルドのアイスクリーム・

ショップ」でした。「スカ」という全世界で認知された音楽形態が、それぞれの土

地でどのような形で継承されているか、そこまで大袈裟ではありませんが、

地球上のスカ事情を記録したのが、この 『スカ・アラウンド・ザ・ワールド』です。少

し前に手に入れた盤ですが、今年の発売のようです。英語圏以外での中北米

英語圏音楽に興味を持っているわたしにとっては、貴重な研究資料となりま

す。特に厳密な基準を設けず、手近にあった音源を集めた感じがして、それ

が余計に臨場感の高い内容につながってるようです。

ザジというグループはアムステルダムの女性3人組。写真ではウクレレ、アコーチディオン、

マンドリンを持っていますが、今の「ベルナルドのアイスクリーム・ショップ」ではそれらの

どの楽器の音も聞かれませんでした。

さて世界のスカ音楽、次はスパイのやって来るロシアからの集団、セイント・ピーターズバ

ーグ・スカ・ジャズ・レヴューと名乗る大型楽団。寒い国では殊更に暖かいカリブの音

楽が歓迎されるのでしょう。なかなか本気、日本でいうならスカ・パラダイス・オー

ケストラでしょうか。2005年のアルバムから、「真実の理念〜ポリシー・オヴ・トゥルース」

を、どうぞ。

 

M03.ポリシー・オヴ・トゥルース(3’25”)セント・ピーターズバーグ・スカ・ジャズ・レヴュー

-M.L.Gore-  オフィス・サンビーニャ  PM 952

 

M04.Jamaica Farewell(2’33”)Sam Cooke    

-I.Burgie-  FreMeaux & Associates FA 5664

 

N  スカを生み出したカリブの島国から去りゆく旅人の歌「さらばジャメカ」、11日に

54回目の命日を迎えるサーム・クックでした。美しい。同じRCAレコーズの先輩、ハリ

ー・ベラフォンテの成功例を脳裏に描いて唄っていたのでしょうか。

これもしばらく前に手に入れた『カリビアーン ・イナメリカ 1915-1962』という3

枚組、お馴染みのフランスはフレミュー・アンド・アソシエイツから2017年に出されたコムピ盤

からです。1915年から62年まで、まだ今ほどカリブ諸島が近くなかった頃、

そして逆にクーバとの国交も盛んだった時代の、アメリカ本土におけるカリビアーン音楽

集です。

これまた興味深い、と言いますか、実に面白い。まずジャケット写真。座って

ギターを抱えているのは白人の顔面黒塗りのようです。でも手も黒いなあ。合

いの子かあ・・・このようなアメリカとカリブの混血曲が66も詰め込まれています。

今朝はその中から、インストゥルメンタルのジャズ、カリビアーンのビート、戦慄に刺激を受け

て創作された北米大陸器楽曲を紹介していきましょう。

先ずはディヂ・ガリスピ。この人の守備範囲も広かったですね。本国内では「モ

ダン」ジャズの創始者的に奉り上げられましたが、もっと俗でファンキーな人間だ

った筈です。ジャイヴが本領ではなかったか、とわたしは考えています。

そしてラテン感覚の吸収も早かった。自分の居る北米本土にない民俗的雰囲気

に惹かれる気持ちは、よく分かります。

そのガリスピの真骨頂、1947年発表の「クーバノ・バップ」。

 

M05.Cubana Bop(3’18”)Dizzy Gillespie

-J.B. Gillespie,G.A.Russell-  FreMeaux & Associates FA 5664

 

N  ディヂ・で「クーバノ・バップ」でした。冒頭からずっと続くチャントと打楽器の乱

れ打ち、本当にガリスピか、と心配になりました。「バップ」というよりも「カリブ

組曲序章」といった響きでした。

そしてチャーリー・バード・パーカーです。この人もカリブのビートには大いに影響を受

けています。よく知られたところで、1948年の「バルベイドース」、1952年の「ラ・

パローマ」を続けてお聞き下さい。

 

M06.Barbados(2’32”)Carlie Parker

-C.Parker-  FreMeaux & Associates FA 5664

 

M07.La Paloma(2’41”)Carlie Parker    

-S.Iradier-  FreMeaux & Associates FA 5664

 

N  チャーリー・パーカーで「バルベイドース」、「ラ・パローマ」、続けてお聞き頂きました。

「ラ・パローマ」、とても良かったですね。ラテン・ジャズの理想形に聞こえました。

50年代のラテン・インフルーエンスド・ジャズ、ガリスピ、パーカーと来まして、次はソニー・

ロリンズです。彼はヌー・ヨーク生まれですが、両親はカリブから渡って来ている筈で

す。何故ならば、所縁のある島の名を冠したこんな曲を書いているからです。

もちろん「セイント・トーマス」、発表は1956年です。

 

M08.St.Thomas(6’47”)Sonny Rollins    

-S.T.Rollins- FreMeaux & Associates FA 5664

 

N  ソニロリ作、となってはいますが、ヴァージン諸島の民間伝承歌曲説もある「セイント・

トーマス」でした。これは「カリプソ」を堂々とジャズに持ち込んだ最初の例、とし

て知られますが、今朝お聞きのように、これ以前にも沢山の例は存在します。

ロリンズはビートだけでなく旋律を大切に美しいまま表に出した点が、それ迄と違

いました。「カリプソをジャズに持ち込んだ最初の例」という名誉ある称号に誰も

異論はないでしょう。

冒頭で申し上げましたように、この3枚組『カリビアーン ・イナメリカ 1915-1962』

はとても面白く、しばらくは愛聴盤になりそうです。また折を見て紹介して

行きましょう。

さて12 月、町はクリスマスです。ここ数年、大馬鹿騒ぎはハロウィンに取って代わら

れていますが、こちらには大量のノヴェルティ・ソングズという主砲があります。ど

うだ、参ったか夜行の百鬼ども。

新録ではありませんが、今年「幻」のクリスマス棚に加わった新しいゲテ歌から

参りましょう。

リオン・トーマス・ブルーズ・バンドで「エヴェイヤー・アイ・ゲット・ザ・ブルーズ」。

 

M09.エヴリ・イヤー・アイ・ゲット・ザ・ブルース(5’44”)ザ・レオン・トーマス・ブルース・バンド

-L.Thomas-  エピック / ソニー  28・8P-5031

 

N  痛快な出来栄え「エヴェイヤー・アイ・ゲット・ザ・ブルーズ」、リオン・トーマス・ブルーズ・

バンド、リード・ヴォーカルはダナウ・スミスでした。

 

毎年クリスマスが来る度に俺は泣いてんだよ

ずっと前の元旦にあいつは出てっちまってよ

それから11ヶ月間、俺は探し続けんたんだぜ

でもあの女、見つかりゃしねえ

ありったけの贈り物を捧げたっていうのに

あの女からは微笑み返しだけだった

忌わしいのはあの12月24日さ、こん畜生め

 

笑えないお話ではあります。これと似た事実は世界中に星の数ほどある筈

です。男からも女からも恨まれるクリスマス、特にこの国では宗教的背景が希薄

ですから、異性に限らない恋愛交際の重要な一里塚、今年も沢山の悲劇を生

み出す事でしょう。俗世に幸多かれ。

次は5年前から「モーニン・ブルーズ12月の歌」として親しまれています。

ジミー・ウィザスプーンが質屋にラジオを預けて七面鳥代を工面する、

「俺がどのくらいクリスマスを憎んでいるか」です、じっくりとどうぞ。

 

M10.How I Hate To See Xmas Come Around(2’49”)Jimmy Witherspoon

-A.Potlic, L.White-  Fantastic Voyage  PVCD079

 

 

N  「きっと君は来ない・・・」とか唄ってるような場合じゃないですね、

ジミー・ウィザスプーンで「ハウ・アイ・ヘイト・トゥ・シー・クリスマス・カム・アラウンド」でした。

さて、今年の秋、まだ夏の残り香が漂っている頃、某所にて2枚のCDを

入手しました。それを使ってこれからひとつの放送劇をお楽しみいただきま

しょう。

題して「クリスマス 昭和」。ごゆっくりどうぞ。

 

M11.クリスマス・ファンファンーレ(1’25”)スマイリー小原とスカイライナーズ

-pd. arr.by K.Morioka-  キング KICS 144

 

M12.サンタのおじさんやって来る(2’45”)中村メイコ

-T.Oka, G.Autry, O.Halderman-  コロムビア  COCP-35902

 

M13.もみの木(2’00”)鹿内タカシ    

-trd., Y.Namiki-  キング KICS 144

 

M14.サンタ・クロースがやって来る(1’59”)飯田久彦  

-L.Hattori, G.Autry, O.Halderman –  コロムビア  COCP-35902

 

M15.聖しこの夜(2’10”)田辺靖雄・梓みちよ

-Y.Yuki,  Hym 105, pd.-  キング KICS 144

 

M16.(オバQ クリスマスより)ジングル・ベル(5’07”)曽我町子、石川進ほか

-M.Takada, J.Pierpont-  コロムビア  COCP-35902

 

M17.クレイジーのクリスマス(7’22”)ハナ肇とクレイジー・キャッツ     

 サイレント・ナイト~わらの中の七面鳥~サンタが町にやってくる~クレイジーのクリスマス

– Hym 105, Foster,H. Gillespie,,J.F.Coots, Y.Aoshima,T.Hagiwara-

arr.by C.Cats, S.Tsukada, T.Hagiwara-  キング KICS 144

 

N  お届けしましたのは、順に

「クリスマス・ファンファンーレ」スマイリー小原とスカイライナーズ

「サンタのおじさんやって来る」中村メイコ

「もみの木」鹿内タカシ

「サンタ・クロースがやって来る」飯田久彦

「聖しこの夜」田辺靖雄・梓みちよ

「(オバQ クリスマスより)ジングル・ベル」曽我町子、石川進ほか

「クレイジーのクリスマス」ハナ肇とクレイジー・キャッツ、以上。

使用しましたのはキング・レコードCD 、 KICS 144番『メリー、メリークリスマス』、

およびコロムビア・レコードCD  COCP-35902番『昭和クリスマス』でした。

曽我町子、圧倒的にかわいいねえ。その他のご感想は、ご自由に。

では聖なる2018年ジーザス・クライスト降誕祭、本来の宗教儀式に則りまして

続けて参ります。

 

M18.ゴルトベルグ変奏曲第1変奏/ J.S.バッハ(1’32” )アウラ   

-J.S.Bach-   Toera Classic TEAR-4

 

M19.ひいらぎの枝で飾れ(2’48”)ザ・シンガーズ・アンリミテッド

-pd. Arr.by G.Pueling-  ポリドール POCJ-1506

 

M20I’ll Be Home For Christmas(3’48”)The Carpenters     

-k.Cannon, W.Kent, B.Ram-  A&M CD5173 DIDx 186

 

M21.外は寒いよ(6’14”)ウェス・モンゴメリーとジミー・スミス      

-F.Loesser- ポリドール 20MJ 0050

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  宗教儀式2018年ジーザス・クライスト降誕祭、お届けしましたのは、

「J.S.バッハ作曲 ゴルトベルグ変奏曲第1変奏」アウラ

「ひいらぎの枝で飾れ」ザ・シンガーズ・アンリミテッド

「クリスマスはお家で」ザ・カーペンターズ、以上でした。

そのあと、今朝の最後は、「歌の内容がセクシュアル・ハラスメントではないか」という

指摘を受けて北米のあるラジオ局が取扱禁止とした「外は寒いよ」、ウエス・モンゴメ

リとジミー・スミスのダイナミック・デューオでお聞き頂きました。針が埃にやられてだん

だん音が悪くなってきましたね。申し訳ない。

確かにこの歌は家族の心配を気にして帰りたがる相手を、冷え込んだ気候

を根拠に、引き留める内容ですが、これが「セクハラ」だったらこの世から求愛

の歌は無くなってしまいます。永遠の名作「もう少しだけ付き合ってくれよ

~ステイジャスタ・リルビッロンガ」も唄えない世界には生きていたくない。断固反対で

す。こういう寛容さに欠けた勘違い義憤が世論になると嫌だなあ。

先ほどの「クレイジーのクリスマス」は、以前フォノシートで見つけた事があり、それほど

高い値でもなかったのに買わなかったのを後悔していましたが、ここで再開

出来るとは・・・、生きてて良かった。後半に収められているのは、とても

貴重な、クレイジー本人たちによる演奏ではないでしょうか。最後はスカイライナーズが

きっちり締めてますが、その前の少々乱れたジャム的器楽曲の事です。萩原健

太の解説はそこんとこ触れてないなあ。

クレイジーと言えば、シンコーミュージック・エンタテインメントから、「クレイジー音楽大全」という

大著が出ています。彼らを題材にした書物はこれまでに沢山刊行されていま

すが、これは決定版となるでしょう。とにかく、詳細です。ご一読下さい。

さてその健太が編集長を務め、毎号超一流の執筆陣でお送りしています音

楽雑誌「エリス」25号が公開になっています。末席を汚しておりますわたし、ワ

ツシも駄文を寄せておりますので、ご興味のある方はお読み下さい。今回は印

刷本完成後に大きな「抜け」が見つかりまして、ウェブ版だけを滑り込みで追

加訂正して貰いました。わたしは野球選手だったら、きっと盗塁王になれま

すね。http://erismedia.jp/ から、第25号購読者パスワード kt69nで閲覧

出来ます。どうぞ。

今日は太平洋戦争の始まった日ですね。77年経ちました。明後日はオーティス・

レディングの命日。もう51年前の事です。

こちらの特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/fbbda9ce48403c3aafdc10e12b18e63dc9633d4d

ダウンロードパスワードは、1bzyypqvです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

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そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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今年最後の生放送は、

2018年12月26日24時〜29時 (12月27日早朝0時〜早朝5時)】です。

放送局:いつもの中央エフエム
出演:いつもの澤田修&鷲巣功

澤田は2018年ベストをテーマにお届け予定!

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/12/01

mb181201

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。カレンダーもこの1枚でお終いです。1秒、1

秒には違いがないのに12月はなぜか特別です。もっと大きな行事、新年を迎

える1月がすぐに普通の日常に戻ってしまうのに較べて、12月は大晦日の31

日があるからでしょう、最後まで特別ですね。

だからと言って特別に装わず、フツーに「幻」モーニン・ブルーズ2018年12月1

日、今朝も寒い部屋からお送りしましょう。

エリック・ビブの新譜から「ギャザリング・オヴ・ザ・トライブズ」。

 

M01.Gathering Of The Tribes(2’51”)エリック・ビブ   feat. Solo Cisokho

-unknown-  BSMF 26361

 

N    なんて素晴らしい日だ

たくさんの部族が集まっている

音楽伝道師が唄い出す

さあ、澄んだ水を飲もう

 

エリック・ビブの新譜『グローバル・グリオ』から「ギャザリング・オヴ・ザ・トライブズ」

でした。世界の部族集会を目の当たりにしての感動でしょうか。クロズビー、ステ

ィルシュ・アンド・ナッシュの「ウード・ストーク」のようですね。特定の催しを唄ったもの

かどうかは不明ですが、このような異民族、多種部族の集まりはヒッピーたちが

主導していた60年代以降、盛んに行われているようです。日本民族は、こう

いう場所への参加が今ひとつ出遅れているような気もします。「自分たちは既

に土着的な民族ではない」という自惚れと伝承されている文化の乏しさに起

因するところでしょうか。

エリック・ビブの『地球の音楽伝道師』という最新作は2枚組で、かなり手応

えがあります。今お聞きのように西アフリカの民族国家公認の世襲音楽伝道師で

あるグリオ、セネガルのソロ・シソコ、マリのハビブ・コイテらを呼んで一緒に作り上げた、

極めてアフリカ音楽的な出来です。彼らが参加していない楽曲でも、閃きやモチーフ

は非常にアフリカ的です。今朝はそんな象徴的なリパトゥワを続けて聞いて貰いまし

ょう。

「ウェアザ・マニ・アッ」、

そして「スピリット・デイ」。

 

M02.Wherza Money At(4’38”)エリック・ビブ

-unknown-  BSMF 2636

 

M03.Spirit Day(5’51”)エリック・ビブ  

-unknown-  BSMF 2636

 

N   エリック・ビブの最新作2枚組『地球の音楽伝道師』から、「ウェアザ・マニ・アッ」

そして「スピリット・デイ」でした。「スピリット・デイ」には先ほどと同じく、ソロ・シソ

コが参加しています。極めてアフリカ的ですが同時にブルーズ感覚を強く感じます。

これを以って「ブルーズ音楽の発端はアフリカだ」とまで言う気はありませんが、

『地球の音楽伝道師』と言う表題は当を得ていますね。

エリックを知ったのはもう随分と前です。まだサムズ・レコードショップの東京支店が

渋谷警察の裏にあった頃です。20世紀ですね。その頃に火が消えかかってい

たカントリー・ブルーズのスタイルで同時代的な表現を、という姿勢が妙に新しく感じら

れました。スウェーデンに住んでいるのにも興味を惹かれたひとつです。それから

もう20年以上。基本的に同じやり方で質を落とさず続けて来たエリック・ビブ、

今回の作品は、ここまでの集大成と言えるかもしれません。

彼の叔父にはモダン・ジャズ・クヲルテトーのジョン・ルイスがいるなんて事は全く知り

ませんでした。新作には「漕げよマイケル」が入っていて、「おや」と感じたので

す。そうしたら、父親はフォーク・シンガーだったとか。納得です。

 

M04.Michael, Row Da Boat Ashore (4’14”)エリック・ビブ

-unknown-  BSMF 2636

 

M05.Chori Ne Vamwe(4’35”)Oliver Tuku Mtukudzi

– O.Mtukudzi –  Gallo Record Cmpany  SLCD 402

 

 

N  エリック・ビブで「漕げよマイケル」でした。この歌に生きているうちに新譜で出会

うとは思わなかったな。前後のSP盤的仕上げも含めて面白い仕上がりでした。

国内ではこの新譜『グローバル・グリオ』は、今月14日の発売です。その前に

来週もまた何曲か聞いて貰いましょう。

続けたのは、ジムバブウェの音楽家、オリヴァ・ムツークジの2年前のアルバム『エーカ! ナ

ーイ ヤーウェ』から冒頭の1曲「コリ・ネ・ヴァムウェ」でした。彼を大変気に入ってい

た割には新作を追いかけていなかったので、これまでに10作ほどを逃してい

た事になります。これは2016年に、自身が65歳になる年に作ったアルバム

です。なんと65枚目ですって。凄いなあ。全体の手触りはオリヴァならではの

独特な柔らかさ、これは変わりません。そのせいかこれまでと同じようにも

聞こえますが、65作目であることから、それなりの準備対応をしていました。

その一つが、次の「ビーザ・ラ・マムボー」、南アフリカのヒュー・マサケラがフリューゲル・ホーン

で、チネムビリ・コドドがムゴマで参加したセッションです。柔らかな6/8リズムが堪らない

ですね。

尚、ここまでいずれも曲名、演奏者とも読み方は不詳です。

 

M06.Bhiza Ra Manbo(5’48)Oliver Tuku Mtukudzi

feat. Hugh Masekela flugel horn, Chinembiri Chododo Ngoma

-O.Mtukudzi-  Gallo Record Cmpany  SLCD 402

 

N  ジムバブウェの音楽家、オリヴァ・ムツークジで「ビーザ・ラ・マムボー」でした。

次は意外な新譜です。ベン・シドランの未発表実況録音集。1975年から先おと

としの2015年まで40年間の実演の中から選ばれた27曲が収められていま

す。こちらは3枚組。まだ1枚目を聞いただけですが、ベンらしい、クールで知

的な演奏がたっぷりと聞けます。東京や大阪での収録もあります。

今朝は2009年に丸の内のコトン・クラブで録音された「ファンキー恐竜〜ファンカザウルス」。

ボビー・マラックがサクスフォーン、ウィル・バナードがギターを弾いています。

 

M07.Funkasaruus(8’42”)ベン・シドラン  

-unknown-  BSMF 5057

 

N  最後に来るベンのオルガン・ソロがカッコ良かったですね、「ファンカザウルス」でした。

熱狂的でないお客さんの反応も大変宜しい。コトン・クラブはわたしにはよそよそ

しい場所なのですが、皆さん充分に寛いでいますね。3枚組はそれぞれ音楽傾

向でまとめられていまして。1枚目はこういったリズム物、2枚目がビーバップ集、

そして3枚目はポップ・ソング集となっています。来週またお届けしましょう。

お楽しみに。

さて、次もちょっと長い演奏です。『スピリチュアル・ジャズ 第8集ジャパン その1

と2』という輸入盤からです。イギリスで編集された「精神性の高いジャズ演奏」

で組まれているシリーズで、この盤は1960年代、70年代の日本の自主制作に近

い形で出されていた録音からの名演抜粋となっています。

正直なところ、わたしの苦手とする世界ですが、意外や意外、充分な内実

で迫られました。それぞれの演奏家については丁寧な解説で知る事が出来ま

す。英文ですが日本語訳がついていますから、大丈夫。参加している演奏家

は、渡辺貞夫、秋吉敏子、森山威男、杉本喜代志、ギター日本一沢田俊吾先生、

高柳昌行といった超一流どころが揃います。

これらの熱い演奏を現在の感覚から「無理解と誤解」の産物としてしまう

事は簡単ですが、物質的にはおろか、何の情報もなく耳と想像力だけで、「ジ

ャズ」という不可解この上ない音楽に向き合って格闘を続けた姿には、心の底

を打たれます。それを支えた「尊く高き志」に、この2枚組では触れる事が

出来ます。

今朝は1969年録音のフォー・ユニッツというグループの演奏をお聞き下さい。

宮沢昭サクスフォーン、佐藤允彦ピアノ、荒川康男ベイス、 富樫雅彦ドラムズというパー

スネルです。

 

M08.Scaborough Fair(7’47”)Four Units

-P.Simon-  Jazzman Records Limited  JMANCD 096

 

M09.スカボロー・フェア(3’08”)サイモン&ガーファンクル

-P.Simon-  ソニー SRCS 7445

 

N  宮沢昭サクスフォーン、佐藤允彦ピアノ、荒川康男ベイス、 富樫雅彦ドラムズからなるス

ーパー・グループ、フォー・ユニッツで「スカボロフェア」でした。「暗中模索」「手探り」とい

う印象の演奏でしたね。解説ではこの演奏が「素晴らしいパロディーだ」と評さ

れた事について「不当」であると異議を申し立てています。それも充分に頷

ける説得力がありました。

この『スピリチュアル・ジャズ』シリーズは、日頃は器楽曲というとR&Bしか聞かな

いわたしような人間にとって、非常に興味深いものですので、他の編も含め

てこれから何度か紹介したいと思っております。

さて圧倒的に迫られたフォー・ユニッツの「スカボロフェア」に続けては、原曲をサイモンと

ガーファンクルでお届けしました。と言いましてもこれには更なる原曲があります。

皆さんご存知の通り、イギリスの伝統的な旋律をポール・サイモンが編曲しているので

すね。ポール・サイモンは熱心な人で、知らない音楽への興味が人一倍強く、この

原曲もそんな彼の琴線に触れたのでしょう。お聞きのように素晴らしい出来

で、全世界でヒットしました。

ただギター他のアレンヂメントは、イギリス人弦楽器奏者デイヴィ・グレアムの考えた物の

パクリだという説があります。当のデイヴィ・グレアムはサイモンとガーファンクルの「スカボロフ

ェア」を聞いて怒ったとか、サイモンと出くわした時は非常に気まずい雰囲気にな

った、などの余話が語られています。

これが当該曲かどうかは分かりませんが、それらのいきさつを知らないわ

たしでもデイヴィ・グレアムのこの演奏を聞いて、「似てるなあ」と感じたもので

す。

「ネーナ・ナ・エイリーン」、これも曲名の読み方不詳です。

 

M10.Nena Na hEireann(3’32”)Davey Graham

-trd.-  Stefan Grossman’s Guitar Workshop  SGGW122

 

N  「スカボロフェア」に酷似している「ネーナ・ナ・エイリーン」、イギリスの弦楽器奏者デイヴィ・

グレアムでした。

さて、先日レコード屋の店頭でベレス・ハモンドの新譜を見つけまして、その時に

「ああ、今年はレゲの新録音を聞かなかったなあ」という思いが湧きました。

見限ったわけではありませんが、手に入れたくなるような魅力を持った作品

と出会わなかったのです。ベレス・ハモンドのはジャケットからして良さそうだったの

で、すぐにその場で入手しました。聞いてみたところ、突出した楽曲はあり

ませんが、平均して質は高く穏やかにまとめられています。これがベレス調な

んでしょうけれども。

どれもヴォーカルの魅力が最大限に引き出されている、そんな印象を受けまし

た。今朝はこの1曲です。

「アイ・ウィル・テイク・ユー・ゼア」、アルバム『ネヴァ・エンディング』からどうぞ。

 

M11.I Will Take You There(4’05”) Beress Hamond  

-H.Hammond-  Harmony House / VP  VP2564

 

N   アルバム『ネヴァ・エンディング』から「アイ・ウィル・テイク・ユー・ゼア」、ベレス・ハモンド

でした。実に暖かい歌声ですね。このタイトルを見て、即座に連想したのが、こ

れ、ステイプル・シンガーズです。

「アイル・テイク・ユー・ゼア」。

 

M12. I’ll Take You There(3’15”)Staple Singers 

-A.Isbell-  Kent CDKEN2 240

 

M13.状況詩「しはす」(3’57”)ランキン・タクシー       

-T.Shirahama-  ワツシ / ヴィヴィド  WAZCD-002

 

N   「師走のお馴染み、町のあちこち」、ランキン・タクシーで「状況詩『しはす』」

でした。忘年会に名を借りた集まりの多い今月31日間、どうぞお気をつけて

お過ごし下さいませ。

その忘年会に名を借りた、渋谷エルスール・レコーズの21周年記念会、先週日曜日

に行ってまいりました。そして御大津田耕次の音響を務めました。

ただねえ、当日の仕切りが全く杜撰で、あまり上手くやれなかったのが、

本当のところです。まず、当日は18時開場というのに、17時30分まで、同

じ場所で別の貸切り宴会が入っているのです。定刻をすぎて入れ替わったの

ですが、日曜日だから皆さんの足も早くて、準備中にすでに会場は埋まって

しまって、マイクロフォン・ケイブルをお客さんに回してもらう始末。回線確認だけし

か出来ませんでした。当初の計画を覆して、折角ある程度の機材を持ち込ん

だのにねえ。

そんな混乱の中で、ご本人の持ち込んだCDカラオケを回す、という簡単な

オペレイションだったのに1曲間違えて頭を出してしまいました。これは大失態。

申し訳なかったです。その他、御大も空調にやられて喉を痛め、終盤を端折

ったのですが、それでも1時間以上のショウ、聞き応えありました。

 

M14.河内番長(3’24”)津田耕次  

-unknown-

エルスール・レコーズ特製2枚組『Best Of Tsuda Kohji Crown RecordsYears』より

 

N  本番前に初めて本人と話せました。滋賀の生まれと聞いていましたが、愛知

の一宮市出身だそうです。「河内」とは直接の関わりはなく、昭和30 年代後

半の、鉄砲光三郎、今東光らによってもたらされた「河内復興」に作詞家た

ちが便乗した形で「遊侠伝」が作られた、とも語っていました。渋谷のエルスール・

レコーズ特製の2枚組『Best Of Tsuda Kohji Crown Years』を通して聞くと、

この人があらゆる領域に手を抜かず挑戦した歴史が分かります。その舌を巻

く程に「本気」の姿は、この晩の実演からもしっかりと伝わって来ました。

これからも「幻」には突然、津田耕次が出てくるかも知れません。驚かない

で下さい。

 

M15.男と男と男(2’46)津田耕次

-unknown-

エルスール・レコーズ特製2枚組『Best Of Tsuda Kohji Crown RecordsYears』より

 

N  「男と男と男」津田耕次でした。曲目だけが記載されている、この2枚組に

入ってる40曲の録音詳細を調べなきゃいけません。これは結構な作業だなあ。

さて、『ザーップVII』から、今朝はブーチー・コリンズが参加した「メイキット・ファンキー」

です。確かブーチーがロジャーの事をワーナー・ブラザーズに紹介した、というかデビュー・

アルバムの口利きをした、つまりわたしたちがこのファンク集団を知る切っ掛けを作

ってくれた訳です。それをワーナー・パイオニア時代の制作担当者がちょっと混乱し

て『Pファンクってなんだ』という焦点のズレたアルバム邦題になった、これが真相

のはず。

では改めて、ロジャー・アンド・フレンズ、フィーチュアリング・ブーチー・コリンズでお聞き下

さい。

「メイキット・ファンキー」。

 

M16.Make It Funky(4’32”)Roger & Friends feat. Bootsy Collins    

-L.Troutman jr, K.Gillian, W.B.Collins-  Leopard / Delta Music  M 77054 3

 

M17.One Good Man(4’12”)Janis Joplin

-J.Joplin-  Columbia  CK 9913

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N   ロジャー・アンド・フレンズ、フィーチュアリング・ブーチー・コリンズで「メイキット・ファンキー」に

続いて、今朝の最後は「ワン・グーッド・マン」でした。

先週のブラデスト・サキソフォン、フィーチュアリング・クリスタル・トーマスの「ワン・グーッド・マン」

では、作者表記が間違っていました。デイヴ・メイスンではなくてジャニス・ジョプリン

です。彼女のアルバム『コズミック・ブルーズ』に原曲がありましたので、お聞きいた

だきました。このギターはマイケル・ブルームフィールドのように聞こえるのですが、皆さ

ん如何でしょう。愛想のないジャケット記載では、ホールディング・カムパニのサム・アンドル

ーとなっていますが、極めてマイク調です。尤もこの盤は相当に古いので、今出

回っている物には追加訂正録音詳細が付いているかも知れませんね。どこか

で確認出来ないかなあ。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/eed6301545c7561f3a4dd77e5399fb1ed9a09598

     ダウンロードパスワードは、vn2j6cy3です。 

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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今年最後の生放送は、

2018年12月26日24時〜29時 (12月27日早朝0時〜早朝5時)】です。

放送局:いつもの中央エフエム
出演:いつもの澤田修&鷲巣功

詳細は後日お伝えします。

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/11/24

mb181124

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2018年11月24日号

を始めましょう。先週は「寒い」というわたしの意見に「暑い」と反論を貰

いました。「Tシャツと半ズボンで裸足」という方もいらっしゃったようで、この

秘密「幻」基地と外界はだいぶ温度差があるようです。でもカレンダーは後1枚。

寒くなってくるのは間違いありません。お気をつけくださいませ。

さて今朝も新譜『ザーップVII』からです。今週はCDが入荷いたしました。

内容に違いはありません。ジャケットもLPの縮小版。クレジットはこちらの方が詳し

いですけれど、基本的に同じ物と言って良いでしょう。まず1曲、ロジャー・トラ

ウトマンがしっかり「ヴォーカル」と記されている、

「ザーップ・アンド・ロジャー」。

 

M01.Zapp And Roger(3’05”)Roger & Friends

-L.Troutman,J.Ward-  Leopard N 77054

 

N  新譜『ザーップVII』から「ザーップ・アンド・ロジャー」でした。この新譜、突然

の発表で、確かにショーゲキでありましたが、このファンク軍団は2003年と2015年

に変則的な形で録音作品を出していたようです。東京のビルボード・ラーイヴにも

ロジャー抜きで出演していました。これは電車の中吊り広告で見た覚えがありま

す。懐メロ・ショウでもやってるのかな、と思いましたが、実際に観た人間の話で

は、「ロジャーがいないだけで、殆ど同じ事を演ってた」そうで、別に解散した

訳ではないのですね。今一番必要なのは新しいヒット曲でしょう。

今回の新譜は、落ち着いて聞けばやはり全ての起爆剤が居ないのは大きい

ですが、尊厳と伝承でここまで作ったのは称賛に値します。充分に楽しめま

すしね。嫌味がありません。アーティスト名は「ロジャー・アンド・フレンズ」が正しいよ

うですが、やっぱり「ザーップ」ですよね。

今度はスロウ・ソングです。「エインジェル」。

 

M02. Angel(3’35”)Roger & Friends

-R.Troutman, L.Troutman, T.Troutman, B.Beck-  Leopard N 77054

 

N  ロジャー・アンド・フレンズの「エインジェル」でした。殆ど売り切れ状態の新譜『ザーッ

プVII』、そろそろ2回目の入荷がある頃ですから、現物を見つけたらお早め

にお買い求めください。

さて、現代音楽にも強いポークパイさんから、お便りを頂きました。「片山広

明さんを追悼してJazz Funk Mastersの最初のアルバムからぜひとも」です。

そうですか、広明さん亡くなってしまいましたか。命日は11月13日、享

年六十七でした。これまでに何度か生命の危機が噂され、今から10年ぐらい

前には「いつ死んじゃうか分からないので」と、予定されている実演を全て

収録していた人間もいましたが、そこで持ち直して今年まで生きて来ました。

遺作は夏に出た『ハッピ・アワ』で、4年ぶりの録音だったようです。わたしも

梅津和時経由で何度もお世話になりました。ジャズ・ファンク・マスターズのセッションで

は、3枚とも吹いて貰っています。

ではポークパイさんのリクエストにお答えして、

まず、ロニー・スミスとの『ラーイヴ・ジャム』から「スラウチン」、

そしてバナード・パーディとの『ファット・バック』から「ソウル・セレネイド」、

最後にルイス・ジョンスンとの『モー・ファンク』から「リール・シング」、

3曲続けてどうぞ。お静かに。吾妻光良のヘッドカウントが聞こえますよ。

 

M03.スラウチン(6’50”)ジャズ・ファンク・マスターズ・フィーチュアリング・ロニー・スミス

-L.Smith- Pヴァイン PCD-2401

 

M04.ソウル・セレナーデ(6’28”)ジャズ・ファンク・マスターズ・フィーチュアリング・バナード・パーディ

-C.Ousley,L.Dixon- キング KICP 312

 

M05.リアル・シング(4’36”)ジャズ・ファンク・マスターズ・フィーチュアリング・ルイス・ジョンスン  

-J.Ashford, V.Simpson-  キングKICJ 2086

 

N  11月13日に亡くなった片山広明がテナー・サクスフォンを吹いている「スラウチン」、「ソ

ウル・セレネイド」、「リール・シング」、いずれもジャズ・ファンク・マスターズでした。直接の死

因は肝不全との事です。10月半ばには「予定通り」の入院をしていたようで

す。お酒が好きでね。アルコール中毒でしたから、誰も不思議がらないでしょう。

一時期は片時も手放さず呑んでました。『ラーイヴ・ジャム』の時にはワンカップ持ち

込みでした。開始前にはほろ酔い気分。仕事を頼んだ方としては、「大丈夫か

なあ」と心配になりましたが、お聞きのように酩酊演奏ではなく、しっかり

吹いてくれています。まだ前の場所にあった東中野のポレポレで河内音頭と激

突した時の勇猛果敢なブロウも忘れられません。奥様がとても綺麗な人だった

事も、伝えておきましょう。

どうぞゆっくりお休み下さい。合掌。

さて先週「ロウ・ライダー」をお届けした、いかがわしい体臭を撒き散らすレイ・

カマチョと彼のスーパー・バンドで、今朝もまず1曲どうぞ。

「テル・イト・ライク・イト・イズ」のスペイン語仕様です。

 

M06.Dime La Verdad (2’51”)Ray Camacho Super Band

-G.Davis,L.Diamond-  Everland 015CD

 

N  エアロン・ネヴィルの名唱で知られる「テル・イト・ライク・イト・イズ」、なかなか宜しい出

来ですね。先週の「ロウ・ライダー」よりはマジな感じです。いや、あれもマジなの

かな。彼らはヴォーカルグループ・スタイルでも聞かせてくれますよ。

ドゥー・ワップ調にキメた「インディアン・ラーヴ・コール」をどうぞ。

 

M07.Ruego De Amor(Indian Love Call)(3’22”)Ray Camacho Super Band

-R.Firmi,O.Harbach, O.Hammersmitein-  Everland 015CD

 

N  レイ・カマチョと彼のスーパー・バンドで「インディアン・ラーヴ・コール」でした。そもそも

この1978年に制作された彼らのアルバムに出会ったのは、某レコード店で無駄話を

していた時でした。アメリカン・ヨーデルを集めたアルバムを話題にしていたのですが、

その延長でジャック・ニコルスンが主役の火星人が地球を襲う映画の話になりました。

わたしは観ていませんが、そこの店主が教えてくれました。圧倒的優位に立

った奴らの攻撃によって、地球は壊滅寸前。ところが火星人は壊れたレコード・

プレイヤが鳴らし続けるヨーデルを耳にした途端に戦意を喪失してしまいます。

この弱点が暴露され、スペクトラム光線対ヨーデル合戦の結果、地球に再び平和がも

たらされる、という実にくだらない物語です。その火星人をやっつける切っ

掛けとなったヨーデルの歌が、今の「インディアン・ラーヴ・コール」でした。映画の中で

はこのようなドゥー・ワップ・スタイルではなく、カントリー・バラッド的でしたが、なぜか

レイ・カマチョと彼のスーパー・バンドがこれをカヴァしてまして、そこで聞かせて貰っ

て彼らを知ったのです。

全く関係のない「瞳は君ゆえに」の「チバッチバ」を盛り込んでしまう節操の

なさはありますが、先ほどの「テル・イト・ライク・イト・イズ」に勝るとも劣らない、

なかなかの出来栄えでした。このアルバムでは他にジェイムズ・ブラウン調のダンス・ナム

バも手掛けていますが、わたしはこういったヴォーカル物が気に入りました。

さて同じく異国情緒溢れる、そうです、ジャネット・クラインと彼女のパーラー・ボーイ

ズのベスト盤『上海シャッフォー』からもお届けしましょう。

「あんた、それは恋に決まってるじゃないの」

 

M08.Baby It Must Be Love(2’03”)Janet Klein And Her Parlor Boys

-White, Robinson-  Moga Records

 

M09.Somedy Sweet Heart(3’00”)Janet Klein And Her Parlor Boys

-Spikes-  Moga Records

 

N  ジャネット・クラインがウクレレを弾きながら唄った「ベイビ・イト・マスト・ビ・ラーヴ」、そ

してトムという楽団員の唄で「サムデイ・スウィート・ハート」でした。これを聞いて連想

したのがジム・クウェスキンでした。オールド・タイム的な素材の他にも共通する要素がた

くさんありますね。特に声と唄い方かな。

聞いて下さい、「スウィート・スー」。

 

M10.Sweet Sue(3’57”)Jim Kweskin

-W.J.Harris-   Bixstreeet G2-10091

 

M11.Rocket 88(7’26”)マイク・ジト、ヴァーニャ・スカイ、バーナード・アリソン

-J.Brenston-  BSMF 2635

 

N  突然、騒々しくなりました。ドイツはラフ・レコードの主宰する恒例ブルーズ・キャラヴ

ァンのステイヂから、マイク・ジト、ヴァーニャ・スカイ、バーナード・アリソン、2人のブルーズ・マン

とひとりのウイミンが揃い踏みしたライヴ盤です。先週もお届けしましたね。

この新譜にはDVDも付いていまして、それで舞台の様子が確認できます。

最初は3人で、次にヴァーニャ・スカイ、そしてマイク・ジト、バーナード・アリスンの順です。

先週の「ロウ・ライダー変奏曲」、そしてこの「ロケット88」は、バーナード・アリスンのリパ

トゥワ。白人のベイス、ドラムズというハード・ロックのギター・トリオ編成です。ここでバーナ

ードはスライドを多用してブルーズ・ナムバ主体の演奏に徹しています。観ていてジ

ミ・ヘンドリクスを想い浮かべました。たぶんジミヘンもこういったブルーズ主体のクラ

ブ・ギグから、あのような個性的な舞台、音楽を創り上げて行ったのでしょ

う。

一方のマイク・ジトは堅実にまとめ、クロアチアからのヴァーニャ・スカイは紅一点として

存在を主張する、バランスの取れた3人の顔合わせです。

さて「ロケット88」と来れば、わたしにはこの仕様も今年の収穫の一つでした。

ナツコがヴォーカルとブルーズ・ハープでキメてくれます。

 

M12.Rocket 88(3’03”)Natsuko

-J.Brenston-  Local Production Records LPR 0001

 

M13.One Good Man(6’05”)ブラッデスト・サキソフォン  フィーチュアリング・クリスタル・トーマス

-D.Mason-  スペースエイジ SPACE-016  8

 

N  ナツコという正体未確認のブルーズ・ウイミンに続けては、ブラデスト・サクスフォンの新作か

ら「ワン・グッド・マン」、クリスタル・トーマスという女性歌手の唄でした。彼らがテキサス、

オースティンで吹き込んで来たアルバム『アジャスト・ヲナ・メイク・ラーヴ・トゥ・ユー』が近々に

発売されます。これには現地で5人の女性がヴォーカルで参加。全編歌物になっ

ています。出来はかなり良いですよ。ほとんどライヴと同じような全員同時に

唄と演奏をする形での録音でして、一体感があります。日頃のドサ周りの成果

が出ましたね。

彼らはそのクリスタル・トーマスを年末に招いて実演を披露します。東京は12月22

日に下北沢の「440、フォー・フォーティ」で。25日にも同じ下北沢の「メムフィス兄弟」

観られますので、お運び下さい。

そしてわたしは、明日25日に、青山でこの人の音響を担当します。

 

M14.河内遊侠伝(3’22”)津田耕次       

-T.Hoshino, M.Shimizu-  クラウン CW-691

 

N  歴史的編集盤『続、続々カワチモンド』から「河内遊侠伝」、津田耕次でした。

この人が、わたしが日頃よく出入りしているレコード店の21周年記念の会に

特別出演します。1週間ほど前に立ち寄った時に「音響担当がいない」と聞い

て、「簡単な事なら手伝えるよ」と志願して、請け負うことになりました。会

場は青山の小さな酒場なので、限界があります。簡素な機材で果たしてどこ

まで出来ますか、お楽しみ。

津田耕次本人に関しては、わたしはこの歌で知って「いいなあ」と受け止

めていたのですけれど、ここのレコード店主はぞっこんで、既発の音源を全てを

収集するに至り、21周年記念の会に来て貰う事になった、というお話。彼が

特別に作った2枚組のベストがありまして、これを聞きますと、唄い手津田耕

次の偉大さが分かります。それに関しては25日が済んでから、また改めてお

話し致します。

今朝はその片鱗を感じさせる津田耕次版「東京流れ者」を聞いて下さい。

 

M15.東京流れ者(2’48”)津田耕次

-unknown-  unknown

 

N  「東京流れ者」、津田耕次でした。なおエルスール・レコーズ21周年記念の会は、

11月25日午後6時から、渋谷区渋谷二丁目7番14号の「なるきよ」で行わ

れます。電話は03-5485-2223。ドリンク付きで入場料1500円。あとはそれぞれ

自由な注文が可能です。至近距離での津田耕次が1500円、これは絶対にお得

ですよ。ぜひどうぞ。

さてそのエルスール・レコーズで見つけた珍しいZZトップの実況盤があります。この

レコード店はワールドミュージック主体の品揃えで、ハード・ロックがある事自体が異例なの

ですが、どうも店主に何かの必要性があって取り寄せたようです。当初は海

賊盤で出ていたようで、それが関係者の知るところとなり、突き止められて、

それなりにとっちめられた後、正規の物として出し直しされたようです。多

分ラジオ放送用の録音ではないか、とわたしは睨んでおります。演奏曲目を見

ますと、非常に魅力的。まず冒頭の1曲をどうぞ。

なんと、サム・アンド・デイヴの「アイ・サンキュー」でショウが始まります。

 

M16.I Thank You(3’14”)ZZ Top            

-D.Porter, I.Hayes-   FMIC FMICD 46

 

N  キョーフの音、時事トップで「アイ・サンキュー」でした。そのまま「ウエイティン・フォー・ザ・

バス」へつながっていきます。1980年、ヌー・ジャージイでの演奏です。まだ「イリ

ミネイタ」のヒットが出る前ですから、一般認知はテキサスの変わり者3人組程度だった

筈ですが、どうでしょう、既に圧倒的な喝采を浴びてます。多分3段積みアンプ

の壁を背に演奏しているんでしょうね。あー、とてもうるさそうです。

この後はオリヂナルのヒットを続けますが、最後がまた魅力的

「ダスト・マイ・ブルーム」

「監獄ロック」と来て、

「タッシュ」で終演となります。

耳栓をしてお楽しみ下さい。

1980年6月15日、ヌー・ジャージイ、パサイクでのヂヂ・トップです。

 

M17.Dust My Broom(3’22”)ZZ Top

-E.James-  FMIC FMICD 46

 

M18.Jailhouse Rock(1’50”)ZZ Top

-J.Leiber, M.Stoller-  FMIC FMICD 46

 

M19.Tush(3’50”)ZZ Top

-B.Gibbons-  FMIC FMICD 46

 

M20.セクシー・セディ(3’15”)ザ・ビートルズ

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-71041-53

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  ZZ トップ、大音量の狂宴、最後の「ダスト・マイ・ブルーム」、「監獄ロック」、「タッシュ」

でした。いやはや、凄いもんですね。ただこうやって聞くと、俺たちゃロックンロ

ールやブルーズが大好きなんだ、という熱い想いが伝わって来ます。あの個性的

な風貌は別としてね。

今朝の最後は「ビートルズならなんでもいい」という類似穴さんからのリクエスト

にお答えして、『ホワイト・アルバム』から「セクシー・セディ」をお届けしました。いつ

かこのアルバムを聞きながら居眠りをしていまい、気がついたら「セクシー・セディ」

が流れていた、という思い出があります。起きてとても寒かったな。50年以

上前の話ですが、そんなこともあってか、寒い時期のビートルズというと、わた

しはこの2枚組になります。つい最近、超豪華な仕様の特別盤が出ています

が、わたしは未聴。ここの大家の澤田修が手に入れたようなので内容を探っ

てみましょうか。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/1b043e292c06729b1181c395b4bc3ad3f0332c54

  ダウンロードパスワードは、hyc8du58です。

今朝もちょうど時間となりました。

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今年最後の生放送は、

2018年12月26日24時〜29時 (12月27日早朝0時〜早朝5時)】です。

放送局:いつもの中央エフエム
出演:いつもの澤田修&鷲巣功

詳細は後日お伝えします。

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/11/17

mb181117

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  アサー、2018年11月17日の「幻」モーニン・ブルーズの始まり、始まりです。

冷えて来ましたね。都内23区で最低気温を記録する、間違いなく最も寒い

部屋からお送りする「幻」、冬場はお任せを。もう既に指先がカジカんでます。

今朝は全く予期せぬ、虚を衝かれた1枚からどうぞ。

なんと、あのザーップです。7枚目のアルバムから、冒頭曲、

痺れて下さい。「ロック・ヤ・バディ」。

 

M01.Rock Ya Body(3’40”)Roger & Friends  

-L.Troutman jr., B.Chambers, B.Reith- Leopard N78054

 

N  「ロック・ヤ・バディ」、突然の新譜『ザーップVII』からでした。これは10日の

いーぐるアリーサ・フランクリン追悼集会の後で立ち寄ったジャズ・バーで聞かされて知

ったんです。まさかザーップの新作にこの世で出会えるとはねえ。

もちろんこの狂気音娯楽集団の総師だったロヂャーは1999年4月になくなっ

ていますから参加していませんが、今お聞きのように「モロ」のザーップ感溢れ

る出来映えです。ロジャーがが生前に残していたデモなどを素材として組み立て

られた物でしょうが、ありがちな欺瞞的な不自然さがなく抵抗なく楽しめま

す。ビートが実によく研究されていますね。よくやった。

わたしは慌てて店頭に残っていたアナログを手に入れて聞いています。CDも

取り寄せ中。今朝は、LPでお届けしています。

『ザーップVII』から、もう一曲行きましょう。

A面2曲目の「シャイ」です。

 

M02.Shy(3’42”)Roger & Friends

-L.Troutman jr., B.Chambers, B.Reith- Leopard N78054

 

M03.汽車を待つ無法者のように(4’33”)ガイ・クラーク

-G.Clark-  ソニーSICP 5815/6

 

N  『ザーップVII』から「シャイ」でした。このアルバムはこれからもしつこく聞いて

頂きます。どうぞお楽しみに。

続けましたのは、先々週、先週、と続けてお聞きいただいた2枚組コムピ盤

『荒くれ者たちと複数の甲殻狸  カントリーの騒然たる70年代』からガイ・クラークで

「汽車を待つ無法者のように」でした。先週時間の関係でお届け出来なかっ

た1曲です。1975年の発表。「汽車を待つ無法者のように」という比喩が今

ひとつ分かりませんが、しみじみと味わえる名曲です。唄声が胸に迫ります

ね。

いやあ『荒くれ者たちと複数の甲殻狸  カントリーの騒然たる70年代』は本当

にいい企画だ。皆さんにもぜひ聞いて頂きたい。出来るなら国内盤で、詳細

な解説をお楽しみ下さい。それによって更にこれらの素晴らしい歌曲の背景

を知る事が出来、更なる理解に繋がります。

 

M04.谷茶前(1’42”)

唄・三線:

照喜名朝一、大城助吉、渡口光雄、山内秀雄、金城武信、国場徳八、新城徳祐

-trd.-  コロムビア COCJ-40464

 

N  こちらも連続紹介中の久保田麻琴がまとめた琉球諸島音楽4枚シリーズから、

今朝は『かなす ウチナー』です。主に沖縄本島の伝承芸能が収められています。

先週の「子守唄(我んが守り)」には、たべるトンちゃんからお褒めの言葉を頂き

ました。「子供は音程不安定だがこれはブレてない」とのご感想です。前半で

お届けした、フィンガー・ファイヴのアキラも正確でしたね。彼らも沖縄出身。琉球民

族の特徴のひとつは正しい音程なのでしょうか。

只今お届けしましたのは、「谷茶前 タンチャメー」でした。照喜名朝一、大城助

吉、渡口光雄、山内秀雄、金城武信、国場徳八、新城徳祐、以上7名の唄と

三線でした。

次も同じ顔触れによる唄と演奏です。前半の旋律はあなたも覚えがある筈。

「かき回し」を意味する「カチャーシー」と呼ばれるダンス音楽ですね。2曲がメドリー

的に奏でられます。

「加那よ」そして、「天川」。

 

M05.加那よ 天川(6’16”)

唄・三線:

照喜名朝一、大城助吉、渡口光雄、山内秀雄、金城武信、国場徳八、新城徳祐

-trd.-  コロムビア COCJ-40464

 

N  「死んだら神様よー」と同じく、本土でも親しまれているメロディを含んだ

「加那よ」それに連続して「天川」でした。三線が三連音符風に弾かれる

ところは、意識的に制御されているのでしょうか。高度な技術です。凄いな。

指笛も効果的ですね。おそらくは即興で合わせているのでしょうが、こうい

う瞬間的反応に琉球民族の音楽性の高さを感じます。

今度は葦笛のような音が聞こえる「路次楽 ルジガク」という楽曲です。確た

る根拠はありませんが、中国、それも内陸、蒙古との文化的関連を、わたし

はどうしても考えてしまいます。

演奏は、与儀富三、嶺井政明、川上精孝、大城三郎、以上4名です。

 

M06.路次楽(2’10”)演奏:与儀富三、嶺井政明、川上精孝、大城三郎

-trd.-  コロムビア COCJ-40464

 

N  如何でしょう、「路次楽 ルジガク」、「蒙古との文化的関連」と申しましたが、

この笛の音を聞いてわたしがすぐに連想したのは、いつかご紹介した、白人

研究家が自宅に持ち込んだら当人がすぐ死んだ、という呪い付きの大きなアフリ

カ産吹奏楽器でした。覚えてるかな。わたしはソーゾー力が豊かですので、こう

いう響きからは、何処かしら未知の民族が周りを囲んで来ているような怖さ

を感じます。

「ホッホッホッ」と声が掛かります。このタイミング、間合いは正に絶妙。わたしが

合わせようとしても、なかなか出来ませんでした。

次は琉球ドゥーワップ。口三味線で伴奏が奏でられます。ミルス・ブラザーズ風です。

「木宝蔵」、大城文男、与那城忠吉、大城ウシヤ、東江トシの唄になります。

 

M07.木宝蔵(2’24”)唄:大城文男、与那城忠吉、大城ウシヤ、東江トシ

-trd.-  コロムビア COCJ-40464

 

N  酒宴で酔っ払いが調子に乗った感じですが、妙なるオツな味です、「木宝蔵

キープゾ」 もうちょっと人数が多ければ、更に迫力が出て、ゴスペルのクアイアと

張り合えるかも知れません。と言いましても、既に絶えてしまったでしょう

ね、こういう芸は。

この夏に出た、久保田麻琴監修の琉球諸島音楽4枚シリーズ、今朝が最後です。

如何でしたでしょうか。ここまで20曲近くお送りしましたが、わたしが言語

を確実に理解出来た歌は一つもありません。なんと遠い国なのでしょう。

新しい県知事が生まれても、基地新設問題で揺れ続けている沖縄。振り返

ってみれば、琉球王国が日本に併合されてから、この島々はずっと不当な待

遇を受け続けて来ました。その象徴は太平洋戦争末期の、見捨て切り落とし

です。それから米国に支配されて何も変わらず日本に復帰、そして重い基地

負担をずっと背負わされています。しかもその根拠は米国のロシア、中国、北鮮

牽制のためでしかありません。アメリカよ、お前たちの領土じゃないんだぜ。琉

球の人たちの悲鳴を一切聞こうとしない米軍。本土の日本人も沖縄を差し出

す事でアメリカのご機嫌を取り、ここでなら何をしても構わない、とまで考えて

います。

にも関わらず、こんなに豊かな音楽文化が伝承されていたのです。逞しく

美しい。心強いじゃアーリマセンカ。この琉球諸島音楽4枚シリーズは度々申し上げて

いる通り、久保田麻琴の仕事も見事です。ぜひ一度、通してお聞き下さい。

とりあえずの最後に「かぎやで風節 カジャディフーブシ」をお送りします。唄と

三線が川田松夫、お琴は与儀小夜子です。

 

M08.かぎやで風節(3’54”)唄・三線:川田松夫 琴:与儀小夜子

-trd.-  コロムビア COCJ-40464

 

M09.ユーモレスク(3’54”)アウラ 

-E.Pacini, A.Dvorak-  エトラ TEAR-4

 

N  リューキュー音楽に続いて突然の「ユーモレスク」、ドヴォルザークのポピュラーな小品です。

古い友人が長い事面倒を見ている「アウラ」という女声アカペラ・グループがありま

して、先週久しぶりに会った時に手渡された最も新しいアルバム『ルミナーレ』か

らお届けしました。

この楽曲は、子供の頃に家にあったレコードで何度も聞いた事がありまして、

時々頭の中に蘇っていたのがこの主旋律です。その都度「これは『ユーモレスク』

だったよな」と自分で言い聞かせて来たのですが、確認の方法も無く今日ま

で来ました。それが、『ルミナーレ』の曲目表を見たら「ユーモレスク」とあったので、

早速確かめてみた次第です。当たっていました。

アウラは全員が大学の声楽科を卒業した女性5人の編成。たまたま出くわした

インストア・ライヴで実演に接した事もあります。それぞれが自負を持った妙齢の女

性たち。それも5人。わたしなら面倒を見るなんて出来ませんね。アルバムはこ

れで7枚目。テレビのコマーシャル音楽にも採用されているようで、友人の岸健二郎

はよく続けているなあ。

 

M10. Shanghai Shuffle(2’42”)Janet Klein And Her Parlor Boys

-Rodemich, Conley- Moga Records  nonumber

 

N  なんとも奇妙なこの音楽。ジャネット・クラインという女性と彼女を取り巻く男たち

パーラー・ボーイズの「上海シャッフォー」です。1930年代に流行っていた音楽の形を

継承して異国情緒とゲテ物風味を売り物に活動を続けています。先月には来日

していたようですね。その時にお土産として持って来たのが「上海シャッフォー」。

20周年記念というベスト盤。そこからお聞き頂きました。1998年に同曲が世に

出てヒットしていたそうですが、わたしは知りませんでした。矢口清治が喋って

いたラジオ番組「ミュージック・トゥデイ」が続いていたら、何度か紹介されたような

手触りです。澤田修の「オーサム・ビーツ」で極く短期間スポット・ライトを浴びたカロ・

エメラルドのもっと古い仕様でもあります。

この楽曲「上海シャッフォー」で中心人物のジャネットは、中間部で一声かけただけ

でしたが、ジャケット写真での存在感は圧倒的。錦鯉とか尾長鶏などの脇役と見

事な調和を見せます。

ではもう一曲、異国情緒とゲテ物風味でどうぞ。

「ホノルル・ストムプ」。

 

M11.Honolulu Stomp(2’39”)Janet Klein And Her Parlor Boys  

-Pilio- Moga Records  nonumber

 

N  「ホノルル・ストムプ」、ジャネット・クラインと彼女のパーラー・ボーイズでした。ハワイアン音楽に

ストムプ形式はありませんけれど、いかにもありそうな響きですね。こういうの

を下卑ずに仕上げるのはかなり難しい事でして、パーラー・ボーイズは上手に演っ

ています。相当にハワイ音楽を勉強しているようです。

この盤に出会ったのは、某大型レコード店の試聴機でして、その時に最も聞き

たかった、と言いますか、確かめたかったトラックを呼び出そうとしたら、試聴

機が故障して動かなくなってしまって、急いでもいたので「ええい、間違い

ないだろう」と聞かずに購入しました。それが次にお届けする「酒がのみた

い」です。ご存知バートン・クレインのあの歌のカヴァでした。オリヂナルは1931年です

から、ジャネット・クラインが採り上げるのに不可解な理由はありませんが、「なぜこ

の歌を」「何処で知ったの」という疑問が付きまといます。ひょっとして、か

の名盤『昭和カタコト歌謡曲』を聞いていたのか・・・。

 

M12. Sakega Nomitai(2’07”)Janet Klein And Her Parlor Boys   

-B.Crane- Moga Records  nonumber

 

M13.酒がのみたい(2’35”)バートン・クレイン

-B.Crane-  コロムビア  COCP-39524

 

M14.El Pachuco(3’03”)Ray Camacho

-Allen, Brown, Dickerson, Gordman, Miller, Oscar, Scott, Goldstein-

Ever Land 015 CD

 

N  最後はバートン・クレインとは別の、異国情緒溢れるゲテ物風味イカガワシ音楽が出て

来ました。3曲目はレイ・カマチョというメキシコ人のスーパー・バンドによる「エル・パチュー

コ」です。ドン・ガバチョではありません。有名な「ロー・ライダー」のスペイン語カヴァ

です。リード・ヴォーカルは楽団内でサクスフォーンとピアノを担当するマヌエル・パラフォクス。何

とも言えない雰囲気を醸し出してますね。

古い米国車のサスペンションを切り摘んで車体全体を低く落としてゆっくり走る

ロー・ライダー文化はメキシコ発祥ですから、先祖返りとも言えますが、どうですか、

このイカガワシサ。たまりませんね。この盤は今年ドイツでCD化されました。偉い

ね、再発した人は。よく行く小規模レコード店である映画の挿入歌の話をしてい

て、引き合いに出されたのがこのアルバム。わたしは興味を惹かれた「ロー・ライダ

ー」に一発でノックアウトされました。奥が浅いんだか深いんだか分からないこの「ス

ーパー・バンド」の魅力は、また改めてお届けします。

今朝はそのオリヂナルを聞いてもらいましょう。もちろんヲーです。

 

M15.Low Rider(3’10”)War

-Allen, Brown, Dickerson, Gordman, Miller, Oscar, Scott, Goldstein-

Avenue R2 75903

 

N  ヲーのスマッシュ・ヒット「ロー・ライダー」でした。さて連鎖というものは頻繁に起こる

ようでして、その小規模レコード店へ出かける前に家で聞いていたブルーズのライ

ヴ・ジャムで、この「ロー・ライダー」のリフがかなり荒っぽく使われていたのですが、

その時は出処が思い浮かばず「これ何だっけ」と一生懸命思い出そうとして

いたのです。でもその日の午後に謎も解けて、気持ち悪さも解消されました。

では、そのブルーズのライヴ・ジャムを聞いて下さい。暫くすると出て来ますよ、

あの特徴的なリフが。

マイク・ジト、ヴァーニャ・スカイ、バーナード・アリソンの3人で演奏しています。

「イン・ディ・オープン」

 

M16.In The Open(5’20”)マイク・ジト、ヴァーニャ・スカイ、バーナード・アリソン

-unknown-  MSFB 2018

 

M17.Trompe-L’oeil(5’28”)Midori Takada

-M.Takada-  WRWTFWWO 19CD/ PFCD006

 

N  マイク・ジト、ヴァーニャ・スカイ、バナード・アリスンの3人のライヴ・ジャム『ブルーズ・キャラ

ヴァン2018』から「イン・ディ・オープン」、そして日本人打楽器奏者、高田みどり

の1983年の作品『スルー・ザ・ルッキング・グラス』から「トロムペ・ロエイル」でした。

実はこれ、輸入盤なんです。土曜日の「アリーサ・フランクリン追悼集会」でこれま

た古い知人と出会いまして、今はヨーロッパに邦人音楽家の作品を紹介する仕事

に着いているとかで、翌日見本を送ってくれたのです。その中に昔聞いてい

た事のあるこの1枚が入っていました。

高田みどりは非常に優れた打楽器奏者で、活動歴も長く国際的にも認めら

れています。この人の演奏は抽象的ですが絵を描くような雰囲気でして、わ

たしの心にはローリー・アンダースンとの実演の印象が鮮明に残っています。録音作品

はそれほど多くはないでしょうが、この『スルー・ザ・ルッキング・グラス』なら、世

界水準を軽く超えているとして自信を持って紹介出来るでしょう。

今の「トロムペ・ロエイル」は彼女の多重録音。打楽器の他に怖い笛の音も出て来

ました。皆さんには神様と、天と、宇宙と会話しながら演奏する高田みどり

の姿が見えましたでしょうか。

 

M18ネヴァー・リーヴ・ユー・アゲイン(4’28”)アレサ・フランクリン     

-C.Rooney, S.Combs, K.Price-   BMG BVCA-737

 

N  さて、その「アリーサ・フランクリン追悼集会」、相手は巨匠たちだからね、わたしは

おとなしくしていたつもりです。もう少し鈴木啓志さんがチェスの頃の歌を聞か

せてくれるだろうと期待していたんですが、やはりアトランティック時代が中心にな

りました。わたしの持ち込みも「過大評価だ」と高地明に揶揄されたジョン・

ハモンド制作のコロムビア時代を除くと、殆どがアトランティックの物でした。それ以降、アリ

スタとかRCA時代のアリーサはわたしには過剰である事が多く、「なぜこんな事を

やらなきゃいけないんだろう」という疑問が付きまといます。唯一持って行

ったのは『ア・ローズ・イズ・スティル・ア・ローズ』、98年制作のアルバムです。今の「ネ

ヴァー・リーヴ・ユー・アゲイン」はこの中から選んだのですが、本番では時間の都合

でお届けできませんでした。ちょっと重過ぎるかもしれませんがアドリヴ・スキャ

ットが印象的です。

もう1曲お届け出来なかった歌があります。そちらもどうぞ。

「オウ、ノウ、ノット・マイ・ベイビー」。

 

M19.Oh No Not My Baby(2’55”)Aretha Franklin

-J.Goffin, C.King-  Atlantic 8122-71525-2

 

N  「オウ、ノウ、ノット・マイ・ベイビー」、アリーサ・フランクリンでした。もう1曲、今度は男性

ヴォーカルをどうぞ。本来はギタリストですから、歌の女王アリーサの後に唄わされて憤

慨しているかも知れません。オルガン・トリオと仕上げた最新作『ホールド・オン』から

です。

アルバムではかなり激しくギターを弾いている物もありますが、ここでは落ち着

いた唄声を、じっくりお聞き下さい。

「ユー・ニード・ミー」。

 

M20You Need Me(3’47”)カーク・フレッチャー

-unknown-  BSMF 2632

 

M21.Eyes Of Faith(6’06”)Bobby Broom & The Organi-Station

– B.Broom-  Jazzline N 77059

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  2018年11月17日の「幻」モーニン・ブルーズ、最後はボビー・ブルームとオーガニ・

ステイションで「アイズ・オヴ・フェイス」でした。何度もお届けしている最新盤『ソウル・

フィンガーズ』からです。このアルバムは選曲がとても面白いのですが、これはボビ

ー本人の作品です。いい感じにツボを押さえていますね。皮のギターケイス、皮のコー

ト、そして革手袋で完全武装したボビー・ブルームのジャケット写真が似合う季節にな

って来ました。寒さにお気をつけ下さい。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/41e94477cd67cb0699333ba61467b8825799e8ab

   ダウンロードパスワードは、r3mgc7c0です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

 

【お知らせ】

今年最後の生放送!

AWESOME BEATS + Mornin’ Blues

今年最後の生放送は、
2018年12月26日24時〜29時 (12月27日早朝0時〜早朝5時)】です。

放送局:いつもの中央エフエム
出演:いつもの澤田修&鷲巣功

詳細は後日お伝えします。

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/11/10

mb181110

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  2018年11月10日、アサー。「幻」モーニン・ブルーズ、ワツシイサヲです。

「島田の袖も由比ヶ浜・・・」、そうだ、白浪五人男もいた。トンちゃん、有

難う。先週の「5を名乗るグループ集め」、国内では「エレキ・ギター・バンドの井上

宗孝とシャープ・ファイヴくらいしか浮かびません」などと言ってましたが、リス子

どののご指摘通り「いけない人」でした。何よりもこの人たちを忘れちゃい

けませんね。大変失礼いたしました。

内山田洋とクール・ファイヴです。コムピ盤『山口洋子作品集』から、「噂の女」。

 

M01.噂の女(3’50”)内山田洋とクール・ファイブ

-Y.Yamaguchi, K.Inomata-  テイチク TECE-3302

 

N  「噂の女」、内山田洋とクール・ファイヴでした。この人たち、デビューの時は6人

編成だったんですよね。内山田洋と、前川清を含んでイカした五人だから、間

違ってはいない。当時はヴォーカル・アンド・インストゥルメンタル・グループでして、ちゃん

と演奏しながら唄っているのをテレビで観た記憶があります。「ファイヴ」といえ

ば、まずクール・ファイヴ、失礼いたしました。

他にも皆さんから教えていただいた中では、「サニー・ファイヴ」を知ってたな。

名前だけですけど。

そして、このグループも盲点でした。すみません。

フィンガー・ファイヴです。今回、彼等の1枚目のアルバムを初めて聞きまして、驚

きました。全12曲中半分以上の7曲がジャクスン・ファイヴ関連のカヴァで、かなり

徹底した意識が感じられます。言葉は和訳、和異訳に置き換えられています

が、アキラがよく唄っています。曲間には録音中のメムバの喋りが挟まれていて、

アイドル盤的な造りになっています。

ではお聞き下さい、1973年のフィンガー・ファイヴで「小さな経験」。オリヂナルはジ

ャクスン・ファイヴで1970年のヒットでした。

 

M02.小さな経験(2’23”)フィンガー・ファイヴ

-K.Katagiri, D.Richards, F.Perren, F.Mizell, B.Gordy jr.-

フォノグラム  PHCL-3020

 

M03.さよならは言わないで(3’00”)ジャクソン・ファイヴ

-C.Davis-  ポリドール DCI-3061

 

N  フィンガー・ファイヴで「小さな経験」、そしてお手本となった本家ジャクスン・ファイヴ

の「さよならは言わないで」、こちらは1971年にヒットしています。ディスコ時代

にグロリア・ゲイナーがカヴァして、こちらも当りましたね。デイヴィド・T・ヲーカーが弾

いてまして、わたしはこれが好きだな。先週「5」と来て、ジャクスン一家が閃か

なかったのは、なぜだろう。ボケて来たのかな。

さてフィンガー・ファイヴは沖縄出身。今朝も久保田麻琴がまとめた4枚の編集

CDから琉球諸島音楽を聞きましょう。3枚目は『かなす ミャーク』です。この

盤はアカペラで唄われたトラックが多く、殊更に印象が強い1枚ですね。

まずは宮古島平良の舟漕ぎ歌です、「仲屋まぶなりゃぬアヤグ」。

 

M04.仲屋まぶなりゃぬアヤグ(3’51”)唄:仲間玄徳、伊波善雄、小禄恒栄

-trd.-  コロムビア  COCJ-40465

 

N  「仲屋まぶなりゃぬアヤグ」、唄は仲間玄徳、、伊波善雄、小禄恒栄の3人でし

た。たいへん力強い節ですね。返答的に返されるバック・グラウンド・ヴォーカルが、

舟漕ぎ歌だと連想させてくれます。言葉は殆ど分かりませんが、生まれた6

人の子供がすべて女で最後に出来たのが男の子だったという、舟漕ぎとは関

係ない内容だそうです。

次は伊良部島の佐良浜に伝わる素朴で美しい歌、女性の独唱です。

「佐良浜ぬはいま」。

 

M05.佐良浜ぬはいま(1’51”)唄:諸久島マツ子 

-trd.-  コロムビア  COCJ-40465

 

N  「佐良浜ぬはいま」、諸久島マツ子の唄でした。この4枚シリーズの合言葉「かな

す」が何度も出て来ましたね。「いとおしさと神々しさの混じったジーンとくる

感覚、ブラジルではサウダージと呼ばれ、マレー語圏ではリンドゥとも呼ばれる感覚」を

表現する、久保田麻琴が本4枚シリーズに与えた造語です。浜辺で網を繕いなが

ら唄われている情景が浮かびましたが、果たして実態は如何に。「はいま」と

いう名前の蟹が脱皮を目指してリキむ姿を唄っているそうですが、今ひとつ理

解出来ませんです。

無伴奏琉球伝承歌が続きましたので、今度は三線の伴奏付きでどうぞ。

「狩俣ぬいさみが」、宮古島平良に伝わっていた歌です。

 

M06.狩俣ぬいさみが(3’12”)唄・三線:伊波善雄、新里 敏   

-trd.-  コロムビア  COCJ-40465

 

N  「狩俣ぬいさみが」、唄と三線は伊波善雄、そして新里 敏でした。女の人

の声が聞こえましたが、シンザトトシさんは女性なのでしょうか。こちらは如何に

も琉球的なリズム、旋律です。現代では民謡というと大抵がその特定地方でひ

とつの楽曲に統一されて伝承されていますが、この4枚シリーズには重なる同じ

歌、節がありません。なんと豊かな音楽群でしょうか。ただし、見方を変え

れば、本来なら日本でも全国に小さな隣り合った集落ごとでも異なった節や

拍が伝わっていた筈で、近代に入って都道府県別に地域がまとめられた事や、

メディアの発達によって、その種の細かな違いが押し並べられたのではないか、

とも言えます。いずれにせよ、本土復帰前の1960年代半ばまでは、琉球にこ

れらの音楽が日常に溶け込んでいたのですね。美しい。

次は、まだ幼い子供が唄っていると思われる「子守唄」です。

 

M07.子守唄(我んが守り)(3’24”)唄:古堅明子 三線:古堅宗雄

-trd.-  コロムビア  COCJ-40465

 

N  フェイド・アウト処理が誠に残念です。「子守唄(我んが守り)」、唄は古堅明子、三

線が古堅宗雄でした。今回の4枚ではこの『かなす ミャーク』が一番気に入った

かな、わたしは。最後にいつものように最新リミクスをお届けしましょう。クレジッ

トには「ミキオ・ブラック・ワクス」とあります。宮古島のジャズ・ファンク楽団のドラマーと

久保田麻琴の手になる21世紀更新版「佐良浜ぬはいま」です。

 

M08.SARAHAMA NU HAIMA(3’54”)

Mikio “Black Wax” & Makoto Kubota

-trd.-  コロムビア  COCJ-40465

 

N  「佐良浜ぬはいま」、これは素晴らしい仕上がりですね。

久保田麻琴がまとめた4枚の琉球諸島音楽CD、来週は最後に残った1枚、

『かなす ウチナー』を聞きましょう。どんな音が飛び出してくるでしょうか。

どうぞ、お楽しみに。

さて、次はトニー・ジョー・ホワイトの新作です。本人曰く「ようやく作るべき時

が来た」、という会心のブルーズ・アルバムなんですが、トニー・ジョー特有の、暗い煙

が 立ち込めるような響きで全曲が覆われていて、正直なところ「これでい

いのかなあ」という感じもしました。有名曲のカヴァが多いのも特徴です。

その中から、これどうでしょう。どなたでもご存知のあの歌です。

 

M09.Heartbreak Hotel(3’44”) トニー・ジョー・ホワイト

-T.Durden, M.B.Axton-  BSMF 6153

 

N  トニー・ジョー・ホワイトで「ハートブレイク・ホテル」でした。歌の主題から遠くはない仕上

がりでしょうけれど、この「傷心宿」は相当に息が詰まりそうに重苦しい空

気が漂っています。ここに泊まっていたら、失恋の痛手からなかなか抜け出

せそうもありません。もし、あなたが今なにかの事情でこんな雰囲気がたま

らなくお好きでしたら、トニー・ジョー・ホワイトの新譜『バーッド・マウシン』をお聞きく

ださい。思う存分に浸れますよ。

さて、先週2曲だけ紹介したコムピ盤『荒くれ者たちと複数の甲殻狸  カントリー

の騒然たる70年代』を、今週はもう少し聞きましょう。

まずパンク・カントリーの親玉、ジョニー・キャッシュです。実に意外ですが、ザ・ローリング・

ストーンズの名盤『乞食の晩餐』に収録されていた歌を唄っています。お聞き下

さい。

「何のあてもないまま」。

 

M10.ノー・エクスペクテーションズ(3’11”)ジョニー・キャッシュ

-M.Jagger, K.Richards-   ソニーSICP 5815/6

 

N  ジョニー・キャッシュで「ノー・エクスペクテイションズ」でした。これはストーンズの原曲も秀逸

ですが、こちらの仕様も魅力的ですね。キャッシュは調子を少し変えて、軽快なビ

ートで唄っています。そしてそれが余計に「お先まっ暗」感を煽っています。

絶望に向かって走り続けている感じかな。大いに気に入りました。

次は今やカントリー界の女王、と呼んで差し支えないエミルー・ハリスです。彼女はナッシ

ュヴィルでも成功を収めましたけれど、1970年代半ばに登場した時にはそれま

での舌足らず的女声カントリー唱法と全く無縁の唄い方で、それがはみ出し者たち

に歓迎されまたようです。ウイリー・ネルスンと一緒にトゥアをしていたと聞けば、どん

な演奏態度だったか想像出来ますね。

1978年の作品です、「イージー・フロム・ナウ・オン」。

 

M11.イージー・フロム・ナウ・オン(3’06”)エミルー・ハリス

-S.Clark, C.Routh-  ソニーSICP 5815/6

 

M12.コズミック・カウボーイ(3’57”)マイケル・マーフィー  

– M.Murphy –  ソニーSICP 5815/6

 

N  エミルー・ハリスの「イージー・フロム・ナウ・オン」に続けましたのは、マイケル・マーフィーの「コ

ズミック・カウボーイ 上巻」。この「コズミック・カウボーイ」という言葉の意味するところ

が、わたしにはさっぱり分からないまま、この歳になってしまいました。横

浜は保土ヶ谷のダグ・サームこと、オレンヂ・カウンティ・ブラザーズの飯田雄一は新しい

グループを「コズミック・カウボーイズ」と名付けていましたから、ピンと来ていたよう

です。多分、気ままに行動するヒッピーの事なんでしょう。対訳に拠ればマイケル・

マーフィーはここで「俺はなりたいコズミック・カウボーイ、超自然のカントリー・ロッキン馬鹿」

と唄っています。このヒットの後、「斬新的なカントリー・シンガーはコズミック・カウボーイ&ガ

ール」として知られるようになるのであった」そうです。

ではこれまた異端者、コズミック・カウボーイのウェイロン・ジェニングズで、

「安酒場の英雄たち」。

 

M13.ホンキー・トンク・ヒーローズ(3’38”)ウェイロン・ジェニングス

-B.J.Shaver-  ソニーSICP 5815/6

 

N  ウェイロン・ジェニングズ「ホンキ・トンク・ヒーローズ」でした。ここまでお聞きになってお

分かりのように、ソニーから発売中のこの2枚組『荒くれ者たちと複数の甲殻狸

カントリーの騒然たる70年代』には、特にこの国で紹介され難かったカントリー音楽が

たくさん入っています。わたしが買ったのは輸入盤で、国内盤を澤田修から

借りたのですが、こちらにはオリヂナル盤の詳しい解説が、妙訳によってたいへ

ん分かり易い読み物となって付いていて、入り組んだカントリー音楽の世界を理解

するのに役立ちます。カントリー初心者ワツシイサヲ、お勧めの1枚、いや2枚組です。

どうぞご自身でもお聞き下さい。

さて、先週「5」を名乗るヴォーカル・グループを探している途中で、アイズリー・

ブラザーズにこんな歌があるのを見つけました。彼らは70年代にソリッドなファンク

で圧倒的な人気を集めました。その代表とも言える73年発表の定番曲に「ザ

ット・レイディ」というのがあります。その原曲は64年に発表されていた「フーズ・

ザット・レイディ〜あの女だれだ」でした。

 

あのいい女、誰だか知ってるか

   チョー綺麗じゃん、紹介して欲しいな

 

一般男性としてはたいへん共感を持てるメッセヂが込められています。音楽の

造りにはカーティス・メイフィールドの「ジプシー・ヲーマン」から閃きを貰ったような感じも

あります。多分ファンの人たちには当たり前の如き事実なのでしょうが、これが

9年後に更に強力な「ザット・レイディ」となって、歌舞音曲の場でドギツイ欲望を

剥き出しに撒き散らしていたのです。21世紀に新たな認識をしたワツシイサヲであ

りました。お聞き下さい。

 

M14.Who’s That Lady(2’48”)The Isley Brothers

-R., O., R.Isley-  EMI CDP-7-95203-2

 

M15. 翼(4’14”)石川セリ

-T.Takemitsu-  コロムビアCOCY-78624

 

N  突然の「翼」、石川セリでした。モーニン・ブルーズでは既に何度か紹介しています。

実は今、作者の武満徹と小澤征爾の対談集、その名もズバリ「音楽」、という

文庫本を読んでいます。この手の談話物は、普通あっという間に読めてしま

う筈なんですが、付箋を付けたりして何度も読み返す部分が多いからか、例

外的に時間がかかっています。もちろん現代音楽を含む西洋古典音楽が主題

ですから、わたしは門外漢なのですけれど、頷ける発言がとても多いのです。

今の「翼」もタケミツの作詞作曲でして、ここで唄われる思想が一貫して彼に

は流れているような気がします。「希望」、「夢」、「自由」を運ぶ「翼」。彼の

音楽も、「希望」、「夢」、「自由」を運ぶのでしょう。つまり彼は正しい人間な

のです。

 

M16.明日ハ晴レカナ曇リカナ(2’05”)石川セリ

-T.Takemitsu-  コロムビアCOCY-78624

 

N  こちらも作詞作曲が武満徹「明日ハ晴レカナ曇リカナ」、同じく石川セリでした。

さて作曲家タケミツの出世作は「ノヴェムバ・ステップス〜11月の階梯」でした。1967

年にヌー・ヨーク・フィルハーモニックからの依頼で作られたオーケストラ曲です。ここでフィーチュアさ

れているのは尺八と琵琶という和楽器。この組み合わせだけで当時、大きな

話題となりました。価値の変革、混乱がアヴァンギャルド表現になって行く過渡期

の最先端の形だったでしょう。

「ブォーッ」「ベベベーン」「ヒューンヒューン」「ジャジャジャジャーン」といった音が飛び交

う難解な抽象表現が短絡的に想像されます。事実、そういう音も出て来ます

し、最初に提示される主題がオドロオドロしいのは否定できません。しかし20分

を通して、苦痛を覚える人はいないでしょう。作品の背景には多少難しい西

洋古典音楽の流れが横たわっていますし、前衛芸術で、且つ環境音楽的でも

ありますが、軽いバック・グラウンド・ミュージックでもあると言う事も出来ないでし

ょうか。スピーカーと向き合わず、何か他の事をしながらでも充分に流していら

れます。実際にわたしはそんな風に聞いていました。ここにも「希望」、「夢」、

「自由」を運ぶ武満徹がいるのです。

では20分を超える長さとなりますが、季節もよろしいようです。

「霜月の階梯」をお聞き下さい。

小澤征爾指揮、トロント交響楽団の演奏、琵琶 鶴田錦史、尺八は横山勝也、

演奏は超一流の保証付です。

 

M17.ノヴェンバー・ステップス(20’24”)小澤征爾      

-T.Takemitsu-   ソニー  SICC 30014

 

N  武満徹作曲「ノヴェムバ・ステップス〜11月の階梯」、小澤征爾指揮、トロント交響楽

団、琵琶 鶴田錦史、尺八は横山勝也でした。始まってしばらくの響きが、ジ

ョン・レノンの「レヴォルシオン・ナムバ・ナイン」を連想させます。あちらはジョージ・マーティン

がアビー・ロード・ステューディオにあった有り物のテープを使ってコラージュを作り上げた

ようですが、妙な類似感がありますね。成立期は、ほぼ同じ。時代の響きだ

ったのでしょうか。

録音に臨んで、タケミツは琵琶と尺八のふたりに、西洋音楽ではなく「自分た

ちの間」で演奏して欲しい、と要望したそうです。カナダの交響楽団を使って

いる訳ですから、現場は五線紙上で作業が進んだと思われます。それでも作

者の意図は見事に表現されています。それを振ったオザワも大したものですね。

先ほどは、「軽いバック・グラウンド・ミュージックでもある」などと申しましたが、

やはり圧倒されてしまいそうな内実を持っています。霜月に聞くタケミツの「ノヴ

ェムバ・ステップス」如何でしたでしょうか。

それでは短いヴォーカル曲で今朝の最後といたしましょう。先週、レスター・ブーイ

が熱演してくれた「ザ・グレイト・プリテンダ〜そのフリ仮面」、オリヂナル仕様です。

ファビュラス・ザ・プラターズでどうぞ。

 

M18. グレイト・プリテンダー(2’42”)プラターズ    

-B.Ram-   ユニバーサル  UICY 80014

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の最後は「ザ・グレイト・プリテンダ」、ザ・プラターズでした。わたしはプラター

ズでこの歌が一番好きかな。もちろん「墓場まで持っていく1001曲」に入っ

ています。先週のレスター・ブーイ録音のバック・グラウンド・ヴォーカルには、フォンテラ・バス

も参加していたのですね。詳細を読んで発見し、少々驚きました。

さて今日は昼前に浅草の木馬亭に行って鉄砲光丸の音頭を見届けて、午後3

時からは四谷の伝説的ジャズ喫茶「いーぐる」でアリーサ・フランクリン追悼集会に参加

です。時間的には余裕がある筈ですが、当日のハシゴ移動というのはちょっと

緊張ですね。仕切り進行役の佐藤英輔も取材からの流れ込みと聞きましたが、

本編の前に京王技研、コルグの新機軸のデモ演を行うようです。これはわたし自

身も聞いてみたいなあ。どちらかでお会いできましたら、どうぞお声を掛け

て下さいな。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。最近ダウ

ンロード数が増えて来ました。ここまである一定量を目安にして来ましたが、そ

れを超えてしまうと・・・、お早めにどうぞ。

http://firestorage.jp/download/7bac7ee9813d27234c5bcbb52db1a3f792011135

   ダウンロードパスワードは、dcpcp0hz です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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