カテゴリー : Mornin’ Blues by IsaoWashizu

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/09/15

mb180915

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  アサー、はいワツシイサヲです。急に涼しくなって来ましたね。お勉強をするにはピ

ッタリです。今日は上越で卓球合戦。彼の地の天候を想像するに、さぞかし気持

ちが良さそうです。でも事前に確かめて出かけなくちゃね。

今朝も爽やかに参りましょう。一曲めはこの人のこれです。打ち返せるか

な、この変化球。

 

M01.胸いっぱいの悲しみ(3’11”)沢田研二  

-K.Yasui, K.Kase-  ポリドール UPCY-6521/2/3

 

N  「幻」の重度聴取者の間でサワダといえば、名門オーサカゲーダイ卒業のあの人にな

りますが、こちらは沢田研二。夏が過ぎて涼しい風が吹き始めると、わたし

はいつも彼のこの歌を思い出します。あまりヒットしませんでしたからそれ程は

知られていない。そこがまた気に入っている理由のひとつです。確かロンドン録

音じゃなかったかな。弦のダイナミクスが違います。スケール感が大きい。ティムパニの使

い方、ニクいね。沢田研二で「胸いっぱいの悲しみ」でした。

タイガーズ時代から沢田研二は欧州進出を試みていまして、このセッションもその

一環ではなかったかな。ビージーズに楽曲を貰ったりしてましたね。英語詞の

「愛の逃亡者」なんてのもあった。仏蘭西にも目配りを怠らず、「巴里にひと

り」の頃は、向こうのテレビ番組にも出演してた筈です。わたしとしてはロンドン

よりパリの方が沢田研二には似合っていたように思えます。

ではその頃のシングル曲、フランスでヒットの実績のあった曲の日本語詞カヴァです。

「見せられた夜」。

 

M02.魅せられた夜(2’57”)沢田研二   

-J.Renard, K.Yasui-  ポリドール UPCY-6521/2/3

 

N  これは国内録音かな。編曲は東海林修。現場には加瀬邦彦もいた筈です。

他の歌謡曲とはひと味違う奥行きを感じますね。この路線で掴んだ手応えは

その後の沢田研二にかなり大きな影響を与えている、わたしはそう確信して

います。

それでも、1973年の「危険なふたり」、このヒットは圧倒的でした。これによ

って、沢田研二の世界は異常なほど拡大しました。この次のシングルがさっき

の「胸いっぱいの悲しみ」ですから、影が薄くなってしまっても仕方ないで

すね。いかにロンドン録音と言えども。

 

M03.危険なふたり(3’23”)沢田研二  

-K.Yasui, K.Kase-  ポリドール UPCY-6521/2/3

 

M04.シーサイド・バウンド(2’49”)ザ・タイガース

-J.Hashimoto, K.Sugiyama- ユニバーサルUICZ 6033

 

N   1973年夏の日本列島を席巻した「危険なふたり」でした。これは名作です

ね。いつ聞いてもカッコいい。演奏はドラムズが原田裕臣、ギターが井上尭之、鍵盤

が大野克夫の井上バンド。萩原「ショーケン」健一と組んだスーパー・グループ「PYG」

の失敗を糧に実力本位で編成した沢田研二専属楽団です。そしてここのベイス

担当が、タイガーズ時代からの盟友、岸部修三でした。続けて聞いて貰った「シー

サイド・バウンド」では彼のバリトン・ヴォイスがよく聞こえていましたでしょ。GSの

場合、自分たちで演奏している例は稀です。メイジャーなヒット曲の録音では特にそ

うですが、この時は岸部修三本人がベイスも弾いているのではないでしょうか。

そんな感じの単純なベイス・ラインです。

タイガーズのメムバでは彼が一番楽器演奏に熱心でした。最初は見た目重視の定

番ヴァイオリン・ベイスでしたが、すぐにより強力なフェンダー・ジャズ・ベイスに持ち替

えたしね。その実力で井上バンドにも参加したのでしょう。今は岸部一徳とい

う名前で役者をやってます。

この岸部修三の仇名が「サリー」なんです。彼は身長が180cm以上の背高ノッポ。

そこで「のっぽのサリー」に因んで「サリー」という愛称を賜ったのだそうです。

わたしはそう聞いていました。もちろん「サリー」は女の名前。ウイルスン・ピケットも

「じゃじゃ馬サリー」には苦労してました。

先ほどまで無理して「沢田研二」で通しましたが、彼は通称ジュリー。これも

女の名前。この辺りのお話は、多少の異論も含みまして「音楽雑誌エリス」の最

新号で語られています。「ロング・トール・サリー」と「チッチ」で3週間引っ張ったカマシ

も亀渕昭信大先輩に先を越されてしまった。これは仕方がないですね。

 

M05.のっぽのサリー(1’39”)ザ・マックショウ     

-Johnson, Penniman,Blackwell-  Bad Records IDCG 1003

 

N  只今お聞き頂きましたのはザ・マックショウという日本のロケンロー・バンドの「のっぽ

のサリー」です。2003年の発売ですからもう随分と前の盤です。全体の構成は

ほとんどビートルズのカヴァと同じですが、もっとテムポーを早くして音を過剰に粗

く仕上げています。パンク以降の時代背景を意識したのでしょうか。

家から歩いて30分ほどのところにポツンとバーがありまして、ギネスを飲まし

ている。通る度に気になっていまして、夏の暑い午後に立ち寄りました。そ

の時に流れていたのがジョニーとビート・ブラザーズ仕様の「マイ・ボニー」でした。「こ

れは映画『ノーウェア・ボーイ』のサントラか」と尋ねたところ有難い事にすぐに話が繋

がって、「いやザ・マックショウという日本のグループです」と教えて貰えました。

家で調べたらもう活動歴も長く、沢山のアルバムを出してました。今回はこの

「のっぽのサリー」が必要で、1枚目を手に入れました。グッドールド・ロケンロー曲の

他にオリヂナルがいくつかあって、それがなかなか良いのですよ。

矢沢のエーちゃんそっくりな唄い方が印象的な

「彼女は青い月」、

そして「いとしのカロライナ」、2曲続けてどうぞ。

 

M06.彼女は青い月(2’07”)ザ・マックショウ  

-K.Miyagawa-  Bad Records IDCG 1003

 

M07.いとしのカロライナ(2’12”)ザ・マックショウ 

-K.Miyagawa-  Bad Records IDCG 1003

 

N  ザ・マックショウで「彼女は青い月」、そして「いとしのカロライナ」でした。3人組と

いうのが意外ですが、最新の作品も聞いてみたくなりました。この国の歪ん

だロケンロー観を覆してくれていると良いなあ・・・。

 

M08.Zing Went The Strings Of My Heart(2’45”)The Coasters  

-J.F.Hanley- Rhino / Atlantic R2 71090

 

N  晩夏葉月末、新宿歌舞伎町でワツシイサヲがトラムプスの「ペンギン、ヌー・ヨークへいく」

でゴーゴーを踊ったお話は、以前いたしました。その原曲は今のザ・コースターズの

「ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・マイ・ハート」でありますが、これは大変に

古い歌でして、その前にオリヂナルが御座います。ゴーゴーを踊った後で、ふと自

分はそれを聞いていない、少なくとも持っていないな、と気づきました。と

なるとすぐにどうしても確かめたくなります。ジュディ・ガーランドの歌だっての

は記憶にありましたから、比較的すぐに手に入りました。と言いましてもイギ

リスから送って貰ったんですけどね。

まずは聞いて頂きましょう。

「心の弦(イト)をかき鳴らせ」、ジュディ・ガーランドです。

 

M09.Zing Went The Strings Of My Heart(2’57”)Judy Garland   

-J.F.Hanley- Musical Memories RGCD 1153

 

N  ジュディ・ガーランドで「「ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・マイ・ハート」」でした。

「心の弦をかき鳴らせ」というのは、正確な邦題かどうか分かりません。昔

の仕事場だった新宿の放送局のレコード室に詳しい人がいまして、そこで聞いた

ような気がしますが、確かではない。ただ「「ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・

マイ・ハート」」と呼ぶよりはカッコ良いような気がするので、わたしはよく使います。

正確には「心の弦がかき鳴らされた」、ですね。初対面の人の微笑みを見て

美しい和音、旋律が心に響き亘った、という「ひと目会ったその日から恋の

花咲くこともある」と、「パンチDEデート」みたいな内容です。1934年のブロード

ウエイ・リヴュウ「サムズ・アップ」で披露された歌で、ジュディだけの物ではないよう

ですが、彼女の唄が一番有名になりました。今回手に入れたアルバムはジュディの

廉価ベスト盤です。その表題が『「ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・マイ・ハート」』

でした。ジュディはいかにもミュージカル的に唄い上げていました。

さて「幻」では珍しいミュージカル楽曲、『ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・マイ・

ハート』から少し聞きましょう。

まずはガーシュイン作品で超有名なこれです。

「アイ・ガット・リズム」。

 

M10.I Got Rhythm(2’53”)Judy Garland   

-I.&G.Gershwin-  Musical Memories RGCD 1153

 

N  ジュディ・ガーランドでガーシュインの「アイ・ガット・リズム」でした。1930年のミュージカ

ル「ガール・クレイズイ」で発表されました。

皆さん御推察の通り、わたしはミュージカル自体があまり得意ではないのですが、

ジュディ・ガーランドには特別な思い入れがあります。それは1972年末頃に刊行

された「ローリング・ストーンズ・ブック」に「ミック・ジャガーはジュディ・ガーランドの実演

を観た事があるのではないか。彼女から多くを学んでいるように思える」と

いったような記述があったためです。映画になった作品は「オズの魔法使い」

「イースター・パレイド」「スタア誕生」くらいしか観ていませんで、両者の共通点は未

だに分かりませんけれども。

それでも元気に明るく歌ってくれたジュディの存在はわたしの心の中にあり

ます。今回初めて手に入れたこの盤に収録されているトラックが正規のオリヂナルで

あるかどうかも定かではないので、これを機にグラミー賞を獲ったカーネギー・ホールの

実況盤を聞いてみたくなりました。ハリウド映画産業の巨大メカニズムの犠牲になっ

た人生には、お悔やみ申し上げます。

ジュディ・ガーランドでもう一曲。

「オズの魔法使い」からは、これしかありません。

「虹の彼方に」です。

 

M11.Over The Rainbow(2’48”)Judy Garland  

-Y.Harburg, H.Arlen-  Musical Memories RGCD 1153

 

M12.君といくつまでも(1’13”)葉山雄三   

-unknown-  アルファ  TAMORI-3

 

N  申し訳ありません。間違えました。改めてお送りします。

加山雄三で、「君といつまでも」。

 

N13.君といつまでも(3’21”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

N 「君といつまでも」、加山雄三でした。かつての円満な結婚式の定番曲、一世

を完璧に風靡しました。作詞岩谷時子、作曲弾厚作、非の打ち所がないこの

歌は、もう一つの要素、完璧な編曲で支えられています。その素晴らしい仕

事をしていた森岡賢一郎が、去る8月19日に84歳で亡くなりました。

わたしは加山雄三のシングル盤ジャケットのクレジットで、音楽制作に「編曲」という

仕事領域がある事を知りました。そこに書かれていた担当者名が「森岡賢一

郎」です。同期ですと三木たかし、東海林修、服部克久などの優秀な編曲家

が何人もいて、森岡賢一郎はその中で安定した位置に居ました。彼の作風は

「調和」、この一言に尽きます。丁寧に書かれた管弦のスコアによる響きは特筆

すべきでしょう。柔らかで幅があります。それも今朝の1曲めの「胸いっぱ

いの悲しみ」でのイギリスの管弦楽団とは異なる、「歌謡曲」という世界に誇る

音楽分野での独創に満ちています。

この人の属性を語る四方山話には、実際のところ全く接した事がなく、顔

も知らなかった。編曲者という裏方に徹していた生き方は、彼の性格の現れ

だと考えます。暗い歌でも希望につながる一筋の光を見せてくれる彼の作風

「調和」は、音楽の持つ基本的な歓びと共に彼の人生観、世界観なのでしょ

う。

ここからしばらくはこの偉大な裏方に敬意を評して加山雄三作品での仕事

をいくつか紹介して行きましょう。まずは異色のボッサ・ノーヴァ・アレンヂです。

「暗い波」。

 

N14.暗い波(3’24”)加山雄三  

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

N  1968年の映画「リオの若大将」主題歌、「ある日渚に」のB面「暗い波」で

した。この頃の加山雄三はヒット・パレイドの常連ではありましたが、爆発的人気

が一段落した安定期。何かの歌番組で「ボッサ・ノーヴァをやってみたいんです」

と言っていたのを覚えています。世界的な流れを察知し、その先端の髄を吸

収しようとしていたのですね。詞曲とも国産ボッサ・ノーヴァとして一級品ですが、

森岡賢一郎の編曲が無ければ完全な成立は不可能だったでしょう。後の世に

登場する電子弦アンサムブル楽器ソリーナそっくりのロング・トーンが印象に残ります。

森岡賢一郎はきちんとクラシックを学んでいて、オーケストラの棒振りも出来ます。決

してラテン系が得意という訳ではないのですが、このような世界水準の整然とし

た編曲もきちんと出来るのには舌を巻きます。きっと当時の最先端ボッサ・ノーヴ

ァを緻密に解析したのでしょう。

次も同傾向にある1曲です。こちらはコムボ編成のヘッド・アレンヂ風ですが、お

そらく細かな気分リフ的なフレイズも全てオタマジャクシで表された書き譜ではないで

しょうか。

 

M15.ロンリー・ナイト・カミング(3’05”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

M16.アロハ・レイ(さよなら恋人)(3’05”)加山雄三  

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

N  ボッサ・ノーヴァに続いてはハワイアン。ヒット・シングル「お嫁においで」のB面「アロハ・

レイ」でした。A面は大橋節夫のハニー・アイランダーズがハワイアン・バンドらしくまとめ

て仕上げていたのに対し、こちらはアメリカの避暑地映画サントラ風です。見事です。

次はとても地味ですけれども森岡賢一郎のメロディ感覚、リズム感、音色のセンス

がしっかりと感じ取れる一曲です。1968年の秋に発表された充実のアルバム『君

のために』に収められていました。

「落日の彼方」。

 

M17.落日の彼方(2’17”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

M18.君のスープを(3’37”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

N  「加山雄三作品に聞く森岡賢一郎の編曲術」、最後は東芝からの第一弾LP

に入っていた、これも地味ですが森岡賢一郎的調和のツボがよく分かる「君の

スープを」でした。当初は恋人を故郷に置いて単身赴任に向かう男の歌だとい

う事が分からずに解釈に苦労しました。単発完結型連続テレビドラマ「新婚さん」

の主題歌だったような気がしますが、覚えている方、いらっしゃいませんで

しょうか。こっちも地味だったなあ。

「現」の初代プロデューサー大塚祐介の親父は車に乗るとずっと加山雄三を流し

っ放しだったそうです。続けて聞いていて、そんな事も思い出しました。

さてこの巨匠森岡賢一郎は加山雄三だけと仕事をしていた訳ではありませ

ん。他の唄い手のヒット曲で何度もレコード大賞編曲賞を受賞しています。

その代表曲が、これです。

 

M19.ブルー・エンペラー(54”)ジャッキー佐藤とブルー・コメットさん

-unknown-  アルファ  TAMORI-3

 

N  また間違えました。只今のはジャッキー佐藤とブルー・コメットさんの「ブルー・エンペラ ー」

でした。森岡賢一郎の作品はこちらです。

ジャッキー吉川とブルー・コメッツで「ブルー・シャトー」。

 

M20.ブルー・シャトー(2’44”)ジャッキー吉川とブルー・コメッツ

-J.Hashimoto, T.Inoue-  テイチク  TECH32412/3

 

N  ジャッキー吉川とブルー・コメッツで「ブルー・シャトー」でした。

今日これから出かける上越市のエフエム放送「エフエム上越局で木曜日夜9時から

放送の「サースデイ・グルーヴ」でも「森岡賢一郎の編曲ツボ」をお話ししようと考

えています。明日の収録で、放送は今月の27日午後9時からです。その前の

週、20日も「ヒップホップ前夜」と題して、ワツシイサヲ登場です。周波数は76.1Mhz。

PCやスマフォでも聞けます。森岡賢一郎については、今朝より幅広くお届けする

つもりです。どうぞお楽しみに。

 

M21.Before The Next Teardrop Falls(2’38”)Freddy Fender

-Peters, Keith-  Park South 80246 90634 2-4

 

N  これはフレディ・フェンダーの「涙のしずく」、2002年にCDで発売された実況録

音盤からです。いつどこでの実演なのか何も記載がありませんが、おそらく

は70年代の収録で、場所はきっとテキサス周辺でしょう。2番からスペイン語で唄

うのが、カッコ良いですね。

土曜日に四谷のブルー・ヒートでのR&Bレコード・コンサートに顔を出しました。主宰

の鈴木啓志御大から直接声を掛けられるというパワハラを受け、行かざるを得ま

せんでした。そこでこの歌が話題になりました。キャンディ・ステイトンがずっと好き

で持ちに歌していた、と語るラジオ番組のインタヴュウなども流されまして、幅広い

討議が行われました。私は「これはもうフレディの歌だよ」と主張したのですけ

れど、啓志御大が、誰だったかな、とにかくオリヂナルにやたら拘って譲らず、

平行線でした。ご想像下さい。

こういう所にひとりで来て、配られたプレイ・リストに書き込みなんかして一言

も喋らず帰って行く人は今も居るんですね。ここで知った楽曲を家でシングル盤

「ヲント・リスト」に加えるのでしょうか。何十年も前の地下ソウル集会を見た思いで

した。彼らからは、わたしなど相当に不謹慎に見えた事でしょう。

それでもこの場でフレディの名前が出た事は嬉しかった。では同じライヴ・アルバ

ムから表題曲をどうぞ。

これも立派にフレディ・フェンダーの持ち歌でした。「シークレット・ラーヴ」。

 

M22.Secret Love(4’00”)Freddy Fender

-E.Green, C.Montgomery-  Park South 80246 90634 2-4

 

M23.これぞ男たちの人生(4’49”)オレンジ・カウンティ・ブラザーズ

-Y.Iida-  ケンロード・ミュージック MOCD 1006

 

N  同じくテクス・メクス調で「これぞ男たちの人生」、オレンジ・カウンティ・ブラザーズでし

た。いつか日の出町ファーストのピンポンDJ合戦で聞いて貰いましたね。その時は

天王町まで出かけてグループ・リーダー本人からLPを借りて来ました。今のはCD

でお送りしましたけど。

オレンジ・カウンティ・ブラザーズは保土ヶ谷育ちの飯田雄一という男が組んだグループ

で、立教大学の軽音楽サークルを根城にしていました。彼の音楽センスは抜群でして、

あの久保田麻琴が一目を置いているという事で首肯ける方も多いでしょう。

今の「これぞ男たちの人生」のような素敵なオリヂナル、そしてカヴァがピカイチでし

た。

ハギリョウさんからご希望をいただいている「恋の特効薬」、今朝はオレンジ・カウン

ティ・ブラザーズで聞いて貰いましょう。ハモニカは妹尾「ウィーピング・ハープ」隆一郎。

カッコいいですよ。

 

M24. 恋の特効薬(3’59)オレンジ・カウンティ・ブラザーズ

-J.Leiber, M.Stoller, Y.Iida-   コロムビア  COCP-38175

 

M25.Aquarela Do Brasil(6’36”)Joao Gilbert 

-Mateus, Dadinho-  Warner Bros. 9 45165-2

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の「逝く夏を惜しんで」は、ジョアン・ジルベルトの「ブラジール」。素晴らしい

仕上がりです。これから夏に向かう南半球の町が水彩画で浮かび上がります。

45979号さん、特別付録では特別な音質調整はしていません。恥ずかしい

位の低価格汎用機ですから、CDを回してそのまんまアナログ状態で付録にして

います。ただエーちゃんはベイス上手いんだよ。多分にポール・マカートニ的ではありま

すが、独創的なフレイズも持っていたし、沢山くすぐってくれるラインを編み出し

ていました。わたしとしては、「E.YAZAWA」になってから後ご愛嬌程度でし

か弾かなくなってしまったのがとても残念です。

さてこれから上越へと出かけます。10時32分発の新幹線。国境のトンネルを

抜けたらお花畑が・・・。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/3552fd9d535e5f590bc8bdb93c9891a8710f7595

   ダウンロードパスワードは「5fn9qqtm」です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/09/08

mb180908

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  涼しくなってきましたね、オハヨゴザマス、ワトゥシアイザオです。もう動いても汗が

出る事もありません。10日ほど前は髪を梳かした後に、もう一度シャワーを浴び

なければならなかったほどですからね。

さあ今朝も活動的に行きましょう。

「グッドールド・ロケンロー」。

 

M01.グッド・オールド・ロックンロール(1’59”)キャロル

-Smith, Chin, Michaels, Equine, Jonson, Blackwell, Penniman-

フォノグラム 30LD-21

 

N  音頭屋台船出港が中止になった9月2日、河内音頭〆踊りは墨田区役所1

階ロビーで行われました。「船頭」の役割を解任されたわたしは、冒頭で司会者、

山口屋サヒチの紹介をしただけですが、ここの場でロケンロー・ハギリョウさんに会う事

が 出来ました。台風がらみの悪天候の中、お越し頂来ましてどうもありが

とうございます。元気なお姿を確認しました。

ほんの短い間のすれ違いでしかありませんでしたが、その時に話題になっ

たのは、やはり「のっぽのサリー」。キャロルのカヴァはこの「グッドールド・ロケンロー」

に唄い込まれているものしかありませんね。実演の場では通して演ってたか

もしれない。リパトゥワを古いロケンローだけで済ませてた時もあったからね。

ところで「グッドールド・ロックンロール」のオリヂナルには、もっとたくさんの名曲が

メドリー形式で繋がっています。そちらを聞いてみましょう。

デイヴ・クラーク・ファイヴです。

 

M02.Good Old Rock’n’Roll(3’23”)Dave Clark Five

-Smith, Chin, Michaels, Equine, Berry, Jonson, Blackwell, Penniman, Richardson, Williams, Perkins-

Universal  1781774

 

N  「グッドールド・ロケンロー」、唄い込まれていたのは「スウィート・リル・シクスティーン」、

「のっぽのサリー」、「シャンティリー・レイス」、「ホーロッタ・シェイキン・ゴーイン・オン」、「ブルー・スウェ

ード・シューズ」でした。とても上手にまとめてます。もちろん全員一緒の同時

演奏同時録音。よく途中で破綻しなかったなあ。ただしキャロルがこれ全部をや

らずに「のっぽのサリー」だけに留めたのはそれで正解と、わたしは考えます。

デイヴ・クラーク・ファイヴで「グッドールド・ロケンロー」でした。

さて、先週の外れたカマシ案件、「サリーはのっぽだよね」には意外な反応があり

ました。「『誰がチッチやねん』ってアタシなら言う」です。ワツシだって知ってますよ。

すぐ思い出しました。恋愛漫画の「チッチとサリー」でしょ。「小さな恋の物語」っ

て題名でしたっけ。作者は誰だったかな。この手の少女的な物に一切興味を

示さなかった3ツ年上の姉が、ごく短期間面白がって読んでました。母親にも

見せたりしてね。何故だ。

「チッチ」という名の小柄で可愛らしい女の子が主人公で、彼女にサリーという

背の高いボーイフレンドがいたのではなかったかな。これについては全く調べ物を

せず、記憶だけで話してますから、間違えていたら失礼。

「誰がチッチやねん」、そうです。これをお聞きください。

 

M03.誰がカバやねんロックンロール・ショー(4’03”)誰がカバやねんロックンロール・ショー

-D.Yoshitaka,R.Kamon-  CLINCK CRCD-5015

 

N  誰がカバやねんロックンロール・ショーというグループの、「誰がカバやねんロックンロール・ショー」

という歌でした。「誰がチッチやねんロケンロー・ショウ」ではありません。

このグループ「誰カバ」は、昔の情報誌「ぴあ」の大きな催事で出会って、非

常に気に入りました。関西ローカルで同名のテレビ番組を持っていたらしい。吉本

新喜劇の常連出演者でひと目で河馬ヅラと分かる男がいたでしょう。直接は関

係ないらしいんだけど彼の事らしいんですね、この場合の「カバ」は。その辺

はまだ詳細が掴めていません。これも「チッチ」と同じくインタネット上で調べればす

ぐにある程度の事は分かるでしょうが、それではつまらない場合もあります。

害のない領域ならば、漠然とした状態や思い出そうとしているままの方が面

白い。脳味噌動かさなきゃね。

「誰カバ」は、鳶職の現場作業服にヘルメットを被った衣装などで登場し、全体

がひとつのコントのようなショウを展開し、音楽を通して笑わせてくれる傑出した

滋賀のバンドでした。鈴木ヒロミツも唄ってたリル・リチャードの「ジェニ・ジェニ」を「ゼ

ニ・ゼニ」と叫んで「銭くれ、銭」と唄います。その時わたしは持っている小

銭を全て舞台に投げ入れました。西新宿の工学院大学の学園祭だったかな。

そして、わたしのノーテンを直撃した「誰カバ」のオリジナル楽曲が、これでした。

 

M04.どこかで狼が鳴いている(3’21”)誰がカバやねんロックンロール・ショー

-D.Yoshitaka,R.Kamon-  CLINCK CRCD-5015

 

N  わたしが「永遠の傑作」の誉れを授ける「どこかで狼が鳴いている」、誰が

カバやねんロックンロール・ショウでした。当楽曲につきましてはその昔、某所で大いに

語った事がありますので、もう何も申しません。

さてこの夏は、あちこちに熊、鹿、猪が出て来ましたね。こういう時の大

騒ぎを見聞きすると、今の人間たちが如何に野生動物と離れて日常を生活し

ているか、という事実を痛感します。愛玩用の猫や犬には「家族です」なん

て扱いするクセにね。野生、自然と離れる事が文明の証なのでしょうか。台風

20号の大被害に接しても同じく。なんて考えていたら、北海道で大地震が起

こりました。不幸中の幸いは、津波を伴わなかった事。それでも突然の被害

は相当に酷い。度重なる自然の脅威に、底知れぬ恐ろしさを感じます。ここ

のところ、天災が何故か関東を素通りしているのも気になるのです。

台風が去ったら今度は地震、本当にこの島国は一年中地球の猛威に振り回

される運命にあります。にも関わらず愚かな人間どもは、いつの間にか自分

たちが自然より優位な立場で支配しているんだ、というような誤った意識を

持つようになってしまっているようです。

俺たちは完璧でも最強でもなんでもない、同じ過ちを繰り返す、ただの宇

宙のカスなんだ。電力が来ないだけで、もう何にも出来ないのですから。この

「幻」だって同じです。「これを機に安定度の高い原子力発電の整備を」なん

て言うバカな自民党議員が出て来なけりゃいいのですがね。いつもより速やか

な自衛隊派遣決定も、軍隊が必要だという説得力増強に利用されています。

ただわたし達も、電力依存の生活、スマフォ無ければこの世は闇だ、といった生

活習慣をタショー改めた方がいいかも知れません。

バベルの塔は絶対に崩れます。この国ではその前に「バブルの塔」が木っ端

微塵になりました。謙虚になりましょう、特に大自然には。

まずは募金、義援金して被害にあった人たちに元気になって貰いましょう。

度重なる天災で、隣国の人たちからの応援も、今回は無理かもしれません。

わたしたちの民度が試されます。

さて本題に戻りますと、狼は町に出て来なかったですね。「ニホンオオカミ」は絶

滅して久しいんだっけ。10年ほど前に「東北で生存か」なんて話が・・・あ、

これもすべてうろ覚えですからこの辺にしましょう。とにかく、今年も今月

20日から26日までは動物愛護週間です。人間河馬男、何処かで鳴いている

オオカミに敬意を表して、思いつくままに野生動物の歌を並べてみしました。

多忙時、苦肉の策ですが、どうぞお楽しみ下さい。皆さまの高度なカマシ、ご

提案も歓迎いたします。

では「鰐」から参りましょう。

 

M05.クロコダイル・ロック(3’55”)エルトン・ジョン

-E.John, B.Taupin-  Polydor 314 512 532-2

 

N  「鰐のロック」、エルトン・ジョンでした。「左ヒラメに右カレイ」ならぬ「左クロコに右ラコステ」、

しかしもうひとつ、ブガルーを踊る「アリゲイタ」、と言う種類もあります。

こちらは如何でしょうか。

 

M06.ワニさんがいっぱい(1’53”)キャロル・キング

-C.King, M.Sendak-  ソニー EICP 847

 

N  「ワニさんがいっぱい」、キャロル・キングでした。絵本作家モーリス・センダクの制作した

テレビ番組「おしゃまなロージー」のサウンド・トラックからです。お聞きのように、こ

れは「A」から「Z」までのアルファベット数え歌です。普通なら「A of  “A”pple」

と来ますが、「”A”lligators  “A”ll  “A”round」とひねられています。作詞も

担当したセンダクの才気冴え渡るところですね。「ド」は「ドアホ」の「ド」では

ありません。

さて河馬、狼、2種類の鰐と来ました。次は類人猿です。

ジェイムズ・テイラーで「ゴリラ」。

 

M07.Gorilla(3’10”)James Taylor

-J.Taylor-  Warner 7599-27293-2

 

M08. モンキー・スピークス・ヒズ・マインド(3’52”)ザ・ダーティ・ダズン・ブラス・バンド

-D.Batholomew-  アメリカーナ 28C-7047

 

N  ジェイムズ・テイラーの「ゴリラ」、そしてザ・ダーティ・ダズン・ブラス・バンドの「マンキ・

スピークス・ヒズ・マインド」でした。先程お聞き頂いた河馬、狼、鰐の歌とは違っ

て、どちらも「ゴリラ」「猿」と愚かなホピサピエンスとの対比で語られる風刺です。

これらの歌では人類の知的水準は彼ら以下という事になります。事実かも知

れません。

さてザ・ビートルズの動物が主人公になっている歌というと「俺は海象」とい

う強力な1曲があります。同じ『マヂカル・ミステリ・トゥア』に収められている「ザ・

フール・オン・ザ・ヒル」も、「丘の上に立っている自閉症気味の人間」というより

は、いつもそこに居てモゴモゴと口を動かしている麒麟か駱駝のように思えま

すが如何でしょう。

そういえば狸が居たな、とホワイト・アルバムを引っ張り出したら、その前の収録

曲が「豚」でした。糊の効いたワイシャツを着て夕食にフォークとナイフを使って夫人と

「共食い」をする豚の歌「ピッギーズ」、ジョージ・ハリスン作です。

そして、恋人を奪われ嫉妬に狂い恋仇を撃ち殺しに行く北米ダコータ州の山狸

の物語「ロッキー・ラックーン」、こちらはポール・マカートニ作。続けてどうぞ。

 

M09.ピッギーズ(2’02”)ザ・ビートルズ

-G.Harrison-  東芝 TOCP-71050

 

M10.ロッキー・ラックーン(3’32”)ザ・ビートルズ

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-71050

 

N  河馬、狼、鰐、ゴリラ、猿、豚、狸と並んだ2018年動物愛護週間自発的協賛

音楽図鑑「世界の獣たち」、如何でしたでしょうか。ご感想をお待ちいたしま

す。

 

M11.Slow Dance(6’37”)アナ・ポポビッチ feat.Robben Ford 

-unknown-  BSMF 2622

 

N  「スロウ・ダンス」、アナ・ポポビッチでした。ケブ・モが企画制作責任者の新作『ライク・

イト・オン・トップ』から、ロベン・フォードをフィーチュアしてお届けしました。先週冒頭曲

「ラースティング・カインド・オヴ・ラーヴ」を聞いていただきましたが、手元にあった

音源の状態が悪く、お聞き苦しかった点、申し訳ありませんでした。今週は

正規の音質でお届けしています。いい響きでしょ。

同じアルバムから、今度はちょっと前の天才少年ケニー・ウェイン・シェパードをフィーチュア

して、「セクシ・トゥナイト」をどうぞ。

 

M12.Sexy Tonight(2’55”)アナ・ポポビッチ  feat. Kenny Wayne Shepherd

-unknown-  BSMF 2622

 

N  先の「スロウ・ダンス」はカントリー・バラッド調に唄うアナ・ポポビッチが魅力的でした。

ロベン・フォードを差し置いて弾くギターも見事。この「セクシ・トゥナイト」でも以前のヤン

チャぶりを思い起こさせるケニー・ウェイン・シェパードに負けずしっかりと主役を演じ

る彼女、ひと回りもふた回りも大きくなったように感じられますね。

先ほどもお話ししたように、今回はケブ・モがプロデュース。やはり、いかにも

というナムバが入っていました。

ドブロ・ギターを全面で使った「ア・マター・オヴ・タイム」。

 

M13.A Matter Of Time(2’55”)アナ・ポポビッチ 

-unknown-  BSMF 2622

 

N  「ア・マター・オヴ・タイム」、アナ・ポポビッチの新作『ライク・イト・オン・トップ』からです。

では先週ひどい状態でお届けした「ラースティング・カインド・オヴ・ラーヴ」を、良

好な状態で、もう一度どうぞ。

 

M14. ラースティング・カインド・オヴ・ラーヴ (4’55”)アナ・ポポビッチ

-unknown-  BSMF 2622

 

M15.スウィーテスト・ベリー(3’46”)エヂ・モッタ

-unknown-  Pヴァイン PCD-24767

 

N  アナ・ポポビッチの「ラースティング・カインド・オヴ・ラーヴ」に続けましたのは、エヂ・

モッタというブラジルのシンガーの新譜から「スウィーテスト・ベリー」です。この辺りの音楽

に関して、皆さんはどのようにお感じでしょう。

北米の黒人MOR歌手といっても誰も疑問を抱かないような造りです。わ

たしはここ数年、この手の作品群が気になっています。「この手の作品」と申

しましても、皆さんにはちょっと曖昧すぎる領域かも知れません。わたしの

考える「この手の作品」、来週の上越生DJ合戦の主題に据えようかとも考え

ています。果たしてどうなりますやら・・・。

 

M16.アイ・ファウンド・ユー(3’22”)ウィリー・ハイタワー

-unknown-  Pヴァイン PCD-17786

 

N  来月ハイ・リズムにスティーヴ・クロッパーという演奏陣と共に東京と大阪で公演を行う

ウイリー・ハイタワー、なんと今年77歳なのですが、お聞きのような元気な歌声を聞

かせてくれます。この新譜のプロデューサーはゴールド・ワックスの創設者である白人

のクイントン・クランチという男。エルヴィス・プレズリとの演奏経験を持っていて、既に95

歳だそうですが、今回のマスルショールズでの録音制作は極めて宜しい出来です。スタ

イルは当然ながら南部のソウル・ミュージックながら、昔のシングル盤にあった妙な突出感

がなく、誰でも素直に入って行ける響きになっています。ひょっとしたらクイン

トンは昔からこんな音が欲しかったのではないか、そんな事も考えました。

今のは冒頭曲「アイ・ファウンド・ユー」。とても滑らかな唄は現役感充分ですが、

果たして今までずっと人前で歌い続けてきたのでしょうか。この国ではウイリ

ー・ハイタワーというと、ふた言目には「サム・クック・フォロワー」と表現されますが、わ

たしが聞く限りでは、そんなに近くない。あの頃に幅広く支持を求めようと

したR&Bシンガーに共有の感覚、技術を身に付けているだけ、のように聞こえ

ます。大体からしてサム・クックの影響を受けていない唄い手など有り得ない、と

いうのがわたしの持論ですので、殊更に言い及ぶのはナンセンスだと考えます。も

ちろんこれは彼の絶対評価を左右するものではありません。

とにかくこの新譜『アウト・オヴ・ザ・ブルー』は、押し付けがましさのない好

盤です。また来週お届けしましょう。

さて、亡くなったソウル・ミュージックの女王アリーサ・フランクリンを追悼し、なんとバッキン

ガム宮殿の音楽隊は、彼女がオーティス・レディングから奪い取った名曲「リスペクト」を

演奏しました。英国教会はカソリックで、アリーサは当然プロテスタントです。いいのかな。

わたしはインタネットのヌーズで知りまして聞きに行ったのですが、これが秀逸。

セット・ドラムもエレキ・ギターもベイスもないのに、立派なR&Bになっています。ご興

味のある方は、ぜひこちらでお確かめ下さい。ブラスバンド関係者にとっては、

来年夏の高校野球応援の参考になるかも知れません。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180902-00010000-afpbbnewsv-int

では、その罰金が無宮殿R&B楽隊が演奏した「リスペクト」、今朝はオリジナルの

ステューディオ録音版をお送りしましょう。

 

M17.Respect(2’26”)Aretha Franklin     

-O.Redding-  Rhino / Atlantic

 

N  永遠の「リスペクト」、アリーサ・フランクリンでした。

さてようやく長く暑い夏も終わり始めたようですね。先週の「サマー・ワイン」

の虚しく響くこだまはなかなかの趣きでした。今朝も出番を失った夏の定番

曲をお届けしましょう。

これはわたしだけの思いかも知れませんが、一瞬涼しさがよぎる真夏の深

夜に聞くと効果抜群です。

ディ・イーモーションズで「愛に咲く花」。

 

M18.フラワーズ(4’20”)エモーションズ        

-M.White, A.McCay-  ソニー SICP 3171

 

M19.愛のご加護(0‘39”)エモーションズ

-G.D.Martin, W.S.Martin- ソニー SICP 3171

 

N20.In The Summertime(3’39”)Mungo Jerry   

-R.Doset-  MPS FG0099

 

N  アカペラ「愛のご加護」のオマケ付き「フラワーズ」、イーモーションズ、そしてこちらも過ぎ

た夏の日の定番、マンゴー・ジェリーで「イン・ザ・サマタイム」でした。中間部で一旦終

了して、車の排気音が入って再開、という部分がツボかな。

日本でのジャグ・バンドのヒット曲というのは、ひょっとしたらこれしかないか

も知れません。1970年の出来事でした。それ以来、この国でも主に大学の音

楽サークルなどでこの演奏形態が試され始めました。昨今の若い人たちが好んで

いる「アクースティク・スウィング」もこの辺りが発端と言えなくもありません。

さて逝く夏を眺めて思い出す避暑地の出来事、「夏の日の恋」・・・

 

M21.夏の日の恋(2’46”)パーシー・フェイス楽団

-M.Discant, M.Steiner-  Phillips 322 529 BF

 

M22.逢いたくて逢いたくて(3’48”)園まり

-T.Iwatani, H.Miyagawa-  ユニバーサル UPCY-9286

 

N  突然の純然たるカヨー曲は、言うまでもありません,園まりの最高傑作、「逢い

たくて逢いたくて」です。パツラが咽び泣くこの素晴らしい編曲を担当して

いた森岡賢一郎が亡くなりました。それで今朝はまず1曲、とお送りしまし

た。来週はもう少し彼の仕事を聞いてもらうつもりです。お楽しみに。

 

M23.朝のコーヒー(3’24”)エラスモ・カルロスとナラ・レオン 

-N.Leao-  ポリドール MP 2642

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の最後はエラスモ・カルロスとナラ・レオンのデューオで「朝のコーヒー」。朝からなんとも

気怠いこの二人は昨夜何をしていたんでしょう。 たぶん今もCDになってい

ないエラスモ・カルロスの『饗宴』からでした。

9月3日の「河内の語り屋」「初代桜川唯丸 江州音頭革命記」上映会には

多数のお越しをありがとうございます。満員御礼申し上げます。会場となっ

たアップリンクは消防法をしっかり尊守する映画館でして、定員以上の入場を認め

ないため入り口まで来られて何人もお帰り願ったようです。申し訳ありませ

ん。只今アンコール上映会を企画中。決定しましたら、こちらでもご案内いたしま

す。今度は事前予約をお忘れなく、ね。

わたしも駄文を寄稿している音楽雑誌エリスの最新号が公開になりました。

https://bccks.jp/bcck/155789/info へ出向いて、pm64tで入って下さい。奇

しくも某氏の文章で、来週にとっておいたネタが語られてしまっています。さ

て、どこでしょう。

来週15日は上越でピーター・バラカンとピンポンDJ。この種の合戦は嫌いではな

いのですが、今回は初めてPC音源を人前で使用するので、やや緊張気味です。

実際これまでもPCからの音楽送りはした事がないのです。ファイル音源も必ず

CD-Rを焼いて回していました。そうしないと安心出来ません。古い奴だとお

思いでしょうが、今でもそうなんです。

さてそのピンポンDJの詳細です。

9月15日土曜日 午後5時から

新潟県上越市本町六丁目4番21号

現存する日本最古の映画館、高田世界館にて。

ここは来場者を断ったりしないだろうけれど、事前にご予約をした方が安

心でしょう。 info@takadasekaikan.comで受け付てくれます。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/78cf10970e45e3a4a2f1571603f15ee657341b2f

   ダウンロードパスワードは、h4my48xpです。

さあちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。アキー。

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/09/01

mb180901

 

前TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。ふうー、大仕事が終わりました。

二日間は戦場に居るようでしたね。以前起きてから眠るまで立ちっ放しだ、

と言いました。今年はさすがに何度か座りたくなりました。加齢かな。とに

かく今年の「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」は無事終了。わたしにも秋が

来ます。

今朝は、この決定的な1曲で始めましょう。

 

M01.Long Tall Sally(2’00”)ビートルズ

-Johnson, Penniman,Blackwell-  Aplle / Parlophone CDP 7 90043 2

 

N  「ロング・トール・サリー」。正に決定的な、ザ・ビートルズのカヴァで聞いて頂きました。

エルモア・ジェイムズに出会う6年前、10歳の時に聞いた「のっぽのサリー」は、わた

しの人生を決定づけた大事な1曲です。エイトビートで打ち続けられるピアノ、オクター

ヴ利用のギター・ソロなど、聴きどころを多く持つ完全な出来ですが、何よりも

ポールの絶叫とスイングとブーギーの中間のようなビート感がわたしを虜にし、聞くた

びに心拍は高まり、これがロケンローだ、と確信したのです。

冒頭の「メリー叔母さんにチクッちゃうぞ・・・」の行りがとにかく強烈。その

後のワツシイサヲ形成に絶大なる影響を与えました。

1964年3月1日の録音ですから、それから1年くらい後に日本でシングル盤

になったのでしょうか。B面が「アイ・コール・ヨ・ネイム」で、わたしも持ってまし

たね。LPでは国内編集のモノ盤「ナムバ・ファイヴ」に入ってました。後年ミュージック・

ライフのラジオ・スポットに使われていました。

 

M02.Long Tall Sally(2’10”)リトル・リチャード

-Johnson, Penniman,Blackwell- Pヴァイン PVCP-8109

 

N   「のっぽのサリー」のオリジナル、リトル・リチャードでした。これを聞いたのは、ずっ

と後の事。直接的な刺激度はビートルズのカヴァ仕様の方が高いかもしれません。

当初はビートルズのカヴァ仕様にはない猥雑感に馴染めませんでした。そしてそれ

が麻薬のように自分の身体を侵食している事にも気づかなかったのです。

さて、今さら珍しくもない「ロング・トール・サリー」についてああこう言ってい

るのには、ちょっとしたワケがあります。

盆踊り絡みでいくつかラジオの取材を受けた時に、自称「サリー」と言うDJに

会いました。とても仕事熱心で可愛らしい女性でしたけれど小柄だったので、

「サリーはのっぽだよね」と言ったのですが、通じなかった。同行していた男性

ディレクタもチンプンカンプン。この高度なカマシは失敗に終わりました。その敵討ちを、

ここで遂げた次第。お付き合い頂きまして、誠に有り難う御座います。

 

M03.リトル・ダーリン(2’06”)ダイアモンズ 

-M.Williams-   MCA / WEA WMC5-87/8

 

N  さて、先週の土曜日、以前も顔を出した新宿のカブキラウンヂへ他所からの帰り

に立ち寄りました。するとクリビツテンギャウ、11月イーグルでの対戦相手、鈴木啓志

巨匠が回しているじゃアーリマセンカ。その晩はワーナーからのドゥー・ワップ編集盤発売記

念イヴェントだったようで、巨匠は希少貴重なシングル盤を持ち込んで、入手時の四

方山話などと共に聞かせてくれました。こういう場所に集う人々はみんな膨

大なコレクションを持ち、経験豊富の「通」ばかり。わたしは全く敵いません。こ

こで初めて見かけた歴戦の強者的愛好家がいまして、この人がしきりに語っ

ていたのが、この歌「リトル・ダーリン」についてでした。

今のは永遠のサントラ盤『アメリカン・グラフィーティ』からお届けしました。オリヂナルはグ

レイディオラズの1957年ですが、最もヒットしたダイアモンズの録音は良く出来ていて、

わたしはこちらの方が好きだなあ。その強者が話していたのは伊藤素道のカヴ

ァについて。「日本語詞が付いていて面白いんだ。この男は慶応の医学部だっ

たけど、親に黙って文学部に移って、こんなのばかり唄ってたんだよ」と、

見て来たように言ってました。「ユーチューブで観られるよ」と教えてくれたんで、

家に帰ってから検索しました。お聞きの通りほとんど掛け声のようなこの歌

をどうやって和訳しているのか興味があったのです。

伊藤素道はリリオ・リズム・エアーズというグループで、1950年代に一般的馴染みの

ある洋楽曲全般を唄った人気者でした。この「リトル・ダーリン」も持ち歌の一曲

で、『アメリカン・グラフィーティ』の初回CD盤の解説には名前がありました。ただし、

辿り着いたユーチューブ動画では日本語詞の面白さがあまり感じられなかったで

すね。彼らは室内履きスリッパを使った「ローハイド」で一番ウケを取ったようです。

さて、ドゥー・ワップの夜は、流石に鈴木啓志巨匠だけあって、わたしにはチンプ

ンカンプンな珍しい物ばかり。聞いている「通」なお客さんたちの反応も特別で

した。

 

M04.Devil Or Angel(2’23”) The Clovers

-B.Carter-  ワーナー・パイオニア 35XD-647

 

N  ザ・クローヴァーズで、「悪魔か天使か」でした。この晩、巨匠は持ち込んだシング

ル盤をわたしに見せてくれました。そこにあった1枚が、コースターズの国内盤「ラ

ヴ・ポーション NO.9」でした。これはかなり珍しいですね。彼らを育てた作者

コムビのジェリー・リーバーとマイク・スートラーの作品ですから吹き込んでいても不思議で

はなく、わたしも聞いた事はあるような気がしないでもない。一時期までは

コースターズと信じていた位です。

ただ昨今の彼らの盤からはなぜか無視されていまして、アトランティックに残した

ほとんど全ての録音を集めた吹き込み集にも収録されていません。この時は

聞く事が叶わなかったのですが、今度四ツ谷のいーぐるに持って来て貰おう

かな。

しかしながら「ラヴ・ポーション NO.9」と言えば、やはりザ・クローヴァーズです。

 

M05.Love Potion (1’56”)The Clovers

-J.Leiber, M.Stoller-  One Way Music DAY2CD0274

 

N  「恋の特効薬」という邦題で呼ばれる事も多い「ラヴ・ポーション NO.9」、ザ・

クローヴァーズでした。一方のコースターズも数字「9」の付く歌を歌っています。ご存

知ですね、「第九監房の叛乱」。

 

M06.The Riot Cell Block No.9(3’03”)The Coasters

-J.Leiber, M.Stoller-  Rino / Atlantic R2 7 1090

 

M07.Adorable(2’42”)The Drifters

-B.Ram- Rino / Atlantic 8122 79837 3

 

N  「第九監房の叛乱」、ザ・コースターズに続いてはザ・ドリフターズ・フィーチュアリング・ク

ライド・マクファターで「アドラボー」、こちらは四方山話のひとつに出て来た楽曲です。

もうひとつ話題に上った歌がありまして、それは「ストーリー・アントールド」、ナツメグ

ズの代表曲です。これのア・カペラ仕様を昔廉価版LPで持っていたような気が

するのですが、見当たりません。当然ながら聞いてもいません。確か終わり

で非常にスリリングなファルセトーが聞けた筈。これについても巨匠に次は静かな場所

で質問してみましょう。

今朝は伴奏付き、ナツメグズでお聞き下さい。

「語られなかった物語」。

 

M08.Story Untold(2’16”)Nutmegs

-L.Griffin-  Fantastic Voyage FVTD116

 

N  冒頭で申し上げましたように、この晩はわたしのような「半可通」には分か

らない事が多く、ヴォーカル・グループの奥の深さを思い知りました。流れている

音楽はどれも素晴らしく、またカブキラウンヂの再生装置の音が良いので、しばら

くは50年代のコーラス・ハーモニーに浸って居りましたところ、突如時代は70年代に

突入、鳴り響いたのがこの歌です。

 

M09.Penguin At The Big Apple / Zing! Went The Strings Of My Heart(4’54”)

The Trumps

-N.Harris, R.Baker, E.Young, Hanley-  Fever Dream FD-CD-7518

 

N  ご存知「ペンギン、ヌー・ヨークへ行く」、トラムプスです。しばらく古い音の音楽が続

いたのでこのチェインヂ・アップは抜群に効果的。思わずわたしはDJ台の前で踊り

始めました。するとミョーレーの女性が飛び出して来て、一緒に付き合ってくれま

した。シングルでも演奏時間の長い部類に入る盤でしたから、楽しかったですよ。

このヒトは若い頃にディスコに出入りしていたな、そんな感じがしました。

 

M10.Cupid(5’39”)   I’ve Loved For A Long Time

-S.Cooke, MZager-  ワーナーWPCR-27591

 

N  こちらは80年のスピナーズ。白人制作者マイケル・ゼイガーと組んで、ディスコ・サウンド

をうまく利用した企画展開で、順調にヒットを重ねていた時代の代表作『ラーヴ・

トリッピン』からのシングル曲です。リード・シンガーのジョン・エドワーズがサム・クックそっく

りに唄っています。現モーニン・ブルーズ時代、終了間際に流したら、朝の番組出

演の英国人が「今のはサム・クックなの」と聞きながらスタジオに入って来た事があ

りました。その位にクリソツです。この『ラーヴ・トリッピン』はとても良い出来で、

人に薦められる1枚です。80年代のヴォーカル・グループをお探しでしたら、ぜひ

どうぞ。

さて、ここまでは50年代、60年代、70年代、そして80年代とちょっと

昔の音楽をお届けして参りました。始めの方はほとんど3分未満の曲ばかり

でしたね。ただしこの幻モーニン・ブルーズはあくまで同時代音楽番組。新しい作

品も紹介して行きましょう。

90年代、そして今世紀に入ってから各方面で活躍していた男、ショウ・タイムの

新譜は、なかなか気持ち良い。唄のスタイルが本格的で、昨今聞かれる喉から口

先だけの声とは違います。管を多用した演奏もダイナミックに迫ります。

聞いて下さい、「デジャ・ヴュ」。

 

M11.Deja Vu(3’28”)ショウ・タイム 

-unknown- BSMF REDN-0006

 

M12.Second To None(3’)キャット・リギンス  

-unknown- BSMF 2624

 

N  ショウ・タイム「デジャ・ヴュ」に続けましては、これも往年のシカゴ・ソウル的な響き。

タイロン・デイヴィスみたいですね。こちらもホーンが効いてます。バット・マンに出て来

たキャット・ヲーマンみたいな出で立ちの姿がジャケットの『イン・ザ・ボーイズ・クラブ』か

ら、キャット・リギンスで「セコンド・トゥ・ナン あんたは誰にも負けないよ」でした。

彼女はこのアルバムで実に様々なブルーズの影響下にある音楽を手掛けていま

す。本来はもう少し過激な持ち味を売り込みたいようですが、わたしにはこ

のオーソドックスなスタイルが響きました。キャット・リギンス、聞いてみて下さい。

 

M13.Lasting Kind Of Love(4’50”)Ana Popovic

-unknown-  BSMF 2622

 

N  音飛びや空白、そしてノイズとあまり状態の良い音ではありませんでしたが、

お届けしました。アナ・ポポヴィッチの新作です。お聞きのようにこの冒頭曲はケブ・

モをフィーチュアしています。彼女も「男勝り」的なイメヂで演って来ましたが、今作

はちょっと趣を変え、落ち着いて自分の音楽を作っています。今朝はまず「ラ

ースティング・カインド・オヴ・ラーヴ」でした。来週は、ケニー・ウェイン・シェパード、ロベン・

フォードとの共演などを聞いてもらいましょう。お楽しみに。

 

M14.Money Bags(3’35”) バナード・パーティ &フレンズ 

-unknown-  BSMF 5051

 

N  ヌー・オーリンズ風なインストゥルメンタルは、バナード・パーティと友人たちで「マニ・バグズ」

リラクスしたジャムの雰囲気が良いですね。パーディは例のハイハットとスネアのコムビネイションで

多用するフレイズ「タチーチー」で、再認識されているようです。ま、わたしに言わ

せればアタボーよ、てなモンですが、この最新作では極端なファット・バック・スタイルでは

なく、のんびりとした中にエッヂを効かせたドラミング主体です。これも流石。

さて今日は9月1日、暑い日々はもう終わってくれるのかな。酷暑の中に

初めて加齢を感じた2018年の夏が去って行きます。時に、毎年初夏にお送り

していたモーニン・ブルーズ夏の定番を、今年はお送りしていなかったようです。

今ここにゆく夏を遠く観てお届けします。

ナンシー・シナトラとリー・ヘイゼルウドで「サマー・ワイン」。

 

M15.Summer Wine(4’12”) 

-L.Hazlewood-  Paradiso PA-711-2

 

N  そして夏は終わります。

 

M16.夏の終わり(2’52”)キャロル  

-Y.Ohkura, E.Yazawa-  フォノグラム PHCL-3031

 

N  そして秋が来ます。

 

M17.夕月(3’29”) ジュン

-R.Nakanishi, T,Miki-  東芝 TPCT-10854

 

M18.霧雨の舗道(2’21”)加山雄三とランチャーズ

-K.Dan-  東芝 TP-7120

 

N  ナンシー・シナトラとリー・ヘイゼルウドで「サマー・ワイン」、「夏の終わり」キャロル、黛 ジュンで

「夕月」、そして加山雄三とランチャーズのインストゥルメンタル曲、「霧雨の舗道」続けてお

送りいたしました。すっかり秋雨前線が近づいたようです。この秋はあなた

をどんな事が待ち受けているでしょうか。楽しみですね。

さて、カブキラウンヂの帰り最終電車で戻って来まして、駅についてから久しぶ

りに地元にあるロック・バーに立ち寄りました。店主はベイス奏者でね。自然とそ

ちらに会話が進み、気がつくとこの人についてお互い語っていました。

ルイス・ジョンスンです。

 

M19.ストンプ(6’37”)ブラザーズ・ジョンソン

-L.Johnson, G.Johnson, V.Johnson, R.Temperton-  キャニオン D32Y3063

 

N  中間部のルイスのチョッパーが聞き物となっている「ストムプ」、ブラザーズ・ジョンスン

でした。このチョッパー弾きをね、誰が始めたか、なんていうありきたりの話に

なって、暫く盛り上がった後に、ベイス奏者のその店主がこう言ったんです。

「ポール・マカートニを7回も観られるとは考えてもいなかった」って。

彼は毎回来日公演に行っていたのですね。偉いなあ。わたしなどは大麻持

ち込みで中止となった初回公演の入場券を買ったまででした。考えると一度

観てない。今度の公演が多分最後でしょう。名古屋にでも観に行くか。

では「のっぽのサリー」で始まった9月の幻モーニン・ブルーズ、

ポール・マカートニのロケンローを聞いて、元気よく終わりましょう。

まずはジェイムズ・ポール・マカートニ風解釈のガーシュウィン楽曲からです。

去り行く夏を惜しみながら、「サマー・タイム」。

 

M20.サマータイム(4’57”)ポール・マッカトニー      

-I.Gershwin, G.Gershwin-  東芝TOCP-6669

 

M21.ローディ・ミス・クローディ(3’16”)ポール・マッカトニー 

-L.Price-  東芝TOCP-6669

 

M22.ルシール(3’13”)ポール・マッカトニー 

-Cllins, R.Penniman-  東芝TOCP-6669

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  ポール・マカートニのロケンロー・アルバム『バック・イン・ザ・U.S.S.R.』から、「サマータイム」、

「ローディ・ミス・クローディ」、「ルシヤ」でした。緊急事態のように短時間で録音され

たこのアルバム、ポールのロケンロー魂がかなり生々しく荒っぽく記録されています。

今も同じような情熱を持ち続けているのは驚愕の事実です。これには誰も敵

わないでしょうね。

さて今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/85bdf7011252403e9fb7c9243aeeee907ffe2a74

   ダウンロードパスワードは、h392nshzです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。俺は眠たいよ。

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/08/25

mb180825  カエルの報復

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

戻り酷暑、なかなか厳しいですね。今月上旬よりはマシですけれど、夜明け

前に湿度が上がってくるのかな、未明にとても寝苦しい時間帯があります。

ではお届けしましょう

クールな、クールな、「ラーヴ・ハズ・ファウンド・イッツ・ウェイ」、デニス・ブラウン。

 

M01.Love Has Found Its Way(4’30”)Dennis Brown

-Y.M.Brown, D.Brown-  Trojan / BMG  TJDCD515     1982

 

N  デニス・ブラウンで、「ラーヴ・ハズ・ファウンド・イッツ・ウェイ」でした。クールだな、ホント。

かつて「初めて聞いた時の印象はまだ鮮明に残っている」、なんて言ってま

したけど、探したら持ってなくてね。3週間ほど前には同じ曲をフランキー・ポール

のカヴァでお聞き頂いていました。

今朝は本人の歌でお届けしました。発表は1982年、伝説の「スタジオ・テクノポ

リス27」の始まった年ですね。盤を手に入れて直ぐに番組で紹介しました。わ

たしとしては珍しく、イントロに曲目紹介を載せたりしてみました。DJのイギリス

人が「暑くなると、自然にレゲを聞きたくなります。デニス・ブラウンの新譜で、『ラ

ーヴ・ハズ・ファウンド・イッツ・ウェイ』をどうぞ」なんて喋ったんじゃないかな。こ

の時まとまりの悪さに懲りて、以降このイントロ載せはお互い封じました。

さてこのデニス・ブラウンは、CD2枚組のベスト盤からです。70年代から80年代

までの充実期を凝縮した内容で、通して聞いているとこのジャメカの唄い手が如

何に偉大だったかが伝わってきます。基本的に雰囲気、傾向はひとつ。それ

が実にこの島の男らしく納得出来るのです。

わたしがキングストンのスタジオで仕事をしている時に突然現れ、エンジニアと大声で

喋って最後は「ガハハハハ」と笑って去って行った姿が今も残っています。「あれ

は誰だ」「デニス・ブラウンだよ」「えーっ」てな感じ。その後で路上で出合った事

もありましたね。ポンコツ、ボロボロのフェアレイディZを運転してました。

今回このベスト盤で知った面白いカヴァをどうぞ。

「ブラック・マヂック・ヲーマン」、1972年の作品です。

 

M02.Black Magic Woman(3’17”)Dennis Brown

-P.Green-  Trojan / BMG  TJDCD515

 

M03.Wood Beez(4’48”)Scritti Politti

-Green, Gamson-  ヴァージン・ジャパン  VJD-28091

 

N   デニス・ブラウンの「ブラック・マヂック・ヲーマン」、そしてスクリティ・ポリティの「ウードゥ・ビ

ーズ」でした。突然の、聞いていて恥ずかしくなるような80年代の音、スクリティ。

これもテクノ・ポリス27で何回も何回も流した楽曲です。

副題に「プレイ・ライク・アリーサ・フランクリン」とありまして、歌の中でも「毎晩眠る

時にアリーサ・フランクリンみたいにお祈りするんだ」と出てきます。わたしはアリーサが

祈っているところを見た事がないのですが、どんな風になるんでしょうか。

唄っている時に、彼女は祈り、神と交信しているようにも思えます。ですか

ら寝床で「アリーサ・フランクリンみたいにお祈り」するのはなかなか難しいでしょう。

さて8月16日にそのアリーサ・フランクリンが亡くなった事は、皆さんもうご存知で

すね。一般新聞の訃報はもちろん、週末のヌーズ・ショウで、映画「ブルーズ・ブラザ

ーズ」の映像入り報道があったのには驚きました。そんなに知名度あったのか。

以前から体調不良が伝えられ、亡くなる数日前には危篤状態にある事も告

げられていましたから、突然の衝撃ではありませんでした。どなたも心の準

備は出来ていたと思います。

限りある命なのですから、このように60年代、70年代に頂点を極めた歌

い手、演奏家がこの世を去って行くのは年齢を考えれば当然です。これから

はもっと多く、毎日毎晩のように訃報はもたらされるでしょう。吉岡正晴、

これからも忙しいぞ。

とは言え、わたしにも彼女は特別な存在でした。R&B、ソウル音楽へのベクトル

を決定的にしてくれた唄い手です。短い時間ですが、思いつくままに彼女の

唄声を聞いて行きましょう。

 

M04.Respect(4’08”)Aretha Franklin

-O.Redding-  Atlamtic 8122-77629-2

 

N  ビル・グレアムの紹介で始まるフィルモアのアリーサ・フランクリン、「リスペクト」。わたしにはこ

れがアリーサ第一番です。

生涯初めての体験として白人の若者たちの中に飛び込んだアリーサ、そしてスー

パー・キングピンズとスウィート・インスピレイションズ。素晴らしい緊張と集中の漲った、一

曲目からの全力投球です。アリーサは一通り歌い終えてから「こんばんは」と語

りかけます。ここが格別。今まで見たこともないような聴衆を前に、若干物

足りない反応に戸惑いながら、「ゆっくり楽しんでいって頂戴ね。そう、気持

ち良くなってくれればいいのよ」と、しっかりメセヂを伝えます。この語りの

最後にはもう全員の心を掴んでいます。そのアリーサをしっかり支える演奏、コーラ

ス。用いられるイディオムの確実さ。キング・カーティスの指揮で制御される抑揚、すべ

てが最高の次元で調和しています。

この実況録音盤は十年ほど前に完全盤仕様が出ていて、今では当夜の更に

奥深い実態を知る事が出来ますが、このLP1枚にまとめられた濃密な時空は

永遠です。ソウル・ミュージックがこんなに輝いた時期もあったのです。

もちろん、これ以前のアリーサも充分に魅力的でした。これは如何でしょうか。

キャロル・キングの作品です。「ナチュロー・ヲーマン」。

 

M05.A Natural Woman(2’37”)Aretha Franklin

-J.Goffin, C.King-  Atrantic / Rhino 8122 79827 9

 

N  「ナチュロー・ヲーマン」でした。ゴスペル界で大切に育てられたアリーサがこういう歌を

唄うようになるのは、ジェリー・ウェクスラーに呼ばれてアトランティックで吹き込みを始めて

からです。それまでになかった新しいR&Bの創造に大いに寄与したこの時代。

その象徴のような一曲でした。アリーサの切実な唄が心に残りますね。

この録音が1968年。彼女はこの後もインディペンデント・レイベルのアトランティックで、

意欲的な作品を発表し続けます。ただ売れ行きも含めて結果は順調ではなく、

彼女自身も何度か「スラムプ」状態に陥っていたようです。アトランティックの制作方針

が定まらなかったのが主たる原因。このレイベルに彼女のような天才が長く在籍

したのも初めてですから、きっと持て余していたのでしょう。

70年に入ってようやくアリーサは確固たる自分の道を見出します。それは新し

い時代の黒人意識を先導する考えでした。キイワードは「リスペクト」。その証明が、

先ほどの『ライヴ・アット・フィルモア・ウエスト』でしょう。そしてスチューディオ録音の革新

的作品は『スピリット・イン・ザ・ダーク』でした。

 

M06.Oh No Not My Baby(2’55”)Aretha Franklin 

-J.Goffin, C.King-   Atrantic / Rhino 8122-71525-2

 

N  アルバム『スピリット・イン・ザ・ダーク』から、これもキャロル・キングの作品で「オウ、ノウ、

ノット・マイ・ベイビ」でした。粒子の粗いモノクロームの地味なジャケットのこの盤は、内

容も賑やかではありません。ただわたしには強烈な印象で今も迫ります。ち

ょうどフィルモア・ウエストであの公演を行う直前に出来上がっていて、ここからアリーサ

は揺るぎない存在として、世界で認識されるようになりました。

ではそのアルバム『スピリット・イン・ザ・ダーク』、冒頭曲です。

「ドント・プレイ・ザット・ソング」。

 

M07.Don’t Play That Song(3’02”)Aretha Franklin 

-B.Nelson,A.Ertegun-  Atrantic / Rhino 8122-71525-2

 

N  「ドント・プレイ・ザット・ソング」、アリーサ・フランクリンでした。どなたもご存知の通り、

彼女は著名な牧師C.L.フランクリンで、ゴスペル教会一家の育ちです。そこで鍛えら

れた歌唱力は抜群でしたが、1961年にコロムビアと契約したものの、なかなか良

い作品が生まれず、ヒットとも縁遠い存在でした。これは彼女を強引にコロムビアへ

引っ張って来たジョン・ハモンドがうまくやれなかったのと、毒にも薬にもならな

い「女性ジャズ的」ポピュラー・シンガーを安易に求めたレイベル側の失策です。

その頃の録音はLP時代にも継続的に発売されていましたが、どれを聞いて

も何よりアリーサが何をどう歌ったら良いのかわからずにマイクの前に立たされて

いるような印象は拭えません。それがCD時代になって出た物には純粋なゴス

ペル期1956年の、おそらくSPから起こした録音が含まれていました。ここ

に彼女が神と交信をする姿が刻まれています。

楽曲はトーマス・ドージーの名作「プレシァス・ロード」。1部、2部続けてどうぞ。

 

M08.Precious Lord pt.I & II(6’23”)Aretha Franklin

-T.Dosey-   Soul Jam 600807

 

M09.Today I Sing The Blues (2’47”)Aretha Franklin

-C.Lewis-  Soul Jam 600807

N   どうですか、アリーサの祈り。絶対に寝床の中では無理、という事がお分かり

頂けた筈です。続けたのは、それから4年後1960年録音の「トゥデイ・アイ・シン

グ・ブルーズ」。コロムビアと契約する時に試しに唄ったのも同じ楽曲だと思います。

ただこのテイクはそのデモ録音ではなく正式な吹き込みでしょう。

さてアリーサが新しい黒人観、女性観、世界観を訴え始める前に、同じような

世界共通の価値を主張していたのが、ニーナ・シモーンです。彼女には持ち前のキツーイ

性格もありまして、矛先を緩めないで正に孤軍奮闘していましたが、彼女の

書いた「ヤング、ギフテド、アンド・ブラック〜若く、才長けて、しかも黒い肌」で、

ようやく多くの人が目を覚ましました。アリーサもアルバム表題に用いた位です。さ

ぞかし心を打たれたのでしょう。

アリーサ・フランクリンとなると、どうしてもいろんな事を話したくなって、キリがあ

りません。亡くなってしまったことは悲しいですけれど、彼女の素晴らしい

歌声、祈りはこれから何時だって、何時までも聞く事が出来ます。決して忘

れたりは出来ないでしょう。それがレコード音楽の最も素晴らしいところです。

これからもアリーサはわたしたちのすぐ側にいてくれるから、大丈夫。

She Is Standing By Our Side, And It’s All Right. Amen.

これからも何度も登場するアリーサ、今朝はこのくらいにして、ニーナ・シモーンのライ

ヴから先の「若く、才長けて、しかも黒い肌」をお聞き下さい。唄い始める

前に「今アメリカには2,200万人ほどの黒人が暮らしてるそうだけど、この歌は、

そうね100万人ぐらいが分かってくれたら、わたしはそれでいいわ」なんて

言ってます。こういうところが、この人は・・・。

 

M10.黒人賛歌(7’11”)ニーナ・シモン

-Simone, Irvine-  BMGファンハウス BVCJ-37236

 

M11.End Of The Line(2’57”)Nina Simone

-J.Edmondson, C.Medley-  Verve 314 543 251-2

 

N  「ヤング、ギフテド、アンド・ブラック〜若く、才長けて、しかも黒い肌」、ニーナ・シモ

ーンでした。続けて同じくニーナの「エンド・オヴ・ザ・ライン」、同じ題名の一曲が、

バディ・ガイの最新作にありますけれども、これは別の歌。ニーナ・シモーンが1965

年に発表しています。どうやら離婚届に署名して別れの手続きが終わった後

の情景のようです。ニーナの低く暗い声が演劇の舞台描写をするように響きます。

こういうのは彼女以上の表現者はいませんね。アリーサも敵わないでしょう。

さて、3週間続けてお届けしました音楽聖人ジョン・コルトレインの新作『ザ・ロスト・

アルバム』、わたしは「新譜」という事もあって嬉しく聞いていましたが、先日

東京新聞の夕刊コラム「大波小波」で「大した出来ではない」という意見を目に

しました。昨今あらゆる発表作品、行為に個人の資格で批判をする事は禁じ

られているかのように皆無です。それがSNSで火がつくと集団暴行に転じ

る・・・そんな折に出会った、評価を超越した偉大なる物故者の遺作への苦

言。大いに勇気ある行動です。このコラム自体は、この作品が他の雑誌で無条件

に持ち上げられている状況にイチャモンをつけたかったようで、匿名だったのも残

念です。多分そのうちに無視されたままで古新聞と共に消えて行くでしょう。

この人はおそらく聖人のオム音を使った天空との会話を熱心に聴き込んでい

て、それらと比較しての所感を以って「大した出来ではない」と言い捨てた

のだと思います。それは分からなくない。何しろここでコルトレインはフツーの事しか

演ってないんですから。それでもね、あるいはそれだから、わたしはこのフツー

のジャズ演奏を素直に聞けているのだと思うんです。

では『ザ・ロスト・アルバム』から「無題創作曲 11383番」、

ジョン・コルトレイン  ソプラノ・サクスフォン

マッコイ・ターナー ピアノ

ジミー・ギャリスン ベイス

エルヴィン・ジョーンズ ドラムズ、以上でお送りいたします。

 

M12.Untittled Original 11383(5’41”)John Coltrane 

-J.Coltrane-   Impulse!  00602567639251

 

M13.Air A Danser(4’32”)Penguin Cafe Orchestra

 

N  ジョン・コルトレイン「アンタイトルド・オリヂナル 11383」でした。その次にはペンギン・カフェ・

オーケストラの「エア・ア・ダンサー」でした。五月のそよ風のような空気が流れる4分

32秒ですが、敢えて戻り酷暑のこの時期にお届けしました。

これと全くそっくりな楽曲を聞いた事があります。編成、構成、モチーフがよ

く似ていた上、何回かリタルダンドに持ち込むところもクリソツでした。それが何だ

ったか今すぐには特定できませんが、多分わたしの持っている盤です。また

探し物かな。

さて、瞬間的に一世を風靡したサイモン・ジェフズのペンギン・カフェ・オーケストラです。

1981年、この頃はわたしでさえ、「EG」のレコードを聞いてました。捉え所の

ないこのLPは、B面に移ると唯一のカヴァ曲が収録されていまして、そこで誰

もが安心出来たり、微笑んだりした事でしょう。わたしはサイモンに偉大なるユーモ

アを感じました。

 

M14.Walk Don’t Run(3’01”)Penguin Cafe Orchestra  

-J.Smith-  EG  EEGCD 11

 

N  ご存知「急がば回れ」、日本ではヴェンチュアズが流行らせ、大いに流行りました。

エレキ触った事あってこの曲を弾いてない人はいないんじゃないかな。

これです。

 

M15.Walk Don’t Run(2’05”)The Ventures   

-J.Smith- Starbucks Entertainment / Rhino  no number

 

N  ザ・ヴェンチュアズで「急がば回れ」。どんなエレキ教則本も第一章はこれですね。

ところで、これはアムプをテケテケ鳴らすエレキ・バンド用に書かれた楽曲ではなく、

もう少し繊細で小味の効いた旋律の作品だったようです。スネア・ドラムの乱れ打

ちからAm-G-F-Eと下降するブロック・コードで荒っぽく特徴付けたのはヴェンチュア

ズです。

カントリー・ギターの名手、神様チェット・アトキンズがそれ以前にカヴァしています。ヒット

にこそならなかったものの評判は良かったようで、ベスト盤にも入っていまし

た。そちらを聞いてみましょう。しりとり遊びのように続いていくメロディの妙

がお分かり頂けるはずです。

 

M16.Walk Don’t Run(2’20”)Chet Atkins    

-J.Smith- Budda 7465 99673 2

 

M17.The Moving Finger(5’39”)Dorothy Asby  

-D.Ashby-  Dusty Groove America DGA 3002

 

N  C級映画サントラ的なこの音楽は、冒頭と終了部の呪いも含めて、ドロシー・アシュビ

ーという黒人女性の「ザ・ムーヴィング・フィンガー」でした。この人はお琴を引く人

で、シカーゴのチェスに2枚程フルアルバムを残しています。ヴァイブやカリムバも入った全

体の響きは、ワールドミュージック台頭前の、薬物感のないサイケデリック調。どことなく

涼しい。先ほど「C級映画サントラ的」と言いましたけれども低予算の黒人活劇

で、本当に使われてたかも知れません。そんな匂いが充満しています。

ここから連想されたのがダブ。ひんやりした手触りが共通するのかな。

今朝はロンドンはブリクストンを本拠地とする、フレッシュ・エア大好きのバルベイドース人デ

ニス・ヴォーベルの手になる『リントン・クウェシ・ジョンスン・イン・ダブ』から、

「ショッキング・ダブ」をどうぞ。

 

M18.Shocking Dub(4’45”)Linton Kwesi Johnson  

-L.K.Johnson, D.Bovell-  Nango / Island 162-539 650-2

 

M19.Fade Out(3’52”)James Bay

-J.Bay, J.Green-  republic  0060256743615

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  デニス・ヴォーベルの「ショッキング・ダブ」の次にはイギリスの若手、ジェイムズ・ベイで

「フェイド・アウト」でした。バディ・ガイの最新作で知って手に入れたアルバム『イレクト

リック・ライト』からです。ヴォーカルが歪み気味なのは、これでいいのかなあ。先の

アリーサ・フランクリンンの「プレシァス・ロード」は明らかに歪んでいましたが、これは当時

の機材、技術では仕方ない事です。2018年の録音でこれはないでしょう。意

図的なのかな。とすれば、大いに疑問です。それにしてもプリンスの影が濃いで

すね。そう言えば故プリンス・ネルスンのピアノ弾き語りアルバムが出るらしいです。多

分残された膨大なデモ録音の中から集めたものなのでしょう。一度は聞いてみ

たいです。

さて、アリーサ・フランクリンの死去に因んでこんな生DJショウにお声がかかりました。

お知らせ致します。

いーぐる連続講演第649回 11月10日(土曜日)今回に限り午後3時より

『追悼アレサ』

先ごろ惜しくも亡くなったソウル界のビッグ・スター、アレサ・フランク

リンを追悼。鈴木啓志、高地明、鷲巣功 R+Bじじい3人揃い踏みで、アレサ

をかけ、語り尽くす!

参加費1600円+飲食代金

 

わたしが初めて人前でDJを行った四谷のジャズ喫茶店いーぐるの土曜イヴェン

トです。ここは音響装置が特別ですから、アリーサの新しい魅力が聞き出せるかも

知れません。過去に「ボビー・ブランドの魅力とはこれだったのか」とわたしの

耳から栓が抜けた事件が起こってます。いーぐるのウェブサイトにはもう少し詳し

く出演者の略歴なども出ています。これがお恥ずかしい・・・。

 

来週は夏の本番「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」です。詳細はツイターに無

地日野鳥居さんが揚げてくれています。ありがとうございます。今年は鉄砲

光丸会、鳴門会、五月会、河内音頭ご三家の激突。どうなりますやら、わた

しも大いに楽しみです。生まれて初めて加齢を感じた2018年、ワツシイサヲは体力

が保つのでしょうか。こちらも興味津々。

8月29日、30日、午後5時30分開演です。

場所は錦糸町南口首都高速道路7号線高架下竪川親水公園内特設会場

入退場無料。皆さんどうぞ挙ってお出かけ下さい。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/1e684f567160de4cf0c61bf940988b56de522f36

ダウンロードパスワードは、cu45t1s0です。
再確認しております。先週はご迷惑を

おかけいたしました。それにしても符牒を解読するなんて、凄い技。脱帽で

す。

さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/08/18

mb180818

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

相変わらずの気候で、熱いですけれど、ここ数日間はほんの少し、風や陽

射しが秋めいて来たように感じませんか。日暮れも早いし、朝も明けるのが

すっかり遅くなりました。ただし、まだまだ暑い夏の日は続きます。西日と

残暑は手強いぞ。お気をつけ下さい。

今朝はまず、先週の生放送に持っていくのを忘れてしまった1枚からお届

けしましょう。

「誰もが禁煙者だ」、ドリンキン・ホッピーズ。

 

M01.誰もが禁煙者だ(3’31”)ドリンキン・ホッピーズ

-C.P.Johnson, M.Azuma-  Pヴァイン PCD-25260

 

N  ドリンキン・ホッピーズで「誰もが禁煙者だ」でした。リード・ヴォーカルとギター、そし

て日本語詞は吾妻光良でした。僅か3分31秒ですが、絶妙のテムポーと沢山の

要素が詰め込まれた編曲のせいでしょうか、もっと長く感じます。

煙草喫煙者に共通するボヤキでしょうか。唄の中にもありました様に吾妻は

病気が怖くてやめた訳じゃなく、値上げしたから吸うのやめた様です。昔は

チェイン・スモーカ的に吸ってましたね。特に狭いスタジオでの作業中、ずっと咥え煙草

だった姿は印象に残っています。

わたしは20代後半に体を弱くしまして、1ヶ月ほど酒を絶ったんだけども

治らない。それが煙草をやめたら元気を取り戻せまして、「ああ、これは自分

の体に合わないんだ」と気づき、それ以来は控えています。

ただし偽善的嫌煙者ではありませんし、喫煙者の味方です。そんなに悪い

んなら、法律で禁止すればいいだろう、という考えを持っています。栽培生

産も停止しなきゃダメですよ。先に国会を通過した禁煙法なんて、ほとんど

骨抜きの禁煙先進国に対する言い訳です。東京都のも同じような物でしょう。

表に「喫煙可」って貼っておけば違法ではない、こんな事を投票で選ばれた

エリートたちが話し合って決めるんです。お笑いですね。狭いところで隠れて、

お互い慰め合って吸わざるを得ない喫煙者たちは可哀想です。こういうのは

健康によくないよ。

さて、先週「ロケッティエイティエイ」をお聞きいただいたブルーズ女、ナツコです。今朝

は同じアルバム『ブルー・ストッキング』から、2曲お届けしましょう。まずはこれです。

「ブルーズ・ウィズ・ア・フィーリング」。

 

M02.Blues With A Feeling(4’59”)Natsuko

-W.Jacobs-  Local Records LPR-0001

 

N  「ブルーズ・ウィズ・ア・フィーリング」、リル・ヲルタの名作のひとつですね。わたしが初

めて聞いたのはヲルタじゃなかったな。誰だろう。自分のではなく他人の持ち物

だった筈です。

レコード屋で「ロケッティエイティエイ」を聞いて古い女性ブルーズ歌手のカヴァだと思って

ましたが、アルバム2曲目のこれが流れるに及んで、すぐカウンターに直行して「こ

れは誰ですか」と訊ねた次第です。

今の「ブルーズ・ウィズ・ア・フィーリング」には、ギターで小出斉、倉本巳典がベイス、

そしてドラムズ吉岡幾三が付き合ってます。これは頷ける人選ですが、他のセッシ

ョンでは意外な名前を発見しました。夕焼け楽団のオリヂナル・メムバだったギターの

藤田洋介です。本人に聞いたら、「久しぶりの全員同時演奏で緊張した」なん

て言ってました。

では聞いて下さい。楽曲も彼の書いた作品です。

「星くず」。

 

M03.星くず(4’41”)Natsuko   

-Y.Fujita, M.Fujita- Local LPR-0001

 

M04.White Line(3’49”)Emmylou Harris     

-E.Harris, P.Kennerley-  Warner 08 1227934293

 

N  謎のブルーズ女ナツコの「星くず」、フィーチュアリング・ヨースケ・フジタでした。如何かな。

彼女のアルバム『青い長靴下』にはこのようにブルーズ形式以外の楽曲も含まれて

います。松田聖子の「スウィート・メモリーズ」、聞きたくないですか・・・。

それに続けましたのは、エミルー・ハリスの新装旧譜『ザ・バラッド・オヴ・サリー・ロー

ズ』から「ホワイト・ライン」のデモ、試作録音です。詞曲の姿が露わになっていま

す。これだけでも充分に魅力的ですね。

では次に、これを基にじっくり練って翌年録音されて、シングル・ヒットにもな

った完成形を聞いて下さい。

 

M05.White Line(3’47”)Emmylou Harris 

-E.Harris, P.Kennerley-  Warner 08 1227934293

 

M06.Don’t Waste Your Tears(3’58”)Joshua Hedley

-J.Hedley-  Third Man Records  TMR-595

 

N  エミルー・ハリスの新装旧譜『ザ・バラッド・オヴ・サリー・ローズ』から「ホワイト・ライン」の

正規仕様でした。先ほどのデモも含めてナッシュヴィル録音ですが、完成形は特にリズ

ム、ヴォーカル・ハーモニーにウエスト・コースト調な味付けが施されていました。時流を反映、

という事でしょうか。1984年に発表されています。

ここでの「ホワイト・ライン」は、荒野に伸びた高速道路の事ですか。間違っても

吸引用白い粉の列ではありません。お間違えなきよう願います。

その後しのび寄って来たのは、セイム・オールド・カントリー度100%男、ジョシュア・ヘド

リイの「ドント・ウエイスト・ヨー・ティアーズ」です。

 

   お互い一生懸命やってみた

   でもうまく行かなかったんだ

   俺を想って泣いてくれるな

   涙は大切にしてくれ

 

クリス・クリストファスンの「心の想い出」のように迫りますが、この主人公の男は

少し悪い男のようです。何度も嘘をついたし、相手を人形のように扱った。

オリヂナル盤に添付されている歌詞は、正直な懺悔でしょうか。

お見事、とも言えるカントリー仕立て。声、唄が、更にその雰囲気を煽ります。

「たまにはカントリーもいいなあ」なんて気分になりませんか。

 

M07.Centerfield(3’50”)John Fogerty 

-J.Fogerty-   Ryko 10825

 

N   おいコーチ、俺を出してくれよ

今日はとっても調子がいいんだよ

 

ベンチでウズウズしている補欠選手の声でしょうか。気持ち分かりますね。映

画「がんばれベアーズ」の2005年公開版サウンド・トラック盤からジョン・フォガティで「セ

ンタフィールド」でした。

さて甲子園第100回大会も終盤、来週には優勝校が決まります。これまで

2年後開催の真夏オリムピックに対して批判的な意見を述べて来たワツシイサヲですが、

高校野球には少々複雑です。と言いますのは、この催事は地方予選も含めて

過酷な暑さがないと成立しないと思えるからです。春も同じですが、特に夏

は連戦を続ける高校生たちの肉体疲労、連投を重ねる主戦投手の肩への負担

など、問題点は数多くあります。ベイスボールという似たルールの競技を行っている

アメリカからは、「狂気の沙汰」とも見られております。確かに御意。そのせいか、

昨今では休養日やタイブレイク制度など改善策が導入されるようになりました。

しかし、ずっと続く一番の理由は、何より運動競技に全く不向きな、酷暑

の屋外炎天下での開催という自然環境があるからではないでしょうか。もし

これが涼しい秋に行われていたら、雰囲気は全く異なる筈です。もっと球技

らしい試合展開、争いになるような気もします。ここに出て来ている選手た

ちは、まず暑さ、そして夏の甲子園と闘っているのです。

観に来ているお客さんたちも同じ。6時前の開門から夕方まで陽よけも無い

外野席が大入りなのは、みんな好きで「暑さ、そして夏の甲子園と闘ってい

る」からなのです。日程の重なる夏休み、お盆、敗戦記念日などの行事とも

無縁では無いでしょう。そんな要因が絡み合っての開催です。もちろん、過

去はこれほど暑くはなかった。

朝日新聞社が選手の熱中病について報道しない等と言われています。それ

も当然でしょう。全国高等学校野球選手権大会には社運が掛かっています。

公益財団法人日本高等学校野球連盟も、夏の開催を変更するなんて気はさら

さら無い。未だに非科学的な思想、因襲に囚われて慣性で同じ事を繰り返す

のが、この国の運動競技団体です。

決して甲子園の全面否定をしているのではありません。わたし自身テレビで

ずっと熱く観戦しております。名門母校の地方予選には出かけます。起立し

て校歌斉唱を致します。今年はたまたま涼しかったのですが、振り返ると暑

く苦しかった方が充実した気分になれた。昔からわたし達には、こういう集

団自虐体質があるのですね。全国高等学校野球選手権大会、どうなるのかな

あ。みんな、分かるよね。

さて、先週の生放送で、「倍賞美津子」以外にも間違った事を言っていまし

た。それは「ミスタ・ボージャンゴーズ」についてです。投稿欄でご指摘の通り、「ミ

スタ・ボージャンゴーズ」は、ビル・ロビンスンの事で、アル・ジョルスンではないですね。失

礼致しました。ジュディ・ガーランド箱物の大変読みにくい収録曲目クレジットにアル・

ジョルスンの名前を見つけた時から「ミスタ・ボージャンゴーズ」だ、と勝手に思い込ん

でいました。アル・ジョルスンは白人で、ミンストレル・ショウ的に顔を黒く塗り黒人を装っ

て演技した男。世界初の音声付き映画で最後に「ちょっと待て、お楽しみは

これからだ」と観客に話しかけたんではなかったか・・・、あ詳しくない事

を喋るのはやめておきましょう。

それとは別に「ミスタ・ボージャンゴーズ」というと、わたしはまずこれなんです。

 

M08.Mr.Bojangles(4’29”)King Curtis  Bill Robinson

-J.J.Walker-  イースト・ウエストAMCY-2905

 

N  キング・カーティスと最強のキング・ピンズが1971年の2月にフィルモア・ウエストで演奏し

た「ミスタ・ボージャンゴーズ」でした。これは今週の16日に亡くなったアリサ・フランク

リンの大きな転機となったフィルモア・ウエスト公演の前座演奏の実況録音です。この歌

「ミスタ・ボージャンゴーズ」は、ジェリー・ジェフ・ヲーカーの自作自演で既によく知られ

ていましたが、わたしが最も数多く聞いたのは、この仕様です。アリサについて

は、また改めて。

作者のジェリー・ジェフ・ヲーカーは留置場で知り合った無名なボードヴィリアンにビル・

ロビンスンを重ねて唄ったらしく、内容はビル・ロビンスンの生涯とは異なる、誤解さ

れている、と言う説が今では正しいとされています。これまたよく知らない

世界の話ですから、この辺りで留めておきましょう。とにかく、「ミスタ・ボージ

ャンゴーズ」はアル・ジョルスンではない、これだけは訂正しておきます。

もうひとつ、リクエストのあった、クィックシルヴァ・メセンジャ・サーヴィスの「フレッシュ・エア」、

これが何を意味するか、というお問い合わせも頂いておりました。この歌の

中ではともかく、その昔わたしは「フレッシュ・エア」と聞いて直ぐにピンと来まし

た。当時、東北沢に同じ名前の音響会社がありましてね。そこに出入りして

た人たちは、皆「新鮮な空気」を吸引していたらしいですよ。その中のひと

りは吸い過ぎて警察に捕まっていました。

その「フレッシュ・エア」とは、これではないでしょうか。

 

M09.パープル・ヘイズ(2’50”)ジミ・ヘンドリックス 

-J.Hendrix  MCA MVCE-24027

 

M10.ヴィラノヴァ・ジャンクション(4’29”)ジミ・ヘンドリックス

-J.Hendrix-  MCA MVCZ-10042/3

 

N  「紫のフレッシュ・エア」、ジミ・ヘンドリクスでした。そして、49年前の今日、1969年

8月18日朝、ウードゥ・ストゥークで最後の出し物として出演したジミの最終演奏曲

目「ヴィラノヴァ・ジャンクション」。荒涼とした月曜朝の会場を連想させます。秋風立

ちぬ、です。お見事。こう言うところがジミは凄いんだ。それにしても49年

前とは、ハラホロヒレハレヒレハレハ・・・。

 

M11.Dindi(3’30”)Francis Albert Sinatra  

-A.C.Jobim- Reprise 9-46948 2

 

N  先週のそして、「夏メロ」、お楽しみいただけましたか。わたし自身も確かに気

持ち良かった。

真夏に聞く涼しい音楽の筆頭は、やはりボッサ・ノーヴァでしょう。洗練された

楽曲、演奏、唄が漂わせる冷やかな雰囲気は別格。だいぶ前に全ての音楽の

理想形はボッサ・ノーヴァだ、と言う説を聞いたことがあります。頷けなくもない

ですね。

今朝はちょっと変則的にフランク・シナトラのボッサ・ノーヴァ・アルバムから、まず「人

事」をお送りしました。これは1967年に、シナトラがアントニオ・カルロス・ジョビムと一

緒に吹き込こんだ一枚で、オーケストレイションと棒振りはクラウス・オーガーマンが担当してい

ます。シナトラの声、その背景となる演奏もはいつも通りで、ちょっとボッサ・ノーヴ

ァ向きではないかもしれませんが、北米西海岸の都市での避暑地音楽として雰

囲気は充分です。

では同じくアントニオ・カルロス・ジョビムの有名な作品から

「瞑想」。

 

M12.Meditation(2’57”)Francis Albert Sinatra

-A.C.Jobim- Reprise 9-46948 2

 

M13.Impressions(4’30”)John Coltrane

-J.Coltrane- Impulse!  0060256739251

 

N  「瞑想」に続いては「印象」、ジョン・コルトレインです。この曲はヴィレッヂ・ヴァン

ガードの実況演奏が超有名ですが、その後こんなトリオ編成でスタジオ録音も残して

いました。直接的にはだいぶ控え目な演奏ですが、演奏する3人とも何かを

深く考えているような思いにさせられませんか。ジミー・ギャリスンのベイス、エルヴィ

ン・ジョ-ンズがドラムズ。まさかこの世でコルトレインの新譜に出会えるとは、予想だ

にしていませんでしたから、この幸運を大切にしたい。皆さまもね。

次は本当の新譜、カマシ・ヲッシントンの『天国と地獄』からです。これを『地上と

天国』と言うべきではないか、と言うご意見をいただきました。全くその通

りではありますが、わたしにとって現世はヂゴクなんですよ。そこでまあ楽し

くやっておりますが。果たして、天国はあるのか、そして自分はそこへ行け

るのか・・・。

ではカマシ・ヲッシントンに返事を貰いましょう。

「ハブ・トーンズ」。

 

M14.Hub-Tones(9’11”)Kamasi Washington    

-K.Washington-  Young Trucks YT176CD

 

N  とても整えられた良い録音ながら、演奏の自然な一体感が伝わって来ます。

終了部分の管の繰り返されるフレイズに段々と力がこもって来る辺りには、興奮

させられますね。「ハブ・トーンズ」、カマシ・ヲッシントンでした。

さて、ボッサ・ノーヴァが涼しい音楽と来れば、レゲも同じように避暑地的な快

感を漂わせた音楽です。国情の反映で、安易にトロピカれない部分もありますが、

更にダーブは、暗い地下室で冷えた機械に触れた感じがします。

ではこれまたこの時期の定番、シュガー・マイノットの「グッシン・ゴーイン」、これは

元々がジャクスン・ファイヴの歌で、「おしゃれな恋」という邦題がつけられていま

した。でも今や完全にシュガー・マイノットの持ち歌ですね。そしてキング・タビーのクール・

ダーブです。「スリー・タイムズ・スリー」。

 

M15.Goodthing Goin’(4’56”)Sugar Minot   

-The Corporation-  Black Roots LP 62662

 

M16.Three Times Three(3’07”)King Tubby    

-trd.arr. L.Perry-  Spectrum / Universal SPEC 2063

 

N  ヒンヤリしたキング・タビー「スリー・タイムズ・スリー」、大変結構。先の「グッシン・ゴーイン」

は12インチのアナログ盤ゆえ、かなり針の音が聞こえました。少なくともこの盤、

千回は回している筈ですからねえ。

さてすっかり世界共通語となったレゲ。地球の上のあらゆるところに愛好家

がいます。次はフランスのギヨーム・メテニエル、Guileaum Metenierの読み方はこれで

いいのかな・・・、彼はミクサー / プロデューサーとして音楽最前線で多岐に渡り活躍

中。その彼がダーブを手がける時の名前がソウル・シュガーです。『チェイス・ザ・ライト』

という2017年発表のアルバムから、聞いてみましょう。

「ワイ・カント・ウイ・リヴ・トゥゲザ」。

 

M17.Why Can’t We Live Together(5’20”)Soul Sugar  

-T.Thomas-  Gee Records GEE CD001

 

N  マイアミのオルガン師、ティミー・トーマスの代表曲「ワイ・カント・ウイ・リヴ・トゥゲザ」。リオナル

ド・カーマイケルという唄い手の起用でかなり忠実にカヴァしてました、ソウル・シュガー。

フランス人ということで、わたしは仏語レゲを想像していましたが、その期待は裏

切られたようです。アルバム全体もジャメカン・レゲ・マナーに則った手法で造られてい

まして、ちょっと物足りない。フレンチ・レゲ、ダーブお仏蘭西流を聞いてみたか

ったのです。

さて、「なぜ肌の色が違うと一緒に生きられないんだろう」、この問いに

対する答えは、昨今再び難しくなって来ています。もっと具体的に質しまし

ょう。

ヲーです。「なぜ俺たちは友達になれないんだ」。

 

M18.Why Can’t We Be Friends? (3’47”)War 

-Allen, Brown, Dickerson, Jordan, Miller, Oskar, Scott, Goldstein-

Avenue Records  R2 75003

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  ヲーで「ワイ・カント・ウイ・ビ・フレンズ」でした。

何度聞いても初っ端の鍵盤リフは絶対に間違ってますね。わたしならば即座

に「NG」を出して「トップ・アゲイン」を指示してます。

昨日は湿度が低くて、過ごしやすかった。ひょっとして秋はすぐやって来

るのかも知れません。でも高校野球と同じで、盆踊りは暑くなきゃ盛り上が

りません。昼間の火照りを冷ましながら逝く夏を送る、これが盆踊りの風情。

ここのところ毎日のように河内の里と電話で話しています。向こうはずっと

暑い日が続いているようです。熱気を持ち込んで貰いましょう。

「第37回すみだ錦糸町河内音頭第盆踊り」

8月29日、30日、墨田区錦糸町の立川親水公園でお待ちしています。

ところで、この番組後テーマ曲「ボーン・イン・シカーゴ」の暑苦しさ、これは

異常気象に近いですね。先週の生放送で改めて気付いて、大いに驚きました。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/59828abdb5e120c8d9340597696c2168177db32d

   ダウンロードパスワードは、t2pqz1ywです。※パスワード修正しました(8/20 大家)

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/08/11

mb180809/11

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます、ワツシイサヲです。お疲れ様です。大仕事が終わりました。

なんとか出来ました。もう3時間も怖くない、ワケではありませんが、皆さん

のお陰です。どうもありがとうございます。

では2018年8月9日午前2時からの大放送のおさらいです。ご一緒に。

 

01.旧友再会(4’02”)河島英五 

-E.Kawashima-  ワーナー WPCL-10959

 

N  冒頭から手痛い失敗でした。頭出しをして待機させておいたCDプレイヤ1号

機が制御不具合となって、その盤の最終トラックを出してしまいました。この症

状、この日何度か出ました。迅速かつ的確な対応によって、事なきを得まし

たが、初っ端からこれは痛かったなあ。

それで、前回の放送後に問い合わせがあった、この曲を改めてどうぞ。

 

02.元気出して行こう(3’27”)河島英五 

-E.Kawashima-  ワーナー WPCL-10959

 

N  わたしが河島英五をちゃんと聴くようになったのはここ数年です。それまで

はメメしいフォークの唄い手のひとり、といった認識しかありませんでした。とこ

ろがどっこい、垢抜けてませんがしっかりとしたビートを感じさせてくれる、

頼れる男でした。なかなか言えない恥ずかしい事を、はっきりと伝えようと

している姿に打たれます。澤田修も「英五、いいですね」と言ってました。

そして今日も働く早朝労働者の方々に、これです。

 

03.新聞少年(2’34”)山田太郎  

-F.Hachiitan, N.Shimadu-  パナム / クラウンCRCN-45541

 

 

N  現新栄プロ社長、西川 賢こと山田太郎1965年のヒット曲「新聞少年」でした。

生放送中に「1965年以前ではなかったか」と言ってましたが、65年で間違い

無いようです。この1曲が必要で借り出した『わが青春の歌謡ポップス』には

いろいろ興味をそそる楽曲が入っていました、という事で、これ。

 

04.恋はハートで(2’15”)泉アキ  

-R.Nakanishi, T.Miki-  パナム / クラウンCRCN-45541

 

N  泉アキ「恋はハートで」です。パンチの効いた唄、ミニスカート姿で話題となりました。

1967年です。同じ頃のエレキ歌謡曲、黛ジュン「恋のハレルヤ」によく似てますね。

詞は、なかにし礼で同一者。泉アキその後は、衝撃的な裸体を平凡パンチ誌上で

披露。あっと驚きました。憶えてます。そして「独占 女の60分」といった

かな、猛女向けテレビのワイド・バラエティ番組の司会をしてました。今でも顔を見

かけます。

『わが青春の歌謡ポップス』から、次はこれ。

 

05.時計を止めて(3’07”)倍賞 美津子

-R.Nakanishi, T.Mori- パナム / クラウンCRCN-45541

 

N  「時計を止めて」、倍賞 美津子です。生放送では間違ってお姉さんの「倍賞

千恵子」と何度か言ってましたが、「美津子」の方でした。寅次郎の妹さくら

役で不動の女優となった姉、千恵子について喋りましたが、当事者が違って

いたんじゃその根拠が全て崩れます。かろうじてSKD出身の部分だけでしょ

うか、共通していたのは。失礼致しました。

そして・・・。

 

06.星のフラメンコ(3’03”)西郷輝彦 

-K.Hamaguchi-  パナム / クラウンCRCN-45541

 

07.肉のフラメンコ(1’23”) 西小輝彦  

-unknown-  アルファ TAMORI-3

 

N  「星のフラメンコ」西郷輝彦に続いては、「肉のフラメンコ」西小輝彦でした。

ここからしばらくは、ありがたい皆さんのリクエストにお答え致しました。

 

08.北国の青い空(3’38”)奥村チヨ

-J.Hashimoto, Ventures-  ユニバーサル  TYCN-60010/1

 

N  夏休みを取って北海道に行かれた「おーたか」さんのご希望で「北国の青い

空」、奥村チヨです。「二度と帰らない、夏の日の恋」ですから、晩秋か初冬が

ふさわしい歌ですが、確かにヒンヤリとした冒頭の弦から始まる涼しい雰囲気は、

この酷暑を和らげてくれます。

そして「高橋路夫」さんからはドナ・サマー「オン・ザ・レイディオ」を頂きました。

 

09.On The Radio(4’06”)Donna Summer

-G.Moroder, D.Summer-  UMC SPECXX2105

 

N  次は「ヲーターメロン・マン」、「隣人より愛をこめて」さんからでしたが、ご希望の

モンゴ・サンタマリアでなくてすみませんでした。

 

  1. ヲーターメロン・マン(6’23”)ハービー・ハンコック

-H.Hancock-  ソニー 25DP 5605

 

N  次に「ヲーターメロン・マン」が流行った頃のブガルー・ビートの決定打「アリゲイタ・ブガ

ルー」を、黄金期のルー・ダナウスンでお聞きいただきました。これはどなたのリクエ

ストでもありません。

 

11.Alligaor Bogaloo(6’40”)Lou Donaldson  

-L.Donaldson-  Blue Note CDP 7 84263 2

 

N  次は重度mb患者「ペタシ66」さんからです。麻夢ビーツでもリクエストが採用され

てました。打率十割です。クィックシルヴ・メセンジャ・サーヴィスで「フレッシュ・エア」。

これは正規品をiTunesで購入し、一度iTunesに入れて、更にそこから

CD-Rを焼いて使用しました。音質に不備は無かったかな。

 

12.Fresh Air(5’19”)Quicksilver Messenger Service

-O.Farrow-  iTunesで購入音源を使用

 

N  聞けば聞くほどドゥービー・ブラザーズとの共通点が耳に残る「フレッシュ・エアクィ

ックシルヴ・メセンジャ・サーヴィスでした。この「フレッシュ・エア」の意味、お分かりですか。

 

13.スマイル(2’54”)ナッキン・コール

-C.Chaplin, G.Parsons, J.Turner-  TOCP-70710

 

N  次もご希望ヴァージョンのジュディ・ガーランドではなくて、ナット・キング・コールでお

届けしました。八王子の「60オネーサン」のリクエストです。これは映画「モダーン・タ

イムズ」の主題歌でした。「ライム・ライト」ではありません。

またわたしが 「Smile When You’re Feelin’ Blue…」と歌ったのは、

「Dream When You’re Feelin’ Blue…」で、「ドリーム」という歌でした。失礼。

ジュディ・ガーランドは、ミスタ・ボージャンゴーことアル・ジョルスンとのデューオで、「プリ

ティ・ベイビ」をお聞きいただきました。

 

14.Pretty Baby(0’46”)Judy Garland And Al Jolson  

-unnkown-  JSP 9770

 

N  そして新譜、ジョン・コルトレインのヌー・アルバムです。フリー・フォーム突入直前のコルトレインが

録音して、何故か放置されていたテイク集が『ボース・ディレクション・アト・ワンス  ザ・

ロスト・アルバム』という題名で出ています。これがよくあるボツ録音を無理矢理ま

とめたようなものではなく、素晴らしい仕上がりでした。これ以降のコルトレイン

は、有り難い音楽であるのは充分に納得できますけれど、ちょっと崇高過ぎ

てわたしは苦手です。が、ここではこれまでの自身の音楽、ジャズのおさらい

をしながら、次の段階を模索して吹いて居る姿が見えるような気がしますね。

音も大変宜しい。おそらく本人が確認のため家に持ち帰ったモノーラル・プリントで

しょう。当然リマスタリングは施されていますが、嫌味のない響きです。

ジミー・ギャリスンのベイス、エルヴィン・ジョ-ンズがドラムズのトリオ編成で、

「ネイチャ・ボーイ」。

 

15.Nature Boy(3’23”)John Coltrane  

-Eden Ahbez- Impulse!  0060256739251

 

16.Testify(5’43”)Kamasi Washington  feat..Patrice Quinn(vo.)   

-K.Washington-  Young Trucks YT176CD

 

N  こちらも新譜。大きなレコード店では等身大ポップがあちこちに置いてある

カマシ・ヲッシュントンです。カマシは今ジャズの新しい流れの教祖みたいな立場にあるら

しいですね。わたしには4ビートの縛りから脱出してこの音楽が大きな可能性

を持ち始めた70年代初頭の響きと、何故か厚く重なって聞こえます。そんな

事をくどくどと話していました。来週日本にやって来ます。

さてこの後は、 みなさまの睡眠不足解消のために「真夏の早朝の子守唄

集」をお届けしました。わたしもこれを聞きながら、眠りたかった。

では「現」モーニン・ブルーズの夏メロをどうぞ。

 

17.カントリー・ホンク(3’06”)ザ・ローリング・ストーンズ

-M.Jagger, K.Richard-  ユニバーサル UICY-93796

 

18.Slack Key Medley(4’19”)Gabby Pahinui   

Nani Wale Lihue~Silver Threads Among The Gold~Wal’alae

-P.Lelelohoku, Kamakou,E.E.Rex, M.Kealaki-  Hula  CDHS-567

 

19.日暮れ(2’56”)ホセー・アントニオ・メンデス    

-C.Estrade-  エルスール 001

 

20.I’ll Remember You(2’29”)Kui Lee 

-K.Lee-  Sony  A28604

 

21.S’Wonderful(4’11”)Joao Gilberto 

-I.&G.Gershwin- Warner Bros. 9 45165-2

 

22.Happy Together(2’33”)Flo & Eddie

-unknown-  EP30006-2

 

23.River Of BabyLon(4’24”)Wingless Ageles    

-B.Dowe, J.McNaughton,G.Rayem, F.Farian-  Mindless nonumber

 

24.珊瑚礁の彼方に(3’04”)ミルス・ブラザーズ  

-J.Pitman- ユニバーサル UCCU-9026

 

25.島の唄(2’11”)ビリー・ヴォーン 

-King- ユニバーサル UICY 80038

 

N  如何でしたでしょうか。よくお休みになられましたか。

まずはザ・ローリング・ストーンズで「カントリー・ホンク」。

続いて冒頭で本人が「スラックキー・メロディ」と言っている「スラックキー・メドリー」、

伝説のハワイ音楽家、ギャビー・パヒヌイです。

そして共産主義革命前クーバの大衆歌謡、フィーリンから

「日暮れ」ホセー・アントニオ・メンデス。これも涼しい音楽でした。

ハワイに戻って「アイル・リメムバ・ユー」、クイ・リー。

今度はブラジル音楽の神様、ジョアン・ジルベルトで

ガーシュウィンの「スワンダーフォー」。

フロー・アンド・エディことタートルズのハワード・カイランとマーク・ボルマンで

レゲ版「ハッピ・トゥゲザー」。

そしてナイヤビンギのウイングレス・エインジェルズは

「バビロンの河」。

定番です、「珊瑚礁の彼方に」ミルス・ブラザーズ 。

最後は「島の唄」ビリー・ヴォーン楽団でした。

そして、眠っている方々に起きてもらうために、

アバの「アイ・ドゥ、アイ・ドゥ、アイ・ドゥ、アイ・ドゥ、アイ・ドゥ」を目覚ましに

お届けいたしました。

 

26.I Do, I Do, I Do, I Do, I Do(3’16”)Abba 

-B.Anderson, B.Ulvaeys-  Polydor  519 353-2

 

27.He Will Break Your Heart(2’46”)Jerry Butler

-Butler, Mayfield, Carter-  Not Now Music NOT2CD589

 

N  突然のビリー・バトラーは現在45年前の真相解明中の「恋のシーソーゲーム」の大元、

「ヒー・ウィル・ブレイク・ヨー・ハート」です。これのカヴァ・ヴァージョン、何かご存知でし

たら是非教えて下さい。

そして「フェス・ロンゲ」さんからの意外なリクエストで、

目線者頭で「気になる女の子」を、1分58秒お楽しみ頂きました。

 

28.気になる女の子(1’58”)メッセンジャーズ

-M.Morgan, J.Holier-  WPCR-14419

 

N  ここで今年の「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」のお話をしました。この

生放送の前日、踊りの練習会がありまして、そこでは裏方を務めております

がNHKの取材が入ったのでそれにも対応、その後はデイリー・スポーツの取材を

受けたりして、結構慌ただしかったのですよ。共に結構長い話をしました。

その前日は短波のラジオニッケイの番組収録があったりと、今週は大変でしたのよ。

で、その足で京橋入り。流石に少々バテてました。

でもそんな事は言ってられません。起きて聞いてくれる方々のために全力

投球。12回を過ぎても、タイブレイクはありません。

今年の出演者のひとり、鳴門家寿美若の「絆音頭」をお届けしました。

 

29.絆音頭(4’40”)鳴門家寿美若

-S.Mozu- テイチク TECA-12356

 

N  この頃には雨は上がり、風も治まっていました。修がスマフォを見て、「9時

には晴れだ」なんて言ってましたね。本来は台風襲来で大荒れの天気だった

筈。それでわたしもこんな1曲を用意していたのです。

 

30.嵐を呼ぶ男(2’54”)石原裕次郎    

-U.Inoue, M.Omori-  TECE-30842

 

31.おいらを呼ぶドラマ(0’51”)牛原寅次郎

-unknown-  アルファ TAMORI-3

 

32.Ooh Daddy(3’17”)Buddy Guy 

-t.Hambridge, R.Fleming-  Silverstone / RCA 19075812472

 

N  テレビの在京キー局を軒並み叩き潰し、最後には日本放送協会にも襲いかかる牛

原寅次郎の「おいらを呼ぶドラマ」を挟んで、バディ・ガイの「ウー・ダディ」、こ

のアルバムは本当に立派な出来です。70超えた音楽家が珍しくない昨今、長く居

るだけで「伝説的存在」などと安易におだてられがちですが、この位の事を

やってくれなきゃね。

そしてひょっとしたら新しい「伝説」の始まりかも・・・。

 

33.Rocket 88(3’03”)Natsuko   

-J.Brebston-  Local LPR-0001

 

N  全く知らなかった夏子というブルーズ女の『青い長靴下』というアルバムから、

「ロケッティエイティエイ」です。これには驚いたな。次の「ブルーズ・ウィズ・ア・フィーリング」

を聞いてすぐカウンターで尋ね、手に入れました。そしたら参加メムバには何人か知

り合いがいました。来週以降、ゆっくりお届けしましょう。

そしてこちらも。

 

34.Vaya Con Dios(3’42”)香西かおり

-I.J. Walden, B.Pepper, L. Russell, T.Otowa-  ユニバーサル UPCY-7074

 

N  一般的には「演歌」で括られてしまう香西かおり、彼女には民謡の下地があ

りまして、いつも主体性を持って唄っています。このアルバム『うたびと』も、

そんな姿勢の現れです。日頃とは違うリパトゥワを相性のいい音楽家たちと吹き

込んでいます。その冒頭曲は、この墨西哥歌謡でした。

まだ「ヴァイア・コンディオス」を告げるには早いので、もう1曲。

フィービ・スノウの「サンフランシスコ湾岸ブルーズ」、ジェシー・フラーがオリヂナルでした。

 

35.San Francisco Bay Blues(3’33”)Phoebe Snow

-J.Fuller-  ソニー SICP 8005

 

N  ここでちょっと操作の間違いがありましたが、すり抜けてマイアミの音、男です。

 

ジョージ・マクレーで「ロック・ヨー・ベイビー」、12インチ・シングルのヴァージョンです。

 

36.Rock Your Baby(6’03”)George McCrae

-H.Casey, R.Finch-  RCA KPBO 1004

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  生放送では、ジョージ・マクレーの名前をお伝えしていなかったようです。失礼。

「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」関連で、これからちょくちょくワツシが出て

参ります。お時間ありましたら、どうぞ。

 

ラジオニッケイ(短波)8月21日12時からの「中野アナへちょっと言わせて〜雷部屋」

ここで、少々お話をしています。

NHKテレビ(地上波) 8月24日11時05分からの「ひるまえホット」にも出演。

関東甲信越地域なら見られる筈です。

デイリースポーツは25日配信のオンラインに取材記事が掲載の予定。

この2日間ずっと同じ事を訊かれ、同じ事を話していたような気もします。

その他に生放送では、

レインボウタウンFMの8月16日18時30分からの「大江戸ワイドスーパーイブニング」

という大袈裟な題名の番組に出演予定があります。

そして、

8月29日水曜日と30日木曜日の「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」、

9月15日土曜日のピーター・バラカンの出前DJ vol.11、こちらは上越市にある

高田世界館という日本最古の映画館で行われるピンポンD.J.合戦、こちらでは、

写真より素晴らしい、生の本物に出逢えます。どうぞお越しください。

あ、9月2日には「船頭」も務めます。と言っても舵を取れるわけではない

ですけれどもね。隅田川に浮かべた屋形船の上です。詳しくは、こちらを。

今朝の特別付録は、ウェブ世界の何処かにもう上がって居る筈です。どうぞ

お楽しみ下さい。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/08/04

mb180804

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。暑さも当たり前のようになってし

まい、30度だと涼しいと感じる始末。今更ながら人間の適応性は凄いなあと

思い知らされる酷暑の毎日です。わたしは多汗症なので、一日数回Tシャツを着

替えます。脱いでそれを干して、また汗をかいて着替えて干しての繰り返し。

まだ8月は始まったばかり。あと27日間、こんな毎日が続きます。

さあ今朝も「幻」モーニン・ブルーズで暑い中を元気よく行きましょう。

ジム・ローダデイルの新譜から「タイム・フライズ」。

 

M01.Time Flies(3’19”)ジム・ローダーデイル  8/24

– unknown-  BSMF 6152

 

N  ジム・ローダデイル、新譜から「タイム・フライズ」でした。ノース・キャーフォーニャ生まれの

カントリー・ジェントーマン、ジム・ローダデイル。今回の作品は本拠地ナッシュヴィルで作られて

います。収録曲それぞれが大変宜しい出来で、質の高いアルバムですね。今の「タ

イム・フライズ」でもそれが伝わった筈です。言葉の音韻を大切にしている感覚が

随所に光っています。「ソングライタズ・ソングライタ」と呼ばれる由縁も、朧げながら

分かるような気分です。

さて次も新譜、とは言い切れませんが、新譜です。エミルー・ハリスの『ザ・バラッ

ド・オヴ・サリー・ローズ』、本来は1985年に出された正規の作品ですが、これに

その頃のデモ録音を加えて2枚組CDとして、この夏に発表されました。それ

らは所詮デモでしかないのですけれど、なかなか興味深い。85年ですと、まだ

ディジタル機器は普及してませんから、人間が実際に楽器を弾いて、唄って、そ

れを録音する形で楽曲スケッチをまとめて、関係者に回すやり方がほとんどだっ

た筈です。それでもエミルーの場合は恵まれていて、これはカセット録音ではないで

すね。別の録音セッションの空き時間にでも、ちゃんとしたスチューディオで録っておい

たのでしょうか。きちんと録音されています。しかもアレンヂが施される前で、

オーヴァ・ダビングやミクスも完全ではありませんから、より楽曲の姿がはっきりと

見えます。試しとは言え、詞曲もだいたい出来上がってる感じですね。唄な

んかは本番と変わらない。

ですけれど、今朝はまず仕上げられた正規の録音で聞いてもらいましょう。

表題曲です。「ザ・バラッド・オヴ・サリー・ローズ」。

 

M02.The Ballad Of Sally Rose(2’02”)Emmylou Harris  

Warner 08 1227934293

 

N  エミルー・ハリス1985年のアルバム『ザ・バラッド・オヴ・サリー・ローズ』、表題曲でした。

フェイド・アウト際のコーラス・リフレインがなぜかアバみたいに聞こえました。両者の共通

事項はありませんが、アバの制作関係者がエミルーを聞いていた可能性はあります。

でも特に意識していた訳ではないでしょう。アグネッタ・フォルツコグとフリーダ・リングス

タドの唄が、いくつも重ねられたエミルーの声と似てくるのかな。

さてこの作品『ザ・バラッド・オヴ・サリー・ローズ』は、エミルー・ハリスがブルース・スプ

リングスティーンの『ネブラスカ』を聞いて心を打たれ、「歌の作り手として再出発した」

アルバムと言われています。この頃グラム・パースンズと親交が厚く、そのため制作

面にもかなりの影響を及ぼしていたようです。

主題はサリー・ローズという女性の物語で、今のはその主題歌代りでしょうか。そ

してアルバムの中ではこんなユーモアも聞かせてくれます。

「のっぽのサリー・ローズ」。

 

M03.Long Tall Sally Rose(1’33”)Emmylou Harris   

– E.Harris,P. Kennerley-  Warner 08 1227934293

 

N 「ロング・トール・サリー・ローズ」でした。リトル・リチャードほどの破壊力はありませんで

した。このサリー・ローズという女性は、ある意味で彼女自身らしいです。確かに

エミルーは背がスラッと高いですね。ジャケット内のあちこちに登場するエミルーは、とても

美しい。

さて、追加トラックとともに再度仕上げられた『ザ・バラッド・オヴ・サリー・ローズ』、

これを今また発表するからには、それなりの深い意図があるのでしょう。そ

の真相は・・・、ちょうど時間となりました。

ではアルバム最終曲「スウィート・チャリオット」をどうぞ。

 

M04.Sweet Chariot(3’01”)Emmylou Harris  

Warner 08 1227934293

 

 

N   「スウィート・チャリオット」、エミルー・ハリスでした。かなり抽象的な言葉が綴られていま

す。重くのしかかる「生と死」、キリスト教義を背景に書かれたものである事は間

違いありません。

丁寧な冊子には詳しい録音詳細も載せられています。エミルー・ハリスの『ザ・バ

ラッド・オヴ・サリー・ローズ』、もう少し深く聞いて見る必要がありそうです。

「ザ・バラッド・オヴ・サリー・ローズ」

「ロング・トール・サリー・ローズ」

「スウィート・チャリオット」、今朝は以上3曲を正規録音で聞いていただきました。

 

M05.天国への扉(2’31”)ボブ・ディラン

-B.Dylan-  ソニー  SRCS7531

 

N  極めて無愛想なフェイドアウトは、ボブ・ディランの「天国への扉」でした。これは『グ

レイテスト・ヒッツ第三集』からのトラックです。彼のヒット集は『第二集』まで持っていま

したが、『第三集』があったのは知らなかった。初めて見ました。で、収録曲

目を見ると、成る程とうなづける歌ばかり。改めてヒット歌手なんだと認識した

次第です。私がボブ・ディランに開眼した「ブラウンズヴィル・ガール」も入っていま

した。シングルにはなってない筈ですが、彼自身の選曲によるこの『グレイテスト・

ヒッツ第三集』には堂々の入選です。ザマアミロ。

あ、ここで中継がつながりました。苗場のフジロック会場にいる、澤田修リポータ

ーです。オサムさん、オサムさん、聞こえますか・・・

 

はい、澤田修です。時差の関係でこちらはまだ7月29日(日曜)です。ボ

ブ・ディランの出番は18時50分に始まりました。4万人収容のメインステージに予定

時間より2、3分早く現れると、ゆる~く始まりました。ときおり強い風が吹

くなか、ディランさんは終始ピアノを演奏。途中、ニヤッと笑ったり、ピアノ・ソロのパー

トで立ち上がったりしていました。最近お気に入りのフランク・シナトラのカヴァーはな

し!フェス仕様の選曲だったようです。「追憶のハイウェイ61」、最後に披露した「風

に吹かれて」が良かった。ディラン後方のサポート・ミュージシャンは、曲のイントロ部分で

ディランの手元をのぞき込んでいたので、選曲は直前に決まっていないんでしょ

うか。台風直撃が予想されていたので「張剣」やって欲しかったですが、い

まのマッタリとしたセットには 合わないですね。MCはなし、最後はステージから「どう

だ!」と言わんばかりに観客をにらみつけるようにして去っていきました。

ぽか~んと聴いている若者や、もの凄く真剣に聞き耳立てているご年配ロッカー

がいたりして面白い風景でした。演奏曲目をお知らせしておきます。

1.Things Have Changed

2.It Ain’t Me, Babe

3.Highway 61 Revisited

4.Simple Twist Of Fate

5.Duquesne Whistle

6.When I Paint My Masterpiece

7.Honest With Me

8.Tryin’ To Get To Heaven

9.Don’t Think Twice, It’s All Right

10.Thunder On The Mountain

11.Make You Feel My Love

12.Early Roman Kings

13.Desolation Row
14.Love Sick

15.Ballad Of A Thin Man

16.Blowin’ In The Wind

 

はい、ありがとうございます。暑いでしょうね、昼間は。来週は生本番です。どうぞご無事でお帰り下さい。

ではボブ・ディラン、『グレイテスト・ヒッツ第三集』から

「いつまでも若く」。

 

M06.いつまでも若く(4’58”)ボブ・ディラン  

-B.Dylan-  ソニー  SRCS7531

 

M07.Lay Lady Lay(4’36”)

Buddy Guy feat. Anthony Hamilton, Robert Randolph

-B.Dylan-  Silvertone / RCA  82876-72426-2

 

N  「いつまでも若く」に続いたボブ・ディランの書いた楽曲「レイ、レイディ、レイ」、

こちらは、バディ・ガイとアンソニー・ハミルトンの唄、間奏のスティール・ギターはロバート・ランド

ルフでした。

バディ・ガイのアルバム『ブリンゲミン』からです。2005年の作品ですね。企画制

作はスティーヴ・ジョーダン。 わたしがとても気に入っている最新作『ブルーズ・イズ・

アライヴ・アンド・ウェル』の責任者と同じくドラマー / プロデューサーです。流石にスネア・ド

ラムの音がいいですね。これによって、全体が締まっています。アルバムは「多く

のゲストを招いてのカヴァ集」と言えなくもない成り立ちです。この他に「99.5」、

「ドリームズ・トゥ・リメムバ」「消えゆく太陽」なども入っています。この手の企画

をわたしは決して嫌いではありませんが、この盤からは若干安易な制作姿勢

が感じ取れます。スティーヴの好きだった歌をバディにゲストを当てがって唄わせて

いる、みたいなね。

その中で、今の「レイ、レイディ、レイ」と、次のこれは良く出来ていました。

カーロス・サンターナとのエレキ巌流島決闘が間奏で聞けます。

「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー〜呪いかけてやる」。

 

M08.I Put Spell On You(4’04”)Buddy Guy

-J.Hawkins-  Silvertone / RCA  82876-72426-2

 

M09.You Did The Crime(6’53”)Buddy Guy feat. Mick Jagger   

 

N   バディ・ガイ、カーロス・サンターナ との激闘で「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー〜呪い

かけてやる」でした。

続けたのはバディ・ガイの最新作から「ユー・ディドゥ・ザ・クライム」、ハーモニカはマイケ

ル・フィリップ・ジャガーでした。

こちらのアルバムは各曲の並べ方もがとても上手く行っています。絶妙の繋ぎ

です。CD時代になって、「瞬時に順番は変えられるからアルバムの曲順なん

て関係ない」とずいぶん乱暴な事を言った人がいるけど、わたしにとっては

曲順は大事な点です。ファイルでしか聞かない人たちの感覚はどうなの でし

ょうか。

さてその最新作『ブルーズ・イズ・アライヴ・アンド・ウェル』の「ブルー・ノー・モー」で

バディとデユーオを披露したジェイムズ・ベイ、わたしはこれまで彼の存在すら知ら

なかったのですが、ここで甚く気に入り他の作品を聞いて見たくなりました。

2018年発表のアルバム『イレクトリック・ライト』が見つかったので、手に入れて聞いて

みました。

全体からの印象は「現代のピンの唄い手」ですね。残念ながら伴奏がうるさ

過ぎるような印象で、「ブルー・ノー・モー」並みの唄には出会えませんでした。こ

れまでに沢山の作品を発表しているようですが、みんなこんな感じなのかな

あ、どうでしょう。あなたは何かご存知ですか。その中で1曲これは聞けた。

アルバム最終曲です。「スライド」。

 

M10.Slide(3’24”)James Bay

-J.Bay, J.Green, A.Ginsberg-  Republic00602567413615

 

M11.ハイアー・アンド・ハイアー(4’38”)エルヴィン・ビショップス・ビッグ・ファン・トリオ

-C.Smith, G.Jackson, R.Miner-  Pヴァイン  PCD-24748

 

N  いつリズムが入って来るのか、と思いつつ最後まで聞かされてしまいました。

エルヴィン・ビショップス・ビッグ・ファン・トリオの「ハイアー・アンド・ハイアー」、大胆なアレンヂで

すね。よく耳を傾けていると、間奏後のストップ・ブレイクほか聞きどころが沢山

ありますよ。原曲は惹起ウイルスンでした。

さて先週は西アフリカのJ.B.性感冒患者を何人かご紹介しました。今朝はパナマ

隔離病棟からお届けしましょう。『パナマ!  この地域のラテン、カリプソ、アンド・ファン

ク音楽集』という編集盤がありまして、これが面白い。大編成のヴォーカル・アンド・

インストゥルメンタル・グループは、殆どがジェイムズ・ブラウンの影響過大なダンス音楽を演っ

てます。あなたも聞いているうちにきっと嬉しくなって来るでしょう。

まずはリル・フランシスコ・グリーヴズで「ムーヴィン・グルーヴィン」。

 

M12.Moving-Grooving(2’58”)Little Francisco Greaves

-F.Greaves-  Sound Way  SNDWCD018

 

N  面白いでしょう、「ムーヴィン・グルーヴィン」。リル・フランシスコ・グリーヴズでした。

J.B.そっくりさんパナマ地方予選、次に行きます。

J.B.とボビー・バードの掛け合いを再現しようとしましたが、激情家と

のんびり屋では上手く噛み合わないようですね。

ソウル・アパロとフレデリック・クラークで、「チョムボ・パラ・ティエンダ」。

 

M13.Chombo Pa’ La Tienda(3’16”)Soul Apollo with Fredrick Clarke

-F.Clarke-  Sound Way  SNDWCD018

 

N  極東からの乱入者があったようですが、事なきを得ました。ソウル・アパロと「チ

ョムボ・パラ・ティエンダ」、ソウル・アパロとフレデリック・クラークでした。以上2曲、共に重

度ジェイムズ・ブラウン性感冒患者です。J.B.の影響力の大きさは、計り知れません。

次も同類の音楽ですが、この作者表記は「James Brown」とあります。「パ

パのヌー・バグ」のつもりなのでしょうか。わたしにはそう聞こえませんでした。

付属解説小冊子の音楽分類では、「ソウル・ブーガルー」になっています。

ディ・イクサイターズ、「ヌー・バグ」。

 

M14.New Bag(6’27”)The Exciters   

-J.Brown-  Sound Way  SNDWCD007

 

M15.We Are The Nightowls(2’29”)The Nightowls  

-unknown- BSMF   REND-0005

 

N   はい、こちらは北米大陸の南西部、テキサスの州都オースティンを本拠地とする10

人組。やはりJ.B.流ファンクを基本としているようです。新譜『ザ・ナイトアウルズ』

から、最後に収められているメムバ紹介トラック「ウイ・アー・ザ・ナイトアウルズ」でした。

管が入った大型バンドという形ですと、ファンク調になるのは避けられないとこ

ろ。このナイトアウルズもそうだろうと思っていましたが、意外な事に80年代の

柔らかめのロックが得意なようです。女性二人がヴォーカルを取ります。このハーモニー

もよく考えられていて、ブラス・リフ一発で押しまくるありきたりのバンドでは

ありませんでした。

お聞きください、「リフト・ミー・アップ」。

 

M16.Lift Me Up(3’50”)The Nightowls  

-unknown- BSMF   REND-0005

 

M17.Hungry Heart(3’23”)The Blue Beaters 

-B.Springsteen-   Record Kicks  RKX048

 

N  続きましては、イターリアの7人組スカ・バンド、ザ・ブルービーターズ。このカヴァには

驚かされました。ブルース・スプリングスティーンの「ハングリー・ハート」です。ブルースの仕様

でしか成立しないような楽曲ですが、演れるもんですね。

彼らはあのスカタライツが憧れなのでしょうか、普段サキソフォン1本ですが、アルバム制

作時にはパツラを2本加えて、大時代な音響再現に挑んでいます。その傾向が

最も特徴的な1曲をどうぞ。

「ロール・ウィズ・イト」。

 

M18.Roll With It(3’41”)The Blue Beaters 

-Gallagher-  Record Kicks  RKX048

 

N  レゲの普及は世界の音楽地図を塗り替えた、とわたしは常々考えています。

ブルービーターズもイターリアにいながら、カリブの小さな島国の大きな影響を受けてい

るグループでしょう。

2015年発表のこのアルバム『エヴェバディ・ノウズ』は殆どが英語詞の歌で、わた

しは少々それが不満。地中海仕立のスカが聞きたかったなあ・・・、とその時、

聞こえてきました、アラ・カンツォーネ。

 

M20.La Mia Geisha(3’04”)The Blue Beaters 

-Tenco-  Record Kicks  RKX048

 

M21.Inviting You(1’06”)Wingless Angels

-trd.-  Mindless nonumber

 

M22.I Write My Name / Good Morning(6’25”)Wingless Angels     

-trd.-  Mindless PHCR-1858

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  アラ・カンツォーネ、ブルービーターズの最後は「ラ・ミア・ゲイシャ」、イターリア語のスカです。

カリブではなく、地中海の太陽が輝いていました。

そして最後はカリブに飛んで、ウイングレス・エインジェルズのデラックス仕様2枚組から

「インヴァイティング・ユー」そして「アイ・ライト・マイ・ネイム〜オハヨ」のメドリーでした。

キングストンのホテルに泊まっていた時、毎朝決まってどこからともなくこの歌が

聞こえて来る、という素晴らしい体験をした事があります。気持ち良かった

ですよ、本当に。今は近所のディジタル時計の目覚まし音、快くはないですね。

来週は真夏の生放送。今、修との取り決めでは午前2寺からわたしの担当。

もう3時間も怖くない、という訳ではないので、これから事前準備です。リクエ

ストも貰ってます。待っててね。84.0MHz、中央エフエム、8月9日午前2時のアサー。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/f861ea85ec3dce830deb1a16ece3ced05c216f5f

ダウンロード・パスワードは、pmt1di79です。写真は別のヨガマット。これいいね。

 

なお、8月29日、30日開催の「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」、諸所の

変更で混乱しております。申し訳ありません。生放送で少し具体的にご案内

も致しますのでお聞き下さい。あ、短波放送や NHKの取材もあったな。

放送日が分かったらば、こちらもお伝え致します。お提灯の締め切りは8月

10日です。お遅れになりませぬように。詳しくはhttps://www.iyakorase.com

でお確かめ下さい。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/07/28

Mb180728

前TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。ここ3日間は比較的気温が下がっ

ていますが、相変わらず寝苦しい夜が続きます。昼間は更に暑く、「幻」ツイター

によれば「運動大会中止のススメ」が叫ばれているとか。京都の祇園祭で花傘巡

行が中止になりました。賢明と言うか妥当な判断です。

世界各地も同じように暑いようですが、2年後の「民族の祭典」を懸念する

声もそこら中から上がり始めています。でも、開催を決めた2013年の頃から

この灼熱地獄は続いてるのですよ。京都議定書から逃げてた大国や、同じよ

うな生産活動を続けて環境をより酷くし続ける人類の悪行を読めなかったの

かな、IOC委員たちは。ただ私がゴリンパラリン東京大会に反対なのは「暑さのせ

い」だけではありません。

こんな時には、もっと暑いカリブの島国から激熱風をお送りしましょう。

M01.ジャマイカ事情(4’20”)ランキン・タクシー

-T.Shirahama-  ワツシ WAZCD-002

N  ランキン・タクシー「ジャ—メイカ事情」でした。先週ハリー・ベラフォンテでお送りした「さら

ばジャメカ」を聞いていたら、この「ジャ—メイカ事情」は、かの歌から相当な閃き

を貰っているな、と30年経って気がつきました。「マーケットに出かけてみれば肝

っ玉母さん高笑い・・・」の行りなんかは、ほぼ「美しい顔」級の流用です。

そもそも旋律が「イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン」ですしね。制作中にその指

摘を受けたランキン・タクシー本人は「大丈夫だよ」と言っていましたが、どういう

根拠があったのでしょうか。著作権侵害は親告罪ですから、権利者が訴えな

い限りは「噂」や「俗説」に過ぎません。大抵は周辺の誰かが言い出しても

「まあ、いいんじゃないの」で終わってしまいます。この場合はあまりに唄

が不味いので、気づかれなかった、と言うところでしょうか。ランキン・タクシーで

「ジャ—メイカ事情」でした。

さて、島国からの激熱風、今度は上手な唄です。

ジャック・ラディクスで「ジャメイカ・セイ・ユー・ウィル」。

M02.ジャマイカ・セイ・ユー・ウィル(4’01”)ジャック・ラディックス

-J.Brown-  ポリスター  PSCW-5006

N  「ジャメイカ・セイ・ユー・ウィル」ジャック・ラディクスでした。オリヂナルはジャクスン・ブラウン。

「ジャメイカ」というのはかの島国ではなく、恋人の愛称でしょう。「教えてくれ

よ」としきりに呼びかけています。

このカヴァの録音は1993年の2月、キングスンはセイントルチアのジャミーズ・スチューディオ。

比較的早く設定された朝のセッションにジャック・ラディクスは定刻通り女性の付人を従

えて現れ、即座に通して唄い上げ、企画制作責任者の「ヴェリイ・グーッド、オーケイ」

の合図に、「済まないが、もう一度だけ唄わせてくれよ」と言ってこのテイクを

仕上げました。「史上最も順調だったヴォイシング」と当の制作者は語っています。

音楽的民族で知られるジャメイカ人の中には音痴もいる訳で、かの制作者は実

際にまるで唄えない現地人にも出会っていますが、やはり彼らは圧倒的に唄

が上手。何よりも音楽が大好き。フランキー・ポールも先のジャック・ラディクスと同じく

バリトーン帯域の魅力的な声で唄ってくれます。

「ラーヴ・ハズ・ファウンド・イッツ・ウェイ」。

M03.Love Has Found It’s Way(4’45”)フランキー・ポール

-unnkown-  boomshot BS-2116

N  「ラーヴ・ハズ・ファウンド・イッツ・ウェイ」、フランキー・ポールでした。これは2013年に

作られた、デニス・ブラウンのヒットを集めた『リスペクト』と言うアルバムからのカヴァ仕様。

オリヂナルは1982年にA&Mから出た同名アルバムに収められていました。日本国

内でも発売されています。とてもクールなラヴァーズ・ロックのお手本のような仕上げ

で、わたしは初めて聞いた時の印象を今も覚えています。

ではそのデニス・ブラウンも聞いてみましょう。1972年のヒット曲です。

「マニ・イン・マイ・ポケット」。

M04.マネー・イン・マイ・ポケット(2’24”)デニス・ブラウン

-D.Brown, J.Gibson-  ポリスター IBXCD 517 399-2

N  ジャック・ラディクス、フランキー・ポール、そしてデニス・ブラウンとジャメカの男ディーヴァが並

びました。ランキン・タクシーに悪かったかな。こうなったら、同列の唄の上手な男

を、もう一人聞きましょう。

グレゴリー・アイザクスです、「ナイト・ナース」。

M05.ナイト・ナース(3’56)グレゴリー・アイザックス

-G.Issacs, S.A.Weise-  ポリスター IBXCD 517 399-2

M06.Ten To One Dub(2’23)King Jammy

-unknoun-  Rhino RNCD 2046

M07.Slow Motion Dub(3’10”)King Jammy

-unknoun-  Rhino RNCD 2046

N  グレゴリー・アイザクスで「ナイト・ナース」、住み難いダンスホール時代を歌手の立場で牽引

したグレゴリー、それまでの3人とは違う、新しいスタイルを打ち出した90年代の

ジャメイカン・シンガーでした。

続けたのはキング・ジャミーのダブワイズふたつ、「テン・トゥ・ワン」と「スロウ・モーション」。

このダブもジャメカから生まれた革命的なミクス手法ですね。後のリミクスの流れはも

ちろん、20世紀末には音楽そのものの概念を大きく変えるキッカケになりました。

厳密に独立した音の並んだマルチトラックを使ってならば容易にできますけれど、

そもそもはステレオ・ミクスと言う変えようの無い状態の音を、貧弱な周辺機器で

面白く作り直す。ここには何かひとつを手にしたらトコトン、テッテテキニに髄の全て

を絞り出すまで使い回す、物質的に貧困な状況を創意工夫で乗り超えていく

この島の伝統が感じられます。

さて次はナイヤビンギの大御所、ザ・ミスティック・レヴェレイション・オヴ・ラスタファリです。

彼らにもわたしは「物質的貧困状況を乗り超える島の伝統」を感じています。

取り敢えず、ここにある物を使って何か演ってみよう、と言う心意気ですね。

名曲「ウェイ・バック・ホーム」をどうぞ。

M08.Way Back Home(4’50”)The Mystic Revelation Of Rastafari

-W.Felder- Dejavu Retro R2CD 40-74

M09.毎日いつも同じことZame Kotan(3’11”)ランディゴ

-H.J.O.Araste-  オルター・ポップ AFPCD-36359

N  「ザメ・コンタン」と言う繰り返しがタイトルです。先週もお届けしたランディゴのアルバ

ム『コムサ・ガヤール』から「毎日いつも同じこと」をお届けしました。このアルバム

は本当に充実してますよ。しかも変な衒い、外連がないのがいいですね。実

に好感が持てます。今年の「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」及び「スキヤキ・トーキョー」に

も出演が予定されています。わたしも観たいのですが、「ザ・ビゲスト・トーキョー・

ボン・ダンス・フェスチボー」と重なった日程で、どうかなあ、行けるかなあ・・・。

ランディゴ、アルバム『コムサ・ガヤール』からもう一曲行きましょう。

ちょっと毛色の違う歌です、「スヴナン」。

M10.スヴナン(4’11”)ランディゴ

-H.J.O.Araste-  オルター・ポップ AFPCD-36359

N  インド洋のレユニオン島の現在進行形音楽、ランディゴの「スヴナン」でした。わたしが

このグループ、そしてレユニオン島の音楽を聞いたのは、今年が初めてでした。その

時なぜかギリシアを連想しましてね。長い事聞いてなかったアルバムを取り出しま

した。

M011.モネム・ヴァッシア(2’26”)マノリス・マルタス / ニコス・マルタス / ミカエル・マヴロン

-trd.-  キング KICW 1027

N  これは「カルパトス島の酒飲み歌」と言う副題のついている「モネム・ヴァッシア」と

いう歌です。わたしの貧困な感性は、瞬間的にアイルランドの音楽を連想しました。

このアルバム『神々の宴〜ギリシアの民族音楽』は、近代ミーディアなど外部の影響を

受けていない農村の古老たちが奏でる音楽を録音しているそうです。ただ、

だからと言って、ギリシアが栄えていた紀元前10世紀の音楽ではありません。

使われている楽器から考えて、中世以降の音楽形式ではないでしょうか。今

の「モネム・ヴァッシア」にはリュートが使われていました。

この歌は結婚式のような規模でない祝いの宴で、歌い手が一人ずつグラスを

空けるように促しながら唄って回るんだそうです。琉球の「オトオリ」のような

風習でしょうか。次は踊りの音楽です。

「ディゲニス」。

M12.ディゲニス(2’52”)

コスタス・ブザマニス / キリアコス・コストウラス / スタヴロス・スタヴリディス / ヨルゴス・ゲヴゲリス

-trd.-  キング KICW 1027

N  「ディゲニス」でした。時計回りの逆に動きながらの振りが付けられていて、

列の前半を男性、後ろに女性が、それぞれ年齢順で並ぶんだそうです。これ

はギリシアの民族舞踊の最も基本的な形なんだそうで、基本ステップを自由に崩し

て踊れると言いますが、わたしには今ひとつピンと来ません。今の「ディゲニス」

以外でフェイド・アウト処理が施されているのは、おそらくその後で延々と繰り返

されるからでしょう。ダンス音楽に共通する点ですね。

これもおめでたい席で唄い、踊られる音楽です。そして宴がお開きになる

頃には、次のような器楽曲が奏でられます。

M13.挽歌(3’05”)

ゲオルギ・ブラチョプロス/ アレクサンデル・ツマス / ディミトリス・ツァキリス / エルモラオス・コンソラス

-trd.-  キング KICW 1027

N   ギリシア北西部、山岳地帯のエルピスに伝わった器楽曲「挽歌」でした。クラリネット、

リュート、フィドル、そして箱に貼った弦を釘のようなバチで叩いて音を出すサントゥーリ

と言う楽器で演奏されていました。アラブ系音階も顔を覗かせていまして、大

陸の繋がりを感じますね。ほとんどがその時の気分、即興のようです。大し

たものだ。

M14.セラニツァ(2’35”)ゲオルギ・アマランティディス / ダーウリ

-trd.-  キング KICW 1027

N  こちらは7拍子、2拍2拍と3拍の変拍子を持ったケメンツェと言う三絃を馬の

毛の弓で弾く楽器のインストゥルメンタル。ポントス地方の早いテムポーのダンス音楽です。

このアルバムに収められている楽曲の殆どに特定の振りが付いていて、その説

明はかなり厳密です。男女がハンカチ越しに手を繋ぐと言う奥床しい踊りもあり

ました。写真を見るとそれぞれが伝統的な民族衣装を着込んでいまして、ち

ょっと近寄り難いですね。この暑い時期に大阪府南部で毎晩繰り広げられる

フィーヴァーほどの無資格無条件さではないように見えます。

しかしながら、このアルバム『神々の宴〜ギリシアの民族音楽』を通して聞きま

して、ギリシアではどの地方にも、即興性を重視したかなり充実した歌と演奏、

踊りがある事の素晴らしさを実感しました。以前手に入れた時にはビートが掴

めず、難解な印象しかなかったのですが、求めているものが違ったのでしょ

うか。

さて『神々の宴』から最後に聞きいて貰うのは、こちらもダンス・ミュージック。

「われアラピアに行かん」。

M15.われアラピアに行かん(2’41”)

ヴァンゲリス・ディムーディス / アントニス・ゾラス / ヨルゴス・イェヴェゲリス

-trd.-  キング KICW 1027

M16.ギリシアの歌(2’09”)荒木一郎

-I.Araki- ビクター VDR-25188

M17.エーゲ海に捧ぐ(2’52”)エンリコ・モリオーネ

-E.Morricone-  コロムビア  COCP-36122/3

N  突然の歌謡曲、荒木一郎で「ギリシアの歌」でした。もちろん彼の自作です。

赤い空 高い山 青い青い海は呼ぶ

誰も知らない 小さな幸せが

ひとつ位は あるかも知れない

この辺りは悪くないですね。でも編曲がギリシアと全く無関係なアメリアッチ、テキサス

/メキシコ系音楽です。多分流行り始めたティファナ・ブラス路線に便乗しようとしたので

しょう。担当は服部克久で、先ほどまで聞いてきた『神々の宴』にあった要

素は微塵も感じられません。恐るべし歌謡曲の底力です。

その次は池田満寿夫監督の映画「エーゲ海に捧ぐ」サウンドトラックからエンリコ・モリオー

ネの主題曲。ヴァイオリン演奏は佐藤陽子です。わたしの頭の中では「エーゲ海に捧

ぐ」と来ればジュディ・オングと繋がっていたのですが、直接の関係はないので

すね。知らなかった。本編の方は原作を読んでおらず肝心の映画も観ていな

いので、どこの場面なのか想像もつきません。銃声がしました。お分かりの

方はいらっしゃいますでしょうか。

わたしの知識の上でギリシアと何らかの関係がある音楽は、この位しか出て来

ません。あ、「日曜日はダメよ」は舞台がこの国だったかな。そもそも先のラン

ディゴの本拠地レユニオン島がギリシアの側ではないか、と言う自体が大きな思い違い

であります。演奏者名を書き移していても全くチムプンカムプン。「ああ、これはヂ

ョーヂだな」、「これはマイケル」、「おっ、ヴァンゲリス」と言った次元です。その他で

は横浜のギリシア料理店「ミコノス」、あとはクレタ島くらいしか知りませんでしたから。

あとは・・・、福澤幸雄のお母さんはギリシア人ではなかったでしょうか、こん

なものです。

ただし何故か昔から憧れの地のひとつでありまして、死ぬ前には一度だけ

足を踏み入れたいと願っております。でも国家経済が破綻してるからなあ。

この暑い中、首都アテネ近郊では大規模な山火事が起きて、100人に近い死者も

出ています。火は止まったのでしょうか。以上、「2018年ギリシアの旅」でした。

さて時空を超えて旅する「幻」過去未来移動装置「モーニン・ブルーズ」号、次

は1970年代の西アフリカの小国、ベニンへひとっ飛び。

M18.ア・ミン・ウェ・ヴォ・ヌ・ウェ(6’17”)レ・シンパシック・ド・ポルト・ノーヴォ

-unknown-  ライス AAR-3228

N  また馴染みのない音韻が出て来ます。レ・シンパシック・ド・ポルト・ノーヴォと言う

演奏集団の「ア・ミン・ウェ・ヴォ・ヌ・ウェ」でした。おそらく1978年の録音でし

ょう。これはアルバム『アフリカン・スクリーム・コンテスト』の第二集の冒頭曲です。この大

会は実際に行われたものではなく、ドイツの再発レイベル、アナログ・アフリカがまとめ

た、アフロ・ビート確立前のヴォーカル・アンド・インストゥルメンタル・ダンス・ミュージック・グループ

の貴重音源盤です。簡単に言えば「ファンク」でひとくくりにされる類の音楽で

すが、その味わいは千差万別。それぞれが独自の機軸で完全無比なビートを探

っています。共通するのはジェイムズ・ブラウンの影響で、彼が北米大陸で試行錯

誤を繰り返していたやり方を誰もが踏襲しています・・・と、言って良いの

かな。

J.B.があのスタイルを作って行く時に果たして具体的にアフリカの民族音楽を参考

にしたかどうかは疑問です。わたしは北米のゴスペル、R&Bを研ぎ澄ませて行

くうちにアフリカ人の血肉骨が蘇って来て、あのような形を作るに至った、そし

てそれは、母なる大地アフリカで暮らす同朋たちの心を、極めて刺激する感覚に

彩られていた、J.B.も同じように完全無比なビートを探っていたのだ、と考えて

います。

キンサシャのボクシング・ヘビー級世界選手権の余興としてJ.B.がアフリカを訪れたのが

1972年。その熱狂的な歓迎のされ方は遠い昔にヴィディオで観ています。この

時の彼は、現地で実際に録音セッションを行ったようで、きっと絶大なる影響を残

して帰って行ったのだろうと想像します。その結果、大勢で演奏する、イレクトリ

ックでJ.B.的なダンス音楽が都市部のダンスホールで一般化して行ったのでしょう。

『アフリカン・スクリーム・コンテスト』の第一集は「J.B.スタイル・コンテスト」と言ってもよい内

容でしたが、この第二集も負けず劣らずJ.B.流の呼応形式を核とした、ヴォーカ

ル・アンド・インストゥルメンタル・ダンス・ミュージック・グループが競い合っています。では聞

いて行きましょう。

アントワーヌ・ドゥベと言う個人名義ですね、「ヌー・ニニョン・マ・クポン・ミジ」。

M19.ヌー・ニニョン・マ・クポン・ミジ(5’57”)アントワーヌ・ドゥベ

-unknown-  ライス AAR-3228

N  1947年生まれのアントワーヌ・ドゥベ、76年の作品で「ヌー・ニニョン・マ・クポン・ミジ」

でした。

この『アフリカン・スクリーム・コンテスト』の第二集に収められているトラックのでは当時最

先端の飛び道具ワウワウを使ったエレキギター、電気オルガンがフィーチュアされていますが、

今ひとつ説得力がありません。オルガンはハモンドとレズリーの組み合わせではなく、

ヴォックスのようなひ弱な音ですね。共に不安定な電圧のせいでしょうか。それ

でも高い志は伝わりますし、未だ2/4拍のスネアの位置が絶対的に定着していな

い辺りのビートの探り具合にはスリルを感じます。

次のニョナス・ペドロ & ヒズ・ダジェス・バンドでは、ギターのリズム・カットがほぼJ.B.

と同じです。逆にこっちがオリヂナルじゃないか、とも思えるような確かさで聞

こえて来ます。途中で英語講座も開設されます。

「愛の価値」。

M20.愛の価値(6’19”)ニョナス・ペドロ & ヒズ・ダジェス・バンド

-unknown-  ライス AAR-3228

M21.プナニー(3’38”)アドミラル・ベイリー

-D.Thompson-  ポリスター IBXCD 517 399-2

後TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  『アフリカン・スクリーム・コンテスト』の第二集から、非常にモダーンな響きのニョナス・ペドロ &

ヒズ・ダジェス・バンドで「愛の価値」。それに続いては今朝の振り出しに戻って、

ジャメカ80年代後半のダンスホールを塗りつぶしたリズム「プナーニ」でした。あの特徴

的なリフレインはまだアドミラル・ベイリーの節回しの中に留まっているのが、なんとも

面白い。この後、レゲ音楽は大きく方向を展開させて行きました。1987 年の

作品です。

生きたまま火葬されてしまいそうな昼間は図書館に避難しています。毎日3

回はシャワーを浴びるのですが、水が全然冷たくなくて、体が冷えない。屋外プー

ルは水温36度とか。これではお風呂ですね。皆さんもどうぞお気をつけ下さ

いませ。

先週のご質問にお答えします。「BKO」は元ベカオ・カンテットの新しい呼び名で、

「ベカオ」。ただそれだけでもない。西アフリカ、マリの首都バマコ空港の略式表記、

成田がNRT、ヌー・ヨーク・ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ空港がJFKとなるのと同

じですね。

特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/c67e1ecc4a74a556aece38f00c9db9df0090e2d4

ダウンロードパスワードは、zueqg2xyです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/07/21

mb180721

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。「異常」を通り越して「危険な」

暑さです。わたしには地球が悲鳴を上げているように思えます。

今朝は特別に皆さんだけに、この暑さを解消する方法を伝授いたしましょ

う。それは今すぐ、冷房を切る事です。それもひとりじゃダメ。全員でやるん

です。みんなクーラー使ってるでしょ。あれは熱気を外へ異常なほど輩出してい

るのです。だから外気温が高くなる。室外機の側へ行って御覧なさいな。高

級乗用車だけでなく、今やバス、ダムプ、軽トラまでクーラーは当たり前。これらも

全部停止。そうすれば気温は、特に過密した都会の中心部では絶対下がるに

決まっています。あくまでも全員でやるのが条件です。抜け駆けは死罪、無

期懲役、あるいは重税を課す。「非合法冷房飲食店」が摘発されたりしてね。

禁酒時代みたいです。

と言っても核兵器と同じで、一度持ったら手放せない文明の利器。玉手箱

を開けてしまった人類は、果たして何処へ・・・。

こんな時は居直って、灼熱大陸から激温風を送ります。

ベカオ・カンテットで「ビー・ケイ・オウ・ナナ」。

 

M01.BKO nana(3’37”)ベカオ・カンテット

-unknown-  アオラ  BNSCD-5511

 

N  演奏終了後に調整室からトークバックで「サバー、どんな感じかな」と声が掛かり

ます。それに答えて、聞こえませんが多分「ツバチリだよ」という感想が返され、

再び調整室から「メルシー、ありがとね」の答えでセッション終了。理想的な進行状況が

伝わって来ます。

西アフリカ、マリの伝統を基としながらも、現在進行形の世界感覚を併せ持ち、

電化する事で響きを更に力強くしているベカオ・カンテット、最新作『マリ・フォリ・コーラ』

は、どの断面にも逞しい生命が宿っています。 今の「ビー・ケイ・オウ・ナナ」は

前作に同名のトラックがありましたが、それとは別の楽曲。演奏が進むにつれて

段々と同時代的な要素が加わって来る、それも新しい音色をオーヴァ・ダビング

して行くのではなく、唄い手、各楽器担当者の感性がより研ぎ澄まされて来

ているように聞こえます。熱いけれども不快ではない気持ちの良さでした。

しかし、暑い。次はインド洋からの激温風です。

ランディゴの最新アルバム『』から、「アイナマ」。

 

M02.アイナマ(3’47”)ランディゴ

-H.J.O.Araste, L.Marceline-  オルター・ポップ AFPCD-36359

 

N  ランディゴの最新アルバム『コムサ・ガヤール』から、「アイナマ」でした。西洋のスタイルでし

たらハイハットのような連続打音に音程感が全体を印象付けています。

ランディゴはインド洋のレユニオン島の音楽「マロヤ」を演奏する集団。この島の過去に

はお決まりの欧州白人の侵略がありまして、元々の先住民、新参フランス人、そ

して労働力としてマダガスカル島から強制的に連れて来られたアフリカ人たちの民族

特性、そしてレユニオン島の日常的社会情勢が混ざり合って生み出されたインド洋の

ブルーズがランディゴの音楽と言っても良いかもしれません。

ただその響きはカヤンブ、ルーレー、ピケといった、この島独自の聞きなれない打

楽器の他に、西アフリカのドゥンドゥンなども採り入れたアンサムブルです。そして、唄で

すね。アルバムを通してわたしの印象に残ったのも、繰り返される力強い唄声の

呼応でした。

 

M03.エンゴマ・アナオ(5’48”)ランディゴ     

-H.J.O.Araste, J.A.-  オルター・ポップ AFPCD-36359

 

N  「グラシアス」、「メルシー」と謝辞が飛び交う「エンゴマ・アナオ」、ランディゴです。

全てクーバで録音されたという、このアルバム『コムサ・ガヤール』は全篇にこのような

唱和が聞かれます。オリヂナルのライナには「このアルバムのどこかで『もう方法は無

い、音楽を楽しめ、もう方法は無い、人生を楽しめ』と言っているのが聞こ

える」とあります。わたしにも聞こえました。

さて第三世界音楽夏季集中講座、今朝の最後は、バントゥー・コンティヌア・ユフルー・

コンシシァスネス、バントゥー系民族自由意識連続体、頭文字でB.C.U.C.です。南アフリカの

黒人居住区ソウェトで結成され活動歴は10年を超えています。現在は男2人、女

1人の唄い手、そして3人の打楽器奏者という基本編成。連続する強烈なビー

トの上で、3人が次から次へと唄い継いで行きます。必然的に一つの区切りが

長くなりまして、アルバムでは19分、16分を超える長さ。河内音頭並みです。

今朝はその中で最も短い「ノウバディ・ノウズ」をお聞き下さい。

 

M04.ノバディ・ノウズ(3’12”)BCUC

-B.C.U.Consciousness-  オルター・ポップ AFPCD-36360

 

N  ゴスペルの「誰も知らない私の悩み」を土台に様々な音声表現を盛り込んだ「ノ

ウバディ・ノウズ」。バントゥー・コンティヌア・ウフルー・コンシシァスネス、バントゥー系民族自由意識連

続体、頭文字を取ってB.C.U.C.でした。南アフリカは元イギリス領で公用語が英語、

キリスト教国家です。60年代からフォーミュラ・ワン・グランプリが行われていた程の「欧米」

ですが、その恩恵に浴する事が出来なかった黒人たちが、有色人種差別主義

撤廃後20年余りで、ここまで独自で世界基準の音楽を創り上げています。

2000年の歴史を誇る極東の島国でオンガクサンギョー、オンガクカタチは、何をしている

んでしょうか。

 

M05.Whiskey, Beer And Wine(4’30”)Buddy Guy  

-B.Guy, T.Hambridge-  RCA  88875-12037-2

 

N  はい、先週お届けしたバディ・ガイ、お料理好きで洒脱な嗜好家グリ子さん

に気に入って頂けたようです。「体の細胞の奥深くにブルーズがしみてる人の

演奏ですね」という表現もなかなかでございます。その通りでしょう。

新しいアルバムでは「コーニャック」、「ウイスキー・フォー・セイル」とお酒にちなんだ題名

の楽曲が目立ちました。そう言えばこの前のアルバム『ボーン・トゥ・プレイ・ギター』

にもあったな、と聞いて頂いたのが、今の「ウイスキー、ビア、アンド・ワイン」でした。

同じアルバムからもう1曲聞いてください。ジョス・ストーンをフィーチュアして、

「ベイビー、ユー・ガット・ワット・イト・テイクス」。

 

M06.(Baby) You Got What It Takes(3’18”)Buddy Guy feat. Jess Stone  

-C.Otis, M.Stein, B.Benton-  RCA  88875-12037-2

 

N  後半ジョス・ストーンがアリサ・フランクリンそっくりになってしまう「ベイビー、ユー・ガット・

ワット・イト・テイクス」でした。改めてジョスの唄の上手さが分かる1曲ですね。

ではバディ・ガイ、今朝は新しいアルバムの表題曲です。

「ブルーズは元気に生きてるぜ」。

 

M07.The Blues Is Alive And Well(5’13”)Buddy Guy

-T.Hambridge, G.Nicholson-  RCA  19075812472

 

N  バディ・ガイ、新しいアルバムの表題曲で「ブルーズ・イズ・アライヴ・アンド・ウェル」で

した。どっしりとした安定感、余裕を感じさせる出来です。「体の細胞の深

くにブルーズがしみてる人」は違います。

中間部に聞かれたアルペジオのような単音リフを聞いて、「ニヤリ」とした方もい

るでしょう。これはライヴァル的存在だったオーティス・ラッシュの「オール・ヨー・ラーヴ」の

お約束間奏ですからね。これもバディ・ガイの余裕、ユーモアなのでしょう。

ではその原型をどうぞ。

オーティス・ラッシュで「オール・ヨー・ラーヴ」です。

 

M08.All Your Love(2’35”)Otis Rush  

-Rush-  PヴァインPCD-3741

 

N  オーティス・ラッシュの十八番、「オール・ヨー・ラーヴ」でした。1958年の録音です。1934

生まれで48 年にシカーゴに出てきたオーティス・ラッシュは、36年生まれのバディ・ガイ

とほぼ同期で、B.B.キングが世界的な存在になっていく時代のエレクトリック・バンド・

ブルーズを支えました。イギリスのハード・ロック・ギタリスト達に最も直接的な影響を与

えたのもラッシュでしょう。

もう随分と前の話になりますが、ある若いバンドを聞いた後で、そのギタリスト

に「ラッシュが好きなのか」とちょっと嬉しくなって尋ねたところ、怪訝な顔を

した相手から「ジミー・ペイヂなんですけど」と言われた事がありまして、「あ

あ、そういう事なのか」と妙に納得しました。そのくらい影響力大だったの

ですね。

さてこの「オール・ヨー・ラーヴ」のギター旋法は、この世界的ヒット曲に登用され

た事が有名です。

 

M09.ブラック・マジック・ウーマン(5’20”)サンタナ  

-P.Green-  CBS/ソニー 25DP 5549

 

N  はい、ご存知ストリップ劇場の定番曲「ブラック・マジック・ウーマン」、サンターナです。こ

の印象的なギター演奏は、もちろんカルロス・サンターナの編み出した決定的な素晴らし

い産物ではありますが、先ほどのオーティス・ラッシュの「オール・ヨー・ラーヴ」から絶対

的な閃めきを貰っています。カルロス・サンターナ本人が「これはラッシュをパクったんだ」

と言って両方のフレイズを弾き、「な、同じだろ」って言ったんですから本当で

しょう。

 

M10.Black Magic Woman(2’51”)Fleet Wood Mac 

-P.Green-   Columbia 88697625922

 

N  こちらは「ブラック・マジック・ウーマン」のオリヂナル、フリートウッド・マックです。1969年

のアルバム、『聖なる鳥』からでした。作者はピーター・グリーン。いかにも彼らしい

ギター演奏が聞けましたね。しかし、この盤からは甲乙付け難い出来映えのも

う1曲を聞いてもらいましょう。

客演のピアニスト、エディ・ボイドをフィーチュアしてジェレミー・スペンサーが憧れのエルモ・ジェ

イムズを讃えます。

「ザ・サン・イズ・シャイニン」、照るぞう、暑くなるぞう。

 

M11.The Sun Shining(3’15”)Fleet Wood Mac   

-E,James-  Columbia CBS/ソニー 25DP 5549

 

N  「太陽は燃えている」、フリートウッド・マックでした。このテイク、完璧ではないけれ

ど、とても宜しい。昔から大好きです。

あ、他所道に逸れてしまいました。バディ・ガイを聞きましょう。

「初めてブルーズに出会った時は森の中だった」という唄い出しで、多くの

日本人を惑わせたこの歌です。

「ファースト・タイム・アイ・メット・ザ・ブルーズ」。

 

M12.ファースト・タイム・アイ・メット・ザ・ブルーズ(2’17”)バディ・ガイ  

-E.Montgomery-  ユニバーサル UICY-3203

 

N  この暑苦しさ。気温摂氏40度、湿度80パーセントの7月末日本では、堪りま

せん。ただ若い頃のバディ・ガイはこういった激しい表現が強烈な個性でした。

大音量で圧倒するというより、細い鋭い音で細かなフレイズを早弾きし、ベンド

で引っ張ったロング・トーンで緊張感を煽る。唄は投げつける、吐き出す、この

スタイルで人気を博していました。よく「顔で弾く」という表現があるでしょう。

バディは「全身で弾く」男でして、まだブルーズの演奏現場なんてこの国の誰も

知らない時代にNHKテレビで放映された実演動画では、その弾き方から「ノケゾ

リング・ギター」なんて言われたものです。

では聞いて下さい。燃えるギターの、激しく暑苦しいバディ・ガイ・ノケゾリング・

ブルーズ、

「テニヤーズ・アゴウ」。

 

M13.テン・イヤーズ・アゴー(2’36”)バディ・ガイ  

-B.Guy-  MCA MVCM-22009

 

N  「10年前」、バディ・ガイ1961年の録音でした。「10年後」というグループ

がイギリスにありましたけれど、何か関係あるのでしょうかね。

とにかく若い頃のバディ・ガイはこんな緊張度の高いブルーズで名を馳せまし

た。そして今は、先々週からお聞きのような、「文字通り元気に生きている

ブルーズ」を唄っています。「ヴェテランらしい余裕も感じられ、何より声に張り

があるので全体が引き締まっている感じ」、共に先々週の自分の文言を引用

致しました。新しいアルバム『ブルーズ・イズ・アライヴ・アンド・ウェル』、ぜひ聞いて

みて下さい。果たしてこの暑さが吹っ飛びますかどうか・・・。

さて、先ほどの「ブラック・マヂック・ヲーマン」を探している時に、棚から偶然面

白い1枚が出てきました。まだ「CBS/ソニー」という名前のレコード会社が存在し

た頃にカタログ増強のために盛んに出されていた編集盤のひとつ『懐かしのスクー

ル・デイズ』シリーズ。CDの創世期です。この第6集が「フォーク・クラシック」でして、

フオーク再発見、再考中のわたしとしましては、手に取らざるを得ません。

当時CBSが権利を持っていた主に60年代の録音をまとめたものです。アメ

リカ大手のコロムビア原盤ですから、その気になればもっと古く稀少な物もたくさ

ん集められたでしょうが、何せ『懐かしのスクール・デイズ』ですから、あの時代

の「フォーク・リヴァイヴァル」で脚光を浴びた人間、楽曲が並んでいます。割と純度

は高いですよ。ボブ・ディランが入っていない事を除けばね。

そこに大きな間違いがありました。それは何か・・・、まずはお聞き頂き

ましょう。

カーター・ファミリー・ウィズ・ジョニー・キャッシュで「オハイオの銀行」。

 

M14.オハイオの銀行(4’07”)カーター・ファミリー・ウィズ・ジョニー・キャッシュ

-A.P.Carter-  CBS/ソニー 25DP 5550

 

N  カーター・ファミリー・ウィズ・ジョニー・キャッシュで「オハイオの銀行」でした。もうお分かり

の方もいる事でしょう。

この歌は「フランキー・アンド・ジョニー」や「トム・ドゥーリー」と同じような「マーダー・

バラッド」呼ばれる殺人事件伝承歌です。昔も今も人間は残酷、残虐で、沢山

の酷い事件を起こしています。ミーディアが発達していなかった頃は、そういう

出来事が歌や戯曲のネタになって、人々に伝わっていました。ジャメカではつい先

頃までこの種の時事ダンスホール・レゲが機能していました。

その中で凶悪犯罪、殺人事件は大衆最大の興味対象です。この国でも19世

紀末、明治26年に大阪と奈良の間の赤坂水分村で勃発、その三日後には天王

寺で浪花節となって詠まれていたという「河内十人斬り」などはその象徴で

しょう。

実際にアメリカ開拓時代には凶暴な英雄が居て、彼らにまつわる武勇伝、残酷

物語は数多くあった事でしょう。それがかなりの誇張を施され、言い伝えら

れているのです。クールじゃなかった頃のカントリー音楽には、この種の犯罪を主題

とする歌が沢山残っています。民間伝承説話の音楽版です。ただ誰も現場を

知りませんから、唄い手たちは皆「見てきたような嘘」をついていました。

この「オハイオの銀行」は一人称で出てくる主人公が恋人を殺す話です。その

原因が金銭の貸し借りで、犯人は口座を持つ「オハイオの銀行」に乗り込んで人

質を取って立て籠もり、親族の説得にも応ぜず、最終的に警察隊の突入で大

勢の犠牲者を出した、と言うのならこの「オハイオの銀行」と言う邦題も成立し

ますが、その恋人殺害の現場は土手の上でした。この「Bank」は、「銀行」

ではなく「川の堤」なのです。

この歌が知られるようになったのは19世紀末だと言われますが、日本に紹

介されたのは、おそらく1960年代の始め頃ではないでしょうか。その時に

どこかの音楽出版社あるいはレコード会社のイーカゲンな担当者が、先ほどのような

逞しいソーゾー力ではなく、浅はかな知識で「オハイオの銀行」と訳したのでしょう。

西新宿の放送局で仕事を始めた頃、わたしの師事した先輩は「これを『オハイオ

銀行』と言った奴がいる」と明らかに馬鹿にしていました。

その恥ずかしい邦題が20世紀末、1989年に発売されたCDでも使われて

いたのです。これは驚き。「CBS/ソニー」という名前のレコード会社の人間はみな

高学歴で優秀だった筈ですがねえ。更には付属の解説もこの題名を踏襲し、

歌の本質に触れていません。その担当者は、鈴木カツ。先週ジム・クウェスキンのライ

ナで褒めてあげたばかりなのに。

わたしは発売当時にもこの部分に気が付いていた筈ですが、今回見つけて

再び思い出しました。ただし、この邦題はもう動かせない特別な「地位」に

あるのかも知れません。この国の音楽業界には理解不可能なしきたりがあり

まして、一度付けた邦題は変えられない、和訳も「定訳」と呼ばれて、一字

一句変えてはならない、などの全くナンセンス、無意味な馬鹿げたタダの悪習です。

現役史上最強のロケンローバンドのアルバム再発時に不粋な邦題を付け替えたら、初

代邦題命名者から注文が付いて印刷物を差し替えたと言う事件があった話を

聞いた事があります。このゴッドファーザーは当時ギョーカイのチョーテンに君臨していま

したから、明らかな自己顕示欲による嫌がらせです。担当者は泣きながら訂

正作業を行ったのでしょう。

ひょっとしたらこの『懐かしのスクール・デイズ』シリーズ制作部署の上の方にか

つての「オハイオの銀行」命名者がいて、現場は忖度でそのまま使用し解説でも

触れないようにしたのかも知れません。こういう事が実際にあるんですよ。

失礼、随分と長い話になりました。『懐かしのスクール・デイズ』第6集「フォーク・

クラシック」からもう1曲お聞きください。アパラチア地方で歌い継がれていた「黒は

恋人の髪の色」です。ニーナ・シモンも唄っていましたね。こういう点から彼女が

自分自身を「わたしはジャズではなくフォーク・シンガーだと思う」と言うのは分か

ります。

では『懐かしのスクール・デイズ』第6集「フォーク・クラシック」からどうぞ。

「ブラック・イズ・ザ・カラー」、オーリエル・スミスです。

 

M15.ブラック・イズ・ザ・カラー(2’53”)オーリエル・スミス  

-W.Raim-  CBS/ソニー 25DP 5550

 

M16.Mama Look A Booboo(3’30”)ドリンキン・ホッピーズ 

-L.Melody-  Pヴァイン PCD-25260

 

N  先々週お届けしたドリンキン・ホッピーズ、全編を聞いてみました。そこから意外

なカヴァ曲、「ママ・ルック・ア・ブーブー」です。彼らはリーダーの富山浩嗣が吾妻光良

の真似をしたくて続けていたスウィンギン・バッパーズのコピー・バンドだったそうで

す。こういうカリプソをリパトゥワに採り入れるところも、吾妻光良からそのまま受

け継いでいるようですね。

この歌はハリー・ベラフォンテが唄って人の知るところとなりました。わたしの家

に初めて「スティーリオ」再生装置が来た時に付いていたダイジェスト試聴盤の中にも

入っていて、それ以来50年以上の付き合いになります。

では、カーネギー・ホールでの実況録音からどうぞ。

「ママ・ルック・ア・ブーブー」。

 

M17.Mama Look A Booboo(5’23”)Harry Berafonte 

-L.Melody-   RCA 74321 15713 2(2)

 

M18.Jamaca Farewell(5’11”)Harry Berafonte 

-L.Burgess-  RCA 74321 15713 2(2)

 

N  ハリー・ベラフォンテの「ママ・ルック・ア・ブーブー」、そして「さらばジャメカ」、カーネギ

ー・ホールでの実況録音から聞いて頂きました。歌と歌の間で「子供の頃西インド

諸島で過ごした。仲間と泳いで船乗りたちの唄を聞いた」と思い出を語りま

す。ベラフォンテはアメリカ生まれの筈ですが、幼少時代には父母の故郷で過ごしてい

たのでしょうか。避暑避寒で行っていたりすると、ちょっと印象変わります。

「さらばジャメカ」はサム・クックでも知られています。ハリー・ベラフォンテは同じメイジ

ャーのRCAレコードの先輩で成功者。サムは自分に不可能はない、とあらゆる機会

に自分を試していましたから、ひとつの挑戦として唄ってみた感じなのかな

あ。わたしと致しましては、このカリプソ路線。もう少し突っ込んで欲しかった

ですね。

 

M19.Vaya Con Dios(3’08”) Tony Orland & Dawn   

-I.James, B.Pepper, L.Russel-  Arista 07822-19036-2

 

 

N  「ラスト・ダンスは私に」と「渚のボードヲーク」をくっつけたようなこの歌は、

先週開眼したばかりのトニー・オーランドとドーンの「バイヤ・コンディオス」です。

トニー・オーランドがリード、テルマ・ルイーズ・ホプキンズ、ジョイス・ヴィンセント・ウィルスン、二人

の黒人女性がバック・グラウンド・ヴォーカル。この手のユニットにありがちな、「リード以

外は誰でも同じ」的組み合わせではなく、バック・グラウンド・ヴォーカルも固定され

ていました。しっかり顔写真もあるしね。

明確にゲーノー界内の存在ですが、オリジナル楽曲の出来、カヴァのセンス、そしてヴォ

ーカルを含めた編曲もプロのお仕事で、非常に質が高い。まず松崎しげる的トニー・

オーランドの唄が非常に宜しい。今の「バイヤ・コンディオス」でもそれはお分かりの事

でしょう。ここまではいずれもセンスの良い選曲を上手に料理したカヴァをお届け

して参りましたが、今朝はオリヂナル曲もお聞きいただきます。

1973年のヒット曲、「たれかジプシー・ローズを知らないか」。

このトリオのほぼ専属作家だったアーヴィング・リヴァインとラッセル・ブラウンの作品です。

 

M20.Say, Has Anybody Seen My Sweet Gypsy Rose(2’55”)

Tony Orland & Dawn 

-I.Levine, L.R.Brown-  Arista 07822-19036-2

 

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今頃「ドーンはいい」なんて騒いでるのは、世界中でワツシイサヲだけと自負して

います。「セイ・ハズ・エニバディ・シーン・マイ・ジプシ・ローズ」でした。いいね。

さて狂ったように暑い日々は続きます。2年後、この時期に運動競技の世界

祭典が行われます。このまま行けば、今より暑くなるでしょう。その対応に

本来必要のない手段が講じられ、どれほどの血税が投入されるのでしょうか。

最悪事態として犠牲者が出るのではないか、と思わずにはいられません。競

技日程が発表されました。衛星放送主導の時間帯割り。わたしは未だに「開

催反対」です。

毎週たくさんのお便りを有難うございます。首都圏で9人の方々だけでな

く、全国で9500万人のあなたからも、お待ちしています。いろんな異論歓迎

ですよ。どうぞ聞かせて下さい。

さて今週の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/80f4426ebcbafe81ced9962c959b12d76adb853a

ダウンロード・パスワードは、p80t4bfzです。とても上手に撮れた写真です。何

の上でしょうか。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

 


【大家よりお知らせ】

真夏の深夜の生放送決定!
2018年8月8日(水) 24時~29時(=8月9日になった瞬間から早朝5時まで)
放送局:中央エフエム(84.0Mhz)

Awesome Rock 24:00-26:00
Mornin’ Blues 26:00-29:00
出演:ワシズイサヲ、サワダヲサム

ピーター・バラカンさんのイベント、「出前DJ」に鷲巣さん出演!
日本最古の映画館・高田世界館でPing-Pong DJのようです。
日 時 2018年9月15日(土) 16:30開場 17:00開演
場 所 高田世界館 上越市本町6丁目 TEL 025-520-7626
入場料 前売 3,000円 当日 3,500円
高田世界館、戸田書店などで販売
電話予約可 前売料金で当日精算 025-520-7626

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/07/14

mb180714

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー。暑いです、本当に。でも眠る時はレッグ・ヲーマー着

用のワツシイサヲです。

中国、近畿の大雨被害、甚大です。先週木曜日から不穏でしたものね。こ

のわたしですら、5日の晩には京都に住んでいる不仲の姉に見舞いの電話を入

れていました。「ここのところずっと降り続いている」という返事が印象的で

した。幸いな事に、親族には何事もありませんでしたが、打撃を受けた方々

には、これからの「復旧」が大きくのしかかります。及ばずながら、まず募

金します。

今朝のモーニン・ブルーズ、1曲目はバディ・ガイ、

最新アルバムから「コーニャック」。

 

M01.Cognac(5’22”)Buddy Guy feat. Jeff Beck & Keith Richards

-B.Guy, T.Hambridge, R.Fleming-  RCA 19075812472

 

N  「コーニャック」、バディ・ガイでした。お聞きの通り、このトラックはジェフ・ベックとキー

ス・リチャーズが客演しています。ジェフは凄いね。導火線が音を立てて燃えていく

様なオブリガート、ソロでバディを文字通り煽ります。それに対してキースはワリを食っ

た感じで手が出ません。最後にちょっと持ち直すかな。でもジェフの圧倒で決

着です。彼ら全員70歳を越えてます。恐ろしいね。

ブルーズで開けた今朝のモーニン・ブルーズ、続けましょう。次も新しい録音です。

ローリー・ブロックという女性フォーク歌手の新譜は、「ブルーズの皇后」と呼ばれたベッシ

ー・スミスの持ち歌のカヴァ企画です。

そこから「キチン・マン」。

 

M02.Kitchin Man(4’01”)ローリー・ブロック  

 

N  ルーシンダ・ウイリアムズ調と言いますか、カレン・ダルトン風でもありまして、更にはマリ

ア・マルダー的にも聞こえたヴォーカルは、ローリー・ブロックの「キチン・マン」でした。彼女

はこれまで戦前の偉大なブルーズメンへ捧げるアルバムを作り続けてきましたが、こ

れから先は影響を受けた女性歌手たちへの賛歌集をシリーズ化して行くようで、

その「パワー・ヲーメン・オヴ・ザ・ブルーズ」の第一弾が、ベッシー・スミス作品を集めた

『ア・ヲーマンズ・ソウル』です。他の収録曲も全てベッシーの物で、この「キチン・マン」

以外は、ちょっと本人を意識し過ぎの感あり。だいぶ力が入っています。

ベッシーは19世紀、1894年の生まれで、活躍していた頃にレコード録音が一般

化しつつあったので吹き込みも多く、女性ブルーズの祖として崇められていま

す。もちろん彼女以前にも多くの唄い手はいたのでしょうが、何しろ録音が

ないので、なかなか実態、実力に辿り着けません。「ブルーズの皇后」として

ベッシーが君臨するのは妥当なところでしょう。

まだ満足な拡声装置のなかった頃ですから、とにかく声を大きな体に響か

せて、力強く前に進んで行くリズム感が大きな特徴でした。当然その後の女性

歌手たちに大きな影響を与えまして、全く別の唄い方をしたビリー・ホリデイです

ら、ベッシーの事を大いに尊敬していたと言います。

ではそのベッシーを聞いてみましょう。グイグイと引っ張るようなリズムをお楽し

み下さい。

「エムプティ・ベッド・ブルーズ」の第一部と第二部、1928年の録音です。

 

M03.Empty Bed Blues(pt.I & II)(6’23”)Bessie Smith

-J.C.Johnson-  Columbia  CK44441

 

M04.Tangwanana(3’43”)ベカオ・カンテット

 

N  ベッシー・スミスで「エムプティ・ベッド・ブルーズ」でした。続けましたのはベカオ・カン

テットで「タングワンナ」、2018年最新の作品『マリ・フォリ・コーラ』からです。

フランス人エメリック・クロールがドラマーとして参加している、マリの新民族音楽家集団。

前作『バマコ・トゥデイ』は大変結構な快作でした。今回の『マリ・フォリ・コーラ』も充

実しています。わたしにはエレキギターにしか聞こえなかったリード楽器は、どうや

らドンソ・ンゴ ニという楽器のようですね。小型エフェクターを多用して、この音色を

作っているようです。今の「タングワンナ」の実演映像はここに揚がっています。

これを観れば実態も分かるでしょう。何より自然な演奏態度、姿勢が宜しい。

https://www.youtube.com/watch?v=z-ElgTAo3J0 です。

慣れ親しんだ伝統楽器を使いながらも、響きは極めて今日的で、メムバたち

もモダーンな世界を向いて演奏しているようです。今回からグループ名から「カンテッ

ト」を外して「BKO」と名乗り始めていますが、日本国内ではまだ「ベカオ・カ

ンテット」で売って行くとか。

 

M05.Salta(4’30”)ベカオ・カンテット

 

N  ベカオ・カンテットで「サルタ」でした。2018年最新アルバム『マリ・フォリ・コーラ』は冒頭2

曲だけでこの充実度。この先も紹介する予定です。お楽しみに。

さて先々週の「フロム・スピリチュアルズ・トゥ・スウイング」でブーギー・ウーギー・ピアノを

聞いた後に片付けをしていたら、今度は『伝説のブギ・ウギ・ピアノ』というの

アルバムが出て来ました。故中村とうようが豊富なMCA音源をふんだんに使っ

て組んだ中身の濃いコムピ盤です。これを聞くと、ブーギー・ウーギーのリズムは、決

して大都会だけの物では無かった、という事が分かります。当然飲盛り場の

飲食店で持て囃されたのでしょうが、それはカントリー・ブルーズでも同じ事です。

注目すべきは、片田舎でも同じようなビート革命が進行していた事です。

今朝は『伝説のブギ・ウギ・ピアノ』から、アラバマ洲の伝説的ブーギー・ウーギー・

ピアニストを紹介しましょう。

まずカウ・カウ・ダヴェンポートです。

「ステイト・ストリート・ジャイヴ」。

 

M06.ステイト・ストリート・ジャイヴ(3’05”)カウ・カウ・ダヴェンポート

-C.C. Davenport-  MCA MVCE 24058

 

N  カウ・カウ・ダヴェンポートで「ステイト・ストリート・ジャイヴ」、1928年7月の録音です。

声を出していたのは、カウ・カウの相棒。一緒にドサを回っていた踊り子のアイヴィ・

スミスという女性。ピアノとダンスが対になっていたのですね。

お聞きのようにブーギー・ウーギーはピアノの左手から繰り出されるビートが命です。

どの弾き手も、力強い左手という事では共通しています。この辺りは後のゴス

ペルにも受け継がれていますね。とにかく前進するリズムの強調が必須です。

先ほど「ブーギー・ウーギーは、大都会だけの音楽ではない」と申しましたが、

これらの録音はシカーゴで行われています。ふたりのピアニストたちは、多分巡業の

途中に立ち寄った、あるいは見出されて招かれて吹き込まれたのでしょう。

1920年代、南部の黒人たちがたむろす場所では熱烈なリクエストがあ理、頻繁に

披露されていたビートがブーギー・ウーギーです。

さあ次は名人の名曲が登場します。

1928年12月の録音です。パイントップ・スミスで、「パイントップス・ブーギー」。

 

M07.パイントップス・ブギ(3’20”)パイントップ・スミス 

-P.T.Smith-  MCA MVCE 24058

 

M08.民踊河内音頭 (4’32”)初音家賢次

-P.D.-  ニッポン・レコード NP-1001

 

N  「ハイ、右へ4歩」「そこで止って」、と言っているかどうかは分かりません

が、ラジオ体操のように動きへの指示が入るピアノ曲、「パイントップス・ブーギー」、

パイントップ・スミスでした。

続けましたのはこちらも名人と呼ばれた初音家賢次の「民踊(ミンヨウ)河内音頭」

です。1970年代に大阪にあったインディペンデント・レイベルだったニッポン・レコードに

吹き込まれています。ピアノが入ってますが、これはこの時期の録音としては

珍しくない形です。アンサムブルからの必然性というよりは、「スタジオに行ったら

置いてあったので、勿体無いから弾いた」程度のものでしょう。生演奏で用

いられた例は全く無い筈です。

賢次の所属していた初音家という会派は近代河内音頭の本流に在り、創始

者初音家太三郎の下、現在の音頭様式を整えた由緒ある集団です。お聞きに

なってお感じでしょうが、掛け声が異なります。通常「イヤコラセ、ドッコイセ」と来

る処が「ヨイトコセ、ドッコイショ」です。かつては会派や地域によって独自の掛け声

が用いられていたそうで、初音家は最後までそれを持ち続けていました。こ

の録音の頃には、老舗の誇りと共にまだ使われていたのでしょう。

初音家賢次はその二代目の会長として君臨しました。それ以上に音頭取り

としての実力が途方もなく優れておりまして、多くのファン、贔屓を持っていま

した。下手に大声を出す事なく、絶妙の節回し、リズムで縦横無尽、自由自在

に音頭を操ります。今の短めの「民踊河内音頭」でもその断片は感じ取れた

事でしょう。加えてこの人には、いつもパンク臭が漂いまして、わたしはそこ

に惹かれております。初音家賢次でした。

さて季節です。今年もやって来ました「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」

今回で第37回、平成期最後の開催となります。そこで、ここまで規模が大き

くなったこの盆踊りを、第一回以来支えてくれた錦糸町馴染みの三会派、本

場河内の里でも「音頭ご三家」と呼ばれる歴史と伝統を誇り、それに見合っ

た個性と実力を兼ね備えた三つの音頭会を招きます。出演者は、以下の通り。

 

鳴門会

鳴門家寿美若(音頭)

鳴門家清若(音頭、太鼓)鳴門家文若(三味線)、鳴門家ひろし(太鼓)

鳴門家寿美宏(ギター)、鳴門家寿々佳(音頭、囃子)、

鳴門家寿々女(音頭、囃子)、鳴門家加寿若(音頭、囃子)

 

五月会

五月家一若(音頭)

五月家雪若(音頭)、五月家ゆき(音頭)

五月家一蘭(音頭)、五月家音若(音頭)

五月家きよし(三味線)、五月家二郎( ギター)

五月家鷹若(三味線、ギター)

五月家真次丸(太鼓)、五月家夢若(太鼓)

 

鉄砲光丸会

鉄砲光丸(音頭)

河洲虎丸(音頭、太鼓)、河洲直美(音頭)

弥生みゆき(太鼓)、虹友美(三味線)、河洲ゆめほ(ギター)

ひろわか(ギター)、河洲美佐子(囃子)、河洲つばさ(囃子)、河洲一丸(囃子)

永田充康(音頭、太鼓)

 

前半は各会派若手の精鋭がぶつかり合い、後半は三師匠にじっくりと喉を競

い合ってもらう特別構成です。どうぞお楽しみに。

あ、日時会場をお伝えしなくてはいけませんね。

 

第37回、平成期最後の「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」は、

2018年8月29日水曜日、30日木曜日 午後5時30分開演

墨田区錦糸町駅南口 首都高速道路 7号線高架下

竪川親水公園内特設会場で行われます。入場無料。どうぞお越し下さい。

なお、毎年頂いておりますお提灯、今年もお願い致します。これまで頼ん

でいた張らなきゃ食えない提灯屋の文字書きが一人になってしまい、作業の

集中が予想されますので、新規の方お早めにご注文下さい。昨年までお世話

になっておりまして、お持ち帰りになられている方も、まずはご連絡をお願

い致します。まずはこちらからどうぞ。 https://www.iyakorase.comです。

 

M09.機関車(3’48”)小坂忠

-C.Kosaka-  ソニー  MHCL 1483

 

N  小坂忠で「機関車」でした。先週末の日曜日に忠さんの演奏会が開かれまし

た。昨年の同じ頃にも予定されていた公演は突然の入院で本人不在となって

いました。わたしも本当に心配しましたが、奇跡的に回復し今年は林立夫、

小原礼、ダクタ・キョン、そして鈴木茂を従えた万全の布陣で臨めました。まだ一

部に要治療箇所があるようでしたが、唄声にはなんの問題もなく、若い頃よ

りも声出てるんじゃないかと思わせるほどの力強さだった事を報告しておき

ます。今の「機関車」は、娘さんのエイジアのバック・グラウンド・ヴォーカルが素敵で

した。リズムのアレンヂは三連で、これも良かった。小坂忠、元気です。

さて先週ドラマー、D.J.フォンタナの訃報を偲んで1曲、「トラブル」をお送りしまし

た。これはこれで充分な追悼表明だったのですけれど、一番好きだった彼の

ドラミングが冴え渡った歌が出て来ませんで、大いに慌てました。その後で持っ

てない筈がないと一週間探し続けました。そしてようやく発見。今朝はそれ

を含めて、D.J.フォンタナの軽快なビート打ちが冴え渡る数曲を続けてどうぞ。いず

れもエルヴィス・プレズリの唄です。

まずは1966年5月28日の録音、「フールズ・フォール・イン・ラーヴ」。

 

M10.Fools Fall In Love(2’04)Elvis Presley  

-J.Leiber, M.Stoller-  RCA 3026-2-R

 

M11.(Now And Then There’s) A Fool Such As I(2’35”)Elvis Presley 

-B.Trader-  RCA 07863 66050-2

 

M12.Big Hunk Of Love(2’12”)Elvis Presley   58.June 10.11  

-A.Schroder, S.Wyche-   RCA 07863 66050-2

 

M13.I Need Your Love Tonight(2’04”)Elvis Presley  

-Wayne, Reichner-  RCA 07863 66050-2

 

M14.Fools Fall In Love(2’29”)The Drifters

-J.Leiber, M.Stoller-  WarnerPlatinum  8122-73249-2

 

N  恵比寿プレズリで、

「フールズ・フォール・イン・ラーヴ」

「ナウ・アンド・ゼン・ゼアズ殺虫剤」

「恋の大穴」

「アイ・ニード・ヨー・ラーヴ・トゥナイト」でした。

いずれもD.J.フォンタナ、冴えてましたね。「恋の大穴」の間奏でエルヴィスが思わ

ず「ラララララララ」、と唄い出してしまった位、気持ちの良いリズムです。

最後は「フールズ・フォール・イン・ラーヴ」のオリヂナル。ザ・ドリフターズ、フィーチュアリング・

クライド・マクファターです。彼の事をエルヴィスは大好きだったようで、初期にはいくつ

かのカヴァを吹き込んでいます。これらふたつの「愚か者の歌」は、わたしに

は甲乙つけ難い仕上がりで、常に頭の中のジュークボクスで鳴っています。そのエル

ヴィスの仕様を収めた盤が、なかなか出て来なかったのでした。

 

M15.オーキー・フロム・ムスコーギー(3’50”)ジム・クウェスキン

-M.Haggard, R.Burris-  ワーナー WPCR-15002

 

N  バーブラ・デインに端を発したリアル・フォーク再考で、注視していたジム・クウェスキンの ア

ルバムは今たくさん出ているようですね。先日その1枚『ジム・クウェスキンズ・アメリ

カという1971年発表作品を見つけました。ジャケットが印象的です。J.F.ケネディ、

エイブラハム・リンコン、ジェイムズ・ディーン、ファッツ・ヲーラー、ビリー・ホリデイなどの写真がコラー

ジュされています。フォークを通じて様々なルーツ音楽に目覚め、新興宗教にも染ま

ったクウェスキンは、母国アメリカについて考えるようになったのでしょう。オリヂナル曲

はひとつもなく、それまで歌い継がれていたアメリカの歌の集大成のような内容

です。国内盤の鈴木カツ解説には「クウェスキンのブルース・アルバムともいえそうだ」と

書かれています。この指摘は正しいですね。

今の「オーキー・フロム・ムスコーギー」は、マール・ハガードの作品でした。わたしはこの

歌に何らかの思い出がある筈なんですが、頭脳PCを検索しても出て来ません。

何だったかなあ。

次はメムフィス・ジャグ・バンドの「スティーリン」、日本のフォーク愛好家たちがこの歌を

知ったのは、このヴァージョンだったのではないでしょうか。憂歌団も含みます。

ジム・クウェスキンでどうぞ。

 

M16.スティーリン(4’27”)ジム・クウェスキン     

-The Memphis Jug Band-  ワーナー WPCR-15002

 

M17.Counting All My Tears(3’06”)Joshua Hedkey

-J.Hedkey-  Third Man RecordsTWR-505

 

N  うって変わって、見事なまでに完璧な保守的カントリー。曲名は「カウンティング・オー

ル・マイ・ティアーズ」。

先週「姿形も歌声も、そして全体の響きもお聞きのように典型的なカントリー。

今時ここまでカントリー的なカントリーがあるのか、と言いたくなるようなカントリー音楽」

と評したジョシュア・ヘドリーというカントリー野郎の最新アルバム『ミスタ・ジュークボクス』から

です。ジャケット写真が、気持ち悪い入れ墨にも見えるドギツイ刺繍の施されたカント

リー・スーツ姿。わたしはこれだけでもう「アカン」でしたが、聞いてあまりに変哲

のないカントリー・スタイルにまた驚き。音数は少なく控えめですが、説得力がありま

す。

ウイリー・ネルスンの「ファニー、ハウ・タイム・スリップス・アウェイ」的な主題ですが、こちらの

主人公は相手の左手に光る指輪を気にしたりしてまだご愁傷さまのようです。

なかなかいい歌ですね。声は見かけよりも若い。アルバムは全曲長くても4分足

らずで仕上げられ、トラック間も長く取られているので、昔のLPみたいです。

雑音の少ない澄みきった音を除いては。

もう1曲聞いて下さい、「レッツ・テイク・ア・ヴァケイション」。

 

M18.Let’s Take A Vacation(3’49”)Joshua Hedkey 

-J.Hedkey-  Third Man RecordsTWR-505

 

M19.Tie A Yellow Ribbon Around The Ole Oak Tree(3’27”)

Tony Orland & Dawn

-I.Levine, L.R.Brown-  Arista 07822-19036-2

 

N  ジョシュア・ヘドリーの「レッツ・テイク・ア・ヴァケイション」でした。それに続きましたのは、

誰でもご存知「幸せの黄色いリボン」、ドーン1973年のヒット曲です。

この歌の基となった、刑務所を出た男を黄色いリボンで出迎える感動的な物

語は、『僕たちの洋楽ヒット』盤の矢口清治による解説を引用して、以前お話し

しましたね。実はそれと同じ原作を持つ邦画「幸せの黄色いハンカチ」を先週観

たんです。ある所でDVDを借りてね。

出てくる役者が皆達者なので、展開には文句なし。画も宜しい。山田洋次

らしさも随所に見られて、大変楽しめた1本でした。狂言回し役の武田鉄矢

が素晴らしい演技でね。なぜこの路線で行かなかったのか不思義になるほど、

いい加減な中途半端で行く当てのない若者を、完璧に演じてました。

音楽は今ひとつ。そこで原作にちなんだこの「幸せの黄色いリボン」を思い

出した次第です。これまでは図書館から借りてきた盤でお届けしていました

が、安いベスト盤も出ている事だし、これを機会に入手して聞きました。する

と全体の質の高さに脱帽。ちょっとノヴェルティ味の強いありきたりなポップ・

グループという印象がブッ飛びました。

残り時間が少ないのでまた改めますが、後2曲ほど聞いて下さい。

トニー・オーランド・アンド・ドーンです。

 

M20.Knock Three Times(3’00”)Tony Orland & Dawn

-I.Levine, L.R.Brown-  Arista 07822-19036-2

 

M21.He Do’t Love You Like I Love You(3’39”)Tony Orland & Dawn

-B.Butler, C.Carter, C.Mayfield-  Arista 07822-19036-2    17

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  トニー・オーランド・アンド・ドーン、大ヒットした「ノックは3回」、そして「ヒー・ドント・

ラーヴ・ユー・ライク・アイ・ラーヴ・ユー」続けて聞いて頂きました。この原題は「ヒー・

ウィル・ブレイク・ヨー・ハート」で、イムプレッションズのビリー・バトラーのヒット曲です。

 

あいつは本気じゃないね

俺ほどにゃ君を愛しちゃいない

巧言令色仁少なからずやって言うだろ

これまで何度も他所で稽古してんだから

美味いこと言うに決まってるよ

きっといつか捨てられるね、だから・・・

 

他人の恋愛に対する何と言う非難中傷横車でしょうか。人の恋路を邪魔す

る奴は犬に噛まれて死んじまえ、って言いたいですね。こうやって迷いの

ある恋に身を置く不安な相手を誘い出す危険な手口。それとも恋の闘いに敗

れた夢見る青少年のボヤき泣き言でしょうか。この歌の陰湿さに較べれば、

 

お前はフラれたって言ってっけどさ

あの娘はお前のこと好きなんだってよ

だから自信持って行けよ

 

と煽る「シー・ラーヴス・ユー」の健全さ、前向きぶりが光ります。

あ、話はトニー・オーランド・アンド・ドーンでしたか。この歌を聞いたのは弁当屋で

配達をしていた頃です。当時はFEN放送でヲーフマン・ジャック・ショウを午後の時間

帯に流していました。昼飯の食器回収がちょうどその時間帯。軽トラで中野、

杉並、練馬の細い道を走りながら、毎日聞いていましたね。74年の初夏です。

知らないグループの「ヒー・ウィル・ブレイク・ヨー・ハート」は、いやと言う程のヘヴィ・ロー

テイション。かなり好きにさせられていましたが、そのすぐ後でビリーのオリジナルを聞

いてしまって、この時のカヴァは棚に載せられたままでした。

それと同じ曲がトニー・オーランド・アンド・ドーンのベスト盤に入っていて、瞬間に「あ

の時のはこれだったのか」、と記憶が蘇った次第です。ただしその真偽は只

今解明中。もう少し時間を頂いてから、公表致します。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/45f390890e354a162325cb74ce455ba20a522af9

     パスワードは、4hhmdq6d、使用音源はヨガ・マットの上です。

さて、ちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 


【大家よりお知らせ】

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2018年8月8日(水) 24時~29時(8月9日になった瞬間から早朝5時まで)
放送局:中央エフエム(84.0Mhz)

Awesome Rock 24:00-26:00
Mornin’ Blues 26:00-29:00
出演:ワシズイサヲ、サワダヲサム

ピーター・バラカンさんのイベント、「出前DJ」に鷲巣さん出演!
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日 時 2018年9月15日(土) 16:30開場 17:00開演
場 所 高田世界館 上越市本町6丁目 TEL 025-520-7626
入場料 前売 3,000円 当日 3,500円
高田世界館、戸田書店などで販売
電話予約可 前売料金で当日精算 025-520-7626