カテゴリー : Mornin’ Blues by IsaoWashizu

【幻】モーニン・ブルーズ 2019/03/16

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TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  「全国的にアサー」、おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019

 年03月16日を始めましょう。春になったようですね。「ホンカクテキニ、ハルー」でし

 ょうか。

  今朝は、1975年夏の世界的ディスコ・ヒット曲で元気よくまいります。

  ヴァン・マッコイとソウル・シティ・シムフォニーです。「ザ・ハッソー」。

M01.The Hustle(4’03)Van McCoy & The Soul City Symphony

-V.Macoy-  Universal 556 408 2

N  この録音セッションがスタッフを生んだ、とも呼ばれているヴァン・マッコイとソウル・シティ・

 シムフォニーの「ザ発想」でした。沢山あった「お仕事」のひとつに過ぎなかっ

 たのでしょうが、それぞれのメムバはここで意気投合してグループ結成に至り、

 それが後のフュージヨン音楽興隆を導いた、とされています。本当でしょうかね。

 エリック・ゲイルとゴードン・エドワーズは確かにここに居ますね。他のメムバは分からな

 いなあ。

  そもそもソウル・シティ・シムフォニーと言う名義も今ここではじめて意識しました。

 「発送」は当時みんな、ただヴァン・マッコイとしか知らなかった筈です。流行っ

 ている最中に、新宿のディスコ、ブラック・シープで一人の女の子がひとりで踊って

 いたのを覚えています。一生懸命に覚えようとしている、そんな感じでした。

  サイズが大き目で洗いざらしのブルージーンにオープン・シャツと言う流行最先端のサーフ

 ァー・ルックで可愛らしかったな。ただ声をかけたらド突かれそうな気もしました。 

 いつものように遠距離観察。その頃もうわたしはそういう場所にバイト的な仕

 事で出入りしていましたけど、この晩は自分でお金払って出かけたんじゃな

 いかな、しかもひとりで。お客さんは余り入っていなかった。今でもこの「ザ

 八双」を聞くと、その光景が浮かんで来ます。

  「ハッソー」というのはヌー・ヨーク・ラテン、つまりサルーサの基本ダンス・フォームのひとつ

 で、本来は男女ペアで踊るものです。何かで写真入りの振り付け講座を見た事

 があります。かなり難しそうでした。ブラック・シープでその子が踊ってたのは、

 日本で付けられた独自の振り、というか誰かがデッチ上げた踊りじゃないかな。

 その頃はレコードを売るための事実無根のいい加減なプロモーションが沢山ありまし

 たからねえ。

  さてなぜ今朝「ザ・ハッソー」か、と言いますと、先週立ち寄った中華料理屋

 で、「ザ・ハッソー」とほぼ同じ歌謡曲が流れていたからです。おそらく有線放送

 でしょう。まだ子供のような女性の声でした。多分その子はヴァン・マッコイもソウル・

 シティ・シムフォニーも、そして「ザ・ハッソー」自体を知らないでしょう。「これ、次の

 新曲だから」なんて渡されて完全に唄わされてる感じ。

  仕上げは、もう「カヴァ」と言っていい、いや言い切る事が出来るくらいに

 クリソツなんです。あの特徴的なシンセサイザーの音色も含めてね。そこで一緒にいた

 人間は何も感じてなかったみたいでしたが、わたしは可笑しくて可笑しくて、

 ひとりで笑っていました。

  もう一度聞きたい。誰か知らないかなあ。「ザ・ハッソー」とほぼ同じ歌謡曲。

 もちろん、最近の新譜の筈ですよ。

M02.Desafinado(2’03”)Joao Gilberto   

-A.C. Jobim,, N.Mendonca- Fremeaux & Associes  FA 5371  

N  ジョアン・ジルベルトで「ディサフィナード」、アントニオ・カルロス・ジョビムの名作です。これは

 ジョアンの始めの3枚のアルバム収録36 曲を1枚にした、スリーLP・オン・ワンCDか

 らです。大分前に出ていたみたいです。同じような内容の CDは他にも出て

 いて、ボーナス・トラックの付いた38曲収録盤もありました。こちらも持っていた

 ような気がしますが、すぐに出て来ないので、今朝はこのフレミュー・アンド・アソシエ

 盤でお届けしました。わたしがこれを手に入れたのは今年になってからです。

  ジョアンは世界的なボッサ・ノーヴァのブームの寵児となって、この後で大手のヴァーヴ

 に沢山の吹き込みをしました。でもこれらは歌詞が英語だったり、多分に西

 洋の白人市場を意識した商業的な傾向が強く、同じ楽曲もこのスリー・オン・ワンで

 聞く方がボッサ・ノーヴァ創成期の様子が生々しく響きます。

  これを手にした時、「真夏のカラスミ」ならぬ「真冬のボッサ・ノーヴァ」、次の「幻」

 は、これで行こうと決めていたのですが、肝心のCD盤を某所に置き忘れ、「真

 冬」の間じゅうケイスだけが手元にありました。それがようやく帰って来た時に

 は、もう春だった、というオチです。今朝は「早春ボッサ・ノーヴァ」です。極く初

 期のジョアン・ジルベルトを少し聞いて貰いましょう。

  次は「サムバ・デ・ウナ・ノータ・ソ〜ワン・ノート・サムバ」。

M03.Samba De Uma Nota So(1’41”)Joao Gilberto

-A.C. Jobim,, N.Mendonca- Fremeaux & Associes  FA 5371  

N  ジョアン・ジルベルト、オリヂナルの録音で「サムバ・デ・ウナ・ノータ・ソ〜ワン・ノート・サムバ」。

  いいですね。半音移動を多用した複雑な進行を持つカルロス・ジョビムの楽曲が

 秀逸なのは言う迄もありませんが、ジョアンのボソッとした声で全体の雰囲気が不

 思議なくらいにひとつにまとまっています。ほんと不思議。

  音楽の最終的な理想形はボッサ・ノーヴァにある、という格言があったのを憶え

 ていますが、ジョアンは最初からほぼ完成されたボッサ・ノーヴァ感覚を持っていた

 んですね。彼自身は、ボッサ・ノーヴァではなくサムバを唄っているつもりだ、と言

 っていたそうですが、心の内に込めた情熱を淡々と冷んやり表現出来る音楽

 はボッサ・ノーヴァ以外には無いのではないでしょうか。言葉もやはりポルトガル語

 がしっくり来ます。

  ではヴァーヴ時代にも録音された有名曲をもうひとつどうぞ。

  「我が祖国のサムバ」と言う題名ですが、別の邦題、英題が有るかも知れま

 せん。いや、きっとある。でも今は出て来ない。

  「サムバ・ダ・ミンハ・テラ」。

M04.Samba Da Minha Terra(2’22”)Joao Gilberto  

-D.Caymmi-  Fremeaux & Associes  FA 5371  

M05.Disse Alguem (All Of Me) (5’19”)Joao Gilberto

-S.Simons, G.Marks-  Warner Bros 9 45165-2

N  ジョアン・ジルベルト1961年録音の「我が祖国のサムバ」、そして1977年録音のア

 ルバム『ブラジル』からおなじみの「オール・オヴ・ユー」でした。16年を隔てて、声

 もギターの音も変わっていません。ただよく聴くと、編曲とミクスには時代的な洗

 練が感じられます。

  そうか、『ブラジル』はもっと後の作品と思っていましたが1977年ですか。

 42年も前に聞いていたのですね。この音楽形態、そして表現している世界は

 21世紀になっても変わりがないと言う事なのでしょうか。初来日した時も、

 60年代と同じでしたものねえ。これは「昔の名前で出ています」ではなくて、

 彼自身の基本がこの60年間不動だった事の証明でもあります。不変なまま今

 なおブラジル音楽をリードし続けるジョアン・ジルベルト、偉大です。

  とは言いましても、ブラジルでの音楽が変わっていない訳ではありません。

 次は「現代ブラジリアン・メロウ・グルーヴの頂点」を極めた音楽家の、「ブラジリアンAOR~

 モダン・ソウルの近年最高傑作」から聞いていただきましょう。

  ルーカス・アルーダです、「ホワット・アイド・ドゥ・フォー・ラヴ」。

M06.ホワット・アイド・ドゥ・フォー・ラヴ(5’38”)ルーカス・アルーダ

-unknown-  Pヴァイン  PCD-24816  

N  「ホワット・アイド・ドゥ・フォー・ラヴ」、ルーカス・アルーダでした。これが「ブラジリアンAOR~

 モダン・ソウルの近年最高傑作」なのか。わたしには極めてドナルド・フェイゲン的に聞

 こえましたね。聞いている間じゅう、旋律、唄い方、楽器の音色、中間のラリー・

 カールトン的なギター・ソロ、全体構成に『ナイト・フライ』がチラついて仕方なかったです。

 前回中央エフエムでの「現」で、澤田修が「恥ずかしい位に昔をなぞった最新音

 楽」とか言って何曲か紹介していましたが、これも立派に並びますね。今度

 持って行って聞いて貰おうかな。「現代ブラジリアン・メロウ・グルーヴの頂点」、ルーカス・

 アルーダでした。

  さてもう去年の事になりますが、スピリチュアル・ジャズと呼ばれる領域がヨーロッパ

 で見直される動きにある事をお伝えしました。丁寧に編集されたコムピ盤がシリー

 ズで出ていまして、興味を唆られます。年末にその中でも難解な「ヴォーカル」

 集を聞いてみました。『スピリチュアル・ジャズ第6巻ヴォーカルズ』これは、わたしに

 とってはラップ・ブラウンやリオン・トーマスから繋がって来た好奇心の延長でもありま

 す。今以て実態不明で すが、今朝は一緒に少し聞いて下さい。

  まずマクス・ローチズ・フリーダム・ナウ・スートゥで「ティアーズ・フォー・ジョハネスバーグ」。

M07.Tears For Johannesburg(1’34”)Max Roach’s Freedom Now Suite

-M.Roach-  Jazzman  JMANCD 076 

N  マクス・ローチズ・フリーダム・ナウ・スートゥで「ティアーズ・フォー・ジョハネスバーグ~ヨハネスブルグ

 への涙」でした。これは短く編集された仕様です。

  マックス・ローチは早くから音楽的に新しい動きを起こしたと共に、アメリカ合衆国で

 黒人である事を強く意識した生き方をしたドラム奏者です。当然人種差別に反

 対していまして、1960年制作のアルバム『ウイ・インシスト~我々は抗議する』では同

 じく抵抗を続ける詩人オスカー・ブラウン・ジュニアの作品を主題としていました。

  この「ヨハネスブルグへの涙」もそこからの物です。リード・ヴォーカルは後にマクス・

 ローチ夫人となったアビ・リンコンが取っていました。人種分離政策による南アフリカの

 実態を、そしてそこに映し出される母国アメリカ合衆国の差別を訴えています。

  『スピリチュアル・ジャズ第6巻ヴォーカルズ』から、次は1973年の驚異の高校生集

 団、シンガーズ・アンド・ミュージシァンズ・オヴ・ヲッシントン・ハイ・スクール、ヲッシントン高校の唄

 い手と演奏家たちです。

  「ザ・ラダー」。

M08.The Ladder(4’42”)

The Singers And Musicians Of Washington High School  

-L.Theus, G.Lyles-  Jazzman  JMANCD 076

N  北米ロス・エインジェルスにあるヲッシントン高校の唄い手と演奏家たちによる「ザ・ラダ

 ~梯子」でした。3週間程前に「驚異の高校生楽団」を3つ聞いて貰いまし

 た。このシンガーズ・アンド・ミュージシァンズ・オヴ・ヲッシントン・ハイ・スクールも入れれば良

 かったな。彼らには周囲の理解、援助があったのでしょう、1973年に『ピース・

 ウィル・カーム~平和はきっと来る』という題名のLPを出していまして、そこから

 今の「ザ・ラダー」でした。「平和への梯子をどこまでも登り続けるのよ」とい

 うメセヂです。奇しくも同じ73年発表となった静岡ロックンロール組合とは相当な開

 きがあります。主題も、楽曲の成り立ち、演奏技術、そして録音も。

  北米ではこのようにクラシック以外でも若年層の音楽活動が公認されていまし

 て、どこの高等学校にもある程度の音楽施設があって、正しい指導者もいる

 ようです。ですからこのように、世の中を否定、破壊しない音楽には発表の

 機会がもたらされるのでしょうか。

  昨今はこの国でも学内でロックバンド程度なら許されるようですね。だいぶ前

 に友達の息子と話していたら、通っていた文京区の高校には音楽の練習室が

 あって、そこにはマーシャル・アムプが置いてあったという話です。これは行き過ぎ

 だ、絶対に。わたしは慢性的な資金不足に喘ぎながら、学校からは逃げ回り、

 ロックンロール禁止令の家には嘘をついて志を通したのです。だからこんなに捻くれ

 てしまった、と言えなくもないですが・・・。

  さて本来黒人たちの娯楽音楽だったジャズは、芸術的側面を拡大して精神性

 を重視する傾向に進みました。その発端、そして今も頂点に君臨しているの

 が、ジョン・コルトレインでしょう。彼はマイルス・デイヴィスみたいな物欲もなく、いい加

 減じゃなかったですから。「スピリチュアル・ジャズ」とは、ジョン・コルトレインが生み出

 したひとつの概念なのかもしれません。この『スピリチュアル・ジャズ第6巻ヴォーカル

 ズ』にも、そのものズバリな1曲が入っています。

  「ジョン・コルトレイン」、クリフォード・ジョーダン・クヲーテットです。

M09.John Coltrane(6’49”)Cliford Jordan Quartet   

-B.Lee, C.Lee-  Jazzman  JMANCD 076  

M10.My Favorite Things(5’33”)Tadao Hayashi  

-Rodgers, Hammerstein-  Jazzman  JMANCD 096  

N  今朝のモーニン・ブルーズは「お尻をピョンと跳ねスウィング」しながらも、「スピリチュアル・

 ジャズ」を聞いております。ジャズの「芸術的側面と高い精神性」は昭和中期

 の日本でも美徳でした。昔の人が言う「モダン・ジャズ」の世界ですね。

  黒いタートル・ネックのスウウェタを着て朝日ジャーナルを持ち、大きなスピーカーの前でテイブル

 に突っ伏して「至上の愛」を聞く。薄暗い店内でコーヒー一杯の注文で3時間居

 座る・・・、これが「モダン・ジャズ」の聞き方です。こういうところで「芸術

 的側面と高い精神性」は絶対的価値基準でした。非常に抽象的でしたが。わ

 たしも16歳の頃ちょっと真似した事がありますが、馬鹿らしくてすぐやめた。

  こういうお粗末なモダンジャズ落伍者がいる中で、日本のジャズ演奏家たちは

 概ね真面目でありまして、熱心に「芸術的側面と高い精神性」を磨きました。

 この『スピリチュアル・ジャズ』の第8巻は、2枚組で、なんと日本のスピリチュアル・ジ

 ャズ集なんです。

  今のクリフォード・ジョーダン・クヲーテット「ジョン・コルトレイン」に続いてお聞き頂いたの

 はその『スピリチュアル・ジャズ第8巻 日本』から林忠男のハープで「私の好きな物」

 でした。多分コルトレインからの発想でしょう。スカボロフェア調に始めるのも悪くない。

 「芸術的側面と高い精神性」を感じて頂けましたでしょうか。

  次も同じ2枚組からです。

  秋吉敏子で「木更津甚句」。

M11.Kisarazu Zinku(5’49”)Toshiko Akiyoshi   

-trd.-  Jazzman  JMANCD 096

N  マンデイ満ちるの母、秋吉敏子のピアノで「木更津甚句」でした。1961年の録音

 です。非常に端正にまとめられた演奏でしたね。これは主題の選び方からし

 て、確かにスピリチュアルな音楽と言えるでしょう。

  この『スピリチュアル・ジャズ第8巻 日本』収めら得ているトラックは16で、錚錚た

 る名前が並んでいますが、わたしは全て初めて耳にする物ばかり。サトウ製薬

 提供「勝ち抜きエレキ合戦」の審査員で知っていた「ギター日本一」澤田駿吾先生

 も実際の演奏を聞いた事なかったからねえ。

  この人は聞いた事があった。サクスフォンの松風鉱一です。1948年生まれで、60

 年代後半からジャズの世界で高く評価されていたようです。わたしが知ったの

 はつい最近の事。きっと真面目な人なんでしょう。音楽にその性格が投影さ

 れているように聞こえます。近年ヨーロッパでとても認められていると聞きまし

 た。オリヂナル・アルバムがCDになって向こうで出ているようです。

  『スピリチュアル・ジャズ第8巻 日本』からはこれを聞いて貰いましょう。

  「工事中」。

M12.Under Construction(6’39”)Koichi Matsukaze  

-K.Matsukaze-  Jazzman  JMANCD 096

N  松風鉱一で「アンダ・コンストラクション」でした。これにもジョン・コルトレインの影が見え

 ます。やはり圧倒的の存在なんですね。コルトレインをあまり得意じゃないわたし

 ですら、彼の音楽に接すると姿勢を正されます。まだ二十代初頭、R&Bの延

 長でスタッフのような器楽曲を聞き始めた頃、子分の家でコルトレインの「バラッド」を

 聞かされて、自分の聞いていた音楽に対し非常なる恥ずかしさを感じた事が

 あります。

  しかもその時その後輩が「アドリブなんかに載ってる音楽聞いてる奴は、ダメ

 だね」なんて止めを刺すもんだから、わたしはもう火達磨になりました。

  さて『スピリチュアル・ジャズ第8巻 日本』の他にも海外で評価の高い日本のジャ

 ズ・アルバムが出ています。相澤徹クヲーテットの『橘』、これは群馬県沼田市で1975

 年に録音された自主制作版です。日本全国各地にジャズの愛好家は住んでいま

 す。彼らはジャズ喫茶で出会い、知り合って、地元のジャズ気運を高めようと

 力を合わせます。この『橘』も、群馬県出身の医学生だった相澤徹を中心に

 愛好家たちが協力して作り上げた一枚なのです。分かるでしょ、その雰囲気。

  75年の地方都市に於けるジャズの現状を聞いて下さい。

  「オルフェのサムバ」。

M13.Samba De Orfeu(6’06”)   

-L.Bonfa-  BBE  469CCD  

N  「オルフェのサムバ」、相澤徹クヲーテットでした。如何でしょう1975年の群馬県沼田

 市に於けるジャズの現状。決して完璧ではありませんが、あらゆる部分から愛

 好家たちの情熱が感じられます。当時のライナにいソノてるヲがこう書いています。

  「限定数でプレスされるこのアルバムは将来きっと話題になると思う」

  その通り、2018年にイギリでCDに復刻されたのです。

  もう1種類やはりイギリスで出ているコムピ盤を紹介しましょう。『J Jazz: Deep  

 Modern Jazz From Japan 1969-1984』という物です。ジャケットには片仮名で

 「ジャパニーズ ディープ モダンジャズ」とあります。こちらは先ほどの「芸術的

 側面と高い精神性」に特化された演奏よりも、ジャズを新世代による新解釈で

 捉えた演奏が集められているように感じました。何れにせよ奥は深い。今よ

 りも知識、情報が圧倒的に不足している中で、ここまでの音楽を作り上げる

 事が出来た日本人はやはり異常とも言える位に素晴らしい。

  サクスフォン奏者の植松孝夫です。

  「ホワイト・ファイア」。

M14.White Fire(7’52”)Takao Uematsu  

-T.Uematsu-  BBE  434CCD      

N  フェラ・クティのアフロ・ビートを連想させる植松孝夫の「ホワイト・ファイア」でした。トリオ・ 

 レコードから出た『ストレイト・アヘッド』というLPからです。全編聞きたくなりまし

 た。

  今朝の「幻」は珍しくジャズ、それも「芸術的側面と高い精神性」を感じさ

 せる器楽曲を集めてお送りしました。こういう音楽の時は、なぜかたくさん

 話したくなりますね。これもジャズ音楽の特性でしょうか。「芸術的側面と高

 い精神性」も、万国に共通するジャズ音楽の持性と言えますね。

  日頃はダンスの踊り方を教えてくれるような単純で分かり易い音楽ばかりを

 聞いている身に、今朝の楽曲はどれも抽象的で取っ付きにくいものではあり

 ましたが、たまにはじっくりと聴き込む音楽と接するのも面白い事です。わ

 たしはそれぞれの楽曲に「色調」と「構図」を思い浮かべて聞いていました。

  さて、新しい音楽も聞きましょう。ノルウェイの演奏集団アヴェニュー・アムガラです。

 短い単純なモチーフが繰り返されて、大きな慣性を伴って押し寄せるような組み

 立ての、

  「アムガラ・テンプル」。

  3月6日に発売されたばかりの『インヴィジボー・エア・シップス』からどうぞ。

M15.アムガラ・テンプル(7’03”)アヴェニュー・アムガラ       

-unknown-  Pヴァイン  PCD-24819   

M16.ノルウェイの森(3’34”)ベイス・スピナーズ

-J.Lennnon, P.McCartney-   イーストウエスト AMCY-2448  

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N   長い演奏時間の音楽が多かった今朝の「幻」最後は「ノルウェイの森」、ベイス・

 スピナーズでした。原曲ではインド文化にカブれ始めたジョージ・ハリスンのシタールで奏で

 られていた特徴的なリフは、ダンスホール・レゲのリズムのひとつとして90年代中期に

 持て囃されました。「ダーカー・シェイド・ザン・ブラック」とかいう名前だったかな。

  先日最終電車に近い総武線で、御茶ノ水終点に気づかず乗ったままだった

 外国人に「降りなよ、終点だよ」と声をかけたら、しばらく話してくれまし

 てね。ノルウェイの若者3人組でした。新宿まで一緒で、12時過ぎてんのに「こ

 れから歌舞伎町へ遊びに行くんだ」って言うから「危険だよ、気をつけな」

 と伝えて別れましたが、無事だったでしょうかね。「ノルウェイから来た」という

 自己紹介に「ああノルウェイか。家具を知ってるよ」と応じた冗談は分かってもら

 えなかったようです。

  さて今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/00cc104d3a1c58b17a0ba53a4fe610bed96bbdbf 
  ダウンロード・パスワードは、x3kerjqqです。

http://firestorage.jp/download/94b156c30e565620f1869e59d274d6126c1b7f64
(不調が非常に多い)Firestorageのサーバー・エラーが出ています。こちらのリンクをご利用ください。ダウンロードパスワードは 【 8px7k2zj 】
by 大家 3/18 3:32am

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/03/09

mb190309

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年03月09日を  

 始めましょう。

  先々週のスタンダード音楽再考集の時にお送りしたダイナ・ヲッシントンとブルック・ベント

 ンのインスタント・デューオは良かったですね。とてもポップで即興性に富んでいた。特

 にダイナの優れた対応能力が光っていました。

  その時にお送りした「ベイビー」で今朝は始めましょう。

  ヌー・オーリンズ出身のシャーリーとリーです。

M01.Baby(You’ve Got What It Takes)(2’19”)Shirley And Lee 

-S.Goodman, L.Lee-  Jasmine  JASCD 848    1953

N  シャーリーとリーで「ベイビー」でした。先程はダイナ・ヲッシントンとブルック・ベントンが唄っ

 たのと同曲のような表現をしましたが、全く別の物です。確か先々週も「オリヂ

 ナルがシャーリーとリー」というような事を言っていましたが、済みません。間違いで

 す。何故そんな事を言ったかも分かりません。ダイナのを聞いた時には「オリヂナ

 ルがシャーリーとリー」という事に「そうか」と、妙な納得があったのは覚えていま

 すけれど、それを何処から引っ張って来たか不明なのです。

  今の「ベイビー」は全然別の1953年のヒット曲。シャーリーとリーはヌー・オーリンズの男女

 デューオ。こちらはインスタントではなく、パーマネントの二人組です。普通こういう組み

 合わせですと主導権を握るのは男の方で、女性は添え物的に入れ替わったり

 するのですが、このシャーリーとリーの場合は、シャーリー・グッドマンの方が活動の主体で

 した。そもそもシャーリーの声がアラディン・レコーズの社主エティー・メスナーの耳を捉えて、

 世に出る時にデューオを組んだ、というのが真相ですから、シャーリー主導も頷けま

 す。相棒のリオナルド・リーはシャーリーとは学校時代からの知り合いでした。

  エティー・メスナーの耳を捉えたシャーリーの歪んだソプラノ・ヴォイス、しばらく聞いて下さ

 い。

  このふたりの代表曲といえば、まずこれですね。

  「レッザ・グッタイム・ロール」、1956年のヒットです。

M02.Let The Good Times Roll(2’21”)Shirley And Lee

-S.Goodman, L.Lee-  Jasmine  JASCD 848     

N  シャーリーとリーで「レッザ・グッタイム・ロール」でした。これが大ヒットしたので、それ以

 降このスタイルはふたりの代名詞のようになりました。しかし、それ以前からも

 この愛すべきヌー・オーリンズ調はこのデューオの専売特許のリズム感覚でした。

  「レッザ・グッタイム・ロール」の1年前1955年のヒット曲です。

  「フィール・ソウ・グッド」。

M03.Feel So Good(2’47”)Shirley And Lee 

-L.Lee-  Jasmine  JASCD 848    

N  「フィール・ソウ・グッド」、シャーリーとリーでした。よく似ていますね。ノヴェルティ風味

 のヌー・オーリンズ調、いい感じです。これはわたしが初めて意識したヌー・オーリンズ

 の歌かも知れません。と言いますのは、1965年の夏、エレキ・インスト楽団の筈の

 ザ・ヴェンテュアズが、確か歌入りでシングルを出していたような記憶があるのです。

  当時彼らは飛ぶ鳥を落とす勢いの人気絶頂。小島正雄が司会をしていた 

 「9500万人のポピュラー・リクエスト」でもいきなり上位にチャート・インして来ました。

 でも何故かすぐに何処でも聞かれなくなってしまった。これがわたしの覚え

 ている事の全てなんですが、今手に入るヴェンテュアズのベスト盤にも入っていない

 し、その後は聞いた事もありません。20代前半でシャーリーとリーの原曲に出会って

 「これかあ」と知りましたが、ヴェンテュアズのは今も行方が分からず。このグルー

 プとしては珍しいヴォーカル入りですから、もう少し尊重されてもいいと思うん

 ですが。誰が唄ってたんだろう。どなたかご存知ではありませんか。

  さて、それはさて置き、歪んだソプラノが生きているシャーリーとリーのヴォーカル・ハーモ

 ニーで、次は「ロッキン・ウィズ・ザ・クロック」をどうぞ。1957年のヒットです。

M04.Rockin’ With The Clock(2’35”)Shirley And Lee

-L.Lee, E.Messner-  Jasmine  JASCD 848  2-3  

N  「ロッキン・ウィズ・ザ・クロック」でした。彼女たちのヒット曲には「ロック」という言葉

 が頻繁に出て来ます。さっきの代表曲「レッザ・グッタイム・ロール」もサビの落とし

 は「一晩中ロックしてえ」でしたしね。

  そもそもは黒人の俗語で、ブルーズ音楽で用いられ始めました。現代日本語

 では適切な訳がありませんが、大抵は性的にシビレさせる、イカレさす、キメるなど

 の意味ではないでしょうか。「ロック・ミー、ベイビー」なんてのもありますね。シャー

 リーたちが50年代初頭にR&Bで用いたのはかなり早い時期だと思われます。

 まだロック音楽は誕生前で、アラン・フリードの「ロックンロール」命名が厳密に何時だった

 かは不明ですが、一般的な市民権を持っていた言葉ではなかったでしょうか

 ら。

  にも関わらず、町ではみんながロックしてました。

M05.Everybody’s Rockin’(2’14”)Shirley And Lee

-S.Goodman, L.Lee-  Jasmine  JASCD 848  

N  「エヴェバディズ・ロッキン」シャーリーとリーでした。「ロック」ここでは「はしゃいで大騒

 ぎ」でしょうか。「集団乱交」ではありません。

  「ロック」ここまでは活動的な積極性の意味合いを持った言葉でしたが、次は

 文字通り「固まって」しまった状態のようです。

  「ロッキン・アンド・クライング・ブルーズ」、ザ・ファイヴ・キイズ。

M06.Rockin’ & Crying Blues(2’32”)The Five Keys

-R.Toombs-   Collectable COL-5632  S21-18441      

M07.涙の口づけ(4’31”)マンハッタンズ

-W.Lovett-CBSソニー  CSCS 5206

N  ヴォーカル・グループが続きます。ザ・マンハタンズの決定的名唱「涙の口づけ」でし

 た。先週、ビルボードライヴ東京へ彼らを観に出掛けました。ここ数年頻繁に来

 日しているようですが、わたしは全く接触していませんでした。

  マンハタンズは、わたし自身がバリバリのラジオ・ディレクター—として調子に乗っていた

 80年代初頭、同時代的に絶頂期を体感したヴォーカル・グループです。既にリード・

 シンガーのジェラルド・アルストン以外のメムバはこの世に居ません。時の流れに無慈悲を

 感じる状況下でどんなショウを展開するのか、大いに興味がありました。

  何よりも強く印象付けられたのは、良い歌は永遠だ、という事実です。

M08.ハート(2’56”)マンハッタンズ

-A.Jacobs, B.Sigler, N.Harris-  CBSソニー  CSCS 5206

N  マンハタンズ、1976年の決定的ヒット曲「ハート」でした。

   元々5人組だったマンハタンズは現在、途中で加入してグループとしての魅力を最

 大限に引き揚げたリード・シンガーのジェラルド・アルストンだけが残っていて、他はふた

 りの新しいメムバによるトリオ編成です。バリトンのブルー・ラヴェットの語り、ケネス・ケリー

 のファルセトゥもありません。ですが現行マンハタンズ、たくさんあるヒット曲を縦横無尽

 に配した見事な構成で、存分に楽しませてくれました。

  特にジェラルドは全盛期そのままの力量で、完全なマンハタンズ・ショウを維持してい

 ましたね。86年に一旦はソロ歌手として独立しながらも、こうやって唄い続け

 るジェラルド・アルストン、美しかったですよ。そして、やっぱり良い持ち歌が沢山

 あるのは素晴らしい事だな、と実感しました。

  実は開演時刻を間違えて、会場に入ったらもうショウは始まって居ましたが、

 冒頭の1、2曲を逃しただけなので安心しました。そして、わたしが席に着い

 てすぐジェラルドが唄い出したのは、これでした。

M09. ゼアズ・ノー・グッド・イン・グッドバイ(3’50”)マンハッタンズ 

-T.Randazzo, R.Joyce-  CBSソニー  CSCS 5206

N  マンハタンズで「ゼアズ・ノー・グーッド・イン・グーッドバイ」でした。素晴らしい。

  「えー、言わしてもらいますと、わたしはこれが一番好きな歌でありまして、

 説得力とはこういう事をいうのかと、ひとりで感心しながら毎晩聞いていた

 頃があります。説得力というか、真実味だね」

  これは1990年に発売されたベスト盤のライナからの引用です。筆者は鷲巣功。

 以前、「鷲巣功が選曲した決定的なベスト盤が行方不明」と皆さんにお伝えした

 事を記憶していますが、当該盤はなんとずっと手元にありました。ジャケットを

 勘違いしていたようです。その後、93年には吉岡正晴先生監修の別のベスト盤

 が『スター⭐︎ボックス』のシリーズのひとつで出ています。今、手に入りやすいのはこ

 っちかな。でもそれには「ゼアズ・ノー・グーッド・イン・グーッドバイ」が収録され

 ていませんです。   

M10.忘れじの日々(5’04”)マンハッタンズ

-K.Bloxson aka Sasha-   ソニーSRCS 6904

N  これはジェラルド・アルストンが脱退前に残した最後のシングル曲「忘れじの日々」、

 一緒に唄っているのはレジーナ・ベルです。この出来自体は秀逸なのでわたしは

 とても気に入っていましたが、ヴォーカル・グループとしての魅力が感じられず、

 不満でした。収録アルバム『バック・トゥ・ベイシック』全体からもジェラルドと他のメムバ

 に隔たりが感じられ、嫌な予感がしました。それが当たって彼の独立、とな

 った訳です。

  「シャイニング・スター」の大ヒット後、本国ではマネジメントと揉めて活動休止状態を余

 儀なくされ、第一線から消え入ってしまったマンハタンズでしたが、この晩はまだ

 まだ現役で大看板を張っている姿が確かめられました。嬉しかったです。新

 曲も披露していました。録音は配信で手に入るようです。

M11.A Change Is Gonna Come(4’15”)Manhattans

-S.Cooke-  ソニーSRCS 6904

N  これはご存知「ア・チェインヂ・イズ・ゴナ・カーム」、1974年のアルバム『ザッツ・ハウ・

 マッチ・アイ・ラーヴ・ユー』に収録されていました。ジェラルドのサム・クック好きはよく知

 られています。前回の来日時にはアカペラでこれを唄ったらしい。聞きたかった

 な。

  さて、ヌー・ジャージー出身のマンハタンズはジェラルドの前にジョージ・スミスというリード・

 シンガーがいましたが、70年の12月に脳腫瘍で亡くなっています。彼が唄って

 いた頃の録音を1曲どうぞ。ドゥー・ワップの名残りを残したスタイルで、

  「アイム・ザ・ワン・ラーヴ・フォガット」。

M12.I’m The One Love Forgot(3’14”)Manhattans

-unknown-   Collectable COL- CD-1416

N  「アイム・ザ・ワン・ラーヴ・フォガット」、ザ・マンハタンズ・フィーチュアリング・ジョージ・スミス

 でした。これはコレクタボーから出ている『ジョー・サイモン・ミーツ・ザ・マンハタンズ』とい

 うアルバムからです。今回慌てて手に入れた1枚で、ライン・ショップの在庫で見つけ

 た時には「へえ、ジョー・サイモンとねえ」と珍しく感じたのですが、何の事はな

 い、両者の昔の録音を合わせただけの盤でした。やられた。

  そこから、ジョー・サイモンも1曲どうぞ。

  フレディ・フェンダーも唄っていました「マイ・スペシアル・プレイヤー」。

M13.My Special Prayer(2’47”)Joe Simon 

– unknown-   Collectable COL- CD-1416

M14.Love Is A Many Splendored Thing(4’54”)Nat “King” Cole

-S.Fain-  NILO Entartainments  MMV-1002   18’30”

N  恋の花 咲けば 

  やるせない想いは ふと燃えて

   昼も夜も心に夢を誘う 

   恋は楽しきもの

  ナ ット・キング・コールで「慕情」です。1963年2月赤坂ヌー・ラテン・クヲーターでの実

 況収録。先週のコパカバーナに続けてナイトクラブにご招待です。お聞きのようにこれ

 は最終曲、締め括りに唄われました。その後の演奏者紹介がカッコいいですね。

 無伴奏で唄い出す前のキイ出しのタイミングもツバチリ。流石のエンタテイナです。

  では同じくマフィア系芸能者の筆頭、フランク・シナトラにもご登場願いましょう。

  こちらもスタンダード曲です。ガーシュウィン作、

  「アイヴ・ガッタ・クラッシュ・オン・ユー」。

M15.I’ve Got A Crush On You(3’23”)Barbra Streisand with Frank Sinatra 

-G.Gershwin, I.Gershwin-  Columbia  CK 86126

N  フランク・シナトラ、「アイヴ・ガッタ・クラッシュ・オン・ユー」でした。

  デュエットしていたのはバーブラ・ストライザンドです。最後に「マイ・バーブラ・・・」

 と呼びかけるのは、きっと即興でしょう。虚を衝かれた感じのバーブラが、即

 座に対応する処にスリルがありました。

  これはバーブラ・ストライザンドの『デュエッツ』という編集盤からお届けしました。

 バーブラは音楽活動から身を引いて長い時が経ちます。全ての作品をほぼ完璧

 に仕上げ通した彼女ですから何処にも悔いはないでしょうが、唄いたくなる

 時はないのかな、とこのアルバムを聞きながら考えました。

  さて同じ『デュエッツ』から、今度は女の対決です。

  ドナ・サマーとの一戦、「ノー・モア・ティアーズ」。

M16.Enough Is Enough(4’44”) Barbra Streisand with Donna Summer

-P.Jabara, B.Rpberts-  Columbia  CK 86126

M17.ウーム・ラヴ(2’31”)ボブ・ケリー

-R.Kelly, G.H.Shilkert-  ワーナー WPCR-18181

N  バーブラ・ストライザンドとドナ・サマー、両者の意地がぶつかり合ったような「ノー・

 モア・ティアーズ」を鎮めるかのような「ウーム・ラヴ」、ボブ・ケリーでした。アカデミー賞

 の映画「グリーン・ブック」のサウンドトラック盤からです。1960年のヒットですね。

  この作品の監督が宣伝のために来日していました。きっと急に忙しくなっ

 たんじゃないかな。先週「今月末からの公開」と申しましたが、1日からもう

 全国で掛かってますね。失礼しました。お時間ございましたら、ぜひご覧く

 ださい。現大統領が掲げている「人種差別」のかつての実態を体験する事が

 出来ます。

  では映画「グリーン・ブック」のサウンドトラック盤から、もう1曲どうぞ。ちょっと

 イミシンですね、お判りでしょうか。

  ミュージカル「南太平洋」で唄われた「ハッピー・トーク」、クリス・バワーズの演奏です。

M18.ハッピー・トーク(1’20”)クリス・バワーズ

-R.Rodgers, O.Hammerstein-  ワーナー WPCR-18181

M19.捨てられた仔犬のように(3’58”)ザ・キングトーンズ 

-S.Kashu-   ユニバーサル  UPCY-7508

N 先週のキンクトーンズ集、如何でしたか。1曲忘れていた名曲がありました。シングル

 盤「グッドナイト、ベイビー」のB面、知る人ぞ知る「捨てられた仔犬のように」

 です。同グループ創立メムバのひとり、加生スミオの作品でステージでもよく取り上げられてい

 ました。ややハードなバラッド、この路線もキントンは得意でしたね。いい味だ。

M20.星屑の街(3’31”)三橋美智也   

-J.Tojo, Y.Abe-   キング  KICX 3734 

N  「星屑の街」三橋美智也でした。唄い出しの「両手を回して」というのが、

 わたしには何のことか分からず、長い期間に亘って大きな謎でしたが、先日

 の「幻」投稿によりますと、これは蒸気機関車の動輪を真似た踊りの所作な

 のだそうです。

  だったらこれでしょう「哀愁列車」ならぬ、

  「ロコモーション」、伊東ゆかりです。

M21.ロコモーション(2’20”)伊東ゆかり

-G.Goffin, C.King, H.Arakawa-   ビクター   VICL-5305

N  実はこの「ロコモーション」の正確な振りをわたしはまだ見た事がありません。こ

 こで唄われているように「お尻をピョンと跳ねスウィング」すればよろしいのでし

 ょうか。また謎は深まりました。

  数ある「ロコモーション」のカヴァで、わたしの決定版はこれです。

M22.ロコモーション(2’50”)グランド・ファンク・レイルロード

-G.Goffin, C.King-  東芝 ECR-10514

M23.Bailando(4’29”)Zapp

-L.Troutman jr..,F.J. Bautista, E.C.Anene jr., D.Manuel-  N 77054

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  「みんなおいで、汽車ごっこしようぜ」、「ロコモーション」に続いては「俺も踊り

 たいよう」と言ってる感じがする「バイラーンドゥ」、ザップの「VII」からお送り

 しました。今週公開されたエリス最新号では、わたしザップについて書いていま

 す。お読いただければ、大変嬉しい。第26号のURLは、 

  https://bccks.jp/bcck/158372/info、購読者パスワードはa26bsです。
  先日ご案内したわたしの間違いへのお詫びと訂正は、巻末の執筆者紹介欄

 に掲載して貰いましたので、そちらもお忘れなく。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/fcbbd5625ba2786541d9cd9011583de32a86c9e5

  ダウンロード・パスワードは、2jf2ivdqです。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

【幻】モーニン・ブルーズ 2019/03/02

mb190302

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年03月02日を  

 始めましょう。

  ちひえー、もう3月だ。まだ正月気分が抜けていないのに・・・あ、それ

 はないですね。日毎に暖かくなって来ています。コートや手袋、もっと使っ

 とけばよかったな。なんとなく淋しい気分です。でも皆さんの投稿を拝見す

 ると、春の訪れ大歓迎のようですね。もちろんその想い、よく分かります。

  1500メートル 「ヨオイ」春だ「ドン」、これは偶然手にした俳句雑誌に載っていた

 一句です。作者は何と、昔一緒に謹慎処分を喰らった同朋でした。「ヨオイ、ドン

 春だ」としないところが、捻りでしょう。気に入ってます。

  さあ今朝も始めます。まずはリクエストにお応えして、この名曲から。

  「グッド・ナイト・ベイビー」、ザ・キングトーンズです。

M01.グッド・ナイト・ベイビー(3’16”)ザ・キングトーンズ

-M.Hiro, H.Mutsu-  ユニバーサル UPCY-7508

N  1968年夏のヒット曲、「グッド・ナイト・ベイビー」、ザ・キングトーンズでした。3連と

 エイトビートが交差する微妙なアレンヂです。エイトビートのところは、スケート・ダンスがピッタ

 リですね。

  このグループのリーダーでリード・ヴォーカルを担当していた内田正人が、2月15日

 に亡くなっていました。魅力的なハイトーンの持ち主、音楽にも詳しく「昔の名前

 で」的になりがちなグループに、いつも刺激を与えていました。

  わたしは20代の始め頃、杉並区の方南町にあったソウル・バーに出入りしてま

 した。そこは中古のレコードも扱っていたのです。そのそばに内田正人さんは住

 んでいるらしく、時折りこの店にやって来ていたようです。一度わたしがい

 る時にご本人からレコードの問い合わせか何かで電話がかかって来た事があり

 ます。

  それからしばらくして、あるパーティの仕事をした時にご一緒しました。その

 後は大瀧詠一の行った「トゥナイト」モノーラル・ダイレクト・カッティング・セッションを覗いたり、

 横須賀の米軍基地で行った独立記念日実演を観に行ったりと、ある程度の接

 触は続きました。もちろんアカの他人ですけど。

  今回の訃報で、「そういえばCD持ってないな」と気づき、例によって愛情

 の感じられない造りのベスト盤を入手して聞いたら、ほとんど一緒に唄えたの

 で結構な曲数を知っていた自分に驚きました。

  わたしは昔からこれが好きだったなあ。

  「君だけが」。

M02.君だけが(3’05”)ザ・キングトーンズ

-S.Kasho, H.Mutsu-  ユニバーサル UPCY-7508 

N  ザ・キングトーンズで「君だけが」でした。1970年のシングル曲です。メムバの加生

 すみおと当時所属していたポリドール・レコードのディレクターだった村松孝司の書いた

 曲です。シムプルなフレイズを反復する演奏も面白い。特にベイス・ラインは特筆に値す

 る。隠れた名曲でしょうか。

  健全さが売りのダーク・ダックス、民族音楽を得意とするボニージャックス、そしてジ

 ャズの要素も取り入れていたデューク・エイシーズなどが、K塾やW大などのグリークラ

 ブ活動を基にした正統派であるのに対して、キントンはもっと世俗的で音楽好き

 の延長で組まれたグループです。リパトゥワもポップな楽曲が多く、内田正人のハイトー

 ンを活かした「ライオンは寝ている」は有名でした。

  一方オリヂナルはデビュー曲の「グッド・ナイト・ベイビー」の影響か、割と苦しい恋

 に悩み悶える歌が多かったですね。

  その代表です。「愛のノクターン」。

N03.愛のノクターン(3’03”)ザ・キングトーンズ  

-S.Kasho- ユニバーサル UPCY-7508  

N  「愛のノクターン」でした。内田正人の熱唱が生々しいですね。こういう線でも

 っと唄って欲しかったな。

  次も絶望的な愛の歌です。「月光のノクターン」。

M04.月光のノクターン(3’15”)ザ・キングトーンズ 

-G.Maigoni, T.Iwatani- ユニバーサル UPCY-7508  

M05.今宵の君は(2’21”)ザ・ジャガーズ  

-J.Kern, D.Fields-  東芝 CP-5817

N  「月光のノクターン」、その他大勢的なコーラスを聞いていると、モロにムード歌謡ですが、

 これ外国曲なんですね。原曲を聞いてみたいなあ。弦の鳴りが冴え渡ってい

 ました。

  続けましたのは、同じくベイトーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」をモチーフにしたザ・

 ジャガーズで「今宵の君は」、1956年にヒットし損なったシングルです。1988年の映

 画「熱き愛に時は流れて」のサウンド・トラックからお送りしました。

  リードシンガー内田正人の訃報でお届けしたザ・キングトーンズ回想、皆様からもご

 投稿を頂いておりました。最後にもう一度あの名曲です。

  「グッド・ナイト・ベイビー」。

M06.グッド・ナイト・ベイビー(3’18”)ザ・キングトーンズ 

-M.Hiro, H.Mutsu-  ユニバーサル UPCY-7508  

M07.Goodnight, Sweetheart, Goodnight(2’50”)The Spaniels

-Hudson, Carter-  Not Now Music DAY2CD274

N  ザ・キングトーンズ、「グッド・ナイト・ベイビー」。1981年発表の英語仕様でお送りし

 ました。オリヂナルの日本語版はアトコからシングルとして発売され、R&Bチャートで37

 位に入ったらしいです。たぶん冒頭で述べた変則的な構成が彼の地でも興味

 を惹いたのではないでしょうか。いずれにせよ立派な功績ですね。

  その「グッド・ナイト・ベイビー」の元歌とも言える、「「グッド・ナイト、スウィートハート、 

 グッド・ナイト」、こちらはスパニエルズ1953年のヒット曲。デイトの帰りにガール・フレンド

 を送り届けて理解のない相手の両親をボヤく普遍的テーマ、永遠の純愛少年の

 歌ですが、これ「アサー」の3時ですよ、この家に門限はないのか。

  「グッド・ナイト、スウィートハート、グッド・ナイト」、スパニエルズでした。最後のドラムズの

 「締め」普通は省略される事が多いですが、今朝はしっかりお聞きいただき

 ました。

M08.Wiase Nsem Dooso(2’43”)Onyina’s Guiter Band  

-pd.-   エルスール008

N  先週お届けしたエルスール・レコーズが選曲編集した「身体のコリ」をほぐす効能があ

 ると噂される2枚組『ガーナの椰子酒音楽』から「ウィアセ・ンセム・ドゥソ」、オニイナズ・

 ギター・バンドでした。非常にポップですね。 楽曲の構成が完璧で、ヴォーカル・

 ハーモニーも魅力です。1960年の録音。

  これは、同アルバムの2枚目からです。こちらの盤は、ほぼ全編がウッド・ブロッ

 クのクラーベ・ビートに支配されていまして、それがまた心地良いですね。ヌー・オーリ

 ーンズのビートが逆輸入されたのかも知れません。

  次もアメリカ音楽の影響が感じられます。エレキギターのコードがブルーズの進行なので

 す。単弦のソロもどこかブルース的、いや「ロック・アラウンド・ザ・クロック」的です。

   ボアテンズ・ギター・バンドで、「ンニ・アウェレコー」。

M09.Nni Awerekone(2’59”)Boateng’s Guitar Band  

-pd.-   エルスール008

M10.Anti Susana(3’08”)K.Gyasi Band

-pd.-   エルスール008

N  ボアテンズ・ギター・バンドで、「ンニ・アウェレコー」、そしてクラーベのツー・スリー、スリー・ツー

 が交互に現れる「アンティ・スザーナ」、ケイ・ジャシズ・バンドでした。春が来てこれか

 ら暖かくなる時期、ガーナの椰子酒音楽はますます気持ち良く響きます。また

 折りを見てご紹介致しましょう。

  さて先週の「保守的な」スタンダード音楽集、総スカンを食うんじゃないかという

 恐怖がありましたが、皆さんに抵抗なく受け止められたようでホッとしていま

 す。こういうのが嫌いって言うんじゃ話にならない、とまでは申しませんが、

 それなりの良さは感じてもらえたようです。

  その中でサム・クックの「センチメンタル・リーズンズ」をほぼ完璧な造りだ、と紹介しま

 した。実際このスタジオ吹き込みは寸分の隙もなく出来上がっています。特にサム

 の唄が素晴らしいのですが、ゴリガンR&Bファンはこういうのを認めたがらない。

 わたしに言わせれば「だからダメ」なんです。

  でもねオクラ入りとなっていた実況盤で最も熱く唄われていたのが、この「セン

 チメンタル・リーズンズ」だったのです。これには「ザマアミロ」でしたね。それに応え

 る熱狂的な聴衆も一緒に聞いて下さい、1963年1月12日、フロリダはマイアミのハー

 レム・スクエア・クラブです。

M11.It’s AlL right~(I Love You)For Sentimental Reasonns (4’56”)Sam Cooke

-S.Cooke, D.Watson, W.Best-  RCA Legacy 82876 69552 2

N  この暴動寸前の興奮、凄まじいですね。63年と言えば盛り上がる公民権運

 動に白人たちは神経質になっていましたから、こんな危険な録音を公にする

 事は出来ない、と倉庫の奥にしまい込んでしまったのは、当時の正当な理由
 でしょう。ジェイムズ・ブラウンのアパロ実況第1作はそれより前の62年ですが、こ

 ちらは黒人たちだけのものとして、白人からは無視されたと言って良いので

 はないでしょうか。なんせサム・クックは白人経営の大手レイベルに所属する影響力

 絶大なるスタンダード歌手でしたから。

  そのサム・クックは白人市場進出の足掛かりとしてヌー・ヨークの一流クラブであるコパ

 カバーナに出演します。一回めは1958年3月、コメディアン、マイロン・コーエンの前座でし

 た。準備不足もあって、この時は芳しい成果を上げられなかったので、その6

 年後に満を持して再度コパカバーナに挑みます。その時に録音されたのが『サム・

 クック・アット・ザ・コパ』、これもR&Bファンはあまり評価しない名盤。白人を意識

 した選曲に多少不満はありますが、サムの全力投球は変わりません。以前「現」

 時代にお届けして、「ハーレム・スクエアと同じく、サムはどこも手を抜いたりしていな

 い。ここにはいつもの歌の神様が降りて来ている」などと興奮気味に喋った

 ら、即座に「全面的に同感です」というメイルを頂きました。嬉しかったな。

  では『サム・クック・アット・ザ・コパ』から、メドリーで

  「トライ・ア・リトル・テンダネス~センチメンタル・リーズンズ~ユー・センド・ミー」をどうぞ。

M12.Try A Little Tenderness~(I Love You)For Sentimental Reasonns~

 You Send Me(4’56”)Sam Cooke  

-Campbell, Connelly, I.Watson, S.Cooke-   ユニバーサル UIGY-7042

N   「全面的に同感」して頂けましたでしょうか、『サム・クック・アット・ザ・コパ』

 から、「トライ・ア・リトル・テンダネス~センチメンタル・リーズンズ~ユー・センド・ミー」3曲メドリーで

 お送りしました。

  ヌー・ヨークのコパカバーナは名門ナイトクラブとして有名で、ここでショウを持てるのは一

 流エンタテイナとしての証明でした。サムが 2回挑戦したのも分かります。ここで収

 録された実況盤には、他にジャッキー・ウイルスンのものがあります。こちらはサムのよ

 りもっと芸能界的。長い喋りで繋ぎ、時にミュージカル的な展開を観せます。

  ではこれも3曲のメドリー形式ですね、

 「ドギン・アラウンド~トゥ・ビ・ラヴド~ロンリー・ティアドロップス」です。

M13.Doggin’ Around~ To Be Loved~ Lonely Teardrops(10’26”)Jackie Willson

-B.Gordy jr., T.Carlo, A.Tucker, G.Gordy, G.Gordy-  Hall Mark 713372

M14.ザット・オールド・ブラック・マジック(2’13”)グリーン・ブック・コパカバーナ・オーケストラ 

-H.Arien, J.Mercer-  ワーナー WPCR 18181

N  ジャッキー・ロビンスンがノリノリで唄っていたコパカバーナの実況に続きましたのは、「ザ

 ット・オールド・ブラック・マジック」、こちらもサラ・ヴォーンやフランク・シナトラが唄っている立

 派なスタンダード曲ですが、今のは新録。グリーン・ブック・コパカバーナ・オーケストラと言う

 人達の唄と演奏でした。これはつい先だって発表されたアカデミーで作品賞に輝

 いた映画「グリーン・ブック」のサウンド・トラック盤の1曲目に収められています。

  1962年のアメリカ南部での人種差別を主題としたこの作品は、流石に面白く、

 2時間を超える長さも気になりません。黒人芸術家のドサ周りに付き合うイタリア

 移民運転手の道中記で、題名の「グリーン・ブック」とは南部の黒人を受け入れて

 くれる宿、食堂、給油所を網羅した案内書の事です。

  62年ですから、当然かなり強度な差別がありまして、ふたりは受け入れざ

 るを得ない環境に抵抗しながら旅を続けます。そして最後には「こんな場所

 では演ってられねえよ」と、仕事を蹴っ飛ばして帰ってしまうのです。事実

 を基に脚本は書かれました。差別の現状を再現する場面が何度も出てきます。

 かなり写実的ですが、本当はもっと酷かったはずです。

  この黒人芸術家はピアニスト。素晴らしい腕前と特異な音楽性は田舎の文化人

 達から絶賛されますが、基本的人権は差別されたまま。楽屋は倉庫、便所は

 屋外、高級紳士服店では試着を断られ、飲食も別なのです。イタリア移民運転手

 は芸術家と波長が合い、次第に差別に反発を感じるようになり、最後にそれ

 が爆発する訳です。

  この主人公は用心棒として働いていたナイトクラブが改装で閉鎖されてしまい、

 探した仕事が旅に出た切っ掛けでした。そしてそのナイトクラブというのが、ヌー・

 ヨークのコパカバーナだったのです。試写を観た直後にアカデミー受賞の発表があり、嬉

 しくなってサム・クックとジャッキー・ロビンスンのコパ実況を聞いて貰った次第です。

  ここからはこのサウンドトラック盤を聞いて行きましょう。  

M15.ソー・ロング・ラヴァーズ・アイランド(2’21”)ブルー・ジェイズ 

-L.Peals-  ワーナー WPCR 18181

N  黒白人種混合のヴォーカル・グループ、ブルー・ジェイズで「ソー・ロング・ラヴァーズ・アイ

 ランド」、1961年のヒット曲でした。このサントラ盤には先ほどのような新録、そして

 今のように物語の時代に流行っていた楽曲が収録されています。それも安易

 なオールディーズではなく、かなり渋い選び方がされています。これが映画の印象

 を浮ついた物にしていない要因でしょう。 次の音楽もそのひとつです。

  ティミー・ショウです、「ア・レター・フロム・マイ・ベイビー」。 

M16.ア・レター・フロム・マイ・ベイビー(2’49”)ティミー・ショウ  

-J.Hammonds jr., J.A.Bernett, J.M.Mathews-  ワーナー WPCR 18181

N  「ア・レター・フロム・マイ・ベイビー」、ティミー・ショウでした。移動の車の中ではこんな

 音楽がラジオから流れて来るんです。サントラ盤には入っていませんが、冒頭部分

 でのこの歌も印象的でした。

M17.ワン・ミント・ジュレップ(2’27”)ザ・クローヴァーズ

-R.Toombs-  MMG AMCY-333    1951

N  黒色クローヴァーズで「ワン・ミント・ジュレップ」、1951年のヒット曲でした。公演旅行を 

 続ける黒人ピアニストは芸術領域の人間なので、あまり世俗音楽を知りません。

 ラジオから流れる次の歌を聞いて、「それは誰だ」とイタリア移民運転手に問いかけ

 ます。

M18.ルシール(2’24”)リトル・リチャード

-A.Clins, R.Penniman-  PVCP-8109   1957

N  「これがリトル・リチャードの『ルシヤ』か。確かに個性的だ」、説明を受けて、黒人

 ピアニストはこんな風に呟きます。ここのところ、面白かったですね。

  音楽を担当しているのは、クリス・バワーズ、まだ30歳の若手ながら、音楽歴

 は充分で、既に何本かの映画でも実績を残しています。では彼が実際に弾い

 ている新録トラックからどうぞ。

  「ヲーター・ボーイ」。

M19.ウォーター・ボーイ(4’53”)クリス・バワーズ 

-A.Robinson-  ワーナー WPCR 18181

N  南アフリカ出身のピアニスト、ダラー・ブランドを連想させる「ヲーター・ボーイ」、映画「グ

 リーン・ブック」のサウンド・トラック盤から、クリス・バワーズの演奏でした。なかなかに宜

 しい。

  映画の中で、当初は荘厳な雰囲気で聞く方にも緊張を強いるような調子の

 表現だけだった黒人ピアニストが段々とファンキーになり、しまいにはジューク・ジョイント

 でそこのハコバンとR&Bを演奏するまでに至ります。これも大変宜しい。

  この実在した黒人ピアニストはドン・シャーリーといって、デューク・エリントンに認められ

 た男です。1927年の生まれで、2013年に亡くなるまで、沢山の作品を残し

 ています。先ほどの「ヲーター・ボーイ」も、1961年に自身の演奏でビルボード・ホッ

 ト・チャートで40位を記録していますから、大したものですね。

  ではそのドン・シャーリーの演奏です。サウンドトラック盤の最後に収められている、

  「ロンサム・ロード」。

M20.ザ・ロンサム・ロード(2’23”)ドン・シャーリー  

-G.Austin, N.Shilkret-  ワーナー WPCR 18181

M21.コパカバーナ(5’46”)     

-B.Manilow, B.Sussman, J.Feldman-  BMG BVCM-37654/5

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N 今朝の最後は、映画「グリーン・ブック」イタリア移民の運転手トニー・リップが勤めてい

 たナイトクラブの名前と同じ「コパカバーナ」、バリー・マニロウでした。こちらはハバナにあ

 ったクラブで起こった愛憎劇が唄われています。1978年夏の大ヒット。わたしが

 新宿二丁目でモテモテだった頃ですね。思い出します。この映画「グリーン・ブック」

 は今月末から大々的に公開されます。アカデミー獲ったから劇場も増えるんじゃ

 ないかな。皆さんも是非ご覧になって下さい。

  いつもおいしそうなお話しのグリコさん、わたしもここのところ自炊生活を

 続けています。家事全般を嫌いではないのですが料理だけは全くダメでして、

 酷いものばかり食べる毎日です。ご投稿を読んで、それを食べたつもりにな

 っています。どうぞしばらく続けてください。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/dd77544246f53fe483abe0b4e3f16ccf5139a0d7

  ダウンロード・パスワードは、47hcsn54です。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/02/23

mb190223

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年02月23日を  

 始めましょう。

  ここのところ3週間、後ろの方に置いといたら、毎回時間切れで翌週送り

 になってしまった2曲を、今朝はまず先にお届けします。今年で85歳になる

 英国ブルーズ界の大御所、ジョン・メイオールの新譜からです。

  トド・ラングレンがギターで参加している

  「ザッツ・ワット・ラーヴ・ウィル・メイク・ユー・ドゥ」。

M01.That’s What Love Will Make You Do(3’51”)ジョン・メイオール

-unknown-  BSMF  2646

N  終わりのキメリフもカッコいい「ザッツ・ワット・ラーヴ・ウィル・メイク・ユー・ドゥ」、ジョン・メ

 イオール・トリオ、フィーチュアリング・トド・ラングレンでした。

  馬面男トド・ラングレンは良心的音楽ファンの間でとても人気がありました。わた

 しとはずっと何の接点もなく、ビートルズのパロディ・アルバム『抱きしめたいぜ』

 に大笑いした位でしょうか。前世紀末に一人で来日して、当時まだ開発段階

 だった楽器のディジタル自動演奏装置とのワンマン公演をしたのを見た事がありま

 す。渋谷公会堂だったな。舞台に吊った大きな画面に、やはりディジタルで構成

 した他の演奏パートの仮想映像を映し出したりして、一生懸命でした。でもわ

 たしには、その時もピンとは来なかった。

  今の「ザッツ・ワット・ラーヴ・ウィル・メイク・ユー・ドゥ」を聞いて、こんなにブルーズ

 らしいギターを弾けるんだ、と驚きました。もともと器用な人だし、ポール・マカー

 トニ級の多彩な演奏能力を持ってますから何でも出来るんだろうけど、まるで

 ブルーズ・ギタリストです。そしてメイオールとの関係は・・・、謎です。

  さてベイス・ラインが後半特に魅力的だったジョン・メイオールの「ザッツ・ワット・ラーヴ・

 ウィル・メイク・ユー・ドゥ」に続けて、同じアルバム『ノーバディ・トールド・ミー』の冒頭を

 飾るジョー・ボナマッサ参加曲です。

  「ワット・ハヴ・アイ・ダン・ロング」、ロド・スチュアート、ニキ・ホプキンズ、ロニー・ウド、そ

 してミック・ヲーラーを擁していた黄金期のジェフ・ベック・グループで「レット・ミー・ラーヴ・

 ユー」を弾いてるつもりの、嬉しそうなジョー・ボナマッサが見えます。

M02.What Have I Done Wrong(3’5’7”)ジョン・メイオール

-unknown-  BSMF  2646

M03.Aw Mark Yreba(3’04”)Kumasi Trio

-pd.-  エルスール 008

N  突然1928年の録音です。ガーナの椰子酒音楽、パームワイン・ミュージック、クマシ・トリオ

 で「アウ・マーク・イレベ」と言う歌です。西アフリカのガーナ、日本ではロッテのチョコレイトで

 有名な国です。ここは1902年に大英帝国の一角となり、すぐに鉄道が敷かれ

 たりして前世紀初頭から文明度は高かったので、1928年にこのようなハイファイ

 録音が行われていたんですね。

  わたしも割と頻繁に顔を出すレコード店、渋谷公園通りのエルスール・レコーズが編集

 した2枚組『パームワイン・ミュージック・オヴ・ガーナ』が出来上がりました。殆どが

 当時のSP盤を起こしたトラックで、全編が今のような調子で続きます。これがと

 ても気持ちいい。椰子酒音楽は「アフリカ最初のポピュラー・ミュージック」と言われて

 いるそうですが、欧米のポップ・スタイルを40年も早く先取りしていた、と言え

 なくもない、この2枚組を聞いているとそんな気にもなります。この演奏は

 後にハイライフと呼ばれる形に繋がって行くのですけれど、今の「アウ・マーク・ヨルベ」

 の旋律は、どこかで耳にした事がありませんか。

  そうです、これです。

M04.山の上に告げよ(2’57”)ピーター、ポール&マリー

-Stookey, Yarrow, Okun, Travers-  WPCR-14347

N  メムバの創作になっているクレジットの「山の上に告げよ」、ピーター、ポール&マリーで

 した。これ本当は賛美歌の二編172番「世界に告げよ」です。

  英国の領地だったガーナには当然基督教が入り込んでいて、教会も建って音

 楽を使った宣教活動が行われていた事実を物語ります。まだハイライフ的なスタイルは

 確立されていません。ただ整然とした印象のPPMに較べると、流石ガーナ人で

 すね。控えめながら細かなリズム・アタックが仕掛けられ、ヴォーカル・ハーモニーも冴えて

 ます。

  同じ2枚組から、もう1曲聞いてみましょう。

  クワア・メンサ・アンド・ヒズ・ファンティ・トリオ、1954年の録音です。

  「クウェク・ダムシ」。

M05.Kweku Damtsi(2’45”)Kwaa Mensah And His Fanti Trio

-pd.-  エルスール 008 

N  わたしはこれを聞いて即座にペンギン・カフェ・オーケストラを連想しました。演奏の

 途中で風船から空気が抜けるようにテムポーが落ちて行く感じがクリソツなのです。

 サイモン・ジェフスはハイライフ以前のガーナ音楽を聞いていたのでしょうか。

  ではペンギン・カフェ・オーケストラで

  「エール・ア・ダンサー」をどうぞ。こちらは1981年の作品になります。

M06.Air A Danser(4’30”)Penguin Café Orchestra

-S.Jeffes-   EG  EEGCD 11

N  ペンギン・カフェ・オーケストラで「エール・ア・ダンサー」でした。最新のブルーズ、そして前 

 紀初頭のガーナ音楽を聞いて参りました今朝の「幻」モーニン・ブルーズ、ここから

 は非常に保守的な選曲構成となります。

  まずはお聞き下さい。

M07.I Do(2’23”)Brook Benton & Dinah Washington  

-Raieigh, Wolf-   Golden Stars GSS 5314

N  「結婚行進曲」をモチーフにして「永遠の誓い」を約束するダイナ・ヲッシントンとブル

 ック・ベントン、「アイ・ドゥ」でした。

  先週の「今夜教えて」を引き合いに出すまでもなく、「幻」歌合戦常連の

 ダイナ・ヲッシントンです。片やブルック・ベントンはこれまでに登場した事があったかな

 あ。わたしも「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」程度の知識しかなかったのですが、

 今月2日に渋谷のリポで行った生語り会で、亀渕昭信大先輩がチラリと「ダイナ・

 ヲッシントンはブルック・ベントンとの・・・」と呟いたんです。会の進行には関係なか

 ったのですが、隣に座っていたワツシがそれを聞き逃す筈がありません。

  耳に覚えのない組み合わせでした。わたしのダイナ・ヲッシントン愛もいい加減な

 ものですね。取り敢えずは・・・、と調べて、2種類を入手してみました。そ

 こからまず、「アイ・ドゥ」でした。

  次はそのA面で、全米R&Bチャートでの第一位獲得曲、オリヂナルはヌー・オーリンズの

 男女デューオ、シャーリーとリーでした。

  「ベイビー」、1960年です。

M08.Baby(You’ve Got What It Takes)(2’49”)

Brook Benton & Dinah Washington

-Otis, Stein, Benton-   Golden Stars GSS 5314

N  シャーリーとリーらしい造りの「ベイビー」、ダイナ・ヲッシントンとブルック・ベントンでした。

 こういうのをすぐ完璧に合わせられるダイナは、やっぱり凄いね。 

  1931年生まれのブルック・ベントンはもともと作曲家を志していました。50年代

 にはキング・コールやクライド・マクファターと言う稀代の唄い手に作品を提供し、それな

 りの地位を得ていましたが、こんなに良い声を持ってる訳ですから唄わない

 手はありません。58年という遅いデビューでしたが、60年には先の「ベイビー」、

 そして次の歌もダイナとのデューオで全米R&Bチャートで第一位を獲得しました。

M09.A Rocking’ Good Way(2’47”)Brook Benton & Dinah Washington

-Benton, Otis, De Jesus-  Golden Stars GSS 5314

N  「ア・ロキン・グッド・ウェイ」、ダイナ・ヲッシントンとブルック・ベントンでした。ふたりはシン

 グル2枚の両面を吹き込んだだけのパートタイム・デューオです。2種類手に入れたアル

 バムにも4曲以外には入っていません。60年に『トゥー・オヴ・アス』という如何

 にもな題名のアルバムを共同名義で出していますが、それぞれ一人で歌っている

 のが4曲づつ、そしてこれら4曲で当時ポップ・アルバムの常識的な12曲が成立、

 という内容です。では手元に残っているふたりの最後の1曲を聞きましょう。

  「アイ・ビリーヴ」。

M10.I Belirve(3’25”)Brook Benton & Dinah Washington

-Drake, Graham, Shiri,Stillman-    Letthegootimesroll  LTG 39575

N  「アイ・ビリーヴ」、でした。さてここからはブルック・ベントンがピンで唄っている歌 

 を少し聞きます。ご存知のようにブルック・ベントンは「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」

 が大当たりして世界的に知られるところとなりました。この歌は同時に、作

 者であるトニー・ジョー・ホワイトを知らしめる結果を生み出しました。作曲者志望だ

 った歌い手が新しい歌書きを世に出したのです。

  ではブルック・ベントン1970年の大ヒット曲、「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」。

M11.Rainy Night In Gergia(4’03”)Brook Benton

-T.J.White-   Golden Stars GSS 5314 

N  いや、いつ聞いても素晴らしい「「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」」ですね。これ

 はトニー・ジョー・ホワイトの原曲の魅力に負うところ大ではありますが、ブルック・ベン

 トンの声がなかったらここまで大勢の人たちに聞かれなかったでしょう。トニー・ 

 ジョーはそれ以前、エルヴィス・プレズリが「」ポーク・サラダ・アニイ」を唄って多少は知

 られていましたが、この歌で存在を確かにしました。本来ソングライター志望でし

 たが他の作曲者を有名にしてしまった、ブルック・ベントン、そうは言ってもブルック・

 ベントンは自分の作品でもヒットを飛ばしています。

  最も有名なのはこれでしょう、「キディオー、ネエちゃんよう」、ナインティーンシクスティー。 

M12.Kiddio(2’37”)Brook Benton

-Benton, Otis-  Letthegootimesroll  LTG 39575

N  ブルーズからR&Bに形を変えて行く過渡期の黒人音楽、その象徴のような

 「キディオー」でした。先のダイナとのデューオではことさら低音の美しさを強調する

 節回しが多かったようですが、こういう音域でも美声は美声の証明です。や

 っぱり唄い手は声です。わたしはこんな声なのが悔しいよ。

  さてブルック・ベントンの中音域が楽しめる歌、こちらはは如何でしょうか。1959

 年の作品です。これもR&B チャートで一位獲得の

  「ソウ・メニー・ウェイズ」。

M13.So Many Ways(2’32”)Brook Benton 

-Stevenson-  Golden Stars GSS 5314

N  ブルック・ベントン「ソウ・メニー・ウェイズ」でした。如何でしょう、この声の魅力、そ

 してそれを駆使した唄い方、敵わないなあ、あ、敵う筈ないですね。

  さて先ほど「保守的な内容」と申しましたが、ブルック・ベントンのこういう歌

 を聞いていると、今はもうなくなってしまった音楽領域に気づきます。それ

 は、「スタンダード」と称された、ジャズ的ではありますがもっと広い層に訴える、

 安全なポピュラー音楽です。

  ビートルズが常識を壊してしまう前までは、この種の歌をリパトゥワの中心にする

 のが大衆音楽の最終形、極みでした。十代で唄い出したアイドル、剽軽な味で世

 間に知られたノヴェルティ歌手、そして立派にジャズで通用するシンガーも、最後はこ

 ういう歌を大舞台で唄い、歌手として成功したと認められたのです。

  その狭間にいたサム・クックですら、世俗音楽転向直後は、この種のスタンダードを

 沢山採り入れていました。彼の場合は前にナット・キング・コールというお手本があ

 りましたから、当初はそのままに倣っていた部分もあります。現在発売され

 ている彼の偉業を称える作品集は、ほぼ自作曲で固められますが、二十歳前

 のわたしが彼に向き合って聞くようになった頃、すぐに好きになったのはこ

 の歌でした。

M14.(I Love You)For Sentimental Reasons(2’36”)Sam Cooke 

-I.Watson-  Real Gone / MAPS  RGRNBCD0011

M15.アイ・ラヴ・ユー、イエス・アイ・ドゥ(2’44”)ジェームス・ブラウン 

-S.Nix, H.Glover-  ユニバーサル  UICY-9287

N  サム・クックで「センチメンタル・リーズンズ」、ナッキン・コールのリパトゥワだった1曲です。混声

 その他大勢コーラスを従え、2度目のサビではそちらに主旋律を唄わせ、自身はそ

 れに応えて唄い継ぐ編曲は、当時のポピュラー・ソングの定格です。もちろん、

 圧倒的な生々しさ、オリヂナルな節回しや、繰り返される「アイ・ノウ」などにサムが

 ゴスペルで培ったものは脈々と流れていて、全体の手触りはそれまでのスタンダー

 ドとは若干違っていますが、サム・クックもこの手の物を唄って芸能の頂点を目指

 したのです。

  それに続けたジェイムズ・ブラウンの「アイ・ラヴ・ユー、イエス・アイ・ドゥ」は元々が

 R&Bですが、ジェイムズがカヴァした1966年頃はにスタンダード曲として親しまれて

 いました。既にファンク路線を走り始めた彼ですら、同じように世の名曲を美し

 く上手に唄える事を証明し、成功者の仲間入りをしたかったのです。

  こういうスタンダード・ナムバが陳腐だ、と駆逐されるのは70年代に入ってから

 で、我流の自作自演が尊ばれ、稚拙な表現しか出来ない大勢のアマチュアが世に出

 る事になりました。この時代は、プロフェッショナルな技術を持った唄の上手い人達

 の受難期です。キャバレー・ショウの衰退も時は同じでした。

  確かにそれまでの芸能の構造には陳腐な部分が多々ありまして、時代の流

 れに即応した形に変えていく必要がありました。また、こういうカイゼンは少々

 暴力的に行わないと実現は出来ません。ビートルズ、特に絶対安全地帯に居たジ

 ョン・レノンはパンク精神でそこまでの保守的でナンセンスな流れを全否定して「革命」

 を叫びました。子供の頃から「ジャズというのは下らない音楽で、ロックンロールよ

 り一段と馬鹿げている」と言っていましたからね。その結果、このような上

 手な唄い手の行き場が無くなってしまったのでもあります。わたし自身、若

 い頃はこの価値転換に拍手を送っていました。

  ただ、良い唄は不変です。それから半世紀を経て今ではその類の「ナンセンスな」

 音楽を堂々と聞ける幸せを噛み締めています。

  次はダイナ・ヲッシントンをほんの少し聞きましょう。ダイナは弦を加えた演奏の甘

 いポップ曲を多く吹き込んでいるため、ゴリガンR&Bファンには目の敵にされる事

 もありますが、耳を澄まして肉声を聞いて下さい。素晴らしい理解と咀嚼が

 誰にも伝わります。これが唄の魅力でなくて何でありましょう。彼女をダメな

 人がいるのは認めますが・・・。

  では今度はダイナがピンで唄っているナムバです。

  まずは「ディス・ビター・アース〜この苦々しき世界」。

M16.This Butter Earth(2’29”)Dina Washington 

-Otis-   Letthegootimesroll  LTG 39575

M17.Unfogetable(2’41”)Dina Washington

-Gordon-  Letthegootimesroll  LTG 39575

N  ダイナ・ヲッシントンで「ディス・ビター・アース」、そして「アンフォゲッタボー」でした。ほと

 んどの人がナット・キング・コールの、それも娘とのハイテク・デューオでご存知の、この歌

 「アンフォゲッタボー」こそスタンダード中のスタンダードです。ダイナの代表曲でもあります

 のよ。

  今朝キング・コールは、こちらを聞いて下さい。美空ひばりも唄っていました。

  「歩いて帰ろう」。

M18. 歩いて帰ろう (2’41”)ナット・キング・コール 

-R.Tuck, F.Ahlert-  東芝TOCP-707710

M19.Walking My Baby Back Home(2’38”)トミー・エマニュエル & ジョン・ノウルズ 

-R.Tuck, F.Ahlert-  BSMF 5065

N  ナット・キング・コールの「歩いて帰ろう」に続けましたのは、チェット・アトキンズから

 ギター演奏家保証称号を貰ったというふたり、トミー・エマニュエルとジョン・ノウルズの

 同じ曲でした。ふたりの生ギター・アンサムブル・アルバムが来月末に出ます。押し付

 け感が全くないので直接的な迫力は乏しいかも知れませんが、じっくり聴け

 ばその卓越した技術に圧倒されます。選曲も幅広く意外でもあり、面白い。

 5月には来日公演もあります。身近で観たら、多分ぶっ飛ばされるでしょう。

 トミー・エマニュエルはオーストラリア人です。ギターという楽器が世界中で親しまれている事

 の証明です。シドニー・オリンピックの閉会式で演奏してたらしいですね。知らなか

 った。多分年齢は60歳前後ではないでしょうか。

  では若い人たちにもひとつガンバッて貰いましょう。

M20.Over And Over(4’59”)ザ・カクタス・チャンネル 

-unknown-  BSMF  REDN-0013

N  ザ・カクタス・チャンネルで「オーヴァ・アンド・オーヴァ」でした。彼らはまだ20代前半

 の若者集団。2012年にデビューした時には「驚異の高校生バンド」と呼ばれた

 んだそうです。彼らもオーストラリア人です。最初は器楽演奏だけでしたが、今回は

 お聞きのようにヴォーカル入りです。ギター担当のルイス・コールマンという子が唄ってい

 ます。

  では次にアメリカはミシガン州の「驚異の高校生バンド」です。

  男女7人組のローズウドで「インタステイト」。

M21.Interstate(4’54”)Rosewood 

-M.Semones, E.Tschirhart-  Youth Owned Records YOR-29

N  ローズウドで「インタステイト」でした。こちらは自主制作アルバムからです。メムバの一

 人の両親と昔からの知り合いでして、夏休みに会った時にCD現物を貰いま

 した。結構幅広い音楽性で、大人の音楽を演ってますね。でも若い、確かに

 若い。貧弱なリフを延々と繰り返す辺りには、若さが感じられます。今の楽曲

 作者が知り合いの娘で、彼女はバークリー音楽院に進んだようなので、また何か

 聞かせてくれるかも知れません。

  では、50年前の「驚異の高校生バンド」です。とは言えメムバには当時すでに

 高等学校中退者が3名いたので、厳密には「高校生バンド」とは言えないかも。

 ただし全員まだ皆未成年の18才でした。

  日本を代表して「驚異の高校生バンド」、静岡ロックンロール組合で「シャンのロック」。

M22.シャンのロック(3’59”)静岡ロックンロール組合

-K.Watanabe, I.Washizu-  Deckrec / UKP  DCRC-0061

M23.The Coldest Day In My Life pt.I(4’41”)Chi-Lights

-E.Record, C.Davis-  Brunswick / Edsel  DIAB 872

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  今朝の最後はシャイ・ライツで「北風の中で」パート・ワンでした。 LPのトラックは7

 分以上あった筈です。これは現在入手可能なベスト盤に収録のシングルA面仕様

 なかなかうまいフェイド・アウトですね。合格だ。

  さてエリスの前号でわたしは大きく間違った事を書いていました。それを読者

 の方に指摘されまして、次号に次のような一文を載せて、謝罪訂正をいたし

 ております。

   お詫びと訂正 

  読者の方からのご指摘で、前25号のわたしの文章に間違いがあることが分

  かりました。148頁最終行「強姦などと同じく申告罪なので」とあります

  が、2017年に法改正があり強姦罪は親告罪ではなくなっています。名称も

  昨今の報道で使われる「強制性交罪」と改められています。共に当方の無

  知誤認によるものでした。お詫びして訂正いたします。web版では既に当

  該部分を削除しました。ご指摘ありがとうございます。

 罪名が罪名なだけに、慎重にならざるを得ませんでした。公式に謝罪の場を用意してくれた編集部にも感謝いたします。気になる方はどうぞエリス25号を開いて確認して下さい。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/c55d2f69ab273d1416f9561e7dd08e74073674ca

  ダウンロード・パスワードは、xigznb9pです。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/02/16

mb190216

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年02月16日を  

 始めましょう。

  温度が上がったり下がったりと慌ただしい気候です。今週も冷えましたね。

 木曜日、金曜日と気温がそれ程上がらなかった時にテレビやラジオなどで「真冬

 並みの寒さ」と表現していたのが、ちょと気になりました。2月半ばは真冬

 じゃないのかな。確かに暦の上では先週から「春」ですけれどもね。今日は

 多少暖かくなりそうです。

  さて先週、先々週と生イヴェントのおさらいで賑やかにお送りしました。今朝

 はこれまでと趣向を変えて行きましょう。

01.Afro Blue(4’58”)Dawda Jobarteh   

-M.Santamaria-  Sterns Music STCD1130

N  モンゴ・サンタマリア作の「アフロ・ブルー」、先週「川の側であの娘を見かけたよ」と

 いう穏やかな風情が漂う器楽曲を紹介したダウダ・ジョルバテというガンビアのコラ

 奏者の新譜から聞いて頂きました。同じ曲は10年ほど前にディー・ディー・ブリッ

 ヂヲーターもカヴァしていましたが、だいぶ趣きが異なります。歌が無いからかな

 あ。ひょっとしたら別の楽曲かも・・・。

  使われている楽器は、多分にイフェクトをかけた電気コラです。聞いているとギター

 のように弾いている姿が連想されますが、どんな形をしていて、どんな姿勢

 で使うのか、実写映像を観たくなります。細やかな表現に変わりはありませ

 んが、「川の側であの娘を見かけたよ」とは別物ですね。「アフロ・ブルー」、ダ

 ウダ・シジョルバテでした。

  次は同じく先週1曲聞いて頂いた、バシア・サノゴの弾くマカレ・ンゴニという弦楽

 器です。

  「デニ・ニ・カグニ」。

02.Deni Ni Kagni(3’15”)Bachir Sonogo         

-B. Sonogo-  Production Bachir Sonogo  nonumber

N  歪みのないコラ、と言ってもいいかな。西アフリカのマカレ・ンゴニという楽器で、

 「デニ・ニ・カグニ」でした。コラのような民族楽器は全てが手造りでして、同一

 規格ではありません。よく調弦出来るなあと思えるような構造です。音色も

 均一ではなく、加えて精度の不足から「歪み」が出ます。三味線で揺れる弦

 が棹に当たって「ビィーン」となってしまう「サワリ」のような音色の変化ですね。

 アフリカの楽器には多かれ少なかれ、この種の濁り、歪みが付き物です。すっか

 り一般的になった西海岸の打楽器ジェムベには金属製の、シンバルで使う、シズラー

 のような付属品を付けて鳴らす部族がいます。これも一種の濁り、歪みの付

 加ですね。エレキのファズやディストーションンと同じです。このマカレ・ンゴニにはその種の

 共鳴がない、素の音です。そこに絡みつくような唄に独特の情感があります。

 バシエール・サンゴで「デニ・ニ・カグニ」でした。

  さて、今年になって出会った傑作アフロ・ファンク・アルバムから行きましょう。

  ヴォードゥー・ゲイムです。今朝は「センス・インテルディ」。

03.Sens Interdit(6’10”)ヴォードゥー・ゲーム

-P.Solo-  オルター・ポップ AFPCD-36361

04.Ngamale(6’08”)Salif Keita

-S.Keita-  Naïve NJ629011

N  軽快とドス黒さを同時に感じさせる高速アフロ・ファンク、ヴォードゥー・ゲイム の「セン

 ス・インテルディ」に続けましては、現役引退発表をしたサリフ・ケイタのアルバム『アン・オウ

 トレ・ブラン』から「ンガマレ」、この曲名、ジャケットでは「Ngamale」と「Gnamale」

 ふた通りの表記があります。仏語と英語の綴り違いなのでしょうか。 南アフリ

 カのヴォーカル・グループ、レイディスミス・ブラック・マムバーズがコーラスで参加していました。

  このように一口にアフリカと言っても地域、部族によって表現は千差万別。そ

 れぞれ固有の愛好家がいますが、知識の足りないわたしは地図を見ながら聞

 かないと全く分からない状態で、もう何十年も聞き続けています。

  それでも何処の誰もが、極東の何処かの国のように誤った西洋化をせず、

 自分たちの受け継いだ血を新しい文化とゆっくり混ぜ合わせて行くやり方に

 は、憧れを感じてしまいますね。

  もう一曲聞いて下さい。ジムバブエのオリヴァ・ムツクジです。

  「クサテレラ」。  

05.Kusaterera(4’35”)Oliver “Tuku” Mtukudzi

-O.Mtukudzi-  Tuku / Sheer Sound / Gatto SLCD 402 

N  「クサテレラ」、オリヴァ・ムツクジでした。唄の節回しとヒュー・マサケラのトラムペットの絡み

 合いが、非常に気持ち宜しかった。何よりオリヴァの声は別格です。

  さて、英語圏に参りましょう。ヒルベンダーズの新作が届きました。20日の発

 売です。今回は自分たちのグループ名が表題。第一印象は、極くフツーのブルーグラス・

 アルバム。どっちかと言うと地味かも知れません。この辺りにこの集団の着実な

 性格が表れているようにも憶えます。

  今朝は分かりやすい曲名で一曲、

  「飛行機、列車、そして自動車」。

06.Planes, Trains, & Automobiles(3’10”)Hilbenders

-unknown-  BSMF 6161

N  ヒルベンダーズで「プレイン、トレイン、アンド・大友ビル」でした。いいでしょ、気に入

 ってます。このアルバムからは追って他の歌も聞いて貰いましょう。

  さてまた非英語圏に戻ります。今度は葡萄牙の言葉。でもオランダを本拠地と

 する白人演奏集団の新譜からです。メムバには二人程有色人種も参加している

 ようです。

  3週間ほど前に一度聞いてもらった、ザ・ジャズインヴェーダーズ、彼らがブラジ

 ルの大御所フュージョン・グループと一緒に作り上げた新作です。

  女声のユニソーンが印象的なミルトン・ナシメントの「シルソ・マリムボンド」と読むのかなあ。

07.Circo Marimbondo(4’03”)Jazzinvaders   

-M.Nacimento-  Pヴァイン PCD-24806

N  「シルソ・マリムボンド」、ザ・ジャズインヴェーダーズでした。言葉の音韻がリズミックに

 連鎖する、いかにもブラジル音楽的な響きが素敵、可愛らしかった。

  技巧者の集まりザ・ジャズインヴェーダーズはこの前にダクタ・ロニー・スミスとジャズ・

 ファンクのアルバムを創っていたそうです。こちらも是非聞いてみたいですね。

  さて、今の「シルソ・マリムボンド」を聞いていたら、この歌を連想しました。

  LP『ザーップVII』から、掛け声が好印象です、「バイランドー」。

08.Bailando(4’26”)Zapp

-L.Troutoman jr,, F.J.Bautista jr., E.C.Anene jr., D.Manuel-

Delta Music Media / Leopard N 77054  LC 08597 

09.A Change Is Gonna Come(3’14”)Sam Cooke

-S.Cooke-  RCA / Abkco PD87127

N  突然のチェインヂ・オーヴ・ペイス、サム・クックで「ア・チェインヂ・イズ・ゴナ・カーム」でし  

 た。実は身近なところで不幸が続きました。葬儀は共にご親族だけで済ませ

 ておられたので、今週の始めに遅ればせながらお線香を上げに言って参りま

 した。今の「ア・チェインヂ・イズ・ゴナ・カーム」は、そのふたりに贈ります。「生

 きていくのは辛い、でも死ぬのは怖い」と唄ったサム・クック、御意。

  ひとりはツイターにも投稿があった、河内音頭取りの桑舞昇栄です。彼とは37

 年の付き合いでした。ずーっと年下だと思っていて「ショーエー」「ショーエー」なん

 て呼んでいましたが、早生まれでわたしより2ヶ月年長です。何度か身体を

 悪くしていましたが、その度に復活してここ2年ほどは元気だったので訃報

 は驚きでした。そんなに悪かったとは・・・。大阪市内のお宅を訪ねたら、

 2枚の遺影が並んでいて、これにも驚き。昇栄の10日前にお父さんが亡くな

 っていました。その葬儀を取り仕切った疲れから倒れたそうです。合掌。

  もうひとりはワツシ家の従姉妹。一番上の女性です。若い頃は聖路加で看護婦

 をしていたんですが、医者と病院が嫌いで、生前には「延命処置拒否の覚え

 書き」を記していた程です。遺体も「散骨をして欲しい」と言っていたそう

 で、残った旦那さんが只今手配中。大変みたいです。

  頻繁に会っていなくても、やはりこういう出来事には心が重たくなります。 

 でも生きている者の宿命として、元気に暮らし続けなくてはいけません。わ

 たしの信条は、「お葬式こそ派手に賑やかに」です。みなさん頼みます。

  ではギャラクティックとボーイフレンドに元気で演って貰いましょう。

  「俺の葬式での踊り」

10.Dance At My Funeral(2’50”)Galactic feat.Boyfriend

-unknown- Pヴァイン PCD-20401

11.ブラーヴォお葬式(4’35”)ランキン・タクシー

-T.Shirahama-  WEA  WMC3-6

N  ギャラクティックとボーイフレンドで「ダンス・アット・マイ・フューネラル」、流石ヌー・オーリンズの

 ギャラクティック、21世紀のセカンドラインでしょうか。ちょっとテムポーが速過ぎるかな。

  続けましたのは、ランキン・タクシー「ブラーヴォお葬式」です。1991年の作品です。

 結構よく出来てますね。ランキンさんもこういうのを沢山作ってくれていたらな

 あ。

  「終活」なんて言葉がフツーに使われるようになって、老い先、死後の準備を

 自分でしておくのが当然のようです。せめて身の回りだけでも片付けとかな

 いとね。わたしの蔵書、音楽素材は寄付だな。誰か引き受けてくれませんか。

 でもまだしばらくは、持ち主が生きてますよ。

12.Teach Me Tonite(2’45”)Dinah Washigton

-Chan, Depaul-  GOLD STARS  GSS5381

N  ブレンダ・リーやフィービ・スノウでお送りしていた「今夜教えて」、今朝は大姉御

 ダイナ・ヲッシントンで聞いて頂きました。今週フィービの唄を何度か聞いて連想しまし

 た。名曲ですから誰のもよく仕上がりますが、やっぱりダイナ・ヲッシントンでしょ

 うか、と簡単には言いませんが、ひと味もふた味も違ってますね。

  では21世紀のダイナ・ヲッシントン・・・、これもご両人に失礼か。

  イナ・フォルスマンです。「エヴリ・シングル・ビート」。

13.Every Single Beat(5’00”)イナ・フォルスマン

-unknown-  BSMF 2644  

N  珍しくラテン調のリズムで唄い上げる、イナ・フォルスマン。終了部分がキモですね。こう

 いうところで緊張を保てるのは、やはり唄が上手だからです。新しいアルバムか

 らは何度もお送りしていますが・・・、まだ残ってるトラックがあります。この

 先もどうぞお楽しみに。

  土曜日、大阪に向かう前に荻窪のライヴ・ハウスを覗きました。知り合いのちょ

 っとしたブルーズ実演があったのです。1曲目が始まって到着したわたしは、扉

 を開けて、お客さんの平均年齢の高さに圧倒されました。10年ほど前にジョニ

 ー・ウインターを観に行った時も、開演前に並んでいる年寄り集団に「何だろう、

 この人たちは」と訝しんだ事を思い出しましたが、わたしこそ、その一員な

 のであります。

  その晩は昔のブルーズ・バンドの猛者たちが集まって、これまたセイム・オールドな

 名曲を聞かせてくれました。その中で珍しくクラレンス・神社仏閣門構的前歯・ブ

 ラウンの反朝鮮戦争ブルーズがあって、それを家で探したのですが見つかりません

 でした。続けて捜索致します。

  今朝は有名なところから、1953年吹き込みです。

  「十字路の闇取り引き」。

14.Dirty Work At The CrossRoads(2’48”)Clarence “Gatemouth” Brown 

-D.Robey-  Rounder / MCA CD 2039

15.For Now So Long(2’43”)Clarence “Gatemouth” Brown

-C.Brown-  Rounder / MCA CD 2039

N クラレンス・ゲイトマウス・ブラウンで「ダーティ・ワーク・アッザ・クロスローズ」、そして「フォー・

 ナウ、ソー・ロング」でした。ゲイトマウスも、やっぱり別格です。唄がいい。ただし、

 この国ではこの器楽曲が最も知られているでしょう。

  素晴らしいリード・ギター、リズム・アレンヂ、そしてホーンのアムサムブル。

  クラレンス・神社仏閣門構的前歯・ブラウンです。

  「時々ストムプ」。

16.Okie Dokie Stomp(2’31”) Clarence “Gatemouth” Brown

-C.Brown-  Rounder / MCA CD 2039

17.僕のマリー(2’24”)ザ・タイガース

-J.Hashimoto, K.Sugiyama-  キープ株式会社 12CD-1212A   

N  神社仏閣門構的前歯・ブラウンの「ドキドキ・ストムプ」に続きましては、ザ・タイガ

 ーズのデビュー曲「僕のマリー」でした。

  「幻」ツイターに明治製菓のタイガーズ・ノヴェルティ、大量に出て来ますね。こんな

 にあるのか。音源は箱組みCDに収録されていると聞きましたが、これは や

 はりフォノシートが価値ですね。この前のリポでの生DJの場には、「まだ持ってい

 る」方が複数いらっしゃいました。大切な想い出か。誰を好きだったんだろ

 う。

  わたしはシャボン玉ホリデーでデビューの時からこのグループを観ていまして、同時

 代的に親しんでいました。この「僕のマリー」が一番好きだったのですが、今聞

 いて、結構複雑なヴォーカル・ワークをこなしている点を新発見。こうやって唄の響

 きを磨いて行けばよかったのに。ジュリーの人気に依存した陳腐な企画で大衆を

 惹きつけられるとでも考えていたんでしょうか。そんなに甘くはありません。

  それにつけても思い出されるのが、この歌の加橋かつみのハーモニーです。

18.風は知らない(2’24”)ザ・タイガース

-T.Iwatani, K.Murai-  キープ株式会社 12CD-1212A

N  「風は知らない」ザ・タイガースでした。これのA面が、とてもドラマチックに作ら

 れている、こちらでした。トッポこと加橋かつみが抜けて岸部シローが加入。そし

 て発表された新生タイガーズの初シングル曲です。 

  「美しき愛の掟」をどうぞ。

19.美しき愛の掟(3’13”)ザ・タイガース

-M.Yamagami, K.Murai-  キープ株式会社 12CD-1212A 

20.For The Love Of You –Pts. 1 & 2(5’36”)The Isley Brothers 

-Isley, Isley, Isley, Isley, Jasper-  Rhino / Sony R2 70909

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N 「美しき愛の掟」、仰々しいですね。やっぱこういうワザとらしい方がいい

 のかなあ。若干サドマゾ的でもあります。愛のカタチとして、それは有り得ますけ

 どね。

  今回「落ち葉の物語」を探して手に入れたのは、非常に粗悪なベスト盤でし

 た。発売元も渡辺プロ原盤を専門に扱う、ワゴン物納入業者みたいなところで

 す。収録曲も足りない。大体「ラーヴ、ラーヴ、ラーヴ」が入ってないじゃないか。

  この国の過去音源の扱いは最低ですね。『全曲集』『スーパー・ベスト』などの

 安易なネイミング、テキトーで少ない選曲、味気ないディザイン、そして貧弱な録音詳細

 記述、要するに制作側の愛情が感じられないのです。それを今時2500円で売

 ってたりする。欲しけりゃ箱物を揃えろ、でしょうか。それもあんまりじゃ

 ないの。「本人歌唱」という特記には笑ってしまいます。とにかく、価値あ

 る財産だぞ。

  今朝の最後はアイズリー・ブラザーズの「フォー・ザ・ラーヴ・オヴ・ユー」でした。先

 週の「寂しい夜」、これをアイズリーがカヴァしてたのをツイター投稿で思い出して、

 これまた探したのですが見つからず、そこで出会った懐かしいこの歌、聴い

 て貰いました。これもよく出来てるな。

  ヴェンテンさま、エアー・チョコレイト、確かに受諾、多謝。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/3bb80036c490a25684e96208e1af1ad119351e7d

  ダウンロード・パスワードは、g14v93gtです。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

【幻】モーニン・ブルーズ 2019/02/09

mb190209

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年02月09日を  

 始めましょう。

  今週月曜日、木曜日の馬鹿陽気、最高18度だって。驚きました。気持ち悪

 かったですね。でも月曜は夕方から北風が吹いて、多少は冬らしくなりまし

 た。今ね、毎日宵の時間帯に自転車で走っていて、家のそば幹線道路の坂で

 奮闘しているのですよ。ちょうど北に向かっているので、そこで吹かれると

 辛い。ただし続けていると、筋肉が鍛えられて行くのが実感出来ます。俺の 

 体は、まだまだ大丈夫、と過信するのがいけないらしい。

  さて今朝はまず大先輩のナレイションからです。驚かないで下さいね。

  • オールナイトニッポン(1’13”)

-音楽作品に非ず-  コロムビア CA-2749/50

N  今ではとても高価になっているという2枚組CD『ラジオ・デイズ オリジナル版〜

 懐かしのラジオ番組オープニング集〜』から、多分1969年2月8日放送の「オールナイ

 ト・ニッポン」冒頭部分をお送りしました。糸居のゴローさんですね。これは多分

 カセット・テイプに録音保存されていた音源ではないでしょうか。放送日は、語ら

 れている事故、「自衛隊機の墜落」「新幹線の停電」から推察しました。69

 年2月というと、わたしも聞いていて不思議はないですが、記憶にありませ

 ん。まだまだヒットパレイド に夢中だった頃ですね。

  この『ラジオ・デイズ』という2枚組CDは、このようにラジオ全盛期の希少な

 録音を集めたもので、懐かしかったり、新鮮だったり、何度も楽しめます。

 合計トラック数は68もありますが、このように短尺の断片なので、収録時間は

 103分余り。まあそれで充分です。

  2日に渋谷のリポで行われた「ミュージック・ストリート」には沢山のご来場ありがと

 うございます。自分でもとても面白かったですね。川村恭子さんには大勢の

 ファンが付いていて、終始なごやかな雰囲気で進められました。亀渕昭信大先輩

 はやや暴走気味で、開始当初はわたし全く出る場面がなかった。

  始める前に先のCDを見て「ああ、自分の担当していた番組が沢山入って

 いるなあ」なんて呟いていまして、当然ながら、そういうところはわたし、

 全く敵いません。で、その中のひとつというのが・・・、

02.陳平・花の予備校(1’47”)

-音楽作品に非ず-  コロムビア CA-2749/50

03.The “In” Crowd(5’51”)Ramsey Lewis Trio

-B.Page- Chess MCD 06021 

N  元参議院議員の野末陳平出演の「花の予備校」です。これは何時頃の放送だ

 ろう。番組自体は聞いた事あったなあ。「チン、チン、チン、ウパッパルバルバ・・・」

 というテーマ曲を覚えています。これカメちゃんが選んだのかな。その場で聞いと

 きゃ良かった。

  それにしてもキョーレツな番組だね。今この通りやったら、提供主を含めて制作

 責任者は土下座で謝罪会見だよ。「スリーサイズ」とか「下着の色」まで聞いてん

 だからね。それに正直に答える方もどうかしてます。でも70年代初頭はこの

 位はフツー、ごく当たり前の内容でした。

  テレビやラジオの娯楽番組が全盛期を迎えつつあった頃、放送作家というC調

 な仕事をしていた人間が表に出て来る現象が増えましてね。青島幸男、前田

 武彦、塚田茂などなどが売れてました。野坂昭如やこの野末陳平もその類い

 の輩。本職、定職不明の人種です。ところでチンペイ、まだ生きているんだね。

  彼は他の局でも、トーシロの若い女性を相手にお色気雑談をするという安易な、

 全く同じような番組をやってまして、わたしはそちらを毎晩聞いていました。

 間に流れる音楽が気の効いた物で、わたしはそれにも興味があったのです。

 テーマ曲も「カッコいいな」とずっと好きでした。それが今の「ジ・インクラウド」でラム

 ジー・ルイス・トリオの演奏だっていうのは、随分と後になって知ったのです。

  ここでラムジー・ルイスの話を少ししたら前列に座ってた方が、「サンケイ・ホールでの

 公演を観た。その時のドラマーがモーリス・ホワイトだった」と話してくれて、会場の空

 気がとても柔らかな物になりました。ありがとうございます。

  ラムジーのようなR&Bジャズ器楽曲は、当時ちょっと洒落たラジオ番組でよく

 テーマ曲として使われていました。それ関連で、この日はこんなのも用意してま

 したが・・・。

04.Soulful Strut(3’01”)Young-Holt Unlimited     

-E.Rcord, S.Sanders-  ウルトラ・ヴァイヴ CDSOL-5704

N  元ラムジー・ルイス・トリオのリズムを請け負っていたふたり、エルディー・ヤングとレッド・ 

 ホルトのヤング・ホルト・アンリミテッドで「ソウルフル・ストラット」でした。先程の「ジ・インクラウド」

 のリズムは、彼らが担当しています。その後独立、実はこの「ソウルフル・ストラット」

 の演奏はふたりではなく、ヒットしてしまったので慌ててコムビを組んだ、なんて

 余話もあるようです。歌詞が載っけられて「グルーヴィー・シチュエイション」なんて呼

 ばれたりもします。日本のブルーズの祖、レイジー・キムを初めて観た時、冒頭のヲー

 ミング・アップでこれを演ってね。ホント、カッコ良かったですよ、目玉が飛び出る位

 にね。

  これはNHKf-mがその昔、日曜日の夕方に放送していたリクエスト番組のテーマ曲

 でした。司会はテレビ番組「ステージ101」にも出ていた泉朱子。割と洋楽中心で、

 何回か聞いてたな。2日の「ミュージック・ストリート」ではこの話には触れられず、音

 楽も使えなかったので、ここでご紹介しときました。

  わたしのような地方都市にいた人間にとってNHK-fmというのは貴重な

 情報源でした。今よりも遥かに狭く浅く、しかも自分が探し求めている音楽

 とは異なっていても、数少ない洋楽番組ですから、全知全霊を研ぎ澄ませて

 聴いていたものです。

  その前、もう少し幼かった頃は、テレビの「みんなの歌」かな。「線路は続

 くよどこまでも」「おお牧場はみどり」などの健全な楽曲がほとんどでした。

 返信用の封筒を送ると1ヶ月分の譜面集を送ってくれました。毎月、熱心に

 観て聞いて一緒に唄ってました。このワツシイサヲがね。ロックンロールに魂を奪われるま

 では、ですが。

  選曲は割と幅広く、「ドミニク」、「ドナドナ」などが逸早く採用されてたのも

 特徴。わたしの印象に強く残っているのは「紅い河の谷間」と「駅馬車」か

 な。まだ唄えますよ。ジョニーとハリケインズの「レッド・リヴァ・ロック」に出会った時は

 「これだったんだ」と感動しました。

  1965年だったかな、番組のオリヂナルでカッコ良い歌と出会いました。でも記憶

 の中にあるだけで、その後聞いたことがなかった。何気なく探していたら、

 それが新しい録音であるのを発見。どんな形になってるかも分からず、手に

 入れてみました。かなり素直な仕上がりで満足しました。

  聞いて下さい。「地球を7回半回れ」、野宮真貴です。

05.地球を7回半回れ(2’25”)野宮真貴
-H.Sakata, N.Kishibe- コロムビア  COCP-50250

N  野宮真貴で「地球を7回半回れ」でした。「地球を7回半」というのは、

 光が1秒間に進む距離。どんなに自動車が速くなっても、光速に達する事は

 無理。相対性理論も危うくなってしまいますが、日本にも押し寄せた自動車

 文明の波、高速道路の開通を唄い上げる成長期の日本を象徴するような歌で

 した。

  今のはレディメイドという名前でメンバを固定せず様々な人間の組み合わせでショ

 ウケイス的に音楽を作っていた小西康陽と高浪敬太郎によるもので、野宮真貴が

 唄っています。演奏は横山剣のクレイジー・ケン・バンド。この選択は正しかったな。

  「みんなの歌」のオリヂナルは当時最先端のエレキ歌謡風に仕立てられていて、東

 京少年合唱団とかの集団が唄ってたような気がします。いま聞いてもらった

 のと、それほど差異はないでしょう。もちろん間奏部分の寸劇はありません

 でしたけど。学校への行き帰りにこんな歌を口ずさんでいた小学生ワツシイサヲで

 した。

  さて、2日の「ミュージック・ストリート」、ここでラジオ局のアナウンサーのタレント化について

 カメちゃんが話して、わたしがやはりニッポン放送のアナウンサーだった高岡寮一郎さん

 の事を尋ねて、彼がDJだった「日立ミュージック・イン・ハイフォニック」に無理やり持っ

 て行きました、そこで毎月行われていた聴取者公募企画「あなたが作るプログ

 ラム」に、わたしが2月25日ジョージ・ハリスンの誕生日に因んで彼のビートルズ作品

 を選んで応募して、全く引っかからずに採用されなかった話を披露。その敵

 討ちとして、ここでLP『ヘルプ!』から「アイ・ニード・ユー」を聞いて貰いました。

 今朝は同じアルバムからもうひとつのジョージの曲、

  「ユー・ライク・ミー・トゥー・マッチ」をどうぞ。

06.ユー・ライク・ミー・トゥー・マッチ(2’38”)ザ・ビートルズ  スタインウェイ・ピアノ
-G.Harrison- 東芝 TOCP-71045

N  ビートルズの「ユー・ライク・ミー・トゥー・マッチ」でした。これではジョンが電気ピアノ、ジ

 ョージ・マーティンが「スタインウェイ」ピアノを弾いています。今回発見したクレジットで判明

 しました。

  さて局アナのタレント化については、カメちゃんが土居まさるのについてかなり熱

 を込めて語っていました。土居まさると言えば、わたしは「チョコで選ぼうGS

 日本一」ですね。明治製菓提供のCM出演中のザ・タイガーズが優勝するに決ま

 ってる人気投票番組で、その司会が土居まさるでした。月〜金オビの15分番

 組、週替わりゲストがあって、毎週投票集計結果が発表されます。統計精度は

 不明でも、タイガーズが一位を独走するのだけは変わらず。

  この晩もそんな話をしたら、明治製菓のノヴェルティでタイガーズのフォノシートが配ら

 れていた、それを持っている、という方が会場に複数いらして、思い出を話

 してくれました。タイガーズ、本当に人気あったんだね。

  そこでこの季節に相応しい「落ち葉の物語」、これは元々明治チョコレート「デラ

 ックス」のコマーシャル・ソングでした。「ラー、ララララ・・・」の行りは賛美歌の「グローリア」

 ですね。「デス、マス」調の言葉遣いは斬新でした。歌詞には「愛のショコラテ」な

 んて出て来ます。

07.落ち葉の物語(2’49”)ザ・タイガーズ

-J.Hashimoto, K.Sugiyama-  キープ(株)12CD-1212A

N  ザ・タイガーズ「落ち葉の物語」でした。ここでわたしが少し話せる機会があ

 ったので「チョコで選ぼうGS日本一」に続いてその頃に聞いていたラジオ番組に

 ついて語れました。もうひとつの愛聴番組は、タイトルを忘れましたが、月の家

 円鏡と佐良直美の出ていた30分オビです。ビクターの洋楽音源提供で、RCAも 

 フォノグラムも契約の更新ならずに離れて行ったビクター・ワールド・グループは独立レイベ

 ルとの契約で型録を充実させていました。先程のラムジー・ルイスを擁するチェス、ジャ

 メカ音楽のアイランド、そしてサウンド・オヴ・ヤング・アメリカを謳うモータウンなど、今では全

 てユニバーサル傘下ですが、非常に魅力的でしたね。

  今もその番組で聞いた事を忘れられない2曲です。

  ジミー・クリフの「ワンダフル・ワールド、ビューティフォー・ピーポー」、

  そして、スティーヴィー・ワンダーの「イエスター・ミー、イエスター・ユー、イエスターデイ」。

08.Woderful World, Beautiful People(3’09”)Jimmy Cliff

  -J.Cliff-  Torojan  SPECXX2050  

09.Yester-Me, Pester-You, Yesterday(3’05”)Stevie Wonder
-R.Miller, B.Wells-  Motown 530 757-2

N  ジミー・クリフ「ワンダフル・ワールド、ビューティフォー・ピーポー」、

  スティーヴィー・ワンダーの「イエスター・ミー、イエスター・ユー、イエスターデイ」、続けてお送りし

 ました。この月の家円鏡と佐良直美の30分ビクター自社オビ番を聞いていたのは

 69年です。わたしはその年からレゲを聞いてる事になります。50年だ。ミリー・

 スモール「マイ・ベイビ、ロリ・ポップ」は64年で、ほぼ同時期に日本でもシングルハ盤が

 出ていたようですが、ジャメカ音楽としては認識されなかったようですから、レゲ

 の日本初上陸はこの曲かも。

  さてここでカメちゃん自らがラジオでわたしに教えてくれたジェイムズ・テイラーの2

 曲、

  「君の愛に包まれて」

  「寂しい夜」をどうぞ。共にオールナイト・ニッポンでした。

10.How Sweet It Is(3’33”)James Taylor
-Holland,Dozier, Holland-  Warner Bros.  7599-2793-2

11.Don’t Let Me Be Lonely Tonight(2’47”) James Taylor
-J.Taylor-  Warner Bros.  3113-2


N   ジェイムズ・テイラーで「君の愛に包まれて」、「寂しい夜」でした。わたしが

 17歳の時かな。特に「ハウ・スウィーティーズ」はマーヴィン・ゲイやジュニアとオール・スターズ

 のオリヂナルを知ってからも、この仕様を聴き続けています。あ、この話は何度

 もしていますね。

  この日、カメちゃんご本人も沢山のCDを持って来てくれて、それらの中に

 は聞かせて欲しい物もいくつかありました。選び方がひと味違ってね、深い

 含蓄は流石です。そんな彼の志向が決定づけられた、若い頃のセレクション『亀渕

 昭信のロックンロール伝〜16歳の僕はドーナッツ版に恋をした』アルバムから聞きましょう。

  まず、当時これを知っていた人は少ないんじゃないか、と思える

  「シー・オヴ・ラーヴ」、フィル・フィリップス & トワイライツです。

12.シー・オヴ・ラヴ(2’24”)フィル・フィリップス & トワイライツ

-G.Khoury, P.Baptiste-  ユニバーサルUICZ-1420 

N  「シー・オヴ・ラーヴ」、フィル・フィリップス & トワイライツでした。80年代にハニー・ドリッパ

 ズがカヴァしてリヴァイヴァル、既にダンスホール・スタイルが支配的だったジャメカでも大ヒット

 しました。原曲がなかなか分からなくて、みんな必死で探し回ってました。

 それを1959年の初版期に聞いていたなんて、叶いません。脱帽。

  その他、当日も「ドゥ・ワップ」という言葉を何回か口にしていました。きっ

 と好きなんでしょう。同じアルバムから、こちらをどうぞ。

  ムーン・グロウズです、「シンシアリー」。 

13.シンシアリー(3’12”)ムーン・グロウズ

-H.Fuqua, A.Fleed-  ユニバーサルUICZ-1420 

N  ムーン・グロウズで「シンシアリー」でした。この『亀渕昭信のロックンロール伝』アルバムの面

 白いところは、こういったオリヂナルに加えて、そのカヴァ仕様も収められている

 ところです。R&Bチャートでヒットしたのに目を着け、白人市場向けに造り直した

 物ですね。例えばクルー・カッツの「シュ・ブーン」、今の「シンシアリー」も、マクガイア・シスタ

 ーズで入っていたりします。

  ではその骨頂、オリヂナルはフラミンゴーズですが、パット・ブーンで行きましょう。

  「アイル・ビ・ホーム」、1956年のヒットです。

14.アイル・ビー・ホーム(3’00”)パット・ブーン

-F.Wshington, S.Lewis-  ユニバーサルUICZ-1420 

N  さてこの日カメカメ持ち込みコレクションの中で、わたしがリクエストした1曲がありまし

 た。それはアーサー・アレグザンダーの「時の経つのは早いもの」です。有名な歌で

 すが、アーサーが採り上げているのは知りませんでした。カメちゃんは歌詞の内容

 にちょっと触れてくれたりしまして、そういう配慮もありがたかったな。

  今朝は作者ウイリー・ネルスンの原曲版でお聞き下さい。

  「時の経つのは早いもの~ファニー、ハウ・タイム・スリップス・アウェイ」。

15.Funny How Time Slips Away(2’42”)Willie Nelson

-W.Nelson-  RCA 07863 66590-2

N  今の恋人に言ってたって聞いたぜ

   貴方を死ぬまで愛し続けるわ、だって

   同じ事を俺にも言ってたじゃないか

   まるで昨日の事のように思い出すよ

   なんて時の経つのは早いんだ・・・

  こんな素敵な一句がある「時の経つのは早いもの」、ウイリー・ネルスンでした。

 この後「日本の音楽の国際化」に話が及んで、それは音楽著作権の捉え方に

 大きく関係する、という結論にその場ではなりました。この問題はいずまた

 本格的にお話しする事もあるでしょう。

  そこでお聞き頂いたのが、これでした。

16.また逢う日まで(3’01”)尾崎紀世彦
-N.Simon, K.Tsutsumi-  フォノグラム PHCL-2022

17.恋人よ我に帰れ(2’36”)美空ひばり  
-O.Hammerstein, S.Romberg- コロムビア COCA-70172

N  「また逢う日まで」尾崎紀世彦でした。超有名曲ですが、演奏が同じなので、

 みなさん、「また逢う日まで・・・」という唄い出しを想定していた処へ、

 「People can say…」と来たので、多少は驚いて貰えたようです。英語仕様

 でお送りしました。

  続けたのは美空ひばりです。「ラヴァ・カムバック・トゥ・ミー」、多分ヌー・ポートの

 ダイナ・ヲッシントンの実況録音を参考にしているんでしょうが、上手い。素晴らし

 いリズム感でした。

  こんな具合で2日の「ミュージック・ストリート」は進行して、予定をだいぶ延長し

 てお開きとなりました。いらしてくれた皆さん、どうもありがとうございま

 す。この前おなじ場所でもカメちゃんとDJ合戦やりましたけど、この日もまた

 新しい発見があり、面白かったです。またの機会をお楽しみに。

18.Delta Hurricane(5’01”)ジョン・メイオール

-Crispin Cioe, Bob Funk, Arno Hecht, Paul S Litteral-  BSMF  2646

N  さて、2019年の音楽も紹介しなきゃなね。今のはジョン・メイオールの新譜から

 「デルタ・ハリケイン」。85歳になる御大、衰えません。この曲には、あのジョー・

 ボナマッサが客演しています。嬉しいだろうね、ジョーは。他にも面白いトラックがあ

 りますので、来週以降にまたお届けしましょう。

  さて先週、音楽雑誌エリスの新年会がありました。みんなが一堂に揃うのは年

 に一度です。お互い話題は幾らでもありますからつい隣の人と話し込んでし

 まって「あ、もうこんな時刻だ」と慌てて散会です。

  今年は常任執筆者のひとり高田漣が新譜のソロ作を持って来てくれました。

 いろいろと楽しめる内容でした。その中から、今朝はこれ、

  「オーパス・ワン」です。

19. Opus One(3’19”)高田漣               

-S.Oliver-  キング KICS-3776

20. I Met Her By The River(4’26”)Dawda Jobarteh   

-D,Jobarteh-  Sterns Music STCD1130

N  高田漣の「オーパス・ワン」に続きましては、ダウダ・ジョルバテの、こちらも新譜

 です。「川の側であの娘にあった」という表題曲。なるほど、そんな情景が

 浮かびます。美しいコラの音です。途中のテムポー・チェインヂも乙です。他にも佳曲

 が揃っていますから、こちらも来週以降にじっくりお届けしましょう。

21.Yaba(3’03”)Bachir Sonogo         

-B. Sonogo-  Production Bachir Sonogo  nonumber

N  そしてこちらはコラではなくて、マカレ・ンゴニという弦楽器の音色です。コラの微

 妙な濁り、歪みがない、もっと澄んだ音ですね。弾いているのはバシア・サノゴ

 と呼ぶのかな、わたしは初対面です。『シムフォゴニ』というユーモアの効いた表題の

 新譜から「ヤバ」でした。

22.オー・ガール(2’47”)ヤング=ホルト・アンリミテッド      

-E.Record-  ワーナー WPCR-27284

N  ご存知シャイ・ライツの「オー、ガール」、ヤング・ホルト・アンリミテドの演奏です。もちろん

 ユージン・レコードの作品ですが、先程の「ソウルフル・ストラット」の共作者にもユージンは名

 を連ねていました。ブランズウィック・レコード時代の仲間なのでしょうか。

  さて、2日に渋谷のリポで行われた「ミュージック・ストリート」のおさらい風にまと

 めた今朝の「幻」、最後もやはりラジオ番組のテーマ曲です。覚えてる人いるかな。

 FM東京がまだ西新宿のKDDビル31階にあった頃、毎夕18時から放送され

 ていた「丸井ミュージック・アンド・モア~夜と呼ぶには早過ぎる」という短いオビ。

 阿井喬子の思わせぶりな語り、毎週1曲を様々なカヴァで聞かせる凝った内容

 でした。そのテーマ曲がまたカッコ良くてね・・・。

  長尺ですが、通して聞きましょうラムジー・ルイスで「太陽の女神」。

23.太陽の女神(8’31”)ラムゼイ・ルイス  

-M.White, J.Lind-  ソニー  SRCS9569

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  今朝は盛り沢山の内容、しかもお話しする事も多くて、ちょっと長かったか

 な。いや、生ですからそんな事はありません。アサーが来ればどんな状態でも終

 了です。これが生の一番良いところ。

  先週もそうでしたが、実演のおさらいをすると、ネタも一杯出て来て話す事

 がどんどん膨らんで行きます。そういう時、やはり人とは実際に逢わなきゃダメだなあ、と痛感するんですね。

 いろいろな通信機器の発達は、殆どの用事は人と人が直接に触れ合わなくて

 も済ませる事が出来る状況を作り出してくれました。だからこそね、面倒で

 も人には実際に逢わなきゃダメ。これを肝に命じて生きて行きましょう。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/84bce599f570df9c630c8aa88c0da307a2b7ea4e

  ダウンロード・パスワードは、g3dxchrgです。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/02/02

mb190119

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年02月02日

 を始めましょう。毎日冷えています。けれど暗くなるのが随分と遅くなって

 来たような気がします。夕方5時でも、まだ明るい。春が直ぐ側まで来てい

 ます。明後日はもう立春です。

  でも一番寒くなるのは、これから。朝は5時でもまだ真っ暗ですね。今朝

 の「幻」は、真冬の歌で始めましょう。

  サイモンとガーファンクルで「冬の散歩道」。

01.冬の散歩道(2’17”)サイモンとガーファンクル 

-P.Simon-   ソニー SRCS 7445

N  頭打ちのスネア・ドラム、印象的な「ハーッ」で終わる「冬の散歩道」でした。唄わ

 れている内容は難解でして、誰にでもある「思春期の不可解な漠然とした悩

 み」でしょうか。本来こういうのに振り回される事は「出モノ腫レモノ所嫌ワズ」

 で一年中、季節を問いませんが、特に冷え込んだ冬の日に深く考える事が多

 いのかも知れません。こんな風に唄われています。

   空は冬のぼんやりとした影に浮かぶ・・・

  さて冬には散歩道だけでなく帰り道もあります。

  お聞きください、ザ・ランチャーズで「真冬の帰り道」。

02.真冬の帰り道(2’35”)ザ・ランチャーズ

-S.Mizushima, O.Kitajima-  キング KICW 8569

N  プラタナスの落ち葉が肩先に落ちる、わたしにはこんな経験は未だかつてあ

 りません。大体が樹を見ても分かりませんしね。ザ・ランチャーズ1967年秋冬の

 デビュー・ヒット曲「真冬の帰り道」。でした。

  加山雄三のバック・バンドとして誕生したランチャーズは、喜多嶋修をメムバにして

 から創造的な音楽に取り組んでました。『フリー・アソシエイション』、『OASY王国』の

 2枚のアルバムは、知る人ぞ知る、知らない人は全く知らない力作です。

  当時の日本のグループ・サウンズは殆どがビートルズの影響を受けていたのですが、

 それを自力ではっきりと具現化したのはランチャーズだけかも知れません。いや喜

 多嶋修ひとりだけが、やろうとしたのかな。物質的環境に恵まれていた、と

 いうのもその大きな理由ですが、「なんとか音楽にもっと真実を裏付けよう」

 と、孤軍奮闘的に努力していた姿勢には、心を打たれます。

  それと今の「真冬の帰り道」に見える、歌謡曲を唄う穏やかで品の良いパブ

 リック・イメヂを上手く混ぜ合わせる事は難しかったでしょう。わたしは面識こそ

 ありませんが、個人周辺の事情も含めて、子供の頃から比較的たくさんの情

 報に接していたので、過渡期の音楽家、喜多嶋修は、今も気になる存在です。 

  昨今話題の喜多島舞の親父です。女房は内藤洋子です。これだけでも凄い。

  さてそのランチャーズが親分の加山雄三と吹き込んだ名曲筆頭、これも寒い時期

 にしっくり来ます。

  聞いて下さい、「旅人よ」。

03.旅人よ(3’23”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD-1002/3

N  「旅人よ」、加山雄三とザ・ランチャーズでした。これは傑作ですね。詞曲、演奏、

 バック・グラウンド・ヴォーカル、そして録音まで、素晴らしい仕上がりですね。敢え

 て言えば、素人臭いリード・ヴォーカルが・・・。

  どこかから鐘が聞こえ、雁が飛んで行く夕焼け空の下、その晩の寝床を目

 指して黙々と歩き続ける若き旅人が浮かんで来ます。

  これね、東京都の東側にある区のオサ、某区長のオハコでね。その地域で長く続

 く大きなお祭りのカラオケ大会に来賓として出席すると、いつも唄うのよ。選曲

 は悪くないし、唄もそれ程ヘタでもない、まあ聞いていられる。でも忘年会の

 歌としてはいいんだけど、夏の訪れを告げる初夏に行われるお祭りなんで、

 季節的にはどうも座りが悪い。区長はそれを気にしてないけど、側近からひ

 と 言あってもいいんじゃないか、と3回ほど音響でカラオケ出しを付き合った

 わたしは感じます。はい、毎度の蛇足でした。

  さて、すっかり「冬の早朝歌謡曲」になって来た今朝の「幻」、このまま行

 きましょう。

04.風は知らない(2’24”)ザ・タイガース   

-T.Iwatani, K.Murai-  キープ株式会社12CD-1212A

N  「風は知らない」、ザ・タイガースでした。「美しき愛の掟」のB面です。とて

 も作為的に造られたA面曲に較べて自然で素朴、ジュリーの唄も陰影に富んでい

 て良いですね。控えめなハーモニーが非常に素敵です。これは1969年4月の発売

 ですから、加橋かつみはもう逃げ出した後の筈ですが、明らかにトッポの声で

 す。在籍時の録音だったのでしょうか。

  これは「現」「幻」を通して、初登場の筈です。今日渋谷のリポで行われる

 生雑談会のために購入したタイガーズのベスト盤で知りました。いや、知っていた

 な。高等学校1年の時に席が近かった唄の上手い男がよく聞かせてくれた。

 ほんとうに声も良くて唄が上手かったな、幸則は。顔はメチャクチャなんですけど。

  さて初登場の「風は知らない」に続きましては、これまで何度もお聞き頂

 いたこちらをどうぞ。

  内藤やす子です。ご存知「新宿はぐれ鳥」。

05.新宿はぐれ鳥(4’17”)内藤やす子

-M.Suga, M.Sugimoto-  コロムビアCOCP-35453/4 

N  「新宿はぐれ鳥」。内藤やす子でした。これは別に冬の歌ではないでしょう

 が、夜のお勤めを終えて花園神社にお参りするワケ有りのふたりには、やっぱ

 り北風の通り過ぎる寒い夜が似合います。わたしの中では聞いた瞬間から「冬」

 の歌になっています。

  そもそも「新宿」という印象が、わたしには「冬」なんです。多少は自ら

 の明確な事情もありますが、やっぱりこの町はどこか満たされない心を持っ

 た人たちが集まる場所のような気がするのです。日頃は出かけたり、経由す

 るのは渋谷の方が多くても、「東京は新宿だ」、こんな勝手で極端な意見をず

 っと持ち続けています。

  そんな先入観を持っているわたしにとって、このコムピ盤『新宿・盛り場こ

 れくしょん』は、冬には必ず引っ張り出す定盤です。そこから続けて行きま

 しょう。

  都はるみです、「新宿二丁目・ほたる草」。

06.新宿二丁目・ほたる草(3’09”)都はるみ 

-O.Yoshioka, S.Ichikawa-  コロムビアCOCP-35453/4

N  都はるみ、「新宿二丁目・ほたる草」でした。カウンターだけの小さな呑み屋、

 ゲイバーかな、「ほたる草」というお店で、これまたワケ有りの連れ合いの帰りを

 待つ健気なオンナの呟きです。

  都はるみの所属事務所は四谷四丁目のサン・ミュージック、岡田有希子が飛び降り

 たあのビルです。京都から上京して来て、多分その近辺に住んでたのでしょう。

 世界有数のゲイ街、新宿二丁目がすぐ側ですから、仕事終わりにこうやってひ

 と休みしていたのかも知れません。何かのインターヴュウで彼女が「ウリセン」という

 言葉を発したのを読んだ事がありまして、「知ってんじゃん、はるみ」と妙に

 親近感を持ちました。

  四方山話はそれくらいにして、決定的な「新宿」を聞きましょう。

   これも冬だな。青江三奈です、「新宿サタデー・ナイト」。

07. 新宿サタデー・ナイト(3’50”)青江三奈

-T.Saeki, Y.Suzuki-  コロムビアCOCP-35453/4

N  青江三奈で、「新宿サタデー・ナイト」でした。素晴らしい。長野行きの中央本線

 の最終に乗っちゃうんだよ、三奈が。バリトン域を中心とした男声コーラスの助演も

 大変結構。これは確か同名映画があった筈で、その宣伝文句が何と「ジュクを

 ラリろう」でした。分かんないでしょ、何言ってんだか。「新宿」は「ジュク」な

 んですよ。サイケでショーゲキ的なコピーです。ケーオー生が聞いたら怒っちゃうよ。「ラリ

 ろう」って、あんたね・・・。

  サタデー・ナイト午前0時まぎわの新宿駅は中央口券売機辺りが面白いですね。

 終電時刻が来ても離れられない恋人同士、言い争っているふたり、大声をあ

 げて騒いだり、倒れて寝込む酔っ払いなど、見応えのある寸劇がそこら中に

 展開します。土曜日の昼間に仕事をやっつけた後、ゆっくりと出て来たわた

 しはそれらを楽しみながら、人の流れとは逆に新宿二丁目を目指す、そんな

 時期もありました。これは特に冬に限ってじゃないな。

  さて一日の最低気温を記録する時間帯です。もう一曲寒い歌を聞きましょ

 う。でもここで唄われている場所は、地中海沿岸ですからそんなに寒くはな

 いですね。森進一の唄を聞いていると、雪が降って霞み遠くには氷河も浮か

 んでいるような厳寒地の港町に佇むホテルの窓から外を眺めている主人公の姿

 が見えて来ます。そこにアメリカの貨物船が入って来る・・・わたしの想い浮か

 べる映像は、間違ってますかね。

  では皆さん、目を閉じて「冬のリヴィエラ」をどうぞ。

08.冬のリヴィエラ(4’19”)森進一

-T.Matsumoto, E.Ohtaki-  ビクター  VICL-60601/4

09.Let Them Talk(4’10”)Hugh Laurie

-H.A.Carlson-  Warner Bros.2564674078

N  さて「幻」モーニン・ブルーズ、2019年02月02日です。「真冬の歌謡曲」には

 別れを告げまして イギリスで活躍する俳優ヒュー・ローリーのアルバムから、表題曲「レット・

 ゼム・トーク」でした。ジョー・ヘンリー制作のこのアルバムは何回かお聞き頂いています。

 とても良い出来です。しかし、何故わたしがヒュー・ローリーのアルバムを買ったか、

 というのが謎なんです。そもそもこの人の事を全く知らなかった。でもここ

 には彼の音楽に対する謙虚な姿勢が率直に現れていて、たまに聞きますと心

 がきれいに洗われるような気がします。如何でしたか。

  次は「幻」初登場、セルビア出身の女性です。まずお聞きいただきましょう。

  「ネイチュア・オヴ・マイ・ブルーズ」。

10.Natue Of My Blues(3’20”)カタリナ・ペジャク    

-unknowm-  BSMF 2648 

N  「ネイチュア・オヴ・マイ・ブルーズ」、カタリーナ・ペジャクでした。セルビアといえば、女ブ

 ルージシャン、アナ・ポポヴィッチの出身地でもあります。昔は腕利きの理容師が居ま   

 したが、昨今では女性音楽家を輩出するようになっております。カタリーナは父親

 の影響でブルーズ音楽に親しむようになり、バークリー音楽院を出ているそうです。

  今の「ネイチュア・オヴ・マイ・ブルーズ」は、毎コーラスの終わりで「テケテケテケ」が入れ

 ば立派なエレキ歌謡として通用します。バークリー出でこれかあ、とガックリ来ますね。

  次の1曲もこれまた音楽院卒的でない「シーズ・カミン・アフタ・ユー」。

11.She’s Coming After You(3’32”)カタリナ・ペジャク  

-unknowm-  BSMF 2648

N  「シーズ・カミン・アフタ・ユー」、カタリーナ・ペジャクでした。軽快なテムポーとマイナー・キイ、

 日本人にも親しみ易い歌です。彼女の専門楽器はピアノ。バークリーでは作曲を勉

 強していたそうですが、これら2曲からは、全然そんな感じがしません。アルバ

 ム中にはジョーニ・ミッチェルのカヴァがあったりして、成る程と感じさせる部分もあり

 ますが、どうも彼女はブルーズの簡単な楽曲構造がお気に入りのように思えま

 す。そうだよカタリーナ、スリー・コード・ブルーズのは人類最高の発明のひとつなんだ。

  ではカタリーナ・ペジャク、お得意のピアノ弾き語りでもう1曲。

  「ザ・ハーダー・ユー・キック」。

12.The Harder You Kick(3’50”)カタリナ・ペジャク 

-unknowm-  BSMF 2648

13.Turtle Blues(4’23”)Janis Joplin 

-J.Joplin-   CBS CK 9700

N  実のところカタリーナ・ペジャクに興味を持ったのは、アルバムで今の「タートル・ブルーズ」

 をカヴァしていたからです。ジャニス・ジョプリンがビッグ・ブラザーとホールディング・

 カムパニと一緒に演っていた頃の傑作アルバム『チープ・スリルズ』B面の1曲目でした。

  16歳のワツシイサヲが初めて意識して聞いたストレイト・ブルーズです。作者ジャニス自身

 の分かり易い言葉で唄われ、場末のバーのアップライト的な響きのピアノと生ギターの

 伴奏もブルーズ・センスに富んだものでした。でもカヴァに出会ったのはこれが初め

 てです。それが切っ掛けでカタリーナ・ペジャクを通して聞いたのですけれど、冒頭

 のエレキ歌謡には驚きました。今年の「RUFブルーズ・キャラヴァン」にも参加が決定

 したそうですから、近位うちにより本質に近い実況録音も聞けるかもしれま

 せんね。楽しみだ。

  さてでは「RUFブルーズ・キャラヴァン」の先輩、イナ・フォルスマンの新しいアルバムから

 今朝は、「チェインズ」をどうぞ。元気いっぱいです。

14.Chains(3’33”)イナ・フォルスマン

-unknowm-  BSMF 2644  

15. The Windmills Of Your Mind(3’52”)Dusty Springfield

-A.Bergman, M.Bergman, M.Legrand-  Atlantic R2 8214 

N  パンチとパワーのイナ・フォルスマンに続いては、まるで違う雰囲気のダスティ・スプリングフ

 ィールドで「ザ・ウインドミルズ・オヴ・ヨー・マインド」です。どうもここ数ヶ月ずっと、

 妖艶に誘惑をかけているようなジャケット写真がチラついて仕方ない。わたしは、

 女性に特定の好みはないはずなんだけどなあ。

  ご存知「華麗なる賭け」の主題歌ですね。これを作曲したミシェル・ルグランが亡

 くなったというニューズが入って来ています。スティーヴ・マックイーン繋がりでしょうか、

 「栄光のル・マン」でも音楽を担当。「ビリー・ホリデイ物語」もルグランだったのは知ら

 なかったな。実演家でもありまして、唄ったりもします。昨年はブルー・ノートに

 も来てました。ちょっと興味がありました。

  さて先週土曜日、三鷹のバイユー・ゲイトでのモーニン・ブルーズ番外編ワツシイサヲ生語り

 皿回しは無事に終了です。たくさんの方のご来場、ありがとうございます。

  ツイターに盗撮写真が揚がっています。なんとこのダメオッサンぶり。特に眼鏡が 

 いけませんね。これは超安価な既成品でして、蔓が壊れたのを自分で治して

 使っていますが、もう片方も折れてしまいました。ローガンの場合は微調整なし

 に大雑把な度合わせで充分使えますが、今日はもっとカッコよくしなくちゃね。

  さてその三鷹で後半、リクエストを受けた1曲を聞いて下さい。

  シャーリー・マードックが唄います、「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラーヴ・ユー」。

16.I Will Always Love You(5’38”)Roger feat.Shirley Murdock (all voces)

-D.Parton-  Reprise 9 46243-2   Roger’s jazz

N  ロジャー名義にはなっていますが、シャーリー・マードックが唄った「アイ・ウィル・オールウェイ

 ズ・ラーヴ・ユー」でした。これは死後の1996年に出た変則的な作品集『コムピレ

 イション・グレイテスト・ヒッツII アンド・モー』(The Compilation : Greatest Hits II And

 More)に入っています。他のトラックは「キャリフォーニャ・ラーヴ」とか、わたしには余り

 ピンと来ないものが殆ど。その中でこのシャーリーは別格的です。オーヴァ・ダビング

 で全ての声を彼女が担当。ロジャーの独特なジャズ・ギターとのユニソーンもカッコ良かっ

 た。

  この日のバイユー・ゲイト、「最後は皆さんのリクエストで」とご希望を募ったらば、

 いつもわたしの生語り皿回しに来てくれる、すみません、お名前を失念して

 しまいました、とても音楽に詳しい方、この日も何度か「わたしと入れ替わ

 ってくれませんか」と、本気でお願いした位に何度か鋭いご指摘を下さった、

 あのお方が進み出て、この「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラーヴ・ユー」をリクエストしてく

 れました。ありがとうございます。何故かこの『コムピレイション・グレイテスト・ヒッツII

 アンド・モー』にしか入っていないそうです。流石にシングルにするのは気が引けた

 のでしょうか。ウィトニー、ぶっ飛んじゃうからね。

  さて会が終了してからもう一度、その方がわたしのところに来てくれまし

 て、CD-Rを頂きました。世界中のザップ菌感染者を隔離した内容で、この他

 に日本にも、ほとんどザップと言えるような実演をしているグループが居る、そ

 んな話もしてくれました。有難うございます。ご投稿もお待ちしております。

  ではその時いただいたCD-Rからお届けしましょう。

  アーファンクというグループの「ファイン」、ステューディオ録音版です。

17.Phine(5’23”)Earphank

-unknown-  unknown unknown

N  最後の方はヘヴェメトーなギター・ソロに持って行かれた感もありますが、ホントにザッ

 プの音ですね。頂いたCD-Rには同じ曲のもっと長尺の実況録音版が入って

 いて、それも凄かった。アーファンク、探してみようかな。

  オートリズムがもう当たり前になってしまった現在、やはりザップ度はヴォイス・モジ

 ュレイターでしょうか。投稿欄にも類似穴さんからご質問を頂いていました。この

 効果機器の原理というのは、あの管を咥えて特定楽器の音を口の中に入れて

 響かせる、つまり口の中を響体とするのです。それで口の形を変えて、響き

 方を変える、変調を加えるのですね。実演の場では口の中に大量の音が入っ

 てきて振動するので、「脳味噌が揺り動かされて馬鹿になる」という説が流布

 されています。確かにまともな人間はヴォイス・モジュレイターなんぞは絶対触りませ

 ん。使ってるのは、みんなイカれた奴らばかりです。ただし、使ったから馬鹿

 になったのか、その前から馬鹿だったのかは不明です。

  咥える管もそれぞれ専用でしょう。ヨダレが貯まりますしね。複数の人間の

 使い回しはなんとなく不潔です。昨年4月に有志でお別れの会を行なったブル

 ーズ・ハープ名人の妹尾隆一郎は、平気で他人のハモニカを吹いていたそうですが。

 なんか嫌だなあ・・・。

  ロジャー / ザップに関しましては、次号のエリスでわたしが長い文章を書いていま

 す。主文は『VI』と『VII』についてですが、ヴォイス・モジュレイターの行りもあり

 ますので、どうぞお読み下さい。

  三鷹ではロジャー自身が絡んだ制作物に限っての紹介でした。ここではザッ

 プ・インフルーエンスド・グループの代表のヒット曲をご紹介しましょう。元々大編成の

 ヴォーカル・インストゥルメンタル・グループでしたが、自動演奏装置の導入でカルロス・ゴーン並

 みの人員整理を敢行し、なんと3人組、トリオ編成に生まれ変わったキャミーオーです。

  ホントに今聞いても、充分以上にカッコいい、「ワード・アップ」。

18.ワード・アップ(4’21”)キャメオ   

-L.Blackmon,T.Jenkins-  ユニバーサル  UICY-1191/2   

19.O-H-I-O(3’11”)Ohio Players

-Ohio Players-  Mercury 314 542 266-2              

N  「W」「O」「R」「D」ときたら「O」「H」「I」「O」です。

  はい、頭の上で輪を作って、両手を上げて、片手を下げて、もう一度頭の

 上で輪を作って「Y」「M」「C」「A」のように「オ」「ハ」「イ」「オ」を作りまし

 ょう。早朝のレイディオ体操第一です。はい、「O」「H」「I」「O」、「O」「H」「I」

 「O」。シュガー・フットが舞台でやっていたみたいに、「O」「H」「I」「O」。

20.スペンド・マイ・ホール・ライフ(4’12”)ザップ

-L.Troutman, R.Troutman-  ワーナー WPCP-3667

21.O-H-I-O(reprise)(1’25”)Ohio Players   

-Ohio Players-  Mercury 314 532 406-2              

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  もう一度、「O」「H」「I」「O」。おはーよ、おはーよ、あさー、です。

  その前の可愛らしい1曲はザップの『III』から「スペンド・マイ・ホール・ライフ」で

 した。メイジャー・レイベルから世に出て3年、評価も安定して充実した制作、実演

 活動を続けていた頃の、確かシングルになった歌です。超弩級なダンス物だけでは

 なく、こういうごく当たり前の甘い路線もロジャーはとても上手でしたね。

  さて今日は渋谷のリポで亀渕昭信大先輩、そして川村恭子さんと一緒です。

 内容の打ち合わせが全く出来ていませんので、どうなるか不安。土方根性の

 ドサクサ現場対応能力で、どこまで通用するでしょうか・・・。 

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/b6e314ed6ded52676d780637c34bf7fb8b2039c5

  ダウンロード・パスワードは、ung8n834です。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/01/26

mb190126

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年01月26日を  

 始めましょう。

  今日の夜は三鷹の梅勇芸徒で「実演モーニン・ブルーズ 生語り皿回し」の本番で

 す。折れた前歯は昨日入りました。わたしにとっては天文学的数字の請求金

 額でしたが、お陰で形相も元に戻ったし、しっかり磨けば死ぬまで大丈夫、

 という保証付。カサブタも治ったし、髭がそれます。これで堂々と行けますね。

 マスクをしての生語りなんて失礼な事は出来ませんですから。

  苦肉の策の「ザーップ特集」、音楽がかなりの量になりますので、定刻に始め

 ます。1曲目、何にしようかな・・・、どうぞお楽しみに。なおわたしが告知

 していた開催詳細に間違いがありました。

  三鷹のバイユー・ゲイトの電話番号、正しくは0422-55-5782です。局番が「56」

 になっていまして、わたし自身これで掛けたら「使われていません」のアナウンス。 

 自分で間違っていた事に気づきました。申し訳ない。ここに訂正致します。

  さて、今朝はこれで始めましょう。

  「シー・ユー・レイター・アリゲイター」、ボビー・チャールズです。

M01.シー・ユー・レイター・アリゲイター(2’52”)ボビー・チャールズ

-B.Charles-   MCAビクター   MVCM-22078

N  わたしが毎日のように持っている「筈の」レコード / CDを探しているのは、

 皆さんもご存知の通り。そして時折り棚卸し的に大掛かりな整理もします。

 並べ方はわたし独自の分類法に従っていますが、昨今ではそのやり方に限界

 が生じております。

  それはともかく、今週の片付けで意外な場所から出て来たのがこのボビー・

 チャールズでした。こういう時に聞いてしまうと、作業が滞るのですよ。よくあ

 りますがね。それでその場はそのまま片付けを続け、終了後改めて聞きまし

 た。

  とても良かったです。今でも何故かわかりませんが、日本でこの人は圧倒

 的な人気があります。1978年にリヴォン・ヘルムのRCOオール・スターズが来日した時

 に、ゲストとして少し遅れて来たので、初日の舞台に間に合わなかった。でも

 開演前に主催者が「ボビー・チャールズは、先ほど成田に着きました」と陰マイクで

 伝えたところ、大歓声が湧き起こっ他のです。当人を知らなかったわたしは

 「誰の事なんだろう」と不思議に思いました。

  1955年にチェス・レコードのレナード・チェスが黒人だと思い込んで契約した、という

 逸話は有名。電話口で今の「シー・ユー・レイター・アリゲイター」を唄って聞かせたのが

 オーディションだったそうです。その昔この国でも、遠くの過疎地からの投稿漫画

 を見て編集者が「こいつは天才だ」と判断、「すぐ東京に来るように」と興奮

 して声を掛けたら、数日後に学生服を着た中学生が現れた、という話を聞い

 た事があります。ボビー・チャールズも実際にシカーゴへ挨拶に行ったら「白人だ、

 白人だ」と大騒ぎになったとか。このベスト盤のライナには、愛情たっぷりの様々

 なこぼれ話が添えられていました。

  このボビー・チャールズの盤はユニバーサルが世界中の音楽市場を支配してしまう前

 に短期間存在したMCAビクターで組まれたベストです。ひょっとしたら前編を通

 して聞いたのは初めてかも知れません。こんな歌が入っていたのは覚えてい

 なかったですね。

M02.ヘイ・グッド・ルッキン(2’05”)ボビー・チャールズ

-H.Williams-   MCAビクター   MVCM-22078

N  ハンク・ウイリアムズ作の名曲「ヘイ・グッド・ルッキン」でした。これは未発表曲だった

 ようです。なんせ「黒人」ですからカントリー音楽を唄う訳が無い。これを聞けば、

 ボビー・チャールズは他の南部の音楽好き少年たちと同じように人種の壁を超えて

 自由に良い音楽に接していたのが分かります。ファッツ・ドミノーにも気に入られて、

 「ヌー・オーリンズへ来い」と言われ、「飛行機は嫌だ」と答えたら、「じゃ、歩い

 て来い」、となって「ヲーキング・トゥ・ヌー・オーリンズ」を書いた、これも前述のライナ

 からです。

  一方、チェス・レコードでボビー・チャールズは暫く宣伝の仕事も請け負っていたよう

 で、本来はB面扱いだったこの曲を、鋭い感性でA 面に抜擢してヒットさせた

 のもボビーの功績だそうです。

  「ユー・キャント・ジャッジ・ア・ブック・バイ・イッツ・カヴァー」。

M03.ユー・キャント・ジャッジ・ア・ブック・バイ・イッツ・カヴァー(3’16”)ボ・ディドリー

-W.Dixon-   ユニバーサル・ビクター MVCE 22024     

N  ボー・ディドリー1962年のヒット、「ユー・キャント・ジャッジ・ア・ブック・バイ・イッツ・カヴ

 ァー」でした。姿形で人物を判断しちゃいかん、という教訓ですね。黒人と思

 われた白人のボビー・チャールズならではの読み、流石です。

  ところでこのテイク、最終部分のストップ・ブレイクでボーが大きな間違いをしてます

 ね。誰でも気づく筈です。これでOKだったのかなあ。

M04.悲しき天使(5’08”)メリー・ホプキン

-G.Raskin, B.Fomin-  SPCD-1219

N  「悲しき天使」、メァリ・ホプキンでした。先週ラジオで耳にして思い出しました。

 低音部をテューバが受け持っていたのは、今聞いて気づきました。確か全世界、

 と言っても北半球の温帯に限りますけれど、国境を超えた「共作曲」という

 触れ込みで、様々な唄い手が吹き込みました。日本では森山良子でしたか。

 原曲はロシアの歌だった筈。流行ったのも秋から冬にかけてだったので、毎年こ

 の季節に蘇ります。選曲感覚冴えてるね、高橋源一郎。

  これも棚卸しの際に意外なところに紛れ込んでいた1枚からでした。それ

 はアップル・レコードの音源を集めた見本盤、DJコピーです。権利関係が決着して

 CD発売に乗り出す際に配られた物で、その頃すでに実態のなかったアップルに

 吹き込まれた原盤音源が並んでいます。その冒頭がメァリ・ホプキンの「悲しき天

 使」でした。

  その中から、次はこれを聞いてもらいましょう。ジョージ・ハリスンのプロデュース

 です。

  ビリー・プレストン、「神の掟」。

M05.神の掟(5’32”)ビリー・プレストン

-B.Preston-  SPCD-1219   

N  ビートルズ下積み時代の仲間、ビリー・プレストン。再会後の「ゲット・バック・セッション」

 での好演がよく知られていますね。ジョージ・ハリスンが一番の仲良しだったよう

 で、新進気鋭のアップル・レコードから彼の企画制作でデビューしました。お聞きの

 ように荒削りですが、渦巻くような黒い魂から表出する生命力が伝わって来

 ます。この歌は後年バングラデシュのコンサートでも披露されます。そちらでも底知れ

 ないゴスペルの力を感じられます。「サムシング」的リフを繰り返すアレンヂはご愛嬌、

 ジョージ かな。

  そしてもうひとり、アップルには数年後に大スターになる唄い手がいました。先

 号の音楽雑誌エリスで、ピーター・アッシャーがアップル時代の話をしていた、ジェイムズ・テイ

 ラーです。先週の終了部分に引き続き、連続しての登場となります。後にワーナー・

 ブラザーズで吹き込み直して大ヒット曲になった、

  「思い出のキャロライナ」、アップル版でどうぞ。

M06.思い出のキャロライナ(3’37”)ジェームス・テイラー

-J.Taylor-  SPCD-1219 

M07.おぉキャロライナ!!(2’37”)フォークス・ブラザーズ

-P.Buster-  日本フォノグラム  IBXCD 1 518 399-2

N  ジェイムズ・テイラー、「思い出のキャロライナ」に続きましては「キャロライナ」関連で1960

 年の「オ、キャロライナ」、フォークス・ブラザーズでした。ジャマイカ音楽特有のウラ打ちビート

 がそれほど強くない特異なリズム、キャロライナ。一応はこのフォークス・ブラザーズの仕様

 がオリヂナルとされていますが、ラスタファリアンンたちの夜会で奏でられるナイヤビンギに旋

 律を載っけただけとも言えましょう。ジェムベのような響きの打楽器が暴走す

 るのが、非常に面白い。

  クリス・ブラックウェルが始めたアイランド・レコーズが1993年に出した『ザ・ストーリー・オヴ・

 ジャメイカン・ミュージック』というCD4枚の箱物があります。これは1960 年から1993

 年まで、スカからダンスホール物までの彼の地のヒット曲を網羅していて、充実した内

 容で迫ります。その副題が『キャロライナ・トゥ・キャロライナ』だった筈でして、今の「オ

 ウ、キャロライナ」で始まり、93年にカヴァが全英第一位となったシャギーの「おぉキャロラ

 イナ!!」で全75曲が終わるという洒落た構成になっていました。

  聞き始めた頃は録音の違い、つまり作られ方にずいぶん時代の差を感じて

 いましたが、今回聞き直してみたらそれ程は気にならず、逆にビートの共通性

 を強く感じました。感性の変化でしょうか。進化かな、退化かな。

  では32年という長い時を隔ててヒットした「おぉキャロライナ!!」、シャギーです。

M08.おぉキャロライナ!!(3’11”)シャギー   

-P.Buster-  日本フォノグラム  IBXCD 1 518 399-2

M09.Sunday Mumma(4’45”)クッキン・オン・スリー・バーナーズ

-unknown-   BSMF 5060  

N  先々週お届けしたオーストラリアのオルガン・トリオ、クッキン・オン・スリー・バーナーズで、これ

 は完全なインストゥルメンタル曲の「サンデイ・ムムマ」、1970年代の二流ピンク映画やポルノ・

 ヴィディオのBGM的ですね。ただよく聞けば、今の音です。微妙なMixで充分

 に21世紀感は出ています。やはりわたしには、ロック世代以降の音楽という印

 象が強い。この曲など、特にそんな感じが強い。これからのオルガン・トリオはこ

 うなって行くのでしょうか。

  さてこのように時代と共に形が変わって行く音楽があれば、ずっと変わら

 ない音楽もあります。昨年登場したこの人たち、J.P.ビメニ & ザ・ブラック・ベル

 ツには少々驚きました。ヴォーカルのマナーが、完全に60年代です。宣伝文句で謳わ

 れているように「オーティス・レディングの再来」とは思えませんが、今ホーム・グラウンド

 であるロンドンでも同じ形で実演活動を続けているそうですから、「懐かしさ」

 だけに訴えている訳でもないようです。

  では新しいアルバム『フリー・ミー』から「ショージキはゼータクだ」。

M10.Honesty Is A Luxury(4’20”)J.P.ビメニ & ザ・ブラック・ベルツ

-unknown-  PCD-24798

M11.Adeline(3’33”)ザ・ディップ 

-unknown-  PCD-17792

N  J.P.ビメニ & ザ・ブラック・ベルツの「オネスティ・イズ・ア・ラグジュアリー」に続けては、

 これまた最新型ではない音楽に、敢えて取り組んでいるようなザ・ディップの、

 新しいアルバム『ザ・ディップ・デリヴァーズ』から「アディライン」でした。冒頭のギター

 のリフでボビー・ヲマックが作ったウイルスン・ピケットの「アイム・イン・ラーヴ」を連想しまし

 た。このシアトルの白人6人組は、わたしには割と新しい音に聞こえます。若い

 世代間で持て囃されている20世紀の音楽、といった処でしょうか。

  だいぶ前の「幻」でお届けしたストーン・ファンデーション、こちらはロンドンを地元と

 する、やはり白人だけの5人組ですが、やはりもう北米大陸ではあまり聞か

 れなくなったR&B、ソウル・ミュージックを地道に続けています。本場の黒人たち

 の興味の対象はヒップホップ、とは認めたくないのですが、こういう音楽をいま

 真面目に聞いているのは、白人たち。主に欧州に市場があるようです。 

  ポール・ウェラーが手掛けた2017年のアルバム『ストリート・リチュアルズ』から、ベティ・ラヴ

 ェレットがリード・ヴォーカルを取った「シーズン・オヴ・チェインヂ」を聞いて下さい。

M12.Season Of Change(4’10”)ストーン・ファンデーション 

-Jones, Sheasby-  PCD-24602

M13.Bold Soul Brother(3’49”)シャーウッド・フレミング

-I.Turner-  KTI  KTIC-1016   B.S.B.

N  スライ・ストーンの「サンキュー」のリフに乗せて「俺は誇り高き魂野郎だ」と叫んでいた

 のはシャーウッド・フレミングです。2015年の録音で、この時78歳。場所はオースティン、

 テキサス。この町ではこういった昔ながらのスタイルが当たり前に続いていますから、

 セッション自体は問題なく行われたと聞きました。ただ流石に1曲毎にまとめ上げ

 るのは大変だったようです。それにしても2015年の録音とは俄かに信じ難い

 ですね。

  このようなオーソドックスな演奏形態がどこまで続いて行くか、これがわたしの

 最近の興味でもあります。音楽と自分、どっちが長生きするかという事です

 ね。その強い味方がまだ北欧の少女、イナ・フォルスマン。今週も新しいアルバムからお

 聞きください。わたしの周りではそんな反応は皆無でしたけれども、前作は

 商業的にも成功したのでしょうか。今度のは録音も優れています。適度に響

 く良いステューディオを使えたみたい。イナ嬢の歌声はますます冴え渡ります。

  「ビ・マイ・ホーム〜家に居てね」。

M14.Be My Home(2’57”)イナ・フォルスマン  

-unknown-  BSMF 2644

M15.That Raggedy Shack(2’35”)ケニー・ブルース・ボス・ウェイン

-unknown-  BSMF 2643  

N 洒脱なハーモニー・ヴォーカルのブルーズは「ザーット・ラガディ・シャック〜あのボロ家」、カナダ

 で活躍するケニー・ブルーズ・ボス・ウェインです。この「ブルーズ・ボス」というのはも

 ちろん愛称で、その名の通り、変わる事のないセイム・オールド・ブルーズを聞かせ

 てくれます。次の1曲では、彼が誰を尊敬しているかお分かりになると思い

 ます。あ、タイトルがもう答えになっていますね。

  「ミスタ・ブルーベリー・ヒル」。

M16.Mr.Blueberry Hill(3’24”)ケニー・ブルース・ボス・ウェイン

-unknown-  BSMF 2643  

N  今朝は恒例となっている棚卸しで、意外な場所から出てきたCDを聞くこと

 から始りました。次もその1枚です。昨年の12月、表立ったクリスマス音楽集を

 しなかった「幻」ですが、欲しい1曲がありました。

  それはレナード・コーエンの「ハレルヤ」で、「現」時代に新しいアレンジで若い世代の仕

 様をここの大家の修さんに聞かせてもらった時、「確か持ってたなあ」という

 記憶があったのです。でもすぐに探し出せず、昨年末も行方不明のままでし

 た。それが今回発見されました。

  コーエンの曲を第三者が自由に唄い演奏、しかも本人がそれを聞いて感想を寄

 せている企画のアルバム『タワー・オヴ・ソング〜ザ・ソングズ・オヴ・レナード・コーエン』

 です。スティング、ピーター・ゲイブリエル、エルトン・ジョン、ビリー・ジョエル、ドン・ヘンリーとい

 った錚々たる顔ぶれの中で、「ハレルヤ」はU2のボノがカヴァしていました。

M17.Hallelujah(4’57”)Bono

-L.Cohen-  ポニー ・キャニオン POCM-1092   

M18.ティタ(6’51”)トリオ・ダ・カリ & クロノス・カルテット  

-trd.-  ライス  WCR-5459

N  西アフリカのグリオー音楽とクラシック音楽の美しい共住、トリオ・ダ・カリ & クロノス・カルテット

 で「ティタ」でした。異種音楽の顔合わせもこの位までやってくれると満足です。

 そこには両者の高い技量と深い理解が必要です。そして5年という長い時間

 をかけて充分に練られた企画だったことも成功の要因でしょう。昨年末の生

 放送時に思い出したのですが、2017年の作品だったので、2018年を少しだ

 け振り返ったその日には使われず、机の上にしばらく置いたままになってい

 ました。ボノの「ハレルヤ」を聞いていたら、この「ティタ」が浮かんできたので、

 さっそく繋げてお送りしました。バセク・クヤテの息子ママドゥが弾くバス・ンゴーニの

 音色が素晴らしいですね。高度に調整されたエレキ・ベイスのようにも聞こえます。

 音楽の流れに合わせて自由に弾いている感じが、とても気持ちよく響きます。

  さて、冒頭でもお伝えしたように今日は三鷹のバイユー・ゲイトで「生語り皿回

 し」です。景気付けにザーップで締めましょう。最新アルバムの「VII」から、「フィ

 ーチュアリング・ロジャー・トラウトマン」と記されている、甘く可愛いこの曲、

  「エインジェル」。

M19.Angel(3’07”)Zapp feat. Roger Troutman

-R.Troutman,L.Troutman Sr, L.Troutoman jr, T.Troutman, B.Beck- 

Leopard Delta Music Media Label N 77054 LC08697  

M20.Zapp & Roger(3’00”)Zapp

-L.Troutoman jr, J.Ward- 

Leopard Delta Music Media Label N 77054 LC08697  

後TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  最後はそのものズバリの「ロジャー・アンド・ザップ」でした。冒頭のMCは、ライ

 ヴ・ショウでも登場時に使われていました。「グーッド・イーヴニング」、これがとに

 かくカッコよく響いてね、興奮を掻き立てられました。「さてこの後、続きは梅

 勇で」、お待ちしております。ぜひお越し下さい。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/0423c98a7a484733af35d940c148b9590f308e07

  ダウンロード・パスワードは、eyfv6km1です。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

【幻】モーニン・ブルーズ 2019/01/19

mb190119

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年01月19日を  

 始めましょう。

  わたしの2018-1029年末年始はいつになく慌ただしく過ごしまして、まだ

 それが続いている感じですが、1月は早くも後半に差し掛かかり、もはや新年

 というよりもすっかり冬の日常が帰って来ています。そこに季節外れ、いや

 季節遅れのこの歌で、今朝は始めましょう。

M01.All I Want For Christmas(Is My Two Front Teeth)(2’18”)Spike Jones

-D.Gardner-  Verve 314 537 367-2

N  「前歯のない子のクリスマス」という邦題が付いていましたか。「オール・アイ・ヲント・

 フォー・クリスマス」、スパイク・ジョーンズでした。唄っていたのは、ジョージ・ロックという

 トラムペットも兼任する大人の男性です。裏声で女形やってるんですね。少女にし

 ては芝居が上手いなあ、と思っていましたが成る程です。40年以上を見事に 

 担がれていた事になります。乳歯が抜けて息が漏れてしまいSの発音がうま

 く出来ない女の子が、「クリスマス・プレゼントには前歯を下さい」と祈る有名な歌で

 す。舌を軽く噛む「th」はどうなんだろうなあ。

  これをお届けしたのは、今日が旧暦の12月14日だからではありません。

 「現」時代には澤田修とのクリスマス合戦に負けて、その罰として1月の終わり頃、

 サンタクロースの衣装で渋谷から青物横丁まで公共交通機関を使って移動した事が

 ありますね。その姿を途中のコムビーニエンス・ストアで見た人が偶然番組を聞いて

 いてくれていて、メイルをくれたのがとても面白かった。ですけれども、それ

 とも違います。実はわたしも前歯が欲しいのです。

  先週末に激しく転んで踏み石の角に顔をぶつけて、前歯を1本折ったので

 すよ。痛かったですよ。上顎の骨が折れたかと思うくらいの激痛でした。見 

 事に左の前歯が欠けました。大事な自分の歯なのに。暗い道で地面に飛び出

 ていた石に足を取られたのです。倒れた時に手を出したんですが、両手にも

 傷を負いました。唇の上にも傷。かなりの出血で、今は乾いて角質化した血

 の塊になっています。カサブタですね。だいぶ形相が変わっていました。顔面の

 違和感は翌日の夕方まで続きました。

  転んでも前歯を失ってもタダでは起きないワツシイサヲです。以上のような理由で

 「前歯のない子のクリスマス」、お聞きいただきました。

M02.More Yet(2’32”) Dan Zanes And Friends feat. Shareef Swindell

-trd. arr.Ledbetter-  Smithsonian Folkways  SFW CD 45083

N  これはダン・ゼインズというアメリカの音楽家の最新アルバム『レッド・ベリー、ベイビー』

 に収められている「モー・イェット」という歌。ダンが子供達と楽しそうに唄って

 います。

  ダン・ゼインズはヌー・ハムプシャー生まれの、グラミーも貰った事のあるフォーク系の歌手。

 このような子供達の歌を得意としていて、「チルドレンズ・フォーク・シンガー」とも呼

 ばれています。その彼がレッド・ベリーの歌を集めてカヴァしたのがこの『レッド・

 ベリー、ベイビイ』。全15 曲を収録。子供たちを対象としていますが、個性的な

 アレンヂ、演奏は大人の聴取にも耐える品質を持っています。

M03.Rock Island Line(2’59”)Dan Zanes And Friends  feat.Billy Bragg

-trd. arr.Ledbetter-  Smithsonian Folkways  SFW CD 45083

N  ダン・ザゼインズの『レッド・ベリー、ベイビイ』から「ロック・アイランド・ライン」でした。

 この歌はロックンロール史上で非常に重要で、特にイギリスではロニー・ドネガンのカヴァが

 圧倒的に受け入られ、不良少年たちの間にジャグ・バンド的なスキフル音楽の大ブー

 ムを生みました。ジョン・レノンが最初のバンド、クオリー・メンを結成したのにも決定的

 な影響を与えています。この歌がなかったら「ロック」は生まれなかったかも知

 れません。

  シカゴを拠点として北米中部を広範囲に走る「シカゴ・ロック・アイランド・アンドパシフ

 ィック鉄道」を題材とするこの歌は、その辺りの主に農業に従事する白人労働者

 や黒人奴隷たちによって伝継されていたものでしょう。1920年代にはだいぶ

 広く唄われていたようです。

  ブルーズ音楽採集家のアラン・ローマクスが刑務所などを回って録音作業をしていた

 時、この歌に出会います。そこに一緒にいたのが服役中のレッド・ベリーという

 黒人。彼はフオーク・ブルーズ音楽家でしたが、何度も傷害などの事件を起こして

 しょっちゅう刑務所に入っていました。アラン・ローマックスは彼の豊富なリパトゥワに

 興味を示し、何曲も唄ってもらい録音資料とします。その中にこの「ロック・

 アイランド・ライン」も入っていました。こんな経緯から、作者がレッド・ベリーである

 とする解釈も成立します。ちなみにイギリスの「左翼」フォーク歌手、ビリー・ブラッグ

 も参加していたダン・ゼインズの今のトラックでも、レッド・ベリーとアラン・ローマクスが作者

 としてクレジットされています。

  では「作者」レッド・ベリーの仕様で聞いてみましょう。この録音は1940年で

 すので、ローマクス録音ではないと思われますが、限りなくオリヂナルに近い筈です。 

M04.Rock Island Line(2’34”)Lead Belly

-Ledbetter, Lomax-    Not Now Music NOT2CD261  

N  「ロック・アイランド・ライン」、レッド・ベリー1940年の録音でした。語りで始めると

 ころはロニー・ドネガンも採り入れていましたね。彼は誰のどの仕様をお手本にし

 たのでしょうか。

  さてアルバム『レッド・ベリー、ベイビー』は、表題からもお分かりの通り、チルドレン

 ズ・フォーク・シンガーのダン・ゼインズがレッド・ベリーの作品を集めて新たに吹き込ん

 だ作品です。正規の名義はダン・ゼインズ・アンド・フレンズとありまして、彼の友

 達が大挙して手伝っています。

  次はヴァレリー・ジューンという黒人女性と一緒に唄った、

  「テイク・ディス・ハマー」。

M05.Take This Hammer(3’15”)Dan Zanes And Friends feat. Valerie June

-trd. arr. Ledbetter-  Smithsonian Folkways  SFW CD 45083   

N  テューバの低音が気持ちいい「テイク・ディス・ハマー」、ダン・ゼインズとヴァレリー・ジュー

 ンでした。このようにアルバム『レッド・ベリー、ベイビー』は、演奏形態、楽器編成

 が独特です。それぞれの楽曲や参加音楽家に合わせて組まれていまして、

 日頃接する事のない音に出会えるのが、とても魅力的。ヘヴェメトーじゃないアクース

 ティク主体なのも良いですね。

  さて、ではもっと原始的なレッド・ベリーの「テイク・ディス・ハマー」を聞いてみま

 しょう。

M06.Take This Hammer(3’00”)Lead Belly

-trd. arr.Ledbetter-    Not Now Music NOT2CD261

N  レッド・ベリーの「テイク・ディス・ハマー」でした。「黒人奴隷の労働歌」という印象

 ですね。これも伝承歌です。

  畑を耕したり綿花を摘む時に労働者たちの集団に歌を唄わせると効率が上

 がる、という法則に白人搾取者は気づいていて、労働歌を積極的に導入して

 いました。日本でもニシン漁の「ソーラン節」とか地固め音頭の「ヨイトマケの唄」とか

 ありますね。掛け声で動きを揃えるのは、確かに効果的でしょう。

  こういう飯場には流れの人間たちがあちこちから様々な節を持ち込みます。

 それらが淘汰されてひとつの力強い歌になって行く流れにレッド・ベリーは敏感

 だったようで、持ち歌はだいたい伝承歌を基に彼が完全な旋律や詞(ことば)

 に置き換えた物ばかりです。それらはいわゆるブルーズ調とは異なっていて、

 陰鬱なブルー・ノート表現も余り見られない、より一般的な節回しで明るい雰囲気

 を持っています。また楽器が12弦ギターだったのもこの「明るさ」に影響を与

 えていますね。「黒いスティーヴン・フォスター」と言っても良いかもしれません。レッド・

 ベリーの持ち歌はこんな肯定的な傾向を持っていますから、子供でも直ぐ一緒

 に唄う事が出来ます。そういう音楽の特質を肯定的に最大限に表出したのが、

 この『レッド・ベリー、ベイビー』アルバムではないでしょうか。

  ではこちらには収められていないレッド・ベリーの重要な1曲をどうぞ。ジョン・

 フォガティは多分相当レッド・ベリーが好きですね。よく分かります。

  クリーデンス・クリアヲーター・リヴァイヴォーがカヴァした「ミドナイト・スペシャル」です。

M07.Midnight Special(3’07”)Lead Belly

-trd. arr.Ledbetter-    Not Now Music NOT2CD261  

N 「ミドナイト・スペシャル」、レッド・ベリー1940年の録音でした。これは深夜に側を

 通り過ぎる夜行列車の前照灯の光を浴びると脱走に成功するという、主に黒

 人を収容する刑務所での言い伝えです。歌の中で「深夜急行よ、俺を照らし

 てくれ」と何度も叫ばれていましたね。レッド・ベリー自身の長いムショ暮らしの経

 験が投影されています。

  先ほど今回のダン・ゼインズの今回のアルバムは「子供たちを対象」にしている、

 と言いました。確かにその通りで素材の選択や編曲も分かり易く押さえられ

 ています。しかし、ダンの意図としては本当は大人に聞かせたい真実も多々あ

 るのではないでしょうか。

  次は父親と子供のガチョウが参加した「ポリウィー」。

M08.Polly Wee(2’00”)Dan Zanes And Friends feat. Father Goose And Little Goose

-trd. arr. Ledbetter-  Smithsonian Folkways  SFW CD 45083

M09.Stewball(3’01”)Lead Belly

-trd. arr. Ledbetter-    Not Now Music NOT2CD261 

N  「ポリウィー」、レッド・ベリーとガチョウの親子でした。続けましたのは、カリフォルニアの

 競走馬を主人公にした「ステューボール」。「こいつに賭けなよ、当たるぜきっと」。

  このような素朴な味わいのレッド・ベリーの音楽、如何でしょうか。充分な説

 得力を持って皆様の心に迫っていると信じております。なんせ子供たちは起

 きてられません、この時間帯は。

  さてレッド・ベリーの持ち歌でこの国で一番知られているのは何でしょう。ほ

 とんどが親しみやすい伝承歌ですから、どれも聞けば「ああ、知ってるよ」

 となりますが、ひょっとしてこれになりますかね。

M10.Cotton Fields(2’08”)Lead Belly

-trd. arr. Ledbetter-    Not Now Music NOT2CD261

N  「綿花畑」でした。これはこの国でも60年代末のフォーク・ソング・ムーヴメントの

 時に多くの人たちが唄った覚えがある筈です。ブラザーズ・フォアかな、定番は。

 わたしはクリーデンス・クリアヲーター・リヴァイヴォーが『ウイリー・アンド・ポーボーイズ』でカヴァ

 した仕様が大好きでしたが、今回のこちらもとても気に入りました。

M11.Cotton Fields(2’53”)Dan Zanes And Friends

feat.Sonia De Los Santos, Elena Moon Park & Jose Joaquin Garcia

-trd. arr.Ledbetter-  Smithsonian Folkways  SFW CD 45083   11

N  ダン・ゼインズがメキシコ人たちと唄った「コトン・フィールズ」でした。彼の地には「メ

 キシコ綿」という特別な素材があるようですから、当然綿花畑で働く人たちも多

 い筈。やっぱり唄いながらの作業でしょうか。英語詞でずっと聞いていた人

 間は当初戸惑いますが、面白い味が出ています。

M12.Bring Me A Little Water, Sylvie(3’07”)Dan Zanes And Friends

feat. Madame Marie Jean Laurent & Ceddyjay

-H.Ledbetter J.A.Lomax, A.Lomax-  Smithsonian Folkways SFW CD 45083  

N  「水をくれ、シルヴィー」、これはレッド・ベリーが外の暑い場所で働いている時に、

 奥さんに声を掛けたのが動機で作られた歌です。「早く持ってきてくれよ、

 聞こえないのか、シルヴィ」「今持って行きますよ」といった遣り取りが聞かれ

 ます。「今やってまんねん、ワレ」。ダン・ザンズは近所のマダム、ローレントと吹き込み

 ました。

  今朝はここまでダン・ゼインズの新作『レッド・ベリー、ベイビー』を軸に、レッド・

 ベリーの音楽を紹介して来ました。まず感じられる印象は、日常の肉体労働か

 ら生まれた音楽の幅の広さですね。それを覚えてちゃんとした形に作り直し

 て行ったレッド・ベリーはやはり大したものです。服役囚と言うよりは、よく働

 いていた人だなあ、という思いが強く残ります。

  では最後に、レッド・ベリー自身の歌で、

  「戦争はもうごめんだよ」、これは「ダウン・バイ・ザ・リヴァサイド」のサビで繰

 り返される句でもあります。

  「エイント・ゴナ・スタディ・ヲー・ノー・モー」、

  そして「コトン・フィールズ」と同格の知名度ですね、「グーッドナイ、アイリーン」。

M13.Ain’t Gonna Study War No More(1’24”)Lead Belly 

-trd. arr.Ledbetter-    Not Now Music NOT2CD261  

M14.Good Night Irine(2’38”)Lead Belly

-trd. arr.Ledbetter-    Not Now Music NOT2CD261  

M15.Coat Of Many Colors(2’56”)Dolly Parton

-D.Parton-  RCA 88985-48348-2  

N  さて突然のコンテムポラリーな響き、ビックリしましたか。これはドリー・パートン。ダン・

 ゼインズ同様やはり昨年に発表されたアルバム『アイ・ビリーヴ・イン・ユー』からです。

 このアルバムも、子供たちに向けて作られたもので、全曲ドリーの新規書き下ろし

 とい うところが特徴。今の「コート・オヴ・メニー・カラーズ」は、母親が端切れを

 集めて縫い合わせて仕立ててくれたコートを「ボロは着てても心の錦」とばかり

 に、「これが誇りなの」と唄います。最終トラックにはこの朗読仕様も収められて

 いました。よくありそうな話ですが、全人類が物質欲で動かされ、消費があ

 たかも美徳として賞賛されている現代には、こういう警鐘がもっと堂々と鳴

 らされて良いでしょう。

  ドリー・パートンの『アイ・ビリーヴ・イン・ユー』は、このように時世時節が流れよう

 と不変の常識を子供達に説いています。次は「トゥギャザ、フォエヴァ」。

M16.Together Forever(2’26”)Dolly Parton

-D.Parton-  RCA 88985-48348-2  

N    出来ない事なんて無いのよ、行けない所なんかも無い

   手に入れられない物だってない、一緒に居ればね

   あなたとわたしは側にいる限り、大丈夫

  こう在りたいですが、そうはうまく行かないのが世の常、人の慣い。余 

 りに楽観的では在りますが、ごもっとも。本当に小さな事でも、何か希望が

 ないと誰も生きては行けません。世界を手中に収めるといった大それた野望

 ではなく、目の前の些細な事から「カイゼン」して行こう、という事でしょうか。

  このように肯定的に物事を捉えるには、逞しく強靭な想像力が必要不可欠

 になります。そこで、次の歌。

M17.Imagination(2’23”)Dolly Parton

-D.Parton-  RCA 88985-48348-2  

N   あなたも自分自身で大いに想像力使わなきゃダメよ

   ほら、ここへ来て一緒に歌を唄いましょう

  はい、同じように致します。俺の明日、本当に大丈夫だね・・・。

  こういった翳りのない正当な主張満載の『アイ・ビリーヴ・イン・ユー』、「この、

 わたしにとって初めての子供達への作品を誇りに思うの」と語るドリー・パートン

 です。「想像力の図書館」という言葉も使って、人類の素晴らしい明日を唄い

 上げています。ハスから眺めるとつい興醒めしてしまうこういった主題ですが、

 シラけずに13曲を仕上げて1枚の通した作品にした能力は、評価に値するでし

 ょう。

  先に紹介したダン・ゼインズの新作に較べると、アレンジと演奏がちょっと物足

 りない部分もあります。また、これを母国語ですぐに理解できる人たちはど

 う聞くのでしょうか。更にはドリーはトラムプ大統領をどう考えてんだろ、そんな

 事も気になりました。

  「君たちには無限の可能性がある」という祝辞をいやというほど浴びせら

 れた新成人の皆さん、「可能性」というは良い事だけではありませんよ。悪い

 事だって充分に可能性に含まれています。お気をつけ下さい。

M18.やぎさんゆうびん(2’19”)ザ・フォーク・クルセダーズ

-M.Mado, I.Dan-  東芝 CTP-9022

N  決してこの時間帯に起きていない子供たちへ特別仕様でお送りしている

 2019年1月19日早朝の「幻」モーニン・ブルーズ、ザ・フォーク・クルセダーズで「やぎ

 さんゆうびん」をお聞き頂きました。

  このナンセンスは素晴らしいですね。13歳の時に気づいて以来、わたしの推奨

 子供用歌曲の筆頭になっています。正に子供向けの編曲、上手くないユニゾン歌

 唱も冴え渡る仕上がり。全てがナンセンスで成立しています。皆さんも大いに唄っ

 て下さい。

  子供たちへの音楽と言えば、これも忘れちゃいけません。

M19.悪い星の下に(2’49”)アルバート・キング

-B.T.Jones, W.Bell-  ワーナー  WPCR-27525

N  アルバート・キングの決定的な「悪い星の下に」でした。ブッカーTジョーンズとウイリアム・

 ベルの作で、発表は1967年。クリームがカヴァして、それをザ・ゴールデン・カップスが

 コピー的に演ってました。

  80年代から続いているアメリカの子供向けテレビ漫画で「シムプスンズ」というのが

 ありますね。放送開始直後にサントラCDが出ていて、興味本位で聞いてみたら、

 全トラックが本格的な演奏で驚きました。決して子供専用ではなかったのです。

 そこにこの「悪い星の下に」が入っていて、これにもやられました。今のアルバ

 ートのオリヂナルではなかったのですが、わたしは「成る程こういう事だ」と大い

 に納得出来たのです。

   悪い星の下に生まれて

   赤ん坊の時に這い始めてから

   ズーッとダメでサイテーな人生さ

   悪運と揉め事だけが友達で

   俺は幸運とはムカンケーなんだ

  ウイリアム・ベルが殆どを書いた詩でしょう。多分にブルーズを観念的に捉えた作

 意も伝わりますが、多くの人にとっては事実です。

  こういう人生がある事を人間は子供の時から知っておく必要がある、わた

 しが納得した理由はこれです。この時「シムプスンズ」にその思想があったかど

 うかは定かではありませんが、世の中の実態を幼い頃から知っておくのは大

 切です。世の中はソーリダイジンからして嘘つきな悪い奴らだらけで、隙あれば騙

 される。子供は常にその標的にされ利用され続けている。そして更には、子

 供たち自身が成長してからその種の悪い人間になる「無限の可能性」を持っ

 ているのです。

  特に日本では、子供に「明るく輝く楽しい未来を健全に生きましょう」と

 しか教えない。特に音楽に酷い勘違いがある。文部省唱歌や創作童謡がその

 骨頂です。そこに歌われている美しい世界はどこの事なのでしょう。しかも

 殆どが手抜き。「まだ子供だから・・・」じゃなくて、「子供のうちに」教え

 とかなきゃいけない、キビシイ浮世のサダメがあるのです。子供を舐めちゃいけな

 いよ。わたしは常に自戒しています。アルバート・キングで「悪い星の下に」でし

 た。

M20.バルトーク「子供のために」II(2’58”)ゾルタン・コチシュ

-B.Bartok-  フィリップス   PHCP-5305

N  お聞き頂いたのはバルトーク作のピアノ曲集「子供のために」からその第二曲、

 「アレグロ」、「アレグロットー」そして「アレグロ」、演奏はゾルタン・コチシュでした。

  昨年末からこの大作曲家の著作を読んでいまして、難しい上に引き合いに

 出される音楽を知らないもので全然はかどらないのですが、ちょうどダン・ゼ

 インズの新作に接した頃、「子供のために」という作品がある事を知り、これな

 ら分かるかなと、聞いてみました。正直言って、まだピンと来ないですね。今

 の第二曲には「Are You Sleeping ?」という歌詞で、中学校の英語の時間に唄

 わされた歌のメロディと似通ったモチーフがあったので印象に残りました。その程度

 でしかありません。

  今世紀の大作曲家バルトークは都市の音楽界に対して民族音楽の重要性を訴え

 た勇気ある男で、わたしが著作を読み始めたのもそこに起因する訳ですが、

 「子供のために」のようなシムプルな作品でも、未だによく理解出来ません。本

 人によれば、これらのピアノ曲は初心者の練習用に書いた、との事です。その

 割には非常に高度な理解力、表現力を必要としますね。全然「チイチイパッパ」じ

 ゃない。分からぬままに。これから先、もう少し聞き続けてみましょう。

  それでは今朝はバルトーク ピアノ曲集「子供のために」から、その第九曲、第十

 一曲もお聞き下さい。同じく演奏はゾルタン・コチシュです。

M21.バルトーク「子供のために」IX(3’48”)ゾルタン・コチシュ

-B.Bartok-  フィリップス   PHCP-5305

M22.バルトーク「子供のために」XI(2’01”)ゾルタン・コチシュ

-B.Bartok-  フィリップス   PHCP-5305

M23.Miss Midtreated(4’29”)イナ・フォルスマン        

-unknown-  BSMF 2644

N   これまた突然のマイナー・ブルーズは、イナ・フォルスマンの新作『ビーン・ミニング・トゥ・テ

 ル・ユー』から「ミス・ミストゥリーテド」です。ジャニス・ジョプリンが唄いそうですね。今

 回のアルバムの中で、最も大向こう受けするでしょう。先週もお伝えしました通

 り、イナ・フォルスマンはグッと成長してまして、器が大分大きくなりました。それが

 実際に伝わって来ます。気持ち良いですよ。今の「ミス・ミストゥリーテド」を聞いて

 いても、微妙な抑揚付けが自然に出來ている。こんなに急に上手くなるもん

 でしょうかね。悪魔に魂を渡したのかな。

  さて、前作までの流れで来ている「ミス・ミストゥリーテド」のような作品があるか

 と思えば、こんな新境地も開拓しています。

  目を閉じれば、バート・バカラック作品を唄ったアリーサ・フランクリンが浮かんで来ます。

  「オール・グーッド」。

M24.All Good(4’51”)イナ・フォルスマン  

-unknown-  BSMF 2644

M25.Wichita Lineman(3’41”)James Taylor

-J.Webb-  Hear Music 088807238299 

M26.How Sweet It Is(3’39”)James Taylor 

-Holland, Dozier, Holland- Warner Bros 3113-2

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  冒頭でお伝えした「事件」とは別の理由で、今週は某国立病院に通っていま

 した。他の入院患者も一緒の大部屋では会話も控えなければいけませんが、

 一人部屋からは、テレビなどの音声が聞こえて来ます。ある個室の前で耳にし

 たのが、今の「ウイチタ・ラインマン」でした。しかも始めはオリヂナルのグレン・キャムベルで、

 次にジェイムズ・テイラーのカヴァが続きました。音楽好きな患者さんなのかも知れま

 せん。

  わたしも家に帰ってから聞き直しました。素晴らしい詩情を持った、実に

 深い味わいの名曲ですね。グレン・キャムベルのオリヂナル仕様も秀逸なんですが、昨

 今はどうしても「スカッと爽やかコカコーラ」を繰り返す『ライヴ・イン・ジャパン1975』

 のC調さを連想されてしてしまうので、こちらの真面目なJ.T.仕様の方が楽

 曲に相応しく聞こえて来ます。ジェイムズ・テイラー2008年発表のアルバム『カヴァズ』

 からでした。

  その昔、わたしがジェイムズ・テイラーに教えて貰ったカヴァ・ソングといえば「ハウ・

 スウィート・イティーズ」でして、マーヴィン・ゲイやジュニア・ヲーカーのよりも気に入っていま

 す。今でも聞くことが多いですね。

  今朝の最後はジェイムズ・テイラーで、

  「ウイチタ・ラインマン」と「ハウ・スウィート・イティーズ〜君の愛に包まれて」でした。

  さあ、26日までに前歯は治るかなあ。このまま皆さんにお会いするのは恥

 ずかしい。ヒカルゲンジは、見るも無惨な丸潰れです。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/2fd4cae2c7322abf43841e61a74dbf93b5404319

  ダウンロード・パスワードは、pn43e0m5です。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/01/12

mb190112

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年01月12日を  

 始めましょう。月、火、水、木曜日と寒かったですね。実は昨年秋の冬仕度

 の時にガス・ストーブが1台行方不明になったままでした。レコードや本が仕舞った

 筈の場所に有らず、なんてのは日常茶飯事なのですが、ストーブのように大きな

 物が無いなんてどうした事でしょう。「多分あそこに」という察しを付けたの

 ですけれど、そこにもありませんでした。そして年が開けて、整理もせずに

 使わないものを放り込んである場所を別の目的で整理していたら、なんと探

 していたガス・ストーブ、きちんと箱に入って有りました。ちょうど月曜日の寒

 くなる日。それから毎日フル稼働です。助かったあ・・・。

  さて昨年末の生放送の時に、本当は愛と憎しみの2018年最後にお送りした

 かった1曲があります。今朝はそれから始めましょう。

M01.ヒッピー・ヒッピー・シェイク(1’40”)ジョージア・サテライツ

-C.Romero-   WEA WMC5-584

N  ヂョーヂア・サテライツ、1988年の、これは映画に使われた録音でしたかね。スウィン

 ギン・ブルージーンズ、シルヴァ・ビートルズでもお馴染み、チャン・ロメロがオリヂナルの決定的

 な「ヒピー・ヒピー・シェイク」、1分40秒でお送りしました。

  最後に「お正月」の除夜の鐘の音にぶつけて「フォー・グーッネッセイク・・・」と

 騒ぎたかったのですが、残念。もう松の内を過ぎましたが狂って下さい。

  そしてもう1曲、これも時間切れでした。

M02.Fools Fall In Love(2’31”)The Drifters

-J.Leiber, M.Stoller- Atlantic 8122 73249-2

N  ドリフターズの「フールズ・フォール・イン・ラーヴ」、これはね、クリスマス前に行ったブラデス

 ト・サキソフォンの実演終了後にDJが回していて、「いいな。やっぱり俺はこういう

 のが好きだな」と再認識した次第。放送では押し込むところがないまま、ち

 ょうど時間となってしまったのです。「間抜けなキューピド」の前後なら違和感

 なかったかな。

M03.Ton Ton(3’43”)Salif Keita  

-S.Keita-  believe NJ 629011

N  年末に出たサリフ・ケイタのアルバム『アン・オー・ブラン』から「トン・トン」です。何でも

 これが彼の最後の作品になるとの事で、遺作的に扱われていますが、亡くな

 った訳ではありません。69歳という高齢になってもう活動を続けられない、

 と「引退」宣言をしたようです。彼はアルビノ、先天的に肌が異様に白く生まれ

 る症状持ち、なのでもともと虚弱体質で、こんなに長生きする事じたいが稀

 です。

  同じ病気を持っていたジョニー・ウインターは結構長生きしたね。他にアルビノという

 と、ジャメカのイエロー・マンもそうでした。キングストンのスーパー・マーケット駐車場で遭遇し

 た事がありまして、至近距離ですと見るからに病弱でしたね。彼は比較的若

 くして亡くなっています。

  それはともかく、ワールド・ミュージックの盟主として20世紀末を風靡した浅利不

 携帯、彼の最終作品はこれまでわたしが苦手としていた、完璧な設計で人心

 の入り込む隙を与えない、ある意味で聞く人をも拒絶するような、最高裁判

 所の建物のようなコンクリート打ちっ放し感がなく、柔らかい印象の出来です。そ

 れだからでしょうか、わたしも抵抗なく聞けています。古いギブスンのギター

 を抱えたジャケットも素敵なアルバム『アン・オー・ブラン』です。

  では冒頭の一曲となる「ヲェレ・ヲェレ」も聞いて下さい。

M04.Were Were(4’56”)Salif Keita  

-S.Keita-  believe NJ 629011

N  「ヲェレ・ヲェレ」、サリフ・ケイタでした。後半でジーザス・クライストの生まれ変わりとされ

 たエチオピア皇帝でジャメカ基督教の神の名「ハイレ・セラシエ」を叫んでましたね。

  この曲は先ほど述べた、わたしの苦手な、ここまでのサリフ・ケイタ調が強いで

 すが、それでも聞いていて拒絶される事なく楽しむ事が出来ます。他にも実

 に完成度の高い楽曲が並んでまして、充分以上の仕上がりと言って良いでし

 ょう。音質も非常に良好です。多分主要な作業はパリで行われたと思われま

 すが、なかなか得られない水準です、ホント。しかも生まれ故郷のマリから少しも

 離れていない。逆に欧米の世界基準導入部分が陳腐に響く程、「民族音楽の本

 質」が込められています。いやあ凄いなあ。

  この人はどの作品も全力投入で向き合っていまして平均打率が高いのです

 が、本作は特に別格ですね。

  ではアルバム『アン・オー・ブラン』からもう一曲、全編をヴォーカルで構成した

  「トリランケ」。

M05.Triranke(6’38”) Salif Keita   

-S.Keita-  believe NJ 629011

M06.Movin On(2’15”)Ray Camacho Super Band

-R.Muller, W.Williamston- Ever Land 015CD

N  ハイ、出ました。昨年初登場の異色尖り男、レイ・カマチョのスーパー・バンドです。明

 らかにジェイムズ・ブラウンの影響が感じられるダンス曲で、「ムーヴィン・オン」でした。

  続きまして、こちら・・・。

M07.Not Guilty(3’56”)ヴォードゥ・ゲーム

-unknown-  オルター・ポップ AFPCD-36361

N  「俺はシャチョーじゃないんだ、ただの運転手だよ」と繰り返すのは、昨年末の

 生放送でもお送りしたヴォードゥ・ゲイム最新作の冒頭曲です。レコード店で見かけ

 た時には「ジェイムズ・ブラウンの・・・」という紹介付箋紙が付いていました。

 レイ・カマチョ・スーパー・バンドと同じく、確かにその通り。ま、分かり易いからね。

 ただヴォードゥー・ゲイムの場合は、J.B.よりもフェラ・クティの方が強いのではないでし

 ょうか。また最新作全編を通して聞くと、他の音楽から受けた影響よりもグル

 ープ・リーダーのピーター・ソロの創造性の方が強く感じられます。

  ところで今週月曜日の朝、ラジオを点けたらこの音楽が流れてました。

M08.タタ・ファティゲ(3’34”)ヴォードゥー・ゲーム

-unknown-  オルター・ポップ AFPCD-36361

N  ヴォードゥー・ゲイムの「タタ・ファティゲ」です。とても素敵なベイス・ライン。「はて何だ

 っけ」と、聞いた時はすぐに何だか分からず、DJの送り曲目紹介もなかった

 ので番組ホームペイヂで探したら、アルバム『オトディ』の3曲目のこの歌でした。な

 あんだ。

  本当に何て魅力的なベイス・ラインでしょう。弾いているのは、発音不詳の男、

 Gaetan Ahouandjogbeという人。「Gaetan」の「e」の上には、ローマ字の長音

 記号と同じ物が付きます。このアルバム全体を支配するクールでエキサイティングなベイス・

 ライン、これはね、スマフォじゃ味わえない音域ですから、せめて小さくてもいいの

 でオーディオ・スピーカで鳴らして下さい。集中力を高めてベイスだけ聴き込んでると

 発狂しそうになります。

  ではヴォードゥー・ゲイムの最新作から、「タタ・ファティゲ」と並ぶ魅力の「サムシング・

 イズ・ロング」を、昨年末の生放送に引き続きお聞き下さい。早朝ですので、音

 量には充分お気をつけて、でも大きくね。

  なお、前述の素敵なラジオ番組はNHK-fmの「音楽遊覧飛行」で、DJはサラー

 ム海上でした。

M09.サムシング・イズ・ロング(4’13”) ヴォードゥー・ゲーム

-unknown-  オルター・ポップ AFPCD-36361

N  「サムシング・イズ・ロング」ヴォードゥー・ゲームでした、お分かりですな、「死刑」。

  先週のザーップ特集は、若干の驚きを持って迎えられたようですね。わたし

 としても、それが意外でした。確かに「幻」は北米黒人音楽番組じゃないか

 らね。それとこの響きが「ディースコウ」の連想に繫がるのにも戸惑いましたが、

 考えてみれば、当然です。これを他のどんな音楽と呼べましょうか。ただディ

 ースコウ音楽成立以前から、特に北米黒人たちにはこの種の踊りの音楽が空気や

 水のように必要不可欠だった、という点はお見逃しなきよう願います。ま、

 これは世界中どこの庶民にとっても同じ事ですけれどもね。

  さてこの日の特集で一連のザーップ音楽をザーップと紹介したつもりでしたが、

 あるヴォーカル・グループをすっかり忘れていました。1984年に2枚のアルバムを出

 していたヌウ・ホライズンズです。5人組として出て来ましが、果たして実態が

 あったかどうか疑わしい。1枚目にはコンサーヴァティヴな服装でニコヤカに微笑んだメム

 バ写真が掲載されていましたが、2枚目では地平線に立つ4人の全身像。遠景

 ですからそれぞれの特定も出来ません。マーク・トーマスとバート・トーマスの、兄弟かな、

 この二人がリードを取っています。例によってロジャー・トラウトマンが作業の殆ど全て

 を仕切っていますが、1枚目ではバーニー・ヲレルやメイシオ・パーカーも参加してますね。

  では聞いて下さい、ヌウ・ホライズンズです。

  1枚目のLPから「リーチング・フォー・ヌウ・ホライズンズ」。

M10.Reaching For New Horizons(6’39”)New Horizons   

-R.Troutman, L.Troutman-  Sony / Columbia funky town groove HTS-004

N  「リーチング・フォー・ヌウ・ホライズンズ」でした。この繰り返しの長さは確かに「デ

 ィースコウ」ですね。後半ベイス・シンガーが出て来る辺りは本格派的でもありますが、

 どこか可愛いらしいヴォーカル・グループです。当時からわたしは好きでした。そ

 れを忘れてちゃダメだね。「ヌウ・ホライズンズ」です。

  この盤もその頃持っていたアナログLPが出てこないんですよ。2オン1で2枚

 のLPが聞けるCDが出ているので、それを入手しました。今回はこういった

 買い直しが数多くあります。梅勇芸徒でも使いますからね。

  さて御大ロジャー・トラウトマンは「アイ・ヲナ・ビ・ヨー・マン」の大ヒットの後もアルバムを

 発表してまして、正規の物としてはこれが遺作になってる筈です。今回それ

 をわたしはじっくり聴いていなかった、という事実も判明しました。年明け

 早々から早々にこの遺作を聴き込みましたので、1曲お聞き頂きましょう。

M11.キュリオシティ(6’40”)ロジャー   

-R.Troutman-  ワーナー WPCP-4569

N  「胡瓜安、胡瓜安」と叫び続けている「キュリオシティ」、ロジャーの遺作『ブリッジング

 ・ザ・ギャップ』からお聞きいただきました。このアルバムはそれまでの作品と

 少々手触りが異なります。何よりもジャケットのロジャーが難しい顔をしています。

 それまではサーヴィスたっぷりにひょうきんな表情で楽しませてくれていました

 が、これは違う。収録曲もマジな雰囲気で彩られていまして、ザーップ一連に共

 通するノーテンキ度が低い。今の「キュリオシティ」だって「ずっと見てんだよ、興味あ

 るからさ」とかなり切実に迫っています。ヘラヘラ笑ってナムパしてたこれまでと

 は別人格です。発表当時感じていた印象はあまり変わりませんでした。

  こんな事を今月26日の三鷹バイユー・ゲイトで行われる「生語り皿回し」で披

 露します。持ってなかった『ザーップIV』も手に入ってます。中古盤CDでも

 7500円しましたから、存分に聴いてもらいましょう。ぜひお運び下さい。

  さて次はガラリと変わって、弘田三枝子です。「幻」重度聴取者の「火のムジ

 鳥」さんが以前に送ってくれたCD-Rに『ミコ・イン・ヌー・ヨーク』という盤があり

 ます。弘田三枝子が1965年にヌー・ポート・ジャズ祭に出演した帰りにヌー・ヨーク

 で吹き込んだジャズ・アルバムで、ビリー・テイラーのピ アノ、ベン・カッターがベイス、そし

 てドラムズがグレイディ・テイトというトリオ編成が演奏を務め、その年に国内発売され

 ていました。

  これに収められている1曲が、「サニー」。黒人カントリー歌手ボビー・ヘブのあの歌

 です。一説によるとこれがこの楽曲の初録音だとか。確かにヘブ本人によるヒッ

 トは翌66年ですから、可能性はありますね。ここではボブ・ドロウとヘブの共作

 になっているのにも注目。ボブ・ドロウと言えば、「マイルス・デイヴィスと吹き込ん

 だたったひとりの歌い手」でして、1980年には金子晴美のデビュー作をプロデュ

 ースしていました。クレジットこそありませんが、このミコのアルバムでも企画制作進行

 をしていたのではないでしょうか。自分の作品も提供しています。おそらく

 このクレジットは、著作印税で労働報酬を捻出するための作者登録でしょう。本

 来「サニー」はボビー・ヘブひとりで書かれた歌ですから。

  では聞いて下さい、弘田三枝子とビリー・テイラー・トリオです。

  「サアニイ」。

M12.サニー(4’00”)弘田三枝子 

-B.Drough, B.Hebb- コロムビア COCP-35121

M13.Sunny(3’35”)イナ・フォルスマン 

-unknown-  BSMF 2644

N  弘田三枝子とビリー・テイラー・トリオで「サアニイ」でした。この初録音時に、周辺の

 人間はこの「サニー」の良さに気づかなかったのでしょうか。岩浪洋三のライナで

 も別に特筆されていません。これをシングルにしてたら世界中でヒットした楽曲の

 誉れ高きオリヂナル録音として威張れたのに、残念ですね。

  続けましたのは、イナ・フォルスマンで同じタイトルの「サニー」。こっちは「シャニー」かな。

 今月末に発売になる新作『ビーン・ミニング・トゥ・テル・ユー』から、最後に収められ

 ている無伴奏独唱でした。

  これは凄いですね。集中力を切らさず3分半唄い上げています。表情も豊

 か。今回は前作に較べて、収録曲も表現もグッと幅が広がった感じ。写真で見

 る限り、美しくもなられました。全体のサウンドも上手くツボを抑えていますが、

 やはり一番はイナの唄だなあ。若干エイミー・ワインハウス的にも聞こえますが、それは

 昔から。彼女は着実に大きくなっています。

  では、ヴォーカル・アレンヂが巧みな「ワチャ・ゴナ・ドゥ」。

M14.Whatcha Gonna Do(3’55”)イナ・フォルスマン

-unknown-  BSMF 2644  

M15.シュアー・ドント・ミス・ユー(2’56”)ザ・ディップ

-unknown-  Pヴァイン PCD-17792   

N  「ワチャ・ゴナ・ドゥ」イナ・フォルスマンでした。その後に出てきたのは、ザ・ディップ

 というシアトルから出た7人組R&Bバンドです。説明には「まるで60’sヴィンテージ

 ソウル」とありますが、捻くれ者のわたしにはとても「今」の音に聞こえます。

 ヴォーカルがいいですね。MBLシアトル・マリナーズの偉人スズキ・イチロー、入団決定の菊池

 雄星と共に、今年の注目です。アルバムは来月の発売。他のトラックを聞いてみたい

 ですね。 

  そしてブラジルからは、こんな音楽が届いています。  

M16.タンバリン、クイーカ、カンザ、ビリンバウ(4’15”)ザ・ジャズインヴェーダース  

-unknown-  Pヴァイン PCD-24806   

N  ザ・ジャズインヴェーダースで「タンバリン、クイーカ、カンザ、ビリンバウ」でした。ブラジル

 音楽には馴染みの深い楽器、「タンバリン」、「クイーカ」、「カンザ」、「ビリンバウ」を呼び

 上げた面白い詞(ことば)、そしてサムバ・フュージョンに必須の超絶的馬鹿テクが心

 地よく混じり合っています。原曲はアジムスだそうで、ここでも共演しています。

 アジムス、まだ演ってたのか。わたしの印象ではコワモテ楽団ですが、こんなユーモアも

 あったのですね。これもアルバムを聞いてみたい。

  さてオルガン・トリオと言えば、オルガン、ギター、ドラムズの3人編成が基本。ベイス部

 分はペダル鍵盤で対応、渋い素材をシブーく、またある時はポップに提供してく

 れる、わたしの好きな器楽形態です。次に紹介するクッキン・オン・スリー・バーナーズ

 も紛れもなくそのオルガン・トリオなんですが、ちょっと違います。非常に今風、

 新しい感覚なんでしょうか。聞いているとわたしには、ロックを通り抜けてきた

 若い音楽家たちが見えて来ます。

  今朝はまず、ザ・メルトダウンというグループのサイモン・バークをヴォーカルでフィーチュアした

 「ガーデン・オヴ・フリーダム」を聞いて頂きましょう。クッキン・オン・スリー・バーナーズ

 です。

M17.Garden Of Freedom(4’02”)クッキン・オン・スリー・バーナーズ

-unknown-  BSMF 5060

M18.A Whiter Shade Of Pale(4’37”)Bobby Broom & The Organi-Station 

-G.Brooker, C.Fisher, K.Reid-  Jazzline N 77059 

N  クッキン・オン・スリー・バーナーズで「ガーデン・オヴ・フリーダム」でした。年明け早々に

 家のガスコンロが壊れましてね。新しく来たのがスリー・バーナーズでした。関係あり

 ません。

  さて、新年になってから昨年を振り返っていると、非常にオーソドックスなオルガン・

 トリオでキメてくれたギタリスト のアルバムがあったなあ、と思い出しました。2020年

 代の新しいオルガン・トリオの後は、1960年代の楽曲「青い影」と、オーソドックスな

 ボビー・ブルームとオーガニゼイションの演奏でお楽しみ頂きました。プロコルハルムのこの名

 曲は、フィルモア・ウエストでのキング・カーティスの演奏が素晴らしい。ビリー・プレストンの頂

 点を極めるように弾かれたオルガンが今も鮮やかに蘇ります。それとは趣を変え

 たボビー・ブルームとオーガニゼイションの「青い影」、如何でしたでしょうか。

  年末になって初めて向き合ったダスティ・スプリングフィールドの余韻もまだ相当な

 物がありますね。わたしが手に入れたベスト盤表紙のポートレイト写真が強烈な印象

 で、誘い込むような悪魔の魅力が伝わって来るんです。それに惑わされた身

 としては、生放送のどこかでお届けしたかったのですが敵わず、年明けに持

 ち込みとなりました。さあ2019年、こちらも改めてお届けしましょう。

  アリサ・フランクリンが蹴っ飛ばしたシングル候補曲です。

  「サン・オヴ・ア・プリチャーマン」。  

M19.Son Of A Preacherman(2’39”)Dusty Springfield 

-J.Hurley, R.Wilkins-   Atlantic R2 8214 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N ダスティ・スプリングフィールドで「サン・オヴ・ア・プリチャーマン」でした。

  今朝も更新出来てよかったなあ。ホットした思いです。基本的に暖冬であるは

 ずこの季節、今週のように突然冷え込む事もあります。どうぞお気をつけて

 乗り越えて下さい。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/e8f61c6c2b47fb2c173830f1bd79cab6272c0706

   ダウンロード・パスワードは、s0chq0yfです。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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