カテゴリー : Mornin’ Blues by IsaoWashizu

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/01/16

mb160116

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

いやあ、参ったなあ。ナタリ—の後、オーティス・クレイでしょ、そしてデイヴィド・ボウ

イまでが慌ただしくあの世に旅立ちました。

ボウイは、いつも自らを掻き立てて活動を続けている姿が気になる存在でし

た。年始のラジオ番組でジャズの最先端の手法を採り入れた新作が面白いと聞い

たので、それにも興味が沸きました。聞いてみようと思ってたのです。闘病

中とは言え、本人はやる気充分だったようです。

その新作、もう電子市場には出ているようですね。死亡する前の2700倍の

売上げだそうです。それにはちょっと納得し難い部分がありますけれども、

社会的存在の偉大さが分ります。

さて、わたしにとってのデイヴィド・ボウイは、何をおいてもこの歌です。

 

M01.スペース・オディティ(5’16”)デビッド・ボウイ

-D.Bowie-  東芝 TOCP-54024

 

N  「スペース・オディティ」でした。この歌にはやられましたね。画期的な物語の発

想です。シビレました。脱帽いたしました。と言ってもわたしの事ですから、

発表後10年近く経ってからです。何気なく耳にした歌の内容にノーテンに杭を打

ち込まれるような思いがしたものです。幸いにも法で規制された正規の長さ

には少し足りなかったので、魂は護られましたが、凄いなあ、ブッ翔んでるな

あ、と感心する事しきりでした。

この事を信頼している音楽仲間に素直に話したら、「ああ、そう」というそ

っけない返事でしたが、顔は「何を今ごろボケてんだ、この馬鹿」と言ってい

ましたね。

今回の訃報に関連して、デイヴィドがティーネイヂの頃のアイドルだったという「イジ

ワル・ミー」さんからリクエストを頂きました。わたしの知らなかった曲です。

お送りしましょう、「チェインヂーズ」。

 

M02.チェンジス(3’14”)デヴィッド・ボウイ

-D.Bowie-  東芝 TOCP-54024

 

N  「イジワル・ミー」さんからリクエストで「チェインヂーズ」でした。これは彼の持ち歌の

中でも、「自叙伝的に生み出した作品」で、彼の「変容の連続、存在価値の作

り出し方」を見ても「自分自身に捧げたテーマ・ソング的な曲である」と解説にあ

ります。そうですか、「イジワル・ミー」さん。

1972年の夏頃から、レコ—ド会社と極く一部の音楽ミーディアの策略で、グラム・

ロックというのが、突然この国で流行り出しまして。その最右翼がデイヴィド・ボ

ウイでした。デイヴィ・ジョーンズという、マンキズのリ—ド・シンガ—と同じ本名を嫌がっ

てデイヴィド・ボウイと改名した話は、ニュー・ミュージック・マガジーンでそれより前に読

んでいたような憶えがありますから、芸能活動の開始はもっと早かったよう

です。

当時のボウイ人気は圧倒的でした。なにしろ芸の背景が違う。その頃からロック

という狭い世界越しに、もっと大きな場所を見ていたんですね。後年、フランク・

シナトラ級の次世代芸能家だ、という彼に対する評価を耳にした時、わたし自身

も何の違和感もありませんでした。ロック馬鹿じゃないんですよ。

初来日は横浜港着の客船で来たんですよね。衣装をやまもと寛斎が担当し

たり、振りに歌舞伎の動きを採り入れたり、日本文化からたくさんの閃きを

得ていたようです。京都の山科に家を持っているという噂でした。

グラム・ロックというと、Tレックスとがボウイの反対側の翼に奉られててね。これ自

体がおかしな図式なのですが、踊らされたわたしはTレックス。鉛筆の芯の粉を

アイシャドウ代わりに目の回りに塗ったりね、グラム・ロックの馬鹿馬鹿しさを楽しん

でました。『電気の武者』、『ボラン・ブーギー』、『スライダー』を持っていて、マーク・

ボランのロックンロ—ルごっこには憧れたなあ。ボウイはほとんど聞かなかったですね。

親しむ機会がなかった。

エディ・コクランの人生をなぞったように、マーク・ボランが交通事故で亡くなってし

まった後も、ボウイはずっと生きて芸能を続けました。大物ですから、わたし

も折にふれて新譜を耳にする事が多く、常に新機軸を導入する創作意欲には

一目置いていました。ただ、聞く人より先に自分でウットリしちゃってるような、

あの歌に馴染めず、心底ノレなかったのが正直なところです。ナイル・ロジャーズと

組んで、スティーヴィー・レイ・ヴォーンを起用した「レッツ・ダンス」もダメだったなあ。

それでも実は、直接の影響を受けています。それはこの曲からなのです。

 

M03.ジーン・ジニー(4’08”)デヴィッド・ボウイ

-D.Bowie-  東芝 TOCP-54024

 

N  「ジーン・ジニー」でした。スト—ンズの「落下傘女」によく似てますね。今初めて

そう感じました。これまで通してちゃんと聞いた事はなかったかも知れませ

ん。横浜に同じ名前のライヴ・クラブがあって、いつかそこにトラックが突っ込みま

せんでしたか。ランキン・タクシーがまだ貧弱なサウンドシステムでレゲDJ実演を始めたのは

そこじゃなかったかな・・・あ、脱線しました。

話を元に戻しますと、わたしの身辺に今の「ジーン・ジニー」が切っ掛けで生

まれた1曲があるのです。名盤の澤ホマレ高き『永久保存盤/静岡ロックンロ—ル組合』

の解説から引用しましょう。

 

レインボウ・クイーン(森下均-鷲巣功)深夜ラジオで流れたD.ボウイの「ジーン・ジニー」か

ら閃き、20分で即完成。新宿歌舞伎町のロック喫茶のウェイトレスへ一方的に捧げられ

ている。初演。

 

事実もこの通りです。深夜番組でたまたま聞いた「ジーン・ジニー」の、特に

ハーモニカ・リフがインスピレイションを授けてくれまして、あっという間に出来上がりまし

た。すぐヴォーカリストのチャ—リ—のとこに行って「これ唄ってくれ、ハープも吹いて」

と頼んでイッチョ上がり。早かったね、これは。

久し振りに聞いてみたら、動機が「ジーン・ジニー」というのに変りはありま

せんが、結果としてはTレックスのブーギ−形式の方が、色濃く出ています。皮肉

です。

1973年、新宿の歌舞伎町の入り口に「レインボー」というロック喫茶があって、そ

こに細かなパーマのロングヘアでドギツ系の奇麗なお姉さんがいました。受験名目で

上京滞在中に短期間だけ通ったわたしにも声かけてくれましてね。入試どこ

ろではなく舞い上がってたある日、訪れたら彼女が店の前で男と待ち合わせ

してる現場に出くわしてしまいました。お相手はロックスタ—みたいな感じのイカし

た奴で、ちょうど今ごろの季節ですよ、お揃いで毛皮のコ—トなんか着ちゃって。

田舎の子供はまるで敵わない。小田急新宿駅までひとりで泣いて帰りました。

この想いをぶつけて少年鷲巣功が書き上げたのが、次に紹介する1曲です。

「ジーン・ジニー」はちょっと迷惑でしょうが、どうもありがとう、デイヴィッド。

お聞き下さい。静岡ロックンロ—ル組合で「レインボウ・クイーン」。

 

M04.レインボウ・クイーン(4’53”)静岡ロックンロ—ル組合

-H.Morishita, I.Washizu-  UKプロジェクト DCRC-0061

 

M05.愛なき世界で(2’50”)オーティス・クレイ

-E.Williams-  ビクター VDP-1111

 

N  清きお耳を汚した後は、オーティス・クレイの紛う事なき傑作「愛なき世界で」。

これで聴感を正常に戻して下さい。

いや、このオーティス・クレイ他界の知らせにも驚きました。彼は極めて真面目な

性格で、それほど不摂生もしていなかったから、まだまだ唄い続けられると

思っていました。ゆえに偶然見つけた先週のアルバム程度の作品はまたすぐに創

れるだろうなんて気でいたんです。それが、突然の心臓病とは。

改めてお祈りいたします。追悼。

次に聞いて貰うのはジャッキー・ムーアのヴァ—ジョンがオリヂナルですが、この国ではこ

の、オーティス・クレイのヴァ—ジョンの方が知られている筈です。

「プレシャス、プレシャス」。

 

M06.プレシャス、プレシャス(3’12”)オーティス・クレイ  

-D.Crawford, J.Moore-  ビクター VDP-1111

 

M07.サンクス・ア・ロット(3’37”)オーティス・クレイ    92  Albert King

-L.Fulson-   アメリカーナ  28C-8108

 

N  「プレシャス、プレシャス」に続いては、先週もお届けした92年のアルバム『アイル・トリー

ト・ユー・ライト』から「サンクス・ア・ロット」をお聞き頂きました。ブルーズ・フィーリングを、

とても上手に洗練させていましたね。こういう事が出来る歌い手は、彼の後

に出ていないのではないでしょうか。

まだハイ・レコードがキングから出発売されていた頃に彼は日本に登場しています

が、アルバムの高評価に較べて個人の人気は今ひとつ盛り上がっていませんでし

た。それがO.V.ライト病欠の代理で急遽やって来た1978年、久保講堂の伝説的

実演で、絶対的な存在となりました。

おそらくピンでこんな大きな場所でのライヴ経験は、本人にもなかったでしょ

う。シカゴで毎晩のように行っているクラブ・ショウそのまま、という感じではあり

ましたが、飾られていない生のR&Bに触れた事のなかった日本の若い音楽フ

ァンの心を捉えるには、充分以上の魅力でした。

翌年以降は順調に来日を続け、おそらく本国以上の人気を持っていたので

はないでしょうか。

わたしも初来日の時から観ています。赤坂にあった小林克也も回してたソウ

ル・ディスコティークへの出演後、ベイスマンを連れ出して遊んでたら、彼が我が儘な事

を言い出して手に負えなくなったので、六本木のズッケロかどこかのクラブに放り

出して逃げたのは、何回目に来た時だったかな。下北沢のバ—でオーティス本人と

同席した事もあります。その時ホッヂズ兄弟のギタ—奏者の名前がティーニーでもあり、

メイボンでもある事を教えてもらいました。国立の一橋大の兼松講堂では演奏が

ハイ・リズムでしたから、そのまんまレコードの音でした。

このように全国各地で本場を知らないソウル音楽好きに、いろいろな体験をさ

せてくれたオーティス・クレイ。わたしの心の中では、虎ノ門の久保講堂から家まで、

ずっと興奮したまま帰った想い出が、まだ褪めていません。

残念だったのは、新しいヒット曲を作れなかった事でしょう。日本ビクターも、

独自に懸命な努力をして、花を咲かそうとしたんですが、現実はそんなに甘

くなかったようです。歌が上手くていい人だけじゃダメなんですね。

手許に彼がマイアミのT.K.から出していたシングルがあります。このケイヴェット・レイ

ベルともこの1枚だけの契約だったようです。そのA面、初めての来日でも唄

っていた「レット・ミー・イン」を聞いて下さい。発表1977年。悲しい歌です。

 

M08.Let Me In(3’55”)Otis Clay

-J.Slates, S.Pippin, L.Keith-  Kayvette 5133

 

N  あまり盤の状態が良くなかったですね。すみません。「レット・ミー・イン」でした。

こういうのをオ—ティスが手掛けると、本当に悲しくなってしまうのです。真心過

剰という表現はおそらくないでしょうが、ちょっとシンミリし過ぎます。逆にそ

こがこの国で受けた要因なのかも知れませんが、彼の逞しい魅力を何度も味

わっているだけに、もしわたしが現場でセッションを指揮していたら、「もうひと

味、明るく」「一瞬だけ笑って」というような指示を出したでしょう。今の「ケ

イヴェット5133」のB面、こちらでは彼の暖かい心が肯定的に出ていて、大いに

気に入っています。

聞いて下さい。「スウィート・ヲーマン・ラヴ」。あ、ジョ—ジ・ジャクスンの曲だったんだ

な、これ。

 

M09.Sweet Womans Love(3’29”)Otis Clay

-G.Jackson-  Kayvette 5133

 

M10.Besame Mucho(4’04”)Natalie Cole wt. Andrea Bochelli

-C.Velazquez-  Verve 0602537323951

 

N  さて、次も亡くなったばかりの歌い手です。ご存知、ナタリー・コール。先週はデュ

ーオの曲ばかりお聞き頂いて、若い時のヒットは今週に、と言っておりましたが、

予定変更。彼女が2003年に発表したラテン・アルバム『アン・エスパニョール』からお届け

します。これも気になるアルバムですね。まずはテノ—ル歌手のアンドレア・ボチェッリとの

二重唱で「ベサメ・ムーチョ」でした。この曲はコースターズのテッテ的に下卑たヴァ—ジョン

がわたしのアタマにこびりついているからでしょうか、このヴァージョンはちょっと

気品過多です。

次はひとりで伸び伸びと唄ってもらいましょう。

名曲「ソラメンテ・ウナ・ヴェス」。

 

M11.Solamente Una Vez(2’30”)Natalie Cole

-A.Lara-  Verve 0602537323951

 

N  ナタリー・コールのラテン・アルバム『アン・エスパニョール』から「ソラメンテ・ウナ・ヴェス」でした。

ナタリ—がこの企画に取り組んだ時に、父親であるナット・キング・コールのスペイン語連

作が頭をかすめたのは言うまでもない事でしょう。ブックレットには、彼女自身の

言葉で挨拶があり、こんな行りが出て来ます。

この種の、音楽的にも社会的にも馴れない世界に挑むのは、これまでの楽に

していられる環境から踏み出す事を意味します。その時わたしは父が同じよ

うな作品を仕上げていたのを思い出しました。それも一度きりでなく3枚も

作っていたんです。そしてその反響たるや、普通ではありませんでした。

 

ナタリ—が勇気を持って飛び込んだラテンの世界。父ナサニエルも唄ったこの曲です。

「キサス、キサス、キサス」。

 

M12.Quizas, Quizas, Quizas(2’27”)Natalie Cole

-O.Farres-  Verve 0602537323951

 

N  故ナタリー・コ—ルで、ラテン・アルバム『アン・エスパニョール』から「キサス、キサス、キサス」でした。

ではこの曲名に「テ」をつけて、もう一度お願いしましょう。

「手キサス、手キサス、手キサス」。

 

M13.I’m Not That Kat Anymore(3’01”)Texas Tornados

-D.Sahm- Riprise 9 26683-2

 

M14.Tennessee Whiskey(4’53”)Chris Stapleton

-D.Dillon, L.Hargrove-  Mercury   0602537577439

 

N  「テキサス、テキサス、テキサス」と呼びましたら竜巻が起こりました。テキサス・トーネイドー

ズで「アイム・ノット・ザット・キャット・エニモー」。これにはダグ・サームとオーギ−・マイヤーズだ

けが参加しています。この強者4人組なら、「あとは俺たちがやっとくよ」の

ひと言で「じゃあ頼んだよ」となるんでしょう。昨年しつこくお届けしたベス

ト盤を年末年始と聞き続けました。ホントいいね。その中の同一曲とは、ちょっ

とミクスが違ってるみたいです。どうなのでしょうか。

続けたのはクリス・ステイプルトンの新作から「テネシー・ウイスキー」。ジョージ・ジョーンズがヒ

ットさせた有名曲ですね。ここのところ続けてお送りしている田舎男たちの歌

と同系列に並ぶ酒の歌です。

「テネシー・ウイスキー」とレイベルに刷り込んでいるのは、かの有名な、デュエイン・オール

マン御用達で、それを真似てかキース・リチャーズも呑んでいたジャック・ダニエルズです。

今の音の重さからすると、悪酔いしてるのかな。

クリス・ステイプルトンの新作からもう1曲聞きましょう。

「我が心のならず者州」。

 

M15.Outlaw State Of Mind(5’35”)Chris Stapleton

-C.Stapleton, R.Bowman, J.Salley-  Mercury   0602537577439

 

N  ローン・スター・ステイトというのはテキサスの事。州の旗に星がひとつだからなんだそう

です。ならず者州はどこなんでしょうか。「オン・マインド」とあるからには、北

鮮やISの事ではないでしょう。クリス・ステイプルトンの最新作は「渡世人」という

タイトルで、全編がこれら2曲と同じ響きに覆われています。ずしりと重く、起

伏に乏しい、単調な、それでいて妙な必然性で迫る演奏、そして吠えるよう

な、吐き出すような歌。先週末にこの新譜を流しながら掃除をしましたら、

あんまり作業が捗らなかった。単純な軽い肉体労働には、軽快で小気味よい

リズムの、そうサル—サなんかが最適ですね。

昨今のカントリ—音楽を聞いてますと、非常に人間的な表現、つまり生身の演奏

や発声が尊重されている思いが強くします。クリス・ステイプルトンの新作からも同じ

事を感じました。必要な音なんでしょう。とても立派な主張です。えらいぞ、

田舎野郎たち。

さて、ここで音声ファイルの再生は、一時停止。暫しユ—チュ—ブでお楽しみ下さい。

ムジ・ファイアバードさんが教えてくれたイーナ・フォルスマンが唄う「16トンズ」です。

 

M16.16 tons(2’17”)Ina Forsman

-M.Travis-


https://www.youtube.com/watch?v=T597Xqgwmkg

N  素晴らしいね。この周辺にあったイーナの実況映像も観ました。カッコいい。顔恐

い。ds., b., gtr., hca.の3匹のオッサンたちの影が薄くなってしまいますね。

先ほどの動画を観た某白人が「singing blues is not only for old men」とコ

メントを寄せてました。もちろんです。いつからブルーズは歳とった男たちだけの

ものになってしまったのでしょうか。北欧の、若い、墨の入った女の音楽で

もあるのです。そして、わたしたちにも、ブル—ズはずっと一緒でした。

 

M17.16トン(4’21”)憂歌団

-M.Travis, T.Ozeki-  TDK  TKCA-30169

 

N  ユーカダンで「16トンズ」でした。マール・トラヴィスの原作に比較的チュージツな訳詞は尾

関 隆。名古屋に住んでいたオゼキ・ブラザーズのお兄さんの方だったかな。一度

お会いした事があります。とても大人しい落ち着いた人でして、憂歌団は彼

らの影響を強く受けた、と勘太郎から聞いていたので、「こんな真面目な人が

あのワル集団に影響を・・・」と、信じられませんでした。

さて「16トンズ」には、それ以前にこんな素敵なカヴァがあります。

 

M18.16トン(3’12”)フランク永井  

-M.Travis, S.Ida-   ビクター VICL-41268/9

 

N  フランク永井の「16トンズ」、1956年頃の発表です。下層労働歌の傑作ですね。

寺岡真三による昭和庶民歌謡調の編曲も大変結構。進駐軍ジープの運転手から

基地回りの歌手に転じた、フランク永井の真心のこもった歌い回しが、今も新鮮

に聞こえます。英語詞も丁寧に唄われていまして、だいぶ前に某朝番組でテネシ

ー・アーニー・フォードのオリヂナル・ヒットが流れた時に、わたしは「あ、フランク永井には英

語だけで唄った別のヴァージョンもあったのか」と思い違いをした程です。

さて「16トンズ」、イーナの分も入れると合計48トンを積ませていただきました。

重かったでしょう。ではその報酬に13,800円、お支払いいたします。

 

M19.13,800円(3’27”)フランク永井

-F.Takada, I.Tone-   ビクター VICL-41268/9

 

N  18,300円、1950年代半ばの大学卒業就業者の平均的給与だったそうです。

歌の内容は、「16トンズ」続きなのでしょうか、日雇い肉体労働者が資格を取得

し、結婚して家庭を築き団欒で明日への勤労意欲を燃やすという「期待さる

人間像」が章を重ねて描かれています。その間、昇給はなかったみたいです。

64年頃かな、何かの雑誌で見た西郷輝彦の「一ヶ月のお小遣いが20,000

円」という事だったので、それを父親に話したら月給総額と勘違いしたらし

く「そのくらい貰える人は、相当だ」という答えでした。10年で1割くらい

しか上がってなかったんですね。その後、経済は急成長しました。あ、また

また余談でした。

ジャズ歌手として世に出たフランク永井には、このような庶民生活に主題を求め

た歌が多く、それとは反対側に位置する「有楽町」「ナイトクラブ」イメヂだけで語

ってはいけません。上方ものもいいんだよ。あ、また脱線。

それはお待たせいたしました。今朝のイーナ・フォルスマンは「ドント・ハートゥ・ミー・ナウ」。

 

M20.Don’t Hurt Me Now(4’34”)Ina Forsman

-unknown-  BSMF 2490

 

N21.Early Morning Time(3’01”)The Ward

-The Ward-  Vanguard  78456-2

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  イーナ・フォルスマンの「ドント・ハートゥ・ミー・ナウ」、これもいいでしょう。顔はホント恐い

ですよ。お化粧のせいだ、との説がありますけれど、動画のスッピンも優しくな

いなあ。遠くから見ていよう。

その次はロバート・ランドルフのセイクリッド・スティールをフィーチュアしたザ・ワ—ドの「ソーチョージ」。

今回の彼らのアルバム『ソール・フード』は充実してますよ。こんなエキサイトメントがある

んなら、毎週キョーカイへ通ってもいいですね。わたしは日曜日以外にゴスペルを聞

くのに何となく抵抗があるのですが、これなら悪魔の金曜日でもいいな。ま

だ魅力的なトラックがたくさんありますから、この後も紹介して行きましょう。

さて年明け早々、身近な音楽家の死で始まった2016年。おそらく今後もた

くさんの訃報が届くでしょう。これは仕方ない。誰でも限りある人生です。

だからその場面に接して悲しむより、残された作品をずっと聞き続ける事が、

何よりの供養なのではないでしょうか。音楽家にとっての「録音」とは、そ

の為の物でもあるでしょう。

もちろん死んでからではなくて、生きているうちに作品を、本人を愛す事

の方が、絶対に大切なのは言うまでもありません。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/0ca7caf00a6ea54ff1e5425833593c7783bf6004

ダウンロードパスワード:wrysxrrt

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、今年も続きます。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

s-IMGP1432

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/01/09

mb160109

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

正月2日のホーソーは、割と当たり前に受け止められたようですね。実家の物置

整理という大仕事の中、各種送信障害を乗り越えて行った作業が・・・ガクッ。

もう既に此の世は、季節感を始めさまざまな時節における習わしや情緒的

共通意識を失っているのかも・・・などとオーゲサに拗ねずに、新年早々の発売

となるアルバム『イン・ザ・マヂック・アワー』からどうぞ。

「回り道表示」、イーファ・オドノヴァンです。

 

M01.Detour Sign(3’25”)イーファ・オドノヴァン

-unknown-  BSMF 6076

 

N  秋のライヴ・マヂックで圧倒的評価を掴んだ三人組、アイム・ウズ・ハーのひとり、イー

ファ・オドノヴァンの新作『イン・ザ・マヂック・アワー』から「回り道表示」でした。

以前にもお話ししましたが、その決定的な実演をわたしは見逃しておりま

すので、実演との比較は全く出来ませんが、何か新しい世代感覚が強く伝わ

って来ますね。パンチ・ブラザーズのクリス・シーリほかブル—・グラスの強者を招いての

セッションも、彼女から振り撒かれる無言の指示で不思議に調和しているように聞

こえます。果たして・・・。

さて2016年になった訳ですが、わたし自身、未だ「去年」と「今年」では

よく間違えています。必要な場合には「14年」「15年」「16年」と確認をする

程です。殆どの人の意識はまだ2015年の延長のようですね。

こんな状態ですから、という意味ではありませんが、今朝はまず、昨年末

に古本屋の店先で、ほぼ捨てられていたような投げ売り商品の中から掘り起

こした名盤を、少々聞いてもらいましょう。

どなたもご存知のこの歌です。

 

M02.Tonight(3’51”)Musical “West Side Story” Original Broadway Cast

-S.Sondheim, L.Barnstein-  Columbia

 

N  ミュージカル、「ウエストサイド物語」から挿入歌「トゥナイト」でした。これはブロードウェイ

のオリヂナル・キャストによる吹き込みで、今の歌い手はラリー・カートとキャロル・ロウレンスに

なっています。73年の録音ですから初演時のキャストとは違うのでしょうか。

かつてミュ—ジカル通から、この「オリヂナル・キャスト」という表記は、かなり厳密か

つ複雑な条件を満たした場合のみ用いられる、と聞いた事があります。「ミスタ

ー・マンデイ」は関係ないですね。わたしにはそのジジョ−がよく分りませんが、

この「Original Broadway Cast」盤の素晴らしさは分ります。なんせ詞(こ

とば)がスティーヴン・ソンドハイム、リオナード・バーンスタインが作曲ですから。

この国では1961年から2年余りのロングランで公開された映画の「ウエストサイド

物語」が有名です。わたしは年齢不足ゆえ大波に乗れ切れなく、周囲の騒ぎ

だけを肌で感じていました。家庭の中には入って来なかったですね。

その3年ほど後に二番館で観た「ア・ハード・デイズ・ナイト」の時にリヴァイヴァル

興行の予告篇に接しました。わたしの「ウエストサイド物語」直接体験は、たった

それだけですが、その時にとても印象的だったのが、この歌でした。

「アメリカ」。

 

M03.America(4’33”)Musical “West Side Story” Original Broadway Cast

 

N  非常に象徴的な歌「アメリカ」、後年のランディ・ヌーマン作「セイル・アウェイ」と好対比で

す。プエルト・リコ移民が夢見る、圧倒的に物資の豊かな富める国アメリカ。当時わた

したち日本人が、実際に抱いていた想いと変わりません。

アーサー・ロウレンツの脚本は、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を基にしているとは言

え、第二次世界対戦後のアメリカの大都市ヌーヨークを背景として、ダイナミックに展開し

て行きます。「移民」「難民」は2016年を迎えた今も、継続し膨れ上がってい

る問題ですしね。

さて次も「ウエストサイド」と言えば必ず呼び起こされる場面の挿入歌ですね。

「クール」。

 

M04.Cool(3’57”)Musical “West Side Story” Original Broadway Cast

 

N  ミュージカル「ウエストサイド物語」から「クール」でした。映画の公開後、テレビ番組など

ではチンピラの対立、決闘というとこの音楽が使われました。だからでしょうか、

わたしにもその場面が連想されます。一度も本編を観てないのにね。何故か

ジェリ—藤尾が先頭に立ってるなあ、ワツシ劇場の銀幕では。

張りつめた空気、一触即発的な危険性を帯び、かつ研ぎ澄まされたような

カッコ良さが漂う「クール」。ミュ—ジカルの音楽を「映像的」と表現する陳腐さは充分

に分りますが、そうとしか言えない雰囲気がここには漂っています。

61年の日本の貧しい若者たちは、みんな憧れただろうなあ。Gパンとかバス

ケット・シューズも、このカットから日本に流れ込んで来たのでしょう。

今朝は、たまたま手にした「オリジナル・ブロ—ドウェイ・キャスト」盤で、柄にもなく

ミュージカル「ウエストサイド物語」を紹介して来ました。舞台はおろか映画すら観た事

がなく、断片的な知識も覚束ないのにここまで話せるというのは、戯曲の全

体像が既にパブリック・イメヂとして認知されている事の証明です。「コーシャクシ見て

来たようなガゾ−を語り」でもありますが。

ここまでの説得力を持ってわたしの脳、心にこの作品の印象を刻み込んだ

のは、音楽の力もあるでしょう。バーンスタインの構成は、そこまでのミュ—ジカル的で

もなく、ジャズの流用でもなく、ひとつひとつの要素に安易さが微塵も感じら

れないからでしょうか、わたしのようなひねくれ者が聴いていても、シラケない

のです。大抵こういうお約束調和に接すると、「バーカ、そうは行かねえんだよ」

という否定的な情感がわたしの心で支配的になって来るのですが、このバーンス

タインを聴いていると徐々に素直になって行く自分が見えます。これは偉業です。

ここで彼は棒を振ってるのかな。

録音も驚くほど良い。夜遅く聴き始めて、あらためて次の日に大きな音で

聴き直しました。クレジット不詳で分りませんが、コロムビアのスタジオで本番と同じ配

置を設定し、通して演じたのでしょうか。それぞれの声、楽器との距離が見

えます。屋外階段をモチ—フにしたグッド・ディザインの映画サントラ盤とはどんな音に

なっているのだろう。

さて「ウエストサイド物語」最後はバラッド、「サムウェア」です。

この戯曲の粗筋はポ—ランド系アメリカ人とプエルト・リコ移民の対立が背景です。ポ—

ランド系というのはユダヤ人の血を引く人種を指すのでしょうか。共に移民同志

の争いです。ただアメリカ合衆国自体が移民の国という、より大きな動かし難い

背景が、その後ろに横たわっています。

バラッド、「サムウェア」には国土を求めて彷徨い続けたユダヤ人永遠の願いが込め

られている、という説明を聞いた事があります。だからかどうか、わたし自

身も分りませんが、どんなヴァージョンでもこの歌を聞く度に、「絶望の中での希

望」を、感じるんです。今回初めて聞いた「オリジナル・ブロ—ドウェイ・キャスト」盤で

も、同じものが伝わって来ました。こっちが原典だから当たり前だね。詞を

担当したソンドハイムはユダヤ系の人間です。音楽のバーンスタインはユダヤ系アメリカ人でした。

よく間違えられる作曲家エルマー・バースタインもユダヤ系移民の子です。

「ミュ—ジカルなんてまっぴらだ」のわたしも一目置かざるを得ない「ウエストサイド

物語」、正直に言いますと、映画で構わないですから一度通して観たくなりま

した。映画館がいいなあ。

では、お待たせいたしました。ミュージカル「ウエストサイド物語」から、

バラッド、「サムウェア」をお聞き下さい。

 

M05.Somewhere(7’31”) Musical “West Side Story” Original Broadway Cast

 

M06.Christmas Time(2’48”)The Debonaires   Long Beach California

-J.Porter-  Ace CDCHM 1128

 

N 「ウエストサイド物語」からの「サムウェア」に続いてお送りしたのも、年越しアルバム

の1枚です。コメント欄で類似穴さんが教えてくれたエイスのクリスマス・アルバムが、1月

5日に届きました。発注が遅かったので年内は無理かな、とは思っていました

が、お年玉替わりの遅延クリスマス・プレゼントになりました。

クレジット、解説などから察するにどうも吹き込み当時には陽の目を見られな

かった録音作品を集めた1枚のようです。B.B.キングで始まりますが、その後

は無名な歌い手ばかり。わたしもローウェル・フルスン、スモーキー・ウイルスン、オスカー・マクルーニー、

ハダ・ブルックスくらいしか知っている人間はいませんでした。

その中で、オヤッと思ったのが今のディボネイア−ズの「クリスマス・タイム」です。間奏

のサクスフォーンがいいブロウをしてましたね。カリフォルニアはロングビーチ出身のグループだっ

たそうです。

この楽曲が発掘されて世に出たのは、なんと今世紀の2003年。おそらく同

時に吹き込まれた「クレイズイ・サンタ・クロウス」が1956年ですから、50年もの間ど

こかで眠り続けていたのでしょう。こんな出逢いが出来るのも、クリスマス・ノヴェ

ルティだから、という事かな。ディボネイア−ズは、各メムバーの声や性格は当時のドゥー・

ワップ・グループと同等の個性を持っていますが、ピッチ、音程感に問題があった

ようで、今の「クリスマス・タイム」でもハーモニーの美しさでは今ひとつです。

多分リード・ヴォーカルのピッチが悪いんですね。そうすると全員の拠り所が失わ

れてしまいますから、ただドゥヴァ、ドゥヴァ騒いでるとしか聞こえません。もう

1曲収録されている「クレイズイ・サンタ・クロウス」は、ホント酷いですよ。それも年に一

度の馬鹿騒ぎ、という事でお許し頂けたのでしょう。

ではお耳直しに、このアルバム『リズム・アンド・ブルーズ・クリスマス~ウィズ・オール・ヨー・

フェイヴァリット・スターズ』でのメッケモン、ジェシー・ベルヴィンで聞いてもらいましょう。

「アイ・ヲント・ユー・ウィズ・ミー・クリスマス」。

 

M07.I Want You With Me Xmas(3’39”)Jesse Belvin

-B.Farr-  Ace CDCHM 1128

 

N   「アイ・ヲント・ユー・ウィズ・ミー・クリスマス」、ジェシー・ベルヴィンでした。なかなかの紳

士ぶり、いいでしょう。先ごろ来日していたサクスフォ—ン奏者ビッグ・ジェイ・マクニーリ

を始め、数々の大物と交流を持ち、あの「パッパル」で始まるペンギンズの大ヒット

「アース・エインジェル」の作者でもある、と言う事です。50年代にはこの位の歌い

手は、数えきれない程いたんでしょうか、特別に知られてはいません。浅学

非才のワツシイサヲ、ちょっと興味が沸いたな。

次はもう一度ヴォーカル・グループ。アカペラでキメてもらいます。

「ホワイト/ホット・クリスマス」、ディ・エルヴスでどうぞ。

 

M08.White/Hot Christmas(2’46”)The Elves

-I.Berlin, J.Pierpoint, G.Autry, O.Haldman-  Ace CDCHM 1128

 

N  こちらはちゃんとハーモナイズしてましたが、同じ音を繰り返すベイス・シンガーがキ

ツそうでしたね。今の前半部分「ホワイト・・・」は、おそらく後半で破綻して

NGとなったので、急遽即興の「ホット・・・」を追加して、シングル1枚分に組み

合わせしたのではないかな。納品締め切りの厳格なクリスマス盤だからでしょうか。

現場の混乱も見えて来ます。

それでは年越しのクリスマス・プレゼントになってしまった、『リズム・アンド・ブルーズ・

クリスマス~ウィズ・オール・ヨー・フェイヴァリット・スターズ』アルバムから最後にもう1曲。

オスカー・マクルーリーと彼のハニー・ジャムパーズで「ディグ・ザット・クレイズイ・サンタ・クロウス」。

 

M09.Dig That Crazy Santa Claus(2’34”) Oscar McLollie & His Honey Jumpers

-L.Rene, A.Johnson, R.Rene-  Ace CDCHM 1128

 

N  「ディグ・ザット・クレイズイ・サンタ・クロウス」、オスカー・マクルーリーと彼のハニー・ジャムパーズ

でした。このアルバムには、あといい感じのハダ・ブルクスの「ホワイト・クリスマス」があ

るけど、今年の末まで12ヶ月間お待ち下さい。2016年初頭の年越しクリスマス・

ソング集でした。

こういうのを電波で堂々とやりたいね。みんな驚くだろうな。「今日はまだ

12月だっけ」なんて大騒ぎになってね。町に人々が繰り出して、クリスマスやり直

したりして、苺のショートケーキがやたら売れて、そう言えば何年か前に1ヶ月遅れ

で渋谷から北品川までサンタ・クロウスが移動したという未確認情報もありまし・・・

あ、それはないですね。

さてそのクリスマスが終って、お正月を迎えた矢先に飛び込んで来たのが、この

人の訃報でした。

 

M10.Since I Fell For You(4’18”)Natalie Cole & Reba McEntire

-B.Johnson-  MCA  MCAD-10965

 

N  ステファニー・ナタリ—・マリア・コール、2015年12月31日に他界。人は、必ず居なくな

る、この分りきった現実を踏まえていても、新年早々、悲しい知らせでした。

わたしは一時期、ナタリ—の事が本当に好きでした。そもそも女性歌手に憧れ

る病癖のなかったわたしですから、初めてのヒトかも知れない。

周囲の友人たちが夢中になってた麻丘めぐみとか南沙織などには何の興味

もなく、天地真理なんて全く問題外でした。アリサ・フランクリンだけです、意識して

たのは。でも存在が遠く偉大過ぎるのは大前提ですし、決して恋愛思慕の対

象ではないですね。

そこへ行くとナタリ—は射程距離内という訳ではありませんが、かなり身近で、

普通に好きになれました。4枚目まで揃えて持っていて、よく聞いていました。

コメント欄の「八王子60オーバ−」さま、お久しぶりでございます。感激だなあ。

どうもありがとうございます。あなたもナタリーをお好きでしたか。

今朝はすぐ手許にあった盤からお聞き頂きます。初期の初々しさが漂う歌

は、来週またお送りしましょう。何よりもわたしが聞きたい。今お届けした

のは、名盤『リズム、カントリー・アンド・ブルーズ』の中で、リーバ・マキンタイアと一緒に歌

った「シンス・アイ・フェル・フォー・ユー」でした。声の質、帯域が似通っているので、

当初はナタリ—ひとりで唄っていると思っていましたが、今はちゃんと聴き分け

られます。ナタリ—の方が、微かにハスキーですね。

次も二重唱。相手はナタリーが世に出した男、ピーボ・ブライスンです。年始のテレビ

番組に日本人女声歌手6人と唄う役で出てました。「ピーボより上手いのはピ

ーボだけ」というコピーと共に、誰よりも早く彼を日本で紹介したわたしとして

は、ちょっと情けなかったなあ。開始直後にチャネルを変えちゃいました。

わたしは、ナタリ—とのこのデューオでピ—ボに注目したのです。もちろん「あの

曲」だった事は大きな根拠でした。

メドレ—で、「レッツ・フォーリン・ラーヴ~ユー・センド・ミー」。

 

M11.レッツ・フォーリン・ラヴ~ユー・センド・ミー(4’10”)ナタリー・コ—ルとピーボ・ブライスン

-T.Koehler, H.Arlen, S.Cooke-  東芝 TOCP-7428

 

N  「レッツ・フォーリン・ラヴ~ユー・センド・ミー」、メドレーでお送り致しました。今朝は期

せずして二重唱ばかりですね。と来ればこれをどうぞ。

ナタリ—・コール、ナット・キング・コールとの「幻」デュエットです。

「アンフォゲタボー」。楽しいクリスマスを過ごせた、まゆりん・モンローにもお届けしま

しょう。

 

M12.アンフォゲッタブル(3’29”)ナタリー・コ—ル

-I.Gordson-  ワーナー  WMC5-400

 

N  ナタリ—・コール、ナット・キング・コールで「アンフォゲタボー」でした。

彼女の訃報が伝えられたので、今年のお正月はちょっと曇りがちだったか

な。

そこでこの歌です。「ハピー・ブル—・イヤー」、ラ—ラ・プライス。

 

M13.Happy Blue Year(5’54”)Lara Price

-unknown-  BSMF 2489

 

N  これも聴かせてくれますね、ラ—ラ・プライス「ハピー・ブル—・イヤー」でした。こ

の最新盤『お仕事よ(I Mean Business)』は、歌い手と演奏陣の呼吸がとても

合っていて、気持ちよく聞けます。以前紹介した時に、わたしはこんな事を

言ってました。「mb151219」より引用します。

 

バックの演奏も1970年代のカラオケ、といってもいいような響きですが、2ヶ月

ほど前にお届けしたリオン・ブリッヂーズのような、真意を計りかねる造りでもあ

りません。出来る限りの今の音として聞こえて来ます。全盛期のメムフィス・ハイ・

サウンドにテムプテイションズを従えているようでもありますが、こういう表現は既に

ひとつの形として、若い世代に受け継がれている証明ですね。

成る程、と我ながら合点が行く解説です。実際このようなメムフィス・スタイルの

R&B演奏様式はもう立派に市民権を得ていますね。ブッカ—・Tたちからホヂズ

兄弟に引き継がれて世界基準になった訳です。偉大だなあ。などと感心して

いたら、そのホヂズ兄弟の92年の演奏に出合いました。

聴いて下さい。オーティス・クレイです。「ゴナ・テイク・マイ・ハーツ・アドヴァイス」。

 

M14.ゴナ・テイク・マイ・ハーツ・アドヴァイス(4’54”)オーティス・クレイ

-T.Tate-     アメリカーナ  28C-8108

 

N  オーティス・クレイ、「ゴナ・テイク・マイ・ハーツ・アドヴァイス」でした。

これね、もちろん中古盤で見つけたんですが、当初は聞いていただけで、

「おう、若い世代の世界基準メムフィス流儀だ」なんて納得していたんですよ。そ

して解説を読んだら、ドラムスがハワード・グライムス、ベイスはリロイ・ホヂズ、鍵盤がチャー

ルズ・ホヂズのハイ・リズム、それにメムフィス・ホーンズだって。当たり前ですね。皆メムフ

ィスのあの頃の当事者たちです。失礼しました。

92年は、わたしにはそれほど遠くないのですが、24年前。この前の前のサ

ル年です。それ以降ハイ・リズムは録音してたかなあ・・・。ちょっと分りません。

知らずに聞いていた時はとても若い音に聞こえましたが、本人たちとはなあ。

次のはよりハイ・リズム的です。特にハワードがね。そして、ほとんどアルバート・キン

グのようなリード・ギターも印象的です。こちらは、リトル・ジミー・キングですって。

「ラヴ・ボーン」

M15. ラヴ・ボーン(4’32”)オーティス・クレイ

-M.Hodges, T.Thom-   アメリカーナ  28C-8108

 

M16.I Want A Little Sudar In My Bowl(2’56”)Ina Forsman

-N.Simon-  BSMF 2490

 

N  オーティス・クレイの「ラヴ・ボーン」に続いたのは、「幻」2度目の登場、フィンランド産

20歳の天才、イーナ・フォーズマンの「アイ・ヲント・ア・リトゥル・シュガー・イン・マイ・ボウル」、

ニ—ナ・シモンの楽曲です。この娘は逸材だね、絶対。若干エイミー・ワインハウス的でもあ

りますが突き放すような歌声の随所に誘いを感じさせる。まだ貫禄とは言え

ないけれど、充分貫禄的な雰囲気を漂わせています。生で聴きたいですね。

2016年のラフ・ブルーズ・キャラヴァンの参加が決まってるというから、どこかで観

る機会を作れないかな。あ、顔は恐いです。

ではこちらもメムフィス流儀の演奏でどうぞ。

「連れ込み宿に空きはない」

 

M17.No Rooms For Love(3’50”)Ina Forsman

-unknown-  BSMF 2490

 

M18.Fifteen Round With Jose Cuervo(3’21”) T.G.Sheppard With Delbert NcClinton

-Kostas, D.Knutson, T.Curry-  Goldenlane CLO 0077

 

M19.Rum Is The Reason(3’17”)Toby Keith

-T.Keith, S.Emerick-  Show Dog LLC 0850692006190

 

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  イーナ・フォ−ズマンで「ノー・ルーム・フォー・ラヴ」、良かったでしょう。若干難解な部

分も感じられますが、とにかく歌の魅力は凄いですよ。今月末にはレコ—ド店に

並ぶでしょう。それまでにもう少し紹介しとこうかな。

続いたのは呑んでばかりいてダメな南部男3人。既にご案内済みのT.G.シェパ

ードとデルバート・マクリントンの「ホセ・クエルヴォ杯テキ—ラ15回戦」、そして昨年最後に

間に合ったトビー・キースの最新盤から、「その訳はラム酒に訊け」でした。こちら

には西部開拓男デイヴィ・クロケット、英雄ドン・キホーテの片腕パンチョ、そして粛清の鬼

スターリン、狂気の独裁者ヒトラーまでが出て来て、それぞれ自分の好みの酒を一杯や

ってます。トビ—のはお酒にまつわる歌が多いですね。カントリ—は皆同じか。

今年になって初めての資源ゴミ回収の朝、酒瓶が沢山出てました。結構、結

構。大いにやってください。

わたしは12月25日の暖かさで油断して風邪を引きかけまして、鼻咽喉系

を痛めての年越しでした。今はなんとか復活して来ています。いくら暖冬で

も、このまま終る訳はないでしょう。大寒はこれからです。皆さまもお気を

つけ下さい。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所にあります。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/0b1745913b8e70023d8bee5f4c4dd584a5913f96

ダウンロードパスワードは ti2h4e9c です。

前回は揚げるのにかなり苦労しました。皆さま正常に落とせましたか。

さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/ 「幻」モーニン・ブルーズ、まだまだ続きますですよ。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

s-IMGP1429

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/01/02

mb160102

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。

新年明けましておめでとうございます。

モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲ、輪投師藍蔵王です。ワツシイサヲとも名乗ります

何人かの方は、更新がないと思ってたでしょう。無休無給のmbですよ。

首都圏で9人、その他全国津々浦々で、密かながら情熱的8万人のチョーシュシャを

もつモーニン・ブルーズです。ご支援にお応えして新年早々からお送りいたします。

まずは季節柄、こんな1曲はいかがですか。

「サムタイムズ・イン・ウインタ」、ブラッド、スェット・アンド・ティアーズ。

 

M01.Sometimes In Winter(3’09”)Blood Sweat And Tears   ‘69

-S.Katz-  Columbia CK 9720

 

N  「サムタイムズ・イン・ウインタ」、ブラッド、スェット・アンド・ティアーズでした。彼らの傑作、

1969年発表のアルバム『ブラッド、スェット・アンド・ティアーズ』からお送りしました。

かなり寒い感じがします。管の高音が効果的ですね。

今日は1月2日、如何でしたか皆さん、昨日の元旦、2016年の幕開けは。

良い一年になりそうですか。

さてゆうべの晩、元旦の夜は特別です。おそらくこの国では、一年で最も

静かな夜ではないでしょうか。おめでたい日ですから日中は初詣やお年始に

出かけて、そこでは晴れ着にも出逢いますから、華やか、賑やかな印象があ

りますが、陽が落ちると急に静まり返ってしまいます。暖冬といっても寒い

時期です。余計に静寂の度合いは高く感じられます。太郎も次郎も眠らせて

しまう雪が降らなくても、元旦の夜の静かさは特別です。皆さんの周りは、

どうでしょう。

ではそんな夜を暖めてくれる歌声をどうぞ。

ジェイムズ・テイラーです。「寂しい夜」。

 

M02.Do’t Let Me Be Lomly Tonight(2’39”)James Taylor   ‘72

-J.Taylor-  Waner Bros. 3113-2

 

N  ジェイムズ・テイラーで「寂しい夜」でした。非常にC調でナンパな歌ですが、この

声で囁かれると堪りませんね。72年、秋のヒット曲です。オ—ルナイトニッポンのカメちゃ

んの晩に聞いたな。その時も寒かった記憶があります。確かカセットに録音した

筈です。カメちゃんのカッコいい曲紹介がイントロにのっかっていたので、後年レコ—ド

で聞いた時に何か物足りない感じが付きまとって仕方なかったですね。

さて、1ヶ月ほど前、昨年12月5日のコメント欄にいつもの方からの有り難い

ご投稿を頂きまして、フランク永井「霧子のタンゴ」→「Chirico」→ライ・クーダー『チ

キン・スキン・ミュージック』という素晴らしい連想を教えて貰いました。

わたしも、「なるほど」という共感を覚えましたが、「やっぱりあの画は暑

い」というのが偽らざる印象です。キリコに関してですと、わたしには彼の描く

風景、というか屋外の画は、みな真夏の最も暑い盛りのように見えるのです。

はっきりした影が出ているからでしょうか、これ迄はずっとそんな想いを浮

かべながら眺めて来ました。

キリコの画を見て、もうひとつわたしが感じるのは、すべての物が止まってい

るという事です。煙がたなびいていたり、止まれば倒れてしまう輪ころがし

をする少女がいたりと、動きのあるモチ—フが置かれていますが、それらは皆、

ピタリと貼り付いたように止まっているのです。写真のように連続性のある時

間の流れを切り取ったというよりも、SF映画などで出て来る、ある瞬間を凍

結された世界なんですね。もちろん空気の振動がないから、音は何も聞こえ

て来ない。「イエロ・サブマリン」にもありましたね、こんな場面。

かつて実際に、こういう場を体験した事があります。それこそ真夏の暑い

日、お盆だったかな、ちょっと高い所から振り返って見渡した世界が、正に

キリコでした。全てが止まっていました。一瞬わたしもその中のオブジェのひとつ

になった気がしました。数秒間は動けなかったですね。

マティスの安定した静止感とも違う、確かにキリコの描写は「不気味」です。

さて、絵画の話題に関連して、1枚のアルバムを紹介しましょう。

ノルウェイのカリ・ブレーンズ、この発音でいいのかな、今朝は「カリ・ブレーンズ」で行

きます。コーセー係が厳しいからね。さて今朝の1枚のアルバムは、この女性音楽家

の『エドワルド・ムンクに寄せる考察(Tekster Av Edward Munch / Kari Bremnes)』

です。

制作は1992年。わたしが手に入れたのも前世紀です。なぜこの縁のない、

言語も全く分らないアルバムを購入したのか、それはジャケットがノルウェイの画家、エド

ワルド・ムンクの絵画作品「マドンナ」だったからです。アルバムにはカリ・ブレーンズがムンク

の作品15点を採り上げ、そこからのインスピレイションで作り上げた楽曲が収録され

ていました。

北欧の巨匠エドワルド・ムンクには、わたし自身も十代の前半に出逢い、大きな

影響を受けています。アルバム・ジャケットに惹かれて購入したのは当然の成り行き

です。

余談ですが、わたしの家の玄関に飾る画はワーナー・ブラザ-ズ・アニメイションのキャラク

ターが出ている「叫び」のパロディ画が秋冬用なんです。今それが掛かってます。

ムンクと言えばこの「叫び」で知られていますね。10年程前でしょうか、画の

中央で両ほほに手を当てて叫んでいる子供の骸骨のような人物がポップなキャラ

クター的な扱われ方をされていました。その後では美術館から本物が盗まれる騒

動もありましたね。

まず最も有名な、その「叫び」をモチーフにした一曲からお聞き頂きましょう。

 

M03.Skrik(6’09”)Kari Bremnes          ‘92

-unknown-  Kirkelig Kulturverksted FXCD 123

 

N  『エドワルド・ムンクに寄せる考察』から「叫び」でした。あの画の感じが浮かび

上がって来ましたかな。わたしには、よく流れが考えられて作られているな、

という印象が強く迫りました。かなり練られた劇的な構成、終り方です。最

後のエレキのカデンツアが壮絶です。メタル好きのオ−サムさんにも聞かせたいですね。

このカリ・ブレーンズという音楽家はもう既に長いキャリアを持って、今も現役で活

動中です。おそらく彼の地では相当なお方ではないでしょうか。沢山の作品

があるようですが、他のものをわたしは聞いた事はありません。第一声を聞

いた時は、ジョーニ・ミッチェルを連想しました。

この種の音楽表現は、女性じゃなきゃ無理、そんな思いも強くして来ます。

男が芸術的、学術的題材を手掛けると、どうしても権威的に、難解なものに

なり易く、その実例は古今東西に実例が溢れています。その点女性は自然体

で主題に寄り添う事が出来る特質を、生まれながらに持っているように見え

るのですよ。

16頁綴りのブックレットには、各曲ごとに主題となった画が掲げられていますの

で、ノルウェイ語が分らなくても、ああ、あれか、と確かめながら聴いて行く事が

出来ます。

次もわたしの好きな画のひとつです。

「森へ」。

 

M04Scene I Skogen(2’40”) Kari Bremnes   ‘92

-unknown-  Kirkelig Kulturverksted FXCD 123

 

N  カリ・ブレーンズで「森へ」でした。これはちょっとわたしの印象と違うなあ。

冒頭部分は違和感なかったけれど、徐々に恐さが忍び寄って来ますね。画か

らは、貴重な北国の夏の日のもう少し明るく爽やかなイメヂがありましたけれ

ど、実際には短い夏はこんな風に暮れて行くのでしょうか。恐ろしい結末を

迎える地域伝承民話を連想します。

ではカリ・ブレーンズが1992年に発表したアルバム『エドワルド・ムンクに寄せる考察』

から、もう一曲お聞き下さい。

次もよく知られた一枚です。ベッドで上半身を起こした少女の傍らで、母親

と憶しき女性が絶望にうなだれている。一瞬で状況が分りますね。

「病める子」。

 

M05.Syk Pike(4’50”)Kari Bremnes

-unknown-  Kirkelig Kulturverksted FXCD 123

 

N  ここまで3曲、ノルウェイのカリ・ブレーンズ1992年のアルバム『エドワルド・ムンクに寄せ

る考察』からお送りしました。馴染みのない歌い手、楽曲、言語にお付き合

い下さって、ありがとうございます。

エドワルド・ムンクはわたしにとって圧倒的な存在です。ご多分に漏れず「叫び」

に強く惹かれまして、ちょうど初めて日本に彼の作品がやって来た時に鑑賞

に行きました。十代の生意気盛りですから、実存意識と妄想を刺激するこの

画を、勝手な屈折した観念で捉えていたのでしょう。ただ実際に生で向き合

う作品群から受けたものは、燃え滾るような生命力のそのものでした。ハスに

構えて挫折的見栄を斬るようなカッコではなかったのです。オスロ大学講堂に飾ら

れている壁画「太陽」の前でわたしは動けなかった。シャワ—を浴びているよう

にわたしの身体に注がれる「命」に、向かい合って見ていられなかったので

す。青木繁の「海の幸」を連想した「水浴する男たち」にも魂を抜かれた思

いがしました。

お陰で帰り道はへとへとでした。表現行為にはまず力強さがなくては成立

しない、そんな教えを授かったような気がします。これは現在までのわたし

の重大な芸術の価値基準にもなっています。

さて、「霧子のタンゴ」から繋がったカリ・ブレーンズ1992年のアルバム『エドワルド・

ムンクに寄せる考察』から3曲いかがでしたでしょうか。絵それぞれの画の題名

は1970年10月発行の「エドワルド・ムンク展」の公式解説書掲載名から採りまし

た。

1970年10月かあ。エルモ・ジェイムズと衝撃的な出逢いをしたすぐ後だなあ・・・。

他にもムンクの画、版画をジャケットにつかった録音作品はあります。無名白人ブ

ルーズ・バンドにもなんかあったな。皆さんもご存知でしたら、教えて下さい。

さて、2016年元旦の夜は明けて、もう2日のアサーです。大昔は2日の朝は

「初荷」という流通業者の仕事始めがありましたが、今は366日稼働ですか

ら、初荷札はまだ見かけるのもサワホ稀です。どこでもまだ静けさは続いている

でしょうね。

そこで、その静寂を邪魔しないように、ここからはモーニン・ブルーズ初の試み

として、静かなひと時をお送りいたします。年に一度の貴重な時間をお過ご

し下さい。「黙示的正月のアサー」。

 

M06.900miles(3’23”)Bethany & Rufus    06

-trd. arr.by Bethany & Rufus-    Hyena HYN 9353

 

M07.When Will I See You Again(2’48”)Ornette Coleman & Prime Time

-O.Coleman-  Verve 314 527 483-2         95   題名

 

M08.Tacuma Song(4’11”)Jamaaladeen Tacuma      84

-O.Coleman-  キャニオン  D35Y0006

 

N09.She Moved Though The Brizarre(4’10”)David Graham   79

-trd.-   BSMF- 4014

 

M10.風の告白(4’27”)リリアナ・エレーロ       02

-J.Falu, R.Yacouzzi-  オーマガトキOMCX 11239

 

M11.Silence, On Reve(1’45”)Tatouages

– Tatouages, Y.Bodson, I.Toure, R.Galdino-  Milan 30715-2

 

M12.I Para Ango Yawa(3’44”)Ayub Ogada        15

-A.Ogada, I.Gem, T.Warren-  Long Tale RecordingsLTR1501

 

M13.Ka Moun Ke(6’27”)Roka Traore     13

-R.Traore-   Nonsuch 755979591-8

 

M14.Taiko Dub(3’01”)Jah Wobble & Nippon Dub Ensemble    10  30Hertz

-J.Wobble-   30Hertz  d31

 

M15.Binoculars(3’02”)Denis Bovell

-unknown-  LKJ  CD 020    00

 

M16.Forth Corner(4’38”)Trixie Whitley   13

-T.Whitney- Strong Blood  nonumber

 

M17.Gris(5’45”)Ana Karina Rossi          14

-C.Buschini-  Abeat Skyline  AB JZ 542

 

M18.Au Lait(8’28”)Pat Metheny            82

-P.Metheny-  ECM 1216  422 817 138-2

 

M19.Dark Was The Night, Cold Was The Ground(3’28”)Corey Harris   03

-pd.-   Rounder 11661 3198-2

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  寒くて静かな「黙示的正月のアサー」、お届けしました楽曲は、以下の通りです。

「900マイル」ベサニー・アンド・ルーファス

ベサニー・ヤーロウがヴォ—カル、ルーファス・カッパドゥーシアが5弦のセロを弾いています。

ベイスじゃなくてセロというのが肝。ジャズでは、たしかサラ・ヴォーンがベイスとのデュ

ーオを試みてていましたが、女声にはセロの方が合うかも知れません。実にオツな

アンサムブルですね。

続いてオーネット・コールマン・アンド・プライム・タイムの「ウエン・ウィル・アイ・シー・ユー・アゲイン」、

アル・マクダウェルのベイス・ソロの後に大勢が絡んで来るところがいかにもオーネット的で

魅力です。

次はそのオーネットが書いた「タクーマズ・ソング」、ジャマラディーン・タクーマのベイス・ソロで

した。初めて来日した時には、この曲だけ彼のトレイド・マークでもあったスタイン・

バーガーの無振動ベースではなくてミュージック・マンの標準型に持ち替えて演奏したの

を覚えています。

そしてイギリスの民族弦楽器演奏家デイヴィド・グレアムの

「シー・ムーヴズ・スルー・ザ・ブリザール」。祭文とガーファンコーの「スカボロ・フェア」の美

しいイントロは、本来彼の創作でした。

複雑な声フレイズの重ねで構成された「風の告白」は、リリアナ・エレーロ。アルゼンチン

のヴォーカリストです。2003年に国内発売されていた同名アルバムからです。

同じような対のヴォイス・アンサムブルとルムバ・ロックのギターの絡みが美しいタトゥージーズ、

「サイレンス・オヴ・ニーヴ」。キンサシャ育ちの歌い手。アフリカの今の音楽を面白く仕上

げた『アフリカ・リミクス』の冒頭トラックです。

次はアユーブ・オガダ2015年の作品『コーディ』から「イ・パラ・アンゴ・ヤワ」。同封

の英訳によれば、「何を考えているんだい」、という意味の題名です。

そしてグレッチを弾く女、ロカ・トローレで「カ・モーン・ケ」これも英訳によれば「私

に出来る事は何だろう」というタイトルです。

続いてジャー・ヲブルのアルバム『ジャパニーズ・ダブ 間』から、「タイコ・ダブ。

そしてデニス・ボーヴェル、「ビノクラーズ」。

実に久し振りのトリクシー・ウィトニーで、「フォース・コーナー」。新作もお父さんの話題も

あるようですが、ゴメン、わたし全然追いかけてないのです、類似穴さま。

そして秋に日本公演を行ったガイヤ・クアトロのベイス奏者カルロス・ブッキーニと女声歌

手アナ・カリナ・ロッシのアルバム『シン・フロンテラス』から「グリス」。

わたしが音楽から感じる最低気温記録保持楽曲「愛のカフェ・オーレ」は、パット・

メスィーニ1982年の作品です。

そして最後は、ブラインド・ウイリー・ジョンスンのオリジナルで、ボイジャ−・ロケットに積み

込まれて宇宙に送られた「ダーク・ヲズ・ザ・ナイト、コールド・ヲズ・ザ・グラウンド」

を、コーリー・ハリスの演奏でお聞き頂きました。

「黙示的正月のアサー」、たまにはこんなDJイングも如何でしょう。静かな

夜に相応しかったですか。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/40929c8e228c951623886c0efcd97007bc7b2933

ダウンロードパスワード ynv43ifh

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、今年も続きます。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

s-IMGP1424

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/12/26

mb151226

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王ですよ。

今朝は今年最後の放送です。特に意識していないつもりでも、なんか普段と

違う気分。2015年が去って行くのですね。

クリスマスが過ぎて大晦日までというのは、師走の緊張感が妙に中だるみする5

日間です。わたしはこれまでに西洋文化圏で年を越した事が2回だけありま

して、クリスマス後が変なんですね。すぐにやって来るお正月が、西洋では別にビ

ッグ・イヴェントではないので、飾り付けなんかもそのまま残ります。なんかだら

しがないですね。その2ヶ所が暖かい所、ホノルルとキングストンだったので、余計そ

う感じました。その昔、1月の半ばに横田基地にシャイ・ライツを観に行った時もま

だクリスマスの飾りが残ってたな。どういう感覚なのでしょうか。

さて、もう終ってしまったクリスマスですけれど、先週の放送後にレコ—ド屋で見

つけたクリスマス・アルバムがありまして、せっかくなんで、ちょっと聞いて下さい。

 

M01.Christmas And New Year’s Blues(3’32”)Tampa Red

-unknown-    オ—ルディ—ズ・レコード ODR 6177

 

N  タムパ・レッドの「クリスマス、アンド・ヌウ・イヤーズ・ブルーズ」でした。1934年の録音

です。このように降誕祭と新年を一緒に歌い祝う感覚は、西洋ではそれほど

特別ではないようで、「We Wish You A Merry Christmas And Happy New

Year」という歌もありますね。わたしたちにはこの季節感覚は馴染み難い。

クリスマス・プレゼントとお年玉は別でしょ、皆さん。ちょうどこの頃に誕生日があ

る知人は、全部一緒にされていた、とボヤいていましたがね。

今のタムパ・レッドは、ヴィヴィド・サウンドを共同経営していた長野和夫が独立し

て始めたレイベルからの発売です。今年は3枚のクリスマス・アルバムが出ていました。

『ロッキン・ゼム』、『スウィンギン・ゼム』、そしてこの「クリスマス、アンド・ヌウ・イヤーズ・ブル

ーズ」の入っている『ブルージン・ゼム』の3種類です。おそらく原盤は和夫本人

の収集した私物でしょう。彼は相当なコレクタ—ですからね。解説も彼が書いてい

ます。わたしが長野和夫の文章に接するのは、長い付き合いの中で初めてだ

なあ。

タムパ・レッドの「クリスマス、アンド・ヌウ・イヤーズ・ブルーズ」、「ヌウ・イヤー」が入ってい

るところで、25日過ぎのご紹介をご勘弁下さい。

次も先週末に出会った1枚。こちらは既に昨年、2014年に発売されていた

物でした。ブラインド・ボーイズ・オヴ・アラバマにタージ・マハルが参加して仕上げた『ト

ーキン・クリスマス』です。タイトル・ナムバーをどうぞ。

 

M02.Talkin’ Christmas(3’37”)Blind Boys Of Alabama & Taj Mahal

-Blind Boys Of Alabama, C.Goldsmith-  Masterworks 88875 00347 2

 

N  ブラインド・ボーイズ・オヴ・アラバマ・アンド・タージ・マハルで「トーキン・クリスマス」。このア

ルバムは「聖しこの夜」も入っていますが、やはり敬虔な宗教歌合唱団である

ブラインド・ボーイズ・オヴ・アラバマですね。町場の浮ついた気分とは無縁のクリスマス・

アルバムです。聖夜を宴会場や飲食店で過ごしているのではなく、教会の中に居

る感じ。今の「トーキン・クリスマス」、非常にジィムズ・ブラウン的に聞こえた人もいる

でしょうが、違います。J.B.が教会的なのです。

タ—ジは、さすがにブラインド・ボーイズを従えて歌うといった暴挙には出ず、も

っぱらギタ—を弾いています。ヴォーカルを立てたミックスも良好。よく出来たアルバムで

す。ブラインド・ボーイズ・オヴ・アラバマの実力かな。

ブラインド・ボーイズ・オヴ・アラバマ関連では、長く活動を共にしたギタリストのサム・

バトラーのソロ作も届きました。主にロックのヒット曲をブラック・ゴスペルに料理していま

す。お聞き下さい。

ブラインド・フェイスで発表されました。「プレゼンス・オヴ・ザ・ロード」。

 

M03.Presence Of The Lord(4’40”)Sam Butler

-E.Clapton-  BSMF  2485

 

N  サム・バトラー初のソロ・アルバムから、「プレゼンス・オヴ・ザ・ロード」でした。オリジナル

も突然激しいギター・ソロになっていますが、こちらもその部分でル—ズヴェルト・コリ

アのペダル・スティールが登場していました。南部ゴスペルのセイクリッド・スティールはいつも

予想を超えた表現で襲いかかって来ます。

サム・バトラー、もう一曲聞きましょう。

原曲はトム・ウェイツ、「ゴスペル・トレイン」です。

 

M04.Gospel Train(2’56”)Sam Butler

-T.Waits-  BSMF  2485

 

N  サム・バトラーで「ゴスペル・トレイン」でした。このアルバム『レイズ・ヨ・ハンズ』は、今

月の25日に発売になっています。もう店頭に並んでいる筈ですが、なかなか

これを取り寄せていた店は少ないでしょう。いや、レコ—ド店自体がもうない。

さて2015年、今年も何人かの大切な人たちが亡くなりました。そんなひと

り、先々週の訃報を聞いてお届けしようと思っていたのですが、毎回ぶっつ

け本番でやってまして時間がなくなってしまいましたので、今朝あらためて

お送りします。

この歌の作詞者です。

 

M05.オープニング(ハトヤのテーマ)(4’41”)赤塚不二夫と全日本満足問題研究会

-A.Nosaka, T Izumi-  Disk Union FJ-015

 

N  「ハトヤのテ—マ」赤塚不二夫と全日本満足問題研究会でした。

作詞の野坂昭如が、2015年12月9日に85歳で亡くなりました。戦後の

マス・メディアをクロス・オーヴァしたマルチ・タレントで、自身の音楽活動も話題に富んで賑

やかでしたが、作詞家としても活躍。「おもちゃのチャチャチャ」ではレコード大賞作

詞賞を獲っています。戦争体験から目を離さない人間でもありました。

今の「ハトヤのテ—マ」は絶頂期の赤塚不二夫とその周辺の粋狂人たちが勝手に

企画した、伊東の旅館ハトヤでの架空馬鹿騒ぎの疑似実況録音LPに収められて

いる1トラック。野坂昭如の作詞によるこのコマーシャル・ソングが何度も出て来ます。

全体を通した内容は実に下らない構成、演出、進行、展開の傑作です。かの

名盤『タモリ』、『タモリ2』、『タモリ3』と並べても遜色のない出来映えですが、こち

らは赤塚不二夫と一緒に馬鹿をやっている人たちが多いため、収拾の着かな

い混乱状態が魅力でしょう。ほんとうに、嫌になる位の馬鹿バカしさです。

それはともかくとして、野坂昭如、ご冥福をお祈り致します。ご本人も若

い頃はこのような無意味、無目的な粋狂活動を集団で熱心にやっておられた

ようです。

 

M06.It’s My Own Falt(7’19”)Johnny Winter

-King, Taub-  Repertoire  REP 4866

 

N  ジョニ—・ウインタ—、コロムビアと100万ドルで契約する前のテキサス時代の録音で「私の

誤り」を聞いていただきました。彼は昨年の7月16日に亡くなっていますね。

それをわたしは、何故か今年の出来事のように記憶していまして、某誌に

寄せた今年の印象的作品に入れてました。音楽雑誌ではなかったので、編集

部員も全く気づいてくれませんでした。お恥ずかしい限りです。2月号でさ

っそく謝罪訂正です。次号が出るまであと一ヶ月ほどありまして、それまで

は地下深く潜行していなければなりません。ジョニ—、ごめん。でも一緒に1年

長く生きられたんだよ。

さて、話題を変えましょう。先週の横流しクリスマス・プレゼント、如何でしたか。

わたしの周囲では評判上々。ただ、どういう背景か全く分らないので、謎も

多いですね。ギターが非常に高価である事、グリース・アップなどのディーテイルに不自

然さがない事、といって「ブルーズ大好き」という感じがしない事、などなど。

まだひとつも解明されていません。わたしは明け方の寝床で耳にして非常

に興味が昂り、すぐに画面を追っかけました。画と音の落差に、一瞬、夢を

見ているんじゃないかと思いましたね。どなたか周辺事情をご存知ではあり

ませんか・・・。

ではそのお手本を聞きましょう。

フリートウッド・マックで「ニード・ヨ・ラヴ・ソー・バド」ピーター・グリーンのギターです。

 

M07.Need Your Love So Bad(3’56”)Fleetwood Mac

-John,John Jr-  Columbia 88697625922

 

N  フリートウッド・マックで「ニード・ヨ・ラヴ・ソー・バド」でした。件の動画がこの演奏

をお手本にしているのは誰でも分りますが、今のヴァ—ジョンではない事もお分

かりでしょう。マックの「ソー・バド」には、このテイクで弦の入っていない6分位

の長さのがある筈です。この辺りを同時期に同一国の同一都市で過ごした人

間に何回も聞いています。何度尋ねても初めて話すみたいに嬉しそうに教え

てくれるのですが、何故かその度に忘れてしまい、今も思い出せません。い

くらなんでも、もう聞けないなあ。正規盤であるのでしたかね。無性に聴き

たくて、家の中はもちろん、中古盤屋も何軒か回ったのですが、今マックと言う

とベストセラーを出していた男女混合ポップ・グループの事でして、出逢えておりま

せん。どなたかお助けを。あの熟女ブルーズ・ギタリストに問い合わせてみようか

な。

さて、その「ソー・バド」、オリジナルはもちろんリトル・ウイリー・ジョンです。そちら

も聞いて下さい。

 

M08.Need Your Love So Bad(2’18”)Little Willie John

-John,John Jr-  Real Gone RGM 0046

 

N  「ニード・ヨ・ラヴ・ソー・バド」、リトル・ウイリー・ジョンでした。いいね、本当に。今

わたしはリアル・ゴーン・ミュージックというところからの編集もの、『コムプリート・ヒット・

シングルズA’s &B’s』というので聞いています。今年の春にちょっと夢中になっ

て何回もお届けしたマイク・ブルームフィールドのライヴで歌われていた「レット・ゼム・トーク」

もここで聞けます。まだ十代の頃、彼の「アイム・シェイキン」のシングルがなぜか手許

にありました。これが笑える出来で、当時レンジャーズの「赤く赤くハートが」と並

ぶ、仲間内の最強ノヴェルティ・ソングでした。このCDで見るとその歌はR&Bチャ

ートで11位を獲得した「コテイヂ・フォ−・セイル」のB面だったのですね。チャック・ベ

リーが映画「ヘイル・ヘイル・ロックンロール」の中で、そっと呟くように歌うアレです。この

頃はB面の衝撃度が大きくて、A面の事など、全く気にしていませんでした。

リトル・ウイリー・ジョンという男は声の緊張度が高く、ひと言で全体をキュッと引き

締めてくれます。どの曲にも切羽詰まった説得力が溢れています。あの頃は

それが分んなかったんだなあ。

では2015年12月26日に聞くリトル・ウイリー・ジョン、

「ト—ク・トゥ・ミー、ト—ク・トゥ・ミー」。

 

M09.Talk To Me, Talk To Me(2’43”)Little Willie John

-Seneca-   Real Gone RGM 0046

 

M10.Talk To Me(3’26”)Doug Sahm

-Seneca-  キャニオン PCCY-00093

 

N  リトル・ウイリー・ジョンの「ト—ク・トゥ・ミー、ト—ク・トゥ・ミー」に続いてはダグ・サームの

こちらは繰り返しなしですね「ト—ク・トゥ・ミー」でした。かなり崩し気味で歌っ

ていたリトル・ウイリー・ジョンの持ち歌を、ここまでに仕上げるダグ・サームも偉い。

歌自体がしっかりテキサス風になってます。

さて、テキサスと言えばカントリ—のヴェテラン、トビー・キーズが新しいアルバムを出しまし

た。前のが2013年の発表、確かウツツ・モーニン・ブルーズで聞いて貰った筈です。

先週、先々週のT.G.シェパードと同じく、この人もお酒に縁が深いようです。

まずは「エヴリタイム・アイ・ドリンク・アイ・フォール・イン・ラヴ」をどうぞ。

 

M11.Every Time I Drink I Fall In Love(3’40”)Toby Keith

-T.Keith, R.Rutherford-  Show Dog LLC 0850692006190

 

N  トビー・キーズの新しいアルバムから「呑むと必ず恋するんだ」でした。これは大

変です。年に365回、うるうだったら366回も恋をする事になる。わたしな

らそんなには無理だな。歌の中で最後には「俺は間男だ、赤い首(レッドネック)

のカサノヴァだ」とはしゃぎ回っています。タチの悪い酔っ払いだ。

確か前のアルバムで聞いて貰ったのは「ドリンクス・アフタ・ワーク」。こちらは辛い一

週間は仕事の後で呑んでくつろごう、という誰からも共感を得られそうな健

全な歌でしたが、あれ以来ずっと呑み続けているのでしょうか。

何しろアルバム・タイトルも『ドランク・アメリカン』ですからして。

 

  東の人間でも、西の人間でもない

  左でも右でもない

  黒人でも白人でもない

  民主党支持でも共和党支持でもない

  みんな同じさ

  ここに今夜一緒に居て楽しいだけの

  酔っ払ったアメリカ人なんだ

  ネオンの灯りの下で俺たちは星条旗になる

  酔っ払ったアメリカ人なんだ

 

という詞(ことば)が歌われています。ウーム、そのまま信じていいのかな。

ご自身で聞いてみて下さい。

 

M12.Drunk American(3’21”)Toby Keith

-B.Clark, B.Dipiero-  Show Dog LLC 0850692006190

 

N  トビー・キーズ、最新アルバムの表題曲「ドランク・アメリカン」でした。お聞きのように、

非常に力の入った手応え充分の音です。重量感があると言った方がいいかな。

ただ先の「ドランク・アメリカン」の解釈もあります。この後もう少し聞いていきま

しょう。

さて今年、ロス・ロボスが素晴らしいアルバムを出してくれました。わたしはとて

も嬉しかったな。先週ある処で信用している人間が同じ事を言っていて、大

いに自信を持てました。

今年最後のロス・ロボス、「ミズ・ティーチャー・ブーギー・ブルーズ」。

 

M13Mis-Treater Boogie Blues(3’10”)Los Lobos

-C.Rosas-  ビクター VICP-65343

 

N  今年の傑作『ゲイツ・オヴ・ゴールド』からロス・ロボス、「ミズ・ティーチャー・ブーギー・

ブルーズ」でした。カッコいいね、ホント。

わたしの今年の最大の初体験は、ザ・フーの『トミー』を聞いた事ですね。ヒルベ

ンダーズには、多大なる感謝をしなければいけません。発表から46年という長

い時間が経過しています。しかし全く古く感じなかった。負け惜しみに聞こ

えるかな。いや、決してそうではなくて、本当に何の違和感もなく聞けまし

た。その他では、ピート・タウンゼントの英国人、白人さが印象に残りました。ロック

音楽を志す人間が潜在的にでも持たざるを得ない、アメリカや黒人に対する劣等

感がないのですね。だからこそモッズの象徴にもなれたのではないでしょうか。

ではロック・オペラ『トミ—』から「アイサイト・トゥ・ザ・ブラインド」。

 

M14.Eyesight To The Blind(2’16”)The Who

-S.B.Williamson-  MCA  MCAD-10801

 

M15. Eyesight To The Blind(3’01”)Sonny Boy Williamson

-S.B.Williamson-  Acrobat ACRCD210

 

N  ザ・フーの「アイサイト・トゥ・ザ・ブラインド」に続いては、その原曲、サニー・ボイ・ウ

イリアムスンIIの「アイサイト・トゥ・ザ・ブラインド」でした。『トミー』におけるこの楽曲の

クレジット処理に於けるピートの紳士的態度も、次に聞く男に較べると立派でした。

 

M16.Goodnight Irene(5’15”)Keith Richards

-L.Berry-   UICY-16429

 

N   キース・リチャーズの「おやすみアイリーン」、今年の夏に発表した3枚目のソロ・アルバム

からです。総じて謙虚な態度で音楽に向き合っている印象が強かったですね、

この作品は。それが契機となって古いカントリー・ブルーズをたくさん聞き返したの

も、今年のわたしの出来事のひとつです。

もうひとつ、かつて持っていたのに手許からなくなって、ずっと探し続け

ていたアルバム『ホンキー・トンク・ジャムプ・パーティ』を再び手に入れられたのも、本当

に嬉しかった。和田マムボーくん、どうもありがとう。

 

M17.Jump Children(Vooit Vooit)(2’35”)The Flamingos  Vee-Jey

-J.Carter-  CD Charley 22

 

N  その素晴らしいコムピレイション『ホンキー・トンク・ジャムプ・パーティ』から、ザ・フラミンゴ

ーズで「跳ね上がれ、子供たち」でした。これは国内発売されたヴィージェイの編

集盤にも収められていました。この国ではスロウなナムバーだけが取沙汰されてい

るフラミンゴーズ、こんなダンス・ナムバーもあるんですよ。これからもお忘れなく。

さて、忘れちゃいけない今年の1枚、新録を紹介しておきましょう。

来年のあなたの初夢が楽しくありますようにと、ベットも歌ってくれます。

「ミスター・サンドマン」。

 

M18.Mr.Sandman(2’25”)Bette Midler   

-Ballard-  Warner  825646215331

 

M19.Funny How Time Slips Away(3’31”)The Spiners

-W.Nelson- Atlantic 7 82332-2

 

M20.Have You Seen Her(5’27”)The Chi-Lites

-E.Record-  EXP2CD11

 

M21.Hello Goodbye(3’23”)The Beatles

-J.Lennon, P.McCartney-    EMI TOCP-71041/51

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.  151201151730

 

N  「ミスター・サンドマン」、ベット・ミドラーに続いては

ザ・スピナーズで「時の経つのは早いもの」、ウイリー・ネルスンの作品でした。

そして再録ヴァ—ジョンで珍しくうまく行った「ハヴ・ユー・シーン・ハー」シャイ・ライツ。

コ—ダの繰り返しで「もう80年代だ。なのにまだあの娘を探してる」という

行りが今も新鮮ですが、既に2015年が終ろうとする今日です。

そして最後はザ・ビートルズの「ヘロー・グッバイ」、モノーラルでお届けしました。

秋に発売されたブルーレイを、安売りでようやく手に入れましてね。いろいろ

と新発見のある2枚の映像盤でした。これについては年明けに改めてお話し

します。ともあれ2015年に「グッバイ」、2016年に「ヘロー」と挨拶をしておき

ましょう。

さて今年最後の特別付録は、以下の隠し場所です。お楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/b19b381d0fa6a723f1afbdd089f7ce4f863056fd

ダウンロードパスワード w3b3wetd

今年もちょうど終わりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

鷲巣功でした。今年もお世話になりました。一年間をみなさんに支えても

らいました。ありがとうございます。

「幻」モーニン・ブルーズ、来年も聞いて下さいね。

皆さま、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

IMGP1427

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/12/19

mb151219

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲでした。

輪投師藍蔵王でした。

電話口で「もしもし」の後の名乗りを過去形でする地方があるそうで、驚

き。山形県だったかな。NHKの朝ラジオで仕入れたネタです。どなたかご存知です

か。初めての人、慌てるだろうな。

今朝の1曲目は、「夢の加州」、ジュニア・ジャズ、でした。

 

M01.California Dreamin’(3’55”)Junior Jazz

-J.Philips-  ポリスター PSCW -5006

 

N  辺りは一面の紅葉

灰色の空の下

散歩のひと時

寒い冬の日に

「夢のカリフォーニャ」、これは冬の歌なんですね。一般的なイメヂからすると、初

夏の感じがしますが、「イナ・ウインター・デイ」とはっきり歌っています。そのせい

でしょうか、寒くなって来た冬に歩いていると、この歌が自然と口をついて

出る・・・、ちょっとザーキですが。

これを「初めて日本で歌った」と昔から主張する知人が二人います。お互

いは無関係ですが、どちらも「日比谷野音で」と言ってます。果たしてどち

らが正しいのやら。「オーザリーヴザーブラン」を耳にするとこのヨタ話も浮かびます。

さて今のはレゲエにアレンジされたヴァ—ジョンでしたが、「夢のカリフォーニャ」は泣く子

も黙るフォーク・ロックの傑作中の傑作、ママーズ・アンド・パパズの代表曲です。彼ら

の完全シングル曲集が新年22日に発売となると聞きました。多分、今の人は、

彼らの事をほとんど聞いた事がないんじゃないかな。実はわたしもほんの少

ししか知りません。今回この機会に改めて聞いてみました。

有名な「夢のカリフォーニャ」は彼らのデビュ−・ヒットでして、次のこの歌が、1965

年に全米第一位になりました。

「マンデイ、マンデイ」。

 

M02.Monday, Monday(3’11”)Mamas And Papas

-J.Philips-  BMSF  7520

 

N  聞き覚えのある方、いらっしゃいますか。ママーズ・アンド・パパズの「マンデイ、

マンデイ」でした。実に素晴らしい、この時代を代表するようなヴォーカル・ハーモニー

ですね。けれど今でも充分に新鮮です。

ここのリ—ダ—的存在だったのはジョン・フィリップス。彼はこの時期に最も才能を

輝かせた人です。グル—プの殆どの曲を書き、リード・シンガーとして歌い、今で言

うプロデュースもこなしていました、そしてあのモンタレー・ポップ・フェスティヴァルの企画

制作、主催者でもあったのです。フォ—クの感覚から世の中の改革を志したので

しょう。グル—プも男女平等で一時期は共同生活をしていたといいますから、

芽生え始めた若者文化の象徴的存在でした。しかも音楽は商業的に成功して

いる訳ですから、言うことなし。ハ—ドロック攻勢以前、彼は西海岸音楽の旗手で

した。

次は1966年のヒット曲「アイ・ソ—・ハ—・アゲイン」。全米第五位を記録しています。

 

M03.I Saw Her Again(2’53”)Mamas And Papas

– J.Philips, D Doherty –  BMSF  7520

 

N  「アイ・ソ—・ハ—・アゲイン」でした。今の、始まって2分ちょっとのところ、サビ

から主旋律に戻るところで、ジョンは明らかに間違えてますね。1小節待つとこ

ろをそのまま飛び出して「アイ・ソ—・ハ—・・・」と歌い出しています。そこで

「ヤベエ」と気づいて次に歌い直すのですが、このまま盤になってたのでしょ

うか。言ってみれば、ここはアレンヂの肝でね。聞く人たちを一瞬はっとさせる

場所です。ここの為にずっと歌って来ていると言ってもよいでしょう。そこ

をねえ・・・。

同じような間違いは「ルイ・ルイ」にもありますが、あれはパンク・ロックの祖みた

いな音楽だから「NG可」ですが、ヌウ・フォ—クの筆頭、なおかつ洗練された西海

岸のポップ・ミュ—ジックの代表だったママパパはこれで良かったのかな。ちょっと

疑問です。

次の「夜更けの航行」、これも途中で一旦停止状態になり、話し合い、試し

合わせの後、再開して終了となりますが、シングル盤でこれかなあ。68年だから

「SGT.ペパーズ」ショックの後。B面なら有り得たかも、といったところです。

お聴き下さい、「ミドナイト・ヴォイェーヂ」。

 

M04.Mightnight Voyage(3’12”)Mamas And Papas

-unknown-  BMSF  7520

 

N  「ミドナイト・ヴォヤーヂ」でした。本編復帰で急に歌声がゴーヂャスになる辺りには

ちょっと作為も感じられますが、美しく大円団を迎えていました。

ママパパは先ほどのジョン・フィリップスと女性のキャス・エリオットという人が個性を極め

ていました。巨体でね。それを活かした豊かな声量が魅力。最初にソロ活動を

成功させたのも彼女でした。次の歌は後に彼女の代表曲ともなりますが、こ

のシングル・コレクションではママパパ名義になっています。

エラ・フィッツジェラルドでも知られていますね。「ドリーム・ア・リル・ドリーム・オヴ・ミー」。

 

M05.Dream A Little Dream Of Me(3’13”)Cass Eliot

-F.Andre, W.Schwandt and G.Kahn-  BMSF  7520

 

N  いい感じでしょう。1968年の発表。オリジナルは1931年。古い時代の音楽を

若い人間が聴き直すという、後にマリア・マルダーとか、ベット・ミドラ−、初期のポイン

ター・シスターズなどに繋がるこの流れの源は、ここだったのではないか、とも思

えます。ママ・エリオット・キャスの歌でした。

ママパパにはもうひとり、さっきの「夜更けの航行」でリードを取っていたミシェ

ール・フィリップスという女性がいまして、こちらはとても美人。グル—プ結成期から

ジョン・フィリップスと婚姻関係にありました。しかしその頃すでにもう1人の男性

メムバー、デニー・ドーハティとデキていまして、それが原因でグループも活動停止を余

儀なくされます。ミシェールは相手を身近なところで調達する特技を持つ、相当な

発展家だったようで、その頃の音楽仲間だったバーズのジーン・クラークとも関係が

あったそうです。後年A&Mからソロ・アルバムを出しまして、そのジャケットがなん

とも悩ましいレオタード姿。「ああ、みんなこれにやられたんだな」と納得させる

のには充分でしたね。確かそのアルバムには「ジャスト・ワン・ルック」が入っていたな。

おっとママパパに戻りましょう。やはりこれを聞いて貰わないとね。

「夢のカリフォーニャ」。永遠のコーラス・ハーモニーです。

 

M06.California Dreamin’ (2’39”)Mamas And Papas

-J.Philips-  BMSF  7520

 

N  1月22日に発売の『ザ・ママーズ・アンド・パパーズ ザ・コムプリート・シングルズ・フ

ィフテース・アニヴァーサリ・コレクション』という2枚組から4曲お聞き頂きました。先週の

ラスカルズのヒット.シングル時代とは少し繋がる物も感じました。それは、60年代末期

の、都市部の白人の、教会ゴスペルの影響もほのかに感じられるヴォーカル・アンサムブ

ルでしょうか。

このシングル盤集を聞いていた時に強く連想したのが、ピーター、ポール・アンド・

マリーでした。特に次の曲です。

 

M07.ロック天国(2’32”)ピ—タ—、ポ—ル・アンド・マリ—

-Stookey, Mason, Dixon-  ワーナー  WPCR-14347

 

M08.Young And In Love(3’51”)Hunter Hayes

-H.Hayes, D.Omelio, D.Barnes-  Atlantic 552577-2

 

N  ピーター、ポール・アンド・マリー「ロック天国」1967年の作品です。何とグループとして

のママーズ・アンド・パパズが歌詞の中に出て来ますね。ミシェールとキャスの名前も出て

来ます。今日まで知らなかった。驚いた。ワツシイサヲ、この予知能力、恐るべし。

その次は、先週正規篇をお聴き頂いたハンター・ヘイズの「ヤング・アンド・イン・ラヴ」、

今朝は2枚目のCDからアクースティク篇でした。わたしはこっちの方が好きかな。

では同じくアクースティク演奏の、先週もお届けした「21」もどうぞ。これは21

歳の誕生日の歌なんですね。ギタ—・リフ、サビメロがよりブラッド・ペイズリー風に響

きます。

 

M09. 21(3’19”)Hunter Hayze    

-D.Davidson, K.Lovelace, A.Gorley.H.Hayes-  Atlantic 552577-2

 

N  ハンター・ヘイズで「21」でした。アメリカでは州を問わず21歳で飲酒可能になって

いるらしいですね。しっかり守られてるんでしょうか。一方この国では18歳

から選挙権が与えられるようになります。この改正案、あっという間に成立

しましたね。議論の余地はまだあったと思うんだけどな。選挙民の拡大は政

党に取ってある種の薔薇色の未来を描けるのかも知れません。それですんな

りと両院通過、参議院では全会一致、となったのかも。

さて先週、デルバート・マクリントンとテキーラで大騒ぎしていたT.G.シェパ—ド、今週は

ミキー・ギリーとしんみり飲んでいます。

「思い出すにはワイン、忘れたかったらウイスキー」。

 

M10.Wine To Remember, Whisky To Forget(3’19”)T.G.Sheppard

-T.Toliver, T.Riggs-  Goldenlane CLO 0077

 

N  T.G.シェパ—ドで「ワイン・トゥ・リメムバー、ウイスキー・トゥ・フォゲット」でした。醸造酒と

蒸留酒の違いはこういう所にあるのでしょうか。酒と焼酎も同じ効能かな。

となると、強度の蒸留酒はその晩の出来事全てを忘却の彼方に置き去りに

してしまうのでしょう。時節柄、充分にお気をつけ下さい。

 

M11.Tequila (2’14”)The Camps

-C.Rio-  Fremeaux And Associes  FA5426

 

M12.Get It Where I Want It(3’47”)Lara Price

-unknown-  BSMF 2489

 

N  チャムプスの永遠の傑作「テキーラ」に続いて出て来た女性は、ラ−ラ・プライス。10年

ほど間隔をおいての新作発表、そこからまずは冒頭の一曲、「ゲット・イト・ウェア・

アイ・ヲント・イト」でした。最近の黒人女性歌手といいますと、どうもハイトーンでキーキ

ーひ鳴っているだけのように感じていましたが、彼女は違いますね。ちょっと

太めのややかすれ声。粘りの効いた節回しが強い生命力を伝えてくれます。

バックの演奏も1970年代のカラオケ、といってもいいような響きですが、2ヶ月ほ

ど前にお届けしたリオン・ブリッヂーズのような、真意を計りかねる造りでもあり

ません。出来る限りの今の音として聞こえて来ます。全盛期のメンフィス・ハイ・サウ

ンドにテムプテイションズを従えているようでもありますが、こういう表現は既にひ

とつの形として、若い世代に受け継がれている証明ですね。

ラ−ラ・プライス、もう一曲どうぞ。アン・ピーポーズのナムバ—です。

「スリップド、トリップド、フェル・イン・ラヴ」。

 

M13.Slipped Tripped Fell In Love(3’05”)Lara Price

-G.Jackson-  BSMF 2489

 

M14.Devil May Dance Tonight(4’52”)Ina Forsman

– unknown –  BSMF 2490

 

N  アン・ピーポーズから暗さを拭い去ったような印象のラ−ラ・プライスで「スリップド、

トリップド、フェル・イン・ラヴ」。続いてもうひとりの女性ブルーズ歌手、フィンランドの20

歳、イーナ・フォルスマンの歌う「今夜は悪魔が踊るかも」です。こちらも相当な実力

が感じられますが、なんとこれがデビュ−・アルバム。エタ・ジェイムズ、エイミー・ワインハウ

スなどの影響が強く感じられますが、実に堂々とした歌いっぷりですね。

北欧の人たちにはわりとブルーズ愛好家が多く、それは何代も前にアメリカ西部、

南部に入植した先祖たちからのフィ—ド・バックではないか、とも思うのですけれ

ど、まあこれは勝手な邪推の域を出ません。それよりも、この20歳の彼女

がどのようにしてこの種の音楽に触れ、自分の表現として身に着けて行った

か、そこにわたしは興味があります。

これら二人のブルーズ・ウイミン、新譜は年明けの発売なので、また改めてご紹

介する事にしましょう。ラ−ラ・プライスとイーナ・フォルスマンでした。

 

M15.Joy To The World(2’02”)Edison Concert Band

-pd.-  Document Records DOCD-1112

 

N  突然聞こえて来た古色蒼然とした音は、1906年の録音で「もろびとこぞり

て」。エディスン・コンサ—ト・バンドと女性歌手エリザベス・スペンサーです。このエディスンと

いうのは、あの発明王トーマス・エジソンの事でして、彼の考案した録音機を使って

のセッションを復刻したCD『エディスンさんちのクリスマス(Mr.Edison’s Christmas)』か

らお聞き頂きました。しばらく前にお届けしたカントリ—・ブル—ズの録音が大体

1920年以降ですから、それよりも古いのは確実で、ひょっとしたら、これま

でにわたしが接した録音で一番古い物かも知れません。発明王が録音機を実

用化したのは1877年と言われていますから、この時点ではもう最新基軸では

なかったでしょうが、まだまだ貴重で珍しかったのは言うまでもありません。

もうこの頃は平面式、つまり円盤に音が刻み込まれていたのでしょうか。

極く初期には蝋管録音という方式が用いられていました。筒になっている蝋

の塊に針で空気振動を刻み付けて行くやり方です。この蝋管録音機は今も手

に入るらしく、一度その録音に立ち合ったことがあります。しかしながらそ

れは雑誌「科学」の付録のような貧弱な造りで、音が電気を経ずに記録され

る過程は分りましたけれども、再生音がか細くて音楽鑑賞には耐えられない

代物でした。それに較べると、このエディスン録音は格段に音質が向上されてい

ます。楽器の音もちゃんと特定出来ますし、結構な音圧も感じられる。

次は今の「もろびとこぞりて」から8年後、1914年の録音になります。

「天には栄え」、エディスン・ミクスド・コーラスという名義になっています。

 

M16.Hark The Herald Angels Sing(2’02”)Edison Mixed Chorus 

-pd.-  Document Records DOCD-1112

 

N  エディスン・ミクスド・コーラスの「天には栄え」でした。

なんでも1989年にはウィル・ライルというバンジョ—弾きがジングル・ベルを吹き込ん

でいるそうです。この『エディスンさんちのクリスマス』も録音の日付は4月から11

月と幅がありますが殆どがクリスマスの音楽です。せっかくの録音だから、クリスマ

ス時期に奏でて気運を盛り上げ、神の降誕を祝おう、という思いでしょうか。

やはり西洋に於けるクリスマスというものは、特別な催事ですね。

賛美歌の他には、当時のコメディアンと言いますか漫談家が「サンタクロースが存在す

る事を本人が証明する」コントや「エディスン研究所員たちの家族への寒中見舞い」

などが収録されています。あくまでも聴いた印象ですけれど、まだ「テイク」の

概念がないな、と感じました。全てが「一度きりの本番」という思いでセッション

に臨んでいるようです。特に演者たちにその傾向が強いようですね。

このCD収録のトラックは1927年まで、21年間の幅があります。ただその間

にそれほど音は変わっていません。技術革新があまり行われかったのでしょ

うか。考えてみればブルーズ録音も活発になり始めた20年代後半から、「レコー

ド」が民間で市場を形成して認知され、そこから今に繋がるハイファイ化が、競わ

れて急速に進行する訳で、ここまではまだ一部の人たちの特別な機器だった

のでしょう。

それでは『エディスンさんちのクリスマス』からもう一曲。

ヘンデルのメサイアから「ハレルヤ・コ—ラス」。

 

M17.Hallelijah Chorus From “Messiah”(3’41”)Oratrio Chorus

-pd.-  Document Records DOCD-1112

 

N  黛ジュン「恋のハレルヤ」ではなくオラトリオ・コ—ラス隊の「ハレルヤ・コ—ラス」でした。

来週の放送は26日ですから、クリスマスは終っています。今年は11月に入ってす

ぐ大きなショッピング・センタ—で流れていたクリスマスソングを耳にしたのが最初だったか

な。その時は「気が早いなあ」と感じたものの、あっという間に過ぎてしま

いました。皆さんは今年も楽しく過ごせていますか。コメント欄で類似穴さんが

教えてくれた珍しいクリスマス歌曲集、すぐに行動を起こしたのですが、今週には

間に合いませんでした。本番までには届くでしょうか。また来年もあるか。

それでは先週に引き続き、追い込み気味にまいりましょう。

モーニン・ブルーズ 聖夜の調べ2015、どうぞ。

 

M18.What A Friend We Have In Jesus(2’32”)Brad Paisley

-pd.-  Arista  88697-26908-2

 

M19.Morning Has Broken(2’57”)Aaron Neville 

-pd.-  Tell It 7243 8 20287 2 7 EGD 0287

 

M20. White Christmas(2’41”)Al Green

-I.Berlin-  Myrrh WR 8117

 

M21.He’s Wonderful(4’27”)Gerald Alston

-V.Davis, T.R.Frye-  Love Song Touring Co.Inc.

 

M22.This Christmas(4’17”)J.Blackfoot

-Banks, Snell-  Basix Music BAS 9327

 

M23.Having A Christmas Party(4’36”)Teddy Pendergrass

-unknown-  BMG  75517 45880 2

 

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.  151201151730

 

N  モーニン・ブルーズ 聖夜の調べ2015 お届けしましたのは

ブラッド・ペイズリーのギタ—・ソロで「慈しみ深き」。

エアロン・ネヴィルの「雨に濡れた朝」、スコットランド、アイルランドの民謡ですね。

そしてアル・グリ—ンが1987年に発表したクリスマス・アルバムから「ホワイト・クリスマス」。

ジェラルド・アルストンのほとんどサム・クックに聞こえる「ヒーズ・ワンダーフル」。

ホ—マ—・バンクスも作者に名を連ねた「ディス・クリスマス」、ジェイ・ブラックフット。

最後はテディ・ペンダグラスで「ハヴィング・ア・クリスマス・パーティ」。

意識した訳ではないのですが、「エディスンさんち」に繋がった割と渋い並び

になりました。先週のような賑やかなものもあれば、こんなシックにもキメられる

多面的宗教ギョーヂ、世界のクリスマスです。

 

さて今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/084bd59bc6192808b6d8cfb5eac138e6cf3d8c7a

ダウンロードパスワード 8v6vxq2k

そして、こちらは、わたしからの横流しプレゼントです。ご覧下さい。

https://www.youtube.com/watch?v=nhdfNlqRlgs&feature=share

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、まだまだ続きますですよ。

鷲巣功でした。では皆さん、どうぞ楽しいクリスマスを。

 

s-IMGP1417

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/12/12

mb151212

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王ですよ。

頭、スッキリしてますか。忘年会続きでフラフラ・・・あ、まだお休み中ですね。

 

M01.Fifteen Round With Jose Cuervo(3’21”) T.G.Sheppard With Delbert NcClinton

-Kostas, D.Knutson, T.Curry-  Goldenlane CLO 0077

 

N  私には初めての歌い手T.G.シェパードの「フィフティーン・ラウンド・ウィズ・ホセ・クウエルヴ

ォ」でした。この「ホセ・クウエルヴォ」というのはカントリ—の歌にはよく出て来るキョーレ

ツなテキーラの名前ですから、そのまま受け取って「夕べはテキーラで15回戦だった

んだ」とすると、二日酔い必至です。

その昔に旅先で調子にのってテキーラで乾杯を繰り返した晩がありまして、翌

日は炎天下での仕事。全員が死にそうだった事を思い出しました。アルカホール度

数が35以上ですから、当然です。年末です、ご注意下さい。

T.G.シェパードはもう71歳になるヴェテランのカントリー歌手。長いキャリヤに相応しくた

くさんのヒット曲を持っていますが、そのどれもわたしは知りません。ずっとメイ

ジャー・レイベルに居たのですがね。田舎は広いなあ。

このアルバムは『レジェンダリー・フレンズ・アンド・カントリー・デューエッツ』という、彼と14

人のお相手による作品です。ジェリ—・リ—・ルイス、コンウェイ・トゥウェティ、マール・ハガード、

B.J.トーマス、ジョージ・ジョーンズ、ミッキー・ギリー、そして二重唱の常連、ウイリー・ネルスン

など本当にソーソーたる顔ぶれが勢揃いしています。今の「テキ—ラお替わり15杯」

は、デルバート・マクリントンと歌っていました。意識しているのでしょうか、二人と

も、ダグ・サーム的な歌い方でした。全体からも彼の香りが漂っています。

デルバートはジョン・レノンにハモニカを教えたと言われる男。それを聞いて、「だから

ジョンはあんまり上手くないんだ」とつい口走り、その場の全員からほぼ軽蔑

に近い非難の視線を全身に浴びたのは数十年前のワツシイサヲでした。

 

M02.21(3’15”)Hunter Hayes

-D.Davidson, K.Lovelace, A.Gorley.H.Hayes-  Atlantic 552577-2

 

N  この歌声、ご記憶ありますか。以前「アイ・ヲント・クレイジイ」を聞いて貰ったハン

ター・ヘイズです。前のアルバムからそんなに日が経ってないのに、今度は変則盤

を出しています。同じ曲目で「ステューディオ」、「アクースティク」、「ライヴ」に分けられた

3枚組。そこからまず、謎のタイトル「21」の「ステューディオ」版をお届けしました。

試聴器に入っていたので、それほど乗り気ではなかったのですが、ちょっ

と聞いて、この一途な歌声にやられてしまいました。確かこの前も同じ現象

で買わされたような記憶があります。今のは冒頭部分でブラッド・ペイズリーに象

徴されるコンテムポラリー・カントリー・メイル節回しが感じられました。それにしても、幼

児がダダをこねているような、この歌い方。耳にすると連鎖してあのベイビイ・

フェイスが浮かんで来ます。一筋縄では行きそうもないのも分りますがね。

もう一曲「ステューディオ」から聞いて下さい。

「若く、そして恋してる」、羨ましいわねえ・・・。

 

M03.Young And In Love(3’51”)Hunter Hayes

-H.Hayes, D.Omelio, D.Barnes-  Atlantic 552577-2

 

N  アトランティックのカントリ—騎手、ハンター・ヘイズで「ヤング・アンド・イン・ラヴ」でした。

さて同じアトランティック、同レイベルを1960年代後半に牽引した立役者といえば、

ザ・ラスカルズ。先週の「マイ・ハワイ」まだわたしの頭の中で鳴っています。

そのアルバム『ワンス・アポン・ア・ドリーム』を聴き直して、と言いますか、ほぼ初

めてちゃんと聴いて、こんな面白いトラックに出会いました。

「歌い過ぎのブルーズ」、ラスカルズです。

 

M04.Singin’ Blues Too Long(5’10”)The Rascals

-E.Brigati,F.Cavaliere-  Atlantic  8122 79834 8

 

N  あんたはブルーズを歌い過ぎたんだよ

なんで他のを歌おうとしないんだ

そろそろ別のを探したらどうかな

きっと全てを変えてくれるよ

御意でございまするが、そう言われましてもこれ以上の音楽は・・・。

いい感じですね。当時の音楽狂たちの裏チャ—ト長期間首位獲得曲、Tボーン・

ヲーカーの「ストーミー・マンデイ・ブルーズ」を土台としているようですが、エディ・ブリガ

ティ、フェリクス・カヴァリーなりの咀嚼があります。こういう所が、自身と原作との距

離に気づかず一所懸命模写に明け暮れた人種と違います。何気ない効果音も

いいセンス。当時この曲だけを採り上げての評価は全くなかったと思いますが、

サイケ/プログレ一歩前に佇んだ趣の同アルバムの中で「マイ・ハワイ」と並んで出色の出来

を誇る「歌い過ぎのブルーズ」でした。

アトランティック・レコ—ズのラスカルズ、この頃は既にアリフ・マーディンが現場担当でして、

このアルバムでも管のアレンヂをしたり、ベイスにチャック・レイニーを配したりしています。

彼らの白人のR&Bバンド時代がわたしにはとても面白いのですが、イギリスのビ

ート・グループとは違う歩みがまたオツです。

それでもラスカルズと言えば・・・、

 

M05.Groovin’(2’25”)The Young Rascals

-E.Brigati,F.Cavaliere-  Atlantic  8122 79834 8

 

N  それでもラスカルズと言えば・・・そう、この「グルーヴィン」ですね。先ほども触

れた「何気ない効果音」、ここでも「日曜日のまだ浅い午後」の雰囲気創出に

貢献しています。これは押しも押されもしない1967年の全米第一位獲得曲。

ですが、わたしはだいぶ後にブッカーTとエムジーズで知りました。67年と言え

ばまだチャ—ト音楽に夢中になっていた頃ですから知っている筈なんだけどなあ。

この頃アトランティックはまだ独立レーベルで、日本グラムフォンに、ひょっとしたら英国経

由で来てたのかな。それ程プロモートされてなかったのでしょうか。若き日の折

田育造が制作担当だったのかも。黒人R&Bで多忙ゆえに手が回らなかったの

かも。

都会の進んだ音楽通たちは、この魅力を敏感に感じ取っていました。例え

ば山下達郎とかね。

ラスカルズは「ヤング」が付いたり付かなかったりで、どちらを正式名称とする

のか分りません。「グルーヴィン」はヤング付き、「ブル—ズ過剰」はヤングなしです。

廉価5枚組のタイトルは「ザ・ヤング・ラスカルズ」でした。

次は再びヤングなしラスカルズ時代のヒットです。これが日本のチャートに飛び込んで来

た時の事は、はっきりと憶えています。

「自由への賛歌」、ケブ・モが9.11テロ以降に発表したカヴァでどうぞ。

 

M06.People Got Be Free(3’45”)Keb’ Mo’

-E.Brigati,F.Cavaliere-  Okeh/Epic  EN 92687

 

M07.Optimism Blues(3’15”)Allen Toussaint

-A.Toussaint-  BGD BGDCD1211

 

N  ケブ・モ「自由への賛歌」、ドラムスが素晴らしいビ—ト供給をしています。スティ−ヴ・

フェローニかあ、流石ですね。

続いてお届けしたのはアラン・トゥーセイントの「楽観主義ブルーズ」、トゥーセイントが表舞

台で売れ出した頃に若干慌てて国内発売された感のある、1978年のアルバム

『モ—ション』の最後に収められていたものです。当時西新宿のエフエム放送局には、

トゥーセイントの作品がこれしか入ってなくてね。月刊「ニュー・ミュージック・マガジーン」で

の評判と若干異なる印象だったので、何度も聴き返した憶えがあります。

制作がジェリー・ウェクスラーでハリウド録音ですから、そこからして違う。ジェリーはそ

れまでのトゥーセイントにない魅力を創り出したかったのでしょう。セッションの面子は、

超強力。特にバック・グラウンド・ヴォーカル陣が恐ろしい。今の「楽観主義」は、

エタ・ジェイムズ、ボニー・レイット、ローズマリー・クルーニーという並び。後年、わたしが関わ

ったあるアルバム企画の際に、歌い手本人がこの曲を持って来たのですが、いま

聞いていて、採り上げなくて正解だったなあと思いました。この三人の姐さ

んたちの歌声だけでも圧倒的です。

さてアラン・トゥーセイント、これも彼の書いた曲でした。

 

M08.Ruler Of My Heart(2’42”)Irma Thomas

-N. Neville-  Charley SNAX624CD

 

N  「ルーラー・オヴ・マイ・ハート」埼玉県入間市のイルマ・トーマス、現アーマさんでした。お聞

きのように、これはオーティス・レディングの「ペイン・イン・マイ・ハート」の原曲です。作

者は「ナオミ・ネヴィル」となっていて、トゥーセイントが初期に筆名として使っていた母

親方の名前です。オーティスのデビュ—盤でも、正式に「N.Neville」となっていまし

た。通常、「ruler」から「pain」程度の変更でも新しい作者名で登録され、売

れた後で揉める、という出来事がよくありますが、ここでは原作者への尊厳

が保たれています。

次の作者は歌い手のジェシー・ヒル、というクレジットですが、これにもトゥーセイントの

関与が大きかったんじゃないでしょうか。

「ウー,プー,プ、ドゥー」

 

M09.Ooh Poo Pah Doo part 1 & 2(4’22”)Jessie Hill

-J.Hill-  Charley  SNAX624CD

 

N   「ウー,プー,プ、ドゥー」、ジェシー・ヒルのオリヂナル・ヴァ—ジョン、パート1とパート2でし

た。こういうダンス物ですと演奏時間の長さから、シングルは同一テイクの前半分、

後ろ半分でパ—ト分けをするのが普通なんですが、今のはテンポ−の違う別テイクで

パート1パート2としていました。珍しい例ですね。決定的なカヴァでこの面白さ

を伝えてくれたルファス・ト—マスは、この仕様を聞いていたのでしょうか。

先々週、先週、と図らずも故アラン・トゥーセイントを続けてお聴き頂いています。

告白いたしますと、わたしはそれ程のアラン・トゥーセイント通ではありません。実演

も一度しか観た事がありませんし、その時も何か違和感が残りました。

そんなわたしでさえ、こんなに次から次へと彼にまつわる出来事、作品が

が出て来ます。計り知れないほどの業績があるのは間違いないですね。

次も心に残る彼の作品です。

「パフォーマンス」、ジョー・コッカー。

 

M10.Performance(4’38”)Joe Cocker

-A.Toussaint-  Sony 88875113802

 

N  「パフォーマンス」、ジョー・コッカーでした。海外巡業中に客死した作者、アラン・トゥーセイ

ントに捧げます。

さて、いつも暖かいお便りをくれるまゆりんさま、ありがとうございます。

現在、お父様にナット・キング・コールのラテン集を差し上げるご予定のようですが、今

の時期ならクリスマス集がお薦めです。ナットの歌心、真心で暖炉のように暖めてく

れる名盤。誰でもナット得の一枚。とりあえず、これが流れている場所では、親

子/兄弟喧嘩、家庭争議は起こらない事を保証いたします。

『ザ・クリスマス・ソングス“The Christmas Songs” (Capital CDP 7 46318 2)』、新

品ではもう手に入らないようですけれど、中古盤なら大丈夫。本番まで日数

がない。急げ。

ではそのアルバムから、まず一曲。

「オウ、ホーリー・ナイト」。

 

M11.O Holly Night(2’57” )Nat King Cole

-trd.-  Capital CDP 7 46318 2

 

N  ナット・キング・コールの決定的な『ザ・クリスマス・ソングス』から「オウ、ホーリー・ナイト」で

した。暖かい声ですね、本当に。

もう一曲聞きましょう。これは「樅の木」という題名で知られています。

遠い昔、わたしの幼少時、これを姉とピアノの連弾で仕上げてクリスマスに披露しよ

う、という企てがありました。それが練習中に大喧嘩となり、計画が破綻し

た苦い思い出があります。今でもこの曲を耳にするとそのピアノ・ピースの表紙

が浮かび上がって来ます。

相手は3歳上で、しかも女。小学校就学前の男児とでは大人と子供位の違

いがあります。おそらく「うまく行かないのは、全部お前のせいだ」と、一

歩的にやりこめられたんでしょう。思い出しても忌々しい。

ナット・キング・コールに鎮めてもらう事にします。

痛恨の「オウ、タネンバウム」、ドイツ語でどうぞ。

 

M12.O Tannenbaum(3’01”)Nat King Cole

-trd-  Capital CDP 7 46318 2

 

M13.O Christmas Tree(2’24”)Chipmunks

-trd.-   TOCP-67281

 

N  はい、「樅の木 パ—ト1&2」お送りいたしました。後半部分は3匹の栗鼠、

モーニン・ブルーズの季節労働者、チップ・マンクスでした。今年もクリスマスおめでとうを言

いに山奥から出て来てくれました。どうもありがとう。何時も怒られてばか

りのエルヴィン、大人しくしっかり歌っていましたね。

さて、今年は早々と夏の終わりに、珍しい聖夜音楽集を手に入れました。

故中村とうよう責任編集の『オ—ル・アバウト・クリスマス』です。これは1994年に彼

の海賊盤有限会社オーディオ・ブックから発売されていたものです。今まで現物を

目にした事がなく、持っていませんでした。ダイナ・ワシントンの「きよしこの夜」

が入っているので、欲しかったのですよ。

収録曲はさすが「ザ・レコード・コレクター」中村とうよう、わたしの知らなかっ

たものばかり。その中で彼が珍しく白人カントリ—女歌手、パティ・ペイヂを褒めて

ます。曰く「50年代前半」「女性ポップ・シンガ—が大活躍した時代」「最高の歌

手だった」そうです。

まずはお聞き下さい。

「ブーギ−・ウーギ−・サンタ・クロース」。

 

M14.ブーギ・ウーギ・サンタ・クロース(2’15”)パティ・ペイジ

-L.Renie-  ABCD AB125

 

N  いかがでしたか「最高の歌手」パティ・ペイヂの「ブーギ−・ウーギ−・サンタ・クロース」。

「このSPが見つかるまではクリスマスCDは出すまいと思っていた」そうです。

そして満を持して制作されたた『オール・アバウト・クリスマス』は、ゲテモノ好きの中

村とうようらしく、他にも珍盤奇盤が多く揃えられ、相当な高品質が保たれ

ています。マスタリングがもう少し良ければなあ、というのは贅沢かな。

今朝はその中からもう少し聞いて行きましょう。

これも珍しい吹き込み。日本で録音された可能性があるそうです。

マンボの王様、ペレス・プラード楽団で「サンタが町にやって来る」。

 

M15.サンタが町にやって来る(1’48”)ペレス・プラード楽団

-Coots, Gillespie-  ABCD AB125

 

N  ペレス・プラード楽団の「サンタが町にやって来る」、如何でしょうか、しきりに

「ウーッ」、「ウッ」を繰り返してますね。制作側からのしつこい要求でしょうか。

ここからも国内録音説は有力になります。車のウィール・キャップを叩いてデンゲと

いう新しいリズムを奏でているそうですが、わたしには半鐘に聞こえます。寒

い季節、火の元にはご用心下さい。

次はフィリピ−ンのクリスマス・ソングです。

ミラグロス・ゴメスとエルナンド・サルミェントのデューオで「お祭りのちょうちん」。

 

M16.お祭りのちょうちん(2’11”)ミラグロス・ゴメスとエルナンド・サルミェント

-unknown-  ABCD AB125

 

N  今年も夏には盆踊りに櫓提灯をありがとうございます。感謝の気持ちを

込めて、「お祭りのちょうちん」、ミラグロス・ゴメスとエルナンド・サルミェントでした。

この提灯というのはランタンの事なんでしょうか。キャンドルかな。フィリピーンはキリスト教

国ですから、このような歌があってもおかしくありません。アメリカが統治する

前にここを支配していたスペインの言語で歌われていました。美しい平行メロディ

が印象的です。

その他の『オール・アバウト・クリスマス』収録曲といいますと、やはり黒人音楽が多

くなります。それもジャズ、ブル—ズ、R&Bが混在していた黄金時代のものが

他を圧倒します。この辺りも中村とうようの本領発揮といったところ。

ではそれらを続けて聞いてもらいましょう。

まず「山の上で告げよ」、ステイプル・シンガーズ

「ジングル・ベルズが聞こえる」、フレディ・キング

「スウィンギン・ゼム・ジングル・ベルズ」、ファッツ・ヲーラー・アンド・ヒズ・リズム

そして「きよしこの夜」、ダイナ・ワシントン

 

M17. 山の上で告げよ(2’39”) ステイプル・シンガーズ

-trd.-  ABCD AB125

 

M18. ジングル・ベルが聞こえる(2’37”) フレディ・キング

-unknown-  ABCD AB125

 

M19. スウィンギン・ゼム・ジングル・ベルズ(2’56”) ファッツ・ウォーラー

-unknown-  ABCD AB125

 

M20.きよしこの夜(2’22”) ダイナ・ワシントン

-pd.-  AB CD AB125

 

N  如何でしたか、『オール・アバウト・クリスマス』からの貴重録音の数々。特にファッツが良

かったですね。この人のピアノはいつも軽快です。いよっ名調子。フェイクなしの

ダイナも珍しい。ロング・トーンはアリサみたかったです。ストレイトな最後のハミングが心に

残ります。素直にもなれるじゃないか。

このオーディオ・ブック社は、まだ存在しますが、今後新しい発売物が出る事は

ありませんし、追加生産の予定もないでしょう。これまでに出された物は貴

重な音源ばかりですので、『オール・アバウト・クリスマス』以外も見つけたら手に取っ

てみて下さい。

さてそれではモーニン・ブルーズも残り時間を、それなりにクリスマス音楽で締めます。

まずは、先ほどのパティ・ペイヂがお手本にしたのは、おそらくこれでしょう。

メイベル・スコットとマクスウェル・デイヴィス楽団で「ブーギ−・ウーギ−・サンタ・クロース」。

 

M20.Boogie Woogie Santa Claus(2’15”)Mabel Scott & Maxwell Davis

-L.Renie-  UnionSquare Music METRTNO067

 

M21.Bring That Cadillac Back(2’42”)Harry Crafton

-H.Crafton-  Fantastic Voyage  FVCD 079

 

M22.Santa’s Got The Blues(4’33”)Denise LaSalle

-D.Lasalle-  Basix Nusic BAS 9327

 

M23.How I Hate To See Xmas Come Around(2’48”)Jimmy Witherspoon

-A.Patric, L.Whyte-  Fantastic Voyage  FVCD 079

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.  151201151730

 

N  メイベル・スコットとマクスウェル・デイヴィス楽団の「ブーギ−・ウーギ−・サンタ・クロース」、

続いては「あのキャディラックを返してもらおうか」、ヘンリー・クラフトゥン

「サンタがブル—ズにハマったわよ」、デニス・ラセール

そして3匹の栗鼠と並んで毎年お馴染みの季節労働者、ジミー・ウィザスプーンで

「これが俺のクリスマスを呪う想い」、以上でした。

来週もまだ本番前なので、クリスマス音楽を少しまとめてお送りする予定です。

確か去年、皆さまのご愛顧に感謝して「聖夜の音楽集大成」ファイルをプレゼント

したような憶えがあります。違ったかな。それとダブリが少ないといいのです

が、あんまり好みは変わってないからな。あれからもう1年です、早いのか、

遅いのか・・・。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/06dc731c2ae6ed2a11de7df56651e74b4b5666c4

ダウンロードパスワード 1fnw5vp6

このダウンロード者の数はわたしのところに返って来ます。先週はそれほど多

くなかったなあ。内容を見てから、落とす、落とさないを決めるのですか、

皆さま。家主澤田修の方では全体の閲覧者数が分るそうで、「土曜の早朝に

は跳ね上がりますよ」とのことです。いつもありがとうございます。

首都圏幻の8人に、遠く中部地方での精鋭を含んで9人の情熱的聴取者

にお届けする「幻」モーニン・ブルーズ、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

まだまだ続きますですよ、かな。これは詠嘆の終助詞。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

s-mb151212写真

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/12/05

mb151205

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王ですぞ。

12月、「しはす」です。寒気を伴った北風が吹いております。自動車で走行

中の方々、どうぞ路面の凍結、突風などにご注意下さい。

「寒冷危険地帯」。

 

M01.ウインター・デインジャー・ランド(3’56”)ハワイ・フィウヴ・オウ

-B.Smith-  ワツシ WAZCD-005

 

M02.Hawaii Five-O(1’48”)Brian Tyler

-M.Stevens-      Hawaiian Mix1 November2015

 

N  日系ハワイ人によるインストゥルメンタル・グル—プハワイ・フィウヴ・オウの「ウインター・デインジャー・

ランド」、に続いては、人気テレビ番組「ハワイ・フィウヴ・オウ」のテーマ、ブライアン・タイラー

でした。1970年代には日本でも放映されていまして、わたしも深夜に何回か

観た憶えがあります。その時のテ—マ曲は、確かヴェンチャーズじゃなかったかな。

今のはまだ続いている新しいシリ—ズのテ—マのようです。タイトル表記も「HAWAII

5-0」から「HAWAII FIVE-O」へと変わっています。別物、という事でしょ

うか。

首都圏で8人の精鋭リスナーの中には早々と避寒でハワイに行かれた方もいらっし

ゃるようですが、私のもとには晩秋にハワイからの古い友だちがやって来ました。

そのお土産に2枚の自製CD-Rを貰いまして、その1曲目がこの「ハワイ・ファイ

ヴ・オウ」2015でした。この曲こんなに短かったかな。2分足らずです。

遠い昔、早朝の生放送時に中途半端な時間が残ってしまうと、KCから教え

て貰ったボックス・トップスの「あの娘のレタ—」で埋め合わせをしていましたが、こ

れも使えますね。「ハワイ・フィウヴ・オウ」のテーマでした。

さてその貰ったCD-Rから、もう少しお送りしましょう。CD番号になって

いるHawaiian Mix 1/2 November2015というのは友人の付けたものですか

ら、問い合わせや検索時の手がかりにはならない事をご了承下さい。

では「Mix 2」から伊豆守ことイズレイル・カマカヴィヴォーレで「ヘネヘネ・コウアカ」。

 

M03.Henehene Kou’Aka(4’23”)Israel Kamakawiwo’ole

-trd.-  Hawaiian Mix2 November2015

 

N  どなたもどこかで耳にした経験がおありでしょう、「ヘネヘネ・コウアカ」イズレイル・

カマカヴィヴォーレでした。フラ・ダンスの音楽にもよく使われている曲です。題名は「あ

なたとわたし」という意味だそうです。トワ・エ・モアですね。

このヴァ—ジョンも伊豆守の呼吸音がよく聞こえていましたね。よほど鼻の穴

が大きいか、口で息するかのどっちだろう、などと考えていました。完璧な

品質管理が維持されている録音の多い昨今、こういう画の見える音にはどこ

かしら安心出来ます。

さてその友人のくれたCD-Rで、意外な1曲に出会いました。何でしょう

か。まずこちらをお聞き頂きましょう。

 

M04.My Hawaii(4’14”)The Rascals

– E.Brigati, F.Cavaliere –  Hawaiian Mix2 November2015

 

N  取って付けたような最後のスティールでハワイらしさを加味させていますが、それで

なくとも充分に、世界的大観光地ハワイの情景は浮かんで来ます。

これは何とザ・ラスカルズの「マイ・ハワイ」という1968年の作品です。『SGT.ペパ

ーズ・・・』の影響を受けたんでしょうか、白人R&Bグループだった彼等にと

って初めての統一概念を持って作られたアルバム、『ワンス・アポン・ア・ドリーム』に収

められていました。

聞いた当初、これがラスカルズとは信じられませんでしたね。立派な大人の娯

楽音楽です。リ—ド・シンガ—のエディ・ブリガティーは過去に滞在した楽園をしみじみ

思い浮べるが如くスタンダ—ド歌手のように歌い上げています。異国情緒を醸し

出す仕上げ、大袈裟な編曲と若干の頽廃感から、ハリウッドの映画音楽か、と思

った位でした。まさか、「グルーヴィン」のラスカルズとは・・・。

実はこのアルバム『ワンス・アポン・ア・ドリーム』を、わたしも持っていました。あ

るロック・バーで彼らを聞いて「いいなあ」と感じたので、すぐに廉価5枚セットを

手に入れた時、その中の1枚がこれだったのです。ただ、アルバム自体をわたし

は全く記憶していませんでした。

今回「マイ・ハワイ」を切っ掛けに改めて通して聞いてみました。これ以前の、

シングル寄せ集めLPには健気な白人R&Bグル—プ振りが感じられ、そこが可愛

くもあったんですが、この「トータル・アルバム」では底からの脱皮を図ろうとして

いるようです。部分的にサイケで、無理をして幅広い音楽を盛り込んでいるとこ

ろが、時代を蘇らせます。全体的としては焦点の絞り込み不足の印象。その

中でこの「マイ・ハワイ」は完成度の高さを誇ります。まあ新しい事やってないか

らね。このアルバムは本国では割といい売上げだったようですし、「マイ・ハワイ」は、

ハワイでとても愛されたとか。いずれにせよ、ラスカルズのある一面を語ってくれた

1曲です。アルバムの中には他にも面白いのがありました。それは来週のお楽し

みといたしましょう。

 

M05.Crazy Maisie(4’32”)Dana Dixon

-unknown-  BSMF-2488

 

N  さて、今週も『ブルーズを吹く女たち』から聞いて貰います。本当は先々週だ

けのつもりでしたが、先週も、そして今週も、となってしまいました。その

くらい手応え充分の2枚組です。

今のはダナ・ディクスンのクレイジ—・メイジー。スリム・ハーポ調の荒っぽいブーギ−です。

カッコいいですね。脇に控える演奏者がならず者風の大男たちだったら、画とし

ても完璧。観たいなあ。

次は某通販サイトで「吹き語りを披露するトリーナ・ハムリン」との説明があったとい

う女ハ—ピストです。

「どんな感じでした?」

「こんな感じです」

女度胸で一発。なんと単独演奏で聞かせてくれます。

「ダウン・トゥ・ザ・ホーロウ」、トゥリーナ・ハームリン。

 

M06.Down To The Hollow(4’28”)Trina Harmlin

-unknown-  BSMF-2488

 

N  「無伴奏ハモニカ・ソナタ~ダウン・トゥ・ザ・ホーロウ」トゥリーナ・ハームリン、素晴らしいです

ね。単純なリフの繰り返しに説得力が込められています。タムブリンも自分で打っ

てるのかな。やってくれますねえ。太めの声も魅力的。ウーン、渋い。

それぞれ個性的なブルーズ・ウイミンが31人も揃っている『ブルーズ・ハープ・ヲ—メン』、

中には先週のジェイン・ギルマンみたいな、こんな可愛らしい娘もまだいますよ。

「ファスト・フード・ママ」、ジャキー・マーリット。

 

M07.Fast Food Mama(2’55”)Jackie Merritt

-unknown-  BSMF-2488

 

N  2枚組『ブルーズを吹く女たち』、もう輸入盤は売られているようですね。各

自の略歴にはこちらでも多少触れられているようです。ちなみに、先のダナ・

ディクスンはイギリス人、トゥリーナ・ハームリンはバ—クリ—で学位を取っています。国内盤には

もちろん更なる解説付でクリスマスに発売です。今暫くのお待ちを。

このアルバムから、もう一曲聞きましょう。マイナ—・ブルーズです。ジャニスの影が

見えます。

「ワン・モー・ラーイ」テレサ・リン。

 

M08.One More Lie(5’11”)Teresa “T-Bird” Lynne

-unkown-   BSMF 2488

 

N  テレサ・リンで「ワン・モー・ライ」でした。これまた非常に女性的な響きですね。抑

えた情念が伝わりました。こういう雰囲気は男には出せません。ギタ—・ソロも

良かった。

硬軟冷暖の女ブルーズ・ハーピスツの響宴『ブルーズ・ハープ・ヲ—メン』堪能しました。

今週新聞紙上で邦人女性クロマチック・ハモニカ奏者の新譜紹介を見てね。こっちの31

人の事もあったから試聴してみたんたら、なんとお行儀の良い事。残念なが

らわたしが受けた印象はそれだけでした。この2枚組を聞かせてやりたいで

すね。皆さんも、この他のご希望があったら、ぜひお寄せ下さい。

さて、次はまたまた初めて出会った古い歌い手です。過日、新宿の某レコ—ド

店で結構な時間に亘って探し物をしてた時に、店内で流れていた音楽が気に

なりまして。わたしの場合、こういうケイスが多いですね、振り返ると。販売側

からすれば「恰好のカモ」なんでしょう。ま、とにかく気になってカウンタ—で尋

 

ねたんです。そうしたら、ちょうどその盤を回した本人だったらしく、喜ん

で教えてくれました。こういう時は、なんかこっちも嬉しくなるね。で、そ

の時の状況再現。

「今流れているのは何というヴォーカル・グループですか」

(ハマったな、という顔つきで)「いえ、ヴォーカル・グループじゃないんです」

「え、違うの。じゃあ誰なんですか」

「これです」

出してくれたのは50年代のアメリカン・ポップスの典型のような写真のジャケット。

「エ−、いま流れてるのだよ」

「ええ、これです」

「本当にこれなんですか、この人がこれ歌ってんの。白人だよ」

「ええそうです。フランキ—・フォードという白人歌手です。いいでしょう」

このようなやり取りの数秒後、わたしはその中古盤を購入していました。

ヤラレタ−。

どうも店に入った時からずっと同じ盤が回っていたようで、まず耳に来た

のは、この一曲だったのです。

 

M09.Danny Boy(2’36”)Frankie Ford

-trd. arr.by Heatherley-  ピーヴァイン PCD-93030

 

N  フランキ—・フォードという白人歌手の「ダニー・ボーイ」です。超有名な歌だからね、

フムフム、黒人が外野ウケ狙って吹き込んだんだな、てな印象でした。その時既に、

悪くはないな、と肯定していたのは事実です。そしてだんだん進むうちに、

いいなあ、という思いに変り、次にお聞き頂くトラックで、決定的に黒人ヴォーカル・

グループだと確信しました。それで先ほどのような会話となったのです。

 

M10.Can’t Tell My Heart What To Do(2’43”)Frankie Ford

-Smith, Ford, Caronna- ピーヴァイン PCD-93030

 

N  どう聞いても抵抗なく黒人だなあ。出演予定の劇場で、「フランキー・フォードは黒

人の筈だ」と追い返されそうになった事もあったとか。映画「キャディラック・レコー

ズ」の中に差し挟まれているチャック・ベリーのエピソードと逆ですね。

この男フランキー・フォードはニュー・オーリンズ周辺に生まれ育ち、歌っていた男です。

地元のエイス・レコ—ズに誘われて録音を開始。程々の成功を収めました。周りに

ヒューイ・ピアノ・スミス始め、リー・アレンらがいて、素晴らしい演奏で支えられていた

事も、その要因でしょう。ここまでの2曲ではあまり出て来ませんでしたが、

ヒュ—イの持つノヴェルティ感覚は、かなり彼自身に影響を与えているようです。次の

曲ではその持ち味が最大限に発揮されています。

「マーガス・ザ・マグニフィシェント」

 

M11.Morgus The Magnificent(2’23”)Frankie Ford

-Clesi, Baylie-  ピーヴァイン PCD-93030

 

N   先週のラリー・ウイリアムズにも連想が及ぶゲテモノ風味、イイ線です。フランキー・フォード

とヒューイ・ピアノ・スミスとは縁浅からぬ関係で、彼の持っていたバンド、クラウンズの

多大なる協力があった事は、先にお話しした通り。何しろスマッシュ・ヒットとなっ

たデビュ—曲が、本来はヒューイ・スミスが歌う事になっていたもので、エイス・レコーズの

オウナー/プロデューサーだったジョニー・ヴィンセントの強引な判断を、とても恨んでいたそう

です。

では因縁深きそのデビュ—曲を聞きましょう。

「シー・クルーズ」フランキー・フォードです。

 

M12.Sea Cruise(2’48”)Frankie Ford

-Smith, Vincent-ピーヴァイン PCD-93030

 

M13.青い影(5’28”)ジョー・コッカー

-K.Reid, G Brooker-   WEA  MM-NK03

 

N  フランキー・フォードのデビュー・ヒット曲「シー・クルーズ」に続いてはジョー・コカーの「青い

影」でした。

先週聞いていたラジオのアラン・トゥセイント追悼番組で思い出したジョ—・コカ—の『楽

寿あり〜ラグジュアリ・ユー・キャン・エフォード』、彼の制作だったんですね。うっかり

してました。このアルバムはあまり話題にならなかったようですけど、わたしは

大好きです。特にこの「青い影」を三連で仕上げたところに、唸らされまし

た。1曲目がアラン・トゥセイント作の「ファン・タイム」だったですね。これも良かった。

アナログ盤でずっと持っています。今朝は千寿会配布の特別編集盤からでして、

よく分らない主題の下に集められた楽曲のひとつに並んでました。ここから

の連想でまた別の某名曲を思い出しました。特別捜査隊出動です。人相書き

に心当りありましたら、ご連絡下さい。

さて、先週ちょっと触れたフィギュアスケ—トNHK杯、「哀愁のヨ—ロッパ」効果は大

きく、羽生結弦の得点は圧倒的でした。わたしは採点方法が未だによく分ら

ないんですけれども、「満点」はないのかな、この競技。ショ—ト・プログラムで100

点を取るには、17秒に1回「10点」を出さなければならないでしょ。不可能

じゃないか、とも思えます。それにしても恐ろしい高得点。サンターナの祈りのご

利益です。

実況中継をずっと観ていた訳ではありませんが、競技者の選ぶ音楽には、

いつも興味を持っています。今回はこれが楽しみでした。

 

M14.Bei Mir Du Schon(2’24”)Bette Midler

-Secunda, Jacobs, Chaplin, Cahn-   East West 825646215331

 

N  ご存知「素敵なあなた」です。今年の始めにベット・ミドラーがこれをカヴァした

時のわたしの興奮、憶えてくれていますか。これが伝わって、今回の浅田真

央指定楽曲になったのでは決してありませんが、予言者としてのわたしの能

力も見事に証明されました。この先見性の素晴らしさ・・・。

どのヴァ−ジョンで滑るのか、という点がとても楽しみでしたが、わたしの知

らない録音でした。この為に新たに作ったのでしょうか。ベットのだと、貴重

な競技時間を26秒も無駄にしてしまいますしね。

それはそうと、このベットのアルバム『イッツ・ザ・ガールズ』は、今年の大きな収

穫です。皆さんは聞いてくれましたか。

 

M15.He’s Sure Be The Boy I Love(2’54”)Bette

-Mann, Weil-  East West 825646215331

 

M16.He’s Sure The Boy I Love(2’31”)Lulu

-Mann, Weil-   RPM  Retrodisc  D 856

 

N  「アタシ絶対、あの子でキマリ」、2015年ベット・ミドラー版に続けては、スコットランドの

ダイナマイト娘、ルールで同じ曲を聞いて頂きました。1967年の録音、久し振りに

ルールです。いいね、この娘は。

さてスケ—ト競技の指定曲に戻りますと、最終日のエキシビジョンで実に華麗な滑り

を披露したカナダのデユーオ、メガン・デュアメルとエリック・ラドフォードは、リズム過剰強調系

音楽が多い中で、ナット・キング・コールの「スマイル」という柔らかな選曲でした。や

はりああいう場所では大音量高音圧で刺激的に迫る方が有利でしょう。滑る

とは言っても、競技は細かな動作の連続ですから、端々に明確な切っ掛けも

必要です。そこへこういう音楽を持ち込むには相当な構成、技量の裏付け、

そして自信が必要です。彼ら二人はとても冷静に美しく滑ってました。音楽

の雰囲気を充分に理解した演出も良かった。

ただし、こういう曲調、傾向の楽曲だとどうしても時代を遡ったところか

ら持って来るしかない、というのがちょっと寂しいなあ。そんな事も感じた

ひねくれ者がいたとかいなかったとか。

・・・と話して来て、「待てよ、この時は『ドリーム』じゃなかったかな」と

いう疑問が沸いてます。ずっと前からこの2曲がわたし頭の中では一緒にな

りがちなんです。シナトラのあの「ドリーム」です。キング・コールは間違いないんだけ

ど、ひょっとしたら「スマイル」じゃなかったかも。どなたかご存知だったら、

訂正をお願い致します。

では、それまでナット・キング・コールの「スマイル」をどうぞ。

 

M17.スマイル(2’54”)ナット・キング・コール

-C.Chaplin, G.Parsons, J.Turner-  東芝 TOCP-70710

 

M18.El Bodeguero(2’27”)Nat King Cole

-R.Egus-  Capital CDP 7 46469 2

 

N  「スマイル」に続いては、同じくキング・コールのスパニッシュ・アルバムから「エル・ボデグ

エーロ」でした。暖かく優しい歌声に、ピンで歌い出す以前に得意としていたジャ

イヴ感覚を少し盛り込んだ、とても素敵な仕上げですね。

先々週「カチート」をお送りしたら「誰か日本人が歌ってなかったか」という

ご質問を頂きました。特定の歌い手は浮かびませんが、大勢の人たちがリパトゥ

ワにしていた筈です。ロック音楽確立以前、歌謡曲にとって「ラテン」は重要な洋楽

素材でしたからね。

今回「カチート」関連で、とても面白い楽曲が出て来ました。お聞き下さい。

フランク永井です。「東京カチ—ト」。

 

M19.東京カチート(3’57”)フランク永井

-T.Saeki, T.Yoshida-  ビクタ—  VICL 41268/9

 

N  @驚く「東京カチ—ト」でした。判断、評価は皆さまにおまかせ致します。

フランク永井はとてもいい歌い手で、その最期が実に残念でした。途中からあ

の美声でゴージャスに聞かせるだけになってしまいましたが、初期のしみじみし

たペーソス溢れる歌や、ノヴェルティ味の効いた楽曲もお進めです。今朝は、この季

節にふさわしく、これで行きましょう。

「霧子のタンゴ」。

 

M20.霧子のタンゴ(4’33”)フランク永井

-T.Saeki, T.Yoshida-  ビクタ—  VICL 41268/9

 

M21旅人よ(3’24”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  EMI TOCT-26869/70

 

M22.状況詩「しはす」(4’00”)ランキン・タクシー

-T.Shirahama-   ワツシ WAZCD 002

 

M23.A Walk In The Black Forest(2’32”)Horst Jankowski Quartet

– H.Jankowski –  Universal 06024 9837762

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B. 

 

N  「霧子のタンゴ」に続いてはこの季節の定番「旅人よ」加山雄三でした。

これは傑作だね。岩谷時子の描く風景が素晴らしい。ハーモニーを含むアレンヂも完

璧。素人臭い歌声がそれらによる緊張を和らげる役目も果たしています。名

曲。ですけど、季節を選びます。やはり今でしょう。これをね、爽やかな初

夏の祭りの時に十八番として歌う城東地区の区長がいるんです。もう何年も

続けてる。本人の季節感覚ゼロだね。側近も何か言わないのかな。

そして続いてはランキン・タクシーの「状況詩 しはす」です。これもこの時期だけ

のお楽しみ。

最後はホルスト・ヤンコフスキ・クヲーテットで「森を歩こう」のスモール・コムボ版。行方不明

だった盤が意外なところで偶然発見され、現在保護観察下に置かれています。

よかったあ。

お問い合わせの「ユー・ヲント・シー・ミー」に関しましては、もうちょっとお待ち

頂けますか。ちゃんと答えなきゃね。それに関してもちょっと探し物があり

まして・・・。

さて今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

「151201151730」という正体不明の名前がついていますが、こちらで

間違いありません。今回、なんと3分でアップロ—ド完了。昔が嘘みたい。試し

に自分で落としたら、5分弱でした。

http://firestorage.jp/download/58c766c23b41ec8021d411ae5f70ab64a32a656c

ダウンロードパスワード 8hfg6qfq

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、まだまだ続きますですよ。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

s-IMGP1412

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/11/28

mb151128

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

 

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王ですよ。

 

ちょっと遅きに失した感がありますが、この季節に相応しい1曲、と言いな

 

がらこれまでにも数回以上聞いて貰っているこの歌をどうぞ。

 

「癒し、安らぎ、田舎の名残り」

 

 

 

M01.Country Comfort(4’44”)Rod Stewart

 

-E.John, B.Toupin-  Mercury 558 059-2

 

 

 

N  冬がやって来る直前の風景を歌った「カントリー・カムフォート」、ロッド・スチュアートでした。

 

バーニー・トウピンが描いた英国の田舎のこの時期をわたしは実際には知りません。

 

それだからかも知れませんがこの歌を聞くと、自分の生まれ育った土地の情

 

景が浮かんできます。毎年、秋が深くなって行く頃には、この歌とその画像

 

が心に拡がるのです。そこは今、大きな幹線道路が通りましたが、まだ当時

 

の風情は充分に保たれていまして、「カントリー・カムフォート」に相応しい場所です。

 

この歌が収録されている1970年発表のアルバム『ガソリン・アレイ』はわたしの最

 

も好きなロッドのアルバムかな。全体に硬質な音で、今の「カントリー・コムフォート」も、

 

煉瓦の高い塀で囲まれた、舗装された石畳を思わせる楽器の響きなんですが、

 

ロッドが歌い出すと、枯れた色合いの田園地帯、草木が見えて来るのが不思議

 

です。これが言語を伴った音韻の力でしょうか。

 

さて、このアルバムの「硬質な音」を象徴するのは、最終トラックのこれでしょう。

 

「ヨー・マイ・ガール」。

 

 

 

M02.You’re My Girl(4’46”)Rod Stewart

 

-Cooper, Beaty, Sheiby-  Mercury 558 059-2

 

 

 

N  「ヨー・マイ・ガール」、カッコイイですね。ロッドのリズム感が素晴らしい。この頃の彼は、

 

自然にこんな節回しが溢れ出て来ていたんでしょう。スリルってのは、これだね。

 

毎日のように聞いていた十代の終わり頃を思い出しました。

 

さて、本当に久し振りにこの「ヨー・マイ・ガール」に針を落としたのには、訳

 

がありまして、今まで知らなかったこんなヴァ—ジョンに、先頃巡り会ったから

 

です。

 

 

 

M03. アイ・ドント・ヲント・トゥ・ディスカス・イト(2’34”) リトル・リチャード

 

-Cooper, Beaty, Sheiby-  ソニー MHCP 298

 

 

 

N  お分かりですね、モーニン・ブルーズでは何かにつけて登場する人気者、リトル・リチ

 

ャードです。この人の取り替えようのない傑作は、やはりスペシャルティ時代の物に

 

なってしまいますが、それ以外の時代にもいろいろと世の中を騒がせていま

 

して、彼がコロムビア系列のオーケイから1967年に発表したアルバム『イクスプルーシヴ・リト

 

ル・チャ−ド』は、この曲で始まっていました。表記タイトルは「アイ・ドント・ヲント・トゥ・

 

ディスカス・イト」で、ロッド版ではカッコ内の副題となっていた方です。造りもだいぶ

 

違いますが、あのリトル・リチャードはしっかり居ますね。

 

作品全体は時代を反映してか、かなりソウル的な響きになっています。割と安

 

易なカヴァもいくつかありまして、意図的にモータウン、それもノーマン・ウィットフィールドの

 

手法を模倣しているような部分もあります。また、妙にジェイムズ・ブラウン的だ

 

ったりもして、昨年公開された映画「最高の魂を持つ男」の中で、J.B.がリトル・

 

リチャードから業界について教えを受ける場面を思い出しました。

 

ではCD化に際しての追加楽曲、「ゲット・ダウン・ウィズ・イト」を聞いてみて下

 

さい。

 

 

 

M04.Get Down With It(3’17”)Little Richard

 

-R.Penniman-  ソニー MHCP 298

 

 

 

N  「ゲット・ダウン・ウィズ・イト」、リトル・リチャードでした。

 

実はこの制作担当が、ラリー・ウイリアムズなんです。この時期、彼はオーケイとプロデ

 

ュ—サ—契約があったんだそうです。わたしとしては少々意外です。ジョニー・ギター・

 

ワトスンを起用しているのも、ラリ—の発案だとか。そう言えば過去にこの二人が対

 

決したフル・アルバムがありました。

 

 

 

M05. Nobdy(2’34”) 

Johnny Guitar Watson & Larry Williams with The Kaleidoscope

 

-J.Zawinul,L.Williams,J.Watson-  Sony A 14122

 

 

 

N  お聞きいただいたのは、そのアルバムのCD化にあたり追加された楽曲のひと

 

つ、「ノ—バディ」というものです。ジョニーとラリーは変わりませんが、一緒に演奏

 

していたサイケな連中は、カレイドスコープという西海岸のバンドで、電気シタールを弾い

 

ていたのは、デイヴィド・リンドリーだと言いますから、驚くじゃア—リマセンカ。

 

では同じアルバムから、R&Bチャ—トでヒットしたこの曲を聞いて下さい。

 

ヴォ—カル版「マ—シ—、マ—シ—、マ—シ—」。

 

 

 

M06.Mercy,Mercy,Mercy(2’53”)Johnny Guitar Watson & Larry Williams

 

-J.Zawinul,L.Williams,J.Watson-  Sony A 14122

 

 

 

N  67年発表のアルバム『トゥー・フォ−・ザ・プライス・オヴ・ワン』から、キャノンボール・アダ

 

リーの「マ—シ—、マ—シ—、マ—シ—」でした。ジョー・ザヴィヌルの器楽曲に載せた詞(こと

 

ば)は、ジョニーとラリーによるものです。ジョン・レノンのアイドルだったロックンロール男、ラリ

 

—・ウイリアムズはノヴェルティ的風味がなにより魅力ですが、彼の音楽からは非常に次

 

の時代の「ロック」が感じられて、他のロックンロール・スタ—より少し新しい響きが聞こ

 

えていました。60年代にはこの他にも、いくつか制作の仕事をしていたよう

 

ですね。

 

では若かりし頃のラリ—に歌ってもらいましょう。ロイド・プライスの

 

「ジャスト・ビコウズ」。

 

 

 

M07.Just Because(2’49”)Larry Williams

 

-L.Price-  Ace CDCHD 709

 

 

 

M08.Tell Me(3’34”)Texsas Tornados

 

-J.Carrasco- Rhino  RGM0388

 

 

 

M09.Miller Lite Spot(34”)Texsas Tornados

 

-unknown-   Rhino  RGM0388

 

 

 

N  「ジャスト・ビコウズ」、ラリ—・ウイリアムズでした。続けたのは間奏でそのホ—ンのフレイズ

 

がそっくり出て来るテキサス・トーネイドーズの「テル・ミー」、終了部分はスチューディオ・

 

セッションのドサクサのままでしたね。ダグ・サームがゴキゲンにノリノリです。他の人間は、

 

その状態を持て余し気味です。その後の「ワン、トゥー、スリー、クアトゥロウ」で始まっ

 

たオマケは、ミラ—・ビ—ルのコマーシャル・スポット。サン・アントニオ国歌「ヘイ・ベイビ−、ケ・パ・

 

ソ」の替え歌です。両方とも件の2枚組ベスト盤からでした。

 

さて、先週の2枚組『ブルーズを吹く女たち』は如何でしたか。わたしはす

 

っかりやられてしまいました。実はあの時には1枚目からだけの紹介でした。

 

もちろん2枚目も素敵なトラックばかりです。追加して今朝はそちらからも聞い

 

てもらいます。

 

まずは「ブルーズ・バ−で会いましょう」、テリー・レオニーノ。

 

 

 

M10.Meet Me Where They Play The Blues(3’59”)Terry Leonino

 

-unknown-  BSMF 2488

 

 

 

N  貴男とわたしの合言葉「ブルーズ・バ−で会いましょう」、テリー・レオニーノでした。

 

少々未熟でもありますが、健気に歌う姿、いい雰囲気出してます。女憂歌団

 

的ですね。差別ではないぞ。

 

次は長いですよ。7分以上続きます。でもぜーんぜん退屈しない。スリル満点

 

の実況録音。アニー・レインズの「イカしてるぅ」。

 

 

 

M11.Lookin’ Good(7’34”)Annie Rains

 

-unknown-  BSMF 2488

 

 

 

N  これは素晴らしいね。多分ひとりで演奏しているギターも強烈。グイグイ引っ張

 

って行くリズムです。ハ—モニカも極上の腕前。最後の息継ぎで聞こえて来る声で「あ

 

っ女だった」、と知らされます。わたしはこれが一番気に入ったかな。若い白

 

人だろうけど。このふたりもライヴ・マヂック招聘表に登録だな。至急肖像確認を

 

いたしましょう。

 

『ブルーズを吹く女たち』、次はドスの効いた歌声も一緒にお届けします。

 

ジュディ・ルーディンで「ヒット・ザ・ロード」。

 

 

 

M12.Hit The Road(4’26”)Judy Rudin

 

-unknown-  BSMF 2488

 

 

 

M13.Hightallin’(3’26”)アンディT-ニック・ニクソン・バンド

 

-unknown-  BSMF 2481

 

 

 

N  好企画盤『ブルーズを吹く女たち』からジュディ・ルーディンの「ヒット・ザ・ロード」

 

でした。昔からベシー・スミスやメムフィス・ミニーなど、ブルーズを歌う女性はいました。

 

でも圧倒的に少数で、やはりこの世界は男の価値観で形成されていたのは動

 

かし難い事実です。そこへ21世紀に、こんなにも女性が進出して来るなんて

 

誰に予想が出来たでしょうか。ここまで聴いて来た力演の数々は宝物ですね。

 

ぜひとも、より強力に突き進んで行ってもらいたい。願います。

 

今朝のブルーズ女たちのショウはこれで終了。クロ—ジングはアンディT-ニック・ニクソン・バ

 

ンドのインストルメンタル曲、不肖テキサス男集団が務めさせて頂きました。

 

これ、なかなかに素敵なR&Bでしょ。彼らの最新アルバム『ナムバーズ・マン』で

 

は、もっとダイナミックな堂々としたブルーズが続きます。そんな中でわたしが気を

 

惹かれたのが、この「ハイトーリン」です。今の時代はこういう小味の効いた音楽

 

がないんですよ。それにしても、まだまだブルーズから離れられない人間は、

 

黒人以外にもいくらでも居ることが、ここでも証明されています。

 

というわけではありませんが、先週お届けした前世紀初頭のカントリ—・ブル—ズ

 

を、今朝も少し聞きましょう。

 

先週は出て来なかった大物、ブラインド・レモン・ジェファスンです。

 

 

 

M14.All I Want Is Pure Religion(3’18”)Blind Lemon Jefferson

 

-trd.arr.by B.L.jefferson-  Snapper Music  SBLUESCD502X

 

 

 

N  テキサス・ブルーズのブラインド・レモン・ジェファスンと云う人は1897年の生まれで、そ

 

の他の大物たちと大体は同年齢なのですが、録音されたのが1925年と比較的

 

早い時期なので、少々別格の扱いを受けているようです。今の「オール・アイ・ヲン

 

ト・イズ・ピュア・レリジョン」は、タイトルからもお分かりの通りキリスト教に則った宗教

 

の歌です。まだゴスペルの完全な成立前ですから、スピリチュアル・ソングの種類に括

 

られますね。

 

当時はあるいは今も、ブルーズと言えば「悪魔の音楽」。奴隷制度解体後とは

 

言え、白人の大規模な農園に帰属出来ないはみ出し人間が盛り場で歌い流し

 

た俗謡ですから、このような聖なる歌の対極にあります。ただ、このブラインド・

 

レモン・ジェファスンは、安息日にはブルーズを歌わなかったという程の篤い信心を持

 

っていたそうです。

 

週日は俗謡歌手、日曜は宗教歌手、ここまではっきりした人も稀でしょう

 

が、食べる為に昼間は街角で神の道を説き、夜は酒場で煩悩を歌い上げる存

 

在は、珍しくなかったようです。音楽の形も違う訳ではありませんし、歌も

 

詞の一部を変えるだけでどちらにもなり得たでしょう。西洋音楽形式の中で

 

成立したブルーズにおいて、キリスト教聖歌との関係は、このように深く複雑です。

 

例えば1990年代、聖の世界に転身したアル・グリーンもソウル時代のリパトワをずっ

 

と離しませんでした。一説では報酬次第で如何様にも、という営業方針だっ

 

たとか。本当でしょうか。

 

それはともかく、ブラインド・レモン・ジェファスンはこのように録音にもクロスオーヴァ振

 

りが残されている例です。当初はブル—ズ音楽の市場も確立していなかったの

 

で、まずスピリチュアルで反応を試した、というような事情も充分に考えられます。

 

さて、70年代には、日本のブルーズ・バンドの名前にもなったブラインド・レモン・

 

ジェファスンの代表曲を聞きましょう。

 

「マッチ・ボックス・ブルーズ」

 

 

 

M15.Match Box Blues(2’57”)Blind Lemon Jefferson

 

– B.L.jefferson-  Snapper Music  SBLUESCD502X

 

 

 

N  「マッチ・ボックス・ブルーズ」でした。これはあまり知られていない最初のテイクで

 

す。普通は2番目のテイクが正規の物として扱われています。他にはテイク4も残

 

っています。どれも仕上がりは微妙に違いまして、今のが一番地味かな。

 

この唄がカール・パーキンスによって整えられ、「マッチボックス」となってビートルズにも

 

カヴァされたのです。カントリ—好きのリンゴが歌ってました。本人が持って来たんで

 

しょうかね。

 

 

 

M16.Match Box Blues(2’07”)Carl Perkins

 

-C.Perkins- Sun BMG Rhino  R2 71780

 

 

 

N  多分これからも気分でお届けする20世紀初頭のブルーズ、けさはブラインド・

 

レモン・ジェファスンでした。彼は活動期間の短さに較べると録音の数が多い方です。

 

この後の登場にもご期待下さい。

 

さて、ガラリと音楽が変わります。今週番組のツイターで、ある動画の案内を頂

 

きました。それは、今年の始め頃にわたしも夢中になっていたブルーノ・マーズの、

 

いやマ—ク・ロンスンの「アップタウン・ファンク」の宣伝用ヴィディオです。

 

これは発売当初から存在したのかな。知らなかった。主にミュ—ジカル映画の歴

 

史的に有名な踊りの場面を、同曲に合わせて丁寧な編集で繋いだ、秀逸な作

 

品です。いや凄い。出来映えに感心すると同時に、こういう映像は人類の大

 

事な財産だな、と再認識しました。

 

それを観ていて思い出したのが、「ザッツ・ダンシング」というオムニバス映画。こ

 

れは1933年の「42番街」から80年の「フェイム」まで、あらゆるハリウッド映画か

 

らのダンス場面を集めたもので、先の「アップタウン・ファンク」のヴィディオと重なる作

 

品物も含まれています。というか、こっちが先だからね。

 

わたしはずっと「ミュ—ジカル映画なんてとんでもない」という人間でしたから、

 

フレッド・アステアもジ—ン・ケリーもここで観ただけですが、それはそれは大変に結構

 

でした。群舞のバズビ−・バークリーには感動して、お茶の水の日仏会館での単独

 

上映会にも出かけた位です。

 

さてその「ザッツ・ダンシング」のサウンドトラック盤がまだ残っていました。そこか

 

ら映像も記憶にある3曲をお届けしましょう。

 

まずフレッド・アステア&ジンジャー・ロジャーズが見事に踊って、手摺りのある丸い部

 

屋から手をつないで出かけて行く場面だったはずの「元気をお出し」。

 

それから、これは最後にドナルド・オコーナーがくるりと一回転するところだった

 

かどうか確かではないですけれど、「雨に唄えば」からの「モーゼズ」。

 

そして「オヅの魔法使い」からカカシ男がノーミソを欲しがる時の「イフ・アイ・オンリー・

 

ハッド・ア・ブレイン」、続けてどうぞ。下手な情景描写ですが、なんとか思い描い

 

て下さい。ち冷えちゃん、ありがとね。

 

 

 

M17.元気をお出し(3’32”)フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャーズ    編集箇所

 

-D.Fleds, J.Kern-  東芝 EYS 911606

 

 

 

M18.モーゼス(2’29”)ジーン・ケリー&ドナルド・オコーナー    編集箇所

 

-B.Comden, R.Edens, A.Green, V.Feidman-  東芝 EYS 911606

 

 

 

M19.イフ・アイ・オンリー・ハッド・ア・ブレイン(3’35”)レイ・ボルジャー

 

-E.Y.Harburg, H.Arlen-  東芝 EYS 911606

 

 

 

M20.Mr.Bojungle(3’58”)Jerry Jeff Walker

 

-J.J.Walker-  Waner Special Prodicts 9-27615-2

 

 

 

N  「元気をお出し」、「モーゼズ」、「イフ・アイ・オンリー・ハッド・ア・ブレイン」、ダンス映画

 

からの名場面3つを続けてお届けしました。

 

このオムニバス映画「ザッツ・ダンシング」、DVDで出てるかなあ。それともそれぞ

 

れをオリヂナルで観た方がいいでしょうか。夏にやはりツイタ—で教えて貰って入手

 

した「カルナヴァルの朝」は、ちょうどお祭りの始まる、正に「カルナヴァルの朝」の

 

ところで眠ってしまって、未だその後を観てないんですよ・・・。

 

それに続けては、顔を黒くぬって黒人を真似た歌、芝居、踊りで人気を博

 

し、それ故に昨今では殆ど省みられなくなってしまった史上最初のトーキー・ムーヴ

 

ィー・スター、アル・ジョルスンを歌った「ミスタ・ボージャンゴー」、キング・カーティスの演奏でお

 

楽しみの方も多いでしょうが、今朝は比較的すぐに捜査線上に現れた、作者

 

のジェリ−・ジェフ・ヲ-カ—版をお届けしました。あ、先週は「走査線」になってま

 

したね。これじゃブラウン管だ。

 

さて、イズリアエルのカヴァから毎週お届けして来た「スターティング・オール・オーバ—・アゲ

 

イン」、今朝はようやくオリヂナル・ヴァ—ジョンです。これ、ホール・アンド・オーツも採り上

 

げてたんですね。全然知らなかった。ライヴのを聞かせてもらいました彼らが

 

いつもR&B曲を歌う時と同じように、嬉しそうに、一生懸命なのが面白かっ

 

た。

 

では、今朝はメル・アンド・ティムでお聞き下さい。

 

「スターティング・オール・オーバ—・アゲイン」。

 

 

 

M21.スターティング・オール・オーバ—・アゲイン(4’06)メル・アンド・ティム

 

-P.Mitchell- ビクター VDP-1110

 

 

 

M22.哀愁のヨーロッパ(5’06”)サンタナ

 

-D.C.Santana, T.Coster-   CBSソニー 28DP 1020

 

 

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

 

 

N  今朝の最後はサンターナで「哀愁のヨーロッパ」でした。昨日からのフィギア・スケイトの

 

NHK杯からの連想です。羽生結弦が「パリの散歩道」で絶好調だった頃、そ

 

のオリジナルがこれだ、と澤田修に何度言っても、手応えがなかった事を思い出

 

しました。これなんだよ、これ。

 

さてその澤田修大家に間借りしてもう2ヶ月目のモーニン・ブルーズへの反応が、

 

この http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu /

 

以外にも、集まっているところをご存知ですか。「こひ」さんが、掲示板の

 

消滅という非常事態に対応し、即刻作成してくれた場所です。その所在地は

 

http://blues761.webcrow.jp/1026.htmです。見た目も以前の公式サイトに似て

 

いたので、わたしはてっきりあの杜撰なインタfmがまだ完全に落とし忘れてん

 

のか、と思っていました。そうじゃなかったんですね。大変失礼。ここで改

 

めて御礼申し上げます。ただ、維持するのに費用がかかるようでしたら申し

 

訳ないので、おっしゃって下さい。他にも「blues761」で活発な交信が行わ

 

れているとか。そこへ行く手段も、只今模索中です。どうもこの領域には疎

 

くていけないね。

 

その他、「you won’t BE」という楽曲へのご質問を戴いております。内容

 

にはとても興味を憶えますが、肝心の該当楽曲が何だか分りません。教えて

 

下さい。もしジョーシキ以前の共通理解事項であっても構いません。頼みます。

 

それから、ご指摘の音量レヴェル低下、これはその通りです。先日、別のBGM

 

制作で歪みが発生したため、再調整しました。それで全体的に下がりまして、

 

そうなると何故か慎重になってしまい、どうしても抑えてしまうんですね。

 

先々週よりピークで2デシベルほど低くなっております。聞きづらかったら、お

 

申し出下さい。

 

さて今朝の特別付録は、以下の隠し場所にあります。どうぞお楽しみ下さい。

 

http://firestorage.jp/download/891d2b08f8c9a0966522b25f70a4f257fba85171

 

ダウンロードパスワード 9q3mpxj9

 

さて、今朝もちょうど時間となりました。

 

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/
「幻」モーニン・ブルーズ、まだまだ続きますですよ。

 

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

s-IMGP1399

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/11/21

mb151121

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

この番組は「モーニン・ブルーズ」。今朝はその名前に相応しくまいりましょう。

クラーレンス・門歯・ブラウンで「ロック・マイ・ブルーズ・アウェイ」。

 

M01.ロック・マイ・ブルーズ・アウェイ(3’14!)クラレンス・ゲイトマウス・ブラウン

-E.T.Curtis- ユニバーサル  UICY-77504

 

N  先週はギブスンL-5でしたが、今朝はちゃんと「火の鳥」を弾くゲイトマウスです。

新宿へ出た時に探したらありましたよ、ジャケットもそのファイアバード・ギタ—の写真。

アルバム『アメリカン・ミュ—ジック・テキサス・スタイル』です。「火の鳥」のモデルはわたしの記

憶とは違って、両ナデ肩ではなく、片側逆ゾリ型でした。ピック・ガードの上に彫

り物入りの皮を被せていますね。モロなカントリ—仕様です。たぶんゲイトマウスはこれ1

本しかギタ—持ってないんじゃないかな。ブル—ズ・マンはそんなもんです。マジック・

サムはあの超絶ライブの時、人から借りた楽器だった筈です。それも突発時で壊

れたからじゃなく、そもそも現場に持って来なかったといいます。

春の大好評ジャクスン・ブラウン公演の時ね、ジャクスンが1曲ごとにギターを持ち替え

るんですよ。チュ—ニングとかの違いがあるんだろうけど、その度にボ—ヤとは呼べ

ない年輩ローディーが出て来るワケ。煩わしくてね、わたしは。だいぶ苛つきまし

た。ファンの方々は全く気にならないようでしたが。一本で出来ないのかねえ。

それはともかく、この『アメリカン・ミュ—ジック・テキサス・スタイル』は、1999年の発表。

ビッグバンドを従えたゲイトマウスのクールな演奏が楽しめます。今の「ロック・マイ・ブルー

ズ・アウェイ」では、間奏後半のフィドルももちろん彼自身。ヴォ—カルで絡んでいたの

はケイ・ドリアンという女性だそうです。

同アルバムから、もう一曲これも以前に吹き込んでいるナムバーです。

タイトルもそのまんま、「ギタ—・イン・マイ・ハンド」。

 

M02.ギター・イン・マイ・ハンド(5’13”)クラレンス・ゲイトマウス・ブラウン

-C.G.Brown- ユニバーサル  UICY-77504

 

N  「ギタ—・イン・マイ・ハンド」でした。手の中にあるギタ—は火の鳥でしょうね。

1947年にアラジン・レコ—ドに吹き込んだのとは、歌詞で「駅」が「空港」に変わ

ったりしています。初回録音の時に手にしていた楽器は何だったのでしょう

か。聞いてみましょう。

「ギタ—・イン・マイ・ハンド」、クラ−レンス・ゲイトマウス・ブラウン。

 

M03.Guitar In My Hand(2’45”)

Clarence Gatemouth Brown wt.Maxwell Davis And His Orchestra

-C.G.Brown-  EMI E2 30883

 

M04.Okie Dokie Stomp(2’31”)Clarence Gatemouth Brown

-P.Dvis,-  Rounder CD 2039

 

N  「ギタ—・イン・マイ・ハンド」、そしてご存知「オーキー・ドーキー・ストムプ」でした。

これは、テレキャスタ—かな。1954年の録音です。ソリッド・ボディのエレキの先駆が市場

で受け始めた頃です。先週以来、当局で捜索中だったラウンダ—のゲイトマウス盤が、

夜の大走査線に引っ掛かって出て来ました。表はあのピーコックの公式写真、そ

して裏は何処かのクラブのスナップ写真です。その両方ともテレキャスですね。ゲイトマウス

は、既に皮のカヴァを被せてます。このスタイルはカントリーというかウェスターンの人たちが

好んで採り入れていました。ギタ—に傷をつけないように、というのがその理

由と聞きましたが、アクースティクの場合は響きに影響がないのかな。かまやつひろ

しがスパイダーズ時代の一時期に同じ仕様のを使ってましたね。テレビで観て、始

めは何だか分りませんでした。姉が「ギタ—が革ジャン着てる」と言ってたな。

L-5、テレキャスター、ファイアバ-ドと、3種類のギターでお楽しみ頂いたクラ−レンス・ゲイト

マウス・ブラウン、類似穴さん、よろしかったでしょうか。

さて早朝のブルーズを続けましょう。

 

M05. Please Call Daddy(5’19”)Mattie Phifer

-unkown  BSMF  2488-

 

N  静かな朝には相応しくない、かつ今時めずらしいヘヴィなブルーズ、「プリーズ・

コール・ダディ」でした。今の歌とハ—モニカはマティ・ファイファ−という女性なんです。恐

ろしいほど強烈なブロウですね。

来るクリスマス、12月25日にBSMFから『ブルーズ・ハープ・ヲーマン』という2枚

組が出ます。31人の女性ブルーズ・ハーモニカ奏者が世界中から集結した、それはそ

れは力強いアルバムです。その中でも最も重たいトラックでしょうか、これは。掲載

写真との照らし合わせが出来ていませんので本人の姿形は未確認です。想像

で楽しむ事にしましょう。ラジオですし。

では手強い女性をもう一人。カト・バローンで、

「何であんたはアタシに酷い事すんのよ」。

 

M06.Why You So Mean To Me(4’52”)Kat Baloun

-unkown  BSMF  2488-

 

N  カト・バローンで「ワイ・ユー・ソウ・ミーン・トゥ・ミー」でした。こちらもお強そうなレイデ

ィですね。もう長い間、音楽の分野では女性優位な状態が続いてます。あ、こ

いつは女の感覚だな、と思える男も多く、そう云う人ほどよくやってるよう

にも見えます。ただブルーズ・ハープを吹く女性がこんなに居るとは、考えても

みませんでした。みな本格的な演奏ばかりで、敢えて「女」と言う必要もな

い程ですが、やはりこの企画は「女」である事で成立した物でしょう。ノ—マン・

デイヴィスという男が「hermonicas.com」というサイトを開設して、これらの口琴

女達を探し出したそうです。「harmonica」ではなく「hermonica」ですよ。

しかもプロデュ—サ—が「ノ—マン」、あ蛇足。

これまでに出会ったかなあ、ブル—ズ・ハープ吹く女・・・、あ、ひとり居た

な、某ギタリストの相方で。今どうしてるんだろう。他にはすぐ浮かんでくる人

はいません。どなたかご存知でしょうか。

全体に、ここまでのような迫力ある吹きっぷりが主体ですが、次のような

爽やかなアンサムブルも聞けます。

ジェイン・ギルマンで「スタック・オン・ユウ」。

 

M07.Stuck On You(2’50”)Jane Gillman

-unkown  BSMF  2488-

 

N  冒頭の不要なノイズ、お許し下さい。「スタック・オン・ユウ」、ジェイン・ギルマンでした。

これ可愛いいですね。とても素敵。これを差別と取るなよ。

数年前、千葉の方に女子高生だけのブルーズ・バンドがあって、マディ・ヲーターズ

などをキャッキャ言いながら演奏してるという興味深い噂を耳にしましたが、その

後どうなったんだろう。もう大年増だろうなあ。今のジェイン・ギルマンは、たぶ

んふたり位で実演をするのかな。観たいですね。次のライヴ・マヂックにどうかな。

このアルバム『ブルーズを吹く女たち』は2枚組で31トラックス。たっぷりとお楽しみ

頂けます。発売日まで少々日数がありますが、期待してお待ち下さい。

ではそこから最後に、スライドも入ったビッグバンドのジャムプ・スタイルでどうぞ。

「ハウス・オヴ・ブルー・ライト」の居眠り運転楽団みたいですね。ヴォ—カル・ハ—モニ—が

素敵です。こういうのも女性ならではですね。これを差別と取るなよ。

「ロ—ドマスタ—」、ロクシー・ペリーです。

 

M08. Roadmaster(4’19”)Roxy Perry

-unkown  BSMF  2488-

 

N  番組名に相応しく進行中の「モーニン・ブルーズ」、続けて行きましょう。ここか

ら暫くは前世紀初頭のカントリ—・ブルーズが続きます。地味ですよ。

夏以降に紹介していた、キ—ス・リチャ—ズ、エリック・ビブ、デュ—ク・ロビラ—ドのアルバ

ムが、それぞれ古いカントリ—・ブル—ズからの閃きを受けていた事もあって、この、

どちらかと言えば、今まで深入りをして来なかった領域を、もう一度聴いて

みよう、と云う気になりました。既に手許にはかなりの枚数ありましたが、

今大きなレコ—ド店には、50曲2枚組千円シリーズでずらっと並んでいます。音も

決して悪くない。添付文字資料が少ないのはウェブサイトで照合すれば、立派なアン

ソロジーになります。興味があったらぜひお試し下さい。

この秋かなりの間ずっと聴いていましたら、これまでとは違った側面にも

気付きました。これは嬉しい事でしたね。そのひとつ、まずはレッド・ベリーの

この一曲をお聞き下さい。

「ボール・ウィーヴィル」

 

M09.TheBoll Weevil(2’57”)Lead Belly

-trd. arr.by L.Belly-  Now Not Music NOT 2CD261

 

N  「ボール・ウィーヴィル」、レッド・ベリーでした。1930年代の録音でしょうか。聞い

ていてお分かりの通り、ミシシッピ・ジミー・ロジャ-ズの「フランキー・アンド・ジョニー」と

ほぼ同じメロディなんですね。ジミーは33年に亡くなっていますが、レッド・ベリー

が「「フランキー・アンド・ジョニー」を聞いていた可能性は充分あります。といいます

か、その時代に南部で流行っていた原曲があるのではないでしょうか。ひと

つの歌が生まれ知られ廃れて行くのは、今よりも遥かにゆっくりとした時間

で進行したでしょうから、余計にそんな想像力を掻き立てられるのですよ。

また、貧しい層では黒人も白人も同じような音楽に親しんでいたんですね、

きっと。

レッド・ベリーは音楽の幅が相当に広く「カントリ—・ブル—ズ」という領域だけに留

めておくのは不可能です。カヴァが盛んに行われた「グナイト・アイリーン」も、ブル—

ズ形式ではありませんし、それ故に日本のフォーク界でもよく知られていたので

しょう。監獄で過ごした時間が長く、良き理解者がいたわりに順調でなかっ

た人生ですが、12弦ギター、アコーディオンなど沢山の楽器を演奏出来ましたから、

多重録音機能が発明されていたら、スティーヴィー・ワンダー以上の業績を上げたかも。

彼が如何に優れた音程感、リズム感を持っていたか、簡単に照明出来るアカペラ

があります。お聞き下さい。

「ブルー・テイル・フライ」。

 

M10.Blue Tail Fly(2’18”)Lead Belly

-trd. arr.by L.Belly-  Now Not Music NOT 2CD261

 

N  凄いでしょう、レッド・ベリーのアカペラ。他に無伴奏では刑務所内で憶えたよう

なワーク・ソングの録音がいくつか残っていまして、こちらもビリビリ来ます。

さて、次の歌もどことなく似ていませんか、あの有名な・・・。

 

M11.When The Boys Were Out On The Western Plains(2’56”)Lead Belly

-L.Belly-  Now Not Music NOT 2CD261

 

N  どうでしたか。何か閃いたかな。わたしにはビ—トルズの「彼氏になりたい」、

に聞こえて仕方ないんです。ポールの「ハニー・パイ」ね、あれもジミー・ロジャーズの

「マイ・ブルー・アイド・ジェイン」にクリソツですから、レッド・ベリ—も聞いてたのかな、

なんて発想をしました。ジョ—ジ・ハリスンは同時代のブラインド・ブレイクを好きだっ

たとも言うし、エリック・クラプトンはクリ—ム時代からこの種の音楽を普及させた貢献

者。ジャガ—・リチャーズと来ればロバート・ウィルキンス師の「放蕩息子」を盗んだり、ロバ

—ト・ジョンスンの「むなしき愛」をカヴァしたりして・・・、あ、これはライ・クーダー

に教えて貰ったんだな、とにかくイギリス人のカントリ—・ブル—ズ好きは特別です。

ボブ・ディランはビッグ・ジョー・ウイリアムズにくっついて旅回りをしてますし、自

身のスタイル形成にカントリ—・ブル—ズは不可欠でした。そういう知識を土台に聴いて

いるとあの有名な「アイ・シャル・ビ・リリースト」は、この歌と何らかの関係がある

のではないか、と思えて来るのです。

 

M12.I Shall Not Be Moved(3’01”)Charley Patton

-trd.arr.by C.Patton- Now Not Music NOT 2CD508

 

N  チャ—リ—・パットンの「アイ・シャル・ノット・ビ・ムーヴド」でした。これをボブ・ディラン

が聞いていたのは間違いないでしょう。それで無意識のうちにキイ・ワードが重

なったのでしょうか。これも南部で30年代にかなり流行った歌のようです。

少し年代の離れているサン・ハウスも吹き込んでいます。

 

M13.I Shall Not Be Moved(3’06”)Sun House

-trd.arr.by S.House-  Now Not Music NOT 2CD415

 

M14.最後の勝負も勝ち目なし(3’43”)ケブ・モ

-R.Johnson-  MHCP 2054

 

N  「アイ・シャル・ノット・ビ・ムーヴド」、サン・ハウス。続いてはロバ—ト・ジョンスンの「最後

の勝負も勝ち目なし」、マ—チン・スコーセシの映画短編集にあやかったジョンスンの作品

集に寄せたケブ・モの新録音でした。

さて、ここまで短い時間でしたが、カントリ—・ブルーズのこれまで紹介されにく

かった側面を、ほんの少しお届けしました。これらの楽曲からは、よく言わ

れるブル—ズの「暗さ」をわたしはあまり感じません。どちらかと言えばゴスペ

ルの方が恐ろしく暗い部分を持ってるようにも思えます。決して楽天的ではあ

りませんが、もっと力強い目で前を見ている音楽としてカントリ—・ブル—ズを再認

識出来たのは、自分にとっても大事な事でした。

 

M15.Cachito(2’50”)Nat “King” Cole

-C.Velazquez-  Capital CDP7 46469 2

 

N  ガラリと変わって、スパニッシュを歌うナット・キング・コールで「カチート」。実は今キング・コ

ールで探している1枚がありまして、その途中で見つけた『コール・エスパニョール第1

集』からです。スペイン語のヴァージョンを集めた、CD時代の編集物でしょう。ど

のトラックも素敵です。

キング・コ—ルは、ピアノ・トリオのジャイヴ時代がわたしは好きです。そしてポピュラー

歌手としての作品も決して悪くありません。普通この種の転生をすると全く

面白くなくなるのが常ですが、彼はどんな時も音楽と、それを聞いてくれる

人への真心を失わなかった。多くの人が憧れたのも分ります。

もう1曲どうぞ。

「マヂック・イズ・ザ・ムーンライト」

 

M16.Magic Is The Moonlight(2’36”)Nat “King” Cole

-M.Grever, C.Pasquale-  Capital CDP7 46469 2

 

N  ショッピング・センターではクリスマス・ソングがBGMです。今週は来年のカレンダーをもら

いました。早いですね、もう2015年が終って行きます。11月のモーニン・ブルーズ

もあと1回です。

そこで、タケミツの「ノ−ヴェムバ・ステップス」、後半をどうぞ。

 

M17.ノヴェンバ−・ステップス(3’41”)

小澤征爾(cond.) トロント交響楽団 鶴田錦史(biwa) 横山勝也(sych.) 高橋悠治(pf.)

-T.Takmitsu-   ソニ—  SUCC 30014

 

N  「ノ−ヴェムバ・ステップス」、新聞でこの曲に関して読みまして、題名しか知らな

かったなあ、とさっそく入手して聞きました。鬼気迫る力作、という印象で

すね。更には若き日のオザワの全体構成、邦楽器の演奏が恐ろしい程です。洋

楽器の絡みが吹っ飛んで行きます。これは即興の入り込む余地のない「作曲」

ですから、五線紙に書かれたのかなあ。スコアを見てみたい。邦楽器奏者の理解

が素晴らしい。

さて、わたしの11月と言いますと、どうしてもこの出来事が浮かびます。

 

M18.最後の絶叫(4’23”)三島由紀夫

 

N  この日、わたしの学校では創立記念行事があり、昼過ぎに家に帰りました。

近所の友人が自転車の空気入れを貸してくれと一緒に立ち寄り、そこで母親

からこの事件を伝えられた時の事を憶えています。当日夕刊の生首写真を始

めとして、非常な興奮を憶えた夜でした。この事件は同時体験という事もあ

り、鮮明な記憶でわたしの脳に刷り込まれているだけでなく、今の自分にも

関連する大きな出来事でした。

お聞きいただいた録音は、直後に飛びついて買った週間サンケイの増刊号「特

別付録」のフォノシートです。当時かなり繰り返して聴きましたね。

この演説の後、三島はバルコニ—から総監室に戻り「どうもよく聞こえなかっ

たようだ」と呟いたと言われています。そうです、彼は野外で演説をする際

の音響に対する認識がなかったのです。集まった多数の自衛隊員からの反論、

質問、罵声、そして駆けつける報道関係車両の雑音。銀巴里でシャンソンを歌えて

も、この場に於いて肉声では「激」は届かないのです。もし声が伝わってい

たら、多少の議論に発展したかも知れません。非常に残念です。

この種の言論活動には、音響装置が必要不可欠です。国会前の集会に接し

ていつもうんざりするのは、50年前と変わらないシュプレヒコールの無力さと、音響

の悪さです。少しづつ改善の度合いは見られるものの、まだまだです。一方

で昨今の右翼の街宣車の音響装置は遥かに高度で、かなりの水準に達してい

ます。この事件の反省からでしょうか。あまりハイファイですと切迫感がなくなり

ますが、主張を伝える音響の問題を、「ヒダリ」側の人たちも考えて欲しいな。

わたしの1970年11月の思い出をお話し致しました。今年、2015年11月

には、大きなテロが起きました。

そして、冬になって行きます。

 

M19.冬のリヴィエラ(4’30”)森 進一

-T.Matsumoto, E.Ohtaki- ビクター vicl60601/4

 

M20.Starting All Over Again(4’17”)Johmie Taylor

-P.Mitchell-  Stax 35CD-4432-2

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  ラヂオ深夜便の「冬のリヴィエラ」に反応していた人がいましたね。他局を聞いて

いるな。それはともかく、先々週だったかな、他局NHK-BSで森進一と前川

清の公開実演をやってました。ちゃんと生演奏で歌っててね、良かったです

よ。ずっと観てました。その時に二人でこの「リヴィエラ」を合わせたんです。

コメント欄から連想しました。感謝。

その次は、連続3回目となる「スタ—ティング・オ—ル・オ—ヴァ・アゲイン」。今朝はジョ

ニ—・テイラ—です。あんまりジョニ—に合ってる歌とは言えないけれど、やっぱり上

手いね。引き込まれました。流石。途中で時報の予告が入りました、失礼。

校閲奉行いじわるミーさま、2点ご指摘の通りでございます。全く気づきませ

んでした。「夜霧のしのび逢い」は、クロード・チアリですね。映画があったのか。

ルリ子が出てたんですね。裕次郎のはハマクラの個人的体験を元にしているという

説がある「夜霧よ今夜もありがとう」、間違いありません。日「活劇」映画は

同時代的に全く観ていませんで、だいぶ遅れて深夜のテレビなどで接した未熟

若輩者です。確かに「カッコイイ」ですね。ワタリ、いいですか。「東京流れ者」の主

題歌は竹越ひろ子でしたか。違うかな。あれは確か競作でしたね。他は誰が

競ったんでしょうか。教えて下さい。「マイ・タイム・・・」は「イクスペンシヴ」に間

違いありません。和訳してんのにね。タイプ打ってた時に、つい最近わたしが

出した原稿の「イクスピアリアンス」という表記を「エクスペリエンス」に直された事が頭の

中にありまして、こうなったのでしょう。状況、憶えています。以上、失礼

いたしました。また、ご指摘願います。あ、「ピンバン」の抑揚は「源泉徴収」

の「ゲンセン」と同じね。大物音楽家集団「ティンパン」とは異なります。ご注意。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所にあります。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/cc9ea89a800e2a8a2c7cc748985ca91b19fb4cf1

ダウンロードパスワード h6zwmttc

さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/ 「幻」モーニン・ブルーズ、まだまだ続きますですよ。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

s-151121

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/11/14

mb151114

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

首都圏で8人の熱烈聴取者の中にはカントリ—系への反応が鋭く手強い人がいまし

て、先週の「デューエリング・バンジョーズ」のオリジナル・ヒットのヴァ—ジョンを映像付でコメ

ントしてくれました。それがとても楽しめました。この映画も観たくなったな。

しかもそのツワモノ様はそのサウンドトラックがどこで手に入るかも教えてくれまし

た。その情報に従い手に入れたのが、これです。

エリック・ワイズバーグとスティーヴ・マンデルで

「デューエリング・バンジョーズ」。

 

M01.Dueling Banjos(3’16”)Eric Weiseberg & Steve Mandell

-trd.arr.by E.Weisberg

N  映画「脱出」から挿入曲「デューエリング・バンジョーズ」、エリック・ワイズバーグとスティ

ーヴ・マンデルでした。このサウンドトラック盤には二人のデューオの形で18曲が収められ

ています。すべて「トラディショナル」と表記されていますが、ギタ—やバンジョ—弾き

の運指練習、あるいは手すさびのような、単純なモチーフのシ—クエンスの延長です。

こういうのを高速化、複雑かして行く事で驚愕のブルー・グラスが確立して行っ

たんでしょう。

みんな短くて殆ど1分、2分台のものばかり。18曲でも35分ちょっと。

聞き様によっては全部が「フォーギー・マウンテン・ブレイクダウン」です。

ではそんな1曲、「フェアウエル・ブルーズ」。

 

M02.Farewell Blues(2’00”)Eric Weiseberg & Steve Mandell

-trd.arr.by E.Weisberg

 

M03.One Blue Truth(4’20”)Bela Fleck

-B.Fleck-  Rounder 11661-9142-2

 

N  エリック・ワイズバーグとスティーヴ・マンデルで「フェアウエル・ブルーズ」、曲調からすると、

これは「さよならのブルーズ」ではなくて「ブルーズよ、さらば」ではないでし

ょうか。

さてすっかり早朝バンジョー教室になってしまった幻モーニン・ブルーズ、今の時代

でこの楽器と言えば、この人、ベラ・フレックでしょう。その驚異的な演奏技術は

恐ろしいという表現領域です。今お聞きいただいたのは、ジャズピアノのマーカス・

ロバーツとのステューディオ・セッション『アクロス・ザ・イマジナリー・ディヴァイドゥ』から「ワン・ブ

ルー・トゥルース」でした。これ作者がベラになってますが、ほかのヴァ—ジョンで聞い

たことあるなあ。誰でしたっけ。ベイスの音がとてもいいですね。ベラも音色、

フレイジングに細心の注意を払っているようで、ピアノ・トリオの清楚なアンサムブルがし

っかりと保たれています。美しい。先ほどの「バンジョ—決闘」での音色との

違い、お感じになられましたでしょうか。ジャケット裏とかイナー・スリーヴにあるベラ

の写真が、いわゆるバンジョー奏者のイメヂとかけ離れていて、それもタエです。

さて、バンジョ—通の方の上げてくれた映像終了後、次の画面に現れたのは、

グレン・キャムベルが同じ「デューエリング・バンジョーズ」を演奏するシークエンスでした。グレ

ンはわたしの好きな歌い手でもありますが、割とC調という印象強いのが正直

なところです。ただし、もともはギター奏者でしたから、腕前は確かです。そ

んな興味もあって、つい続けて観てしまいました。

それはもう上手でした。それも若年バンジョー奏者を立てながらヨユ—でやって

る感じでした。流石です。

ではそのグレン・キャムベルの歌う

「リーズン・トゥ・ビリーヴ」をどうぞ。間奏のギターは本人です。

 

M04.Reason To Believe(2’34”)Glen Campbell

-T.Hardin-  Capital 243 8 21834 26

 

N  「リーズン・トゥ・ビリーヴ」、グレン・キャムベルでした。彼は歌う時はこのように自分

で弾くのを基本としていたようです。

今の歌はシンガー・ソングライター、ティム・ハーディンのオリジナル。

涙にくれている目の前で、あんたはわたしを笑い飛ばした

何故なんだ、今もその訳を探している

と迫るティムのヴァ—ジョンはとても切実です。わたしの持っているアルバムのジャケッ

トは不細工な彼の顔写真なので、余計に説得力あります。ジーンと来ますね。

同じ思いをロックンロ—ルで叫べば、ビ—トルズの「アイム・ダウン」になるのでしょうが、

この「リーズン・トゥ・ビリーヴ」は沢山の人にカヴァされている名曲。わたしはロッド・

ステュアートのも好きです。グレン・キャムベルは如何でしたでしょうか。

カヴァと言えば、先週のイズの「スタ—ティング・オ—ル・オ—ヴァ・アゲイン」、良かったで

しょ。わたしの記憶からも削除されていたトラックだったので、あれ以降は何度

も何度も聞いています。それで今週も、というと「またか」になってしまう

ので、皆さまには先週号の特別付録で確認して頂いて、今朝はその時も話し

たマイアミの大姉御、グウェン・マクレアのヴァ—ジョンで聞いてもらいましょう。1978年

の録音です。

「スタ—ティング・オ—ル・オ—ヴァ・アゲイン」。

 

M05.Starting All Over Again(3’51”)Gwen McCrae

-P.Mitchell-  Sequel Records NEX CD 189

 

N  「スタ—ティング・オ—ル・オ—ヴァ・アゲイン」、グウェン・マクレア。75年から79年までの編

集ベスト盤からお届けしました。この時代の彼女は、ブロウ・フライという別名で18

禁専門歌手をやっていたクラレンス・リードの書いた、性愛色の濃い楽曲を歌わされ

ていた感じですが、なかなかどうして、おしなべていい仕上がりです。昔は

そんな風に感じなかったけどなあ。グウェン・マクレアでした。

さて、現在この幻への皆さまの反応は、間借り先にある「コメント」欄そしてなぜか継続している「幻」のまぼろし「http://blues761.webcrow.jp/1026.htm」

のツイターで確認しているわたしです。

いつもありがとうございます。先週の「ムジ火の鳥」さんのお言葉には「上

から目線で申し訳ありません」とありましたが、とんでもない。そのまま、

そのまま。大いにご指摘下さい。

低次不祥事に揺れる某在京悪徳球団は、組織構造も歪んでおりまして、一

度は退任した元オ—ナ—の暴言が未だに最大の影響力を持っています。これは民

主主義の考え方からも大いに遺憾です。元左翼という本人の経歴が泣くとい

うものです。あ、ヒダリの方が独裁的になり易いのも事実ですから「俺は最後

の独裁者だ」、という暴言のひとつは間違ってないかもね。ただ「最後」と云

うほど大物じゃないけどな。

それはともかく、較べましてヒステリー系精神マゾヒストの集まりである在阪B級球

団は、一番発言力が強く偉いのが熱狂的支持者、つまりファンなのです。これは

娯楽産業たる職業野球団のあるべき姿なのです。正しい組織構造が成績に繋

がるかどうかは別ですが。

それと同じようにこの番組も「みなさまのNHK」、いや「全国8万人の皆

様の支えるマボロシ」であります。ご心配なく。

そう言えば先週の書き込みに「元祖 嘘です、違います」という方がいらっ

しゃいましたね。確かにそうだ、「嘘です、違います」には、先代がいた。

脱帽。

さてそれぞれのご意見欄に、先週だったかな、謎の書き込みがありました。

今朝も既に登場している大御所さまからです。何気なく「しのぶれど色に

いでにけり・・・」とありました。

ご存知、拾遺和歌集に収められている平兼盛の名歌ですね。百人一首に

も入っています。

わたしはどちらかというと俳句よりも和歌が好きで百人一首には親しんで

いた方です。それでこの歌にはすぐ反応しました。ご投稿のその先を追っか

けてないので、どういう背景だったかは未だに謎のままですが、いつもの貧

弱な連想で浮かび上がったのが、この一曲でした。

しのぶれど色に出にけりわが恋は ものや思うと人の問ふまで

 

M06.Secret Love(3’34”)Freddy Fender

-S,Fain, P.F.Webster- Back Porch 74438-11720-2-5

 

N  「秘かなる恋心」、フレディ・フェンダーでした。後半スパニッシュで歌っているのがい

い。これと「涙のしずく」は部分的にスペイン語を入れると、カッコいいですね。

それはさておき、この「シークレット・ラヴ」はフレディのオハコ中のオハコでして、彼は

どのアルバムにも必ず入れてます。

誰にも言えぬ胸の内に秘めざるを得ない恋心・・・先ほどの兼盛の一首に

遠く繋がる一曲でしょう、と半ばコジ付けさせて貰います。

歌の中にある、

多くの夢見る人たちと同じように

わたしは夜空の星に語りかけた

とか

丘の上にからこの想いを叫びたい

聞いていてくれるのが金色の水仙だけだとしても

なんてとこにグッと来るのですよ。

これがハマクラ作、裕次郎歌の「夜霧のしのび逢い」などとなると、訳あり関

係が見え見えで、ちょっと情景が変わって来ます。そちらはそれで大変よろ

しいのですけれども。

以上、「しのぶれど色に出にけり」からの勝手な感傷的鑑賞から、フレディ・

フェンダーのオハコで、「シークレット・ラヴ」でした。

さて和歌からのインスピレイションというと「イフ・アイ・ディドゥント・ケア」が、わたし

の心に浮かび上がって来ます。

インク・スポッツのその曲には、どんな邦題がついていたと思いますか。

それは、「昔はものを」でした。

 

M07.If I Didn’t Care(3’05”)The Ink Spots

-Lawrence-  Disky  MP 791822

 

N  インク・スポッツ1939年のヒット「イフ・アイ・ディドゥント・ケア」、いつ聞いても素晴らし

いですね。テナーのビル・ケリーの声、節回し、バリトン・ヴォイスの語りがまたいい。

今も持ち続けている、某所から持ち出したままのLPの1曲目がこの「イフ・

アイ・ディドゥント・ケア」で、「昔はものを」という邦題がついています。

権中納言敦忠ですね

逢ひ見ての後の心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり

確か平安時代の通い婚の風習が背景にある、と教わったな。それよりも、

この歌に込められた教科書が燃えてしまうような熱い想いに、美しい十代の

ワトゥーシは感心していたのですよ、授業中に。

こんな勝手な感傷的鑑賞ばかりしていただけなので、古文の点数が格段に

良かった、という訳では決してありません。

「この一首を、自分の最近の体験をもとに、分り易く解釈せよ」なんて設

問が、中間考査で出るわけないですから。

それはともかく、インク・スポッツはこの「昔はものを」の大当たりで、ヴォーカル・

グループの筆頭に躍り出ます。今なら「ジャヴァ・ジャイヴ」の方が有名かもしれ

ませんが、「昔はものを」のイントロ進行パタンを使った曲を連発しまして、そちら

もヒットしました。先のベスト盤を聞いてると皆同じ始まり方なんです。チャック・ベ

リーのレコードを聞いてるみたいです。そしてそのイントロを有り難く頂いた曲もたく

さん登場しました。

これもきっとそのひとつでしょう。

「アイル・カム・ラニング・バック・トゥ・ユー」、サム・クックです。

 

M08.I’ll Come Running Back To You(2’15”)Sam Cooke

-S.Cooke-  ユニバーサル 0602498074466

 

M09.Dos Lunas(6’07”)Gaia Cuatro

-A.Kaneko-  abeat for Jazz AB JZ 054

 

N  キラク感傷詩集の最後は、サム・クックの「アイルカム・ラニング・バック・トゥ・ユー」でした。

続いてお届けしましたのは以前にもお聞きいただいたガイヤ・クヮトゥロ−の「ドス・

ルナス」、これは「ふたつのお月さん」という意味でしょうか。先月までの冒頭

曲候補でしたが、期間中に行方不明になってしまい今回グレン・キャムベル捜索隊

に無事保護され、お聞きいただきました。ヤヒロトモヒロ率いるクヮトゥロ−は、只今欧

州巡業中です。

さて、次はどこの国の演奏集団でしょうか。

 

M10.Lady In White Satin(5’21”)Juan De La Cruz Band 

-unknown-   Shadonks Music 013

 

N  英語詞ですがどこか違う、イントロにはポール・マカートニの「恋する事のもどかしさ」

の露骨な盗用・・・、歌全体もそこからの発想が感じられます。これはフィリピ

ンのジュアン・デ・ラ・クル—ズ・バンドの「レイディ・イン・ホワイト・サテン」という一曲です。

この国では全く知られていないでしょうね、多分。夏に営業を停止してしま

ったレコ—ド店で流れていて気になり、入手しました。

フィリピンは元スペイン領、第二次大戦以前から沖縄と同じようにアメリカの重要な軍

事拠点でした。荒くれがストレスを発散する米軍基地内外の娯楽施設に、生演奏

は付き物です。彼らの要求に応える音楽を提供するのには、それなりの腕前

が必要。そういう場で鍛えられたフィリピン人たちは耳が良く、タフで、公用語が

英語という事もあり、優れた能力を備えていました。

彼らと日本との音楽的な関係は戦後のナイトクラブ、ディスコなどにハコで入った出

稼ぎバンド時代から深まって行きました。日本人同業者は「ピンバン」と言って

差別してましたけど、先に挙げた領域では敵わないことが多く、茅ヶ崎のパシ

フィックホテルに出ていたデ・スーナーズは後期グループ・サウンズ、日本のロック創成期に大き

な影響を与えているほどです。

そのフィリピンで1960年代の後半から活動していたロックバンドのパイオニアが、この

ジュアン・デ・ラ・クル—ズ・バンドです。この作品は1971年のもの。デビュ−LPに

なるのかな。年代を考えるとかなりのセンを行ってますね。当時の日本にはこ

こまで出来るグル—プはそんなにいなかったんじゃないでしょうか。パクリもあ

るけど、楽曲はオリヂナルだしね。何より本格的レコード制作の過程を経ています。

もとスペイン領というだけでも音楽的に豊かです。戦後はアメリカ多大な影響を受

けてました。もちろん地元に伝わる伝統音楽もあるし、南太平洋との関連も

多少はあるかも知れません。

ただ71年にこういうロックが出来ていたのは、メムバ—が上級役人、財閥系の子

弟などといった、かなり恵まれた環境あった、というからではないでしょう

か。ハコでトップ40だけ演ってたんじゃ、こういう音楽は生まれて来ない気もす

る。ちゃんと24チャンネル回してるしね。まあ、毎度お馴染みわたしの邪推です。

彼らが71年に発表したLPが、ドイツのレイベルを経由してCDになり、44年

経ってわたしの耳に入った、という事です。レコ—ド店頭で最初にわたしが聞い

たのはボ—ナス・トラックの実況録音の部分でした。こちらは現地言語で歌われてい

て、演奏もよりフィリピン的でした。それで興味が湧いたのも事実です。おそら

くは、英米人の耳に日本のロックもこんな違和感と共に響いているんでしょう。

ではその生々しいライヴ演奏です。

「バロン・マライム」。

 

M11.Balong Malaim(2’41”)Juan De La Cruz Band

-unknown-  Shadonks Music 013

 

M12.My Time Is Experience(2’49”)Clarence Gatemouth Brown

-D.Roby-  MCA MVCM-305

 

N  フィリピンからテキサスはヒュ—ストンにひとっ飛び。軍事基地があった頃はこんな軍用機

ルートもあったに違いありません。そこから1947年の録音でクラーレンス・ゲイトマウス・

ブラウンの「俺の時給は高いぞ」でした。

実は、るいじあなさんから、「ジョニー・ウインター以外の、ギブスン・ファイア・バード

遣い手」というリクエストをもらっていましてね・・・ここからまた始まります。

今朝は話が長いね。

先々週のライヴ・マヂックに出たティンパンの鈴木茂、彼がファイアバード遣いでして、

この日も型の異なる2台を持ち込んでいました。わたしが43年前に初めて観

たはっぴいえんどの時も確か同じモデルだったから、相当気に入ってるんです

ね。ただ、この晩はアイヴォリーのストラトキャスターを弾いていた時の方が多かったよう

です。

ファイア・バードはブライアン・ジョーンズも使っていましたね。彼はヴォックスの琵琶形

とか変わったギターが好きだったようです。

他にいろいろ考えまして思い当たったのが、今のクラーレンス・ゲイトマウス・ブラウン。

逆ゾリじゃないなで肩モデルを持っている写真を憶えています。初めて日本に来

た時もその型でした。飾りの付いたカントリー・シャツにテンガロン・ハット、カウボーイ・ブーツ

という、およそブルーズ・マンらしくない出で立ちに、あの深い青緑の、いや焦

げ茶かな、とにかくファイア・バードで、ミョウな調和がありした。

それをとても器用に使っていたのを憶えています。MCではギターと会話を

したりしてね。トーキング・モジュレイターもワウ・ペダルも使わずに、左手のハンマリングと

右手のヴォリウム・コントロールで、喋らせるんですよ。腹話術みたいなもんです。上

手かったですよ。ファイア・バードの言語はテキサス訛りの英語でした。

ただし、今の「俺の時給は高いぞ」は、同器ではないですね。こちらの録

音は49年です。ファイア・バード登場は63年ですから。ゲイトマウスのギターには面白

い話がありまして、ピーコック・レコードの親分、悪名高き搾取男ドン・ロビーは、あ

る晩クラブでゲイトマウスを観て気に入り、翌日ギブスンL-5を買い与えたそうです。

ウエス・モンゴメリーも使っていた高級器ですね。今の曲もセミアコ的な音色ですから、

買ってもらったL-5かな。一方、当時のピーコック・レコードの公式アーティスト写真では、

テレキャスターを持って写っています。「オーキー・ドーキー・ストムプ」は、テレキャスター的な音で

した。ラウンダーから出てたアルバム持ってる筈なんだけど、見つからない。

余談ですが、その写真を見ると異様に手が大きく指が長いですね。ギターはこ

ういう体で弾く楽器なんだ、と思い知らされます。

話を元に戻すと、今のところは以上でして「ジョニー以外のファイア・バード遣い」

のリクエストには、お答え出来ていません。しばしお待ちを。

さて、何気なくお届けしたケイク、山奥から反応がありました。意外です。そ

れでそちらのご要望にも、お答えすべく探し出たのは『安楽鷲』という、先

週の『プロロンギング・ザ・マヂック』に極めて酷似したジャケット・ディザインのアルバムで

す。これは2001年の発表。愛想の無い、やる気のないような、断片的にジョ

ン・レノンを連想させるヴォーカルは相変わらずですが、リズムが逞しくなってます。

かなり面白く聞きました。

では山奥栗鼠保護保存会を代表してお送りしましょう。

ケイクで「ラヴ・ユー・マドリー」。

 

M13.Love You Madly(3’57”)Cake

-J.McCrea-  Columbia  CK 62132

 

M14.アイ・ビリーヴド・ユー・ソー(4’22”) ロス・ロボス

-Rosaz-  ビクター  VICP 65343

 

N  ケイクの「ラヴ・ユー・マドリー」に続いて、先週もお届けしたロス・ロボスの新譜から

「アイ・ビリーヴド・ユー・ソー」でした。こういうブルーズが自然に出来ちゃうのが

シャラクサイですね、このバンドは。ロスエインジェルズに出て来た当初は、仕事をするに

もリパトワ不足で、とりあえずブルーズ・ナムバーを並べて凌いだ、という話を聞い

た事があります。本当のようです。

先週は彼らの事を「ザ・バンド・フロム・イーストL.A.」と紹介しましたが、正確

には「ジャスト・アナザ−・バンド・フロム・イーストL.A.」、でしたね。失礼しました。

では同じ名前の編集アルバムから1987年、ハリウッドでの実況録音です。

「ヴォルヴァ、ヴォルヴァ」

 

M15.Volver, Volver(3’47”)Los Lobos

-D.Hidalgo, L.Perez-  Slash 9  45367-2

 

N  「ヴォルヴァ、ヴォルヴァ」、1987年のロス・ロボスでした。お客さんの殆どはメキシコ

系でしょうか。音楽的な根っこを共有できるというのは有り難い事です。わ

たしたちにそう種の物は、あるのでしょうか。

さて皆さん既にご存知のように、ニューオーリンズの巨星、アラン・トゥーセイントが11月

10日77歳で亡くなりました。先週身辺で不幸が重なりまして少々慌ただ

しかったわたしは、トドメを刺された感じです。

彼の偉大なる功績を短時間ではお伝えきれませんので、今朝は初期の代表

的楽曲を連続して聞いて追悼といたしましょう。謹んでご冥福をお祈りいた

します。合掌、礼拝。

 

M16.Over You(2’18”)Aaron Neville

-A.Toussaint-  Curb D2-77303

 

M17.Working In A Coal Mine(2’53”)Lee Dorsey

-A.Toussaint-   Charly CDCHARLY 14

 

M18.Mother-In-Law(2’37”)Earnie K-Doe

-A.Toussaint-  Charly CDCHARLY 99

 

N  ショパンの「葬送行進曲」で始まったエアロン・ネヴィルのあの声の「オ−ヴァ・ユー」、

リー・ドージーで「炭坑労働」、そしてアーニー・ケイドゥウで「義母」、いづれも故アラン・

トゥーセイントの代表曲をお送りしました。御直り下さい。

1950年代後半からニュー・オーリンズの裏で表で活躍していたアラン・トゥーセイント、ど

の作品にも乾いた明るさが共通して感じられます。主題は楽天的なものばか

りではないのですけれども、土地柄、歌い手の個性、そして彼の企画制作演

出で、こういう風に仕上がるんですね。表方としての作品といえば、あの不

気味な効果による「サザーン・ナイト」がすぐに挙げられるでしょう。今朝はおそ

らくどこでも紹介される事のない録音をどうぞ、名盤『リズム、カントリー・アンド・

ブルーズ』に収められているヴァ—ジョンで聞いて下さい。チェット・アトキンズと一緒で

す。

「サザーン・ナイト」。いま一度の合掌、礼拝。

 

M19.Southern night(4’44”)Chet Atkins & Allen Toussaint

-A.Toussaint-  MCA  MCAD -10965

 

M20.Southern night(2’58”) Glen Campbell

-A.Toussaint-  Capital 243 8 21834 26

 

M21.森を歩こう(2’54”)ホルスト・ヤンコフスキー

-H.Jankowski-  ビクタ— WF-5015

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N   御直り下さい。チェット・アトキンズとアラン・トゥーセイントに続いては、グレン・キャムベルの

同じ曲でした。さっき使ったばかりの2枚組ベストに入っているのを思い出し

て、急遽追加。1977年の発表です。グレンの絵に描いたような、録音したよう

な健全さがスピーカー一杯に露出されています。バンジョー使われていましたね。

ラベルの「レイディ・ママレイド」のヒットの後かな、彼自身が音楽界の表層に浮上し

て来まして、ポール・マカートニのアルバム制作を請け負ったのもこの頃です。わたし

も、このグレン・キャムベルで「これがアラン・トゥーセイントの作った歌か」、と聞いた憶え

があります。もちろんその前から彼の関わった沢山の作品には意識せずに親

しんでいたのでしたが。

改めて皆さん、一緒に冥福を祈って下さい。ラベル、聞きたくなったなあ。

最後は「森を歩こう」、ホルスト・ヤンコフスキーでした。イ—ジ—・リスニングで仕上げられ

たこのヴァージョンとは別の、アドリブも盛り込んだ録音が彼にはあります。それ

を取り出したら、なんと盤が入っていませんでした。只今夜の大捜索線で、

行方を追っております。その代わりに、こちらでお楽しみいただきました。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所にあります。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/0c9322cd7e91b590f1289f70599a09d8f72f0426

ダウンロードパスワード cx40q0nc 今朝は早く上げられた。これじゃなきゃ。

さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/ 「幻」モーニン・ブルーズ、まだまだ続きますですよ。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

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