カテゴリー : Mornin’ Blues by IsaoWashizu

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/11/21

mb151121

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

この番組は「モーニン・ブルーズ」。今朝はその名前に相応しくまいりましょう。

クラーレンス・門歯・ブラウンで「ロック・マイ・ブルーズ・アウェイ」。

 

M01.ロック・マイ・ブルーズ・アウェイ(3’14!)クラレンス・ゲイトマウス・ブラウン

-E.T.Curtis- ユニバーサル  UICY-77504

 

N  先週はギブスンL-5でしたが、今朝はちゃんと「火の鳥」を弾くゲイトマウスです。

新宿へ出た時に探したらありましたよ、ジャケットもそのファイアバード・ギタ—の写真。

アルバム『アメリカン・ミュ—ジック・テキサス・スタイル』です。「火の鳥」のモデルはわたしの記

憶とは違って、両ナデ肩ではなく、片側逆ゾリ型でした。ピック・ガードの上に彫

り物入りの皮を被せていますね。モロなカントリ—仕様です。たぶんゲイトマウスはこれ1

本しかギタ—持ってないんじゃないかな。ブル—ズ・マンはそんなもんです。マジック・

サムはあの超絶ライブの時、人から借りた楽器だった筈です。それも突発時で壊

れたからじゃなく、そもそも現場に持って来なかったといいます。

春の大好評ジャクスン・ブラウン公演の時ね、ジャクスンが1曲ごとにギターを持ち替え

るんですよ。チュ—ニングとかの違いがあるんだろうけど、その度にボ—ヤとは呼べ

ない年輩ローディーが出て来るワケ。煩わしくてね、わたしは。だいぶ苛つきまし

た。ファンの方々は全く気にならないようでしたが。一本で出来ないのかねえ。

それはともかく、この『アメリカン・ミュ—ジック・テキサス・スタイル』は、1999年の発表。

ビッグバンドを従えたゲイトマウスのクールな演奏が楽しめます。今の「ロック・マイ・ブルー

ズ・アウェイ」では、間奏後半のフィドルももちろん彼自身。ヴォ—カルで絡んでいたの

はケイ・ドリアンという女性だそうです。

同アルバムから、もう一曲これも以前に吹き込んでいるナムバーです。

タイトルもそのまんま、「ギタ—・イン・マイ・ハンド」。

 

M02.ギター・イン・マイ・ハンド(5’13”)クラレンス・ゲイトマウス・ブラウン

-C.G.Brown- ユニバーサル  UICY-77504

 

N  「ギタ—・イン・マイ・ハンド」でした。手の中にあるギタ—は火の鳥でしょうね。

1947年にアラジン・レコ—ドに吹き込んだのとは、歌詞で「駅」が「空港」に変わ

ったりしています。初回録音の時に手にしていた楽器は何だったのでしょう

か。聞いてみましょう。

「ギタ—・イン・マイ・ハンド」、クラ−レンス・ゲイトマウス・ブラウン。

 

M03.Guitar In My Hand(2’45”)

Clarence Gatemouth Brown wt.Maxwell Davis And His Orchestra

-C.G.Brown-  EMI E2 30883

 

M04.Okie Dokie Stomp(2’31”)Clarence Gatemouth Brown

-P.Dvis,-  Rounder CD 2039

 

N  「ギタ—・イン・マイ・ハンド」、そしてご存知「オーキー・ドーキー・ストムプ」でした。

これは、テレキャスタ—かな。1954年の録音です。ソリッド・ボディのエレキの先駆が市場

で受け始めた頃です。先週以来、当局で捜索中だったラウンダ—のゲイトマウス盤が、

夜の大走査線に引っ掛かって出て来ました。表はあのピーコックの公式写真、そ

して裏は何処かのクラブのスナップ写真です。その両方ともテレキャスですね。ゲイトマウス

は、既に皮のカヴァを被せてます。このスタイルはカントリーというかウェスターンの人たちが

好んで採り入れていました。ギタ—に傷をつけないように、というのがその理

由と聞きましたが、アクースティクの場合は響きに影響がないのかな。かまやつひろ

しがスパイダーズ時代の一時期に同じ仕様のを使ってましたね。テレビで観て、始

めは何だか分りませんでした。姉が「ギタ—が革ジャン着てる」と言ってたな。

L-5、テレキャスター、ファイアバ-ドと、3種類のギターでお楽しみ頂いたクラ−レンス・ゲイト

マウス・ブラウン、類似穴さん、よろしかったでしょうか。

さて早朝のブルーズを続けましょう。

 

M05. Please Call Daddy(5’19”)Mattie Phifer

-unkown  BSMF  2488-

 

N  静かな朝には相応しくない、かつ今時めずらしいヘヴィなブルーズ、「プリーズ・

コール・ダディ」でした。今の歌とハ—モニカはマティ・ファイファ−という女性なんです。恐

ろしいほど強烈なブロウですね。

来るクリスマス、12月25日にBSMFから『ブルーズ・ハープ・ヲーマン』という2枚

組が出ます。31人の女性ブルーズ・ハーモニカ奏者が世界中から集結した、それはそ

れは力強いアルバムです。その中でも最も重たいトラックでしょうか、これは。掲載

写真との照らし合わせが出来ていませんので本人の姿形は未確認です。想像

で楽しむ事にしましょう。ラジオですし。

では手強い女性をもう一人。カト・バローンで、

「何であんたはアタシに酷い事すんのよ」。

 

M06.Why You So Mean To Me(4’52”)Kat Baloun

-unkown  BSMF  2488-

 

N  カト・バローンで「ワイ・ユー・ソウ・ミーン・トゥ・ミー」でした。こちらもお強そうなレイデ

ィですね。もう長い間、音楽の分野では女性優位な状態が続いてます。あ、こ

いつは女の感覚だな、と思える男も多く、そう云う人ほどよくやってるよう

にも見えます。ただブルーズ・ハープを吹く女性がこんなに居るとは、考えても

みませんでした。みな本格的な演奏ばかりで、敢えて「女」と言う必要もな

い程ですが、やはりこの企画は「女」である事で成立した物でしょう。ノ—マン・

デイヴィスという男が「hermonicas.com」というサイトを開設して、これらの口琴

女達を探し出したそうです。「harmonica」ではなく「hermonica」ですよ。

しかもプロデュ—サ—が「ノ—マン」、あ蛇足。

これまでに出会ったかなあ、ブル—ズ・ハープ吹く女・・・、あ、ひとり居た

な、某ギタリストの相方で。今どうしてるんだろう。他にはすぐ浮かんでくる人

はいません。どなたかご存知でしょうか。

全体に、ここまでのような迫力ある吹きっぷりが主体ですが、次のような

爽やかなアンサムブルも聞けます。

ジェイン・ギルマンで「スタック・オン・ユウ」。

 

M07.Stuck On You(2’50”)Jane Gillman

-unkown  BSMF  2488-

 

N  冒頭の不要なノイズ、お許し下さい。「スタック・オン・ユウ」、ジェイン・ギルマンでした。

これ可愛いいですね。とても素敵。これを差別と取るなよ。

数年前、千葉の方に女子高生だけのブルーズ・バンドがあって、マディ・ヲーターズ

などをキャッキャ言いながら演奏してるという興味深い噂を耳にしましたが、その

後どうなったんだろう。もう大年増だろうなあ。今のジェイン・ギルマンは、たぶ

んふたり位で実演をするのかな。観たいですね。次のライヴ・マヂックにどうかな。

このアルバム『ブルーズを吹く女たち』は2枚組で31トラックス。たっぷりとお楽しみ

頂けます。発売日まで少々日数がありますが、期待してお待ち下さい。

ではそこから最後に、スライドも入ったビッグバンドのジャムプ・スタイルでどうぞ。

「ハウス・オヴ・ブルー・ライト」の居眠り運転楽団みたいですね。ヴォ—カル・ハ—モニ—が

素敵です。こういうのも女性ならではですね。これを差別と取るなよ。

「ロ—ドマスタ—」、ロクシー・ペリーです。

 

M08. Roadmaster(4’19”)Roxy Perry

-unkown  BSMF  2488-

 

N  番組名に相応しく進行中の「モーニン・ブルーズ」、続けて行きましょう。ここか

ら暫くは前世紀初頭のカントリ—・ブルーズが続きます。地味ですよ。

夏以降に紹介していた、キ—ス・リチャ—ズ、エリック・ビブ、デュ—ク・ロビラ—ドのアルバ

ムが、それぞれ古いカントリ—・ブル—ズからの閃きを受けていた事もあって、この、

どちらかと言えば、今まで深入りをして来なかった領域を、もう一度聴いて

みよう、と云う気になりました。既に手許にはかなりの枚数ありましたが、

今大きなレコ—ド店には、50曲2枚組千円シリーズでずらっと並んでいます。音も

決して悪くない。添付文字資料が少ないのはウェブサイトで照合すれば、立派なアン

ソロジーになります。興味があったらぜひお試し下さい。

この秋かなりの間ずっと聴いていましたら、これまでとは違った側面にも

気付きました。これは嬉しい事でしたね。そのひとつ、まずはレッド・ベリーの

この一曲をお聞き下さい。

「ボール・ウィーヴィル」

 

M09.TheBoll Weevil(2’57”)Lead Belly

-trd. arr.by L.Belly-  Now Not Music NOT 2CD261

 

N  「ボール・ウィーヴィル」、レッド・ベリーでした。1930年代の録音でしょうか。聞い

ていてお分かりの通り、ミシシッピ・ジミー・ロジャ-ズの「フランキー・アンド・ジョニー」と

ほぼ同じメロディなんですね。ジミーは33年に亡くなっていますが、レッド・ベリー

が「「フランキー・アンド・ジョニー」を聞いていた可能性は充分あります。といいます

か、その時代に南部で流行っていた原曲があるのではないでしょうか。ひと

つの歌が生まれ知られ廃れて行くのは、今よりも遥かにゆっくりとした時間

で進行したでしょうから、余計にそんな想像力を掻き立てられるのですよ。

また、貧しい層では黒人も白人も同じような音楽に親しんでいたんですね、

きっと。

レッド・ベリーは音楽の幅が相当に広く「カントリ—・ブル—ズ」という領域だけに留

めておくのは不可能です。カヴァが盛んに行われた「グナイト・アイリーン」も、ブル—

ズ形式ではありませんし、それ故に日本のフォーク界でもよく知られていたので

しょう。監獄で過ごした時間が長く、良き理解者がいたわりに順調でなかっ

た人生ですが、12弦ギター、アコーディオンなど沢山の楽器を演奏出来ましたから、

多重録音機能が発明されていたら、スティーヴィー・ワンダー以上の業績を上げたかも。

彼が如何に優れた音程感、リズム感を持っていたか、簡単に照明出来るアカペラ

があります。お聞き下さい。

「ブルー・テイル・フライ」。

 

M10.Blue Tail Fly(2’18”)Lead Belly

-trd. arr.by L.Belly-  Now Not Music NOT 2CD261

 

N  凄いでしょう、レッド・ベリーのアカペラ。他に無伴奏では刑務所内で憶えたよう

なワーク・ソングの録音がいくつか残っていまして、こちらもビリビリ来ます。

さて、次の歌もどことなく似ていませんか、あの有名な・・・。

 

M11.When The Boys Were Out On The Western Plains(2’56”)Lead Belly

-L.Belly-  Now Not Music NOT 2CD261

 

N  どうでしたか。何か閃いたかな。わたしにはビ—トルズの「彼氏になりたい」、

に聞こえて仕方ないんです。ポールの「ハニー・パイ」ね、あれもジミー・ロジャーズの

「マイ・ブルー・アイド・ジェイン」にクリソツですから、レッド・ベリ—も聞いてたのかな、

なんて発想をしました。ジョ—ジ・ハリスンは同時代のブラインド・ブレイクを好きだっ

たとも言うし、エリック・クラプトンはクリ—ム時代からこの種の音楽を普及させた貢献

者。ジャガ—・リチャーズと来ればロバート・ウィルキンス師の「放蕩息子」を盗んだり、ロバ

—ト・ジョンスンの「むなしき愛」をカヴァしたりして・・・、あ、これはライ・クーダー

に教えて貰ったんだな、とにかくイギリス人のカントリ—・ブル—ズ好きは特別です。

ボブ・ディランはビッグ・ジョー・ウイリアムズにくっついて旅回りをしてますし、自

身のスタイル形成にカントリ—・ブル—ズは不可欠でした。そういう知識を土台に聴いて

いるとあの有名な「アイ・シャル・ビ・リリースト」は、この歌と何らかの関係がある

のではないか、と思えて来るのです。

 

M12.I Shall Not Be Moved(3’01”)Charley Patton

-trd.arr.by C.Patton- Now Not Music NOT 2CD508

 

N  チャ—リ—・パットンの「アイ・シャル・ノット・ビ・ムーヴド」でした。これをボブ・ディラン

が聞いていたのは間違いないでしょう。それで無意識のうちにキイ・ワードが重

なったのでしょうか。これも南部で30年代にかなり流行った歌のようです。

少し年代の離れているサン・ハウスも吹き込んでいます。

 

M13.I Shall Not Be Moved(3’06”)Sun House

-trd.arr.by S.House-  Now Not Music NOT 2CD415

 

M14.最後の勝負も勝ち目なし(3’43”)ケブ・モ

-R.Johnson-  MHCP 2054

 

N  「アイ・シャル・ノット・ビ・ムーヴド」、サン・ハウス。続いてはロバ—ト・ジョンスンの「最後

の勝負も勝ち目なし」、マ—チン・スコーセシの映画短編集にあやかったジョンスンの作品

集に寄せたケブ・モの新録音でした。

さて、ここまで短い時間でしたが、カントリ—・ブルーズのこれまで紹介されにく

かった側面を、ほんの少しお届けしました。これらの楽曲からは、よく言わ

れるブル—ズの「暗さ」をわたしはあまり感じません。どちらかと言えばゴスペ

ルの方が恐ろしく暗い部分を持ってるようにも思えます。決して楽天的ではあ

りませんが、もっと力強い目で前を見ている音楽としてカントリ—・ブル—ズを再認

識出来たのは、自分にとっても大事な事でした。

 

M15.Cachito(2’50”)Nat “King” Cole

-C.Velazquez-  Capital CDP7 46469 2

 

N  ガラリと変わって、スパニッシュを歌うナット・キング・コールで「カチート」。実は今キング・コ

ールで探している1枚がありまして、その途中で見つけた『コール・エスパニョール第1

集』からです。スペイン語のヴァージョンを集めた、CD時代の編集物でしょう。ど

のトラックも素敵です。

キング・コ—ルは、ピアノ・トリオのジャイヴ時代がわたしは好きです。そしてポピュラー

歌手としての作品も決して悪くありません。普通この種の転生をすると全く

面白くなくなるのが常ですが、彼はどんな時も音楽と、それを聞いてくれる

人への真心を失わなかった。多くの人が憧れたのも分ります。

もう1曲どうぞ。

「マヂック・イズ・ザ・ムーンライト」

 

M16.Magic Is The Moonlight(2’36”)Nat “King” Cole

-M.Grever, C.Pasquale-  Capital CDP7 46469 2

 

N  ショッピング・センターではクリスマス・ソングがBGMです。今週は来年のカレンダーをもら

いました。早いですね、もう2015年が終って行きます。11月のモーニン・ブルーズ

もあと1回です。

そこで、タケミツの「ノ−ヴェムバ・ステップス」、後半をどうぞ。

 

M17.ノヴェンバ−・ステップス(3’41”)

小澤征爾(cond.) トロント交響楽団 鶴田錦史(biwa) 横山勝也(sych.) 高橋悠治(pf.)

-T.Takmitsu-   ソニ—  SUCC 30014

 

N  「ノ−ヴェムバ・ステップス」、新聞でこの曲に関して読みまして、題名しか知らな

かったなあ、とさっそく入手して聞きました。鬼気迫る力作、という印象で

すね。更には若き日のオザワの全体構成、邦楽器の演奏が恐ろしい程です。洋

楽器の絡みが吹っ飛んで行きます。これは即興の入り込む余地のない「作曲」

ですから、五線紙に書かれたのかなあ。スコアを見てみたい。邦楽器奏者の理解

が素晴らしい。

さて、わたしの11月と言いますと、どうしてもこの出来事が浮かびます。

 

M18.最後の絶叫(4’23”)三島由紀夫

 

N  この日、わたしの学校では創立記念行事があり、昼過ぎに家に帰りました。

近所の友人が自転車の空気入れを貸してくれと一緒に立ち寄り、そこで母親

からこの事件を伝えられた時の事を憶えています。当日夕刊の生首写真を始

めとして、非常な興奮を憶えた夜でした。この事件は同時体験という事もあ

り、鮮明な記憶でわたしの脳に刷り込まれているだけでなく、今の自分にも

関連する大きな出来事でした。

お聞きいただいた録音は、直後に飛びついて買った週間サンケイの増刊号「特

別付録」のフォノシートです。当時かなり繰り返して聴きましたね。

この演説の後、三島はバルコニ—から総監室に戻り「どうもよく聞こえなかっ

たようだ」と呟いたと言われています。そうです、彼は野外で演説をする際

の音響に対する認識がなかったのです。集まった多数の自衛隊員からの反論、

質問、罵声、そして駆けつける報道関係車両の雑音。銀巴里でシャンソンを歌えて

も、この場に於いて肉声では「激」は届かないのです。もし声が伝わってい

たら、多少の議論に発展したかも知れません。非常に残念です。

この種の言論活動には、音響装置が必要不可欠です。国会前の集会に接し

ていつもうんざりするのは、50年前と変わらないシュプレヒコールの無力さと、音響

の悪さです。少しづつ改善の度合いは見られるものの、まだまだです。一方

で昨今の右翼の街宣車の音響装置は遥かに高度で、かなりの水準に達してい

ます。この事件の反省からでしょうか。あまりハイファイですと切迫感がなくなり

ますが、主張を伝える音響の問題を、「ヒダリ」側の人たちも考えて欲しいな。

わたしの1970年11月の思い出をお話し致しました。今年、2015年11月

には、大きなテロが起きました。

そして、冬になって行きます。

 

M19.冬のリヴィエラ(4’30”)森 進一

-T.Matsumoto, E.Ohtaki- ビクター vicl60601/4

 

M20.Starting All Over Again(4’17”)Johmie Taylor

-P.Mitchell-  Stax 35CD-4432-2

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  ラヂオ深夜便の「冬のリヴィエラ」に反応していた人がいましたね。他局を聞いて

いるな。それはともかく、先々週だったかな、他局NHK-BSで森進一と前川

清の公開実演をやってました。ちゃんと生演奏で歌っててね、良かったです

よ。ずっと観てました。その時に二人でこの「リヴィエラ」を合わせたんです。

コメント欄から連想しました。感謝。

その次は、連続3回目となる「スタ—ティング・オ—ル・オ—ヴァ・アゲイン」。今朝はジョ

ニ—・テイラ—です。あんまりジョニ—に合ってる歌とは言えないけれど、やっぱり上

手いね。引き込まれました。流石。途中で時報の予告が入りました、失礼。

校閲奉行いじわるミーさま、2点ご指摘の通りでございます。全く気づきませ

んでした。「夜霧のしのび逢い」は、クロード・チアリですね。映画があったのか。

ルリ子が出てたんですね。裕次郎のはハマクラの個人的体験を元にしているという

説がある「夜霧よ今夜もありがとう」、間違いありません。日「活劇」映画は

同時代的に全く観ていませんで、だいぶ遅れて深夜のテレビなどで接した未熟

若輩者です。確かに「カッコイイ」ですね。ワタリ、いいですか。「東京流れ者」の主

題歌は竹越ひろ子でしたか。違うかな。あれは確か競作でしたね。他は誰が

競ったんでしょうか。教えて下さい。「マイ・タイム・・・」は「イクスペンシヴ」に間

違いありません。和訳してんのにね。タイプ打ってた時に、つい最近わたしが

出した原稿の「イクスピアリアンス」という表記を「エクスペリエンス」に直された事が頭の

中にありまして、こうなったのでしょう。状況、憶えています。以上、失礼

いたしました。また、ご指摘願います。あ、「ピンバン」の抑揚は「源泉徴収」

の「ゲンセン」と同じね。大物音楽家集団「ティンパン」とは異なります。ご注意。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所にあります。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/cc9ea89a800e2a8a2c7cc748985ca91b19fb4cf1

ダウンロードパスワード h6zwmttc

さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/ 「幻」モーニン・ブルーズ、まだまだ続きますですよ。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

s-151121

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/11/14

mb151114

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

首都圏で8人の熱烈聴取者の中にはカントリ—系への反応が鋭く手強い人がいまし

て、先週の「デューエリング・バンジョーズ」のオリジナル・ヒットのヴァ—ジョンを映像付でコメ

ントしてくれました。それがとても楽しめました。この映画も観たくなったな。

しかもそのツワモノ様はそのサウンドトラックがどこで手に入るかも教えてくれまし

た。その情報に従い手に入れたのが、これです。

エリック・ワイズバーグとスティーヴ・マンデルで

「デューエリング・バンジョーズ」。

 

M01.Dueling Banjos(3’16”)Eric Weiseberg & Steve Mandell

-trd.arr.by E.Weisberg

N  映画「脱出」から挿入曲「デューエリング・バンジョーズ」、エリック・ワイズバーグとスティ

ーヴ・マンデルでした。このサウンドトラック盤には二人のデューオの形で18曲が収められ

ています。すべて「トラディショナル」と表記されていますが、ギタ—やバンジョ—弾き

の運指練習、あるいは手すさびのような、単純なモチーフのシ—クエンスの延長です。

こういうのを高速化、複雑かして行く事で驚愕のブルー・グラスが確立して行っ

たんでしょう。

みんな短くて殆ど1分、2分台のものばかり。18曲でも35分ちょっと。

聞き様によっては全部が「フォーギー・マウンテン・ブレイクダウン」です。

ではそんな1曲、「フェアウエル・ブルーズ」。

 

M02.Farewell Blues(2’00”)Eric Weiseberg & Steve Mandell

-trd.arr.by E.Weisberg

 

M03.One Blue Truth(4’20”)Bela Fleck

-B.Fleck-  Rounder 11661-9142-2

 

N  エリック・ワイズバーグとスティーヴ・マンデルで「フェアウエル・ブルーズ」、曲調からすると、

これは「さよならのブルーズ」ではなくて「ブルーズよ、さらば」ではないでし

ょうか。

さてすっかり早朝バンジョー教室になってしまった幻モーニン・ブルーズ、今の時代

でこの楽器と言えば、この人、ベラ・フレックでしょう。その驚異的な演奏技術は

恐ろしいという表現領域です。今お聞きいただいたのは、ジャズピアノのマーカス・

ロバーツとのステューディオ・セッション『アクロス・ザ・イマジナリー・ディヴァイドゥ』から「ワン・ブ

ルー・トゥルース」でした。これ作者がベラになってますが、ほかのヴァ—ジョンで聞い

たことあるなあ。誰でしたっけ。ベイスの音がとてもいいですね。ベラも音色、

フレイジングに細心の注意を払っているようで、ピアノ・トリオの清楚なアンサムブルがし

っかりと保たれています。美しい。先ほどの「バンジョ—決闘」での音色との

違い、お感じになられましたでしょうか。ジャケット裏とかイナー・スリーヴにあるベラ

の写真が、いわゆるバンジョー奏者のイメヂとかけ離れていて、それもタエです。

さて、バンジョ—通の方の上げてくれた映像終了後、次の画面に現れたのは、

グレン・キャムベルが同じ「デューエリング・バンジョーズ」を演奏するシークエンスでした。グレ

ンはわたしの好きな歌い手でもありますが、割とC調という印象強いのが正直

なところです。ただし、もともはギター奏者でしたから、腕前は確かです。そ

んな興味もあって、つい続けて観てしまいました。

それはもう上手でした。それも若年バンジョー奏者を立てながらヨユ—でやって

る感じでした。流石です。

ではそのグレン・キャムベルの歌う

「リーズン・トゥ・ビリーヴ」をどうぞ。間奏のギターは本人です。

 

M04.Reason To Believe(2’34”)Glen Campbell

-T.Hardin-  Capital 243 8 21834 26

 

N  「リーズン・トゥ・ビリーヴ」、グレン・キャムベルでした。彼は歌う時はこのように自分

で弾くのを基本としていたようです。

今の歌はシンガー・ソングライター、ティム・ハーディンのオリジナル。

涙にくれている目の前で、あんたはわたしを笑い飛ばした

何故なんだ、今もその訳を探している

と迫るティムのヴァ—ジョンはとても切実です。わたしの持っているアルバムのジャケッ

トは不細工な彼の顔写真なので、余計に説得力あります。ジーンと来ますね。

同じ思いをロックンロ—ルで叫べば、ビ—トルズの「アイム・ダウン」になるのでしょうが、

この「リーズン・トゥ・ビリーヴ」は沢山の人にカヴァされている名曲。わたしはロッド・

ステュアートのも好きです。グレン・キャムベルは如何でしたでしょうか。

カヴァと言えば、先週のイズの「スタ—ティング・オ—ル・オ—ヴァ・アゲイン」、良かったで

しょ。わたしの記憶からも削除されていたトラックだったので、あれ以降は何度

も何度も聞いています。それで今週も、というと「またか」になってしまう

ので、皆さまには先週号の特別付録で確認して頂いて、今朝はその時も話し

たマイアミの大姉御、グウェン・マクレアのヴァ—ジョンで聞いてもらいましょう。1978年

の録音です。

「スタ—ティング・オ—ル・オ—ヴァ・アゲイン」。

 

M05.Starting All Over Again(3’51”)Gwen McCrae

-P.Mitchell-  Sequel Records NEX CD 189

 

N  「スタ—ティング・オ—ル・オ—ヴァ・アゲイン」、グウェン・マクレア。75年から79年までの編

集ベスト盤からお届けしました。この時代の彼女は、ブロウ・フライという別名で18

禁専門歌手をやっていたクラレンス・リードの書いた、性愛色の濃い楽曲を歌わされ

ていた感じですが、なかなかどうして、おしなべていい仕上がりです。昔は

そんな風に感じなかったけどなあ。グウェン・マクレアでした。

さて、現在この幻への皆さまの反応は、間借り先にある「コメント」欄そしてなぜか継続している「幻」のまぼろし「http://blues761.webcrow.jp/1026.htm」

のツイターで確認しているわたしです。

いつもありがとうございます。先週の「ムジ火の鳥」さんのお言葉には「上

から目線で申し訳ありません」とありましたが、とんでもない。そのまま、

そのまま。大いにご指摘下さい。

低次不祥事に揺れる某在京悪徳球団は、組織構造も歪んでおりまして、一

度は退任した元オ—ナ—の暴言が未だに最大の影響力を持っています。これは民

主主義の考え方からも大いに遺憾です。元左翼という本人の経歴が泣くとい

うものです。あ、ヒダリの方が独裁的になり易いのも事実ですから「俺は最後

の独裁者だ」、という暴言のひとつは間違ってないかもね。ただ「最後」と云

うほど大物じゃないけどな。

それはともかく、較べましてヒステリー系精神マゾヒストの集まりである在阪B級球

団は、一番発言力が強く偉いのが熱狂的支持者、つまりファンなのです。これは

娯楽産業たる職業野球団のあるべき姿なのです。正しい組織構造が成績に繋

がるかどうかは別ですが。

それと同じようにこの番組も「みなさまのNHK」、いや「全国8万人の皆

様の支えるマボロシ」であります。ご心配なく。

そう言えば先週の書き込みに「元祖 嘘です、違います」という方がいらっ

しゃいましたね。確かにそうだ、「嘘です、違います」には、先代がいた。

脱帽。

さてそれぞれのご意見欄に、先週だったかな、謎の書き込みがありました。

今朝も既に登場している大御所さまからです。何気なく「しのぶれど色に

いでにけり・・・」とありました。

ご存知、拾遺和歌集に収められている平兼盛の名歌ですね。百人一首に

も入っています。

わたしはどちらかというと俳句よりも和歌が好きで百人一首には親しんで

いた方です。それでこの歌にはすぐ反応しました。ご投稿のその先を追っか

けてないので、どういう背景だったかは未だに謎のままですが、いつもの貧

弱な連想で浮かび上がったのが、この一曲でした。

しのぶれど色に出にけりわが恋は ものや思うと人の問ふまで

 

M06.Secret Love(3’34”)Freddy Fender

-S,Fain, P.F.Webster- Back Porch 74438-11720-2-5

 

N  「秘かなる恋心」、フレディ・フェンダーでした。後半スパニッシュで歌っているのがい

い。これと「涙のしずく」は部分的にスペイン語を入れると、カッコいいですね。

それはさておき、この「シークレット・ラヴ」はフレディのオハコ中のオハコでして、彼は

どのアルバムにも必ず入れてます。

誰にも言えぬ胸の内に秘めざるを得ない恋心・・・先ほどの兼盛の一首に

遠く繋がる一曲でしょう、と半ばコジ付けさせて貰います。

歌の中にある、

多くの夢見る人たちと同じように

わたしは夜空の星に語りかけた

とか

丘の上にからこの想いを叫びたい

聞いていてくれるのが金色の水仙だけだとしても

なんてとこにグッと来るのですよ。

これがハマクラ作、裕次郎歌の「夜霧のしのび逢い」などとなると、訳あり関

係が見え見えで、ちょっと情景が変わって来ます。そちらはそれで大変よろ

しいのですけれども。

以上、「しのぶれど色に出にけり」からの勝手な感傷的鑑賞から、フレディ・

フェンダーのオハコで、「シークレット・ラヴ」でした。

さて和歌からのインスピレイションというと「イフ・アイ・ディドゥント・ケア」が、わたし

の心に浮かび上がって来ます。

インク・スポッツのその曲には、どんな邦題がついていたと思いますか。

それは、「昔はものを」でした。

 

M07.If I Didn’t Care(3’05”)The Ink Spots

-Lawrence-  Disky  MP 791822

 

N  インク・スポッツ1939年のヒット「イフ・アイ・ディドゥント・ケア」、いつ聞いても素晴らし

いですね。テナーのビル・ケリーの声、節回し、バリトン・ヴォイスの語りがまたいい。

今も持ち続けている、某所から持ち出したままのLPの1曲目がこの「イフ・

アイ・ディドゥント・ケア」で、「昔はものを」という邦題がついています。

権中納言敦忠ですね

逢ひ見ての後の心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり

確か平安時代の通い婚の風習が背景にある、と教わったな。それよりも、

この歌に込められた教科書が燃えてしまうような熱い想いに、美しい十代の

ワトゥーシは感心していたのですよ、授業中に。

こんな勝手な感傷的鑑賞ばかりしていただけなので、古文の点数が格段に

良かった、という訳では決してありません。

「この一首を、自分の最近の体験をもとに、分り易く解釈せよ」なんて設

問が、中間考査で出るわけないですから。

それはともかく、インク・スポッツはこの「昔はものを」の大当たりで、ヴォーカル・

グループの筆頭に躍り出ます。今なら「ジャヴァ・ジャイヴ」の方が有名かもしれ

ませんが、「昔はものを」のイントロ進行パタンを使った曲を連発しまして、そちら

もヒットしました。先のベスト盤を聞いてると皆同じ始まり方なんです。チャック・ベ

リーのレコードを聞いてるみたいです。そしてそのイントロを有り難く頂いた曲もたく

さん登場しました。

これもきっとそのひとつでしょう。

「アイル・カム・ラニング・バック・トゥ・ユー」、サム・クックです。

 

M08.I’ll Come Running Back To You(2’15”)Sam Cooke

-S.Cooke-  ユニバーサル 0602498074466

 

M09.Dos Lunas(6’07”)Gaia Cuatro

-A.Kaneko-  abeat for Jazz AB JZ 054

 

N  キラク感傷詩集の最後は、サム・クックの「アイルカム・ラニング・バック・トゥ・ユー」でした。

続いてお届けしましたのは以前にもお聞きいただいたガイヤ・クヮトゥロ−の「ドス・

ルナス」、これは「ふたつのお月さん」という意味でしょうか。先月までの冒頭

曲候補でしたが、期間中に行方不明になってしまい今回グレン・キャムベル捜索隊

に無事保護され、お聞きいただきました。ヤヒロトモヒロ率いるクヮトゥロ−は、只今欧

州巡業中です。

さて、次はどこの国の演奏集団でしょうか。

 

M10.Lady In White Satin(5’21”)Juan De La Cruz Band 

-unknown-   Shadonks Music 013

 

N  英語詞ですがどこか違う、イントロにはポール・マカートニの「恋する事のもどかしさ」

の露骨な盗用・・・、歌全体もそこからの発想が感じられます。これはフィリピ

ンのジュアン・デ・ラ・クル—ズ・バンドの「レイディ・イン・ホワイト・サテン」という一曲です。

この国では全く知られていないでしょうね、多分。夏に営業を停止してしま

ったレコ—ド店で流れていて気になり、入手しました。

フィリピンは元スペイン領、第二次大戦以前から沖縄と同じようにアメリカの重要な軍

事拠点でした。荒くれがストレスを発散する米軍基地内外の娯楽施設に、生演奏

は付き物です。彼らの要求に応える音楽を提供するのには、それなりの腕前

が必要。そういう場で鍛えられたフィリピン人たちは耳が良く、タフで、公用語が

英語という事もあり、優れた能力を備えていました。

彼らと日本との音楽的な関係は戦後のナイトクラブ、ディスコなどにハコで入った出

稼ぎバンド時代から深まって行きました。日本人同業者は「ピンバン」と言って

差別してましたけど、先に挙げた領域では敵わないことが多く、茅ヶ崎のパシ

フィックホテルに出ていたデ・スーナーズは後期グループ・サウンズ、日本のロック創成期に大き

な影響を与えているほどです。

そのフィリピンで1960年代の後半から活動していたロックバンドのパイオニアが、この

ジュアン・デ・ラ・クル—ズ・バンドです。この作品は1971年のもの。デビュ−LPに

なるのかな。年代を考えるとかなりのセンを行ってますね。当時の日本にはこ

こまで出来るグル—プはそんなにいなかったんじゃないでしょうか。パクリもあ

るけど、楽曲はオリヂナルだしね。何より本格的レコード制作の過程を経ています。

もとスペイン領というだけでも音楽的に豊かです。戦後はアメリカ多大な影響を受

けてました。もちろん地元に伝わる伝統音楽もあるし、南太平洋との関連も

多少はあるかも知れません。

ただ71年にこういうロックが出来ていたのは、メムバ—が上級役人、財閥系の子

弟などといった、かなり恵まれた環境あった、というからではないでしょう

か。ハコでトップ40だけ演ってたんじゃ、こういう音楽は生まれて来ない気もす

る。ちゃんと24チャンネル回してるしね。まあ、毎度お馴染みわたしの邪推です。

彼らが71年に発表したLPが、ドイツのレイベルを経由してCDになり、44年

経ってわたしの耳に入った、という事です。レコ—ド店頭で最初にわたしが聞い

たのはボ—ナス・トラックの実況録音の部分でした。こちらは現地言語で歌われてい

て、演奏もよりフィリピン的でした。それで興味が湧いたのも事実です。おそら

くは、英米人の耳に日本のロックもこんな違和感と共に響いているんでしょう。

ではその生々しいライヴ演奏です。

「バロン・マライム」。

 

M11.Balong Malaim(2’41”)Juan De La Cruz Band

-unknown-  Shadonks Music 013

 

M12.My Time Is Experience(2’49”)Clarence Gatemouth Brown

-D.Roby-  MCA MVCM-305

 

N  フィリピンからテキサスはヒュ—ストンにひとっ飛び。軍事基地があった頃はこんな軍用機

ルートもあったに違いありません。そこから1947年の録音でクラーレンス・ゲイトマウス・

ブラウンの「俺の時給は高いぞ」でした。

実は、るいじあなさんから、「ジョニー・ウインター以外の、ギブスン・ファイア・バード

遣い手」というリクエストをもらっていましてね・・・ここからまた始まります。

今朝は話が長いね。

先々週のライヴ・マヂックに出たティンパンの鈴木茂、彼がファイアバード遣いでして、

この日も型の異なる2台を持ち込んでいました。わたしが43年前に初めて観

たはっぴいえんどの時も確か同じモデルだったから、相当気に入ってるんです

ね。ただ、この晩はアイヴォリーのストラトキャスターを弾いていた時の方が多かったよう

です。

ファイア・バードはブライアン・ジョーンズも使っていましたね。彼はヴォックスの琵琶形

とか変わったギターが好きだったようです。

他にいろいろ考えまして思い当たったのが、今のクラーレンス・ゲイトマウス・ブラウン。

逆ゾリじゃないなで肩モデルを持っている写真を憶えています。初めて日本に来

た時もその型でした。飾りの付いたカントリー・シャツにテンガロン・ハット、カウボーイ・ブーツ

という、およそブルーズ・マンらしくない出で立ちに、あの深い青緑の、いや焦

げ茶かな、とにかくファイア・バードで、ミョウな調和がありした。

それをとても器用に使っていたのを憶えています。MCではギターと会話を

したりしてね。トーキング・モジュレイターもワウ・ペダルも使わずに、左手のハンマリングと

右手のヴォリウム・コントロールで、喋らせるんですよ。腹話術みたいなもんです。上

手かったですよ。ファイア・バードの言語はテキサス訛りの英語でした。

ただし、今の「俺の時給は高いぞ」は、同器ではないですね。こちらの録

音は49年です。ファイア・バード登場は63年ですから。ゲイトマウスのギターには面白

い話がありまして、ピーコック・レコードの親分、悪名高き搾取男ドン・ロビーは、あ

る晩クラブでゲイトマウスを観て気に入り、翌日ギブスンL-5を買い与えたそうです。

ウエス・モンゴメリーも使っていた高級器ですね。今の曲もセミアコ的な音色ですから、

買ってもらったL-5かな。一方、当時のピーコック・レコードの公式アーティスト写真では、

テレキャスターを持って写っています。「オーキー・ドーキー・ストムプ」は、テレキャスター的な音で

した。ラウンダーから出てたアルバム持ってる筈なんだけど、見つからない。

余談ですが、その写真を見ると異様に手が大きく指が長いですね。ギターはこ

ういう体で弾く楽器なんだ、と思い知らされます。

話を元に戻すと、今のところは以上でして「ジョニー以外のファイア・バード遣い」

のリクエストには、お答え出来ていません。しばしお待ちを。

さて、何気なくお届けしたケイク、山奥から反応がありました。意外です。そ

れでそちらのご要望にも、お答えすべく探し出たのは『安楽鷲』という、先

週の『プロロンギング・ザ・マヂック』に極めて酷似したジャケット・ディザインのアルバムで

す。これは2001年の発表。愛想の無い、やる気のないような、断片的にジョ

ン・レノンを連想させるヴォーカルは相変わらずですが、リズムが逞しくなってます。

かなり面白く聞きました。

では山奥栗鼠保護保存会を代表してお送りしましょう。

ケイクで「ラヴ・ユー・マドリー」。

 

M13.Love You Madly(3’57”)Cake

-J.McCrea-  Columbia  CK 62132

 

M14.アイ・ビリーヴド・ユー・ソー(4’22”) ロス・ロボス

-Rosaz-  ビクター  VICP 65343

 

N  ケイクの「ラヴ・ユー・マドリー」に続いて、先週もお届けしたロス・ロボスの新譜から

「アイ・ビリーヴド・ユー・ソー」でした。こういうブルーズが自然に出来ちゃうのが

シャラクサイですね、このバンドは。ロスエインジェルズに出て来た当初は、仕事をするに

もリパトワ不足で、とりあえずブルーズ・ナムバーを並べて凌いだ、という話を聞い

た事があります。本当のようです。

先週は彼らの事を「ザ・バンド・フロム・イーストL.A.」と紹介しましたが、正確

には「ジャスト・アナザ−・バンド・フロム・イーストL.A.」、でしたね。失礼しました。

では同じ名前の編集アルバムから1987年、ハリウッドでの実況録音です。

「ヴォルヴァ、ヴォルヴァ」

 

M15.Volver, Volver(3’47”)Los Lobos

-D.Hidalgo, L.Perez-  Slash 9  45367-2

 

N  「ヴォルヴァ、ヴォルヴァ」、1987年のロス・ロボスでした。お客さんの殆どはメキシコ

系でしょうか。音楽的な根っこを共有できるというのは有り難い事です。わ

たしたちにそう種の物は、あるのでしょうか。

さて皆さん既にご存知のように、ニューオーリンズの巨星、アラン・トゥーセイントが11月

10日77歳で亡くなりました。先週身辺で不幸が重なりまして少々慌ただ

しかったわたしは、トドメを刺された感じです。

彼の偉大なる功績を短時間ではお伝えきれませんので、今朝は初期の代表

的楽曲を連続して聞いて追悼といたしましょう。謹んでご冥福をお祈りいた

します。合掌、礼拝。

 

M16.Over You(2’18”)Aaron Neville

-A.Toussaint-  Curb D2-77303

 

M17.Working In A Coal Mine(2’53”)Lee Dorsey

-A.Toussaint-   Charly CDCHARLY 14

 

M18.Mother-In-Law(2’37”)Earnie K-Doe

-A.Toussaint-  Charly CDCHARLY 99

 

N  ショパンの「葬送行進曲」で始まったエアロン・ネヴィルのあの声の「オ−ヴァ・ユー」、

リー・ドージーで「炭坑労働」、そしてアーニー・ケイドゥウで「義母」、いづれも故アラン・

トゥーセイントの代表曲をお送りしました。御直り下さい。

1950年代後半からニュー・オーリンズの裏で表で活躍していたアラン・トゥーセイント、ど

の作品にも乾いた明るさが共通して感じられます。主題は楽天的なものばか

りではないのですけれども、土地柄、歌い手の個性、そして彼の企画制作演

出で、こういう風に仕上がるんですね。表方としての作品といえば、あの不

気味な効果による「サザーン・ナイト」がすぐに挙げられるでしょう。今朝はおそ

らくどこでも紹介される事のない録音をどうぞ、名盤『リズム、カントリー・アンド・

ブルーズ』に収められているヴァ—ジョンで聞いて下さい。チェット・アトキンズと一緒で

す。

「サザーン・ナイト」。いま一度の合掌、礼拝。

 

M19.Southern night(4’44”)Chet Atkins & Allen Toussaint

-A.Toussaint-  MCA  MCAD -10965

 

M20.Southern night(2’58”) Glen Campbell

-A.Toussaint-  Capital 243 8 21834 26

 

M21.森を歩こう(2’54”)ホルスト・ヤンコフスキー

-H.Jankowski-  ビクタ— WF-5015

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N   御直り下さい。チェット・アトキンズとアラン・トゥーセイントに続いては、グレン・キャムベルの

同じ曲でした。さっき使ったばかりの2枚組ベストに入っているのを思い出し

て、急遽追加。1977年の発表です。グレンの絵に描いたような、録音したよう

な健全さがスピーカー一杯に露出されています。バンジョー使われていましたね。

ラベルの「レイディ・ママレイド」のヒットの後かな、彼自身が音楽界の表層に浮上し

て来まして、ポール・マカートニのアルバム制作を請け負ったのもこの頃です。わたし

も、このグレン・キャムベルで「これがアラン・トゥーセイントの作った歌か」、と聞いた憶え

があります。もちろんその前から彼の関わった沢山の作品には意識せずに親

しんでいたのでしたが。

改めて皆さん、一緒に冥福を祈って下さい。ラベル、聞きたくなったなあ。

最後は「森を歩こう」、ホルスト・ヤンコフスキーでした。イ—ジ—・リスニングで仕上げられ

たこのヴァージョンとは別の、アドリブも盛り込んだ録音が彼にはあります。それ

を取り出したら、なんと盤が入っていませんでした。只今夜の大捜索線で、

行方を追っております。その代わりに、こちらでお楽しみいただきました。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所にあります。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/0c9322cd7e91b590f1289f70599a09d8f72f0426

ダウンロードパスワード cx40q0nc 今朝は早く上げられた。これじゃなきゃ。

さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/ 「幻」モーニン・ブルーズ、まだまだ続きますですよ。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

s-IMGP1393

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/11/07

mb151107

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

もう11月、早いなあ。今朝は事情により台所からお送りしています。

さあ行きますよ。用意はいいですか。早いテムポーです。

「フォ—ギ—・マウンテン・ブレイクダウン」、フラット・アンド・スクラグス。

 

M01.Foggy Mountain Breakdown(2’40”)Flatt & Scruggs

– Scruggs –  Not Music  NOT2CD514

 

N  先週の変則バンジョ—集、改めて聞きますとえらいコジツケでした。確かにバンジ

ョーの音色は入っていましたが、サムやコースターズなど自分の好きな楽曲を流しただ

けのようです。みなさんのモーニン・ブルーズです。ひとりよがりはいけません。

にも拘らず、熱心にお聴き下さった方がいらっしゃいました。誠にありがと

うございます。

そこで、バンジョーと言えばまずこれ、「フォ—ギ—・マウンテン・ブレイクダウン」、フラット・

アンド・スクラグスをお届けしました。レスター・フラットとアール・スグラクスの超絶な演奏技術

が次々と繰り出される名演、1950年の録音です。これが大受けしたのも、今

のブルーグラスの技巧を競い合う土台になっているのではないか、ともわたしは

考えています。

どんな音楽にも高度な技術的を目指す傾向はありまして、行き着くところ

は目にも止まらぬ早弾き、ということになるのでしょうが、早いだけのつま

らない演奏が世間にはたくさん溢れているのも事実です。

ブルーグラス音楽の世界での競い合いは、初心者のわたしには、今のところた

だ驚くばかり。みんな面白そうに競い合っている雰囲気がなんとも心地良い。

所詮は田舎の音楽だから、ということもあるのでしょうか。

もう1曲バンジョ—を聞きましょう。歌入りで楽しませてくれます。同じレスター・

フラット・アンド・アール・スクラグスで、

「ポルカ・オン・バンジョー」。

 

M02.Polka On A Banjo(2’41”)Flatt & Scruggs

-Flatt, Scruggs-  Not Music  NOT2CD514

 

M03.デューエリング・バンジョー(3’04”)アール・スグラッグス・レビュー

-trd. arr. by E.Weisburg-  CBSソニー SOPL 204

 

N  「ポルカ・オン・バンジョー」に続いてお届けしたのは、「デュ−エリング・バンジョウ」。

レフラット・アンド・スクラグスの片割れ、天才バンジョ—奏者アール・スクラグスが子供たちと組

んだブルーグラス楽団、アール・スクラグス・リヴュウの演奏でした。オリジナルはエリック・ワイズバ

ーグというバンジョウ弾きで、ポップ・チャート1位にもなったそうです。わたし、

そちらは未聴です。この国では今のスクラグス一座のヴァ—ジョンの方が知られてい

るかも。1972年本邦公開の映画「脱出」の主題曲にもなっていたそうです。

いずれにせよ楽しい演奏ですね。先の「フォ—ギ—・マウンテン・ブレイクダウン」に較

べると、アールにはちょっとした余裕も感じられました。掛け合っていたギターは、

息子のランディだそうです。これは73年に国内発売されたLPからでした。ず

っと持ってて良かったな。

その解説にね、バンジョウのことが「Only Original American Instrument」

という言葉で紹介されているんです。ただひとつのアメリカで生まれた楽器、と

いう事なんでしょう。先週のわたしのアフリカ発祥説とは違います。こういう考

え方もある、あるいはあった、ということでお伝えしておきましょう。

 

M04.Dear Irish Boy(4’13”)Eire Japan

-trd.arr.by P.Keeman-  Eire Japan EJ-001

 

N  今お聞きいただいたのは、エール・ジャパンの演奏で「ディア・アイリッシュ・ボイ〜い

としき愛蘭土少年」でした。こういうドローン、通奏低音がずっと続くテムポーの

取りようが無い楽曲は、絶え間なく細かな音が刻み込まれている昨今の音楽

の合間に耳にするとなんとも新鮮です。純邦楽における「間」とも違います

ね、時間の測り方が。

エール・ジャパンは先頃の「ライヴ・マヂック」の後、まだ日本公演中かな。ふたり

のアイルランド系アメリカ人と日本人ひとりによるアクースティク・トリオで、今回はナイトウ・マレカ

という日本人ヴァイオリン奏者を同行しての巡業です。

ギター、バンジョウを担当する城田純二は、想像通りわたしの高等学校の先輩で

した。ライヴ・マヂック初日の演奏後、楽屋を尋ねてお話をして確かめました。京

都産業大学に進んで、高石友也のグループ、ザ・ナターシャ・セヴンで一緒に活動して

いたそうです。

高石友也、知ってるかなあ。「受験生ブルーズ」だけがいつも採り上げられま

すが、その業績はもっと広く大きいですよ。素よりかなり音楽への好奇心が

幅広く強く、しかもそれを模写して優越感に浸るのではなく、咀嚼して別の

自分たちに相応しいものに造り変える、という優れた能力を持っていました。

社会を含んだ自分たちの生活から歌い出される、純粋な音楽創造を実践した

人です。彼の出現前と後では、若い人間の音楽が変わっています。

ただ見た目があまり「ミュージシヤン」的ではなく、音楽も軽薄なカッコ良さとは無

縁だったため、ミーハー的人気を得られずに社会活動家的に生き続けた側面もあ

ります。充分なユーモアを持って音楽を続けてたんですがね。民族音楽への感覚

も鋭く、形こそ違いますが同時期の欧米のフォーク世代と極めて近い動きをして

いました。マラソンやトライアスロン選手としても有名で、寛平ちゃんの大先輩です。

城田純二はわたしの5つ年上なので、在学期が重なっている訳ではありま

せんが、卒業生にそういう人がいる、という話は聞いていました。この日、

昔の話をしていて重なる知人も出て来ました。

今回エール・ジャパンの司会進行は日本語が堪能な彼の役割でした。その語り口

が何ともオールド・スクールでね。高石友也世代のマナーなんですよ。ナタ—シャ・セヴンを離

れてからは、サンフランシスコに住んでそこで音楽活動基盤を築いているので、多分

70年辺りの国内感覚のまま21世紀を生きているんでしょう。

バンジョウを弾き始めたのは小学生の頃だそうで、それ故、この楽器には特別

な想い入れがあるようです。今朝1曲目にお届けした「フォ—ギ—・マウンテン・ブレイ

クダウン」はライヴ・マヂックでも披露していましたね。その後に今の「デュ−エリング・

バンジョウ」をちょっと抽き出して、「どこでもバンジョウというとこの2曲なんで

すよ」、と自虐的に語っていましたが、今この国ではそれすら知られていな

い状況であります。場内のお客さんも何の事か分らなかったんじゃないかな。

話が長くなりました。アイルランド/ニホンの演奏をもう一曲。会場で売っていた最

新盤からです。青森県の口承歌曲をモチ—フに取り込んだ

「ドラレバチ/ディ・アビ−/ザ・クローキド・ロード・トゥ・ダブリン」。

日本民謡を採り上げるセンスは高石友也から学んだ、と城田純二は語っていま

した。

 

 

M05.Dodarebachi/The Abbey/TheCrooked Road To Dublin(4’15”)Eire Japan

-trd.-  Eire Japan EJ-001

 

M06,Amazing Grace(3’16”)Gurrumul

-J.Newton-  MVNA  MVLP 1002

 

N  エール・ジャパンの「ドラレバチ/ディ・アビ−/ザ・クローキド・ロード・トゥ・ダブリン」に続

いてお聞きいただいたのは、今回のライヴ・マヂックの目玉的存在グルムルの「アメイジ

ング・グレイス」でした。わたしも大いに興味があった歌い手です。普段の話す

声がとても小さくて優しい、そしてCDと同じ。今の「アメイジング・グレイス」の

歌声なんです。それには感動しましたね。「同じ声だ」って言ったら、「当

たり前だ」なんて顔で笑っていました。世界で数千人しか話さない言語ヨルング

は、わたしには識別不明。でもその音韻が彼の音楽を特色付けているのは間

違いの無い事実です。

次は「時」という英語が添えられている

「ワルウ」

 

M07.Walu(3’58”)Gurrumul

-trd.-  MVNA  MVLP 1002

 

N  グルムルの「ワルウ」、最新作『ゴスペル・アルバム』からお届けしました。誰をも黙

らせてしまう、不思議な力を持った歌声ですね。ただし全体を見ていると、

わたしにはちょっと疑問が涌いて来ます。まず音楽自体が全くの西洋音楽で

ある点です。言語が特殊なために普通とは違って聞こえますが、完全なキリスト

教会の音楽ですね。アレンジも極めて保守的な一般性で勿体をつけてまとめられ

ています。周囲にいるのはス—ツ・アンド・タイを着用した白人だけでね、それにも

違和感あったなあ。数少ないオーストラリアの先住民、盲目、ぎっちょという、誰も

抵抗出来ない絶対条件がありますから、表立ってこんなひねくれた見方をす

る人間はいないでしょうが、素直に言います。わたしには以上の点が引っ掛

かかりました。もちろんグルムル自身には何の罪はありません。

ライヴ・マヂックで彼を聴いていて連想したのは、この人でした。

 

M08.Ulili E(4’41”)IZ

-trd.-  Big Boy Record Company  BBCD 5907

 

N  ハワイの歌い手、イズリアル・カマカヴィオレ、通称イズで、「ウリリ・エ」でした。松平伊豆

守とは無縁です。ウクレレを弾きながら一緒に歌っています。息を吸い込む音が

何度も聞こえましたね。何とも臨場感溢れる録音でした。彼は340kgを超え

る巨体で、それ故に38歳という若さで亡くなっています。南太平洋という地

域が共通するからでしょうか、グルムルを耳にした時に多少発声に似通った部分

を感じました。優しくて滑らかな歌い方ですね。そもそもは地元でオリヂナルな

音楽に取り組んでいましたが、体格と歌声のアンバランス感で注目されるようにな

り、結局はスタンダードの「モナリサ」や「虹の彼方に」とか「この素晴らしき世界」

を歌う事で有名になったのです。

ただ自身のル—ツでもあるハワイ周辺の伝統的な音楽から離れることはなく、今

のようなリパトワもずっと持ち続けました。

また、意外な事にこんなカヴァもあります。

 

M09.Startig All Over Again(5’54”)IZ

-P.Mitchell-  Big Boy Record Company  BBCD 5907

 

N  自立後のスタックス・レコ—ドを代表するヒット曲、「スターティング・オール・オーヴァ・アゲイン」。

メル・アンド・ティムのオリヂナルですね。グエン・マクレアのいいカヴァもあったなあ。イズは

2001年のアルバム『アローン・イン・イズ・ワールド』でこれをカッコ良くキメています。リズム、

イカしてたね。

さて今回のもうひとつの大きな目玉だったのは、細野晴臣、鈴木茂、林立

夫3人の伝説的な演奏家によるグループのティンパン、わたしは先日アルファ・ライヴで

も重複する演奏家の生演奏をきいております。正直言ってわたしには縁遠い

人たちですがね。二日目に「ザ・ハウス・オヴ・ブルーライト」を聞かせてくれたのに

は驚きました。非常に意外だったなあ。調べたら細野晴臣がソロ作でカヴァして

るんですね。全く知らなかった。今朝は居眠り運転集団のヴァ—ジョンでどうぞ。

思い出して下さい。

 

M10.The House Of Blue Light(3’08”)Asleep At The Wheel

-F.Slack, D.Raye-  Columbia  EK 53049

 

N  アスリープ・アット・ザ・ウイールで「ザ・ハウス・オヴ・ブルーライト」でした。ハウス・オヴ・ブ

ルーライトというのは、生演奏付飲食店の事でしょうか。アメリカの田舎ではそういう

場所は、決まって青いネオンサインを掲げてるのかな。リトル・リチャ—ドの「グド・ゴリ、

ミス・モ−リ−」にも出て来る言葉ですね。沖縄の「Aサイン・バー」みたいな印かな。

「揚げ物、若鶏、そしてデトロイト・バービーキュウ・リブ」がメニューにあるそうです。

この「デトロイト・バービーキュウ・リブ」というのがずっと気になってますが、」まだ

現物に出会ったことがありません。どなたかご存知ですか。

さて、皆さんは、今年のライヴ・マヂック、どのようにご覧に、お聞きになりま

したか。圧倒的評判だったアイム・ウィズ・ハーをわたしは聞き逃したんですよ。誰

もが良かったって言ってたなあ。

ロビ—のジャムも、予想以上でした。印象に残ったのは徳楽黒(デリヒ)のホーミー、

琉球のふたり姉妹の圧倒的なパフォーマンス。それに白人ギタリストが加わろうとして、

結局ノリきれずにおたおたしてただけだったのが、非常に面白かったです、わ

たしとしては。

そして楽日の終演後、まだ人が残るこの場所に流れていた「オール・オヴ・ミー」、

これに興味を惹かれました。即座に音響担当者に尋ねたら「渡されたのを回

しているだけです」、との事。で、持ち主を探し出して教えてもらったのが、

これでした。

 

M11.All Of Me(3’22”)Eric Clapton  

-G.Marks, S.Simons-  Bushbranch 3733098

 

N  なんとエリック・クラプトンです。翌々日にレコ—ド店で見つけて入手しました。『オ—ル

ド・ソック』という2013年のアルバムに収められています。「お休みアイリーン」や「我

が愛はここに」「ボーン・トゥ・ルーズ」などの名曲を採り上げた、歌い手としての

自信溢れるヴォーカル・アルバムですね。クラプトン・ブランドで成立、でしょうか。今の

「オール・オヴ・ミー」には、ポール・マカートニがアップライト・ベイスとバック・グラウンド・ヴァー

カルで参加。部分的なハ—モニ—、充分に効果的でした。

この時の選曲者は、ロビーで皿回しを受け持っていた小山雅徳さん。その場

で「オール・オヴ・ミー」の話になって、わたしがジョアン・ジルベルトのが好きだ、と

か言ってるうちにあ、奴らも確か演ってたな、と思い出したヴァ—ジョンがあり

ます。

 

M12.All Of Me(4’24”)憂歌団

-G.Marks, S.Simons, N.Sakai-  徳間 TKCA-30169

 

N  憂歌団で「オール・オヴ・ミー」、1981年のアルバム『夢・憂歌』からでした。まだ

リキッド・ルームが新宿歌舞伎町にあった頃、そこの楽屋で出番待ちの木村充揮が

ギターを弾きながら何気なく歌い出したのを聞いたことがあります。その瞬間、

鳥肌が立ちました。ダイナ・ヲッシントンに聴かせてやりたいぐらいのカッコ良さでした。

木村充揮は、こういう4ビートのコード・カッティングでは、別格的なタイム感、ビート感

を持ってるね。

今年のピーター・バラカンズ・ライヴ・マヂックには、「オール・オヴ・ミー」のオマケが付きま

した。来年はどうなるのでしょうか・・・。

さて、次は先週ボーナス・トラックを聞いて貰ったロス・ロボスの新譜紹介へと行きま

しょう。まずは冒頭の1曲、

「メイド・トゥ・ブレイク・ヨ・ハート」。

 

M13.メイド・トゥ・ブレイク・ユア・ハート(4’43”)ロス・ロボス

-Hidalco, Perez-  ビクター VICP-65343

 

N  「メイド・トゥ・ブレイク・ヨ・ハート」、ロス・ロボスの新しいアルバム『ゲイツ・オヴ・ゴールド』

からです。どうです、カッコいいでしょう。圧倒的な力強さ、スケ—ル感で迫ります。

こんな音、久しく耳にした事ないなあ。調子のいい時のオールマン・ブラザーズ・バ

ンドとか、ドゥービー・ブラザーズのような堂々とした演奏です。正にロックだね。大

口径のフル・レインヂ・スピーカーで鳴らしたいですね。

続けて行きましょう。

「ミス・トリーター・ブギ・ブルーズ」。

M14.ミス・トリーター・ブギ・ブルース(3’09”)ロス・ロボス

-C.Rosas-  ビクター VICP-65343

 

N  どうですか、冒頭の「メイド・トゥ・ブレイク・ヨ・ハート」と同じく、真正面からま

っすぐロックが飛び込んで来ます。メトロノ—ムに縛られている窮屈な今日の音楽録

音を嘲笑うかのような、生演奏の醍醐味。堪えられません。

ラ・バンバでロス・ロボスが登場した時、わたしはメキシコ系の演奏集団という事で

大いに気を惹かれました。先週のテキサス・トーネイドーズの弟分的にも見ていました

が、そうではなくて彼らは「ザ・バンド・フロム・イーストL.A.」、ロスエインジェルスのグル

—プなのです。それが誇りでもあるでしょう

もうロックを全く聞かなくなって長い時間が経ったわたしも、ロス・ロボスだけは

聞いていました。チャド・ブレイクと組んで刺激的な音を叩き出していた頃はシビレ

ましたね。若い仲間に教えたらすっぽりハマって、先に狂われちゃいました。

さっきの「メイド・トゥ・ブレイク・ヨ・ハート」のカウベルの音にはその頃の余韻が漂っ

ていたような気がします。いや、それにしてもカッコいい。

 

M15.トウー・スモール・ハート(’3”51)ロス・ロボス

-D.Hidalgo,L.Perez-  ビクター VICP-65343

 

N  今のを聞くと、まるでジミヘンですね。曲の成り立ち、構成、ギタ—の音、そし

て歌い方までが、破壊行為にまで及ばない、上質な音楽家ジミ・ヘンドリクスその

まんまに聞こえて来ます。メムバーのデイヴィド・イタルゴとシーザー・ロペスはジミヘンを

追悼する公演に参加していたそうです。でもだからって訳じゃないでしょう、

この説得力は。

ちょっとひねくれたところも魅力だったロス・ロボス、今回は全て直球で勝負

してくれました。感謝。

これも際どいコースをギリギリに突いています。

「ソング・オヴ・ザ・サン」。

 

M16.ソング・オブ・ザ・サン(3’41”)ロス・ロボス

-D.Hidalgo,L.Perez-  ビクター VICP-65343

 

M17.Mexco(3’26”)Cake

–Capricorn 314 538 092-2

 

N  ロス・ロボスの新作『ゲイツ・オヴ・ゴールド』から、「ソング・オヴ・ザ・サン」でした。

まだまだ面白いトラックがあります。来週以降も紹介してまいりましょう。

それに続いてお届けしたのはケイクの「メキシコ」です。これは1998年の作品。

何の予備知識もなく買った『プロロンギング・ザ・マヂック』というアルバムがありま

して、ずっと何となくロス・ロボスとの共通性を感じていました。あまり愛想の

ないところかな。

今回『ゲイツ・オヴ・ゴールド』を聞いていて、ふと気になったものですから、

久し振り、本当に久し振りに聞いてみました。愛想の無さは相変わらずでし

たが、不思議と以前よりも手応えが増して聞こえたな。ロス・ロボスとは関係は

なく、サクラメントのグループで、既に何回も来日経験があるようですね。『プロロンギン

グ・ザ・マヂック』を買った直後に、余り親しくない熱心な音楽ファンに「このご

ろ聞いているものは」と尋ねられ。とっさに「ケイクとか・・・」なんて答えた

ら「そうですか」とえらく共感されて当惑した事がありました。音楽にうる

さい人たちの間では評価高そうですね。同じアルバムからもう1曲行きます。

「羊は天国へ、山羊は地獄へ」

 

M18.Sheep Go To Heaven(4’44”)Cake

-J.McCrea-Capricorn 314 538 092-2

 

M19.ダンス・シスタ—・ダンス(8’15”)サンタナ

-L.N.choncler,T.Caster, D.Robinson-  CBSソニー 28DP 1020

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  ケイクの「シープ・ゴウ・トゥ・ヘヴン」に続いては、サンターナ「ダンス・シスタ・ダンス」です。

先々週リクエストを間違ったヴェンテンさん、お誕生日おめでとうございます。5日遅

れで済みません。アルバム『アミーゴ』は手許にありませんで、図書館から借りて

来ました。「ヨ—ロッパ」の入っている名盤ですね。フィギュア・スケ—トの季節ですか

ら、また聞いてもらいましょう。

さっきのロス・ロボスの新譜は、ボートラ2曲付国内盤の方が、輸入盤より安かっ

たですよ。全国的にそうなのかな。ライナは五十嵐正という男が書いています。

わたしは彼が南青山 五丁目のレコ—ド店「パイド・パイパ—・ハウス」の店員の頃か

ら知ってまして、今年のライヴ・マヂックで久し振りに出会いました。それで挨拶

したら、わたしの事を認識してくれないんです。馴れ馴れしくしたもんだ

から、「どなたでしたか」なんて言われちゃってね。嫌われてるかな、と思

った位です。それで「俺だよ、鷲巣功だよ」と名乗ったら、「嘘です、違い

ます」だって。こういう時にどうすりゃいいんでしょうね。側に居合わせた

エルプの竹内孝幸さんが「本当ですよ、鷲巣さんです」と言ってくれて、よう

やく「えー、本当ですか」となりました。参ったね。それほど変わってない

と思うんだけどな。

他にもライヴ・マヂックでは日頃会えない人たちに会えました。ひとりね、死亡

説の出ていた男が裏で働いていてね、これには心底から驚いた。こっちには

「お前、死んだんじゃないのか」という挨拶でした。昔より元気だったな。

この世にはいろいろな人がいて、さまざまな人生があります、はい。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所にあります。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/107f11243d757e3818452516347ee2fe726e88f7

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さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、まだまだ続きますですよ。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

s-IMGP1391

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/10/31

mb151031

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

2ヶ月連続の幕開けお月さん曲、最後となる今朝は、やはりこれでしょう。

「ケンタキーの青い月」、エルヴィス・プレズリ。

 

M01.Blue Moon Of Kentucky(2’02”)Elvis Presley

-B.Monroe-  BMG RCA07863  66050-2

M02.Blue Moon(2’31”)Elvis Presl

-L.Hart, R.Rodgers-  BMG RCA07863  66050-2

N  エルヴィス・プレズリ「ケンタキーの青い月」でした。続いてお届けしたのは「ブルー・

ムーン」です。これはそれぞれ5枚組で50年代、60年代、70年代の3種類が

出ていた箱組編集盤の第一集からで、この2曲が隣同士に並んでいるんです。

それでそのまま回しました。お月さん曲、最終回はエルヴィス・プレズリで「ケンタキー

の青い月」、「ブルー・ムーン」でした。やはり月は青いのか。28日が満月でしたが、

お天気が悪くて見えませんでした。前の晩は雲間の姿が美しかった。皆さま

のところからはいかがでしたか。見えたかな。

M03.Dance With Me(4’27”)アリソン・ブラウン

-J.Hall-  BSMF  6072

 

N  さて先週の最後にお届けしたアリスン・ブラウン「タイム・アフタ・タイム」、ヴェンテンさんの

リクエストとお伝えしていましたが、ご希望は「トゥルー・カラーズ」でしたね。勘違い

でした。失礼。シンディ・ローパーというと「タイム・アフタ・タイム」という数式が頭にあ

るものですから。何か気の効いたカヴァを探します。

今の「ダンス・ウィズ・ミー」も同じアリスン・ブラウンのバンジョーです。彼女はハーバード

で経営学を学んでいて、現在自身のレコ—ド・レイベル・オウナーだそうです。グラミーも

獲っているとかで、しかも美人。そしてバンジョーの腕前はお聞きの通り。言う

事ないね。

「ダンス・ウィズ・ミー」はオーリアンズのオリジナルですが、日本ではアール・クルウのインストゥル

メンタルで有名になりました。ルイス・ジョンスンのベイスが冴え渡って、音も良かったで

すね。ラリー・ローゼンのミックスでしたか。最初のキングから出たレコードがいい音してま

して、後で出たCDなんか較べ物にならない。国内普通盤、高音質盤、輸入

盤と聴きましたが、やはりあのキング盤とは違ったな。

さてその「ダンス・ウィズ・ミー」を今のようなアンサムブルで聞かせてくれたアリスン・

ブラウン、いいセンスですね。ロブ・イクスが弾くドブロも良かった。確実なドラムスは、

スティーヴ・ガッドでした。

10日の放送でカレン・ダルトン、リサ・ルブランと女バンジョー奏者が続けて出て来て、

ライヴ・マジックに出演して大好評だったアイム・ウィズ・ハーのサラ・ジャローズも弾いてた

でしょ。そしてアリスン・ブラウンと来たので、この秋わたしの周りでは俄に女バンジ

ョ—合戦となりました。

冷静に考えると、このバンジョ—は身近にあるのに親しくない楽器の代表では

ないでしょうか。多分、日本では古いブルーグラスとかディキシー・ランド・ジャズの印

象が強過ぎて、それ以外での裏方的な活躍がほとんど見過ごされているかも。

そこで、バンジョ—の貢献ぶりを聞いて貰おうと、ほんの少し思い当たる音楽を

用意したんですよ。

それがそっくり積み残しとなってしまい、今朝のお届けとなりました。先

ほどの「ダンス・ウィズ・ミー」はその導入曲、この後もしばらく聞いて下さい。

まずは名曲「いい知らせじゃないか」、サム・クックです。

 

M04.Ain’t That Good News(2’31”)Sam Cooke

-S.Cooke-  ユニヴァーサル  602498074466

 

N  レイ・チャールズの「アイ・ガタ・ウーマン」も同時に歌える「エイント・ザット・グッド・ヌウズ」

でした。バンジョ—の音がずっと聞こえてましたね。軽いタッチのブルーバード・ビート

とシムプルな管のコントラストが全体を締めていました。気の効いたアレンヂです。この

楽器はそもそもかなり大きな音で鳴りますから、こういう風に優しく刻むの

はけっこう難しい筈です。サム・クックの他の歌でバンジョーを使っているのは、ち

ょっとすぐに思いつきません。どなたかご存知でしたら教えて下さい。

次の楽しい歌でも、バンジョーが大活躍です。

 

M05.That Is Rock And Roll(2’25”)The Coasters

-J.Leiber,M.Stoller-  Rhino RHM2 7750

 

N  リーバー・ストーラー作の「ザット・イズ・ロケンロー」、もちろんザ・コースターズです。ここで

はコ—ド・カッティングですね。ディキシーでよく聞かれる奏法です。ロケンローと言えば、

何を置いても電気ギターというのが定説。この歌の中でも「ギターの嘶きを知っ

てるか」なんて言葉が出て来ます。59年の録音ですから既に特別な楽器では

なく簡単に使えたはずですが、ここではなんとバンジョ—を起用。多分リーバーた

ちは敢えてバンジョ—を用いたのでしょう。ロケンローの楽しさを演出するのに、あ

の独特な音色が必要と判断したんですね。

次のは、おそらく今の「ザット・イズ・ロケンロー」からの発想ではないか、とわ

たしは睨んでいます。果たしてどうでしょう。

ドゥービー・ブラザーズの「リスン・トゥ・ザ・ミュージック」。

 

M06.Listen To The Music(3’47”)The Doobie Brothers

-T.Johnston-  Warner Bros. 5112-2

 

N  ドゥービー・ブラザーズの「リスン・トゥ・ザ・ミュージック」でした。これまで、これに

バンジョーが使われていた事に気づいてた人はいるかな。繰り返される「ヲウヲー、

リスン・トゥ・ザ・ミュージック」の部分でバンジョーのアルペジオが入ります。どちらかと

言えば隠し味的に使われていますが、立ち上がりの鋭い緊張感を持った音色

が、ビートを補強しています。この効果は大きいですね。ライヴではギタ—、ベイス、

ドラムスで突っ走る傾向にあるドゥービー・ブラザーズも、録音ではこんな細工を施

していました。昨年出たオハコの再演盤では、同じようなアルペジオが聞かれます

が、バンジョーではなくシンセサイザー的な音色になっていました。ちょっと残念です。

このバンジョーという楽器の起原はアフリカにあるそうで、「バンショウ」と呼ばれて

いたものが進化、発展して今の形に落ち着いたとも言われます。アイリッシュ音楽

で使われるテナー音域の物、ロングネック、ネックの途中から5番線の始まる5弦形と数

種類あって、右手にはめた爪で弦を引っ掛けて鳴らします。ギターのようにピッ

クで弾く人もいます。金属ボディですから重たいですよ。立ってストラップで吊っ

て弾くのには、ある程度の体力が必要じゃないですかね。昨今、あまり表舞

台に登場しなくなったバンジョー、ル—ツ音楽にはまだまだ重要な存在です。どう

ぞお忘れなく。

では最後に、「アフリカン・マーケット・プレイス」。南アフリカのピアニスト、ダラー・ブランド1980

年の作品です。クレジットにある「バンジョー」は、とても小さい音で、時おり聞え

る素朴なリズム・パターンを奏でています。これは木製の原形に近い物じゃないか

と思われます。よーく聞いて下さい。

 

M07.African Market Place(7‘05”)Dollar Bland

-A.Ibrahim-  ワーナーパイオニア P-10845E

 

M08.Be My Husband(3’54”)Nina Simone

-A.Stround- Verve 0602517920521

 

N  「アフリカン・マーケット・プレイス」に続いては、ニ—ナ・シモンの「ビ・マイ・ハズバンド」で

した。17日のライヴ・マジック支援集会でこの曲名が出ましたね。何の関連だった

かは忘れてしまいましたが。家に帰って壁に飾ってあったニーナのアルバムを何気

なく見たら、それに今のライヴ録音が収録されていました。大胆にドラムスと手拍

子だけの伴奏、非常にアフリカ的な響きです。カッコいい。お楽しみ頂けましたか。

さて先週レコード店をうろついていたら、全然関係のない場所に誰かが置き忘

れたのか、この人たちの2枚組ベスト盤が放り出されていました。

 

M09.Is Anybody Goin’ To San Antone(3’05”)Texas Tornados

-D.Kirby, G.Martin-  Rhin10 22 OPCD 8913  RGM-0388

 

N   「誰かサン・アントンまで行かないか」、テキサス・トーネイドーズです。ダグ・サーム、フレデ

ィ・フェンダー、オ−ギー・メイヤーズ、そしてフラーコ・ヒメネスの4人が組んだ最強テクス・メクス

楽団。それぞれに音楽遍歴を重ねた4人が1980年代の終わりに結成。96年

までに5枚のアルバムを制作、発表しました。その前からフレディがとても好きだ

ったわたしはすぐに飛びつきまして、歴戦の王者4人に遥かな憧れを抱いた

ものです。

既にダグ、フレディはこの世に亡く、当然グループも存在しません。このベスト盤

は知らなかったですね。レコ—ド屋の棚と棚の間で古い友だちに会ったような気

分になって、持ち帰りました。代金は払ったよ。

 

M10.Hey Baby Que Paso(2’59”)Texas Tornados

-O.Meyers, B.Sheffield-  Rhin10 22 OPCD8913  RGM-0388

 

N  「可愛い子ちゃん、どうしたの」、テキサス・トーネイドーズでした。ライヴではこの歌

を「サン・アントン国家愛唱歌」と紹介して歌い出していました。ギターの後奏は、

フレディーですね。歌がこの上なく上手い彼は、ギターにも自信があったようです。

聞いていますと、いい歳のオッサン達がはしゃぎ回っている姿が見えて来ませ

んか。これはこのグル—プの強烈な個性です。天才音楽少年として子供の頃か

ら花道を歩いて来たダグ・サーム、メキシコの血を引き西部のR&B歌い続けた男、

フレディ・フェンダー、・テキサス・スタジオ・セッションのツワモノ鍵盤奏者オーギー・メイヤーズ、そして

あらゆる音楽に対応可能なアコーディオン奏者フラ—コ・ヒメネス。1990年、彼らが50歳

を前に始めたのがこのテキサス・トーネイドーズ。正真正銘のスーパーグル—プです。既に

立派な音楽家としての地位を築いていた4人でしたが、ここではまるで初め

てバンドを結成した子供たちのような、無邪気な歓びと共に演奏活動を続けま

した。

それぞれの長いキャリアの中では面倒な事も沢山あったでしょうが、ここなら、

奴らとなら、気持ちよく落ち着いて一緒に音楽できる、そういうリラックスした雰

囲気が溢れていて、聞く人間を幸せにしてくれます。お互いに腕や喉は確か

ですし、方向性に大きな隔たりがないという点でも安心できたでしょう。

年配者による音楽活動はどうしても後ろ向きになりがちです。長寿楽団の

中には、メムバーひとりの才能に周りがしがみつき、それで維持されている例も

珍しくありません。

そもそもバンドというのは厄介な人間関係でして、若い頃は他のメムバーの演

奏技術や音楽指向、振る舞いなどまでがストレスになります。その果てに分裂し

て行く訳ですが、この4人はそういうことを通り抜けて来て、なお新鮮な気

持ちで前向きに音楽と取り組んでいる姿を見せてくれました。昔馴染みと一

緒だととありがちな曖昧な妥協は拒否。古くから採り上げ続けている楽曲も

多いのですが、ぜーんぜん懐メロじゃないのです。カッコいい。

総じて、テキサスという豊かな大地が彼らを育て上げたのでしょう。

テキサス・トーネイドーズのベスト盤から、次は「エル・パンタロン・ブルー・ジーンズ」。

 

M11.El Pantalon Blue Jeans(2’36”)Texas Tornados

-S.Jimenes,Sr.-  Rhin10 22 OPCD8913  RGM-0388

 

N  「テキサスの旋風」の「エル・パンタロン・ブルー・ジーンズ」、ちょっと気持ち悪い題名

です。今でも時々見かけますね、裾の広がった太いGパン履いてる人を。

これはフラーコのスペイン語の歌です。オリヂナル収録はアルバム『ゾーン・オヴ・アワ・オウン』。

これにはスペイン語盤もありました。地域性を考慮しての事でしょう。フレディも

時おり得意なスペイン語で歌う事があります。この二重言語感もテキサス・トーネイドーズ

の持ち味のひとつ。暖かく乾いた西部の風が吹き込んできます。おっと危な

い、竜巻にはご用心。

 

M12.Adios Mi Corazon(3’45”)Texas Tornados

-R.Smith, M.D.Sanders-  Rhino  OPCD 8913  RGM-0388

 

N  オーギー・メイヤーズのリード・ヴォーカルで「アディオース・ミ・コラソーン」、こういう叙情的な

歌には、人間の本質が現れ易いのですが、何処にも無理、わざとらしさがな

いのが素晴らしい。風も和らいだようです。

 

M13.Little Bit Is Better Than Nada(3’32”)Texas Tornados

-D.Sahm-  Rhino  OPCD 8913  RGM-0388

 

N  この2枚組ベスト盤は『リル・ビット・イズ・ベター・ザン・ナーダ』と題されています。

同名の今の歌がタイトル・ナムバーという事になるのでしょうか。スタジオ録音として

はリプライズ・レコードからの最後となった96年のアルバム『フォー・エイシーズ』に収めら

れていました。

「少しはある方が何も無いよりはマシだ」というのでしょうか。確かにその

通り。でもここには39トラックも収められていますから、決して「少し」ではな

いですね。

4巨頭が対等関係を保ったテキサス・トーネイドーズ、敢えてその中心人物と言えば、

やはりダグ・サームという事になるでしょう。いつもはテンガロンとサングラス、絵に描

いたような逞しいテキサス男なんですが、こういった可愛いナムバ—も得意としてい

ました。演出された不自然で過剰な「渋さ」とは無縁だったテキサス・トーネイドーズ

は、ロケンローを聞き始めた中学生のような感性をずっと持ち続けたダグの人間性

が強く反映していました。いや、4人共その点では同じだったのでしょう。

M14.Clinging To You(2’58”)Texas Tornados

-D.Sahm-  Rhin10 22 OPCD8913  RGM-0388

 

M15.Before The Next Teardop Fall(2’41”)Freddie Fender

-Peters,Keith-   Park South 80246 90364 2 4

 

M16.South Of The Border(4’20”)Texas Tornados

-M.Carr, J.B.Kennedy-   Frontera 7243 8 47751 2 4

 

M17.Is Anybody Goin’ To San Antone(2’58”)Texas Tornados  inst.

-D.Kirby, G.Martin-  Rhin10 22 OPCD 8913  RGM-0388

 

N  「クラインギング・トゥ・ユウ」、テキサス・トーネイドーズの2枚組ベスト盤からお届けしまし

た。その後は飛び入り的にフレディ・フェンダーのライブで「涙のしずく」、そしてトーネ

イドーズが99年に発表したライヴ・アルバムから「国境の南」をお送りしま した。

96年にリプライズとの契約が切れても、グループとしては活動を続けていたんです

ね。テキスス周辺では実演の要請がひっきりなしだったと思われます。

最後の4曲目は、「誰かサン・アントンまで行かないか」のカラオケでした。この盤に

は、6曲程未発表のこんなトラックも入っています。これが殆どを既に持っている

彼らのベスト盤を買う、自分に対する口実でした。ちゃんとした演奏してるね、

当たり前だけど。最後に確認したらこの2枚組の発売は2015年、今年でした。

なんとなく良かったなという気持ちです。

いや、テキサス・トーネイドーズにはつい力が入っちゃいますね。自分でもノって来

る興奮を感じました。実はわたしは彼らを実際に観ている、というか観る機

会があったんです。1991年のモントルー・ジャズ・フェスティヴァルでした。この年、彼

らが出演していた歴史的イヴェントに、わたしはランキン・タクシーとトロピカル・キングズ総

勢10人の荒くれどもを引率して当地にいました。これが非常に過酷な仕事で、

他のショウを観ている余裕など全くなかったんです。それでも憧れのテキサス・トーネイ

ドーズですから、なんとか調整して足を運んだのですが、とにかく疲れていま

して、立ち見を続けられませんでした。確かに実際に観たのですが、フレディが

白い衣装で、田舎臭く踊っていたような記憶が微かにあるだけなのです。今

でも残念な事をした、という思いです。その何年か後に御殿場のカントリ—集会に

参加したとかいう噂を聞いた事がありますが、未確認のままです。本当かな。

今朝のテキサス・トーネイドーズ集は、あの世にいる筈の親友、山崎直也に捧げよう。

さて、テキサス・トーネイドーズに思いを募らせていたら、ロス・ロボスの新譜が届きま

した。これは大変宜しい。来週何曲か聞いて貰いますが、今朝はボーナス・トラック

として最後に収められていた懐かしの1曲を、お届けしておきましょう。

「プレンダ・デル・アルマ」、ライヴ・ヴァージョンです。

 

M18.プレンダ・デル・アルマ(3’56”)ロス・ロボス

-trd.-  ビクター VICP-65343

 

M19.Invisible(4’35”)Hunter Hayes

-H.Hayes, B.Baker,K.Elam-  Atlantic  756786693-1

 

N  ロス・ロボスの「プレンダ・デル・アルマ」に続いては、ハンター・ヘイズの「インヴィジボ−」。

カントリ—の若い歌い手です。たぶん可愛い事もあって、結構な人気があるんでし

ょう。ブルーノ・マーズは、有色人種だったそうなので、今度こそ久し振りに買っ

た白人の新譜だ。

何処となくブラッド・ペイズリー的、つまり現在主流の歌い方、発声ですね。た

だ、試聴していて何か訴えかけて来るものを感じました。最初から通して聞

くとね、普通のポップ・アルバムのようにも聞こえて、「あ、間違ったかな」とい

う気分にもなります。ましてレイベルがアトランティックですから、余計にハラホロ・ヒレハレな

んですが、中には今の「インヴィジボ−」と同じように、迫った表現の歌もあり

ます。

では、ハンター・ヘイズ、アルバム『アイ・ヲント・レクイジイ』から最後に収められている

「誰かの傷心」を聞いてみて下さい。

 

M20.Somebody’s Heartbreak(3’37”)Hunter Hayes

-A.Dorff, L.Laird, H.Hayes-  Atlantic  756786693-1

 

M21.Feels So Good(5’01”)アリスン・ブラウン

-C.Mangione-  BSMF  6072

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  今朝の最後はアリスン・ブラウンのバンジョーで「フィールズ・ソウ・グド」でした。これも

洗練された心地良い演奏ですね。日本で聞くバンジョーに付きまとう泥臭さを荒

い落としたような音が印象的です。こういうのが現代の姿として新しい奏法

が開発されていくのでしょう。バンジョ—にはしばらく注目していようかな。あ、

今のには超絶ウクレレ人間のジェイク・シマブクロが共演しています。アリスンの優しい同系

色の絡み、美しいですね。

さて、バンジョーの音色とテクスメクス音楽がたっぷり詰まった今朝のモーニン・ブルーズ、

特別付録は、以下の隠し場所にあります。

http://firestorage.jp/download/ec190e54e3a40eb8dba96f190d045581858fc6dc

ダウンロードパスワード niy4x9my

ライヴ・マジック、皆さんお疲れ様でした。わたしも今年は二日間出かけました。

楽日はその前に京橋でひと踊りして来たので、さすがに疲れましたね。でも

全体を通して面白かった。いろいろな顔に出会えたのも嬉しかった。おさら

いは来週ご一緒に致しましょう。

昨晩のNHK BSプレミアム「新日本風土記」、観て頂けましたか。わたしは

BSの観られる所を前の晩まで探していまして、問題解決できたのが23時過

ぎでした。番組の最後とは、なかなかの演出。2日間に亘って数人のスタッフを動

かして、あれだけの時間です。さすがNHK。お金かかってます。羨ましいで

す。わたしの出番はあんなもんでしょう。TVスターへの道は難しいようで・・・。

またの機会に、乞うご期待。

さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/
「幻」モーニン・ブルーズ、まだまだ続きます、かな。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

s-IMGP1385

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/10/24

 

 

mb151024

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

「ヲーキン・ブルーズ」で始まる「モーニン・ブルーズ」、2ヶ月連続の幕開けお月さん曲、

今朝はかなり年下の女性との古い書簡が発見され、草葉の陰で焦っている

萩原朔太郎が吠えます。

「ハウリン・アット・ザ・ムーン」、ハンク・ウイリアムズ

 

M01.月に吠える(2’45”)ハンク・ウイリアムズ

-H.Williams-  ポリドール  POOP 2901/7

M02.モーニン・アット・ミッドナイト(3’00”)ハウリン・ウルフ

-C.Buenett-  MCA ビクター MVCM-22019

N  月に吠えたハンク・ウイリアムズの次は、これまた満月の夜に遠吠えして、狼に変身

 するハウリン・ヲーフで「真夜中の唸り」でした。

  町、郊外を離れて進んでるうちに、全く灯りのない場所に迷い込んでしま

 う時があります。一筋の光もない本物の暗闇は不気味です。そんな時に頼り

 になるのが、月や星。ハンクもヲーフも真っ暗な中で月向かって吠えていたのでし

 ょう。

  でもね、多少は無責任な陽気さが感じられるハンクのはともかく、ヲーフの唸り

 が闇から聞こえて来たら、恐いね、本当に。

  さて次は可愛らしさもあるブルーズです。ヘザ—・クロッセというブルーズ・ウイミンで

 どうぞ。

  「なぜ女にはベイス・ギターが必要なのか」

M03.Why Does A Woman Need A Bass Guitar (3’54”)ヘザ—・クロッセ

-unknown-  BSMF 2477

N  ヘザ—・クロッセで「何故、女にはベイス・ギターが必要なのか」でした。その答えは

 最後で「ブルーズを歌うのを助けてくれるからだ」、と答えていました。

  彼女はまだ若く、見た目もビッグ・ママ・ソーントンやエタ・ジェイムズといった貫禄充

 分のブルーズ皇后たちとはだいぶ違います。以前ピンク・ペイズリーのテレキャスターをトレイ

 ドマークにしていたスー・フォーリーというブルーズ女子大生がいましたね。あんな雰囲

 気でしょうか。でも今の歌にあったように、彼女は担当楽器がエレキ・ベイスなん

 です。ブルース界のスージー・クアトロ、リリイと言われているとか言われてないとか。あ

 る程度の確実なキャリアも重ねていて、女である事だけをを武器にしている訳で

 はないようです。

  もう一曲聞いて下さい。グエン・マクレーがオリジナルですね。

  「ロキン・チェア」。

 

M04.Rocking Chair(4’13”)ヘザ—・クロッセ  2006,8 1975

-C.Reid, W.Clarke-  BSMF 2477

N  「ロキン・チェア」、ヘザ—・クロッセの最新版からカヴァでお届けしました。

マイアミの、一時期はヂョーヂ・マクレーと夫婦だったグエン・マクレー、なかなかにいい

女でしたね。この「ロキン・チェア」は彼女の代表的なヒットなので、2006年、同8

年と自分自身でもカヴァを出しています。オリジナルは1975年。如何にもマイアミらし

い曲調が心地良いですね。作ったのはクラレンス・リードでした。

ヘザ—・クロッセも快唱。吹っ切れた感じで気持ち良さそうに歌ってます。この

手のR&Bは、簡単なようで結構むつかしいものですが、皆さんも先の「ベイ

ス必須論」でお気づきのように、この娘は歌が上手いね。リズムの取り方が良い。

さて2ヶ月連続の幕開けお月さん曲に戻りましょう。例えば太陽が明るく

力強く、生命の源的存在として肯定的なイメヂしかないのに較べると、月は怪

しく冷たく不気味な性格も持っているようです。「縁起悪い月が昇るぞ」なん

て歌もありましたしね。月の神「ルナ」から派生した「ルーナティック」という言葉の

意味は精神異常者だし。地球からはずっと同じ面しか見えないから、裏側に

は何があるか分らない。ピンク・フロイドのベスト・セラー・アルバム『狂気』も、原題は

「ダ—ク・サイド・オヴ・ザ・ム—ン」だった筈です。

これもそうでしょうか

「バック・オヴ・ザ・ムーン」。

 

M05.Back Of The Moon(3’01”)Miriam Makeba

-T.Mashikiza.P.Williams-  Fremeaux & Associes FA 5496

 

N  「バック・オヴ・ザ/ムーン〜月の裏側」、歌っていたのは、ミリアム・マケーバです。

これは彼女が南アフリカ時代、1950年代の半ばに出演した「キング・コング」とい

うジャズ・オペラの挿入歌です。当時の欧米的洗練に満たされたバース部分の後、

続くホ—ンの響きが南ア風で、ほのぼのとした雰囲気が漂います。

とは言え、当時は人種隔離政策が厳しく音楽活動も自由に行えなかった筈

です。このように英語で歌われたショウ・ナムバ—は、おそらく悪評高きサン・シティの

ような場所で、圧倒的少数の支配階級白人たちの為に披露されていたのでし

ょう。マケーバは当時からプロの歌手でしたから、歌う仕事なら何でもこなさな

ければならなかった状況が伝わって来ます。

ミリアム・マケーバといいますと、社団法人フォーク・ダンス連盟推薦「パタパタ」の大ヒッ

ト以降がよく知られていますが、このようにそこまでのキャリアもとても興味深い

ものです。個性的かつ高品質なコムピ盤で知られるフレミュー・アンド・アソシエイツが出し

ている『ミリアム・マケーバ1955-1962』という3枚組がありまして、これを聞くと

全世界に登場する前の彼女の活動歴が掴めます。

出世作「パタパタ」も、実は1956年に既に南アフリカの黒人の間ではヒットしてい

たものです。ではそのオリジナル・ヴァージョンを聞いてみましょう。

 

M06.Phata Phata(2’36”)Miriam Makeba

-R.Msomi, A.M.Makeba-  Fremeaux & Associes FA 5496

 

N  社団法人関係者は、目を白黒させてるかな。よく知られたヴァージョンとはだい

ぶ違いますね。南アフリカの首都ヨハネスブルグ周辺に伝わっていたダンスのパターンを基

にマケーバ自身が書いたものです。彼女自身はあまり評価していないとか。

このあと、出演した映画の関連でのロンドン滞在中にハリー・ベラフォンテと出逢い、

その後の行動を共にします。1960年に彼と同じRCAレコードからアメリカでアルバム

を発表しました。そのデビュ−・アルバムから1曲どうぞ。

これも南アフリカらしい素朴な表現が何ともタエ。

「サドゥヤ~トュ−ラ・ンディヴィラ」。

 

M07.Saduva(2’30”)Miriam Makeba

-M.Davashe-  Fremeaux & Associes FA 5496

 

カリプソを世界的に知らしめた初代ワールド・ミュージック大使と人種差別国南アフリカの

黒人歌姫の組み合わせは極く当たり前で、誰にも納得出来た筈ですが、南ア当

局にとっては許し難い国家反逆行為で、なんと国外追放、国籍剥奪という仕

打ちを仕掛けて来ました。ただし、これによって彼女の立場は鮮明になった、

とも言えるでしょう。

ベラフォンテと一緒にいる事で、彼女のリパトゥワには、中南米の楽曲も加わって来

ました。こういうのを上手にこなせたのは、その昔ヨハネスブルグで鍛えられた対

応能力が役立っているんでしょう。

わずかな時間で彼女の人生を語る事は決して出来ませんが、『ミリアム・マケーバ

1955-1962』を聞きますと、よく出来た楽しい音楽の裏の、この時期の南アの

出来事を考えさせて貰えます。英文の丁寧な解説をゆっくりと読みながら聴

き返したい。ずっしりと重い手応えのあるアルバムでした。何せ3枚組ですから。

では最後にミリアム・マケーバの歌うカリプソです。

歪みがちなスティール・パンの音が印象的な「わたしは越境行為が出来ない」。

M08.Can’t Cross Over(3’20”)Miriam Makeba

-trd.-  Fremeaux & Associes FA 5496

M09.Haidara George(5’34”)Khaira Arby

-K.Arby-  Clermont Music  CLE001

 

N  半世紀前の南アの歌姫から、現在のアフリカ音楽をリ—ドするマリの大御所、ハイラ・ア

ービイの最新アルバム『ゴシップ』収録の「ハイダラ・ジョージ」でした。ドラムス、ベイス、

2本のギター、全員が異なるパタンを勝手に刻んでいるように聞こえます。それを

引っ張り続ける力強い歌。それら全部が抗い難い流れのように迫って来て、

巻き込まれて行くのは快感です。気持ち良く揃って終る最後も何か不思議。

押し付け感のない、それでいてダイナミックな演奏。こういうのには、全く恐れ入

ります。

次に聞いてもらうのは、ダカールの世襲音楽一族グーリオの名門「カヌーテ」家に生

まれたマミという女性。こちらは抗い難い笑顔のジャケットにやられました。グーリオ

内では男性しか音楽に触れられない、と聞いたような憶えもありますが、部

族などによってそういう決め事も異なるのでしょう。

マミ・カヌーテまずは1曲。これも単純ではないリズム構成にハメられます。

「ファ・シヤ」。

 

M10.Fa Siya(3’33”)Mamy Kanoute

M.Kanoute – homerecords

 

N  「ファ・シヤ」、マミ・カヌーテでした。リズムの魔力、堪能できましたか。

こういうアフリカの音楽を聞いていると、この人たちは、どうやってリズム、テムポ

ーを取るんだろう、という疑問が涌いて来ます。基本に四分音符を叩き込まれ

たわたしたちは「1、2、3、4」と繰り返すのが正しいと考えていますが、時

にそれは大きな誤解でもあるようです。ママドゥ・ドゥムビアの録音制作の時にそ

のカギを盗もうと試みたんですが、不可能でした。ただ少なくとも「1、2、3、

4」と取ってはいないな、と云う確証は得られました。それが「1、1、1、1」

なのか、あるいは「1、2、3、4、5、6・・・・」と最後まで重なって行くの

かも、と未だに解決していません。そもそも数えるというのが違うのではな

いか、これはアフリカに限らず、アメリカ黒人にも共通して言える事でしょう。だー

れも「1、2、3、4、1、2、3、4」なんてやってません。ナッシュヴィルの白人も便

宜上のヘッド・カウントだけなんじゃないかな「1、2、3、4」は、と最近では考え

始めています。

アフリカのビートの核はどうなってるのか、おそらくは解明出来ないでしょうが、

先ほどの、「ハイダラ・ジョージ」、今の「ファ・シヤ」と聞くとますます不思議な思い

に囚われます。

さてマミ・カヌーテ、つぎはゆったりとした、これも気持ちのよい1曲。

「サヤ・ムンディ」をどうぞ。

 

M11.Saya Mandi(5’48”)Mamy Kanoute

– M.Kanoute – homerecords

 

M12.Condo(4’56”)Oliver Mtukudzi

-O.Mtukudi-  Putumayo PUT 199-2

 

N  マミ・カヌーテの「サヤ・ムンディ」に続いては、全体がこんなビートで満たされていた、

オリヴァ・ムトゥクトジ2002年のアルバム『ヴンゼ・モト』から「コンド」をお聞きいただき

ました。

10月3日の転居第一回にお送りしたボニー・レイットの「ヒア・ミー・ロード」を書い

たのが、このオリヴァ・ムトゥクトジです。そこらじゅうにありそうで、なかなか得

られない柔らかななリズム感です。これも不思議。とにかくこのアルバムはとても

よろしい。でも、もう13年も前になるのか。その間、わたしは何をしていた

のでしょう・・・。

さてボニーを紹介した時にライナから引用した彼女の素敵な言葉をこのたび曲

目確認で読み直したら、きちんと写してありませんでした。きっと最後の整

理改行時に操作を誤ったのでしょう。この日一番いいところだったのに、無

惨な形になっていました。誰か気づいてそっと教えて欲しかった。まあこの

程度の瑕疵はモーニン・ブルーズのあらゆるところにあって、ひとつひとつを気に

してられないのかも知れませんね、首都圏の8人様は。

ボニ—にも、天辰保文兄にも申し訳ないので、完全な形でここに紹介いたし

ます。

ロックン・ホール・オヴ・フェイム2000年、殿堂入り、ボニー・レイットさん、どうぞ。

「ロックン・ロール、ブル—ス、R&B、呼び方はいろいろですが、私にとってはどれ

も同じです。そして、その虜になったことのない人、そのせいで両親を心配

させたり、人間関係が壊れて落ち込んだりしたことのない人、そういう人た

ちは、このステ—ジにあがる資格はありません。音楽はこれからも私をもっとも

っと駆り立ててくれるでしょうし、どれほどあっても満足できないものです。

私を支えてくれた友だち、ファン、今夜私がここにこうして居られるように尽く

してくれたみんな有り難う」

拍手・・・。

さあ、朝です。

 

M13.暗号化されたエ—テルのラジオ体操(5’29”)マーク・ヂョーヂズ

Radio Vietnam  SF095

 

M14.マク・マク・ダルキ(5’51”)マーク・ヂョーヂズ

Radio Thailand  SF028

 

N  かつて「ウツツ」モーニン・ブルーズ時代に「O-H-I-O」(オハヨー)体操の時間があった

事を憶えていますか。今朝はヴィエトナム版オハヨー体操をお届けしました。前回の

ヴィエトナムラジオ放送がたった首都圏の8人の内の一人に好評だったので、今朝は

ホ—チミン市、旧サイゴンからエイドリアン・クロナウアの表題啼きと共に「暗号化されたエ—テル

のラジオ体操」をお聞きいただきました。途中、タイからの音声が混線しまして、

そちらに変わってしまった事をお詫びいたします。番組制作者は、共に奇人

マーク・ヂョーヂズでした。

さて、それではその他にも現在放送されている世界の短波放送を聞いてみ

ましょう。

 

M15.世界の短波放送(4’42”)タモリ

-K.Morita, T.Takhira-     ソニーMHCL-1238

 

M16.Wonderful World(2’03”)Sam Cooke

-Cambel-  ユニヴァーサル  602498074466

 

N  「世界の短波放送」でした。こんな楽しい放送がたくさんあるこの世界は、

なんて素晴らしいんでしょう。リクエストにもお応えして「ワンダーフル・ワールド」、サム・

クックでお届けしましたよ、まゆりん。

さて、先週積み残しがあったばかりなんですが、ここへ来て今週も大量の

積み残しが出ました。珍しく少々考えてね構築した組み合わせだったんです

が、既に時間となりました。こんな土壇場で気づいても困るんですよ、何せ

生放送ですから。

まだ時間がありますね、少々。では最近の意外な発見をお聞きいただきま

しょう。1973年にウイルスン・ピケットは、こんなカヴァもやってたんですね。全く知

らなかった。しかも自動リズムを大胆に導入してたなんて、凄いなあ。歌もあ

のピケット節が冴えてます。カッコいい出来です。名ガヴァに入りますね。

チャック・ベリーの傑作、「メムフィス」。

 

M17.Memphis Tennesee(3’57”)Wilson Pickett

-C.Berry-    BSMF 7518

 

M18.So Long(3’58”)Keb’ Mo’

-K.Moore-  Kind Of Blue Music  nonumber

 

M19.Time After Time(4’48”)アリスン・ブラウン

-C.Lauper, R.Hyman-  BSMF  6072

 

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  ウイルスン・ピケットの「メムフィス」に続いては、ケブ・モの「ソウ・ローング・グッドバイ」、

新しいアルバム『ブルーズアメリカーナ』の最後の1曲です。

そしてお別れはアリスン・ブラウンの「タイム・アフタ・タイム」、ずっと前にヴェンテンさんか

らリクエストを貰っていました。シンディのヴァージョンがご希望だったかな。遅ればせ

ながら、珍しい演奏でお届けいたします。やっぱりいい曲ですね。マイルズ・デ

イヴィスがカヴァするのも納得です。ヴェンテンさん、引っ越し以来ご無沙汰ですが、

新所在地をご存知かな。さて大量の積み残しは、来週をお楽しみに。

来週30日午後9時からはのNHK-BS「プレミアム」の「新日本風土記」で

も河内音頭盆踊りが登場。「BSプレミアム」です。「BS1」じゃないよ。今これ

の受信出来る処を探しています。わたしの家ではBS観られないんです。隣に

観せて貰おうと頼んだら、「ウチもないの」でした。

実は昨晩の教育テレビ観られませんで、どんなだったか知らないのです。少

しでも映されてたかな。誰かに教えて貰います。今日会える人に聞いてみま

しょう。来週は万全で臨まないといけませんが、先ほどのような状況です。

さて今朝の特別付録は、以下の隠し場所にあります。

http://firestorage.jp/download/465a951aaac7c3c038b8f677b05f2f323d984100

ダウンロードパスワード u0uc5bvi

修のところに居候してるからでしょうか、ダウンロ—ドの数がとても増えてい

ます。感謝、ですけど違法行為として挙げられたりしてね。極めて懇意な8

人だけに送ってんですよ。みんな失敗してやり直してるんでしょうか。今週

は期限ギリギリの木曜日午後にたくさん落とされてた。非合法活動をしている

身としては、何かあったか、とすぐに逃亡を考えてしまいます。

ダウンロード時間も話題になっています。先週のレイニー・デイでも話してたなあ。

みんな早い。わたしも予定よりだいぶ遅れましたが、じきに今よりは早く上

げられるようになる筈です。

今日は、ミユージック・マジックの初日。ランキン・タクシ—が心配なので、開演前から行き

ます。あすの楽日は日本橋の祭りが終ってから出向きます。道路使用許可の

関係で15時に終ってしまうので、充分でしょう。

さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com
http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、まだまだ続きます、かな。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2015/10/17

mb151017

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

「ヲーキン・ブルーズ」で始まると思い出します、あの日々を。あの夜の月を。

俺には生涯、首都圏で8人の強い味方が居たんだなあ

雁が鳴いて、南の空に飛んでいかあ、カア、カア、カア・・・、あ、カラスだ

 

01. 名月赤坂マンション(3’08”)大瀧詠一

-E.Ohtaki-  ソニーSPCL 5009

 

02. 松竹の芸人(3’52”)シンデレラエキスプレス渡辺バンド

-Y.Watanabe, Y.Watanabe-  Mele 1017

 

N  大瀧詠一の名作『ナイアガラ・カレンダー’78』から「名月赤坂マンション」でした。アルバ

ム上ではこれは「9月の歌」でしたね、これは。わたしは一番好きかな。

モーニン・ブルーズは2015年9、10月をお月見月間としていますので、遅ればせな

がらお届けいたしました。フェス・ロンゲさんからだいぶ前にリクエストを頂いており

ました。今頃で済みませぬ。

その次はシンデレラエキスプレス渡辺バンドという、わたしの知らないグル—プの「松

竹の芸人」、「ショーチクのオトコ」と歌っていました。これは多分三味線で付き合っ

てる、錦糸町でもお馴染みの「なないろ三味線」虹 友美さんから頂いたも

のだと思います。在阪の普通のロックバンドでしょうけれど、いいですね、こう

いう音楽が自然に出て来るっていうのは。それほど上手ではありませんが、

大阪の味、じんわり出ています。「ショーチクの」っていうところに、グッと来ます。

ホ—ン、ギタ—、三味線の絡みもいいね。

大阪と言えば、付き合いのある音頭取りに堺家小利貴丸という若者がいま

して、昨年面白いミニ・アルバムを出していたんです。たぶん皆さまにはどこかで

聞いてもらっていたとも思うんですが、よくある話で作って終わり、そのま

まになっていました。もっとみんなに聞いて貰いたかったので、その残りの

在庫をわたしが預って東京に持ち込み、今渋谷のエルスールに置いてあります。

卸し屋メタ・カムパニーからもそろそろ出て来るから、全国で手に入るようになり

ました。

彼はまだ十代の頃からわたしと付き合いがあります。当時から非常に有望

な男でした。現在も若手期待の星ですね。東京にも何度か来ています。この

アルバムでみんなに知ってもらって、近いうちにまた来て貰おうとも思いますか

ら、チューモクしていて下さい。

堺家小利貴丸、サカイヤコリキマルですよ。なお、ジャケット裏の写真の中央奥で赤い花

のアロハを着ているのが本人ですが、この後45キログラムの減量に成功しまして、

今ではスリムなスーツが似合う全く別人になっています。これも現地では話題のひ

とつ。

「サカイヤコリキマルでーす」と紹介されて出て来て、

「違うやん、誰や」とおばはん達から言われた事が、この夏は頻繁にあっ

たそうです。確かにそうだ。

では、レゲ・バンド、ホーム・グロウンと共演した意欲作「大阪人情町歩き」。

 

03. 大阪人情町歩き(7’01”)堺家小利貴丸

-J.Sakai-  SRS-001

 

04. 竹田奏兵衛(5’33”)木村優一&スペシャルソース

-trd.-  SHD-002

 

05. Four Colors(3’26”)ジュスカ・クランペール

-J.Grandpere-  Daiwa Sakura Records DDCZ 1970

 

N  肝心の「大阪人情町歩き」冒頭で少々雑音が入りました。お許しを。堺家小

利貴丸、面白いでしょう。こういうのがもっと出て来てくれると、河内音頭

界も新陳代謝が活発になりますね。河内では、レゲと河内音頭が一緒の櫓に昇

るのは、それほど珍しくなくなっているようです。小利貴丸の更なる活躍と

共に、新しい才能の台頭を楽しみにしましょう。

続けて関西発の音楽を2曲続けました。まずは「竹田奏兵衛」と名付けら

れた「竹田の子守唄変奏曲」、木村優一&スペシャルソースという和太鼓を中心とした

演奏集団です。全国津々浦々、和太鼓の会は今も盛んで、お祭りになると必

ず出て来ます。この木村優一&スペシャルソースはそれに洋楽器を加えたアンサムブル。機

械ビートが走ってる上にまるで効果音のように和楽器を載せたインチキ和洋融合音

楽がかなり横行している昨今ですが、彼らはすべて自分たちで演奏していま

す。集団の成り立ちなど詳しい事は未だ不明。クレジットから録音がサンワ、技術が

万波幸治なので、これは大阪制作だ、と判断しました。今の「竹田奏兵衛」

はなかなかの編曲でした。他のトラックはやはり和太鼓の響き、ビ—ト感とどのよ

うな調和を求められるか、という点で模索が感じられます。こういったアンサムブ

ルは、どうしても日頃慣れ親しんでいる西洋ビ—ト、圧倒的に強い楽器に支配さ

れてしまいがちです。どこかに新しい道を見つけ出して欲しい。頼んだぜ。

その次は、ジュスカ・クランペールという生ギタ—とヴァイオリンのデューオでした。彼らも

関西、京都が主戦場です。ふたり共に確かな演奏技術を持っていまして、舞

台進行も上手です。創り出す楽曲にも光る部分があって、共にアクースティクですか

ら演奏する場所を選ばずに、もっと沢山の人の前に出れば人気を博すでしょ

う。気楽に聞ける高等演奏です。

以上、種類は異なりましたが、身近なところで聞いた最近の関西の音を聞

いて頂きました。如何でしたでしょうか。あなたの知っている首都圏以外の

音楽もぜ教えて下さい。

さて、デューク・ロビラードというギタ—弾きをご存知でしょうか。古くはルームフル・

オヴ・ブルーズ、元ヌーヨーク・ドールズのデイヴィド・ヨハンセンが歌っていたジャムプ楽団で

すね、そこにいてから独立して、ボブディランなどのロ—ドバンドに参加していた

男です。今回、全編アクースティクのブルーズ・アルバムを出しました。これがなかなか

の出来。

まずは冒頭の1曲を聞いてもらいましょう。

 

06. My Old Kentucky Home(1’26”) デューク・ロビラード

-S.Foster-   BSMF  2479

 

N  北米歌謡の祖、スティーヴン・フォスターの「ケンタキーの我が家」でした。これでツカミはバ

ッチリですね。この後はビッグ・ビル・ブルーンジー、スリーピー・ジョン・エスティス、ジミー・

ロジャーズなどの名曲が並びます。いい仕上がりですよ。これなんか、どうです。

 

07. Saint Louis Blues(5’09”)デューク・ロビラード

-W.C.Handy-   BSMF  2479

 

N  ちょっと意表を突く手法で来ましたね。面白い。全編こんな風に、電気楽器

に頼らないで古い時代の楽曲を今の感覚で聞かせてくれます。もう1曲行き

ましょう。

「この肉汁みたいな味がするのは何だ」。

 

08.What Is It That Tastes Like Gravy(3’06”) デューク・ロビラード

-T.Red-   BSMF  2479

 

09.俺の村では俺も人気者(3’00”)憂歌団

-T.Oki, K.Utida- 徳間 TKCA-30169

 

N  デューク・ロビラードの新譜から「この肉汁みたいな味がするのは何だ」、そして

とてもよく似ている成り立ちの「俺の村では俺も人気者」、憂歌団でした。作

者は沖てる夫と内田勘太郎になっています。後半に裏で聞こえる「イヤー」、こ

れは勘太郎の声ですね。

デュークの新しいアルバムはこんなスタイルの音楽ばかり。なかなか思い切ったやり

方ですね。通して楽しめる内容です。もちろん確かな腕前があるから出来る

事でしょう。ゲストにはマリア・マルダー、ジェイ・マクシャンたちがいて、そちらも好演で

す。ぜひお聞き下さい。

次も、おやっと思った1枚。ジョン・メイオールの新譜です。ジョン・メイオールは今年

でレコード・デビュー50周年だそうです。昨年もレコ—ドは出してますけども、今年

のは若いプロデュ—サ—のエリック・コーンが鍵盤楽器奏者としての側面を拡大した内容

になっていて、確かにいろんな鍵盤を弾いてますね。わたしはブルーズ・ブレイカ

ーズ時代のオルガンが印象的です。まああんま上手い人じゃないけどね。それで

もアレクシス・コーナーの後を継承してロンドンの灯を絶やさず、多くのブルーズ職人を輩

出したジョン・メイオール学校の校長ですから、気軽にこの程度のブルーズは聞かせて

くれています。

「クレイズイ・レイディ」

 

10.Crazy Lady(3’34”)John Mayall

-J.Mayall-  BSMF  2475

 

N  ジョン・メイオールのレコード・デビュー50周年記念盤、でもないか、とにかく新譜か

ら自身の新作「クレイズイ・レイディ」、歌の造りが自然にブルーズになってる辺りは

流石、スズメ百まで踊り忘れずでした。

さて、9月19日に1曲だけお届けしてそれきりになっていた謎のソウル・シンガ

ー、リオン・ブリヂズ。その後も気になって何回も聞いていますが、実態は相変わ

らず不明。こういことを自然にやってるのか、意図的に造り込んでいるのか、

まだわたしには分りません。どんな人でどういう事を・・・と、お尋ねの方

には、改めて聞いてもらいましょう。

「ブラウン・スキン・ガール」。

 

11.Brown Skin Girl(3’27”)Leon Bridges

-T.Bridges-    Columbia 88875 08914 2

 

N  どうでしょうか。60年代の作品みたいでしょ。歌の作りも音響構築も、今

30歳台の人間たちが自然に作業した結果とは、とうてい思えません。やたら

と本人からの謝辞が並んでいる他には、あまり愛想のない解説冊子には、参

加演奏者全員がそれほど広くない部屋で一緒に音を出してる写真があります

が、これは録音時のものなのかなあ。今の「ブラウン・スキン・ガール」みたいに、

全曲に深いリヴァーブがかかってましてね。それにも何らかの意図を感じます。

「プロデュースド・バイ・ナイルズ・シティ・サウンド」とありまして、テキサスのフォート・ワーズ

のスタジオで作られてるんですが、これが鍵かな。

では彼が、理解して励まし、支援してくれたという母親へ捧げた歌です。

「リサ・ソウヤー」。

 

12.Lisa Sawyer(4’07”)Leon Bridges

-T.Bridges-    Columbia 88875 08914 2

 

13.Hole In My Pocket(4’42”)Ruthie Foster

-T.Hendrix-   BSMF  2482

 

N  謎のソウル・シンガー、リオン・ブリヂズ如何ですか。わたしとしては珍しく、何度も

通して聞いています。ジャケット写真が、オーティス・レディングを連想させる事も影響

してるかな。「ヌーオーリンズ」とか「ミシシッピ」など、最近のR&Bでは聞かれない

固有名詞がひんぱんに出て来るのも気になる。このリヴァーブの先には何がある

のか、次作が早く聞きたい。

その次にお届けしたのは、ルーシー・フォスターの「ポケットの穴」でした。彼女の2002

年のアルバム『ラナウェイ・ソウル』が再発売されます。そこからの1曲です。わたしに

はワーリツアを弾く女、という印象が強いのですが、本来はギタ—の弾き語りのよう

ですね。このアルバムでは全編、上質のヴォーカル・ハーモニーを伴ったブルーズが聞かれ

ます。とてもフォークのエッセンスを感じます。もう1曲このアルバムから聞いて下さい。

軽快なシャッフル・ビ—トが素敵です。

「スモ—ルタウン・ブルーズ」

 

14.Small Town Blues t(3’21”)Ruthie Foster

-T.Hendrix-   BSMF  2482

 

N  ルーシー・フォスターで、「スモ—ルタウン・ブルーズ」気持ちいいですね。わたしが彼女を知

ったのは、たぶんレコ—ド店の試聴器でした。その場で気に入ってね。すぐ某英

国人に伝えた事を憶えています。地味に活動してる人だろうと思ってたら、

すぐにいろいろな音楽賞に名前が上がって来たので、少々驚きました。こう

いうところが、何処かの国の大賞典と違うところですね。羨ましくもある。

では試聴器で聞いて気に入った『ザ・フェノーメンタル』から、

サン・ハウスの「ピーポ−・グリニン・イン・ヨ・フェイス」、

そして大胆にもマイナー・キイで歌われる「アプ・アバヴ・マイ・ヘッド」

 

15.People Grinnin’ In Your Face(3’21”)Ruthie Foster

-S.House-   Blue Corn Music BCM 0602

 

16.Up Above My Head(I Hear Music In The Air)(3’45”)Ruthie Foster

-R.Tharpe-   Blue Corn Music BCM 0602

 

17.Sketches Of Dali(4’34”)Vahagni

– Vahagni –  BG-5188

 

N  ルーシー・フォスターの「ピーポ−・グリニン・イン・ヨ・フェイス」、「アプ・アバヴ・マイ・ヘッド」

に続いてはアルメニアのギタリスト、バハグニの新作から「スケッチ・オヴ・ダリ」でした。こ

れはあのチョーゲンジツ派の画家ダリを主題に置いた楽曲です。バハグニは東欧生ま

れながらフラメンコ・ギターの高等技術を修得しており、当然彼の地に長期滞在して

います。その時に同国の奇才と何か接点が芽生えたのでしょうか。

荒廃した大地で懐中時計が溶け出して行く有名な「記憶の固執」が連想出来

たかな。

今のは基本的にはガット弦ギタ—と手拍子という正当的なフラメンコの合奏でした。

ただ、裏では妙な効果処理をした音声が所々に敷かれていました。こういう

電気操作が今回のアルバム『イマジンド・フリークエンシーズ』にはかなり導入されていま

して、不思議な世界が展開して行きます。紛れもなく異色、個性的です。

わたしも当初は違和感があったのですが、段々と聴くうちに彼の意図する

ところが分った、というより伝わって来た、と云う感じかな、楽しめていま

す。フラメンコに共通する、相当に緊張を要求される演奏の連続ではありますが。

月曜日に代官山で実演があったようですね。ヤヒロトモヒロも一緒だった。聞きた

かったなあ。

では今回のアルバムの中心的楽曲をお聞き下さい。

「幽霊船団〜夢見絵図」

 

18.ゴースト・シップス~ドリーム・シークエンス(3’29”)バハグニ

– Vahagni –  BG-5188

 

19.Nyama Nyama(4’43”)Electro Bamako

-unknown   CSB Productions  CSB 109-

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  バハグニの「幽霊船団」に続いては、エレクトロ・バマコというD.J.の集まりによる

多重音像で「ニャマ・ニャマ」でした。言ってみれば電気処理の産物ですが、素材

はアフリカから採られています。こういうのはキックドラムがほとんど4拍子/4分音

符の頭打ちで、わたしはそれでシラケる事が多いのですが、エレクトロ・バマコの最新

作『ナウ』から、貴重な他のパタンを探し出してお届けしました。面白かったで

しょ。

今朝は何が長かったのかな、最後に4曲省略しました。これは積み残しで

来週だな。別に放送枠が限られてるワケじゃないけどね。だいたい付録をCD-R

1枚に焼けるデータ量を目安にしています。

居候の身ですけれども、皆さま「コメント欄」へのお便りありがとうございま

す。わたしには何よりの励みになります。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所にあります。先週のは予定よりも早く

削除されてしまったようです。済みませんでした。何故かなあ。

http://firestorage.jp/download/02d34730ec0f1b7bf8f03f1aaf3bcfe3356ed69f

ダウンロードパスワード scw9wjhk

今日は、西麻布の富士フイルムの裏にある、レイニー・デイでの、ライヴ・マヂックの支

援イヴェントに参加します。具体的な内容は結局未定のまま本番となりました。

皆さん、助けてね。

8月の河内音頭盆踊りの模様が放送される筈のNHK教育テレビの放送は、

10月23日23時でした。「ニッポン戦後サブカルチャー史」です。

同じく30日午後9時からはのNHK-BS1「新日本風土記」でも河内音頭盆

踊りが登場。ワツシイサヲが俄にTVスター・・・、ではないですね。

その前の日曜日25日には日本橋と京橋間で行われる「日京まつり」で、河

内音頭を踊れます。中野で毎年面白い盆踊りを開催している中野区民謡連盟

の人達が「生」を聞かせてくれます。夏のおさらい、今年の踊り納めにどう

ぞ。わたしもウロウロしているでしょう。

急に寒くなった感じです。わたしも既に2度風邪を引きそうになりました。

気をつけて下さいよ。月夜の風邪は・・・、あっこれは先々週のお話。

さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com

サイトを移動した「幻」モーニン・ブルーズ、まだしばらくは続きます。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

s-mb151017p

——————————————

今朝の特別付録、ダウンロードに要した時間は1分40秒弱でした。
皆さんはどれくらいかかりましたか?

幻・スタッフより

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/10/10

mb151010

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

久し振り、本当に久し振りにバタフィールドの「ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)」

で始まりました。

特別付録を付けるようになってから、毎週これで始めたかったんだけど、

音源が行方不明でして。生本番では修ビーツが終って、わたしが引き継ぐ緊張

の一瞬、局のコムピュータに入れてあるのを立ち上げておいて、液晶画面を叩いて

この主題曲が流れ、本番開始という段取り。ただそこまでは前の番組の出演

者、澤田修がやってくれていました。いつも「今朝はちゃんと最後まで出来

んのかな」と心配そうな顔で監視されていたのが、今でも心に残っています。

先週末の大掃除で予備にCDに焼いておいたのが、山奥から出て来ました。

今朝からこれで始めて行きましょう。

さて今週も冒頭の一曲はお月さん絡みです。

ロリ・ジョンスンで「ブルームーン」。

 

M01.Blue Moon(3’44”)Lori Johnson

-R.Rodgers, L.Hart-  FuzzBall Music

 

N  ロリ・ジョンスンで「ブルームーン」でした。このアルバム『ライク・ファイン・ワイン』はなぜ手許

にあるのか分りません。何処かの廃棄処分から救い出したのかな。本人につ

いても何の周辺情報がなく、この1枚から推測するだけです。『Like Fine Wine』

という綴りで遊んだ題名と、美人ではないけれど浜辺で楽器と一緒に写って

いるジャケット写真が気に入って、玄関に飾っていました。白人でおそらくはクラブ

などで歌っている人でしょう。ジャズとR&B、それに同系統のオリジナルが少々。

その中の1曲がロジャーズ/ハート作の「ブルー・ムーン」でした。選曲も編曲もなかなか

自由に行われていて、強烈な個性はないのですが好感の持てる内容です。

一般的には「女性ヴォーカル」と言うのでしょうか、普段この手の音楽に親し

む事はないので、通して聞いていてなんか妙な気分になりました。「ミョウ」と

いより「タエ」ですね。それで連想されたのが、この女性でした。

 

M02.How Sweet It Is(3’42”)Karen Dalton

-Holland, Dozier, Holland –   Light In the Attic  LITA 022

 

N  カレン・ダルトンで「君の愛につつまれて」でした。先のロリ・ジョンスンとは全く異な

る世界の人間ですが、選曲の自由さという点では多少共通するところがある

かも知れません。多分わたしの連想もその辺りからのものだったのでしょう。

カレン・ダルトンは、ずっと前にこのアルバム『イン・マイ・オウン・タウン』がレコ—ド店で流

れていて、聞いた瞬間にその場で虜になりました。ボブ・ディランがたいそう

気に入っていたと言われる伝説的歌い手です。恥ずかしながら、わたしは知

らなかった。お聞きのように、なんとも個性的な歌で、この真似は出来ませ

んね。唯一無比というのでしょう。インディアン、チェロキー族の血が流れていた人で、

ロングネック・バンジョーを弾きます。

ではそのロングネック・バンジョーとフィドルの絡みが素晴らしい「ケイティ・ク−エル」を聞

きましょう。

 

N03.Katie Cruel(2’22”)Karen Dalton

-trd. –   Light In the Attic  LITA 022

 

N  アメリカの独立戦争時代に形が整えられたという古いフォーク・ソング「ケイティ・ク−エル」、

数ある録音の中で最良の出来と評されるカレン・ダルトンのヴァ—ジョンでした。確か

にタエなる味わいです。捉えどころのないような節回しですが、しっかりした

骨格を持っている事が分りますね。

同じ歌を、今度はフランス系カナダ人のリサ・ルブランの最新カヴァで聞いてみましょう。

 

N04.Katie Cruel(2’25”)リサ・ルブラン

-trd. –   BSMF  6701

 

N  「ケイティ・ク−エル」、リサ・ルブラン2014年のミニ・アルバムからでした。

今は大きな楓の葉っぱがあしらわれたディザインのカナダ国旗は、1960年代半

ばまで左上にユニオン・ジャックが入っていて、旧英国領である事を示していまし

た。でも東部にはフランスからの入植者がいて、フランス文化圏がありました。ケベック

州はフランス語圏で、日本にもカナダ大使とは別のケッベク領事がいたような筈です。

ります。70年代にはその文化的摩擦が原因で紛争も起こっていました。

そのフランス入植者の末裔でしょうか、リサ・ルブラン。彼女もバンジョ—を弾きなが

ら歌います。トラッド、アイリッシュ、フォークの要素を融合させた、トラッシュ・フォークと自ら

呼ぶ独特の音楽が彼女の持ち味。わたしには全体から現代人らしいロック感覚が

強く伝わって来ました。今の「ケイティ・ク−エル」は、2作目となる英語盤に収めら

れています。

ではフランス語で歌って2年前にヨーロッパでヒットしたという、

「オウジュールドゥイ・マ・ヴィ・シ・ダーラ・マードゥ」と言っているように聞こえるこの

歌は如何でしょうか。

 

M05.Aujourd’hui, Ma vie C’est D’la Marde(3’38”)リサ・ルブラン

-L.LeBlanc-   BSMF  6700

 

N  「オウジュールドゥイ・マ・ヴィ・シ・ダーラ・マードゥ」、リサ・ルブランでした。多彩な効果

器機を駆使して過剰なまでに飾り付けられた音楽が溢れている世の中で、こ

ういう素朴な造りの歌がヒットするという現象は痛快ですね。音楽を受け取る世

界の健全さが現れているような気もします。彼女の作品は、ジャケットが素敵な

フランス語のデビュ−・アルバム、そして英語で歌った2枚目のミニ・アルバムが10月23

日に発売になります。何故かわたしも名前だけは知っていたリサ・ルブラン、これ

が本邦初登場ということです。

先週の鉄道唱歌集、確かにカントリ—系が少なかったですね。では積み残しを1

曲運んでおきましょう。

ジミー・ロジャーズで「汽車を待ちながら」。

 

M06.Waiting For A Train(2’44”)Jimmy Rodgers

-J.Rodgers-  Rough Gides  RGNET1274CD

 

N  ポケットには何もなく

心は古傷だらけ

故郷から1600キロも離れて

ただ汽車を待っている・・・

 

ジミー・ロジャーズの名作「汽車を待ちながら」でした。

その昔、東海道線東京発大垣行き最終の事を「挫折列車」と呼んでいた人

達がいたそうですが、ここでジミー・ロジャーズが待っているのもそんな汽車で

しょうか。名曲ですね。カントリ—界の反逆児、マール・ハガードがこの歌で人生を変え

られたそうです。

さて、カントリーと言えば先頃入手したCDに『ディラン、キャッシュ、アンド・ザ・ナッシュ

ヴィル・キャッツ』というのがあります。「ナッシュヴィル」という言葉に惹かれて買った

のですが、当初は何のコムピ盤なのか分りませんでした。

何しろ、ボブ・ディラン、ジョニー・キャッシュを始めとしてバーズ、ジョンを除くビートル

ズの3人、ニール・ヤング、トレイシー・チャプマン、リオン・ラセッルといった70年代の大御所

がズラリ。でも彼らの代表曲集ではないんです。

これはこれら錚々たる連中の、ナッシュヴィルにちなんだセッションを集めたものでし

た。現地での録音に限ったという訳ではなく、例えばジョ—ジ・ハリスンの「ビハイン

ド・ザット・ロックド・ドア」は、ビートルズの解散後に親交を重ねていたボブ・ディラ

ンの影響で、この地の名スティール・ギター奏者、ピート・ドレイクをロンドンに呼んで行っ

たセッションから、という具合に若干のコジツケもありますが、総じてこの「ア・ヌウ・

ミュージック・シティ」への限りない敬意が込められた2枚組となっています。

若い世代の革命的なロックやフォークが世の中の主流となって行った60年代後半、

ここナッシュヴィルは保守的で過去の価値観の象徴のように見られていました。そ

れが逆転して、音楽の聖地として崇められるようになったのには、ボブ・ディ

ランとジョニー・キャッシュの動向が大きく、タイトルにもそれは現れています。

 

M07.北国の少女(3’42”)ボブ・ディラン with ジョニー・キャッシュ

-B.Dylan-  ソニー SICP 4501/2

 

N  ご存知「北国の少女」、ボブ・ディランとジョニー・キャッシュでした。ボブ・ディランが

ナッシュヴィルに初めて来たのは1966年の『ブロンド・オン・ブロンド』のセッションでした。

それまではニューヨークで録音してましたからね。この時のプロデュ—サ—、ボブ・ジョン

ストンの発案で、ディランはカントリ—音楽の本場を訪れたのです。それ以来ディランはす

っかりここが気に入って、録音の本拠地として頻繁に訪れるようになります。

一方でボブ・ジョンストンはジョニー・キャッシュのプロデュ—スも手掛けていました。この

二人と同時期に付き合うというのも、大した能力ですね。キャッシュはここナッシュヴ

ィルから放送されるテレビ番組のホストを努めていて、ずっと滞在していました。端

から見れば音楽界の左派と右派の筆頭のような存在ですが、お互い同志は作

品を通じて認め合っていたそうです。その現れでしょうか、今お聞き頂いた

ような、これまた「タエ」なるデューオが成立した訳です。これ、ずっとふたりが

合わせようとせずに歌っているように聞いて来ましたが、そうでもないです

ね。特に後半はお互いを意識した微妙な歩み寄りが聞き取れます。いや、「タエ」

なり。この時の録音はほとんど遊びだったそうで、本来は発表する予定では

なかったそうです。

こんな奇跡的な出逢いが生まれたナッシュヴィルへ、クリス・クリストファスンやレナード・コ—

エンなどを呼び寄せたのもボブ・ジョンストンだといいますから、ナッシュヴィル70年代

の復権に果たした彼の役割は大きいですね。今年の8月14日に83歳で亡く

なったのも、この町のホスピスでした。

次はフォ—クの女王が最高峰のロック・バンドの持ち歌をカヴァします。

「ザ・ナイト・ゼイ・ドローヴ・オールド・ディキシー・ダウン」、ジョ—ン・バエズです。

 

M08.オールド・ディキシー・ダウン(3’24”)ジョ—ン・バエズ

-R.Robertson-  ソニー SICP 4501/2

 

N  ジョ—ン・バエズの「ザ・ナイト・ゼイ・ドローヴ・オールド・ディキシー・ダウン」、これはポ

ップ部門で第3位にまで昇ったそうです。かなり純度の高いナッシュヴィル・サウンド

でした。

さて、先ほどのボブ・ジョンストンは他にも大物を連れて来ていました。サイモンと

ガーファンクルです。一説ではディランより先にナッシュヴィルを体験していたと言います。

次の曲の録音はニューヨークですが、ここに呼ばれて各種のギタ—を弾いているのが、

フレッド・カーター、印象的なハ—モニカはチャーリー・マッコイ、共にナッシュヴィルのスタジオ・ミュージシャ

ンです。ふたりとも非常に効果的な演奏をしています。

 

M09.ボクサー(5’08”)サイモン&ガーファンクル

-P.Simon- ソニー SICP 4501/2

 

M10.ア・シックス・バック・トゥ・ゴー(2’20”)レオン・ラッセル

-H.Thompson, J.Lowe, D.Hart-

 

N  サイモンとガーファンクルに続いては謎の男、クセ者リオン・ラッセルの「ア・シックス・バック・トゥ・

ゴー」でした。わたしは「マッド・ドッグズ・アンド・イングリッシュメン」以来のリオン・ラッ

セル・ファンでして、特にレイ・チャールズ・ショウに範を取ったリヴュウ・スタイルをロック世代に

提示した感覚を高く評価していました。それが73年、絶頂期の後に突然カントリ

ーを始めたのには驚きましたね。信じられなかった。しかも「ハンク・ウイルスン」な

んて名前まで付けて・・・。今より遥かに音楽の知識も理解もない当時のわ

たしは裏切られたような気もしました。振り返ってみると、この頃のリオン・ラッ

セルはリラックスしたかったんじゃないかな、と思います。

面倒な属性を持たない仕事の確かな職人たちと、過剰な興奮を求めずに音

楽を奏でる、それまでの数年間はかなり狂った時空を泳いでいましたからね。

ここで演奏しているのは、ナッシュヴィルでも知られた一流のスタジオ・メンばかりで

す。リオンの寛いだ歌が何よりもこのセッションの雰囲気を反映しています。

このように、ナッシュヴィルというところはストレスなく音楽を作れるところ。設備

は完璧であらゆる作業はスムースに流れます。その原点には、腕達者な演奏家が

いくらでも揃っている事があるでしょう。

面白い実話があります。この国では名手として名高いギタ—弾きが、ナッシュヴィ

ルの楽器店で試し弾きをしていました。

通りかかった町の男が

「なかなか上手いじゃないか」

と声を掛けて来てしばらく談笑。

「ところで何の仕事をしてるんだい」

との問いに、彼は自信を持って

「演奏家だよ」、と答えました。

すると件の男、

「いや、冗談は分るけど、本当は何をしてんのよ」と、食い下がる。再び、

「ギタリストさ」と答えると、こんな返事が帰って来たそうです。

「その程度の腕じゃ仕事は来ないだろうよ」と。

これをギタリストの腕が悪かったのか、ナッシュヴィルのスタジオ・メンのレヴェルが計り知

れない程高いのか、さあどっちでしょう。ちなみにそのギタリストの名は・・・、

ちょうど時間となりました。

 

M11.ハンク・ウイリアムスが嫌いなら(1’47”)クリス・クリストファーソン

-K.Kristfferson-  ソニー SICP 4501/2

 

M12.永遠の絆(4’48”)ニティ・グリッティ・ダート・バンド

-trd.- ソニー SICP 4501/2

 

N  本格的な作詞作曲家になる前にナッシュビルに住んで、スタジオの清掃人をしていた

というクリス・クリストファスンで「ハンク・ウイリアムスが嫌いなら」これはデモヴァ—ジョンです。

カントリー好きなソウル・シスター、ミリー・ジャクスンが歌う「すべてのミリー・ジャクスンを嫌う人

に」の元歌です。そしてニティ・グリティ・ダート・バンドにロイ・エイカフ、ドク・ワトゥスン、

アール・スクラグスといった巨匠たちが参加した「永遠の絆」でした。

さて、これで大円団、的なのですが、ちょっとオマケを付け加えておきましょ

う。先週のスティーム・ストリームの冒頭を飾った「恋の終列車」のマンキズも、ここナッシュ

ヴィルで録音をしています。マンキズというか、ギターのマイク・ネスミスが一人で乗り込

んだのですがね。彼は元々カントリー指向の強い男で、マンキズ脱退後に組んだファース

ト・ナショナル・バンドでは、新しいカントリ—音楽を模索していました。マイクは3曲のセッ

ションを行ったようで、そのうちの2曲は「素敵なミュージック」、「素敵なブルーグラス」

という恐ろしくC調な邦題で、グループのシングルにもなりました。残りの1曲「サ

ム・オヴ・シェリーズ・ブルーズ」は未発表でしたが、その後で陽の目を見てこの2

枚組CD『ディラン、キャッシュ、アンド・ザ・ナッシュヴィル・キャッツ』にも収録されています。

では、その「サム・オヴ・シェリーズ・ブルーズ」、

そして「素敵なブルーグラス」を続けてどうぞ。マンキズです。

 

M13.サム・オブ・シェリーズ・ブルース(2’29”)ザ・モンキーズ

-M.Nesmith-  ソニー SICP 4501/2

 

M14.Daddy’s Song(3’27”)The Monkees

-H.Nilsson-  Music Club Deluxe MCDLX074

 

M15.Mary, Mary(2’13”) The Monkees

-M.Nesmith-  Music Club Deluxe MCDLX074

 

N  あれえ、間違ったな。「サム・オヴ・シェリーズ・ブルーズ」の後は、デイヴィー・ジョー

ンズが歌ったハリー・ニールスン作の「ダディーズ・ソング」が出ちゃった。それで動揺し

たか、その後にはとっておきの「メアリ,メアリ」が続いてしまった。すみません。

改めて聞いて下さい。「素敵なブルーグラス」です。

 

M14.Good Clean Fun(2’18”)The Monkees

-M.Nesmith-  Music Club Deluxe MCDLX074

 

N  「素敵なブルーグラス」、マンキズでした。マイクはこのグループで創造的な音楽をやろ

うとしていたんですね。

さて先に出てしまったマンキズの「メアリ、メアリ」ですが、このマイク・ネスミス作のロック

曲は、なんとこの番組の前後テ—マ曲でお馴染みのポール・バタフィールド・ブルーズ・

バンドがリパトゥワにしてるんです。名盤イースト・ウエストに入っています。わたしはバ

タフィールドの方で子供の頃から聞いていて、マンキズの方は先週知ったばかりなの

ですが、まさかマイク・ネスミス作だったとはねえ。どういう繋がりだろう。マンキズ

をバタフィールドたちが聞く訳ないしなあ。

マンキズのもなかなかロックしてましたが、果たして誰が演奏してるやら。リード・

ヴォーカルはミッキー・ドレンツでした。

では、ポール・バタフィールド・ブルーズ・バンドで聞いてもらいましょう。

カッコいいですよ、「メアリ、メアリ」。

 

M16.Mary, Mary(2’48”)Paul Butterfield Blues Band

-M.Nesmith-  Elektra 7315-2

 

M17.Salt Of The Earth(4’53”)The Rolling Stones

-M.Jagger, K.Richard-  ポリドールP25L 25043

 

N  ポール・バタフィールド・ブルーズ・バンドの「メアリ、メアリ」でした。それに続けたのは、

傑作LP『乞食の晩餐』の最後を飾った「地の塩」です。これは聖書の中の言

葉からのインスピレイションで書かれた曲でしょう。歌い出しはキース・リチャー「ド」です。

それにしても、いい音してる。さすがグリン・ジョーンズ、ジミー・ミラーです。

先週ちょっとお話ししたモ—ジョのインタヴュウのタイトルがこの「地の塩(Salt Of

Earth)」でしたので、それに引っ掛けてお届けしました。

この談話で、キースは「今回採り上げたカヴァ−曲はどれも忘れ難いものばかりだ。

それを、俺なりの方法で、原曲を正しく解釈しようと努めた。『グッドナイト・アイ

リーン』はレッドベリーのオリジナルをテッテ的に研究してね、キングストン・トリオのヴァージョンな

んかじゃ歌われていない『俺はモルヒネを打って死ぬ』なんて行りもちゃんと入

れたんだ」と語っていました。

では聴かせて頂きましょう。開始から3分で「モルヒネ」が出て来ます。

キース・リチャーズの「グッドナイト・アイリーン」です。

 

M18.Goodnight Irene(5’46”)Keith Richard

-Leadbelly-  ユニバーサル UICY-15429

 

N  キース・リチャーズの最新ソロ・アルバムから「グッドナイト・アイリーン」でした。先々週ご紹

介したエリック・ビブの新譜にも同じ曲は収録されていました。レッドベリー、昨今

あちこちで注目されていますね。

キースの新作は基本的には単純なロックンロ—ルですが、決して一本調子ではなく、

緩急を付けてなかなか面白い出来映えになっています。今の「グッドナイト・アイリ

ーン」も味わいが深かったでしょ。全体を見渡すと余計な力が入っていない感

じが強い。かと言って、だらしなく続く訳ではありません。キースは年を経って

段々謙虚になって来たような気がしますが、今回のは特にそうかな。

さて次はリー・ペリーと一緒に演ったレゲです。これもいいんです。

 

M19.Love Overdue(3’28”) Keith Richard feat. Lee Scratch Perry

-unknown-  ユニバーサル UICY-15429

 

M20.Blues In The Morning(4’26”)Keith Richard

-unknown-  ユニバーサル UICY-15429

 

M21.Morning Train(3’54”)Wingless Angels

-unknown-   Mindless  nonumber

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  キース・リチャーズの新作から「ラヴ・オーヴァデュウ」、そしていかにもキ—スらしいロックン

ロールの「ブルーズ・イン・ザ・モーニング」、新しいのソロ・アルバムからお届けしました。

最後は彼がプロデュ—スしたジャマイカのナイヤビンギ集団、ウイングレス・エインジェルズの「モーニ

ング・トレイン」をお聞きいただきました。これはデラックス・エディションという2度目

に出た方の盤からお届けしました。シーナ・イーストンの歌じゃないよ。

澤田修家の居候になった「幻」には、これまでのようにツイター欄がありませ

ん。その代わりに閉じてあった「コメントを送る」欄を開けておきました。ここ

に皆さんのご意見ご感想が反映されますので、どうぞご利用下さい。以前の

ような使い易い、閲覧し易い形態に出来るかどうかも検討中です。

一方新しいインタfmのウェブサイトにはまだ「幻」が残っていて読める、との情報

も入って来ております。いずれにせよ、早めにスッキリとさせましょう。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所にあります。

http://firestorage.jp/download/535910a07019026446030952124f21b499799ffa

ダウンロードパスワードは、 7dqjpvz9

今月の17日、西麻布の富士フイルムの裏辺りにある、レイニー・デイという場所で、

ライヴ・マヂックの支援イヴェントがあって、呼ばれています。内容は未定。そろそろ

準備したいのですが、どうなりますか。

NHKの教育テレビの26日23時からの「ニッポン戦後サブカルチャー史」で、8月の

河内音頭盆踊りの模様が放送予定となっております。また、30日のNHK-BS1

午後9時からの「新日本風土記」でも同じく河内音頭盆踊りがフィ−チュアされま

す。現場でそれぞれに、かなり長い取材を受けてました。果たして・・・。

どうぞお楽しみに。

その前の日曜日25日には日本橋と京橋間で行われる「日京まつり」で、河

内音頭を踊れます。中野で毎年面白い盆踊りを開催している中野区民謡連盟

の人達が「生」を聞かせてくれます。夏のおさらい、今年の踊り納めにどう

ぞ。わたしもウロウロしているでしょう。

急に寒さを感じるようになりました。そのせいでしょうか、風邪を引いて

いる人も結構いますね。月夜の風邪は・・・、あっこれは先週のお話。

さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、
http://osamusawada.com

http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

サイトを移動した「幻」モーニン・ブルーズ、まだしばらくは続きます。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

s-IMGP1378

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/10/03

まず移転届け

放送終了から1年半、ようやくインタfmのウェブ環境の見直しが行われたらしく、既に番組表から無くなっている番組の頁が削除されました。それに伴い、この「幻」モーニン・ブルーズもショ—メツしましたが、不動産王澤田修が、暫定的にこの部屋を貸してくれる事になり、今しばらく続きます。これを機会に逃げようと思わなかった訳ではありませんが、首都圏で8人の皆さまのお顔が、十三重に浮かび、逃亡を断念しました。前の不法占拠アヂトへ行ってもなんの案内もないので、8人の皆さまも迷われているようですが、「ツイタ—で騒げば全員に伝わる」と修が言ってます。それを信じて、今朝もまいりましょう。聞こえてますか、アサーッ。

ワツシイサヲ

 

mb151003

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

見えましたねえ、チューシューのメーゲツ。ちょうど雲間に浮かぶ姿を、浅草での浪

曲鑑賞の帰り道で見ました。美しかったですよ。最強月夜女のお陰かな。

翌日のイザヨイの方が大きく奇麗だったそうですが、やっぱり十五夜でしょう。

満月の日にはワインがおいしんだそうです。何かの雑誌広告にありました。普段

の安酒もお月さんと一緒ならひと味違うみたいです。わたしも試しましたが

あんま変わりなかった。

そう言えば、読みかけの時代小説に「月夜に風邪を引いた」という表現が

出て来ました。名うての女掏摸が不覚にも堅気に恋心を抱いてしまった事を

自嘲気味に、こう語るのです。粋だなあ。感心しました。月夜の風邪は、拗

れそうですよ。お気をつけ下さい。

ではチューシューのメーゲツ記念にお届けしましょう。

黛ジュン、「夕月」。

 

M01.夕月(3’29”)黛 ジュン

-R.Nakanishi, T.Miki-  東芝 2MK-009

 

M02.The Memphis Train(2’31”)Rufus Thomas

-M.Rice, W.Sparks, R.Thomas-  ACE CDCHD 1450

 

N   黛ジュンの傑作「夕月」に続いては、ルーファス・トーマスの「メムフィス・トレイン」でした。

この間、普段は足を向けないレコード屋に行った際、支払いを済ませた後に、

カウンタ—で目に付いた1枚がありました。こういうのは、ス—パ—マ—ケットのレジそば

に置いてあるお菓子などと同じで、つい手が出てしまいますね。「おや」と見

てみると充実した選曲で評判高きエイスのコムピ盤『全員乗車せよ』。副題に「鉄

道唱歌または走行リズムによる音楽的連想および妄想25の実例」とあります。

エイスの編集感覚には毎回唸らせれている身ですから、即座に購入。店の思う

ツボにはまった、飛んで火に入る夏の虫、葱を背負ったカモですね。

内容は例によって文句無し。今の「メムフィス・トレイン」もその中からの1曲です。

1968年、スティーヴ・クロッパーの制作。充分なノヴェルティ味、そしてリズムのカッコ良さ。

オーティス・レディングの航空機事故から生き残ったバーケイズのメンバ—との吹き込みで

した。

ちょうど10月14日は「鉄道記念日」です。全国のテツコ、テツオに、このアルバ

ムから厳選してお送りしましょう。

 

M03.Stop That Train(3’13”)Keith & Tex

-T.Dixon, D.Harriott, W.Jones, G.Rowe-  ACE CDCHD 1450

 

N  ジャマイカのヴォーカル・デューオ、キースとテクスの「あの列車を止めろ」でした。皆さま

ご存知の通り、この国には鉄道が通っていません。沖縄本島と同じ。昔は短

い距離が引かれていたんですが、台風で使えなくなってそれきりになったそ

うです。放置されている軌道跡を見た事があります。多分英国式の狭軌でし

ょうね。島のキングストンとは反対側だった筈です。キースとテクスは実際に汽車に乗っ

た事があるのかな。ラヴァーズ・ロック・スタイルのダイヤの、乱れや事故もない順調走

行でした。その電車、止まってくれ、俺を乗せてくれ、あの娘が逃げ出した

んだ、と歌います。緊急事態なのに、こんなにのんびりしてていいのかな。

次はジェイムズ・カー。不倫を歌った傑作「裏通りの闇の果てに」で知られる南

部ソウルの巨星です。今朝は機関車に乗って希望に溢れたソウル・ミュージックを運んで

来てくれました。

「フリーダム・トレイン」。

 

M04.Freedom Train(2’18”)James Carr

-S.Bogard,L.Rogers, C.Wells-  ACE CDCHD 1450

 

N   ジェイムズ・カー、「フリーダム・トレイン」。1968年の作品です。とてもいいですね。

特に後半、オーティス・レディングそっくりな節回しが出て来ます。肯定的なソウル・ミュ

ージックの典型、と言っていいでしょう。

次はチャック・ベリー。自動車にテーマを求めた歌が多いチャックには珍しく、鉄道唱

歌です。自作。もうひとつ珍しく、彼にしてはとても真面目に歌っています。

他の歌に感じられる構えを斜にずらした皮肉がありません。どうもチャックに真

面目にやられると違和感あるなあ。更に、チャックが如何にカントリー音楽好きだった

かが、確実に伝わって来ます。ギタ—はいつもと同じだけどね。1956年、デビ

ュ−直後の作品です。

「下り列車」。

 

M05.The Downbound Train(2’46”)Chuck Berry

-C.Berry-  ACE CDCHD 1450

 

M06.Ghetto Train(3’46”)Luther Ingram

-L.Ingram, J.Baylor, J.Northern,R.Stewart-  ACE CDCHD 1450

 

N  カントリー歌手チャック・ベリ−の「下り列車」でした。続けて聞いてもらったのは、

先ほどの「フリーダム・トレイン」と同じく堂々たる走りの「ゲトー・トレイン」、こちらも

不倫名唱「イフ・ラヴィグ・ユー・イズ・ロング」で知られるルーサー・イングラム。1971年

の作品ですから黒人意識、自覚が高まって来た頃の、社会への呼びかけです。

力強く走る鉄道列車は、希望の象徴。ここまでお届けして来たように、夢

の未来へ自分たちを運んでくれる、頼もしい乗り物です。寂しい夜汽車も、

闇夜の先の輝くアシタまで走り抜けるのです。さあ、ご一緒にお乗り下さい。た

だし、これは快速急行ですから停止駅にお気をつけて。

ジェイムズ・ブラウンとフェイマス・フレイムズで「ナイト・トレイン」。

 

M07.Night Train(3’38”)James Brown & The Famous Flames

-J.Forrest-  ACE CDCHD 1450

 

N    イギリスのエイスのコムピ盤『全員乗車せよ 鉄道唱歌または走行リズムによる音

楽的連想および妄想25の実例』からお送りした鉄道唱歌の数々、如何でしょ

うか。

先ほど「鉄道列車は、希望の象徴」と言いました。自動車が今ほど普及す

る前には最も身近な交通機関として、圧倒的存在でした。機械文明の証しで

もあったでしょう。音楽の世界ではあの走行音がリズムとして、カントリ—やブル—ズ

に閃きを与えたのは疑いのない事実。ここまでにお届けした各曲でも、それ

は分りますね。テ—マは違いますが、リトル・リチャ-ドの「ルシヤ」ね、あれでアール・パー

マーが叩き出しているビートは、明らかに全速前進している蒸気機関車のもので

す。あ、余計な話でした。

それと並んで、蒸気機関車時代の汽笛は心の旋律、詩情に刺激を与えてく

れました。十代の半ばまではわたしの部屋でも深夜に遠い汽笛が聞こえて来

ましてね。辺りは静まり返っているので、なんとも言えない気分になったも

のです。こういう時は「希望の象徴」ではなくて、感傷、郷愁、旅愁などの

ちょっと湿っぽい感情を掻き立てる存在となります。

世界中に熱狂的な鉄道愛好者がいて、新機種の導入、旧車両の退役時には

彼らの興奮ぶりがニュ—ズになります。メカ狂人種の気持ちは、わたしも分りま

すね。新機軸への驚き、消えて行くものへの追憶。機械が相手でも、熱い想

いはあります。

だいぶ前に電車の中で高校生たちが、「常磐線三河島駅周辺の線路の曲率と

勾配が危険な程に急で、過大な軋み音が生じている」と、具体的な数値を差

し挟みながら語り合ってたのを小耳に挟んで、驚愕した事があります。何で

こんな事知ってるんだろう。彼らは鉄道というより物理好きだったのかも知

れません。筑波大駒場付属の奴らかなあ。

わたしが憧れるのは、あの分厚い時刻表と地図で無限の想像を拡げられる

人たちです。偉い。尊敬できる。この種の人達はとても自由で穏やか、堅実

で平和な感性の持ち主のように感じられるのです。

わたし自身は決して鷲巣テツ朗ではありませんが、このコムピ盤『全員乗車せ

よ 鉄道唱歌または走行リズムによる音楽的連想および妄想25の実例』を聞い

ていたら、何か刺激されました。首都圏で8人の皆さんにお送りしましょう。

 

(ここでナレ—ションは、重厚な含みを帯びて落ち着いた声音となる)

夜行列車の運転士は、線路上に突然飛び込むイノシシ、タヌキ、アライグマなどに細心

の注意を払いながら、眠気と戦い、厳しい勤務評定をくぐり抜けていきます。

今夜、いや今朝はどこまで走って行くのでしょう・・・。

スティーム・ストリーム、わたくしジョー・テツヤがご案内します。

 

M08.The Last Train To Clarksksville(2’45”)The Monkees

-B.Robinson-   Music Club Deluxe MCDLX074

 

N09. Number 9 Train(3’02”)Tarheel Slim

-B.Robinson-  ACE CDCHD 1450   1958

 

M10.One After 909(2’44”)The Beatles

-J.Lennnon, P.McCartney-  EMI 07243 595713 2 4

 

M11.The Train From Kansas City(3’18”)The Shangri-Las

-J.Barry, E.Greenwich-  ACE CDCHD 1450

 

M12. Midnight Special(4’10”)Creedence Clearwater Rivival

-trd. arr.by J.Fogerty-  ビクター VICP-63514

 

M13.I Heard That Lonsome Whistle(2’26”)Johnny Cash

-H.Williams-  Varse Sarbande  302 066 461 2

 

M14.Night Train(2’58”)Jimmy Forrest

-J.Forrest-  Pヴァイン  PCD-4701

 

M15.This Train(3’40”)Randy Travis

-R.Tharpe-  Word/Curb/Warner WD2-886402

 

M16.Love Train(3’00”)O’Jays

– K.Gamble L.Huff,-  CBSソニー 25DP 5487

 

M17.T.S.O.P(3’19”)M.F.S.B

– K.Gamble L.Huff, – Knight KNCD 82001-2

 

M18.Train Kept A-Rollin’(2’47”)Tiny Bradshaw

– Bradshaw, Mann-  Charly CDCHARLY 43

 

M17.Choo Choo Chi Boogie(2’44”)Louis Jordan & The Tympany Five

-V.Horton, D.Darling, M.gabler-  MCA  MCAD-4079

 

N  「スティーム・ストリーム」如何でしたでしょうか。まとめて曲目紹介いたしましょう。

「恋の終列車」マンキズ

「9番列車」ターヒール・スリム

「909番の次の発車」ザ・ビートルズ

「オハイオからの汽車」シャングリ・ラーズ

「深夜特急」クリーデンス・クリアヲーター・リヴァイヴァル

「寂しき汽笛」ジョニ—・キャッシュ

「列車深夜便」ジミー・フォレスト

「誉れ列車」ランディ・トラヴィス

「愛情急行」オーヂェイズ

「フィラデルフィア発ロスエインジェルス行大陸横断列車」母、父、姉、兄

「汽車は走るよどこまでも」タイニ・ブラドショウ

「汽車ポッポ・ブーギ−」ルイ・ジョーダン

以上でした。

夜行列車の運転士は・・・あ、もうアサー。ジョー・テツヤでした。

 

(ここで音声、枯れて説得力不足な元に戻る)

どれも素晴らしい鉄道唱歌の数々でした。カントリーのが少なかったかな。まだ

まだあります。皆さんも思いつくでしょう。改めて鉄道がわたしたち、いや

この人たちの生活に如何に身近なものだったか、というのが分りますね。「深

夜特急」は、服役囚がこの列車の前照灯の光を浴びると脱獄出来るというお

まじない。切実な「どうか俺を照らしてくれ」が繰り返されます。「誉れ列車」

は、茶髪、いや染め金髪ブルーズ/ゴスペル歌手シスター・ローゼッタ・サープの作品。ゴスペ

ルの世界でも鉄道や汽車は希望を運ぶ乗り物として頻繁に登場します。「フィラデ

ルフィア発ロスエインジェルス行大陸横断列車」は、そもそも鉄道と関係なく作られた器

楽曲ですが、これを「ソウル・トレイン」と繋げた感覚は素晴らしい。パツラのメロディ

が、西部劇で野牛よけの大きなスカ—トを付けた旧式蒸気機関車が煙を上げなが

ら走る画を、心の銀幕に浮かばせてくれます。

総じてどれも前向きで肯定的な楽曲ばかりです。自動車やモーター・バイクだと、

こうは行かないでしょう。鉄道記念日にちなんで突発的に始めた「スティーム・スト

リーム」を終ります。

さて、もうキース・リチャーズのソロ作品が店頭に出てますね。わたしも試聴しまし

た。結構良かった。でもそこからお届けするのは来週以降にしまして、イギリス

の音楽誌「モウジョー」9月号が「地の塩」という題でキースの独占インターヴュウを掲載

しています。そちらの特別付録は、彼に影響を与えた過去の音楽を集めた1

枚のCD。その中から少々意外に思えた2曲を聞いて下さい。

 

M18.Have Gutar Will Travel(1’58”)Scotty Moore Trio

-Moore, Black, Bluff-  Mojo magazine 2015年9月号のオマケCD

 

N19.All I Have To Do Is Dream(2’21”)The Everly Brothers

-Bryant-  Mojo magazine 2015年9月号のオマケCD

 

N  1曲目は初期のエルヴィス・バンド、スコティ・ムーア・バンドの「ギター無宿」でした。「Have

Gun Will Travel」というのは殺し屋が、仕事探しの時に出す広告の常套句で、

掲載料を押さえるために字数を減らして冠詞も省いた表現です。「西部のパラ

ディン」の題名で放送されていたテレビ西部劇の原題でした。後にスティーヴ・マクィ-ン

で知られた「ヲンテド、デッド・オア・アライヴ」で、流れ旅の賞金稼ぎの物語。これ

を「拳銃無宿」としたセンスはイカしてますね。これに倣って「Have Gutar Will

Travel」は「ギター無宿」としましょう。「当方ギタリスト、ドサ回り行けます」程

度の意味です。バンド稼業用語だったら「ターギ、ビータ可」でしょうか。グラント・

グリーンに同じタイトルのアルバムがなかったかな。

ビートルズと違って、これまでローリング・ストーンズ周辺からはロカビリー的な臭いがし

ませんでしたが、やはり聞いていたようですね。当時の状況から察するに、

自然と耳に入っていたのでしょうか。

次はイヴァリ・ブラザーズの「夢をみるだけ」。これも意外でした。こんな甘い

歌を聞くのかなあ。わたしにとっては、ボビ—・ジェントリ—とグレン・キャムベルのカヴ

ァ−を聞いて以来、終世1000ロックンロール曲に不動の位置を占めています。

この特別付録『キース・リチャーズを形成した15曲』、殆どは成る程と思い当たる

ブルーズやロックンロ—ルでしたが、他にホーギー・カーマイケルの「ザ・ニアネス・オヴ・ユー」が入

っていたりしました。幅広く音楽に親しんで育ったキース、その現在形は、来週

に見てもらいましょう。

今の繋ぎに不要な音が入ってます。この付録CDは余韻が切られてる感じ

がする程に曲間がなく、すぐ次が始まってしまうのでこんな不体裁になりま

した。ソニーのホセ・フェリシアーノのベストもそうだったけど、こんなとこでカッコ付けな

くてもいいのにね、ベストやコムピ盤は尚更です。

当方の特別付録は安価な民生機を使い、実際に盤を回して、アナログでリアルタイム

録音しています。連続した1本の音声なので事後の編集が出来ません。始め

のうちに失敗すると、やり直しますが、ここまで来てしまうと、ゴメンで済ま

せたくなります。

「ゴメン」。ホントは冒頭にも不体裁あり。

さて今週、長い間探していたアルバムにようやく出会えました。それはボウニー・

レイットの『シルヴァ・ライニング』。2002年発表のものです。ボニーは特別な存在ではな

かったけれど、登場した時から聞いていました。『愛に乾杯』の「悲しき街角」

は好きだったですね。

ただ腕前、歌唱力は文句無しなんだけど、真面目過ぎて小学校のPTA役員

を一生懸命努めている母親のような、薄幸な雰囲気を漂わせる辺りが苦手で

した。

この夏、伊勢丹会館で行われた音楽講座に天辰保文先輩が登場しまして、

彼らしくとても律儀にお話をしてくれました。その占めに、彼が解説を担当

したこのアルバムから、ボウニーが2000年3月、ロックンロ—ル・ホール・オヴ・フェイムに迎え

られた時の挨拶を引用したんです。それがみごとな一文で、それが欲しくな

り、暑い中このアルバムをずっと探し回っていました。国内盤じゃなくちゃダメ

で、もう新品では市場にないので、「中古盤ロック」の「B」を徹底して当たりま

した。

それを月曜日に手に入れられた、という訳です。そこにはなんと同じ物が2

枚並んでいるという皮肉な結末でしたが。以下、紹介します。プリーズ・ウェルカム、

ミズ・ボウニー・レイット。

「ロックン・ロール、ブル—ス、R&B、呼び方はいろいろですが、私にとってはどれ

も同じです。そして、その虜になったことのない人、そのせいで両親を心配

させたり、人間関係が壊れて落ち込んだりしたことのない人、そういう人た

ちは、このステ—ジにあがる資格はありません。音楽はこれからも私をもっとも

私を支えてくれた友だち、ファン、今夜私がここにこうして居られるように尽く

してくれたみんな有り難う」

どうですか。あっさりしていますが、素晴らしいでしょう。音楽に限らず、

好きな事を貫くのに傷ついたり犠牲を生ずるのは当たり前で、その先に歓び

があるんだ、という誇り高き言葉です。わたしも文化勲章を返却する時のた

めに、こんなカッコいい講話を考えておきましょう。

ではそのアルバム『シルヴァ・ライニング』から1曲。

ジムバブェのオリヴァ・ムトゥクジの書いたルムバ・ロック「ヒア・ミー、ロード」。ボウニーに乾杯。

 

M20.Hear Me Lord(5’09”)Bonnie Raitt

-O.Mtukudzi-  東芝 TOCP-65964

 

M21.Pajaros(6’44”)Gaia Quatro

-Di Giusto-  Kaiya 004

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  最後の1曲は今週の水曜日に日本巡業を終えたガイア・クアトロという音楽家集団

の「パイアロス」でした。爽やかなアサーに相応しい響きを持っていますね。国際的

な活動を続けている4人の素晴らしい演奏家たちがガイア・クアトロで、中心的存

在のヤヒロトモヒロとかつて仕事をした関係で知り合いという事になっているので、

目黒の都立大跡に建てられた素敵なコンサ—ト会場で、その最終公演を観て来まし

た。そのお話は・・・、ちょうど時間となりました。

ごく一部で好評の「特別付録」、今朝は以下の隠し場所にあります。

http://firestorage.jp/download/5fe7c9e56996a9b79ddfc0b4169ba4ef931aaeba

ダウンロードパスワード n3st49eq

プロバイダー、と言うのかな、中間通信業者を変えたら、荷揚げが俄然早くな

りました。見張っている必要もありません。素晴らしき解放です。ただ、容

量制限があるんだな。これにどう対処するか、今後の問題です。

今週のは、迷った皆さんダウンロードしきれないかも知れません。後日また上

げます。遅ればせながらわたしもスマフォ導入を致しまて、只今通信環境を一新

中なのです。

サイトを移動した「幻」モーニン・ブルーズ、まだしばらくは続きます。

 

こちらは、

http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

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【幻】モーニン・ブルーズが澤田修ウェブサイトで開始!

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【Mornin’ Blues 移転のお知らせ】
2013年4月から2014年3月まで interFMの深夜を賑わせた Mornin’ Blues。
2014年4月からは【幻】としてinterFMのウェブサイトお借りして継続してきましたが、

2015年10月からは、澤田修のオフィシャル・ウェブサイトでお届けします。

毎週土曜日の早朝、鷲巣さんが厳選し情熱をもってお届けしているモーニン・ブルーズ。
これからもご愛聴(ご愛読?)もよろしくお願いします!

幻・スタッフ 澤田修

追記
プチ鷲巣情報…鷲巣師匠は、最近スマートフォンを購入したようです。