カテゴリー : Mornin’ Blues by IsaoWashizu

『Mornin’ Blues Reunion – 春爛漫同窓会』 開催!

【イベントのお知らせ】

A5同窓会チラシ最終

2013年4月から2014年3月までの深夜にinterFMから放送されていた番組『Mornin’ Blues』の同窓会を開催!
MBのうたた寝担当だったAD澤田修も参戦し、鷲巣さんとDJバトルをします!

『Mornin’ Blues Reunion – 春爛漫同窓会』

日時:2016年4月23日(土)オープン/16:45 スタート/17:00

【タイムテーブル】
DJバトル  17:00 – 18:30
懇親会    18:30 – 19:30 (軽食1ドリンク付)

*終了後は通常のカフェ営業となり、そのまま飲食できます。

会場:マルメ/中目黒
東京都目黒区青葉台1-15-2 AK-3ビル 1F
http://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13139643/
椅子席30+立ち見

参加費  ¥4,000.- (懇親会込)

申込方法:お名前、人数(3名様まで)、連絡先 e-mailアドレス、もしくは電話番号を明記の上、

wind_event@me.com 宛にメイルでお申し込みください。

 

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来ない人には化けて出ますから(澤田)

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/03/05

mb160305

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

N  おはようございます。1週間のご無沙汰でした。司会のモーニング小僧。ワトゥーシ・

アイザヲです。輪投師藍蔵王です。3月です。春、かなあ・・・。

 

M01.The Reason For The Tears I Cry(3’56”)Vince Gill

-V.Gill-  MCA Nashville 060254764738

 

N  先週に引き続いてヴィンス・ギルの「俺の涙のその訳は」でした。

月曜日に某大型レコ—ド店で、古い友人にバッタリ会いました。もう10年間ほど

は音信不通だったんじゃないかな。カントリーの売り場でわたしの前に試聴中でし

た。彼が終って譲ってくれた時に「おお、」とお互い声をあげて再会を祝いま

した。録音制作で一時は頻繁に会っていた仲ですが、その後転身して縁の無

い世界へ行ってしまったので、関係が途絶えていたのです。嬉しかったです

ね。

その時に彼が聴いていたのがヴィンスの最新盤で、「いいねえ」と同じ思いを

確認し合いました。アルバム全体も手応え充分ですが、何よりこの冒頭曲に心が

惹き付けられます。「ザ・リーズン・フォー・ザ・ティアーズ・アイ・クライ」でした。

さてまだ「現」時代、バディ・アンド・ジムというカントリー・デユーオのアルバムから

何度も聞いて貰っていた事があります。特に「フォエヴァ・アンド・ア・デイ」です

ね。あれはいいレコ—ドでしたね。この2人組は仲良しですけれど、普段ずっと

一緒に活動してる訳ではなく、基本的には独立した音楽家です。

その片割れバディ・ミラーが新譜を発表しました。まずは聞いて貰いましょう。

「イフ・ティアドロップス・ア−・ペニーズ」。

 

M02.If Teardrops Are Pennies(2’17”)Byddy Miller with Elizabeth Cook

-C.Butler-  New West NW6316

 

N  「イフ・ティアドロップス・ア−・ペニーズ」、「涙のしずくが小銭だったら、悩みは黄金

かも」、そんな簡単な事じゃないかも。ドリー・パートンもかつて唄っていたよう

です。バディ・ミラーとエリザベス・クックでした。

今回のバディのアルバムは11トラック全てが客演者と一緒の吹き込みになっていま

す。ふた昔ほど前なら「世紀の響宴」などと持て囃されたでしょうが、昨今

では当たり前になってますね。この流れにはちょっと食傷気味のわたしです

けれど、この新譜は今のところ楽しめています。この他にもクリス・クリストファスン、

リチャード・トムプスン、リー・アン・ヲマックなどの大物がズラリ。彼の周りにこういう人た

ちが居る、という事なんでしょうね。ナッシュヴィルのB面で沢山の仕事をしてい

るバディなら、フツーなのでしょうか。それも凄い。

もうひとり参加している大物がいます。その人も新作を発表したばかり。

そちらから1曲どうぞ。

ルーシンダ・ウイリアムズで「苦い想い出」。

 

M03.Bitter Memory(4’07”)Lucinda Williams

-L.Williams-  Highway 20Records Thirty Tigers H2003

 

N  ルーシンダ・ウイリアムズの「ビター・メモリーズ」でした。どちらかというと無愛想な造

りの2枚組ですが、今のトラックは二人のギタリスト、ビル・フリーゼルとグレッグ・リーズを

スティーリオの左右チャンネンルに配す心憎い仕掛けが施されています。先週の土曜の朝

のNHK-FM番組では歌の意味する深いところが解説されていました。彼女の事

ですから一筋縄では行かないでしょう。わたしはまだそこまで分りませんが、

今の「ビター・メモリーズ」を聞いていたら、ほろ苦くない想い出なんてあるのか

な、という疑問が浮かんで来ました。日々後悔懺悔の我が身だからかも知れ

ません。美しい楽しい想い出はどこか虚しく映りませんか、心の銀幕に・・・

想い出は、ほろ苦いからこそ美しい・・・ぬわんちって。

今の曲はギタ—3本だけの演奏という潔さ、加えて押し寄せるビ—トの力強

さ・・・圧倒されますね。前々からルーシンダには、どことなく「怖さ」を感じ

ていましたが、このトラックを聞くと余計に怖くもなります。更にジャケット裏の写

真。露わになった左腕には、スミが入っていました。オーコワ。

次は美しいショ—ジョ風の写真が使われたアルバムからです。ちょっと中世ヨーロッパ、

いや近世かな、そんな時代の装束を身に纏った姿で、今はボスと呼ぶらしい謎

の宗教画家ボッシュの画を連想させる図柄の中に主人公シエラ・ハルがいます。これ

もよく見ると怖い。残酷な結末の童話が思い浮かびました。

シエラ・ハル、まだ二十代半ばのマンドリン弾きです。ブルー・グラスというのとはちょ

っと違うアクースティク音楽、というのかな。演奏技術は、当然のように最高水準。

こういう人がいくらでも出て来るこの音楽の世界というのも、「怖い」。

新しいアルバムでは、天才バンジョー弾きのベラ・フレックが制作を担当。もちろん彼

自身も演奏に参加しています。

比較的優しく聞かせてくれるナムバーをどうぞ。「ブラック・リヴァ」。

 

M04.Black River(3’52”)Sierra Hull

-S.Hull-  Rounder11661-9166-2

 

M05.Martha My Dear(2’38”)Sugar Pie & The Candy men

-J.Lennnon, P.McCartney-  Irma IRM 1402 CD

 

N  シエラ・ハルの「ブラック・リヴァ」に続きましては、シュガパイ・アンド・キャンディメンの「マ

ーサ・マイディア」でした。皆さんからは全くの無反応にも関わらず、半ば意地に

なってお届けしております。毎朝かならず入る部屋に掛けてあるカレンダーが今

年はイエロ・サブマリン名場面集なので、その都度このアルバム『レット・イト・スイング』を

連想しています。

ビートルズの有名ナムバ−を大衆食堂楽団が軽便アクースティク・アンサムブルでまとめたこ

のアルバムからは、以前聞いた別の1枚も思い浮かびました。

それは『ジャパニ-ズ・ジャズ・プレイズ・ザ・ビートルズ・スイング・ホワイト・アルバム』

という題の付いた、日本人ジャズ演奏家によるビートルズ楽曲を集めたものです。

『ホワイト・アルバム』とありますが、本家の2枚組とは関係ありません。

主に1968〜9年の録音が多く、この頃日本のジャズは脱4ビート、脱スイングに

向けて、懸命なアガキをし始めた頃です。ただマイルスとはその流れの水が違いま

して、ボッサ・ノーヴァ調の編曲をする、「ジャズ・ロック」の名の下にハードロック的な

ギターを導入し、中身の薄いアヴァンギャルドな演奏に持ち込む、そしてビートルズ

の楽曲をリパトゥワにするというのが新境地の証しでした。もう「ミスティ」と「サテン・

ドール」じゃないぞ、という訳ですね。

ですから、ここに収められている17の楽曲はどれも題名に反して、「スイング」

ではありませんで、殆どがボッサ・ノーヴァか、エイト・ビートです。なんとか『レット・

イト・スイング』にコヂ付けようとしたんですが。

せっかくですから、せめて1曲聞いて下さい。

稲垣次郎とオール・スターズで、「ヒア、ゼア・アンド・エヴェリウェア」。

 

M06.Here, There And Everywhere(3’38”)稲垣次郎とオールスターズ

-J.Lennnon, P.McCartney- コロムビア  COCB-54061

 

N  さてさて、世の動きに疎いワツシイサヲですが、これには参ったな。先の日曜日に、

隣人、文字通り隣の住人に「新宿で面白い音楽ドキュメントを観て来た」と表で声

を掛けられました。彼はわたしがその作品を知っていると思って話してきた

んです。でもわたしは何の事かさっぱり分らない。先方は意外そうでした。

恥をしのんで詳細を聞き出したら、ステューディオ・ミュージシャンの証言と過去の映

像で構成された記録映画で、新宿のシネマカリテで上映中とのこと。インタネットで調べ

たら、某誌ヘンシューチョーや某番組ディージェ−がトークショウをやったりしてるんじゃない

の。こりゃイカンと即刻次の日、月曜日の朝の会に出掛けました。

 

M07.Something Stupid(2’38”)Nancy Sinatra & Frank Sinatra

-Carson, Parks-  CNS Records PA 711-2(Belgium)

 

N  はい、お届けしました。ナンシ—とフランクのシナトラ親子で「恋のひとこと」、「ザ・ヒ

ットパレード」で何回か聞いたなあ。日本では1968年初夏にヒットしてた筈です。

今の1曲が象徴するように、それまでのビッグ・バンドで一発録りという

方式が、スモ—ル・コムボ−とオ—ヴァ・ダビングで個性的なサウンドを創り出す方向へと

変わって行った、60年代のロス・エインジェルズでの音楽産業、それをを支えた裏方、

表に名前の出る事がなかった実演家たちの仕事の実態に焦点を当てたのがこ

の映画で、そのひとりだったギタリスト、トミー・テデスコの息子が監督、制作者を務

めています。

無名と言ってもね、画面に出て来るのはトミー・テデスコの他、ベースのキャロル・ケイ、

ドラムスはかのハル・ブレイン、そしてギターのグレン・キャムベルなど、「超」のつく有名演

奏家ばかりです。わたしはそれだけで興奮の連続でした。

今の「恋のひとこと」は、イントロにシナトラが注文を付けて、おそらくメキシコ系で

スパニッシュの心得があるトミーが、「こんな感じでどうかな」と弾いて、「それだ」

と採用された行りが語られます。こんな迫真の証言が連続して飛び出して来

るので、一瞬も銀幕からは目が離せませんでした。

彼等は当時、決してスターではなく、仕事として演奏をしていました。これ自

体、わたしには何の不自然さもありませんが、映画では匿名演奏が世を憚る

稼業のような先入観で捉えられ過ぎている印象も、強く受けました。そんな

事ないのにね。そして録音時に彼等を使って演奏させていたスターたちの筆頭に

挙げられるのが、この人たちです。

 

M08.Valleri(2’20”)The Monkees

-T.Voyce, B.Hart-  Musioc Club Records MCDX074 (EU)

 

N  マンキズで「すてきなバレリー」、1967の作品ですが、日本では68年にシングルで発

売されています。わたしにとっては、当時あこがれていた娘がこのグループの

ファンだったんで、友人から格安で譲り受けたこの盤をプレゼントしようと思って

いる内に、関係が「ハイ、それまでよ」になってしまった、という想い出の1

枚です。あ、何の関係もないですね。ハル・ブレイン、マンキズと出て来て狂喜して

いるヒトもいるでしょう。

この曲は随所でギターの早弾きが出て来まして、実に難易度が高く、前出の

テレビ番組「ザ・ヒット・パレイド」でも、ハウスバンドの三原綱木は完全に出来ていま

せんでした。このギター演奏が誰か、という大捜査が長年に亘り行われていま

して、一時はジェイムズ・バートン説が有力でしたが、今はルイ・シェルドンが弾いた、

というのが事実になっています。フラメンコ風なところからすると、トミー・テデスコも

遠くないですし、彼なら難なく出来そうな気もしますね。ステューディオ・ミュージシャ

ンの仕事は、こういうところにあるんです。

マンキズのピーター・トーク自身は他の曲のセッションで、演奏するつもりでステューディオへ

行き、断られた出来事を今も怒りと共に語りますが、求められる制作物の質

を考えれば、自ずと結論が出た筈です。先にも言いましたように、この種の

「影武者」思想が映画全体を覆っている感は強いですね。そんな事ないのに。

次の人は違いますよ。「超」腕利きのステューディオ・マンからピンの歌い手として

自立し、大成功を収めていました。

グレン・キャムベルで「ウイチタ・ラインマン」

 

M09.Wichita Lineman(3’06”)Glen Campbell

-J.Webb-  Zonophone  7243 8 21834 2 6(EU)

 

N  グレン・キャムベルの「ウイチタ・ラインマン」でした。やはりいつ聞いても名曲ですね。

聞いていたらジェイムズ・テイラーに似ている唄い方だな、と気付きました。

加藤和彦の「僕のおもちゃ箱」は、これをパクった、と本人が発表時に言っ

てました。「意図的にパクった」との事でしたが、パクリは意識しなきゃ出来な

いんじゃないか、と複雑な気持ちになった事を憶えています。

映画の中では冒頭のベイスのピックアップ・フィルインをキャロル・ケイが自然に編み出して、

そこから全てが自然に上手く進んだ、とグレン自身が語ります。ここのところ

も説得力ありますね。彼は他にも多くの発言をしています。ひょっとしたら

一番長い時間、画面に出て来ているかも知れません。

彼はギタ—の腕の確かさ、そして歌の上手さでロス・エインジェルズ周辺ではよく知

られていました。一時ビーチ・ボーイズの正式メムバーになる話もあった筈です。日

本では、この次の「フェニクスに着くまでには」の方が有名でしょう。その後「コカ・

コーラ」のコマ—シャルを唄ってね、それで一般的な存在になりました。その後に来日

した時は「スカっと爽やかコカ・コーラ」を馬鹿の一つ覚えのように連発していまし

た。ここにC調なグレン・キャムベルの側面が現れています。わたしはこの人を好

きなのですが、いつもはぐらかされるような想いをしています。何かやる気

が伝わってないんですね。真心がないのとは違いますし、作業は完璧です。

ただ、音楽の場に臨んでも熱くならない、興奮しようとしない冷静さが伝わ

って来ます。ステューディオ・マンの性なのでしょうか。

ではC調の証拠を聞かせてあげましょう。1975年5月29日の、東京新宿

厚生年金会館大ホールでの収録です。

「カミン・ホーム」。

 

M10.Comin’ Home(3’29”)Glen Campbell

-B.Backer,R.McBrian,B.Davis-  Real Gone Music RGM0018

 

M11.You’ve Lost That Lovin’ Feelin(3’43”)The Righteous Brothers

-B.Mann, C.Weil, P.Spector –  Karussell  PKD 3050 USA

 

N  「スカっと爽やかコカ・コーラ」に続いては、ライチャス・ブラザーズで「ふられた気持ち」。

映画ではこの曲の特殊なエコー処理が話題になります。そこには「音の左官」

フィル・スペクターが登場します。

この鬼才の存在は、この映画の主役たちと非常に深い関係があります。ニュ—

ヨ—クのリーバー・ストーラーの下で丁稚奉公を済ませ、ロス・エインジェルズに戻って本格的

制作を始めた彼にとって、新世代のステューディオ・ミュージシャンは実用不可欠で、特

にリズムをまとめる時のヘッド・アレンヂ感覚が「音の壁」に寄与した筈です。やる

ことが斬新で極端なので、古くからの実演家では対応出来なかった事もある

でしょう。

次の人たちはその流れを正当に受け継いで、この街が70年代に音楽で大い

に潤う土台を築きました。映画では彼等についても実際に録音で演奏してい

なかった事が取り沙汰されますが、無視しして下さい。嘘をついていた訳で

はありません。ライヴではカレンがツイン・バスドラムのセットを叩いていなかったかな。

カーペンターズです。「遥かなる影」

 

M12.Close To You(3’42”)The Carpenters

-H.David, B.Bacharacch-  A&M CD-3601 (Canada)

 

M13.Rockin’ Robin(2’36”)Bobby Day  1-18

-J.Thomas-

 

N  カーペンターズで「遥かなる影」に続いては、ボビ—・デイの「ロッキン・ロビン」でし

た。このピッコロのリフを、当時実際に録音で担当した演奏家がそっくり同じよう

に合わせる場面が、映画の中で出て来ます。素晴らしい瞬間です。この他、

かつての名演再現は随所にあり、大きな見所のひとつでしょう。

この種のドキュメンタリーにありがちな細かいカットの連続なので、二、三曲は高音

質高画質でフルサイズを観たかった気もしますが、大きな不満はありません。楽

しめました。

月曜日の朝一番にも拘らず、結構な人が入ってまして、それも嬉しかった

ですね。残念な事にというか、気付くのが遅かったので、新宿は昨日で終了。

横浜はまだ続くようで、大阪は今月12日からの公開ですから、間に合います。

お時間ありましたら、ぜひ足を運んで下さい。

あ、まだ肝心のタイトルを紹介していませんでしたね。

「レッキング・クルー〜伝説のミュージシャンたち」です。

さて、今の「ロッキン・ロビン」は、先週からお届けし始めた『レイディオ・ゴールド』

の第1集18曲目に収録されていました。この後はこの4枚連作のヒット曲コムピ

からこぼれ落ちそうな珠玉の数々で続けましょう。

先週の器楽曲集に続いて今朝は、この番組としては珍しいですよ、ポップ・

コーラスの傑作集です。きっと今回だけでしょう、白人の健全なヴォ—カル・ハ—モニ−

がこんなに流れるのは。お聞き逃さないよう、お楽しみ下さい。

まずコーデッツです、「ロリーパップ」。

 

M14.Lollipop(2’22”)The Chordetts

-Dixon, Ross-  ACE  CDCHD 446

 

N   映画「スタンド・バイ・ミー」の挿入歌にもなっていた「ロリーパップ」、コーデッツでし

た。1958年の作品です。教会で毎週大勢が合唱をする中から、精鋭たちが小

編成のグル—プを組む、という流れは自然に生まれて来るものです。家族や血

縁関係を基に、楽器も動力もいらない無伴奏、つまりアカペラで始まり、ギタ—な

どの簡単な伴奏が付いてきます。ここに左のシソ—が入って来るとフォ—クに進化し

ていくのですが、今から50年程前はまだ健全な雰囲気が、商品価値を持って

いたんですね。この歌も可愛らしさを前面に出していますが、この時リ—ダ—格

のジャネット・エーテルは既に31歳。ポップなガール・グループというよりは、社会、家

庭公認のコーラス・グループとしての地位が既に確立していたのでしょう。もう耐

えて久しい貴重なこの形、今朝は気持ち悪くならない程度に、清く正しく葛

飾区まいります。

 

M15.Remember Then(2’12”)The Earls

-S.Vincent, T.Powers, B.Ross-   ACE  CDCHD 810  62

 

N  これまた健全な響き。ディ・アールズの「リメムバー・ゼム」、1962年のヒットです。彼

等も先のコーデッツと同じくニューヨークのグループ。62年というもうドゥー・ワップの嵐が

鎮まりかけて来た頃です。そうなると、それを模倣した白人たちが一般市場

に進出して来る訳ですね。リーダーのラリー・チャンスはフィラデルフィア生まれで、高校時代

はチャビー・チェッカーやフランキー・アヴァロンと一緒だったと言います。なかなか凝ったハ—

モニ—ですね。ドゥーワップの影響大に聞こえました。

次も男性4人のフォア・プレップスです。1958年のヒット、「ビッグ・マン」.

 

M16.Big Man(2’20”)The Four Preps

-G.LarsonB.Belland-  ACE  CDCHD 557   58

 

N  これはロス・エインジェルズのグル—プという事で、ドゥーワップの影響がないですね。

どこかしらビーチ・ボーイズ似ているように聞こえるのは偶然かな。イギリスのハーマン

ズ・ハーミッツもカヴァしているという曲です。正にぴったりの素材でしょう。聞こ

えて来ますね、どう仕上げていたか。

おそらく、ここまでの歌、どこかで聞いた事があるはずです。わたし自身、

グル—プや曲名を確認しながら聞くのは初めてですが、どれも聞き覚えがあり

ました。次の2曲はどうでしょうか。

 

M17.Alone(2’50”)The Shepherd Sisters

-M.Craft,S.Craft-  ACE  CDCHD 446   57

 

M18.Seven Little Girles Sitting In The Back Seat(2’13”)Paul Evans & The Curls

-L.Pockriss, B.Hillard-  ACE  CDCHD 557  60

 

N  ショート・カットのお姉さん4人のシェパード姉妹で「アローン」、そしてカールズという女声

グループを従えたポール・エヴァンスの「セヴェン・リル・ガールズ・イン・ザ・バック・シート」

でした。こちら「ビキニスタイルのお嬢さん」にとてもよく似ていましたね。女声コ

—ラスの加わって来るところはほぼ同じ。作者は別人で、特に関連はないようで

す。発売はこちらの方が1年早く1959年で、その年にヒットしています。さて・・・。

モーニング・ブルーズ早春記念「明るい朝のハーモニー」、そろそろ終わりにいたしま

しょう。やっぱり普段お届けしているヴォーカル・グループズに較べると何か物足

りないかな。

最後は有名なこの歌です。素敵な夢を運んでくれる「ミスタ・サンドマン」。

 

M19.Mr.Sandman(2’26”)The Chordetts

-P.Ballard-  ACE  CDCHD 347  54

 

N  奇しくもコーデッツで始まり、終りました。これだけの楽曲があると、「3枚目

の12番」という具合に、曲名、演者を後回しにして選ぶ作業を進めますので、

これは面白い偶然です。「サンドマン」はチェット・アトキンズ、昨年春からは別途ミドラー

で親しんでいました。以上で2016年早春記念「明るい朝のハーモニー」終了です。

さて映画の話題に引き続いて古典商業大衆音楽珠玉集と来ました。でも皆

さんにご理解頂いているように、このモーニン・ブルーズは決して懐メロ番組ではあ

りません。あくまでコンテムポラリな音楽放送です。その証拠に予言者ムハンマド・ワシ

がグラミー予想を的中させたではアーリマセンカ。あ、別に占ってた訳ではないですね。

その関連で、そうです。昨年の今ごろ頻繁に流していた「アップ・タウン・ファンク」

も受賞してました。ヴェンテンさまのリクエストにお答えして・・・、と思ったら、

わたしこれ12インチ・シングルでしか持っていない事に気付きました。家主の澤田

修に早々とアルバムのデ—タを貰って、それを聞いていたのです。で、その後ブルー

ノ・マーズ興味が涌いてきて、手に入れたCDが2枚ありました。今朝はそちら

から、彼自身名義の楽曲をお届けします。

祝グラミ—、ブルーノ・マーズで、「ゴリラ」トゥーサウザンドトゥェルヴ。

 

M20.GorilLa(4’04”)Bruno Mars

-B.Mars, P.Lawrence, A.Levine-  Atlantic 7567-87628-5

 

M21.GorilLa(3’09”)James Taylor

-J.Taylor- Warmer Bros. 7599-27293-2

 

N  ブルーノ・マーズの「ゴリラ」に続いては1975年型「ゴリラ」、ジェイムズ・テイラーでし

た。冒頭では霊長目ヒト科ゴリラ族の特性が語られますが、進んで行くうちに身

近に居る知り合いの話のように聞こえて来ます。誰にでも思い当たる事象を

提示して歌の世界に引き込んで行く、ジェイムズ・テイラーの賢さがニクイ。

先週の「約束の地」に引き続いてジェイムズ・テイラー、「ゴリラ」でした。

さて、ゴリラと来れば、サル。考えてみれば今年は申年でした。

 

M22.Monkey Man(4’15”)The Rolling Stones

-M.Jagger, K.Richard-   ポリドール  P25L 25045

 

N  ザ・ローリング・ストーンズ、アルバム『レット・イト・ブリード』から「マンキ・マン」でした。

先ほどのジェイムズ・テイラーもそうでしたが、終了間際に物真似をやってましたね。

聴き取れましたか。一昨日かな、彼等がクーバで無料音楽会を開くと報道され

ていました。慈善イヴェントです。確か73年には、当時ミック・ジャガ−の奥さんだ

ったビアンカの祖国ニカラグアの大地震支援のコンサートを開催していましたね。前の年

にジョージ・ハリスンのバングラデシュ救済公演に呼ばれなかった事へのツラアテかな。

それにしても、東京新聞3月2日9面の見出しは「キュ—バで25日ストーンズ公

演」です。「ストーンズ」ですよ。思い返せば1973年に入国させてもらえなかっ

た人間がリ—ダ—の集団です。あの騒ぎはちょうど今頃ですね。わたしはテケツを

持っていましたが、大学入試直前だったので親に何て言って家を出ようかと、

そればかり考えていました。ジャガ−はその後はパスポートを忘れても入国審査を

通れるようになりました。そして「ストーンズ」だって。隔世の感ですね。

さて旧暦にも遅過ぎる祝申年、ここでも猿が何かつぶやいています。

「マンキ・スピークス・ヒズ・マインド」、ダーティ・ダズン・ブラス・バンド。

 

M23.Monkey Speaks His Mind(3’52”)The Dirty Dozen Brass Band

-D.Bartholomew-  アメリカーナ  28C-7074

 

M24.外は寒いよ(6’14”)ジミー・スミスとウエス・モンゴメリー

-F.Loesser-   ポリドール  20MJ 0050

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N    冬のアクセサリ—が入っている抽出しが、今ごろ見付かりました。マフラ—とか手

袋、結構不自由して過ごしたこの季節、これから意地になって身に着けまし

ょう。

そんな事もありまして、今朝の最後は「外は寒いよ」、ジミー・スミスとウエス・モン

ゴメリー。馬鈴、他のパカッションは、レイ・バレットでした。偉大なるアドリブ演奏家同志、

丁々発止のやり取りが素晴らしい。音があまり良くなかったですね。そんな

に痛んでないんだけどなあ。針かな。失礼。このジャケットね、ふたりが腕組み

したままホットドッグを頬張っている可愛らしいものです。ジミ—はいつものC調

でヘラヘラしてて、ウエスが馴れない事やらされて硬直気味なのもタエ。その写真が裏

焼きだと、先ごろ気付きました。ジミ—の既婚指輪が右手の薬指、そしてクロノグ

ラフの竜頭が逆に付いているのがその証拠です。演奏者記載がジミ—からなので、

それに合わせたんでしょうね。今まで見落としていました。さて、油断して

いると3月は寒い日がありますよ。お気をつけて。

先週の訂正です。

キリストの教え

何の愛情も

そして訂正した筈の「ロ−バック・ポップ・ステイプルズ」

いろいろな間違いを細かにそっと教えてくれた方がいらっしゃいまして、

厚く御礼を申し上げます。本人だとそのつもりで見落としてしまう事が、少

なくありません。AMラジオの朝の番組を聞きながらでしょうか、ありがとうご

ざいます。

写真も付録もまだそのままの状態です。済みません。「ワツシは無罪」とのお

捌き、ありがとうございます。ただね、「近隣にどんな人気者のデ—タが・・・」

じゃなくて、ここが人気なんですよ。全国で9万人だよ、アレ。

今週の付録は自分でも取り込みに時間がかかった。なぜだろう。果たして、

皆さんの方ではいかがでしょうか。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/9e6f23ac247929b13e85809f9330794e98d8d68b

ダウンロードパスワード eqgzz806

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

s-mb160305

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/02/27

mb160227

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。1週間のご無沙汰でした。司会のモーニング小僧。ワトゥーシ・

アイザヲです。輪投師藍蔵王とも表記しています。

予言者ムホンマド・ワシの先読み的中、グラミー・ウイナーです、クリス・ステイプルトゥン。

最新アルバムのタイトル・ナムバーで祝いましょう、「トラヴェラー」。

 

M01.Traveller(3’42”)Chris Stapleton

– C.Stapleton –   Mercury 0602537577439

 

N  ちょっと遅きに失した報告ですが、クリス・ステイプルトゥン、このアルバムで、グラミ—

ベスト・アルバムを受賞です。同時に他の受賞盤はありますが、わたしの知ってる

のはこれだけでした。初めて紹介した時、しきりにその重量感を語っていた

記憶があります。やはり重たい一枚だったんですね。「渡世人」という題名が、

また想像を刺激します。二つ折ジャケット内側のカラ—写真、角の生えた四駆にもた

れて何か語り合っているクリスと同行の女性、この写真が更に妄想を駆り立てま

す。そして再び表題名が蘇って来る・・・確かによく出来たアルバムです。

 

音楽の世界では全てが他の何かを導く。旋律は言葉を、言葉はひとつの

印象を・・・、これらが歌になる。その歌はある一瞬の響きを奏でながら、

聞く人を過去、あるいは未来に連れて行く。新しい歌は、また別の何かを

導いて来る。この「レコ—ド」は、わたしの人生を満たしてくれた人たち、あな

たたちに捧げよう。

 

こんなグラミ—受賞コメントのような挨拶が、既にアルバムには記されていました。

 

M02.Sailboat For Sale(3’08”)Toby Kirth wit. Jimmy Buffett

-T.Keith, B.Pinson-  Showdog Nashville 0850692006190

 

N  こちらは日本市場から撤退を決めたフォードF-150・ピックアップで時速35マイルの

制限を守りながら街道を流すトビ—・キイズ、もう既に何曲か聞いて貰っている

最新盤から、「売りに出されたセイルボート」、ジミ—・バフェットとの二重唱でした。こ

れがこのアルバムの目玉トラックだったという事です。

 

M03.Why Me Lord(3’54)T.G.Sheppard wit. Conway Twitty

-K.Kristferson-  Goldenlane GLO 0077

 

M04.I Don’t Hear You(2’52”)George Jones

-B.Owens-  Retro World  Blue 178

 

N  同じ時期に新譜を発表したT.G.シェパードの「ワイ、マイ・ロード」、クリス・クリストファスン

の歌ですね。非常に彼らしい作品です。これは大御所コンウェイ・トゥイティとの二重

唱でした。共に正統派の礼儀正しいカントリー・スタイル、結構でした。演奏も秀逸。

そしてワルツを続けて、クセ者ジョージ・ジョーンズで「あなたが聞こえない」、1962

年の作品です。この人の歌の世界がわたしは分らないまま、聞き続けて数年

経ちます。キリスト教の教えからテーマを採ったものが多く見られますが、その真意

はなかなか理解出来ません。今の「アイ・キャント・ヒア・ユー」も、単なる絶望的状

況下での求愛と受け止められますが、ひょっとしたら、この「あなた」は「神」

なのかも・・・。

冒頭から極めてカントリ—色の強い今朝の「モーニン・ブルーズ」、まだこのまま行き

ましょう。次も強力です。

ドリー・パートン、「オハイオの岸辺で」

 

M05.Banks Of The Ohio (3’49”)Dolly Perton

-trd.arr.by D.Perton –  Masterworks 8884303269 2

 

N  「オハイオの岸辺で」、ドリー・パートンでした。ラジオ界の伝説では、その昔これを

「オハイオ銀行」と訳した人間がいて、このわたしも知る程に語り継がれていま

す。本当かな。盛った話ではないのかな、という気もしますがね。

オハイオ河の土手に恋人を連れ出してナイフで差し殺す、という恐ろしい歌です。

この国では近松の作品に象徴される心中物の流れがあり、現代でも渡辺淳一

の「失楽園」などは、その伝統に立脚したものでしょう。性愛過剰ですが。

それが西洋では、この「オハイオの岸辺で」のように、愛と憎しみの果てに相手

を殺す、という展開の方が多いような気もします。

毎年通っていた避暑地の情景が穏やかに語られ、残念だけれども今年は行

けない。何故ならば恋人を今、殺してしまったので、と結ぶ「思い出のサントロペ」

を初めて聞いた時は、計り知れない衝撃を受けたものでした。

今のドリーの歌もそこを知らずにいると、「奇麗な歌だなあ」で済んでしまい

ます。努々、結婚披露宴では歌わないで下さい。

さて数少ないカントリ—番組「モーニン・ブルーズ」、今朝の大きな目玉曲を紹介しま

しょう。

ヴィンス・ギルです。この間レコード店で新譜に出会いました。ちょっとご無沙汰

でしたね。『ダウン・トゥ・マイ・ラースト・バーッド・ハビット』。素晴らしい出来です。リズ

ムが、スティーヴ・ジョーダンとウイリー・ウイークスと来ればそれだけで「可」です。楽曲自

体も充実してるし、生の音の真実味が迫って来ます。今朝は名刺代わりのアルバ

ム第一曲、

「ザ・リーズン・フォー・ザ・ティアーズ・アイ・クライ」、待ってましたぁ。

 

M06.The Reason For The Tears I Cry(3’56”)Vince Gill

-V.Gill-  MCA Nashville 060254764738

 

M07.Ain’t Nothing Like A Real Thing(3’53”)Vince Gill & Gladys Knight

-V.Simpson, N Ashford-  MCA  MCAD-10965

 

N  ヴィンス・ギルの新譜から、「俺の涙のその訳は」。そしてわたしが彼の事を知っ

た忘れられない1曲、ドン・ヲズ制作の名盤『リズム、カントリ—、アンド・ブルーズ』か

らグラディス・ナイトとの二重唱「リアル・シング」を続けました。わたしはこの時の印

象でずっと来たので、彼の事をピンのヴォ—カリストだとばかり思っていました。アル

バム『ギター・スリンガー』でテレキャスターをカッコ良く弾いていて、おや、と思った位です。

その後はギタ—のセッション・アルバムも出してましたね。今回の新譜にも、ダーク・

サンバーストのギブスン335を抱えた写真が3葉も、ジャケットで使われています。彼の

ギタ—の腕前は、つとに知られており、今の「リアル・シング」もソロは彼自身でした。

この手応え充分の最新アルバムからは、このあとも聞いて貰います。お楽しみに。

さて、かつての大物たち、あるいは過去の大ヒット曲が安価で手に入るように

なって久しいですが、原盤権の消滅した古い録音がまとめて大量に安く市場

に出回る流れは、おそらく止まらないと思われます。缶入りユニオンスクエア社、「NOT」

印の組み物、詳細な解説も素晴らしいプロパーの箱詰めなど、既に名門もござ

います。大体2枚組で2,000円を超えるものはありませんから、もし敬遠し

ている方がいらっしゃいましたら、騙されたつもりで一度お試し下さい。

この国の歌謡曲系の『ゴ—ルド・ベスト』や『全曲集』と銘打った制作過程に

何の愛情の感じられない高価格盤よりは遥かに満足を得られます。

ヴィンスの新譜を手に入れた時は、これまで単独LPすら買った事が無かった

歴史的大物、ウディ・ガスリーとピ—ト・シガーの組み物を購入しました。どちらも4

枚セット、しかも各盤25曲入り。100曲づつなのよ。まだ単位を取ってなかっ

たワツシ大学「フォ—ク講座」を履修する為の必須教本です。

今朝は新入門生歓迎会で聞かせてもらった両巨匠の代表曲をお聞き下さい。

ウディ・ガスリーです。「我が祖国」。

 

M08.This Land Is Your Land(2’19”)Woody Guthrie

-W.Guthrie-  Not Now Music NOT5CD915

 

N  1944年といいますから、まだ第二次世界大戦中に発表されたウディ・ガスリー

の「我が祖国」でした。当時は全米がひとつになって三国同盟の敵国と戦っ

ていた筈ですが、既にこのような批判精神がしっかりと芽生えていて、また

それを支持する大勢の人たちが居た、という証明です。この歌の中の「You」

は、複数で「あなたたち」、つまり「わたしたち」なんでしょう。

これまでしっかり聞いた事が無いわたしでも、この歌は知っていました。

それは、このカヴァがあったからです。

 

M09.This Land Is Your Land(2’27”)Peter, Paul & Mary

-W.Guthrie-  ワーナーWPCR-14347

 

N  「我が祖国」、美しいコーラス・ハーモニーでオリヂナルよりもこの歌の一般化に貢献し

た、ピ—タ—、ポール・アンド・メアリでした。紅一点メアリ・トラヴァ−スがちょっと風邪を

引いているような声でした。聞き始めて50年の今頃、気付きました。

ウディ・ガスリーの発表から約20年経って、ベトナム戦争が激化して行く最中にも、

この歌「我が祖国」は愛されました。その頃の人々は、このPPMのヴァージョ

ンで聞いていたのでしょう。こう言っただけで、その頃のアメリカでの反戦集会の

様子が浮かんで来る人は、もう居ないかも知れません。でもわたしの心には

浮かんで来ます。曇り空のした未舗装の広場に皆んなが座り込んで、一緒に

この歌を唄っている画です。実際には参加はおろか、見た事すらないのです

けれど。

フォ—ク講座のもうひとつの柱はピート・シーガー、この人は先のウディ・ガスリーとほ

ぼ同時期に、やはり体制批判的観点から沢山の歌を作り、唄い続けた人です。

こちらの単位も未取得でした。

受講資格審査試験の問題は、「この歌のカヴァ作品を揚げよ。ただしPPMは

除く」でした。難問です。

 

M10.The Hammer Song(2’00”)Pete Seeger

-Seeger, Hays-  Proper  PROPERBOX184

 

M11.If I Had A Hammer(2’12”)Peter, Paul & Mary

-Seeger, Hays-  ワーナーWPCR-14347

 

N  「ザ・ハマー・ソング」ピート・シーガー、「天使のハマー」ピ—タ—、ポール・アンド・メアリで

した。「この歌のカヴァ作品を揚げよ」、誰でもすぐに思いつくのが、このPPM

ヴァージョンでしょう。その他にと言われてもねえ・・・、わたしの捻り出した

答えはこれです。

 

M12.天使のハンマ—(2’57”)内田裕也

-Seeger, Hays-  東芝TOCT-11301

 

N  内田裕也で「天使のハンマ—」、演奏はブルー・ジーンズでした。この答えが認めら

れ、ウディ絣とピ—ト滋賀の名作を辿る「フォ—ク講座」に、これから時間をかけて

出席します。不定期ですが報告もいたします。お楽しみに。

さて、先週紹介したエイスのご機嫌なコムピ盤『レイディオ・ゴールド』、日曜日に物

色したらすぐに第1集、2集、4集と揃ってしまいました。ちょっとあっけ

なさ過ぎた感じ。5集以降も発売されているようですが、収録曲目に魅力を感

じないので、ここまでかな。第4集はジャケットにヲーフマン・ジャックがDJをしている

写真が使われています。カッコいいですよ。

第2集には「英国でヒットしたアメリカ製の楽曲30」という副題がついていまし

た。全てがその通りでもないでしょうが、英国で話題になったアメリカのポップス

という枠で括られているようです。そこに「ラジオ」という言葉、概念を持ち

込んだのが、勝利の発想でしょう。当時音楽を伝えるミーディアは、段突にラジオ

でしたからね。

各30曲入りですから120の素晴らしい素材が集まりました。全くの無反応

でしたけれど、ちょうど昨年の今ごろ「ドゥー・ワップ」を連続紹介しましたね。

あんな感じで、しばらく勝手にこの『レイデゥオ・ゴールド』から紹介して行きま

す。よろしければ、お付き合い下さい。

今朝は器楽曲、インストゥルメンタルのヒット曲をお届けします。どちらかと言えば珍し

い存在ですね。わたしには1968年に全米第1位となった「恋はみずいろ」の

残像が未だ見えます。果たして英国ではどうだったんでしょうか。4枚の中か

ら探し出してみました。

まずは59年に13位となった「イン・ザ・モード」です。「あれかあ」と早合点

しないで下さい。アーニー・フィールズ・オーケストラの演奏です。

 

M13.In The Mood(2’36”)Ernie Fields Orchestra    ’59 #13

-Razaf, Garland-  ACE  VDVHD 446

 

N  アーニー・フィールズ・オーケストラで「イン・ザ・モード」、39年のグレン・ミラー楽団とは違っ

て、ビ—トを強調した別のアレンヂでしたね。なかなか素敵だ。ドラムスが良かった。

ちょっと漂うノヴェルティ風味が、皮肉好きなイギリス人に受けたのでしょうか。日

本では戦後何年経っても、圧倒的にグレン・ミラーでした。この違いは大きいな。

さて次は初代エレキ・ヒーローと言っても良いデュエイン・エディです。こちらは60年

に堂々第2位に付けました。イギリスの60年と言うと、エレキ・ギターが一般化した

直後くらいでしょうか。硬質ながらトレモロ、リヴァーブなどで甘辛く色付けされた

音色、トワエイン・ギターなどとも言われた弦を強く弾く奏法が冴えてます。

ではお聞き下さい。「なぜなら、彼らはまだ若い」です。

 

M14.Because They Are Young(2’03”)Duane Eddy

-A.Schroeder, W.Gold, D.Costa-  ACE  VDVHD 810

 

N  デュエイン・エディの「ビコーズ・ゼイ・アー・ヤング」でした。次はチャ—ト入りこそ果た

していませんが、話題になったのでしょうかね。ピアニスト、フロイド・クレイマーの

「ラスト・デイト」、彼の代表的ヒット曲です。エリック・ドルフィーではありません。1960

年とクレジットされています。

 

M15.Last Date(2’26”)Floyd Cramer

-F.Cramer-  ACE  VDVHD 810

 

M16.On The Rebound(2’11”)Floyd Cramer

-F.Cramer-  ACE  VDVHD 557

 

N  「ラスト・デイト」、フロイド・クレイマーでした。続いたインスト曲はまたフロイド・クレイマーの「オ

ン・ザ・リバウンド」、こちらは61年に第1位獲得曲になっています。何かの番

組テーマ曲にでも使われたのでしょうか。

フロイド・クレイマーはエルヴィス・プレズリの録音でバック演奏をしていたナッシュヴィルのスタジ

オ・マンです。その後ポピュラ—・ピアノ奏者として独立して、このようなインストルメンタル

のヒットを何曲か出しました。ナッシュヴィル経験が長いだけあって、若々しいリズム感

が特徴です。酒場ピアノ風、ホンキ・トンク調でもありますね。

1970年代、西新宿の某ラジオ局はストリングス系のイージー・リスニングが最上級の大衆

音楽と決めつけて憚らない間違った思想に取り憑かれていました。そのため、

全時間帯、全番組でこの種の音楽を使う事が是とされていました。狂ってる

よな、絶対。この分野だけは豊富にレコ—ドが揃っていてね、正直言って退屈極

まりないものばかりなんです。ピアニストなら、カーメン・キャバレロとかリチャード・クレイダ

ーマン。

そんな中で、イージー・リスニング的ではありますが、フロイド・クレイマーの音楽は面白

くて、よく選曲対象にしていました。

この話を萩原健太が喜んでね。自分の番組でわたしに喋らせたがるもんだ

から困った事があります。同じ放送局の番組の中でなんですよ。

さて、次を聞いて「あれえ」と思う方は多いでしょう。

B.バムブルとスティンガーズです。曲目はヒミツ。

 

M17.Nut Rocker(2’02”)B Bumble & The Stingers

-Txhaikovsky, arr.by A.K.Fowley-  ACE  VDVHD 446

 

N   1972年7月22日の後楽園球場を興奮の坩堝とさせたエマスン、レイク・アンド・

パーマーが得意にしていた「胡桃割り人形」の原曲がこれです。オリジナルは62年

に、英国でも立派にナムバー・ワン・ヒットとなっています。ELPのは楽器の音色が

違うだけで、コピ—と言って良いですね。当時この原曲の存在を知っていた人

間が日本に居たのでしょうか。わたしは何も聞かなかったなあ。いずれにせ

よ、チャイコフスキーの書いた旋律がいかにポップだったか、という証明です。「チャイコフ

スキーに教えとけ」、脱帽。

さて『レイディオ・ゴールド』シリーズ4作からのヒット器楽曲集、時代的に最後は63

年の物になります。

第29位を記録しました。ザ・ファイアボールズで「クイット・ア・パーティ」。

 

M18.Quite A Party(1’48”)The Fireballs

-G.Tomsco-  ACE  VDVHD 446

 

N  ザ・ファイアボールズで「クイット・ア・パーティ」でした。おそらくはスタジオ・メンででっ

ち上げた実体のない演奏集団でしょう。楽曲もブルーズ進行を流用した気楽で

C調なモノでした。これもなんかのテーマ曲だったのかな。

さて『レイディオ・ゴールド』シリーズ4作にはこのような、どことなくクスグられる

かつてのヒット曲が120も詰め込められています。来週から少しではありますが、

ひとつのテ—マのもとに選んで紹介して参りましょう。各盤はバラバラな並べ方で、

こういうのはその方が面白く聞けるのですが、リチギなモーニン・ブルーズはお行儀

良くさせてもらいます。

この4枚の楽曲中、一番新しいというか年代的に後に来るのは、1971年の

ヒットです。何故か第1集の1曲目が、これなんです。71年と言えば、そろそ

ろオールディーズ風味が無くなって来るころですが、不思議だなあ。

でもこれなら文句なし。カヴァ・ヒットでした。

ケイジャン版「プロミスト・ランド」ジョニー・ア−レン。

 

M19.Promised Land(2’08”)Johnnie Allan

-C.Berry- ACE  VDVHD 347

 

N  「プロミスト・ランド」ジョニー・ア−レンでした。これは彼の重要な持ち歌になってい

ます。ロニー・マックの「メムフィス」みたいなものでしょうか。

では、決定的なオリヂナルを。こちらのヴァ—ジョンも『レイディオ・ゴールド』シリーズ第

4集に入っていました。同一楽曲でダブってたのはこれだけですね。

チャック・ベリーです。「プロミスト・ランド」。

 

M20.Promised Land(2’23”)Chuck Berry

-C.Berry-  Chess MCD80245

 

N   チャック・ベリー64年の作品「プロミスト・ランド」でした。出所後の作品ですね。

絶頂期に刑務所服役で3年の空白を強いられるというのは、普通ならばそこ

で挫折し、グレてアル中か薬物依存症で野垂れ死に、というパタンがフツーですが、

このように以前よりも奥の深い作品を創り出すようになったチャック、やはり持

ち前の人間不信は中途半端なものではなかったようです。何と偉大な。

この歌は聖書に出て来る、神がイスラエル人民に授けると約束をした土地の逸話

からのインスピレイションで書かれたとされています。そこを読んでか、こんな人も

カヴァしました。

「約束の地」、ジェイムズ・テイラーです。

 

M21.Promised Land(4’03”)James Taylor

-C.Berry-  Warner Bros. 2794-2

 

M22.Magic Touch(2’31”)The Platters

-B.Ram-  ユニバ—サル  UICY-80014

 

N  ジェイムズ・テイラー1974年の「約束の地」でした。安定期のジェイムズ・テイラー、今

に繋がる彼の音楽の傾向は、この辺りで確立され始めました。先頃、昨年の

独演会の映像を見る機会がありました。いや素晴らしい。思わず「高齢音楽

家のお手本」という表現が口をついて出た程です。全体に落ち着いた雰囲気

の中、歌、演奏は高度に洗練されている。そしてなおかつ創造性がまだ漂う、

ここが大切。この時の実演で新しい何かを感じよう、昨日までと違う事をや

ろう、という自発的な前向きさが漲っていて、圧倒的な説得力で迫ります。

多くの長寿様がたにも、是非一度観て頂きたいですね。

その次はプラターズの「マヂック・タッチ」、56年のヒット曲です。先週「アメリカン・グラフ

ィーティー」のサントラを聞いて、プラターズはやっぱりいいなあと2000回目の再認識、

それでつい今朝も、何の脈絡も無いままにお聞き頂きました。

さて、最後にアンソニー・ジェラーシというブル—ズ・ピアニストをきいてもらいましょう。

アメリカ東海岸の古い町、ボストンで活動する音楽家です。耳にして、わたしはオーティ

ス・スパンからの影響を大きく感じました。まあ彼の影響下にないブルーズ・ピア

ニストはいないでしょうけれどもね。鋭いタッチで鍵盤を叩くところに、その影響

は端的に現れています。まずはストレイト・ブルーズ、50年代後期のマディ・ヲーターズ・

バンドの音が聞こえて来ます。

「ハード・ザット・トットゥワイラー・ウッスル・ブロウ」。

 

M23.Heard That Tutwiler Whistle Blow(5’20”)Anthony Geraci  Spann

-unknown-   BSMF 2491

 

N  「ハード・ザット・トットゥワイラー・ウッスル・ブロウ」、アンソニー・ジェラーシでした。声と唄い方

が非常にマディ・ヲーターズですね。彼の重量感がよく再現されています。アンサムブル

も、画に描いたようなマディ・ヲーターズ・アンド・ヒズ・ブルーズ・バンド。如何に彼

のバンドが理想的なブルーズの形を持っていたか、という事にもなります。普通

ですと、こういう再現的演奏には何処となく嫌味な感じが付き纏うものです

が、このトラック、いやこのアルバム全体にその類いの異臭はなかったですね。花粉

症で鼻が麻痺したのかな。音自体も自然です。何がいいんだろう。秘訣を知

りたいな。

通してみて、聞き所は多いですよ。マイナー・ブルーズをいくつか手掛けている

のも面白い。ここにもスパンの影響は滲み出ています。特にニューポートのライヴかな。

聞いて下さい、やはりボストンで活動していて昨年2月に亡くなった音楽家に

捧げています。「ブルーズ・フォ−・デイヴィド・マクスウェル」。

 

M24.Blues For David Maxwell(6’06”)Anthony Geraci

-unknown-   BSMF 2491

 

M25.Teach Your Children(2’54”)Crosby, Stills & Nash

-Nash-  Atlantic 7567-80487-2 PW

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  アンソニー・ジェラーシの「ブルーズ・フォ−・デイヴィド・マクスウェル」でした。マイナ—・キイで押

しまくって、コ—ダでナチュラル・コ—ドに帰結する、この部分で救われる思いです。

亡くなった先輩への追悼が、純粋に表わされているように感じました。

最後はクロズビー、スティルス・アンド・ナッシュの「ティーチ・ヨー・チルドレン、ウェル」でした。

20世紀のコーラス・ハーモニーの頂点は彼等が築いた、最近そんな気がしていまして、

遅ればせながら2枚組のベスト盤を手に入れて聞いています。まだ唖然とする

ばかり。分析など、とてもとても・・・。

先週の「十代の不良の集まる騒々しい音楽が鳴ってる遊び場にて」では、

LPレコ—ドへの注意書きの話を、ペタシ66さんが思い出してくれていました。わ

たしもね、たしか昔、ウツツ時代にも喋ったなあ、という微かな記憶があったの

です。嬉しかった。どうもありがとうございます。

その同じ投稿で、「散らかってる感じが月-木の頃みたいで」とありました。

御意、です。最後の方で「テュペロー」、「ヴィークル」が入って来たのは、時間の読

み違いによるものです。普段は外して行く方が多いのですが、この日は違い

まして、周辺にあったものを取り敢えず流したのです。でも「テュペロー」は、

この日一番カッコ良く響いたかも知れません。怪我のコ—ミョ—的に聞こえました。

「月−木の頃」の最後の20分は、戦場でしたからね。

今朝もそれに似たようなものです。ジェイムズ・テイラーは、慌てて隣の部屋のレコ

ード棚から探して来たのです。チャックの2分23秒の間にね。プラターズも同じく。

先週の訂正は、

今の「アローウハ・ホーモーリ」は

ポーバック・ポップ・ステイプルズ(2ヶ所)

この他に6ヶ所あるという人がいます。さてどこでしょう。

特別付録、大勢の方にご利用いただいています。「落とすのに時間がかか

る」とか「デイタが重過ぎる」とのご意見、承っております。対策を考慮中

ですので、今しばらくお待ち下さい。確かに恐ろしい時間がかかっているよ

うですね。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/b9b16f057ec864087ed1a29723cbcc390a8265b5

ダウンロードパスワード 8disz44g

使用音源ジャケット写真もね、もう少し鮮明に掲載出来るよう、ズミイ写真教室

で特訓を受けています。もうじきマシになる筈です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

s-mb160227

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/02/20

mb160220

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。1週間のご無沙汰でした。司会のモーニング小僧。ワトゥーシ・

アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

急に冷え込んだり、あっと驚く暖かさだったり、ヂェット・コースタ−で上下して

いるような気候です。お変わりありませんか。今朝も最後までお付き合い下

さい。

1曲目、力強くまいりましょう。カーイラ・アービ−です。「アローウハ・ホーモーリ」。

 

M01.Alouha Homoli(4’56”)Khaira Arby

-trd. arr. by K.Arby-  Clemont Music CLE011

 

M02.Dim Star 0f The Palisades(2’59”)Birds Of Chicago

-unknown- BSMF 6079

 

N  以前にもお届けしたカーイラ・アービ−の傑作と言って良いアルバム『ゴシップ』から

「アローウハ・ホーモーリ」でした。今ではアフリカの音楽を聞いて、誰も「暗黒大陸」と

いう言葉を思い浮べたりしないでしょう。これは一部の先進文明国が創り上

げた過去の貧困な想像でもありますが、この国の本当に馬鹿な自民党政治家

は、未だにその延長線でしか物事を考えられないようですね。アフリカに対して、

どの程度の知識、理解があるのでしょうか。丸山 和也、お前の事だ。

今の「アローウハ・ホーモーリ」には低音の部分からは、ほんの少しだけ不気味さ、

というのかなあ、得体の知れないアフリカさが感じられました。複合リズムが簡単

には理解出来ない形で入り組んでいたからでしょうか。底が深いですね、特

にリズムの解釈は。そこが面白いのであります。全体評価はもちろん、星五つ。

その次は憎い男ジョー・ヘンリーが制作した、バーズ・オヴ・シカゴという男女のデュ

ーオの新譜から「ディム・スター・オヴ・ザ・パリサセイズ」でした。男声が裏に回って

いるので女声しか聞こえないようでもありますが、絶妙のハーモニーを極めて自然

に感じさせてくれます。気持ちいいですね。アルバム全体にこういう雰囲気が流

れていて、わたしには不慣れな世界なのですが、妙に気に入っています。来

月の25日に国内発売となりますので、その頃にまたお送りしましょう。

そして、最新の話題作からそのタイトル・ナムバをどうぞ。

 

M03.信じるものなどありゃしない(4’47”)室井滋 & C.W.カラス

-S.Muroi, C.W.Karasu,

 

N  室井滋とC.W.カラスで「信じるものなどありゃしない」でした。如何でしたか。

以前も聞いて貰ったC.W.カラス、彼はどこかでその紹介に接して「俺は弁ブル

ーズじゃない」と発言していたようですが、わたしの認識も「弁ブルーズ」では

なかったですよ。こちらの言葉足らずだったのかな。

そのC.W.カラスが同郷のよしみで室井滋と合作をしました。室井滋 & C.W.カラ

ス名義で6曲入りアルバム『信じるものなどありゃしない』が、昨年末に発売さ

れています。わたしは新聞記事で知って大いに興味を掻き立てられ、さっそ

く聞いてみました。お聞きの通りです。高田渡をすぐに連想しました。他に

はディランIIかな。どちらもよく聴き込んで来た訳ではないのですが、コマーシ

ャルになってしまう前のオリヂナル・フォーク・ソングが漠然と思い浮んだのですよ。

室井滋が三枚目を演じ過ぎてる感じもしますが、二人で一緒にやってるの

は2曲だけなので、この組み合わせでもう少し聞いてみたいですね。意図的

にボヤけた写真を使った地味なジャケット、よく見るとカラスはなかなかいい男です。

照れ屋なのかな。室井滋とC.W.カラスで「信じるものなどありゃしない」でした。

さて、もう一昨年になってしまいますが、2014年の8月に錦糸町の首都高

速道路7号線高架下で行われた「江戸マルシェ」、憶えてくれていますか。台風が

近づいていて大荒れの天気の下、吾妻光良とスウィンギン・バッパーズが大迫力で楽

しませてくれたあの夏の日です。その時に最初に演奏を聞かせてくれた女3

人の「浪漫堂」というブルーズ・トリオ、思い出せるでしょうか。そこのリーダーの

岡村トモ子は女18人のビッグ・バンド「たをやめオルケスタ」を主宰しています。ジャ

ズのイヴェントなどにはかなり出演していますから、こっちの方が有名かも知れ

ません。

そのタヲヤメが昨年アルバムを出していました。発売されたのは夏頃でしょうか。

偶然に出逢い、ちょっと驚きでした。今回のは三部作の最終章だそうです。

タヲヤメブリという部分にはこだわりがあるようですが、音は結構マスラヲブリですよ。

1曲聞いて下さい。これが気に入りました。

たをやめオルケスタで「お座敷ダンシン」。

 

M04.お座敷ダンシン(4’57”)手弱女オルケスタ

-T.Okamura-  ピーヴァイン PCD-24412

 

M05.Wild Ride(2’50”)ジョン・デル・トロ・リチャードスン    ds.good

-unknown- BSMF 2495

 

N  また2曲続いたダブル・プレイでした。マスラヲなタヲヤメに続いては、テキサスの骨太男、

ジョン・デル・トロ・リチャードスン。これまで地元の多くのセッションでギターを弾いていま

したが、このたび個人名義では初のソロ作品を発表しました。まだ若そうです。

メキシコ系の血が流れているな、と想像させる顔立ちです。

先週は50年代のオーガン・ジャズ風インストゥルメンタルをお届けしましたが。今朝は、

「ワイルド・ライド」。いかにもテキサスらしい、現代のカウボーイ歌です。ドラムス、特にスネ

アの音が大地を駆ける荒馬のよう・・・とまでは言いませんが、気持ち良かっ

たです。

では、今回のデビュ—・アルバムの中で、特にわたしが気に入った1曲を聞いて

下さい。ちょうど表題曲でもありました。

「テンゴー・ブルーズ」。

 

M06.Tengo Blues(5’24”)ジョン・デル・トロ・リチャードスン

-unknown- BSMF 2495

 

M07.Cure For love(3’31”)Ben “Guitar” Carr

-B.Carr-  The Blues Mazine 27(2016)

 

N   ジョン・デル・トロ・リチャードスンの「テンゴー・ブルーズ」良かったでしょう。ラテンの哀

愁漂うマイナー・キイというのも擦ってくれますね。他に収められているのはブルー

ズ・ナムバが多く、部分的にアルバート・キング調でもあります。ジョン・デル・トロ・リチ

ャードスン、来週末に国内発売になります。聞いてみて下さい。

その後にミタビのダブル・プレイとなったのは、ベン・ギタ—・カーという男の「キュア・

フォ−・ラヴ」です。堂々としたジョン・デル・トロと較べると、かなり変態気味でし

た。前後に短波放送の同調探し雑音が入っている点に惹かれました。これを

聞くまで彼の事は何も知りませんでしたが、ライヴを熱心にこなしているよう

です。今のようなギタ—演奏だけでなく、パーカションとヴォ—カルで別のギタリストと組ん

だり、ホット・ラッツというブルーズ/ロックンロール・バンドも転がしているようです。ホット・

ラッツかあ・・・臭って来ますね。

このトラックは、イギリスのブルーズ・マガジーンの今年に入ってから刊行された第27

号のオマケCDに入っていました。表紙はボニ—・PTA世話人・レイットで、彼女の特

集が組まれています。ウツツ時代にやはりこの雑誌に付いていたCDで聞いて貰

った事のあるヲルター・トラウトの実演報告も掲載されていました。ロバ—ト・プラントが

ティナリウェンと一緒に録音をする、という気になる記事もありました。

今回のオマケCDには、ブルーズ・ロック系の演奏が多く収録されています。ほと

んどハード・ロックと言ってしまえばそれ迄ですが、「おう、まだみんな、こうい

う音楽好きか」と、思わず顔が緩んでしまうような元気一杯のロックです。テデス

キ・トラックス・バンドの新しいアルバムから「ドント・ノウ・ワット・イト・ミーンズ」も入って

います。その中から異色のトラックとしてベン・ギタ—・カーの「キュア・フォ−・ラヴ」で

した。

ではCD冒頭を飾るスタ—、ボニ—・レイットの「ヂプシー・イン・ミー」を聞きましょう。

ザ・ブルーズ・マガジーン第27号の「特別付録」からです。

 

M08.Gypsy In Me(4’09”)Bonnie Raitt

-G.Kennedy, W. Kirkpatrick-  The Blues Mazine 27(2016)

 

N  ザ・ブルーズ・マガジーン第27号の特別付録に続いては、やはりロンドンのモ—ジョ・

マガジーンの2015年11月号特別付録からも聞いて下さい。こちらは『ビートルズ

1+』の発売に合わせたんでしょうか、彼らが初期にカヴァ−していた楽曲のオリジ

ナルを集めてあります。題して『ビートルズが教えてくれた』。どこかの国に同じ

ような題名のアルバムを作ったグル—プがいたような・・・。

さて、まずはラリー・ウイリアムズの「バド・ボーイ」ですが、このヴァージョン、ご存

知でしたか。

 

M09.Bad Boy(2’15”)Larry Williams

-Williams-  Mojo Magazine Nov. 2015

 

N  ラリー・ウイリアムズの「バド・ボーイ」でした。この形で聞いたのは、わたしこれが

初めてです。中の記載を読むと「初出1959年」となっていますが、それはス

ペシャルティ時代の別のヴァージョンの事ではないでしょうか。そこを出て、チェスやデッ

カに移って、60年代にはコロムビアの黒人A&Bとしても仕事をしていた事があり

ますから、その間の録音ではないでしょうかね。リズムの解釈も明らかに新し

い。ビートルズは、スペシャルティのヴァージョンを殆どコピーに近い形でカヴァしていました。

この特別付録は後に彼らの正規録音で発表された楽曲が殆どですが、ライヴ

のリパトゥワに留まった物も含まれています。ではそんな1曲をどうぞ。

アーサー・アレグザンダーの「ア・ショット・オヴ・リズメン・ブルーズ」、アサーです。

 

M10.A Shot Of Rhythm And Blues(1’55”)Auther Alexander

-Thompson-  Mojo Magazine Nov. 2015

 

N  アサー・アレグザンダーで「ア・ショット・オヴ・リズメン・ブルーズ」でした。これはリヴァ

プ—ル時代のオハコでしたかな。アーサー・アレグザンダーの楽曲は、「アーナ」をジョンの名唱

で吹き込んでいました。

先週の「ヴォーカル・グループ ザ・ビートルズ」で、ジョンのガール・グループ好きにつ

いて少々触れました。この特別付録は意外な事に殆どが男声の歌ばかりです

が、2曲だけ女声吹き込みがあります。ひとつはアニタ・ブライアントの「ティル・ゼア・

ヲズ・ユー」そしてもう1曲が、これです。

 

M11.Chains(2’27”)The Cookies

-J.Goffin, C.King-  Mojo Magazine Nov. 2015

 

N  ゴフィン/キング作の「チェンズ」、ザ・クッキーズでした。ジョンが嬉しそうに唄っている

姿が目に浮かびます。一度もそんな場面を観た事ないんですがね。

この特別付録にはフィル・アレグザンダーという人間が書いた簡単な解説が付いて

いてリードに、「自分たちが描いていたのは、ジョンがバディー・ホリー、僕はリトル・リチ

ャ—ドだった」というポールの言葉が引用されています。確かに部分的にはそう

だったでしょう。

 

M12.Keep A Knocking(2’18”)Little Richard

-P.Bradford-  Fremeaux & Associes FA 5607

 

N  リトル・リチャード1957年の「キープ・ア・ノッキン」でした。感想のテナ—・ブロウも含め

て狂ってる度合いは、かなりのものです。一回のショウで何曲くらい息が続くの

でしょうか。考えてみると彼のワンマンショウを映像としても観た事ないですね。も

うそういう形ではやってないかな。リトル・リチャードの狂い方では、この映像も面

白いですよ。時間があったらご覧下さい。


https://www.youtube.com/watch?v=kZ6h0kyqSRk

 

N   いやもう何も言えません。「あのヒトこそが王様だよ」、御意。モーニン・ブルーズ

永久ロックンロ—ル観音菩薩指定リトル・リチャード、「グッゴリ、ミス・モリ—」でした。

さて、この番組でよく回ってるCDレイベルにはイギリスのエイスがあります。数年

前から非常に魅力的な編集盤を続けざまに出してくれていまして、特にアメリカ

南部録音関係では、お金が無くなってしまうから暫くやめてくれ、と言いた

くなる程のラッシュ期もありました。

ですので、レコ—ド店でもエイス盤を見つけると老眼鏡を掛け直して曲目を調べ

ます。わたしの知らない物がまだ山ほどあるんです。先日は『レイディオ・ゴ—ルド』

という気になる題名のコムピに出会いました。50年代のラジオを賑やかに鳴らし

ていたヒット曲集です。わたしにとって、こういう企画物は堪りません。即座に
購入しました。家で通して聞いていたら、またまた新発見があったのです。

と言っても、いつものようにわたしが知らなかっただけなんですがね。

まずはこの1曲を聞いて下さい。

 

M13. アット・ザ・ホップ(2’25”)フラッシュ・キャデラックとコンチネンタル・キッズ

-Singer, Meore, White-  WEA  WMC5-87/88

 

N  若き日のジョ—ジ・ルーカス監督の傑作、永遠の「アメリカン・グラフィーティー」サウンド・トラ

ック盤から、「十代の不良の集まる騒々しい音楽が鳴ってる遊び場にて」でした。

これね、大昔に西新宿のラジオ曲で働いていた時に、そこのレコ—ド室からしょ

っちゅう借り出して聞いていたんですよ。そのLPの和文曲目表のこの曲の欄

に「not original」とあったのが今も忘れられません。誰か詳しい人が、間違

えないようにと鉛筆で書き添えてくれていたんですね。

今回このエイス盤『レイディオ・ゴ—ルド』に、そのオリヂナルが入っていました。

これです。ダニー・とジュニアーズで「アット・ザ・ホップ」。

 

M14.At The Hop(2’26”)Danny & The Juniors

-Singer, Meore, White-   ACE CDCHD 557

 

N  ダニー・とジュニアーズでオリヂナル「アット・ザ・ホップ」でした。

映画の中では卒業謝恩会で実際にこの歌が演奏される場面がありました。

その流れでしょうか、かなりオリヂナルに拘っていたサントラ盤では例外的に、新し

いグループであるコンティネンタル・キッズのカヴァが使われていました。例のLPに書き込

みをした人は、その時点でそれを知っていたのです。この国のロックンロ—ルお兄さ

んたちの定番ともなっている「アット・ザ・ホップ」、探し求めていた訳ではあり

ませんが、40年近く経って、わたしもようやくオリヂナルを聞けました。

このエイス盤『レイディオ・ゴ—ルド』、今回手に入れたのは、ヴォリウム・スリー。先の2

枚がどうしても欲しくなっています。

さて、先週もお届けしたシュガーパイとキャンディ—・メン、如何でしたでしょうか。

わたしはもう少し反応あるかと思いましたが、皆無でした。こういうのには

食傷気味なのかな、みんな。決して飛び切りの上手さではないですけれども、

程よいバランスで聞かせてくれてますよ。ちょっと洒落た小さなレストランで唄って

いて、それをたまたま聞いたギョーカイカンケーシャがその場で録音契約を結んで、次

の日に吹き込んだ、そんな感じが気に入ってるんですがね。

今朝は「デイ・トリッパー」、そして「ア・ハード・デイズ・ナイト」と「オール・マイ・ラヴ

ィング」のメドリーをどうぞ。盤の上では続いているトラックでして、「ア・ハード・デイズ・

ナイト」がすぐに入って来ますが、ここにはメドリーの表示がません。こういうと

ころにも、ちょっとしたセンスを感じているんです。

 

M15.Day Tripper(3’11”)Sugarpie And The Candy Men

-J.Lennon, P.McCartney-  La Douce IRM 1402 CD

 

M16.A Hard Days Night~All My Loving(4’06”)Sugarpie And The Candy Men

-J.Lennon, P.McCartney-  La Douce IRM 1402 CD

 

M17.Tupelo(6’10”)Albert King, Steve Cropper, Pop Staples

-J.L.Hooker- Stax SCD-8544-2

 

N  シュガーパイとキャンディ—・メンで「デイ・トリッパー」、そして「ア・ハード・デイズ・ナイト」

と「オール・マイ・ラヴィング」のメドリーに続いては、昨年末からずっと待機させられ

ていたのに出番がなかったトラックがようやく登場いたしました。

アルバート・キング、スティーヴ・クロッパー、そしてポッポ・ステイプルズがスタックスでジャムっ

たアルバムから、ジョン・リー・フッカー作の「テュペロー」でした。エルヴィス・プレズリの生ま

れた土地ですね、この「テュペロー」というのは。ここで中心になっているのは、

ローバック・ポッポ・ステイプルズで、如何にも即興のジャム感覚で指示を出しながら

進めていくのが、手に取るように分ります。カッコいいね。意図的に遠く配され

たアルバートとクロッパーのギターもイカしてます。今から50年程前の音楽なんだよ。

さて次、これもアレーでした。かなりの枚数の鱗がわたしの目には被さってい

るようです。アイズ・オヴ・マーチの「ヴィークル」なんですが、記憶にはあったもの

の、なぜか頭脳の中でディープ・パープルの「ハッシュ」とごっちゃになっていまし

て、今回BSMFからのデラックス再発盤を聞いて、「あ、そうだったのか」と再

確認でした。BS&Tの成功にあやかろうとしてか、とてもデイヴィッド・クレイトン・

トーマスを意識したリード・ヴォーカルが印象的です。

アイズ・オヴ・マーチ、「ヴィークル」。

 

M18.Vehicle(2’55”)The Ides Of March

-J.Peterik-  BSMF 7521

 

M19.Clean Up Woman(11’37”)Betty Wright  ‘78

ソリッド CDSOL-5602

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  吹奏楽部に在籍した人なら、吹いた憶えがあるかも知れません。ブラス・ロック

のお手本のような「ヴィークル」、アイズ・オヴ・マーチでした。「ハッシュ」とは年代も離

れているし、別にどこも似てもいないですね・・・おかしな頭だ、いつまで

も。

その後の延々続いたライヴは、ベティ・ライトの「クリーンナップ・ヲ−マン」。1978年に発

表された物です。彼女の所属していたTKのカタログは確かワーナーに権利が移って、

そちらからも再発されていましたが、ここ数ヶ月は別の発売元から出ている

盤を見る事が多いですね。何故だろう。調べてみます。

ベティは最大のヒット曲「クリーンナップ・ヲ−マン」をショウのクライマックスに持って来て、達者

な物真似をたっぷり披露して楽しませてくれます。R&B実演の醍醐味ですね。

「黒人の歌い手は誰でも、自分より有名な人間の物真似の三つ四つはネタで持

ってるもんだ。それをライヴでやって沸かすんだ。こういう事が出来なきゃ務

まんないよ。」、小林克也が駆け出しのわたしに教えてくれた話を証明する録

音です。1978年の作品で、当時はこの国でもLPが出ていました。あなたは

何人が分りましたか。ベティ・ライト『ライヴ』から、「クリーンナップ・ヲ−マン」でした。

北海道にあった鷲ノ巣という駅が無くなったそうです。その前日のニューズで

知りました。一度行っておきたかったなあ。看板でも手に入らないかな。

常日頃から肝に命じている筈ですが、無くなる、廃止される、と決まって

からでは手遅れなのですよ。大事なものにはいつも注意を払っておきましょ

う。

なんて言ったらさ、BBCがテレビとラジオを廃止するというショ—ゲキ的ホ—ド—が

流れました。これは驚き。決めると実行も早いからなあ。本気ですよ、きっ

と。まだラジオにすらなってない「幻」はどうしたらいいのでしょう。

首都圏9人、全国8万人の皆さん、ご支援下さい。オモテウラ二つある投稿サイト

は完全予約会員制ではありません。ショーショーそのケーコーが出て来ていますが、初

めての方を大歓迎いたしております。どうぞお越し下さい。まだあります。

 

先週の言い間違いの訂正です。

ツイギーがテレビで観て

生番組があって、

かつての植民地ジャマイカからの移民が

ステイヂ・マナーは

そっと教えて下さい

 

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/7a9cab01b3049d503dad45d3709396d745337f13

ダウンロードパスワード iisgi2zt です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

s-IMGP1451

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/02/13

mb160213

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

先週はこちらの突発事を暖かく見守っていただきまして、どうもありがとう

ございます。ほっといたしました。ただ、黙っていれば、何も混乱はなかっ

たですね。考えてみますと、無用にお騒がせしただけのようでもあります。

しかし、後になって知った事実では、更新が少々遅れていたようです。こ

れは何が原因なのだろう。しかも10分以上のはみ出しです。放送事故伝票が

足りないぞ。

更には、「モーテン」的曲目紹介の間違いが、発覚。これは全く気付かなかった。

わたしの中ではこの歌、既に「モーニン・ブルーズ」なんです。

「今朝起きたらさ・・・」で始まるでしょ。今回久し振りに正しい題名に

接しました。

では改めてまいりましょう、永遠のロバート・ジョンスンです。

「ヲーキン・ブルーズ」、夜に近いアサー。

 

M01.ウォーキン・ブルース(2’29”)

-R.Johnson-  CBSソニー  FCP 80046/7

 

M02.悲しき天使(5’08”)メリー・ホプキン

-G.Raskin-  Apple  CD APPS1

 

N  いやはや、恐ろしいですね思い込みは。「ヲーキン・ブルーズ」ですよ。「モーニン・ブ

ルーズ」ではありません。ロバート・ジョンスンでした。

その次に聞いて頂いたのはメアリ・ホプキンの「悲しき天使」、これも秋から冬に

かけて時期に流行りましたね。それでついこの季節には回る事が多くなりま

す。1968年ビートルズの始めたアップル・レコーズからの新人先頭打者メアリ・ホプキン。

イギーがテレビで観て「この娘いいわよ」ってポ—ルに電話したんじゃなかったか

な。何という時代的なお話でしょう。

その第一弾シングルが「悲しき天使」。世界的な競作となって、日本でも森山

良子がカヴァしたんじゃなかったですか。

「Those Were The Days…」のところが「思い出すわあの日の事・・・」

とか唄われてませんでしたか。今メアリ・ホプキンだぞ、と少々威張っていたんで

すが、木曜日のNHK第一放送で大友良英と奈良美智の生番組が有って、そ

こで「ストリーツ・オヴ・ロンドン」というわたしの知らない歌が流れていました。

先にやられちゃった。彼女、万博の年に来日してたそうです。

さてこの歌は、ロシア、その頃はソビエト社会主義共和国連邦ですが、そちらの

地域の旋法を使って書かれたとされています。ちょっと珍しい音色も聞こえ

ます。バラライカなのでしょうか。クラリネットが出て来る辺りはクレズマ的です。非常に

よく出来たアレンヂですね。同時期に発表されたザ・ビートルズのホワイト・アルバムでは、

ポ—ル・マカートニが、かつての植民地ジャマイカから移民がロンドンに持ち込んでいたスカ

を上手に採り入れた「オブラディ・オブラダ」を録音していて、ポップ音楽の「ワール

ド・ミュ—ジック」化が水面下で進行していた、と言えるかも知れません。

次の歌も当時の当り歌。ロシア系民族音楽的背景を持っている、と何かで読ん

だ記憶があります。ほんとかなあ。

 

M03.オーケイ!(2’36”)ザ・カーナビーツ

-R.Hoshika, Howard, Blaikley-  テイチク  TECH 3242/3

 

N  「オーカイ」ではなくて、「オーケイ!」、ザ・カーナビーツでした。これは紛れもなく本人

達の演奏ですね。原典はどこだろう・・・、イントロのリフは若干アラビックでもあり

ますからソ連が中東と接するグルジアあたりなのでしょうか。。アイちゃん始めカーナ

ビーツのメムバーは分ってたのかな。

オリヂナルはデイヴ・ディー・グループ。彼らは「オ—ケイ」「ザバダック」など不詳な異

国情緒をネタに、ヒット曲を作り続けていました。日本に題材を求めた「木更津の

伝説」というヒット曲もあり、こちらはジャガーズが鞭を振りながらカヴァ。現在で

は氣志團にそのひとしずくが流れているとか、流れていないとか。

なお、デイヴ・ディー、ドジ−、ビーキー、ミック・アンド・ディッチというのが正式なグ

ループ名だそうで、わたしは1982年まで、この事を知りませんでした。

 

M04.Triple Lindig(3’01”)John Del Toro Richardson

-unknown- BSMF 2495

 

N  こちらも地域、年代不詳的な1曲。ブルーノートにたくさんあった50年代のオーガ

ン・ジャズのようでもありますが、これは、ジョン・デル・トロ・リチャードスンというギ

タリストの「トリプル・リンディグ」。デビュ−・アルバムからです。この新人が果たしてど

んな人間か、それは・・・、ちょうど時間となりました。来週もう少し詳し

くご紹介いたします。ワツシ総合研究所の調査によると、ミョ—レイのキレ−ドコロのココロ

を掴むだろう、という予想が成立しておりますが、果たして・・・。

さて、謎の投稿「You Won’t BE」について、ようやくお話しする時がやっ

てまいりました。

最初11月23日付の類似穴さんからのツイターを読んだ時、わたしは何の事か

分りませんでした。

その後のヒントとして授けられた原 恵一郎作劇画「ワシズ」第四巻23話も読

み直しました。これは太平洋を泳ぐ巨大な海亀の甲羅の上で卓を囲んで賭け

麻雀をするという設定の下に進行する話で、最後はダグラス松笠元帥が指揮を

執る米海軍艦隊からの攻撃をやり過ごして日本に帰還するという、荒唐無稽

な結末で幕を閉じます。

この麻雀勝負の中で盲牌と呼ばれる牌の目を指先で読むのでははなく、他

の牌と当る音でその目を判断出来るという絶対音感の持ち主が登場。ワシズの

前に立ちはだかって、大分苦戦します。いずれにせよ麻雀を知らないので仕

方ないのですよ。

この「絶対音感」という新たなキイワードも加わって、更に謎は深まりました

が、まず「You Won’t BE」というのは、この歌の事だのは分かりました。

 

M05.You Won’t See Me(3’27”)The Beatles

-J.Lennon, P.McCartney-  Capital 0946 3 603352 5

 

N  ザ・ビートルズで「ユー・ヲント・シー・ミー」でした。傑作LP『ラバ・ソウル』からです。

聞きながら、謎の投稿はおそらくこれを糸口に、ビ—トルズのコ—ラス・ハ—モニ—の分

析をせよ、とのご要望ではないか、と考えるに至りました。わたしは予てよ

り彼らをヴォ—カル・グル−プと断言して憚らない身です。ちょうど次号のエリスで、

遅れて観た『ザ・ビ—トルズ+1』について書いたばかり。有り難きお言葉として、

少々お話し致しましょう。ただ本格的な分析は、相当の時間を必要とします

ので、概論に留めさせて下さい。よろしいでしょうか。

ちょうど今の曲の頃から、彼らのコーラス・ワークは飛躍を始めます。北米R&Bヴ

ォ—カル・グループのハーモニーを自分たち流に焼き直すだけでなく、オリヂナリティの確立に

向けて、さまざまな試みが見られるようになります。次々と創り出される新

しい自作曲の数々は、独自の磨かれたバック・グラウンドヴォ—カルで、細部までより

はっきりとした形になって新しい響きを届けてくれました。

今の「ユー・ヲント・シー・ミー」はドゥー・ワップでよく用いられた声による伴奏を、

60年代のロックのセンスで置き換えた、という表現が相応しいでしょう。主旋律

裏の「ウー、ウー、ワ、ラーラ」というコ—ラスは当時とても新鮮でした。サビ終了部の追い

かけ唄い込みも効果的です。全体が素晴らしいベイス・ラインに支えられている事

も大きいでしょう。

このアルバム『ラバ・ソウル』では、もう1曲素晴らしい彼らのヴォーカル・ワークを聴

く事が出来ます。これです。

 

M06.ノーホエア・マン(2’42”)ザ・ビートルズ

-J.Lennon, P.McCartney-   東芝  TOCP-65300

 

N  「ノーウェア・マン」でした。今朝はヴォ—カル・ワークのお話をするため、あまり評判の

良くないキャピトルからのステレオ・ミックス盤を使っています。右チャンネルだけにすると、

アナログ程ではありませんが、歌の部分がグッと出て来ますよ。まだ発声が結構

トーシロっぽかったりして、面白くもあります。ただね、この「ノーウェア・マン」、アメリ

カ盤の『ラバ・ソウル』に入っていないんですね。ここまでのLP収録曲がアメリカで

は勝手に組み替えられていたのは衆知の事実ですが、この歌の入っていない

『ラバ・ソウル』なんて考えられますか。当時の担当A&Rの顔を見たいね。

以上の理由により、今の「ノーウェア・マン」はアルバム『イエロ・サブマリ−ン・ソング・ブッ

ク』からステレオ・ミックスでお届けしました。映画の中ではジェレミーの歌でしたね。こ

の設定が良かった。

ここにも先ほどと同じような「ウーララ」バック・グラウンド・ヴォーカルが出て来ます。

この流れは遠く極東の島国にも波及し、21世紀の現在でも、夏の甲子園の応

援楽曲筆頭、山本リンダ「狙い撃ち」に脈々と継承されています。

世界各地を駆け足で駆け巡るだけの旅公演を続けながら、彼らは新しい音

楽の世界に踏み出していました。新しい楽器とか録音の方法もありますが、

ヴォーカルで何がどこまで出来るか、という可能性を彼らは自然と追い求めてい

ました。『ラバ・ソウル』がその第一到達点とすれば、更に加速度を持って進み『SGT.

ペパーズ・・・』で、ひとつ完成したと言えるでしょう。

ただし、彼らのコ—ラス・ハ—モニ—指向は田舎のビ—ト・グループだった頃から、ずっ

と培われてきた大切な要素でもあります。デビュ−・アルバムから聞きましょう。

「ディス・ボーイ」。

 

M07. ディス・ボーイ(2’13”) ザ・ビートルズ

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-67601-04

 

M08.Yes, It Is(2’42”)The Beatles

-J.Lennon, P.McCartney-  Capital 0946 3 603352 5

 

N  「ディス・ボーイ」、そして「涙の乗車券」のB面だった隠れた名曲「イエス、イティー

ズ」、共にいかにもジョンらしい複雑に屈折した愛の歌でした。わたしにはこの

2曲がヴォーカル・ハーモニーも含めて「対」に聞こえます。

さて、次は正式な録音作品ではないのですが、混乱状態でも彼らはヴォ—カル・

グループ的側面を失わなかった実例です。「ヘイ・ジュード」のB面の「リヴォル−ション」。

『ザ・ビートルズ1+』のDVD2枚目に収められているもので、じっくり観たの

は今回が初めてでした。これね、演奏は既に録音してあった自分たちのカラオケ

なんだけど、映像収録時の、この時だけの歌なんです。だから当然シングルと違

います。『ホワイト・アルバム』に収められていた「レヴォル−ション1」のスキャット部分「ヴウ

ヮップ、シュビドゥウヮ」をリンゴも含めて楽しそうに合わせる姿がとても印象的で、

わたしはますますこの歌が好きになりました。

では聞いて下さい。DVDからのモノ—ラル音声です。

「リヴォル−ション」。

 

M09.Revolution(3’26”)The Beatles

-J.Lennon, P.McCartney-  Universal nonumber

 

N  「リヴォル−ション」、良かったでしょう。相当に荒い音ですけれど、それがまたね。

これのリード・ギターはジョンなんですね。知らなかった。

ちょうどこの頃かな、彼らはトウィッケナムの映像ステューディオに楽器を持ち込んで、

不毛の悪循環セッションを始めます。後に映画「レット・イト・ビ」として劇場公開さ

れますが、ここでは殆どが、お互いの鞘当て、嫌がらせ、意地の張り合いに

終始し、観ている方もウンザリさせられます。でもね、コーラス・ハーモニーに関しては

否定的悪感情なしで、自然に寄り添って仕上げられて行く過程を確認する事

も出来るのです。

どの曲でも自分がリードでない限り、自然と当たり前のようにコーラスに回って

歌をバックアップし、楽曲がより良い響きになるために声を重ねて行く。これは

美しい場面です。あれほど対立して、全員が建設的な努力を放棄していたセッシ

ョンでも、歌声を合わせる歓びは、人の心を前向きにしてくれるんでしょうか。

そもそも、複数の人間が唄えばそれ相応のハ—モニ—が自然に生まれるのは、一

種の常識と考えてもいいかも知れません。古来から和声を持たなかった純邦

楽の伝統など遠の昔に断ち切られてはいますが、大衆芸能の最高峰が5人の

ユニゾン・グループというこの国では、通り難い論理かな。とにかくビートルズは当

たり前の事としてハーモニ—を高度に導きました。どうですか、ビートルズ、ヴォーカル・

グループ論、説得力あるでしょ。そうでもないか。

この時期のもうひとつの有名なセッションは、アップル・ビル屋上で行われた、無料

実演ショウ「お昼のいこい」です。ここでも昔からの仲の良さが復活したかのよ

うな絶妙の和声を聞かせます。更には彼らのライヴ・パフォーマンスの凄さも驚愕に

値します。

この時まで彼らは2年間ほど、揃って人前で演奏した事ないんですよ。し

かも全部未発表の新曲をリハーサルすらなく、いきなりの本番突入です。それでも

『ネイキド』盤が出され、何の不足もなく鑑賞出来る録音を残しているのです。

オーヴァ・ダビング、差し替え、繫ぎ合わせで、なんとか「ライヴ」盤を作ってる

奴らとは、ケタが違う史上最強の演奏集団でしょう。

ではスコットランド・ヤードも踏み込んだ混乱現場から1曲聞きましょう。

「ドント・レット・ミー・ダウン」。

 

M10.Don’t Let Me Down(3’19”)The Beatles  Naked

-J.Lennon, P.McCartney-  Apple 07243 596713 2 4

 

N  ロンドン、セヴィル・ロウのアップル・ビル屋上から「ドント・レット・ミー・ダウン」でした。

「ユー・ヲント・シー・ミー」を起点に、ヴォ—カル・グル—プ、ビートルズについてお話し

て来ました。それぞれのパートとかヴォイシングに関しては、また時間をかけてお

伝えしたいですが、人間が生で肉声を合わせて行くと、不思議な事に出る声

が揃って来るんです。おそらくより美しい響きを察知して、声帯が自律的に

変わって行くんですね。長く続いている上手なヴォーカル・グル—プを聞けば、す

ぐにこの現象は感じ取れます。人数分の声というよりも豊かな倍音を持った

ひとりの声のように聞こえて来ませんか。

セッション・ヴォ—カリストという人たちは、この種の発声調整を無意識の内に瞬間的

に行っているのでしょう。程度の差は大いにありますが、シロートでも同じで、

ちょっとやれば仲間とハーモニーを取る時、普段とは別の声になっている筈です。

ビートルズの場合はそういう修練が、過酷な下積み時代に続けられていました。

またこの頃のリパトゥワは、ジョンのガール・グループ好きを反映したものが多かった

ので、そこで男声合唱以外の要素を多く吸収した事も考えられます。何より

もその種のカヴァを唄う時、みんなとにかく嬉しそうでした。これが一番です。

ではその代表的な1曲、

「プリーズ・ミスター・ポストマン」、ヴォーカル・グループ、ザ・ビートルズ。

 

M11.プリーズ・ミスター・ポストマン(2’37”)ザ・ビートルズ

-B.Holland, F.Gorman, W.Garret, G.Dbbins, R.Bateman-  TOCP-67601-04

 

M12.All You Need Is Love(2’36”)Sugarpie And The Candy Men 

-J.Lennon, P.McCartney-  La Douce IRM 1402 CD

 

N  ビートルズに続いては、なかなか気の効いたカヴァで「愛こそはすべて」でした。

これは『レット・イト・スイング』というビートルズ楽曲ばかりを採り上げたカヴァ・アルバ

ムからです。メドリーも含めて全13トラック、16曲。なかなか良い出来です。また

ゆっくりと聞いてもらいましょう。

さてジョンが「あんたに必要な物はこれだけだ」だという「愛」、その実態は

どんな物なのでしょうか。

 

M13.What Is Love(3’26”)エイ・ジェイ・クローチ

-A.J.Croce-  BSMF 6046

 

N  エイ・ジェイ・クロウチで、やはり「愛とは何だろう」でした。彼は自身でこう答え

ています。

「人はそれを愛と呼ぶ」。

 

M14.Some People Calls It Love (4’15”)エイ・ジェイ・クローチ

-A.J.Croce-  BSMF 6069

 

N  エイ・ジェイ・クロウチで「愛とは何だろう」、そして「人はそれを愛と呼ぶ」でし

た。実はこれ順序が逆でして、「人はそれを愛と呼ぶ」は、ライ・クーダーやロス・

ロボスのデイヴィド・ヒダルゴ、ロベン・フォードなどが参加した、1995年の『ザッツ・

ミー・イン・ザ・バ−』から。そして「愛とは何だろう」は2014年の発表です。

まだ彼の心の中でも答えは出ていないようです。

その愛を模索中のエイ・ジェイ・クロウチ、突然ですが来週19日から丸の内のコトンク

ラブで実演公開です。若くして亡くなったお父さんのジム・クロウチがこの国でも

比較的知られていますから、熱心なファンは潜在的にいる事でしょう。今のよう

な歌を生で聞来たかったら、ぜひお出かけ下さい。

さて、こちらもお待たせしました、ナタリ—・コ—ルです。4回目になりましたね。

こんなに採り上げた番組は他にないでしょう。わたし自身、30年振りですよ、

「レッツ・フォール・イン・ラヴ」、「シンス・アイ・フェル・フォ−・ユー」以外のナタリーを聞いたのは。

いろいろな想いが交錯しましてね、ただ亡くなって悲しい、懐かしいだけ

ではありませんでした。今回は特にそんな気持ちの強くなる実況録音盤から

お届けしましょう。1978年、カリフォーニャのユニヴァーサル・シティとニュージャージーはチェリー・

ヒルでの収録です。

まずデビュ—・アルバムの表題曲、「インセパラボー」。

 

M15.Inseparable(2’59”)Natalie Cole

-C.Jackson, M.Yancy-  Soulmusic.Com Records  SMCR 5009D

 

M16.Cry Baby(5’13”)Natalie Cole

-B.Berns, J.Ragovoy-  Soulmusic.Com Records  SMCR 5009D

 

N  ナタリー・コール78年のライヴから「インセパラボー」でした。そしてその次は「クライ・

ベイビー」、ガーネット・ミムズのオリジナルですがジャニス・ジョプリンでの方が遥かに有名。

ナタリーも、明らかにそちらからの影響丸出しで唄っていました。お客さんたち

の反応も、驚きと賞賛が入り交じっていまして、意外に感じた方も多い事で

しょう。でも1950年生まれの彼女は、十代の終わり頃にロックの洗礼を浴びて

いる筈ですから、決して不思議な事ではない筈です。ロスエインジェルズ育ちですし。

ただこの実況録音盤に接した時、抜群のスイング感、R&B的歌唱力は、完全

に「血」だったんだ、という事実に、わたしは気付かされました。恵まれて

いると言えばそれ迄なのですが、彼女が育って行く過程で獲得し自分で鍛え

上げたのではなく、天から授かった物なんです、これらの才能は。

R&Bの実況盤と言えば、各楽曲で前奏、主題、展開部、間奏と、すべてを

提示した後、演奏が単純な繰り返しを続ける終了部分で、歌い手は聴衆に語

りかけるように歌の主張を即興で繰り返して煽り立てます。ここがクライマックスで、

聴衆と歌い手の間に深いコミュニケイションが生まれて来ます。ナタリ—もこのライヴで、同

じ手法を用いて絶頂へと導きます。こういう部分での彼女のステーヂ・マナーは完

璧ですし、歌唱表現は驚異的と言っていい程のレヴェルです。が、しかし、なぜ

かひとりで空回りしているような印象がするのです。彼女には何の瑕疵もあ

りませんが、極限的なヴォーカルをこなしているだけに、時に痛々しくさえ感じ

られます。

満員の聴衆もそこまでは望んでいないような空気もあって。R&Bの実況盤

に漂う特有の臭いが立ち上がって来ないんです。猥雑さに欠けるという表現

はあまり適切ではないですが、天から授かった才能の逆作用とでも言ったら

良いのでしょうか。R&Bを通して共有されていた黒人の庶民感覚は80年代

から大きく変わって行きます。その前奏曲のようにも響きました。

順調だった彼女の道もこの実況盤の後あたりから険しくなって、長いスランプ

を経験します。薬物依存や肥満という健康障害もありました。1988年に「ピ

ンク・キャディラック」で復活後は存在感を増し、大御所として君臨しましたが、わ

たしには「天才的に唄の上手い女性」としか映りませんでした。アリサ・フランクリン

やグラディス・ナイトらの持っている味わいとは、明らかな差異があったのです。

ただ振り返れば、この後にウィットニー・ヒューストンを筆頭として登場した女声歌手

たちの先導役を、立派に務めていたのですね、ナタリーは。

せっかく紹介しているのに、若干否定的な内容になってしまいました。で

も生の姿を捉えたこの実況盤には、まだまだ素晴らしい瞬間がたくさんあり

ます。続けてもう少し聞いて下さい。

まだお届けしていなかった大ヒット曲「ミスタ・メロディ」、

そして「ディス・ウィル・ビ」。

 

M17.Mr.Melody(4’23”)Natalie Cole

-C.Jackson, M.Yancy-  Soulmusic.Com Records  SMCR 5009D

 

M18.This Will Be(3’33”)Natalie Cole

-C.Jackson, M.Yancy-  Soulmusic.Com Records  SMCR 5009D

 

M19.Still In Love(3’46”)Natalie Cole

-C.Jackson, M.Yancy-  BGO BGDCD1032

 

N  昨年の大晦日にロスエインジェルズで亡くなったナタリー・コールで「ミスタ・メロディ」、そし

て「ディス・ウィル・ビ」、ライヴ・アルバムからお届けしました。その後は3枚目のアル

バムから「スティル・イン・ラヴ」でした。始めのアルバム3枚を2枚組に詰め込んだ、

とても充実したCDが出ています。気になりましたらどうぞお聞き下さい。

ここはわたしの好きなナタリーが、ずっと居てくれます。ゆっくりお休みね。

訃報関連が続きます。といっても、先週お知らせ済みの方なんでご安心を。

28日に亡くなっていたモーリス・ホワイトは、実はアース、ウインド・アンド・ファイアの前に、

ラムジー・ルイス・トリオで来日経験があります。1968年9月に約2週間ほど滞在し、

国内各地を回っていました。その時の演奏は実況録音されて『ラムジー・ルイス・

イン・東京』というタイトルで発売されています。この頃ラムジーはシカゴのチェス・レコーズ

と契約関係にあって、その代理権を持っていた日本ビクタ—から発売されまし

た。本国でも出たかどうかは不明です。使用したマイクロフォーンの型番までが記載

されているジャケット裏の解説は、あの糸居五郎大先輩。それによりますと「小

柄なドラマ—のモーリス・ホワイトはチョーク・ストライプのグレーのスーツ、淡い色のサングラスの中か

ら人の良さそうなまなざしです」とあります。後に宇宙服で身を包み、地風

炎を率いて世界制覇をする男とは、まだ誰も知らない頃、1968年9月18日

新橋のサンケイ・ホ—ルでの演奏を、聞いてみましょう。

ラムジー・ルイス、ピアノ

クリーブランド・イートン、ベイス

そしてモーリス・ホワイトがドラムズ

この公演で作られた、というよりも後でそれらしい名前が付けられた即興

ブルーズ曲をどうぞ。

そのタイトルは、なんと「ソウル銀座」。

 

M20.ソウル銀座(4’53”)ラムゼイ・ルイス・トリオ

-R.Lewis-  ビクター SMJ-7501

 

M21.Sun Goddes(7’38”)Earth, Wind & Fire

Special Guest Soloist Ramsey Lewis

-M.White, J.Lind-   Columbia CK 85805

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  あまりモーリスの出番がなかった「ソウル銀座」の後は、先週と同じ曲目ですが、

同じく実況録音の「太陽の女神」、こちらはアース、ウインド・アンド・ファイアの演奏

でした。お聞きのように、特別ゲストでラムジーが参加しています。1975年5月

23日のニューヨーク公演からでした。本当に気持ちのいいリズムですね。ベイスはヴァー

ダイン・ホワイト、ドラムスはラルフ・ジョンスンというアース全盛期の黄金コムビ。放っておくと、

永遠に演奏を続けていそうな感じです。いいなあ。ラムジーも完全に溝にハマって

ますね。

先週の言い間違いは以下の通り

外部に頼まなくたって(閉じ鉤括弧を外す)

まず、ヲーキン・ブルーズ

慌てて仕上げたにしては少ないなあ。とは言え全てではないかも。見つけ

たら、そっと教えて下さい

先週のきっこ復活事件、あれはこひさんの説明で分りました。周遊してこ

っちから押し掛けようかな。

ここのところ特別付録のダウンロード数が多くなっています。何処の誰かは分

かりませんが、1回ごとに報告が来るのです。え、その数ですか。それはもち

ろん、首都圏で9人、全国で8万人ですよ。

 

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/7a00103520cfecc64e3ec53c90e2d4217b6070e2

ダウンロードパスワード 0syxw36f

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

s-IMGP1449

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/02/06

mb160206

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

冒頭から申し訳ありませんが、今朝の放送素材を大家に送る作業中に、わ

たしのPC誤操作で、すべてがなくなってしまいました。あれこれ手を尽くし

ましたが、復旧出来ず急遽、新規に構成し直したものでお送りいたします。

謎の「You Wo’t BE」や、ナタリー・コールのライヴといった、皆さまお待ちかねの

楽しい内容だったので、ふだんより時間をかけて長く喋っていた「力作」だ

ったんですが、もうどこにもありません。時間とお金をかければ探し出せる

かも知れませんが、そうなると生放送に間に合わない。

「幻のまぼろしmb160206」よりも「まぼろしmb160206i」の作成に踏切

りました。先ほどの「You Wo’t BE」、ナタリー・コールのライヴの部分は来週あらため

てお届けします。

では新たに「アサー」。

 

M01.二日酔い(4’02”)渚よう子

-Y.Aku, K.Morita-  コロムビア COCP-35343

 

N  先日、大家澤田修に軒下を借りている方ではなく、こひさんが作ってくれた

インタfmオリヂナル風ツイタサイト(http://blues761.webcrow.jp/1026.htm)に、あの伝説の

ラジオ狂、噂の一枚買い女馬券師、きっこさんが登場いたしました。感激です

ね。投稿日が2014年6月4日というのが謎ですが、とにかくありがとうござ

います。先日の八王子さんの時みたく、再び遭遇出来たのが、なにより嬉し

い。いらっしゃいませー。

そこでは渚よう子と奥村チヨのライヴ盤のご感想を頂きました。それにお応え

して、まず渚よう子。手持ちの『新宿盛り場コレクション』から「二日酔い」お届

けしました。カッコいいアレンヂですね。ギャリー・スタウトというのは誰の偽名なのでし

ょうか。気になりました。

きっこ復活記念に、奥村チヨも行きましょう。今の季節ならこれです。

「北国の青い空」。

 

M02.北国の青い空(3’38”)奥村チヨ

-J.Hashimoto, Ventures-  ユニバーサル TYCN-60010/1

 

N  奥村チヨ「北国の青い空」でした。聞きながら分りましたけれど、これは真冬

の歌ではありませんね。淡くも消え去った夏の恋の感傷に浸ろうと、あの日

ふたりで駆けた北の大地を再訪している情景ですから、野バラの甘い香りが

風に巻かれたわたしの髪にせつない晩秋ですね。湖面も凍結していませんで、

白い小舟が出ているようですから、ハイ。

次は寒いですよ。そのまんまの題名です。

吉永小百合 和田弘とマヒナスターズで「寒い朝」。

 

M03.寒い朝(3’57”)吉永小百合 和田弘とマヒナスターズ

-T.Yoshida, T.Saeki-  ビクター VICL-41320

 

N  吉永小百合 和田弘とマヒナスターズで「寒い朝」でした。この歌は今ではすっか

りわたしの真冬の定番となりましたが、子供の頃には「なんだ、こんな歌。

音楽の時間に唄わされるのと同じじゃないか」とシラケて聞いていましたね。

そのころからひねくれ者だったようです。

今のは『吉永小百合 ザ・ベスト』という盤からなんですが、歌謡曲のこの

手の商品は、もう少し品質を上げてもらいたいな。作編者名だけしかデイタが

記載されていないのは、明らかに情報不足です。せめて正規発売年月日まで

は入れて欲しいな。こちらの記憶違いもすぐに直せます。

よくありがちな想い入れ過剰の絶賛が連続する文章は要りませんが、もう

少し周辺事情を知りたい場合は多いのです。「昔の事だから」って、あなた達、

立派に今も商品にしてるじゃアーリマセンカ。その程度なら、外部に頼まなくたって』

出来る筈です。ジャケットもさ、もう少しなんとかなんないかね。頼んだよ。

さて、今の歌の中には「北風の中に呼ぼうよ春を」とありました。そうで

す。もう立春を過ぎたのです。鬼もいません。自転車で移動しているロンゲさ

ん、4日に「春」を感じたそうですね。確かに季節の空気は自転車に乗ってい

ると少し早めに感じる事があります。わたしにもかつて7月に小さな秋を見

つけた事がありました。ジャーマン坂を下ってる時だったな。

では春の訪れを祝って、2016年2月6日のモーニン・ブルーズ、仕切り直しです。

三度目ですね。

 

M04.Mornin’ Blues(4’49”)Sonny Landreth

-R.Johnson-  Provogue PRD 7 466 2

 

N  スライド・ギタリスト、サニー・ランドレスの最新盤『ブルーズ命』、非常に元気が漲ってい

ます。今の「モーニン・ブルーズ」を筆頭に、ジョンスン・エルモア流儀で押しまくります。

ジャケット裏では金属棒を指に差し込んだサニーがストラトキャスターを構えたモノクローム写真、

これがなかなかのもので、妖気立ち昇る祈祷師、いや地獄の悪魔博士といっ

た趣きです。

かねてよりのブルーズ中毒、かなり症状は進行してます。もはや重度ですね。

音も激しく狂っています。

もう一曲、エルモアのカヴァで行きましょう。

「イト・ハーツ・ミー・トゥ」。

 

M05.It Hurts Me Too(3’38”)Sonny Landreth

-M.E.Sehorn, E.James-  Provogue PRD 7 466 2

 

N  「イト・ハーツ・ミー・トゥ」、サニー・ランドレスの最新盤からでした。

スライド特有の倍音飛ばし奏法、凄いね。ラヂオ・ペンチで頭のてっぺんを掴まれ

て、引っ張り上げられる気持ちです。

二つ折り仕様の紙ジャケット、カラー見開き右頁は、微妙にディーテイルが異なるストラトキ

ャスタ—3本、そしてサンバーストのレス・ポ—ル、その後ろには2本のナショナル・ドブロ・ステ

ィールが置かれた魅力的な写真が配されています。中にある四つ折りカードには、

ファイアバードの写真もありました。これはきっと、次の曲の演奏で使われたので

しょう。

「ミスタ・ファイアバード」、そして副題としてこのように続きます。

「ジョニー・ウインターの想い出によせて」。

類似穴、ムジ火の鳥、両名に捧げましょう。

 

M06.Mr.Firebird (in memory of Johnny Winter)(3’42”)Sonny Landreth

-S.Landreth-  Provogue PRD  7 466 2

 

M07.Glory Glory(3’31”)The Word

-trd.- Vangyard 78456-2

 

N  サニー・ランドレスに続いては、同じくスライド使いのロバート・ランドルフを中心にした

ザ・ワ—ドの新譜から「グローリ、グローリ」でした。スライド奏法というと硬質の棒を

弦の上で滑らせて、無段階で音程移動させるのが最大の特徴でしたけれども、

今の「グローリ、グローリ」を聞いていると、それだけでなく、独特な音の立ち上

がり方を利用した、別の弾き方が生み出されているのに気付きます。出来る

人というのは、恐ろしいものです。

さて本来はここで「You Won’t BE」へと進んで行く予定だったのですが、

お話しましたように突発時がありまして、ナタリー・コールのライヴ紹介と一緒に、

来週に持ち越します。しばしお待ちを。

その代わりというという訳では決してありませんが、今週また飛び込んだ

訃報関連で、お届けしましょう。

まずはポール・カントナー。サンフランシスコのロック・グループ、ジェファスン・エアプレインの結成メムバ

ーのひとり。2015年1月28日74歳で死亡。直接の死因は心臓発作ですが、

おそらく身体が相当弱っていたんでしょうね。多臓器不全もありました。日

本ですとジェファスン・エアプレインはサイケデリック・ロックのひと言で済まされますが、「エアプ

レイン」時代はフォーク・ロックと言った方がいいのではないでしょうか。桑港周辺の

ヒッピー文化の象徴であり、思想ではリーダー的な立場にありました。映画「ギミ・

シェルター」に出てる姿は、かれらの本質を端的に映し出しているように見えます。

今では当たり前のように使われる「ボランティア」という言葉を、わたしが知った

のは彼らのアルバム・タイトルからでした。

今詳細な記載は見つからず、婚姻関係があったかどうか定かではないので

すが、グレイス・スリックとの間に子供が出来て、生まれた前には、男でも女でも小

文字で始まる「god」という名前にする、とか言ってたんじゃなかったかな。

その子がどうなったかは知りません。

ではよく聴くとフォーク・ロックだなと分る、ジェファスン・エアプレインの代表曲をどうぞ。

真実が嘘と分った時、全ての歓びはあなたの死に添い遂げる・・・

この唄い出しにも、子供の頃ビリビリーンと痺れましたね。

「あなただけを」。

 

M08.あなただけを(2’49”)ジェファーソン・エアプレイン

-D.Slick-  WEA WPCR-11314

 

M09.暗黒への挑戦(5’49”)アース、ウインド&ファイアー

-V.White, M.White., C.Stepney-  CBSソニー 25AP 5548

 

N  1月28日に亡くなったポール・カントナー、彼の結成したグループ、ジェファスン・エアプ

レインの「あんた、愛する人を欲しくないの」に続いては、「暗黒への挑戦」と

いう仰々しい邦題の「ザッツ・ザ・ウェイ・オヴ・ザ・ワールド」でした。このアース、

ウインド・アンド・ファイアの総師モーリス・ホワイトも、2016年2月3日にやはり74歳で他

界しています。自然に筋肉が衰えて行くという症状の難病に犯されてから、

もう長い時間が経過していました。現在の医学では不治の病とされていて、

効果的な療法もなかったようです。

彼がラムジー・ルイス・トリオのドラマ—だった事はあまりにも有名。独立後も友好関

係は続いていて、何度か手を合わせていました。庶民感覚の洒落た器楽曲、

ファンキーで都会的な歌のないR&Bを創りたい、という指向はかなり深い部分で

共通していたようですね。

今朝は昇る朝日に向かって浴びせましょう。モーリスは作者の1人であり、ドラ

ムスも叩いています。

ラムジー・ルイス、1974年の作品です。「太陽の女神」。

 

M10.Sun Goddes(8’31”)Ramsey Lewis

-M.White. J.Lind-  CBSソニー SRCS 9569

 

N   「太陽の女神」、ラムジー・ルイスでした。これはモ—リスがプロデュースしていますが、

アルバムの他の曲はテオ・マセロとラムジーの共同制作なんですね。なる程と思えなくも

ない。

さて、冒頭で申しましたように、今朝は急遽の差し替え放送です。実のと

ころ、今回の構成は余裕をもって行いました。しかもかなりの力作であると

自負する程の出来だったので、揚げるのが楽しみでした。それがこの突発時

でやり直しとは・・・。愕然としましたね。詳しい人間に尋ねてもみました

がやはり無理。かなり力を失いました。でも焦燥感の方が強く、潔く再構成

を決意し、取り組もうとしたのですが、こんな時に限って外の仕事もありま

して、何よりも時間がない。とにかく音楽をどうしよう・・・、途方に暮れ

た思案橋。

そこで、救われました。ムジ鳥さんの母屋ツイター欄の「青春を返せ」リクエストで

した。ご投稿の後、すぐに当該曲を久し振りに聞いて、「いいなあ」と同感の

至りでしたので、18分を超える長尺物のご希望曲の採用は決まっていたので

すが、ここで役立ってくれるとは思いませんでした。

改めてお送りしましょう・・・が、せっかくですから、まずこれからです。

 

M11.Cut The Cake(4’04”)Average White Band

-Gorrie, Ball, Stuar, tMcIntyre, Duncan,Mcintosh-  Edsel  EDSD 2031

 

N  アヴェレイヂ・ホワイト・バンドと言えば、ご希望曲か、この「カット・ザ・ケイク」です。

もうスティーヴ・フェローニが入った1975年のスマッシュ・ヒット。「AWBの音はこれ」とば

かりに、彼らを決定づけた1曲でした。それぞれが繰り出すリフが空中を飛び

交って自由に交差しているような印象です。これが絶妙のアンサムブルでなく

て何であろうか。素晴らしい。

ここまでアヴェレイヂ・ホワイト・バンドには好意を寄せていましたが、状況も加担

してわたしは過激なノリになりました。あの長尺ヴァージョンを流すときはこうし

よう、という組み立てが頭の中に既にありましたので、それを緊急の差し替

えに持って来れたのです。ありがとうございます、ムジ鳥さま。あの物忘れの

激しい某英国人のおかげかも知れませんが、それはこの際別にして、アヴェレイ

ヂ・ホワイト・バンド、もうちょっと他を回りましょう。

 

M12.Soul Searchjng Over Ture(2’14”)Average White Band

-Ball, Stuart, McIntyre, Duncan, Ferrone- Edsel  EDSD 2031

 

M13.What Is Soul(4’34”)Average White Band and Ben E. king

-B.Gallo, B.E.King-   Edsel  EDSD 2031

 

N  アヴェレイヂ・ホワイト・バンド、アルバム『ソウル・サ—チン』の序曲、そしてベンEキングと

一緒に作ったアルバム『ベニーと僕たち』から「ワット・イズ・ソウル」を続けました。

この『ベニーと僕たち』はあまり評価の高くないアルバムですが、わたしは好き

ですね。使い走りの駆け出し時代に、試しにやらせてもらった初期の番組構

成で使ったからかな。どちらかと言えば楽器演奏がどうしても「主」になっ

てしまうアヴェレイヂ・ホワイト・バンドが、本当はヴォーカル・ミュージックが大好きなんだ

という事が、とてもよく分るアルバムでした。

そのアルバムの1曲目、これも意外でしたね。ネッド・ドヒニ−作です。「恋は幻」。

 

M14.Get It Up For Love(4’34”)Average White Band and Ben E. king

-N.Doheny-  Edsel  EDSD 2031

 

N  「恋は幻」、アヴェレイヂ・ホワイト・バンドとベンEキングでした。このアルバムではベン

Eが普段より大分高い声域で唄っていて、若返ったような印象を受けます。

これもAWB効果のひとつでしょうか。楽しそうなジャケット写真も嬉しい、アルバ

ム『ベニーと僕たち』からでした。

さて、ではお待たせしました、ようやくアヴェレイヂ・ホワイト・バンドで「ピック・

アップ・ザ・ピーシズ」です。ムジ鳥さん、ありがとうございます。感謝多重。

LP2枚組だったこのライヴ・アルバム『パ—スン・トゥ・パースン』は一昨年かな、日本

でもCDで再発されています。それも比較的安価ですから、ここからのシャワー

を浴びて気に入ったら、ぜひお買い求め下さい。今のファンクが失ってしまった

大事な要素が見つかるかも知れませんよ。

緊急事態の割に、よく喋ってますね、失礼。

ではアヴェレイヂ・ホワイト・バンド、ライヴ・アルバム『パ—スン・トゥ・パースン』から

「ピック・アップ・ザ・ピーシズ」、

いやその前に「パースン・トゥ・パースン」で繫ぎましょう。行きます。

 

M15.Person To Person(7’04”)Average White Band

-Gorrie,Ball, Stuart McIntyre, Duncan, Ferrone –

ウルトラ・ヴァイイヴ CDSOL5116/7T

 

M16.Pick Up The Pieces(8’19”)Average White Band

-Gorrie, Ball, Stuar, tMcIntyre, Duncan,Mcintosh-

ウルトラ・ヴァイイヴ CDSOL5116/7T

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  済みませぬ。時間を間違えて10分延長してしまいました。「恋は幻」と

「パースン・トゥ・パースン」が余計だったようです。放送事故ですね。伝票書かな

きゃ。今朝のはCD1枚には入りません。申し訳ない。

早々に終らなくてはいけませんが、以下は先週の言い間違いの訂正です。

ジェシー・ベルヴィンで「シークレット・ラヴ」

Sincerely(3’12”)The Moonglows

祝福しているような

30年は聞いてなかった

ヒット曲を世に

ケニー・チェズニー

多いですね。ひとりニヤニヤしてる顔がみえるなあ。ロンゲさんの言ってくれた

「録音風景」はどこだろう。探したんですが・・・。今朝のはきっともっと

間違いあるよ。

さあ、今朝の特別付録の隠し場所はここです。

http://firestorage.jp/download/06a2534fb438965bf8e03c6440f920f88cf8ba62

ダウンロードパスワード fcndx94e

来週は「You Won’t BE」と、ナタリー・コールのライヴ、ちゃんと紹介します。お

楽しみに。「力作」にご期待下さい。

今朝はとっくに時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、まだ続きます。来週は仇取らなきゃ。待っててね。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

s-mb160206i

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/01/23

mb160123

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

いきなり、これです。

 

M01.Patricia(3’29”) Ry Cooder  Manuel Galban

-S.Fain.&P.F.Webster-  Nonsuch/perro Varde 7969-2

 

N  ライ・クーダーの「パトリシア」でした。よく聴くと相当に複雑なリズム構成ですね。

 これまで普通のオ—ディオで聞いていて気づかなかった階層に、PCのスピ−カ再生で

 気づかされました。こういう事もあるんですね。

  皆さんご存知のように、この曲は2002年、うわー、もう14年前になるのか、

 遥かな昔だ・・・、とにかく2002年のアルバム『マムボ・シヌエンド』に収められたチ

 ャーミングな録音です。これはあるライヴ・ハウスで、本番開演前に流れているのを耳

 にして、「これ何ですか」とPA席まで聞きに行って教えてもらって、その帰

 りに買って以来ずっと楽しんでいる、わたしにとっての重要作品です。

  ところが、大変な誤解をしていた事が最近発覚いたしました。「またか」

 とうんざりする方も多いでしょう。そんな事ばかりですからね。お許しを。

  この『シヌエンド』、実はライだけの作品ではなかったのです。ジャケット上部に彼

 の名前と並列で表示されている「Manuel Galban」というのは、このアルバム

 の共同名義人だったのです。

  これを知ったのは2015年師走の事。某レコ—ド店頭での事でした。

  わたしが「え、そうなの」と言いましたら、相手はもっとびっくりして、

  「本当に知らなかったの」と聞き返されました。その位に当たり前の事実

 だったのでしょう。

  1枚のアルバムを買って来て、何度も何度も聴き通して、印刷されている全て

 を頭に叩き込む、というような事を、14年前にはしなくなっていましたか。

 それよりスリーヴの裏に写ってるのが、日本の楽器製造会社グヤトーン、東京サウンド

 のかつての最高機種という事の方が興味の対象でした。

  さて、今朝はその共同名義人、マヌエル・ガルバンについて少々お話をしましょ

 う。

M02.Bossa Cubana(3’16”)Manuel Galban

-L.R.Chanivecky-  Concordpicante  CPI-33646-00

 

N  この絵に描いたようなC調さ。恐れ入りますね。ほとんどカヨーキョクです。浜

口庫之助がやりそうです。「ボッサ・クバーナ」、マヌエル・ガルバン名義、2015年のアルバ

ム『ブルー・チャ・チャ』からお届けしました。

ヴォーカルは、昨年ここでも紹介したトリオ・エスペランサだって。こういうとこで稼

いでるのか。やられた感じ。仕上がりがお見事。『シヌエンド』ではどちらかと

言えば控え目に慎重にライと一緒にギターを爪弾いていた男の、別の側面がこれ

です。

では次にタイトル曲を聞いてもらいましょう。

「ブル—・チャ・チャ」。

 

M03.Blue Cha Cha(3’46”)Manuel Galban

-L.R.Chanivecky-  CPI-33646-00

 

N  これもC路線ですが、なんとリード・ヴォーカルが、エリック・ビブ。昨年J.J.ミルトゥ

とのデユーオ・ライヴが出て、これまでにない強面を曝したあのビブです。ここで

は「C」の顔もある事が分りました。アクースティク・ギタ—も弾いてます。

先ほどから調子のいい部分ばかりを意識的に強調していますが、こんなシーリ

アスなトラックもありますよ。リード・ヴォーカルはロサ・パソスです。

「アルマ・ミーア」。

 

M04.Alma Mia(5’17”)Manuel Galban

-M.Grever-    Concordpicante  CPI-33646-00

 

N  どことなく「ザ・ヴェリ・ソウト・オヴ・ユー」を連想させる「アルマ・ミーア」でした。

このアルバム『ブル—・チャチャ』は、マヌエル・ガルバンの音楽の集大成的な意味合いもあ

るのでしょうか、それぞれにフィーチュア・アーティストを配して、さまざまな形態の音

楽を聞かせてくれています。それぞれに質は高く、キュ—バ音楽の歴史を物語る

ようでもあります。

実際のところ彼自身が、セッション・ギタリストとして革命後のキュ—バでの音楽を先

導していた存在でもありましたから、このような天然色絵巻のようなアルバムを

作れるのも納得が行きます。魅力は「C」だけではありません。

30分ほどのDVDも付いていまして、豪華なゲストたちとの徳音風景、貴重

な証言などが盛り込まれています。とても楽しめる良質な作品と、推薦して

おきましょう。

さて、そのマヌエル・ガルバンがかつて在籍していたヴォ—カル・グル—プがあります。

これは北米で盛り上がったドゥー・ワップに影響されて結成されたロス・サフィーロスと

いう少年4人組に、保護者のような立場で歳上のガルバンが参加したもので、

客層も十代の少女中心。ガルバンは老舗GSのバンマス的に、きっと浮いてたでし

ょうね。彼らが発表したシングルを集めたアルバムも、以前発売になっています。

そこからも聞いてもらいましょう。

あっと驚く先ほどのナムバ—の原ヴァージョンです。

「ボッサ・クバーナ」。

 

M05.ボッサ・クバーナ(2’38”) ロス・サフィーロス

-L.R.Chanivecky-  ライス WCR-22002

 

N  「C」度はこっちの方が高いかな。台頭し始めたボッサ・ノーヴァを素早く捕ま

えてクーバ風に仕立てたノヴェルティ歌謡です。ロス・サフィーロスで「ボッサ・クバーナ」でし

た。1963年の録音で、ハイトーンの男声ですから、エスペランサの姐さん方とそれほ

ど変わらない響きですね。通常この手のものはオリヂナルだけが面白い、という

事になってますが、42年の時空を経ても、先ほどのように魅力が褪せないそ

の訳は何処に・・・。

ロス・サフィーロスはドゥー・ワップの影響を受けて結成されたグループと申しましたが、

世界の流行には敏感だったようで、この時期のブラジルからの波をだいぶ浴び

ています。こんな歌もリパトゥワにしていました。

「オルフェの歌」。

 

M06.オルフェの歌(3’54”)ロス・サフィーロス

-L.Bofa-  ライス WCR-22002

 

N  商業戦略が練られていたのでしょうか。メムバーから、というより周囲の思惑

で吹き込まれたような「オルフェの歌」、ロス・サフィーロスでした。おそらくその「周囲」

の男のひとりがマヌエル・ガルバンだったのでしょう。それ以前はプラターズをお手本

にしていた事もあったようです。

お聞き下さい。共産主義仕様の「マイ・プレイヤー」

 

M07.祈り(3’54”)ロス・サフィーロス

-G.Boulanger-  ライス WCR-22002

 

M08.La Negra Tomanos(4’19”)Vocal Sampling

-L.R.Fife-  Ashe Records Inc. ASHE CD 2008

 

N  ロス・サフィーロスの「マイ・プレイヤー」、続けてお届けしたのは現代のクーバのヴォ—カル・

グル—プ楽器を使わないアカペラとヒューマン・パカッション・スタイルで売るヴォ—カル・サムプリング

の「ラ・ネグラ・トマノス」、ライヴ・ヴァ—ジョンでした。

ク—バ人というのは、一般的に異例なくらい音楽的能力に恵まれていまして、

今のようなチョウジンワザを難なくモノにしています。幾多の商業主義に翻弄されな

がらも、ロス・サフィーロスのヴォーカル・ハーモニーに一貫した個性的な味わいがあるのも、

その証明。そして今に続くその魅力を体現しているヴォ—カル・サムプリングでした。

ではマヌエル・ガルバンもメムバーだったロス・サフィーロスの初期の吹き込みから、これは

『マムボ・シヌエンド』でも採り上げられていましたね。

「君の瞳の中の月」。

 

M09.君の瞳の中の月(3’54”)ロス・サフィーロス

-L.R.Chanivecky-  ライス WCR-22002

 

M10.Secret Love(5’49”)Ry Cooder  Manuel Galban

-S.Fain.&P.F.Webster-  Nonsuch/perro Varde 7969-2

 

N  ロス・サフィーロスの「君の瞳の中の月」、そして冒頭にもお届けした『マムボ・シヌエン

ド』から、ふたりのギターが絶妙の対比を聞かせる、これもよく知られた名曲

「シークレット・ラヴ」、ライ・クーダーとマヌエル・ガルバンでした。

  ライ・クーダーの『マムボ・シヌエンド』からの派生でお聞き頂きましたマヌエル・ガルバン、

 彼の人格が何となく分ったような気がしております。皆さんは如何でしょう。

  一方のライ・クーダーは猫が好きなようですよ。わたしのところにはこんな情報

 も入って来ています。興味のある方はどうぞ。

  https://twitter.com/nekojisin/status/685343549919854592

  さて、正直に言うとね、昨年末にモーニン・ブルーズで少々話題になった『チキン・

 スキン・ミュージック』以外、わたしは全編満足出来るライのアルバムがなかたのです。誤

 解されないように言っときますが、決して嫌いどころじゃなくて、尊敬して

 いる音楽家です。これまで随分と広い分野でお世話になって来ました。

  ただ彼名義のアルバムを1枚通して聴いてると、どうもイライラして来るというか、

 落ち着けなくなるんです。彼がよく起用した黒人歌手のボビー・キングのアルバム

 も似た印象だったな。これまた尊敬しているヴォ—カル・グル—プのマンハタン・トランスファ

 を聴いている時と同類の欲求不満が襲って来るのです。もう一度いいますが、

 決して嫌いじゃないんですよ。分ってね。

  それで行きますと『マムボ・シヌエンド』は全編問題なしどころか、繰り返して

 聞いていた程です。器楽曲アルバムだからかな、なんて思っていましたが、もう

 ひとりの共同名義人がいたからとは・・・言いません。ハラホロヒレハレ・ヒレハレハ。ま

 たまた新発見でした。

 

M11.Boyal Keur(4’28”)Khamdel Lo & Le Ceddo

-K.Lo, I Cisse- KL Prod.

 

N  これはアフリカ、セネガルの新しいアーティスト、カームデルとル・セドゥ。録音は2009年と少

し前のアルバム『ヨン・ビ』から「ボヤル・ケウル」です。世代的には明らかに若手第

一線ですが、シンセサイザ—の音色には、だいぶ古さも感じましたね。楽器が原因

でしょうか。わたしが惹かれたジャケット写真はカームデルひとりですが、決まった

メムバーによるグループで、そのサウンドも売りにしているようです。どの担当者も

細かくて多い手数が特徴。セット・ドラムのチューニング・ピッチがかなり高めなので、

何度か面白がって倍速の演奏トラック再生に歌を載せているのかと感じましたが、

そうではありません。

今のようなリズム歌謡を得意としているようで、幅広いヴァリエイションを通して聞

いて印象に残ったのは、やはり今の「ボヤル・ケウル」や、次に聞いて貰う

「サバブ・ロウル」でした。

 

M12.Sabab Loul(4’33”)Khandel Lo & Le Ceddo

-K.Lo, I Cisse- KL Prod.

 

N  「サバブ・ロウル」などでした。これでも倍速風演奏が聞かれましたね。

セネガルの洋楽器演奏者は、時としてこのような素早い音を重ねて叩き込んで来

ます。洋楽器でそれまでにない表現をされると、一瞬なんの音なのか分らな

くなりますね。倍速現象もそのひとつかも知れません。

さて次はソンガイ・ブルーズの新作から、「迷信」、「スレッヂ・ハマー」と言ってもい

いような「ソーバー」。

 

M13.Soubour(3’30”)Songhoy Blues  

– Songhoy Blues –  Trans192

 M14.Kodhi(4’40”)Ayub Ogada

-A.Ogada, I. Gem, T.Warren-  LTR1501

 

N  エレキ・ギターのリフで強引に組み伏せて来るような「ソーバー」、ソンガイ・ブルーズでし

た。アフリカや中東の音楽に西洋の電気楽器が採り入れられて行く様子には大い

に興味がありますが、それが結果としてハード・ロックのような音になってしまう

と、どこかしらつまらなくなります。まあ極東人の勝手な戯言ですが、今の

はギリギリの線ですね。アルバム全体がこうなっている訳ではありませんので、取

り越し苦労かも知れません。ただ私達もかつて同じようだったような、アメリカ

の音に近づくと無性に嬉しいという思いが、今あの大陸にはあるのかなあ。

もしそうだったら、考えを改めて欲しいですね。アメリカ的な音楽はアメリカのもの

を聞けばそれで済みます。

「迷信」、それもB.,B. & Aヴァージョン的な「迷信」の次は、2日の放送「黙

示的正月のアサー」で「イ・パラ・アンゴ・ヤワ」を聞いて貰ったアユブ・オガダの「コーデ

ィ」でした。

新しいアルバムの表題曲です。最新作は基本的に「静寂」という主題が背景に

あるように感じられてなりません。どのトラックにも屋外の効果音が敷かれてい

まして、楽器演奏は非常に静かな大人しい表現に留められ、そこに決して大

声で叫ばない語りのような声が重なって来ます。この音が以外に太い流れと

なって腹の中を通り過ぎて行く、1枚を聞く度にこんな気分になります。

もちろんそれを味わうには静かな環境が必要です。わたしが聞くのは、い

つも夜更けですね。

さて、今になって気づきました。今朝は英語の歌が少ない、というかエリック・

ビブの「ブルー・チャ・チャ」しかありませんでしたね。珍しい事です。

最後は英語の歌を続けましょう。1年」長生きしたジョニ—・ウインターの1998年

のヌーヨーク、ボトムラインでの実況録音から、

素晴らしい出来の「ザ・スカイ・イズ・クライング」、

そしてジョニー・ギター・和登さんとの共作で「ジャニー」、いや「ジョニー・ギター」

 

M15.The Sky Is Crying(7’19”)Johnny Winter

-E.James-  Pointblank 7243 8 45527 2 5 VPBCD43

 

M16.Johnny Guitar(4’32”)Johnny Winter

-J.Watson, J.Winter-  Pointblank 7243 8 45527 2 5 VPBCD43

 

M17.ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド(USA ヴァージョン)(6’20”)フリート・ウッド・マック

-L.W.John-  ソニー ESCA 7826

 

M18.ニュー・キッド・イン・タウン(5’05”)イーグルズ

-J.D.Souther, D.Henry, G.Frey-  ワーナー・パイオニア 20P2-2016

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  終盤の英語攻撃いかがでしたでしょうか。少し安心出来たかな。ただ考えて

みるとでも殆どの人間は自分の理解出来る言語の音楽しか聞かない筈ですか

ら、わたしたちはちょっと変わってるのかも知れません。そもそもわたしは

英語だってよく分らないのですから。

ジョニーのはポイント・ブランクからのアルバムでした。「ジョニー・ギター」はアンコ—ル。この

後にもう一曲演奏してまして、そちらは16ビ—ト・ニュアンスのタイトな曲で、ちょっ

とジョニ—が遅れ気味。この頃ジョニ—は体力低下で長い時間の演奏が出来なくな

っていましたから限界だったのでしょうね。全体は充実したブルーズ・ライヴ・

アルバムに仕上がっています。

その後は、6分を超える「ニード・ヨー・ラヴィン・ソー・バド」、フリート・ウッド・マック

時代のピーター・グリーンです。『聖なる鳥』のCD再発時に、この曲の別テイクが追

加されていました。今回ようやく入手してちゃんと聞けました。いいですね。

先日ご案内したユーチューブの女性はこれを「コピ—しなさい」ってオッショさんに言わ

れたんでしょうか。

そして最後に「ヌー・キド・イン・タウン」、グレン・フライでした。途中で「アサー」の乱

入、こちらお許し下さい。生放送ですから。

彼の訃報にも驚きましたね。やはりユーチューブにこの「ヌー・キド・イン・タウン」の

実演実写が揚げられていて、これが素晴らしい。ちゃんと完璧なハ—モニ—を再現

してるんです。イーグルズも非常に高度なヴォ—カル・グル—プでしたね、そこの中心

人物グレン・フライ、あまりに早過ぎる死です。日本に来た時に、渋谷にあったレコ

—ド店芽瑠璃堂で大量のR&Bを買って行った話は、ずっとこれからも憶えて

いるでしょう。合掌、礼拝。

 

お直り下さい。

先週、誤字脱字がありました。といっても気づいただけかな。正しいもの

だけ、以下にお伝えしておきます。

「四匹のオッサン」

「期待される人間像」以上。さてどの部分でしょう。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/2865c9303195ca522ec85da64008bf21a77bef4f

ダウンロードパスワード fq3ey35z

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、今年も続きます。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

s-IMGP1440

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/01/16

mb160116

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

いやあ、参ったなあ。ナタリ—の後、オーティス・クレイでしょ、そしてデイヴィド・ボウ

イまでが慌ただしくあの世に旅立ちました。

ボウイは、いつも自らを掻き立てて活動を続けている姿が気になる存在でし

た。年始のラジオ番組でジャズの最先端の手法を採り入れた新作が面白いと聞い

たので、それにも興味が沸きました。聞いてみようと思ってたのです。闘病

中とは言え、本人はやる気充分だったようです。

その新作、もう電子市場には出ているようですね。死亡する前の2700倍の

売上げだそうです。それにはちょっと納得し難い部分がありますけれども、

社会的存在の偉大さが分ります。

さて、わたしにとってのデイヴィド・ボウイは、何をおいてもこの歌です。

 

M01.スペース・オディティ(5’16”)デビッド・ボウイ

-D.Bowie-  東芝 TOCP-54024

 

N  「スペース・オディティ」でした。この歌にはやられましたね。画期的な物語の発

想です。シビレました。脱帽いたしました。と言ってもわたしの事ですから、

発表後10年近く経ってからです。何気なく耳にした歌の内容にノーテンに杭を打

ち込まれるような思いがしたものです。幸いにも法で規制された正規の長さ

には少し足りなかったので、魂は護られましたが、凄いなあ、ブッ翔んでるな

あ、と感心する事しきりでした。

この事を信頼している音楽仲間に素直に話したら、「ああ、そう」というそ

っけない返事でしたが、顔は「何を今ごろボケてんだ、この馬鹿」と言ってい

ましたね。

今回の訃報に関連して、デイヴィドがティーネイヂの頃のアイドルだったという「イジ

ワル・ミー」さんからリクエストを頂きました。わたしの知らなかった曲です。

お送りしましょう、「チェインヂーズ」。

 

M02.チェンジス(3’14”)デヴィッド・ボウイ

-D.Bowie-  東芝 TOCP-54024

 

N  「イジワル・ミー」さんからリクエストで「チェインヂーズ」でした。これは彼の持ち歌の

中でも、「自叙伝的に生み出した作品」で、彼の「変容の連続、存在価値の作

り出し方」を見ても「自分自身に捧げたテーマ・ソング的な曲である」と解説にあ

ります。そうですか、「イジワル・ミー」さん。

1972年の夏頃から、レコ—ド会社と極く一部の音楽ミーディアの策略で、グラム・

ロックというのが、突然この国で流行り出しまして。その最右翼がデイヴィド・ボ

ウイでした。デイヴィ・ジョーンズという、マンキズのリ—ド・シンガ—と同じ本名を嫌がっ

てデイヴィド・ボウイと改名した話は、ニュー・ミュージック・マガジーンでそれより前に読

んでいたような憶えがありますから、芸能活動の開始はもっと早かったよう

です。

当時のボウイ人気は圧倒的でした。なにしろ芸の背景が違う。その頃からロック

という狭い世界越しに、もっと大きな場所を見ていたんですね。後年、フランク・

シナトラ級の次世代芸能家だ、という彼に対する評価を耳にした時、わたし自身

も何の違和感もありませんでした。ロック馬鹿じゃないんですよ。

初来日は横浜港着の客船で来たんですよね。衣装をやまもと寛斎が担当し

たり、振りに歌舞伎の動きを採り入れたり、日本文化からたくさんの閃きを

得ていたようです。京都の山科に家を持っているという噂でした。

グラム・ロックというと、Tレックスとがボウイの反対側の翼に奉られててね。これ自

体がおかしな図式なのですが、踊らされたわたしはTレックス。鉛筆の芯の粉を

アイシャドウ代わりに目の回りに塗ったりね、グラム・ロックの馬鹿馬鹿しさを楽しん

でました。『電気の武者』、『ボラン・ブーギー』、『スライダー』を持っていて、マーク・

ボランのロックンロ—ルごっこには憧れたなあ。ボウイはほとんど聞かなかったですね。

親しむ機会がなかった。

エディ・コクランの人生をなぞったように、マーク・ボランが交通事故で亡くなってし

まった後も、ボウイはずっと生きて芸能を続けました。大物ですから、わたし

も折にふれて新譜を耳にする事が多く、常に新機軸を導入する創作意欲には

一目置いていました。ただ、聞く人より先に自分でウットリしちゃってるような、

あの歌に馴染めず、心底ノレなかったのが正直なところです。ナイル・ロジャーズと

組んで、スティーヴィー・レイ・ヴォーンを起用した「レッツ・ダンス」もダメだったなあ。

それでも実は、直接の影響を受けています。それはこの曲からなのです。

 

M03.ジーン・ジニー(4’08”)デヴィッド・ボウイ

-D.Bowie-  東芝 TOCP-54024

 

N  「ジーン・ジニー」でした。スト—ンズの「落下傘女」によく似てますね。今初めて

そう感じました。これまで通してちゃんと聞いた事はなかったかも知れませ

ん。横浜に同じ名前のライヴ・クラブがあって、いつかそこにトラックが突っ込みま

せんでしたか。ランキン・タクシーがまだ貧弱なサウンドシステムでレゲDJ実演を始めたのは

そこじゃなかったかな・・・あ、脱線しました。

話を元に戻しますと、わたしの身辺に今の「ジーン・ジニー」が切っ掛けで生

まれた1曲があるのです。名盤の澤ホマレ高き『永久保存盤/静岡ロックンロ—ル組合』

の解説から引用しましょう。

 

レインボウ・クイーン(森下均-鷲巣功)深夜ラジオで流れたD.ボウイの「ジーン・ジニー」か

ら閃き、20分で即完成。新宿歌舞伎町のロック喫茶のウェイトレスへ一方的に捧げられ

ている。初演。

 

事実もこの通りです。深夜番組でたまたま聞いた「ジーン・ジニー」の、特に

ハーモニカ・リフがインスピレイションを授けてくれまして、あっという間に出来上がりまし

た。すぐヴォーカリストのチャ—リ—のとこに行って「これ唄ってくれ、ハープも吹いて」

と頼んでイッチョ上がり。早かったね、これは。

久し振りに聞いてみたら、動機が「ジーン・ジニー」というのに変りはありま

せんが、結果としてはTレックスのブーギ−形式の方が、色濃く出ています。皮肉

です。

1973年、新宿の歌舞伎町の入り口に「レインボー」というロック喫茶があって、そ

こに細かなパーマのロングヘアでドギツ系の奇麗なお姉さんがいました。受験名目で

上京滞在中に短期間だけ通ったわたしにも声かけてくれましてね。入試どこ

ろではなく舞い上がってたある日、訪れたら彼女が店の前で男と待ち合わせ

してる現場に出くわしてしまいました。お相手はロックスタ—みたいな感じのイカし

た奴で、ちょうど今ごろの季節ですよ、お揃いで毛皮のコ—トなんか着ちゃって。

田舎の子供はまるで敵わない。小田急新宿駅までひとりで泣いて帰りました。

この想いをぶつけて少年鷲巣功が書き上げたのが、次に紹介する1曲です。

「ジーン・ジニー」はちょっと迷惑でしょうが、どうもありがとう、デイヴィッド。

お聞き下さい。静岡ロックンロ—ル組合で「レインボウ・クイーン」。

 

M04.レインボウ・クイーン(4’53”)静岡ロックンロ—ル組合

-H.Morishita, I.Washizu-  UKプロジェクト DCRC-0061

 

M05.愛なき世界で(2’50”)オーティス・クレイ

-E.Williams-  ビクター VDP-1111

 

N  清きお耳を汚した後は、オーティス・クレイの紛う事なき傑作「愛なき世界で」。

これで聴感を正常に戻して下さい。

いや、このオーティス・クレイ他界の知らせにも驚きました。彼は極めて真面目な

性格で、それほど不摂生もしていなかったから、まだまだ唄い続けられると

思っていました。ゆえに偶然見つけた先週のアルバム程度の作品はまたすぐに創

れるだろうなんて気でいたんです。それが、突然の心臓病とは。

改めてお祈りいたします。追悼。

次に聞いて貰うのはジャッキー・ムーアのヴァ—ジョンがオリヂナルですが、この国ではこ

の、オーティス・クレイのヴァ—ジョンの方が知られている筈です。

「プレシャス、プレシャス」。

 

M06.プレシャス、プレシャス(3’12”)オーティス・クレイ  

-D.Crawford, J.Moore-  ビクター VDP-1111

 

M07.サンクス・ア・ロット(3’37”)オーティス・クレイ    92  Albert King

-L.Fulson-   アメリカーナ  28C-8108

 

N  「プレシャス、プレシャス」に続いては、先週もお届けした92年のアルバム『アイル・トリー

ト・ユー・ライト』から「サンクス・ア・ロット」をお聞き頂きました。ブルーズ・フィーリングを、

とても上手に洗練させていましたね。こういう事が出来る歌い手は、彼の後

に出ていないのではないでしょうか。

まだハイ・レコードがキングから出発売されていた頃に彼は日本に登場しています

が、アルバムの高評価に較べて個人の人気は今ひとつ盛り上がっていませんでし

た。それがO.V.ライト病欠の代理で急遽やって来た1978年、久保講堂の伝説的

実演で、絶対的な存在となりました。

おそらくピンでこんな大きな場所でのライヴ経験は、本人にもなかったでしょ

う。シカゴで毎晩のように行っているクラブ・ショウそのまま、という感じではあり

ましたが、飾られていない生のR&Bに触れた事のなかった日本の若い音楽フ

ァンの心を捉えるには、充分以上の魅力でした。

翌年以降は順調に来日を続け、おそらく本国以上の人気を持っていたので

はないでしょうか。

わたしも初来日の時から観ています。赤坂にあった小林克也も回してたソウ

ル・ディスコティークへの出演後、ベイスマンを連れ出して遊んでたら、彼が我が儘な事

を言い出して手に負えなくなったので、六本木のズッケロかどこかのクラブに放り

出して逃げたのは、何回目に来た時だったかな。下北沢のバ—でオーティス本人と

同席した事もあります。その時ホッヂズ兄弟のギタ—奏者の名前がティーニーでもあり、

メイボンでもある事を教えてもらいました。国立の一橋大の兼松講堂では演奏が

ハイ・リズムでしたから、そのまんまレコードの音でした。

このように全国各地で本場を知らないソウル音楽好きに、いろいろな体験をさ

せてくれたオーティス・クレイ。わたしの心の中では、虎ノ門の久保講堂から家まで、

ずっと興奮したまま帰った想い出が、まだ褪めていません。

残念だったのは、新しいヒット曲を作れなかった事でしょう。日本ビクターも、

独自に懸命な努力をして、花を咲かそうとしたんですが、現実はそんなに甘

くなかったようです。歌が上手くていい人だけじゃダメなんですね。

手許に彼がマイアミのT.K.から出していたシングルがあります。このケイヴェット・レイ

ベルともこの1枚だけの契約だったようです。そのA面、初めての来日でも唄

っていた「レット・ミー・イン」を聞いて下さい。発表1977年。悲しい歌です。

 

M08.Let Me In(3’55”)Otis Clay

-J.Slates, S.Pippin, L.Keith-  Kayvette 5133

 

N  あまり盤の状態が良くなかったですね。すみません。「レット・ミー・イン」でした。

こういうのをオ—ティスが手掛けると、本当に悲しくなってしまうのです。真心過

剰という表現はおそらくないでしょうが、ちょっとシンミリし過ぎます。逆にそ

こがこの国で受けた要因なのかも知れませんが、彼の逞しい魅力を何度も味

わっているだけに、もしわたしが現場でセッションを指揮していたら、「もうひと

味、明るく」「一瞬だけ笑って」というような指示を出したでしょう。今の「ケ

イヴェット5133」のB面、こちらでは彼の暖かい心が肯定的に出ていて、大いに

気に入っています。

聞いて下さい。「スウィート・ヲーマン・ラヴ」。あ、ジョ—ジ・ジャクスンの曲だったんだ

な、これ。

 

M09.Sweet Womans Love(3’29”)Otis Clay

-G.Jackson-  Kayvette 5133

 

M10.Besame Mucho(4’04”)Natalie Cole wt. Andrea Bochelli

-C.Velazquez-  Verve 0602537323951

 

N  さて、次も亡くなったばかりの歌い手です。ご存知、ナタリー・コール。先週はデュ

ーオの曲ばかりお聞き頂いて、若い時のヒットは今週に、と言っておりましたが、

予定変更。彼女が2003年に発表したラテン・アルバム『アン・エスパニョール』からお届け

します。これも気になるアルバムですね。まずはテノ—ル歌手のアンドレア・ボチェッリとの

二重唱で「ベサメ・ムーチョ」でした。この曲はコースターズのテッテ的に下卑たヴァ—ジョン

がわたしのアタマにこびりついているからでしょうか、このヴァージョンはちょっと

気品過多です。

次はひとりで伸び伸びと唄ってもらいましょう。

名曲「ソラメンテ・ウナ・ヴェス」。

 

M11.Solamente Una Vez(2’30”)Natalie Cole

-A.Lara-  Verve 0602537323951

 

N  ナタリー・コールのラテン・アルバム『アン・エスパニョール』から「ソラメンテ・ウナ・ヴェス」でした。

ナタリ—がこの企画に取り組んだ時に、父親であるナット・キング・コールのスペイン語連

作が頭をかすめたのは言うまでもない事でしょう。ブックレットには、彼女自身の

言葉で挨拶があり、こんな行りが出て来ます。

この種の、音楽的にも社会的にも馴れない世界に挑むのは、これまでの楽に

していられる環境から踏み出す事を意味します。その時わたしは父が同じよ

うな作品を仕上げていたのを思い出しました。それも一度きりでなく3枚も

作っていたんです。そしてその反響たるや、普通ではありませんでした。

 

ナタリ—が勇気を持って飛び込んだラテンの世界。父ナサニエルも唄ったこの曲です。

「キサス、キサス、キサス」。

 

M12.Quizas, Quizas, Quizas(2’27”)Natalie Cole

-O.Farres-  Verve 0602537323951

 

N  故ナタリー・コ—ルで、ラテン・アルバム『アン・エスパニョール』から「キサス、キサス、キサス」でした。

ではこの曲名に「テ」をつけて、もう一度お願いしましょう。

「手キサス、手キサス、手キサス」。

 

M13.I’m Not That Kat Anymore(3’01”)Texas Tornados

-D.Sahm- Riprise 9 26683-2

 

M14.Tennessee Whiskey(4’53”)Chris Stapleton

-D.Dillon, L.Hargrove-  Mercury   0602537577439

 

N  「テキサス、テキサス、テキサス」と呼びましたら竜巻が起こりました。テキサス・トーネイドー

ズで「アイム・ノット・ザット・キャット・エニモー」。これにはダグ・サームとオーギ−・マイヤーズだ

けが参加しています。この強者4人組なら、「あとは俺たちがやっとくよ」の

ひと言で「じゃあ頼んだよ」となるんでしょう。昨年しつこくお届けしたベス

ト盤を年末年始と聞き続けました。ホントいいね。その中の同一曲とは、ちょっ

とミクスが違ってるみたいです。どうなのでしょうか。

続けたのはクリス・ステイプルトンの新作から「テネシー・ウイスキー」。ジョージ・ジョーンズがヒ

ットさせた有名曲ですね。ここのところ続けてお送りしている田舎男たちの歌

と同系列に並ぶ酒の歌です。

「テネシー・ウイスキー」とレイベルに刷り込んでいるのは、かの有名な、デュエイン・オール

マン御用達で、それを真似てかキース・リチャーズも呑んでいたジャック・ダニエルズです。

今の音の重さからすると、悪酔いしてるのかな。

クリス・ステイプルトンの新作からもう1曲聞きましょう。

「我が心のならず者州」。

 

M15.Outlaw State Of Mind(5’35”)Chris Stapleton

-C.Stapleton, R.Bowman, J.Salley-  Mercury   0602537577439

 

N  ローン・スター・ステイトというのはテキサスの事。州の旗に星がひとつだからなんだそう

です。ならず者州はどこなんでしょうか。「オン・マインド」とあるからには、北

鮮やISの事ではないでしょう。クリス・ステイプルトンの最新作は「渡世人」という

タイトルで、全編がこれら2曲と同じ響きに覆われています。ずしりと重く、起

伏に乏しい、単調な、それでいて妙な必然性で迫る演奏、そして吠えるよう

な、吐き出すような歌。先週末にこの新譜を流しながら掃除をしましたら、

あんまり作業が捗らなかった。単純な軽い肉体労働には、軽快で小気味よい

リズムの、そうサル—サなんかが最適ですね。

昨今のカントリ—音楽を聞いてますと、非常に人間的な表現、つまり生身の演奏

や発声が尊重されている思いが強くします。クリス・ステイプルトンの新作からも同じ

事を感じました。必要な音なんでしょう。とても立派な主張です。えらいぞ、

田舎野郎たち。

さて、ここで音声ファイルの再生は、一時停止。暫しユ—チュ—ブでお楽しみ下さい。

ムジ・ファイアバードさんが教えてくれたイーナ・フォルスマンが唄う「16トンズ」です。

 

M16.16 tons(2’17”)Ina Forsman

-M.Travis-


https://www.youtube.com/watch?v=T597Xqgwmkg

N  素晴らしいね。この周辺にあったイーナの実況映像も観ました。カッコいい。顔恐

い。ds., b., gtr., hca.の3匹のオッサンたちの影が薄くなってしまいますね。

先ほどの動画を観た某白人が「singing blues is not only for old men」とコ

メントを寄せてました。もちろんです。いつからブルーズは歳とった男たちだけの

ものになってしまったのでしょうか。北欧の、若い、墨の入った女の音楽で

もあるのです。そして、わたしたちにも、ブル—ズはずっと一緒でした。

 

M17.16トン(4’21”)憂歌団

-M.Travis, T.Ozeki-  TDK  TKCA-30169

 

N  ユーカダンで「16トンズ」でした。マール・トラヴィスの原作に比較的チュージツな訳詞は尾

関 隆。名古屋に住んでいたオゼキ・ブラザーズのお兄さんの方だったかな。一度

お会いした事があります。とても大人しい落ち着いた人でして、憂歌団は彼

らの影響を強く受けた、と勘太郎から聞いていたので、「こんな真面目な人が

あのワル集団に影響を・・・」と、信じられませんでした。

さて「16トンズ」には、それ以前にこんな素敵なカヴァがあります。

 

M18.16トン(3’12”)フランク永井  

-M.Travis, S.Ida-   ビクター VICL-41268/9

 

N  フランク永井の「16トンズ」、1956年頃の発表です。下層労働歌の傑作ですね。

寺岡真三による昭和庶民歌謡調の編曲も大変結構。進駐軍ジープの運転手から

基地回りの歌手に転じた、フランク永井の真心のこもった歌い回しが、今も新鮮

に聞こえます。英語詞も丁寧に唄われていまして、だいぶ前に某朝番組でテネシ

ー・アーニー・フォードのオリヂナル・ヒットが流れた時に、わたしは「あ、フランク永井には英

語だけで唄った別のヴァージョンもあったのか」と思い違いをした程です。

さて「16トンズ」、イーナの分も入れると合計48トンを積ませていただきました。

重かったでしょう。ではその報酬に13,800円、お支払いいたします。

 

M19.13,800円(3’27”)フランク永井

-F.Takada, I.Tone-   ビクター VICL-41268/9

 

N  18,300円、1950年代半ばの大学卒業就業者の平均的給与だったそうです。

歌の内容は、「16トンズ」続きなのでしょうか、日雇い肉体労働者が資格を取得

し、結婚して家庭を築き団欒で明日への勤労意欲を燃やすという「期待さる

人間像」が章を重ねて描かれています。その間、昇給はなかったみたいです。

64年頃かな、何かの雑誌で見た西郷輝彦の「一ヶ月のお小遣いが20,000

円」という事だったので、それを父親に話したら月給総額と勘違いしたらし

く「そのくらい貰える人は、相当だ」という答えでした。10年で1割くらい

しか上がってなかったんですね。その後、経済は急成長しました。あ、また

また余談でした。

ジャズ歌手として世に出たフランク永井には、このような庶民生活に主題を求め

た歌が多く、それとは反対側に位置する「有楽町」「ナイトクラブ」イメヂだけで語

ってはいけません。上方ものもいいんだよ。あ、また脱線。

それはお待たせいたしました。今朝のイーナ・フォルスマンは「ドント・ハートゥ・ミー・ナウ」。

 

M20.Don’t Hurt Me Now(4’34”)Ina Forsman

-unknown-  BSMF 2490

 

N21.Early Morning Time(3’01”)The Ward

-The Ward-  Vanguard  78456-2

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  イーナ・フォルスマンの「ドント・ハートゥ・ミー・ナウ」、これもいいでしょう。顔はホント恐い

ですよ。お化粧のせいだ、との説がありますけれど、動画のスッピンも優しくな

いなあ。遠くから見ていよう。

その次はロバート・ランドルフのセイクリッド・スティールをフィーチュアしたザ・ワ—ドの「ソーチョージ」。

今回の彼らのアルバム『ソール・フード』は充実してますよ。こんなエキサイトメントがある

んなら、毎週キョーカイへ通ってもいいですね。わたしは日曜日以外にゴスペルを聞

くのに何となく抵抗があるのですが、これなら悪魔の金曜日でもいいな。ま

だ魅力的なトラックがたくさんありますから、この後も紹介して行きましょう。

さて年明け早々、身近な音楽家の死で始まった2016年。おそらく今後もた

くさんの訃報が届くでしょう。これは仕方ない。誰でも限りある人生です。

だからその場面に接して悲しむより、残された作品をずっと聞き続ける事が、

何よりの供養なのではないでしょうか。音楽家にとっての「録音」とは、そ

の為の物でもあるでしょう。

もちろん死んでからではなくて、生きているうちに作品を、本人を愛す事

の方が、絶対に大切なのは言うまでもありません。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/0ca7caf00a6ea54ff1e5425833593c7783bf6004

ダウンロードパスワード:wrysxrrt

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、今年も続きます。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

s-IMGP1432

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/01/09

mb160109

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

正月2日のホーソーは、割と当たり前に受け止められたようですね。実家の物置

整理という大仕事の中、各種送信障害を乗り越えて行った作業が・・・ガクッ。

もう既に此の世は、季節感を始めさまざまな時節における習わしや情緒的

共通意識を失っているのかも・・・などとオーゲサに拗ねずに、新年早々の発売

となるアルバム『イン・ザ・マヂック・アワー』からどうぞ。

「回り道表示」、イーファ・オドノヴァンです。

 

M01.Detour Sign(3’25”)イーファ・オドノヴァン

-unknown-  BSMF 6076

 

N  秋のライヴ・マヂックで圧倒的評価を掴んだ三人組、アイム・ウズ・ハーのひとり、イー

ファ・オドノヴァンの新作『イン・ザ・マヂック・アワー』から「回り道表示」でした。

以前にもお話ししましたが、その決定的な実演をわたしは見逃しておりま

すので、実演との比較は全く出来ませんが、何か新しい世代感覚が強く伝わ

って来ますね。パンチ・ブラザーズのクリス・シーリほかブル—・グラスの強者を招いての

セッションも、彼女から振り撒かれる無言の指示で不思議に調和しているように聞

こえます。果たして・・・。

さて2016年になった訳ですが、わたし自身、未だ「去年」と「今年」では

よく間違えています。必要な場合には「14年」「15年」「16年」と確認をする

程です。殆どの人の意識はまだ2015年の延長のようですね。

こんな状態ですから、という意味ではありませんが、今朝はまず、昨年末

に古本屋の店先で、ほぼ捨てられていたような投げ売り商品の中から掘り起

こした名盤を、少々聞いてもらいましょう。

どなたもご存知のこの歌です。

 

M02.Tonight(3’51”)Musical “West Side Story” Original Broadway Cast

-S.Sondheim, L.Barnstein-  Columbia

 

N  ミュージカル、「ウエストサイド物語」から挿入歌「トゥナイト」でした。これはブロードウェイ

のオリヂナル・キャストによる吹き込みで、今の歌い手はラリー・カートとキャロル・ロウレンスに

なっています。73年の録音ですから初演時のキャストとは違うのでしょうか。

かつてミュ—ジカル通から、この「オリヂナル・キャスト」という表記は、かなり厳密か

つ複雑な条件を満たした場合のみ用いられる、と聞いた事があります。「ミスタ

ー・マンデイ」は関係ないですね。わたしにはそのジジョ−がよく分りませんが、

この「Original Broadway Cast」盤の素晴らしさは分ります。なんせ詞(こ

とば)がスティーヴン・ソンドハイム、リオナード・バーンスタインが作曲ですから。

この国では1961年から2年余りのロングランで公開された映画の「ウエストサイド

物語」が有名です。わたしは年齢不足ゆえ大波に乗れ切れなく、周囲の騒ぎ

だけを肌で感じていました。家庭の中には入って来なかったですね。

その3年ほど後に二番館で観た「ア・ハード・デイズ・ナイト」の時にリヴァイヴァル

興行の予告篇に接しました。わたしの「ウエストサイド物語」直接体験は、たった

それだけですが、その時にとても印象的だったのが、この歌でした。

「アメリカ」。

 

M03.America(4’33”)Musical “West Side Story” Original Broadway Cast

 

N  非常に象徴的な歌「アメリカ」、後年のランディ・ヌーマン作「セイル・アウェイ」と好対比で

す。プエルト・リコ移民が夢見る、圧倒的に物資の豊かな富める国アメリカ。当時わた

したち日本人が、実際に抱いていた想いと変わりません。

アーサー・ロウレンツの脚本は、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を基にしているとは言

え、第二次世界対戦後のアメリカの大都市ヌーヨークを背景として、ダイナミックに展開し

て行きます。「移民」「難民」は2016年を迎えた今も、継続し膨れ上がってい

る問題ですしね。

さて次も「ウエストサイド」と言えば必ず呼び起こされる場面の挿入歌ですね。

「クール」。

 

M04.Cool(3’57”)Musical “West Side Story” Original Broadway Cast

 

N  ミュージカル「ウエストサイド物語」から「クール」でした。映画の公開後、テレビ番組など

ではチンピラの対立、決闘というとこの音楽が使われました。だからでしょうか、

わたしにもその場面が連想されます。一度も本編を観てないのにね。何故か

ジェリ—藤尾が先頭に立ってるなあ、ワツシ劇場の銀幕では。

張りつめた空気、一触即発的な危険性を帯び、かつ研ぎ澄まされたような

カッコ良さが漂う「クール」。ミュ—ジカルの音楽を「映像的」と表現する陳腐さは充分

に分りますが、そうとしか言えない雰囲気がここには漂っています。

61年の日本の貧しい若者たちは、みんな憧れただろうなあ。Gパンとかバス

ケット・シューズも、このカットから日本に流れ込んで来たのでしょう。

今朝は、たまたま手にした「オリジナル・ブロ—ドウェイ・キャスト」盤で、柄にもなく

ミュージカル「ウエストサイド物語」を紹介して来ました。舞台はおろか映画すら観た事

がなく、断片的な知識も覚束ないのにここまで話せるというのは、戯曲の全

体像が既にパブリック・イメヂとして認知されている事の証明です。「コーシャクシ見て

来たようなガゾ−を語り」でもありますが。

ここまでの説得力を持ってわたしの脳、心にこの作品の印象を刻み込んだ

のは、音楽の力もあるでしょう。バーンスタインの構成は、そこまでのミュ—ジカル的で

もなく、ジャズの流用でもなく、ひとつひとつの要素に安易さが微塵も感じら

れないからでしょうか、わたしのようなひねくれ者が聴いていても、シラケない

のです。大抵こういうお約束調和に接すると、「バーカ、そうは行かねえんだよ」

という否定的な情感がわたしの心で支配的になって来るのですが、このバーンス

タインを聴いていると徐々に素直になって行く自分が見えます。これは偉業です。

ここで彼は棒を振ってるのかな。

録音も驚くほど良い。夜遅く聴き始めて、あらためて次の日に大きな音で

聴き直しました。クレジット不詳で分りませんが、コロムビアのスタジオで本番と同じ配

置を設定し、通して演じたのでしょうか。それぞれの声、楽器との距離が見

えます。屋外階段をモチ—フにしたグッド・ディザインの映画サントラ盤とはどんな音に

なっているのだろう。

さて「ウエストサイド物語」最後はバラッド、「サムウェア」です。

この戯曲の粗筋はポ—ランド系アメリカ人とプエルト・リコ移民の対立が背景です。ポ—

ランド系というのはユダヤ人の血を引く人種を指すのでしょうか。共に移民同志

の争いです。ただアメリカ合衆国自体が移民の国という、より大きな動かし難い

背景が、その後ろに横たわっています。

バラッド、「サムウェア」には国土を求めて彷徨い続けたユダヤ人永遠の願いが込め

られている、という説明を聞いた事があります。だからかどうか、わたし自

身も分りませんが、どんなヴァージョンでもこの歌を聞く度に、「絶望の中での希

望」を、感じるんです。今回初めて聞いた「オリジナル・ブロ—ドウェイ・キャスト」盤で

も、同じものが伝わって来ました。こっちが原典だから当たり前だね。詞を

担当したソンドハイムはユダヤ系の人間です。音楽のバーンスタインはユダヤ系アメリカ人でした。

よく間違えられる作曲家エルマー・バースタインもユダヤ系移民の子です。

「ミュ—ジカルなんてまっぴらだ」のわたしも一目置かざるを得ない「ウエストサイド

物語」、正直に言いますと、映画で構わないですから一度通して観たくなりま

した。映画館がいいなあ。

では、お待たせいたしました。ミュージカル「ウエストサイド物語」から、

バラッド、「サムウェア」をお聞き下さい。

 

M05.Somewhere(7’31”) Musical “West Side Story” Original Broadway Cast

 

M06.Christmas Time(2’48”)The Debonaires   Long Beach California

-J.Porter-  Ace CDCHM 1128

 

N 「ウエストサイド物語」からの「サムウェア」に続いてお送りしたのも、年越しアルバム

の1枚です。コメント欄で類似穴さんが教えてくれたエイスのクリスマス・アルバムが、1月

5日に届きました。発注が遅かったので年内は無理かな、とは思っていました

が、お年玉替わりの遅延クリスマス・プレゼントになりました。

クレジット、解説などから察するにどうも吹き込み当時には陽の目を見られな

かった録音作品を集めた1枚のようです。B.B.キングで始まりますが、その後

は無名な歌い手ばかり。わたしもローウェル・フルスン、スモーキー・ウイルスン、オスカー・マクルーニー、

ハダ・ブルックスくらいしか知っている人間はいませんでした。

その中で、オヤッと思ったのが今のディボネイア−ズの「クリスマス・タイム」です。間奏

のサクスフォーンがいいブロウをしてましたね。カリフォルニアはロングビーチ出身のグループだっ

たそうです。

この楽曲が発掘されて世に出たのは、なんと今世紀の2003年。おそらく同

時に吹き込まれた「クレイズイ・サンタ・クロウス」が1956年ですから、50年もの間ど

こかで眠り続けていたのでしょう。こんな出逢いが出来るのも、クリスマス・ノヴェ

ルティだから、という事かな。ディボネイア−ズは、各メムバーの声や性格は当時のドゥー・

ワップ・グループと同等の個性を持っていますが、ピッチ、音程感に問題があった

ようで、今の「クリスマス・タイム」でもハーモニーの美しさでは今ひとつです。

多分リード・ヴォーカルのピッチが悪いんですね。そうすると全員の拠り所が失わ

れてしまいますから、ただドゥヴァ、ドゥヴァ騒いでるとしか聞こえません。もう

1曲収録されている「クレイズイ・サンタ・クロウス」は、ホント酷いですよ。それも年に一

度の馬鹿騒ぎ、という事でお許し頂けたのでしょう。

ではお耳直しに、このアルバム『リズム・アンド・ブルーズ・クリスマス~ウィズ・オール・ヨー・

フェイヴァリット・スターズ』でのメッケモン、ジェシー・ベルヴィンで聞いてもらいましょう。

「アイ・ヲント・ユー・ウィズ・ミー・クリスマス」。

 

M07.I Want You With Me Xmas(3’39”)Jesse Belvin

-B.Farr-  Ace CDCHM 1128

 

N   「アイ・ヲント・ユー・ウィズ・ミー・クリスマス」、ジェシー・ベルヴィンでした。なかなかの紳

士ぶり、いいでしょう。先ごろ来日していたサクスフォ—ン奏者ビッグ・ジェイ・マクニーリ

を始め、数々の大物と交流を持ち、あの「パッパル」で始まるペンギンズの大ヒット

「アース・エインジェル」の作者でもある、と言う事です。50年代にはこの位の歌い

手は、数えきれない程いたんでしょうか、特別に知られてはいません。浅学

非才のワツシイサヲ、ちょっと興味が沸いたな。

次はもう一度ヴォーカル・グループ。アカペラでキメてもらいます。

「ホワイト/ホット・クリスマス」、ディ・エルヴスでどうぞ。

 

M08.White/Hot Christmas(2’46”)The Elves

-I.Berlin, J.Pierpoint, G.Autry, O.Haldman-  Ace CDCHM 1128

 

N  こちらはちゃんとハーモナイズしてましたが、同じ音を繰り返すベイス・シンガーがキ

ツそうでしたね。今の前半部分「ホワイト・・・」は、おそらく後半で破綻して

NGとなったので、急遽即興の「ホット・・・」を追加して、シングル1枚分に組み

合わせしたのではないかな。納品締め切りの厳格なクリスマス盤だからでしょうか。

現場の混乱も見えて来ます。

それでは年越しのクリスマス・プレゼントになってしまった、『リズム・アンド・ブルーズ・

クリスマス~ウィズ・オール・ヨー・フェイヴァリット・スターズ』アルバムから最後にもう1曲。

オスカー・マクルーリーと彼のハニー・ジャムパーズで「ディグ・ザット・クレイズイ・サンタ・クロウス」。

 

M09.Dig That Crazy Santa Claus(2’34”) Oscar McLollie & His Honey Jumpers

-L.Rene, A.Johnson, R.Rene-  Ace CDCHM 1128

 

N  「ディグ・ザット・クレイズイ・サンタ・クロウス」、オスカー・マクルーリーと彼のハニー・ジャムパーズ

でした。このアルバムには、あといい感じのハダ・ブルクスの「ホワイト・クリスマス」があ

るけど、今年の末まで12ヶ月間お待ち下さい。2016年初頭の年越しクリスマス・

ソング集でした。

こういうのを電波で堂々とやりたいね。みんな驚くだろうな。「今日はまだ

12月だっけ」なんて大騒ぎになってね。町に人々が繰り出して、クリスマスやり直

したりして、苺のショートケーキがやたら売れて、そう言えば何年か前に1ヶ月遅れ

で渋谷から北品川までサンタ・クロウスが移動したという未確認情報もありまし・・・

あ、それはないですね。

さてそのクリスマスが終って、お正月を迎えた矢先に飛び込んで来たのが、この

人の訃報でした。

 

M10.Since I Fell For You(4’18”)Natalie Cole & Reba McEntire

-B.Johnson-  MCA  MCAD-10965

 

N  ステファニー・ナタリ—・マリア・コール、2015年12月31日に他界。人は、必ず居なくな

る、この分りきった現実を踏まえていても、新年早々、悲しい知らせでした。

わたしは一時期、ナタリ—の事が本当に好きでした。そもそも女性歌手に憧れ

る病癖のなかったわたしですから、初めてのヒトかも知れない。

周囲の友人たちが夢中になってた麻丘めぐみとか南沙織などには何の興味

もなく、天地真理なんて全く問題外でした。アリサ・フランクリンだけです、意識して

たのは。でも存在が遠く偉大過ぎるのは大前提ですし、決して恋愛思慕の対

象ではないですね。

そこへ行くとナタリ—は射程距離内という訳ではありませんが、かなり身近で、

普通に好きになれました。4枚目まで揃えて持っていて、よく聞いていました。

コメント欄の「八王子60オーバ−」さま、お久しぶりでございます。感激だなあ。

どうもありがとうございます。あなたもナタリーをお好きでしたか。

今朝はすぐ手許にあった盤からお聞き頂きます。初期の初々しさが漂う歌

は、来週またお送りしましょう。何よりもわたしが聞きたい。今お届けした

のは、名盤『リズム、カントリー・アンド・ブルーズ』の中で、リーバ・マキンタイアと一緒に歌

った「シンス・アイ・フェル・フォー・ユー」でした。声の質、帯域が似通っているので、

当初はナタリ—ひとりで唄っていると思っていましたが、今はちゃんと聴き分け

られます。ナタリ—の方が、微かにハスキーですね。

次も二重唱。相手はナタリーが世に出した男、ピーボ・ブライスンです。年始のテレビ

番組に日本人女声歌手6人と唄う役で出てました。「ピーボより上手いのはピ

ーボだけ」というコピーと共に、誰よりも早く彼を日本で紹介したわたしとして

は、ちょっと情けなかったなあ。開始直後にチャネルを変えちゃいました。

わたしは、ナタリ—とのこのデューオでピ—ボに注目したのです。もちろん「あの

曲」だった事は大きな根拠でした。

メドレ—で、「レッツ・フォーリン・ラーヴ~ユー・センド・ミー」。

 

M11.レッツ・フォーリン・ラヴ~ユー・センド・ミー(4’10”)ナタリー・コ—ルとピーボ・ブライスン

-T.Koehler, H.Arlen, S.Cooke-  東芝 TOCP-7428

 

N  「レッツ・フォーリン・ラヴ~ユー・センド・ミー」、メドレーでお送り致しました。今朝は期

せずして二重唱ばかりですね。と来ればこれをどうぞ。

ナタリ—・コール、ナット・キング・コールとの「幻」デュエットです。

「アンフォゲタボー」。楽しいクリスマスを過ごせた、まゆりん・モンローにもお届けしま

しょう。

 

M12.アンフォゲッタブル(3’29”)ナタリー・コ—ル

-I.Gordson-  ワーナー  WMC5-400

 

N  ナタリ—・コール、ナット・キング・コールで「アンフォゲタボー」でした。

彼女の訃報が伝えられたので、今年のお正月はちょっと曇りがちだったか

な。

そこでこの歌です。「ハピー・ブル—・イヤー」、ラ—ラ・プライス。

 

M13.Happy Blue Year(5’54”)Lara Price

-unknown-  BSMF 2489

 

N  これも聴かせてくれますね、ラ—ラ・プライス「ハピー・ブル—・イヤー」でした。こ

の最新盤『お仕事よ(I Mean Business)』は、歌い手と演奏陣の呼吸がとても

合っていて、気持ちよく聞けます。以前紹介した時に、わたしはこんな事を

言ってました。「mb151219」より引用します。

 

バックの演奏も1970年代のカラオケ、といってもいいような響きですが、2ヶ月

ほど前にお届けしたリオン・ブリッヂーズのような、真意を計りかねる造りでもあ

りません。出来る限りの今の音として聞こえて来ます。全盛期のメムフィス・ハイ・

サウンドにテムプテイションズを従えているようでもありますが、こういう表現は既に

ひとつの形として、若い世代に受け継がれている証明ですね。

成る程、と我ながら合点が行く解説です。実際このようなメムフィス・スタイルの

R&B演奏様式はもう立派に市民権を得ていますね。ブッカ—・Tたちからホヂズ

兄弟に引き継がれて世界基準になった訳です。偉大だなあ。などと感心して

いたら、そのホヂズ兄弟の92年の演奏に出合いました。

聴いて下さい。オーティス・クレイです。「ゴナ・テイク・マイ・ハーツ・アドヴァイス」。

 

M14.ゴナ・テイク・マイ・ハーツ・アドヴァイス(4’54”)オーティス・クレイ

-T.Tate-     アメリカーナ  28C-8108

 

N  オーティス・クレイ、「ゴナ・テイク・マイ・ハーツ・アドヴァイス」でした。

これね、もちろん中古盤で見つけたんですが、当初は聞いていただけで、

「おう、若い世代の世界基準メムフィス流儀だ」なんて納得していたんですよ。そ

して解説を読んだら、ドラムスがハワード・グライムス、ベイスはリロイ・ホヂズ、鍵盤がチャー

ルズ・ホヂズのハイ・リズム、それにメムフィス・ホーンズだって。当たり前ですね。皆メムフ

ィスのあの頃の当事者たちです。失礼しました。

92年は、わたしにはそれほど遠くないのですが、24年前。この前の前のサ

ル年です。それ以降ハイ・リズムは録音してたかなあ・・・。ちょっと分りません。

知らずに聞いていた時はとても若い音に聞こえましたが、本人たちとはなあ。

次のはよりハイ・リズム的です。特にハワードがね。そして、ほとんどアルバート・キン

グのようなリード・ギターも印象的です。こちらは、リトル・ジミー・キングですって。

「ラヴ・ボーン」

M15. ラヴ・ボーン(4’32”)オーティス・クレイ

-M.Hodges, T.Thom-   アメリカーナ  28C-8108

 

M16.I Want A Little Sudar In My Bowl(2’56”)Ina Forsman

-N.Simon-  BSMF 2490

 

N  オーティス・クレイの「ラヴ・ボーン」に続いたのは、「幻」2度目の登場、フィンランド産

20歳の天才、イーナ・フォーズマンの「アイ・ヲント・ア・リトゥル・シュガー・イン・マイ・ボウル」、

ニ—ナ・シモンの楽曲です。この娘は逸材だね、絶対。若干エイミー・ワインハウス的でもあ

りますが突き放すような歌声の随所に誘いを感じさせる。まだ貫禄とは言え

ないけれど、充分貫禄的な雰囲気を漂わせています。生で聴きたいですね。

2016年のラフ・ブルーズ・キャラヴァンの参加が決まってるというから、どこかで観

る機会を作れないかな。あ、顔は恐いです。

ではこちらもメムフィス流儀の演奏でどうぞ。

「連れ込み宿に空きはない」

 

M17.No Rooms For Love(3’50”)Ina Forsman

-unknown-  BSMF 2490

 

M18.Fifteen Round With Jose Cuervo(3’21”) T.G.Sheppard With Delbert NcClinton

-Kostas, D.Knutson, T.Curry-  Goldenlane CLO 0077

 

M19.Rum Is The Reason(3’17”)Toby Keith

-T.Keith, S.Emerick-  Show Dog LLC 0850692006190

 

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  イーナ・フォ−ズマンで「ノー・ルーム・フォー・ラヴ」、良かったでしょう。若干難解な部

分も感じられますが、とにかく歌の魅力は凄いですよ。今月末にはレコ—ド店に

並ぶでしょう。それまでにもう少し紹介しとこうかな。

続いたのは呑んでばかりいてダメな南部男3人。既にご案内済みのT.G.シェパ

ードとデルバート・マクリントンの「ホセ・クエルヴォ杯テキ—ラ15回戦」、そして昨年最後に

間に合ったトビー・キースの最新盤から、「その訳はラム酒に訊け」でした。こちら

には西部開拓男デイヴィ・クロケット、英雄ドン・キホーテの片腕パンチョ、そして粛清の鬼

スターリン、狂気の独裁者ヒトラーまでが出て来て、それぞれ自分の好みの酒を一杯や

ってます。トビ—のはお酒にまつわる歌が多いですね。カントリ—は皆同じか。

今年になって初めての資源ゴミ回収の朝、酒瓶が沢山出てました。結構、結

構。大いにやってください。

わたしは12月25日の暖かさで油断して風邪を引きかけまして、鼻咽喉系

を痛めての年越しでした。今はなんとか復活して来ています。いくら暖冬で

も、このまま終る訳はないでしょう。大寒はこれからです。皆さまもお気を

つけ下さい。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所にあります。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/0b1745913b8e70023d8bee5f4c4dd584a5913f96

ダウンロードパスワードは ti2h4e9c です。

前回は揚げるのにかなり苦労しました。皆さま正常に落とせましたか。

さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/ 「幻」モーニン・ブルーズ、まだまだ続きますですよ。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

s-IMGP1429

【幻】モーニン・ブルーズ 2016/01/02

mb160102

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。

新年明けましておめでとうございます。

モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲ、輪投師藍蔵王です。ワツシイサヲとも名乗ります

何人かの方は、更新がないと思ってたでしょう。無休無給のmbですよ。

首都圏で9人、その他全国津々浦々で、密かながら情熱的8万人のチョーシュシャを

もつモーニン・ブルーズです。ご支援にお応えして新年早々からお送りいたします。

まずは季節柄、こんな1曲はいかがですか。

「サムタイムズ・イン・ウインタ」、ブラッド、スェット・アンド・ティアーズ。

 

M01.Sometimes In Winter(3’09”)Blood Sweat And Tears   ‘69

-S.Katz-  Columbia CK 9720

 

N  「サムタイムズ・イン・ウインタ」、ブラッド、スェット・アンド・ティアーズでした。彼らの傑作、

1969年発表のアルバム『ブラッド、スェット・アンド・ティアーズ』からお送りしました。

かなり寒い感じがします。管の高音が効果的ですね。

今日は1月2日、如何でしたか皆さん、昨日の元旦、2016年の幕開けは。

良い一年になりそうですか。

さてゆうべの晩、元旦の夜は特別です。おそらくこの国では、一年で最も

静かな夜ではないでしょうか。おめでたい日ですから日中は初詣やお年始に

出かけて、そこでは晴れ着にも出逢いますから、華やか、賑やかな印象があ

りますが、陽が落ちると急に静まり返ってしまいます。暖冬といっても寒い

時期です。余計に静寂の度合いは高く感じられます。太郎も次郎も眠らせて

しまう雪が降らなくても、元旦の夜の静かさは特別です。皆さんの周りは、

どうでしょう。

ではそんな夜を暖めてくれる歌声をどうぞ。

ジェイムズ・テイラーです。「寂しい夜」。

 

M02.Do’t Let Me Be Lomly Tonight(2’39”)James Taylor   ‘72

-J.Taylor-  Waner Bros. 3113-2

 

N  ジェイムズ・テイラーで「寂しい夜」でした。非常にC調でナンパな歌ですが、この

声で囁かれると堪りませんね。72年、秋のヒット曲です。オ—ルナイトニッポンのカメちゃ

んの晩に聞いたな。その時も寒かった記憶があります。確かカセットに録音した

筈です。カメちゃんのカッコいい曲紹介がイントロにのっかっていたので、後年レコ—ド

で聞いた時に何か物足りない感じが付きまとって仕方なかったですね。

さて、1ヶ月ほど前、昨年12月5日のコメント欄にいつもの方からの有り難い

ご投稿を頂きまして、フランク永井「霧子のタンゴ」→「Chirico」→ライ・クーダー『チ

キン・スキン・ミュージック』という素晴らしい連想を教えて貰いました。

わたしも、「なるほど」という共感を覚えましたが、「やっぱりあの画は暑

い」というのが偽らざる印象です。キリコに関してですと、わたしには彼の描く

風景、というか屋外の画は、みな真夏の最も暑い盛りのように見えるのです。

はっきりした影が出ているからでしょうか、これ迄はずっとそんな想いを浮

かべながら眺めて来ました。

キリコの画を見て、もうひとつわたしが感じるのは、すべての物が止まってい

るという事です。煙がたなびいていたり、止まれば倒れてしまう輪ころがし

をする少女がいたりと、動きのあるモチ—フが置かれていますが、それらは皆、

ピタリと貼り付いたように止まっているのです。写真のように連続性のある時

間の流れを切り取ったというよりも、SF映画などで出て来る、ある瞬間を凍

結された世界なんですね。もちろん空気の振動がないから、音は何も聞こえ

て来ない。「イエロ・サブマリン」にもありましたね、こんな場面。

かつて実際に、こういう場を体験した事があります。それこそ真夏の暑い

日、お盆だったかな、ちょっと高い所から振り返って見渡した世界が、正に

キリコでした。全てが止まっていました。一瞬わたしもその中のオブジェのひとつ

になった気がしました。数秒間は動けなかったですね。

マティスの安定した静止感とも違う、確かにキリコの描写は「不気味」です。

さて、絵画の話題に関連して、1枚のアルバムを紹介しましょう。

ノルウェイのカリ・ブレーンズ、この発音でいいのかな、今朝は「カリ・ブレーンズ」で行

きます。コーセー係が厳しいからね。さて今朝の1枚のアルバムは、この女性音楽家

の『エドワルド・ムンクに寄せる考察(Tekster Av Edward Munch / Kari Bremnes)』

です。

制作は1992年。わたしが手に入れたのも前世紀です。なぜこの縁のない、

言語も全く分らないアルバムを購入したのか、それはジャケットがノルウェイの画家、エド

ワルド・ムンクの絵画作品「マドンナ」だったからです。アルバムにはカリ・ブレーンズがムンク

の作品15点を採り上げ、そこからのインスピレイションで作り上げた楽曲が収録され

ていました。

北欧の巨匠エドワルド・ムンクには、わたし自身も十代の前半に出逢い、大きな

影響を受けています。アルバム・ジャケットに惹かれて購入したのは当然の成り行き

です。

余談ですが、わたしの家の玄関に飾る画はワーナー・ブラザ-ズ・アニメイションのキャラク

ターが出ている「叫び」のパロディ画が秋冬用なんです。今それが掛かってます。

ムンクと言えばこの「叫び」で知られていますね。10年程前でしょうか、画の

中央で両ほほに手を当てて叫んでいる子供の骸骨のような人物がポップなキャラ

クター的な扱われ方をされていました。その後では美術館から本物が盗まれる騒

動もありましたね。

まず最も有名な、その「叫び」をモチーフにした一曲からお聞き頂きましょう。

 

M03.Skrik(6’09”)Kari Bremnes          ‘92

-unknown-  Kirkelig Kulturverksted FXCD 123

 

N  『エドワルド・ムンクに寄せる考察』から「叫び」でした。あの画の感じが浮かび

上がって来ましたかな。わたしには、よく流れが考えられて作られているな、

という印象が強く迫りました。かなり練られた劇的な構成、終り方です。最

後のエレキのカデンツアが壮絶です。メタル好きのオ−サムさんにも聞かせたいですね。

このカリ・ブレーンズという音楽家はもう既に長いキャリアを持って、今も現役で活

動中です。おそらく彼の地では相当なお方ではないでしょうか。沢山の作品

があるようですが、他のものをわたしは聞いた事はありません。第一声を聞

いた時は、ジョーニ・ミッチェルを連想しました。

この種の音楽表現は、女性じゃなきゃ無理、そんな思いも強くして来ます。

男が芸術的、学術的題材を手掛けると、どうしても権威的に、難解なものに

なり易く、その実例は古今東西に実例が溢れています。その点女性は自然体

で主題に寄り添う事が出来る特質を、生まれながらに持っているように見え

るのですよ。

16頁綴りのブックレットには、各曲ごとに主題となった画が掲げられていますの

で、ノルウェイ語が分らなくても、ああ、あれか、と確かめながら聴いて行く事が

出来ます。

次もわたしの好きな画のひとつです。

「森へ」。

 

M04Scene I Skogen(2’40”) Kari Bremnes   ‘92

-unknown-  Kirkelig Kulturverksted FXCD 123

 

N  カリ・ブレーンズで「森へ」でした。これはちょっとわたしの印象と違うなあ。

冒頭部分は違和感なかったけれど、徐々に恐さが忍び寄って来ますね。画か

らは、貴重な北国の夏の日のもう少し明るく爽やかなイメヂがありましたけれ

ど、実際には短い夏はこんな風に暮れて行くのでしょうか。恐ろしい結末を

迎える地域伝承民話を連想します。

ではカリ・ブレーンズが1992年に発表したアルバム『エドワルド・ムンクに寄せる考察』

から、もう一曲お聞き下さい。

次もよく知られた一枚です。ベッドで上半身を起こした少女の傍らで、母親

と憶しき女性が絶望にうなだれている。一瞬で状況が分りますね。

「病める子」。

 

M05.Syk Pike(4’50”)Kari Bremnes

-unknown-  Kirkelig Kulturverksted FXCD 123

 

N  ここまで3曲、ノルウェイのカリ・ブレーンズ1992年のアルバム『エドワルド・ムンクに寄せ

る考察』からお送りしました。馴染みのない歌い手、楽曲、言語にお付き合

い下さって、ありがとうございます。

エドワルド・ムンクはわたしにとって圧倒的な存在です。ご多分に漏れず「叫び」

に強く惹かれまして、ちょうど初めて日本に彼の作品がやって来た時に鑑賞

に行きました。十代の生意気盛りですから、実存意識と妄想を刺激するこの

画を、勝手な屈折した観念で捉えていたのでしょう。ただ実際に生で向き合

う作品群から受けたものは、燃え滾るような生命力のそのものでした。ハスに

構えて挫折的見栄を斬るようなカッコではなかったのです。オスロ大学講堂に飾ら

れている壁画「太陽」の前でわたしは動けなかった。シャワ—を浴びているよう

にわたしの身体に注がれる「命」に、向かい合って見ていられなかったので

す。青木繁の「海の幸」を連想した「水浴する男たち」にも魂を抜かれた思

いがしました。

お陰で帰り道はへとへとでした。表現行為にはまず力強さがなくては成立

しない、そんな教えを授かったような気がします。これは現在までのわたし

の重大な芸術の価値基準にもなっています。

さて、「霧子のタンゴ」から繋がったカリ・ブレーンズ1992年のアルバム『エドワルド・

ムンクに寄せる考察』から3曲いかがでしたでしょうか。絵それぞれの画の題名

は1970年10月発行の「エドワルド・ムンク展」の公式解説書掲載名から採りまし

た。

1970年10月かあ。エルモ・ジェイムズと衝撃的な出逢いをしたすぐ後だなあ・・・。

他にもムンクの画、版画をジャケットにつかった録音作品はあります。無名白人ブ

ルーズ・バンドにもなんかあったな。皆さんもご存知でしたら、教えて下さい。

さて、2016年元旦の夜は明けて、もう2日のアサーです。大昔は2日の朝は

「初荷」という流通業者の仕事始めがありましたが、今は366日稼働ですか

ら、初荷札はまだ見かけるのもサワホ稀です。どこでもまだ静けさは続いている

でしょうね。

そこで、その静寂を邪魔しないように、ここからはモーニン・ブルーズ初の試み

として、静かなひと時をお送りいたします。年に一度の貴重な時間をお過ご

し下さい。「黙示的正月のアサー」。

 

M06.900miles(3’23”)Bethany & Rufus    06

-trd. arr.by Bethany & Rufus-    Hyena HYN 9353

 

M07.When Will I See You Again(2’48”)Ornette Coleman & Prime Time

-O.Coleman-  Verve 314 527 483-2         95   題名

 

M08.Tacuma Song(4’11”)Jamaaladeen Tacuma      84

-O.Coleman-  キャニオン  D35Y0006

 

N09.She Moved Though The Brizarre(4’10”)David Graham   79

-trd.-   BSMF- 4014

 

M10.風の告白(4’27”)リリアナ・エレーロ       02

-J.Falu, R.Yacouzzi-  オーマガトキOMCX 11239

 

M11.Silence, On Reve(1’45”)Tatouages

– Tatouages, Y.Bodson, I.Toure, R.Galdino-  Milan 30715-2

 

M12.I Para Ango Yawa(3’44”)Ayub Ogada        15

-A.Ogada, I.Gem, T.Warren-  Long Tale RecordingsLTR1501

 

M13.Ka Moun Ke(6’27”)Roka Traore     13

-R.Traore-   Nonsuch 755979591-8

 

M14.Taiko Dub(3’01”)Jah Wobble & Nippon Dub Ensemble    10  30Hertz

-J.Wobble-   30Hertz  d31

 

M15.Binoculars(3’02”)Denis Bovell

-unknown-  LKJ  CD 020    00

 

M16.Forth Corner(4’38”)Trixie Whitley   13

-T.Whitney- Strong Blood  nonumber

 

M17.Gris(5’45”)Ana Karina Rossi          14

-C.Buschini-  Abeat Skyline  AB JZ 542

 

M18.Au Lait(8’28”)Pat Metheny            82

-P.Metheny-  ECM 1216  422 817 138-2

 

M19.Dark Was The Night, Cold Was The Ground(3’28”)Corey Harris   03

-pd.-   Rounder 11661 3198-2

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  寒くて静かな「黙示的正月のアサー」、お届けしました楽曲は、以下の通りです。

「900マイル」ベサニー・アンド・ルーファス

ベサニー・ヤーロウがヴォ—カル、ルーファス・カッパドゥーシアが5弦のセロを弾いています。

ベイスじゃなくてセロというのが肝。ジャズでは、たしかサラ・ヴォーンがベイスとのデュ

ーオを試みてていましたが、女声にはセロの方が合うかも知れません。実にオツな

アンサムブルですね。

続いてオーネット・コールマン・アンド・プライム・タイムの「ウエン・ウィル・アイ・シー・ユー・アゲイン」、

アル・マクダウェルのベイス・ソロの後に大勢が絡んで来るところがいかにもオーネット的で

魅力です。

次はそのオーネットが書いた「タクーマズ・ソング」、ジャマラディーン・タクーマのベイス・ソロで

した。初めて来日した時には、この曲だけ彼のトレイド・マークでもあったスタイン・

バーガーの無振動ベースではなくてミュージック・マンの標準型に持ち替えて演奏したの

を覚えています。

そしてイギリスの民族弦楽器演奏家デイヴィド・グレアムの

「シー・ムーヴズ・スルー・ザ・ブリザール」。祭文とガーファンコーの「スカボロ・フェア」の美

しいイントロは、本来彼の創作でした。

複雑な声フレイズの重ねで構成された「風の告白」は、リリアナ・エレーロ。アルゼンチン

のヴォーカリストです。2003年に国内発売されていた同名アルバムからです。

同じような対のヴォイス・アンサムブルとルムバ・ロックのギターの絡みが美しいタトゥージーズ、

「サイレンス・オヴ・ニーヴ」。キンサシャ育ちの歌い手。アフリカの今の音楽を面白く仕上

げた『アフリカ・リミクス』の冒頭トラックです。

次はアユーブ・オガダ2015年の作品『コーディ』から「イ・パラ・アンゴ・ヤワ」。同封

の英訳によれば、「何を考えているんだい」、という意味の題名です。

そしてグレッチを弾く女、ロカ・トローレで「カ・モーン・ケ」これも英訳によれば「私

に出来る事は何だろう」というタイトルです。

続いてジャー・ヲブルのアルバム『ジャパニーズ・ダブ 間』から、「タイコ・ダブ。

そしてデニス・ボーヴェル、「ビノクラーズ」。

実に久し振りのトリクシー・ウィトニーで、「フォース・コーナー」。新作もお父さんの話題も

あるようですが、ゴメン、わたし全然追いかけてないのです、類似穴さま。

そして秋に日本公演を行ったガイヤ・クアトロのベイス奏者カルロス・ブッキーニと女声歌

手アナ・カリナ・ロッシのアルバム『シン・フロンテラス』から「グリス」。

わたしが音楽から感じる最低気温記録保持楽曲「愛のカフェ・オーレ」は、パット・

メスィーニ1982年の作品です。

そして最後は、ブラインド・ウイリー・ジョンスンのオリジナルで、ボイジャ−・ロケットに積み

込まれて宇宙に送られた「ダーク・ヲズ・ザ・ナイト、コールド・ヲズ・ザ・グラウンド」

を、コーリー・ハリスの演奏でお聞き頂きました。

「黙示的正月のアサー」、たまにはこんなDJイングも如何でしょう。静かな

夜に相応しかったですか。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/40929c8e228c951623886c0efcd97007bc7b2933

ダウンロードパスワード ynv43ifh

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、今年も続きます。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

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