カテゴリー : Mornin’ Blues by IsaoWashizu

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/10/06

mb181006

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  10月に入って初めてのアサーです。毎週台風に襲われる日本列島。毎回「これ

までにない大型規模」という呼称で紹介されて25号。しかも農作物の収穫期

を狙ったようにやってくる暴風雨。いまいましい事まったく限り無し。せめ

て皆さまどうかご無事で。

楽しい事もまだまだあります。今月20日、21日に行われるライヴ・マジックも

そのひとつ。そこでの演奏に期待の集まるジョン・クリアリーの新譜、来日記念盤で

すね。そこから、

「ダイナ-マイト」。

 

M01.Dyna-Mite(4’21”)John Cleary

-unknown-  BSMF-2623

 

N  いい感じ、です。ジョン・栗蟻「ダイナ-マイト」。今月のライヴ・マジックでわたしはソロ

のステイジを楽しみにしています。

次も、ジョンの実に秀逸な感覚が光ります。スロウ・ソングですよ。

「『わたしのあの人』を唄う21世紀の放浪者」

 

M02.21st Century Gypsy Singing Lover Man(6’24”)John Cleary

-T.Mahal-  BSMF-2623

 

N  ライヴ・マヂックが楽しみですね、ジョン・クリアリ。「トゥエンティファースト・センチュリ・ジプシ・

シンギング・ラヴァ・マン」、いい唄でした。

 

M03.Hey Mr. Pinetop Perkins(3’29)Pinetop Perkins feat. Angela Strehll

-unknown-  BSMF  7023 9

 

N  今のは「ヘイ、ミスタ・パイントップ・パーキンズ」、先月に再発されたパイントップ・パーキ

ンズ2004年発表のアルバム『レイディーズ・マン』からです。ここでは各曲にそれぞれ

大勢の女性歌手を据えて唄わせています。それぞれがパイントップへの尊敬があ

るからでしょうか、コミュニケイションがとてもうまく行っている感じです。今のヴォー

カルはアンジェラ・ストリールでした。

次はマデリーン・ペルーです。2004年ですと、彼女がまだそんなに知られていな

かった頃ですね。ベッシー・スミスの持ち歌だった「ヒーズ・ガット・ミー・ゴーイン」。

 

M04.He’s Got Me Goin(3’38”)Pinetop Perkins feat.Madeliene Peyroux

-Gray-  BSMF  7023

 

N  「ヒーズ・ガット・ミー・ゴーイン」、パイントップ・パーキンズ、唄はマデーリン・ペルーでした。

パイントップ・パーキンズは1913年の生まれで、2011年に亡くなっています。60

年代後半にオーティス・スパンの後釜でマディ・ヲーターズのバンドに居た事で知られてい

ますが、有名な生演奏ラジオ番組「キング・ビスケット・タイム」にレギュラー出演していた

他の豊かな経歴を持っているブルーズ第一世代のひとりです。サム・フィリップスのサ

ン・レコーズでパイントップ・スミスの「パイントップ・ブーギー」を録音して以来「パイントップ」

と呼ばれるようになり、パイントップ・パーキンズと名乗るようになったそうです。

初代の許諾を貰っていたかどうかは分かりません。

では2004年版の「パイントップ・ブーギー」を聞いて下さい。

 

M05.Pinetop’s New Boogie Woogie(4’30”)Pinetop Perkins feat. Marcia Ball

-P.Perkins-  BSMF  7023

 

N  「パイントップズ・ヌウ・ブーギー・ウーギー」、パイントップ・パーキンズでした。これには

マーシャ・ボウルが参加していますが、唄ではなくてピアノ、それも二台の連弾です

ね。冒頭でパーキンズに話しかけて、最後のコーラスに入るところで「これで終わり

よ」と声を上げているのが彼女です。

わたしは彼女が2003年にアリゲイタから出したアルバム『ソウ・メニ・リヴァーズ』がと

ても好きで、一時期こればかり聞いていました。今回このパイントップのアルバムで

名前を目にして、久しぶりにそのアルバムを聞きました。やっぱり良かったです。

あまり、というかほとんど知られていないマーシャ・ボウル、少なくともわたしは

他所で名前を聞いた事がありませんが、彼女の事ご存知でしたか。

ではその『ソウ・メニ・リヴァーズ』からお聞き下さい。

「フォアクローズ・オン・ザ・ハウス・オヴ・ラーヴ」、マーシャ・ボウルです。

 

M06.Foreclose On The House Of Love(4’46”)Marcia Ball

-J.L.Sanders-  Alligator  ALCD 4891

 

N  鰐が踊り出しそうなヌー・オーリンズ調で「フォアクローズ・オン・ザ・ハウス・オヴ・ラーヴ」、

マーシャ・ボウルでした。テキサス州オレンヂ郡出身という正しい血統の彼女はずっとオーステ

ィンに住み音楽活動を続けています。その容貌も含め、わたしにはとても素敵

な女性に映ります。今の「フォアクローズ・オン・ザ・ハウス・オヴ・ラーヴ」、その前の「パ

イントップズ・ヌウ・ブーギー・ウーギー」で分かるように、明るくて元気でね。こんな

人が当たり前のように演奏しているテキサスという土地は羨ましいですね。

もう1曲マーシャ・ボウルを聞いて下さい。

今度はスロウ・ソングです「ザ・ストーム」。

 

M07.The Storm(4’46”)Marcia Ball

-M.Bell-  Alligator  ALCD 4891

 

N  「幻」モーニン・ブルーズ2018年10月の第一回放送、今朝はなぜかピアノ弾きの

音楽でここまで来ました。ならば、先週もお届けしたプリンスのピアノ・アルバムか

らお届けしましょう。最後に収められているこの一曲です。

「ワイ・ザ・バタフライズ」。

 

M08.Why The Butterflies(6’27”)Prince

-Prince- Warner Bros. 603497861293

 

N  「ワイ・ザ・バタフライズ」、プリンスのピアノ・アルバムからでした。張り詰めた空気感

が実にプリンスらしい。ただ、ずっとこんな雰囲気の中にいたら神経が切れてし

まいそうです。わたしには無理だなあ。今の6分半だって、ひとりで悶えて

集中し続けるのは並大抵の事ではないでしょう。このピアノ作品集は、このアルバ

ムために改めて録音された、という話を耳にしました。ならば尚更だ。プリンス

はこういうところが違ったのですね。

今の「ワイ・ザ・バタフライズ」、先週お届けしようとしたのですが、時間の都合

で今朝のご紹介となりました。本来は「バタフライズ」で、次の音楽に繋げよう

としていたのです。

 

M09.バタフライズ / アイ・リメンバー(2’09”)ニッキ・ジヨバンニ

-N.Giovanni, A.Mardin-  WPCR-27520

 

N  ニキ・ジヨバンニで「バタフライズ / アイ・リメンバー」、後にスタッフとなるコーネル・デュープリー、

リチ・ティー、ゴードン・エドワーズらのゆったりとした演奏が素晴らしかったですね。

二匹の蝶々がわたしの体に授けてくれた歓びの周りを舞っている・・・詩

人の言う事は難解です。このアルバム『ザ・ウェイ・アイ・フィール』で詠まれている詞

のすべては和訳本に掲載されているそうです。読んでみたい。手に入るかな。

ラジオ朗読のお話をしたら、ち冷えさんが松平定知の「徳川慶喜」を聞いた、

と伝えてくれました。わたしも先週末、台風情報を知るためにラジオを点けっ

放しにして寝ていたら宿敵「深夜便」の冒頭で朗読をやってました。村上春

樹が書きそうな、過剰な神経戦を展開する同棲生活者たちの物語だったので、

わたしには面白くなくてすぐに切りましたがね。

先週の「ヒップホップ前夜」では、北米政治における演説の重要性などにも触

れました。そんな折、自分の本棚に「ニガーよ、死ね」というまだ読んでいな

い古い一冊を発見。著者はラップ・ブラウン。手に取って読んでみました。

 

M10.Violence Is As American As Cherry Pie(0’31”)Rap Brown

– R.Brown –  Shout! D2K 37398

 

N  今のは「ニガーよ、死ね」の著者ラップ・ブラウンの「暴力はアメリカ人にとってチェリー・

パイみたいなものだ」という有名な演説の一部です。ラップ・ブラウンの「ラップ」

はヒップホップのラップ、喋りまくるという単語のラップです。古くから路上で行な

われていたダズンと呼ばれる罵り合いの言葉喧嘩が別格的に強かった彼に付

けられた愛称です。

ラップ・ブラウンは1960年代にNAG(非暴力行動グループ)の議長、SNCC(非暴力

学生委員会)の委員長を務めていました。70年に日本で訳本として出された

この「ニガーよ、死ね」は、「政治的自伝」と副題がついていて、彼の闘争史が

語られています。

彼の論理の基本は、北米の黒人は白人のために尽くし働いて生きる「ニグロ」

と自分たちで勝手にやる「ニガー」に大別される、という処にあります。「ニグロ」

は無意識のうちに人種差別を肯定しその中で一生を白人社会に捧げますが、

結局は搾取され続けて終わるのです。これは人種差別社会に限らず見られる

現象で、例えば先日の沖縄県知事選で敗れた佐喜眞淳候補は時の権力安倍晋

三に勘違いして擦り寄って利用され、最後には銃弾尽き刀折れ見捨てられま

した。初入閣なんて言ってはしゃいでるギーンさんたちも同じ様なもんだぜ。

世界中でこのような例は枚挙にいとまがありません。北米では肌の色と言う

分かり易い理由が差別の根拠ですから、余計に露わです。ラップ・ブラウンはそう

いった主体性を持たない惨めな存在を「ニグロ」と呼んでいます。

一方「ニガー」は白人社会に対するに報われない献身をせずに、自分たちの

流儀で権利も主張して生きる黒人たちですから、当然ながら最後は白人にな

ぶり殺されて終わります。「ニガーよ、死ね」と言うこの著作の題名は白人の誰

もが持っている意識を言葉にしたものですが、逆説的に自分たちの存在をも

否定する意味合いが感じ取れます。

全編かなり激しい口調で語られていまして、それが60年代に彼が生きてき

た北米の人種差別をはっきりと縁取ります。読むのがつらくなる程に酷い部

分も沢山あります。実際に今も特に警察官による暴力、発砲事件などを見聞

きすれば、この「差別」は根絶されていない事がお分かりでしょう。

先に紹介したラップ・ブラウンの語りは『ブラック・パワー』と言う2004年に出た

2 枚組CDからのトラックです。そこに録音詳細はないものの、これはこの著作

「ニガーよ、死ね」の最終章に収められている「デトロイトでの演説」からの抜粋

のようです。

ここでは

この国は暴力から生まれたのである。

暴力はチェリー・パイと同じようにアメリカ的である。

と綴られているのです。ほとんど同じ内容でしょう。彼は非暴力学生委員

会の代表を務めながら、「暴力は革命的な闘争の必要な部分である」と、それ

を否定せず、自身も銃を帯同していた事を語っています。革命のために暴力

を行使したかどうかは不明。

ここで「チェリー・パイ」と言う単語が用いられているのが、わたしは気になっ

ていました。辞書で調べると北米社会では「あって当たり前の物」の比喩で

 

使われるのだそうです。なるほど、合点が行きます。「アメリカでは暴力はあって

当然」 なのです。ただしこの「チェリー・パイ」、「シュガ」「ハネ」などと同じよう

に、愛しい人を例えて表現する場合にも用いられるのは、勿論で御坐います。

 

M11.Nothing Can Change This Love(2’36”)Sam Cooke

-S.Cooke-  RCA  PD87127

 

N  サビで「君はリンゴ、チェリー・パイ」と唄われるサム・クックの「ナッシング・キャン・チェインヂ・

ディス・ラーヴ」でした。ここでの「チェリー・パイ」がわたしの頭に引っ掛かってい

たのであります。

さてここからは、「ヒップホップ前夜」に引き続き「森岡賢一郎 編曲のツボ」の

復讐戦を行います。

まずはこれから。西田佐知子「涙のかわくまで」。

 

M12. 涙のかわくまで (2’39”)西田佐知子 

-S.Tsukada, H.Miyagawa-   ユニバーサル UICZ-6041

 

N  「涙のかわくまで」、西田佐知子でした。若干ブガルーを意識したリズムが心地

よく、弦と管のあしらい方はモロに森岡賢一郎流。中村晃子「虹色の湖」にも

通ずるこの手のエレキ歌謡でも彼の才能は冴えてます。いや、素晴らしい。

次は1960年後半に「作曲者不詳」のまま競作となってそれぞれが固有の詞、

編曲で競い合った「夢は夜ひらく」です。これは70年に発表された藤圭子の

その名も「圭子の夢は夜ひらく」が圧倒的ですが、初出は園まりの66年版で、

この編曲を森岡賢一郎が担当していました。トレモロの効いたエレキとヴォックス・オルガ

ン、そこに絡むヴァイブラフォーンが、「来ない貴方は罪な人」の寂しい情感を醸し出

しています。

 

M13.夢は夜ひらく(4’05”)園まり

-T.Nakamura, S.Tomita, K.Sone-  ユニバーサル UPCY 9286

 

M14.夢酒場(3’23”)内山田洋とクール・ファイブ 

-T.Araki, K.Suzuki-  コロムビア  COCP-35453/4

 

N  「夢は夜ひらく」園まりに続きましては、内山田洋とクール・ファイブ「夢酒場」

でした。前川清は、本当に唄が上手いね。しかも気持ち良く唄ってるのが伝

わって来ます。こういうオーソドックスな汎歌謡曲をきちんと仕上げられるのは、

音楽の基礎がしっかりしている証拠です。彼は特に楽器の特性、楽音の効果

を理解しているなあ。若干遊び風なサビ導入部のベイスの動きがいいですね。

さて、戦後の日本にはありとあらゆる西洋大衆音楽が流布して、制作陣も

それらに振り回されていた感があります。職業音楽家なら、一年を通してハワイ

アン、マムボー、ロカビリー、シャンソーン、サーフィンなどなどを上手に扱えなきゃなりません。

タンゴも一部から熱烈な支持を受けていました。「これがタンゴだ」というラジオ番

組がありましたね。何回か聞いた事があります。

森岡賢一郎も仕事の中で「タンゴ」を料理しています。奥村チヨの「思い出の

タンゴ」がそれですが、「なぜこれがタンゴ何だろう」と疑問が湧くほど、全くタン

ゴでないのが何とも言えません。

 

M15.思い出のタンゴ(2’32”)奥村チヨ  

-K.Katagiri, J.DeShannon-  ユニバーサル TYCN-60010/11

 

N  「思い出のタンゴ」奥村チヨでした。声量、パンチに溢れたこの頃の彼女、とても

素敵です。

さて、次は「予想屋」ムジ日野さんが上げてくれた1曲。わたしは知らなか

ったな。この盤は幡ヶ谷のツタヤかどこかで中古を手に入れたもので、冊子の表

1と表4以外が抜け落ちていました。ですので録音楽曲詳細が分かりません。

「予想屋」ムジ日野さんの情報を信用してお届けしましょう。

森岡賢一郎編曲、「ドリフのパイのパイのパイ」。

 

M16.ドリフのパイのパイのパイ(2’40”)ザ・ドリフターズ

-S.Soeda, Y.Mori, H.C.Work-  TOCT-6352

 

N ザ・ドリフターズで「ドリフのパイのパイのパイ」スマップ並みに5人で斉唱、随所に薬

味を効かせたディスコ調のアレンヂが光ります。「ドゥ・ザ・ハッソー」という掛け声が何

度も聞かれますから、ヴァン・マッコイ「ザ・ハッスル」のヒット後1976年くらいの発表でしょ

うか。

さて「森岡賢一郎 編曲のツボ」今朝も、作者本人による原曲、そして森岡

賢一郎の編曲を経た完成形を較べてみましょう。

マナイタ曲は、これです。加山雄三「蒼い星くず」。

まずはランチャーズとの気楽な器楽演奏、そしてシングル曲として岩谷時子、森岡

賢一郎らによって整えられた完成版です。

 

M17.Three Blue Stars (2’37”)加山雄三

-K.Dan-  東芝  ドリーミュージック MUCD-1005

 

M18.蒼い星くず(2’21”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD-1002/3

 

N  如何でしょう。全体構成は殆ど変わりません。それでもこの仕上がり。人気

街道爆進中のスターが繰り出すシングル曲に相応しい出来映えと言えます。間奏も

原曲仕様と変わりがないように聞こえますが、節目で旋律を低い主音に戻す

所がミソ。ここにも冴え渡る森岡賢一郎手法が窺えます。

加山雄三を始めとして彼は東芝音楽工業の作品で沢山の傑作を生み出して

来ました。初期のワイルド・ワンズのヒット曲も彼の手で美しく仕上げられています。

その代表は「思い出の渚」でしょうが、全曲メムバのオリヂナルという意欲作品、

一枚目の『ザ・ワイルド・ワンズ・アルバム』の最後を飾った、「小さな倖せ」を聞い

て下さい。流れるような弦の旋律にご注意を。

 

M19.小さな倖せ(2’41”)ザ・ワイルド・ワンズ   

-The Wild Ones, K.Kase-  東芝 TOCT-8703

 

M20.Looking Back(2’22”)Joe Simon

 

N  「森岡賢一郎 編曲のツボ」の復讐戦は如何でしたでしょうか。「予想屋」ムジ

日野さんの一覧表を見ますと、わたしの知らない、かつ興味深い楽曲が沢山

あります。残りの人生で、このうちのいくつに出逢えるでしょうか。それも

大きな楽しみです。それらがまとまったら、また「森岡賢一郎 編曲のツボ」

第二集をお届けしましょう。ここまでお付き合い頂き、どうもありがとうご

ざいます。

さて秀逸なカントリー・バラッドは「ルッキング・バック」今度2枚組のベスト盤が出る

ジョー・サイモンです。このアルバムは来週もお聞き頂く予定です。お楽しみに。

 

M21.I Can’t Help My Self(6’10”)Bobby Broom 

-S.Wonder-

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の最後はボビー・ブルームとオーガニゼイションでスティーヴィー・ワンダー作品の「アイ・キ

ャント・ヘルプ・マイ・セルフ」、最新盤『ソウル・フィンガーズ』からです。

9月29日にオーティス・ラッシュが亡くなりました。10月1日にはシャルル・アズナヴール

も。今年は実に沢山の音楽関係者が他界しています。わたしの周りでも同じ

で、これまで毎月お葬式に出ています。先月は静岡ロックンロール組合時代の仲間、

ギタリストの岩崎孝弘が亡くなって、とうとう残りは3人だけになってしまいま

した。既に過半数がこの世にはいません。これも時の流れなのでしょう。乗

り越えて生きてやるぞ。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/93f7e72474f69f85df3b480cc52adb24cf66ed20

ダウンロードパスワードは、1c437qseです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/09/29

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TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようざいます。アサー、ワツシイサヲです。涼しいを通り越して、寒くなってき

ました。もう半袖シャツ1枚では居られません。気温が15度から19度です。

この位の温度では、記憶能力が向上するそうです。「朝の涼しいうちに勉強

しましょう」なんて標語が「夏休みの友」にあったのを思い出しますね。

さて今朝は酷暑の通り過ぎたアサーにふさわしい1曲から始めましょう。

ボビー・ブルームで「蒼い陰」。

 

M01.A Whiter Shade Of Pale(4’37”)Bobby Broom

-G.Brooker, J.Fisher, K.Reid-  Jazzlife N 77059

 

N  ボビー・ブルームで「蒼い陰」。これ正式な邦題は「青い影」何ですが、深い陰

影に富んだこの傑作は、「蒼い陰」の方が相応しいのではないでしょうか。オリ

ヂナル仕様で唄われている言葉は支離滅裂でして、ラリってる時の閃きではない

か、とわたしは見ています。

今の演奏はジャズ・ギタリストのボビー・ブルーム。60歳前のヴェテランです。デイヴ・

グルーシンのGRPオールスターズや渡辺貞夫の『オレンヂ・イクスプレス』に参加していた、

とありますから、わたしもどこかで出会っていたかも知れませんが、覚えて

いませんでした。『ソウル・フィンガーズ』というイカした表題の最新盤からです。

「カム・トゥゲザ」で始まるこの器楽演奏集は「ドゥ・イト・アゲイン」「俺のギター咽

ぶ間に」「サマブリーヅ」「ゲッレディ」そして「蒼い陰」など興味深い曲目がずらり。

過剰な派手さのない地味な響きは何処となく1950年代のオルガン・ジャズのLP

のようです。わたしは店頭試聴でいたく気に入りまして直ぐに入手いたし

ました。

今の「蒼い陰」は、「オーガニゼイション」というオリヂナル・トリオでの演奏。これが基

本編成です。他にはスティーヴ・ジョーダンなどが臨時差し込み演奏で参加していま

す。

ではもう一曲興味深い演奏をどうぞ。ジャスティン・トーマスがヴァイブラフォーンで加わ

った、

ボビー・ジェントリーの、いやキング・カーティスで知られた「オード・トゥ・ビリー・ジョウ」。

 

M02.Ode To Billie Joe(5’45”)Bobby Broom

-B.Gentry-  Jazzlife N 77059

 

M03.Looking For The Perfect Beat(7’00”)

Afrika Bambaataa & The Soul Fonic Force 

-A.Baker, J.Robie, Soul Sonic Force-  TBCD 1457

 

N  ボビー・ブルームとオーガニゼイションで「ビリー・ジョーの唄」そして、アフリカ・バムバータ・

アンド・ザ・ソウル・ソニック・フォースで「完璧ビートを探して」でした。ボビー・ヲマックは

60年代から「愛」を探していましたが、ヌーヨークのバムバータたちは「完璧なビート」

を1983年に追い求めていました。

唐突にオールド・スクール・ヒップ・ホップですが、これは先週放送された上越エフエムの

「サースデイ・グルーヴ」で漏れた1曲なんです。なんせ1時間番組でしょう。普

段と勝手が違います。まして12インチ・シングルの長尺物主体。泣く泣く落とした

名曲が幾つもありました。今朝はそれらを返り討ちです。

番組中でバムバータは大物となってからの作品で、ジェイムズ・ブラウンとの「ユニティ」

をお聞き頂きました。これはこれで大変結構でしたが、恵まれない制作環境

でムキになって新しいリズムを創り出そうとしていた頃の健気な姿にも、聞く人

の心を打つ物があります。その象徴がこの「無欠なビートを追い続け」でしょ

う。集団ユニゾーン・ラップ、貧弱な音響効果機器、薄っぺらなシンセサイザーの音色、

稚拙な仕上げなど、全てが時代遅れですが、未成年者たちの生命力が伝わっ

て来ます。いや今聞いても心を洗われる思いです。

バムバータはまずその名前、集団の長としての存在、そしてラップ、ブレイクDJ

的音響制作能力と、ヒップ・ホップ現象の全てを一人で備えていた点で別格でし

た。第一世代の最後に登場するのに相応しい属性をも持ち合わせていた男で

す。

ヒップ・ホップのDJ感覚はラップより先に一般化しました。その代表格はグラン

ド・ミキサ・DST。ハービー・ハンコックが「ロッキット」で起用して以来、彼の地名度はバム

バータの比ではなく、一躍時代の寵児となりました。なんせハービーだからね。

「ターンテイブルで音楽作っちゃう奴がいるんだって」とトーシロに持て囃され有名

になって行く過程を、「ラッパーズ・ディライト」以降、極東の島国でこの世界に精

通しているという自負を持つわたしは、横目で苦々しく見ておりました。

わたしはこの男からファンキなセンスをあまり感じなかった。そもそもハービーがファン

キじゃないからね。

「だいたいが名前からしてフラッシュのパクりじゃねえか」とばかりに、ね。

では、けなしてばかりいないで「ロッキット」以前のDSTの作品を聞いてみま

しょう。「ヒップ・ホップの故郷」、1984年の作品です。

 

M04.Home Of Hip Hop(3’49”)Grand Mixer DST

-D.Shward, T.Johnson-  Sessions  SESHDCD206

 

N  グランド・ミキサ・DSTで「ホーム・オヴ・ヒップ・ホップ」でした。

80年代初頭にヌー・ヨークの郊外の貧しい庶民の間から起こったヒップ・ホップ現象

は、このようにターンテイブルを操って音楽を進行させて行く、DJという職種を生

み出しました。彼等はまず沢山の音楽を聞き、記憶して、それを私物で消耗

品として所有していなければ務まりません。次にはそれらを選び出して繋げ

る感覚とその技術が必要とされる、高度な専門領域で生きていくのです。20

世紀末に全世界の音楽に対して多大なる影響を与えた、ヒップ・ホップ流儀の大

きな流れは彼等が産み出したと言えます。もちろんそこには、良いものだけ

があったあった訳ではありませんけれどもね。

他人の創造を分析し模倣し咀嚼して自分の物とするより、手っ取り早くそ

のまんま使った方が楽だし、カッコいいじゃん、というカッパライ思想は「サムプリング」

という響きの良い言葉に置き換えられて、20世紀末の主流文化となって行き

ました。その発端は彼等ヒップ・ホップのDJたちにあったのです。先週放送のサ

ースデイ・グルーヴ本編では、正にその象徴として「ディ・アドヴェンチュア・オヴ・グラン

ドマスタ・フラッシュ・オン・ザ・ウィールズ・オヴ・スティール」をお聞き頂きましたが、今朝

は映画「ワイルド・スタイル」にも登場したDJ、ファヴ・ファイヴ・フレディが、ヒップ・ホップ

現象に早くから目を着けたフランスのセルロイド・レイベルから発表したブレイク・ミクス、

「チェインヂ・ザ・ビート」をどうぞ。世界初のフランス語ラップが聞けます。

 

M05.Change The Beat(7’37”)Fab Five Freddy

-Material, B.Zekri- Sessions 206 SESHDCD

 

N  ファヴ・ファイヴ・フレディで「チェインヂ・ザ・ビート」でした。彼は映画「ワイルド・スタ

イル」の前宣伝で日本に来ている筈です。わたしが初めて接したブレイクDJでし

た。池袋のスタジオ200だったかな、至近距離でその技を確認しようとしたので

すが、見れば見るほど何をやってるんだか分からなくなりました。その位に

レコード遣いが鮮やかだった。

さて上越エフエムの「サースデイ・グルーヴ」で漏れた大変な1曲があります。それ

はグランドマスタ・フラッシュ・アンド・ザ・フューリアス・ファイヴの「ザ・メッセヂ」です。それ

までは、自分が「如何に美形で、洒落ていて、力持ちで、誰からも一目置か

れていて、どこでも顔パスで、綺麗な姉ちゃんたちの注目の的」であるか、を

延々と喋っていたラップ音楽の言葉を変えた楽曲です。

大都会の底辺で貧しさと闘いながら暮らす有色難民、移民の現実を、素晴

らしい音韻で表現した傑作「ザ・メッセヂ」。ヒップ・ホップを紹介するのなら絶対

に取り出さなければいけない1曲だったのですが、収録直前の選曲決定です

んなりと外してしまいました。今朝はその後で思い出した7インチのドーナツ盤用

に編集された最短尺仕様をお聞き頂きましょう。

1982年、グランドマスタ・フラッシュ・アンド・フューリアス・ファイヴ、

3分10秒の「ザ・メッセヂ」。

 

M06.The Message(3’10”)Grand Master Flash & Furious Five

-E.Fletcher, M.Glover, S.Robinson, J.Chase-  Union Square METRDCD606

 

N  おそらく7インチ盤の短尺版「ザ・メッセヂ」、グランドマスタ・フラッシュ・アンド・ザ・フュ

ーリアス・ファイヴでした。通常の7分超に慣れてしまった耳には、確かに短くて

物足りないですけれど固有のビート、ジリジリと切迫してくる恐怖感は失われて

いませんね。時空を超えた確かな傑作です。

この「北米大都会裏側からの主張」は世界中に響き渡りました。これ以降

「如何に美形で、お洒落で、力持ちで、誰からも一目置かれていて、どこで

も顔パスで、綺麗な姉ちゃんたちの注目の的」的な自画自賛は影を秘め、様々

な社会的不平不満がビートに乗せて語られるようになります。人種差別という

高く厚い壁が厳然と存在し続けた北米合衆国では、昔から極く少数ながらも、

圧倒的白人優位な不均衡を叫び続けた人たちがいました。かつてのその種の

指導者も再認識され、彼等の生前の演説をコラージュしたヒップ・ホップの傑作があ

ります。これも「サースデイ・グルーヴ」でお届けできなかった1曲です。

「ノー・セル・アウト」マルコムX。

 

M07.No Sell Out(5’40”)Malcom X  

-Malcom X, K.LeBlanc-  Tommy Boy TB 840

 

N  マルコムXの演説をとても上手にコラージュした「ノー・セル・アウト」でした。これ

を作ったのが、デューク・ブーティという、先程の「ザ・メッセヂ」にも関わっていた

男です。この頃には録音関係の周辺機器がディジタル的に長足の進歩を遂げまし

て、高度なターンテイブル操作技能がなくても所望するフレイズを切り貼りする事が、

以前より容易に出来るようになりました。ブレイクDJたちはこの現場に雪崩れ

込んで新時代の響きを模索したのです。「ノー・セル・アウト」はその成功例で、デュ

ーク・ブーティはこの後ソロ・アルバムを発表するまでに至りました。

仇花的に見られていたヒップ・ホップ要素は、行き詰まった商業大衆音楽の突

破口として用いられました。ポップ曲をブレイクDJ感覚で仕上げたり、ラップを盛

り込む手法です。

ではそれが素晴らしく上手く行ったこの1曲をどうぞ。

シャカ・カーン、「フィール・フォー・ユー」。

 

M08.Feel For You(4’09”)Chaka Kahn

-Prince-  Warner  PRO-A-2185

 

N  シャカ・カーン、「フィール・フォー・ユー」でした。ラップはフューリアス・ファイヴの中心人物メリー・

メルです。これが1984年の大ヒット曲。この頃すでにランDMCたち、つまり第二

世代が台頭し始めまして、ヒップ・ホップは全面的に更新されます。機械による

自動演奏は当たり前で、わたしにはそれが音楽のダイナミズムを失ったように聞

こえ、徐々に遠ざかるようになりました。皮肉な事にこの時期からヒップ・ホップ

現象は世の中で肯定されるようになり、その感覚はあらゆる領域で根付いて

行くのです。ひとことで言えば、安易で便利だったのでしょう。その他、風

俗のカジュアル化への引導はヒップ・ホップが渡したようなものです。

どうもこの話題になると言いたい事がたくさん出てきます。もう少し纏め

て、いつかまたお話ししましょう。「ヒップ・ホップ前夜」の復讐戦、ここ迄です。

さて今の「フィール・フォー・ユー」はプリンスの書いた曲でした。今週レコード店に出掛

けたらありましたよ、以前から噂になっていたプリンスのピアノ曲集が。興味がず

っとありましたから、即座に入手。既に何回か通して聞いています。録音が

同一ステューディオなので、この盤のためのセッションかとも思われますが、未完成デモ

や気分で唄っているトラックも散見されますから、死後残された録音を編集した

ものと言っていいでしょう。

何でもテッテ的にやるプリンスなので想像は出来たのですが、それ以上のピアノ演

奏技術には驚きました。いい加減な和音弾きではなく、両手がしっかり機能

しています。冒頭には技術者に指示する会話も入っていますから、常時他人

が立ち会っていたんでしょうが、完全に孤独な宇宙に飛んで唄い弾いている

のも凄い。プリンスの録音として完全に仕上げた作品は、わたしには過剰である

事が多く苦手でもありますが、これはいい。プリンス・ネルスンが見える。

今朝は「パープル・レイン」、ジョーニ・ミッチェルの「ア・ケイス・オヴ・ユー」、「メアリー、ドント・

ウィープ」の3曲を続けて聞いていただきましょう。実際に続けて唄ったかどう

かは分かりません。おそらくは緻密な編集が施されている筈です。こういう

所もわたしには少々煩わしい。もう本人がいないのに、彼の意思が受け継が

れているのでしょうか。

ではお聞きください。

プリンスの新譜『ピアノ・アンド・ア・マイクロフォーン1983』からです。

 

M09.Purple Rain(1’27”)~A Case Of You(1’44”)~Mary Don’t You Weep (4’43”)

Prince

-Prince, J.mitchell, trd.- Warner Bros. 603497861293

 

N  「パープル・レイン」、「ア・ケイス・オヴ・ユー」、「メアリー、ドント・ウィープ」、プリンス、『ピア

ノ・アンド・ア・マイクロフォーン1983』からでした。無理やり繋げているから、次の「風

変わりな関係」の冒頭部分が出てしまった。失礼。

さて「サースデイ・グルーヴ」でも紹介した詩人ギル・スコット・ヘロンのようなスタイル、

つまり厳選された音楽を背景に朗読をするという形で主張を続けている人間

は世界中に居ます。リントン・クワシ・ジョンスンのような「ダブ・ポエット」はその代表

でしょう。

上手な朗読を聞くのは大変宜しい物です。だいぶ前ですがNHKのFM

放送ではお昼前に朗読の時間がありまして、わたしはよく聞いていました。

朗読こそラジオ深夜便などで取り扱う最良の材料の筈ですが、昨今はどうなん

でしょうか。モーニン・ブルーズでも「現」時代には仮想敵「ラジオ深夜便」をぶっ

飛ばすべく、「朗読の時間」を考えましたが、わたしのこの声では、絶対に成

立しませんね。今年、何回かミーディアを通して自分の語りを聞く機会があって、

その都度「ひどい声だ」と実感しております。本当にこれは人に聞かせる声

ではない。

さて次は美しい声を持った音楽詩人、朗読家のひとり、ニキ・ジョヴァンニです。

この女性を知ったのは1975年の作品がCDになって出た2012年の事でした。

コーネル・デュープリー、リチ・ティー、ゴードン・エドワーズという後の「スタッフ」が演奏を付

けています。加えてこのトラックは、バナード・パーディがドラムズ。

ではニキ・ジョヴァンニ、「ザ・ウェイ・アイ・フィール」。

 

M10.ザ・ウェイ・アイ・フィール(2’’54”)ニッキ・ジヨバンニ

-N.Giovanni, A.Mardin-  WPCR-27520

 

N  如何でしたかヌー・ヨークのR&B詩人ニキ・ジョヴァンニの「ザ・ウェイ・アイ・フィール」。

それでは日本代表、横浜生まれのダブ・ポエット、ランキン・タクシーでお聞き下さい。

「誰にも見えない、匂いもない」。

 

M11.誰にも見えない、匂いもない(4’00”)ランキン・タクシー

-T.Shirahama-  ワツシ / ヴィヴィド WAZCD-002

 

N  続々と核発電所の操業再開が裁判所で認可され始めました。今後は徐々に

東北大地震で停止される前の状態に戻るのでしょう。あれから7年間核発電

なしに過ごせたという事は、こんな物は必要ない事の証明です。わたしは地

震が起きたら危険だから、ではなくて「核発電そのものから手を引け」とい

うのが主張ですが、現状は「これ以上停めたままだと、電気代が上がる」と

脅かされて、誰も見て見ぬ振りです。そんな事は絶対ない。わたし達はこれ

まで英知を集約し技術改革を実現させて、この種の困難を克服してきたでは

ありませんか。この7年間に風や太陽光、地熱による発電技術開発利用への

参入を自由にして競争させたら、絶対に世界一の自然発電国になれた筈です。

わたしたちは優秀なんだ。

そうしないのは、すでにこの国の政財官の中に核発電ムラという巨大な世界

が出来上がってしまっていて、戻れなくなっているのです。東海核発電所は

40年で廃炉する約束でしたが、その期限ギリギリに20年の使用延長を通すん

ですよ。詐欺だ。他所では新設なんていう時代錯誤の馬鹿げた話もあるらし

いし、こんな危険な施設を海外で造るのを手伝ったりもしている。何てこっ

た。隣国に核廃棄を迫っているのにです。

山道で迷った時、必要なのは引き返す勇気です。関わってる誰もが、自分

の生きているうちは大丈夫、と考えているでしょうが、地球の我慢にも限り

があります。今の「誰にも見えない、匂いもない」は31年前、1987年の作

品です。この時に想定していた仮説が全て事実となっているのに気がつかな

いのでしょうか。この録音は『ジャパニーズ・レゲエ・ファンデーション・ミックス』という

新譜に引用されているようです。それを通じて事実に気づいて貰えると有難

いなあ。

「またか」とウンザリしないで、核発電のゆくえから目を離さないで下さい。

さて樹木希林が好きだったという「朝日のあたる家」のリクエストが来ていまし

た。1965年の録音でどうぞ。内田裕也が寺内タケシとブルージーンズをバックに叫び

ます。

 

M12.朝日のあたる家(3’51”)内田裕也 寺内タケシとブルージーンズ  

-A.Price-   東芝 TOCT-11140/1

 

M13.バラ色の桜ンボの木と白い林檎の木(3’13”)イヴェット・ジロー  

-Louiguy, L.Jacques, T.Iwatani-   コロムビア COCP-39523

 

N  カタコト英語の次は片言ニホンコ。イヴェット・ジローで「バラ色の桜ンボの木と白い林檎

の木」でした。この歌は「セレソ・ローサ」という題名の他に「チェリー・ピンク・チャチャ」

という名前も持っています。場所によっては「チェリー・ピンク・マムボ」とも呼ば

れているらしい。この事は先週出掛けた見砂和照(カズアキ)と東京キューバン・ボ

ーイズの演奏会の曲目紹介で知りました。キューバン・ボーイズなら、マムボですね。

このラテン楽団は和照の父、直照(タダアキ)が戦後の1949年に結成し、生の大

型楽団の受難期が始まる1980年に一度解散しています。2005年に本場クーバ

からお声がかかったのを機に、和照が一切を引き受け再結成したそうです。

彼は美乃家セントラルステイションという演奏集団を主宰しドラムズを担当していて、大橋

純子のバックで演奏していたのが知られています。わたしも「キューバンの見砂さ

んの息子だよ」と教えてもらった事があります。その時のギタリストはマー坊こと、

土屋の昌己でした。

ここまでに至るにはもっと複雑ないきさつがあったのでしょうが、東京キュー

バン・ボーイズは、今でも素晴らしいラテンの響きを聞かせてくれます。この日バン

マスはビッグ・バンドの窮状を訴え、このように響きの良い場所で思い切り演奏

できる事は本当に嬉しいと、歓びを全身で表現していました。わたしも感動

です。2018年9月17日は、とても素晴らしい1日になりました。

では手元にある東京キューバン・ボーイズの録音から、「花笠踊り」をどうぞ。

1970年発表の作品です。

 

M14.花笠踊り(3’13”)見砂直照と東京キューバン・ボーイズ 

-trd.arr.N.Maeda-  コロムビアCOCB 54062

 

N  「花笠踊り」、これはバンド・マスターが先代の見砂直照時代の録音ですね。彼ら

は数え切れない程のレコードを吹き込んでいて、このような日本の伝承音楽を素

材にした企画盤も何種類か出していました。クーバのオリヂナルに対抗する思いも

あったのでしょう。戦後の動乱が収まって進駐軍がいなくなると、欧米追従

の主体性のなさが見直され始め、特にジャズの世界ではこのような試みが多く

見られました。そんなひとつの例、「ホーハイ節」を聞いてもらいましょう。三橋

貴風という尺八奏者を、邦人ジャズプレイヤーたちが盛り上げます。1976年の作

品。ギターは杉本喜代志ですよ、あの。

 

M15.ホーハイ節(3’41”)三橋貴風、山屋清  

-trd.-  コロムビア COCB 54062

 

N  三橋貴風の尺八で「ホーハイ節」でした。70年代によく見られた他流試合の一

例です。この頃は山本邦三という尺八奏者がクロス・オーヴァな活動をしていまし

てね、よくジャズ演奏家たちと手を合わせていました。

さて17日に福生までキューバン・ボーイズを観に行ったのは民謡クルセイダーズとの

合同コンサートだったからです。民クルは福生のグループで、一方キューバン・ボーイズには

この町の在住者がいて、それが縁となって実現した音楽会でした。市民会館

で文芸員のような女性が司会を務めて、曲目紹介などをしたり、和照バンマスと

絡んだりする演出は今時得難いもの。それなりに面白かったですよ。先ほど

の「チェリー・ピンク・マムボ」という呼称もこの場で聞きました。

当日は大先輩キューバン・ボーイズに敬意を払って、まず前座で民クルが登場。地

元の英雄たちの凱旋とあって、贔屓筋が立ち上がって踊り出しました。酔っ

払いのタコ踊り的ではなく、溌溂とした若さと元気一杯。脇のP.A.スピーカー前で

したから誰の邪魔にもならず、雰囲気も盛り上がりました。生DJ会でよく見

かける顔もいましたね。

一部が無事終了して休憩の時にロビーに出たら、係員に苦情を伝えているお

ば様たちがいます。興味が涌いて側で聞き耳を立てました。するとあの贔屓

たちの騒ぎに抗議してるんです。「ライヴハウスじゃあるまいし」とか「わたし達

は聞きに来たんです」。見るからにお行儀の良さそうな、見識豊かで、保守的

な方々でした。昭和40年代のご意見です。わたしは一瞬、信じられなかった

な。係員は平身低頭で苦情を聞くばかり。案の定、二部のキューバン前には「ど

うぞお座りになったままお楽しみ下さい云々」の一言が入りました。その前

のキューバン紹介で「ラテン音楽は聞く愉しみ、そして観る愉しみもあります」とか

も言ってましたが、何より「踊る愉しみ」が一番じゃないのかな。本番中に

舞台の上で上手なペアのダンス演出があっても良かったと思った位です。

こんな事があっても会場は険悪な空気にならなくて幸いでしたが、和照バン

マスを始めキューバン・ボーイズも、ほんとは踊って欲しかった筈です。かつてのナイト

クラブのように。東京都福生市2018年秋の出来事でした。

では民謡クルセイダーズ、一枚目のアルバムから、

今と同じ「ホーハイ節」、48年間の隔たりや、如何に。

 

M16.ホーハイ節(5’12”)民謡クルセイダーズ

-trd.-  Pヴァイン  PCD-23218

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  木曜日の上越エフエム放送「サースデイ・グルーヴ」を聞きました。門外漢のわたしの

歌謡曲紹介ですから、仕上がりには自信がなかったのですが、とにかく面白

がって聞いている様子は伝える事が出来たようで、ホッとしました。

放送に先立ってムジ日野さんが「流されそうな曲目」リストを揚げてくれてい

ます。これが驚異的充実度でして、わたしも「和久田竜」「ベイビーツ」などの

名前にはトキメキました。来週は今朝に倣って、「泣いて別れた森岡健一郎編によ

る名曲集」でも行きましょうか。やはり世界最強の大衆音楽は歌謡曲です。

親切なお方のお陰で、わたしもツイターが読めるようになりました。本編に反

映は無理かなあ、大家さん。共益費が必要ですか。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/a46e39ba4a61cf496211ecdb212f54732908ed72

   ダウンロードパスワードは、2stgy3ihです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/09/22

mb180922

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。ワツシイサヲです。

生きるものが必ず直面するのが「死」です。生きていない物質でも「滅び」

の形で全ては命を全うするのです。大きな災害が続き、否応無しの状態でこ

の「死」「滅」に迫られた今年の夏。その最後にまたひとつの大きな最期があ

りました。ご冥福をお祈りいたします。

合掌。同志たち、静聴せよ。

 

M01.マンジョキ ロックンロール(2’28”)

内田裕也&1815ロックンロールバンド ジョキ安とトメさん(ふくとめのりお)

-Y.Jou, K.Kase-  ワーナー・パイオニア  L-1141E

 

N  ご静聴に感謝いたします。「マンジョキ ロックンロール」、内田裕也&1815ロックンロールバンド

ジョキ安とトメさんでした。これは1973年頃の毎日夕方に日本テレビで放送され

ていた子供向け報道番組「マンガジョッキー」の主題歌です。当時のワーナー・パイオニア

洋楽部長折田育三が制作責任者となって、親交の厚かった内田裕也に持ち込

んだお仕事でしょう。

演奏は、ギターが水谷公生、ピアノは大石洋三、ベイス岡沢章、そしてドラムズが

和田ジョージ。現場監督は大野良治です。これらの面々をご存知の方はご存知

ですね。当時の裕也人脈です。作曲が加瀬邦彦だったのは知らなかった。

番組はジョキ安という人形が主役で、トメさんことふくとめのりおがキャスターを

勤め、子供に馴染みのある社会現象を分かり易く語っていました。わたしが

観ていた頃はキャスターが江戸家子猫、今の猫八に交代していました。アイヴィー調の

服装がよく似合ってたなあ。とても清潔な印象が今も残っています。

6時半頃からだったな、今のチャック・ベリーのイントロで番組は始まります。多分

誰にも関係なかったでしょうが、この主題歌にわたしは毎回反応していまし

た。それで唄が「あ、裕也さんだ」ですから、レコード店でこのシングルを見つけ

た時は嬉しかったですね。即座に購入しました。

その内田裕也夫人の樹木希林が亡くなりました。北陸の旅から帰って来て

最初に聞いたヌーズがこの訃報です。つい先だってまで元気でテレビに出ていた

ので、驚きでした。このふたりは築地の本願寺仏前結婚式を挙げた筈です。

仏教徒だったのかな。

常に避けられない自らの「死」に向き合ってあらゆる物事の価値を決めて

いた彼女の「生き」方は、とても魅力的でしたね。最近の話で「あの世でや

って行くのはとても大変で、現世の比ではない」、と本気で心配していたのが

面白かった。誰でも安らかに死を迎えることで楽になると信じています。黒

人奴隷に対するキリスト教では、「死」で悩み苦しみから解放される事だけが救い

なのです。

誰から聞いたかは知りませんが「あの世の方が大変」説が正しいとなると、

わたしたちは死ぬ事も出来なくなってしまいます。これはもっと大事だ。ど

うしましょう。

その解決は各々それぞれにおまかせして、ここに彼女の生前の功績を讃え、

夫内田裕也の唄うオリヂナル・ヒット曲「マンジョキロックンロール」、お送りいたしました。

あの世も大変でしょうが、上手くやって下さい。

 

M02.Boogie On Reggae Womann(4’58”)Bart Brandjes

-S.Wonder- Woodward Avenue  nonumber

 

N  冒頭からお話が長くなりました。今朝は先週末の土曜日に上越市の古い映画

館「高田世界館」で行った皿回し合戦、ピーター・バラカンとのピンポンDJを片側再

生してお届けします。「片側」といいますのは、相手のサーヴ、レシーヴ、スマッシュは

手元にありませんので、自分の打った玉しかお届けできないからです。ご了

承下さい。

上越エフエム「サースデイ・グルーヴ」番組ブログ(https://blog.goo.ne.jp/kurenai-king)

には両者の打ち合いの模様が掲載されていますので、参照して頂ければ幸い

です。

今お聞きいただいたのはバート・ ブレンジェスの「ブーギー・オン・レゲ・ヲーマン」で

す。以前「幻」でもお届けしております。オランダ人がアメリカ西海岸で録音した「リ

ール・ライフ」というアルバムからでした。

これが対戦相手にはエラく受けまして、すぐにその場で「コピーさせてくれ」

と申し込まれた程です。わたしとしては大いに意外ながら、無事試合開始と

なりました。

これに先方はマーシャ・グリフィスの「若く才たけて黒人で」を返して来ました。

いきなりこんな大曲で攻め込まれました。そこでわたしがスマッシュを狙ったので

すが、打ち損じで出てしまったのが、これです。

ジェフ・カスカロで「レッツ・ステイ・トゥゲザー」。

 

M03.Let’s Stay Together(6’25”)Jeff Cascaro    

-W.L.Mitchell, A.Green, A.Jackson-   herzogrecords  901026 HER

 

N  ジェフ・カスカロの「レッツ・ステイ・トゥゲザー」、これも「幻」重度聴取者の方々には

お馴染みですね。ドイツの唄い手で緻密な作業ぶりが印象的です。

この日は主催者から「PCで音楽を出してくれ」という要望があり、それに

従いました。ただわたしは普段PCで音楽を聞いていませんし、所蔵盤を全て

呑み込ませている訳でもありません。便宜的に使いますが、倉庫に何が入っ

てるかも把握出来ていない。ですから、この試合のための専用楽曲を改めて

入れたプレイリストを作って臨みました。ただ操作に慣れてないのでこのように間

違って出てしまった訳です。でも上手く誤魔化せました。

そして次。前の曲がアル・グリーンだという事で、彼の最新録音曲「涙のしずく」

を聞かせて貰った後、わたしはコーナー奥を突きました。

「プリーズ、プリーズ、プリーズ」、ベン・ランコー・ソウルです。

 

M04.Please Please Please(2’53”)Ben L’oncle Soul           

-J.Brown- Rambling Records RBCP-3147

 

N  ベン・ランコー・ソウル、「シュルブプレ、シュルブプレ、シュルブプレ」、これを相手はJBの

没テイクと聞き違えたらしい。ま、その位にクリソツな仕上げですけれどもね。声が

違うでしょ、全然。

ベン・ランコー・ソウルはフランス人。こういった60年代のソウル音楽を愛好している男

です。日本にも何度か来ているようですね。実演はどんなだろう。この国に

もJ.B.に心を奪われている人間は何人もいまして、中には舞台構成から使用

楽器までをフル・コピーしている集団もありました。ただそういうのは見ていて

痛々しい印象もあります。「何もそこまで・・・」という気持ちですね。

さて今の「プリーズ、プリーズ、プリーズ」をヴァン・モリスンがいたゼムの「ベイビ、

プリーズ・ドント・ゴウ」で返された後、わたしが出した手は、

ニコ・ウエイン・トゥーセイントの「コトン・クロップ・ブルーズ」です。

 

M05.Cotton Crop Blues(2’27”)Nyco Wayne Toussaint  

-J.Cotton-  BSMF 2573

 

N  「コトン・クロップ・ブルーズ」、ニコ・ウエイン・トゥーセイントでした。これには元ブルーズ・ハ

モニカ奏者、フランス人だという事も含めて、かなり反応していましたね。彼のバンド

の実演映像を試験前の一夜漬け的に観たばかりだったので、衣装とか動きが

フランス的だった、と話したらば、随分と興味を掻き立てられていたようです。

演者のファミリ・ネイム「トゥーセイント」に引っ掛けてアラン・トゥーサンの「カントリー・ジョン」

で応酬された後にわたしがもう一度突いたコーナーは、魔のJ.B.交差点。

西アフリカはベニンのダンス・バンド、ニョナス・ペドロと彼のダジェズ・バンドで

「愛の価値」です。

 

M06.How Much Love Naturally Cost(6’19”)      

Gnonnas Pedro And His Dadjes Band

-unkown-  Analog Africa AACD 086

 

N  ニョナス・ペドロと彼のダジェズ・バンドで「愛の価値」、彼らの本拠地ベニンは19

世紀にイギリスに占領されていまして、その後もこの国との関係が続いている筈

ですが、その割にはなんともカタコトな英語のMCでしたね。

彼らはジェイムズ・ブラウンの影響下にある、というかJ.B.の影響を受けて帰っ

たフェラ・クティに刺激されていると思われますが、6分余りの連続演奏を聞いてい

ると、こっちの方が原形ではないか、そんな気持ちにもなります。

ピーターの次の一手はジャー・ヲブルでした。何故だったかは思い出せません。そ

してもう一打、魔のJ.B.交差点を攻めます。

「チョムボ、パラティエンダ」、ソウル・アパロとフレデリック・クラークです。

チョムボ。

 

M07.Chombo Pa’ La Tienda(3’18”)Soul Apollo with Frederick Clarke   

-F.Clark-  Sound Way SNDWCD018

 

 

N  ソウル・アパロとフレデリック・クラークで「チョムボ、パラティエンダ」でした。以前「幻」で

やったみたいにタモリを呼んできたかった。でもどうだろう、ウケを取れたかな。

会場に集まってくれた人たちは、皆さん熱心な音楽愛好家。しかもなかな

かお詳しい。先のフェラ・クティやニコ・ウェインの行りでは客席から助けてもらいまし

た。どうもありがとうございます。

ジェイムズ・ブラウンとボビー・バードの掛け合いを、漫才のボケとツッコミ的に再現し

ていたソウル・アパロとフレデリック・クラークの「チョムボ」には、エチオピアのJ.B.インフルーエンスド・

ダンス・バンドを聞かせて貰いました。

そしてわたしはフランス人ミキサー / DJ、ソウル・シュガーの

「ワイ・カーント・ウイ・リヴ・トゥゲザー」を返します。

 

M08.Why Can’t We Live Together(5’20”)   

Soul Suger feat.Leonardo Carmichael 

-T.Thomas-  Gee Recordings GEE CD001

 

N  リオナルド・カーマイコーというおそらく英語を母国語とする唄い手を起用した「ワイ・

カーント・ウイ・リヴ・トゥゲザー」でした。これにはクリーヴランド・ワトキスという90年代

に台頭した黒人歌手が返って来ました。これも意外でした。

そして次。開演前の試演で流したら「これ、エイミ・ワインハウスか」と尋ねられた

イナ・フォルスマンで「アイ・ヲント・ア・リル・シュガー・イン・マイ・ボウル」。

 

M09.I Want A Little Sugar In My Bowl(2’54”)Ina Forsman

-N.Simone-  BSMF 2490

 

N  この日は特別な音響装置を持ち込んではいませんで、PCのイヤフォーン端子から

ミニ・ステレオ・プラグで取り出して、ピンの延長接続で繋いで調整卓に入力すると

いう@驚く民生仕様だったのですが、音声が非常に良く、今のイナ・フォルスマンの「ア

イ・ヲント・ア・リル・シュガー・イン・マイ・ボウル」は、殊更に心地よい響きでした。伴

奏のピアノの低音弦の鳴りが綺麗で、家に戻って聞き直した位です。音量も丁

度良かったですね。ただこの古い映画館は防音遮音などされていないので、

外に丸聞こえだそうです。満員で会場に入れなかった人たちが外でそれを聞

きながら一緒に唄っていた・・・あ、それはないですね。

「シュガー」へは、「兄弟、俺は腹減ってんだ」という今年のライヴ・マヂックに出

演するジョン・クリアリで打ち返されまして、わたしが送ったのは「ハラペコ・ハートの

子守歌」です。

 

M10.Hungry Heart(3’23”)The Blue Beaters 

-B.Springsteen-  Record Kiks RKX048

 

N   ブルース・スプリングスティーンの「ハングリー・ハート」、ブルー・ビーターズというスカを得意と

する中の良さそうな5人組。イタリアのグループです。ビッグ・バンド・ジャムプ、カント

リー・スイング、そしてスカタを楽しく演奏したい第四世代の大所帯楽団が世界中に

居る事の証明です。

これに対してバラカン氏はスプリングスティーン「ファイア」からの連想で、同じポインター・

シスターズがバック・グラウンド・ヴォーカルで参加したタージ・マハルの

「スウィート・ホーム・シカーゴ」で切り返して来ました。これ、とても良かったです

よ。

 

M11.Sweetest Berry(3’46”)Ed Motta 

-unknown-  PCD-24767

 

N  今度はわたしが「スウィート」でこじ付けました。ブラジルのエド・モッタの最新盤

から、「スウィーテスト・ベリー」。英語で唄われている北米産のポップ音楽のような仕

上げです。こういうのがフツーになっている社会、時代にちょっと抵抗があるわ

たしは、今回あえて英語を母国語にしない民族の英語の歌を集めて、それを

言語にうるさいピーター・バラカンに聞いて貰ってご意見を、という狙いだったの

ですが、あまりうまく引っ掛かって来ませんでした。発音への文句はなかっ

たので、そこは全員合格だったようです。

わたしとしましては、第二公用語のように英語が通用する欧州での話から

この国、日本の社会、時代の話に持って来たかったのです。次の機会には直

接的な具体例を突きつけて、意見を聞いてみたいと考えています。

さて、「スウィート」の欧州には決定的なスタッフの「マイ・スウィートネス」で返して来まし

た。ここでスティーヴ・ガッドの話から、スタッフの初来日、晴海の見本市会場で行わ

れた「ローリング・ココナッツ・リヴュウ」の昔話が盛り上がり、最後の1曲はふたりの

打ち納めとして、1976年モントルーへ登場したこのグループの最高傑作実況録音か

ら「ブーギー・オン・レゲ・ヲーマン」を聞いて貰いました。

現場ではちょっと混乱してゆっくりお届け出来なかったので、今朝はその

前の「ヨー・ソー・ビューチフォー」から、最後の「サテン・ソウル」までを通してお聞きい

ただけます。CD盤のクレジットが「Do It Again」になっている曲は、バリー・ホワイ

トの「サテン・ソウル」です。確か76年の放送の時も同じ紹介をしていたな。上越

で話題になったガッドのドラム・ソロ、堪能して下さい。

 

M12.You Are So Beautiful~Boogie On Reggae Woman~Do It Again(13’10”)

Stuff

-B.FisherB.Preston, S.Wonder, G.Edwards, C.Dupree,E.Gale, R.Tee-

Eagle Records  EP 20142-2   サテン・ソウル

 

M13.涙のしずく(3’36”)Al Green

-V.Keith, B. Peters-  Amazon Original No number

 

N  9月15日土曜日に行われた「ピーター・バラカンの出前DJ vol.11@高田世界館」

最後の1曲は、正式デビュー以降には結局越えられなかったスタッフ最高の演奏、

1976年のモントルー・ジャズ・フェスティボーでの実況録音からでした。記憶を頼りに再

現しましたが、現場にいた皆さんの中には、「いや、そこは違う」というよう

なご意見もあるでしょうから、どうぞご意見、ご感想をこちらまでお寄せ下

さい。大歓迎です。

続けましたのはその上越で知った「涙のしずく」アル・グリーンです。帰って来

てから早速アマゾンで探して、落としました。配信購入は3曲目かな。音楽自体

は聞けますけれど、物質的には何もないので、今ひとつ「買った」実感があ

りません。でも、すぐにこうなって行くんでしょうね。これからは落とした

ら自分でCD-Rを焼いて、ジャケットを作って、録音詳細を調べて、解説を書い

て仕上げる・・・、こんな作業が必要かも知れません。えらい手間です。

 

M14.エル・クンバンチェロ(5’52”)ペレス・プラード

-RHernandez-   ビクター  VICP-60806

 

N  さて東京に戻って翌日は福生に出掛けました。民謡クルセイダーズの地元凱旋公

演を観るためです。このグループの実演はまだ経験がありませんでしたか。し

かもこの日は東京キューバン・ボーイズとの共演です。どちらも楽しみでした。

結果を簡単に言えば、素晴らしかった、のひとことです。キューバン・ボーイズ

はかつて持て囃されたラテンのスタンダードをずらりと並べた圧巻のプログラム。きち

んとしたコンサートホールに響き渡る生の打楽器、管楽器の音はいいものですね。

最後に披露されたのが今の「エル・クンバンチェロ」、残稔ながら今朝は東京キューバン・

ボーイズではなく、ペレス・プラード楽団1970年の録音でお聞きいただきました。

当日の模様について詳しくは来週以降にお話しします。面白い事もありまし

た。どうぞお楽しみに。

さて、民謡クルセイダーズは最新の10インチシングルからお聞きください。イタリア人ミキサ

ー / DJのクラップ! クラップ!のリミクスで

「炭坑節」。

 

M15.炭坑節(6’09”)民謡クルセイダーズ     

-trd.-   Pヴァイン P10-6228

 

M16.旅立て俊徳丸 冷や醒まし惰撫(3’’47”)速水直樹

-trd.-  歌舞音曲 KB-1001

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  民謡クルセイダーズの「炭坑節」、クラップ! クラップ!のリミクスでした。彼らの活動は前向

きに肯定的に評価されています。この流れがもう少し太くなる事を願います。

伝統芸能の更新が、今の日本には絶対必要です。このような事を以前から世

間に相手にされずやって来たレイベル、歌舞音曲の出番も間近でしょうか。マヂカ。

2010年に発表された初音家賢治の「旅立て俊徳丸〜冷や醒まし惰撫をお聞き

頂きました。

さて、上越市はとても良いところですよ。以前新潟市へ行った時も感じた

のですが、新潟県は独立してもいいんじゃないか、とさえ思える位に豊かで

す。その豊かな文化的な表れのひとつが、今回の「ピーター・バラカンの出前DJ

vol.11@高田世界館」でありました。ありがとう、上越。

実は現地に着いてから眼鏡の忘れ物に気づ来ましてね。わたしは今これが

ないと 何にも見えず読めないんです。慌てて雁木の下を走って文房具屋を

見つけ、そこで緊急用老眼鏡を入手いたしました。それで何とか始められた

卓球選手権だったのであります。

ここ数週間、ツイタが表示されてませんが、何故だろう。投稿がないのかな。

大家さん、どうなってんの。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/dafd5066c7a283b86320b48799caf946bdf89a66

  ダウンロードパスワードは、6rih7t3fです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/09/15

mb180915

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  アサー、はいワツシイサヲです。急に涼しくなって来ましたね。お勉強をするにはピ

ッタリです。今日は上越で卓球合戦。彼の地の天候を想像するに、さぞかし気持

ちが良さそうです。でも事前に確かめて出かけなくちゃね。

今朝も爽やかに参りましょう。一曲めはこの人のこれです。打ち返せるか

な、この変化球。

 

M01.胸いっぱいの悲しみ(3’11”)沢田研二  

-K.Yasui, K.Kase-  ポリドール UPCY-6521/2/3

 

N  「幻」の重度聴取者の間でサワダといえば、名門オーサカゲーダイ卒業のあの人にな

りますが、こちらは沢田研二。夏が過ぎて涼しい風が吹き始めると、わたし

はいつも彼のこの歌を思い出します。あまりヒットしませんでしたからそれ程は

知られていない。そこがまた気に入っている理由のひとつです。確かロンドン録

音じゃなかったかな。弦のダイナミクスが違います。スケール感が大きい。ティムパニの使

い方、ニクいね。沢田研二で「胸いっぱいの悲しみ」でした。

タイガーズ時代から沢田研二は欧州進出を試みていまして、このセッションもその

一環ではなかったかな。ビージーズに楽曲を貰ったりしてましたね。英語詞の

「愛の逃亡者」なんてのもあった。仏蘭西にも目配りを怠らず、「巴里にひと

り」の頃は、向こうのテレビ番組にも出演してた筈です。わたしとしてはロンドン

よりパリの方が沢田研二には似合っていたように思えます。

ではその頃のシングル曲、フランスでヒットの実績のあった曲の日本語詞カヴァです。

「見せられた夜」。

 

M02.魅せられた夜(2’57”)沢田研二   

-J.Renard, K.Yasui-  ポリドール UPCY-6521/2/3

 

N  これは国内録音かな。編曲は東海林修。現場には加瀬邦彦もいた筈です。

他の歌謡曲とはひと味違う奥行きを感じますね。この路線で掴んだ手応えは

その後の沢田研二にかなり大きな影響を与えている、わたしはそう確信して

います。

それでも、1973年の「危険なふたり」、このヒットは圧倒的でした。これによ

って、沢田研二の世界は異常なほど拡大しました。この次のシングルがさっき

の「胸いっぱいの悲しみ」ですから、影が薄くなってしまっても仕方ないで

すね。いかにロンドン録音と言えども。

 

M03.危険なふたり(3’23”)沢田研二  

-K.Yasui, K.Kase-  ポリドール UPCY-6521/2/3

 

M04.シーサイド・バウンド(2’49”)ザ・タイガース

-J.Hashimoto, K.Sugiyama- ユニバーサルUICZ 6033

 

N   1973年夏の日本列島を席巻した「危険なふたり」でした。これは名作です

ね。いつ聞いてもカッコいい。演奏はドラムズが原田裕臣、ギターが井上尭之、鍵盤

が大野克夫の井上バンド。萩原「ショーケン」健一と組んだスーパー・グループ「PYG」

の失敗を糧に実力本位で編成した沢田研二専属楽団です。そしてここのベイス

担当が、タイガーズ時代からの盟友、岸部修三でした。続けて聞いて貰った「シー

サイド・バウンド」では彼のバリトン・ヴォイスがよく聞こえていましたでしょ。GSの

場合、自分たちで演奏している例は稀です。メイジャーなヒット曲の録音では特にそ

うですが、この時は岸部修三本人がベイスも弾いているのではないでしょうか。

そんな感じの単純なベイス・ラインです。

タイガーズのメムバでは彼が一番楽器演奏に熱心でした。最初は見た目重視の定

番ヴァイオリン・ベイスでしたが、すぐにより強力なフェンダー・ジャズ・ベイスに持ち替

えたしね。その実力で井上バンドにも参加したのでしょう。今は岸部一徳とい

う名前で役者をやってます。

この岸部修三の仇名が「サリー」なんです。彼は身長が180cm以上の背高ノッポ。

そこで「のっぽのサリー」に因んで「サリー」という愛称を賜ったのだそうです。

わたしはそう聞いていました。もちろん「サリー」は女の名前。ウイルスン・ピケットも

「じゃじゃ馬サリー」には苦労してました。

先ほどまで無理して「沢田研二」で通しましたが、彼は通称ジュリー。これも

女の名前。この辺りのお話は、多少の異論も含みまして「音楽雑誌エリス」の最

新号で語られています。「ロング・トール・サリー」と「チッチ」で3週間引っ張ったカマシ

も亀渕昭信大先輩に先を越されてしまった。これは仕方がないですね。

 

M05.のっぽのサリー(1’39”)ザ・マックショウ     

-Johnson, Penniman,Blackwell-  Bad Records IDCG 1003

 

N  只今お聞き頂きましたのはザ・マックショウという日本のロケンロー・バンドの「のっぽ

のサリー」です。2003年の発売ですからもう随分と前の盤です。全体の構成は

ほとんどビートルズのカヴァと同じですが、もっとテムポーを早くして音を過剰に粗

く仕上げています。パンク以降の時代背景を意識したのでしょうか。

家から歩いて30分ほどのところにポツンとバーがありまして、ギネスを飲まし

ている。通る度に気になっていまして、夏の暑い午後に立ち寄りました。そ

の時に流れていたのがジョニーとビート・ブラザーズ仕様の「マイ・ボニー」でした。「こ

れは映画『ノーウェア・ボーイ』のサントラか」と尋ねたところ有難い事にすぐに話が繋

がって、「いやザ・マックショウという日本のグループです」と教えて貰えました。

家で調べたらもう活動歴も長く、沢山のアルバムを出してました。今回はこの

「のっぽのサリー」が必要で、1枚目を手に入れました。グッドールド・ロケンロー曲の

他にオリヂナルがいくつかあって、それがなかなか良いのですよ。

矢沢のエーちゃんそっくりな唄い方が印象的な

「彼女は青い月」、

そして「いとしのカロライナ」、2曲続けてどうぞ。

 

M06.彼女は青い月(2’07”)ザ・マックショウ  

-K.Miyagawa-  Bad Records IDCG 1003

 

M07.いとしのカロライナ(2’12”)ザ・マックショウ 

-K.Miyagawa-  Bad Records IDCG 1003

 

N  ザ・マックショウで「彼女は青い月」、そして「いとしのカロライナ」でした。3人組と

いうのが意外ですが、最新の作品も聞いてみたくなりました。この国の歪ん

だロケンロー観を覆してくれていると良いなあ・・・。

 

M08.Zing Went The Strings Of My Heart(2’45”)The Coasters  

-J.F.Hanley- Rhino / Atlantic R2 71090

 

N  晩夏葉月末、新宿歌舞伎町でワツシイサヲがトラムプスの「ペンギン、ヌー・ヨークへいく」

でゴーゴーを踊ったお話は、以前いたしました。その原曲は今のザ・コースターズの

「ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・マイ・ハート」でありますが、これは大変に

古い歌でして、その前にオリヂナルが御座います。ゴーゴーを踊った後で、ふと自

分はそれを聞いていない、少なくとも持っていないな、と気づきました。と

なるとすぐにどうしても確かめたくなります。ジュディ・ガーランドの歌だっての

は記憶にありましたから、比較的すぐに手に入りました。と言いましてもイギ

リスから送って貰ったんですけどね。

まずは聞いて頂きましょう。

「心の弦(イト)をかき鳴らせ」、ジュディ・ガーランドです。

 

M09.Zing Went The Strings Of My Heart(2’57”)Judy Garland   

-J.F.Hanley- Musical Memories RGCD 1153

 

N  ジュディ・ガーランドで「「ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・マイ・ハート」」でした。

「心の弦をかき鳴らせ」というのは、正確な邦題かどうか分かりません。昔

の仕事場だった新宿の放送局のレコード室に詳しい人がいまして、そこで聞いた

ような気がしますが、確かではない。ただ「「ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・

マイ・ハート」」と呼ぶよりはカッコ良いような気がするので、わたしはよく使います。

正確には「心の弦がかき鳴らされた」、ですね。初対面の人の微笑みを見て

美しい和音、旋律が心に響き亘った、という「ひと目会ったその日から恋の

花咲くこともある」と、「パンチDEデート」みたいな内容です。1934年のブロード

ウエイ・リヴュウ「サムズ・アップ」で披露された歌で、ジュディだけの物ではないよう

ですが、彼女の唄が一番有名になりました。今回手に入れたアルバムはジュディの

廉価ベスト盤です。その表題が『「ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・マイ・ハート」』

でした。ジュディはいかにもミュージカル的に唄い上げていました。

さて「幻」では珍しいミュージカル楽曲、『ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オヴ・マイ・

ハート』から少し聞きましょう。

まずはガーシュイン作品で超有名なこれです。

「アイ・ガット・リズム」。

 

M10.I Got Rhythm(2’53”)Judy Garland   

-I.&G.Gershwin-  Musical Memories RGCD 1153

 

N  ジュディ・ガーランドでガーシュインの「アイ・ガット・リズム」でした。1930年のミュージカ

ル「ガール・クレイズイ」で発表されました。

皆さん御推察の通り、わたしはミュージカル自体があまり得意ではないのですが、

ジュディ・ガーランドには特別な思い入れがあります。それは1972年末頃に刊行

された「ローリング・ストーンズ・ブック」に「ミック・ジャガーはジュディ・ガーランドの実演

を観た事があるのではないか。彼女から多くを学んでいるように思える」と

いったような記述があったためです。映画になった作品は「オズの魔法使い」

「イースター・パレイド」「スタア誕生」くらいしか観ていませんで、両者の共通点は未

だに分かりませんけれども。

それでも元気に明るく歌ってくれたジュディの存在はわたしの心の中にあり

ます。今回初めて手に入れたこの盤に収録されているトラックが正規のオリヂナルで

あるかどうかも定かではないので、これを機にグラミー賞を獲ったカーネギー・ホールの

実況盤を聞いてみたくなりました。ハリウド映画産業の巨大メカニズムの犠牲になっ

た人生には、お悔やみ申し上げます。

ジュディ・ガーランドでもう一曲。

「オズの魔法使い」からは、これしかありません。

「虹の彼方に」です。

 

M11.Over The Rainbow(2’48”)Judy Garland  

-Y.Harburg, H.Arlen-  Musical Memories RGCD 1153

 

M12.君といくつまでも(1’13”)葉山雄三   

-unknown-  アルファ  TAMORI-3

 

N  申し訳ありません。間違えました。改めてお送りします。

加山雄三で、「君といつまでも」。

 

N13.君といつまでも(3’21”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

N 「君といつまでも」、加山雄三でした。かつての円満な結婚式の定番曲、一世

を完璧に風靡しました。作詞岩谷時子、作曲弾厚作、非の打ち所がないこの

歌は、もう一つの要素、完璧な編曲で支えられています。その素晴らしい仕

事をしていた森岡賢一郎が、去る8月19日に84歳で亡くなりました。

わたしは加山雄三のシングル盤ジャケットのクレジットで、音楽制作に「編曲」という

仕事領域がある事を知りました。そこに書かれていた担当者名が「森岡賢一

郎」です。同期ですと三木たかし、東海林修、服部克久などの優秀な編曲家

が何人もいて、森岡賢一郎はその中で安定した位置に居ました。彼の作風は

「調和」、この一言に尽きます。丁寧に書かれた管弦のスコアによる響きは特筆

すべきでしょう。柔らかで幅があります。それも今朝の1曲めの「胸いっぱ

いの悲しみ」でのイギリスの管弦楽団とは異なる、「歌謡曲」という世界に誇る

音楽分野での独創に満ちています。

この人の属性を語る四方山話には、実際のところ全く接した事がなく、顔

も知らなかった。編曲者という裏方に徹していた生き方は、彼の性格の現れ

だと考えます。暗い歌でも希望につながる一筋の光を見せてくれる彼の作風

「調和」は、音楽の持つ基本的な歓びと共に彼の人生観、世界観なのでしょ

う。

ここからしばらくはこの偉大な裏方に敬意を評して加山雄三作品での仕事

をいくつか紹介して行きましょう。まずは異色のボッサ・ノーヴァ・アレンヂです。

「暗い波」。

 

N14.暗い波(3’24”)加山雄三  

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

N  1968年の映画「リオの若大将」主題歌、「ある日渚に」のB面「暗い波」で

した。この頃の加山雄三はヒット・パレイドの常連ではありましたが、爆発的人気

が一段落した安定期。何かの歌番組で「ボッサ・ノーヴァをやってみたいんです」

と言っていたのを覚えています。世界的な流れを察知し、その先端の髄を吸

収しようとしていたのですね。詞曲とも国産ボッサ・ノーヴァとして一級品ですが、

森岡賢一郎の編曲が無ければ完全な成立は不可能だったでしょう。後の世に

登場する電子弦アンサムブル楽器ソリーナそっくりのロング・トーンが印象に残ります。

森岡賢一郎はきちんとクラシックを学んでいて、オーケストラの棒振りも出来ます。決

してラテン系が得意という訳ではないのですが、このような世界水準の整然とし

た編曲もきちんと出来るのには舌を巻きます。きっと当時の最先端ボッサ・ノーヴ

ァを緻密に解析したのでしょう。

次も同傾向にある1曲です。こちらはコムボ編成のヘッド・アレンヂ風ですが、お

そらく細かな気分リフ的なフレイズも全てオタマジャクシで表された書き譜ではないで

しょうか。

 

M15.ロンリー・ナイト・カミング(3’05”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

M16.アロハ・レイ(さよなら恋人)(3’05”)加山雄三  

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

N  ボッサ・ノーヴァに続いてはハワイアン。ヒット・シングル「お嫁においで」のB面「アロハ・

レイ」でした。A面は大橋節夫のハニー・アイランダーズがハワイアン・バンドらしくまとめ

て仕上げていたのに対し、こちらはアメリカの避暑地映画サントラ風です。見事です。

次はとても地味ですけれども森岡賢一郎のメロディ感覚、リズム感、音色のセンス

がしっかりと感じ取れる一曲です。1968年の秋に発表された充実のアルバム『君

のために』に収められていました。

「落日の彼方」。

 

M17.落日の彼方(2’17”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

M18.君のスープを(3’37”)加山雄三

-T.Iwatani, K.Dan-  ドリーミュージック MUCD 1002/3

 

N  「加山雄三作品に聞く森岡賢一郎の編曲術」、最後は東芝からの第一弾LP

に入っていた、これも地味ですが森岡賢一郎的調和のツボがよく分かる「君の

スープを」でした。当初は恋人を故郷に置いて単身赴任に向かう男の歌だとい

う事が分からずに解釈に苦労しました。単発完結型連続テレビドラマ「新婚さん」

の主題歌だったような気がしますが、覚えている方、いらっしゃいませんで

しょうか。こっちも地味だったなあ。

「現」の初代プロデューサー大塚祐介の親父は車に乗るとずっと加山雄三を流し

っ放しだったそうです。続けて聞いていて、そんな事も思い出しました。

さてこの巨匠森岡賢一郎は加山雄三だけと仕事をしていた訳ではありませ

ん。他の唄い手のヒット曲で何度もレコード大賞編曲賞を受賞しています。

その代表曲が、これです。

 

M19.ブルー・エンペラー(54”)ジャッキー佐藤とブルー・コメットさん

-unknown-  アルファ  TAMORI-3

 

N  また間違えました。只今のはジャッキー佐藤とブルー・コメットさんの「ブルー・エンペラ ー」

でした。森岡賢一郎の作品はこちらです。

ジャッキー吉川とブルー・コメッツで「ブルー・シャトー」。

 

M20.ブルー・シャトー(2’44”)ジャッキー吉川とブルー・コメッツ

-J.Hashimoto, T.Inoue-  テイチク  TECH32412/3

 

N  ジャッキー吉川とブルー・コメッツで「ブルー・シャトー」でした。

今日これから出かける上越市のエフエム放送「エフエム上越局で木曜日夜9時から

放送の「サースデイ・グルーヴ」でも「森岡賢一郎の編曲ツボ」をお話ししようと考

えています。明日の収録で、放送は今月の27日午後9時からです。その前の

週、20日も「ヒップホップ前夜」と題して、ワツシイサヲ登場です。周波数は76.1Mhz。

PCやスマフォでも聞けます。森岡賢一郎については、今朝より幅広くお届けする

つもりです。どうぞお楽しみに。

 

M21.Before The Next Teardrop Falls(2’38”)Freddy Fender

-Peters, Keith-  Park South 80246 90634 2-4

 

N  これはフレディ・フェンダーの「涙のしずく」、2002年にCDで発売された実況録

音盤からです。いつどこでの実演なのか何も記載がありませんが、おそらく

は70年代の収録で、場所はきっとテキサス周辺でしょう。2番からスペイン語で唄

うのが、カッコ良いですね。

土曜日に四谷のブルー・ヒートでのR&Bレコード・コンサートに顔を出しました。主宰

の鈴木啓志御大から直接声を掛けられるというパワハラを受け、行かざるを得ま

せんでした。そこでこの歌が話題になりました。キャンディ・ステイトンがずっと好き

で持ちに歌していた、と語るラジオ番組のインタヴュウなども流されまして、幅広い

討議が行われました。私は「これはもうフレディの歌だよ」と主張したのですけ

れど、啓志御大が、誰だったかな、とにかくオリヂナルにやたら拘って譲らず、

平行線でした。ご想像下さい。

こういう所にひとりで来て、配られたプレイ・リストに書き込みなんかして一言

も喋らず帰って行く人は今も居るんですね。ここで知った楽曲を家でシングル盤

「ヲント・リスト」に加えるのでしょうか。何十年も前の地下ソウル集会を見た思いで

した。彼らからは、わたしなど相当に不謹慎に見えた事でしょう。

それでもこの場でフレディの名前が出た事は嬉しかった。では同じライヴ・アルバ

ムから表題曲をどうぞ。

これも立派にフレディ・フェンダーの持ち歌でした。「シークレット・ラーヴ」。

 

M22.Secret Love(4’00”)Freddy Fender

-E.Green, C.Montgomery-  Park South 80246 90634 2-4

 

M23.これぞ男たちの人生(4’49”)オレンジ・カウンティ・ブラザーズ

-Y.Iida-  ケンロード・ミュージック MOCD 1006

 

N  同じくテクス・メクス調で「これぞ男たちの人生」、オレンジ・カウンティ・ブラザーズでし

た。いつか日の出町ファーストのピンポンDJ合戦で聞いて貰いましたね。その時は

天王町まで出かけてグループ・リーダー本人からLPを借りて来ました。今のはCD

でお送りしましたけど。

オレンジ・カウンティ・ブラザーズは保土ヶ谷育ちの飯田雄一という男が組んだグループ

で、立教大学の軽音楽サークルを根城にしていました。彼の音楽センスは抜群でして、

あの久保田麻琴が一目を置いているという事で首肯ける方も多いでしょう。

今の「これぞ男たちの人生」のような素敵なオリヂナル、そしてカヴァがピカイチでし

た。

ハギリョウさんからご希望をいただいている「恋の特効薬」、今朝はオレンジ・カウン

ティ・ブラザーズで聞いて貰いましょう。ハモニカは妹尾「ウィーピング・ハープ」隆一郎。

カッコいいですよ。

 

M24. 恋の特効薬(3’59)オレンジ・カウンティ・ブラザーズ

-J.Leiber, M.Stoller, Y.Iida-   コロムビア  COCP-38175

 

M25.Aquarela Do Brasil(6’36”)Joao Gilbert 

-Mateus, Dadinho-  Warner Bros. 9 45165-2

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の「逝く夏を惜しんで」は、ジョアン・ジルベルトの「ブラジール」。素晴らしい

仕上がりです。これから夏に向かう南半球の町が水彩画で浮かび上がります。

45979号さん、特別付録では特別な音質調整はしていません。恥ずかしい

位の低価格汎用機ですから、CDを回してそのまんまアナログ状態で付録にして

います。ただエーちゃんはベイス上手いんだよ。多分にポール・マカートニ的ではありま

すが、独創的なフレイズも持っていたし、沢山くすぐってくれるラインを編み出し

ていました。わたしとしては、「E.YAZAWA」になってから後ご愛嬌程度でし

か弾かなくなってしまったのがとても残念です。

さてこれから上越へと出かけます。10時32分発の新幹線。国境のトンネルを

抜けたらお花畑が・・・。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/3552fd9d535e5f590bc8bdb93c9891a8710f7595

   ダウンロードパスワードは「5fn9qqtm」です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/09/08

mb180908

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  涼しくなってきましたね、オハヨゴザマス、ワトゥシアイザオです。もう動いても汗が

出る事もありません。10日ほど前は髪を梳かした後に、もう一度シャワーを浴び

なければならなかったほどですからね。

さあ今朝も活動的に行きましょう。

「グッドールド・ロケンロー」。

 

M01.グッド・オールド・ロックンロール(1’59”)キャロル

-Smith, Chin, Michaels, Equine, Jonson, Blackwell, Penniman-

フォノグラム 30LD-21

 

N  音頭屋台船出港が中止になった9月2日、河内音頭〆踊りは墨田区役所1

階ロビーで行われました。「船頭」の役割を解任されたわたしは、冒頭で司会者、

山口屋サヒチの紹介をしただけですが、ここの場でロケンロー・ハギリョウさんに会う事

が 出来ました。台風がらみの悪天候の中、お越し頂来ましてどうもありが

とうございます。元気なお姿を確認しました。

ほんの短い間のすれ違いでしかありませんでしたが、その時に話題になっ

たのは、やはり「のっぽのサリー」。キャロルのカヴァはこの「グッドールド・ロケンロー」

に唄い込まれているものしかありませんね。実演の場では通して演ってたか

もしれない。リパトゥワを古いロケンローだけで済ませてた時もあったからね。

ところで「グッドールド・ロックンロール」のオリヂナルには、もっとたくさんの名曲が

メドリー形式で繋がっています。そちらを聞いてみましょう。

デイヴ・クラーク・ファイヴです。

 

M02.Good Old Rock’n’Roll(3’23”)Dave Clark Five

-Smith, Chin, Michaels, Equine, Berry, Jonson, Blackwell, Penniman, Richardson, Williams, Perkins-

Universal  1781774

 

N  「グッドールド・ロケンロー」、唄い込まれていたのは「スウィート・リル・シクスティーン」、

「のっぽのサリー」、「シャンティリー・レイス」、「ホーロッタ・シェイキン・ゴーイン・オン」、「ブルー・スウェ

ード・シューズ」でした。とても上手にまとめてます。もちろん全員一緒の同時

演奏同時録音。よく途中で破綻しなかったなあ。ただしキャロルがこれ全部をや

らずに「のっぽのサリー」だけに留めたのはそれで正解と、わたしは考えます。

デイヴ・クラーク・ファイヴで「グッドールド・ロケンロー」でした。

さて、先週の外れたカマシ案件、「サリーはのっぽだよね」には意外な反応があり

ました。「『誰がチッチやねん』ってアタシなら言う」です。ワツシだって知ってますよ。

すぐ思い出しました。恋愛漫画の「チッチとサリー」でしょ。「小さな恋の物語」っ

て題名でしたっけ。作者は誰だったかな。この手の少女的な物に一切興味を

示さなかった3ツ年上の姉が、ごく短期間面白がって読んでました。母親にも

見せたりしてね。何故だ。

「チッチ」という名の小柄で可愛らしい女の子が主人公で、彼女にサリーという

背の高いボーイフレンドがいたのではなかったかな。これについては全く調べ物を

せず、記憶だけで話してますから、間違えていたら失礼。

「誰がチッチやねん」、そうです。これをお聞きください。

 

M03.誰がカバやねんロックンロール・ショー(4’03”)誰がカバやねんロックンロール・ショー

-D.Yoshitaka,R.Kamon-  CLINCK CRCD-5015

 

N  誰がカバやねんロックンロール・ショーというグループの、「誰がカバやねんロックンロール・ショー」

という歌でした。「誰がチッチやねんロケンロー・ショウ」ではありません。

このグループ「誰カバ」は、昔の情報誌「ぴあ」の大きな催事で出会って、非

常に気に入りました。関西ローカルで同名のテレビ番組を持っていたらしい。吉本

新喜劇の常連出演者でひと目で河馬ヅラと分かる男がいたでしょう。直接は関

係ないらしいんだけど彼の事らしいんですね、この場合の「カバ」は。その辺

はまだ詳細が掴めていません。これも「チッチ」と同じくインタネット上で調べればす

ぐにある程度の事は分かるでしょうが、それではつまらない場合もあります。

害のない領域ならば、漠然とした状態や思い出そうとしているままの方が面

白い。脳味噌動かさなきゃね。

「誰カバ」は、鳶職の現場作業服にヘルメットを被った衣装などで登場し、全体

がひとつのコントのようなショウを展開し、音楽を通して笑わせてくれる傑出した

滋賀のバンドでした。鈴木ヒロミツも唄ってたリル・リチャードの「ジェニ・ジェニ」を「ゼ

ニ・ゼニ」と叫んで「銭くれ、銭」と唄います。その時わたしは持っている小

銭を全て舞台に投げ入れました。西新宿の工学院大学の学園祭だったかな。

そして、わたしのノーテンを直撃した「誰カバ」のオリジナル楽曲が、これでした。

 

M04.どこかで狼が鳴いている(3’21”)誰がカバやねんロックンロール・ショー

-D.Yoshitaka,R.Kamon-  CLINCK CRCD-5015

 

N  わたしが「永遠の傑作」の誉れを授ける「どこかで狼が鳴いている」、誰が

カバやねんロックンロール・ショウでした。当楽曲につきましてはその昔、某所で大いに

語った事がありますので、もう何も申しません。

さてこの夏は、あちこちに熊、鹿、猪が出て来ましたね。こういう時の大

騒ぎを見聞きすると、今の人間たちが如何に野生動物と離れて日常を生活し

ているか、という事実を痛感します。愛玩用の猫や犬には「家族です」なん

て扱いするクセにね。野生、自然と離れる事が文明の証なのでしょうか。台風

20号の大被害に接しても同じく。なんて考えていたら、北海道で大地震が起

こりました。不幸中の幸いは、津波を伴わなかった事。それでも突然の被害

は相当に酷い。度重なる自然の脅威に、底知れぬ恐ろしさを感じます。ここ

のところ、天災が何故か関東を素通りしているのも気になるのです。

台風が去ったら今度は地震、本当にこの島国は一年中地球の猛威に振り回

される運命にあります。にも関わらず愚かな人間どもは、いつの間にか自分

たちが自然より優位な立場で支配しているんだ、というような誤った意識を

持つようになってしまっているようです。

俺たちは完璧でも最強でもなんでもない、同じ過ちを繰り返す、ただの宇

宙のカスなんだ。電力が来ないだけで、もう何にも出来ないのですから。この

「幻」だって同じです。「これを機に安定度の高い原子力発電の整備を」なん

て言うバカな自民党議員が出て来なけりゃいいのですがね。いつもより速やか

な自衛隊派遣決定も、軍隊が必要だという説得力増強に利用されています。

ただわたし達も、電力依存の生活、スマフォ無ければこの世は闇だ、といった生

活習慣をタショー改めた方がいいかも知れません。

バベルの塔は絶対に崩れます。この国ではその前に「バブルの塔」が木っ端

微塵になりました。謙虚になりましょう、特に大自然には。

まずは募金、義援金して被害にあった人たちに元気になって貰いましょう。

度重なる天災で、隣国の人たちからの応援も、今回は無理かもしれません。

わたしたちの民度が試されます。

さて本題に戻りますと、狼は町に出て来なかったですね。「ニホンオオカミ」は絶

滅して久しいんだっけ。10年ほど前に「東北で生存か」なんて話が・・・あ、

これもすべてうろ覚えですからこの辺にしましょう。とにかく、今年も今月

20日から26日までは動物愛護週間です。人間河馬男、何処かで鳴いている

オオカミに敬意を表して、思いつくままに野生動物の歌を並べてみしました。

多忙時、苦肉の策ですが、どうぞお楽しみ下さい。皆さまの高度なカマシ、ご

提案も歓迎いたします。

では「鰐」から参りましょう。

 

M05.クロコダイル・ロック(3’55”)エルトン・ジョン

-E.John, B.Taupin-  Polydor 314 512 532-2

 

N  「鰐のロック」、エルトン・ジョンでした。「左ヒラメに右カレイ」ならぬ「左クロコに右ラコステ」、

しかしもうひとつ、ブガルーを踊る「アリゲイタ」、と言う種類もあります。

こちらは如何でしょうか。

 

M06.ワニさんがいっぱい(1’53”)キャロル・キング

-C.King, M.Sendak-  ソニー EICP 847

 

N  「ワニさんがいっぱい」、キャロル・キングでした。絵本作家モーリス・センダクの制作した

テレビ番組「おしゃまなロージー」のサウンド・トラックからです。お聞きのように、こ

れは「A」から「Z」までのアルファベット数え歌です。普通なら「A of  “A”pple」

と来ますが、「”A”lligators  “A”ll  “A”round」とひねられています。作詞も

担当したセンダクの才気冴え渡るところですね。「ド」は「ドアホ」の「ド」では

ありません。

さて河馬、狼、2種類の鰐と来ました。次は類人猿です。

ジェイムズ・テイラーで「ゴリラ」。

 

M07.Gorilla(3’10”)James Taylor

-J.Taylor-  Warner 7599-27293-2

 

M08. モンキー・スピークス・ヒズ・マインド(3’52”)ザ・ダーティ・ダズン・ブラス・バンド

-D.Batholomew-  アメリカーナ 28C-7047

 

N  ジェイムズ・テイラーの「ゴリラ」、そしてザ・ダーティ・ダズン・ブラス・バンドの「マンキ・

スピークス・ヒズ・マインド」でした。先程お聞き頂いた河馬、狼、鰐の歌とは違っ

て、どちらも「ゴリラ」「猿」と愚かなホピサピエンスとの対比で語られる風刺です。

これらの歌では人類の知的水準は彼ら以下という事になります。事実かも知

れません。

さてザ・ビートルズの動物が主人公になっている歌というと「俺は海象」とい

う強力な1曲があります。同じ『マヂカル・ミステリ・トゥア』に収められている「ザ・

フール・オン・ザ・ヒル」も、「丘の上に立っている自閉症気味の人間」というより

は、いつもそこに居てモゴモゴと口を動かしている麒麟か駱駝のように思えま

すが如何でしょう。

そういえば狸が居たな、とホワイト・アルバムを引っ張り出したら、その前の収録

曲が「豚」でした。糊の効いたワイシャツを着て夕食にフォークとナイフを使って夫人と

「共食い」をする豚の歌「ピッギーズ」、ジョージ・ハリスン作です。

そして、恋人を奪われ嫉妬に狂い恋仇を撃ち殺しに行く北米ダコータ州の山狸

の物語「ロッキー・ラックーン」、こちらはポール・マカートニ作。続けてどうぞ。

 

M09.ピッギーズ(2’02”)ザ・ビートルズ

-G.Harrison-  東芝 TOCP-71050

 

M10.ロッキー・ラックーン(3’32”)ザ・ビートルズ

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-71050

 

N  河馬、狼、鰐、ゴリラ、猿、豚、狸と並んだ2018年動物愛護週間自発的協賛

音楽図鑑「世界の獣たち」、如何でしたでしょうか。ご感想をお待ちいたしま

す。

 

M11.Slow Dance(6’37”)アナ・ポポビッチ feat.Robben Ford 

-unknown-  BSMF 2622

 

N  「スロウ・ダンス」、アナ・ポポビッチでした。ケブ・モが企画制作責任者の新作『ライク・

イト・オン・トップ』から、ロベン・フォードをフィーチュアしてお届けしました。先週冒頭曲

「ラースティング・カインド・オヴ・ラーヴ」を聞いていただきましたが、手元にあった

音源の状態が悪く、お聞き苦しかった点、申し訳ありませんでした。今週は

正規の音質でお届けしています。いい響きでしょ。

同じアルバムから、今度はちょっと前の天才少年ケニー・ウェイン・シェパードをフィーチュア

して、「セクシ・トゥナイト」をどうぞ。

 

M12.Sexy Tonight(2’55”)アナ・ポポビッチ  feat. Kenny Wayne Shepherd

-unknown-  BSMF 2622

 

N  先の「スロウ・ダンス」はカントリー・バラッド調に唄うアナ・ポポビッチが魅力的でした。

ロベン・フォードを差し置いて弾くギターも見事。この「セクシ・トゥナイト」でも以前のヤン

チャぶりを思い起こさせるケニー・ウェイン・シェパードに負けずしっかりと主役を演じ

る彼女、ひと回りもふた回りも大きくなったように感じられますね。

先ほどもお話ししたように、今回はケブ・モがプロデュース。やはり、いかにも

というナムバが入っていました。

ドブロ・ギターを全面で使った「ア・マター・オヴ・タイム」。

 

M13.A Matter Of Time(2’55”)アナ・ポポビッチ 

-unknown-  BSMF 2622

 

N  「ア・マター・オヴ・タイム」、アナ・ポポビッチの新作『ライク・イト・オン・トップ』からです。

では先週ひどい状態でお届けした「ラースティング・カインド・オヴ・ラーヴ」を、良

好な状態で、もう一度どうぞ。

 

M14. ラースティング・カインド・オヴ・ラーヴ (4’55”)アナ・ポポビッチ

-unknown-  BSMF 2622

 

M15.スウィーテスト・ベリー(3’46”)エヂ・モッタ

-unknown-  Pヴァイン PCD-24767

 

N  アナ・ポポビッチの「ラースティング・カインド・オヴ・ラーヴ」に続けましたのは、エヂ・

モッタというブラジルのシンガーの新譜から「スウィーテスト・ベリー」です。この辺りの音楽

に関して、皆さんはどのようにお感じでしょう。

北米の黒人MOR歌手といっても誰も疑問を抱かないような造りです。わ

たしはここ数年、この手の作品群が気になっています。「この手の作品」と申

しましても、皆さんにはちょっと曖昧すぎる領域かも知れません。わたしの

考える「この手の作品」、来週の上越生DJ合戦の主題に据えようかとも考え

ています。果たしてどうなりますやら・・・。

 

M16.アイ・ファウンド・ユー(3’22”)ウィリー・ハイタワー

-unknown-  Pヴァイン PCD-17786

 

N  来月ハイ・リズムにスティーヴ・クロッパーという演奏陣と共に東京と大阪で公演を行う

ウイリー・ハイタワー、なんと今年77歳なのですが、お聞きのような元気な歌声を聞

かせてくれます。この新譜のプロデューサーはゴールド・ワックスの創設者である白人

のクイントン・クランチという男。エルヴィス・プレズリとの演奏経験を持っていて、既に95

歳だそうですが、今回のマスルショールズでの録音制作は極めて宜しい出来です。スタ

イルは当然ながら南部のソウル・ミュージックながら、昔のシングル盤にあった妙な突出感

がなく、誰でも素直に入って行ける響きになっています。ひょっとしたらクイン

トンは昔からこんな音が欲しかったのではないか、そんな事も考えました。

今のは冒頭曲「アイ・ファウンド・ユー」。とても滑らかな唄は現役感充分ですが、

果たして今までずっと人前で歌い続けてきたのでしょうか。この国ではウイリ

ー・ハイタワーというと、ふた言目には「サム・クック・フォロワー」と表現されますが、わ

たしが聞く限りでは、そんなに近くない。あの頃に幅広く支持を求めようと

したR&Bシンガーに共有の感覚、技術を身に付けているだけ、のように聞こえ

ます。大体からしてサム・クックの影響を受けていない唄い手など有り得ない、と

いうのがわたしの持論ですので、殊更に言い及ぶのはナンセンスだと考えます。も

ちろんこれは彼の絶対評価を左右するものではありません。

とにかくこの新譜『アウト・オヴ・ザ・ブルー』は、押し付けがましさのない好

盤です。また来週お届けしましょう。

さて、亡くなったソウル・ミュージックの女王アリーサ・フランクリンを追悼し、なんとバッキン

ガム宮殿の音楽隊は、彼女がオーティス・レディングから奪い取った名曲「リスペクト」を

演奏しました。英国教会はカソリックで、アリーサは当然プロテスタントです。いいのかな。

わたしはインタネットのヌーズで知りまして聞きに行ったのですが、これが秀逸。

セット・ドラムもエレキ・ギターもベイスもないのに、立派なR&Bになっています。ご興

味のある方は、ぜひこちらでお確かめ下さい。ブラスバンド関係者にとっては、

来年夏の高校野球応援の参考になるかも知れません。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180902-00010000-afpbbnewsv-int

では、その罰金が無宮殿R&B楽隊が演奏した「リスペクト」、今朝はオリジナルの

ステューディオ録音版をお送りしましょう。

 

M17.Respect(2’26”)Aretha Franklin     

-O.Redding-  Rhino / Atlantic

 

N  永遠の「リスペクト」、アリーサ・フランクリンでした。

さてようやく長く暑い夏も終わり始めたようですね。先週の「サマー・ワイン」

の虚しく響くこだまはなかなかの趣きでした。今朝も出番を失った夏の定番

曲をお届けしましょう。

これはわたしだけの思いかも知れませんが、一瞬涼しさがよぎる真夏の深

夜に聞くと効果抜群です。

ディ・イーモーションズで「愛に咲く花」。

 

M18.フラワーズ(4’20”)エモーションズ        

-M.White, A.McCay-  ソニー SICP 3171

 

M19.愛のご加護(0‘39”)エモーションズ

-G.D.Martin, W.S.Martin- ソニー SICP 3171

 

N20.In The Summertime(3’39”)Mungo Jerry   

-R.Doset-  MPS FG0099

 

N  アカペラ「愛のご加護」のオマケ付き「フラワーズ」、イーモーションズ、そしてこちらも過ぎ

た夏の日の定番、マンゴー・ジェリーで「イン・ザ・サマタイム」でした。中間部で一旦終

了して、車の排気音が入って再開、という部分がツボかな。

日本でのジャグ・バンドのヒット曲というのは、ひょっとしたらこれしかないか

も知れません。1970年の出来事でした。それ以来、この国でも主に大学の音

楽サークルなどでこの演奏形態が試され始めました。昨今の若い人たちが好んで

いる「アクースティク・スウィング」もこの辺りが発端と言えなくもありません。

さて逝く夏を眺めて思い出す避暑地の出来事、「夏の日の恋」・・・

 

M21.夏の日の恋(2’46”)パーシー・フェイス楽団

-M.Discant, M.Steiner-  Phillips 322 529 BF

 

M22.逢いたくて逢いたくて(3’48”)園まり

-T.Iwatani, H.Miyagawa-  ユニバーサル UPCY-9286

 

N  突然の純然たるカヨー曲は、言うまでもありません,園まりの最高傑作、「逢い

たくて逢いたくて」です。パツラが咽び泣くこの素晴らしい編曲を担当して

いた森岡賢一郎が亡くなりました。それで今朝はまず1曲、とお送りしまし

た。来週はもう少し彼の仕事を聞いてもらうつもりです。お楽しみに。

 

M23.朝のコーヒー(3’24”)エラスモ・カルロスとナラ・レオン 

-N.Leao-  ポリドール MP 2642

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の最後はエラスモ・カルロスとナラ・レオンのデューオで「朝のコーヒー」。朝からなんとも

気怠いこの二人は昨夜何をしていたんでしょう。 たぶん今もCDになってい

ないエラスモ・カルロスの『饗宴』からでした。

9月3日の「河内の語り屋」「初代桜川唯丸 江州音頭革命記」上映会には

多数のお越しをありがとうございます。満員御礼申し上げます。会場となっ

たアップリンクは消防法をしっかり尊守する映画館でして、定員以上の入場を認め

ないため入り口まで来られて何人もお帰り願ったようです。申し訳ありませ

ん。只今アンコール上映会を企画中。決定しましたら、こちらでもご案内いたしま

す。今度は事前予約をお忘れなく、ね。

わたしも駄文を寄稿している音楽雑誌エリスの最新号が公開になりました。

https://bccks.jp/bcck/155789/info へ出向いて、pm64tで入って下さい。奇

しくも某氏の文章で、来週にとっておいたネタが語られてしまっています。さ

て、どこでしょう。

来週15日は上越でピーター・バラカンとピンポンDJ。この種の合戦は嫌いではな

いのですが、今回は初めてPC音源を人前で使用するので、やや緊張気味です。

実際これまでもPCからの音楽送りはした事がないのです。ファイル音源も必ず

CD-Rを焼いて回していました。そうしないと安心出来ません。古い奴だとお

思いでしょうが、今でもそうなんです。

さてそのピンポンDJの詳細です。

9月15日土曜日 午後5時から

新潟県上越市本町六丁目4番21号

現存する日本最古の映画館、高田世界館にて。

ここは来場者を断ったりしないだろうけれど、事前にご予約をした方が安

心でしょう。 info@takadasekaikan.comで受け付てくれます。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/78cf10970e45e3a4a2f1571603f15ee657341b2f

   ダウンロードパスワードは、h4my48xpです。

さあちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。アキー。

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/09/01

mb180901

 

前TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。ふうー、大仕事が終わりました。

二日間は戦場に居るようでしたね。以前起きてから眠るまで立ちっ放しだ、

と言いました。今年はさすがに何度か座りたくなりました。加齢かな。とに

かく今年の「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」は無事終了。わたしにも秋が

来ます。

今朝は、この決定的な1曲で始めましょう。

 

M01.Long Tall Sally(2’00”)ビートルズ

-Johnson, Penniman,Blackwell-  Aplle / Parlophone CDP 7 90043 2

 

N  「ロング・トール・サリー」。正に決定的な、ザ・ビートルズのカヴァで聞いて頂きました。

エルモア・ジェイムズに出会う6年前、10歳の時に聞いた「のっぽのサリー」は、わた

しの人生を決定づけた大事な1曲です。エイトビートで打ち続けられるピアノ、オクター

ヴ利用のギター・ソロなど、聴きどころを多く持つ完全な出来ですが、何よりも

ポールの絶叫とスイングとブーギーの中間のようなビート感がわたしを虜にし、聞くた

びに心拍は高まり、これがロケンローだ、と確信したのです。

冒頭の「メリー叔母さんにチクッちゃうぞ・・・」の行りがとにかく強烈。その

後のワツシイサヲ形成に絶大なる影響を与えました。

1964年3月1日の録音ですから、それから1年くらい後に日本でシングル盤

になったのでしょうか。B面が「アイ・コール・ヨ・ネイム」で、わたしも持ってまし

たね。LPでは国内編集のモノ盤「ナムバ・ファイヴ」に入ってました。後年ミュージック・

ライフのラジオ・スポットに使われていました。

 

M02.Long Tall Sally(2’10”)リトル・リチャード

-Johnson, Penniman,Blackwell- Pヴァイン PVCP-8109

 

N   「のっぽのサリー」のオリジナル、リトル・リチャードでした。これを聞いたのは、ずっ

と後の事。直接的な刺激度はビートルズのカヴァ仕様の方が高いかもしれません。

当初はビートルズのカヴァ仕様にはない猥雑感に馴染めませんでした。そしてそれ

が麻薬のように自分の身体を侵食している事にも気づかなかったのです。

さて、今さら珍しくもない「ロング・トール・サリー」についてああこう言ってい

るのには、ちょっとしたワケがあります。

盆踊り絡みでいくつかラジオの取材を受けた時に、自称「サリー」と言うDJに

会いました。とても仕事熱心で可愛らしい女性でしたけれど小柄だったので、

「サリーはのっぽだよね」と言ったのですが、通じなかった。同行していた男性

ディレクタもチンプンカンプン。この高度なカマシは失敗に終わりました。その敵討ちを、

ここで遂げた次第。お付き合い頂きまして、誠に有り難う御座います。

 

M03.リトル・ダーリン(2’06”)ダイアモンズ 

-M.Williams-   MCA / WEA WMC5-87/8

 

N  さて、先週の土曜日、以前も顔を出した新宿のカブキラウンヂへ他所からの帰り

に立ち寄りました。するとクリビツテンギャウ、11月イーグルでの対戦相手、鈴木啓志

巨匠が回しているじゃアーリマセンカ。その晩はワーナーからのドゥー・ワップ編集盤発売記

念イヴェントだったようで、巨匠は希少貴重なシングル盤を持ち込んで、入手時の四

方山話などと共に聞かせてくれました。こういう場所に集う人々はみんな膨

大なコレクションを持ち、経験豊富の「通」ばかり。わたしは全く敵いません。こ

こで初めて見かけた歴戦の強者的愛好家がいまして、この人がしきりに語っ

ていたのが、この歌「リトル・ダーリン」についてでした。

今のは永遠のサントラ盤『アメリカン・グラフィーティ』からお届けしました。オリヂナルはグ

レイディオラズの1957年ですが、最もヒットしたダイアモンズの録音は良く出来ていて、

わたしはこちらの方が好きだなあ。その強者が話していたのは伊藤素道のカヴ

ァについて。「日本語詞が付いていて面白いんだ。この男は慶応の医学部だっ

たけど、親に黙って文学部に移って、こんなのばかり唄ってたんだよ」と、

見て来たように言ってました。「ユーチューブで観られるよ」と教えてくれたんで、

家に帰ってから検索しました。お聞きの通りほとんど掛け声のようなこの歌

をどうやって和訳しているのか興味があったのです。

伊藤素道はリリオ・リズム・エアーズというグループで、1950年代に一般的馴染みの

ある洋楽曲全般を唄った人気者でした。この「リトル・ダーリン」も持ち歌の一曲

で、『アメリカン・グラフィーティ』の初回CD盤の解説には名前がありました。ただし、

辿り着いたユーチューブ動画では日本語詞の面白さがあまり感じられなかったで

すね。彼らは室内履きスリッパを使った「ローハイド」で一番ウケを取ったようです。

さて、ドゥー・ワップの夜は、流石に鈴木啓志巨匠だけあって、わたしにはチンプ

ンカンプンな珍しい物ばかり。聞いている「通」なお客さんたちの反応も特別で

した。

 

M04.Devil Or Angel(2’23”) The Clovers

-B.Carter-  ワーナー・パイオニア 35XD-647

 

N  ザ・クローヴァーズで、「悪魔か天使か」でした。この晩、巨匠は持ち込んだシング

ル盤をわたしに見せてくれました。そこにあった1枚が、コースターズの国内盤「ラ

ヴ・ポーション NO.9」でした。これはかなり珍しいですね。彼らを育てた作者

コムビのジェリー・リーバーとマイク・スートラーの作品ですから吹き込んでいても不思議で

はなく、わたしも聞いた事はあるような気がしないでもない。一時期までは

コースターズと信じていた位です。

ただ昨今の彼らの盤からはなぜか無視されていまして、アトランティックに残した

ほとんど全ての録音を集めた吹き込み集にも収録されていません。この時は

聞く事が叶わなかったのですが、今度四ツ谷のいーぐるに持って来て貰おう

かな。

しかしながら「ラヴ・ポーション NO.9」と言えば、やはりザ・クローヴァーズです。

 

M05.Love Potion (1’56”)The Clovers

-J.Leiber, M.Stoller-  One Way Music DAY2CD0274

 

N  「恋の特効薬」という邦題で呼ばれる事も多い「ラヴ・ポーション NO.9」、ザ・

クローヴァーズでした。一方のコースターズも数字「9」の付く歌を歌っています。ご存

知ですね、「第九監房の叛乱」。

 

M06.The Riot Cell Block No.9(3’03”)The Coasters

-J.Leiber, M.Stoller-  Rino / Atlantic R2 7 1090

 

M07.Adorable(2’42”)The Drifters

-B.Ram- Rino / Atlantic 8122 79837 3

 

N  「第九監房の叛乱」、ザ・コースターズに続いてはザ・ドリフターズ・フィーチュアリング・ク

ライド・マクファターで「アドラボー」、こちらは四方山話のひとつに出て来た楽曲です。

もうひとつ話題に上った歌がありまして、それは「ストーリー・アントールド」、ナツメグ

ズの代表曲です。これのア・カペラ仕様を昔廉価版LPで持っていたような気が

するのですが、見当たりません。当然ながら聞いてもいません。確か終わり

で非常にスリリングなファルセトーが聞けた筈。これについても巨匠に次は静かな場所

で質問してみましょう。

今朝は伴奏付き、ナツメグズでお聞き下さい。

「語られなかった物語」。

 

M08.Story Untold(2’16”)Nutmegs

-L.Griffin-  Fantastic Voyage FVTD116

 

N  冒頭で申し上げましたように、この晩はわたしのような「半可通」には分か

らない事が多く、ヴォーカル・グループの奥の深さを思い知りました。流れている

音楽はどれも素晴らしく、またカブキラウンヂの再生装置の音が良いので、しばら

くは50年代のコーラス・ハーモニーに浸って居りましたところ、突如時代は70年代に

突入、鳴り響いたのがこの歌です。

 

M09.Penguin At The Big Apple / Zing! Went The Strings Of My Heart(4’54”)

The Trumps

-N.Harris, R.Baker, E.Young, Hanley-  Fever Dream FD-CD-7518

 

N  ご存知「ペンギン、ヌー・ヨークへ行く」、トラムプスです。しばらく古い音の音楽が続

いたのでこのチェインヂ・アップは抜群に効果的。思わずわたしはDJ台の前で踊り

始めました。するとミョーレーの女性が飛び出して来て、一緒に付き合ってくれま

した。シングルでも演奏時間の長い部類に入る盤でしたから、楽しかったですよ。

このヒトは若い頃にディスコに出入りしていたな、そんな感じがしました。

 

M10.Cupid(5’39”)   I’ve Loved For A Long Time

-S.Cooke, MZager-  ワーナーWPCR-27591

 

N  こちらは80年のスピナーズ。白人制作者マイケル・ゼイガーと組んで、ディスコ・サウンド

をうまく利用した企画展開で、順調にヒットを重ねていた時代の代表作『ラーヴ・

トリッピン』からのシングル曲です。リード・シンガーのジョン・エドワーズがサム・クックそっく

りに唄っています。現モーニン・ブルーズ時代、終了間際に流したら、朝の番組出

演の英国人が「今のはサム・クックなの」と聞きながらスタジオに入って来た事があ

りました。その位にクリソツです。この『ラーヴ・トリッピン』はとても良い出来で、

人に薦められる1枚です。80年代のヴォーカル・グループをお探しでしたら、ぜひ

どうぞ。

さて、ここまでは50年代、60年代、70年代、そして80年代とちょっと

昔の音楽をお届けして参りました。始めの方はほとんど3分未満の曲ばかり

でしたね。ただしこの幻モーニン・ブルーズはあくまで同時代音楽番組。新しい作

品も紹介して行きましょう。

90年代、そして今世紀に入ってから各方面で活躍していた男、ショウ・タイムの

新譜は、なかなか気持ち良い。唄のスタイルが本格的で、昨今聞かれる喉から口

先だけの声とは違います。管を多用した演奏もダイナミックに迫ります。

聞いて下さい、「デジャ・ヴュ」。

 

M11.Deja Vu(3’28”)ショウ・タイム 

-unknown- BSMF REDN-0006

 

M12.Second To None(3’)キャット・リギンス  

-unknown- BSMF 2624

 

N  ショウ・タイム「デジャ・ヴュ」に続けましては、これも往年のシカゴ・ソウル的な響き。

タイロン・デイヴィスみたいですね。こちらもホーンが効いてます。バット・マンに出て来

たキャット・ヲーマンみたいな出で立ちの姿がジャケットの『イン・ザ・ボーイズ・クラブ』か

ら、キャット・リギンスで「セコンド・トゥ・ナン あんたは誰にも負けないよ」でした。

彼女はこのアルバムで実に様々なブルーズの影響下にある音楽を手掛けていま

す。本来はもう少し過激な持ち味を売り込みたいようですが、わたしにはこ

のオーソドックスなスタイルが響きました。キャット・リギンス、聞いてみて下さい。

 

M13.Lasting Kind Of Love(4’50”)Ana Popovic

-unknown-  BSMF 2622

 

N  音飛びや空白、そしてノイズとあまり状態の良い音ではありませんでしたが、

お届けしました。アナ・ポポヴィッチの新作です。お聞きのようにこの冒頭曲はケブ・

モをフィーチュアしています。彼女も「男勝り」的なイメヂで演って来ましたが、今作

はちょっと趣を変え、落ち着いて自分の音楽を作っています。今朝はまず「ラ

ースティング・カインド・オヴ・ラーヴ」でした。来週は、ケニー・ウェイン・シェパード、ロベン・

フォードとの共演などを聞いてもらいましょう。お楽しみに。

 

M14.Money Bags(3’35”) バナード・パーティ &フレンズ 

-unknown-  BSMF 5051

 

N  ヌー・オーリンズ風なインストゥルメンタルは、バナード・パーティと友人たちで「マニ・バグズ」

リラクスしたジャムの雰囲気が良いですね。パーディは例のハイハットとスネアのコムビネイションで

多用するフレイズ「タチーチー」で、再認識されているようです。ま、わたしに言わ

せればアタボーよ、てなモンですが、この最新作では極端なファット・バック・スタイルでは

なく、のんびりとした中にエッヂを効かせたドラミング主体です。これも流石。

さて今日は9月1日、暑い日々はもう終わってくれるのかな。酷暑の中に

初めて加齢を感じた2018年の夏が去って行きます。時に、毎年初夏にお送り

していたモーニン・ブルーズ夏の定番を、今年はお送りしていなかったようです。

今ここにゆく夏を遠く観てお届けします。

ナンシー・シナトラとリー・ヘイゼルウドで「サマー・ワイン」。

 

M15.Summer Wine(4’12”) 

-L.Hazlewood-  Paradiso PA-711-2

 

N  そして夏は終わります。

 

M16.夏の終わり(2’52”)キャロル  

-Y.Ohkura, E.Yazawa-  フォノグラム PHCL-3031

 

N  そして秋が来ます。

 

M17.夕月(3’29”) ジュン

-R.Nakanishi, T,Miki-  東芝 TPCT-10854

 

M18.霧雨の舗道(2’21”)加山雄三とランチャーズ

-K.Dan-  東芝 TP-7120

 

N  ナンシー・シナトラとリー・ヘイゼルウドで「サマー・ワイン」、「夏の終わり」キャロル、黛 ジュンで

「夕月」、そして加山雄三とランチャーズのインストゥルメンタル曲、「霧雨の舗道」続けてお

送りいたしました。すっかり秋雨前線が近づいたようです。この秋はあなた

をどんな事が待ち受けているでしょうか。楽しみですね。

さて、カブキラウンヂの帰り最終電車で戻って来まして、駅についてから久しぶ

りに地元にあるロック・バーに立ち寄りました。店主はベイス奏者でね。自然とそ

ちらに会話が進み、気がつくとこの人についてお互い語っていました。

ルイス・ジョンスンです。

 

M19.ストンプ(6’37”)ブラザーズ・ジョンソン

-L.Johnson, G.Johnson, V.Johnson, R.Temperton-  キャニオン D32Y3063

 

N  中間部のルイスのチョッパーが聞き物となっている「ストムプ」、ブラザーズ・ジョンスン

でした。このチョッパー弾きをね、誰が始めたか、なんていうありきたりの話に

なって、暫く盛り上がった後に、ベイス奏者のその店主がこう言ったんです。

「ポール・マカートニを7回も観られるとは考えてもいなかった」って。

彼は毎回来日公演に行っていたのですね。偉いなあ。わたしなどは大麻持

ち込みで中止となった初回公演の入場券を買ったまででした。考えると一度

観てない。今度の公演が多分最後でしょう。名古屋にでも観に行くか。

では「のっぽのサリー」で始まった9月の幻モーニン・ブルーズ、

ポール・マカートニのロケンローを聞いて、元気よく終わりましょう。

まずはジェイムズ・ポール・マカートニ風解釈のガーシュウィン楽曲からです。

去り行く夏を惜しみながら、「サマー・タイム」。

 

M20.サマータイム(4’57”)ポール・マッカトニー      

-I.Gershwin, G.Gershwin-  東芝TOCP-6669

 

M21.ローディ・ミス・クローディ(3’16”)ポール・マッカトニー 

-L.Price-  東芝TOCP-6669

 

M22.ルシール(3’13”)ポール・マッカトニー 

-Cllins, R.Penniman-  東芝TOCP-6669

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  ポール・マカートニのロケンロー・アルバム『バック・イン・ザ・U.S.S.R.』から、「サマータイム」、

「ローディ・ミス・クローディ」、「ルシヤ」でした。緊急事態のように短時間で録音され

たこのアルバム、ポールのロケンロー魂がかなり生々しく荒っぽく記録されています。

今も同じような情熱を持ち続けているのは驚愕の事実です。これには誰も敵

わないでしょうね。

さて今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/85bdf7011252403e9fb7c9243aeeee907ffe2a74

   ダウンロードパスワードは、h392nshzです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。俺は眠たいよ。

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/08/25

mb180825  カエルの報復

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

戻り酷暑、なかなか厳しいですね。今月上旬よりはマシですけれど、夜明け

前に湿度が上がってくるのかな、未明にとても寝苦しい時間帯があります。

ではお届けしましょう

クールな、クールな、「ラーヴ・ハズ・ファウンド・イッツ・ウェイ」、デニス・ブラウン。

 

M01.Love Has Found Its Way(4’30”)Dennis Brown

-Y.M.Brown, D.Brown-  Trojan / BMG  TJDCD515     1982

 

N  デニス・ブラウンで、「ラーヴ・ハズ・ファウンド・イッツ・ウェイ」でした。クールだな、ホント。

かつて「初めて聞いた時の印象はまだ鮮明に残っている」、なんて言ってま

したけど、探したら持ってなくてね。3週間ほど前には同じ曲をフランキー・ポール

のカヴァでお聞き頂いていました。

今朝は本人の歌でお届けしました。発表は1982年、伝説の「スタジオ・テクノポ

リス27」の始まった年ですね。盤を手に入れて直ぐに番組で紹介しました。わ

たしとしては珍しく、イントロに曲目紹介を載せたりしてみました。DJのイギリス

人が「暑くなると、自然にレゲを聞きたくなります。デニス・ブラウンの新譜で、『ラ

ーヴ・ハズ・ファウンド・イッツ・ウェイ』をどうぞ」なんて喋ったんじゃないかな。こ

の時まとまりの悪さに懲りて、以降このイントロ載せはお互い封じました。

さてこのデニス・ブラウンは、CD2枚組のベスト盤からです。70年代から80年代

までの充実期を凝縮した内容で、通して聞いているとこのジャメカの唄い手が如

何に偉大だったかが伝わってきます。基本的に雰囲気、傾向はひとつ。それ

が実にこの島の男らしく納得出来るのです。

わたしがキングストンのスタジオで仕事をしている時に突然現れ、エンジニアと大声で

喋って最後は「ガハハハハ」と笑って去って行った姿が今も残っています。「あれ

は誰だ」「デニス・ブラウンだよ」「えーっ」てな感じ。その後で路上で出合った事

もありましたね。ポンコツ、ボロボロのフェアレイディZを運転してました。

今回このベスト盤で知った面白いカヴァをどうぞ。

「ブラック・マヂック・ヲーマン」、1972年の作品です。

 

M02.Black Magic Woman(3’17”)Dennis Brown

-P.Green-  Trojan / BMG  TJDCD515

 

M03.Wood Beez(4’48”)Scritti Politti

-Green, Gamson-  ヴァージン・ジャパン  VJD-28091

 

N   デニス・ブラウンの「ブラック・マヂック・ヲーマン」、そしてスクリティ・ポリティの「ウードゥ・ビ

ーズ」でした。突然の、聞いていて恥ずかしくなるような80年代の音、スクリティ。

これもテクノ・ポリス27で何回も何回も流した楽曲です。

副題に「プレイ・ライク・アリーサ・フランクリン」とありまして、歌の中でも「毎晩眠る

時にアリーサ・フランクリンみたいにお祈りするんだ」と出てきます。わたしはアリーサが

祈っているところを見た事がないのですが、どんな風になるんでしょうか。

唄っている時に、彼女は祈り、神と交信しているようにも思えます。ですか

ら寝床で「アリーサ・フランクリンみたいにお祈り」するのはなかなか難しいでしょう。

さて8月16日にそのアリーサ・フランクリンが亡くなった事は、皆さんもうご存知で

すね。一般新聞の訃報はもちろん、週末のヌーズ・ショウで、映画「ブルーズ・ブラザ

ーズ」の映像入り報道があったのには驚きました。そんなに知名度あったのか。

以前から体調不良が伝えられ、亡くなる数日前には危篤状態にある事も告

げられていましたから、突然の衝撃ではありませんでした。どなたも心の準

備は出来ていたと思います。

限りある命なのですから、このように60年代、70年代に頂点を極めた歌

い手、演奏家がこの世を去って行くのは年齢を考えれば当然です。これから

はもっと多く、毎日毎晩のように訃報はもたらされるでしょう。吉岡正晴、

これからも忙しいぞ。

とは言え、わたしにも彼女は特別な存在でした。R&B、ソウル音楽へのベクトル

を決定的にしてくれた唄い手です。短い時間ですが、思いつくままに彼女の

唄声を聞いて行きましょう。

 

M04.Respect(4’08”)Aretha Franklin

-O.Redding-  Atlamtic 8122-77629-2

 

N  ビル・グレアムの紹介で始まるフィルモアのアリーサ・フランクリン、「リスペクト」。わたしにはこ

れがアリーサ第一番です。

生涯初めての体験として白人の若者たちの中に飛び込んだアリーサ、そしてスー

パー・キングピンズとスウィート・インスピレイションズ。素晴らしい緊張と集中の漲った、一

曲目からの全力投球です。アリーサは一通り歌い終えてから「こんばんは」と語

りかけます。ここが格別。今まで見たこともないような聴衆を前に、若干物

足りない反応に戸惑いながら、「ゆっくり楽しんでいって頂戴ね。そう、気持

ち良くなってくれればいいのよ」と、しっかりメセヂを伝えます。この語りの

最後にはもう全員の心を掴んでいます。そのアリーサをしっかり支える演奏、コーラ

ス。用いられるイディオムの確実さ。キング・カーティスの指揮で制御される抑揚、すべ

てが最高の次元で調和しています。

この実況録音盤は十年ほど前に完全盤仕様が出ていて、今では当夜の更に

奥深い実態を知る事が出来ますが、このLP1枚にまとめられた濃密な時空は

永遠です。ソウル・ミュージックがこんなに輝いた時期もあったのです。

もちろん、これ以前のアリーサも充分に魅力的でした。これは如何でしょうか。

キャロル・キングの作品です。「ナチュロー・ヲーマン」。

 

M05.A Natural Woman(2’37”)Aretha Franklin

-J.Goffin, C.King-  Atrantic / Rhino 8122 79827 9

 

N  「ナチュロー・ヲーマン」でした。ゴスペル界で大切に育てられたアリーサがこういう歌を

唄うようになるのは、ジェリー・ウェクスラーに呼ばれてアトランティックで吹き込みを始めて

からです。それまでになかった新しいR&Bの創造に大いに寄与したこの時代。

その象徴のような一曲でした。アリーサの切実な唄が心に残りますね。

この録音が1968年。彼女はこの後もインディペンデント・レイベルのアトランティックで、

意欲的な作品を発表し続けます。ただ売れ行きも含めて結果は順調ではなく、

彼女自身も何度か「スラムプ」状態に陥っていたようです。アトランティックの制作方針

が定まらなかったのが主たる原因。このレイベルに彼女のような天才が長く在籍

したのも初めてですから、きっと持て余していたのでしょう。

70年に入ってようやくアリーサは確固たる自分の道を見出します。それは新し

い時代の黒人意識を先導する考えでした。キイワードは「リスペクト」。その証明が、

先ほどの『ライヴ・アット・フィルモア・ウエスト』でしょう。そしてスチューディオ録音の革新

的作品は『スピリット・イン・ザ・ダーク』でした。

 

M06.Oh No Not My Baby(2’55”)Aretha Franklin 

-J.Goffin, C.King-   Atrantic / Rhino 8122-71525-2

 

N  アルバム『スピリット・イン・ザ・ダーク』から、これもキャロル・キングの作品で「オウ、ノウ、

ノット・マイ・ベイビ」でした。粒子の粗いモノクロームの地味なジャケットのこの盤は、内

容も賑やかではありません。ただわたしには強烈な印象で今も迫ります。ち

ょうどフィルモア・ウエストであの公演を行う直前に出来上がっていて、ここからアリーサ

は揺るぎない存在として、世界で認識されるようになりました。

ではそのアルバム『スピリット・イン・ザ・ダーク』、冒頭曲です。

「ドント・プレイ・ザット・ソング」。

 

M07.Don’t Play That Song(3’02”)Aretha Franklin 

-B.Nelson,A.Ertegun-  Atrantic / Rhino 8122-71525-2

 

N  「ドント・プレイ・ザット・ソング」、アリーサ・フランクリンでした。どなたもご存知の通り、

彼女は著名な牧師C.L.フランクリンで、ゴスペル教会一家の育ちです。そこで鍛えら

れた歌唱力は抜群でしたが、1961年にコロムビアと契約したものの、なかなか良

い作品が生まれず、ヒットとも縁遠い存在でした。これは彼女を強引にコロムビアへ

引っ張って来たジョン・ハモンドがうまくやれなかったのと、毒にも薬にもならな

い「女性ジャズ的」ポピュラー・シンガーを安易に求めたレイベル側の失策です。

その頃の録音はLP時代にも継続的に発売されていましたが、どれを聞いて

も何よりアリーサが何をどう歌ったら良いのかわからずにマイクの前に立たされて

いるような印象は拭えません。それがCD時代になって出た物には純粋なゴス

ペル期1956年の、おそらくSPから起こした録音が含まれていました。ここ

に彼女が神と交信をする姿が刻まれています。

楽曲はトーマス・ドージーの名作「プレシァス・ロード」。1部、2部続けてどうぞ。

 

M08.Precious Lord pt.I & II(6’23”)Aretha Franklin

-T.Dosey-   Soul Jam 600807

 

M09.Today I Sing The Blues (2’47”)Aretha Franklin

-C.Lewis-  Soul Jam 600807

N   どうですか、アリーサの祈り。絶対に寝床の中では無理、という事がお分かり

頂けた筈です。続けたのは、それから4年後1960年録音の「トゥデイ・アイ・シン

グ・ブルーズ」。コロムビアと契約する時に試しに唄ったのも同じ楽曲だと思います。

ただこのテイクはそのデモ録音ではなく正式な吹き込みでしょう。

さてアリーサが新しい黒人観、女性観、世界観を訴え始める前に、同じような

世界共通の価値を主張していたのが、ニーナ・シモーンです。彼女には持ち前のキツーイ

性格もありまして、矛先を緩めないで正に孤軍奮闘していましたが、彼女の

書いた「ヤング、ギフテド、アンド・ブラック〜若く、才長けて、しかも黒い肌」で、

ようやく多くの人が目を覚ましました。アリーサもアルバム表題に用いた位です。さ

ぞかし心を打たれたのでしょう。

アリーサ・フランクリンとなると、どうしてもいろんな事を話したくなって、キリがあ

りません。亡くなってしまったことは悲しいですけれど、彼女の素晴らしい

歌声、祈りはこれから何時だって、何時までも聞く事が出来ます。決して忘

れたりは出来ないでしょう。それがレコード音楽の最も素晴らしいところです。

これからもアリーサはわたしたちのすぐ側にいてくれるから、大丈夫。

She Is Standing By Our Side, And It’s All Right. Amen.

これからも何度も登場するアリーサ、今朝はこのくらいにして、ニーナ・シモーンのライ

ヴから先の「若く、才長けて、しかも黒い肌」をお聞き下さい。唄い始める

前に「今アメリカには2,200万人ほどの黒人が暮らしてるそうだけど、この歌は、

そうね100万人ぐらいが分かってくれたら、わたしはそれでいいわ」なんて

言ってます。こういうところが、この人は・・・。

 

M10.黒人賛歌(7’11”)ニーナ・シモン

-Simone, Irvine-  BMGファンハウス BVCJ-37236

 

M11.End Of The Line(2’57”)Nina Simone

-J.Edmondson, C.Medley-  Verve 314 543 251-2

 

N  「ヤング、ギフテド、アンド・ブラック〜若く、才長けて、しかも黒い肌」、ニーナ・シモ

ーンでした。続けて同じくニーナの「エンド・オヴ・ザ・ライン」、同じ題名の一曲が、

バディ・ガイの最新作にありますけれども、これは別の歌。ニーナ・シモーンが1965

年に発表しています。どうやら離婚届に署名して別れの手続きが終わった後

の情景のようです。ニーナの低く暗い声が演劇の舞台描写をするように響きます。

こういうのは彼女以上の表現者はいませんね。アリーサも敵わないでしょう。

さて、3週間続けてお届けしました音楽聖人ジョン・コルトレインの新作『ザ・ロスト・

アルバム』、わたしは「新譜」という事もあって嬉しく聞いていましたが、先日

東京新聞の夕刊コラム「大波小波」で「大した出来ではない」という意見を目に

しました。昨今あらゆる発表作品、行為に個人の資格で批判をする事は禁じ

られているかのように皆無です。それがSNSで火がつくと集団暴行に転じ

る・・・そんな折に出会った、評価を超越した偉大なる物故者の遺作への苦

言。大いに勇気ある行動です。このコラム自体は、この作品が他の雑誌で無条件

に持ち上げられている状況にイチャモンをつけたかったようで、匿名だったのも残

念です。多分そのうちに無視されたままで古新聞と共に消えて行くでしょう。

この人はおそらく聖人のオム音を使った天空との会話を熱心に聴き込んでい

て、それらと比較しての所感を以って「大した出来ではない」と言い捨てた

のだと思います。それは分からなくない。何しろここでコルトレインはフツーの事しか

演ってないんですから。それでもね、あるいはそれだから、わたしはこのフツー

のジャズ演奏を素直に聞けているのだと思うんです。

では『ザ・ロスト・アルバム』から「無題創作曲 11383番」、

ジョン・コルトレイン  ソプラノ・サクスフォン

マッコイ・ターナー ピアノ

ジミー・ギャリスン ベイス

エルヴィン・ジョーンズ ドラムズ、以上でお送りいたします。

 

M12.Untittled Original 11383(5’41”)John Coltrane 

-J.Coltrane-   Impulse!  00602567639251

 

M13.Air A Danser(4’32”)Penguin Cafe Orchestra

 

N  ジョン・コルトレイン「アンタイトルド・オリヂナル 11383」でした。その次にはペンギン・カフェ・

オーケストラの「エア・ア・ダンサー」でした。五月のそよ風のような空気が流れる4分

32秒ですが、敢えて戻り酷暑のこの時期にお届けしました。

これと全くそっくりな楽曲を聞いた事があります。編成、構成、モチーフがよ

く似ていた上、何回かリタルダンドに持ち込むところもクリソツでした。それが何だ

ったか今すぐには特定できませんが、多分わたしの持っている盤です。また

探し物かな。

さて、瞬間的に一世を風靡したサイモン・ジェフズのペンギン・カフェ・オーケストラです。

1981年、この頃はわたしでさえ、「EG」のレコードを聞いてました。捉え所の

ないこのLPは、B面に移ると唯一のカヴァ曲が収録されていまして、そこで誰

もが安心出来たり、微笑んだりした事でしょう。わたしはサイモンに偉大なるユーモ

アを感じました。

 

M14.Walk Don’t Run(3’01”)Penguin Cafe Orchestra  

-J.Smith-  EG  EEGCD 11

 

N  ご存知「急がば回れ」、日本ではヴェンチュアズが流行らせ、大いに流行りました。

エレキ触った事あってこの曲を弾いてない人はいないんじゃないかな。

これです。

 

M15.Walk Don’t Run(2’05”)The Ventures   

-J.Smith- Starbucks Entertainment / Rhino  no number

 

N  ザ・ヴェンチュアズで「急がば回れ」。どんなエレキ教則本も第一章はこれですね。

ところで、これはアムプをテケテケ鳴らすエレキ・バンド用に書かれた楽曲ではなく、

もう少し繊細で小味の効いた旋律の作品だったようです。スネア・ドラムの乱れ打

ちからAm-G-F-Eと下降するブロック・コードで荒っぽく特徴付けたのはヴェンチュア

ズです。

カントリー・ギターの名手、神様チェット・アトキンズがそれ以前にカヴァしています。ヒット

にこそならなかったものの評判は良かったようで、ベスト盤にも入っていまし

た。そちらを聞いてみましょう。しりとり遊びのように続いていくメロディの妙

がお分かり頂けるはずです。

 

M16.Walk Don’t Run(2’20”)Chet Atkins    

-J.Smith- Budda 7465 99673 2

 

M17.The Moving Finger(5’39”)Dorothy Asby  

-D.Ashby-  Dusty Groove America DGA 3002

 

N  C級映画サントラ的なこの音楽は、冒頭と終了部の呪いも含めて、ドロシー・アシュビ

ーという黒人女性の「ザ・ムーヴィング・フィンガー」でした。この人はお琴を引く人

で、シカーゴのチェスに2枚程フルアルバムを残しています。ヴァイブやカリムバも入った全

体の響きは、ワールドミュージック台頭前の、薬物感のないサイケデリック調。どことなく

涼しい。先ほど「C級映画サントラ的」と言いましたけれども低予算の黒人活劇

で、本当に使われてたかも知れません。そんな匂いが充満しています。

ここから連想されたのがダブ。ひんやりした手触りが共通するのかな。

今朝はロンドンはブリクストンを本拠地とする、フレッシュ・エア大好きのバルベイドース人デ

ニス・ヴォーベルの手になる『リントン・クウェシ・ジョンスン・イン・ダブ』から、

「ショッキング・ダブ」をどうぞ。

 

M18.Shocking Dub(4’45”)Linton Kwesi Johnson  

-L.K.Johnson, D.Bovell-  Nango / Island 162-539 650-2

 

M19.Fade Out(3’52”)James Bay

-J.Bay, J.Green-  republic  0060256743615

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  デニス・ヴォーベルの「ショッキング・ダブ」の次にはイギリスの若手、ジェイムズ・ベイで

「フェイド・アウト」でした。バディ・ガイの最新作で知って手に入れたアルバム『イレクト

リック・ライト』からです。ヴォーカルが歪み気味なのは、これでいいのかなあ。先の

アリーサ・フランクリンンの「プレシァス・ロード」は明らかに歪んでいましたが、これは当時

の機材、技術では仕方ない事です。2018年の録音でこれはないでしょう。意

図的なのかな。とすれば、大いに疑問です。それにしてもプリンスの影が濃いで

すね。そう言えば故プリンス・ネルスンのピアノ弾き語りアルバムが出るらしいです。多

分残された膨大なデモ録音の中から集めたものなのでしょう。一度は聞いてみ

たいです。

さて、アリーサ・フランクリンの死去に因んでこんな生DJショウにお声がかかりました。

お知らせ致します。

いーぐる連続講演第649回 11月10日(土曜日)今回に限り午後3時より

『追悼アレサ』

先ごろ惜しくも亡くなったソウル界のビッグ・スター、アレサ・フランク

リンを追悼。鈴木啓志、高地明、鷲巣功 R+Bじじい3人揃い踏みで、アレサ

をかけ、語り尽くす!

参加費1600円+飲食代金

 

わたしが初めて人前でDJを行った四谷のジャズ喫茶店いーぐるの土曜イヴェン

トです。ここは音響装置が特別ですから、アリーサの新しい魅力が聞き出せるかも

知れません。過去に「ボビー・ブランドの魅力とはこれだったのか」とわたしの

耳から栓が抜けた事件が起こってます。いーぐるのウェブサイトにはもう少し詳し

く出演者の略歴なども出ています。これがお恥ずかしい・・・。

 

来週は夏の本番「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」です。詳細はツイターに無

地日野鳥居さんが揚げてくれています。ありがとうございます。今年は鉄砲

光丸会、鳴門会、五月会、河内音頭ご三家の激突。どうなりますやら、わた

しも大いに楽しみです。生まれて初めて加齢を感じた2018年、ワツシイサヲは体力

が保つのでしょうか。こちらも興味津々。

8月29日、30日、午後5時30分開演です。

場所は錦糸町南口首都高速道路7号線高架下竪川親水公園内特設会場

入退場無料。皆さんどうぞ挙ってお出かけ下さい。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/1e684f567160de4cf0c61bf940988b56de522f36

ダウンロードパスワードは、cu45t1s0です。
再確認しております。先週はご迷惑を

おかけいたしました。それにしても符牒を解読するなんて、凄い技。脱帽で

す。

さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/08/18

mb180818

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

相変わらずの気候で、熱いですけれど、ここ数日間はほんの少し、風や陽

射しが秋めいて来たように感じませんか。日暮れも早いし、朝も明けるのが

すっかり遅くなりました。ただし、まだまだ暑い夏の日は続きます。西日と

残暑は手強いぞ。お気をつけ下さい。

今朝はまず、先週の生放送に持っていくのを忘れてしまった1枚からお届

けしましょう。

「誰もが禁煙者だ」、ドリンキン・ホッピーズ。

 

M01.誰もが禁煙者だ(3’31”)ドリンキン・ホッピーズ

-C.P.Johnson, M.Azuma-  Pヴァイン PCD-25260

 

N  ドリンキン・ホッピーズで「誰もが禁煙者だ」でした。リード・ヴォーカルとギター、そし

て日本語詞は吾妻光良でした。僅か3分31秒ですが、絶妙のテムポーと沢山の

要素が詰め込まれた編曲のせいでしょうか、もっと長く感じます。

煙草喫煙者に共通するボヤキでしょうか。唄の中にもありました様に吾妻は

病気が怖くてやめた訳じゃなく、値上げしたから吸うのやめた様です。昔は

チェイン・スモーカ的に吸ってましたね。特に狭いスタジオでの作業中、ずっと咥え煙草

だった姿は印象に残っています。

わたしは20代後半に体を弱くしまして、1ヶ月ほど酒を絶ったんだけども

治らない。それが煙草をやめたら元気を取り戻せまして、「ああ、これは自分

の体に合わないんだ」と気づき、それ以来は控えています。

ただし偽善的嫌煙者ではありませんし、喫煙者の味方です。そんなに悪い

んなら、法律で禁止すればいいだろう、という考えを持っています。栽培生

産も停止しなきゃダメですよ。先に国会を通過した禁煙法なんて、ほとんど

骨抜きの禁煙先進国に対する言い訳です。東京都のも同じような物でしょう。

表に「喫煙可」って貼っておけば違法ではない、こんな事を投票で選ばれた

エリートたちが話し合って決めるんです。お笑いですね。狭いところで隠れて、

お互い慰め合って吸わざるを得ない喫煙者たちは可哀想です。こういうのは

健康によくないよ。

さて、先週「ロケッティエイティエイ」をお聞きいただいたブルーズ女、ナツコです。今朝

は同じアルバム『ブルー・ストッキング』から、2曲お届けしましょう。まずはこれです。

「ブルーズ・ウィズ・ア・フィーリング」。

 

M02.Blues With A Feeling(4’59”)Natsuko

-W.Jacobs-  Local Records LPR-0001

 

N  「ブルーズ・ウィズ・ア・フィーリング」、リル・ヲルタの名作のひとつですね。わたしが初

めて聞いたのはヲルタじゃなかったな。誰だろう。自分のではなく他人の持ち物

だった筈です。

レコード屋で「ロケッティエイティエイ」を聞いて古い女性ブルーズ歌手のカヴァだと思って

ましたが、アルバム2曲目のこれが流れるに及んで、すぐカウンターに直行して「こ

れは誰ですか」と訊ねた次第です。

今の「ブルーズ・ウィズ・ア・フィーリング」には、ギターで小出斉、倉本巳典がベイス、

そしてドラムズ吉岡幾三が付き合ってます。これは頷ける人選ですが、他のセッシ

ョンでは意外な名前を発見しました。夕焼け楽団のオリヂナル・メムバだったギターの

藤田洋介です。本人に聞いたら、「久しぶりの全員同時演奏で緊張した」なん

て言ってました。

では聞いて下さい。楽曲も彼の書いた作品です。

「星くず」。

 

M03.星くず(4’41”)Natsuko   

-Y.Fujita, M.Fujita- Local LPR-0001

 

M04.White Line(3’49”)Emmylou Harris     

-E.Harris, P.Kennerley-  Warner 08 1227934293

 

N  謎のブルーズ女ナツコの「星くず」、フィーチュアリング・ヨースケ・フジタでした。如何かな。

彼女のアルバム『青い長靴下』にはこのようにブルーズ形式以外の楽曲も含まれて

います。松田聖子の「スウィート・メモリーズ」、聞きたくないですか・・・。

それに続けましたのは、エミルー・ハリスの新装旧譜『ザ・バラッド・オヴ・サリー・ロー

ズ』から「ホワイト・ライン」のデモ、試作録音です。詞曲の姿が露わになっていま

す。これだけでも充分に魅力的ですね。

では次に、これを基にじっくり練って翌年録音されて、シングル・ヒットにもな

った完成形を聞いて下さい。

 

M05.White Line(3’47”)Emmylou Harris 

-E.Harris, P.Kennerley-  Warner 08 1227934293

 

M06.Don’t Waste Your Tears(3’58”)Joshua Hedley

-J.Hedley-  Third Man Records  TMR-595

 

N  エミルー・ハリスの新装旧譜『ザ・バラッド・オヴ・サリー・ローズ』から「ホワイト・ライン」の

正規仕様でした。先ほどのデモも含めてナッシュヴィル録音ですが、完成形は特にリズ

ム、ヴォーカル・ハーモニーにウエスト・コースト調な味付けが施されていました。時流を反映、

という事でしょうか。1984年に発表されています。

ここでの「ホワイト・ライン」は、荒野に伸びた高速道路の事ですか。間違っても

吸引用白い粉の列ではありません。お間違えなきよう願います。

その後しのび寄って来たのは、セイム・オールド・カントリー度100%男、ジョシュア・ヘド

リイの「ドント・ウエイスト・ヨー・ティアーズ」です。

 

   お互い一生懸命やってみた

   でもうまく行かなかったんだ

   俺を想って泣いてくれるな

   涙は大切にしてくれ

 

クリス・クリストファスンの「心の想い出」のように迫りますが、この主人公の男は

少し悪い男のようです。何度も嘘をついたし、相手を人形のように扱った。

オリヂナル盤に添付されている歌詞は、正直な懺悔でしょうか。

お見事、とも言えるカントリー仕立て。声、唄が、更にその雰囲気を煽ります。

「たまにはカントリーもいいなあ」なんて気分になりませんか。

 

M07.Centerfield(3’50”)John Fogerty 

-J.Fogerty-   Ryko 10825

 

N   おいコーチ、俺を出してくれよ

今日はとっても調子がいいんだよ

 

ベンチでウズウズしている補欠選手の声でしょうか。気持ち分かりますね。映

画「がんばれベアーズ」の2005年公開版サウンド・トラック盤からジョン・フォガティで「セ

ンタフィールド」でした。

さて甲子園第100回大会も終盤、来週には優勝校が決まります。これまで

2年後開催の真夏オリムピックに対して批判的な意見を述べて来たワツシイサヲですが、

高校野球には少々複雑です。と言いますのは、この催事は地方予選も含めて

過酷な暑さがないと成立しないと思えるからです。春も同じですが、特に夏

は連戦を続ける高校生たちの肉体疲労、連投を重ねる主戦投手の肩への負担

など、問題点は数多くあります。ベイスボールという似たルールの競技を行っている

アメリカからは、「狂気の沙汰」とも見られております。確かに御意。そのせいか、

昨今では休養日やタイブレイク制度など改善策が導入されるようになりました。

しかし、ずっと続く一番の理由は、何より運動競技に全く不向きな、酷暑

の屋外炎天下での開催という自然環境があるからではないでしょうか。もし

これが涼しい秋に行われていたら、雰囲気は全く異なる筈です。もっと球技

らしい試合展開、争いになるような気もします。ここに出て来ている選手た

ちは、まず暑さ、そして夏の甲子園と闘っているのです。

観に来ているお客さんたちも同じ。6時前の開門から夕方まで陽よけも無い

外野席が大入りなのは、みんな好きで「暑さ、そして夏の甲子園と闘ってい

る」からなのです。日程の重なる夏休み、お盆、敗戦記念日などの行事とも

無縁では無いでしょう。そんな要因が絡み合っての開催です。もちろん、過

去はこれほど暑くはなかった。

朝日新聞社が選手の熱中病について報道しない等と言われています。それ

も当然でしょう。全国高等学校野球選手権大会には社運が掛かっています。

公益財団法人日本高等学校野球連盟も、夏の開催を変更するなんて気はさら

さら無い。未だに非科学的な思想、因襲に囚われて慣性で同じ事を繰り返す

のが、この国の運動競技団体です。

決して甲子園の全面否定をしているのではありません。わたし自身テレビで

ずっと熱く観戦しております。名門母校の地方予選には出かけます。起立し

て校歌斉唱を致します。今年はたまたま涼しかったのですが、振り返ると暑

く苦しかった方が充実した気分になれた。昔からわたし達には、こういう集

団自虐体質があるのですね。全国高等学校野球選手権大会、どうなるのかな

あ。みんな、分かるよね。

さて、先週の生放送で、「倍賞美津子」以外にも間違った事を言っていまし

た。それは「ミスタ・ボージャンゴーズ」についてです。投稿欄でご指摘の通り、「ミ

スタ・ボージャンゴーズ」は、ビル・ロビンスンの事で、アル・ジョルスンではないですね。失

礼致しました。ジュディ・ガーランド箱物の大変読みにくい収録曲目クレジットにアル・

ジョルスンの名前を見つけた時から「ミスタ・ボージャンゴーズ」だ、と勝手に思い込ん

でいました。アル・ジョルスンは白人で、ミンストレル・ショウ的に顔を黒く塗り黒人を装っ

て演技した男。世界初の音声付き映画で最後に「ちょっと待て、お楽しみは

これからだ」と観客に話しかけたんではなかったか・・・、あ詳しくない事

を喋るのはやめておきましょう。

それとは別に「ミスタ・ボージャンゴーズ」というと、わたしはまずこれなんです。

 

M08.Mr.Bojangles(4’29”)King Curtis  Bill Robinson

-J.J.Walker-  イースト・ウエストAMCY-2905

 

N  キング・カーティスと最強のキング・ピンズが1971年の2月にフィルモア・ウエストで演奏し

た「ミスタ・ボージャンゴーズ」でした。これは今週の16日に亡くなったアリサ・フランク

リンの大きな転機となったフィルモア・ウエスト公演の前座演奏の実況録音です。この歌

「ミスタ・ボージャンゴーズ」は、ジェリー・ジェフ・ヲーカーの自作自演で既によく知られ

ていましたが、わたしが最も数多く聞いたのは、この仕様です。アリサについて

は、また改めて。

作者のジェリー・ジェフ・ヲーカーは留置場で知り合った無名なボードヴィリアンにビル・

ロビンスンを重ねて唄ったらしく、内容はビル・ロビンスンの生涯とは異なる、誤解さ

れている、と言う説が今では正しいとされています。これまたよく知らない

世界の話ですから、この辺りで留めておきましょう。とにかく、「ミスタ・ボージ

ャンゴーズ」はアル・ジョルスンではない、これだけは訂正しておきます。

もうひとつ、リクエストのあった、クィックシルヴァ・メセンジャ・サーヴィスの「フレッシュ・エア」、

これが何を意味するか、というお問い合わせも頂いておりました。この歌の

中ではともかく、その昔わたしは「フレッシュ・エア」と聞いて直ぐにピンと来まし

た。当時、東北沢に同じ名前の音響会社がありましてね。そこに出入りして

た人たちは、皆「新鮮な空気」を吸引していたらしいですよ。その中のひと

りは吸い過ぎて警察に捕まっていました。

その「フレッシュ・エア」とは、これではないでしょうか。

 

M09.パープル・ヘイズ(2’50”)ジミ・ヘンドリックス 

-J.Hendrix  MCA MVCE-24027

 

M10.ヴィラノヴァ・ジャンクション(4’29”)ジミ・ヘンドリックス

-J.Hendrix-  MCA MVCZ-10042/3

 

N  「紫のフレッシュ・エア」、ジミ・ヘンドリクスでした。そして、49年前の今日、1969年

8月18日朝、ウードゥ・ストゥークで最後の出し物として出演したジミの最終演奏曲

目「ヴィラノヴァ・ジャンクション」。荒涼とした月曜朝の会場を連想させます。秋風立

ちぬ、です。お見事。こう言うところがジミは凄いんだ。それにしても49年

前とは、ハラホロヒレハレヒレハレハ・・・。

 

M11.Dindi(3’30”)Francis Albert Sinatra  

-A.C.Jobim- Reprise 9-46948 2

 

N  先週のそして、「夏メロ」、お楽しみいただけましたか。わたし自身も確かに気

持ち良かった。

真夏に聞く涼しい音楽の筆頭は、やはりボッサ・ノーヴァでしょう。洗練された

楽曲、演奏、唄が漂わせる冷やかな雰囲気は別格。だいぶ前に全ての音楽の

理想形はボッサ・ノーヴァだ、と言う説を聞いたことがあります。頷けなくもない

ですね。

今朝はちょっと変則的にフランク・シナトラのボッサ・ノーヴァ・アルバムから、まず「人

事」をお送りしました。これは1967年に、シナトラがアントニオ・カルロス・ジョビムと一

緒に吹き込こんだ一枚で、オーケストレイションと棒振りはクラウス・オーガーマンが担当してい

ます。シナトラの声、その背景となる演奏もはいつも通りで、ちょっとボッサ・ノーヴ

ァ向きではないかもしれませんが、北米西海岸の都市での避暑地音楽として雰

囲気は充分です。

では同じくアントニオ・カルロス・ジョビムの有名な作品から

「瞑想」。

 

M12.Meditation(2’57”)Francis Albert Sinatra

-A.C.Jobim- Reprise 9-46948 2

 

M13.Impressions(4’30”)John Coltrane

-J.Coltrane- Impulse!  0060256739251

 

N  「瞑想」に続いては「印象」、ジョン・コルトレインです。この曲はヴィレッヂ・ヴァン

ガードの実況演奏が超有名ですが、その後こんなトリオ編成でスタジオ録音も残して

いました。直接的にはだいぶ控え目な演奏ですが、演奏する3人とも何かを

深く考えているような思いにさせられませんか。ジミー・ギャリスンのベイス、エルヴィ

ン・ジョ-ンズがドラムズ。まさかこの世でコルトレインの新譜に出会えるとは、予想だ

にしていませんでしたから、この幸運を大切にしたい。皆さまもね。

次は本当の新譜、カマシ・ヲッシントンの『天国と地獄』からです。これを『地上と

天国』と言うべきではないか、と言うご意見をいただきました。全くその通

りではありますが、わたしにとって現世はヂゴクなんですよ。そこでまあ楽し

くやっておりますが。果たして、天国はあるのか、そして自分はそこへ行け

るのか・・・。

ではカマシ・ヲッシントンに返事を貰いましょう。

「ハブ・トーンズ」。

 

M14.Hub-Tones(9’11”)Kamasi Washington    

-K.Washington-  Young Trucks YT176CD

 

N  とても整えられた良い録音ながら、演奏の自然な一体感が伝わって来ます。

終了部分の管の繰り返されるフレイズに段々と力がこもって来る辺りには、興奮

させられますね。「ハブ・トーンズ」、カマシ・ヲッシントンでした。

さて、ボッサ・ノーヴァが涼しい音楽と来れば、レゲも同じように避暑地的な快

感を漂わせた音楽です。国情の反映で、安易にトロピカれない部分もありますが、

更にダーブは、暗い地下室で冷えた機械に触れた感じがします。

ではこれまたこの時期の定番、シュガー・マイノットの「グッシン・ゴーイン」、これは

元々がジャクスン・ファイヴの歌で、「おしゃれな恋」という邦題がつけられていま

した。でも今や完全にシュガー・マイノットの持ち歌ですね。そしてキング・タビーのクール・

ダーブです。「スリー・タイムズ・スリー」。

 

M15.Goodthing Goin’(4’56”)Sugar Minot   

-The Corporation-  Black Roots LP 62662

 

M16.Three Times Three(3’07”)King Tubby    

-trd.arr. L.Perry-  Spectrum / Universal SPEC 2063

 

N  ヒンヤリしたキング・タビー「スリー・タイムズ・スリー」、大変結構。先の「グッシン・ゴーイン」

は12インチのアナログ盤ゆえ、かなり針の音が聞こえました。少なくともこの盤、

千回は回している筈ですからねえ。

さてすっかり世界共通語となったレゲ。地球の上のあらゆるところに愛好家

がいます。次はフランスのギヨーム・メテニエル、Guileaum Metenierの読み方はこれで

いいのかな・・・、彼はミクサー / プロデューサーとして音楽最前線で多岐に渡り活躍

中。その彼がダーブを手がける時の名前がソウル・シュガーです。『チェイス・ザ・ライト』

という2017年発表のアルバムから、聞いてみましょう。

「ワイ・カント・ウイ・リヴ・トゥゲザ」。

 

M17.Why Can’t We Live Together(5’20”)Soul Sugar  

-T.Thomas-  Gee Records GEE CD001

 

N  マイアミのオルガン師、ティミー・トーマスの代表曲「ワイ・カント・ウイ・リヴ・トゥゲザ」。リオナル

ド・カーマイケルという唄い手の起用でかなり忠実にカヴァしてました、ソウル・シュガー。

フランス人ということで、わたしは仏語レゲを想像していましたが、その期待は裏

切られたようです。アルバム全体もジャメカン・レゲ・マナーに則った手法で造られてい

まして、ちょっと物足りない。フレンチ・レゲ、ダーブお仏蘭西流を聞いてみたか

ったのです。

さて、「なぜ肌の色が違うと一緒に生きられないんだろう」、この問いに

対する答えは、昨今再び難しくなって来ています。もっと具体的に質しまし

ょう。

ヲーです。「なぜ俺たちは友達になれないんだ」。

 

M18.Why Can’t We Be Friends? (3’47”)War 

-Allen, Brown, Dickerson, Jordan, Miller, Oskar, Scott, Goldstein-

Avenue Records  R2 75003

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  ヲーで「ワイ・カント・ウイ・ビ・フレンズ」でした。

何度聞いても初っ端の鍵盤リフは絶対に間違ってますね。わたしならば即座

に「NG」を出して「トップ・アゲイン」を指示してます。

昨日は湿度が低くて、過ごしやすかった。ひょっとして秋はすぐやって来

るのかも知れません。でも高校野球と同じで、盆踊りは暑くなきゃ盛り上が

りません。昼間の火照りを冷ましながら逝く夏を送る、これが盆踊りの風情。

ここのところ毎日のように河内の里と電話で話しています。向こうはずっと

暑い日が続いているようです。熱気を持ち込んで貰いましょう。

「第37回すみだ錦糸町河内音頭第盆踊り」

8月29日、30日、墨田区錦糸町の立川親水公園でお待ちしています。

ところで、この番組後テーマ曲「ボーン・イン・シカーゴ」の暑苦しさ、これは

異常気象に近いですね。先週の生放送で改めて気付いて、大いに驚きました。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/59828abdb5e120c8d9340597696c2168177db32d

   ダウンロードパスワードは、t2pqz1ywです。※パスワード修正しました(8/20 大家)

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/08/11

mb180809/11

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます、ワツシイサヲです。お疲れ様です。大仕事が終わりました。

なんとか出来ました。もう3時間も怖くない、ワケではありませんが、皆さん

のお陰です。どうもありがとうございます。

では2018年8月9日午前2時からの大放送のおさらいです。ご一緒に。

 

01.旧友再会(4’02”)河島英五 

-E.Kawashima-  ワーナー WPCL-10959

 

N  冒頭から手痛い失敗でした。頭出しをして待機させておいたCDプレイヤ1号

機が制御不具合となって、その盤の最終トラックを出してしまいました。この症

状、この日何度か出ました。迅速かつ的確な対応によって、事なきを得まし

たが、初っ端からこれは痛かったなあ。

それで、前回の放送後に問い合わせがあった、この曲を改めてどうぞ。

 

02.元気出して行こう(3’27”)河島英五 

-E.Kawashima-  ワーナー WPCL-10959

 

N  わたしが河島英五をちゃんと聴くようになったのはここ数年です。それまで

はメメしいフォークの唄い手のひとり、といった認識しかありませんでした。とこ

ろがどっこい、垢抜けてませんがしっかりとしたビートを感じさせてくれる、

頼れる男でした。なかなか言えない恥ずかしい事を、はっきりと伝えようと

している姿に打たれます。澤田修も「英五、いいですね」と言ってました。

そして今日も働く早朝労働者の方々に、これです。

 

03.新聞少年(2’34”)山田太郎  

-F.Hachiitan, N.Shimadu-  パナム / クラウンCRCN-45541

 

 

N  現新栄プロ社長、西川 賢こと山田太郎1965年のヒット曲「新聞少年」でした。

生放送中に「1965年以前ではなかったか」と言ってましたが、65年で間違い

無いようです。この1曲が必要で借り出した『わが青春の歌謡ポップス』には

いろいろ興味をそそる楽曲が入っていました、という事で、これ。

 

04.恋はハートで(2’15”)泉アキ  

-R.Nakanishi, T.Miki-  パナム / クラウンCRCN-45541

 

N  泉アキ「恋はハートで」です。パンチの効いた唄、ミニスカート姿で話題となりました。

1967年です。同じ頃のエレキ歌謡曲、黛ジュン「恋のハレルヤ」によく似てますね。

詞は、なかにし礼で同一者。泉アキその後は、衝撃的な裸体を平凡パンチ誌上で

披露。あっと驚きました。憶えてます。そして「独占 女の60分」といった

かな、猛女向けテレビのワイド・バラエティ番組の司会をしてました。今でも顔を見

かけます。

『わが青春の歌謡ポップス』から、次はこれ。

 

05.時計を止めて(3’07”)倍賞 美津子

-R.Nakanishi, T.Mori- パナム / クラウンCRCN-45541

 

N  「時計を止めて」、倍賞 美津子です。生放送では間違ってお姉さんの「倍賞

千恵子」と何度か言ってましたが、「美津子」の方でした。寅次郎の妹さくら

役で不動の女優となった姉、千恵子について喋りましたが、当事者が違って

いたんじゃその根拠が全て崩れます。かろうじてSKD出身の部分だけでしょ

うか、共通していたのは。失礼致しました。

そして・・・。

 

06.星のフラメンコ(3’03”)西郷輝彦 

-K.Hamaguchi-  パナム / クラウンCRCN-45541

 

07.肉のフラメンコ(1’23”) 西小輝彦  

-unknown-  アルファ TAMORI-3

 

N  「星のフラメンコ」西郷輝彦に続いては、「肉のフラメンコ」西小輝彦でした。

ここからしばらくは、ありがたい皆さんのリクエストにお答え致しました。

 

08.北国の青い空(3’38”)奥村チヨ

-J.Hashimoto, Ventures-  ユニバーサル  TYCN-60010/1

 

N  夏休みを取って北海道に行かれた「おーたか」さんのご希望で「北国の青い

空」、奥村チヨです。「二度と帰らない、夏の日の恋」ですから、晩秋か初冬が

ふさわしい歌ですが、確かにヒンヤリとした冒頭の弦から始まる涼しい雰囲気は、

この酷暑を和らげてくれます。

そして「高橋路夫」さんからはドナ・サマー「オン・ザ・レイディオ」を頂きました。

 

09.On The Radio(4’06”)Donna Summer

-G.Moroder, D.Summer-  UMC SPECXX2105

 

N  次は「ヲーターメロン・マン」、「隣人より愛をこめて」さんからでしたが、ご希望の

モンゴ・サンタマリアでなくてすみませんでした。

 

  1. ヲーターメロン・マン(6’23”)ハービー・ハンコック

-H.Hancock-  ソニー 25DP 5605

 

N  次に「ヲーターメロン・マン」が流行った頃のブガルー・ビートの決定打「アリゲイタ・ブガ

ルー」を、黄金期のルー・ダナウスンでお聞きいただきました。これはどなたのリクエ

ストでもありません。

 

11.Alligaor Bogaloo(6’40”)Lou Donaldson  

-L.Donaldson-  Blue Note CDP 7 84263 2

 

N  次は重度mb患者「ペタシ66」さんからです。麻夢ビーツでもリクエストが採用され

てました。打率十割です。クィックシルヴ・メセンジャ・サーヴィスで「フレッシュ・エア」。

これは正規品をiTunesで購入し、一度iTunesに入れて、更にそこから

CD-Rを焼いて使用しました。音質に不備は無かったかな。

 

12.Fresh Air(5’19”)Quicksilver Messenger Service

-O.Farrow-  iTunesで購入音源を使用

 

N  聞けば聞くほどドゥービー・ブラザーズとの共通点が耳に残る「フレッシュ・エアクィ

ックシルヴ・メセンジャ・サーヴィスでした。この「フレッシュ・エア」の意味、お分かりですか。

 

13.スマイル(2’54”)ナッキン・コール

-C.Chaplin, G.Parsons, J.Turner-  TOCP-70710

 

N  次もご希望ヴァージョンのジュディ・ガーランドではなくて、ナット・キング・コールでお

届けしました。八王子の「60オネーサン」のリクエストです。これは映画「モダーン・タ

イムズ」の主題歌でした。「ライム・ライト」ではありません。

またわたしが 「Smile When You’re Feelin’ Blue…」と歌ったのは、

「Dream When You’re Feelin’ Blue…」で、「ドリーム」という歌でした。失礼。

ジュディ・ガーランドは、ミスタ・ボージャンゴーことアル・ジョルスンとのデューオで、「プリ

ティ・ベイビ」をお聞きいただきました。

 

14.Pretty Baby(0’46”)Judy Garland And Al Jolson  

-unnkown-  JSP 9770

 

N  そして新譜、ジョン・コルトレインのヌー・アルバムです。フリー・フォーム突入直前のコルトレインが

録音して、何故か放置されていたテイク集が『ボース・ディレクション・アト・ワンス  ザ・

ロスト・アルバム』という題名で出ています。これがよくあるボツ録音を無理矢理ま

とめたようなものではなく、素晴らしい仕上がりでした。これ以降のコルトレイン

は、有り難い音楽であるのは充分に納得できますけれど、ちょっと崇高過ぎ

てわたしは苦手です。が、ここではこれまでの自身の音楽、ジャズのおさらい

をしながら、次の段階を模索して吹いて居る姿が見えるような気がしますね。

音も大変宜しい。おそらく本人が確認のため家に持ち帰ったモノーラル・プリントで

しょう。当然リマスタリングは施されていますが、嫌味のない響きです。

ジミー・ギャリスンのベイス、エルヴィン・ジョ-ンズがドラムズのトリオ編成で、

「ネイチャ・ボーイ」。

 

15.Nature Boy(3’23”)John Coltrane  

-Eden Ahbez- Impulse!  0060256739251

 

16.Testify(5’43”)Kamasi Washington  feat..Patrice Quinn(vo.)   

-K.Washington-  Young Trucks YT176CD

 

N  こちらも新譜。大きなレコード店では等身大ポップがあちこちに置いてある

カマシ・ヲッシュントンです。カマシは今ジャズの新しい流れの教祖みたいな立場にあるら

しいですね。わたしには4ビートの縛りから脱出してこの音楽が大きな可能性

を持ち始めた70年代初頭の響きと、何故か厚く重なって聞こえます。そんな

事をくどくどと話していました。来週日本にやって来ます。

さてこの後は、 みなさまの睡眠不足解消のために「真夏の早朝の子守唄

集」をお届けしました。わたしもこれを聞きながら、眠りたかった。

では「現」モーニン・ブルーズの夏メロをどうぞ。

 

17.カントリー・ホンク(3’06”)ザ・ローリング・ストーンズ

-M.Jagger, K.Richard-  ユニバーサル UICY-93796

 

18.Slack Key Medley(4’19”)Gabby Pahinui   

Nani Wale Lihue~Silver Threads Among The Gold~Wal’alae

-P.Lelelohoku, Kamakou,E.E.Rex, M.Kealaki-  Hula  CDHS-567

 

19.日暮れ(2’56”)ホセー・アントニオ・メンデス    

-C.Estrade-  エルスール 001

 

20.I’ll Remember You(2’29”)Kui Lee 

-K.Lee-  Sony  A28604

 

21.S’Wonderful(4’11”)Joao Gilberto 

-I.&G.Gershwin- Warner Bros. 9 45165-2

 

22.Happy Together(2’33”)Flo & Eddie

-unknown-  EP30006-2

 

23.River Of BabyLon(4’24”)Wingless Ageles    

-B.Dowe, J.McNaughton,G.Rayem, F.Farian-  Mindless nonumber

 

24.珊瑚礁の彼方に(3’04”)ミルス・ブラザーズ  

-J.Pitman- ユニバーサル UCCU-9026

 

25.島の唄(2’11”)ビリー・ヴォーン 

-King- ユニバーサル UICY 80038

 

N  如何でしたでしょうか。よくお休みになられましたか。

まずはザ・ローリング・ストーンズで「カントリー・ホンク」。

続いて冒頭で本人が「スラックキー・メロディ」と言っている「スラックキー・メドリー」、

伝説のハワイ音楽家、ギャビー・パヒヌイです。

そして共産主義革命前クーバの大衆歌謡、フィーリンから

「日暮れ」ホセー・アントニオ・メンデス。これも涼しい音楽でした。

ハワイに戻って「アイル・リメムバ・ユー」、クイ・リー。

今度はブラジル音楽の神様、ジョアン・ジルベルトで

ガーシュウィンの「スワンダーフォー」。

フロー・アンド・エディことタートルズのハワード・カイランとマーク・ボルマンで

レゲ版「ハッピ・トゥゲザー」。

そしてナイヤビンギのウイングレス・エインジェルズは

「バビロンの河」。

定番です、「珊瑚礁の彼方に」ミルス・ブラザーズ 。

最後は「島の唄」ビリー・ヴォーン楽団でした。

そして、眠っている方々に起きてもらうために、

アバの「アイ・ドゥ、アイ・ドゥ、アイ・ドゥ、アイ・ドゥ、アイ・ドゥ」を目覚ましに

お届けいたしました。

 

26.I Do, I Do, I Do, I Do, I Do(3’16”)Abba 

-B.Anderson, B.Ulvaeys-  Polydor  519 353-2

 

27.He Will Break Your Heart(2’46”)Jerry Butler

-Butler, Mayfield, Carter-  Not Now Music NOT2CD589

 

N  突然のビリー・バトラーは現在45年前の真相解明中の「恋のシーソーゲーム」の大元、

「ヒー・ウィル・ブレイク・ヨー・ハート」です。これのカヴァ・ヴァージョン、何かご存知でし

たら是非教えて下さい。

そして「フェス・ロンゲ」さんからの意外なリクエストで、

目線者頭で「気になる女の子」を、1分58秒お楽しみ頂きました。

 

28.気になる女の子(1’58”)メッセンジャーズ

-M.Morgan, J.Holier-  WPCR-14419

 

N  ここで今年の「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」のお話をしました。この

生放送の前日、踊りの練習会がありまして、そこでは裏方を務めております

がNHKの取材が入ったのでそれにも対応、その後はデイリー・スポーツの取材を

受けたりして、結構慌ただしかったのですよ。共に結構長い話をしました。

その前日は短波のラジオニッケイの番組収録があったりと、今週は大変でしたのよ。

で、その足で京橋入り。流石に少々バテてました。

でもそんな事は言ってられません。起きて聞いてくれる方々のために全力

投球。12回を過ぎても、タイブレイクはありません。

今年の出演者のひとり、鳴門家寿美若の「絆音頭」をお届けしました。

 

29.絆音頭(4’40”)鳴門家寿美若

-S.Mozu- テイチク TECA-12356

 

N  この頃には雨は上がり、風も治まっていました。修がスマフォを見て、「9時

には晴れだ」なんて言ってましたね。本来は台風襲来で大荒れの天気だった

筈。それでわたしもこんな1曲を用意していたのです。

 

30.嵐を呼ぶ男(2’54”)石原裕次郎    

-U.Inoue, M.Omori-  TECE-30842

 

31.おいらを呼ぶドラマ(0’51”)牛原寅次郎

-unknown-  アルファ TAMORI-3

 

32.Ooh Daddy(3’17”)Buddy Guy 

-t.Hambridge, R.Fleming-  Silverstone / RCA 19075812472

 

N  テレビの在京キー局を軒並み叩き潰し、最後には日本放送協会にも襲いかかる牛

原寅次郎の「おいらを呼ぶドラマ」を挟んで、バディ・ガイの「ウー・ダディ」、こ

のアルバムは本当に立派な出来です。70超えた音楽家が珍しくない昨今、長く居

るだけで「伝説的存在」などと安易におだてられがちですが、この位の事を

やってくれなきゃね。

そしてひょっとしたら新しい「伝説」の始まりかも・・・。

 

33.Rocket 88(3’03”)Natsuko   

-J.Brebston-  Local LPR-0001

 

N  全く知らなかった夏子というブルーズ女の『青い長靴下』というアルバムから、

「ロケッティエイティエイ」です。これには驚いたな。次の「ブルーズ・ウィズ・ア・フィーリング」

を聞いてすぐカウンターで尋ね、手に入れました。そしたら参加メムバには何人か知

り合いがいました。来週以降、ゆっくりお届けしましょう。

そしてこちらも。

 

34.Vaya Con Dios(3’42”)香西かおり

-I.J. Walden, B.Pepper, L. Russell, T.Otowa-  ユニバーサル UPCY-7074

 

N  一般的には「演歌」で括られてしまう香西かおり、彼女には民謡の下地があ

りまして、いつも主体性を持って唄っています。このアルバム『うたびと』も、

そんな姿勢の現れです。日頃とは違うリパトゥワを相性のいい音楽家たちと吹き

込んでいます。その冒頭曲は、この墨西哥歌謡でした。

まだ「ヴァイア・コンディオス」を告げるには早いので、もう1曲。

フィービ・スノウの「サンフランシスコ湾岸ブルーズ」、ジェシー・フラーがオリヂナルでした。

 

35.San Francisco Bay Blues(3’33”)Phoebe Snow

-J.Fuller-  ソニー SICP 8005

 

N  ここでちょっと操作の間違いがありましたが、すり抜けてマイアミの音、男です。

 

ジョージ・マクレーで「ロック・ヨー・ベイビー」、12インチ・シングルのヴァージョンです。

 

36.Rock Your Baby(6’03”)George McCrae

-H.Casey, R.Finch-  RCA KPBO 1004

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  生放送では、ジョージ・マクレーの名前をお伝えしていなかったようです。失礼。

「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」関連で、これからちょくちょくワツシが出て

参ります。お時間ありましたら、どうぞ。

 

ラジオニッケイ(短波)8月21日12時からの「中野アナへちょっと言わせて〜雷部屋」

ここで、少々お話をしています。

NHKテレビ(地上波) 8月24日11時05分からの「ひるまえホット」にも出演。

関東甲信越地域なら見られる筈です。

デイリースポーツは25日配信のオンラインに取材記事が掲載の予定。

この2日間ずっと同じ事を訊かれ、同じ事を話していたような気もします。

その他に生放送では、

レインボウタウンFMの8月16日18時30分からの「大江戸ワイドスーパーイブニング」

という大袈裟な題名の番組に出演予定があります。

そして、

8月29日水曜日と30日木曜日の「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」、

9月15日土曜日のピーター・バラカンの出前DJ vol.11、こちらは上越市にある

高田世界館という日本最古の映画館で行われるピンポンD.J.合戦、こちらでは、

写真より素晴らしい、生の本物に出逢えます。どうぞお越しください。

あ、9月2日には「船頭」も務めます。と言っても舵を取れるわけではない

ですけれどもね。隅田川に浮かべた屋形船の上です。詳しくは、こちらを。

今朝の特別付録は、ウェブ世界の何処かにもう上がって居る筈です。どうぞ

お楽しみ下さい。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/08/04

mb180804

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。暑さも当たり前のようになってし

まい、30度だと涼しいと感じる始末。今更ながら人間の適応性は凄いなあと

思い知らされる酷暑の毎日です。わたしは多汗症なので、一日数回Tシャツを着

替えます。脱いでそれを干して、また汗をかいて着替えて干しての繰り返し。

まだ8月は始まったばかり。あと27日間、こんな毎日が続きます。

さあ今朝も「幻」モーニン・ブルーズで暑い中を元気よく行きましょう。

ジム・ローダデイルの新譜から「タイム・フライズ」。

 

M01.Time Flies(3’19”)ジム・ローダーデイル  8/24

– unknown-  BSMF 6152

 

N  ジム・ローダデイル、新譜から「タイム・フライズ」でした。ノース・キャーフォーニャ生まれの

カントリー・ジェントーマン、ジム・ローダデイル。今回の作品は本拠地ナッシュヴィルで作られて

います。収録曲それぞれが大変宜しい出来で、質の高いアルバムですね。今の「タ

イム・フライズ」でもそれが伝わった筈です。言葉の音韻を大切にしている感覚が

随所に光っています。「ソングライタズ・ソングライタ」と呼ばれる由縁も、朧げながら

分かるような気分です。

さて次も新譜、とは言い切れませんが、新譜です。エミルー・ハリスの『ザ・バラッ

ド・オヴ・サリー・ローズ』、本来は1985年に出された正規の作品ですが、これに

その頃のデモ録音を加えて2枚組CDとして、この夏に発表されました。それ

らは所詮デモでしかないのですけれど、なかなか興味深い。85年ですと、まだ

ディジタル機器は普及してませんから、人間が実際に楽器を弾いて、唄って、そ

れを録音する形で楽曲スケッチをまとめて、関係者に回すやり方がほとんどだっ

た筈です。それでもエミルーの場合は恵まれていて、これはカセット録音ではないで

すね。別の録音セッションの空き時間にでも、ちゃんとしたスチューディオで録っておい

たのでしょうか。きちんと録音されています。しかもアレンヂが施される前で、

オーヴァ・ダビングやミクスも完全ではありませんから、より楽曲の姿がはっきりと

見えます。試しとは言え、詞曲もだいたい出来上がってる感じですね。唄な

んかは本番と変わらない。

ですけれど、今朝はまず仕上げられた正規の録音で聞いてもらいましょう。

表題曲です。「ザ・バラッド・オヴ・サリー・ローズ」。

 

M02.The Ballad Of Sally Rose(2’02”)Emmylou Harris  

Warner 08 1227934293

 

N  エミルー・ハリス1985年のアルバム『ザ・バラッド・オヴ・サリー・ローズ』、表題曲でした。

フェイド・アウト際のコーラス・リフレインがなぜかアバみたいに聞こえました。両者の共通

事項はありませんが、アバの制作関係者がエミルーを聞いていた可能性はあります。

でも特に意識していた訳ではないでしょう。アグネッタ・フォルツコグとフリーダ・リングス

タドの唄が、いくつも重ねられたエミルーの声と似てくるのかな。

さてこの作品『ザ・バラッド・オヴ・サリー・ローズ』は、エミルー・ハリスがブルース・スプ

リングスティーンの『ネブラスカ』を聞いて心を打たれ、「歌の作り手として再出発した」

アルバムと言われています。この頃グラム・パースンズと親交が厚く、そのため制作

面にもかなりの影響を及ぼしていたようです。

主題はサリー・ローズという女性の物語で、今のはその主題歌代りでしょうか。そ

してアルバムの中ではこんなユーモアも聞かせてくれます。

「のっぽのサリー・ローズ」。

 

M03.Long Tall Sally Rose(1’33”)Emmylou Harris   

– E.Harris,P. Kennerley-  Warner 08 1227934293

 

N 「ロング・トール・サリー・ローズ」でした。リトル・リチャードほどの破壊力はありませんで

した。このサリー・ローズという女性は、ある意味で彼女自身らしいです。確かに

エミルーは背がスラッと高いですね。ジャケット内のあちこちに登場するエミルーは、とても

美しい。

さて、追加トラックとともに再度仕上げられた『ザ・バラッド・オヴ・サリー・ローズ』、

これを今また発表するからには、それなりの深い意図があるのでしょう。そ

の真相は・・・、ちょうど時間となりました。

ではアルバム最終曲「スウィート・チャリオット」をどうぞ。

 

M04.Sweet Chariot(3’01”)Emmylou Harris  

Warner 08 1227934293

 

 

N   「スウィート・チャリオット」、エミルー・ハリスでした。かなり抽象的な言葉が綴られていま

す。重くのしかかる「生と死」、キリスト教義を背景に書かれたものである事は間

違いありません。

丁寧な冊子には詳しい録音詳細も載せられています。エミルー・ハリスの『ザ・バ

ラッド・オヴ・サリー・ローズ』、もう少し深く聞いて見る必要がありそうです。

「ザ・バラッド・オヴ・サリー・ローズ」

「ロング・トール・サリー・ローズ」

「スウィート・チャリオット」、今朝は以上3曲を正規録音で聞いていただきました。

 

M05.天国への扉(2’31”)ボブ・ディラン

-B.Dylan-  ソニー  SRCS7531

 

N  極めて無愛想なフェイドアウトは、ボブ・ディランの「天国への扉」でした。これは『グ

レイテスト・ヒッツ第三集』からのトラックです。彼のヒット集は『第二集』まで持っていま

したが、『第三集』があったのは知らなかった。初めて見ました。で、収録曲

目を見ると、成る程とうなづける歌ばかり。改めてヒット歌手なんだと認識した

次第です。私がボブ・ディランに開眼した「ブラウンズヴィル・ガール」も入っていま

した。シングルにはなってない筈ですが、彼自身の選曲によるこの『グレイテスト・

ヒッツ第三集』には堂々の入選です。ザマアミロ。

あ、ここで中継がつながりました。苗場のフジロック会場にいる、澤田修リポータ

ーです。オサムさん、オサムさん、聞こえますか・・・

 

はい、澤田修です。時差の関係でこちらはまだ7月29日(日曜)です。ボ

ブ・ディランの出番は18時50分に始まりました。4万人収容のメインステージに予定

時間より2、3分早く現れると、ゆる~く始まりました。ときおり強い風が吹

くなか、ディランさんは終始ピアノを演奏。途中、ニヤッと笑ったり、ピアノ・ソロのパー

トで立ち上がったりしていました。最近お気に入りのフランク・シナトラのカヴァーはな

し!フェス仕様の選曲だったようです。「追憶のハイウェイ61」、最後に披露した「風

に吹かれて」が良かった。ディラン後方のサポート・ミュージシャンは、曲のイントロ部分で

ディランの手元をのぞき込んでいたので、選曲は直前に決まっていないんでしょ

うか。台風直撃が予想されていたので「張剣」やって欲しかったですが、い

まのマッタリとしたセットには 合わないですね。MCはなし、最後はステージから「どう

だ!」と言わんばかりに観客をにらみつけるようにして去っていきました。

ぽか~んと聴いている若者や、もの凄く真剣に聞き耳立てているご年配ロッカー

がいたりして面白い風景でした。演奏曲目をお知らせしておきます。

1.Things Have Changed

2.It Ain’t Me, Babe

3.Highway 61 Revisited

4.Simple Twist Of Fate

5.Duquesne Whistle

6.When I Paint My Masterpiece

7.Honest With Me

8.Tryin’ To Get To Heaven

9.Don’t Think Twice, It’s All Right

10.Thunder On The Mountain

11.Make You Feel My Love

12.Early Roman Kings

13.Desolation Row
14.Love Sick

15.Ballad Of A Thin Man

16.Blowin’ In The Wind

 

はい、ありがとうございます。暑いでしょうね、昼間は。来週は生本番です。どうぞご無事でお帰り下さい。

ではボブ・ディラン、『グレイテスト・ヒッツ第三集』から

「いつまでも若く」。

 

M06.いつまでも若く(4’58”)ボブ・ディラン  

-B.Dylan-  ソニー  SRCS7531

 

M07.Lay Lady Lay(4’36”)

Buddy Guy feat. Anthony Hamilton, Robert Randolph

-B.Dylan-  Silvertone / RCA  82876-72426-2

 

N  「いつまでも若く」に続いたボブ・ディランの書いた楽曲「レイ、レイディ、レイ」、

こちらは、バディ・ガイとアンソニー・ハミルトンの唄、間奏のスティール・ギターはロバート・ランド

ルフでした。

バディ・ガイのアルバム『ブリンゲミン』からです。2005年の作品ですね。企画制

作はスティーヴ・ジョーダン。 わたしがとても気に入っている最新作『ブルーズ・イズ・

アライヴ・アンド・ウェル』の責任者と同じくドラマー / プロデューサーです。流石にスネア・ド

ラムの音がいいですね。これによって、全体が締まっています。アルバムは「多く

のゲストを招いてのカヴァ集」と言えなくもない成り立ちです。この他に「99.5」、

「ドリームズ・トゥ・リメムバ」「消えゆく太陽」なども入っています。この手の企画

をわたしは決して嫌いではありませんが、この盤からは若干安易な制作姿勢

が感じ取れます。スティーヴの好きだった歌をバディにゲストを当てがって唄わせて

いる、みたいなね。

その中で、今の「レイ、レイディ、レイ」と、次のこれは良く出来ていました。

カーロス・サンターナとのエレキ巌流島決闘が間奏で聞けます。

「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー〜呪いかけてやる」。

 

M08.I Put Spell On You(4’04”)Buddy Guy

-J.Hawkins-  Silvertone / RCA  82876-72426-2

 

M09.You Did The Crime(6’53”)Buddy Guy feat. Mick Jagger   

 

N   バディ・ガイ、カーロス・サンターナ との激闘で「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー〜呪い

かけてやる」でした。

続けたのはバディ・ガイの最新作から「ユー・ディドゥ・ザ・クライム」、ハーモニカはマイケ

ル・フィリップ・ジャガーでした。

こちらのアルバムは各曲の並べ方もがとても上手く行っています。絶妙の繋ぎ

です。CD時代になって、「瞬時に順番は変えられるからアルバムの曲順なん

て関係ない」とずいぶん乱暴な事を言った人がいるけど、わたしにとっては

曲順は大事な点です。ファイルでしか聞かない人たちの感覚はどうなの でし

ょうか。

さてその最新作『ブルーズ・イズ・アライヴ・アンド・ウェル』の「ブルー・ノー・モー」で

バディとデユーオを披露したジェイムズ・ベイ、わたしはこれまで彼の存在すら知ら

なかったのですが、ここで甚く気に入り他の作品を聞いて見たくなりました。

2018年発表のアルバム『イレクトリック・ライト』が見つかったので、手に入れて聞いて

みました。

全体からの印象は「現代のピンの唄い手」ですね。残念ながら伴奏がうるさ

過ぎるような印象で、「ブルー・ノー・モー」並みの唄には出会えませんでした。こ

れまでに沢山の作品を発表しているようですが、みんなこんな感じなのかな

あ、どうでしょう。あなたは何かご存知ですか。その中で1曲これは聞けた。

アルバム最終曲です。「スライド」。

 

M10.Slide(3’24”)James Bay

-J.Bay, J.Green, A.Ginsberg-  Republic00602567413615

 

M11.ハイアー・アンド・ハイアー(4’38”)エルヴィン・ビショップス・ビッグ・ファン・トリオ

-C.Smith, G.Jackson, R.Miner-  Pヴァイン  PCD-24748

 

N  いつリズムが入って来るのか、と思いつつ最後まで聞かされてしまいました。

エルヴィン・ビショップス・ビッグ・ファン・トリオの「ハイアー・アンド・ハイアー」、大胆なアレンヂで

すね。よく耳を傾けていると、間奏後のストップ・ブレイクほか聞きどころが沢山

ありますよ。原曲は惹起ウイルスンでした。

さて先週は西アフリカのJ.B.性感冒患者を何人かご紹介しました。今朝はパナマ

隔離病棟からお届けしましょう。『パナマ!  この地域のラテン、カリプソ、アンド・ファン

ク音楽集』という編集盤がありまして、これが面白い。大編成のヴォーカル・アンド・

インストゥルメンタル・グループは、殆どがジェイムズ・ブラウンの影響過大なダンス音楽を演っ

てます。あなたも聞いているうちにきっと嬉しくなって来るでしょう。

まずはリル・フランシスコ・グリーヴズで「ムーヴィン・グルーヴィン」。

 

M12.Moving-Grooving(2’58”)Little Francisco Greaves

-F.Greaves-  Sound Way  SNDWCD018

 

N  面白いでしょう、「ムーヴィン・グルーヴィン」。リル・フランシスコ・グリーヴズでした。

J.B.そっくりさんパナマ地方予選、次に行きます。

J.B.とボビー・バードの掛け合いを再現しようとしましたが、激情家と

のんびり屋では上手く噛み合わないようですね。

ソウル・アパロとフレデリック・クラークで、「チョムボ・パラ・ティエンダ」。

 

M13.Chombo Pa’ La Tienda(3’16”)Soul Apollo with Fredrick Clarke

-F.Clarke-  Sound Way  SNDWCD018

 

N  極東からの乱入者があったようですが、事なきを得ました。ソウル・アパロと「チ

ョムボ・パラ・ティエンダ」、ソウル・アパロとフレデリック・クラークでした。以上2曲、共に重

度ジェイムズ・ブラウン性感冒患者です。J.B.の影響力の大きさは、計り知れません。

次も同類の音楽ですが、この作者表記は「James Brown」とあります。「パ

パのヌー・バグ」のつもりなのでしょうか。わたしにはそう聞こえませんでした。

付属解説小冊子の音楽分類では、「ソウル・ブーガルー」になっています。

ディ・イクサイターズ、「ヌー・バグ」。

 

M14.New Bag(6’27”)The Exciters   

-J.Brown-  Sound Way  SNDWCD007

 

M15.We Are The Nightowls(2’29”)The Nightowls  

-unknown- BSMF   REND-0005

 

N   はい、こちらは北米大陸の南西部、テキサスの州都オースティンを本拠地とする10

人組。やはりJ.B.流ファンクを基本としているようです。新譜『ザ・ナイトアウルズ』

から、最後に収められているメムバ紹介トラック「ウイ・アー・ザ・ナイトアウルズ」でした。

管が入った大型バンドという形ですと、ファンク調になるのは避けられないとこ

ろ。このナイトアウルズもそうだろうと思っていましたが、意外な事に80年代の

柔らかめのロックが得意なようです。女性二人がヴォーカルを取ります。このハーモニー

もよく考えられていて、ブラス・リフ一発で押しまくるありきたりのバンドでは

ありませんでした。

お聞きください、「リフト・ミー・アップ」。

 

M16.Lift Me Up(3’50”)The Nightowls  

-unknown- BSMF   REND-0005

 

M17.Hungry Heart(3’23”)The Blue Beaters 

-B.Springsteen-   Record Kicks  RKX048

 

N  続きましては、イターリアの7人組スカ・バンド、ザ・ブルービーターズ。このカヴァには

驚かされました。ブルース・スプリングスティーンの「ハングリー・ハート」です。ブルースの仕様

でしか成立しないような楽曲ですが、演れるもんですね。

彼らはあのスカタライツが憧れなのでしょうか、普段サキソフォン1本ですが、アルバム制

作時にはパツラを2本加えて、大時代な音響再現に挑んでいます。その傾向が

最も特徴的な1曲をどうぞ。

「ロール・ウィズ・イト」。

 

M18.Roll With It(3’41”)The Blue Beaters 

-Gallagher-  Record Kicks  RKX048

 

N  レゲの普及は世界の音楽地図を塗り替えた、とわたしは常々考えています。

ブルービーターズもイターリアにいながら、カリブの小さな島国の大きな影響を受けてい

るグループでしょう。

2015年発表のこのアルバム『エヴェバディ・ノウズ』は殆どが英語詞の歌で、わた

しは少々それが不満。地中海仕立のスカが聞きたかったなあ・・・、とその時、

聞こえてきました、アラ・カンツォーネ。

 

M20.La Mia Geisha(3’04”)The Blue Beaters 

-Tenco-  Record Kicks  RKX048

 

M21.Inviting You(1’06”)Wingless Angels

-trd.-  Mindless nonumber

 

M22.I Write My Name / Good Morning(6’25”)Wingless Angels     

-trd.-  Mindless PHCR-1858

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  アラ・カンツォーネ、ブルービーターズの最後は「ラ・ミア・ゲイシャ」、イターリア語のスカです。

カリブではなく、地中海の太陽が輝いていました。

そして最後はカリブに飛んで、ウイングレス・エインジェルズのデラックス仕様2枚組から

「インヴァイティング・ユー」そして「アイ・ライト・マイ・ネイム〜オハヨ」のメドリーでした。

キングストンのホテルに泊まっていた時、毎朝決まってどこからともなくこの歌が

聞こえて来る、という素晴らしい体験をした事があります。気持ち良かった

ですよ、本当に。今は近所のディジタル時計の目覚まし音、快くはないですね。

来週は真夏の生放送。今、修との取り決めでは午前2寺からわたしの担当。

もう3時間も怖くない、という訳ではないので、これから事前準備です。リクエ

ストも貰ってます。待っててね。84.0MHz、中央エフエム、8月9日午前2時のアサー。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/f861ea85ec3dce830deb1a16ece3ced05c216f5f

ダウンロード・パスワードは、pmt1di79です。写真は別のヨガマット。これいいね。

 

なお、8月29日、30日開催の「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」、諸所の

変更で混乱しております。申し訳ありません。生放送で少し具体的にご案内

も致しますのでお聞き下さい。あ、短波放送や NHKの取材もあったな。

放送日が分かったらば、こちらもお伝え致します。お提灯の締め切りは8月

10日です。お遅れになりませぬように。詳しくはhttps://www.iyakorase.com

でお確かめ下さい。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。