カテゴリー : Mornin’ Blues by IsaoWashizu

【幻】モーニン・ブルーズ 2019/05/11

mb190511

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、「アサー」ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年05月

 12日を始めましょう。

  先週は冒頭の日付が間違っていました。大変な失礼を致しました。それと

 「浅川マキ」が「麻川」になってましたね。「アサ」と来ると「麻」しか浮かばな

 い貧困さゆえ、これまた大変な失礼でした。ツイターでの遠回しなご指摘、あり

 がとうございます。以上2点、訂正いたします。

  その他ちょっと寂しいお便りについ弱音を吐いたら、即座に何人かの方か

 ら励ましを頂きました。ありがとうございます。

  それにお答えして、今朝の1曲目はわたしの不屈の闘魂をダグ・サームに宣言

 して貰います。

  「わたしは泣かない」。

M01.アイ・ウォント・クライ(3’23”)ダグ・サーム   ジョニー・アダムズ

-Ruffino, L.Bostrie-  ポニー  PCCY-00093

N  ダグ・サーム、傑作アルバム『ジューク・ボックス・ミュージック』から「アイ・ヲント・クライ」で

 した。昨年だったかな、ジョニー・アダムズの原曲も聞いてもらいましたね。わた

 しはこちらのダグの方を、本当に毎日聞いていた頃があるので、どうしても

 この仕様を手に取ってしまいます。とにかく唄がいいですね。特にサビのから

 主題の「アイ・ヲント・クライ・・・」に戻ってくる部分が大好きです。この勝手に 

 つけた邦題の「わたしは泣かない」、確か同じ題名の映画があったような・・・

 あ、関係ないですね。次へ行きましょう。

  どちらかといえば苦手なシンガ・ソング・ライタの新星です。レコード店頭の試聴機

 で聞いただけで、ちょっと感心した位に素直なメロディが魅力的です。

  ディー・ホワイトで「クレイジー・マン」。

M02.Crazy Man(3’16”)Dee White   

-A.Mortin, P.White, J.Mundy-  Easy Eye Sound574324-2

N  まだ20歳そこそこといった風貌のディー・ホワイト、アラバマから出てきた若者で

 す。如何ですか、この素朴なメロディ。正直なところ、「21世紀の今でもまだ新

 しい旋律があったんだ」と思ったほど、新鮮に聞こえました。細野晴臣が最

 新アルバムの中で「今の音楽はディザインのようになって来ていて、旋律、和音の

 ように従来の要素の組み合わせでは成立しにくい・・・」と語っていたのに

 大いに共感出来たわたしではありますが、このような素直な新しい音楽を耳

 にすると、心も落ち着きます。ただし決して「昔ながらの」美徳に酔ってい

 るのではないとも付け加えておきましょう。

  彼にとって2枚目となるこの新しいアルバム『南部の紳士』はナッシュヴィルで録音

 されました。参加者詳細にはアリスン・クラウスの名前もあります。きっとこの歌の

 バックグラウンド・コーラスが彼女ではないでしょうか。

  「テル・ザ・ワールド・アイ・ドゥ」。

M03.Tell The Wold I Do(3’50”)Dee White

-D.White, D.Auerbach, B.Wood-  Easy Eye Sound574324-2

N  所々でほんの少しジェイムズ・テイラーを連想させられますが、他には類似した先

 人を感じません。全体からは特に個性的でもないけれど、唄われる旋律には

 キラリと光るものがあります。ちょっと編曲が豪華すぎる気もしますが、少人数

 の実演での説得力はどうなんでしょうか。

 では、わたしも大いに期待するディー・ホワイトの最新アルバムから、

 女性歌手、アシュリー・マクブライドとのデューオです。

  「ロード・ザーット・ゴウズ・ボース・ウェイズ」。

M04.Road That Goes Both Ways(3’23”)Dee White feat. Ashley McBryde

-D.White, D.Auerich, J.Allen,-  Easy Eye Sound574324-2

M05.Everyday I Have The Blues(5’47”)Professer Longhair

-Chatman-  Harvest 00602577284922

M06.Tipitina(3’43”)Professer Longhair                 

-Byrd, Matassa-    Harvest 00602577284922  

N  ディー・ホワイトの「ロード・ザーット・ゴウズ・ボース・ウェイズ」の次は船上のピアニストの

 実演です。冒頭の音が安っぽい電子ピアノみたいでシラケますが、録音されたの

 が1975年ですから、まだヤマハのセミ・アクースティク・グランド・ピアノ、CP—70も出て

 いない頃ですね。世界一周の豪華客船クイーン・メアリ号ともなれば、大きなバンクエッ

 ト・ルームに当然ピアノも置いてあるでしょう。そこでの演奏と思われます。

  お送りしたのは「エヴリデイ・アイ・ハヴ・ザ・ブルーズ」、これをフェスが唄うのは

 珍しいですね。そして先週ヒュー・ローリーが豪華な編成で聞かせてくれた、フェスの

 代表曲「ティピティーナ」でした。

  前の方に熱狂的なファンがいるようですが、大向こうは比較的冷静な反応です。

 それでも盛大な拍手に「サンキュー・ヴェリー・マッチ」と礼儀正しく、どちらかと言え

 ば慇懃無礼に応対するプロフェッサー・ロングヘア。そもそもこの人はあまり愛想のい

 い方ではありません。何しろ自分は博徒のつもりで、少なくとも職業音楽家

 ではない、と自称していたそうですから。その前は拳闘家だったそうです。

 そんな臨時音楽家でも特に左手のピート感は世界一、と言ってもいいですね。

 ボクサーだったからでしょうか。プロフェッサー・ロングヘアで「エヴリデイ・アイ・ハヴ・ザ・

 ブルーズ」、「ティピティーナ」でした。

  さて、先週の最後に「イージー・リヴィング」を聞いてもらったウエス・モンゴメリーの

 発掘音源CDを、今朝はたっぷりお届けしましょう。『バック・オン・インディアナ・

 アヴェニュー  キャロル・デキャンプ・レコーディングス』、これは1950代中期に彼の地元インデ

 ィアナ州インディアナポリスに残していた録音です。キャロル・デキャンプという地元のピアニスト

 がそのテイプを世に出さずずっと持っていました。何人かが筆を連ねる長文の

 解説では、この演奏が残っていた奇蹟について詳しく興奮気味に語られます。  

  リバーサイドへ吹き込みを始める少し前、1950代中期のウエスは、、まだ全国的な

 人気は得ていません。しかし、この頃すでに独自のスタイルは確立されつつあり

 まして、以降のウエス調と重なる部分がたくさんあります。わたしは彼の演奏に

 接する度に、非常なるダンディズム、敢えて言えばヤクザっぽさを感じます。ここ

 でも同じ雰囲気を強く感じました。また全てのトラックで全神経を注いでギターを

 弾く姿が見えて来るのも印象的。天才的な集中力を持っていたのですね。

  では若き日の荒削りウエス・モンゴメリー、聞いていきましょうか。

  まずはピアノ・トリオに加わった形での演奏です。

  「ディ・エンド・オヴ・ア・ラーヴ・アフェア」。

M07.The End Of A Love Afair(4’56”) ウエス・モンゴメリー

-E.C.Redding-   キング KKJ1034

N  ウエス・モンゴメリーで「ディ・エンド・オヴ・ア・ラーヴ・アフェア」でした。普通ジャズ演奏

 には誰がどの楽器を担当しているか、という録音詳細が付いています。しか

 しこの『バック・オン・インディアナ・アヴェニュー  キャロル・デキャンプ・レコーディングス』、テイプ

 が発見された時にはパースネルがありませんでした。ですからこの発売元レゾナンス・

 レコーズの人間たちはあらゆる手段で参加演奏家を探り当てようとしました。

  残念な事にそれも敵わず、例えばピアノ奏者としては「アール・ヴァン・リパー、バ

 ディ・モンゴメリ、ジョン・バンチ、黒人のカール・パーキンズが参加」と記載されています。

 それも「・・・と思われる」という断り付きです。先保ほど触れた解説でも、

 演奏者たちの特定が如何に難題だったかが長く語られます。当然でしょう。

  ではウエス・モンゴメリーと謎のピアノ・トリオとの演奏をもう一曲。

  マイルス・デイヴィス作の「テューナップ」。

M08.Tune Up(4’34”)ウエス・モンゴメリー

-M.Davis-   キング KKJ1034

N  こういうブルーズ的なリフを弾くウエスは本当にカッコ良いですね。ゾクゾクッと来ます。

 「テューナップ」でした。この『バック・オン・インディアナ・アヴェニュー  キャロル・デキャンプ・

 レコーディングス』では、ウエスがピアノ・トリオに加わった形での演奏の他、更にトラムペット

 やサクスフォンが加わったセクステット編成、更には先週の「イージー・リヴィング」で聞かせ

 た、ギター、ピアノ、そしてギターという「ナット・キング・コール・スタイル」での演奏と、

 ウェスが地元で自由に行っていたセッションが収められています。

  そして次はオルガン・トリオ編成。こちらはメル・ライオンがオルガン、ポール・パーカーが

 ドラムスと演奏者が特定出来ています。この形で、インディアナのミサイル・ルームという物

 騒な名前のクラブに出演していたと言います。

  お届けしますのは「エカロー」。向こうのジャズメンがよくやる綴りのひっくり返

 し、これは作者であるホレス・シルヴァの「Horace」を逆にした題名です。

M09.Ecaroh(3’49”) ウエス・モンゴメリー

-H.Silver-   キング KKJ1034

M10.窓にあたる雨(3’55”)こまっちゃクレズマ

-K.Umezu-   Bancha Records  002

N  ウエス・モンゴメリーの未発表録音を集めた『バック・オン・インディアナ・アヴェニュー  キャロル・

 デキャンプ・レコーディングス』から、オルガン・トリオ編成の演奏で「エカロー」でした。

  続けた変拍子器楽曲は「窓にあたる雨」、梅津和時主宰の小編成クレズマ楽団

 こまっちゃクレズマの新譜からです。キョーフの10連休の始めに田中みどり独立決

 起集会に参加した事は先週お伝えいたしました。そこで出会ったとらぺ座と

 いうグループのアコーディオン奏者に貰ったアルバムから、「はじめてのワルツ」も聞いてい

 ただいております。他にもその集まりでは久しぶりに対面する何人かに会い

 ました。一人ね、誰だか分からないけどよく似てるなあ・・・という男がい

 まして、隣に座った初対面の人に「あの梅津風の人は誰でしょう」と尋ねた

 ら、「その本人ですよ」との答え。驚きました。表情がすっかり優しくて、七

 福神のひとり、布袋さんみたいだったのです。すぐに彼の席へ行って「失礼、

 分かりませんでした。ワツシです。お久しぶり」と挨拶をしたら、すぐに分かっ

 てくれ、わざわざ赤い縁の大きな眼鏡をかけてくれて「これなら間違えない

 でしょ」と茶目っ気は相変わらずでした。「幻」で以前にお届けしたアルト一本

 の演歌集がとても良かった、と伝えたら「これ聞いてよ」と差し出したのが

 『こまドラド』という2019年発表の最新アルバムでした。そこからの「窓にあた

 る雨」です。

  「黒人だけじゃなくてユダヤ人にもジャズはあるんだ」と、梅津和時がクレズマ

 楽団を結成したのはもう20年以上前の話です。そこから形を変えて今も続く

 梅津クレズマ、わたしからは非常に彼に合った表現様式のように見えます。逆の

 言い方をすれば、クレズマの形を借りた梅津音楽ともなるでしょう。

  この『こまドラド』も力作です。背景には物語が流れていまして、最初に聞

 いた時には非常に重たい手応えでした。梅津和時は以前わたしに「もっと複

 雑な事をやりたいんだ」と言った事がありまして、それがずっと心に残って

 いました。『こまドラド』の全体印象はそれを裏付けるものでした。皆さんも、

 今の3拍子と4拍子を組み合わせた「複雑な」成り立ちの「窓にあたる雨」

 で、それはお分かりでしょう。

  そして入っていたんですよ、ワルツの大曲が。梅津和時がリード・ヴォーカルを担当、

  何とも言えない仕上がりです。

  「ヴェトナミーズ・ゴスペル」。

M11.ヴェトナミーズ・ゴスペル(7’55”)こまっちゃクレズマ

-K.Umezu-   Bancha Records  002

N  こまっちゃクレズマ、最新アルバム『こまドラド』から「ヴェトナミーズ・ゴスペル」でし

 た。先週の「はじめてのワルツ」にもつながる雰囲気ですね。こういう不気味さ

 を演出するのはやはり3拍子です。破滅の瞬間が刻々と迫り来るような怖さ

 が伝わって来ました。

  さてここのところすっかり3拍子に取り憑かれていて、普段もあれこれ考

 えています。そんな時にひとりが閃きました。先週触れたビートルズの「グド・

 ナイト」を唄っていたリンゴ・スターです。そして見つけました。アルバム表題曲にもな

 ったこれです。

  「ブクーズ・オヴ・ブルーズ」。

M12.Beaucoups Of Blues(2’34”)Ringo Starr

-B.Rabin-     Capital 09463 93827 2 9

N  リンゴ・スター1970年発表の作品、同名アルバムから「ブクーズ・オヴ・ブルーズ」で

 した。これも3拍子を使って哀愁を表現しています。決して上手くないリンゴ

 の唄が活きていますね。

  さて「ブルーズ」で「ワルツ」と来れば、これもありました。

  レイ・チャールズの「ブルーズ・ワルツ」です。

  1958年、ヌーポート・ジャズ・フェスティヴァルでの実況録音でどうぞ。

M13.Blues Walts(6’29”)Ray Charles

-R.Charles-   Atlamtic 7567-80765-2

N  レイ・チャールズは先々週に、やはりブルーズ曲で「スウィート・シクスティーン・バーズ」とい

 うのをお届けしています。こちらの「ブルーズ・ワルツ」は気軽なライヴでのジャム演

 奏といった印象で、それぞれのソロを取る演奏者が3拍子のリズムを楽しんでい

 る感じがしますね。いずれもなかなかの好演です。

  さてレイ・チャールズは、やはり3拍子で「ドロウン・イン・マイ・オウン・ティアーズ」を唄

 っていました。自分で流した涙に溺れてしまう、というとても悲しい歌です。

 数えきれない彼の持ち歌の中でも「傑作」に値する一曲と言えます。それを

 中心に据え、深刻な恋の歌を3曲唄い継ぐ「ブルー・メドリー」という素晴らしい

 録音があります。ジョー・コカーが1970年3月にフィルモア・イーストで行なった実演です。

 「ドロウン・イン・マイ・オウン・ティアーズ」の他に並べられたのは、サム・アンド・デイヴの

 「僕のベイビーに何か(悪い事がある時は僕も何処か調子が悪いんだ)」、そ

 してオーティス・レディングの「愛しすぎて(もう止められない)」です。この3曲

 が続けて唄われる・・・、想像するだけで震えが来ますね。ここで通して刻

 まれるリズムが3拍子なのです。三連符を使う8分の12では少々重すぎると、

 音楽監督のリオン・ラッセルは考えたのでしょうか。結果として、この判断は正解で

 した。

  ではしっかり受け止めてください、

  ジョー・コカーで「ブルー・メドリー」。

M14.Blue Medley(12’55”)Joe Cocker

 Drown In My Own Tears~When Something Is Wrong With My Baby

~I’ve Been Loving You Too Long

-H.GloverD.Porter, I.Hayes, O.Redding-  A&M 750216002 2

N  「ブルー・メドリー」、1970年3月にフィルモア・イーストでの実況録音、ジョー・コカーでし

 た。いやあ凄いなあ。わたし自身これを聞き始めてからもう50年近く経ちま

 すが、耳にする度に新鮮です。サム・アンド・デイヴやオーティス・レディングに深く親し

 む切っ掛けともなりまして、深い恩義も感じています。当初は3拍子に多少

 の抵抗がありましたが、先程申しましたように見事にハマッていますね。脱帽で

 す。

  さて、3拍子を探して歩いたこの1ヶ月、如何でしたでしょうか。わたしと

 しましては、非常に多面的な解釈の成り立つ拍子である事を今更のように実

 感し、かなり面白く通す事が出来ました。世界中にはまだまだたくさんのワルツ

 が残っています。皆さんもご存知の3拍子音楽がありましたら、ぜひ教えて

 下さい。この切っ掛けを作ってくれたあの人に感謝しなくちゃね。

  では最後に「ラスト・ワルツ」を。

  ザ・バンドではありませんよ。エンゲルベルト・フムパティンクでどうぞ。

M15.ラスト・ワルツ(2’58”)エンゲルベルト・フンパーティンク

-R.Mason, L.Reed,-  ソニー  MHCP 190

N  そして本当の最後は、これです。

M16.ラストワルツ(2’55”)園まり・中尾ミエ・伊東ゆかり      

-R.Mason, L.Reed, Y.Matsushima- ワーナー   WPC7-6575

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  最後は園まり、中尾ミエ、伊東ゆかりの「ラスト・ワルツ」でした。これは記述があ

 りませんが、60年代の終わり頃、渡辺プロダクションが運営していたライヴ・スポット、

 銀座にあったメイツでの実況録音ではないでしょうかね。こうやって揃えて聞き

 ますと「三人娘」なんて一括りで呼ばれていた彼女たちの個性、唄い方がま

 るで違っているのが分かります。とらぺ座の「はじめてのワルツ」から三人娘の

 「ラスト・ワルツ」まで、これで「幻」ワルツ集はひとまずお仕舞いです。さあ来週も

 また元気よく行きましょう。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/2f4d46dee073b1a24c37244170bbe9b3163708ff

  ダウンロード・パスワードは、4xrtdjhyです。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/05/04

mb190504

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年04月20日を  

 始めましょう。

  「新しい時代が始まった」と馬鹿騒ぎが続いています。昭和の後片付けも 

 済んでいないのにね。希望を持つ気持ちは分かりますが、歴史は繋がってい

 ます。山積みだった平成時代の未解決案件も忘れないで行きましょう。代表例

 として「モリカケ」問題、まだ残っていますよ。

  さて新元号の時代開幕記念に便乗して「令和」いとしのレイラ・マカーラです。

 「ミゼパ・ドゥ」

M01.Mize Pa Dous(3’46”)Layla McCalla    

-L.McCalla-  Jazz Village  JV570154

N  「ミゼパ・ドゥ」、レイラ・マカーラでした。スティール・ギターの音色からハワイアンを連想して

 しまいますが、よく聞けばカリブ海的ですね。フランス語圏であるご当地の伝統に

 則っているアンサムブルとでも言いましょうか。ウッドブロックのような音は、「ウイスキー・

 ボトル」とクレジットされています。確かにそうですね。テムポーとかリズムがいかにも

 熱い地域の音楽であると伝えてくれます。英語詞の部分では「貧しい事は楽

 じゃない」と繰り返しているのですが、肝心の表題部分がよく分かりません。

 仏語に堪能なヴェンテンさん、教えて下さいませんでしょうか。

  さて、今朝は真面目な音楽講座をお届けしましょう。

M02.シャンソン「パリの屋根の下にテームズ河は流れていない」(2’57”)ボリス・シュバリエ

-unknown-  ディスク ユニオン / GTmusic  MHCL-1239

M03.Pigalle(3’20”)Café Accordien Du Paris

-Ulmer, Luypaerts, Koger-  Metro   METROCD075

N  中洲産業大学森田一義助教授の紹介で「パリの屋根の下にテームズ河は流れてい

 ない」およびその解説でした。その次にお届けしたのはパリのアコーディオン・カフェ

 というズバリの名前のグループによる「ピガール」、パリの中心部にある歓楽街を唄

 ったワルツでした。2週間前のワルツ集以来、音楽が聞こえてくると「これは何拍子

 か」と考えるのが習性になってしまっています。今週小さなイタリア料理屋でお

 昼を採ったら、その時の店内放送にワルツ曲が多かったんですよ。激安なのでよ

 く立ち寄るサイゼリアで流れているのはカンツォーネでして、今までイタリアとワルツは繋がっ

 ていなかったのですがそこからの連想でお仏蘭西にはありそうだなあ、と思

 いつきまして、家にある数少ないフランスの音楽の盤を引っ張り出したら、案の

 定ワルツが沢山出て来ました。ここからはリスペクト・レコードが2015年に出した『フ

 レンチ・アコーディオン〜オリジナル・パリ・ミュゼット〜』3枚からお聞きいただきましょう。

 オリヂナルは良質なコムピ盤を沢山出しているフランスのレイベルを原盤とするこのシリーズ

 は安易なポピュラー楽曲を集めたものではなく、かなり珍しいオリヂナル作品が揃っ

 ているので、「令和時代の」とは申しませんが現在進行形感が漂います。今も

 パリではこの種の音楽が絶えてはいない、そんな連想が生まれて来ます。

  「ミュゼット」というのは元々フランスの農民が使っていた息袋付きのリード楽器な

 んですが、わたしは長い間「小さい」という共通点から「ミゼット」のフランス語だ

 と思っていました。大村崑ちゃんが宣伝していたあのダイハツ・ミゼットの「ミゼット」

 です。しかし今はミュゼット音楽として、アコーディオンを主体に演奏される軽音楽の

 小作品や、アコーディオンそのものを指す事の方が多いですね。

  では『フレンチ・アコーディオン〜オリジナル・パリ・ミュゼット〜』から参りましょう。

  まずは「マルゴーのワルツ」です。

M04.マルゴーのワルツ(3’37”)

リシャール・ガリアーノ / ジェネ・ロッシ / ヴァレリー・ゲルーエ / フレデリックゲルーエ

-R.Gallaro-  リスペクト RES-262

N  「マルゴーのワルツ」でした。これにはリシャール・ガリアーノ、ジェネ・ロッシ、ヴァレリー・ゲル

 ーエ、フレデリック・ゲルーエ以上4人の手風琴奏者が記載されていますが、そんなに

 大勢で演奏してるのでしょうか。両手を使えば一人でも出来るような気がし

 ますが、普通のアコーディオンは左手が和音のボタンだから、ピアノやオルガンと違ってそ

 うも行かないのかな。

  さておフランスのワルツはやはりこれまでお届けしてきた英語圏、日本語圏の音楽

 とはちょっと雰囲気が異なりますね。明るく華やかでありながら哀しさも感

 じさせる・・・、何処となくペーソスが漂います。なかなか味わい深いです。

 次は中国に主題を取った

  「チャイニーズ・ワルツ」、マルク・ベロンヌです。

M05.チャイニーズ・ワルツ(3’16”)マルク・ベロンヌ 

-J.Colombo, G.Ghestem-  リスペクト RES-262

N  終了部分でようやく中国風な旋律が出て来た「チャイニーズ・ワルツ」、マルク・ベロン

 ヌでした。

  さて次は先ほどお話しした元々フランスの農民が使っていた息袋付きのリード楽

 器、本来のミュゼットが活躍します。

  曲名は「緑の格子のワルツ」、ダニエル・ドゥヌショーです。

M06.緑の格子のワルツ(2’26”)ダニエル・ドゥヌショー

-M.Esbelin, E.D.Lichere-  リスペクト RES-264

N  お聞きになりましたか、本来のミュゼットの音色。バグパイプを軽くした感じの

 音ですね。地域によっては小型の物を「ビニウ」とも呼んでいるようです。

  アコーディオンと、本来のミュゼットともにリードを震わせて音を出す構造ですから同

 じ名前でも不思議はない、と言えなくもないか。ただ形は全然違いますし、

 この本来のミュゼットが加わったアンサムブルは非常に民俗音楽的な響きになります。

  では『フレンチ・アコーディオン〜オリジナル・パリ・ミュゼット〜』から最後に2曲続けます。

 おフランスの香りをたっぷりとお楽しみ下さい。

  セルジュ・ドゥゾネで「ハリネズミのワルツ」、

  そしてミシェル・マシアスの「スウィング・ワルツ」です。

M07.ハリネズミのワルツ(3’23”)セルジュ・ドゥゾネ

-G.Malha-  リスペクト RES-263

M08.スウィング・ワルツ(3’16”)ミシェル・マシアス  

-G.Viseur, B.Ferret-  リスペクト RES-263

N  ミシェル・マシアスの「スウィング・ワルツ」、なかなかのスウィング感でしたね。こうやって

 聞いて来ますと、フランスのワルツは、日本でよく形容される「ブン、チャッ、チャッ」的

 な取り方ではなく、3拍を同じ強さで打っているのが分かります。安定性のあ

 る二等辺三角形ではなく、もう少し繊細な感覚に支えられているようで、ど

 の演奏家もその均一に刻まれる3つの拍に乗って自由な表現をしていました。

 三拍子というのは奥が深い。4分の4拍子よりもリズム自体に様々な側面があっ

 て、それを上手に使えば全体を支配する雰囲気が創り出せるようです。「3」

 という素数の特性でしょうか

  さて先週の投稿で、類似穴さんから「The Beatlesの最後の曲を聞いたら、

 わたしの脳内ではワルツだったのです」というお話を頂きました。『ホワイトアルバム』

 の最終曲、リンゴ・スターの唄う「グッド・ナイト」の事ですね。そうです、あれも3

 拍子でした。このグループもこの素数を上手に使っています。別々の曲を繋げ

 てひとつにした、と言われる「恋を抱きしめよう」のサビの後半をワルツで解決

 しているところなど非常に特徴的です。ジョン・レノンは「3」が好きらしく、「ノ

 ルウェー調の家具」を3拍子で仕上げています。そしてもう1曲、これもワルツでし

 た。

  「悲しみはぶっとばせ」。

M09.Tu Ferais Mieux De I’oubller(2’14”)Eddy Mitchell

-J.Lennon, P.McCartney- 

N  「悲しみはぶっとばせ」、エディ・ミシェールのフランス語仕様でした。『La France Et

 Les Beatles』というコムピ盤からお届けしました。

  さて逃げられなくなった感もある「ワルツ集」です。皆さんにもようやく火が

 回り始めたようで、この歌もち冷えさんに教えて頂きました。

  メキシコのワルツです。特別にあなたにお届けしましょう。

  フレディ・フェンダの実況盤から「シェリート・リンド」。

M10.Celito Lindo(3’16”)Freddy Fender

-pd.-  Park South 80246 90634 2 4 

N  メキシコ大衆の愛唱歌「シェリート・リンド」は3拍子でした。フレディはアメリカ国籍です

 が、明らかにメキシコの血が混ざった男。詳細不明のこの実況録音もおそらくは

 メキシコに近い国境沿いでの収録ではないでしょうか。お客さんたち、大喜びで

 したね。

  さて次も先ほどの類似穴さんから頂いたリクエストです。

  フォンテラ・バスが唄うバカラックのワルツ、

  「ワッザ・ワールド・ニーズ・ナウ」。

M11.What The World Needs Now(2’56”) 

-H.David, B.Bacharac-   Nonesuch79357-2

N  「世界は愛を求めている」、フォンテラ・バスでした。これはあまり3拍子を感じ

 させない仕上がりですね。フォンテラの唄が圧倒的だからでしょうか。ミューテド・トラ

 ムペットは、アート・アンサムブル・オヴ・シカーゴのレスター・ブーイが吹いていました。

  さて同じようにミューテド・トラムペットが活躍するジャズのワルツ曲です。今頃になっ

 て済みません。実は盤を持っていなかったのです。先々週の「幻」ワルツ第1集

 の時に探していて、それに気づきました。アルバム表題になっていたのも実は知

 らなかったのであります。今朝は現在出ているCDでお届けします。これに

 は演奏時間が約半分ほどの別テイクも入っていました。聞いていただくのはオリジ

 ナル・テイ ク。マイルス・デイヴィス、トラムペット、ハンク・モブリー、ジョン・コルトレイン、テナー・サクスフ

 ォン、ウイントン・ケリー、ピアノ、ポール・チェインバーズ、ベイス、そしてジミー・コブがドラムズ

 です。

  「いつか王子様が」

M12.サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム(9’05”)マイルス・デイヴィス 

-F.E.Churchil, L.Morey-     Miles~Hank~Wynton~Trane

N  永遠のジャズ・ワルツ「いつか王子様が」、マイルス・デイヴィスでした。ビル・エヴァン

 スよりも、やはりこっちですね。決定的な名演です。

  さて今週の月曜日、29日はかつて「みどりの日」でした。今年のその日に

 わたしも何回かお世話になっているエフエム東京「トランス・ワールド・ミュージック・ウェイズ」 

 の田中みどりDJの決起集会が新宿でありました。わたしも出席しまして、沢

 山の特別な方達とお会いしてまいりました。前に座った方といつもの調子で

 気安く話していたら、最後の挨拶でみどりの恩師であり東京藝術大学の名誉

 教授だった事が分かり、大慌てでした。間違っても河内の大阪芸術大学では

 ありません。ご注意下さい。

  会には民俗音楽的な演奏者が大挙参加して、ずっと賑やかでした。その中

 で初対面のアコーディオン奏者と話をしていたら、彼が自分たちのアルバムをくれまし

 た。家に帰ってそれを聞いていたら、キョーレツな3拍子曲が出てきました。

  お聞き下さい、トラペ座という演奏団体です。

  「はじめてのワルツ」。

M13.はじめてのワルツ(7’23”)トラペ座  

-S.Ohno, H.Kitler-   Otonomadobe  ONM-001

N  トラペ座で「はじめてのワルツ」でした。これは海外の既成曲に日本語詞を当て

 た物のようです。原曲を含めてわたしが聞くのは初めて。昨年発表されたCD

 で、『トラペ座』という題名です。正式メムバは4人。アコーディオン、サクスフォン、セロ、

 ヴァイオリンという編成。今の「はじめてのワルツ」は3拍子の持つ強迫観念が見事

 に演出されていました。語るような唄の表情も秀逸で、忘れられなくなるよ

 うな仕上がりです。トラペ座でした。

M14.かもめ(4’15”)麻川マキ   拍手入り、SE処理

-S.Terayama, K.Yamamoto-  EMI   TOCT-11320

N  麻川マキの「かもめ」、作詞は寺山修司です。これも見事なワルツですね。ただ

 最後に入っていた赤ん坊の泣き声、本来は次の「時には母のない子のように」

 の冒頭部分なのですが、アルバム要所に配されたこれらの効果音は少々いただけ

 ません。発想が安易で、音質も不適切なので聞いていてシラケます。そこが残念

 なマキのデビュー・アルバム『麻川マキの世界』からでした。

  さて、わたし自身これまでワルツは苦手で遠ざけていましたが、こうやって

 様々な3拍子を聞いてみると、不思議な魅力を感じます。先ほども述べまし

 たように、「様々な側面があって、それを上手に使えば全体を支配する雰囲

 気が創り出せる」点に、興味が生まれました。もう少し探してみようかな、

 そんな気持ちです。まだ出していない最後の切り札も残っていますから、

 どうぞお楽しみに。

  ところで、このワルツ愛に黒人ピアニストのジェイムズ・ブッカーも応えてくれました。

 何回かお届けした1976年のハムブルグで実況録音盤で、本来は4拍子の歌をワル

 ツにアレンヂして演ってくれているのです。聞いてみましょう。

  「サムシング・ユー・ガット」。

M15.Something You Got(2’53”)James Booker

-C.Kenner-   Jazz Line  N 77061

M16.Mardi Gras In New Orleans~Cry To Me(5’40”)Professor Longhair  

-pd. Bert Russell-   Harvest  00602577284922

N  ハムブルグのカーネギー・ホールから、アメリカはカリフォーニャのロングビーチに停泊中のクイーン・メリ

 ー号船上にひとっ飛び。1975年3月に収録された実況盤でプロフェッサ・ロングヘア

 です。以前アナログで出ていた盤のようですね。「サム・フィリップスのサン・ステューディオ

 でカッティングした」なんて記載があります。ちなみにジャケット写真はリンダ・マカートニ。

 彼女はコダック写真のイーストマン家のなんかだったと聞いた事もあり、ポールとの結婚

 前は写真を撮っていました。この撮影をしたのは75年。ウイングスのメムバだった

 頃です。まだ写真家としても活動してたのかな。

  さて今回CDになったこの盤に解説を寄せているのが、ヒュー・ローリー。イギリス

 で活動するアメリカ人俳優です。彼は音楽好きで知られピアノと唄が専門領域、ジョ

 ー・ヘンリーのプロデュースで立派なアルバムも出しています。とても謙虚な姿勢がわた

 しは好きです。

  ではそのアルバムから、彼が尊敬しているフェスの代表曲「ティピティーナ」を聞きま

 しょう。

M17.Tipitina(5’07”)Hugh Laurie  

-C.V.Matassa-  Warner Bros. 2564674078

M18.イージー・リヴィング(5’ 51”)ウエス・モンゴメリー   

-R,Rainger, L.Robin-  キング KKJ1034    

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  ヒュー・ローリーの「ティピティーナ」、豪勢な編曲でした。こんな事やって貰えるなん

 て、少々羨ましいですね。

  その次はウエス・モンゴメリーのまた出た未発表音源。地元のクラブでの実況録音で

 す。お客さんたちがずっとご歓談中で、演奏などほとんど聞いてない雰囲気

 が良く捕らえられています。お届けしたのは「イージー・リヴィング」。また来週

 あたりに、じっくり聞いて行きましょう。

  さあ、キョーフの10連休も終わりますよ。またいつもの日常が始まります。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所、どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/878c08c62aef471df8bd7f54c36b3bf5be415a5d

  ダウンロード・パスワードは、yw8jivqwです。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/04/27

mb190427

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年04月27日を  

 始めましょう。

  もう5月です。1年の半分も目の前。早いなあ。今年は特にそんな感じ。忙

 しい訳じゃないのに、諸事雑務に追われています。こういうのはちょっと惨

 めです。仕事が忙しければそれだけ充実して来ますからね。

  金曜日は寒かったですね。先週もう要らないだろうと冬物を仕舞ったばか

 りだったので、困りました。手が悴んだくらいです。

  でもその前の日、雨が上がってから暑くなった木曜日には今年初めて蚊取

 り線香を使いました。少し暖かくなるとすぐに出て来るのが蚊と蛞蝓、ナメ

 クジです。昨年の使い残しがあったので、助かりました。今年も頼むぜ。

  さあ今朝の 1曲目です。ザ・グラムフォン・オールスターズ・ビッグ・バンドで

 「ドント・ユー・ウォリー・アバウト・ア・シング」

M01.ドント・ユー・ウォリー・アバウト・ア・シング(3’34”)

ザ・グラムフォン・オールスターズ・ビッグ・バンド  

-S.Wonder-  Pヴァイン   PCD-24831       

N 「ドント・ユー・ウォリー・アバウト・ア・シング」ザ・グラムフォン・オールスターズ・ビッグ・バン

 ドでした。スティーヴィー・ワンダー1973年発表の『イナー・ヴィジョンズ』に収められて

 いた1曲です。シングルになったのかな。15人という大所帯のザ・グラムフォン・オー

 ルスターズ・ビッグ・バント、演奏が上手ですね。アンサムブルが大変よろしい。唄も゙ステ

 ィーヴィーそっくりと思いきや、そうでもなくて徐々に個性が上手く押し出され

 て来ます。もうちょっと長く聞きたいですね。あ、これは作戦かも知れませ

 ん。

  さて次も新譜です。フェリス・ブラザーズという演奏集団3年ぶりの新録音。今

 回からリズム担当者を入れ替えた、という事ですが、聞いてみましょう。

  「ポー・ブラインド・バーズ」

M02.Poor Blind Birds(5’50”)ザ・フェリス・ブラザーズ

-unknown-  BSMF 6165

N  新譜案内に「ザ・バンド、ボブ・ディランの遺志を受け継ぐ・・・」とありまし

 て、「そんなこたぁねえだろ。まだディランは生きてるぜ、ピンピンだ」と抵抗を

 覚えたのが聞いてみたきっかけです。それが想像をはるかに凌ぐ出来、良か

 ったですね。あなたには如何でしたか。

  今の「ポー・ブラインド・バーズ」、お聞きのように3拍子、ワルツです。殊の外反

 応がなかった先週のワルツ集、わたしは放送が終わってからもずっと考えていま

 して、「あ、あれもそうだ」「これもあった」などと思い出していました。そ

 したらフェリス・ブラザーズのこの歌に出会ったのです。彼らは今回の新譜に2曲

 ワルツを入れています。これも珍しいですね。好きなのかな。

  ではフェリス・ブラザーズの最新盤『アンドレス』から、もう一曲ワルツです。

  「ザ・キッド」。

M03.The Kid(4’01”)ザ・フェリス・ブラザーズ

-unknown-  BSMF 6165

M04.マリエ(3’12”)ブレッド・アンド・バター

-Y.Iwasawa, F.Iwasawa-    ソニー  MHCL-30229/32

N  ザ・フェリス・ブラザーズの「ザ・キッド」、そして思い出した3拍子の名曲、ブレッ

 ド・アンド・バターの「マリエ」です。これ好きだったなあ。1970年のヒット曲ですが

 聞いていたのは71年になってからのような記憶です。70年の冬休みに建築

 現場で初めて継続的にアルバイトをしまして、その労働報酬で購入したレイディオ / カ

 セット・テイプ・レコーダでね、何度も何度も密かに聞いていました。表向きは「エルモ

 ー・ジェイムズだよ」なんて言っているので、こういう軟派な音楽は人前で聞け

 なかったのです。自意識過剰ですね。

  「こおんなにマリエ、愛しているのに」という繰り返しが今も頭に焼き付いて

 います。バンドネオンの音を効果的に用いたアレンヂ、そして録音が素晴らしい。特

 にベイスの音は理想的です。誰だろう。ブレッド・アンド・バターの「マリエ」でした。

  そして、先々週の命日をやり過ごしてしまったキャロールにもワルツがありました。

 シングル「涙のテディ・ボーイ」のB面曲だったかな。でもこの時はジョニーちゃ

 んが失踪中。サミーという新メムバ—が一時的に入ってたの覚えてます。エーちゃん、

 ウッちゃん、ユウの3人だけでテレビに出た事もある筈です。

  ではキャロルのワルツを聞いて下さい、「番格ロックのテーマ」。

M05.番格ロックのテーマ(3’06”)キャロル  

-Y.Ohkura, E.Yazawa- フォノグラムPHCL-3032

N  途中で4拍子のブリッヂ部分が入る3拍子曲「番格ロックのテーマ」、キャロルでした。

 そういえばキャロルのエーちゃん、矢沢永吉の周辺物資展が大阪で開かれていまし

 た。ほとんどはグループ解散後ソロになってからの物でしょうが、実際に使って

 いた楽器、衣装、愛車など大量の「ヤザワ・グッズ」が見られたようです。ここ

 の大家さん澤田修に連れて行って貰った「ザ・ローリング・ストーンズ展」のエーちゃ

 ん版ですね。開会時には入り口に長蛇の列が出来て「1人1時間」という制限

 が加えられた程の人気だったとか。

  この展示会「俺 矢沢永吉」は、月が明ければ横浜にやって来ます。

  5月3日(金) から5月12日(日)までで、YCC ヨコハマ創造都市センターで

 す。参考サイトは、以下。https://www.nnn.co.jp/dainichi/news/190418/20190418023.html
  さて「幻」モーニン・ブルーズ、アサーのワルツ集を続けましょう。こんな歌もワルツでし

 たね、思い出しました。

  森繁久彌です、「しれとこ旅情」。

M06.しれとこ旅情(3’30”)森繁久彌

-H.Morishige-  コロムビア  COCP-34538/9

N  「しれとこ旅情」森繁久彌でした。わたしは加藤登紀子のが好きでした。こ

 れも1971年の初春の想い出です。モリシゲ版は少々演技過多に聞こえますね。

 ただしこういう時にワルツというリズムは有効です。二等辺三角形のような安定感

 がありますから、音楽の上で演技をするには持って来いです。加えて妙な反

 復効果が加わります。「しれとこ旅情」は発表当初「早春賦」の替え歌と呼

 ばれました。共に3拍子を効果的に使った楽曲と言えましょう。

  さてモリシゲとくればエソケソ、いやエノケン榎本健一です。これも「ブン・チャッ・チャ」

 の明るく切ない繰り返しが活きています。

  「洒落男」。

M07.洒落男(3’30”)榎本健一

-F.Crumit, L.Kleim, T.Sakai-    東芝 TOCT-6019

N  榎本健一のドタバタ歌謡「洒落男」、どこかしらカリプソ風な展開でしたね。終

 了部にビゼーの歌曲「カルメン」からの引用がありました。これはスティーリオ録音です

 から1968年の再吹き込みですが、オリヂナルもそうだったんでしょうか。それに

 してもエノケンはいい。表情が素晴らしい。

  さて、先週某楽器店のピアノ売り場で「わたしの好きなもの~マイ・フェイヴァリット・

 シングズ」を上手に弾いている中学生くらいの女の子がいました。思わず「『幻』

 聞いたんでしょ」と尋ねたいところでしたが、じっと我慢して聞いていまし

 た。どこかの先生に習ったか譜面で覚えたのでしょうが、とても上手でした。

 傍らに父親らしき男性が立っていました。ピアノ買って貰えたのかなあ。

  ジャズの世界でもワルツが大きな武器となるのは、先週の「マイ・フェイヴァリット・シン

 グズ」で証明済み。今週は「いつか王子様が」でそのおさらいをしましょう。

  ビル・エヴァンスでどうぞ。

M08.Someday My Prince Will Come(4’55”)Bill Evans

-Charchill, Morey-  Not Now Music  NOTCD208    

N  ビル・エヴァンス、ピアノ、スコット・ラファーロ、ベイス、 ポール・モチアン、ドラムズで「いつか

 王子様が」でした。原曲が唄われた映画「白雪姫」の公開が1937年でして、 

 5拍子「テイク・ファイヴ」で知られるデイヴ・ブルーベックが57年に自身のリパトゥワに採 

 り入れ始めたそうです。このビル・エヴァンスの吹き込みが59年です。最も有名

 な仕様のマイルス・デイヴィスの発表はこの後の61年ですから、二番三番煎じなの

 ですね。今のビル・エヴァンスの演奏はマイルスのカンを閃かせるのに充分な質実を備え

 ています。「いつか王子様が」でした。

  さてビル・エヴァンスといえばもっと有名なワルツがあります。アルバム表題にもし

 ています。モダーン・ジャズ・ファンたちの宝物です。

  その名も「ワルツ・フォー・デビー」。

M09.Waltz For Debby(6’57”)Bill Evans

-Evans, Lees-  Not Now Music  NOTCD208

N  ヌー・ヨークのジャズ・クラブ、ヴィレッヂ・ヴァンガードでの実況録音で「ワルツ・フォー・デ

 ビー」、ビル・エヴァンス・トリオでした。これは冒頭の主題表示部分だけが3拍子で

 す。即興演奏に入ると普通の4ビートです。この変わり目が実に自然で気づか

 ないうちに「4ツ」にノセられているのです。そしてふと「これ、ワルツだったよな」

 と頭に戻って再確認、そんな経験ありませんか。わたしはあります。ビル・エヴ

 ァンス・トリオで「ワルツ・フォー・デビー」でした。

  これらビル・エヴァンスの2曲は、たまたま見つけた3枚組廉価盤に入っていま

 した。「幻」では仕様頻度の高い「Not Now Music」レイベルからの発売です。

 しかもタワー・レコーズのトレイド・マークが入っていて、両者の共同企画のようです。

 この国で評判の良い、「ジャズ」という言葉から極く普通の人が思い浮かべる

 響き・・・。ビル・エヴァンスを始めとして、サニー・クラークやウイントン・ケリー、レイ・ブライア

 ントもいます。BGMとして流してもいいし、聴き込むにも値する、誰が居ても

 安心して回せる3枚組です。一番最後は、先週お届けしたレッド・ガーランドの

 「ビリー・ボーイ」、これにもニヤリでした。

  さて3拍子の安定感、詩情をお楽しみ頂いています今朝の「幻」モーニン・ワルツ、

 次は3拍子の「不安定感」です。先ほどは「二等辺三角形」と申しましたが、

 この「安定」は底辺を下にした場合で、逆に頂点を下にすると極端に不安定

 になります。危なっかしいですね。

  次の演奏はこの倒置法ですね。落ち着くわけがありません。不等辺三角形

 を逆さに、頂点を下にして置いています。

  チャールズ・ミンガスで「水曜夜の祈祷集会」。 

M10.Wednesday Night Prayer Meeting(5’42”)Charles Mingus

-C.Mingus-  Rhino / AtlamticR2 72965

N  凄い演奏でしょう。チャールズ・ミンガスで「水曜夜の祈祷集会」。この混乱、そ

 して脅迫感、煽り立てるような、なんという不安定さ。やはり3拍子ならで

 はです。

  このように聞いて来ますと「3拍子」にはたくさんの表情がある事を感じ

 られます。次はどんな側面でしょうか。

  お聞き下さい、レイ・チャールズです。

  「スウィート・シクスティーン・バーズ」。

M11.Sweet Sixteen Bars(4’09”)Ray Charles  

-R.Charles-  Rhino / AtlamticR2 72965

N  レイ・チャールズの「スウィート・シクスティーン・バーズ」、これまたリリカルという表現がピッタ

 リな演奏でした。ただしブラザー・レイですから一筋縄には行きません。よおく耳

 を研ぎ澄まして聴くと、様々な情感が込められているのが分かります。

  これ1956年の録音。63年前です。少なくともこの間、人類は何にも進歩

 していないね。それぞれの個人的には精神的な成長は絶対あるでしょう。も

 ちろん反対に堕落もあります。現代社会では工業科学の領域では急速な進歩

 が毎日技術が更新されています。昨今ではそれに振り回されている感すらあ

 る。あらゆる領域を自動化する傾向に夢中な今の世界、それでいいのかなあ。

 他に考える事あるだろうにね。「スウィート・シクスティーン・バーズ」を聞いて、こんな

 事まで考えさせられました。

  それはともかく、この題名は「16小節」です。四分音符3つを1小節と数

 えると今の1コーラスは32小節になります。拍の取り方、概念が違うんでしょう

 か。黒人たちはハチロク、8分の6拍子で考えてんのかなあ。そうすれば「16小

 節」ですね。まあ「スウィート・サーティーントゥ・バーズ」では洒落になんないか・・・。

M12.Reach And Touch(5’04”)Aretha Franklin

-N.Ashford, V.Simpson-  Rhino / Atlamtic   8122-77629-2

N  レイ・チャールズに続きましては、アリーサ・フランクリンの「リーチ・アンド・タッチ」、作者はアシ

 ュフォード・アンド・シムプスンです。初出はダイアナ・ロスですか。今のアリーサはほとんど教

 会での集まりで唄っているようですね。伝説になっている1971年、フィルモア・

 ウエストでの実況録音からでした。楽曲自体ゴスペル色が強いですが、この世界で

 も3拍子は有力。日曜学校でも最後のクライマックスに導く前に3拍子ゴスペルが唱和

 される事が多くあります。「ブン・チャッ・チャ」の「チャッ・チャ」を手拍子で揃えて

 ね。3拍子、恐るべし。

  さて次はまた変則ワルツです。遠藤実作詞作曲でこまどり姉妹が唄う「涙のラー

 メン」です。かつて矢野顕子が「ラーメン食べたい」という歌を発表した時に「ラーメ

 ンを唄ったのは初めてだ」と評価されました。そこに「ちょっと待った」と注

 目を集めたのが、この歌「涙のラーメン」なのですよ。1963年の発売です。アコち

 ゃんは84年だからその21年前です。3拍子でずっと行くんではなく、唐突

 に4拍子が出て来たりして、何気ないつぶやきをそのまま歌にしたような印

 象も受けます。唄うのも演奏するのもとても難しい。その点では矢野顕子的

 です。

  ではお聞き下さい、こまどり姉妹で「涙のラーメン」。

M13.涙のラーメン(3’31”)こまどり姉妹

-M.Endoh-  コロムビア COCP-37258

M14. ロング・ロング・ロングLong,Lomg,Long(3’06”)ザ・ビートルズ

-G.Harrison-  東芝  TOCP-71041/53    

N  「幻」モーニング・ワルツ、今朝の最後はザ・ビートルズの「ロング、ロング、ロング」でし

 た。『ホワイト・アルバム』から、ジョージ・ハリスンの作品ですね。終了部が「ブルー・ジ

 ェイ・ウェイ」風でした。ラリってる感じが出てますね。あ、今思い出した。数週間

 前にもビートルズのワルツ、お届けしていました。こちらはジョンの歌でした。ご想

 像下さい。

  さて次は絹の歌声、エアロン・ネヴィルです。彼の初期、と言っても1969年から

 77年までですからそれ程の昔じゃないな、一応は初期のソロ作品を集めたベスト

 盤が来月出ます。『ラーヴ・レターズ:ディ・アラン・トゥーセイント・セッションズ』です。これ

 はあの声がもっとも艶っぽかった時期ですから聞いてると、トロけちゃう。カント

 リー調のいい録音も沢山入っています。全22曲と充実の収録時間。

  その中から今朝は「クライ・ミー・ア・リヴァ」。

M15.Cry Me A River(3’43”)アーロン・ネヴィル

-A.Humilton-  BSMF  7581 

M16.Something Is Wrong With This Picture(5’55”)ギャラクティック

-unknown-  BSMF 7580

N  ヌー・オーリンズ関連でお届けしました。ご当地では泣く子も黙るジャム・バンドの

 祖、ギャラクティックです。第1作と第2作を組み合わせた2枚組が出ます。彼らが

 96年に出てきた時は、わたしも大いに惹かれました。ジャム・バンドという性格

 上、その魅力を完全な形でレコードにする事は難しかったでしょうが、今聞き返

 してみると、演奏集団としての規模の大きさを再確認いたします。デビュー・

 アルバム『クーリン・オフ』から「サムシング・イズ・ロング・ウィズ・ディス・ピクチュア」でした。

  さて「幻」はモーニン・ワルツからモーニン・ブルーズへと戻ります。続けてお届けして

 いるルイジアナ・レッドです。エレキ1本という簡素な伴奏の説得力にここのところ参

 っています。今朝もハムブルグの『ポー伯父のカーネギー・ホール』から、

  「死んで行くには貧しすぎる」。ちょっと調弦が必要のようです。

M17.Too Poor To Die(3’10”)Louiana Red

-K.G.Cooper, –   Jazzline  N 77064

M18.There Must Be A Better World Somewhere(3’25”)

ザ・B.B. キング・ブルース・バンド

-unknown-   BSMF  2657

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  最後は主なきザ・B.B. キング・ブルーズ・バンドで「ゼア・マスト・ビ・ベタ・ワールド・

 サムウェア」でした。この楽団の再出発アルバムには元天才少年のケニー・ウェイン・シェパード

 やタージ・マハルも参加しています。またゆっくり聞きましょう。

  先週、「血」で始め「血」で終えたのは全く意図していませんでした。エリッ

 ク・サティは最後に閃いて、追加したのですが、気づかなかったなあ。深読みの

 ち冷えさま、ありがとうございます。

  さて、大家さん澤田修のところに長野県の方から、

 「大石洋三という人が二十代の頃に作ったレコードを探している海外の友人が

 いて・・・」

 と問い合わせが入りました。浅学無才のわたしたちにはすぐにピンとくる情報 

 がありません。もし何かご存知な方がいらっしゃったら、ぜひご連絡を下さ 

 い。個人情報管理にかますびしい昨今ですから、大家さんの「contact」ペイジ

 のご利用が宜しいかと存じます。お願いね。「大石洋三という人が二十代の

 頃に作ったレコード」です。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/18dcec93affe8e054dad04df3cbbbe275d0c9a85

  ダウンロード・パスワードは、hgwhzg5kです。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/04/20

mb190420

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年04月20日を  

 始めましょう。

  また当たりました。今度は頭のてっぺんです。台所の掃除をしていて思い

 切り棚にぶつけたのです。痛かったですよ、本当に。自分で作った棚なので

 文句も言えず作業を続けていたら、床に赤い点が・・・、頭から流れ出た鮮

 血でした。かなりの量に驚き鏡を見たら顔の左半分が真っ赤。慌てたなあ。

 髪の毛は血で固まりました。その日はブラシもかけられず少々痛み続けたので

 すが、傷口をしっかり消毒をしておいたので、化膿することもなく3日ほど

 したら治りました。今はスプレー式の消毒薬があるのですね。赤チン塗るまでもな

 かった。触るとまだ傷が分かります。

  年始めに上顎を踏み石にぶつけて前歯が欠けた次は頭です。よく当たるな

 あ。駐めておいた車に他所の車が勝手にぶつかって来た事故にも遭遇してる

 し。大当たりの2019年です。馬券買ってみようかな。

  とにかく、今朝も無事に「アサー」が来てくれた事には感謝です。

  この謙虚な気持ちを大切に。では参りましょう。

  エドウィン・ホーキンズ・シンガーズです、「オウ、ハピーデイ」。

M01. Oh! Happy Day(5’11”)Edwin Hawkins Singers

N  エドウィン・ホーキンズ・シンガーズで「オウ、ハピーデイ」でした。何故なのか分かりませ

 んが、自分で作った選曲準備表の最上段に「4月20日の1曲目」として挙げ

 られていました。それに従って根拠は不明なまま、お届けしました。「ビルボー

 ドのトップ5位以内に入ったもので最も大勢の人間が参加している曲」、確かこ

 んな特別な称号を持ってたのではないですか、この歌は。こういう事はDJ

 の先輩、矢口清治が詳しい。

  先週の新聞には、アメリカ合衆国で無宗教者が23.1%という調査結果が発表さ

 れています。これにはちょっと驚きです。アメリカは圧倒的な新教徒の国だった

 筈ですからね。残りの76.9%の中には仏教徒や回教徒もいるでしょうから、

 プロテスタントは更に少なくなる訳ですね。

  今週、ノートルダム大寺院が焼け落ちてしまいました。この時にパリ市民が自然 

 に集まって賛美歌を歌っていた姿には、心を打たれます。皆カソリック教徒という

 事で、この惨事を憐れんで涙していました。こういう時にはキリスト教の大きさ、

 歴史を感じざるを得ません。「オウ、ハピーデイ」、エドウィン・ホーキンズ・シンガーでした。

  さて今朝はまず、ちょっと変わった楽曲を並べてお届けします。以前出会

 ったある人が「ワルツ、つまり3拍子の曲が好きだ」と言っていまして、その事

 がずっと気になっていまして、自分でもワルツを探してみよう、と考えていたの

 です。

  煩い多き町暮らしの中ではなかなか落ち着いて選び出す事も出来ません。

 ですが、ちょっと振り返っただけでも意外と名曲を揃えられました。今朝は

 その中間報告です。

  「ワルツ」と聞いて、まずわたしの心の中で鳴り始めたのは、この歌でした。

M02.Music(3’50”)Carol King

-C.King-  Epic/Ode EK 34949

N  キャロル・キングの「ミュージック」、72年発表のLP表題曲です。前作『つづれ織り』

 の大成功で世界を掌に収めたかのような印象があったキャロル・キング、その次の

 作品として発表したのが、この『ミュージック』です。『つづれ織り』に較べると

 華やかさがなく、ちょっと地味で渋い味わいかも知れません。けれどもわた

 しはこちらが彼女の最高作品だと信じています。

  お聞きになってお分かりの通り、ここではジャズ的な要素が大いに採り入れ

 られています。それも形式的に厳密なものではなく、演奏感覚に於いて、と

 言う方が良いでしょう。この純粋な流れは後のジョーニ・ミチェルや、今の創造的な

 カントリー音楽と共通するものです。それをコワモテでなく深く広く優しく伝えてくれ

 る『ミュージック』、「キャロル・キングは『つづれ織り』だけでいい」というイギリス人も

 いましたが、わたしはこっちだな。キャロル・キングの「ミュージック」でした。

  おっと、主題はワルツですね。キャロル・キング関連のワルツというと、何を置いても

 これでしょう。「ナチュロー・ウーマン」です。アリーサ・フランクリンが1967年に発表した決定

 的な一曲です。こちらも、わたしはロド・ステュアートの方がえらく気に入っており

 ますので、今朝はそちらをお楽しみ頂きましょう。

M03.(You Make Me Feel Like)A Natural Woman(3’54”)Rod Stewart

-G.Goffin, C.King-  Murcury 314 558 063-2

N  ちょっと終了部分に不満が残りますが、ロド・ステュアートの「ナチュロー・ウーマン」、

 素晴らしい出来です。1974年のLP『スマイラー』からでした。真剣に唄ってる時

 のロドは、本当にいい。

  さて、今朝は3拍子の歌を集めてお届けしています。現在のポップ音楽は、

 ほとんどが4拍子で作られていますので、誰にも若干の違和感があるかも知

 れません。ただこの違和感がワルツの場合とても重要で、その不安定さを上手く

 演出したこんな歌がありました。

  サイモンとガーファンクルで「スカボロー・フェア」。

M04.スカボロー・フェア / 詠唱(3’08”)サイモンとガーファンクル

-P.Simon, A.Gaefunkel-   ソニー  SRCS 7445

N  「スカボロー・フェア」、サイモンとガーファンクルでした。全編に浮遊感を漂わせながら進行

 する場面展開は見事です。これは3拍子だからこそ成立する雰囲気でしょう。

 元々はイギリスに伝承歌で、基本的アレンヂはデイヴ・グレアムが形にしていますが、

 イメヂをこうやって固定したのはサイモンとガーファンクルの偉大な功績でしょう。

  さてカントリー・ワルツの名曲と言えば、まずこれですね。

  「バイア・コン・ディオス、マイ・ダーリン」、フレディ・フェンダでどうぞ。

M05.Vaya Con Dios(2’48”)Freddy Fender

-L.Russel, I.James, B.Pepper- Reprise 9 26638-2

N  「さらば恋人」は堺正章で、こちらはレス・ポールとメアリ・フォードで一般的に知ら

 れるようになった「バイア・コン・ディオス」、フレディ・フェンダでした。フレディはこの

 歌がえらくお気に入りのようで、大抵のアルバムにその都度吹き込み直して入れ

 ています。今朝はリプライズからのベスト的新規吹き込みアルバム『フレディ・フェンダ・

 コレクション』から聞いて頂きました。

  さて、カントリー・ワルツにはもっと有名曲があります。三日前のハムバーグと称され

 た唄い手で大ヒットしたこれです。

  「知りたくないの」、エディ・アーノルドです。

M06.I Really Don’t Want To Know(2’46”)Eddy Arnold

-D. Robertson, H. Barnes.-  Complete Country SCOUNTCD 0010

M07.It Was Me(3’10”)George Styrait

-B.Cannon, R.Hardison-  MCA B0010826-2

N  なかにし礼の和訳でこの国でも有名曲となっている「知りたくないの」、エデ

 ィ・アーノルドでした。続けましたのは、やはりカントリーの唄い手ジョージ・ストレイトの

 「イト・ヲズ・ミー」、2008年に発表したアルバム『吟遊詩人』からでした。これは

 そんなに知られていないでしょうが、わたしの好きな1曲です。

  さてカントリーのワルツと言えば、何を置いてもあの「テネシー・ワルツ」と来るのが妥当

 なところです。しかし、これをワルツではない形で見事にモノにしたふたりのR&B

 歌手がいます。

  お聞きください「テネシー・R&B・ワルツ」、サム・クックとオーティス・レディングです。

M08.テネシー・ワルツ(3’11”)サム・クック

-Stewart, King-   ユニバーサル  UIGY-7043

M09.Tennessee Waltz(2’50”)Otis Redding

-Stewart, King-   Atco / Rhino 8122 79827 4

N  「テネシー・ワルツ」サム・クックとオーティス・レディングでした。共に3拍子を無視していま

 す。サムの方は当時の実演の延長線上にありますね。彼が「ダーティ・ドグ」と

 叫ぶと猛烈な説得力を伴います。そう卑怯な野良犬は裏切るのですよ。

  一方のオーティスは、これ以上ない決定的な出来映えです。エム・ジーズとメムフィス・

 ホーンズの半ばその場対応的なアレンヂが、比類なき仕上がりを呼び込みました。

 オーティスがこの歌を採り上げたのは、多分サム・クックが唄っていたからでしょうが、

 それにしてもここまで作っちゃうとはね。脱帽です。

  この「テネシー・ワルツ」は江利チエミの十八番で、日本でもヒットしていました。わた

 しはこれまでテレビ、それも懐メロ的な傾向の歌番組でしか聞いたことがありま

 せん。そもそも楽曲自体が基本的に実によく出来ていますから、誰が唄って

 も・・・という思いもしますが、先ほどのサム・クックとオーティス・レディングの例もあ

 ります。チエミのオリジナル仕様を聞いてみたくなりました。

  「日本には3拍子自体が存在していなかった」という説を聞いた事があり

 ます。尤も西洋的な「拍」「小節」という考え方自体がなかったわけで当然3

 拍子も無い訳ですが、「テネシー・ワルツ」が持て囃された事から想像すると、この

 形に惹かれる心情があるようです。「芸者ワルツ」、「星影のワルツ」なんてのが知ら

 れていますし、村田英雄の「姿三四郎」もワルツですね。

  でも、わたしの心にすぐ思い浮かんた国産ワルツは、こんな誰も知らない歌で

 した。

M10.ねすごした小鳥(2’23”)ザ・ランチャーズ

-T.Mizushima, O.Kitajima-  東芝 CT25-5570

N  ザ・ランチャーズのLP第一弾『フリー・アソシエイション』から「ねすごした小鳥」でした。

  性別不明の白い鳥がお揃いの出で立ちで赤い鳥とのデイトに備えるために、

 夜通し赤い木の実をたくさん食べ続け寝坊をしてしまい、約束に間に合わな

 かったという可愛らしい悲劇の物語です。最後に当の赤い鳥は白い鳥の白い

 羽に恋をしていた、というオー・ヘンリーの短編のようなオチがあります。これも3

 拍子の不安定感を上手く使って構成していますね。ランチャーズでは「想い出のジ

 ュリエット」というB面曲もワルツでした。

  さて、ヨハン・シュトラウス作品を除いて世界で最も知られたワルツと言えば何でしょ

 うか。真面目なロック音楽ファンなら「ラスト・ワルツ」と来るでしょう。他にビル・エヴァ

 ンスやマイルス・デイヴィスが採り上げたディズニー映画「白雪姫」からの「いつか王子

 様が」も3拍子です。そして、これも最も強力なワルツ曲のひとつでしょう。

  1959年のやはりディズニー映画「ザ・サウンド・オヴ・ミュージック」から

  「わたしの好きな物」、ジョン・コルトレインです。

  13分を超える長時間演奏、覚悟してお聞きあそばせ。

M11.My Favorite Things(13’44”)John Coltrane 

-R,Rodgers, O.Hammerstein II-   Rhino / Atlantic  R2 72965

N  ソプラノ・サクスフォーン、ジョン・コルトレイン、ピアーノ、マッコイ・タイナー、ベイス、スティーヴ・デイヴ

 ィス、そしてドラムズがエルヴィン・ジョーンズで「マイ・フェイバリット・シングズ」でした。1961

 年の発表です。エルヴィンの打ち鳴らす3拍子が何とも効果的。楽曲を決定的に

 印象付けています。

  それにしてもコルトレインは熱演です。そのあとの精神世界に入り込んでいく寸

 前の、まだ音楽を演奏する人間ジョン・コルトレインが演奏に没頭しながらも、何か

 を恐ろしく真剣に考えている姿はやっぱり凄いですね。生半可なワルツ集にトドメ

 を刺されたような気分です。相良直美の「わたしの好きな物」は、ここにぶ

 っ飛びます。

  取り敢えずは手近なところで揃えた3拍子の音楽、ここで新たに浮かんで

 来た楽曲もあります。皆さんは如何でしたか。また探して来ますが。本日は

 これにて打ち止め、と致します。

  マイルスの「いつか王子様が」を探していたら、こんな物に出会いました。長

 い事聞いてなかったですね。LP『マイルストーン』からレッド・ガーランド、ピアーノ、ポー

 ル・チェイムバーズ、ベイス、そしてフィリー・ジョー・ジョーンズの3人、当時のマイルス・セクステ

 ットのリズム・セクションの演奏です。

  「ビリー・ボーイ」。

M12.Billy Boy(7’14”)Miles Davis(Red Garland, Paul Chambers, Joe Jones)

-unknown-  Columbia CK 40837

M13.Lo Sient(2’43”)マット・ダスク

-unknown-  BSMF 5069

N  「マイ・フェイバリット・シングズ」、「ビリー・ボーイ」と長い器楽曲が続きましたので、

 短い歌曲を。先日お届けして好評だったマット・ダスクの最新版から「ロー・シエント」

 です。転調を重ねていく「マック・ザ・ナイフ」風の面白い歌です。マット・ダスクのヴ

 ォーカルはほぼ完璧です。実演を観たいですね。

  さて先週のジェイムズ・ブッカー、こちらも気に入って頂けたかな。Lazy酋長さ

 んからは「気になっていた」アルバムであると、お便りいただきました。もう入

 手されたかも知れませんが、今週もどうぞ。

  ヒューイ・スミスのヒットをブッカー調に聞かせてくれます。

  「ロッキン・ニュモニア・アント・ブーギー・ウーギー・フルウ」。

M14.Rockin’ Pnemonia And Boogie Woogie Flu(2’54”)James Booker

-H.P.Smith-   Jazzline N 77061

N  ジェイムズ・ブッカーの唄とピアーノ演奏で「ロック性肺炎とブギウギ流感」でした。ブ

 ッカーはピアニストですから上手くて当たり前なんでしょうが、とにかくこの『ポー

 叔父のカーネギー・ホールにて ハムブルグ1976』では冴えてます。縦横無尽な技術を

 駆使しながらも、どこか滑らかではない、これがヌー・オーリンズ・ピアーノの極意か

 な。

  次もお馴染みの1曲です。

  ジミー・ウィザスプーン作、「エイント・ノーバディ・ビジネス」。

M15.Ain’t Nobody’s Business(4’55”)James Booker

-J.Witherspoon-  Jazzline N 77061

N  「エイント・ノーバディ・ビジネス」、ジェイムズ・ブッカーでした。

  先週お届けしたいとしのレイラ・マカーラも割と好意的に聞いて貰えたようなです。

 そこで今週もテナー・バンジョーで唄う彼女をどうぞ。

  「マニ・イズ・キング」。

M16.Money Is King(2’54”)Leyla McCalla

-L.Mccalla-   Jazz Village  JV570154

N  「マニ・イズ・キング」レイラ・マカーラでした。今の1曲もわたしにはカリプソの伝統が

 強く感じられます。古来の録音とは楽器編成も大きく異なり、そもそもわた

 し自身そんなに詳しくはないのですが、カリブ海全域からの風でしょうか、太

 い共通性が見えてくるのです。今朝はフン族の大王アッテラと名乗ったカリプソ祖大御

 所の1945年吹き込みの歌です。

  「トリート・エム・ラフ」。

M17.トリート・エム・ラフ(3’00”)アッティラ・ザ・フン

-unknown-  オーディオブック AB101

N  「トリート・エム・ラフ」アッティラ・ザ・フンでした。どうですか、わたしがレイラ・マカーラ

 の音楽を聞いて「カリプソ、カリプソ」と騒ぐのが分かって貰えたかな。ご感想、

 お待ちしております。

  さあ最後は新しい音楽に戻りましょう。

  昨年一度耳にして以来、自然と口ずさむ事の多いこの歌です。

  『ザーップVII』から「バイランドー」。

M18.Bailando(4’29”)Zapp

-L.Troutman jr., F.J. Batista jr., E.C.Anene jr. D.Manuel-  LeopardN 77054

M19.Variations On A Theme By Erik Satie 1st Movement (1’20”)

Blood Sweat And Tears

-E.Satie, arr.by D.Haligan-  Columbia CK 9720

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  ザーップの「踊りたいよー、〜バイランドー」に続けて、今朝の最後は「ワルツ」集

 に寄せまして、「エリック・サティの主題による変奏曲第一楽章」、ブラッド、スウェット・

 アンド・ティアーズでした。「家具の音楽」を提唱したエリック・サティ、昔クラシック放送番組

 を担当していた時、「サティは何よりもまず、優れたコピー・ライターである」と断言

 した構成者がいまして、わたしはいたく感銘を受けました。「犬のためのぶよ

 ぶよとした前奏曲」とかの、風変わりな表題を思い浮かべれば、どなたも納

 得できる筈です。それはともかく、彼の最大のヒット曲「ジムノペディ第一楽章」

 も3拍子だったのでした。

  BSTの傑作LP『ブラッド、スウェット・アンド・ティアーズ』は、これで始まり、最後

 も再びこの変奏曲第一楽章で終わるという洒落た仕上げでした。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/a6f5afcf9ab46d257a97bf017ecc9619b58f0b58

    ダウンロード・パスワードは、t40kbj7w です。ファイル名が「mb190420特別付録

 2」となっていますが、揚げる時の都合で「2」が付きました。「1」はありま

 せんので、お探しになりませんように。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー.。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/04/13

mb1900413

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年04月13日を  

 始めましょう。

  寒かったねえ、今週は昨日も冬の格好で出かけました。4月半ばですよ。

 あ、少数の方にわたしの誕生日を祝って頂きまして、有難うございます。こ

 れからの1年、 何はともあれ、まず元気にやります。それしかないな、今。

  先週の「いとしの令和」は、意外なほど好評でした。オドロキ、モモヒキ、ヤマイノキ

 です。圧倒的好評にお答えしまして、今朝も「令和」で行きましょう。

  先週の「レイラ」は本名をパティ・ボイド・ハリスンといいます。こちらはレイラ・マカーラ

 でいいのかな・・・。

M01.Oh My Love(3’45”)Leyala McCalla

– L.McCalla –  Jazz Village  JV570154

N  「オウ、マイ・ラーヴ」、いとしのレイラ・マカーラでした。昨年録音され、今年早々に発

 売となったアルバムからです。キャロライナ・チョコレイト・ドロプスというグループで活動をし

 た後ソロに転向したようですが、わたしは初対面。写真を見た時には、南米の

 娘かな、と思いました。両親がハイチ人らしいです。多分北米合衆国に帰化して

 いるのでしょう。セロ奏者らしいですけれど、ここでは弾いていません。代わ

 りに多用しているのがテナー・バンジョウ。初めて聞く楽器です。多分普通のより

 も低い音域を覆うのでしょうか。テナー・ギターというのもありまして、普通のギ

 ターの感覚で弾くと、出ている音と指のポジションの関係で気が狂いそうになりま

 す。ザディーコ調に仕上げられた今の「オウ、マイ・ラーヴ」では和音の刻みに使われ

 ていました。

  ハイチ人、セロ弾き、テナー・バンジョウの巧者・・・クセ者の要素充分ですが、とても

 伸び伸びと音楽を演っている様子には、気持ち良くなれます。

  アルバム全体からは偉大なヌー・オーリンズ音楽の懐の深さが感じられます。次もテナ

 ー・バンジョウが活躍しますよ。

  アルバム表題曲です。「キャピタリスト・ブルーズ」。

M02. The Capitalist Blues(3’55”)Leyala McCalla

– L.McCalla –  Jazz Village  JV570154

M03.Junco Partner(4’34”)James Booker

-R.Shad-  Jazzline N77061

N  「キャピタリスト・ブルーズ」、いとしの令和マカーラでした。それに続けてこれまた

 ヌー・オーリンズ味の効いたピアニスト、ジェイムズ・ブッカーで「ジャンコ・パートナー」でした。

  薬物中毒患者の歌です。最後の方で叫ばれるのは、社会から追放されかか

 っているテクノ・デューオの片割れが使用したあの薬物です。凄い歌ですね。

  錚々たる音楽家たちがハムブルグのライヴ・クラブ「ポー叔父のカーネギー・ホール」で行

 った演奏の録音が、共通したディザインのジャケットで十数枚一挙に発売されていま

 す。ディジ・ガリスピ、ジョニー・グリフィン、ジョニー・ギター・ワトスン、アルバート・コリンズ、

 エルヴィン・ジョーンズなどなど。主に1970年代後半の録音です。エスタ・フィリップスな

 んてのは、聞いてみたいですね。

  もちろんこのジェイムズ・ブッカーの実況もそのシリーズからで、全編彼ひとりの弾

 き語りで臨場感あふれる音響の中、ヌー・オーリンズ・スタイルのピアノが満喫出来ます。

  では『ジェイムズ・ブッカー・アット・オンケル・ポーズ・カーネギー・ホール』から、数曲聞き

 ましょう。

  次はパーシー・メイフィールドの名作、「プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラーヴ」。

M04.Please Send Me Someone To Love(5’09”)James Booker

-P.Mayfeild-  Jazzline N77061

N  『ジェイムズ・ブッカー・アット・オンケル・ポーズ・カーネギー・ホール』から、「プリーズ・センド・

 ミー・サムワン・トゥ・ラーヴ」でした。多分それほど大きな場所ではないでしょうね。

 お客さんが非常に近くに居る。ピアノの音も生々しい。

  ジェイムズ・ブッカーは自由な選曲で15曲聞かせてくれます。ジャケットには誤植か

 誤字か「17曲」となってますけれども。ピアノもジェイムズ調のいい音で鳴ってま

 す。

  次は「マイ・ボニー」です。

M05.My Bonnie(4’57”)James Booker     

-td.- Jazzline N77061

N  ファッツ・ドミノーが弾いて唄ったらこんな感じになりそうですね、「マイ・ボニー」、  

 ジェイムズ・ブッカーでした。録音当夜、彼はかなり調子が良かったようで、唄、

 ピアノ共に冴えています。ヌー・オーリンズ・ピアノを多角的に味わうには、とても良

 いアルバムです。タイトルに「Vol.1」とありますから、ひょっとして第二弾も装填さ

 れているかも知れません。楽しみです。

  ではジェイムズ・ブッカー。1976年ハムブルグでの実況録音です。これは本人が事

 前にタネ明かしをしています。

  偉大なるレイ・チャールズの「ロンリ・アヴェヌー」そして「ストーミー・マンデイ」。

M06.Lonely Avenue & Stormy Monday(6’58”)James Booker

J.Pomas, A.T.Walker-  Jazzline N77061

M07.I Wonder Who’s Been Loving You Tonight(3’20”)Louisiana Red

Jazzline N77064

N  ジェイムズ・ブッカーに続けまして、やはり「ポー叔父のカーネギー・ホール」実況録音

 です。ブッカーの1年後、1977年録音のルイジアナ・レッド、こちらもひとりのレスポー

 ル・ギター弾き語り。しかも2枚組です。ずっと通して専用リズム・セクションの必要

 性を感じさせない程、心地良い緊張の続くブルーズ演奏で、上手い人はこれで

 充分なんだ、と再認識させられます。ギターとハモニカを一緒に演るところなどは、

 50年代的ですね。唄も特別に宜しい。やはりブルーズはヴォーカル・ミュージックなんだ、

 とこれも再認識です。

  では『ルイジアナ・レッド・アット・オンケル・ポーズ・カーネギー・ホール』から、

  「ミドナイト・ラムブラー」。

M08.Midnight Rambler(3’04”)Louisiana Red

Jazzline N77064

M09.Satisfaction(3’43”)Ronnie Baker Brooks

-M.Jaggar, K.Richard- Chicago Blues Experience  CBE 1701

N  ルイジアナ・レッドの「ミドナイト・ラムブラー」に続いては、ご存知「欲求不満」。ロニー 「ベ

 イカー」ブルクスです。皆さんもレコード店などで既にご覧でしょう、『シカーゴ・プレイズ・ 

 ザ・ストーンズ』からです。。シカーゴで現役のブルーズ・ミュージシャンがローリング・ストーンズ・

 ナムバズをカヴァしたというアルバムで、わたしも以前から目にしていましたその時

 は「あー、ありがちな企画ね・・・」と冷ややかに見ていました。でも時間

 に余裕があったある日に視聴しましたら、これがいいのです。変にストーンズを

 意識せずに、楽曲を自然な素材として採り上げている姿勢には好感です。ジャ

 ガー / リチャーズの作品が如何にフツーなのか、という事実が分かりました。これら

 を独特固有の雰囲気に彩っているのは、ミック・ジャガーを始めとするあの5人の

 個性なのだな、とも理解出来ます。これからこの『シカーゴ・プレイズ・ザ・ストーン

 ズ』しばらくお届けします。あなたのご感想は如何でしょうか。

  ではまず、日本でも人気者ですね、ビリー・ブランチで「悪魔によせる同情」。

M10.Sympathy For The Devile(5’56”)Billy Branch 

-M.Jaggar, K.Richard-  Chicago Blues Experience  CBE 1701

N  「シムパシー・フォー・ザ・デヴォー」、ビリー・ブランチでした。これもゴダールの映画「ワ

 ン・プラス・ワン」で象徴されるストーンズ版に較べると極くフツーの一曲ですね。ストーンズ

 のあの怖い雰囲気があまりに出てないんで、後半ちょっと無理をしている感

 じさえしました。古くからの歴史を唄い込んだ注目すべき部分の多い詞(こ

 とば)、発表当時は最新の話題だった「誰がケディ兄弟を殺したんだ、今となっ

 ては俺とお前じゃないか」の行りも、それほど刺激的に響きません。

  ひょっとしてシカーゴのブルーズ・ミュージシャンたちにとって、ジャガー / リチャーズ作品

 は、当たり前のブルーズ曲とまでは言いませんが、「ああ、やってるな」程度に

 聞こえているのかも知れない、などとも考えて聞いていました。

  全体的に演奏は堅実そのものです。シカーゴの現役ブルーズ・ミュージシャンたちの現

 在を語っているようにも聞こえます。次も面白い出来ですね。聞き始めて45

 年以上経ちますが、未だ歌の真意は分かりません。でも大好きな1曲です。

  「デッド・フラワーズ」、ジミー・バーンズでどうぞ。

M11.Dead Flowers(4’21”)Jimmy Burns

-M.Jaggar, K.Richard-  Chicago Blues Experience  CBE 1701

M12.Let It Bleed(4’01”)John Primer

-M.Jaggar, K.Richard-  Chicago Blues Experience  CBE 1701

N  ジミー・バーンズで「デッド・フラワーズ」でした。続けては、この『シカーゴ・プレイズ・

 ザ・ストーンズ』の冒頭に収められている「レット・イト・ブリード」、ジョン・プライマーで

 した。ストーンズの最高傑作LPの表題曲ですね。好きだったなあ。ミックの唄う世

 界を一生懸命理解しようとしましたね。今も知らんけど。

  こちらのジョン・プライマー版は実に気楽に唄い演奏されています。とても滑ら

 かですね。ストーンズは現役ですから、わたしの知らない楽曲も半分くらいあり

 ますが、そういうのは全くフツーに聞こえます。あ、わたしのストーンズ意識が過剰

 なのかな。

  さて、こういった黒人音楽家によるザ・ローリング・ストーンズ・ナムバの第一作は、

 おそらくこれでしょう。

  メアリー・クレイトンです、「ギミ・シェルター」。

M13.Gimme Shelter(3’32”)Marry Clayton

-M.Jaggar, K.Richard-  Ode 88883739602

N  さてハムブルグのブルーズ・ライヴからザ・ローリング・ストーンズへと流れまして、次は

 本家の登場です。

  聞いて下さい、1966年の作品です。「レイディ・ジェイン」。

M14.レイディ・ジェイン (3’11”)ザ・ローリング・ストーンズ

-M.Jaggar, K.Richard-  ポリドール P25L 25037

N  ザ・ローリング・ストーンズ、「ジェインお嬢さま」でした。冒頭の音はマウンテン・ダルシマー

 というアメリカのアパラチア地方の弦楽器です。元メムバのブライアン・ジョーンズがこういう

 新しい音色に目が無く、この時期に次々と導入してストーンズの音響更新を果た

 しました。ビートルズのインドかぶれに対抗する気もあったでしょうが、ストーンズの

 方が多彩でしたね。ブライアンの力です。

  この録音で使われた現物を見ました。五反田のTOCメッセで行われている

 「ザ・ローリング・ストーンズ展」で、です。開催していることも知らなかったので

 すが、澤田修が誘ってくれたので、今週一緒に行って来ました。

  見事な展示でしたね。500点を超える様々なモノ、モノ・・・。衣装とかチラシ、

 ポスター、ジャケットの下絵など、ほとんどが現物です。そのほか面白かったのは、

 ミックとブライアン、キース・リチャーズの3人が暮らしていたロンドンの合宿所を再現した原

 寸大ジオラマです。実に不潔で真実味ありました。他はアリーナ・ショウのステイヂ模型と

 か録音ステューディオのやはり原寸大ジオラマなどなど。ちょっと会場全体が暗過ぎた

 とも思いますが、それぞれが干渉しないようにとの配慮からですね、きっと。

  使用楽器も現物でたくさん置いてあります。そこに先のダルシマーがありまし

 た。なんとヴォックス製でイレクトリックでした。「本当にこれかな」という気もします

 が、ブライアンが弾く姿を想像しましょう。

M15. アズ・ティアーズ・ゴー・バイ(2’46”)ザ・ローリング・ストーンズ

-M.Jaggar, K.Richard-  ポリドール POCD-1056

N  やや調弦に難あり、の「涙あふれて」でした。64年の作品、当時ミックの恋人

 だったマリアンヌ・フェイスフォーのシングル曲にもなっています。こういう世界もストーンズ独

 自の雰囲気ですね。わたしには硬い石の壁で囲まれた、狭いけれど天井の高

 い部屋がいつも浮かんで来ます。

  「ザ・ローリング・ストーンズ展」場内は、どこへ行っても大音量のライヴ演奏が流

 れていました。まあ当然でしょう。しかし、例のダルシマーに触発されたのか、

 わたしの頭の中ではこのような「アク-スティク・ストーンズ」の音楽がずっと流れてい

 ました。

M16.プレイ・ウィズ・ファイア(2’18”)ザ・ローリング・ストーンズ

-N.Phelge- ポリドール P25L 25035

N  「火遊びのブルーズ」でした。これはジャガー / リチャーズではなく、ナンカ・フェルヂ

 が作者として記載されています。これも陰鬱な暗く冷たいストーンズの世界です。

 とても宜しい。

  五反田のTOCメッセで行われている「ザ・ローリング・ストーンズ展」を観た後で、 

 若いストーンズ・ファンの澤田修から「いつのライヴが好きですか」と聞かれ、咄嗟に

 わたしの口から出た答えは、「ミック・テイラーが入った直後のアメリカ公演だね」です。

 「この時まではメムバだけで演ってたんだ。次からホーンなどが入って大がかりに

 なって来るんだよ。会場も運動競技場になってね・・・」と昔話になったの

 ですが、質問者は満足してくれたかな。

  では、ニッキ・ホプキンズがピアノ、ジム・プライスがトロムボーン、ボビー・キーズがサクスフォン

 に追加され大所帯になったストーンズ一座のアリーナ・ショウから聞きましょう。映画「レ

 イディズ・アンド・ジェントルメン」のデラックス仕様から、

  「スウィート・ヴァージニア」。

M17.スウィート・ヴァージニア(4’45”)The Rolling Stones

-M.Jaggar, K.Richard-  ユニバーサル  UICY-78339

N  「スウィート・ヴァージニア」でした。この「レイディズ・アンド・ジェントルメン」の時の巡業

 は、「ならず者ツアー」とも呼ばれていました。発売直後の2枚組 LP『メインストリー

 トのならず者』のプロモーションを兼ねた旅公演だったのです。日本から音楽業界関

 係者が大挙して観に行ったのもこの時が初めてだったのではないでしょうか。

 朝日グラフにも記事が載りました。その号、わたしも持っていました。ミックの衣

 装はまだドギツくなる前で、ワサビ色の幅広いボトムが印象に残っています。

  『ベガーズ・バンケット』、『レット・イト・ブリード』、『スティッキー・フィンガーズ』で吹き込

 んだ素晴らしい持ち歌に加えて『メインストリートのならず者』からも選ばれたリパトワ

 ですから悪い筈がありません。

  前座はスティーヴィー・ワンダー。『トーキン・ブック』、『イナーヴィジョンズ』、『ファースト・フィナーレ』 

 の三部作を仕上げて絶頂期にあったスティーヴィーですから、これは素晴らしい一

 夜です。

  ただ今聞くとストーンズはかなり荒い演奏ですね。ミック・テイラーと追加されたメムバ

 はしっかり演ろうとしていますが、本体の4人は初めてのアリーナ・ショウに戸惑っ

 たのでしょうか、投げやりな態度が伝わって来ます。ミックはローリング・ストーンズと

 いうブランド の上で胡座をかいてる感じです。

  それでも当時ここまでの規模のロックンロール・ショウは他になかったし、以降さま

 ざまなロック・グループがお手本にする、新譜発売から全米トゥアー、という流れを創

M18.バイバイ・ジョニー(4’32”)  (3’10”)

-C.Berry-  ユニバーサル  UICY-78339

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  最後は同じく「レイディズ・アンド・ジェントルメン」のデラックス仕様から、「バイバイ・

 ジョニー」でした。1972年のアメリカ公演ですね。この時の実況録音はそのころ海

 賊盤で聞いていました。「ギター、キース・リチャーズ」の紹介でイントロが始まるのは、

 どこでも「キメ」でした。「カッコいいな」と憧れたものです。

  この後ストーンズの実演は巨大な催事となって行きます。1973年にはこれより

 新しい形の構成演出で日本に初上陸する筈だったのですが、マイケル・フィリップ・

 ジャガーに入国審査が降りず、中止になりました。この時は演奏陣が更に増強

 されてビリー・プレストンが入ってたんじゃないかな。わたし、テケツ持ってましたよ。

 ま、ただの昔話ですがねも。

  この後、メムバが咬み付き合っているイラストの『感激!偉大なるライヴ』があっ

 て、スモーキーの「ゴーイン・トゥ・ア・ゴー・ゴー」で始まる『スティル・ライフ』となります。

 ストーンズ展には『ラヴ・ユー・ライヴ』の時の、アンディ・ヲーホルが木炭紙に描いた大き

 な原画がありました。これにも感動したな。もう少し明るい場所で見たかっ

 たです。

  珍しくザ・ローリング・ストーンズを採り上げた今朝の「幻」、如何でしたでしょうか。

  特別付録は、以下の隠し場所です。お楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/6d74bfa02057a00a0b6d991b1c238a6b0e7bcaae

  ダウンロード・パスワードはph1uvb1tです、どうぞ。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/04/06

mb190406

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年04月06日号

 を始めましょう。もう4月うづき、月日の経つのが早い過ぎるう。わたしの

 今年3月は殆ど無かったに等しいですね。本当にアッという間でした。今日は

 普通なら入学式かな。でも月曜日始まりのところが多いのでしょうか。

  さて今朝はまず新年度に効果的なおまじないをお教えしましょう。

  アーサー・コンリーで「オバディ、オバダ」。

M01.オブラディ・オブラダ(3’06”)アーサー・コンレー

-J.Lennon, P.McCartney-   ワーナー   WPCR-27575   

N  「オバディ、オバダ」、アーサー・コンリーでした。先週友達との話題にこの歌が出てき

 まして、久し振りに聞いてみました。いいですね。ノヴェルティ調の歌がアーサー・

 コンリーは上手です。オーティス・レディングの肝入りでデビュー・ヒットとなった「スウィート・

 ソウル・ミュージック」が同傾向でしたし、「ファンキー・ストリート」なんて面白いのもあった

 な。デビュー以来やや低迷していたアーサーが心機一転でカヴァしたビートルズ『ホワイト・

 アルバム』収録のナムバです。日本ではビートルズのオリヂナルが特別にシングルとして切ら

 れました。他にカーナビーツが「太郎と花子」とかいう題名でカヴァ盤を出していま

 したね。

  歌われているのは若い庶民階級の男女が出逢い、結ばれ、幸せな家庭を築

 くといういかにもポール・マカートニらしい物語です。発表当時は、歌の内容以上に

 ビートルズがジャメカの音楽「スカ」を採り上げた、と大きな話題になりました。

  皆さまもご存知の通り、ジャメカは17世紀から大英帝国の支配下にあって、

 1962年に独立していますが、強い関係は今も変わっていません。アイランド・レコ

 ーズもイギリス人の荘園主クリス・ブラックウェルが始めたレイベルです。

  独立後は合法的にイギリスへと民族が流れまして、首都ロンドンの一角にジャメカ人

 たちの町を作りました。70年代には暴動も起きた南のブリクストン辺りです。60

 年代にはこの辺りは最も危険な地域だったそうですが、そういう所は刺激的

 な風俗で彩られていて、人を惹き付ける魅力があります。ヒップの最先端を生

 きていたビートルズの四人も、特にジョン・レノンは頻繁に出入りしていたようです。

 ターン・テイブルを仕込んだモーリス・ミニに乗ってね。

  原仕様、オリヂナル・ヴァージョンでは天才演奏家ポール・マカートニが効果的なミュートを効

 かせたベイス・ラインでスカのリズム感覚を実にポップに呈示しています。きっとこの

 町で感じたビートがヒントになっているのでしょう。「オバディ・オバダ」でした。

M02.ミス・ジャマイカ(2’31”)ジミー・クリフ

-J.Clif-  TOCP-5956

N   ジミー・クリフで「ミス・ジャメカ」でした。映画「スキャンダル」のサウンド・トラックからで

 す。これは1950年代末から60年代前半にかけて大英帝国の中枢部を震撼さ

 せた一大醜聞事件を題材にした90年公開の作品で、音楽もその時代のものが

 使われています。そのサントラから63年のヒット「ミス・ジャメカ」でした。

  件の一大醜聞とは俗にプロヒューモ事件と呼ばれている騒ぎで、その軸となるの

 がクリスチーン・キーラーという売春婦だったので、別名「キーラー嬢事件」と呼ばれる事

 もあります。その舞台には当時最もヤバかった地区のブリクストン周辺が描かれま

 す。先の「オバディ・オバダ」からの連想で、この映画を思い出して久し振りに

 サントラを聞いてみました。思った程ジャマイカ色が強くなかったのが正直なところ

 です。

  わたしはご当地ブリクストンにあったリントン・クワシ・ジョンスンのスパークサイド・スタジオに1

 週間ほど通った事があります。昼間の仕事だったので、バスや地下鉄を利用し 

 て行きました。その時の印象は、緑が多く清潔で平和な郊外で、かつての暴

 動とは結びつきませんでした。確かに黒人が多いのですが、キングストンの雑踏を

 知る身には秩序が整然と保たれているように見えたのです。

  ただし、「60年代のロンドンで最もヤバい地域ブリクストン」は、映画「スキャンダル」の

 影響もあって、わたしなりの画が心の中にあります。そこにはいつもジャメカ

 音楽が暗く重く流れているのです。

  そんな先入観が少々空回りしたところで、「桜咲く春のスカ」をお送りする事

 に致しました。「真冬のボッサ・ノーヴァ」に失敗したので、今回は段々と暖かく 

 なって行くこの時期に、飛び跳ねるアクセントをお楽しみ頂きたい。お時間見えま

 すまで、お付き合い下さい。

M03.インディペンデント・アニヴァーサリー・スカ( 4’03”)ザ・スカタライツ  

-unknown-  ポリスター P27D-10071

N   これは「インディペンデント・アニヴァーサリー・スカ」、スカタライツです。作者不明の「独立

 記念スカ」となっていますが、原曲はビートルズの「恋する二人」ですね。モロのカヴ

 ァですが、これもまだ具体的な支配が続いていた大英帝国との関係を物語る選

 曲でしょう。 

  ビートルズがブリクストン周辺をウロつき出すのは60年代の後半で、「オバディ・オバダ」

 が67年暮れ、その前のシングル曲「ヘロー、グドバイ」のコーダ部分でジョンがスカの

 ビートを口で「ンチャ、ンチャ」と入れているのには直接的な影響が窺えますね。

  当時すでに世界的流行の兆しを見せていた、英国秘密諜報部員を主人公

 にしたこの映画もジャメカでは人気でした。

M04.ジェームス・ボンド(3’08”)ローランド・アルフォンソ

-unknown-  ポリスター P27D-10071

M05.007(シャンティ・タウン)(2’31”)デスモンド・デッカー

-Daores, Kong-  Trojan  TJDDD019

N  ジャメカの誇るグランド・オーケストラ、ザ・スカタライツの軸、サキソフォーン奏者のローランド・アルフ

 ォンソ名義の「ジェームス・ボンド」、そして「イズリアルちゃん」デスモンド・デッカーで「ダ

 ボーオウセヴン~シャンティ・タウン」、それぞれ66年、67年のヒットでした。

  ダボーオウセヴン、ジェイムス・ボンド・シリーズをイアン・フレミングはジャメカで書いたそうで

 すから、やはりこの島と大英帝国との関係は深いですね。

  一方、この手の活劇はジャメカで評判が良く、昼間のテレビではアメリカの探偵物語

 などが今も放送されています。スカタライツはこんな曲も吹き込んでいました。

  「ディック・トレイシー」。

M06.ディック・トレイシー( 2’14”)ザ・スカタライツ

-unknown-  ポリスター P27D-10072

M07.ハウスワイフズ・チョイス(2’42”)デリック&バッツィ

-unknown-  ポリスター P27D-10071

N  ザ・スカタライツの演奏でアメリカのテレビ映画「ディック・トレイシー」主題曲に続いては、

 1961年、デリック・アンド・バッツィの放ったナムバ・ワン・ヒット、「ハウスワイフズ・チョイス」で

 した。独立前のジャメカ国内事情は相当に厳しかったでしょうが、スカのビートに載

 ったとてものんびりした唄が印象的です。

  ジャメカの音楽のおおもとはカリプソにあります。そのカリプソは物語性を持った言

 葉を語るように唄う音楽です。スカを生み出した具体的な音楽の影響はマイアミか

 らの北米R&Bが強いのですが、ここにも河内音頭の「新聞(しんもん)詠み」

 のように世間の出来事を「見て来たように」語るカリプソの伝統は受け継がれて

 いました。

  ロード・ブライナー・アンド・ザ・シークスです。

  1960年の独立以来繰り返されたアフリカの紛争を伝える「コンゴ・ヲー」。

M08.コンゴ・ウォー(3’19”)ロード・ブライナー・アンド・シークス

-unknown-  ポリスター P27D-10072

N  講釈師によるコンゴ紛争報道「コンゴ・ヲー」、ロード・ブライナー・アンド・ザ・シークスで

 した。独立前後のジャメカでは活劇と並んで映画では戦記物が人気を集めていま

 した。次はザ・スカタライツの重要なリパトゥワのひとつでもあった61年のアメリカ映画「ナ

 ヴァロンの要塞」の主題曲ですね。わたしが小学生の時に観た唯一の洋画です。

 山中に隠れていたナチス・ドイツの砲台がその全貌を曝す時にこの音楽が流れてい

 たような気がするのですが、実際はどうだったでしょう。64年のシングル曲です。

  「ガンズ・オヴ・ナヴァロン」。

M09.ガンズ・オヴ・ナヴァロン(2’29”)ザ・スカタライツ

-C.Dodd-   Island IBXCD 1 518 399-2

N  「桜咲く春のスカ」、如何でしょうか。ザ・スカタライツが中心なってしまいました

 が、今朝お届けした各曲は名義こそ異なっていても殆どがスカタライツの演奏と言

 って良いでしょう。その位、このグランド・オーケストラはジャメカの録音界に君臨して

 いました。そのブランドは世紀が変わっても廃れずに保たれています。2001年

 にパリで吹き込まれた21世紀仕様のザ・スカタライツを聞きましょう。オリヂナル・メムバ

 だったトラムペッターのジョニーディジー・ムーアが書いた

  「グローリー・トゥ・ザ・サウンド」をどうぞ。

M10.グローリー・トゥ・ザ・サウンド(4’23”)ザ・スカタライツ

-J.Moore-  オフィス・サンビーニャ  PM-982 

M11.Why(2’28”)Dolly Parton with Mavis Staples

-D.Parton-  Sony / RCA 1907589908 2   

N  「桜咲く春のスカ」からナッシュヴィル・カントリーへとチェーンヂ。先週もお届けしたドリー・

 パートンの新作『ダムプリン』から、お分かりですね、この声。メイヴィス・ステイプルズ

 とのデューオで「ワイ」でした。

  実はレコード店でこの新譜を手に取った時にこの曲名を見てステイプル・シンガーズ

 のあの歌か、と想像したのです。「何でそんなに虐めるの」というあれです。

 ドリーとメイヴィスで・・・、決して悪くないですね。

  でもそんな安易なカヴァではありませんでした。お聞きのように新しいオリヂナ

 ルです。今回のアルバムで強く感じたのは、唄もさることながら、こうして新曲

 を書き続けるドリーの音楽作家としての能力です。デューオ・アルバムというと、時

 としてお付き合い的な側面だけで終始する事がありますが、ここではどれも

 書き下ろしの新しい素材でした。組んだ相手にとっても真剣な勝負だった筈

 です。

  ではメイシー・グレイとドロシーをゲストに唄います。

  「トゥー・ドアーズ・ダウン」。

M12.Two Doors Down(4’06”)Dolly Parton, Macy Gray & DOROTHY

-D.Parton-  Sony / RCA 1907589908 2   

N  ドリー・パートンがメイシー・グレイとドロシーと唄った「トゥー・ドアーズ・ダウン」でした。ひ

 と昔前でしたら、ドリーのようなナッシュヴィル歌手が黒人R&Bの唄い手と対等なデ

 ューオを組むセッションなどあり得なかったかも知れません。音楽による深い人間相

 互理解がこのような形を実現させてくれた、と言ったら美し過ぎるかな。

  現在ある程度の経験を積んだ上で音楽を続けている人たちは、この表現活

 動を生涯追求の課題として捉え自問自答しながら様々な作業を行っているよ

 うに見えます。別に難しい物に限りません。その形は全て自由ですが、音楽

 に限らずあらゆる芸能芸術は今こういった段階に差し掛かっているのではな

 いのではないでしょうか。上手に言えませんけれど、ドリー・パートンの新作『ダム

 プリン』を聞いていて、ふとそんな事も考えました。

  もう一曲、今度はロンダ・ヴィンセントとアリスン・クラウスが一緒に唄います。

  「イフ・ウイ・ドント」。

M13.If We Don’t(2’24”) Dolly Parton with Rhonda Vincent & Alison Krauss

-D.Parton-  Sony / RCA 1907589908 2

M14.神様お願い!(2’11”)ザ・テンプターズ  

-Y.Matsuzaki-    テイチク  TECH 3212/3 

N  冒頭の不協和音で、お分かりですね。ザ・テムプターズの「神様お願い!」です。

 これ題名にビックリ・マークが付いていたんですね、50年近く気づかなかったなあ。

  ショーケンこと萩原健一が亡くなりました。68歳、わたしと変わらないのに、何

 でこんなに早く・・・。ほとんどの人生を俳優として生きてきましたから、

 テレビでは各種ドラマの保存映像を利用しての追悼がしきりに行われていました。

 ただわたしにとってはやっぱりテムプターズのヴォーカリストです。

  13才の時、彗星の如く現れた大宮の不良集団ザ・テムプターズにわたしは注目

 していました。リーダーのヨッチンこと松崎由治の才能は群を抜いていまして、その

 虜になってしまったのです。デビュー曲「忘れ得ぬ君」はヨッチンが唄っていまし

 て、その背後でハーモニカを吹いていたショーケンは、第二弾でヴォーカルを披露します。

  この「神様お願い!」は、奇跡的な傑作ではないでしょうか。イントロからコーダ

 まで、素晴らしい疾走感であっという間に過ぎてしまう2分11秒の中に極上

 の「ロック」が詰め込まれています。終了前にリズム・チェインヂしてからのドラムズ、

 カッコいいね。アール・パーマーみたいな前進ビートです。ヒロシやるじゃないか。高久昇

 のベイス・ラインも独創的です。自分たちで既成の領域に頼らずここまで創り上げ

 たのは、偉い。そこにヨッチン の才能が大きく寄与しているのは言うまでもあり

 ません。

  ただね、当時のレコード・レイベルや所属事務所、田辺昭知のスパイダクションは、優

 れた音楽創造力よりも少女たちにもっと金切り声を上げさせる効率の良い制

 作方針を選択し、このような路線に転向せざるを得ませんでした。

M15.エメラルドの伝説(3’02”)ザ・テンプターズ

-R.Nakanishi, K.Murai-  キング KICW 8569

M16.純愛(2’44”)ザ・テンプターズ

-R.Nakanishi, K.Murai-  テイチク  TECH 3212/3

N  名曲「エメラルドの伝説」、そして「純愛」、ザ・テムプターズでした。共に過激で危

 険な暴走する十代の恋の歌です。ショーケンの人気はここで決定的になりました。

 もう出て来るだけで「キャーッ」です。タイガーズのジュリーこと沢田研二とこの国の

 少女たちの人気を二分していたのが萩原健一でした。

  亡くなるまでの認知は圧倒的に俳優としてですが、本人は音楽に愛情をず

 っと持ち続けていて、時間的な隔たりはあるものの、歌を唄う事は続けてい

 ました。特に実演が良かった。いくつかの名場面を記憶している方も多い事

 でしょう。

  大宮の不良時代、ザ・テムプターズ初期に目指していたのがどんな音楽だった

 か明確には語られていませんが、イギリスで出た『GS、アイ・ラーヴ・ユウ』の第2

 篇は収録27曲中、8曲がテムプターズでして、どれも興味深い作品ばかりです。

  まずカヴァから聞いて下さい。

  「ストップ・ザ・ミュージック」。

M17.Stop The Music(2’59”)The Tempters

-C.Westlake, M.Sugotsky-  Big Beat  CDW1KD 196

N  「ストップ・ザ・ミュージック」、イギリス盤『GS、アイ・ラーヴ・ユウ』からです。これは

 テムプターズ1枚目のLPに入っていた筈です。フェイド・アウトがこんなに無神経だっ

 たかは不詳ですが、殆どがギョーカイ職人が作ったオリヂナル歌謡曲が並ぶこのコムピ

 盤の中でこのカヴァは引き立ちます。イギリス人の選曲者も自分たちと共通するビ

 ートを感じたのでしょうか。

  次はヨッチンのオリヂナルです。英語詞で唄われる、

  「テル・ミー・モー」。

M18.Tell Me More(3’40”)The Tempters

-Y.Matsuzaki-  Big Beat  CDW1KD 196

M19.Kidotta Ano Ko(2’43”)The Tempters                   

-Y.Matsuzaki-  Big Beat  CDW1KD 196   

N  ザ・テムプターズで「テル・ミー・モー」、「気取ったあの娘」でした。共に欧米のビー

 ト・グループ水準の出来栄えです。もう一度デビューLPを通して聴きたくなりま

 した。お手本が見えて来ない点が秀逸です。みんなで考えて練った形なので

 しょうか。

  次は傑作ですね。なんかのB面だったかな。これも松崎由治作品です。

  「秘密の合言葉」

M20.Himitsu No Aikotoba(2’55”)The Tempters           

-Y.Matsuzaki-  Big Beat  CDW1KD 196   

N  カッコいいでしょう、ザ・テムプターズ「秘密の合言葉」でした。ただ「キャーッ」で

 すからごく初期を除けば、ヒットしたGS歌謡曲を唄っていればそれで可、みた

 いな活動じゃなかったかな。でもグループ活動後期に出した次の歌は、萩原健

 一作詞、松崎由治作曲の純粋なオリヂナル。軟派路線ではありますが、ここから

 またグループの個性を創造して欲しかったな。

  ショーケン、萩原健一を偲んで、の筈がテンプターズ特集、それも松崎由治に光を当

 てるような内容になってしまいましたが、ここに嘘はありません。あ、「嘘」

 は5日も前の話でした。

  ではお聞き下さい、ショーケンが唄います。

  「雨よふらないで」、ザ・テンプターズ。

M21.雨よふらないで(2’48”)ザ・テンプターズ 

-K.Hagiwara, Y.Matsuzaki-  テイチク  TECH 3212/3

M22.Calling You(5’14”)マーク・ジョーダン   tp.Randy B.

-B.Telson-  BSMF 8026

N  3月26日に亡くなった萩原健一の唄で、ザ・テンプターズ「雨よふらないで」

 でした。続けたのは映画「バグダッド・カフェ」の主題歌「コーリング・ユー」です。

 この歌は誰が唄っても大抵は成功します。緊張と官能が交差する原曲の不思

 議な魅力が自ずから世界を作ってくれるのでしょう。テレビのドキュメンタリー番組で、

 ストリップ劇場のショウのBGMにこれを使った場面を見た事があります。感心しま

 した。

  今のカヴァはマーク・ジョーダンの新譜からです。地平線の向こうで鳴るミュート・トラム

 ペットを吹いているのはランディ・ブレッカーです。先週お届けした21世紀のスタンダード

 歌手マット・ダスクをえらく気に入って下さった八王子60オーバーさん、如何でした

 でしょうか。

M23.いとしのレイラ(7’06”)デレク・アンド・ドミノス

-E.Clapton, J.Gordon-  イーストウェスト AMCY-2600/1  

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  「幻」モーニン・ブルーズ、2019年4月6日の最後は、年号改変を祝しデレク・

 アンド・ザ・ドミノーズで「いとしの令和」をお届け致しました。

  今回の珍騒動、全くお笑いですね。「初めて国書である万葉集から採用した」

 とか言ってるけど、あの時代を中国、韓国の文化と切り離すのはナンセンスです。

 何かっていうと「歴史を正しく」なんて言う人間に限って、「歴史を都合よく」

 自分たちの利益に結び付けるんですよ。それに内閣総理大臣が「俺が決めた

 んだよね」とシャシャリ出て、エラそうに自分の政策と関連させて自画自賛するなん

 て、もっての他。時代を作るのは、わたしたちひとりひとりです。斎藤美奈

 子によれば、既に機能を持たず「文化財に近い」この年号、テレビでは「おめ

 でたい」とまだ浮かれ騒ぎを続けていますが、来年開催予定の五輪大会と同

 じく、冷静に考え直した方が良いのではないでしょうか。

  と国家に噛み付いたところで、自身の訂正をひとつ。先週のテイラー家にいつ

 も流れていたモータウン・ヒット曲の行りで「ダンシン・イン・ザ・トーマス」と出てきました

 が、これは「ダンシン・イン・ザ・ストリート」の間違いです。リヴィングストン・テイラーのカヴ

 ァがカーラ・トーマスとのデューオで、カーラの事を考えていたらこんなになってしまいま

 した。やはり校正は自分だけじゃダメですね。今週も何かあるかも。申し訳あ

 りませんでした。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/fd5421e30ea16f0941671b6a859b6d8a1d3d584b

  ダウンロード・パスワードは、g9t36btnです。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/03/30

mb190330

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年03月30日を  

 始めましょう。今週は「幻」らしくない1曲目です。あ、らしいかも知れま

 せんけどね。

  シンガ・ソングライタ、ジェイムズ・テイラーです。「ウイチタ・ラインマン」。

M01.Wichita Lineman(3’41”)James Taylor

-J.Webb-   Hear Music  0888072308299

N  先ずはジェイムズ・テイラーでジム・ウェブの「ウイチタ地区鉄道線路管理人」、2008年発

 表のアルバム『カヴァズ』からでした。もう11年前の作品になるのですね。発売

 直後に友だちと話し合った事を、昨日のように覚えています。この前に出た

 ばかり、なんて思っていました。シンガ・ソングライタのジェイムズ・テイラー、ここでは

 全曲他の人が作って唄い、ヒットさせた歌を選び出して自分なりに吹き込んでい

 ます。これまでも彼は自由に好きな歌を採り上げてきましたが、特に独自の

 好みが色濃く反映されていて、面白い。

  わたしは常々テイラー家の中では、常にモータウン・ヒットが流れていたんじゃないか、

 と推測しています。ジェイムズが「ハウ・スィーティーズ」、弟のリヴィングストンは「ダンシン・

 イン・ザ・トーマス」、妹のケイトは「スタボーン・カインダ・フェロウ」をカヴァしていたからです。

 そして、この『カヴァズ』にも、もちろんモータウン・ヒットが収録されていました。

  「ロードラナー」、ジュニアとオールスターズ、1966年のヒット曲です。

M02.Road Runner(3’17”)James Taylor

-E.Holland, L.Dozier, B.Holland –   Hear Music  0888072308299

N  ジェイムズ・テイラーでアルバム『カヴァズ』から「ロードラナー」でした。さて今朝の「幻」

 をJ.T.で始めたのは、先週2曲紹介した細野晴臣の新作をもう少し詳しくご

 案内する、と予告したからで、わたしはこれまで細野晴臣の唄から、どうし

 てもジェイムズ・テイラーを連想してしまっていたからです。果たして、それは今で

 も正しかったでしょうか。

  先ずはこれで始めましょう、「住所不定無職低収入」。

M03.住所不定無職低収入(3’10”)細野晴臣

-H.Hosono-  ビクター  VICL 65086

N  「住所不定無職低収入」でした。1973年のLP『ホソノハウス』を2019年仕様と

 して再録音した細野晴臣の最新作から、聞いて頂きました。「美味い煙草をく

 れないかい」という唄い出しが時代を感じさせます。

  ちょっと話題が脇道にそれますが、なんでも雑誌「りぼん」に掲載された

 漫画の中で登場人物が煙草を吸う場面が書き直しをさせられたそうです。「そ

 の画を使うな」、という事ですね。たぶん出版社がSNSなどで批判される事

 を避けるための忖度でしょうが、あんまりだ。

  わたし自身は体質的な問題から20代後半に禁煙して以来の嫌煙者でもある

 のですが、昨今の肩身の狭い喫煙者の味方のつもりです。あまりに可哀想で

 す。かねてより「そんなにいけない事なら法律で禁止すればいいじゃないか」

 と考えていました。

  健全、公平、正義を否定はしませんが、何事にもそれらを持ち込んで是と

 する義憤に関しては、疑問です。しかも自分は絶対安全地帯にいて遠くから

 匿名で騒ぎ立てるのは、卑怯な行為ではないかとも思えます。芸能芸術の表

 現はそれらの基準と大きく異なる事実があり、そちらを肯定し優先させる場

 合もあり得ます。こういった真っ当な世論がこれ以上大きくなっていった

 ら、もう自由に歌なんか唄えない日が来る、そんな気もしているのです。運

 動競技や商品広告などもその例に漏れず。

  あ、とにかく「美味い煙草をくれないかい」と始まる細野晴臣の「住所不

 定無職低収入」でした。如何でしょう、2019年型は。

  1973年発表のオリヂナル『ホソノハウス』は、彼が奥多摩、狭山の米軍人用住宅に住

 んでいた頃にその家をスタジオがわりにして録音された作品です。当時はレコード

 の「音」を欧米水準にしようと、様々な試みがなされていて、そのひとつで

 もありました。発想のきっかけには先程のジェイムズ・テイラーが田舎の納屋のよう

 なところで行った録音セッションの刺激もあったと思います。

  当時細野晴臣の家の隣には小坂忠が住んでいて、台所の窓越しに会話が出

 来たそうです。73年ですから、ドラムズもベイスもギターも実際に音が出ます、作

 業中うるさくなかったのかな。それに対して今回は21世紀の「宅録」です。

  わたしが知る限りでは、ディジタル化以前から彼は「音」そのものにご執心で

 して、自宅には大掛かりではないにせよ、常に最新に近い設備があった筈で

 す。しかし今回の作品に付属の本人による解説ですと、「ここ10年以上も生

 演奏で活動を続けていたので、録音機器や音源などを顧みておらず、古いま

 ま放置していた」故に、「半ばでシステムを入れ替えたり新規にソフトウェアを購入」し

 て完成させたそうです。

  では次へ行きましょう、「冬越え」。

M04.冬越え(3’32”)細野晴臣

-H.Hosono-  ビクター  VICL 65086   7

N  充分にカントリー的な「冬越え」でした。ドブロの音が、マーク・ノプラーを連想させま

 した。アコーディオンの音色も宜しかったです。テクノ・ポップの覇者、細野晴臣です

 から、今回の録音制作もディジタル機器を駆使しての作業だった事は容易に想像

 出来ますが、今のドブロやアコーディオンのような簡素な楽器がどの楽曲にも主役級

 で登用されています。そしてそれらをとても嬉しそうに弾いている姿が浮か

 び上がって来るのです。これは聞いていても楽しかったな。

  次も穏やかな詩情が漂う歌です。

  「僕は一寸・夏編」。

M05.僕は一寸・夏編(4’26”)細野晴臣

-H.Hosono-  ビクター  VICL 65086   

N  本人によれば「オリジナルはC&Wスタイルだった」という「僕は一寸・夏編」でし

 た。吹き込みはアリーサ・フランクリンの他界した直後で、「そのことを思いながらこの 

 曲に取りかかったのだ」そうです。

  今朝の冒頭「細野晴臣の唄から、どうしてもジェイムズ・テイラーを連想してまっ

 ていた」と申し上げましたが、ここまで聞いてきて、その連想は浮かびませ

 ん。完全にホソノの世界がありますね。単なる先入観だったのかな・・・。

  次はピアノの弾き語り、1975年の実況録音です。

  「パーティ」。

M06.パーティ(3’02”) 細野晴臣

-Y.Nakayama, R.Suzuki, H.Hosono-  ビクター  VICL 65086  

N  1975年10月29日、東京目黒区民センターで行われた「細野晴臣トロピカルコンサート」

 でのピアノ弾き語りで「パーティ」でした。

  彼はエイプリルフール、はっぴいえんどのベイス奏者として世に出ました。一時は「日

 本で一番上手い」なんて言われた事もあります。わたしも右手の親指以外の

 4本の指を使って弾くのを目撃し、言葉を失った。

  ただ彼はポール・マカートニのように楽器ならなんでも直ぐに自分のものにしてし

 まう天才なのでしょう。このようにピアノも完全に出来ます。矢野顕子が「ヒュー

 イ・スミス調のがとても上手い」とよく言ってましたが、アコちゃんにピアノを褒め 

 られるとは、相当の腕前です。

  ここまでお聞き頂いた各楽曲もディジタル・システム・リコーディングながら、基本に

 あるのは人間による楽器演奏です。通して弾いている筈です、きっと。

  さあ次はオリヂナル『ホソノハウス』LPの冒頭を飾った一曲、

  「ろっかばいまいべいびい」の2019年正月版です。

M07.ろっかばいまいべいびい(2’36”)細野晴臣

-H.Hosono-  ビクター  VICL 65086     

N  「この歌を1曲目ではなくアルバムの最後に持っていきたかった」という「ろ

 っかばいまいべいびい」でした。どうしようか、と思案した挙句、自宅の居 

 間での弾き語りになったそうです。空調が回ってる音が入ってますね。「事あ

 るたびに歌い続けているので」と本人が語る通り、とても馴れ親しんだ感じ

 で、この楽曲と付き合っている長い時間が伝わってます。

  そして、オリヂナル『ホソノハウス』発表時、これも話題になりましたね、

  「Choo Choo ガタゴト」、2019年版は「アメリカ編」です。

M08.Choo Choo ガタゴト・アメリカ編(3’26”)細野晴臣

-H.Hosono-  ビクター  VICL 65086

N  「Choo Choo ガタゴト・アメリカ編」、いかにも細野晴臣らしいユーモアの感じられる

 仕上げでした。

  この国の音楽好きたちは、この人とか大瀧詠一を「神様」のように尊敬し、

 崇め奉る傾向にあります。その気持ちはわたしも解らないではありません。

 興味対象を含めて、大体の音楽活動も見続けて来たつもりです。ただし、い

 つもある程度の距離をおいて聞いて来ました。彼にはずっと独特の知性、ユーモ

 アを感じていましたが、一般認識では「神様」の部分が肥大してしまい、彼の

 機知があまり伝わっていないんじゃないか、とも思っていました。今朝お届

 けしたのは、改めてそういった独特の知性、ユーモアを強く感じた楽曲ばかりで

 す。

  付属冊子の冒頭ではアルバム総論を本人が述べています。そこでは「最近の音

 楽はデザインに近いので、メロディもコードも意味が希薄になりつつある。身体的に

 影響を受ける低域の「音圧」が脳内音圧へとヴァーチャル化し、ハリウッド映画にも通

 じる異次元(空間)で音楽が響く仕組みだ。ポップ・ミュージックの歴史を通じて

 旋律や和音という基本構造は伝統的に持続されてきたのだが、2010年代にそ

 の変化が始まり、いまや新しい音像のアルゴリズムが確立された時代になってい

 る」と、2019年時点のポップ音楽状況への鋭い見識が展開されています。

  こういう事を的確に具体性を持って語れるのは、やはり細野晴臣しかいな

 いでしょう。今回の新譜ほど身近に感じた作品はなかったですね。欠点は値

 段が高い事。2019年に3000円ですよ。

  では最後に先週もお届けした、わたしの大好きな「ハイレハイレモンカラ」をどうぞ。

M09.福は内 鬼は外(3’06”)細野晴臣

-H.Hosono-  ビクター  VICL 65086

M10.ソレイユ(4’18”)高田 漣

-R.Takada-  キング KICS-3776

N  細野晴臣の新譜からの「福は内 鬼は外」に被せたのは、高田漣の『フレッシュ』

 から、「ソレイユ」でした。以前も1曲聞いて頂いていますね。これは年が明けて

 エリスの新年会で一緒になった時に直接貰ったのですが、通して聞いてまず、あ

 まりの「はっぴいえんど」色に驚きました。こんなに影響力が浸透している

 のは恐ろしい、とさえ感じましたね。

  今回、細野晴臣の新譜を何回か聴き込んでふと思い浮かべたのが、『フレッシュ』

 でした。もう一度聞いて見たら、以前ほど「はっぴいえんど」的には響かな

 かったのですが、今度はお父さん高田渡が元気に活動していた70年代の音像

 や言語が直接わたしの心に飛び込んで来て、正直なところ困りました。

  彼はギターを中心とした弦楽器奏者で、様々な領域を超えた活動をしていま

 す。これまでヘヴィメトー・ロック以外は殆どの音楽に関わっているのではないでし

 ょうか。そんな全方位演奏家の漣が日頃一緒に演っている若い仲間と作った

 音楽が「なんでこんなに70年代的になるんだ」と、当惑したのです。

M11.最後の楽園(4’21”)高田 漣

-H.Hosono-  キング KICS-3776

N  これは器楽曲「最後の楽園」、作曲は細野晴臣です。何処かしら久保田麻琴

 的に聞こえます。この『フレッシュ』を聞いていますと、最初にお伝えしたはっぴ

 いえんど的であるのが前提ですから、細野晴臣や大瀧詠一がいるのは当然と

 して、久保田麻琴や井上陽水にも出会えます。これらの人たちの初期の作品

 群を漣は聞いていたのでしょうか。73年の生まれですから、同時代的には70

 年代の音楽を聞ける筈がない上、彼の多感期、1990年前後にはこの世代の音

 楽は殆ど忘れられていたような存在でしたから、実に不思議です。

  あの頃のアメリカ文化全体への憧憬を強く反映した音造り、簡単な英語フレイズで

 落とす言葉遣いなど、聞いていて「ああ、こんなだったなあ」と少し恥ずか

 しくなるような気分でした。ただ漣の音楽には作為性は感じられず、それで

 余計に謎は深まります。細野晴臣の1973年/2019年を跨いだ『ホソノハウス』を

 聞いた後は尚更で、この46年間を考えさせられる事にもなりました。

  では次、わたしが最も苦手なタイプの歌です。こういうのを真剣に聞いた事

 は、今までわたしのの人生でなかったでしょう。

  高田 漣で「セロファン」。

M12.セロファン(4’43”)高田 漣 

-R.Takada-  キング KICS-3776

M13.Here I Am(4’32”)Dolly Parton with Sia

-D.Parton-  Sony / RCA 1907589908 2

N  73年生まれの奏でる70年代の音楽に続いては、46年生まれドリー・パートン、

 2019年の新譜です。今回は数曲で女性同士のデューオを聞かせてくれます。今

 朝は冒頭曲の「ヒア・アイ・アム」、ここではオーストラリアのシーアとの競演。始まって2分

 20秒あたりのひっくり返りそうになる声が可愛らしかったですね。彼女は

 1975年生まれですから、ドリーとは39歳の隔たりがありますが、対等に張り

 合ってます・・・あ、この場合は対等に張り合えているドリーを評価すべきで

 しょうか・・・。「ここにアタシは居るのよ」って言った手前もありますでしょ。

  ドリー・パートンの新譜『ダムプリン』から、シーアと一緒に唄った「ヒア・アイ・アム」で

 した。

  さてビルボード・ライヴでのマンハタンズにつきましては3月9日に詳しくお伝えし

 ました。その後で今週火曜日に注文した覚えのない2枚組が新品で届き、少々

 驚いています。ショウ鑑賞後にちょっと気になった楽曲があったので、調べたの

 は事実ですが、ここに当該曲は入っていません。何故でしょうか。ただし、

 これまでに聞いていなかったカヴァがありました。題名に「グッドバイ」が入っ

 ている名曲はマンハタンズの十八番でして、これもそこに並ぶでしょうね。

  グラディス・ナイトとピップスが蘇生した切っ掛けの超名曲です。

  「さよならは悲しい言葉」。

M14.Neither One of Us (Wants to Be The First to Say Goodbye)(4’32”)  

The Manhattans

-J.Weatherly-  Sony SMCR 5148D

N  「ふたりのうちどちらも、先に別れを口にしたくない」・・・長い付き合い

 で情が移ってしまって別れられない思いが迫って来るけど、もう続けられな

 い・・・こんな切ない情景をジェラルド・アルストンが切実に唄い上げてくれました。

 グラディスの原曲に勝るとも劣らない名唱ですね、ザ・マンハタンズでした。『バック・

 トゥ・ベイシック』、1986年の最後のアルバム収録曲です。これは当時の全員の本当

 の気持ちだったのではないでしょうか。わたしの記憶ではこのLPには「忘れ

 じの日々」しかなかったです。しっかり聞いていなかったんでしょう。

  さて、この2枚組には「70年代のスタンダード曲」のカヴァも入っていました。

 その頃を振り返ると、「ここまでやっちゃあ、ただのポピュラー・ヴォーカル・グループ

 だよ」なんて酷い事を言われていたと思いますが、ジェラルド迫真の熱唱が、見

 事にこの名曲の新しい側面を引き出しています。

  聞いてください、マンハタンズです。

  「追憶」。

M15.The Way We Were~Memories(5’11”)The Manhattans

-A.Bergman, M.Bergman, M.Hamlisch, K.Wakefield, J.Bowen, D.Baldwin-  Sony SMCR 5148D

N  マンハタンズで「追憶」でした。どうですか、いいでしょう。安易なカヴァではな

 く、自分たちのスタイルを創り上げています。この前の実演では聞けなかったけ

 れど、専用アレンジも素敵でライヴ・ショウの重要なリパトゥワでもありました。思い出

 すなあ。

  さて「スタンダード云々」と勝手に騒いでいたら、何と「この人、本当に今の

 唄い手なの」と確かめたくなるような、モロに往年の主流スタンダード調の響きを

 詰め込んだ、と言っても収録時間は31分ですから、こちらも往年のLPサイズ

 ですね、そんな新譜が出ました。

  まずはお聞き下さい、マット・ダスクです。

  「マイ・パリス・イズ・ユー」。

M16.My Paris Is You(2’30”)マイク・ダスク

-unknown-  BSMF 5069

N  マット・ダスクで「マイ・パリス・イズ・ユー」、先ほどの漣の70年代音楽にも驚きま

 したが、これにもわたしはクリビツテンギャウ。完全な50年代のジャズ・ヴォーカルです

 ね。程度の良い中古盤が回っている気分でした。詞曲を含めて全てが本気で

 す。現時点でここまで自然に出来るのは驚異的。タイム・マシーンでも使ったのかな。

 彼は1978年、カナダはトロントの生まれです。着ているものからも21世紀感はあ

 りません。この国でもすでに有名な存在で、青木カレンとデュエット・アルバムを作っ

 たりもしています。この新作アルバム『ジェット・セット・ジャズ』を喜んで買う、と

 いう人はそれほど多くないでしょうが、こういう響きがまだ地上から失われ

 ていない、という所で安心できるのは有り難いですね。

M17.The Great Prenender(3’08”)The Band

-B.Ram-  Capital 7243 5 25393 2 4

N  はい、ザ・バンドで「ザ・グレイト・プリテンダー」でした。1973年に発表された

 彼らのカヴァ・アルバム『ムーンドッグ・マチネー』からです。これもスタンダード曲と言って 

 でしょう。オリヂナルはプラターズで、わたしは彼らの持ち歌の中で一番好きかも知

 れない。死ね前にまとめるつもりにしている「わたしの1001曲」にはもちろ

 ん無審査で入ります。このザ・バンドのカヴァも非常に宜しい。原曲の持つ重た

 い主題がのしかかるように迫って来ます。それに較べるとプラターズのは、市場

 を意識したのでしょうか、「十代の恋の辛さ」的に軽く仕上げられている感じ

 です。突然のザ・バンドでした。

  さてそろそろ今朝も「ちょうど時間と」の頃です。次は芸名に「すずめ」

 という日本語を入れている、テルアビブに生まれ育ち今はベルリンを活動拠点とす

 る地球人の歌です。

  J・ラモッタ・すずめで「イフ・ユー・ヲナ」。

M18.イフ・ユー・ワナ(4’52”)J・ラモッタ・すずめ

-unknown-  Pヴァイン  PCD-

M19.People Two & One(7’07”)ジェイク・メイスン・トリオ

-unknown-  BSMF 5068

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  J・ラモッタ・すずめの「イフ・ユー・ヲナ」、そして最後はオーストラリアの、今の若い世代

 によるオルガン・ジャズ・トリオの「ピーポー・トゥー・アンド・ワン」でした。彼らもごく

 当たり前にまるで60年代のような演奏をします。今朝は新しいアルバムの中で 

 最も21世紀的なトラックを選んでお送りしました。グループの名前はジェイク・メイスン・

 トリオです。憶えておいて下さい。

  「もはや音楽に新旧の差はない」これが十年ほど前にわたしが到達した結

 論難ですが、それを考えると、大いに考えさせられる2時間となりました。

 如何でしたでしょうか。

  特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

  http://xfs.jp/pWzc1n ダウンロード・パスワードは、MB20190330です。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

【幻】モーニン・ブルーズ 2019/03/23

mb190323

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年03月23日を  

 始めましょう。

  桜も開花し、一方で春の嵐が吹き荒ぶ中、まず季節外れのクリスマスの歌です。

  「赤鼻のトナカイ」、唄っているのは、ザ・デストロイヤー。

M01.赤鼻のトナカイ(2’25”)デストロイヤー A・Kキングコーワ合唱団

-Marks-  ビクター JRT-1398

N  3月7日に亡くなったザ・デストロイヤーで「赤鼻のトナカイ」でした。1974年の作

 品です。彼は70 年代中期に日本のテレビ番組に出演して人気者になりましたが、 

 元々はその10年前に力道山と死闘を繰り返していたプロレスラーです。必殺技「4

 の字固め」は全国の小学生の間で大流行しました。わたしも掛けられますよ。

 頭の良い人らしく、この類の人種によくある身の持ち崩しがなかったですね。

 今の「赤鼻のトナカイ」もまず唄が上手ですし、見事に役割を演じ切っています 

 ひょっとしてアルバム出していたかも。ザ・デストロイヤーでした。

  そして今週はもうひとり、多方面に影響力のあった人間が他界しています。

M02.コミック雑誌なんかいらない(3’29”)内田裕也 & 1815ロックンロール・バンド

-Pantak’s world-  ワーナー・パイオニア  L-8019

N  そう、ロックンロール内田裕也です。樹木希林死去のヌーズで、彼の存在に注目が集

 まっていた矢先の訃報でした。最近はいつも車椅子に乗っていて、この人ま

 だ若いのになんでこんなに体を悪くしちゃったんだろう、と心配していまし

 た。最後に見かけたのはシーナ・アンド・ロケッツのシーナのお葬式だったかな。その時

 は、例によって仰々しく登場したお姿を離れた所から見つけただけでしたが、

 もう少し至近距離で出会ったのは「中村とうようお別れの会」で、これにつ

 いては以前月刊「出版人・広告人」で書いた事があります。それをここに引

 用いたします。以下。

   中村とうようニュー・ミュージック・マガジン(1980年にミュージック・マガジンに改名)

  編集長は後年、博識な民族音楽愛好家、重鎮として音楽界に君臨していた

  ので、弔辞も「ワールドミュージック」への貢献を讃える内容が多く、会全体は非

  常にアカデミックな雰囲気に満たされていました。

   その最後に、ロックンロール内田裕也が突然登壇。「ワールドミュージックが何だ。俺た

  ちにとって中村とうようの最大の業績は、この国に『ロック』を正しく紹介し

  た事にあるんじゃないのか」というような啖呵を切ったのです。カッコ良

  かったですよ。

   集まった人たちは今でこそ、様々な音楽業務、研究、愛好に携わってい

  ますが、69年のニュー・ミュージック・マガジン創刊期、あの夜明け前に、同じ夢を

  ロックに託した人たちのはず。そこを振り返らないで、ナーニが民族音楽だ、と

  いうひと言。みんな凍り付きました。

   何となくお上品な雰囲気がつまらなかったわたしは、その時に思わず「異

  議なし」の拍手をしました。極めて自然な反応だったのですが、周囲から

  の冷やかな視線放射を、全身に浴びせられました。そこをカメちゃんが「あ、

  拍手が起こりました」と被せてくれ、すぐに雰囲気は楽になりました。流

  石の腕前です。名DJに相応しい捌きですね。これがわたしと大先輩との、

  唯一の接点でした。

  以上、この会で司会を務めた亀渕昭信大先輩について書いた文章です。当

 の御大は白髪を長く伸ばして、ステッキを突いて白いスニーカーという恐ろしい風体で

 すから迫力十分、みんな震え上がってました。

  神戸の生まれで、大瀧詠一よりも先に「プロデューサー」という言葉を定着させ

 たのはこの人です。もちろん自分自身でも唄っていまして、何枚もレコードを創

 っています。今の「コミック雑誌なんかいらない」は、内田裕也 & 1815ロックンロール・

 バンド名義で1973年に出した『ロックンロール放送局 Y・U・Y・A 1815KC』とい

 うLPからです。ほとんどは古いロックンロールのカヴァですが、これだけが新しい歌

 でした。頭脳警察のパンタの作った曲ですね。

  わたし自身このアルバムは発売当初から聞いていまして、A面の最初、つまり

 冒頭部分で、「良いセンスだなあ」と感心しました。そこの部分を聞いて貰いま

 しょう。

M03.恋の大穴(3’42”)内田裕也& 1815ロックンロール・バンド

-A.Schroeder, S.Wiche-  ワーナー・パイオニア  L-8019

N  ラジオの同調雑音を持って来る辺り、憎いじゃありませんか。はっきり言っ

 てアルバム全体としては平均的な出来で、ヌー・ミュージック・マガジンでは「この世代

 にはまだ黒人の影響が全くない」というような事が書かれていました。評者

 は中村とうようです。でも「ロックンロールに犯された」内田裕也像がくっきりと浮

 き彫りにされているアルバムでした。

  彼はお決まりのバンドボーイとしてこの世界に入り、前歌唄いからピンの歌手

 になりますが、その時代がロカビリーとグループ・サウンズの端境期だった故に、苦汁

 を嘗めさせられた、と言えなくもないでしょう。その頃の録音を聞いて下さ

 い。いずれもカヴァです。

  まず「天使のハンマー」、

  そして樹木希林が好きだったという、「朝日のあたる家」。

M04.天使のハンマー(2’47”)内田裕也  寺内タケシとブルージーンズ

-L.Hays, P.seeger, K.Sazanami-  東芝  TOCT-11140/1

M05.朝日のあたる家(3’50”)内田裕也  寺内タケシとブルージーンズ

-A.Price-  東芝  TOCT-11140/1

N  特別頭出し音入りミクスで、ロックンロール内田裕也で「天使のハンマー」、そして「朝日

 のあたる家」でした。尾藤イサオと収録曲を半分ずつ分け合って唄われた2枚の

 アルバム『ロック、サーフィン、ホット・ロッド』、『レッツ・ゴー・モンキー』からでした。彼のよう

 に楽団付きでなく、といって歌謡曲とも違う唄い手には、時折この種の吹き

 込み企画があるだけで、他は「ジャズ喫茶」と呼ばれた軽音楽生演奏の場所で

 の実演しかなく、厳しい状況でした。そんな中でロックンロール魂を貫いた内田裕也

 は違いますね。ただ、どうにもこうにも不器用で、途中から妙にコワモテになっ

 てしまったのは残念です。横尾忠則が「裕也さんは、コンセプチュアルでスジを通す

 ところがあった」と言ってたのには頷けますが、後年はゴリガンを押し切る人

 間のパロディを自分で演じていたようにも見えます。

  次の歌なんかその典型かも知れません。

  指原苅乃とのデューオです。

  「シェキナベイベー」。

M06.シェキナベイベー(4’57”)内田裕也 feat. 指原苅乃

-K.Akimoto, Simon-  エイベックス AVCD-48977/B

N  内田裕也が指原苅乃と唄った「シェキナベイベー」でした。2014年のこの作品、

 周囲の人間たちは大穴を狙ったのでしょうが、殆ど話題にならなかったです

 ね。わたしも店頭で見つけられず注文をして手に入れました。

  沢田研二のタイガーズを大阪のジャズ喫茶「ナムバ一番」で見出したのは裕也さ

 んで、当初は「内田裕也とファニーズ」と名乗っていたようです。それが所属の

 渡辺プロダクションの思惑で彼だけ追い出され、自分で結成したのがフラワーズ。裕也

 さんの描いた完成予想図は、欧米に対抗できる世界水準のロック・バンドでした。

  その夢はフラワーズが発展して生まれ変わったグループ、フラワー・トラヴェリン・バンド

 で成就します。武者修行先のカナダでこの「サトリ・パートII」がチャート入りを果たし、

 アトランティックでもシングル盤が切られたのですから。

M07.サトリ・パートII(5’01”)フラワー・トラヴェリン・バンド

-Flower Travelin’ Band-  ワーナー・パイオニア  L-6007

N  「サトリ・パートII」、フラワー・トラヴェリン・バンドでした。これは短い仕様です。LP

 では7分を超えていました。裕也さんはこのバンドから演奏そのものには加わ

 らず、マネジメントやプロデュースを受け持つ裏方に回りました。「担当楽器リード・タムバ

 リン」なんて言ってね、これも粋な表現ですね。

  その頃ロックの演奏会は大体がオムニバス形式でしたから、全体のまとめ役が必要

 なのです。こういう役は裕也さんが適任で、MCや司会進行役も上手でした。

SEジョー山中の紹介『ロックンロール・ジャム ’70』(Pヴァイン PCD-7228/9)から

SEキャロル解散公演でのゲスト出演『燃えつきるキャロル』(フォノグラムPHCL-3031)から

N  「みんな、乗ってっか」、この頃はこれが登場時の决めゼリフでしたね。「これ

 でロックンロールが終わった訳じゃねえからな」なんてカッコイイ事言いますね、ホント。

  わたし自身、内田裕也から大きな影響を受けたひとりだ、と自信を持って

 言えます。音楽の裏方仕事を志したのも、彼の姿を見たからでしょう。これ

 は秘密ですが、18歳の頃には一緒に演奏をした事もあります。帰国凱旋公演

 のフラワー・トラヴェリン・バンドの前座を務めた時に、わたしのエルトン・ジョンを真似た

 奇妙な衣装を裕也さんが気に入ってくれて、「ピアノだったら一緒に演ろう」と

 誘ってくれたのです。「のっぽのサリー」と「ブルー・スウェード・シューズ」の2曲。フラ

 ワー・トラヴェリン・バンドのショウは、重たくて複雑かつ長時間演奏という楽曲が続く

 中間部で、裕也さんが出て来て簡単なロックンロールを差し挟むという洒落た構成だ

 ったのです。そんな縁があったので、わたしたち静岡ロックンロール組合の名作『永

 久保存盤』を作った時に送ったら、週刊プレイボーイか何かの「内田裕也が選ぶ

 12枚のロックLP」に入れてくれた事もありました。この話は知人から聞いてい

 ただけでしたが、今回の訃報に絡んでその写真を仲間が送ってくれたので、 

 初めて見ました。本当だったのです。12枚、真ん中の列がフリーしか分からない

 なあ。全てをじっくり考えて選んだとは思えませんが、スライ、ストーンズ、それに

 キャロルや頭脳と並んでいるのはとても嬉しい。凄いでしょ、お終いに証拠を掲

 載しときます。

  裕也さんに関してはかなりの複雑な想いがあります。エレキングあたりに寄稿

 しようかな。その時はまたお知らせします。

  さてロックンロール内田裕也を偲んで、もう1曲、わたしはやはりこれですね。

  「マンジョキ・ロックンロール」。

M08.マンジョキ・ロックンロール(2’27”)内田裕也& 1815ロックンロール・バンド

-Y.Jyo, K.Kase-   ワーナー・パイオニア  L-1141

M09.Miserlou(2’09”)Dick Dale and His Del-Tones

-Leeds, Pina, Roubanis, Russel, Wise-  Starbucks / Rhino NoNumber

N  もうひとり、訃報が入って来た音楽家の1曲です。サーフィン・エレキの創始者と評

 されるディック・デイルです。初期のフェンダ・ストラトキャスタの左用を持っている写真が

 あります。特別に作って貰ったのでしょうかね。そのストラトキャスタにヘヴィ・ゲイヂ

 弦を張って弾いているという「ミザールー」、テレビ東京の「出没!アド街ック天国」

 で使ってるのは、このヴァージョンかなあ。目が眩むようなフレイジングでした。トラム

 ペット・ソロの部分はメキシコの音楽みたいにも聞こえます。ディック・デイル没、享年八 

 十一、合掌。

M10.Some Other Time(7’09”)ドゥワイト・トリブル

-unknown-  BSMF 5067

N  3人の冥福を祈って鎮魂歌。ドゥワイト・トリブルの「サム・アザー・タイム」でした。

  先週ガラにもなくスピリチュアル・ジャズを皆さんと一緒に聞いてみました。する

 と即刻、このドゥワイト・トリブルの新譜に出逢いました。伝播したのかな。彼はオハ

 イオ出身の唄い手で、1978年からはロス・エインジェルズを拠点としています。ファラオ・

 サンダーズ、カマシ・ヲッシントンらとの共演でも有名です。スピリチュアル系のヴォーカリストと言

 いますと、鋭い声で刻み込むような唄い方をする人が多いのですが、ドゥワイト・

 トリブルはお聞きのように太い包容力のある声で柔らかに表現します。この「サ

 ム・アザー・タイム」もその声があってこその作品ですね。

  新しいアルバム『マザーシップ』にはもうひとつ意外なカヴァ・ソングが入っていまし

 た。

  「トモロウ・ネヴァ・ノウズ」です。

M11.Tomorrow Never Knows(5’23”)ドゥワイト・トリブル

-J.Lennon, P.McCartney-  BSMF 5067

N  これも「混沌ミクス」と呼びたくなるような不思議な雰囲気ですね。先ほどの

 「サム・アザー・タイム」もそうでしたが、過剰にヴォーカルを前に押し出さない仕上げ 

 はドゥワイト・トリブルの特徴なのでしょうか。全ては人間による生演奏ですが、あ

 の原曲の音色がよく再現されていました。

  ではその原曲です。

M12. トモロウ・ネヴァー・ノウズ2’57”)ザ・ビートルズ

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-71047

N  ザ・ビートルズで「トモロウ・ネヴァ・ノウズ」、強い薬物臭漂うアルバム『リヴォルヴァー』

 からです。この頃ジョン・レノンは起きている間ずっとラリッていたそうで、「トモロウ・

 ネヴァ・ノウズ」のアイディアを聞かされてプロデューサーのジョージ・マーティンが狼狽える様

 子が「ビートルズ/レコーディング・セッション」他に記されています。面白いエピソードで

 す。

  さてLSDでぶっ飛んでいるのが『リヴォルヴァー』だとすれば、その前の『ラバ・

 ソウル』は、緑色を基調としたジャケットからしてモロに大麻的です。先日家の片付け

 をしながらモノ盤を通して聞いていたら、スティーリオ仕様との大きな違いに、今頃

 気づきました。

  まずは聞いてください、

  B面1曲目の「消えた恋」です。リード・ヴォーカルは、リンゴー。

M13.消えた恋(2’52”)ザ・ビートルス

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-71046

N  今の終了部分、その昔のスティーリオ盤にはジョージの短いリフが入ってましたが、こ

 ちらにはありません。オーヴァ・ダブで付け加えたたんでしょうか。現行のスティー

 リオ仕様にはそのリフがちゃんと載っかってます。他の部分は同じテイクです。まだ

 マルチ・トラックとは言い難い機材で録音制作をしていたこの頃ビートルズは、モノのミクス

 にこそ長い時間をかけていましたが、スティーリオは実に短時間であっさり仕上げ

 ていた記録が残っています。それからするとこの特別仕様は珍しいですね。

M14.ガール(2’34”)ザ・ビートルス

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-71046

N  LP『ラバ・ソウル』の「消えた恋」の次に入っているのが、この「ガール」。その

 昔のテレビ番組「シャボン玉ホリデー」で、タイガーズのジュリーが真面目にこの歌を唄っ

 ていて、サビに入ると突然ダボシャツにステテコ、腹巻の植木等がツマ楊枝を咥えて登

 場。「チュッ、チュッ、チュッ、チュッ」のところで歯間のゴミをほじくるギャグがありまし

 た。それ以来「ガール」を聞く度に、その場面が浮かんで来ます。かなり神経

 質な歌なのにね。お許し下さい。

  さて『ラバ・ソウル』はわたしが一番好きなビートルズLPかも知れません。高校

 一年生の夏休みの水泳合宿から帰って来て、真っ先に聞いた覚えがあります

 けれど、全体の印象は秋から冬ですね。それを決定付けているのは特にこの

 歌です。

M15.ノルウェーの森(2’09”)ザ・ビートルス

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-71046

N  先週の最終曲「ダーカー・シェイド・ザン・ブラック」の原曲、「ノルウェーの森」でした。

 子供の頃は、この歌の抽象的な印象が理解出来ませんでしたが、後年「公演

 旅行中に訪れた売春婦の部屋での出来事だ」というジョンの言及で解決しまし

 た。成る程と全てが分かったのです。最後の「一服」は、絶対にマリワーナですね、

 ラークじゃない。

  世界的な存在になって世の中を引っ張っていたビートルズ、ただのポップ・グル

 ープから脱皮しかけていた時代の葛藤とか屈折が随所に感じられる『ラバ・ソウル』、

 この歌も忘れられません。

  ふと振り返った望郷感が迫ります。

  「イン・マイ・ライフ」

M16.イン・マイ・ライフ(2’30”)ザ・ビートルス

-J.Lennon, P.McCartney-  東芝 TOCP-71046

M17.KanGaroo Boogaloo(5’40”)バンデラス

-unknown-  Pヴァイン PCD-24751

N  さて元気よくブーガルー。バンデラスという日本人グループで「カンガルー・ブーガルー」。

 サルーサという音楽領域は、最も高度な演奏感覚、技術を求められますが、昨今

 では上手な日本人プレイヤーも増えて来ているようです。このバンデラスも当初は

 プエトリカンのグループだと思って聞いていましたが、この「カンガルー・ブーガルー」で

 「こりゃ違う」と気づきました。日本語詞の歌もあって、なかなか面白い。

 何より元気があって力強い。実演を観たいですね。

  さて次は細野晴臣です。さすが大御所、新譜の話題が賑やかです。わたし

 でさえラジオ で2回も聞きました。それで大いに興味が沸き、手に入れました。

 ひょっとして自分で買った細野作品はこれが初めて、いやアルバムをしっかり聞

 いたのも初の体験かも知れません。そんなワツシイサヲなのです。お許しを願いま

 して、先ずはこちらをお聞き下さい。

  「福は内 鬼は外」。

M18.福は内 鬼は外(3’06”)細野晴臣       

-H.Hosono-  ビクター VICL65086

N  「福は内 鬼は外」、細野晴臣でした。今回のアルバムは1973年発表の『ホソノ・

 ハウス』の自作再演です。先ほど「アルバムをしっかり聞いたのも初の体験」と告

 白した未熟若輩者も収録楽曲のほとんどを知っていたのは何故だろう。

  今の「福は内 鬼は外」もそのひとつですが、これはわたしがサム・アンド・デ

 イヴを聞いていたら当時の音楽仲間が「これ『ハイレハイレモンカラ』じゃん」と言い出

 し、それ以来本来の題名も知らずに「ハイレハイレモンカラ」と呼んでいました。

  その時に聞いていたサム・アンド・デイヴの歌は、これです。

M19.ソウル・マン(2’41”)サム・アンド・デイヴ       

-I.Hayes, D.Porter- ワーナーWPGR-13404

M20.Clean Up Woman(2’47”)Betty Wright 

-C.Reid, W.Clarke-  Rhino R2 79861 

N  サム・アンド・デイヴで「ソウル・マン」でした。ね、似てるでしょ。その次は類似し

 たリフを持つ、ベティ・ライトの「クリーンナップ・ヲーマン」でした。R&Bダンス曲の基本パタ

 ンですね。「ソウル・マン」は1967年、「クリーンナップ・ヲーマン」は1971年のヒットです。

  さて細野晴臣の新作、わたしは非常に楽しめました。詳しくは来週またご

 紹介いたします。今朝の最後はこれもよく知っていた一曲です。ただ新しい

 方はだいぶ印象が異なりました。

  「恋は桃色」。

M21.恋は桃色(3’55”)細野晴臣      

-H.Hosono-  ビクター VICL65086

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  いろいろ含むところがたくさんありそうな細野晴臣の新作、彼自身による

 解説も面白くて、納得出来るところが多い。来週をどうぞお楽しみに。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/8b65e29f8c1838a3ff6608f953ea13183e6ac1b9

  ダウンロード・パスワードは、w2zcy2c5です。

  先週は上手く落とせない方々に、ご迷惑をおかけいたしました。ファイア・ストレ

 イヂ側の問題のようです。大家には「こういう事が続出するから揚げ先を変え

 ろ」としょっちゅう言われています。今週はどうだろうか。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/03/16

mb190316

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  「全国的にアサー」、おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019

 年03月16日を始めましょう。春になったようですね。「ホンカクテキニ、ハルー」でし

 ょうか。

  今朝は、1975年夏の世界的ディスコ・ヒット曲で元気よくまいります。

  ヴァン・マッコイとソウル・シティ・シムフォニーです。「ザ・ハッソー」。

M01.The Hustle(4’03)Van McCoy & The Soul City Symphony

-V.Macoy-  Universal 556 408 2

N  この録音セッションがスタッフを生んだ、とも呼ばれているヴァン・マッコイとソウル・シティ・

 シムフォニーの「ザ発想」でした。沢山あった「お仕事」のひとつに過ぎなかっ

 たのでしょうが、それぞれのメムバはここで意気投合してグループ結成に至り、

 それが後のフュージヨン音楽興隆を導いた、とされています。本当でしょうかね。

 エリック・ゲイルとゴードン・エドワーズは確かにここに居ますね。他のメムバは分からな

 いなあ。

  そもそもソウル・シティ・シムフォニーと言う名義も今ここではじめて意識しました。

 「発送」は当時みんな、ただヴァン・マッコイとしか知らなかった筈です。流行っ

 ている最中に、新宿のディスコ、ブラック・シープで一人の女の子がひとりで踊って

 いたのを覚えています。一生懸命に覚えようとしている、そんな感じでした。

  サイズが大き目で洗いざらしのブルージーンにオープン・シャツと言う流行最先端のサーフ

 ァー・ルックで可愛らしかったな。ただ声をかけたらド突かれそうな気もしました。 

 いつものように遠距離観察。その頃もうわたしはそういう場所にバイト的な仕

 事で出入りしていましたけど、この晩は自分でお金払って出かけたんじゃな

 いかな、しかもひとりで。お客さんは余り入っていなかった。今でもこの「ザ

 八双」を聞くと、その光景が浮かんで来ます。

  「ハッソー」というのはヌー・ヨーク・ラテン、つまりサルーサの基本ダンス・フォームのひとつ

 で、本来は男女ペアで踊るものです。何かで写真入りの振り付け講座を見た事

 があります。かなり難しそうでした。ブラック・シープでその子が踊ってたのは、

 日本で付けられた独自の振り、というか誰かがデッチ上げた踊りじゃないかな。

 その頃はレコードを売るための事実無根のいい加減なプロモーションが沢山ありまし

 たからねえ。

  さてなぜ今朝「ザ・ハッソー」か、と言いますと、先週立ち寄った中華料理屋

 で、「ザ・ハッソー」とほぼ同じ歌謡曲が流れていたからです。おそらく有線放送

 でしょう。まだ子供のような女性の声でした。多分その子はヴァン・マッコイもソウル・

 シティ・シムフォニーも、そして「ザ・ハッソー」自体を知らないでしょう。「これ、次の

 新曲だから」なんて渡されて完全に唄わされてる感じ。

  仕上げは、もう「カヴァ」と言っていい、いや言い切る事が出来るくらいに

 クリソツなんです。あの特徴的なシンセサイザーの音色も含めてね。そこで一緒にいた

 人間は何も感じてなかったみたいでしたが、わたしは可笑しくて可笑しくて、

 ひとりで笑っていました。

  もう一度聞きたい。誰か知らないかなあ。「ザ・ハッソー」とほぼ同じ歌謡曲。

 もちろん、最近の新譜の筈ですよ。

M02.Desafinado(2’03”)Joao Gilberto   

-A.C. Jobim,, N.Mendonca- Fremeaux & Associes  FA 5371  

N  ジョアン・ジルベルトで「ディサフィナード」、アントニオ・カルロス・ジョビムの名作です。これは

 ジョアンの始めの3枚のアルバム収録36 曲を1枚にした、スリーLP・オン・ワンCDか

 らです。大分前に出ていたみたいです。同じような内容の CDは他にも出て

 いて、ボーナス・トラックの付いた38曲収録盤もありました。こちらも持っていた

 ような気がしますが、すぐに出て来ないので、今朝はこのフレミュー・アンド・アソシエ

 盤でお届けしました。わたしがこれを手に入れたのは今年になってからです。

  ジョアンは世界的なボッサ・ノーヴァのブームの寵児となって、この後で大手のヴァーヴ

 に沢山の吹き込みをしました。でもこれらは歌詞が英語だったり、多分に西

 洋の白人市場を意識した商業的な傾向が強く、同じ楽曲もこのスリー・オン・ワンで

 聞く方がボッサ・ノーヴァ創成期の様子が生々しく響きます。

  これを手にした時、「真夏のカラスミ」ならぬ「真冬のボッサ・ノーヴァ」、次の「幻」

 は、これで行こうと決めていたのですが、肝心のCD盤を某所に置き忘れ、「真

 冬」の間じゅうケイスだけが手元にありました。それがようやく帰って来た時に

 は、もう春だった、というオチです。今朝は「早春ボッサ・ノーヴァ」です。極く初

 期のジョアン・ジルベルトを少し聞いて貰いましょう。

  次は「サムバ・デ・ウナ・ノータ・ソ〜ワン・ノート・サムバ」。

M03.Samba De Uma Nota So(1’41”)Joao Gilberto

-A.C. Jobim,, N.Mendonca- Fremeaux & Associes  FA 5371  

N  ジョアン・ジルベルト、オリヂナルの録音で「サムバ・デ・ウナ・ノータ・ソ〜ワン・ノート・サムバ」。

  いいですね。半音移動を多用した複雑な進行を持つカルロス・ジョビムの楽曲が

 秀逸なのは言う迄もありませんが、ジョアンのボソッとした声で全体の雰囲気が不

 思議なくらいにひとつにまとまっています。ほんと不思議。

  音楽の最終的な理想形はボッサ・ノーヴァにある、という格言があったのを憶え

 ていますが、ジョアンは最初からほぼ完成されたボッサ・ノーヴァ感覚を持っていた

 んですね。彼自身は、ボッサ・ノーヴァではなくサムバを唄っているつもりだ、と言

 っていたそうですが、心の内に込めた情熱を淡々と冷んやり表現出来る音楽

 はボッサ・ノーヴァ以外には無いのではないでしょうか。言葉もやはりポルトガル語

 がしっくり来ます。

  ではヴァーヴ時代にも録音された有名曲をもうひとつどうぞ。

  「我が祖国のサムバ」と言う題名ですが、別の邦題、英題が有るかも知れま

 せん。いや、きっとある。でも今は出て来ない。

  「サムバ・ダ・ミンハ・テラ」。

M04.Samba Da Minha Terra(2’22”)Joao Gilberto  

-D.Caymmi-  Fremeaux & Associes  FA 5371  

M05.Disse Alguem (All Of Me) (5’19”)Joao Gilberto

-S.Simons, G.Marks-  Warner Bros 9 45165-2

N  ジョアン・ジルベルト1961年録音の「我が祖国のサムバ」、そして1977年録音のア

 ルバム『ブラジル』からおなじみの「オール・オヴ・ユー」でした。16年を隔てて、声

 もギターの音も変わっていません。ただよく聴くと、編曲とミクスには時代的な洗

 練が感じられます。

  そうか、『ブラジル』はもっと後の作品と思っていましたが1977年ですか。

 42年も前に聞いていたのですね。この音楽形態、そして表現している世界は

 21世紀になっても変わりがないと言う事なのでしょうか。初来日した時も、

 60年代と同じでしたものねえ。これは「昔の名前で出ています」ではなくて、

 彼自身の基本がこの60年間不動だった事の証明でもあります。不変なまま今

 なおブラジル音楽をリードし続けるジョアン・ジルベルト、偉大です。

  とは言いましても、ブラジルでの音楽が変わっていない訳ではありません。

 次は「現代ブラジリアン・メロウ・グルーヴの頂点」を極めた音楽家の、「ブラジリアンAOR~

 モダン・ソウルの近年最高傑作」から聞いていただきましょう。

  ルーカス・アルーダです、「ホワット・アイド・ドゥ・フォー・ラヴ」。

M06.ホワット・アイド・ドゥ・フォー・ラヴ(5’38”)ルーカス・アルーダ

-unknown-  Pヴァイン  PCD-24816  

N  「ホワット・アイド・ドゥ・フォー・ラヴ」、ルーカス・アルーダでした。これが「ブラジリアンAOR~

 モダン・ソウルの近年最高傑作」なのか。わたしには極めてドナルド・フェイゲン的に聞

 こえましたね。聞いている間じゅう、旋律、唄い方、楽器の音色、中間のラリー・

 カールトン的なギター・ソロ、全体構成に『ナイト・フライ』がチラついて仕方なかったです。

 前回中央エフエムでの「現」で、澤田修が「恥ずかしい位に昔をなぞった最新音

 楽」とか言って何曲か紹介していましたが、これも立派に並びますね。今度

 持って行って聞いて貰おうかな。「現代ブラジリアン・メロウ・グルーヴの頂点」、ルーカス・

 アルーダでした。

  さてもう去年の事になりますが、スピリチュアル・ジャズと呼ばれる領域がヨーロッパ

 で見直される動きにある事をお伝えしました。丁寧に編集されたコムピ盤がシリー

 ズで出ていまして、興味を唆られます。年末にその中でも難解な「ヴォーカル」

 集を聞いてみました。『スピリチュアル・ジャズ第6巻ヴォーカルズ』これは、わたしに

 とってはラップ・ブラウンやリオン・トーマスから繋がって来た好奇心の延長でもありま

 す。今以て実態不明で すが、今朝は一緒に少し聞いて下さい。

  まずマクス・ローチズ・フリーダム・ナウ・スートゥで「ティアーズ・フォー・ジョハネスバーグ」。

M07.Tears For Johannesburg(1’34”)Max Roach’s Freedom Now Suite

-M.Roach-  Jazzman  JMANCD 076 

N  マクス・ローチズ・フリーダム・ナウ・スートゥで「ティアーズ・フォー・ジョハネスバーグ~ヨハネスブルグ

 への涙」でした。これは短く編集された仕様です。

  マックス・ローチは早くから音楽的に新しい動きを起こしたと共に、アメリカ合衆国で

 黒人である事を強く意識した生き方をしたドラム奏者です。当然人種差別に反

 対していまして、1960年制作のアルバム『ウイ・インシスト~我々は抗議する』では同

 じく抵抗を続ける詩人オスカー・ブラウン・ジュニアの作品を主題としていました。

  この「ヨハネスブルグへの涙」もそこからの物です。リード・ヴォーカルは後にマクス・

 ローチ夫人となったアビ・リンコンが取っていました。人種分離政策による南アフリカの

 実態を、そしてそこに映し出される母国アメリカ合衆国の差別を訴えています。

  『スピリチュアル・ジャズ第6巻ヴォーカルズ』から、次は1973年の驚異の高校生集

 団、シンガーズ・アンド・ミュージシァンズ・オヴ・ヲッシントン・ハイ・スクール、ヲッシントン高校の唄

 い手と演奏家たちです。

  「ザ・ラダー」。

M08.The Ladder(4’42”)

The Singers And Musicians Of Washington High School  

-L.Theus, G.Lyles-  Jazzman  JMANCD 076

N  北米ロス・エインジェルスにあるヲッシントン高校の唄い手と演奏家たちによる「ザ・ラダ

 ~梯子」でした。3週間程前に「驚異の高校生楽団」を3つ聞いて貰いまし

 た。このシンガーズ・アンド・ミュージシァンズ・オヴ・ヲッシントン・ハイ・スクールも入れれば良

 かったな。彼らには周囲の理解、援助があったのでしょう、1973年に『ピース・

 ウィル・カーム~平和はきっと来る』という題名のLPを出していまして、そこから

 今の「ザ・ラダー」でした。「平和への梯子をどこまでも登り続けるのよ」とい

 うメセヂです。奇しくも同じ73年発表となった静岡ロックンロール組合とは相当な開

 きがあります。主題も、楽曲の成り立ち、演奏技術、そして録音も。

  北米ではこのようにクラシック以外でも若年層の音楽活動が公認されていまし

 て、どこの高等学校にもある程度の音楽施設があって、正しい指導者もいる

 ようです。ですからこのように、世の中を否定、破壊しない音楽には発表の

 機会がもたらされるのでしょうか。

  昨今はこの国でも学内でロックバンド程度なら許されるようですね。だいぶ前

 に友達の息子と話していたら、通っていた文京区の高校には音楽の練習室が

 あって、そこにはマーシャル・アムプが置いてあったという話です。これは行き過ぎ

 だ、絶対に。わたしは慢性的な資金不足に喘ぎながら、学校からは逃げ回り、

 ロックンロール禁止令の家には嘘をついて志を通したのです。だからこんなに捻くれ

 てしまった、と言えなくもないですが・・・。

  さて本来黒人たちの娯楽音楽だったジャズは、芸術的側面を拡大して精神性

 を重視する傾向に進みました。その発端、そして今も頂点に君臨しているの

 が、ジョン・コルトレインでしょう。彼はマイルス・デイヴィスみたいな物欲もなく、いい加

 減じゃなかったですから。「スピリチュアル・ジャズ」とは、ジョン・コルトレインが生み出

 したひとつの概念なのかもしれません。この『スピリチュアル・ジャズ第6巻ヴォーカル

 ズ』にも、そのものズバリな1曲が入っています。

  「ジョン・コルトレイン」、クリフォード・ジョーダン・クヲーテットです。

M09.John Coltrane(6’49”)Cliford Jordan Quartet   

-B.Lee, C.Lee-  Jazzman  JMANCD 076  

M10.My Favorite Things(5’33”)Tadao Hayashi  

-Rodgers, Hammerstein-  Jazzman  JMANCD 096  

N  今朝のモーニン・ブルーズは「お尻をピョンと跳ねスウィング」しながらも、「スピリチュアル・

 ジャズ」を聞いております。ジャズの「芸術的側面と高い精神性」は昭和中期

 の日本でも美徳でした。昔の人が言う「モダン・ジャズ」の世界ですね。

  黒いタートル・ネックのスウウェタを着て朝日ジャーナルを持ち、大きなスピーカーの前でテイブル

 に突っ伏して「至上の愛」を聞く。薄暗い店内でコーヒー一杯の注文で3時間居

 座る・・・、これが「モダン・ジャズ」の聞き方です。こういうところで「芸術

 的側面と高い精神性」は絶対的価値基準でした。非常に抽象的でしたが。わ

 たしも16歳の頃ちょっと真似した事がありますが、馬鹿らしくてすぐやめた。

  こういうお粗末なモダンジャズ落伍者がいる中で、日本のジャズ演奏家たちは

 概ね真面目でありまして、熱心に「芸術的側面と高い精神性」を磨きました。

 この『スピリチュアル・ジャズ』の第8巻は、2枚組で、なんと日本のスピリチュアル・ジ

 ャズ集なんです。

  今のクリフォード・ジョーダン・クヲーテット「ジョン・コルトレイン」に続いてお聞き頂いたの

 はその『スピリチュアル・ジャズ第8巻 日本』から林忠男のハープで「私の好きな物」

 でした。多分コルトレインからの発想でしょう。スカボロフェア調に始めるのも悪くない。

 「芸術的側面と高い精神性」を感じて頂けましたでしょうか。

  次も同じ2枚組からです。

  秋吉敏子で「木更津甚句」。

M11.Kisarazu Zinku(5’49”)Toshiko Akiyoshi   

-trd.-  Jazzman  JMANCD 096

N  マンデイ満ちるの母、秋吉敏子のピアノで「木更津甚句」でした。1961年の録音

 です。非常に端正にまとめられた演奏でしたね。これは主題の選び方からし

 て、確かにスピリチュアルな音楽と言えるでしょう。

  この『スピリチュアル・ジャズ第8巻 日本』収めら得ているトラックは16で、錚錚た

 る名前が並んでいますが、わたしは全て初めて耳にする物ばかり。サトウ製薬

 提供「勝ち抜きエレキ合戦」の審査員で知っていた「ギター日本一」澤田駿吾先生

 も実際の演奏を聞いた事なかったからねえ。

  この人は聞いた事があった。サクスフォンの松風鉱一です。1948年生まれで、60

 年代後半からジャズの世界で高く評価されていたようです。わたしが知ったの

 はつい最近の事。きっと真面目な人なんでしょう。音楽にその性格が投影さ

 れているように聞こえます。近年ヨーロッパでとても認められていると聞きまし

 た。オリヂナル・アルバムがCDになって向こうで出ているようです。

  『スピリチュアル・ジャズ第8巻 日本』からはこれを聞いて貰いましょう。

  「工事中」。

M12.Under Construction(6’39”)Koichi Matsukaze  

-K.Matsukaze-  Jazzman  JMANCD 096

N  松風鉱一で「アンダ・コンストラクション」でした。これにもジョン・コルトレインの影が見え

 ます。やはり圧倒的の存在なんですね。コルトレインをあまり得意じゃないわたし

 ですら、彼の音楽に接すると姿勢を正されます。まだ二十代初頭、R&Bの延

 長でスタッフのような器楽曲を聞き始めた頃、子分の家でコルトレインの「バラッド」を

 聞かされて、自分の聞いていた音楽に対し非常なる恥ずかしさを感じた事が

 あります。

  しかもその時その後輩が「アドリブなんかに載ってる音楽聞いてる奴は、ダメ

 だね」なんて止めを刺すもんだから、わたしはもう火達磨になりました。

  さて『スピリチュアル・ジャズ第8巻 日本』の他にも海外で評価の高い日本のジャ

 ズ・アルバムが出ています。相澤徹クヲーテットの『橘』、これは群馬県沼田市で1975

 年に録音された自主制作版です。日本全国各地にジャズの愛好家は住んでいま

 す。彼らはジャズ喫茶で出会い、知り合って、地元のジャズ気運を高めようと

 力を合わせます。この『橘』も、群馬県出身の医学生だった相澤徹を中心に

 愛好家たちが協力して作り上げた一枚なのです。分かるでしょ、その雰囲気。

  75年の地方都市に於けるジャズの現状を聞いて下さい。

  「オルフェのサムバ」。

M13.Samba De Orfeu(6’06”)   

-L.Bonfa-  BBE  469CCD  

N  「オルフェのサムバ」、相澤徹クヲーテットでした。如何でしょう1975年の群馬県沼田

 市に於けるジャズの現状。決して完璧ではありませんが、あらゆる部分から愛

 好家たちの情熱が感じられます。当時のライナにいソノてるヲがこう書いています。

  「限定数でプレスされるこのアルバムは将来きっと話題になると思う」

  その通り、2018年にイギリでCDに復刻されたのです。

  もう1種類やはりイギリスで出ているコムピ盤を紹介しましょう。『J Jazz: Deep  

 Modern Jazz From Japan 1969-1984』という物です。ジャケットには片仮名で

 「ジャパニーズ ディープ モダンジャズ」とあります。こちらは先ほどの「芸術的

 側面と高い精神性」に特化された演奏よりも、ジャズを新世代による新解釈で

 捉えた演奏が集められているように感じました。何れにせよ奥は深い。今よ

 りも知識、情報が圧倒的に不足している中で、ここまでの音楽を作り上げる

 事が出来た日本人はやはり異常とも言える位に素晴らしい。

  サクスフォン奏者の植松孝夫です。

  「ホワイト・ファイア」。

M14.White Fire(7’52”)Takao Uematsu  

-T.Uematsu-  BBE  434CCD      

N  フェラ・クティのアフロ・ビートを連想させる植松孝夫の「ホワイト・ファイア」でした。トリオ・ 

 レコードから出た『ストレイト・アヘッド』というLPからです。全編聞きたくなりまし

 た。

  今朝の「幻」は珍しくジャズ、それも「芸術的側面と高い精神性」を感じさ

 せる器楽曲を集めてお送りしました。こういう音楽の時は、なぜかたくさん

 話したくなりますね。これもジャズ音楽の特性でしょうか。「芸術的側面と高

 い精神性」も、万国に共通するジャズ音楽の持性と言えますね。

  日頃はダンスの踊り方を教えてくれるような単純で分かり易い音楽ばかりを

 聞いている身に、今朝の楽曲はどれも抽象的で取っ付きにくいものではあり

 ましたが、たまにはじっくりと聴き込む音楽と接するのも面白い事です。わ

 たしはそれぞれの楽曲に「色調」と「構図」を思い浮かべて聞いていました。

  さて、新しい音楽も聞きましょう。ノルウェイの演奏集団アヴェニュー・アムガラです。

 短い単純なモチーフが繰り返されて、大きな慣性を伴って押し寄せるような組み

 立ての、

  「アムガラ・テンプル」。

  3月6日に発売されたばかりの『インヴィジボー・エア・シップス』からどうぞ。

M15.アムガラ・テンプル(7’03”)アヴェニュー・アムガラ       

-unknown-  Pヴァイン  PCD-24819   

M16.ノルウェイの森(3’34”)ベイス・スピナーズ

-J.Lennnon, P.McCartney-   イーストウエスト AMCY-2448  

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N   長い演奏時間の音楽が多かった今朝の「幻」最後は「ノルウェイの森」、ベイス・

 スピナーズでした。原曲ではインド文化にカブれ始めたジョージ・ハリスンのシタールで奏で

 られていた特徴的なリフは、ダンスホール・レゲのリズムのひとつとして90年代中期に

 持て囃されました。「ダーカー・シェイド・ザン・ブラック」とかいう名前だったかな。

  先日最終電車に近い総武線で、御茶ノ水終点に気づかず乗ったままだった

 外国人に「降りなよ、終点だよ」と声をかけたら、しばらく話してくれまし

 てね。ノルウェイの若者3人組でした。新宿まで一緒で、12時過ぎてんのに「こ

 れから歌舞伎町へ遊びに行くんだ」って言うから「危険だよ、気をつけな」

 と伝えて別れましたが、無事だったでしょうかね。「ノルウェイから来た」という

 自己紹介に「ああノルウェイか。家具を知ってるよ」と応じた冗談は分かってもら

 えなかったようです。

  さて今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/00cc104d3a1c58b17a0ba53a4fe610bed96bbdbf 
  ダウンロード・パスワードは、x3kerjqqです。

http://firestorage.jp/download/94b156c30e565620f1869e59d274d6126c1b7f64
(不調が非常に多い)Firestorageのサーバー・エラーが出ています。こちらのリンクをご利用ください。ダウンロードパスワードは 【 8px7k2zj 】
by 大家 3/18 3:32am

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2019/03/09

mb190309

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年03月09日を  

 始めましょう。

  先々週のスタンダード音楽再考集の時にお送りしたダイナ・ヲッシントンとブルック・ベント

 ンのインスタント・デューオは良かったですね。とてもポップで即興性に富んでいた。特

 にダイナの優れた対応能力が光っていました。

  その時にお送りした「ベイビー」で今朝は始めましょう。

  ヌー・オーリンズ出身のシャーリーとリーです。

M01.Baby(You’ve Got What It Takes)(2’19”)Shirley And Lee 

-S.Goodman, L.Lee-  Jasmine  JASCD 848    1953

N  シャーリーとリーで「ベイビー」でした。先程はダイナ・ヲッシントンとブルック・ベントンが唄っ

 たのと同曲のような表現をしましたが、全く別の物です。確か先々週も「オリヂ

 ナルがシャーリーとリー」というような事を言っていましたが、済みません。間違いで

 す。何故そんな事を言ったかも分かりません。ダイナのを聞いた時には「オリヂナ

 ルがシャーリーとリー」という事に「そうか」と、妙な納得があったのは覚えていま

 すけれど、それを何処から引っ張って来たか不明なのです。

  今の「ベイビー」は全然別の1953年のヒット曲。シャーリーとリーはヌー・オーリンズの男女

 デューオ。こちらはインスタントではなく、パーマネントの二人組です。普通こういう組み

 合わせですと主導権を握るのは男の方で、女性は添え物的に入れ替わったり

 するのですが、このシャーリーとリーの場合は、シャーリー・グッドマンの方が活動の主体で

 した。そもそもシャーリーの声がアラディン・レコーズの社主エティー・メスナーの耳を捉えて、

 世に出る時にデューオを組んだ、というのが真相ですから、シャーリー主導も頷けま

 す。相棒のリオナルド・リーはシャーリーとは学校時代からの知り合いでした。

  エティー・メスナーの耳を捉えたシャーリーの歪んだソプラノ・ヴォイス、しばらく聞いて下さ

 い。

  このふたりの代表曲といえば、まずこれですね。

  「レッザ・グッタイム・ロール」、1956年のヒットです。

M02.Let The Good Times Roll(2’21”)Shirley And Lee

-S.Goodman, L.Lee-  Jasmine  JASCD 848     

N  シャーリーとリーで「レッザ・グッタイム・ロール」でした。これが大ヒットしたので、それ以

 降このスタイルはふたりの代名詞のようになりました。しかし、それ以前からも

 この愛すべきヌー・オーリンズ調はこのデューオの専売特許のリズム感覚でした。

  「レッザ・グッタイム・ロール」の1年前1955年のヒット曲です。

  「フィール・ソウ・グッド」。

M03.Feel So Good(2’47”)Shirley And Lee 

-L.Lee-  Jasmine  JASCD 848    

N  「フィール・ソウ・グッド」、シャーリーとリーでした。よく似ていますね。ノヴェルティ風味

 のヌー・オーリンズ調、いい感じです。これはわたしが初めて意識したヌー・オーリンズ

 の歌かも知れません。と言いますのは、1965年の夏、エレキ・インスト楽団の筈の

 ザ・ヴェンテュアズが、確か歌入りでシングルを出していたような記憶があるのです。

  当時彼らは飛ぶ鳥を落とす勢いの人気絶頂。小島正雄が司会をしていた 

 「9500万人のポピュラー・リクエスト」でもいきなり上位にチャート・インして来ました。

 でも何故かすぐに何処でも聞かれなくなってしまった。これがわたしの覚え

 ている事の全てなんですが、今手に入るヴェンテュアズのベスト盤にも入っていない

 し、その後は聞いた事もありません。20代前半でシャーリーとリーの原曲に出会って

 「これかあ」と知りましたが、ヴェンテュアズのは今も行方が分からず。このグルー

 プとしては珍しいヴォーカル入りですから、もう少し尊重されてもいいと思うん

 ですが。誰が唄ってたんだろう。どなたかご存知ではありませんか。

  さて、それはさて置き、歪んだソプラノが生きているシャーリーとリーのヴォーカル・ハーモ

 ニーで、次は「ロッキン・ウィズ・ザ・クロック」をどうぞ。1957年のヒットです。

M04.Rockin’ With The Clock(2’35”)Shirley And Lee

-L.Lee, E.Messner-  Jasmine  JASCD 848  2-3  

N  「ロッキン・ウィズ・ザ・クロック」でした。彼女たちのヒット曲には「ロック」という言葉

 が頻繁に出て来ます。さっきの代表曲「レッザ・グッタイム・ロール」もサビの落とし

 は「一晩中ロックしてえ」でしたしね。

  そもそもは黒人の俗語で、ブルーズ音楽で用いられ始めました。現代日本語

 では適切な訳がありませんが、大抵は性的にシビレさせる、イカレさす、キメるなど

 の意味ではないでしょうか。「ロック・ミー、ベイビー」なんてのもありますね。シャー

 リーたちが50年代初頭にR&Bで用いたのはかなり早い時期だと思われます。

 まだロック音楽は誕生前で、アラン・フリードの「ロックンロール」命名が厳密に何時だった

 かは不明ですが、一般的な市民権を持っていた言葉ではなかったでしょうか

 ら。

  にも関わらず、町ではみんながロックしてました。

M05.Everybody’s Rockin’(2’14”)Shirley And Lee

-S.Goodman, L.Lee-  Jasmine  JASCD 848  

N  「エヴェバディズ・ロッキン」シャーリーとリーでした。「ロック」ここでは「はしゃいで大騒

 ぎ」でしょうか。「集団乱交」ではありません。

  「ロック」ここまでは活動的な積極性の意味合いを持った言葉でしたが、次は

 文字通り「固まって」しまった状態のようです。

  「ロッキン・アンド・クライング・ブルーズ」、ザ・ファイヴ・キイズ。

M06.Rockin’ & Crying Blues(2’32”)The Five Keys

-R.Toombs-   Collectable COL-5632  S21-18441      

M07.涙の口づけ(4’31”)マンハッタンズ

-W.Lovett-CBSソニー  CSCS 5206

N  ヴォーカル・グループが続きます。ザ・マンハタンズの決定的名唱「涙の口づけ」でし

 た。先週、ビルボードライヴ東京へ彼らを観に出掛けました。ここ数年頻繁に来

 日しているようですが、わたしは全く接触していませんでした。

  マンハタンズは、わたし自身がバリバリのラジオ・ディレクター—として調子に乗っていた

 80年代初頭、同時代的に絶頂期を体感したヴォーカル・グループです。既にリード・

 シンガーのジェラルド・アルストン以外のメムバはこの世に居ません。時の流れに無慈悲を

 感じる状況下でどんなショウを展開するのか、大いに興味がありました。

  何よりも強く印象付けられたのは、良い歌は永遠だ、という事実です。

M08.ハート(2’56”)マンハッタンズ

-A.Jacobs, B.Sigler, N.Harris-  CBSソニー  CSCS 5206

N  マンハタンズ、1976年の決定的ヒット曲「ハート」でした。

   元々5人組だったマンハタンズは現在、途中で加入してグループとしての魅力を最

 大限に引き揚げたリード・シンガーのジェラルド・アルストンだけが残っていて、他はふた

 りの新しいメムバによるトリオ編成です。バリトンのブルー・ラヴェットの語り、ケネス・ケリー

 のファルセトゥもありません。ですが現行マンハタンズ、たくさんあるヒット曲を縦横無尽

 に配した見事な構成で、存分に楽しませてくれました。

  特にジェラルドは全盛期そのままの力量で、完全なマンハタンズ・ショウを維持してい

 ましたね。86年に一旦はソロ歌手として独立しながらも、こうやって唄い続け

 るジェラルド・アルストン、美しかったですよ。そして、やっぱり良い持ち歌が沢山

 あるのは素晴らしい事だな、と実感しました。

  実は開演時刻を間違えて、会場に入ったらもうショウは始まって居ましたが、

 冒頭の1、2曲を逃しただけなので安心しました。そして、わたしが席に着い

 てすぐジェラルドが唄い出したのは、これでした。

M09. ゼアズ・ノー・グッド・イン・グッドバイ(3’50”)マンハッタンズ 

-T.Randazzo, R.Joyce-  CBSソニー  CSCS 5206

N  マンハタンズで「ゼアズ・ノー・グーッド・イン・グーッドバイ」でした。素晴らしい。

  「えー、言わしてもらいますと、わたしはこれが一番好きな歌でありまして、

 説得力とはこういう事をいうのかと、ひとりで感心しながら毎晩聞いていた

 頃があります。説得力というか、真実味だね」

  これは1990年に発売されたベスト盤のライナからの引用です。筆者は鷲巣功。

 以前、「鷲巣功が選曲した決定的なベスト盤が行方不明」と皆さんにお伝えした

 事を記憶していますが、当該盤はなんとずっと手元にありました。ジャケットを

 勘違いしていたようです。その後、93年には吉岡正晴先生監修の別のベスト盤

 が『スター⭐︎ボックス』のシリーズのひとつで出ています。今、手に入りやすいのはこ

 っちかな。でもそれには「ゼアズ・ノー・グーッド・イン・グーッドバイ」が収録され

 ていませんです。   

M10.忘れじの日々(5’04”)マンハッタンズ

-K.Bloxson aka Sasha-   ソニーSRCS 6904

N  これはジェラルド・アルストンが脱退前に残した最後のシングル曲「忘れじの日々」、

 一緒に唄っているのはレジーナ・ベルです。この出来自体は秀逸なのでわたしは

 とても気に入っていましたが、ヴォーカル・グループとしての魅力が感じられず、

 不満でした。収録アルバム『バック・トゥ・ベイシック』全体からもジェラルドと他のメムバ

 に隔たりが感じられ、嫌な予感がしました。それが当たって彼の独立、とな

 った訳です。

  「シャイニング・スター」の大ヒット後、本国ではマネジメントと揉めて活動休止状態を余

 儀なくされ、第一線から消え入ってしまったマンハタンズでしたが、この晩はまだ

 まだ現役で大看板を張っている姿が確かめられました。嬉しかったです。新

 曲も披露していました。録音は配信で手に入るようです。

M11.A Change Is Gonna Come(4’15”)Manhattans

-S.Cooke-  ソニーSRCS 6904

N  これはご存知「ア・チェインヂ・イズ・ゴナ・カーム」、1974年のアルバム『ザッツ・ハウ・

 マッチ・アイ・ラーヴ・ユー』に収録されていました。ジェラルドのサム・クック好きはよく知

 られています。前回の来日時にはアカペラでこれを唄ったらしい。聞きたかった

 な。

  さて、ヌー・ジャージー出身のマンハタンズはジェラルドの前にジョージ・スミスというリード・

 シンガーがいましたが、70年の12月に脳腫瘍で亡くなっています。彼が唄って

 いた頃の録音を1曲どうぞ。ドゥー・ワップの名残りを残したスタイルで、

  「アイム・ザ・ワン・ラーヴ・フォガット」。

M12.I’m The One Love Forgot(3’14”)Manhattans

-unknown-   Collectable COL- CD-1416

N  「アイム・ザ・ワン・ラーヴ・フォガット」、ザ・マンハタンズ・フィーチュアリング・ジョージ・スミス

 でした。これはコレクタボーから出ている『ジョー・サイモン・ミーツ・ザ・マンハタンズ』とい

 うアルバムからです。今回慌てて手に入れた1枚で、ライン・ショップの在庫で見つけ

 た時には「へえ、ジョー・サイモンとねえ」と珍しく感じたのですが、何の事はな

 い、両者の昔の録音を合わせただけの盤でした。やられた。

  そこから、ジョー・サイモンも1曲どうぞ。

  フレディ・フェンダーも唄っていました「マイ・スペシアル・プレイヤー」。

M13.My Special Prayer(2’47”)Joe Simon 

– unknown-   Collectable COL- CD-1416

M14.Love Is A Many Splendored Thing(4’54”)Nat “King” Cole

-S.Fain-  NILO Entartainments  MMV-1002   18’30”

N  恋の花 咲けば 

  やるせない想いは ふと燃えて

   昼も夜も心に夢を誘う 

   恋は楽しきもの

  ナ ット・キング・コールで「慕情」です。1963年2月赤坂ヌー・ラテン・クヲーターでの実

 況収録。先週のコパカバーナに続けてナイトクラブにご招待です。お聞きのようにこれ

 は最終曲、締め括りに唄われました。その後の演奏者紹介がカッコいいですね。

 無伴奏で唄い出す前のキイ出しのタイミングもツバチリ。流石のエンタテイナです。

  では同じくマフィア系芸能者の筆頭、フランク・シナトラにもご登場願いましょう。

  こちらもスタンダード曲です。ガーシュウィン作、

  「アイヴ・ガッタ・クラッシュ・オン・ユー」。

M15.I’ve Got A Crush On You(3’23”)Barbra Streisand with Frank Sinatra 

-G.Gershwin, I.Gershwin-  Columbia  CK 86126

N  フランク・シナトラ、「アイヴ・ガッタ・クラッシュ・オン・ユー」でした。

  デュエットしていたのはバーブラ・ストライザンドです。最後に「マイ・バーブラ・・・」

 と呼びかけるのは、きっと即興でしょう。虚を衝かれた感じのバーブラが、即

 座に対応する処にスリルがありました。

  これはバーブラ・ストライザンドの『デュエッツ』という編集盤からお届けしました。

 バーブラは音楽活動から身を引いて長い時が経ちます。全ての作品をほぼ完璧

 に仕上げ通した彼女ですから何処にも悔いはないでしょうが、唄いたくなる

 時はないのかな、とこのアルバムを聞きながら考えました。

  さて同じ『デュエッツ』から、今度は女の対決です。

  ドナ・サマーとの一戦、「ノー・モア・ティアーズ」。

M16.Enough Is Enough(4’44”) Barbra Streisand with Donna Summer

-P.Jabara, B.Rpberts-  Columbia  CK 86126

M17.ウーム・ラヴ(2’31”)ボブ・ケリー

-R.Kelly, G.H.Shilkert-  ワーナー WPCR-18181

N  バーブラ・ストライザンドとドナ・サマー、両者の意地がぶつかり合ったような「ノー・

 モア・ティアーズ」を鎮めるかのような「ウーム・ラヴ」、ボブ・ケリーでした。アカデミー賞

 の映画「グリーン・ブック」のサウンドトラック盤からです。1960年のヒットですね。

  この作品の監督が宣伝のために来日していました。きっと急に忙しくなっ

 たんじゃないかな。先週「今月末からの公開」と申しましたが、1日からもう

 全国で掛かってますね。失礼しました。お時間ございましたら、ぜひご覧く

 ださい。現大統領が掲げている「人種差別」のかつての実態を体験する事が

 出来ます。

  では映画「グリーン・ブック」のサウンドトラック盤から、もう1曲どうぞ。ちょっと

 イミシンですね、お判りでしょうか。

  ミュージカル「南太平洋」で唄われた「ハッピー・トーク」、クリス・バワーズの演奏です。

M18.ハッピー・トーク(1’20”)クリス・バワーズ

-R.Rodgers, O.Hammerstein-  ワーナー WPCR-18181

M19.捨てられた仔犬のように(3’58”)ザ・キングトーンズ 

-S.Kashu-   ユニバーサル  UPCY-7508

N 先週のキンクトーンズ集、如何でしたか。1曲忘れていた名曲がありました。シングル

 盤「グッドナイト、ベイビー」のB面、知る人ぞ知る「捨てられた仔犬のように」

 です。同グループ創立メムバのひとり、加生スミオの作品でステージでもよく取り上げられてい

 ました。ややハードなバラッド、この路線もキントンは得意でしたね。いい味だ。

M20.星屑の街(3’31”)三橋美智也   

-J.Tojo, Y.Abe-   キング  KICX 3734 

N  「星屑の街」三橋美智也でした。唄い出しの「両手を回して」というのが、

 わたしには何のことか分からず、長い期間に亘って大きな謎でしたが、先日

 の「幻」投稿によりますと、これは蒸気機関車の動輪を真似た踊りの所作な

 のだそうです。

  だったらこれでしょう「哀愁列車」ならぬ、

  「ロコモーション」、伊東ゆかりです。

M21.ロコモーション(2’20”)伊東ゆかり

-G.Goffin, C.King, H.Arakawa-   ビクター   VICL-5305

N  実はこの「ロコモーション」の正確な振りをわたしはまだ見た事がありません。こ

 こで唄われているように「お尻をピョンと跳ねスウィング」すればよろしいのでし

 ょうか。また謎は深まりました。

  数ある「ロコモーション」のカヴァで、わたしの決定版はこれです。

M22.ロコモーション(2’50”)グランド・ファンク・レイルロード

-G.Goffin, C.King-  東芝 ECR-10514

M23.Bailando(4’29”)Zapp

-L.Troutman jr..,F.J. Bautista, E.C.Anene jr., D.Manuel-  N 77054

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  「みんなおいで、汽車ごっこしようぜ」、「ロコモーション」に続いては「俺も踊り

 たいよう」と言ってる感じがする「バイラーンドゥ」、ザップの「VII」からお送り

 しました。今週公開されたエリス最新号では、わたしザップについて書いていま

 す。お読いただければ、大変嬉しい。第26号のURLは、 

  https://bccks.jp/bcck/158372/info、購読者パスワードはa26bsです。
  先日ご案内したわたしの間違いへのお詫びと訂正は、巻末の執筆者紹介欄

 に掲載して貰いましたので、そちらもお忘れなく。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/fcbbd5625ba2786541d9cd9011583de32a86c9e5

  ダウンロード・パスワードは、2jf2ivdqです。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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