カテゴリー : Mornin’ Blues by IsaoWashizu

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/04/21

mb180421

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

もう来週は黄金週間。という事は、今年も4ヶ月、3分の1が経過した、

という事になります。個人的な実感としては、早くも遅くもなし、近年にな

く1秒が1秒、1時間が1時間という長さで過ぎていった気がします。大き

な催事もあったしなあ。それが原因かも知れません。皆さんは如何ですか。

さあ、モーニン・ブルーズの始まりです。「出だしのブルーズが好き」と言ってくれ

たグリ子さん、ありがとうございます。今朝は、もう一度前テーマ曲を聞いて貰

いましょう。

 

M01.Look On Yonder Wall(3’45”)Keb Mo’ 

-E.James, M.Sehorn-  Sylvan Songs  SYS 002

 

N  「ヲーキン・ブルーズ」クリソツな「ルック・オン・ヤンダー・ヲール」、ケブ・モでした。 彼の担

当楽器は、「ナショナル」。「ナショナル・スチール」、「ドブロ」ではなく「ナショナル」とだけ記載

されています。「ナショナル」、「ドブロ」、そしてリッケンバッカーのややこしい関係は、音

楽雑誌「エリス」最新22号で高田漣が詳細を書いていますので、ご興味のある

方は、お読みください。一方、ケブ・モの使っているドブロ型イリクトリックはいい音

が出ますね。多分特注品でしょうから、詳細は不明。こんど漣に聞いてみよ

うか。

今の「ルック・オン・ヤンダー・ヲール」は新譜『ストレインヂ・エインジェルズ・イン・フライト・ウィ

ズ・エルモ・ジェイムズ』というアルバムからのトラック。稀代のブルーズ歌手エルモ・ジェイムズ

に敬意を評して作られた追悼盤の一種からです。

泥水師、及びその背景となったシカーゴ、ミシシッピのアフリカン・アメリカンたちに捧げら

れた名盤『ファザーズ・アンド・サンズ』を除けば、この手の「物故者讃歌集」には

特に昨今、安易でいい加減に造られた真心の通っていないデディケイト盤が多く、

わたしは余り相手にしていないのですが、これは別。レコード店頭の試聴機で聞

いて、即購入、そこからまず、ケブ・モの「ルック・オン・ヤンダー・ヲール」をお聞きい

ただきました。

流石エルモです。あのスライド三連以外の彼の魅力を、参加者たちが多面的に捉

えていて、何よりも唄が魅力だったこのブルーズ男を浮き彫りにしています。

これを聞けば、偉大なるエルモ・ジェイムズが、決してスライド三連だけの「ワン・トリック・

ポニー」でなかった事が分かるでしょう。

彼に人生を狂わされた少年少女は世界中にいます。わたしもそのひとり。

十六歳の京都でのあの出逢いがなかったら、今頃は財務省事務次官・・・あ、

それはないですね。でもまあ、少なくともこんな人間にはなってない筈です。

いや、余り変わりないかもしれないなあ。

それはともかく、この『ストレインヂ・エインジェルズ・イン・フライト・ウィズ・エルモ・ジェ

イムズ』はエルモに対する愛と憎しみが程よく調和し、「決定的な讃歌集」になっ

ていない。そこが素敵です。ハードロック的でないのもいいですね。これはね、60

経ってようやく、この音楽が幅広く正当に理解された事の証明です。皆さん

も楽しく聞いてください。

ではもう一曲、カントリー界のプリンス、ロドニー・クロウェルが唄う「シェイク・ヨ・マニ・メイカ」。

 

M02.Shake Your Money Maker(2’34”)Rodney Crowell

-E.James-  Sylvan Songs  SYS 002

 

M03.Peaceful Dream(3’20”)Mavis Staples  

-Tweedy- ANTI 7557-2

 

N  新譜『ストレインヂ・エインジェルズ・イン・フライト・ウィズ・エルモ・ジェイムズ』から、ロドニ

ー・クロウェルの「シェイク・ヨ・マニ・メイカ」でした。

続けましたのは、メイヴィス・ステイプルズの新しいアルバムに収められていた「ピース

フォー・ドリーム」、ここ数年間ずっと上手く行っている相方、ジェフ・トゥイーディの作

品です。

先週の火曜日、ステイプル・シンガーズのメムバだったイヴォンヌが無くなりました。こ

れでローバック、クレオサ、そしてイヴォンヌと、ステイプルズはもはやメイヴィスを残すだけと

なってしまいました。合掌・・・、お直りください。

さあ、モーニン・ブルーズを続けますよ。エレキのブルーズ、それもキョーレツなヤツを浴び

て貰いましょう。

 

M04Heed The Boogaloo(5’46”)Koch Marshall Trio  

-G.Koch-  Mscot Music Production AND Publishing B.V.  TPC 7546 2

 

M06.What’s Wrong(6’17”)Super Sonic Blues Machine feat. Walter Trout

-F.Grossi, K.Aronoff, L.Lopez-  Provogue  PRD 7536 2

 

N  2曲、重量級ブルーズをお届けしました。最初のは、コク・マーシャル・トリオの「ヒード・

ザ・ブガルー ~ ブガルーにご用心」です。ギター、オルガン、ドラムズという3人組。

本拠地はウィルコンシン州のミルヲーキー。全曲同時演奏で録られたアルバム『トビー・アライヴズ』

からです。アルバム全編が音色、スタイル共にほぼ同じままで続きますが、繰り出さ

れるフレイジングが豊かで飽きません。相当に上手いですね、このグレッグ・コクと

いう男は。フェンダー社の公式顧問を務めているというだけの事はあります。こ

のギターの音はテレキャスターでしょうか。ソリッド・ボディの特性を存分に発揮した音色。

多分にジェフ・ベック的ではありますが、共に世紀のテレキャスター遣いという事です。

オルガンのトビー・リー・マーシャル、ドラムズのディラン・コクの助演も見事。部分的にはオルガ

ン・ジャズ的でもあります。エレキがこんなにうるさくなければね。

続いてはスーパー・ソニック・ブルーズ・マシーンという、こちらも3人組のギター・ブルー

ズ・トリオ。ケニー・アロノフがドラムズで、ファビリズイオ・グロシがベイス、そしてランス・ロペス

がギターです。新譜『キャリフォーニソール』からの「ワッツ・ロング」には、この番組でもお

馴染み、と言いますか、おそらくこの国ではここでしか紹介されないイギリスの

ブルーズ・ギタリスト、ヲルター・トラウトが客演。奴はこういうの上手いですからね。存

分にストラトキャスターを搾ってます。他にもエリック・ゲイルズ、ロベン・フォード、ビリー・ギボ

ンズ、そして東洋陶器、トートーのスティーヴ・ルカサーらが参加して、ギンギラギンのギター・

ブルーズ合戦を合戦を繰り拡げています。大きなスピーカーで窓を開けて大音量で

鳴らしたいところですが、まだ午前3時台ですから、お控え下さい。

さてギターをたっぷり聞いたので、次はヴォーカルを楽しみましょう。

まずイエメンで「バーニッタプ」。

 

M07.Burn It Up(3’33”)エイメン  

-unknown-  BSMF  RED-0002

 

N  まずはエイメン。彼の復活作が5月下旬に発売となります。ヌー・ヨークのヴォーカル・グ

ループ、ディ・イレイションズのメムバを父に持つと言いますが、このヴォーカル・グループを

わたしは知りません。本人の写真を見ると、どうも黒人ではなさそうだ。マンハ

タンの下町や川を越えたブルックリンに沢山あったイタリア系のグループのひとつかなあ。

エイメン自身は今世紀初頭に世界的なヒットを放ちましたが、その後は停滞。今回

のアルバム『ゴールデン・レイル・モーテル』は10年ほどの空白を経ての発表。

今の「バーニッタプ」に代表されるように、かなり気力が漲った作品が並んで

います。ただなあ、ちょっと頑張りすぎとも聞き取れます。リラックス、と声を

かけてあげたいですね。標榜しているヒップホップとドゥーワップを融合させた「ホーワ

ップ」音楽も早く確率して欲しい。

次も似たキャラクターでして、北米東海岸はボストン出のイーライ・ペーパーボーイ・リード。

ブルーズが好きで、ロバート・ジョンスンの領域だったミシシッピのクラークス・デイルに住んだ

という変わり者です。今回は4管編成のハイ・マイティ・ブラス・バンドとのライヴ・セッ

ションで、なかなか面白いアルバムを作っています。おそらくは狙った音が出せて

いると思えますが、イーライ・リードにもリラックス、と言っておきましょう。

では聞いて下さい、「ヲーキン・アンド・トーキン・フォー・マイ・ベイビー」。

 

M08.Walkin’ And Talkin’ (For My Baby)(3’08”)イーライ・ペーパーボーイ・リード

-unknown-  BSMF 2611

 

M09.Fever(5’08”)The James Cotton Band

-E.Cooley, O.Blackwell-  BSMF 7555

 

N  低音部をテューバが担当しているという繋がりで、ジェイムズ・コトンの「フィーヴァ」

お届けしました。彼が70年代ブッダ・レコードに遺した3枚の傑作『100%コトン』、

『ハイ・イナヂー』、『ライヴ・オン・ザ・ムーヴ』の3枚が1組になってこの国で出ます。

3枚とも今は在庫が残っているだけで廃盤でしょうから、CDで買えるうちに

揃えておいた方がいいと思われます。今から 40年も前の時代に「新しいブル

ーズを」と孤軍奮闘したコトン、彼の偉業は不滅です。『100%コトン』から「フィーヴァ」

でした。

さて力の入った男性ヴォーカルが続きました。軽快な女性の唄で行きましょう。

 

M10.ステイ(3’42”)ジゼル・スミス  スタカン

-unknown-  Pヴァイン PCD-24718

 

N  イギリスを中心に主にヨーロッパで活動しているジゼル・スミスがエリック・ボスをフィーチュア

して発表した「ステイ」でした。「この感じ、何かに似ているなあ」と気になっ

ていましたが、昨日思い出しました。佐野元春がパクったスタイル・カウンシルの、「マイ・

エヴァ・チェインジング・ムーズ」ですね。まあ元々がカーティス・メイフィールドのシカーゴ・ソウル

をなぞった物ですから・・・。やはり欧州産は北米のR&B /ソウルとは一味違い

があります。最近はこちらの方が主流のようでもありますし、ジゼル・スミスは

わたしと馴染みの薄い唄い手ですが、「ファンク・シーン筆頭」の存在とか。ワツシイサヲ

隔世の感であります。

さて別の女性ヴォーカルの新譜からも聞きましょう。東海岸生まれのデイナ・フュー

クスがメムフィスのミュージシャンたちと作り上げたアルバム『ラーヴ・ライヴズ・オン』から、

まずは「コーリング・エインジェルズ」です。

 

M11.Calling Angels(3’47”)デイナ・ヒュークス      

-unknown-  BSMF  2608

 

N  かのハイ・リズムのオルガン奏者、チャールズ・ホッヂズが好演、ホーンセクションはボーキイズです。

「コーリング・エインジェルズ」、デイナ・フュークスでした。

デイナ・フュークスはジャニス・ジョプリンに大きな影響を受けているそうで、今回のアル

バム『ラーヴ・ライヴズ・オン』の中には、確かにそのまんまジャニスみたいなのも入

っています。大勢の女性がロックの世界で活躍している現在はそんな事ありませ

んが、かつては女のロックではお手本とするのが彼女しかいませんで、世界中に

ご当地のジャニス・ジョプリンがいました。麻生レミもカルメン・マキもトーキョー・ジャニスだっ

たんですよ。

先日の「ブルースをよろしく! ありがとう妹尾隆一郎」で大変お世話になっ

た下北沢一番街の葬儀屋金子総本店の金子マリ社長も、遠い昔には「下北のジャ

ニス」と呼ばれていたのです。ある晩、その別称に惹かれて観に行った若い娘

が、家に帰ってひとこと、「全然似てないわ」。時は1970年代後半、その頃ジ

ャニスと言えば既にジャニス・イアンだったという笑い話もありました。

さてではデイナ・フュークス、もう1曲行きましょう。

より非ジャニス的な「心ある罪人」。

 

M12.Faithful Sinner(4’42”)デイナ・ヒュークス

-unknown-  BSMF  2608

 

N  デイナ・フュークス、アルバム『ラーヴ・ライヴズ・オン』から「フェイスフォー・シナー」でした。

それでは先ほど話題に上ったジャニス・ジョプリン本人を聞いてみましょう。

まずはLP『コズミック・ブルーズ』から「トライ」。

 

M13.Try(3’59”)Janis Joplin

-J.Ragovoy, C.Taylor-  Clumbia CK 9913

 

M14.Turtle Blues(4’23”)Janis Joplin

-J.Joplin- ソニーMHCP 354

 

N  「トライ」、そして「海亀ブルーズ」、ジャニス・ジョプリンでした。日本ではホールディング・

カムパニーと一緒のハード・サイケ・ロックの大音量の中で懸命に叫ぶ印象が強過ぎます

ね。それが無理に声を振り絞る不自然な唄い方に繋がったのでしょうか。そ

れを世界中の女たちがそのままお手本としてしまった。本人も自分の本質的

な個性と勘違いしてしまったフシが感じられます。

ですからホールディング・カムパニーを離れてからの作品にある自然な歌に、わたし

は愛情を感じました。でも彼女の人生はあまりにも短かった。ひとつの悲劇

でしょう。男の中で女が生きて行くのはかくも難しい事なのです。

ジャニスの奮闘もありまして、ダメ男たちが保身のために作り上げた社会通念

は、徐々に見直されつつあります。それがなんだ、この国のカクリョーたちは。国

会で、真面目に非常識な内容のトーベンをするあのバカヅラ。人間未満だね、全員。

奴らみんなトーダイなんだよ、文京区のね。本郷だ。白山じゃない。

今回の件は結局当事者が名乗り出て、別の展開をし始めました。これに対

しまず、本人の所属していた組織、そして国会の記者クラブの対応が非常に悪

い。なぜあんたたちは、まず自分のところの信頼する部下、仲間を守ろうと

しなかったのよ。記者クラブが声明を発表したのは18日、遅すぎだ。

これね、結局はここで騒いだら取材させて貰えなくなる、ネタが取れない、

という屈折した業務精神の産物なんですよ。テレビ朝日の発表には明らかに

「あーあ、分かっちゃった」という否定的な思いが漂っている。アベのチョーチン

持ち記者が暴行容疑の逮捕執行停止で護られている一件が進行中なのに、こ

の無神経さ。ホードー機関はこの国に存在しないね。もうボードーだ。

ただしわたしは、昨今の「me too」、そして土俵問題に於いては、少し違っ

た意見です。全面的に女性に賛成ではありません。それは・・・、ちょうど

時間となりました。

 

M15.Tiger Rag(1’57”)Art Tatum

-N.LaRocca- Fremeaux & Associes  FA 5415

 

N  1932年の「タイガー・ラグ」、アート・テイタムの超絶技巧です。1932年というとまだ

ブーギー・ウーギーが台頭してくる前でしょうか。ピアノ音楽は、J.P.ジョンスンなどに

代表されるストライド・ピアノや、このようなラグタイムが主流でした。「タイガー・ラグ」

は、この時期の大ヒット曲。ディキシー・ランド・スタイルで演奏されたこの曲が60年代

後半に石油会社のコマーシャルに使われて、わたしはそれで知りました。当時のコピ

ーは「タイガーをお車に」。うちのガソリンを入れれば、エンヂンが本来以上の性能を発

揮しますよ、猛虎狂虎みたいにね、という訳です。後年、泥水師匠の「タイガ・

イン・ヨ・タンク」を聞いて、「あ、おんなじだ」と思いました。

テイタムはこの頃にヌー・ヨークに出て場末で演奏を始め、見る人、聞く人に衝撃を

与えました。今のを聞くだけで凄さは分かりますね。やはり超絶技巧のヴァイオ

リン奏者ステファン・グラッペリが「連弾だと思った」というのは有名な話。

これが先々週にお届けした『ザ・ルーツ・オヴ・パンク・ロック』に入っているんで

す。疾走感という点では共通しますが、テイタムは滅茶苦茶やってんじゃなくて、

たったひとつの破綻もない完璧な演奏だから、どうだろうなあ。

さて今週は割とブルーズ、」R&B的に進行してきました。そこで、カントリーも

聞いてもらいましょう。

興味深い新譜です。『ジョニー・キャッシュ ザ・ミュージック・フォエヴァ・ワーズ』というも

ので、ジョニー・キャッシュが残した言葉、歌詞の断片から新たに形にされた歌が並

んでいます。それを唄っている人たちが、また凄い。クリス・クリストファスン、ウイリー・

ネルスン、アリスン・クラウス、Tボーン・バーネット、エルヴィス・コステロ等々。

まだじっくりと聴き込んでいないので、今朝はまずこの人のトラックを一緒に

聞きましょう。

ブラッド・ペイズリーです、「ゴールド・アール・オーヴァ・ザ・グラウンド」。

 

M16.Gold All Over The Ground(3’21”)Brad Paisley

-J.Cash, B.Paisley-  Sony / Legacy 88985441532

 

M17.ホイッスル・ダウン・ザ・ウインド(4’49”)ジョーン・バエズ  

-T.Waits-   BOBOLINK / RAZOR&TIE  JB00028

 

N  ブラッド・ペイズリーの「ゴールド・アール・オーヴァ・ザ・グラウンド」に続けましたの

は、ジョーン・バエズの新譜から「ホイッスル・ダウン・ザ・ウインド」、トム・ウェイツの曲だそ

うです。10年ぶりの新作と言いますが、こちらも凄いなあ。全編聞いてみた

いですね。なんせ20世紀を牽引したふたりの音楽革命家、ボブ・ディランとジョ

ン・レノンと出来ちゃったスーパー・ヲーマンですからねえ。

さて、ドラム奏者バナード・パーディーが昨今、「ダ・チーチーチー」なんて擬音語と共

に一部で持て囃されている最中、タイミングも良く、幻的ソロ作が再発になります。

しかも有名な『ソウル・ドラムズ』と、希少盤の『アレグザンダズ・ラグ・タイム・バンド』

の2オン1。『アレグザンダズ・ラグ・タイム・バンド』はわたしも聞いた事ありませんで

した。早々に、こちらからお届けしましょう。

まずは「グルーヴィン」。

 

M18.Groovin’(3’38”)Bernard Purdie

-F.Cavaliere, E.Brigati-   BSMF GSE-723

 

N  ラスカルズ永遠の名曲「グルーヴィン」、バナード・パーディーのソロ作品『アレグザンダズ・

ラグ・タイム・バンド』からでした。これは明らかにブッカーTとMGズのインストに刺

激を受けての選曲でしょう。中間部の「ソウルフル・ストラット」的部分で、お得意の

タム回しを披露します。ここが肝かな。C調なR&B器楽曲がソウル・インストゥルメンタル、

クロス・オーヴァ、フュージョンと変わっていく過渡期の記録ですね。

ではバナード・パーディーでもう1曲、こちらもMGズの持ち曲でした。

「タイム・イズ・タイト」。

 

M19.Time Is Tight(2’41”)Bernard Purdie

-B.T.Jones, A.Jackson, S.Cropper, D.Dunn-  BSMF GSE-723

 

M20.Polaris(4’06”)ハモニカクリームズ

-unknown-  Pヴァイン PCD-25252

 

M21.C’mon Everybody(1’56”)Eddie Chocran     

– E.Cochran, J.Capehart-  Fremeaux & Associes  FA 5415

 

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の最後はハモニカクリームズの「ポラリス」で美しく、と考えていましたが、2分

ほど残っているのがこの場で分かりまして、急遽エディ・コクランの「カモン・エヴェ

バディ」を追加です。何処に置いてもカッコ良いですね。先週でしたか、宮地淳

一の番組はエディ特集だったようです。聞きたかったな。これも『ザ・ルーツ・オヴ・

パンク・ロック』からです。これとパンク・ロックの関連性は誰にも納得できますね。

先週の小杉武久の「ウェイヴ」に反応があったのには驚きました。皆さん博学

ですね。迂闊な事は言えないなあ。個人名義で他にも作品があるようです。

ありがとうございます。

ここのところ様々な運動競技団体、役所、政府など、この国の人間組織が、

どうしようもなく硬直化した考え方に囚われている事が、障害となって表面

化しています。全く情けない。このまま進行すると、世界から脱落するので

はないか、笑われ者になる、そんな心配があります。もうなってるか。皆さ

ん、くれぐれも犠牲者として巻き込まれないように。目を見張れ、耳澄ませ。

人間発電所と呼ばれたプロレスラー、ブルーノ・サンマルチーノが亡くなりましたね。わた

しはこの人のキャディラックに乗った事あります。ご興味がありましたらお話しし

ますので、お返事下さい。

さて、今朝の特別付録は以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/d40d406026a21ea75cbdcb23c7f383af84e8660d

   ダウンロードパスワードは、g6fd43u8です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

 

【生放送!】2018年5月10日(木曜)24時~29時 on 中央エフエム

無事5時間放送しました!御礼申し上げます。

Playlistはコチラ
Awesome Beats  http://osamusawada.com/diary/2018/05/11/12347/

Mornin’ Blues   http://osamusawada.com/diary/2018/05/12/12313/

次回は夏頃かな…

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GW明けにやりますよ!中央エフエムから生放送!

鷲巣功、人生初の3時間生放送!

2018年2度目の生放送!
5月10日24時(厳密には11日0時~)、中央エフエムのスタジオから音楽愛をぶちまけます!
当日のナビゲーターは澤田修と、我らが鷲巣功!

【Awesome Beats】は、、、詳細未定。いつも通り新旧轟爆音曲をお届け!随時、鷲巣さんの自由なコメントも入ってきます。夜食もあり!乞うご期待!

【Mornin’ Blues】は、、、築地市場をテーマに番組を進める予定!ですが、内容は当日までのお楽しみ!DJ人生で3時間生放送はおそらく初です(澤田調べ)。

ラジオの醍醐味は”深夜”です!
ご愛聴よろしくお願いいたします。

 

※中央エフエムの聴き方※

東京都中央区内からは、FMラジオで周波数84.0MHzに合わせてください。
中央区以外で聴かれる場合は、中央エフエムのウェブサイトホームページの上段にある、
「パソコンで中央エフエムを聴く」をクリックして、
サイマルラジオのラジオステーション一覧の中にある中央エフエムのアイコンからお聴き下さい。
※スマホからは“Tune In”、“ラジオ日本”などのアプリから聴くことも可能です。

Awesome Beats (Navigator:澤田 修)

2018年5月10日(木曜)24:00 – 26:00 中央エフエムから生放送

Mornin’ Blues (Navigator:鷲巣 功)

2018年5月10日(木曜)26:00 – 29:00 中央エフエムから生放送

リクエストはメールアドレス voice@fm840.jp  まで
※サテライトスタジオからの放送ですが、ド深夜で施設閉鎖中のため番組観覧はできません。ご了承くださいませ。

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/04/14

mb180414

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

風が強い日が続きました。わたしたちは今や、すっかり文明に護られて生

きているので、こういう突発時に戸惑います。普段は地震、雷、雨、大雪な

どには気を使いますが、風も結構怖いものです。いや、大自然の偉大さ恐ろ

しさを常日頃から認識すべきでしょう。自然も、世の中も、ヒトも、舐めちゃ

あいけないよ。忘れた頃にやって来た「幻」、今朝も始めましょう。

B.B.キングです、「午前3時40秒のブルーズ」。

 

M01.3 O’clock Blues(3’08”) B.B.キング

-King-  BSMF 7554

 

N  B.B.キング1952年「スリー・オクロック・ブルーズ」でした。これは当初48年にローウェル・

フルスンが唄っていたんですね。でもすっかりB.B.のリパトゥワになってます。今回

調べた作者記載も「King」でした。オリヂナルとは相当に変わった形になってい

流からでしょうか。今のピアノを弾いていたのはアイク・ターナーだそうです。B.B.の

ハイトーン・ヴォーカルも非常に印象的ですね。

午前3時、日本で言えば「草木も眠る丑三つ時」です。けれど、悪夢に悩

まされてまだ眠れない男が町のどこかにひとりシンミリとギターを弾いている・・・

なかなかの情景です。「真夜中のギター」ならぬ「明け方のギター」ですね。

B.B.のRPMレイベルのベスト盤が発売されます。これだけなら珍しく無い、と

いうか世界中でこれまでにたくさん出ています。ただし今回は「スーパーセッション」

という名前のDVDがオマケで付いています。これはかつてレイザー・ディスクで発売

されていた筈で、わたしも国内盤の制作に少しだけ関わった事があります。

客演者が豪華でね。グラディス・ナイト、アルバート・キング、エタ・ジェイムズ、ポール・バタフ

ィールドなどなど。

1987年、既に世界的なスターになっていたB.B.が、これらの大物を次々に紹

介しながら進んで行きます。多少顔見せ公演的ではありますが、音楽が始ま

ると皆すぐに本気になるのが面白い。一度ご覧下さい。

さてそのベスト盤、本編のCDからもう一曲、

54年発表の「スニーキン・アラウンド」。

 

M02.Sneakin’ Around(3’00”)B.B.King

-R.L.Krass-  BSMF 7554

 

M03.The Roots Of Our Family(1’14”)Archie Lee Hooker

-unknown-  BSMF 2603

 

N  B.B.キングの「スニーキン・アラウンド」に続けたのは、アーチー・リー・フッカーの「ザ・ルーツ・

オヴ・アワ・ファーミリー」。彼はジョン・リー・フッカーの甥だそうです。ジョン・リーには「アール」

という弟がいて、確かブルーズを歌っていました。ギブスンのSGを持った写真が

出回っていましたね。そのアールの息子では無いのですが、とにかくジョン・リーの

甥だそうです。

説得力ある家系語りの次は、音楽です。

アーチー・リー・布川、「ナインティー・デイズ」。

 

M04.90Days(3’36”)アーチー・リー・フッカー

-unknown-  BSMF 2603

 

N  アーチー・リー・フッカー、「ナインティー・デイズ」でした。ギターは叔父さんより大分上手

です。ジョン・リーは規則性を持たない気まぐれな展開が特徴でした。マリのアリ・

ファルカ・トゥーレがアメリカのラジオでジョン・リーを聞いて、「母国の音楽の英語仕様だと思

った」という話があります。これは傑作。確かにそうだなあ、と素直に納得

出来ました。

アーチー・リー・フッカーのアルバムは気まぐれ進行もなく、結構ブルーズ・ロック的です。

わたしは今の「ナインティーン・デイズ」が気に入りました。先の「ザ・ルーツ・オヴ・

アワ・ファーミリー」と同列の語り物には、「おいお前、どこから出てきたか忘れんな

よ」というトラックもありました。非常にブルーズ的な着想、筋立てですね。

甥とは言え、アーチーも相当に歳の筈です。なんせジョン・リーは生きていれば、

昨年で百歳になっていましたからね。

さて、こちらもカリア充分な大ヴェテランのハモニカ奏者、ジェームス・ハーマンです。白人で、

シカゴ的ではない個性的なブルーズに取り組んで、50年。1960年代からこの音楽

に取り憑かれてしまった異人種が次々とこの世を去って行きますが、彼のよ

うな存在は心強い限りです。

新しいアルバムからどうぞ。ジェームス・ハーマンのブルーズです。

「カモン・アンド・ダンス・ウィズ・ミー」。

 

M05.Come On And Dance With Me(3’18”)ジェームス・ハーマン

-unknown- BSMF  2602

 

M06.セイ(4’35”)オーケストラ・バオバブ

-trd.-  ライス WCR-5437

 

N  ジェームス・ハーマンの「カモン・アンド・ダンス・ウィズ・ミー」と何となくリズムに共通点を

感じて繋いでみました。オーケストラ・バオバブの「セイ」です。ここのところ続けて

お送りしていますオーケストラ・バオバブの最新アルバム、かなり気に入っています。

これから暖かくなる季節にはもっと出番が多くなるかも知れません。

ロンドンで録音作業が行われたこのアルバム『ンジュガ・ジェンに捧ぐ』はとても立

派な造りで、楽曲や録音の詳細も丁寧に書かれています。この「セイ」は、セネガ

ルの婚礼で唄われる歌で、新郎に「カミさん泣かすなよ」と諭す内容を持ってい

るそうです。生活の延長に儀式があって、そこで継承された歌舞音曲が美徳

として披露される、美しくも理想的な環境です。もちろん、腐敗で退廃した

社会の底辺から聞こえてくる叫び声にも充分な魅力がありますけれど、今の

バオバブの奏でる響きの、何と汚れの無さよ、嗚呼。

さて、先週お届けした西アフリカの名門世襲演奏家たちトリオ・ダ・カリと北米の弦

楽四重奏団クロノス・クヲーテットの共演盤『ラディリカン』、こちらも大変宜しい出来栄え

で、よく聞いています。世俗音楽のオーケストラ・バオバブに比べれば純粋な芸術音

楽のように聞こえて来ますが、やはり目を閉じれば母なる大地が浮かびます。

今朝はまずアルバム表題曲を聞いてもらいましょう。

「ラディリカン」。

 

M07.ラディリカン(4’58”)トリオ・ダ・カリ & クロノス・カルテット

-T.Dorsey-  ライス WCR-5459

 

N  「ラディリカン」、トリオ・ダ・カリとクロノス・カルテット最新盤の表題曲でした。弦の四重奏

が単純なビート供給に徹している部分が面白いですね。途中で聞こえたファズ・

ベイスのような音、あれはトリオ・ダ・カリのママドゥ・クヤテのバス・ンゴーニでしょうか。

あからさまな和音が出て来て、そのまま展開しそうになって、またアフリカ調に

戻るところがタエでもあります。

この表題曲、元はマヘリア・ジャクスンのゴスペル曲です。作者は数々の名曲を書き

記したトーマス・ドージー。クロノス・クヲーテットのリーダーであるデイヴィド・ハリントンが、トリオ・

ダ・カリの唄い手ハワ・カッセ・マディ・ジャバテの声から、マヘリア・ジャクスンを連想したそ

うです。

ちょうど手元にその原曲、マヘリアの吹き込みがありますので、聞いてみまし

ょう。

「歌で歌ったように生きたい」、マヘリア・ジャクスンです。

 

M08.歌で歌ったように生きたい(4’03”)マヘリア・ジャクスン

-T.Dorsey-  ソニー SRCS 5469/70

 

N  トリオ・ダ・カリとクロノス・カルテット最新盤の表題曲「ラディリカン」の原曲、「歌で歌った

ように生きたい」、マヘリア・ジャクスンでした。なるほど、原曲です。普通C調な企

画ですと、これを英語詞のまま唄わせて、大向こうのウケを取るところですが、

流石はこの両者です、そんな安易な事はしてくれなかった。ありがとうござ

います。

では同じアルバムからもう一曲、「カニンバ」。

 

M09.カニンバ(4’40”)トリオ・ダ・カリ & クロノス・カルテット

-trd.- ライス WCR-5459

 

M10. Wave Chord “#e-1 (3’52”)小杉武久

-T.Kosugi- ショーボート TDCD 90622

 

N  完全アクースティック・アンサムブルから、突然の電気音響へ。これをご存知の方は、そ

れほど多くないでしょう。小杉武久の「ウェイヴ・コード “#e-1」です。1974年に

発表された『キャッチ・ウェイブ』というLPのB面全編に亘って続く夢想空間です。

奥の壁に投影される風景映像を前にして、ミニ・ムーグのような小型シンセサイザーと

ヴォコーダーに向かって座り込んでいる本人の写真がジャケット内側にあります。画

面の暗さと、手前には椅子に腰掛けている人たちがいる所から、多分公開の

実演現場ではないでしょうか。

小杉武久は現代音楽家として世界的に認知されていた男です。いま説明し

たような単独演奏の他に大勢の人たちとの合同演奏もしていまして、この国

にロック音楽が持ち込まれた1970年代初頭の様々なフェスティヴァルには、「タージ・マハ

ル旅行団」という名前のグループで極めて理解し難い完全即興音楽を披露する事

で知られていました。

おそらく小杉武久という個人名義で正式に残した唯一の録音作品がこの『キ

ャッチ・ウェイブ』というLPではないでしょうか。A面も同じようにゆっくりと変

調を繰り返す連続音がずっと続く中で即興で部分部分に刺激的な音を放り込

む手法で綴られます。劇的な変化は起きません。今はフェイドアウトで4分ほどし

かお届けしませんでしたが、それぞれ片面1曲づつ20分以上の長さ。当時は

前衛とか実験という言葉で安易に形容されていました。あまり一般的な話題

にはなりませんでしたけどね。

わたしは「タージ・マハル旅行団」の実演は人づての話でしか聞いた事がありま

せん。木村道弘というLPジャケットを描いていた素敵な絵師がメムバだった事を知

っていただけです。この集団の主宰者だった小杉武久の『キャッチ・ウェイブ』を聞

いて、音楽がエレクトリックだった事に驚いた位です。

録音は定位を極端に使っていて「ウェイヴ・・・」という言葉ほかの音声が左

右に飛び回ります。初めて聞いたのは泥酔していた上、両脇にスピーカーを置い

てある他人の寝床だったので、実に気持ち良くブッ飛べましたね。右から「ウェ

イヴ・・・」、左から「ビヨヨヨヨヨーン」です。中央に定位すると、仰向けに寝そべ

っている胃のあたりでその音が止まる感じです。とても結構な刺激でした。

数日後その話を知人にしたら「それ持ってるよ」と貸してくれたので、し

ばらく聞いていました。

今世紀始めにCDになっていたのは知りませんで、先日、中古盤で偶然見

つけてすぐに購入し、レコードを貸してくれた知人にも伝えました。帯も付いて

いまして、そこには「肉体とさまざまな波動との即興的な出会いが生んだ

マグネティック・ライヴ・エレクトロニック・ブルース」とあります。「ブルース」だって。素晴らし

い惹句ですね。当時のままなのかなあ。

小杉武久『キャッチ・ウェイブ』、早朝3時30分過ぎの静かな時間帯にピッタリです。

なお今回は、未だ泥酔両脇スピーカー寝床実験は行っておりません。

さて、「幻」発掘隊は、「クムバイヤ」探しも依然として続けております。先週

のピート・滋賀からの連想で、ウディ・ガスリーの5枚組箱物を調べました。生憎、

そこでは見つけられませんでしたが、意外な1曲に出会いました。

これです。ウディ・ガスリーの「アイダ・レッド」。

 

M11.Ida Red(3’02”)Woody Guthrie    

-trd.-  NoT Now Music NOT5CD915

 

N  古い南部の伝承歌「アイダ・レッド」、ウディ・ガスリーでした。これが閃きで、チャッ

ク・ベリーの「メイベリーン」が生まれた訳です。今のウディの吹き込みにも、そっく

りなところがありましたね。黒人音楽だけじゃなくKMOXラジオ局でカントリー音

楽を好んで聞いていたチャックは、きっとこの「アイダ・レッド」を知っていたので

しょう。そもそもオーディション用に彼が持ってきたデモに録音されていた「メイベリー

ン」の原題は、「アイダ・メイ」だったそうです。

レナード・チェスがそれに興味を示して、題名を変えて吹き込ませたのも有名な

話。1915年創業の女性化粧品メイカーの名前から採ったそうです。それが今では

日本市場にも進出しているメイベリーンだったのです。ここで男性用品出してくれ

たら、私は絶対愛用するのに。

 

M12.Maybeline(2’22”)Chuck Berry  

-C.Berry-  Chess / MCA  MCD 80245

 

N  チャック・ベリーの「メイベリーン」でした。今更ながら、このギター・ソロはカッコいい。破

壊力があります。パンクだ。

さて先週の投稿欄にハリギョウさんがキャロルの「泣いてるあの娘」のリフを「妹尾

隆一郎に吹いて欲しかった」と送ってくれました。これいいアイディアですね。

ブルーズ・ファイルでウッちゃんこと内海利勝は妹尾隆一郎と同じメムバだったですか

ら、出来ない話じゃなかったでしょう。ただブルーズに囚われている人たちは、

妙なというか誤った純粋主義に酔っていて、最低でもブルーズ進行でないと「不

浄」扱いをするんです。ブルーズ・ファイルの人たちはさんざん他の音楽を通り抜

けて来たので、余計にこだわったのかも。

投稿にありましたように、ウッちゃんはキャロル解散後シマロンズと録音してました

ね。『ジェミナイ・パートII』とかいう表題だったんじゃないかな。聞いてた筈だけ

ど、音楽が聞こえて来ないな。興味が湧いた。探してみます。

では、ハリギョウさんが語っていた楽曲を聞いてみましょう。

キャロルです、「泣いてるあの娘」。

 

M13.鳴いてるあの娘(2’07”)キャロル  

-T.Uchiumi-  フォノグラムPHCL-3032

 

N  キャロルで「泣いてるあの娘」でした。ワウワウを使って、ロックンロールを土台にして新

しい音楽を作ってますね。こうやってオリヂナルの幅を広げて欲しかったな。

さっきは「ブルーズ贔屓のブルーズ引き倒し」を話しましたが、ロックンロールにも同

じ事が言えるかも。キャロルも結局のところ革ジャン脱げなかったし、「純粋主義」

は、この国の音楽愛好家を含めて共通する問題のような気がします。

同じ投稿の中で「軽快なファンキーな曲」と五大洋行さんは言ってました。わた

しが考える、このグループのファンキーな曲は、これです。

1975年4月13日、日比谷野外音楽堂からお届けしましょう。

 

M14.エニータイム・ウーマン(4’46”)キャロル

-E.Yazawa-  フォノグラムPHCL-3031

 

N  キャロルの未完成ロックンロール曲「エニータイム・ウーマン」、1975年4月13日、日比谷野外

音楽堂からお届けしました。解散公演2枚組実況盤、LP『燃えつきるキャロル』

です。

先ほどの「泣いてるあの娘」は『ラスト・チャンス / キャロル・レア・トラックス』というCD

からお届けしました。これには疑惑の実況盤『ライヴ・イン・リヴ・ヤング』の時の

未発表トラックが収められています。そこからこれを聞いてもらいましょう。

ジョニー大倉がリード・ヴォーカルを担当します。

「ヒピー・ヒピー・シェイク」。

 

M15.ヒッピー・ヒッピー・シェイク(2’20”)キャロル

-C.Romero-  フォノグラムPHCL-3032

 

M16.最後の恋人(2’52”)キャロル

-Y.Okura, E.Yazawa-  フォノグラム30LD-21

 

N  「ヒピー・ヒピー・シェイク」、そしてデビュー曲「ルイジアンナ」のB面だった「最後の

恋人」でした。わたしが生で初めて聞いたキャロルの歌は、これでしたね。1973

年の5月だったかなあ、渋谷の東急本店屋上の無料コンサート、平日の午後、雨が

降っていたのにお客さん一杯でね。ちょっと遅れて出て来て「ヘイ!」で始め

たんです。カッコ良かったですよ、本当に。以前からこの歌を好きだったので、

わたしとしては、堪らなかったですね。

さて気がつけば昨日が4月13日でした。あれから43年かあ。本当に長い

時が経ったなあ。自分自身では何も変わっていないような気もするけど、絶

対にそうじゃないだろうなあ・・・。

 

M17.変わり得ぬ愛(3’37”)キャロル

-Y.Okura, E.Yazawa-  フォノグラムPHCL-3031

 

M18.Shake Your Tale Fether(3’24”)ローリー・モーヴァン     

-unknown-  BSMF  2605

 

N  1975年4月13日、日比谷野外音楽堂での「変わり得ぬ愛」に被さって来

たのは、ローリー・モーヴァンという女性ブルーズ・シンガー / ギタリスト。白人女がこんな風

にブルーズ演っても、もうみんな驚かないよね。ギターは当然の腕前、唄も合格。

アレンヂもハードなバンド・ブルーズ一辺倒ではなく、なかなかの工夫があって、良

い出来です。でも、ジャケット表で少し見える躰が凄い。正に筋骨リャウリャウ。こう

いうのはワタシ、苦手だな。そんな事はどうでも良いですか。

59分前に一瞬音が無くなりましたが、あれはわたしの誤操作によるもので

す。ご心配なく。今のは「シェイク・ヨ・テイル・フェザー」。タイトルを見てすぐにこのカヴ

ァと勘違いしてしまいました。

 

M19.Shake A Tale Fether(2’23”)Five Du-Tones

-Hayes, Willimas, Rice-   Shout 28

 

M20.Boulevard Of Broken Dreams(3’51”)Barbara Dane

-A.Dubin, H.Warren- ライス FLR-3411

 

N  こちらは「シェイク・ア・テイル・フェザー」、ファイヴ・デュトーンズでした。そしてその次

は常連バーブラ・デイン。彼女の2枚組ベスト盤『ホット・ジャズ、クール・ブルーズ、アンド・

ハード・ヒティング・ソングズ』から、これまではフォークやブルーズ調の楽曲を選んでお

届けしましたが、今回はタンゴ調で始まる歌謡曲「挫折の街角」でした。こう

いうのも実にいい雰囲気で歌えるバーブラ。基本的に唄が上手いんだ、と今更

のように気づきました。

そして、これを聞いていて連想したのが、これです。

 

M21.ウナセラディ東京(3’02”)ミルバ

-T.Iwatani, H.Miyagawa-  コロムビア  COCP-39523

 

M22.悲しき慕情(2’30”)カーペンターズ

-N.Sdaka, H.Greenfield-  PCCY-10091

 

N  ミルバの「ウナセラディ東京」、そして今朝はカーペンターズで「悲しき慕情」です。

先週のニール・セダカ発見後、この歌がずっと頭の中を回ってました。カーペンターズ

のも良くできていますね。間奏を含んでそこから最後までの展開が見事です。

ただ、この秀作が含まれているベスト盤はあまり無いようです。何故だろう。「お

願い郵便屋さん」や「邪夢薔薇屋」などのカヴァは、他のベスト物にも入ってる

のにね。世田谷図書館から借りてきただいぶ前のCDでお届けしました。

 

M23.ディス・ストレンジ・エフェクト(3’18”)ザ・シャックス

-R.Davis-  PCD-22406

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N かなり幅広く、と言いますかほぼ滅茶苦茶な選曲でお送りした今朝の「幻」、

最後はザ・シャックスの「ディス・ストレンジ・エフェクト」でした。ダスティ・スプリングフィールド

の「スプーキー」みたいで、今どき珍しい雰囲気だなあと聞いていたら、キンクスの

オリジナルなんですね。原曲も似たような感じでした。終了部分で速くなるのは

意図してなのか、単なる結果なのか、これも今どき珍しい症状です。どこか

しら好感。

さて、今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/6f09d7d988de2988168de42c021081c99a7d0e7c

    ダウンロードパスワードは、274envz3です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/04/07

mb180407

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。あっという間に本当の春がきてし

まいましたね。一昨日は寒かったけれども、先週、先々週の急激な気温上昇

が印象的だったせいか、もっと寒くていいよ、などとつい考えてしまいます。

車などはもう冷房を入れるのでしょうかね。窓を開ければいいのに。

では窓を大きく開けて、大きな音で聞いてもらいましょう、今朝もモーニン・

ブルーズ始めます。あ、まだ早朝ですね。周りの迷惑にならぬ様、充分お気を

つけ下さい。

先週も聞いて頂いたオルケストル・レ・マンゲレパ、今朝はアルバム冒頭曲です。

「カネモ」。

 

M01.Kanemo(9’09”)Orchesta Les Mangelepa  

-K.Nzaazi-  Strut 159CD    10/8/4   ルムバ・ロック   パツラ・ソロ  後半vo.

 

N  オルケストル・レ・マンゲレパで「カネモ」でした。素晴らしい躍動感が全編に亘って続

いて、9分を超える演奏時間もあっという間に過ぎてしまいます。ご機嫌な

ルムバ・ロックですね。トラムペット・ソロとその後に出てくるヴォーカルも素敵。

このオルケストル・レ・マンゲレパ、付属のブックレットには10人がメムバとしてクレジットさ

れています。ギター2本の4リズムにパカッション、ホーンが2人、そしてヴォーカルが3人

ですが、挿入写真は8人と4人。数が合わないなあ。

 

M02ファインクンコ (5’05”)オーケストラ・バオバブ  

-J.N.Suso-  World Circuit Production  WCDO92

 

N  オルケスタ・バオバブで「ファインクンコ」でした。こちらもリズム、特にベイスのピック・アッ

プが気持ちいいですね。クーバ音楽の影響が強かったオルケスタ・バオバブ、今回は

西アフリカの伝統楽器コラ奏者を正式メムバとして導入、他にトロムボーンの加入、ギタリスト

の交代など、リード・シンガーだったンジュガ・ジェンの死を乗り越える改革が行われ、

今のところはそれが功を奏しています。「ファインクンコ」でした。

次はマリを中心に活動しているのトリオ・ダ・カリの新しいアルバムです。ヴォーカル、

バラフォン、そしてバス・ンゴーニの3人組がトリオ・ダ・カリ。いずれも現地の世襲音楽

一族の出ですから、正しい血統です。その彼らが今回一緒にアルバム制作を行っ

たのはアメリカの弦楽四重奏団のクロノス・クアルテット。1973年以来、こちらもメムバを変

更しつつ活動を続けています。ジミ・ヘンドリクスの楽曲を採り上げたアルバムを発表

するなど逞しい独創性を持っていて、ポップ・グループのような個性的な弦楽四

重奏団です。

今回両者は、ただアフリカの音楽に弦を被せたというような安易なものを目指

したのではなく、総合的なアンサムブルで新しい響きを追求しています。真剣な度

合いが、全編に漂った力作ですね。

まず1曲どうぞ。

冒頭曲です、「ティタ」。

 

M03.ティタ(6’54”)トリオ・ダ・カリ & クロノス・クアルテット

-pd.- ライス WCR-5459

 

N  マリの創世期から伝わる、若い世代を勇気付けると言う歌、「ティタ」でした。

中盤から絡んでくる弦楽四重奏が並々ならぬ雰囲気を醸し出します。アルバムの

収録楽曲はほとんどがトリオ・ダ・カリの持ち歌ですが、次は古くからの賛美歌を

モティーフにしてバンバラ語に訳された歌詞を、ハワ・カセ・マディ・ジャバテが唄います。

「主は涙を拭い去る」。

 

M04.主は涙を拭い去る(3’09”)トリオ・ダ・カリ & クロノス・クアルテット

-pd.- ライス WCR-5459

 

N  トリオ・ダ・カリ & クロノス・クアルテットの新作『ラディリカン』から2曲、「ティタ」と「主は

涙を拭い去る」を聞いて頂きました。とても奥の深い作品ですね。また来週、

聞いてもらいましょう。

 

M05.トラブル・イン・マイ・マインド(3’01”)バーバラ・デイン  

-R.M.Jones-  ライス FLR-3411

 

N  バーバラ・デインで「トラブル・イン・マイ・マインド」でした。先々週にお届けした彼女

の「イッツ・ナイス」は、「イット・イズント・ナイス(It Isn’t Nice)」の間違いでした。「ノット」

が入っています。意味が逆ですね。大変失礼。

今のゴスペル・ブルーズ「トラブル・オン・マイ・マインド」はどこにもある庶民のボヤキ

節ですが、ちゃんと作者が明記されています。ヌー・オーリンズのリチャード・マイニー・

ジョンーンズ。「いつか陽の当たる事もあるさ」と解決を付けているところが肝か

な。盗作に近いたくさんの類似曲があるのは、皆さんもご存知の事でしょう。

バーバラ・デイン1957年の録音は、曲想を充分に理解した上での、自分なりの

自然な表現となっています。ここ3週間ほどは毎回彼女を聞いて貰っていま

す。正直に言って、彼女には非常に惹かれるものを感じています。今年で91

歳になります。来年は自叙伝を発表する予定があり、記録映画も作られるそ

うです。では11年前、80歳の誕生日公演で歌われた、ピート・シーガー作の

「オー、ハド・アイ・ア・ゴールデン・スレッド」を、お孫さんたちとのアカペラでどうぞ。

この仕上げも見事です。

 

M06.オー、ハド・アイ・ア・ゴールデン・スレッド(4’29”)バーバラ・デイン   

-P.Seeger-   ライス /  FLR-3411

 

M07.Had I A Golden Thread(3’26”)Pete Seeger        

-P.Seeger-  Proper Box 184

 

N  「オー、ハド・アイ・ア・ゴールデン・スレッド」を、バーバラ・デインのアカペラ、そして作者

ピート・シーガーのオリヂナルで聞いてもらいました。以前紹介した廉価4枚組『ザ・

ピート・シーガー・ストーリー』は、こういう時に役立ちます。今回はこの「オー、ハド・

アイ・ア・ゴールデン・スレッド」を聞こうと棚から出したのですが、「ひょっとして・・・」

と閃いて探したら、やはりピートも唄っていました。

これです「クムバイヤ」。ゆっくりと間を置いてお届けします。放送事故じゃな

いですよ。

 

M08.Kumbya(2’58”)Pete Seeger

-trd.-  Proper Box 184

 

N  「クムバイヤ」、ピート・シーガー1958年の録音でした。ジョーン・バエズは、これを参

考にしていますね。先ほどのバーバラ・デインのベスト・アルバム『ホット・ジャズ、クール・

ブルーズ、アンド・ヒティング・ソングズ』の付属冊子には、PPMのピーター・ヤーロウ、ピー

ト・シーガー、バーバラ、フィル・オクス、そしてジョーン・バエズというアメリカのフォーク界の大

物が一緒に唄っている写真がありました。その迫力には圧倒されます。

さて今朝は極めてアカデミックに進んで来ました「幻」モーニン・ブルーズ、次はその

極致となりますか、エテネッシュ・ワッシというエティオピアの唄い手がマシュー・スウリシュのアクース

ティク・ベイス・ギター、ジュリー・レデラッハのセロと行ったかなり実験的なセッションのアルバム

です。わたしはこの三者に何の事前知識もなく、名前のカタカナ表記も想像で、

聞いた後に写真でエテネッシュ・ワッシが女だと知った位です。でもなかなか面白かっ

たですね。呪いのようなエテネッシュ・ワッシのヴォーカルが生きています。ちょっと怖い

かな。聴く人によっては難解と感じるかも知れません。

おそらく事前に細かな打ち合わせやリハーサルも行われたでしょうが、非常に即

興的な魅力に溢れています。決して気楽なBGMではありませんけれど・・・。

 

M09.Dera(3’12”)Etenesh Wassie, Mathieu Sourisseau, Julie Ladrach

-M.Sourisseau- Buda Musique 860319

 

M10.The Swalow(4’22”)Bethany & Rufus

-trd.-  Hyena HYN9353

 

N  「デラ」、エテネッシュ・ワッシのヴォーカル、マシュー・スウリシュのアクースティク・ベイス・ギター、ジュリ

ー・レデラッハのセロでした。そしてそこからの連想で「ザ・スワロー」、女性ヴォーカルと

セロのデューオ、ベサニー・アンド・ルーファスでお届けしました。

さて、4月3日に北沢タウンホールで行われた「ブルースをよろしく ありがとう妹尾

隆一郎」、皆さんのおかげで無事に終了いたしました。予想を遥かに超える人

たちが献花に集まってくれまして、隆一郎が「意外と」愛されていた事が実

証されました。わたしはそれが嬉しい。鮎川誠、近藤房之助、入道、吾妻光

良、小出斉、レイジー・キム、永井隆、ジェイムズ藤木、伊藤銀次らが勢ぞろい。わ

たしは気づかなかったけれど、和田静男や、ウッチャンこと内海利勝も来てくれて

いたそうです。全入場者は300名を超えまして、大盛況でした。

「幻」の重度聴取者の皆さんたちにも多数おいで頂きまして、元気なお顔

を拝見する事が出来ました。有難うございます。10分の1の供花負担金も、

律儀にお支払い頂き、誠に恐縮です。端数を切り上げてくれたり、ちょっと

早い誕生日祝いまで貰う有難き幸せ。重ねて篤く多謝。

7時前から始まった昔話対談は良かったですね。吾妻光良の「こうやって楽

器を弾くようになったきっかけは、初めて観に行った次郎吉のライヴで妹尾さ

んが舞台から呼びかけて、みんなを上げて好きなように演奏させてくれたか

らだ」という発言は貴重でした。高等学校で一級下だった伊藤銀次が校内の

放送室に隆一郎を訪ねて知己となり一緒に音楽を始める話、ブルーズ・ハープを

なんと銀次が教える行りにも、思わず引き込まれました。伝説レイジー・キムの「ウ

ィーピング・ハープ」命名の生々しい現場話は格別でしたね。終了後、わたしは沢

山のお話を聞かせて貰えました。

正直なところ、わたしは直接の被害はなかったですけれど、龍一郎はかな

り滅茶苦茶な人間性のお方で、他人だから笑える話は山ほどあります。ご家

族は相当に大変だったでしょう。でも息子の泰隆の挨拶も立派だった。良か

ったよ。

音楽を始めた当初、隆一郎はベイス担当だったそうです。しかも弾きながら

歌える珍しい存在として注目されていました。こんな曲をサラッとこなしていた

そうです。

 

M11.オール・マイ・ラヴィング (2’08”) ザ・ビートルズ

-J.Lennon, P.McCartney-   東芝 TOCP-71041/53

 

M12.Carifornia Dreamin’(2’42”)Mamas & Papas  

-J.Phillips, M.Phillips-  Roulette RCD 58003

 

 

N  ジョンの三連リズムとポールのラニング・ベイスがたまらない魅力の「オール・マイ・ラヴィング」、

ザ・ビートルズ、そしてママズ・アンド・パパズで「夢のカリフォルニア」でした。

ママパパの「夢カリ」は、先日観た映画「素敵なダイナマイト・スキャンダル」の中で、

印象的に使われていました。主人公が愛人と湖でボートに乗っている時にこ

の歌が流れ出し、相手が間奏を全て口ずさむという、ちょっと珍しい場面で

す。映画自体も面白く出来ていて、というか実存する末井昭の人生がこれ以

上に壮絶ですから、面白くない筈はないのです。柄本佑の演技も秀逸で、

力のこもった作品でした。わたしが行った日は満員でしたね。あちこちで好

意的に紹介されています。ぜひ観に行って下さい。

 

M13.「悲しき慕情」(2’20”)ニール・セダカ 

-N.Sdaka, H.Greenfield-  ソニー SCIP 4481

 

N  「悲しき慕情」ニール・セダカでした。これ、先々週に「ケメ子の歌」をお届けし

たとき、即座にムジ「火の」鳥さんから「出だしはここから頂いたそう???」 と

いう投稿がありましたが、わたしはその引用をちゃんと聴かずに、てっきり

今の「悲しき慕情」の事だと思っていたんです。この歌ならカーペンターズがいい

なあ、と手持ちを探したら、なんと持っていない事が分かりました。それで

図書館で調べたら、オリジナルのニール・セダカに出会って、そちらを聴いてみました。

この人には、これまでちょっと先入観があって、苦手だったのですよ。で

も意外に良好でしたね、感想は。詞曲のスタイルがオールディーズ調なのは致し方ない

ところですが、1曲1曲が丁寧に、しっかりと作られていました。強引さがな

いリズムとメロディのまとめ方が大変宜しい。今の「悲しき慕情」もカーペンターズが

カヴァするのが分かります。ポール・アンカより好きだな。このCDは、特に音がと

ても綺麗です。1962年にこんなキックドラムの音が録れてたのか、と気になって

某所に確認した位です。昔のRCAは結構ひどいマスターを使っていましたからね

え。

さて、この盤に付属している矢口清治による解説を読んでいたら、出て来

ましたよ、これが。

 

M14.かわいいあの娘(2’41”)ニール・セダカ 

-N.Sdaka, H.Greenfield-  ソニー SCIP 4481

 

N  「ケメ子の歌」は、これだったのか。お恥ずかしい話ですが、わたしは知りま

せんでした。「ケメ子」冒頭のスキャット部分は、てっきりドゥーワップを参考に「創作」

したんだと思っていました。なーんだ、盗作じゃアーリませんか。

先ほどの「悲しき慕情」もそうでしたが、ニール・セダカはこういう言語になら

ない発声で音楽を展開させて行くのが上手です。「ライオンは寝ている」で知られ

るトーケンズのメムバだったという事も影響しているのでしょうか。

さて、ここのところ「幻」にしばしば出てくる「曜日歌」ニール・セダカにもあ

りました。これは月曜日から日曜日までの7日間が全て出てくる「ロシア民

謡一週間」のような歌です。

ではお聞きください、「よりを戻そうよ」。

 

M15.よりを戻そうよ(2’26”)ニール・セダカ  

-N.Sdaka, H.Greenfield-  ソニー SCIP 4481

 

M16.Thank God It’s Friday(4’15”)Love And Kisses     

-A.Costandinos-  LMLR / Universal 780 042

 

N  ニール・セダカ版一週間、「よりを戻そうよ」に続けましたのは映画「サンク・ガッド、

イッツ・フライデイ」からその主題歌「神様、金曜日でよかったよ」でした。実はし

ばらく前にこの歌がずっと頭の中で鳴っていて、このような曜日歌を連続し

てお届けすることになったのです。まだ20代の頃に観たこの映画、DVDは

安売りで手に入れていましたが、サウンドトラックのCDはなかなか見つからず、通

信販売で結構な値段の物を買いました。30cmLP3枚組だったオリヂナルの忠実な

復刻でしたが、音楽の内容は腐敗していく直前のディスコ音楽が主体で、あまり

芳しきものではなかった、これが40年後の本音です。今お届けしたラーヴ・アン

ド・キッシーズの「神様、金曜日でよかったよ」と、ヲルター・オーレインヂのヴォーカルが冴

え渡るこれくらいかな、聞けるのは。

「あの娘が標的」、ザ・コモドアーズ。

 

M17.Too Hot Ta Trot(3’24”)The Commodores   

-T.McClary, R.LaPread, W.Orange, L.Ritchie,M.Williams,W.King Jr.-

LMLR / Universal 780 042

 

M18.Last Dance(8’16”)Donna Summer  

-P.Jabra-  LMLR / Universal 780 042

 

M19.Louie Louie(2’20”)Richard Berry & The Pharaohs

-R.Berry-  Fremeaux & Associes  FA 5415

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  映画「サンク・ガッド、イッツ・フライデイ」サウンドトラックから、「あの娘が標的」ザ・コモ

ドアーズ、そして忘れちゃいけませんね、ドナ・サマー「ラスト・ダンス」でした。これ

もよく出来てたですね。

最後は唐突にリチャード・ベリーとファラオズの「ルイ、ルイ」、この間『ルーツ・オヴ・パンク・

ロック・ミュージック 1926-1962』という3枚組を手に入れて聞いているのですが、

収録曲が今ひとつピンと来ません。今朝はその中から、これだけは納得出来た

「ルイ、ルイ」」を聞いて貰いました。このリチャード・ベリーとファラオズがオリヂナルです。

のんびりしたノヴェルティ調で、キングズメンの方が遥かにパンク的ではあります。この

3枚組『ルーツ・オヴ・パンク・ロック・ミュージック 1926-1962』は、時間をかけて聞い

て整理して、また皆さまにお届けしたいと考えています。

ここのところスギ花粉の影響が酷くて、だいぶ辛い思いをしています。精神

集中が出来ないですね、どうにもこうにも。スギの後はヒノキだって。嫌だなあ。

皆さまもお気をつけくださいませ。

 

4月7日というと今日ですが、次のような短編映画上映会があります。

 『アワ・マン・イン・トーキョー 〜ザ・バラッド・オブ・シン・ミヤタ』

  東京上映会&トーク・ショー

4月7日(土)開場:18:00 上映開始:19:30代官山 晴れたら空に豆まいて

監督のトーク・ショー、ヒップホップのドキュメンタリー映画やDJホリデー

さんのDJなどもあるイベントで、詳細は、http://mameromantic.com/?p=57187

に掲載されています。CDジャーナルには主人公のインタビューもでています。

http://www.cdjournal.com/main/cdjpush/-/1000001381

「幻」でも良く取り上げているメキシコ音楽愛好家、宮田信のロスエインジェルズ活動

のドキュメントです。先週同じ場所で帰朝報告会がありまして、そちらにはわたし

も顔を出しました。異文化に興味がある方は面白く観られるでしょう。どう

ぞお出かけください。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/b2117ff6f6f7441111b6452a3de07a5d42df6cb8

  ダウンロードパスワードは、h5nbg3uiです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/03/31

mb180331

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。えらく暖かいですね。この国で一

番過ごしやすい「春満開」、「初夏」が無くなって、冬から真夏へ直結です。

海外へ出ると、ああ自分たちには「四季」というものがあるんだなあ、と

思い知らされるものですが、こんな感覚も過去の物になって行くのでしょう

かね。

さて今朝の1曲めは季節のない国、セネガルのオルケスタ・バオバブです。新譜から

です。10年ぶり、そんな前でしたか。

アルバム冒頭曲の、「フーロ」。

 

M01.フーロ(4’14”)オーケストラ・バオバブ  

-trd.- World Circuit Production  WCDO92

 

N   オルケスタ・バオバブ10年ぶりの新譜『ンジュガ・ジェンに捧ぐ』から冒頭曲「フーロ」

でした。題名で分かるように、この作品はメムバで1昨年11月10日に亡くな

ったリード・シンガーのンジュガ・ジェンに捧げられています。享年69でした。グループ

自体は20世紀に一度解散してまして、2001年に復活したものの、07年以来、

新作の発表はありませんでした。1970年代からの歴史があるバオバブですか

ら、ここまで何度もメムバが入れ替わっていまして、今回も新しく参加した演

奏家がいます。

ただ独特の気持ち良さは不変で、それぞれの演奏者の能力と言うより、セネガ

ル音楽の底力ように感じられます。特に腰が浮くようなベイスのリズムは秀逸です。

単純なフレイズを正確に同じように繰り返しながらも、部分部分で微妙に異なっ

た色付けが施されているのは、演奏者チャーリー・ンディアニャが「感じて」いる証拠。

あす日曜日の午前中にでも、大きめのスピーカーで少し大きな音で鳴らしてみて

下さい。きっと虜になってしまいますよ。

そう言えば、今スピーカーで音楽を聞く人が少ないんだってね。以前音響専門

学校生の過半数以上がスピーカー持ってない、と言うショーゲキ的な調査結果に接し

て、呆然となった事がありました。殆どはケータイで聞くんだそうです。嗚呼。

今回のバオバブのアルバムの話題のひとつは、コラを使っている事です。実に意

外ですが彼らはこれまでこの楽器をアンサムブルに使った事が無かったとか。では

その象徴的な1曲、「アレクマ」を聞きましょう。10年ぶりの新譜は、これで終

わっています。

 

M02.Alekouma(2’43”)Orchesta Baobab  

-trd.-  World Circuit Production  WCDO92

 

N さてオルケスタ・バオバブに続いてもうひとつ別のオルケスタ、こちらケニヤはナイロビの

演奏集団です。その名もオルケストル・レ・マンゲレパ。バオバブと同じく長い経歴を

持っているヴェテランたちで、今も健全に活動中。音が若いですね。去年新譜を

発表。写真をみるとみんな相当のお歳のようですが、バオバブが年齢を超えた

円熟味を醸し出すのに較べて、こちらはまだ若い衆が面白がって演奏を楽し

んでいるような雰囲気を残しています。

新譜『ラスト・バンド・スタンディング』から聞きましょう。

「スザーナ」、オルケストル・レ・マンゲレパです。

 

M03.Suzanna(7’36”)Orchesta Les Mangelepa  

-K.Nzaazi-  Strut 159CD

 

M04.Onye Nyame Nipa(4’01”)Kyekyeku 

-unknown-  nolabel nonumber

 

N  オルケストル・レ・マンゲレパの「スザーナ」に続けて、2016年のミュージック・マガジーンで

ワールド部門の第一位となったチェチェクの「オニニャメニーパ」でした。いつ聞いても気持

ち良いですね。先ほどのオルケストル・レ・マンゲレパの新譜『ラスト・バンド・スタンディング』

を紹介しているディスク・ユニオンの広告には、「よく晴れた日に窓を開けっぱなし

て聴きたいです!」とありました。このチェチェクも全くその通りです。もちろん

大きめのスピーカーで少し大きな音で鳴らしてみて下さい。夜が明けたらね。

この手のアフリカの音楽、私の場合は日常的に聞く事が稀なのですが、一旦始

めると、止まらなくなってしまう傾向にありまして、今朝もそんな感じです。

連鎖を恐れて普段聞かないようにしている、こんな姿勢も無きにしも非ず。

今朝はここまで来ましたから、もう1曲行きましょう。

以前も紹介しましたね。2015年発表、アフリカ西海岸の音楽王国マリの伝統を

集約したような音楽性で高く評価されたガムバリ・バンドです。

「ガムバリ」。

 

M05.Gambari(3’34”)Kokuma  

-Gambari-  membrane 233987

 

N  ガムバリ・バンドの「ガムバリ」でした。「ガムバリ」と言うのはマリの複合リズムの

総称のようです。広い大陸アフリカでは地域ごとに音楽に微妙な違いがあり、そ

れぞれかなり厳密な、はっきりした特性を持っているそうです。以前、ママドゥ・

ドゥムビアを中心としたセッションで「何人かセネガル人が入っているために、合わせに

気を遣う」と言う意見をマリ側の人間から聞いた事があります。わたしは全く

気付いていませんでしたが、そういうものか、と納得した覚えがあります。

ちなみに今朝のここまでの四つの演奏集団が披露してくれたのは、場所も成

立年代もみな違う音楽でした。

さてそれぞれに違う音楽は、当然それぞれに名前を持っていますが、一般

的には「ルムバ」ひとことでまとめられる事も多いようですね。今に繋がるアフリ

カ音楽が世界的になり始めた頃に持て囃されたコンゴの音楽を、中村とうよう周

辺が「リンガラ」と名付けましたが、「ありゃ、『ルムバ・ロック』って言うんだよ。

誰も『リンガラ』なんて呼ばないね」と、フランス人から聞いた事があります。

そうか、ルムバかあ・・・魅力的な名前だなあ。「ルムバ」「マムボ」「チャチャ」この

3つの違いが表現出来なければ、キャバレーのハコは務まらなかったそうです。極東

の昭和時代のお話ですが。

いずれにせよ「ルムバ」、非常にきになる響きです。わたし自身解釈が出来て

いないので申し訳ありませんが、やはりそのビートのおおもとはクーバではない

か、と睨んでおります。ベイスとボンゴ、そしてクラーベスの絡みから生まれてくる

ウネリが音楽全体を支配した時に、「ルムバ」は成立する、とも考えます。

では、適切な例かどうかは判断できませんが、以前お届けした廉価版2枚

組『カフェ・クーバ』から題名に「ルムバ」とついた楽曲を紹介しましょう。

カーノ・ポーゾで「ルムバ・アン・スウィング」、

そして「ルムバ・ラプソディ」、ノーロ・モラレス・ヨーケスタです。

 

M06.Rumba En Swing(2’36”)Chano Pozo   

-unknown-  Not Now Music  NOT2CD0361

 

M07.Rumba Rhapsdy(3’02”)Noro Morales Y Orquesta   

-unknown-  Not Now Music  NOT2CD0361

 

N  非常に俗っぽい響でしたが、「ルムバ」の外郭を想像していただけましたでし

ょうか。カーノ・ポーゾで「ルムバ・アン・スウィング」、「ルムバ・ラプソディ」、ノーロ・モラレス・

ヨルケスタでした。

さて実況録音盤『パリのウェズ・モンゴメリ』、手に入れて聞いた人は居るかな。

CD2枚は強面男四人の無愛想な演奏に終始し、その何処を切ってもダンディズ

ムが吹き出て来る、こんな印象でしょうか。ウェズに関して言えば、かなりフレイジ

ングが完成されていまして、この後のイーズィー・リスニング・ジャズ路線で聞けると

あのウェズ節は、この辺りから確立されていたんだな、と推測出来ます。

今朝はかなり長い演奏ですがCD2枚目の「ブルーズン・ブーギー」を聞いて貰

います。中盤に繰り出されるブロック・コードでの即興は凄まじいですよ。逆に、

この頃この位の演奏はどこでも演ってたかも知れない、とも思えなくもない

のですがね。

それを受けるテナー・サクスフォンのジョニー・グリフィンがまた素晴らしい。演奏が終わ

って、各パートを紹介するのはウェズ自身です。こういう声してたのか・・・。

 

M08.Blue ‘N Boogie / West Coast Blues(13’14”)Wes Montgomery   

-J.Gillespie, F.Pararelli- Resonance HCD-2032

 

M09.悲しき願い(4’41”)ジョー・コッカー  

-B.Benjamin, G.Caldwell, S.Marcus-   テイチク 25CP-34

 

N  電光石火のウェズ・モンゴメリ・トリオ・プラス・ワン、パリでの実況録音、如何でしたで

しょうか。クールダウンとして続けましたのはジョー・コカーの名盤『ウィズ・ア・リトゥル・

ヘルプ』から「悲しき願い」でした。この仕様もわたしは大好きですね。

さて、ここのところ続けてお送りしている「悲しき願い」、そのきっかけは

タクシ・ドライヴァ45979さんから2月24日に頂いたお便りでした。以下、引用

いたします。

 

鷲巣さんいつもありがとう。さっそくですが、ジェニファー・ロペス主演のT.V.

ドラマ(D-LIFE)「ジェイズ・オブ・ブルー」の挿入歌に「悲しき願い」がありま

すとても切なく良い感じです。もしご存じでしたらよろしく

 

続いての投稿ではどうやらそれを歌っているのはニーナ・シモンらしい、とのお

話でした。

不思議な事に同じ頃この歌の初出がニーナ・シモン だと知って、とても聞きたか

ったのです。実況仕様は手元にありましたが、あまり状態が良くなかったの

でスタジオ吹き込みを探していました。1964年録音の『ブロードウェイ・ブルーズ・バ

ラッズ』というアルバムそれがある、というのは比較的すぐに突き止められました

が、だいぶ前に紙ジャケット仕様で出たきりで、中古盤の値段はなんと13000円

以上。もう高い値段のレコードは買わない、と誓ったわたしですから手が出ませ

ん。

そんなある日、新宿へ出た際に立ち寄ったレコード店に、なんと税込1340円

で並んでいるではアーリませんか。即刻入手したのは、言うまでもありません。

ではタクシ・ドライヴァ45979さんほか、9500万人の方々にお送りしましょう。

ニーナ・シモンです、「悲しき願い」。

 

M10.悲しき願い(2’44”)ニーナ・シモン 

-B.Benjamin, G.Caldwell, S.Marcus-   ユニバーサル UCCM-9185

 

N  ニーナ・シモンで「悲しき願い」でした。

 

 わたしは決して悪い人間じゃないの

   だからお願い、誤解されたくないの・・・

 

恨みに濡れた目頭が浮かんで来ます。単純に「誤解しないで」じゃなくて、

「Let me be」と入れて、「されたくない」と持って回った表現にしていると

ころが肝ですね。ニーナの本当の心の叫びようです。表現も大変結構。特に最後

のパラグラフでの謳いは格別です。

『ブロードウェイ・ブルーズ・バラッズ』と題されたこのアルバムは、おそらく商業的

な成功を目標に企画されたのでしょう、弦やコーラス付きで大向こう受けするよ

うな造りです。しかしながら、その目論見はやや破綻気味。ジャズからポピュラ

ーへという安易な路線にニーナが拒絶反応を示しているようです。それでもこの

出来。流石、姉御です。

この中で唯一、実況録音のトラックがあります。パカッションに唄を載せた造りが、

後年リミクスの対象にもなったようです。ニーナはこういうのが昔から得意ですね。

「シー・ライン・ウーマン」。

 

M11.シー・ライン・ウーマン(2’57”)ニーナ・シモン  

-G.Bass-   ユニバーサル UCCM-9185

 

M12.Good Morning Blues(5’11”)Barbara Dane       

-trd.arr.by O.Mendez, B.Dane-  Smithsonian Folkways SFW CD 40227

 

N  自称フォーク歌手ニーナ・シモンに続いては、こちらもクロスオーヴァしているアメリカの白人

フォーク歌手、バーブラ・デインで「グド・モーニン・ブルーズ」でした。今週で3回連続

のお届けになりますが、ここまでずっと名前の綴りを「Barbra」としていま

した。正しくは「Barbara」でした。お詫びして訂正いたします。盤から聞こ

えてくる呼び方では「バーバラ」、とはっきり言っている訳ではありませんから

カタカナ表記はこのままにしときます。リジェンツ / ビーチ・ボーイズの「バーバラ・アン」

は「バーバラ」って唄ってますけどね。

そのバーブラ・デインの孫のギター弾き、オサム・メンディスのアルバム用に録音したのが、

このハード・ブルーズ・ロックの「グド・モーニン・ブルーズ」。正しい理解で、とても気

持ち良さそうに唄っています。この人、たぶん体は大きくないだろうけれど、

この歌の大きさ。気に入りました。

 

M13.What’s The Matter With You(2’16”)Walter Horton   

-Philipps, Taub-  Virgin V2-86304

 

N  今のは「ワッツ・ザ・マター」ヲルター・ホートンのハモニカでした。ブルーズのハーモニカと言えば、

やはりサニー・ボーイ・ウイリアムスンIIことライス・ミラー、そしてリトゥル・ヲルターことヲルター・ジェ

イコブズでしょう。このふたりだけで、ブルーズでハモニカの出来る事を八割がたや

ってしまった、と言っても過言ではありますまい。その位に幅広く深い表現

を創造しています。ただ、それ以外にも魅力的なハモニカ奏者は大勢いまして、

このヲルター・ホートンもその一人。ジェイコブズが「リトゥル」なら俺は「ビッグ」だと、

捻った芸名を使う場合もあります。他に「シェイキー・ホートン」なんて名前も持って

いました。

さて、皆様にご協力いただいている「ブルーズをよろしく! ありがとう妹尾

隆一郎」、開催は来週の火曜日、もうすぐです。この国のハモニカ奏者全てがその

恩恵にあやかっている元締め、妹尾隆一郎への暖かいご理解ありがとうござ

います。この番組で出したお花には、既に偶然出会いのあったお二人の方々

から、供花代金を頂いています。どうもありがとうございます。

そこで今朝は、そのお二人様と9500万人の方に、特別プレゼントです。

リトゥル・ヲルターの「ブルー・ライツ」。

 

M14.ブルー・ライツ(3’18”)リトル・ウォルター 

-W.Jacobs-  non released track

 

N  リトゥル・ヲルターの「ブルー・ライツ」でした。おそらく何人の方は、「おや」と感じ

てくれたでしょう。なんでこれが特別プレゼントなのか。

この「ブルー・ライツ」は1954年7月14日に録音されています。ここでヲルター

は変調自在のクロマチックと10穴のブルーズ・ハープを持ち替えて表現を行なっていま

す。タイトル通りの青い炎を連想させるハーモニカの音色、メロディ。秀逸な出来栄えで

す。ただこのオリヂナルには音飛びがあるのです。最初から50秒過ぎ辺りが本来

の演奏進行とは違っています。おそらくはマスター・テイプの破損と思われまして、

かなり強引な繋ぎを施されて世に出ていました。

十代の頃に初めて聞いて以来、それがずっと気になっていたワツシイサヲという

男はなんとか復元したいと考えていましたが、行方不明の紛失箇所が手に入

る訳がなく、着手出来ずにいました。21世紀を迎え、ディジタルでの音楽編集作

業が当たり前になり、当時ちょうど録音スタジオ運営に従事していたワツシは、こ

の技術でなんとかやれるのではないか、と考えまして、丁稚奉公中のアシスタント・

エンヂニアをこき使って、この「ブルー・ライツ擬似完全版」を作り上げたのです。

ただ喜んだのは本人だけで、某コムピュータの奥底にファイルは仕舞われたままでし

た。今回、先ほどのお二人様と9500万人の方に何かプレゼントを、と考えた時、

この「ブルー・ライツ擬似完全版」が浮かびまして、検索し発掘、ここでお聞きい

ただいた次第です。お粗末。

 

M15.土曜の夜に何が起こったか(2’00”)

 石川晶 & The Jazz Rock Band  Alfa Singers

-M.Yamagami, K.Murai-  ポリスター MTCC-1001

 

N  先週の「ケメ子の歌」の反響には凄まじいものがありました。皆さん、こうい

うの好きなんですね。おまけに「わたしが別の某収録曲欲しさに同アルバム

『ギャグ・ジ ャムボリー』購入か」なんて投稿もされてしまいました。いや、本

当に聞きたかったのは藤田まことの「てなもんや三度笠」だったのですけれ

ど、こちらは全然知らない別の歌だったのです。一度アルバムを通してから、バ

ーブラ・デインの「イッツ・ナイス」を聞いていたら、「ケメ子の歌」が連想されて、そし

て・・・というのが真相です。

今の「土曜の夜に何が起こったか」がその疑惑を持たれた某収録曲でした。

「曜日歌」の関連を疑われましたが、これは今回初めて聞いた歌。主題歌と

なっていたテレビ番組も知りませんでした。出来につきましては、何も言わず

におきましょう。

では「曜日歌」の傑作を耳直しにお届けします。一時期この国で一番売れ

たシングル盤と持て囃されたこれです。

ダニエル・ブーンで、ご存知「ビューチフォー・サンデイ」

 

M16.ビューティフル・サンデー(3’01”)ダニエル・ブーン      

-R.Muqueen, D.Boone-  ユニバーサルUICZ-1352/3

 

N  ダニエル・ブーン「ビューチフォー・サンデイ」でした。これをわたしは、フォーリーブスの歌で

聞きました。「ハーッ、ハーッ、ハーッ」のところの2/4拍目でスネアを強調して盛り上げ

てましたね、覚えています。なぜかトシ坊が浮かんで来ちゃう。

これは図書館で借りてきた『ニッポン洋楽ヒッツ』というなかなか痛快なコムピ盤

に入っています。2010年の発売で、史上ここにしか入っていない楽曲もいく

つかありますね。邦題で並んでいるのも大変嬉しい。

そこで見つけた珍しい1曲を聞いて下さい。これです。

 

M17.アイ・ラブ・ロックンロール(3’00”)アロウズ  

-Merill, Hooker-  ユニバーサルUICZ-1352/3

 

N  フェイド・アウト尻、消え際が良くなかったですね、「アイ・ラブ・ロックンロール」、アロウズで

す。これは後にジョーン・ジェットとブラック・ハーツがカヴァして世界的なヒットになりまし

たが、オリヂナルが今のアロウズです。70年代に東京でヲッカ・コリンズのメンバだったアラン・

メリルの作品で、それ以前にはあまり知られていませんでした。イギリスでは少し

売れたのかな。解説には「清涼飲料水のコマーシャル云々」とありますが、それは

ジョーン・ジェットの方じゃなかったかな。

アランは、本当の産み母親は違うらしいけど、音楽をする上でこの暖簾を使わ

ない手はないと、ヌー・ヨークのため息ヘレン・メリルの子供で通ってます。70年代初頭

に日本に住んでいて、本場のロック感覚でギターを弾く事が出来た数少ない人間で

す。

彼の作った「アイ・ラブ・ロックンロール」をジョーン・ジェットは耳にして、当時自分の参

加していたグループのリパトゥワに入れようと働きかけたそうですが、聞き入れら

れず苦節八年、自分のグループでヒットさせたというお話が、この『ニッポン洋楽ヒッツ』

の解説にありました。お見事、ジヨーン。

そしてその時に彼女が在籍していたグループというのが、これです。

 

M18.チェリー・ボンブ(2’17”)ランナウェイズ

-J.Jett, K.V.Fowley-  ユニバーサルUICZ-1352/3

 

M19.春がいっぱい(3’00”)シャドウズ  

-Bennett, Welch-  ワーナー WPCR-17926

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  『ニッポン洋楽ヒッツ』からラナウェイズで「悩殺爆弾チェリーボーム」、そして最後は同類の

楽しいヒット曲コムピ盤、『DJ糸居五郎 黄金のレイディオ・ヒッツ ゴー・ゴー・ゴー!』

からシャドウズの「春がいっぱい」でした。インフルエンザを始め、風邪などを引いて

この季節を楽しめていない人たちにお送りします。山奥にいる臆病な人にも

ね。早く元気になって下さいよ。

「ありのままを教えてくれよ」とエアロン・ネヴィルに歌ってもらったのに、真相

は明らかになりませんでした。野党が全くダメだ。文春並みの調べが出来ない

んだ。調査費貰ってるだろうに。わたしは立川志らくと全くおんなじ意見。

「疑惑を深めてどうすんの」だ。これで終わりにしようというセーフの思惑は明

らか。監視を続けよう。

貴乃花の抵抗も身内の暴力事件発覚でお終いとは情けない。あれは刺され

たんだと見ていますね、わたしは。それと戦略が不味かった。聡い参謀が付

いていいなかったんでしょう。こうやって、旧態依然の体制は護られて行く

のです。24時間360度の監視を続けよう。

不調CDプレイヤーを指で高速回転させる話、いいですね。わたしの生活信条

は、「気に入った相手と長く付き合う」です。ヒトもモノもセカイもジダイも、もち

ろん音楽もです。どうぞ大切に使ってあげて下さい。こういうのは割と簡単

に治りますけど、修理に出すと定額最低一万円です。先日別の調子が今ひと

つだったCDプレイヤーの外装を、思い切って外して開けて自分で手入れしまし

た。「手入れ」という程のことでもないのですが、その結果、以前読まなか

った盤が再生できるようになり、特別付録も問題なく作れています。費用0

円。ウェブには各種の簡易修理法も揚げられていますから、ご参考に。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/7ebde6d87b5b812d3b09cb900120d7d984eb6320

   ダウンロードパスワードは、「uriurkti」です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

 

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/03/24

mb180324

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。3月21日、今年の春分の日は、

また雪でしたねえ。ちょうど降り始めた時は高層ビルの上層階に居まして、

「あ、雪だよ」なんて言っていました。ただ積もる程とは思っていなかった

んで、夕方に帰ってきて家の周りに雪が残っているのに驚きました。そうだ、

桜はもう少し待ってくれ。春は、少しづつ暖かくなるのが有難いのに、急に

20度を越えたり、雪が降ったりで、大いに乱れています。あ、これも春か。

さて今朝の1曲目は、何と言ってもこれでしょう。

「ありのままを教えてくれよ」、エアロン・ネヴィルです。

 

M01.Tell It Like It Is(2’41”)Aaron Nevile

-W,Smith sr., G.Davis- Curb D2-77303

 

N   27日の佐川宣寿前理財局長の国会証人喚問、色々な意味で楽しみです。こ

ういう時に重要なのは野党の姿勢。やたらと感情的に義憤をぶちまけるだけ

ではダメ。大義や正義を振りかざしても同じく。取り調べなんだから、小さな

事実を積み上げて行って、最後に「負けました」と言わせる。詰め将棋のよ

うにね。野党間で質問が重複して無駄にならないように十分な「談合」をし

てから臨む事を強く求めます。そして当の証人は「ありのままを教え」なけ

ればいけません。この場合は「テル・イト・ライク・イト・ヲズ」ですね。冒頭の宣

誓、これを儀礼と考えてはいけません。バチが必ず当たりますよ、サガワくん。

 

M02.Killing Blues(4’17”)Robert Plant and Alison Krauss

-R.J.Salley-  Rounder 1161-9075-2

 

N  ロバート・プラントとアリスン・クラウスで「キリング・ブルーズ」でした。2007年に発表され

たデューオ・アルバムからです。出た当初にラジオで少し聞いただけで、ここまで来

てしまいました。

先週、調子の悪い時代遅れの携帯型CDプレイヤーを、技術に詳しい知り合い

に診て貰いに行きました。そこで視聴用に使っていた盤がこの『レイジング・

サンド』で、修理完了後うっかり入れたままで持ち帰ってしまったのです。

こんな事から、アルバムを通して聴く事が出来ました。レッド・ゼペリンで全世界

のロック・ヴォーカルのスタイルを変えた、というかハード・ロックのヴォーカルを確立したロバート・

プラントがここでは別人のような歌唱を披露しています。今お聞きのように、ピ

ッタリと合わせず意識的に微妙なズレで表現されるヴォーカル・ハーモニーなど、聴き処は

多いですね。グラミーを獲ったのも分かります。

もう一曲聞きましょう。こちらはロバート・プラントだけで唄っています。

「嘘つき預言者」。

 

M03.Fotune Teller (4’30”)Robert Plant and Alison Krauss

-N.Neville-  Rounder 1161-9075-2

 

M04.クンバイヤ(2’55”)ショーン・バエズ

-trd.- King KICP 2931

 

N  ロバート・プラント、2007年アリスン・クラウスとのデューオ・アルバムから「フォーチュン・テラー」で

した。その次はジョーン・バエヅの「クムバイヤ」、先週バーブラ・デインでお届けした「カ

ム・バイ・ヒア」の、なんだろう、原曲とも違うし、深い関連のある曲、とでも

言えばいいのかな。私には何の事前認識もなかったのですが、バーブラの「カム・

バイ・ヒア」を聞いていて、「カム・バイ・ヒア」という繰り返しが「クムバイヤ」に繋が

って、ジョーン・バエヅを思い出しました。これは1963~4年の実況録音です。

66年の初来日の時も確か唄っていた筈です。

 

神様、ここへ来て下さい、仲間がお祈りをしています

   神様、ここへ来て下さい、仲間が眠っています

   神様、ここへ来て下さい、仲間が唄っています

   神様、ここへ来て下さい

 

そして、同じ題名でこんな物もありました。

 

M05.Khumbaya(3’48”)Soweto Gpospel Choir

-trd.- Shanachie 66038

 

N  南アフリカの合唱団、ソウェト・ゴスペル・クアイアで「クムバイヤ」、歌の内容は大体同じ

ですが、楽曲としての進行はかなり違います。こちらはこれで素晴らしい仕

上がりですね。

もともとはアメリカで唄われていたフォーク・ゴスペルの「カム・バイ・ヒア」がカリブ経由

でアフリカに伝わって「クムバイヤ」となり、それをジョーン・バエヅが逆輸入的にカヴァ

した、というのがわたしの現時点でお話し出来る解釈です。本当はアフリカ大陸

に「クムバイヤ」という掛け声があって、それが奴隷たちと共にアメリカ大陸に渡っ

てゴスペルと混ざって「カム・バイ・ヒア」に置き換えられたという説を立証したか

ったのですが、短い時間では無理でした。どなたかその他の事実をご存知で

したら教えて下さい。

では短期集中「クムバイヤ」考察の発端になったバーブラ・デインを今朝も聞き

ましょう。

「エイント・ゴナ・ギヴ・ノーバディ・ナン・オヴ・マイ・ジェリー・ロール」。

 

M06.Ain’t Gonna Give Nobody None Of My Jelly Roll(2’22”) Barbra Dane

-C.Williams, S.Williams-  Smithsonian Folkways SFW CD 40227

 

N  バーブラ・デインで「エイント・ゴナ・ギヴ・ノーバディ・ナン・オヴ・マイ・ジェリー・ロール」、

素晴らしいブルーズ唱法ですね。このアルバム『ホット・ジャズ、クール・ブルーズ、アンド・

ハード・ヒッティング・ソングズ』の2枚目にはこういったブルーズ・セッション的な録音が

沢山並んでいまして、そのどれもがこのような上手な節回しなんです。彼女

は一緒に旅公演に出ないかと誘われるまで、ルイ・アームストロングに気に入られたと

いう話は本当だろう、と思わせるに十分な感覚、技術の持ち主ですね。ブルーズ

を理解し、黒人の真似に走らず、自分なりに自然な表現として、伸び伸びと

唄っている。とても宜しい。

1961年、ロス・エインジェルズでの録音、ピアノはケニー・ウィトスン、ベイスがウェルマン・ブラッ

ドでした。

ではもう一曲バーブラ・デインで「イッツ・ナイス」。

 

M07.It’s Nice(4’08”)Barbra Dane

-M.Reynolds, B.Dane- Smithsonian Folkways SFW CD 40227

 

N  バーブラ・デイン「イッツ・ナイス」、繰り返す循環コードを聞いていて、連想したのは、

ポール・アンカの「ダイアナ」と、もうひとつ、何故かこれでした。

 

M08.ケメ子の歌(3’51”)ザ・ダーツ

-Y.Baba-  ポリスター MTCC-1001

 

N  ザ・ダーツ、1967の、たった1曲のヒット「ケメ子の歌」、バーブラ・デインの「イッツ・

ナイス」を聞いていたら、これが浮かんで来て困りました。ちょうど『ギャグ・

ジャムボリー』というノヴェルティ集を入手したばかり。それに入っていましたので、

お 届けしました。確かこれは共作曲として、他のグループの盤も出ていまし

たが、やはりザ・ダーツですね。ゴーストを巧みに使ったドラムスのビートが秀逸です。

全体進行は転調後に安易な演出で破綻を迎えますが、許しましょう。発売当

時は作者不明だった筈でしたが、この盤には「馬場祥弘」とクレジットされてい

ます。編曲がハマクラ、浜口庫之助でした。

さてこのノヴェルティ集『ギャグ・ジ ャムボリー』はなかなかよく出来ていましてね、

こんな決定的作品も収録されています。ご存知でしょうか、今年2月24日に

亡くなった左とん平です。

「ヘイ・ユウ・ブルース」。

 

M09.ヘイ・ユウ・ブルース(4’02”)左とん平    

-G.Goh, Y.Motizuki-  ポリスター MTCC-1001

 

N  左とん平「ヘイ・ユウ・ブルース」でした。カッコいいですね。テッテ的にやってます。

1973年の発表ですが90年代半ばだったかな、再発見されて密かな注目を集

めた事があります。マーヴィン・ゲイ調の素敵なアレンヂは深町純。パロディとして、

秀逸です。詞曲の発想が正しい。もちろんとん平の唄が最大の魅力です。

さて「ヘイ・ユウ、ワッチョネイム」を日本語で言いますと、こうなります。

 

M10.あなたのおなまえ何ァンてェの(3’28”)トニー谷

-Y.Aoshima, T.Moroboshi-  ポリスター MTCC-1001

 

 

N  怪人トニー谷で「あなたのおなまえ何ァンてェの」、これもドギツイ仕上げですね。

トニー谷の人格全開です。パカッションがわりのソロバンの音が入ってて欲しかったな。

こんな具合にノヴェルティ集『ギャグ・ジ ャムボリー』は充実度の高い内容です。最

低必要とされる楽曲周辺情報も付いていますし、歌謡曲研究家鈴木啓之の解

説も短いながらツボは外していません。2003年の発売です。知らなかったな。

ではもう1曲、決定的なこの歌です。

「老人と子供のポルカ」、左卜全とひまわりキティーズ。

 

M11.老人と子供のポルカ(2’47”)左卜全とひまわりキティーズ

-H.Hayakawa-  ポリスター MTCC-1001

 

N  「老人と子供のポルカ」、左卜全とひまわりキティーズでした。「ゲバゲバ」、これ

は主に大学生の武装闘争ですね。「ジコジコ」、これは自動車事故。交通戦争な

んて言葉が盛んに使われていました。「ストスト」こちらは、主に鉄道関係のストライ

キです。毎年春、春闘時期には多くの公共交通麻痺が年中行事のようでした。

いずれも1970年初頭の世相を賑わしていた現象です。現在なら「やめてけれ

ソンタク」、「やめてけれカイザン」でしょう。

さて先週、5月の中央エフエムのお話をしましたら、早速レターパックプラスが届きま

した。埼玉県川口市の黒子和弘さん、どうもありがとうございます。ただ宛

先に肝心のこれが、「御中」がないんですよ。

 

M12.スローなブギにしてくれ(3’02”)橋本 仁 

-T.Matsumoto, Y.Minami-   エイベックス AVCD-1110

 

N  「御中〜スローなブギにしてくれ」、橋本 仁でした。「御中」、これは昔マチャアキ

とジュンが「味覚糖 歌うバラエティ」で振り撒いていたギャグが基になっています。

さて今のレゲエ版「スローなブギにしてくれ」はその昔、1993年にわたしが面

白がって作ったもので、『ジェイ・ポップ・アイランド』という題名でエイベックスから出

ていました。もうこの頃「ジェイ・ポップ」なんて言葉が一般化していたんです

ね。その頃付き合いのあった演奏家を集めてね、かなりドタバタなセッションでした。

先週の南佳孝トリプル・プレイの後、NHKでも同類の番組があったそうですね、

類似穴さん、教えてくれてありがとうございます。それではこちらも『ジェイ・

ポップ・アイランド』から、もう1つ南佳孝楽曲で行きましょう。

「セクシー・ユー」、入道が唄います。

 

M13.セクシー・ユー(4’04”)入道

-E.Kisugi, Y.Minami-   エイベックス AVCD-1110

 

N  「セクシー・ユー」aka「モンロー・ヲーク」、入道に続けましょう。

「オリビアを聞きながら」、高島りんです。その後「浦島りん」と改名して、

ミュージカルなどで活躍しましたね。初めて会った時に「メイヴィス・ステイプルが好き」

と言われて、わたしは少々驚くと同時にとても嬉しくなりました。

彼女が24年前に思い切り歌ってくれた、

「オリビアを聞きながら」。

 

M14.オリビアを聞きながら(3’57”)高島りん

-A.Ozaki-   エイベックス AVCD-1110

 

M15.ジャマイカ事情(4’20”)ランキン・タクシー

-T.Shirahama- ワツシ / ヴィヴィドWAZCD -002

 

N  「オリビアを聞きながら」、高島りんに続いては、ご存知「ジャマイカ事情」、ランキン・

タクシーでした。以前ある場所で出会った写真家が個展を開きまして、その初日

に出掛けて行きました。「RM」という名で親しまれていたレゲエ・マガジーンの写

真を撮っていた人で、90年代以降のジャマイカの風景、音楽家など沢山の画像を

見せてもらえました。どれもとても大きく引き伸ばされていますが、画質に

乱れがなかったのには驚きですね。まだフィルムを使っていた時代の作品もあっ

た筈です。

こういう写真を見ると、この島はとにかく陽の光が違うんだ、という事を

思い知らされます。それに褐色の肌がとても映える。どれも良いバランスでした。

とは言え、わたしが興味をそそられたのはタフ・ゴング・スタジオのライヴ・ルームに

何気なく置かれていた、ギター・アムプのケイスです。「ボブ・マーリー・アンド・ザ・ウェイ

ラーズ」とプリント版で印字がしてあってね、興奮しました。

そこ以外のスタジオ写真もあって、ペントハウスのコントロール・ルームの写真は懐かしかっ

たですね。機材は入れ替わっていましたが、先ほどの「ジャマイカ事情」は、そ

こでミクスをしたのであります。

その他、一緒に仕事をした唄い手が何人も大版の写真になっていました。

 

M16.遥かなる影(3’56”)ジュディ・モワット        

-H.David, Bbacharach- ポリスター PSCW-5078

 

M17.ゼン・シー・ウォークト・アウェイ(4’03”)スリラーU    

-B.Scaggs- ポリスター PSCW-5011

 

N  ジュディ・モワットで「遥かなる影」、そしてスリラーUが唄った、ボズ・スキャグスの「ゼ

ン・シー・ウォークト・アウェイ」、いづれも国内企画のラヴァーズ・ロック・シリーズからお届け

しました。ジュディ・モワットは話になかなか乗ってくれなくてね。家まで尋ねて

行って説得しました。最後は現金をチラつかせて落とした、そんな感じです。

彼女の底力はこんなもんじゃ無いでしょうが、それでも楽に合格点の唄を決

めてくれたのは流石だなあ、と思いますね。

スリラーUは、当時全盛だったダンスホール・スタイルより、こういうラヴァーズ・ロック調の

楽曲を唄いたがっていて、とても熱心に取り組んでくれたのが印象的でした。

次はジョニー・オズボーン。彼とは以前この島で、ランキンの『ワイルドで行くぞ』

の時に、ボビー・ディジタルのところでFM802の局ジングルの吹き込みをして貰っ

ていて、能力は充分に分かっていましたから、このの企画に参加する約束を

していました。けれど予定の当日現場には現れませんでした。彼の地ではこ

ういう事はさほど珍しくもないので、わたしも残念ながら「やっぱりな」程

度の受け取り方でした。

そして翌3月、私がまたキングストンに行って同じスタジオで仕事をしていたら、

突然現れたのです。そして「約束通り来た」と言うんですね。うるうでない

年の2月と3月は、日付けと曜日が同じですから、間違ってはいない。本人

は3月のつもりだったのでしょうか。まあ彼に限らずジャマイカ人はそこに居る

時に捕まえないとダメ。約束できるのは明後日までです。これは大きな教訓。

ジョニーにはせっかくですから、急遽唄って貰ったのが、この「アントニオの唄」

だったのです。調子良かったですよ。初めてなのに「これは俺の歌じゃない

か」なんて言って、得意のアドリブを沢山入れてくれました。虹の七色に「黒」

と「白」が入ってるのはご愛嬌でしょうか。この時はもっと衝撃的な事実に

遭遇したのですが、それはまた次の機会にお話ししましょう。

では「アントニオの唄」、愛すべきジョニー・オズボーンです。

 

M18.アントニオの唄(4’18”)ジョニー・オズボーン     

-M.Franks- ポリスター PSCW-5011

 

N  「アントニオの唄」ジョニー・オズボーンでした。先ほどの写真展は、済みません、今

日までです。偶然六本木に出かける用事でもありましたら、お寄り下さい。

写真展 I Shot Jamaica

六本木5-10-33 芋洗い坂を下って行って左側のストライプハウスギャラリー

今日の19時まで。入場無料です。

 

M19.Club Francais Blues(3’11”)Mary Lou Williams   

-M. L. Williams –  Gitans 013 1411-2

 

N  「クラブ・フランセ」メリー・ルー・ウイリアムスのソロ・ピアノでした。ストライド式の左手が実に

巧みです。1954年、パリでの録音でした。収録アルバムは『ジャズ・イン・パリス』

というジターンから出ていた編集物です。別に春に主題を求めたものではないの

ですが、わたしには何故か3月を連想させるインスピレイションがありまして、今月

はずっと玄関に飾って置きました。その3月も来週でお終いです。早いなあ。

そしてわたしの4月は3日の「ブルースをよろしく!  ありがとう妹尾隆一郎」

で始まります。もう目前に迫っております。今朝も一曲聞いて下さい。

アルバム『ブギー・タイム』からです。

「ヨー・ライフ・アンド・マイ・ライフ」。

 

M20.Your Life And My Life(3’34”)妹尾隆一郎  

-R.Senoh- Pヴァイン PCD-5742

 

M21.Sweet Lil’ Devil(2’36”) B’z         

-K.Inaba, T.Matsumoto-   BMCR-6602

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  最後はビーズの『セブンス・ブルーズ』から「スウィート・リル・デヴォー」の後半部分で

した。このハーモニカが妹尾隆一郎です。彼らの代表作とも呼ばれるこのアルバムに

は、隆一郎はもう一曲参加しています。1994年の録音でした。

ビーズのおふたりは義理堅く、「ブルースをよろしく!  ありがとう妹尾隆一郎」

にお花を出してくれました。ありがとうございます。ホームペイヂの「ご供花ご

芳名一覧( https://bluesisalright.wixsite.com/thanks-senoh/memorial )では、

ここまでにご供花いただいた方々のお名前をご覧になれます。

さて、この「幻」が復活する切っ掛けを作ってくれたツイターが閉鎖になりま

す。長い事お世話になりました。ありがとうございます。管理人さまからの

ご挨拶をそのまま引用いたします。

以下。

 

大家様のところでTweetが見られるようになって久しく、
   こちらからはWidget撤去いたしました。
   少ししたらこの場所自体を削除します。

   若くても亡くなることはあるのだから、
   やりっ放し事案はなるべく減らそうと想いましてね。

   ありがとうございます(^^)/~~~♪

 

以上。

 

先ほども言いましたが、この緊急避難ツイターへの皆さんの投稿を読んで、「幻」

復活をわたしは決心したのです。心からご尽力に御礼申し上げます。

もう一度、どうもありがとう。「こひ」さんでしたよね、管理人さまは。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/22c6d05caa9b03716a22e9a379c5b880554cd242

  ダウンロードパスワードは、q18uik1sです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/03/17

mb180317

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

初夏のような気温上昇がありまして、すぐに桜も咲いてしまいそうです。

わたしの気分と致しましては、もうちょっと焦らし気味にゆっくりと暖かく

なって欲しいのですがね。でも昨日は夜が寒かった。

さて、ずっと探していた男です。実は亡くなったんじゃないのか、とも思

っていましたが、ここでこんなに元気に叩いていました。その名はハワード・グ

ライムズ。あのハイ・リズムの心臓です。ボーキイズというグループの演奏、2017年の録

音で健在ぶりを聞いて貰いましょう。

「ハイ・ローラー」。

 

M01.Hi Roller(2’54”)ボーキーズ

-Franklin, Bomar, Pitts- Pヴァイン PCD-93423

 

N  アル・グリーンが出てきそうな音でしたね。紛れもなくハワード・グライムズのドラムズ

です。ボーキーズで「ハイ・ローラー」でした。昨年のロバート・クレイの傑作にはハイリズムの

面々が付き合って、極上の南部ソウルのバックビートを供給していました。ただドラム

ズだけが異なっていました。これはプロデューサーがスティーヴ・ジョーダンで、自らが

叩くから納得出来ますが、それ以前に観た映画「約束の地」にもハワードは出て

来なかったので、「ひょっとしたら・・・」とも思っていました。あるところ

でそんな事を話したら、「ここで今まで通り演ってるよ」と教えられたのが、

この盤だったのです。

スタックスのバーケイズに在籍していたメムバーを中心に組まれた、セッション的なグループ

がボーキイズの実態で、1枚目ではあのウイリー・ホールがドラムズだったと言います。

そして2017年に発表したのが、このアルバム『ガット・トゥ・ゲット・バック』でした。

今回はウイリアム・ベル、オーティス・クレイらがヴォーカルで参加している点が話題を呼んで

いますが、わたしの興味は器楽曲で、今の「ハイ・ローラー」は冒頭曲でした。短

い導入部の後、すぐにハワードだと分かるとリズムが叩き出されます。これで充分

ですね。「雀百まで踊り忘れず」でした。

 

M02.Just Chillin’(3’32”)ボーキーズ

-Bomar, Camble, Franklin, Pitts – Pヴァイン PCD-93423

 

N  ボーキーズで「ジャスト・チリン」、こちらもインストゥルメンタルですが、「ちょっと待ってく

れ、これはアレじゃないのかい」、という声が、あちこちから聞こえて来ていま

す。

その「アレ」とは「コレ」でしょ。

 

M03.Soul Finger(2’22”)Bar-Keys

-J.King,P.Jones, C.Cunningham, B.Cauley, R.Caldwell, J.Alexandet-

ワーナー WPCR-27517

 

N  バーケイズの「ソウル・フィンガー」、1967年のスマッシュ・ヒットです。ボーキイズは余裕でそ

のパロディを演っています。楽しそうです。

バーケイズというのは、スタックスに集まってきた第二世代の楽器演奏者たちの集

まりで、オーティス・レディングのロード・バンドを務めて名前を知られるようになりま

した。ブッカー・ティー・ジョーンズ達のエム・ジーズは本拠地メムフィスのスタックス・スタジオでの

録音が主な仕事ですから、地方巡業のドサ回りはこのマーキーズが請け負っていた

訳ですね。それが災いしたか、移動中の飛行機事故でオーティスと共にメムバの殆ど

が亡くなってしまった後、生き残った、「ソウル・フィンガー」の作者ににも名を連

ねているジェイムズ・アレグザンダーを中心にグループを復活させて、ブラック・ロックを標

榜し黒人音楽の新時代を築いたのはご存知の通り。多分オーティスと一緒の頃はメム

バも流動的だった筈です。だから自称在籍者が多いようですが、そのブランド

は、今も充分に通用することの証明が、このボーキイズです。

ハワード・グライムズはやはりメムフィスの生まれで、エムジーズのアル・ジャクスンにドラムを

教えてもらって、ハイ・レコードのプロデューサー、ウイリー・ミッチェルの下で、あの凄まじい

ドラミングを確立しました。リーロイ、チャールズ、ティーニーのホッヂズ三兄弟と組んだハイ・

リズムはスタックス没落後の南部ソウルのお手本となりました。わたしは外苑の日本青

年館の舞台上至近距離でこの4人の演奏に接して、「極東の黄色人種がどんな

に努力精進しても、絶対に敵わない」という現実を体感しました。衝撃でし

た。

そのハワードはベイスのリーロイ・ホッヂズと仲が悪くなっているらしく、先のロバート・

クレイの録音にも参加しなかったようです。あれほど息の合ったビートを打ち出し

ているのに、分からないものですね。仲違いは最近の事なのかな。今回はハワ

ードと再開出来て、本当に嬉しい思いです。

ではハワード・グライムズが叩いているボーキイズのアルバム『ガット・トゥ・ゲット・バック』

から、今度は「ジャック・アンド・ジンジャー」、これはなんのパロディでしょうか。

 

M04.Jack And Ginger(3’06”)ボーキーズ

-Franklin, Bomar, Pitts – Pヴァイン PCD-93423

 

M05.Green Onions(2’50”)Booker T. & M.G.’S

-Jones, Cropper, Steingerg, Jackson-  Warner 9-27601-2

 

N  はい、その通り。エムジーズの「グリーン・オニオンズ」のパロディで「ジャック・アンド・ジ

ンジャー」でした。ボーキイズのユーモア感覚、たっぷりとお楽しみ頂けましたでしょ

うか。

 

M06.Outside Woman(4’46”)Blood Stone

-Williams-  London 820 571-2

 

N  久し振りのR&Bヴォーカル・グループはブラッド・ストーン。1974年のヒットです。彼ら

はカンザス・シティの出身ですが、ロンドンに渡って成功を掴みました。この「アウトサイド・

ヲーマン」は、彼の地のロンドン・レイベルで出ていましたね。わたしもアナログLPを持

っていました。お聞きのように造りは完全にアメリカ調で、やはりイギリスより本国

で受けました。ビルボードのR&B番付では2位を記録しています。本来は楽器

演奏と唄を一緒に行うグループでしたが、後年はヴォーカル・グループとして唄に専

念していました。この「アウトサイド・ヲーマン」のヒットもその切っ掛けになったのか

も知れません。CDで見つけて、久しぶりに聞きました。やはりとても宜しい。

ボカア、死ぬまで君を話さないぞ、いいだろ。

さて、次も墓穴持ち込みの1枚になりそうです。先週お届けしたウエス・モンゴ

メリの未発表ライヴ盤、パリの実況録音です。音がいいですね。多分会場の音響

もあるでしょうが、フランスの人々が礼儀正しく聴いている態度が伝わってきま

す。アメリカだとどことなく騒がしく演奏自体もそれに準じた形になるのですが、

この音楽会は外来の芸術を全員が鑑賞しています。ジャケット中の写真では4人

にそれぞれマイクロフォーンが1本ずつ。ほとんどが間接音です。当然、モノーラル。これ

が大変宜しい響きとなっています。

ウエスの演奏も落ち着いた中にたくさんの閃きが相次ぐ優れた物で、翌年以

降に確立されるウエス・モンゴメリ・スタイルが随所に出てくるのも興味深いところ。

今朝は後にスタジオでも吹き込んでいる、

「ヒアズ・ザット・レイニー・デイ」を聞いて貰いましょう。

 

M07.Here’s That RainyDay(8’31”)Wes Montgomery

-J.Burke, J.V.Husen-  Resonabce HCD-2032

 

N  「ヒアズ・ザット・レイニー・デイ」、ウエス・モンゴメリでした。

次も先週ちょっとご紹介した新譜です。まずは聞きましょう。

クリス・ステイプルトンで「トライング・トゥ・アンテイングー・マイ・マインド」。

 

M08.Trying To Untangle My Mind(3’14”)Chris Stapleton

-C. Stapleton, M.Henderson- Mercury 0060255970593

 

N  「心を落ち着かせようとしているんだ」、クリス・ステイプルトンでした。バック・グラ

ウンド・ヴォーカルがいいですね。タムブリーンを叩きながら一緒に歌っているのは、モー

ガン・ステイプルトン、奥さんかな、娘さんかな。クリスの音楽には、一般的なカントリーで

連想されるような軽快さはありません。アメリカ大陸の大きさ、深さを感じさせ

てくれるような重たいビートが魅力です。

新しいアルバムの冒頭曲を聞きましょう。

「ミリオネア」。

 

M09.Millionaire(3’30”)Chris Stapleton

-C. Stapleton, M.Henderson- Mercury 0060255970593

 

M10.Them Stems(3’01”)Chris Stapleton

-C. Stapleton, J.Stewart, S.Camp- Mercury 00602557420692

 

N  「百万長者」に続けましたのは、「ゼム・ステム」。前のアルバム収録曲です。演奏

家は、ほぼ一緒。モーガン・ステイプルトンも同じくバック・グラウンド・ヴォーカルとタムブリーン。

新しい盤の方が楽器が少なくなっているのが興味深いですね。普通ですと、

編成は徐々に複雑に大掛かりになりがちですが、クリスの場合は、ここまでは逆

です。

このアルバムを聞いていると連想されるのは、ルーカス・ネルスンの『プロミス・オヴ・ザ・

リール』、こちらも軽快さより重いビートが印象的なカントリー・アルバムでした。ただ歌

声が父親そっくりの繊細さを備えていますので、そこが肝になっているかも。

曲によってはウイリーよりもいいのでは、なんて思いでここのところ聞いていま

す。

では最新作から、「イフ・アイ・スターテド・オーヴァ」。

 

M11.If I Started Over(3’11”)Lukas Nelson

-L.Nnelson- Fantasy / Universal 0888072033481

 

N  「イフ・アイ・スターテド・オーヴァ」、ルーカス・ネルスンでした。唄がいいですね。ただし声

がここまでそっくりですから、このままじゃウイリーII世で終わってしまう可能

性があります。何か違う強烈な個性を期待しましょう。

次はバーブラ・デインという女性フォーク歌手。今年で92歳という超ヴェテランです。

彼女の豊富な録音を簡潔にまとめた2枚組が出ました。これも面白い内容で

す。まずはお聞きいただきましょう。この歌はご存知の方が多いと思います。

「カム・バイ・ヒア」。

 

M12.Come By Here(5’33”)Barbra Dane

-trd.-  Smithsonian Folkways SFW CD 40227

 

N 「カム・バイ・ヒア」、バーブラ・デインでした。ご存知の方が多い訳は、ちょっと先

送りにして、このテイクなかなかいいアンサムブルですね。長さを感じない。1966年

の作品です。

66年と言えば、北米大陸でフォーク・ソングが市民権を完全に獲得して、大きな

勢力となり、人種差別やベトナム戦争への反対運動に繋がって行った頃です。

「歌は世に連れ、世は歌に連れない」というのがランキン・タクシーの持論で、こ

れにはわたしも同意せざるを得ない状況がこの国にはありますが、アメリカでは

世も歌に連れるのですね。

昨日は子供達が先日の銃乱射事件に抗議して死者の数と同じように17分の

授業ボイコットをした、というヌーズを見ました。偉いね。もちろん誰か大人も関

わっているのでしょうけれど、子供達はしっかりと自分の言葉で抗議をして

いました。何処かの国の理財局の役人より、よほど明確な発言だ。

片や、国民としての自分たちの尊厳を奪った男に対し、「もっと労働環境改

善、政治改革、経済政策の成果を認めても良いんじゃないか」なんて発言を

する市井の人間がいる国です。そればかりか、文部科学省が辞職した他の省

庁の人間の講演内容を牽制監視するという、考えられない暴挙を犯し、「問題

ない」とウソブいている。部分的にしか読めないけれど、あの調査文章の卑屈

さ、実に恥辱だ。

ここまで来るともう戦前戦中の言論統制に近い。ナチだ。題名が出て来ない

んですけど、独裁者に隠しカメラで監視されて、半権力思想を読まれてしまう男

の悲劇、確か無声映画だったアレを思い出しました。怖い。こんな事を言って

るわたしも樺太で強制労働か。この国には世の中を引っ張る歌すらないので

しょうか。

さて、バーブラ・デインです。フォークというと、もちろん「かぐや姫」とかのフォー

クじゃないですが、カントリーとも違いまして、かなりインテリ的な音楽になりますね。

社会問題、特に人種的な差別に敏感な人たちが惹かれる音楽でもあります。

バーブラも親の黒人差別に反発を感じてからフォークの世界に深く入って行った

と言います。親が反面教師だった訳です。38曲入りのコムピ盤には様々なスタイル

が収められていますが、わたしが強く感じたのは彼女のブルーズ音楽への共感

でした。

 

M13.Truck Driving Woman(5’05”)

-S.Kahn-  Smithsonian Folkways SFW CD 40227

 

M14.サンセット・サンセット(5’06”)久保田麻琴と夕焼け楽団

-pd.-  徳間 30JC-147

 

N  バーブラ・デインの「トラック・ドライヴィング・ヲーマン」1982年の録音でした。ブルーズ

とは言え、随分純粋な響きですね。人格の表れでしょうか。そこに被さって

きたのは、先週の「ゴジラ」アルバムから「サンセット・サンセット」久保田麻琴と夕焼け

楽団です。これも渋谷ジアン・ジアンでの実況収録。多分その場のジャム・ブルーズ

でしょう。妹尾隆一郎がハーモニカで締めています。

録音詳細によれば最初のギター・ソロは、「レイジー・キム」となっています。この

人は、実演家としてこの国で黒人ブルーズ音楽を最初に正しく理解した人で、

隆一郎に「ウィーピング・ハープ」というミドル・ネイムを付けたのも彼なんです。

70年代初頭に東京で暮らしていまして、当時は全く数が少ないこの手の音

楽を演奏できるライヴ・スポットに時折出演していました。英語を分かっていたの

が強みですね。隆一郎の最初のLP『メッシン・アラウンド』の実質的なプロデューサーで

もあります。自慢ではないですけれど、19歳のワツシイサヲは、レイジー・キム・ブルーズ・

バンドの前座をやらせて貰った事があります。

その後いつの間にか東京からいなくなって早40年近く。それが今回行わ

れる「ブルースをよろしく! ありがとう妹尾隆一郎」に、なんと献花をしに来

てくれる事になりました。これは一大出来事。事件です。この場で唄や演奏

はありませんけれど、安っぽいレジェンドではなく本当の伝説です。

わたしはこれを考えると興奮して仕方ない。レイジー・キムと言うからには「木

村礼司」とか言うお名前だと思っていましたが、「中川公威」でした。ご供花

も頂いています。皆さんも、会場でぜひ見てください。

 

M15.冬の散歩道(2’19”)サイモンとガーファンクル 

-P.Simon- ソニー SRCS 7445

 

N  冒頭と同じことを言います。わたしの気分と致しましては、もうちょっと焦

らし気味にゆっくりと暖かくなって欲しいのですがね。そんな思いを込めて

お届けしました、「冬の散歩道」、サイモンとガーファンクルでした。ザ・ランチャーズの「真

冬の帰り道」の題名はここから来ているのではないかと考えたこともありま

すが、あんまり関係ないですね。

ここのところのわたしの興味の対象である曜日歌謡曲、サイモンとガーファンクルに

は正に決定的な1曲があります。かつてそのまんま生放送に使った事もあり

ます。覚えていてくれてますよね。

それで思い出したサイモンとガーファンクル、わたしたちの年齢の人間はたぶん誰で

も多かれ少なかれ聞いて来たはずです。映画「卒業」が大ヒットした事もあった

でしょうし、何しろ圧倒的に健全ですから、良識ある少年少女はみんな支持

していました。わたしは映画など観に行ったら2ヶ月間身動きが取れなくな

ってしまう位に貧しかったですし、「音楽はエルモア・ジェイムズだよ」なんて言う

生意気な小僧でしたから、ラジオで耳にするヒット曲しか知らなかったですね。

高校生の時にちょっと気になった女の子がいまして、お節介なのが「S&G

が好きだってさ」と教えてくれた時には、「嗚呼、この人とはやっていけない

んだな」と遠い距離を感じたものです。今なら違います。大丈夫です。

あ、そんな事はどうでもいいですね。サイモンとガーファンクル、少し聞きましょう。

映画「卒業」から、「4月になれば彼女は」。

 

M16. 4月になれば彼女は(1’51”)サイモンとガーファンクル

-P.Simon-  ソニー MHCP-2965

 

M17.ボクサー(5’09”)サイモンとガーファンクル

-P.Simon- ソニー SRCS 7445

 

N  「4月になれば彼女は」、「ボクサー」、いずれもサイモンとガーファンクルでした。

4月になればわたしは、またひとつ歳を取ります。ポール・マカートニが誕生日を

祝って1曲プレゼントしてくれるそうです。

皆さんも贈り物は、以下の宛先までどうぞ。

郵便番号104-0031東京都中央区京橋3-1-1 東京スクエアガーデンB1F

中央エフエム「モーニン・ブルーズ」係

 

M18.スローなブギにしてくれ(3’12”)南佳孝      

-T.Matsumoto, Y.Minami-  ソニー DOCL 2035

 

N  今の分かりましたか、「『中央エフエム モーニン・ブルーズ係』御中」、なんですけど。

この歌「スローなブーギーにしてくれ」が流行ってた頃、1981年ですか、いく先々

でこのギャグを飛ばしてたんですけど、誰にも笑って貰えなかった。

それはともかく、先週3月6日の NHK総合テレビの「うたコン」観ましたか。

毎週苦しい特集形式で、この晩は松本隆の作品を集めてたのかな。その関連

で南佳孝が突然出て来て、司会者が告げたリクエストの宛て先の「NHK放送セン

ター うたコン係」の後に「御中」と歌い出したんです。

この番組、いかにも実演風ですけど、ほとんどは事前の録音に唄い手がエヅ

ラ合わせをしているだけでね。スリルも説得力も何もない。古い歌を唄う若手歌

手の表現力の貧困さと言ったら、もう・・・。

この時の佳孝はちゃんとバンド従えて、当然「生」で「御中」です。カッコ良

かったな。ギターは鈴木茂でね、これもよかった。松本隆も佳孝には真剣な詞

(ことば)選びをしていたように思えます。

振り返りますと、「音楽はエルモア・ジェイムズだよ」なんていってるわたしも南

佳孝はずっと好きでしたね。はっぴいえんど周辺にはあまり馴染みがないの

ですが、彼は特別でした。手短かにいえば、何より唄の表現に真剣だ、とい

うところが目を離せないところでしょうか。美学に妥協がない部分にも納得

出来ます。

いや、このうたコンの時は本当にカッコ良かった。わたし次の日にベスト盤を買っ

た位です。CDではこれまで『セヴンス・アヴェヌー・サウス』しか持っていなかったで

すから。

この国のベスト盤の常として、ジャケットやクレジット詳細に愛情が感じられないも

のの、選曲が間違っていませんで、これは良かった。そこからもう少しどう

ぞ。

 

M19.モンロー・ウォーク(3’31”)南佳孝

-E.Kisugi, Y.Minami-  ソニー DOCL 2035

 

M20.黒猫(シャ・ノアール)(4’22”)南佳孝

-Y.Minami-  ソニー DOCL 2035

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  南佳孝、「モンロー・ヲーク」、これも良いですね。郷ひろみのヴァージョンはとっくに

吹っ飛んでいますが、こちらは今も心に残っています。

今朝の最後は「黒猫」です。新規聴取者の黒猫さんに3週連続でお送りい

たします。これも好きだったな。詞曲とも佳孝本人。唄の背景にはちょっと

心当たりが・・・。エドワード・ホッパーの有名な「夜更かしをする人たち」がジャ

ケットのアルバムでしたね。トニー・レヴィンがベイスで参加してるんじゃなかったかな。「ニ

ーナ・シモンが大好きな女だった」なんて出てくる所、たまんないね。以上、南佳

孝で3曲お届けしました。

音楽雑誌エリスの最新号が出ています。このアドレスでお読みになれますよ。

わたしは糸居五郎師のあのアルバムについて調子に乗って喋ってます。以下、

そのありか、http://erismedia.jp/  お早めにどうぞ。

「ブルースをよろしく! ありがとう妹尾隆一郎」は4月3日北沢タウンホールで開

催。入場、献花は無料です。どうぞお越しください。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/cd510cfe0b8e191e9983783e5671e4be50271612

   ダウンロードパスワードは、b9n69jnfです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 


【幻】モーニン・ブルーズ 2018/03/10

mb180310

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。急な気温変化、天候もよく変わり

ますね。結構寒い日もありますが、同じ気温でもあのキョーフの寒さとは違うみ

たいな感じがしてませんか。これが季節の変わり目か。

先週末に危うく抱え込みそうになった風邪、なんとか水際で食い止める事

が出来ました。邪気を皆様の呪いが吹き飛ばしてくれました。ありがとうご

ざいます。

ところで、来ましたよ、また。今度は、ジャマイカの星、ボブ・マーリーです。

曲は「アイ・ショット・ザ・シェリフ」。

 

M01.I Shot The Sheriff(3’28”)Sao Vicente feat. Marlene

-B.Marley-  Musi Brookers MBB 9749  歌謡曲

 

N  火曜日に荷物が届いて「はて」と開けたら先週のザ・ローリング・ストーンズ楽曲集

と同じシリーズのボブ・マーリー篇でした。注文した事忘れてましたね、スッカリ。収め

られているのは有名曲ばかり。今の「アイ・ショット・ザ・シェリフ」はなかなかの出来

です。中間部は、ヒットしそこなった歌謡曲にも聞こえます。ボブ・マーリーの歌は、

結構歌謡曲的ですよ。

演者はサオ・ヴィセント・フィーチュアリング・マーリーンとなっています。居たね、フィリピーン

の唄い手でマリーンていう人。昨今さっぱり見かけなくなりました。母国に帰っ

たのかな。

さてこの『ボッサン・マーリー』には先週のアマゾニクスも参加して居まして、全体の

感触はストーンズ篇と同じようなものです。「ボブ・マーリーはね・・・」「ボッサ・ノーヴ

ァっていうのはさ・・・」などと、本気で聞いちゃいけません。カルーく流して

下さい。

ではもう1曲どうぞ。

「ワン・ラーヴ」。

 

M02.One Love(2’34”)Anakelly

-B.Marley-  Musi Brookers MBB 9749

 

N  さて本気で聴いてはいけない「ワン・ラーヴ」から、急激に真実味の溢れた正音

楽に切り替割ります。

今年没後50年となるウエス・モンゴメリーのパリ実況録音盤が出ました。3月の演

奏ですから、ちょうど53年前です。シャムプス・エリシーズ劇場での実演、ウエスの他

は、ハロルド・メイバーンがピアノ、アーサー・ハーパーのベイス、そしてジミー・ラヴレイス、ドラムス

のクヲ-テット編成。全10曲中、3曲はテナー・サクスフォンのジョニー・グリフィンが参加してい

て、とてもエッヂの立った鋭い演奏が収録されています。特に冒頭の「フォー・オン・

シクス」では即興の虹色メロディが溢れ出ています。火花が飛んでいるような凄い

インスピレイションです。65年というと、ヴァーヴでイージー・リスニング・ジャズに手を染め

る直前ですね。あれはあれで素晴らしくわたしは大好きですが、こういう丁々

発止のやり取りがやはりウエスの本領だったのでしょう。日本でもキングから国内

盤が出ています。この時の欧州演奏旅行で出演したBBCの録音も含めた完全

版もあるようですが、この2枚組『イン・パリス』、2018年春のハイライトになる事で

しょう。

お聞きください、ウエス・モンゴメリー1965年3月のパリ実況録音で

「フォー・オン・シクス」。

 

M03.Four On Six(6’35”)Wes Montgomery

-W.Montgomery-  Resonance HCD 2032

 

M04.Midnight Train To Memphis(3’42”)Chris Stapleton

-C.Stapleton, M.Henderson-  Mercury 00602557420692   40days 40nights

 

N   今度は3月のパリからアメリカ南部の深夜に切り替わり。忙しい今朝のモーニン・

ブルーズです。これはクリス・ステイプルトンの新作から。「ミドナイト・トレイン・トゥ・メムフィス」。

同じ題名のR&Bのコムピレイションが・・・、あれはナッシュヴィルだったかな、まあと

にかく似たような物がありました。今のはクリス・ステイプルトンのオリヂナル曲です。

去年手に入れた彼のアルバムが何故かいつも見えるところにずっと置いてあ

りまして、ジャケットが目に焼き付いていたんです。そして今年になって見つけ

た新録も、なんと色違いの同じ図柄。握手券目当てヲタ向けのアイドル新譜別仕様

か、と思われてしまいます。ただこちらはれっきとした新譜。収録内容も違

います。出来はいいですよ。ロッキー山脈を背景にした広大な荒野で思い切り叫

んでいるような響きです。また改めてご紹介しましょう。

さて最近下火というかもうすっかり忘れられてしまったような「聞き鉄」

まだ渋とく続きます。メムフィス行きに続いては、9番列車が走ります。

タヒール・スリムで「ナムバー・ナイン・トレイン」。

 

M05.Number 9 Train(3’03”)Tarheel Slim

-Robinson-  BSMF 7553

 

N  先週もお届けした、ファイア、フユーリーのコムピ盤からタヒール・スリムで「ナムバー・ナイン・ト

レイン」でした。ファイア、フユーリーのコムピ盤と言いますと、数年前に某イギリス人が選ん

だ編集物がありました。先週からここで紹介しているのは同レイベルから発売に

なったシングル盤に限っての収録ですら、かなり内容は異なっているでしょう。

それでは、1959年のシングル盤「ルックアウト」をどうぞ。

 

M06.Lookout / Rockin’(1’42”)Rockin’ Bradley

-J.Bradley-  BSMF 7553

 

N  ロッキン・ブラドリーの「ルックアウト」でした。疑似リトル・リチャードのノヴェルティ曲。秀逸な出

来です。恐れ入りました。潔い長さも大変宜しい。大いにケッコーでした。

次は語り入りの長尺物。これは「パートI & II」とありますから、シングルの両

面に振り分けられていたのでしょう。

聞かせてくれますよ。「ゼアズ・サムシング・オン・ヨ・マインド」、

ボビー・マーチャンです。

 

M07.There Is Something On My Mind Part I & II(4’52”)Bobby Marchan

-B.J.McNeely-  BSMF 7553

 

M08.Going Back To My Hometown(2’44”)Hal Paige & The Whalers

-Robinson, Paige-  BSMF 7553

 

N  ファイア、フユーリーのコムピ盤から、今朝の最後はハル・ペイジュとウェールズで「ゴーイング・

バック・トゥ・マイ・ホームタウン」でした。殆どスカでしたね。ビッグ・バンド・ジャムプと

ビッグ・バンド・スカにはたくさんの共通点がありますが、R&Bでこんなにスカ的

な演奏も珍しいでしょう。ひょっとしてキングストンのグループだったりして。

さて、先々週の2月24日、タクシドライヴァ45979さんから頂きました。以下。

「さっそくですが、ジェニファー・ロペス主演のT.Vドラマ(D-LIFE)『ジェ

イズ・オブ・ブルー』の挿入歌に『悲しき願い』がありますとても切なく良

い感じです。もしご存じでしたらよろしく」

その後で、これはニーナ・シモンだった、というお便りも頂きました。そうです

か、これも偶然かなあ。わたしも「悲しき願い」が最初はニーナの歌で、それを

エリック・バードンが気に入って自分たちのリパトゥワにした、という話をどこかから

か聞きつけて、ニーナの吹き込みを探していたんです。その間に、アニマルズ時代に

エリックはニーナの歌を何曲も採り上げているのに気づきました。

今朝はそんな各曲を聞いて行きましょう。まずは決定的なこれですね。

「悲しき願い」。

 

M09.悲しき願い(2’45”)アニマルズ

-B.Benjamin, S.Marcus, G.Caldwell-  東芝 TOCP-71425

 

N  「悲しき願い」、ディ・アニマルズでした。ニーナのも気になりますが、やはりこの

歌はこれかな。多分イギリスのヌー・カスルでも、彼女はジャズ歌手ということでレコード

が比較的たくさん出回っていて、それで知ったエリックは多分R&Bを求めて何枚

か聴き込むうち、いくつかの好ましいナムバを知ったのではないでしょうか。

次はベッシー・スミスの書いた「ジン・ハウス・ブルーズ」です。

 

M10.Gin House Blues(4’38”)The Animals

-H.Burke, Troy, Henderson-   Repertoire REP 5167

 

N  「ジン・ハウス・ブルーズ」、アニマルズでした。このタイトルには二つの楽曲があり、共

にベッシーが関わっているのもですから、よく間違えられます。エリックのは二番目

の「ジン・ハウス・ブルーズ」のようですが、それと言い切れるものではない。アレンヂ、

演奏はかっこいいですね、この暗さ。彼は歌詞を割とその時の閃きで唄う傾

向があり、この「ジン・ハウス・ブルーズ」も彼の即興感覚で料理されているのかも

知れません。

では同じく、丁寧に聴いて訳すと矛盾した内容になってしまう

「朝日の当たる家」をどうぞ。

 

M11.A Hous Of Rising Sun(4’31”)The Animals

-trd. Arr.by A.Price-   Repertoire REP 5167

 

M12.I Put A Spell On You(2’57”)The Animals

-Hawkins-  Repertoire REP 5167

 

N  「朝日の当たる家」、そして「お前に呪いかけてやる」の「アイ・プット・ア・

スペル・オン・ユー」でした。やはりマイナー・キイのブルーズ曲はエリック・バードン上手いで

す。これはミック・ジャガーにも通ずる部分で、イギリス人のR&Bの一つの形でしょ

う。私の聞くところ「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」は、明らかにニーナの物を

お手本にしている部分があるように聞こえました。ジェイ・ホウキンズのも、もち

ろん聴いているでしょうが。

さてそれではニーナ・シモンに参りましょう。

まずは「ジン・ハウス・ブルーズ」です。

 

M13.Gin House Blues(3’05”)Nina Simone

-H.Burke, H.Troy, F.Henderson-    Rhino R2 72567

 

N  「ジン・ハウス・ブルーズ」、こちらも二番目の楽曲のようですが、両方が入り乱

れてるかな。いずれにせよアニマルズのとはかなり印象が異なります。共に心の

痛手を歌っていますが、不思議な事にニーナの方があっさりしています。エリックは

この時期、ブルーズを過大に暗く重苦しい音楽と捉えていたのかも知れません。

この「ジン・ハウス・ブルーズ」、二曲とも立派な作者がいて登録もされていま

すが、恐らくはバーなどで誰の作品とも言われずに歌い継がれたフレイズなどが

元になっていると思われますから無理に特定する必要がないのかもね。

ニーナは本来クラシックを学んでいて、差別を克服して入った音楽学校でもピアノ専

攻でしたが、生活のためにクラブで嫌なブルーズやジャズを演奏し始めたのですね。

それがどうでしょう、このハマリ具合。ピアノ演奏には西洋古典音楽教育を受けた

影響が時々感じられますが、自らの音楽を始めた途端に北米黒人の現状を体

で現すような存在になってしまいました。ジャズという都会的な洗練された世

界に居たのに、土着的なフォーク・ソングに惹かれていくのも美しいですね。尤も

その途中で結構コマーシャルなR&Bも吹き込んでいまして、エリック・バードンが主に聞

いていたのは、この頃のニーナではないかとも想像します。

さて、ではニーナのアメリカン・フォークソングの決定版、「朝日の当たる家」をどうぞ。

1963年、カーネギー・ホールでの実況録音です。

 

M14.A Hous Of Rising Sun(4’35”)Nina Simone

Rhino R2 72567  2-2   マキ風

 

N  なんやら浅川マキ風ですね。いや、マキがニーナ風なのか。次はきちんとしたスタジ

オ録音。弦も入ってます。1965年発表のアルバム表題曲、

世界で一番怖い「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」。

 

M15.I Put A Spell On You(2’34”)Nina Simone

-J.Hawkins-   Mercury 846 543-2

 

N  前にも言いましたが、夜中にひとりで聞いていると、過去に無下に遇らった

人間に襲われるような気にもなる、世界で一番怖い「アイ・プット・ア・スペル・オン・

ユー」でした。

さてそれでは「悲しき願い」ですが、現在私の手持ちの物の中にはこのスタジ

オ吹き込みがありませんでした。先ほども言いましたようにとても興味があり

まして、どこかで見つけたいですね。そうしたらみなさんにも聞いてもらい

ます。今朝は缶入り廉価3枚組で見つけた実況録音の「悲しき願い」です。

唄い出しで拍手が起こる点から、彼女の持ち歌だというのは知られているよ

うですね。ただこの仕様がスタジオ吹き込みに忠実な形かどうか、これは次のお

楽しみとしておきましょう。

タクシドライヴァ45979さんありがとうございます。おかげで、久しぶりに落ち

着いてニーナを聞く事ができました。さあ、安全運転で行きましょう。

では「悲しき願い」、ニーナ・シモンです。

 

M16.Don’t Let Me Be Misunderstood(3’51”)Nina Simone

-B.Benjamin, S.Marcus, G.Caldwell-  Unionsquare SIMPTNCD005

 

N  ちょっと抽象的な表現の「悲しき願い」、ニーナ・シモンでした。

ところでこの歌は、この国では何と言っても、これが決定的でしょう。

お聞き下さい、尾藤イサオで「悲しき願い」。

 

M17.悲しき願い(2’10”)尾藤イサオ

-B.Benjamin, S.Marcus, G.Caldwel, K.Takao-  東芝 TOCT-11140/1

 

M18.河を下って(5’18”)久保田麻琴と夕焼け楽団  

-J.Reed, M.Kubota-    徳間 30JC-147

 

N  尾藤イサオの「悲しき願い」に続けましたのは、久保田麻琴と夕焼け楽団で

「河を下って」、ゴジラのジャケットでお馴染み1973年発表のLP『サンセット・ギャング』

からです。渋谷のジャンジャンでの実況録音でした。最初のギターソロは井上憲一、

そして次のハーモニカは麻琴が「セノーチャン」と呼びかけている通り、妹尾隆一郎です。

今の歌の中に「一日中働いて、それでもポケットには135円きり」という行

りがありましたね。1973年当時、こういう音楽をやっている人たちは極度に

貧しく、これはおそらく事実ではないかと思われます。決まった家もなく、

知り合い、あるいは知らない人間の下宿などに転がり込んで居候している「音

楽家」は決して珍しくありませんでしたのよ。

4月3日の「ブルースをよろしく!  ありがとう妹尾隆一郎」の準備をしてい

ると、とても懐かしい出会いがあります。先週は私がこの世界に入って、初

めて仲良くしてもらったレコード会社の人と話す事ができました。なんでも大学

の軽音楽サークル関連でお付き合いがあったそうで、隆一郎ほか2 名は大森のアパ

ートで共同生活をしていたそうです。しかも料金未払いでガスも電気も止められ

ていて、いつ行っても真っ暗。知人はよく缶詰などを差し入れに行ったとの

事でした。そのまま食えるからね。4月3日にはこんな話がいくらでも聞ける

集まりになりそうです。よろしく献花にご参加下さい。

先週事後承諾でお知らせした供花の件、ご賛同いただきまして、ありがと

うございます。お二人から暖かいお返事を頂きました。まずはヴェンテンさま、

領収証をお渡し致します。夜に近いアサー、ここの埠頭で待っていて下さい。

 

M19.本牧ブルース(2’35”)ザ・ゴールデン・カップス  

-R.Nakanishi, K.Murai-  東芝 TOCT-10760

 

N  そしてもう一人の賛同者、黒猫さんですね。早々にありがとうございます。

あなたへの領収証はこちらです。

「山猫タマ」、先ほども登場したタヒール・スリム、コムピ盤『ズィーズ・グレイト・スターズ・

アー・オン・ファイア・アンド・フューリー』からどうぞ。

 

M20.Wildcat Tamer(3’00”)Tarheel Slim

-unknown-  BSMF 7553

 

N  さて公募中の曜日歌、「ジャージー・サースデイ」というのは知らなかったな。木曜

日の歌はこの世にないんじゃないかとも思ってました。ち冷えさん、ありが

とうございます。既に確保いたしました。全編をまとめて披露するのは、も

う少し先になります。今朝はそのアルバムの冒頭に収められていた、この曲を

聞いてもらいましょう。あ、先週「恋のウェンズデイ」とご紹介したのは「雨の

ウェンズデイ」の間違いでした。お詫びして訂正いたします。

ではドノヴァンです。「カラーズ」。

 

M21.Colours(2’44”)Donovan

-Donovan-  Castle Classics CLACD 226

 

M22.幸せの黄色いリボン(3’26”)トニー・オーランド&ドーン

-L.R.Brown, I. Levine-   EMI  TOCPO-7123/4

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の最後は「幸せの黄色いリボン」トニー・オーランド&ドーン、これは先週の「真

夜中のオアシス」のために借り出した『僕たちの洋楽ヒット デラックス 1973-76』に収

められていました。今ちょうどテレビコマーシャルで流れていますね。時代を超えた

いい歌です。

三年のムショ暮らしを終えて故郷に帰る男、入所前に妻と「もし待っていてく

れたんなら、戻る日に思い出の樫の木に黄色いリボンを結んでおいてくれ」と

約束していました。男が乗ったバスが町に近くなると、窓から見える全ての

木という木の枝に黄色いリボンが結ばれているではありませんか。愛しの妻は

待っていてくれたのです。これは実話で、それを耳にしたラッセル・ブラウンとアーヴ

ィング・リヴァインが歌にしたところ全米第一位の大ヒット。なんとも美しい話です。

邦画「幸せの黄色いリボン」の原作にもなりました。これはその昔、矢口清治

がラジオで語っていた話で、『僕たちの洋楽ヒット デラックス 1973-76』の解説でも本

人が同じ事を書いています。ジーンと来ますね、いつでも。「135円」とはだい

ぶ違います。「幸せの黄色いリボン」、聞いてもらいました。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/f4288a18db6937052cf1f78bc8b96049420a614f

ダウンロードパスワードは、hk24csssです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/03/03

mb180303

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。届きました『ボッサン・ストーンズ』。

この間の生放送で大家さんの澤田修に聞かせて貰ってから気になっていまし

た。調べましたら、それはそれは他にも沢山の種類がありまして、わたしは

ザ・ローリング・ストーンズの「50周年記念版」を注文しました。「50周年」と言う

のは、結成50年という事なのかな。2枚組でそれぞれ14トラックづつの28曲

入り。期待していました。さてその内容は・・・。

まずはお聞きください。

「夜をぶっとばせ」。

 

M01.Let’s Spend The Night Together(3’52”)Amazonics

-M.Jagger, K.Richards-  Music Brokers MBB 9998

 

N  『ボッサン・ストーンズ』から「夜をぶっとばせ」でした。如何でしょう。ボッサノー

ヴァ仕様のストーンズ歌曲。話を聞いた時から「意外と面白く出来てるんじゃない

か」と予想していました。何処かの誰かが「すべての音楽はボッサノーヴァに憧れ

る」と言ったらしいのですが、音楽の最終的理想形がボッサノーヴァだ、とする説

もあって、これは首肯けなくもないですね。それとジャガー / リチャーズ作の楽曲

がどう絡むか、大いに興味がありました。

はっきり言いますと、ちょっと肩透かしを食わされた感じです。女性のヴォ

ーカルが今お聞きの様にすべて囁き系でして、ちょっと雰囲気に流れ過ぎ。サブタ

イトルに「ディ・イリクトリック・ソング・ブック」とある様に、演奏の殆どが電気仕掛けな

ので、血の通った微妙な音色や間合いが感じられずに、平坦な印象です。

まあそこまで本気で聴くものではないでしょうが。「涙あふれて」「レイディ・

ジェイン」そして「ルビー・チューズデイ」なんかは、もう少し他の仕上げ方があった

んじゃないか、とも思います。総じてビートの効いた激しいオリヂナル曲の方が出

来映えは良かったですね。同時に、こう言うパタンのジャガー / リチャーズ曲は殆ど

ほぼ同じ骨組みを持っていると言う事も分かりました。

では『ボッサン・ストーンズ』からもう1曲、

「ジャムピン・ジャック・フラッシュ」。

 

M02.Jumpin’ Jack Flash(3’22”) Amazonics

-M.Jagger, K.Richards-  Music Brokers MBB 9998

 

M03.ウインディ・シティ(ライヴ)(3’20”)アリソン・クラウス

-P.Goble, B.Osborne-  ユニバーサル UCCQ-2002

 

N   エイマゾニクスの「ジャムピン・ジャック・フラッシュ」に続きまして、アリスン・クラウスの「ウィン

ディ・シティ」。これは「ライヴ」となっていますが、殆どスタジオ仕様と同じ。実演

会場でCD回したんじゃないか、と思うほど忠実な演奏です。前後の拍手や

歓声も聞こえません。

わたしが買ったアルバム『ウインディ・シティ』は国内盤です。こちらはボーナスが7曲

分ありまして、大分お買得。聞いているとなかなか終わらない。インタナショナルの

豪華版という事ですが、この種のボートラは正式録音として扱われるのでしょう

か。

それでは本来のアリスン・クラウスのアルバム『ウインディ・シティ』の最後を飾っているこ

の1曲をどうぞ。

エディ・アーノルドの書いた傑作です。「ユー・ドント・ノウ・ミー」。

 

M04.ユー・ドント・ノウ・ミー(4’19”)アリソン・クラウス

-C.Walker,E.Arnold-  ユニバーサル UCCQ-2002

 

M05.You Don’t Know Me(3’14”)Ray Charles

-C.Walker,E.Arnold-  Rhino R2 75328

 

N  「ユー・ドント・ノウ・ミー」、アリスン・クラウスに続いてレイ・チャールズでお聞きいただきま

した。1962年の発表、実にいい歌です。

さて先々週の2017年印象盤には入っていませんでしたが、ポーキー・ラファ-グ

と言う若い唄い手のアルバム『マニック・・リヴェレイイションズ』も、昨年出会った面白い

1枚でした。グリニッヂ・ヴィレッヂ辺りに居そうな風貌ですが、今はセントルイスに住

んでいるようです。1983年生まれですから、既に相当なカリアを持っている筈

ですが、音楽にとても「青さ」があって聞く度にくすぐられます。

7人編成のグループにはハモニカ担当がちゃんといまして、各曲で明確な構成部

分を受け持っています。そこんとこもよく聞いてください。

では「ベター・マン・ザン・ミー」です。

 

M06.Better Man Than Me(3’43”)Porky LaFarge

– P.LaFarge, C.Seefield-  Rounder / Universal 0888072024304

 

M07.Boogie Time(2’47”)妹尾隆一郎

-R.Seno-  Pヴァイン PCD-5742

 

N  ハモニカをフィ-チュアした「ベター・マン・ザン・ミー」、ポーキー・ラファ-グ。そして妹尾隆一

郎2枚目のアルバム『ブギー・タイム』から表題曲でした。このアルバムは70年代後期

のこの国のブルーズ好きとフュージョン夜明け前の人間が重なり合って参加してい

ます。ドラムズの松本輝夫やギターの吾妻光良、ベイスの小堀正などはブルーズの世

界から、そして村上秀一、渡辺香津美、高水健司たちが花のスタジオ・メン代表で

す。隆一郎のブルーズ感覚を土台に、現代的な響きを、と言う志向が強く感じ

られる内容で、お聞きのように演奏水準は一流です。

妹尾隆一郎の音楽解釈はこの2枚目でも正しく、それも今お聞きの「ブギー・

タイム」でお判りでしょう。ここではブルーズと付き合う心得を語っていましたね。

十の収録曲中、隆一郎の自作が八つも入っています。

ただし歌詞が全て英語なんです。当時「日本語で唄うのはフォークだ」と、ロック

ンロールの御大将が叫んでいた事もあります。わたしにしてみれば、そんなのは

全くのナンセンスで、その頃から「何で日本語しかわからない人間にいい加減なエー

ゴで唄うのよ。そんなのは「湯煙夏原」「炉に降り」で終わってんじゃないの。

必要なのは、新しいロック的な日本語言語表現だよ」と言う意見だったのですが、

この頃の圧倒的傾向がマトモではない英語詞をいい加減な発音で唄うと言うも

のでした。あのキャロルでさえ、1枚目の録音時に歌詞を英語にするか日本語にす

るか迷ったといいます。

妹尾隆一郎には歌の言葉に確固たる考えがありまして、それについてはウェ

ブ誌「エレキング」でわたしが触れた通りです。この2枚目でもブルーズから吸収

した英語で、懸命の表現をしています。それは決して悪い出来ではない。で

もわたしは、やはり分かった男のオリヂナルな日本語表現を聞きたかったな。

さて毎回案内をしています、彼への追悼集会「ブルースをよろしく! ありが

とう妹尾隆一郎」は4月3日に下北沢の「北沢タウンホール」で行われます。

ここは只今改装中でして、完成後に初めて使うのがわたしたちのようです。

舞台に祭壇を作り、その前に献花台。おいでになった皆さんにはここでお別

れをしてもらいます。かなり広い会場でして、祭壇を立派にするのが大変で

す。かつてこちらで同じような会を持ったドラマーの青山純、ジョニー吉長の時は

共に見事な祭壇が設えてありました。

今回は隆一郎に安心してこの世から出て行って貰うために、同じ規模とは

言えないまでもある程度の祭壇を作らなければなりません。それにはかなり

のお金がかかります。隆一郎の実績はここで再三採り上げているように、非

常に重要なものがありますが、地味な世界で活動していたせいか、今ひとつ

目覚ましい反応に欠けています。そこで「ブルースをよろしく! ありがとう妹

尾隆一郎」の会場関係一式をお願いしている金子総本店に相談し、皆様から

頂いたお花を、祭壇に回す「供花充当」と言うやり方を取る事に致しました。

ですから、お花を頂きましたらば、祭壇の飾りの方にそのお花を使わせて貰

い、供花して下さった方のお名前はロビーに掲示します。

もちろんわたしも既に供花しておりますが、まだまだ目標に至りません。

そこで、日頃のご愛顧に感謝しまして、皆様のお名前でもう一つ出させて頂

きました。「『幻』モーニン・ブルーズ聴取者一同」こんな名札が北沢タウンホールのロビー

に掲示されます。それをご覧になったら、「俺たちが出したんだ」と自慢して

下さい。供花1基税込み16,200円ですから、わたしを入れて、首都圏で10

人。一人分の1,620円は機会があったらワツシまでお支払いいただければ、結構

です。事後承諾で申し訳ありません。

 

M08.Take Me Back(3’24”)シュガーレイ・レイフォード

-unknown-  BSMF 2601

 

N   先週お届けしたイタリア産北米南部R&B、シュガーレイ・レイフォードの新作『俺たちが

暮らすこの世界』、今週も何度か聞きました。とても説得力のある出来には、

唸らされております。ロバート・クレイの去年の作品と似た感触を受けますね。先

週は褒めちぎった印象のあるイタリアン南部サウンド、じっくり聴くと部分的に、あ

あやっぱ違うな、と言う感想が生まれたのも事実です。しかしながら全体の

手応えに、変わりはありません。確かによく出来た1枚です。

今朝はまず冒頭の「テイク・ミー・バック」をお届けしました。

もう一曲行きましょう。

「ドント・リグレット・ア・マイル」。

 

M09.Don’t Regret A Mile(4’08”) シュガーレイ・レイフォード 

-unknown-  BSMF 2601

 

N  こちらもいい気持ちに仕上がったサザーン・ソウル調でした。「ドント・リグレット・ア・

マイル」、シュガーレイ・レイフォード。マイナー・キイの若干マーヴィン・ゲイ調ですが、最後の方で

はアル・グリーン風に迫ってきます。おそらくヨーロッパの黒人音楽好きたちは、黄金

時代のソウル・ミュージックをテッテ的に聞いているでしょうから、こう言うアレンヂなん

て朝飯前なんでしょう。そう言えば、以前お届けしたビッグ・ダディ・ウイルスンの

オーソドクスなブルーズ・アルバムもヨーロッパ録音でしたね。多分、こう言うのは今後 増

えて来るとわたしは思ってますが、さて如何でしょうか。

ではアメリカ本国で活動を続けるスー・フォーリーの新作から今朝も聞いてもらいます。

ベッシー・スミスのナムバーです。

「電気椅子に連れてって」。

 

M10.Send Me To The ‘Lectric Chair (4’19”)スー・フォーリー  

-B.Smith-  BSMF 2598

 

M11.It Ain’t Meat, It’s The Motion(2’54”)

-H.Glover, L.Mann-  Telarc CD-83460

 

N  スー・フォーリーの「センド・ミー・トゥ・ディ・イレクトリック・チェア」に続いては、ザ・スワロウズ

1951のヒット曲「イト・エイント・ミート、イッツ・ザ・モーション」。唄っていたのは、マリア・マル

ダー。1999年に発表した『ミート・ミー・ウェア・ゼイ・プレイ・ザ・ブルーズ』からです。

昨年のヴァーン・モリスンの『ロール・ウィズ・ザ・パンチーズ』と同じく、好きなブルーズ

を伸び伸びと唄ったアルバムです。       こう言う事が実現できるのは、本当に羨ま

しい。しかも一定のレヴェルを保って、若い頃には出来なかった芸でね。カラオケの

ナツメロではないのです。

もう一曲どうぞ。有名な歌ですね。

「ズィー・ベイビイ、エイント・アイ・グーッド・トゥ・ユー」。

チャーリー・ブラウンとのデューオです。

 

M12.Gee Baby, Ain’t I Good To You(4’23”)Maria Muldaur

-A.Razaf, D.Redman-  Telarc CD-83460

 

N  「ズィー・ベイビイ、エイント・アイ・グーッド・トゥ・ユー」、マリア・マルダーとチャーリー・ブラウン

でした。終わってからの含み笑いがオトナの味でした。

さてそれではお待たせしました。いつも美味しそうなお話を投稿して下さ

るグリ子さんのリクエストです。

マリア・マルダーで「真夜中のオエイシシス」。

 

M13.真夜中のオアシス(3’49”)マリア・マルダー

-D.Nichtern-  EMI  TOCPO-7123/4

 

N  マリア・マルダーで「真夜中のオエイシシス」、千福グリ子さんのリクエストでした。エイモス・ギ

ャレットのギター、今聞いても充分にカッコいいですね。当時みんな憧れたものです。

マリアはこの1曲であっという間に有名になりました。それまでのロック女とい

うと、ジャニス・ジョプリンとグレイス・スリックの二大姉御を象徴として、男に対等の、

いや男勝りの度合いで評価されていましたが、彼女は妖艶さで、「ロックはね

え・・・」「ブルーズと云うものはだ・・・」などと、やせ我慢している童貞音

楽好きの心を捉えました。この国だけの出来事でしょうけれどもね。マリア・マル

ダーで「真夜中のオエイシシス」でした。

さて、先週ちょっとお話しした「曜日」歌、鋭い反響を頂きました。あの

時わたしが分からなかったのは「哀愁のマンデイ」でしたね。「月曜日は泣かな

い」がすぐに出て来ないなんて平山三紀ファン失格だな。そう言えばこの歌にも

木曜日は出て来ない。家出する娘の歌「シーズ・リーヴィン・ホーム」も水曜に生家を

離れて金曜に中古車販売業の男に会うんだっけ。木曜日の所在、動向が不明

です。今は振替休日の余波で木曜日を定休にするところも多いと聞きました

が、それとは関係ないですね。それにしても木曜日の歌、探したくなった

なあ。

それでは先週一番に反応してくれた水曜定休のリス子さんのご助言に従って

参りましょう。

大滝詠一で「恋のウエンズデイ」。

 

M14.恋のウェンズデイ(4’26”)大滝詠一

-T.Matsumoto,E.Ohtaki-  CBS ソニー  CSCL 1661

 

N  大滝詠一で「恋のウエンズデイ」、これがなぜ水曜日なのかは分かりません。リス

子さんと同じく、二人とも水曜日がお休みのお仕事だったのでしょうか。そ

れで古いワーゲンで海に出かけたのか・・・分かんねえな、こう云うの。それは

ともかく、木曜日の歌、どなたかご存知でしたら教えてくださいね。

さてこの前の生放送の日、2月16日は作曲家船村徹の一周忌だったようで

す。情熱的なリクエストを頂いておりました。彼はわたしが初めて買ったシングル盤、

村田英雄「王将」の作曲もしています。このように一般的には演歌系の歌が

得意とされていますが、なかなかどうして、件のリクエスト曲にあったように、幅

広いお人で御座いました。

何せ、1967年にこの歌をお書きになったのですから。

 

M15.白馬のルンナ(2’59”)内藤洋子  

-Z.Matsuyama, T.Funamura-   日本コロムビア   COOP 36122/3

 

M16.Maybelirne(2’58”)クリス・スミザー

-C.Berry-  BSMF 6135

 

N  喜多嶋修夫人、喜多嶋舞母の内藤洋子「白馬のルンナ」でした。いつ聞いて

もブッ飛ぶね、これは。船村徹の一周忌でお送りしました。

そこに被さったシワガレ声はクリス・スミザー、アメリカのシンガ・ソングライタです。この歌、

タイトルでピンと来た方もいらっしゃるでしょう、これ、チャック・ベリーの「メイベリーン」

です。マイナー・キイに変えて、印象も全く異なっています。スティーヴン・キングのスリラー

小説、「クリスティーン」を連想しました。見事なモデル・チェインヂですね。

こんな茶目っ気たっぷりのクリス・スミザー、次もハウリン・ヲーフのあれかな、と思い

ましたが、こちらは同名異曲でした。

「シティング・オン・トップ・オヴ・ザ・ワールド」。

 

M17.Sittin’ On Top Of The World(3’30”)クリス・スミザー

-unknown-  BSMF 6135

 

M18.Fannie Mae(2’59”)Baster Brown

-Baster Brown-  BSMF 7553

 

N  「シティング・オン・トップ・オヴ・ザ・ワールド」、クリス・スミザーに続いては、ローリング・

ストーンズの「ウエスト・コーストの宣伝屋助手」の原曲、バスター・ブラウンの「ファニ・メイ」。

50年代にジョー・ロビンスンが興したR&Bレイベル、ファイア / フューリーのベスト編集版が

3枚組で出る事になりました。この時代のブルーズ関連レイベルのコムピは組物でよ

く見かけますが、ファイア / フューリーのは出会ってなかったですね。来週も少し聞い

て貰いますが、今週はまずこれと、正に決定的な1曲をお届けしておきまし

ょう。

エルモア・ジェイムズで「スカイ・イズ・クラインング」。

 

M19.Sky Is Crying(2’47”)Elmore James    

-E.James-  BSMF 7553

 

M20.Tennessee Waltz(3’18”)マイク・バーネット  feat. Buddy Spicher  

-P.W.King-  BSMF 6128

 

N  エルモアの後は、ヴァイオリン、いやフィドル2本の合同演奏で「テネシー・ヲーツ」でした。

多分あまりリハーサルをしないで合わせたのではないでしょうか。直感的なハーモニー

付けが効果的です。マイク・バーネットとバディ・スパイカーのおふたりでした。マイク・バ

ーネットの新しいアルバムは豪華ゲストとの全面的絡み集。どのトラックも素晴らしい音感

と技で満たされています。

今朝の最後はブライアン・サットンのギターと絡みます。

「ハングマンズ・リール」。

 

M21.Hangman’s Reel(5’27”)マイク・バーネット feat. Bryan Sutton  

-unknown-  BSMF 6128

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  さて今朝もなんとかやって参りましたモーニン・ブルーズ、お楽しみいただけまし

たでしょうか。関東周辺には急に暖かい日がやって来たりして、季節の変わ

り目を感じます。人間は本当に勝手で、こうなると逆にあれほど痛めつけら

れた極寒の日々が愛おしくなります。とは言え日本海側、東北、北海道では

まだ厳しい天候が続くようです。お気をつけください。わたしも気温が異常

に上った日の翌日、風邪をひきそうになりました。カフーンも酷いですよ。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/7dc30a7464f512f886a0a51af42e8bd21dfeee2d

  ダウンロードパスワードは、ddpzdwu6です。

さあ、ちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

【幻】モーニン・ブルーズ 2018/02/24

mb180224

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

今週は上野方面に出かける事が続きまして、通りがかりに湯島天満宮によ

りました。オツタ、チカラの心意気、「湯島の白梅」で有名な湯島神社です。鉄筋コン

クリートのビルディングに囲まれた小ぢんまりとした敷地に、かなりの梅が植えられ

ています。ちょうど梅まつり開催中。ほぼ満開に近い白梅が銅版葺の屋根の

反射で蒼く見えたのが印象的でした。そろそろ暖かくなるかな。

今朝は女性新人ブルーズ歌手のデビュー作からどうぞ。

「ハード・ワーキング・ヲーマン」、ヴァーニァ・スカイです。

 

M01.Hard Working Woman(2’54”)ヴァーニァ・スカイ

-unknown-  BSMF 2599

 

N  「ハード・ワーキング・ヲーマン」、ヴァーニァ・スカイでした。曲自体が60年代後半的な造

りでしたね。主題自体も新しくはない感じですが、生きの良さは別格。まだ

子供っぽい横顔のヴァーニァは、なんとクロアチア人。再三ここで言っている様に、ブ

ルーズやR&Bはもはや白人女性の音楽ですが、東欧の一角からこういう音楽が

出てくるとはねえ。先ほど言及した時代的な古さは地域性の現れでしょうか。

別にだからと言って悪いわけではありませんが、かつて私たちも経験した、

常套句を用いながらブルーズ形式から脱皮しようとする姿が垣間見えたような

気もします。

彼女は日本でもグヤトーンのギターを使ってスターになったアイルランドのブルーズ男、ロリ

ー・ギャラガーが好きなんだそうです。色が白くて金髪、可愛らしい外観で、あ

の汚らしいロリーとは、繋がりにくい。でもこういう娘の心を、ブルーズ音楽が捉

えているんですね。

さてその先輩格と言って良いスー・フォーリーも新譜を出してます。ジャケットには

トレイドマークにもなっているあのピンク・ペイズリーのテレキャスターと一緒に写ってます。

まず一曲聞きましょう、「フールズ・ゴールド」。

 

M02.Fool’s Gold(4’40”)スー・フォーリー  feat. Billy F.Gibons

-unknown-  BSMF 2598

 

N  スー・フォーリーで「フールズ・ゴールド」でした。これにはズィ・ズィ・トップのビリー・

ギボンズが一緒に唄っています。スーのソロ11枚目のアルバム『ディ・アイス・クイーン』か

らお届けしました。11枚ですか、随分と沢山の作品を発表していたんですね。

知らなかったなあ。

初来日を果たした時、何年前だろう25年くらい前かな、六本木の防衛庁の

斜向いにあったヴァランタインというライヴ・スポットで観た時は、ほとんど女子大生そ

のまんまでね。可愛いいというか何と言うか、それまで見たブルーズ・ヲーマンと

は全く違う印象で戸惑いました。当時は歌も演奏もブルーズ研究会水準でして、

苦笑せざるを得なかったですね。スリム・ハーポを演ったりして、カヴァ・ソングズの

リパトゥワは凝ってましたね。この頃からブルーズへの白人女性進出は始まってい

たのでしょう。

最新盤の見た目はあまり変わっていない感じですが、繊細さはそのままに、

逞しくと言うよりもしなやかになった印象を受けました。次の1曲でも男を

相手に張り合っています。

昔のチャリ坊、チャーリー・セクストンと一緒です。「カム・トゥ・ミー」。

 

M03.Come To Me(3’52”)スー・フォーリー  feat. Charlie Sexton

-unknown-  BSMF 2598

 

M04.The World That We Live In(3’11”)シュガーレイ・レイフォード

-unknown-  BSMF 2601

 

N  スー・フォーリーの「カム・トゥ・ミー」に続いては「俺たちが生きているこの世界」、

シュガーレイ・レイフォードの新譜表題曲です。シュガーレイはいつの間にかヴェテランのような

顔をしてそこに居た、と言う印象のブルーズ・シンガー、テキサス出身です。今回はイタ

リアのレイベルからイタリア人プロデューサー、ルカ・サピオの制作でこのアルバムを発表していま

す。

演奏はディ・イタリアン・ロイヤル・ファミリーと言う演奏集団。全員かどうか時は不明です

が、多分ほとんどはイタリア人なのでしょう。その北米南部的サウンドが、見事なん

ですよ。既に2018年ソウル・ミュージック・アワード4部門にノミネートされているとの事で

す。

続けて聞いて下さい。次のモチーフは何かな。「ワット・ドゥ・ウイ・オウン」。

 

M05.What Do We Own(3’48”)シュガーレイ・レイフォード   

-unknown-  BSMF 2601

 

N  「ワット・ドゥ・ウイ・オウン」、シュガーレイ・レイフォードでした。グラディス・ナイト・アンド・ザ・

ピップスの「悲しいうわさ」とアル・グリーンの「ラーヴ・アンド・ハピネス」辺りが閃き

になっているのでしょうか。非常に好ましいソウル・ミュージックですね。おそらく

全員白人と思われるバック・グラウンド・ヴォーカルも実によろしい。イタリア恐るべし、

かな。

1960年代から様々な理由でアメリカの黒人ジャズ音楽家たちがヨーロッパに渡り、

音楽活動を続けました。21 世紀にはブルーズやR&Bもそうなって行くのでし

ょうか。ただこれらは、ジャズのような芸術音楽ではなく、世俗の中にあって

その移り変わりを反映して機能する音楽でもありますから、単なる様式保全

に留まってしまうと面白みは半減するような気もします。シュガーレイの新作には

かなり社会意識も感じられますから、異国との絡み合いを今後どう続けるか、

興味深いところでもあります。

ではシュガーレイ・レイフォード、新作『ザ・ワールド・ザット・ウイ・リヴ・イン』からもう

一曲聞きましょう。

「ホーム・アゲイン」。

 

M06.Home Again(3’47”)シュガーレイ・レイフォード

-unknown-  BSMF 2601

 

M07.Abline(2’14”)George Hamilton IV

-L.Brown, B.Gibson, J.D. Loudermilk-

 

N  先週の生現放送でお届けなかったリクエスト曲、ジョージ・ハミルトン四世で「アビリーン」、

エイス盤『ザ・ゴールデン・エイヂ・オヴ・アメリカン・ロクンロール』の「カントリー・エディション」の

4曲め、お届けしましたよ、北国の少女さま。

そしてこちらはロバート・クレイとの絡みで頂いたリクエストです。

八王子60オーバーさん、お聞きください。

オーティス・クレイで「プレシアス、プレシアス」。

 

M08.プレシャス、プレシャス(3’14”) オーティス・クレイ

-D.Crawford, J.Moore-  ビクター VDP-1111

 

N  オーティス・クレイで「プレシアス、プレシアス」、正に決定的な出来栄えですね。これはO.V.

ライトのヴァージョンをお手本にしていると言いますか、編曲、演奏が殆ど同じで、

唄自体も非常に極似していて、甲乙つけ難い出来栄えです。敢えて言えば、

クレイの方が親しみ易いミクスになっている点が差異でしょうか。日本では一般的

な知名度もこっちかな。

では、オリヂナルのジャッキー・ムーア版もどうぞ。

 

M09.Precious, Precious(3’25”)Jackie Moore

-D.Crawford, J.Moore-  Rhino / Atlamtic RHM2 7739 A

 

N  フロリダはジャクスンズヴィルのジャッキー・ムーアが1970年に放った「プレシアス、プレシアス」

でした。これはアトランティックがメムフィス、マスルショールズを離れてから造られたものです。

ヌー・ヨークのアトランティック・レコードの地方創世新境地開拓に一役買ったヒット曲ですね。

この後アトランティックはマイアミの娯楽産業大手のT.K.プロダクションと関係を持ち、ベティ・

ライトもそこから出てきました。

さて、この「プレシアス、プレシアス」はアトランティックの箱物4枚組『アトランティック・ソウル

1959-1975』からお届けしました。アトランティックのコムピと言えば、わたしの十代末

期から教科書の代わりだったLP8枚連作の『R&Bの歴史』以来、何十枚と

買って来ました。かなりダブるトラックがありますが、見つけると、ついどうし

ても手が出てしまいます。今回「プレシアス、プレシアス」の為にこの箱物を引っ張

り出して聞いていたらいろいろな掘り出し物が入っていました。

 

M10.Groove Me(2’55”)King Floyd  

-K.Floyd-  Rhino / Atlamtic RHM2 7739 A

 

N  しばらく探していたキング・フロイド1970年のヒット「グルーヴ・ミー」です。これは

マラコの録音なんですね。ジーン・ナイトの「ミスタ・グーッド・スタッフ」もそうだって。わ

たしはてっきりマイアミで録ったと思っていました。この時のアルバムが出ているの

は知っていましたが、「グルーヴ・ミー」だけでいいからなあ、と購入していませ

んでした。それをずっと前から持っていた訳です。

他にも、「あ、ここに入っていたんだ」と言う探し物が見つかりました。

ひょうきん者ドン・コヴェイです。カナダのロック・グループ、ステッペン・ヲーフがカヴァし

た、「スキ、スキ」。

 

M11.Sookie Sookie(2’31”)Don Covay    

-D.Covay. S.Cropper-  Rhino / Atlamtic RHM2 7739 A

 

N    「スキ、スキ」、ドン・コヴェイでした。ドンは沢山のヒットを持っていますし、作家、

制作者としても有能でした。わたしはかなり高く評価しています。ロックンロールと

極めて近いところにいて、その感覚をうまくノヴェルティ的に料理する技能は一流

でしたが、ちょっと言動がひょうきん過ぎたのでしょうか。アトランティックが彼を

スタックスに預けていた時は、メムフィスから「このイカれた男を早くそっちに連れ帰っ

てくれ」と苦情電話が入ったそうです。

さて、この箱物4枚組『アトランティック・ソウル1959-1975』は、だいぶ前にラジオで

聞いたこの曲が欲しくて手に入れたのでした。

 

M12.Let’s Go Get To Stoned(2’57”)The Coasters

-N.Ashford, V.Simpson, J.Armstead- Rhino / Atlantic RHM2 7739 A

 

N  ザ・コースターズの「レッツ・ゴウ・ゲット・トウ・ストーンド」です。ラジオで聞くまで、彼

らが唄ってるのを知りませんでして、結構高価でダブリも多いこの組み物を買

ったのです。そしたらすぐにかなりの廉価盤でコースターズのアトランティック完全版が出

て、そちらにしっかり入っていたと言うハラホロヒハレで落ち、でした。

そちらも4枚組。スタジオ・セッションの本番前後の談笑なども盛り込まれていま

して、「これはこれでいいんんだ、必要なんだ」と自分を説得しました。

その中から、ちょっと珍しいトラックを聞いてください。

 

M13.My Babe(2’13”)The Coasters

-W.Dixson-  Rhino RHM2 7740

 

N  ウイリー・ディクスン作、「マイ・ベイブ」、ザ・コースターズ1962年の録音です。制作にリー

バーとストーラーが絡んでいたかは定かではありませんが、オリヂナルとのビートの違い

が、新しい感覚ですね。この年にエイトビートを大胆に採り入れています。

それでは、この曲の決定的なオリヂナルを聞いてください。

リトル・ヲルターで「マイ・ベイブ」。

 

M14.My Babe(2’52”)Little Walter

-W.Dixson-  MCA MVCM-22008

 

M15.Juke(2’47”)Little Walter

-W.Jacobs-  MCA MVCM-22008

 

N  リトル・ヲルターで「マイ・ベイブ」、そして「ジューク」共にどうしようもなく決定的な

ヴァージョン、リトル・ヲルターでした。共にチェスでのセッションで、お聞きの通りかなり破綻

のある演奏ですが、文句が付けられない圧倒的な仕上がりです。ベイスが入っ

ていない、というのも当時のブルーズ・スモール・コムボの編成が確立していなかっ

た状況を物語ります。とにかくスウィング感覚が過剰なほど迫ります。これが、

とりも直さず1950年代前半、シカゴのウエストサイドのビートだったのでしょう。

そして1976年、東京は高円寺のビートはこんな感じでした。

 

M16.Juke(3’13”)妹尾隆一郎

-W.Jacobs-  Pヴァイン PCD-5741

 

N  1976年5月5日の東京高円寺次郎吉のシャッフルです。川口充のギター、良いです

ね。これはライヴ「的」に録って仕上げられたちょっと変則的な成り立ちをし

ています。他には完全なスタジオ収録のものも入っています。これらを判断する

と、ブルーズの録音制作をどうやって良いか分からずに進行した作業過程が、

見えて来くるような気がします。

隆一郎の死で本当に久しぶりにこのアルバムを聴き返した時、この時代にブルー

ズの録音制作をやろうとした人たちは、どういう作品を心に描いてたのだろ

う、と考えざるを得なかったですね。

「暗中模索」という表現がピッタリな環境が想像出来ます。まずブルーズ音楽の

全体像が誰にも何も分かって居らず、手段や方法などは更に霧の中。そうし

た中での次郎吉録音だったようです。具体的に思い出話はいくつか語られて

いますが、実に混乱した状況だったのが分かります。

それでも、この妹尾隆一郎のソロ第一作『メシンラウンド』は正統に評価できる内

容を持っています。参加した音楽家たちが、ブルーズという得体の知れない存

在と格闘した結果、とも言えるでしょう。妹尾隆一郎との思い出を噛みしめ

る4月3日の「ブルースをよろしく! ありがとう妹尾隆一郎」、皆さんもぜひ

献花にご参加ください。番組終了後のお知らせを参考にどうぞ。

さて先週、初めてこの「現」番組を聞いてくれた方からのお便りを貰いま

した。ありがとうございます。「幻」もよろしくね、黒猫さん。

 

M17.Black Cat Born  single version(3’48”)Johnney Winter

-J.Winter- ReperToire REP 4866

 

N  新しい聴取者「黒猫」さん熱烈歓迎でお送りしました。「ブラック・キャット・ボー

ン」、こちらは1968年発表のLP[『プログレッシヴ・ブルーズ・エクスペリメント』に収録

されたものとは違うシングル・ヴァージョンです。長さもやり方もほとんど同じで、

単なるテイク違いのようですね。

先日冬季オリムピックのスケート女子500mで優勝した小平奈緒を「獣のよう」とテレ

ビで表現した人間がSNSで非難されていました。闘いに臨む姿勢が「獣のよ

う」で、どこが悪い、これが私の意見です。匿名という厚い雲の向こうに隠

れて善人を装う輩は、何かにつけこの種の低次元な「義憤」を主張します。

それを咀嚼せずさも正論であるかのように採り上げるインタネット・ヌウズの愚かさ。

こういう人間たちは、自分たちが動物、いろんな道具を使って同類をやり

込める最低の生き物という事を理解していないのではないか。この状態を是

とするならば、あらゆる芸術や運動競技の言語表現する事は不可能になりま

す。よくお考えいただきたい。

では泥水巨匠でお聞きください、

「猛虎をお前の腹ん中にぶち込んでやる」。

 

M18.タイガー・イン・ユア・タンク(4’30”)マディ・ウォーターズ 

-Dixson-  ユニバーサル

 

N  今日からプロ野球はオープン戦です。お天気は大丈夫かな。先週もお話し致

しましたように、わたしはこの時期がとても好きです。みんなが希望を持っ

て明日の開幕を見ている、いいですね。

実は先週の「ベイスボール・クレイズィ」に続けてお聞き頂きたかった1曲があり

ました。あっという間に過ぎてゆく時間のためにそこではお届け出来ません

でしたので、今朝ここでどうぞ。

「さあ、3塁上ランナ—は本塁を窺います。彼が帰れば最終回で逆転成立、サヨナ

ラ勝ちです。レフトスタンドを埋め尽くしたファン全員の気持ちは・・・3塁走者に、

『帰って欲しいの』」。

 

M19.I Want You Back(2’50”)Jackson 5       

-Corporation-  Tommy Boy  TBCD 1136

 

M20.サタデイナイト(2’56”)ベイ・シティ・ローラーズ                

-Martin, Coulter-  BMG BVCA-2602

 

N  ジャクスン・ファイヴで「帰って欲しいの」、そしてモーニン・ブルーズ初登場のベイ・

シティ・ローラーズで「サタデイ・ナイト」でした。ローラーズは、ジョン・フォガティの「センタ・

フィールド」に繋げたかったのですが、こちらでも上手く行ったようです。良か

ったあ。

さて誰でも大好きな土曜の夜は、他の歌でも沢山主題になっています。中

学校の時の英語の時間に習った「Sutarday Night」というのはアフリカの歌だっ

たなあ。英語詞で西洋音階だったから、南アフリカの偽造民族音楽だったかも知

れない。キャンディーズ「危ない土曜日」、黛ジュン「土曜の夜何かが起こる」、エルトン・

ジョン「土曜の夜は僕の生きがい」なんてのもありましたね。週末の歌は枚挙

にいとまがありません。で日曜日は、と手近な盤を見ましたら、ありました。

スパンキー・アンド・アワ・ギャングで

「想い出の日曜日」。

 

M21.想い出の日曜日(2’55”)スパンキー・アンド・アワ・ギャング

-T.Cashman, G.Pistilli-  ユニバーサル UICZ 1435/6

 

N  スパンキー・アンド・アワ・ギャングと言いますと、アメリカの子供向け短編無声映画。

日本でも林家三平が弁士を務めてテレビで公開されていました。そこから名前

を取ったポップ・グループだと言う事はすぐに分かりますが、わたしは実態を

知らない。この歌がヒットしていたというのも初耳です。邦題が付いていますか

ら、当時日本でも発売されていたんでしょう。

以前キリスト教における日曜日のお話をしましたが、やはりこの曜日もたくさ

ん唄われています。決定的なのはダニエル・ブーンの「ビューチフォー・サンデイ」でしょ

うかね。

さて週が明けて月曜日、この日も多くの歌に取り上げられます。大抵はま

た労働が始まる嫌な曜日としてですね。ファッツ・ドミノーの「ブルー・マンデイ」はそ

の代表曲。ブルーズでは「嵐の月曜日」なんて決定的なのがありました。

ポール・ウイリアムズの作ったこの歌は、もうちょっと繊細な感覚で憂鬱な月曜日

を歌っています。

ザ・カーペンターズでどうぞ。「雨の日と月曜日は」。

 

M22.Rainey Day And Monday(3’40”)The Carpenters  

-P.Williamas-  A&M  CD-3601

 

M23.Goodbye My Love(3’50”)The Carpenters

-R.Carpenter, J.Bettis-  A&M  CD-3601

 

M24.Ruby Tuesday(3’22”)The Rolling Stones  

-M.Jagger, K.Richard- ポリドール POCD-1924

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  ザ・カーペンターズ「雨の日と月曜日は」に続いて「グドバイ・マイ・ラーヴ」が流れ

てしまいました。このベスト盤『シングルズ1969-1973』は部分的に凝った編集が

施されていまして、こんな風に繋がっているトラックもあります。うっかりして

いました。失礼。

その後が火曜日の歌、ザ・ローリング・ストーンズで「ルビー・チューズデイ」です。こ

の「チューズデイ」は人名で、火曜日とは関係ないようですが、コジツケました。

この後、水曜日と木曜日が思い浮かびません。なんか近年の暴動を主題に

した歌があったような気がしますが、今すぐには分からないな。その気で探

せば出てくるでしょうが、何かご存知でしたら教えて下さい。

金曜日はこちらも限りなくあるでしょう。差し当たっては「神様、金曜日

でありがとう」かな・・・。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所、どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/3d5c38ccdad8c2c5b1bff8a966808b815881b2fe
ダウンロードパスワード nip0dczz
※mp3版に修正しました(by 大家 2018/2/24/18:51)

またファイル名が謎の「天才姉弟の記録」と言うファイル名になっているかも知れ

ません。気にしないで下さい。何も秘密ありません。テロの暗号通信でもない

ですよ。

来週はもう3月に入ります。陽の光が少しづつ暖かくなって来ているのを

実感しますね。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万のあなたにも、アサー。