【幻】モーニン・ブルーズ 2016/01/16

mb160116

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

いやあ、参ったなあ。ナタリ—の後、オーティス・クレイでしょ、そしてデイヴィド・ボウ

イまでが慌ただしくあの世に旅立ちました。

ボウイは、いつも自らを掻き立てて活動を続けている姿が気になる存在でし

た。年始のラジオ番組でジャズの最先端の手法を採り入れた新作が面白いと聞い

たので、それにも興味が沸きました。聞いてみようと思ってたのです。闘病

中とは言え、本人はやる気充分だったようです。

その新作、もう電子市場には出ているようですね。死亡する前の2700倍の

売上げだそうです。それにはちょっと納得し難い部分がありますけれども、

社会的存在の偉大さが分ります。

さて、わたしにとってのデイヴィド・ボウイは、何をおいてもこの歌です。

 

M01.スペース・オディティ(5’16”)デビッド・ボウイ

-D.Bowie-  東芝 TOCP-54024

 

N  「スペース・オディティ」でした。この歌にはやられましたね。画期的な物語の発

想です。シビレました。脱帽いたしました。と言ってもわたしの事ですから、

発表後10年近く経ってからです。何気なく耳にした歌の内容にノーテンに杭を打

ち込まれるような思いがしたものです。幸いにも法で規制された正規の長さ

には少し足りなかったので、魂は護られましたが、凄いなあ、ブッ翔んでるな

あ、と感心する事しきりでした。

この事を信頼している音楽仲間に素直に話したら、「ああ、そう」というそ

っけない返事でしたが、顔は「何を今ごろボケてんだ、この馬鹿」と言ってい

ましたね。

今回の訃報に関連して、デイヴィドがティーネイヂの頃のアイドルだったという「イジ

ワル・ミー」さんからリクエストを頂きました。わたしの知らなかった曲です。

お送りしましょう、「チェインヂーズ」。

 

M02.チェンジス(3’14”)デヴィッド・ボウイ

-D.Bowie-  東芝 TOCP-54024

 

N  「イジワル・ミー」さんからリクエストで「チェインヂーズ」でした。これは彼の持ち歌の

中でも、「自叙伝的に生み出した作品」で、彼の「変容の連続、存在価値の作

り出し方」を見ても「自分自身に捧げたテーマ・ソング的な曲である」と解説にあ

ります。そうですか、「イジワル・ミー」さん。

1972年の夏頃から、レコ—ド会社と極く一部の音楽ミーディアの策略で、グラム・

ロックというのが、突然この国で流行り出しまして。その最右翼がデイヴィド・ボ

ウイでした。デイヴィ・ジョーンズという、マンキズのリ—ド・シンガ—と同じ本名を嫌がっ

てデイヴィド・ボウイと改名した話は、ニュー・ミュージック・マガジーンでそれより前に読

んでいたような憶えがありますから、芸能活動の開始はもっと早かったよう

です。

当時のボウイ人気は圧倒的でした。なにしろ芸の背景が違う。その頃からロック

という狭い世界越しに、もっと大きな場所を見ていたんですね。後年、フランク・

シナトラ級の次世代芸能家だ、という彼に対する評価を耳にした時、わたし自身

も何の違和感もありませんでした。ロック馬鹿じゃないんですよ。

初来日は横浜港着の客船で来たんですよね。衣装をやまもと寛斎が担当し

たり、振りに歌舞伎の動きを採り入れたり、日本文化からたくさんの閃きを

得ていたようです。京都の山科に家を持っているという噂でした。

グラム・ロックというと、Tレックスとがボウイの反対側の翼に奉られててね。これ自

体がおかしな図式なのですが、踊らされたわたしはTレックス。鉛筆の芯の粉を

アイシャドウ代わりに目の回りに塗ったりね、グラム・ロックの馬鹿馬鹿しさを楽しん

でました。『電気の武者』、『ボラン・ブーギー』、『スライダー』を持っていて、マーク・

ボランのロックンロ—ルごっこには憧れたなあ。ボウイはほとんど聞かなかったですね。

親しむ機会がなかった。

エディ・コクランの人生をなぞったように、マーク・ボランが交通事故で亡くなってし

まった後も、ボウイはずっと生きて芸能を続けました。大物ですから、わたし

も折にふれて新譜を耳にする事が多く、常に新機軸を導入する創作意欲には

一目置いていました。ただ、聞く人より先に自分でウットリしちゃってるような、

あの歌に馴染めず、心底ノレなかったのが正直なところです。ナイル・ロジャーズと

組んで、スティーヴィー・レイ・ヴォーンを起用した「レッツ・ダンス」もダメだったなあ。

それでも実は、直接の影響を受けています。それはこの曲からなのです。

 

M03.ジーン・ジニー(4’08”)デヴィッド・ボウイ

-D.Bowie-  東芝 TOCP-54024

 

N  「ジーン・ジニー」でした。スト—ンズの「落下傘女」によく似てますね。今初めて

そう感じました。これまで通してちゃんと聞いた事はなかったかも知れませ

ん。横浜に同じ名前のライヴ・クラブがあって、いつかそこにトラックが突っ込みま

せんでしたか。ランキン・タクシーがまだ貧弱なサウンドシステムでレゲDJ実演を始めたのは

そこじゃなかったかな・・・あ、脱線しました。

話を元に戻しますと、わたしの身辺に今の「ジーン・ジニー」が切っ掛けで生

まれた1曲があるのです。名盤の澤ホマレ高き『永久保存盤/静岡ロックンロ—ル組合』

の解説から引用しましょう。

 

レインボウ・クイーン(森下均-鷲巣功)深夜ラジオで流れたD.ボウイの「ジーン・ジニー」か

ら閃き、20分で即完成。新宿歌舞伎町のロック喫茶のウェイトレスへ一方的に捧げられ

ている。初演。

 

事実もこの通りです。深夜番組でたまたま聞いた「ジーン・ジニー」の、特に

ハーモニカ・リフがインスピレイションを授けてくれまして、あっという間に出来上がりまし

た。すぐヴォーカリストのチャ—リ—のとこに行って「これ唄ってくれ、ハープも吹いて」

と頼んでイッチョ上がり。早かったね、これは。

久し振りに聞いてみたら、動機が「ジーン・ジニー」というのに変りはありま

せんが、結果としてはTレックスのブーギ−形式の方が、色濃く出ています。皮肉

です。

1973年、新宿の歌舞伎町の入り口に「レインボー」というロック喫茶があって、そ

こに細かなパーマのロングヘアでドギツ系の奇麗なお姉さんがいました。受験名目で

上京滞在中に短期間だけ通ったわたしにも声かけてくれましてね。入試どこ

ろではなく舞い上がってたある日、訪れたら彼女が店の前で男と待ち合わせ

してる現場に出くわしてしまいました。お相手はロックスタ—みたいな感じのイカし

た奴で、ちょうど今ごろの季節ですよ、お揃いで毛皮のコ—トなんか着ちゃって。

田舎の子供はまるで敵わない。小田急新宿駅までひとりで泣いて帰りました。

この想いをぶつけて少年鷲巣功が書き上げたのが、次に紹介する1曲です。

「ジーン・ジニー」はちょっと迷惑でしょうが、どうもありがとう、デイヴィッド。

お聞き下さい。静岡ロックンロ—ル組合で「レインボウ・クイーン」。

 

M04.レインボウ・クイーン(4’53”)静岡ロックンロ—ル組合

-H.Morishita, I.Washizu-  UKプロジェクト DCRC-0061

 

M05.愛なき世界で(2’50”)オーティス・クレイ

-E.Williams-  ビクター VDP-1111

 

N  清きお耳を汚した後は、オーティス・クレイの紛う事なき傑作「愛なき世界で」。

これで聴感を正常に戻して下さい。

いや、このオーティス・クレイ他界の知らせにも驚きました。彼は極めて真面目な

性格で、それほど不摂生もしていなかったから、まだまだ唄い続けられると

思っていました。ゆえに偶然見つけた先週のアルバム程度の作品はまたすぐに創

れるだろうなんて気でいたんです。それが、突然の心臓病とは。

改めてお祈りいたします。追悼。

次に聞いて貰うのはジャッキー・ムーアのヴァ—ジョンがオリヂナルですが、この国ではこ

の、オーティス・クレイのヴァ—ジョンの方が知られている筈です。

「プレシャス、プレシャス」。

 

M06.プレシャス、プレシャス(3’12”)オーティス・クレイ  

-D.Crawford, J.Moore-  ビクター VDP-1111

 

M07.サンクス・ア・ロット(3’37”)オーティス・クレイ    92  Albert King

-L.Fulson-   アメリカーナ  28C-8108

 

N  「プレシャス、プレシャス」に続いては、先週もお届けした92年のアルバム『アイル・トリー

ト・ユー・ライト』から「サンクス・ア・ロット」をお聞き頂きました。ブルーズ・フィーリングを、

とても上手に洗練させていましたね。こういう事が出来る歌い手は、彼の後

に出ていないのではないでしょうか。

まだハイ・レコードがキングから出発売されていた頃に彼は日本に登場しています

が、アルバムの高評価に較べて個人の人気は今ひとつ盛り上がっていませんでし

た。それがO.V.ライト病欠の代理で急遽やって来た1978年、久保講堂の伝説的

実演で、絶対的な存在となりました。

おそらくピンでこんな大きな場所でのライヴ経験は、本人にもなかったでしょ

う。シカゴで毎晩のように行っているクラブ・ショウそのまま、という感じではあり

ましたが、飾られていない生のR&Bに触れた事のなかった日本の若い音楽フ

ァンの心を捉えるには、充分以上の魅力でした。

翌年以降は順調に来日を続け、おそらく本国以上の人気を持っていたので

はないでしょうか。

わたしも初来日の時から観ています。赤坂にあった小林克也も回してたソウ

ル・ディスコティークへの出演後、ベイスマンを連れ出して遊んでたら、彼が我が儘な事

を言い出して手に負えなくなったので、六本木のズッケロかどこかのクラブに放り

出して逃げたのは、何回目に来た時だったかな。下北沢のバ—でオーティス本人と

同席した事もあります。その時ホッヂズ兄弟のギタ—奏者の名前がティーニーでもあり、

メイボンでもある事を教えてもらいました。国立の一橋大の兼松講堂では演奏が

ハイ・リズムでしたから、そのまんまレコードの音でした。

このように全国各地で本場を知らないソウル音楽好きに、いろいろな体験をさ

せてくれたオーティス・クレイ。わたしの心の中では、虎ノ門の久保講堂から家まで、

ずっと興奮したまま帰った想い出が、まだ褪めていません。

残念だったのは、新しいヒット曲を作れなかった事でしょう。日本ビクターも、

独自に懸命な努力をして、花を咲かそうとしたんですが、現実はそんなに甘

くなかったようです。歌が上手くていい人だけじゃダメなんですね。

手許に彼がマイアミのT.K.から出していたシングルがあります。このケイヴェット・レイ

ベルともこの1枚だけの契約だったようです。そのA面、初めての来日でも唄

っていた「レット・ミー・イン」を聞いて下さい。発表1977年。悲しい歌です。

 

M08.Let Me In(3’55”)Otis Clay

-J.Slates, S.Pippin, L.Keith-  Kayvette 5133

 

N  あまり盤の状態が良くなかったですね。すみません。「レット・ミー・イン」でした。

こういうのをオ—ティスが手掛けると、本当に悲しくなってしまうのです。真心過

剰という表現はおそらくないでしょうが、ちょっとシンミリし過ぎます。逆にそ

こがこの国で受けた要因なのかも知れませんが、彼の逞しい魅力を何度も味

わっているだけに、もしわたしが現場でセッションを指揮していたら、「もうひと

味、明るく」「一瞬だけ笑って」というような指示を出したでしょう。今の「ケ

イヴェット5133」のB面、こちらでは彼の暖かい心が肯定的に出ていて、大いに

気に入っています。

聞いて下さい。「スウィート・ヲーマン・ラヴ」。あ、ジョ—ジ・ジャクスンの曲だったんだ

な、これ。

 

M09.Sweet Womans Love(3’29”)Otis Clay

-G.Jackson-  Kayvette 5133

 

M10.Besame Mucho(4’04”)Natalie Cole wt. Andrea Bochelli

-C.Velazquez-  Verve 0602537323951

 

N  さて、次も亡くなったばかりの歌い手です。ご存知、ナタリー・コール。先週はデュ

ーオの曲ばかりお聞き頂いて、若い時のヒットは今週に、と言っておりましたが、

予定変更。彼女が2003年に発表したラテン・アルバム『アン・エスパニョール』からお届け

します。これも気になるアルバムですね。まずはテノ—ル歌手のアンドレア・ボチェッリとの

二重唱で「ベサメ・ムーチョ」でした。この曲はコースターズのテッテ的に下卑たヴァ—ジョン

がわたしのアタマにこびりついているからでしょうか、このヴァージョンはちょっと

気品過多です。

次はひとりで伸び伸びと唄ってもらいましょう。

名曲「ソラメンテ・ウナ・ヴェス」。

 

M11.Solamente Una Vez(2’30”)Natalie Cole

-A.Lara-  Verve 0602537323951

 

N  ナタリー・コールのラテン・アルバム『アン・エスパニョール』から「ソラメンテ・ウナ・ヴェス」でした。

ナタリ—がこの企画に取り組んだ時に、父親であるナット・キング・コールのスペイン語連

作が頭をかすめたのは言うまでもない事でしょう。ブックレットには、彼女自身の

言葉で挨拶があり、こんな行りが出て来ます。

この種の、音楽的にも社会的にも馴れない世界に挑むのは、これまでの楽に

していられる環境から踏み出す事を意味します。その時わたしは父が同じよ

うな作品を仕上げていたのを思い出しました。それも一度きりでなく3枚も

作っていたんです。そしてその反響たるや、普通ではありませんでした。

 

ナタリ—が勇気を持って飛び込んだラテンの世界。父ナサニエルも唄ったこの曲です。

「キサス、キサス、キサス」。

 

M12.Quizas, Quizas, Quizas(2’27”)Natalie Cole

-O.Farres-  Verve 0602537323951

 

N  故ナタリー・コ—ルで、ラテン・アルバム『アン・エスパニョール』から「キサス、キサス、キサス」でした。

ではこの曲名に「テ」をつけて、もう一度お願いしましょう。

「手キサス、手キサス、手キサス」。

 

M13.I’m Not That Kat Anymore(3’01”)Texas Tornados

-D.Sahm- Riprise 9 26683-2

 

M14.Tennessee Whiskey(4’53”)Chris Stapleton

-D.Dillon, L.Hargrove-  Mercury   0602537577439

 

N  「テキサス、テキサス、テキサス」と呼びましたら竜巻が起こりました。テキサス・トーネイドー

ズで「アイム・ノット・ザット・キャット・エニモー」。これにはダグ・サームとオーギ−・マイヤーズだ

けが参加しています。この強者4人組なら、「あとは俺たちがやっとくよ」の

ひと言で「じゃあ頼んだよ」となるんでしょう。昨年しつこくお届けしたベス

ト盤を年末年始と聞き続けました。ホントいいね。その中の同一曲とは、ちょっ

とミクスが違ってるみたいです。どうなのでしょうか。

続けたのはクリス・ステイプルトンの新作から「テネシー・ウイスキー」。ジョージ・ジョーンズがヒ

ットさせた有名曲ですね。ここのところ続けてお送りしている田舎男たちの歌

と同系列に並ぶ酒の歌です。

「テネシー・ウイスキー」とレイベルに刷り込んでいるのは、かの有名な、デュエイン・オール

マン御用達で、それを真似てかキース・リチャーズも呑んでいたジャック・ダニエルズです。

今の音の重さからすると、悪酔いしてるのかな。

クリス・ステイプルトンの新作からもう1曲聞きましょう。

「我が心のならず者州」。

 

M15.Outlaw State Of Mind(5’35”)Chris Stapleton

-C.Stapleton, R.Bowman, J.Salley-  Mercury   0602537577439

 

N  ローン・スター・ステイトというのはテキサスの事。州の旗に星がひとつだからなんだそう

です。ならず者州はどこなんでしょうか。「オン・マインド」とあるからには、北

鮮やISの事ではないでしょう。クリス・ステイプルトンの最新作は「渡世人」という

タイトルで、全編がこれら2曲と同じ響きに覆われています。ずしりと重く、起

伏に乏しい、単調な、それでいて妙な必然性で迫る演奏、そして吠えるよう

な、吐き出すような歌。先週末にこの新譜を流しながら掃除をしましたら、

あんまり作業が捗らなかった。単純な軽い肉体労働には、軽快で小気味よい

リズムの、そうサル—サなんかが最適ですね。

昨今のカントリ—音楽を聞いてますと、非常に人間的な表現、つまり生身の演奏

や発声が尊重されている思いが強くします。クリス・ステイプルトンの新作からも同じ

事を感じました。必要な音なんでしょう。とても立派な主張です。えらいぞ、

田舎野郎たち。

さて、ここで音声ファイルの再生は、一時停止。暫しユ—チュ—ブでお楽しみ下さい。

ムジ・ファイアバードさんが教えてくれたイーナ・フォルスマンが唄う「16トンズ」です。

 

M16.16 tons(2’17”)Ina Forsman

-M.Travis-


https://www.youtube.com/watch?v=T597Xqgwmkg

N  素晴らしいね。この周辺にあったイーナの実況映像も観ました。カッコいい。顔恐

い。ds., b., gtr., hca.の3匹のオッサンたちの影が薄くなってしまいますね。

先ほどの動画を観た某白人が「singing blues is not only for old men」とコ

メントを寄せてました。もちろんです。いつからブルーズは歳とった男たちだけの

ものになってしまったのでしょうか。北欧の、若い、墨の入った女の音楽で

もあるのです。そして、わたしたちにも、ブル—ズはずっと一緒でした。

 

M17.16トン(4’21”)憂歌団

-M.Travis, T.Ozeki-  TDK  TKCA-30169

 

N  ユーカダンで「16トンズ」でした。マール・トラヴィスの原作に比較的チュージツな訳詞は尾

関 隆。名古屋に住んでいたオゼキ・ブラザーズのお兄さんの方だったかな。一度

お会いした事があります。とても大人しい落ち着いた人でして、憂歌団は彼

らの影響を強く受けた、と勘太郎から聞いていたので、「こんな真面目な人が

あのワル集団に影響を・・・」と、信じられませんでした。

さて「16トンズ」には、それ以前にこんな素敵なカヴァがあります。

 

M18.16トン(3’12”)フランク永井  

-M.Travis, S.Ida-   ビクター VICL-41268/9

 

N  フランク永井の「16トンズ」、1956年頃の発表です。下層労働歌の傑作ですね。

寺岡真三による昭和庶民歌謡調の編曲も大変結構。進駐軍ジープの運転手から

基地回りの歌手に転じた、フランク永井の真心のこもった歌い回しが、今も新鮮

に聞こえます。英語詞も丁寧に唄われていまして、だいぶ前に某朝番組でテネシ

ー・アーニー・フォードのオリヂナル・ヒットが流れた時に、わたしは「あ、フランク永井には英

語だけで唄った別のヴァージョンもあったのか」と思い違いをした程です。

さて「16トンズ」、イーナの分も入れると合計48トンを積ませていただきました。

重かったでしょう。ではその報酬に13,800円、お支払いいたします。

 

M19.13,800円(3’27”)フランク永井

-F.Takada, I.Tone-   ビクター VICL-41268/9

 

N  18,300円、1950年代半ばの大学卒業就業者の平均的給与だったそうです。

歌の内容は、「16トンズ」続きなのでしょうか、日雇い肉体労働者が資格を取得

し、結婚して家庭を築き団欒で明日への勤労意欲を燃やすという「期待さる

人間像」が章を重ねて描かれています。その間、昇給はなかったみたいです。

64年頃かな、何かの雑誌で見た西郷輝彦の「一ヶ月のお小遣いが20,000

円」という事だったので、それを父親に話したら月給総額と勘違いしたらし

く「そのくらい貰える人は、相当だ」という答えでした。10年で1割くらい

しか上がってなかったんですね。その後、経済は急成長しました。あ、また

また余談でした。

ジャズ歌手として世に出たフランク永井には、このような庶民生活に主題を求め

た歌が多く、それとは反対側に位置する「有楽町」「ナイトクラブ」イメヂだけで語

ってはいけません。上方ものもいいんだよ。あ、また脱線。

それはお待たせいたしました。今朝のイーナ・フォルスマンは「ドント・ハートゥ・ミー・ナウ」。

 

M20.Don’t Hurt Me Now(4’34”)Ina Forsman

-unknown-  BSMF 2490

 

N21.Early Morning Time(3’01”)The Ward

-The Ward-  Vanguard  78456-2

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  イーナ・フォルスマンの「ドント・ハートゥ・ミー・ナウ」、これもいいでしょう。顔はホント恐い

ですよ。お化粧のせいだ、との説がありますけれど、動画のスッピンも優しくな

いなあ。遠くから見ていよう。

その次はロバート・ランドルフのセイクリッド・スティールをフィーチュアしたザ・ワ—ドの「ソーチョージ」。

今回の彼らのアルバム『ソール・フード』は充実してますよ。こんなエキサイトメントがある

んなら、毎週キョーカイへ通ってもいいですね。わたしは日曜日以外にゴスペルを聞

くのに何となく抵抗があるのですが、これなら悪魔の金曜日でもいいな。ま

だ魅力的なトラックがたくさんありますから、この後も紹介して行きましょう。

さて年明け早々、身近な音楽家の死で始まった2016年。おそらく今後もた

くさんの訃報が届くでしょう。これは仕方ない。誰でも限りある人生です。

だからその場面に接して悲しむより、残された作品をずっと聞き続ける事が、

何よりの供養なのではないでしょうか。音楽家にとっての「録音」とは、そ

の為の物でもあるでしょう。

もちろん死んでからではなくて、生きているうちに作品を、本人を愛す事

の方が、絶対に大切なのは言うまでもありません。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/0ca7caf00a6ea54ff1e5425833593c7783bf6004

ダウンロードパスワード:wrysxrrt

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、今年も続きます。

鷲巣功でした。来週もあなただけに。

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    • 冬眠りす
    • 2016 1/16 3:28am

    DL7分もかかっちゃって、重いなあと思ったら、48トン積んでたのね。

    • プロフェッサー ロンゲ
    • 2016 1/16 4:05am

    あと3時間19分
    の表示でDLが込み合っているようですね。
    コーヒー入れてゆっくり待ちましょう。

    今日も更新ありがとうございます。

  1. 感謝☕

  2. Amy Winehouse + Joss Stone ÷ Etta James = Ina Forsman
    こんな方程式を思い浮かべてしまうのは私だけ…でしょうか。
    ほんとに二十歳(ハタチ)か。
    (G⚪️K⚪️さん同様 年齢詐称疑惑が…)

    いつも更新ありがとうございます(感謝・多謝)。

    訃報つづきで気が滅入ります。

    • ヴェンテン
    • 2016 1/21 1:08am

    なんかバタバタしていて、遅ればせながら今週も幻ありがとうございますm(._.)m。イーナ、迫力の16トンですね。しかし極東のファンがみんなして怖い顔怖い顔言うてるの、知らんやろなぁ(笑)(^O^)。16トンといやあ、フランク永井ちゃま版を初めて「うつつモーブル」で聴いた時のことが忘れられません。最初に師匠のMCを聴き逃していて、これ、二世の米兵さんが唄ってるのかな、ずいぶん日本語歌詞の発音が良いなあなどと思って聴いていたです(笑)。その後、よく聴いたこともなかったフランク永井ちゃまを聴き直したことは言うまでもありません。キャロルしかり、師匠の放送では、思いがけないところにいつもスポットライトが当たるのよねえ。ところでジーン・ジニーは、石川町にあった伝説のライブハウスですね( ^ω^ )。やや怖い場所と聞いていたので行ったことはありませんが。
    Tレックスは人並みに聴いていましたが、ボランちゃんがティラノザウルスみたいに太っちゃったのは裏切られたみたいな気がしたです( ; ; )。
    さてこれからもう少しゆっくり聴き直します。皆さんありがとう(^^)。

    • 類似穴
    • 2016 1/21 3:03am

    ア、アサーーーーーーーーーーーー
    がぶってがっぶって奮闘中。

    • izuminy 絶滅危惧種いじわるミー
    • 2016 1/22 2:31pm

    鷲巣功様 澤田大黒氏 こんにちは。(Web管理の人もいつもありがとうございます。)

    毎週、毎週、毎週、毎週、”幻”音楽探偵 記事更新 蟻が10匹、ありがとう!!感謝感激!今日はバーモンドカレーの日ですか?(FBで、今日目にしました。)秀樹感激!(このコメントを読まれた方の、ため息が聞こえてくるようです、、、、。)
    で、David Bowie “Changes”かけていただきありがとうございました。引用始〜「自叙伝的に生み出した作品」〜引用終 でしょうね。たぶん、さよならだけが人生さ!by 川島雄三 ではないですが、変容だけが人生さ!byテイヒット・ホウイではないでしょうか。一点の曇りのない素敵なマイアイドルに濁点なんてものもつけたくはなくて、しばらく、テイヒット・ホウイと呼んでました。バカです。
    昨年から”さよならだけが人生さ”を実感する日々です。昨日は友人のご親族の葬儀でした。
    また、今日の深夜、明日の早朝、小望月に”読む”ラジオ楽しみにしております。泉の助

    • izuminy 或いはもう絶滅種いじわるミー
    • 2016 1/22 5:08pm

    続投失礼いたします。イナ・フォースマンのヴィディオ、ユーチューブで見ました。
    ヴェンテンさんのコメント引用〜『しかし極東のファンがみんなして怖い顔怖い顔言うてるの、知らんやろなぁ(笑)」。笑う!!同意します。
    ファーイーストの”読む”ラジオ周辺でうら若き乙女ブルーズ歌手の”かんばせ”について話題になっているとは、、、。しかし、彼女は美しいですよ。北欧の人らしく大柄で、歌っている表情なんて初々しくチャーミングだと思いました。が、スタイリストに洋服選んでもらったらなおいいかな?あと「奥様は魔女」?のママのアイラインメークは、、、。ね。残念な感じ。余計なお世話ですね。美しいですよイナ。 泉の助

    • プロフェッサー ロンゲ
    • 2016 1/22 8:53pm

    きっと数は )) ☆ (( 変わらない 
    鷲巣功様 澤田修様
    こんばんは。
    めっきり寒くなりましたのでカゼなどひかれませんように。
    くれぐれもお体をお大事にして下さい。

    ボウイはもともと「星」の人でした。
    この世では人が亡くなられたときに「星になった」とか、
    「星が消えた」とか言うことばで示すことがあります。
    であればボウイが亡くなられたことで夜空の星は増えたのでしょうか?
    それとも減ったのでしょうか?

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