【幻】モーニン・ブルーズ 2016/02/27

mb160227

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。1週間のご無沙汰でした。司会のモーニング小僧。ワトゥーシ・

アイザヲです。輪投師藍蔵王とも表記しています。

予言者ムホンマド・ワシの先読み的中、グラミー・ウイナーです、クリス・ステイプルトゥン。

最新アルバムのタイトル・ナムバーで祝いましょう、「トラヴェラー」。

 

M01.Traveller(3’42”)Chris Stapleton

– C.Stapleton –   Mercury 0602537577439

 

N  ちょっと遅きに失した報告ですが、クリス・ステイプルトゥン、このアルバムで、グラミ—

ベスト・アルバムを受賞です。同時に他の受賞盤はありますが、わたしの知ってる

のはこれだけでした。初めて紹介した時、しきりにその重量感を語っていた

記憶があります。やはり重たい一枚だったんですね。「渡世人」という題名が、

また想像を刺激します。二つ折ジャケット内側のカラ—写真、角の生えた四駆にもた

れて何か語り合っているクリスと同行の女性、この写真が更に妄想を駆り立てま

す。そして再び表題名が蘇って来る・・・確かによく出来たアルバムです。

 

音楽の世界では全てが他の何かを導く。旋律は言葉を、言葉はひとつの

印象を・・・、これらが歌になる。その歌はある一瞬の響きを奏でながら、

聞く人を過去、あるいは未来に連れて行く。新しい歌は、また別の何かを

導いて来る。この「レコ—ド」は、わたしの人生を満たしてくれた人たち、あな

たたちに捧げよう。

 

こんなグラミ—受賞コメントのような挨拶が、既にアルバムには記されていました。

 

M02.Sailboat For Sale(3’08”)Toby Kirth wit. Jimmy Buffett

-T.Keith, B.Pinson-  Showdog Nashville 0850692006190

 

N  こちらは日本市場から撤退を決めたフォードF-150・ピックアップで時速35マイルの

制限を守りながら街道を流すトビ—・キイズ、もう既に何曲か聞いて貰っている

最新盤から、「売りに出されたセイルボート」、ジミ—・バフェットとの二重唱でした。こ

れがこのアルバムの目玉トラックだったという事です。

 

M03.Why Me Lord(3’54)T.G.Sheppard wit. Conway Twitty

-K.Kristferson-  Goldenlane GLO 0077

 

M04.I Don’t Hear You(2’52”)George Jones

-B.Owens-  Retro World  Blue 178

 

N  同じ時期に新譜を発表したT.G.シェパードの「ワイ、マイ・ロード」、クリス・クリストファスン

の歌ですね。非常に彼らしい作品です。これは大御所コンウェイ・トゥイティとの二重

唱でした。共に正統派の礼儀正しいカントリー・スタイル、結構でした。演奏も秀逸。

そしてワルツを続けて、クセ者ジョージ・ジョーンズで「あなたが聞こえない」、1962

年の作品です。この人の歌の世界がわたしは分らないまま、聞き続けて数年

経ちます。キリスト教の教えからテーマを採ったものが多く見られますが、その真意

はなかなか理解出来ません。今の「アイ・キャント・ヒア・ユー」も、単なる絶望的状

況下での求愛と受け止められますが、ひょっとしたら、この「あなた」は「神」

なのかも・・・。

冒頭から極めてカントリ—色の強い今朝の「モーニン・ブルーズ」、まだこのまま行き

ましょう。次も強力です。

ドリー・パートン、「オハイオの岸辺で」

 

M05.Banks Of The Ohio (3’49”)Dolly Perton

-trd.arr.by D.Perton –  Masterworks 8884303269 2

 

N  「オハイオの岸辺で」、ドリー・パートンでした。ラジオ界の伝説では、その昔これを

「オハイオ銀行」と訳した人間がいて、このわたしも知る程に語り継がれていま

す。本当かな。盛った話ではないのかな、という気もしますがね。

オハイオ河の土手に恋人を連れ出してナイフで差し殺す、という恐ろしい歌です。

この国では近松の作品に象徴される心中物の流れがあり、現代でも渡辺淳一

の「失楽園」などは、その伝統に立脚したものでしょう。性愛過剰ですが。

それが西洋では、この「オハイオの岸辺で」のように、愛と憎しみの果てに相手

を殺す、という展開の方が多いような気もします。

毎年通っていた避暑地の情景が穏やかに語られ、残念だけれども今年は行

けない。何故ならば恋人を今、殺してしまったので、と結ぶ「思い出のサントロペ」

を初めて聞いた時は、計り知れない衝撃を受けたものでした。

今のドリーの歌もそこを知らずにいると、「奇麗な歌だなあ」で済んでしまい

ます。努々、結婚披露宴では歌わないで下さい。

さて数少ないカントリ—番組「モーニン・ブルーズ」、今朝の大きな目玉曲を紹介しま

しょう。

ヴィンス・ギルです。この間レコード店で新譜に出会いました。ちょっとご無沙汰

でしたね。『ダウン・トゥ・マイ・ラースト・バーッド・ハビット』。素晴らしい出来です。リズ

ムが、スティーヴ・ジョーダンとウイリー・ウイークスと来ればそれだけで「可」です。楽曲自

体も充実してるし、生の音の真実味が迫って来ます。今朝は名刺代わりのアルバ

ム第一曲、

「ザ・リーズン・フォー・ザ・ティアーズ・アイ・クライ」、待ってましたぁ。

 

M06.The Reason For The Tears I Cry(3’56”)Vince Gill

-V.Gill-  MCA Nashville 060254764738

 

M07.Ain’t Nothing Like A Real Thing(3’53”)Vince Gill & Gladys Knight

-V.Simpson, N Ashford-  MCA  MCAD-10965

 

N  ヴィンス・ギルの新譜から、「俺の涙のその訳は」。そしてわたしが彼の事を知っ

た忘れられない1曲、ドン・ヲズ制作の名盤『リズム、カントリ—、アンド・ブルーズ』か

らグラディス・ナイトとの二重唱「リアル・シング」を続けました。わたしはこの時の印

象でずっと来たので、彼の事をピンのヴォ—カリストだとばかり思っていました。アル

バム『ギター・スリンガー』でテレキャスターをカッコ良く弾いていて、おや、と思った位です。

その後はギタ—のセッション・アルバムも出してましたね。今回の新譜にも、ダーク・

サンバーストのギブスン335を抱えた写真が3葉も、ジャケットで使われています。彼の

ギタ—の腕前は、つとに知られており、今の「リアル・シング」もソロは彼自身でした。

この手応え充分の最新アルバムからは、このあとも聞いて貰います。お楽しみに。

さて、かつての大物たち、あるいは過去の大ヒット曲が安価で手に入るように

なって久しいですが、原盤権の消滅した古い録音がまとめて大量に安く市場

に出回る流れは、おそらく止まらないと思われます。缶入りユニオンスクエア社、「NOT」

印の組み物、詳細な解説も素晴らしいプロパーの箱詰めなど、既に名門もござ

います。大体2枚組で2,000円を超えるものはありませんから、もし敬遠し

ている方がいらっしゃいましたら、騙されたつもりで一度お試し下さい。

この国の歌謡曲系の『ゴ—ルド・ベスト』や『全曲集』と銘打った制作過程に

何の愛情の感じられない高価格盤よりは遥かに満足を得られます。

ヴィンスの新譜を手に入れた時は、これまで単独LPすら買った事が無かった

歴史的大物、ウディ・ガスリーとピ—ト・シガーの組み物を購入しました。どちらも4

枚セット、しかも各盤25曲入り。100曲づつなのよ。まだ単位を取ってなかっ

たワツシ大学「フォ—ク講座」を履修する為の必須教本です。

今朝は新入門生歓迎会で聞かせてもらった両巨匠の代表曲をお聞き下さい。

ウディ・ガスリーです。「我が祖国」。

 

M08.This Land Is Your Land(2’19”)Woody Guthrie

-W.Guthrie-  Not Now Music NOT5CD915

 

N  1944年といいますから、まだ第二次世界大戦中に発表されたウディ・ガスリー

の「我が祖国」でした。当時は全米がひとつになって三国同盟の敵国と戦っ

ていた筈ですが、既にこのような批判精神がしっかりと芽生えていて、また

それを支持する大勢の人たちが居た、という証明です。この歌の中の「You」

は、複数で「あなたたち」、つまり「わたしたち」なんでしょう。

これまでしっかり聞いた事が無いわたしでも、この歌は知っていました。

それは、このカヴァがあったからです。

 

M09.This Land Is Your Land(2’27”)Peter, Paul & Mary

-W.Guthrie-  ワーナーWPCR-14347

 

N  「我が祖国」、美しいコーラス・ハーモニーでオリヂナルよりもこの歌の一般化に貢献し

た、ピ—タ—、ポール・アンド・メアリでした。紅一点メアリ・トラヴァ−スがちょっと風邪を

引いているような声でした。聞き始めて50年の今頃、気付きました。

ウディ・ガスリーの発表から約20年経って、ベトナム戦争が激化して行く最中にも、

この歌「我が祖国」は愛されました。その頃の人々は、このPPMのヴァージョ

ンで聞いていたのでしょう。こう言っただけで、その頃のアメリカでの反戦集会の

様子が浮かんで来る人は、もう居ないかも知れません。でもわたしの心には

浮かんで来ます。曇り空のした未舗装の広場に皆んなが座り込んで、一緒に

この歌を唄っている画です。実際には参加はおろか、見た事すらないのです

けれど。

フォ—ク講座のもうひとつの柱はピート・シーガー、この人は先のウディ・ガスリーとほ

ぼ同時期に、やはり体制批判的観点から沢山の歌を作り、唄い続けた人です。

こちらの単位も未取得でした。

受講資格審査試験の問題は、「この歌のカヴァ作品を揚げよ。ただしPPMは

除く」でした。難問です。

 

M10.The Hammer Song(2’00”)Pete Seeger

-Seeger, Hays-  Proper  PROPERBOX184

 

M11.If I Had A Hammer(2’12”)Peter, Paul & Mary

-Seeger, Hays-  ワーナーWPCR-14347

 

N  「ザ・ハマー・ソング」ピート・シーガー、「天使のハマー」ピ—タ—、ポール・アンド・メアリで

した。「この歌のカヴァ作品を揚げよ」、誰でもすぐに思いつくのが、このPPM

ヴァージョンでしょう。その他にと言われてもねえ・・・、わたしの捻り出した

答えはこれです。

 

M12.天使のハンマ—(2’57”)内田裕也

-Seeger, Hays-  東芝TOCT-11301

 

N  内田裕也で「天使のハンマ—」、演奏はブルー・ジーンズでした。この答えが認めら

れ、ウディ絣とピ—ト滋賀の名作を辿る「フォ—ク講座」に、これから時間をかけて

出席します。不定期ですが報告もいたします。お楽しみに。

さて、先週紹介したエイスのご機嫌なコムピ盤『レイディオ・ゴールド』、日曜日に物

色したらすぐに第1集、2集、4集と揃ってしまいました。ちょっとあっけ

なさ過ぎた感じ。5集以降も発売されているようですが、収録曲目に魅力を感

じないので、ここまでかな。第4集はジャケットにヲーフマン・ジャックがDJをしている

写真が使われています。カッコいいですよ。

第2集には「英国でヒットしたアメリカ製の楽曲30」という副題がついていまし

た。全てがその通りでもないでしょうが、英国で話題になったアメリカのポップス

という枠で括られているようです。そこに「ラジオ」という言葉、概念を持ち

込んだのが、勝利の発想でしょう。当時音楽を伝えるミーディアは、段突にラジオ

でしたからね。

各30曲入りですから120の素晴らしい素材が集まりました。全くの無反応

でしたけれど、ちょうど昨年の今ごろ「ドゥー・ワップ」を連続紹介しましたね。

あんな感じで、しばらく勝手にこの『レイデゥオ・ゴールド』から紹介して行きま

す。よろしければ、お付き合い下さい。

今朝は器楽曲、インストゥルメンタルのヒット曲をお届けします。どちらかと言えば珍し

い存在ですね。わたしには1968年に全米第1位となった「恋はみずいろ」の

残像が未だ見えます。果たして英国ではどうだったんでしょうか。4枚の中か

ら探し出してみました。

まずは59年に13位となった「イン・ザ・モード」です。「あれかあ」と早合点

しないで下さい。アーニー・フィールズ・オーケストラの演奏です。

 

M13.In The Mood(2’36”)Ernie Fields Orchestra    ’59 #13

-Razaf, Garland-  ACE  VDVHD 446

 

N  アーニー・フィールズ・オーケストラで「イン・ザ・モード」、39年のグレン・ミラー楽団とは違っ

て、ビ—トを強調した別のアレンヂでしたね。なかなか素敵だ。ドラムスが良かった。

ちょっと漂うノヴェルティ風味が、皮肉好きなイギリス人に受けたのでしょうか。日

本では戦後何年経っても、圧倒的にグレン・ミラーでした。この違いは大きいな。

さて次は初代エレキ・ヒーローと言っても良いデュエイン・エディです。こちらは60年

に堂々第2位に付けました。イギリスの60年と言うと、エレキ・ギターが一般化した

直後くらいでしょうか。硬質ながらトレモロ、リヴァーブなどで甘辛く色付けされた

音色、トワエイン・ギターなどとも言われた弦を強く弾く奏法が冴えてます。

ではお聞き下さい。「なぜなら、彼らはまだ若い」です。

 

M14.Because They Are Young(2’03”)Duane Eddy

-A.Schroeder, W.Gold, D.Costa-  ACE  VDVHD 810

 

N  デュエイン・エディの「ビコーズ・ゼイ・アー・ヤング」でした。次はチャ—ト入りこそ果た

していませんが、話題になったのでしょうかね。ピアニスト、フロイド・クレイマーの

「ラスト・デイト」、彼の代表的ヒット曲です。エリック・ドルフィーではありません。1960

年とクレジットされています。

 

M15.Last Date(2’26”)Floyd Cramer

-F.Cramer-  ACE  VDVHD 810

 

M16.On The Rebound(2’11”)Floyd Cramer

-F.Cramer-  ACE  VDVHD 557

 

N  「ラスト・デイト」、フロイド・クレイマーでした。続いたインスト曲はまたフロイド・クレイマーの「オ

ン・ザ・リバウンド」、こちらは61年に第1位獲得曲になっています。何かの番

組テーマ曲にでも使われたのでしょうか。

フロイド・クレイマーはエルヴィス・プレズリの録音でバック演奏をしていたナッシュヴィルのスタジ

オ・マンです。その後ポピュラ—・ピアノ奏者として独立して、このようなインストルメンタル

のヒットを何曲か出しました。ナッシュヴィル経験が長いだけあって、若々しいリズム感

が特徴です。酒場ピアノ風、ホンキ・トンク調でもありますね。

1970年代、西新宿の某ラジオ局はストリングス系のイージー・リスニングが最上級の大衆

音楽と決めつけて憚らない間違った思想に取り憑かれていました。そのため、

全時間帯、全番組でこの種の音楽を使う事が是とされていました。狂ってる

よな、絶対。この分野だけは豊富にレコ—ドが揃っていてね、正直言って退屈極

まりないものばかりなんです。ピアニストなら、カーメン・キャバレロとかリチャード・クレイダ

ーマン。

そんな中で、イージー・リスニング的ではありますが、フロイド・クレイマーの音楽は面白

くて、よく選曲対象にしていました。

この話を萩原健太が喜んでね。自分の番組でわたしに喋らせたがるもんだ

から困った事があります。同じ放送局の番組の中でなんですよ。

さて、次を聞いて「あれえ」と思う方は多いでしょう。

B.バムブルとスティンガーズです。曲目はヒミツ。

 

M17.Nut Rocker(2’02”)B Bumble & The Stingers

-Txhaikovsky, arr.by A.K.Fowley-  ACE  VDVHD 446

 

N   1972年7月22日の後楽園球場を興奮の坩堝とさせたエマスン、レイク・アンド・

パーマーが得意にしていた「胡桃割り人形」の原曲がこれです。オリジナルは62年

に、英国でも立派にナムバー・ワン・ヒットとなっています。ELPのは楽器の音色が

違うだけで、コピ—と言って良いですね。当時この原曲の存在を知っていた人

間が日本に居たのでしょうか。わたしは何も聞かなかったなあ。いずれにせ

よ、チャイコフスキーの書いた旋律がいかにポップだったか、という証明です。「チャイコフ

スキーに教えとけ」、脱帽。

さて『レイディオ・ゴールド』シリーズ4作からのヒット器楽曲集、時代的に最後は63

年の物になります。

第29位を記録しました。ザ・ファイアボールズで「クイット・ア・パーティ」。

 

M18.Quite A Party(1’48”)The Fireballs

-G.Tomsco-  ACE  VDVHD 446

 

N  ザ・ファイアボールズで「クイット・ア・パーティ」でした。おそらくはスタジオ・メンででっ

ち上げた実体のない演奏集団でしょう。楽曲もブルーズ進行を流用した気楽で

C調なモノでした。これもなんかのテーマ曲だったのかな。

さて『レイディオ・ゴールド』シリーズ4作にはこのような、どことなくクスグられる

かつてのヒット曲が120も詰め込められています。来週から少しではありますが、

ひとつのテ—マのもとに選んで紹介して参りましょう。各盤はバラバラな並べ方で、

こういうのはその方が面白く聞けるのですが、リチギなモーニン・ブルーズはお行儀

良くさせてもらいます。

この4枚の楽曲中、一番新しいというか年代的に後に来るのは、1971年の

ヒットです。何故か第1集の1曲目が、これなんです。71年と言えば、そろそ

ろオールディーズ風味が無くなって来るころですが、不思議だなあ。

でもこれなら文句なし。カヴァ・ヒットでした。

ケイジャン版「プロミスト・ランド」ジョニー・ア−レン。

 

M19.Promised Land(2’08”)Johnnie Allan

-C.Berry- ACE  VDVHD 347

 

N  「プロミスト・ランド」ジョニー・ア−レンでした。これは彼の重要な持ち歌になってい

ます。ロニー・マックの「メムフィス」みたいなものでしょうか。

では、決定的なオリヂナルを。こちらのヴァ—ジョンも『レイディオ・ゴールド』シリーズ第

4集に入っていました。同一楽曲でダブってたのはこれだけですね。

チャック・ベリーです。「プロミスト・ランド」。

 

M20.Promised Land(2’23”)Chuck Berry

-C.Berry-  Chess MCD80245

 

N   チャック・ベリー64年の作品「プロミスト・ランド」でした。出所後の作品ですね。

絶頂期に刑務所服役で3年の空白を強いられるというのは、普通ならばそこ

で挫折し、グレてアル中か薬物依存症で野垂れ死に、というパタンがフツーですが、

このように以前よりも奥の深い作品を創り出すようになったチャック、やはり持

ち前の人間不信は中途半端なものではなかったようです。何と偉大な。

この歌は聖書に出て来る、神がイスラエル人民に授けると約束をした土地の逸話

からのインスピレイションで書かれたとされています。そこを読んでか、こんな人も

カヴァしました。

「約束の地」、ジェイムズ・テイラーです。

 

M21.Promised Land(4’03”)James Taylor

-C.Berry-  Warner Bros. 2794-2

 

M22.Magic Touch(2’31”)The Platters

-B.Ram-  ユニバ—サル  UICY-80014

 

N  ジェイムズ・テイラー1974年の「約束の地」でした。安定期のジェイムズ・テイラー、今

に繋がる彼の音楽の傾向は、この辺りで確立され始めました。先頃、昨年の

独演会の映像を見る機会がありました。いや素晴らしい。思わず「高齢音楽

家のお手本」という表現が口をついて出た程です。全体に落ち着いた雰囲気

の中、歌、演奏は高度に洗練されている。そしてなおかつ創造性がまだ漂う、

ここが大切。この時の実演で新しい何かを感じよう、昨日までと違う事をや

ろう、という自発的な前向きさが漲っていて、圧倒的な説得力で迫ります。

多くの長寿様がたにも、是非一度観て頂きたいですね。

その次はプラターズの「マヂック・タッチ」、56年のヒット曲です。先週「アメリカン・グラフ

ィーティー」のサントラを聞いて、プラターズはやっぱりいいなあと2000回目の再認識、

それでつい今朝も、何の脈絡も無いままにお聞き頂きました。

さて、最後にアンソニー・ジェラーシというブル—ズ・ピアニストをきいてもらいましょう。

アメリカ東海岸の古い町、ボストンで活動する音楽家です。耳にして、わたしはオーティ

ス・スパンからの影響を大きく感じました。まあ彼の影響下にないブルーズ・ピア

ニストはいないでしょうけれどもね。鋭いタッチで鍵盤を叩くところに、その影響

は端的に現れています。まずはストレイト・ブルーズ、50年代後期のマディ・ヲーターズ・

バンドの音が聞こえて来ます。

「ハード・ザット・トットゥワイラー・ウッスル・ブロウ」。

 

M23.Heard That Tutwiler Whistle Blow(5’20”)Anthony Geraci  Spann

-unknown-   BSMF 2491

 

N  「ハード・ザット・トットゥワイラー・ウッスル・ブロウ」、アンソニー・ジェラーシでした。声と唄い方

が非常にマディ・ヲーターズですね。彼の重量感がよく再現されています。アンサムブル

も、画に描いたようなマディ・ヲーターズ・アンド・ヒズ・ブルーズ・バンド。如何に彼

のバンドが理想的なブルーズの形を持っていたか、という事にもなります。普通

ですと、こういう再現的演奏には何処となく嫌味な感じが付き纏うものです

が、このトラック、いやこのアルバム全体にその類いの異臭はなかったですね。花粉

症で鼻が麻痺したのかな。音自体も自然です。何がいいんだろう。秘訣を知

りたいな。

通してみて、聞き所は多いですよ。マイナー・ブルーズをいくつか手掛けている

のも面白い。ここにもスパンの影響は滲み出ています。特にニューポートのライヴかな。

聞いて下さい、やはりボストンで活動していて昨年2月に亡くなった音楽家に

捧げています。「ブルーズ・フォ−・デイヴィド・マクスウェル」。

 

M24.Blues For David Maxwell(6’06”)Anthony Geraci

-unknown-   BSMF 2491

 

M25.Teach Your Children(2’54”)Crosby, Stills & Nash

-Nash-  Atlantic 7567-80487-2 PW

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  アンソニー・ジェラーシの「ブルーズ・フォ−・デイヴィド・マクスウェル」でした。マイナ—・キイで押

しまくって、コ—ダでナチュラル・コ—ドに帰結する、この部分で救われる思いです。

亡くなった先輩への追悼が、純粋に表わされているように感じました。

最後はクロズビー、スティルス・アンド・ナッシュの「ティーチ・ヨー・チルドレン、ウェル」でした。

20世紀のコーラス・ハーモニーの頂点は彼等が築いた、最近そんな気がしていまして、

遅ればせながら2枚組のベスト盤を手に入れて聞いています。まだ唖然とする

ばかり。分析など、とてもとても・・・。

先週の「十代の不良の集まる騒々しい音楽が鳴ってる遊び場にて」では、

LPレコ—ドへの注意書きの話を、ペタシ66さんが思い出してくれていました。わ

たしもね、たしか昔、ウツツ時代にも喋ったなあ、という微かな記憶があったの

です。嬉しかった。どうもありがとうございます。

その同じ投稿で、「散らかってる感じが月-木の頃みたいで」とありました。

御意、です。最後の方で「テュペロー」、「ヴィークル」が入って来たのは、時間の読

み違いによるものです。普段は外して行く方が多いのですが、この日は違い

まして、周辺にあったものを取り敢えず流したのです。でも「テュペロー」は、

この日一番カッコ良く響いたかも知れません。怪我のコ—ミョ—的に聞こえました。

「月−木の頃」の最後の20分は、戦場でしたからね。

今朝もそれに似たようなものです。ジェイムズ・テイラーは、慌てて隣の部屋のレコ

ード棚から探して来たのです。チャックの2分23秒の間にね。プラターズも同じく。

先週の訂正は、

今の「アローウハ・ホーモーリ」は

ポーバック・ポップ・ステイプルズ(2ヶ所)

この他に6ヶ所あるという人がいます。さてどこでしょう。

特別付録、大勢の方にご利用いただいています。「落とすのに時間がかか

る」とか「デイタが重過ぎる」とのご意見、承っております。対策を考慮中

ですので、今しばらくお待ち下さい。確かに恐ろしい時間がかかっているよ

うですね。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/b9b16f057ec864087ed1a29723cbcc390a8265b5

ダウンロードパスワード 8disz44g

使用音源ジャケット写真もね、もう少し鮮明に掲載出来るよう、ズミイ写真教室

で特訓を受けています。もうじきマシになる筈です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

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    • プロフェッサー ロンゲ
    • 2016 2/27 3:29am

    おはようございます。
    カントリーって田舎じゃないですね。
    最近少しは良さがわかってきた。
    かな。
    やっとこさ。
    今週も更新ありがとうございます。

    • ヴェンテン
    • 2016 2/27 10:32pm

    今週も更新ありがとうございますm(._.)m。先週今週とリアルタイムに聴けずですが、ムジ鳥さんのツイートなどにも助けられつつ、ボチボチ聴いております。ち冷えさんご紹介でミワさんのサントロペ聴きましたがなかなかのものですねえーσ^_^;。それから、グラミー賞ということで、ハワイ出身アーティストブルーノ・マーズちゃんをリクエストしておきます(^-^)/。

    • モゾモゾシテキタ リス
    • 2016 2/29 2:10am

    「胡桃割り人形」いいなーこれ。

    • クリやん
    • 2016 2/29 10:24pm

    毎週ありがとうございます。
    今回は土曜の早朝4時頃に出かける用事があったので、土曜朝の3時前に起き、3時数分に付録のダウンロードを試みました。ADSLなのですが、28分間ほどでダウンロードが終わり、パソコンは「アサー」の再生を始めました。ほっ。でも、すぐに出かけたので、まだ、頭しか聞いていません。m(^_^;;m
    ダウンロードに半日近くもかかったときの付録と比べてデータ量はあまり大きな変化はないようですので、鷲頭さんは無罪で、付録データに問題があるというより回線の混雑など(?)がダウンロード時間に影響があるかもしれませんね。鷲頭さん以外に近隣にどんな人気者のデータが居るのかしら?

    • ペタシ66
    • 2016 3/2 1:06am

    今週も楽しく聴かせて頂きました。Rhythm Country & Blues はこの番組最多出場選手なのでは、たまに他所で聴いても、Mornin’ Blues を思い出します。
    一番最後は、Y が付いた方がしっくり来ますが、CSN盤だったのですね。

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