【幻】モーニン・ブルーズ 2016/10/29

mb161029

 

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。夜の明けるのが大分遅くなって来

 ました。関東地方、東京の本日の日の出は、午前5時59分30秒です。日没

 は午後4時49分。太陽が空にあるのは、11時間足らず。「幻」開始時は、ま

 だ「アサー」でなく「ヨルー」です。

  そこで1曲。スモーキー・ロビンスンで「イッツ・ア・グッドナイト」。

 

M01.イッツ・ア・グッド・ナイト(5’56”)ウイリアム・スモーキー・ロビンソン

-W.Robinson-  ビクター  VIP-6715

 

N  「イッツ・ア・グッドナイト」、スモーキー・ロビンスンでした。1972年に自らが率いていた

 ミラクズズを抜けて、彼らをエピック・レコ—ドに押し付けて気楽な独り身で過ごして

 いたスモーキーが、本気になって制作を再開したアルバム『ウェア・ゼアズ・スモーク・・・』

 の冒頭曲です。このアルバムからは「クルージン」の全米第一位ヒットが出て、この後

 しばらくスモーキーは快進撃を続けます。このLPにはテムプスに唄わせた「ゲット・レ

 ディ」に大袈裟な弦を乗せたロビンスン仕様もあったりして、面白い1枚でした。

 その中で特に注目を集めたワケでもないこの「イッツ・ア・グッドナイト」がわたしは

 好きで、当時の赤堤ワツシ番付では6週間ほど第一位を維持していました。繰り

 返される分り易いリフに愛嬌がありますね。

  さて、10月22日、23日、つまり先週の土、日は「ライヴ・マヂック」が開催さ

 れ、好評裏に無事終えたようです。わたしは23日しか出掛けられなかったの

 ですけれど、充実した実演体験を味わえました。ちょっと振り返ってみまし

 ょう。

 

M02.Cherry Ball Blues(4’11”)Sonny Landreth

-S.James-  Provogue PRD 7466 2

 

N  初日の幕開け、そして楽日のオオトリ、今回の目玉とも言えたサニー・ランドレスで、

 最終の舞台でも演奏していた「チェリー・ボール・ブルーズ」です。作者のスキップ・ジ

 ェイムズに関して、何やら始める前に喋っていましたね。彼の実演が、こんなに

 大音量だとは想像していなかったです。驚きました。アムプはフェンダーのツイン・リヴ

 ァーブが2台ですから、ギター・トリオとしては大した事ない装備ですけれど、とに

 かく会場内を圧倒するギターの音でした。ただその制御が絶妙でね。演奏自体

 はとても繊細な手さばきで行なわれた、見事なものでした。弦を弾く右手だ

 けでなく左手でも音量を上手に操っていました。だから耳鳴りがするような

 事もなく、わたしは一瞬ですが気持ちよく眠れた位です。加えてあの尖った

 鼻が印象的で、密かに危険な薬品開発をしている化学者のような姿。

  唄はそれほど上手ではありませんでしたが、各楽曲への素直な愛情が感じ

 られて、気持ちよかったですね。今さらのようにブルーズ音楽の魅力を体感し

 た思いです。

  最新アルバムで採り上げていたエルモアのナムバーを聞き逃したのが残念でした。お

 聞きになった方、どんなだったか教えくれませんか。

 

M03.Dust My Broom(4’07”)Sonny Landreth

-E.James-  ProVogue PRD 7466 2

 

N  サニー・ランドレスでわたしの聞き逃したかも知れない「ダスト・マイ・ブルーズ」でし

 た。

  さて、今年のもうひとつの目玉は、吾妻光良。初日はスウィンギン・バッパーズで、

 楽日がレギュラー・トリオにピアノとパーカションを追加した特別コムボ。わたしが観られた

 のはコムボの方だけだったのですが、それでもとても満足出来ました。お客さ

 んの反応がとても暖かく、彼のこんな嬉しそうな表情は観た事がありません。

 リパトゥワがオハコばかりではなかったせいか、譜面台を置いていたのが残念。下手

 からはあの唯一の右手捌きが見えなかった。

  気楽に好きなナムバ—を唄い演奏していて面白かったですね。途中「自分が一

 番好きなのはキャッツ・アンド・ザ・フィドルだ」と言っていたのが、分らなくもない

 が意外でもあり、印象に残りました。

  ではそのザ・キャッツ・アンド・ザ・フィドルでお楽しみ下さい。

  「ワン・イズ・ネヴァ・トゥー・オールド・トゥ・スウィング〜スウィングに年齢上限制限なし」。

 

M04.One Is Never Too Old To Swing(2’50”)The Cats And The Fiddle

-T.Grimes-  Acrobat FABCD 196   4弦gtr.

 

N  「ワン・イズ・ネヴァ・トゥー・オールド・トゥ・スウィング〜スウィングに年齢上限制限なし」、

 1941年の吹き込みです。まだ黒人音楽が一般市場で認められる前、「ジャイヴ」

 と呼ばれた、ブルーズとジャズを黒人特有の洒落た言語感覚とハ—モニ—で味付けし

 た粋な「小唄」です。お聞きのようにこの後のジャズ・コ—ラスやドゥー・ワップに繋

 がる近代黒人ヴォーカル・アンサムブルの祖です。この洗練感覚にはシビレますね。ウットリ

 もします。

  吾妻光良はバッパ—ズや他のセッションで、コ—ラスを尊重したリパトゥワをあまり採り上

 げていませんでした。わたしの「意外」の根拠はここにあったのですが、そ

 うだよね、やっぱりこういう声の絡みはたまんないね。納得です。回りの人

 間も気軽に合わせて、一緒に唄って欲しいですね。おい、オカチ。

  このザ・キャッツ・アンド・ザ・フィドルには今の「ワン・イズ・ネヴァ・トゥー・オールド・

 トゥ・スウィング」を録音した41年からタイニイ・グライムスというギタリストが加わりまして、

 増々強力になります。ブルーズとジャズとR&Bのどれもが出来てその何処にも

 所属しない、ちょうどコーネル・デュープリーのようなギタリスト。愛想はないですけど

 ゴリっとした太い音が魅力でした。吾妻光良がキャッツを好きなひとつの理由は、

 このタイニイ・グライムスにあるのかな。

  わたしの手許にある編集盤『ウイ・キャッツ・ウィル・スウィング・フォ−・ユー 1940-1941』

 のジャケット写真を見ますと、ギターの弦の数が4本のテナー・ギターと呼ばれる仕様な

 んです。音域は高めで調弦も異なります。ギタ—の指使いそのままでは弾けな

 いでしょう。ザ・キャッツ・アンド・ザ・フィドルの響きの魅力は、このテナー・ギターか

 も知れません。

  ではもう1曲。これまた素敵な「イフ・アイ・ドリーム・オヴ・ユー」。

 

M05.If I Dream Of You(3’08”)The Cats And The Fiddle

-F.Sargeant, H.Marx-  Acrobat FABCD 196

 

N  「イフ・アイ・ドリーム・オヴ・ユー」、ザ・キャッツ・アンド・ザ・フィドルでした。

  さて、ギターと言えば、今年のライヴ・マヂックでは@驚く出会いがありました。

 舞台裏に居たら、サニ—・ランドレスが大きめのフル・アコ—スティック・ギタ—を膝に置いて何

 やら話し込んでいます。てっきり本番で使う楽器だと思って見ていて、ピ—タ—・

 バラカンに「あれで演んのか」と訊ねたら、「いや、あれは違う。サラ・レクターの旦

 那さんが持ち込んだ物で、チャーリー・クリスチャンが使ってたって」との返事にクリビツテ

 ンギャウ。

  傍らで談笑中の旦那に強引に割り込んで、そのギターについて聞きました。

 何も知らない黒人小僧がハ—レムの質屋に持ち込むところに遭遇し、即買い上げ。

 現物を調べ上げたら、チャーリー・クリスチャン所有と判明したそうです。当時の参考写

 真もありまして、確かに同型の物を持っています。オクラホマでジョン・ハモンドに見

 出されヌー・ヨークに出て来てから手に入れた楽器らしいです。メイカーはギブスンで、

 当時同社は演奏家への楽器提供をしていなかったと言いますから、自費で購

 入したんじゃないか、との話でした。

  ちょっとだけ触らせてもらいました。これでチャーリーと握手をした事になりま

 す。彼は他にもウエス・モンゴメリ—のL-5sとジミ・ヘンドリクスのストラトキャスターなどを持ち

 込んでいました。それらを試したサニー・ランドレスもステイヂで「今日の俺はチャ—リ—・

 クリスチャンやウエス、ジミヘンの使ったギターを触ったから、そこから非現実的超能力(モ

 ージョー)が乗り移ってるぜ」と言ってましたね。

  ではチャーリー・クリスチャンが同じ楽器を使っている可能性のある、1939年の有名

 な音楽会「フラム・スピリチュアル・トゥ・スイング」から、ヴァイヴにライオネル・ハムプトンを擁し

 た絶頂期のベニー・グッドマン六重奏団で3曲お聞き下さい。

  「アイ・ガッタ・リズム」、

  「フライング・ホーム」、

  そして「メモリーズ・オヴ・ユー」

  ベニー・グッドマン・セクステット、フィーチュアリング・チャーリー・クリスチャン、

    ウィズ・オールド・ギブスンES-150です。

 

M06. アイ・ガット・リズム(3’15”) ベニー・グッドマン・セクステット

-Ellington-  キング K26 6097/8

 

M07. フライング・ホーム」(3’12” ) ベニー・グッドマン・セクステット

-B.Goodman, E.DeLange, L.Hampton-  キング K26 6097/8

 

M08.あなたの思い出(3’05”)ベニー・グッドマン・セクステット

-E.Blake-  キング K26 6097/8

 

N  ベニー・グッドマンの六重奏団で「アイ・ガッタ・リズム」、「フライング・ホーム」、「メモリーズ・

 オヴ・ユー」でした。この日楽屋にあったES-150はとても良い状態で、そのま

 ま使うのも充分に可能と思われました。「売り物なの」と訊ねたところ、「そ

 れなりのお値段をお支払い頂けるなら」との事で、具体的な価格は不明です。

 わたしが持っていても、猫に小判ですからその気はありませんが、興味のあ

 る方は、ぜひどうぞ。駒場のドギ—・ギターズです。

  さて直接は何の関係もないのですが、チャ—リ—・クリスチャンというとわたしが連想

 するのはジャンゴ・ラインハルトです。ちょうど手に入れたばかりの『ジャンゴロジイ』

 から、今ベニー・グッドマン・セクステットが演奏したばかりの「アイ・ガッタ・リズム」を聞

 いてみましょう。素晴らしいジャンゴのソロに、ステファン・グラッペリのヴァイオリンが華を

 添えています。

 

M09.I Got Rhythm(2’44”)Django Reinharrdt

-I.Gershwin, G.Gershwin-  Sonny 88697843492

 

M10.About A Bird(3’40”)ファンタスティック・ネグリート

-unknown-   Pヴァイン  PCD-24547

 

N  1949年のジャンゴ・ラインハルトの「アイ・ガッタ・リズム」に続けましたのは、明らか

 に今の音ですが、そのモチーフは古い音楽から採られています。某カロ・エメラルドを

 プリンスがカヴァしたみたいな感じ。先週に引き続きファンタスティック・ネグリートです。

  アルバムを通しますと、相当の手応えですね。何と言ってもヴォ—カルに説得力が

 ある。今の黒人音楽主流的な浮ついたところは皆無です。当世では珍しくも

 ない、マルチプレイヤーとしてあらゆる楽器をこなすのですが、この作品ではリズム楽

 器他を、それぞれの専門家に任せているところに好感が持てます。マサ小浜と

 いう日本人がギターを弾いています。解説に拠れば、彼の参加が成功に大きく

 関係しているとか。

  ではもう1曲どうぞ。これも真実味を持って迫って来ます。

  「ザ・ニガ・ソング」。

 

M11.The Nigga Song(3’16”)ファンタスティック・ネグリート

-unknown-   Pヴァイン  PCD-24547

 

M12.Bad Moon Rising(6’31”)Steve Marriott

-J.Fogerty-  Nau Nau Records NAUCD609

 

N   ファンタスティック・ネグリートの「ザ・ニガ・ソング」、そして説得力では勝るとも劣らな

 い「バド・ムーン・ライジング」、スティーヴ・マリオット、1984年の実況録音です。ムジ鳥

 さんからの「ハムブル・パイもう一周」に変則的ではありますが、お応えしまし

 た。当然この録音時にはパイはもう消滅していて、再結成されたスモール・フェイシーズ

 もパッとせずに自然分解した後、スティ—ヴはこんな形の自由なギグを続けていた

 ようです。ジャケット表は眼光鋭い顔写真ですが、その裏面には哀れな表情のスティ

 ーヴが写っていて、少々残念です。多分アルコール中毒だったんでしょう。

  でもお聞きのように唄とギター演奏は衰えていません。「鬼気迫る」という表

 現が当てはまりますね。ジム・リヴァートンがベイス、ドラムスはフォーローンという男です。

 ロンドンのディングヲールズというクラブでの収録。熱心なお客さんにも助けられて熱

 の入った音楽が続きます。

  もう1曲聞きましょう。スモール・フェイシーズ時代のナムバーです。

  先々週「正規」仕様でお届けした「オール・オア・ナシング」。

 

M13.All Or Nothing(5’48”)Steve Marriott

-S.Marriott, R.Lane-  Nau Nau Records NAUCD609

 

M14.イッツ・オンリー・ラヴ(3’05”)ゲイリー “U.S.” ボンズ

-J.Lennnon, P.McCartney-  Pヴァイン PCD-17757

 

N  12弦ギタ—の音が爽やかだったこの曲は「イッツ・オンリ—・ラーヴ」、歌っていたの

 はギャリー・ユー・エス・ボンズです。先週に引き続きアルバム『レット・イト・ビ~ブラック・

 アメリカが歌うビ—トルズ』から聞いて行きましょう。このカヴァも知らなかったなあ。

 原曲はLP『ヘルプ』のB面に収められていましたね。確かオリヂナルは2分も

 ない短い演奏時間じゃなかったかな。わたしはテレビでアマチュア・バンドが演奏し

 たのを観て、この歌が好きになりましたが、作者のジョン・レノン自身が「大した

 作品ではない、どうでもいい」とか言っていたとかで、ほとんど無視されて

 います。でも「通り過ぎるのを見るだけで体温が上がっちゃうよ。それは本

 当の愛だからさ」と唄うジョンの心には嘘がないように感じられます。あのひ

 ねくれ者のとてもウブな感性がそのまま出ていて、だから本人は恥かしくて

 敢えて「嫌いだ」、と言ってるんじゃないか、とさえ思います。ギャリー・アメリカ

 債もその辺を抑えているんでしょうか、素直に仕上げています。1981年のLP

 『デディケイション』に収められていて、イギリスではシングルとなり、43位まで上がっ

 たそうです。でも、ジョンが亡くなった後でしたね。

  さてこのアルバムのタイトルにもなっている「レット・イト・ビ」、これはポ—ルがアリサ・

 フランクリンを想像しながら作った曲と言われています。実際にアリサもカヴァしていて、

 ゴスペル世界でもよく唄われています。今回『レット・イト・ビ~ブラック・アメリカが歌う

 ビ—トルズ』に収められたのは、黒いジェイムズ・テイラーことビル・ウィザーズのヴァ—ジョ

 ンでした。ありがちな、モットモらしい、真正面からのアレンジではなく、実に軽快

 に仕上げていて、ある意味ではこちらの方が正しいのではないかとも感じま

 した。

  では聞いて下さい。

  ビル・ウィザーズで「レット・イト・ビ」。

 

M15.レット・イット・ビ—(2’31”)ビル・ウィザーズ

-J.Lennnon, P.McCartney-  Pヴァイン PCD-17757

 

M16.アンド・アイ・ラヴ・ヒム(6’27”)エスター・フィリップス

-J.Lennon, P.McCartney-   ワーナー WPCR 27598

 

N  フェーダ−操作が拙く、ツナギに失敗。大変失礼致しました。先週のスタジオ仕様に

 続けての「アンド・アイ・ラヴ・ヒム」のライヴ、エスター・フィリップスでした。敢えてこの

 アルバム『レット・イト・ビ~ブラック・アメリカが歌うビ—トルズ』に入っていないトラックをお届

 けしましたが、こういうのはサラリと仕上げなきゃね。重ねてお詫び申し上げま

 す。ロス・エインジェルスのクラブ、フレディ・ジェッツ・パイド・パイパ−で収録されたライヴ・

 アルバムからです。「ハ—トに灯を点けて」のフレイズを折り込んだりして、なかなか

 の出来映え。即興的発案でしょうか。

  今週は男声歌手中心に、と考えていましたが、どうもこのアルバムでは女性の

 作品の方が優れているようですね。ですので、次はモ—タウンの三人娘を登場させ

 ます。

  ザ・スプリームズで「愛なき世界」。

 

M17.愛なき世界(2’45”)ザ・スプリームズ

-J.Lennon, P.McCartney-  Pヴァイン PCD-17757

 

N  ザ・スプリームズで「愛なき世界」レノン・マカ—トニが作ってピーターとゴードンに唄って

 もらった曲ですが、元々はビ—トルズのリパトゥワだったそうですね。途中からステイヂ

 でも採り上げなくなったといいます。勿体ないなあ。まだジョンとポ—ルが仲良

 くしていた頃の空気が漂います。

  先週このアルバム『レット・イト・ビ~ブラック・アメリカが歌うビ—トルズ』を「黒人たちが

 採り上げたレノン・マカ—トニ作品集」と紹介しましたが、済みません。実はジョ—ジ・

 ハリスンの楽曲も収録されていました。ひとつはキョーフの「サムシング」アイザック・ヘイズ

 版です。十分超の例の仕様。主旋律が始まるまでに2分23秒も待たなくては

 なりません。そしてもう1曲は、珍しいエラ・フィッツジェラルドの

  「サーヴォイ・トラフル」でした。

 

M18.Savoy Truffle(2’48”)Ela Fitzgerald

-G.Harrison-  Pヴァイン PCD-17757

 

M20.He’s So Fine(1’53”)The Chiffons

-Mack- History Of R&B Records RO 15

 

N  エラ・フィッツジェラルドの「サーヴォイ・トラフル」に続いては、シフォンズの「いかした彼」。

 ジョ—ジのソロ・デビュー・ヒットとなった「マイ・スウィート・ロード」の原曲ですね。この

 問題はジョージが「我が盗作」とあっさり認めて落着。あそこまで同じだと逃

 れようがなかったのでしょう。ただわたしには、作っている時に盗用の故意

 はなかったように思えます。おそらくは記憶の片隅に残っていたメロディーが

 膨らんで、「マイ・スウィート・ロード」に形を変えて行ったのではないでしょうか。

 分ってたらこんなみっともない事はしない筈ですし、訴えられて「そう言え

 ば、あの時・・・」と気付いたのではないか、と思えるのです。もし「俺は

 ビ—トルズの一員だぞ、下がれ、下がれ」という奢りがあったとしたら、それは

 いけませんがね。

  これは『ビ—トルズ・ビギニングズ』という連作CDの第七集「ノーザン・ソングズ」

 に収録されています。「ビ—トルズ楽曲の元ネタを暴く」といった主旨で、様々な

 考察の下に32ものトラックがあって、「なるほどね」「それには無理があるよ」と

 言った諸説、実例が詰め込まれています。

  例えば、これが何だか分りますか。

 

M21.Moonlight Sonata Backwards(1’03”)演奏者不詳

-Beethovenn- History Of R&B Records RO 15

 

N  ベイトーヴェンの有名な「月光」です。ただし録音テイプを終了部から逆に再生し

 ています。それが『アビー・ロード』B面のメドリー導入部に置かれた「ビコーズ」に

 なる、という学説です。当時ジョンはテ—プをうっかり逆さまに掛けることがよ

 くあった、と言いますから頷けなくもないですが、「月光」をミュ—ジック・テイプ

 で持っていたかどうかですね、争点は。

  このCDを使って、以前にも何かお話したような気がして来ましたが、今

 朝は最後までこのまま行かせて下さい。

  では次の2曲から、初期のヒット曲が思い浮びますでしょうか。

 

M22.Goldberg Variations Quodlibet(0’46”)Glen Gould

-Bach-  Sony 88697147452

 

M23.Honey Hish(3’17”)Fats Waller

-Waller-  History Of R&B Records RO 15

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  まずは、グレン・グールドの「ゴルトベルグ変奏曲」、正式には「バッハ作曲二段鍵盤

 付クラヴィチェムバロのためのアリアといくつかの変奏」です。これが「シー・ラヴス・ユー」

 の原曲だと、このアルバムでは主張しているのですが、どうでしょう。実際には

 部分的に類似した旋律が聞こえなくもないといった程度で、作品同士の共通

 点は希薄に思えます。

  次のはファッツ・ヲーラーの「ハニ・ハッシュ」でした。こちらは「抱きしめたい」の原

 曲になっているとの説です。確かに唄い出しがよく似ています。ハムブルグ時代

 にはファッツの歌を採り上げていましたから、推測は成立するかも知れません。

 でもこれに手を加えて「抱きしめたい」を書き上げたのではないでしょう。

 頭の隅に漠然と残っていたモチ—フが閃きになった、と言ったところかな。先ほ

 どの「マイ・スウィート・ロード」と同じレヴェルだと思えます。

  このCDの解説冒頭にある「どんな芸術家も、白紙からは何も作れない」

 という格言には、わたしも全面的に納得します。「芸は盗むもの」だとも思い

 ますし。例えばローリング・ストーンズでこんな事やったら、大変ですよ。ほとんど

 疑惑確定です。

  ここまでの身勝手な個人的解釈で1枚のアルバムが作れて、それがまた他人に

 取り沙汰されるというのも、ビートルズの影響力の恐ろしさなのでしょう。

  さあ今朝はこれにて終了。ちょうど時間となりました。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

  http://firestorage.jp/download/b4226230e236b63f5c6662b9bb8b03163de74659

  ダウンロードパスワード pjq6vsg9

  揚げるのも落とすのも速かったですよ。リョーコーです。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

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    • リス子
    • 2016 10/29 4:44am

    この時間。またDL制限地獄に落ちてしまった……(涙)
    ウチだけかしらん。

    • おーたか
    • 2016 10/29 6:49am

    あら、私もダウンロード制限でできない。。。

    もう少し時間が経ってからトライします。

      • おーたか
      • 2016 10/29 7:03am

      ムジ鳥さんからのツイターからファンタスティック・ネグリードを聴取。

      某カロ・エメラルドをプリンスがカバーした、って例えがしっくりきます。

  1. 今も、DL制限地獄です。原因不明?Ummmmmm!
    わつし兄貴対応よろしく!

    • ワツシイサヲ
    • 2016 10/29 9:06am

    ご迷惑をおかけしているようです。只今原因キューメイ中。よいしょ。あ、イソガし、あ、イソガシし・・・。

    • ワツシイサヲ
    • 2016 10/29 9:09am

    以前と同じ状態ですね。ファイアストレイヂに問題があるようです。ひとつでも重なるとダメなのでしょうか。「イソガシし・・・。」の「シ」は「トルツメ」です。

    • クリやん
    • 2016 10/29 6:06pm

    毎週ありがとうございます。
    10/29の朝に特別付録のダウンロードを試みましたが、エラーメッセージが表示されてできませんでした。(* *);;
    夕方17:30頃に再度ダウンロードを試みたところ、時間がかかりましたが、ダウンロードができ、特別付録を入手できました。ありがとうございます。聴くのが楽しみです。

    • taxidriver45979
    • 2016 10/29 9:24pm

    毎週ありがとうございます。D.Lはうまくいきませんでしたが。ベニー・グッドマンの出現に鷲巣さんの奥深さに感激です。

    • 大橋 康一
    • 2016 10/30 6:19am

    僕も夕方からDL出来るようになりました。

    今週も更新感謝です。

    この前の、タモリ倶楽部で、家にオーディオ用の電柱を立てる企画、見たかったです。

    タモリさんのオーディオ、全て特注だそうですね。ジャズ喫茶ボロンテールのマスターが言ってました。

    ではまた。

    • ワツシイサヲ
    • 2016 10/30 4:36pm

    本日午前中にやってみました。30分以上かかりましたが、落とせました。内容にも異常はありません。皆様
    その後いかがでしょうか。

  2. 10/31 朝7:45にトライしました。25分でDL成功!

  3. DL制限地獄の対策提案

    ファイアストレイヂのアカウントを10本あげてください。
    そうすれば10倍のDL環境になります。

    • 類似穴
    • 2016 10/31 9:15pm

    身に覚えはないのですが日頃の行いが良いせいか、放送当日の寝起きの4時ごろには一度はじかれるも、2度目で落とせました。
    31日21時重複して落とせるかと試してみましたが”申し訳ありません同時にダウンロード出来る数は1つに制限されています。”とのメッセッジ。やはり”ドウジ”が問題なのでしょうか?

    音が聴けないことのストレスたるや、、、、
    ちなみに永久保存盤 中古が出ても数日で消える状況のようです。

  4. 前略 ごめん下さいませ

    最高です! スティーヴ・マリオット 、アイリガトウ ございます。

    もし、タイムマシン があったなら、フィルモア・イースト1971年5月28日と29日にフィルモア・イーストでおこなわれたライヴ(『パフォーマンス~ロッキン・ザ・フィルモア』収録)と1984年7月6日にDingwallsという北ロンドンのクラヴでおこなわれたライヴに行きたいと思いますが、やはり、1991年4月20日にエセックスに行って、タバコの火を消したいかなぁ…。

    ベニー・グッドマン の六重奏団 の「メモリーズ・オヴ・ユー」いつ聴いてもいいなぁ…。この曲は高校生の時にあるTVドラマの挿入曲として使われていて初めて知りました。

                               草々

    【追伸】

    『ビートルズ・ビギニングズ』第七集「ノーザン・ソングズ」についてのお話は(約2年前)

    【幻】モーニン・ブルーズ 2014/10/11

    ⇨http://www.interfm.co.jp/mb/blog/?p=1511

    【幻】モーニン・ブルーズ 2014/10/25

    ⇨http://www.interfm.co.jp/mb/blog/?p=1518

    • プロフェッサー ロンゲ
    • 2016 11/4 10:34pm

    手 )) ライブ (( 品 

    鷲巣功様 澤田修様
    こんばんは。
    今週は文化の日もあり、家でゆっくり幻モーニングブルースを
    楽しむことが出来ました。
    なんだかシュープリームスの愛なき世界が頭のなかで鳴り続けてます。

    【LIVE MAGIC】
    10月22日と23日は今年で3回目のライブマジックでウカレました。
    すばらしい生演奏を浴びるように聴いた二日間。
    なかでも私のお気に入りはジョーバターン、NAOITO、吾妻光良。
    吾妻さんは23日ももちろんサイコーに良かったですが、やっぱり
    22日のスインギーズバッパーズをバックにした演奏にジャイブの
    奥深さを知らされました。
    やっぱり目の前で演奏するのを見て聴くライブって一番の音楽体験ですね。
    あたり前のことですがつくづく実感。

    23日ラウンジの「親子の溝」は鷲巣さんのかけ声(ムスタングサリー!)
    で始まり、おいしいビールを飲みながら楽しいひと時。
    同じテーブルにはファミリーグルーブのエンジニアの白金さんと鷲巣さん。たまたま空いていた席に来られたハワイ生まれの歌姫もノリノリでしたネ。

    来年は澤田修さんのDJがあの恵比寿ラウンジで聴けないかな〜。ぜひぜひ。
    な〜んて思ってます。

    では明日の放送を楽しみに。お休みなさい。

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