【幻】モーニン・ブルーズ 2017/04/29

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前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。桜が散った後に急に暑くなって、

その次にはちょっと寒いような日が続きました。風の強い日もありました。

昨日はちょっ暑かったり、猫の目のように変わる気候です。わたしが先週あ

んな事言ったからかな。この位が平年並み、でしょうか。ただ「平年」とい

う基準がどこにあるのか、昨今はよく分らない。でも春は決して穏やかなで

はなく、不安定な季節です。桜の一瞬が妙に落ち着いた気候になるのもこの

季節のフランティック・シチュエイションのひとつではないか、今年はそんな事も考えました。

この暑くも寒くもないチョウドイー日々、マンキツ出来てますか、みなさん。

 

M01.Work(3’38”)Rihanna

-J.Braithwaite, M.Samuels, A.Ritter, R.Thomas, A.Graham, R.Fenty, M.Moir-  ユニバーサル UICD-6212

 

N  NHKの朝のラジオで知った超「今風」女声歌手、リアーナで「ワーク」でした。

90年代のR&Bを基調に、電気処理は大前提でそこに出自表明的民族性を盛

り込んで、時代性を漂わせる言葉で語る、現在の流行りの世界の女性歌手と

いうと、大抵はこの形になります。またそれぞれに自意識過剰気味な部分も

見受けられ、音楽以外での唐突な言動、ふるまいも共通します。

このリアーナもそのひとりに入るでしょうが、普段この手の音楽をあまり聞か

ないわたしですので、このアルバム『アンチ』との出逢いを好機と捉え、何回か聴

き返しました。よく考えられた、力のこもった作品です。スティーヴィ−やプリンス、

ロジャーが見え隠れする音像構築も、納得出来ました。大胆な電気処理のため、

楽曲によって声の色味がかなり異なりますが、唄の表現にはひとつの太い筋

も通っている、そんな印象も受けています。ただし一切のクレジットを省く、と

いう体裁にどんな意図があるのか、今もって分りません。ジャケットには現代詩

が型点字で押し施され、わたしの手に入れた国内盤にはその和訳が付いてい

ます。通常の洋楽盤と同じく外部の人間が書いた解説、というか作品制作過

程の余談集が添付されているのは、「一切のクレジットを省く」主旨には反するの

ではないかとも思われますが、ここにも曲目表はありませんでした。

「全てをここで見よ」というウェブサイトはwww. rihannanow.com/music/anti、

ここにはなんと歌詞まで丁寧に揚げられています。ご興味ありましたら、

どうぞ。

さてこのような新進気鋭の女性たちに較べると、音楽最前線ではオトコの分が

明らかに悪い。結局は子供の頃に気に入っていた歌を唄うしかないのでしょ

うか。

 

M02.イッツ・オール・オーヴァ−・ナウ(3’34”)エルヴィン・ビショップス・ビッグ・ファン・トリオ

-B.Womack-  Pヴァイン PCD-24624

 

N  エルヴィン・ビショップス・ビッグ・ファン・トリオの同名新譜から「イッツ・オール・オーヴァ・ナ

ウ」でした。「トリオ」とは、彼の他の3人を指すようで、グル—プは新しいメムバの

4人組です。今の「イッツ・オール・オーヴァ・ナウ」は、ザ・ロ—リング・ストーンズ初の英国

第1位曲。それを、一風変わった解釈でカヴァしてます。コムプレッサーを強くかけ

たような感じがずっと続いて、それが特徴ですね。他のトラックを聞いていない

ので何とも言えませんが、ちょっと興味あります。

エルヴィン・ビショップと言えば、すぐにバタフィールド・ブルーズ・バンドが連想されま

す。当初は彼がリード・ギタリストの座にいたのですが、マイケル・ブルームフィルドの登場

でそこを譲った話は有名です。相手が上り調子のマイクでは、仕方なかったで

しょう。その後は独立して、1976年頃にコロムビアから売り出してました。テムプ

テイションズの「マイ・ガール」をロック調にしたシングルを出してなかったかな。それから

ずっと自分の音楽を続けていますが、やはり今でも誰にでもバタフィールド・ブルー

ズ・バンド時代が付いて回っているようで、さるインターヴュウでは「今の事も聞い

てくれないか」と、やんわり文句を言ったとか。分ります、そのお気持ち。

今のエルヴィン・ビショップの音楽を、ぜひ聞いてみましょう。

さて次も現代非黒人男性R&Bのひとつの典型でしょう。まずお届けします。

「バック・イン・ザ・ゲーム」、ストーン・ファウンデーション・フィーチュアリング・ポール・ウェラー。

 

M03.バック・イン・ザ・ゲーム(4’18”)ストーン・ファンデーション・フィーチュアリング・ポール・ウェラー

-unknown-  Pヴァイン PCD-24602

 

N  全体に意図的に柔らかく仕上げられた印象のストーン・ファウンデーション「バック・イン・

ザ・ゲーム」でした。ソウル・ミュージック通のポール・ウェラーの参加が、より黄金時代の

R&B的な響きに影響を与えている感じです。ポールはアルバムのプロデュースだけでな

く、このように唄や演奏でも参加していて、他にはウイリアム・ベル、ベティ・ラヴェッ

トの名もセッション・メムバーにありますから、ちょっと聞いてみたくなりました。スト

ーン・ファウンデーション自体はイギリスのほぼ中央に位置する州ヲリックシャーで生まれた白人

楽団。今年に入っていくつか紹介して来た、ヨ—ロッパのソウル・ミュ—ジック愛好者団

体のひとつです。

かつてイギリスでは国土の北部でアメリカ南部のR&Bが好まれていて、だから英国

のノーザン・ソウルはサザーン・ソウルなんだ、という混乱した事が言われていました。

ポールはそのノーザン・ソウルの良き理解者だそうですが、この場合はどっちなんで

しょうか。

ブルーズは白人女たちに持って行かれた感の強い昨今、この種のナムパなR&B

はかろうじて男性たちが護っているという印象ですね。こういう情感表現な

ら、女性の場合は先ほどのリアーナみたいな手法を採るのでしょう。

「バック・イン・ザ・ゲーム」、ストーン・ファウンデーション・フィーチュアリング・ポール・ウェラーで

した。

 

M04.I’ve Gotta Get A Message To You(4’41”)ボビ・オズボーン 

-B.,M.,R.Gibb-  BSMF 6108

 

N  突然のブルー・グラスです。その長老、今年で86歳になるというボビ−・オズボー

ンの新譜からです。この音楽領域ではパンチ・ブラザーズのような革命的新機軸の

台頭がありますが、大多数は60年以上前からの楽器編成、技法で継承されて

来ています。その典型のような響きでしたね。でもよく聴くと、楽曲は「獄

中の手紙」、ビージーズの68年の大ヒット曲です。このカヴァは、ひょっとしたら、

わたしは初めて聞いたかもしれません。トッポが唄ったタイガーズと、ランチャーズの

カヴァには聞き覚えがありますが、録音はされてませんですね。

執行間近、つまり電気椅子、あるいは絞首台に送られる直前の、もう数十

分でこの世からいなくなる死刑囚を主人公にした歌です。

 

聖職者がやって来て、微笑んで言った

さあ、もう少し一緒に歩いて行こう

これから先のひと時は、たった一人になるんだよ

小銭などは要らない、電話をする時間もないからね

 

と、処刑場までの通路を進みながら、執行立会人が最後の会話を交わします。

それに対し主人公は、

 

もうすぐ命が無くなってしまう、あと1時間だ

その前にひと言だけ恋人に言いたい事があるんだ

彼女に「傷つけて済まなかった」と伝えてくれないか

 

この悲痛な遺言を聖職者に託すのです。なかなかに良く出来た1曲です。日

本でも大ヒットしました。「9500万人のポピュラー・リクエスト」でも第一位になった筈

です。先のボビ−・オズボーンの仕様ですと、テムポーが絶妙で演奏も軽快なので、

主題にまで気持ちが届きませんでした。あるいは米国南西部ではこのような

死刑執行が日常茶飯事で大した事ではないのか、と勘ぐったりもしてしまい

ます。いかにもブルーグラス調の素晴らしいハーモニー、アクースティク・アンサムブルには非の打

ち所がありませんけれどね。

では、オリヂナル仕様でも聞いてみましょう。

ザ・ビージーズです。「獄中の手紙」。

 

M05. I’ve Gotta Get A Message To You(3’05”)The Bee Gees

-B.,M.,R.Gibb-  Polydor 519 453-2

 

N  ザ・ビージーズ、「獄中の手紙」でした。兄弟三人のハイトーンが悲壮感を煽って

いました。半ばコケオドシ的に使った大編成の弦楽器で注目を集めた初期のビー

ジ−ズは、この作品でひとつの頂点を極めた、とわたしは見ています。後半リー

ドに絡んで来るハミングのメロディ、そしてベイスのラインが素晴らしい。担当のモーリス・

ギブ自身が弾いているのでしょうか。ひょっとしてスタジオ仕事に明け暮れてい

たジョン・ポール・ジョーンズだったりしてえ・・・、何の根拠もありませんが、ハイ。

さてボビ−・オズボーン、ブルー・グラス界では、ハイ・テナー帯域、高い声のリ—ド・ヴ

ォーカルを定着させた事で知られています。同じハイトーンでも、先のビージーズの半裏

声とはもちろん別ですし、ヨーデル唱法とも違います。本人がどんな発声をして

いるかは分りませんが、比較的気楽に響いているように聞こえます。親しみ

易いとも言えましょう。86歳というのに、枯れていませんね。

もう1曲聞きましょう。ハイトーンが冴えてます。これも聞き覚えがある筈です。

「メイク・ザ・ワールド・ゴ−・アウェイ」。

 

M06.Make The World Go Awy(3’07”)ボビ−・オズボーン

-H.Cochran-  BSMF 6108

 

N  「メイク・ザ・ワールド・ゴ−・アウェイ」、ボビ−・オズボーンでした。86歳とは思えな

い声です。本人はフラット・マンドリンの弾き唄いですが、今の曲ではヴィンス・ギルが

マンドリンとバック・グラウンド・ヴォーカルを担当していました。実はそれを知るまで「余

り上手くないマンドリンだなあ」と思いながら、掛け合いのパートを聴いていたの

ですよ。ヴィンスの真面目さが出ている演奏ですね。

「メイク・ザ・ワールド・ゴ−・アウェイ」は、エディ・アーノルドでヒットしたらしいのです

が、わたしの持っているベスト盤には入っていませんでした。でも誰かの唄で、

きっと聞いた事がある筈です。それとも加山雄三の類似した作品からの連想

かなあ、とあちこち探していたら、ウイリー・ネルスンのカヴァを見つけました。でも

これを手に入れたのは2年ほど前で、あやふやな記憶ですが、もっと前から知

ってる筈・・・、まあそれはともかく、美しく仕上げられたウイリーの方も聞い

てみましょう。

ウイリー・ネルスン、レイ・プライスに捧げたアルバムからです。

「メイク・ザ・ワールド・ゴ−・アウェイ」。

 

M07.Make The World Go Away(3’03”)Willie Nelson

-H.Cochran-  Sony Legacy 88985315522

 

N  「メイク・ザ・ワールド・ゴ−・アウェイ」、ウイリー・ネルスンでした。この盤にもヴィンス・

ギルはギターとヴォ—カルで参加してます。働いてますね、ヴィンス。

さてレコ—ド屋へ出掛けますと格安ベスト盤組み物は、もう当たり前の様に棚に

並んでいます。どれも殆どが減価償却の済んだ原盤を集め、いろいろな組み

合わせで魅力的な商品に仕立てられています。流石にストーンズ、ビートルズ、エルヴ

ィス、ボブ・ディランといった市場での現役大物は出て来ませんが、ジャズではマイル

スの組み物なんかもあります。

そういった価値の定まったアーティストとは別に、編集する側のオリヂナル企画物に

も面白い物はあります。年の始めに集中してお届けした4枚組『ミシシッピ・ジュー

ク・ジョイント・ブルーズ』などは、その好例でしょう。これはその成り立ちを聞い

ただけで、誰の心でも想像力が膨れ上がるものでした。こういう凝った捻り

組み物はまだまだ出て来そうで、わたしも常日頃から各ジャンルの「オムニバス」「ヴ

ァリアス」の餌箱周辺には注意を払っています。

昨今では原盤の借り出しや使用が比較的自由になったからでしょうか、一

方ではベタな企画物も、侮れない質を誇る様になって来ました。いつも「幻」

でお馴染みの「非今様音楽〜Not Now Music」レイベルはこの手の商品の宝島。

先月、二組の興味深いベタ・コムピを手に入れました。そのひとつを、今朝ご紹

介いたしましょう。

 

M08.Mexcan Hat Dance(2’27”)Mariachi Mexico de Pepe Villa

-trad.-  Notnowmusic NOT2CD491

 

N   ご存知「メキシカン・ハット・ダンス」です。演奏はマリアッチ・メキシコ・デ・ペペ・ヴィラ、

彼らがどんな人たちかは、全く分りません。

1968年メキシコ・シティ・オリムピックの時、女子体操の有名選手が床運動でこの曲を

使っていたのを、わたしは何故か憶えています。その選手が誰だったかは、

不覚にも失念しておりますが、人気ある選手だったのは確かです。チャスラスフカは

まだ現役だったかな・・・。コマネチは違うよなあ。

あ、「非今様音楽〜Not Now Music」企画の組み物でしたね。そう、最近

目立って並んでいる事が多い『カフェ・・・』連作のひとつからで、今の「メキシカ

ン・ハット・ダンス」でピンと来た方も多いでしょう。ご想像通り、墨西哥、メキシコ、

墨国です。この国はわたしの憧れのひとつで、いつかテキサスから車、それも古

いアメリカ車で入って行きたいと願ってもう30余年。最近では高い壁を造るとか

造らないとかで、簡単には道伝いに行けなくなった様でもあり、当方も果た

して死ぬ前に彼の地を踏む事が出来るか、という年齢になってしまいました。

それはともかく、これまでもフレディ・フェンダー叔父貴を筆頭に、関連した地域

の音楽には親しんで参りましたが、棚で見つけたこの2枚組から、まともなメキ

シコ音楽をまとめて聞いた事はなかったなあと気付き、いつもながらの破格値

にも誘われて購入。しばらくは放っておいたのですが、掃除をしながら何気

なく回してみたら、これが凄い。次から次へと思い当たる楽曲ばかり。「俺

は何故この国の音楽をこんなに知ってるんだろう」と不思議な気持ちになっ

た位でした。

その思いを、皆さんにも感じて頂きたく、ここからは廉価盤『カフェ・メキシコ』

収録の名曲集をお送りします。きっとあなたも「何故こんなにこの国の音楽

を知ってるんだろう」と思うこと必至です。たっぷりとお楽しみ下さい。

さあ参ります。中央アメリカの旅、「メキシカン・ハット・ダンス」に続いては、これも

メキシコ国歌級のダンス版ですね。

「ラ・バムバ」、トリオ・グァダラハラです。

 

M09.La Bamba(2’06”)Trio Guadajalara

-trad-  Notnowmusic NOT2CD491

 

N  メキシカン・ダンス・ロックンロール・アンセム「ラ・バムバ」でした。リチ・ヴァレンスやロス・ロボス

で知られた1曲です。

今年の春先に読んだ面白い1冊「誰が音楽をタダにした?」の重要な登場人物

のひとりワ—ナ—・ミュ—ジックのCEOだったダグ・モリスは、若い頃に「ツイスト・アンド・

シャウト」の制作者バート・バーンズの下で修行した経歴があります。その彼が言う

には「この50年にヒットした曲はすべて『ラ・バムバ』の焼き直しだ」そうです。

確かにそうだ。「ツイスト・アンド・シャウト」しかり、「ルイ、ルイ」も同じく。ローリング・

ストーンズの「ひとりぼっちの世界」はドンズバで、「イフ・ユー・キャン・ロック・ミー」も

同じようなモチーフを土台にしています。ライチャス・ブラザーズの「ふられた気持ち」

のサビもそうですね。レイ・チャールズの「ハレルヤ・アイ・ラヴ・ハー・ソウ」だってこれだ。

20世紀最大の発明であるブルーズ・コードと並ぶ重要なベイス進行です。「すべて

『ラ・バムバ』の焼き直し」説、いかがでしょうか。その原曲「ラ・バムバ」で

した。

次も誰でも知ってる筈です。「シエリート・リンド」。

 

M10.Cielito Lindo(2’42”)Trio Majoco

-Yradier, Femandes-  Notnowmusic NOT2CD491

 

N  「シエリート・リンド」、トリオ・マホコでした。日本にもメキシコ料理レストランでは、ギターや小

型のメキシカン・ハープで生の唄を聞かせてくれるところがあります。その率は割と

高い。各テイブルを回ってリクエストを募り、それに応えて披露するワケです。今の「シ

エリート・リンド」はその最右翼とも言える曲で、1時間に1回は唄われます。旋律

がいかにもメキシコ的な明るさを持っていて、「アーイ、ヤーヤヤ」で一同唱和

となります。

ここまでの3曲を知らない人は、ほとんど居ないでしょうね。あ、若い人た

ちはどうだろう。案外聞いた事ない、チンプンカンプンだったりするかも。

それでもベタ版墨西哥歌謡集は続きます。

 

M11.Maria Elena(2’05”)Los Tenientes

-Baraselata-  Notnowmusic NOT2CD491

 

N  この哀愁に満ちた1曲は、「マリア・エレナ」。これはてっきりクーバのボレロが原曲

だと思っていましたが、メキシコの曲だったのですね。大統領夫人に捧げられた

そうで、由緒正しい作品のようです。

クーバからメキシコに移住してそこで命を全うしたマンボの王様ペレス・プラードを筆

頭とする世界的なブ—ム以降、日本ではマムボ調のラテンのビッグ・バンド・サウンドが

定着し、ラジオではこの種の器楽曲がよく使われていました。そのせいでしょ

うかこの「マリア・エレナ」を聞くと、今でも「誰も居ない部屋でつけっ放しにさ

れたラジオが鳴っているのどかな午後」の情景が浮かんで来ます。少々貧困な

発想ではありますが。

次も驚きました。「アマ・ポーラ」です。

 

M12.Amapola(3’03”)Trio Majoco

-Lacalle-  Notnowmusic NOT2CD491

 

N  これはずっとフランス産の歌だと思っていました。でも、ここまでの流れと、全

く不自然ではありません。スペイン人の作曲家ホセ・ラカジェが1922年にアメリカで発表

し、20年ほど経ってヒットした、というイワク付きの1曲です。それがメキシコに伝わっ

て親しまれるようになったのでしょうか。この『カフェ・メキシコ』に収められてい

るからには、現地でも大いに支持されているのでしょう。西班牙の血の濃さ

を証明する感染現象です。

さて、冒頭ではダンス曲を続けてお送りした「特選メキシコ歌曲集」、次も元気

な踊りを伴った曲です。具体的には何処で誰の歌で、とは思い出せませんが、

あなたもきっと覚えがあるでしょう。地域が違いますけれどポルカ調で、多層

式民族衣装風スカートが揺れてソンブレーロが舞い上がり、老若男女がそれぞれに踊る

光景が浮かびますが、間違った連想でしょうか。フレディ・フェンダーが唄っていた

ような記憶があります。録音を残していなくても、あの人なら必ず上手に唄

える事でしょう。

「アラ・エン・ランチョー・グランデ」。

 

M13.Alla En Rancho Grande(2’49”)Mariachi Pulid

-Trad-  Notnowmusic NOT2CD491

 

M14.Estrelita(2’40”)Trio San Jose

-Ponce-  Notnowmusic NOT2CD491

 

N 陽気な「アラ・エン・ランチョー・グランデ」に続いては、哀愁系で「エストレリータ」でした。

「エストレリータ」というのは人の名前だと思っていましたが、「小さな星」という

意味だそうです。「星に願いを」、「星に祈りを」、こんな感じでしょうか。

これも「特定出来ないが必ず過去に聞いている1曲」ですね。あなたもきっと

同じはず。こんな具合にメキシコの歌は、少なくとも昭和30年代を覚えている人

たちには、思い出深いものばかりなのです。

ではそんな日本に根付いた究極のメキシコ歌曲を3曲続けてお送りします。いず

れも哀愁系ですね。こういう感性が日本でも受け入れられた要素のひとつな

のかも知れません。

では参ります。キューキョクのサンキョクです。

 

M15.La Malaguena(2’49”)Trio Guadajalara

-Lecuono-  Notnowmusic NOT2CD491

 

M16.Besame Mucho(2’58”)Los Panchos

-Valsaquaz-  Notnowmusic NOT2CD491

 

M17.Vaya Con Dios(2’35”)Los Panchos

-James-  Notnowmusic NOT2CD491

 

M18.Acapulco 1922(2’40”)Herb Alpert & The Tiujana Brass

-Allan-  Notnowmusic NOT2CD491

 

N  「ラ・マラゲーニャ」、「ベサメ・ムーチョ」、そして「バイヤ・コンディオス」以上、キューキョク

のメキシコ歌曲サンキョク、如何でしたでしょうか。

「ラ・マラゲーニャ」はアイ・ジョージが持ち歌にしていまして、紅白歌合戦で熱唱。

聞かせドコの息継ぎなしで伸ばす部分を引っ張り過ぎ、大晦日中には終わらず、

「マラグェー・・・・・・・・」で新年を迎えてしまった、という事件があった

とかなかったとか。

「ベサメ・ムーチョ」はもう世界のポピュラー・ナムバ1番として知られています。ビー

トルズが「レット・イト・ビ」の中の半ば自滅ジャムで唄うのを覚えている方も多い

でしょう。彼らはハムブルグでのハコバン修行中にこれをリパトワにしていました。お

手本にしたのは、ヴォーカル・グループ、ザ・コースターズの仕様。彼らの制作面を担当

していたジェリー・リーバーとマイク・ストーラーはニュ—ヨ—クで生まれ育っていますが、メキシコ

に何かと縁があります。「ダウン・イン・メキシコ」というそのまんまの題名を持っ

た歌がありますし、「スモーキー・ジョ−の店」に出て来るコワモテは、メキシコ人的風貌

ではなかったかな。

だいぶ前に流行った「美徳のヨロメキ文庫」ハーレクイン・ロマンスでは駆け落ちして逃

げて行く先はだいたいメキシコだったそうです。舟にも飛行機にも乗らずに行け

る地続きで、入り込んだら捜索が困難だからでしょうか。60年代に入る前、

アメリカ人の異国情緒を煽る土地のひとつがメキシコであった事は、間違いがなさそ

うです。

その次はご存知「バイヤ・コンディオス」。彼の地の別れの歌と思いきや、西班牙

の作曲者によって発表されたのは、アメリカ合衆国内だったそうです。特にオリヂナ

ルと特定される物はないみたい。レス・ポールとメアリ・フォードでもよく知られていま

すが、これはあからさまなカヴァだと思っていました。西班牙の血どこまでも

強し、ですね。

わたしはどこで覚えたんだろう。フレディ・フェンダーは何度も何度も吹き込んで

いますが、初めてそれを聞いた時はだいぶ歳を取ってからでした。日本にも

いくつかのカヴァがあったそうですが、しっかり聞いた事はこれまでなかった

なあ。とするとどこで覚えたんだろう。宇崎竜童のダウンタウン・ブギウギ・バンド

にも、別の曲ですが「涙のバイヤ・コンディオス」なんてのがありましたね。

さてあなたもご存知の特選メキシコ歌曲集、如何でしたでしょうか。わたした

ちはこれまでこんなにも、この遠く離れた中米の国の音楽に親しんでいたの

です。よく考えると、ナゾですね。その興味深い考察は次週以降に一度やって

みたいな。なにかご存知の事がありましたら、ぜひ教えて下さいお。

さてここで訂正とお詫びです。

先週号は、比較的ゆっくりとした日程の中で仕上げたのですが、お恥ずか

しい誤字脱字が目立ちました。以下、気付いた3箇所の訂正をしておきます。

 

 M06.自分の出している音がしっかり聞こえているような・・・

 M11. 二酸化炭素の発生も押さえて行くと発表した、と聞きました。

 M15.「ジェニー、テイク・ア・ライド」としていますが、正式に表記すると・・・

 

以上、偉そうな事を言っている場所に事故はおきますね。エイドリアナ・マリーの

ジャケットも写真に入っていなかったし。こういう事が連発しますと辞任を止む

無くされますので、気をつけるのと同時に、この1曲でお許しを。

ブレンダ・リーです、「アイム・ソーリー」。今週は間違ってないといいなあ。

 

M19.I’m Sorry(2’39”)Breanda Lee

-Allbritten, Self- ユニバーサル  UICY 80018

 

M20.Losing You(2’52”)Alison Krauss

-P.Havet, J.Renard, C.Sigman-  ユニバ−サル UCCQ-2002

 

N  ブレンダ・リーで、「アイム・ソーリー」でした。今週は「アイム・ソーリー」が何回か出て来

ましたね。「獄中の手紙」、「メイク・ザ・ワールド・ゴ−・アウェイ」、にも過去の恋

人への謝罪がありました。今の「アイム・ソーリー」も「恋を知らなくて済みません」

とブレンダが謝っています。でもこの時彼女はまだ16歳。許されますね。わた

しは未だに「恋の奥義は知らぬ候」です。あなたは如何かな。

 

M21.Against The Grain(4’07”)ダーデン・スミス

-D.Smith-  BSMF 6107

 

N  先週「アイ・ラーヴ・ユー、グーッドバイ」をお届けしたテキサスのダーデン・スミスで、今朝

は「アゲインスト・ザ・グレイン」。この手のシンガ・ソングライターを苦手としているわた

しですが、彼の唄声は自然にわたしの心に届きます。検閲委員をしている北

国の少女も気に入ってくれたようで、ひと安心。「アゲインスト・ザ・グレイン」と

いうのは「性に合わない」という意味だ、というのをだいぶ前にフィービ・スノウ

のアルバム・タイトルで知った記憶があります。この歌もそんな主題でしょうか。軽

いリズムのアレンヂが渋い控え目な声と調和していました。

さて次は先々週シスタ・ローゼッタ・サープの「アップ・アバヴ・マイ・ヘッド」を唄って

くれたヴァネッサ・コリアーです。この怖い物なし女、今度はO.V.ライトのあの巨大な歌

を仕上げています。堂々としかも自分なりに。脱帽。

 

M22.You’re Gonna Make Me Cry(4’31”)ヴァネッサ・コリアー

-O.V.Wright-  BSMF 2551   1965

 

M23.Blues After Hours(7’09”)エイドリアナ・マリ

-P.W.Clayton-  BSMF 2554

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  最後は、ピ−・ウィー・クレイトンで知られる「ブルーズ・アフタ・アワーズ」、先週「Tボ

ーン・ブ−ギ−」を唄ってくれたエイドリアナ・マリー名義ですが、彼女は出て来ません。

録音セッションに参加した演奏家たちの、文字通り「ブルーズ・アフタ・アワーズ」です。

充分にリラックスした、いい感じでした。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/2b92e2dd451c9724083579541bb2a9e3e6a7e460

 ダウンロードパスワード は、zqizy4wt です。

今回揚げるのには問題ありませんでしたが、不具合があったら、お伝え下

さい。先々週辺りから、急にダウンロード数が増えて来ています。何かあったの

かな。

 

さて、今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも。

今朝は数時間後に全国放送される某番組風に、「ブルーズ・アフタ・アワーズ」を

聞きながらお別れしましょう。しかし、完奏は無理のようです。失礼しまし

た。

    • ワツシイサヲ
    • 2017 4/29 12:20pm

    すみませんです。誤字脱字どころか、大変な抜けがありました。18曲目です。

    M18.Acapulco 1922(2’40”)Herb Alpert & The Tiujana Brass
    -Allan- Notnowmusic NOT2CD491

    これに言及していませんでした。ここでマリアッチ、アメリアッチ、そしてティファナ・ブラスについて、
    語るつもりでしたが、飛ばしてしまいました。たぶん普段より多い文字量で、「早く終らなきゃ」と言う思いが、焦りとなったようです。失礼しました、「18曲目は『アカプルコ1922』、ハーブ・アルパートとティファナ・ブラスでした」。詳しくは来週ね。

      • ビス子
      • 2017 4/29 1:10pm

      来週ね。

    • いつもありがとうございます。急に増えた要因として、Pさんにどなたかが、、読むラジオを続けていて…云々…お便りが届いていたからかも?分かりませんが…。では。

    • nrj45979タクシードライバー
    • 2017 4/29 11:36pm

    今週もありがとう!私は何と言っても“トリオロス・パンチョス”であります。日本には何度もきてましたね子供の頃よく聞いていたし、ペレス・プラドといえばS盤アワーのオープニング曲も確かマンボでしたね。そうそうペリー・コモの”PAPA LOVES MAMBO” あーキリがない。ぜひいつの日か特集をよろしく!!それから。
    ラ・バムバの話大変ためになりました。次週も楽しみにしています。

    • フェス ロンゲ
    • 2017 4/30 1:06am

    鷲巣功様 澤田修様

    おはようございます。
    夜中にこっそりDLしようとしたらこんなメッセージが。
    しばらくしてからもう一度してみます。
    「 ア〜早くラバムバが聴きたいよ〜 」
    今週も更新本当にありがとうございます。

    「申し訳ありません同時にダウンロード出来る数は1つに制限されています。
    しばらくしてから再度ダウンロードを行っていただくか
アップロードした方に再度アップロードしなおしていただくことをお勧めします。」

      • ワツシイサヲ
      • 2017 4/30 12:38pm

      ロンゲさま
      喜んで承りました。mb170429特別付録2号店です。
      http://firestorage.jp/download/bdb46bf11d5555e1e51e8b696e1cb284d65e0921
      ダウンロードパスワード tsccupu6

        • フェス ロンゲ
        • 2017 4/30 3:48pm

        2号店よりダウンロード無事完了。

        春に気温や天気の不安定さを感じるのは、厳しい季節を越えて
        やっと快適な生活がすごせると思う気持ちの裏返しでしょうか。
        今年も花見は思うようにできませんでしたが幻の2月〜3月に
        紹介されたたマッズトウリングのバイオリンをMP3で持ち歩き
        通勤途中や散歩で出会う桜を見ながら楽しみました。
        「さくらさくら」は来年までとっておきます。
        鷲巣功様 ありがとうございました。

        さて今週の「アサー!!」はどんなんかな?
        楽しみ。楽しみ!

    • 類似穴
    • 2017 4/30 1:17pm

    2号店で容易に入手出来ました。すぐに2号店も満杯になってしまうのでしょうか??

    • 類似穴
    • 2017 4/30 7:23pm

    もうムシがナイテますよ鷲巣さん。夏なんでせうか

    • ヴェンテン
    • 2017 5/2 12:28pm

    4月29日の本放送ではDLできず、二号店からすぐできましたがno.15くらいで切れてしまい、今日改めて完全版が入手できました( ^ω^ )。
    ブレンダ・リーのアイムソーリー可愛いですね。お詫びといやあ、赤城乳業さんが値上げのお詫びに高田渡先生の楽曲を採用したことが思い出されます(>_<)。ちょっと違いますね、恋の奥義の話でした。私は奥義も知らぬまま、一周まわって戻って来ました、これから初恋のやり直しです、怖ッ・:*+.\(( °ω° ))/.:+!

    • 大橋 康一
    • 2017 5/4 9:07pm

    今週も遅れながですが、やっと幻を聴く時間がとれました。
    初夏を想わせる選曲で、心が和みましたよ。
    ありがとうございますです。

    • 八王子60オーバー
    • 2017 5/4 9:07pm

    not now musicには激しく反応してしまいます。
     9500万人.。メイクザワールド、、。ビージーズ。。
    そしてカフェメキシコ、その曲全て懐かしさで一杯になりました。有難うございます。

    冒頭のRihanna、先日のポールのコンサートでも「four five seconds」なかなか良かったです。
    それと今回のポールコンではQuarry menの「Inspite of all the danger」が演奏され、当時を彷彿とさせるセピアに染まったライテイングと相まってまさにnot now music の世界でした。
    (期待を裏切らないナンバーのオンパレードなのですが、毎回不意にこみ上げて来る瞬間があり2日とも違う曲で胸がつまりました。堪らなく好きな「This boy]なら号泣しそうです)

    その少し前、武道館stevenカントリーアルバムソロコンではドラムス、ギター、バックバンド女性3人素晴らしく、わけてもRebecca Lynn Howard 、カントリーの方ですがジャニスナンバー、なかなかでした。スチもスライ、ビートルズ、ジョニーウインター、ジャニス、ゼぺリンとソロコンならでは。やっぱりライヴの人でした!

    not now musicにかこつけて長々失礼しました。
    来週も楽しみにお待ちしています。

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