【幻】モーニン・ブルーズ 2017/09/09

mb170909

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。9月9日です。例年ですと、まだ

この時期は暑さ、モーレツな残暑に悶え苦しんでいますけれど、妙に過ごし易い

2017年の秋、長月です。天候不順の夏と共に過ぎ去った、あの恋を思い出し

て聞いて下さい。

「愛のリメンバー」、バニーズです。

 

M01.愛のリメンバー(2’30”)バニーズ

-Y.Suzuki-  キング KICW 8569

 

N  バニーズで「愛のリメンバー」でした。このグル—プはエレキの神様、寺内タケシがブルージ

ーンズの次に組んだ歌入り楽団です。ブルージーンズは専属歌手を擁していました

が、基本的には演奏家集団でした。それがヴォーカル・アンド・インストゥルメンタル・グループ

であるグループサウンズの台頭に押されて体制変更を強いられ、GS対応済新グル—

プ結成となった訳です。わたしが知るところでは、この辺りの組織変更や人

事は事業家寺内タケシの気分というか、その場の緊急対処的に行なわれていた感

もあります。

後に「3年目の浮気」でヒットを出すヒロシ&キーボーのヒロシ、黒沢年男の弟、黒沢博

と鈴木義之がヴォーカル/ギタ—でフロントラインを固め、一応はGSの体裁を整えていまし

た。ハイトーンで唄うドラムスの井上正は参加時に全くの音楽未経験者で、まず鉄下

駄を履いて砂浜を走り足腰を鍛えた、という根性美談を月刊明星で読んだ憶

えがあります。

ただやはり基本的にはエレキグループで、インストゥルメンタル盤1967年のアルバム『レッツゴ

ー運命』はレコ—ド大賞の編曲賞を獲っています。編成に於けるテラさんの立場が

微妙で、別格扱いのようでした。大抵は一緒に演ってましたけどね。「愛のリメ

ンバー」のリ—ドも御大ではないでしょうか。

この「愛のリメンバー」は万年筆屋提供の歌番組で何度も聞いたので、印象に

残っています。それほどヒットしなかったと思いますが。詞曲は鈴木義之、才能

あるなあ、とイサヲ少年は感心していました。

なんでこんなに次から次へとバニーズ余話が出て来るんだろう。それほどファン

だった訳でもないのにね。「愛のリメンバー」バニーズでした。

さて、片付けをしていたら「九月の雨」収録のアルバムが出て来ました。これ

はある制作の時に資料として手に入れたものですが、あまり参考にならなく

てね、大して聴いていませんでした。アル・ヒブラ—はベルカント的な発声の個性的な

節回しが特徴。ブルーズ的ではないですね。その辺りが大向こうに受け入れら

れた事も理解出来ます。

ではお聞き下さい。アル・ヒブラー1956年の録音です。

「九月の雨」。

 

M02.September In The Rain(2’39”)Al Hibbler

-H.Warren, A.Dubin-  Varese Sarabande VSD-5930

 

N  「九月の雨」、アル・ヒブラーでした。名曲ですね。やはりこの時季に聞くと、一

層真実味が増して来るようです。ただし、「今はもう春」という行りがありま

すから、「思い出す、あの九月」あるいは「わたしの心は、まだあの九月」な

のかな。簡素な言葉、旋律で唄われる美しさには何の破綻もありません。

さて、メイヴィス・ステイプルズ75歳の誕生日記念公演実況録音盤に出会いました。

どこでもあまり採り上げられていないみたいですが、内容は豪華ですよ。

まず、前座をお楽しみ下さい。

マイクー・マクダナウがステイプルズの持ち歌を披露します。

「フリーダム・ハイウェイ」。

 

M03.Feedom Highway(3’31”)Michael McDnald

-R.Staples-  Black Bird  8914020089

 

M04.People Get Ready(4’17”)Glen Hansard  female

-C.Mayfield-  Black Bird  8914020089

 

N  マイクー・マクダナウの「フリーダム・ハイウェイ」でした。アルバムではこの前にバディ・ミラー、

エミルー・ハリスが唄ってます。ゴーカでしょ。この誕生日公演が行なわれたのは2014

年の11月19日、シカゴのオーディトリアム劇場でした。実況盤の発売は今年になって

から。ドン・ヲズが音楽監督を務めています。マイクー・マクダナウはゴスペル音楽活動

も行なっていますから、メイヴィスのためなら、二つ返事で参加承諾だったので

しょう。

次の「ピーポ−、ゲット・レディ」はアイルランドの音楽家グレン・ハンザード名義です。

絡んでいる女性は誰だろう。ジェフ・ベックがロド・ステュアート版であてた短いフレイズ

が、まるでオリヂナルのようにぴったりとハマッているのが面白いですね。これから

この歌はしばらくこの形で演奏される事でしょう。

先週開催された「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」、たくさんのご来場、あ

りがとうございます。ここ数年は前日のうちから音響を組み上げています。

今年8月29日の陽も暮れた頃、最終調整で担当者が確認の為に誰かの「ピー

ポ−、ゲット・レディ」のかなり新しいカヴァを鳴らしていたら、妙齢の女性が現れ

「これ何て云う歌なの、教えて」と、調整席に近づいて来ました。「吸い寄せ

られるような魅力ね」と絶賛。こちらも嬉しくなって「『ピーポ−、ゲット・レディ』、

最初に出たのはイムプレッションズだよ。いいよー。」と教えてあげました。手に入

れられたかな。

さてメイヴィス・ステイプルズ75歳誕生日記念公演、主役が出て来ます。しかも

エアロン・ネヴィルとの二重唱。さらには楽曲が、あの「リスペクト・ヨーセルフ」。

 

M05.Respect Your Self(3’52”)Mavis Staples & Aaron Navile 

-L.Ingram, B.Rice-  Black Bird  8914020089

 

N  「リスペクト・ヨーセルフ」、エアロン・ネヴィルとメイヴィス・ステイプルズでした。重量感溢れる

唄ですね。この公演には、タ—ジ・マハルやグレッグ・オールマン、ボニ—・レイットも参加し

ていて、賑やかな事と言ったらザ・バンドの「ラスト・ヲーツ」みたいです。フィナ—レ

が「ザ・ウェイト」なのも同じですね。メイヴィスはちょっと怒鳴り過ぎでもありま

すが、相当に興奮しているのかも知れません。

1曲、珍しい物が入っていたので、次に聞いてもらいましょう。メイヴィスの参

加していた家族ゴスペル・グループ、ステイプル・シンガーズは、1980年代の半ばにシカゴ

のプライヴェイト・アイという独立系レイベルに所属していた時期があります。なんだ

ったかな、全米第一位曲を出してまして、そのプロデューサーが日本人だった筈で

す。ステイプルズはそこで2枚アルバムを吹き込んでいまして、その片方がデイヴィド・

バーンの制作でした。東急ハンズ、いやトーキン・ヘッヅのリーダーで、その頃、世界の音

楽を土着民族方向に牽引していましたね。ここのレイベルでステイプルズは大した成

功を収めなかったので、この時代は無視されているようでもありましたが、

75歳誕生日記念公演ではそこから1曲採り上げられていました。それもかな

りの熱演です。

お聞き下さい、「スリパリー・ピーポ−」。

 

M06.Slippery People(4’55”)Mavis Staple, Win Butler & Regine Chassagne

-D.Byrne, C.Frantz, J.Harrison, M.Weymouth-  Black Bird  8914020089

 

M07.It’s All Your Falt(3’34”)ザ・スウィ—トバック・シスタ—ズ

-C.Walker-  BSMF 6121

 

N  音圧感、熱気溢れるシカゴのオーディトリアムの実況から、軽快なオ—ルドファッションド・ミ

ュージックへシフト・チェインヂ。スウィ—トバック・シスタ—ズという女二人男四人のグル—プです。

女性メムバの結婚、妊娠、出産があってしばらく活動休止状態だったようです

が、今回完全復活して新譜を届けてくれました。お聞きのようなカントリ—調です

けれども、彼らはヌー・ヨークの下町ブルックリンから出て来ています。

ここはカントリ—音楽的風情とは無縁の土地。アフリカやカリブ系黒人移民の北米大陸

表玄関。彼らが多く住み着いていて、舗装された道、石造りの街並みからは

コンテムポラリーなR&Bが漂います。ヒップホップや米国産レゲが生まれ淘汰される地域

でもありました。ちょっと郊外へ出れば広い緑地にも出会えますが、絶対カント

リー音楽じゃあないなあ。ここからスウィ—トバック・シスタ—ズのような集団が出て来る

とは・・・、北米大陸でのカントリ—音楽浸透度は侮れませんね。

お聞きのように洗練された楽音、ヴォ—カル・ハ—モニ—、心地良いスウィング感が身上。

戦前の安酒場音楽、ホンキー・トンク調を意識しているようです。土着性はそれほど

強くなく洗練度は高いものの、わたしにはとてもカントリ—音楽に近く聞こえます。

ではもう1曲。

「アイ・ガット・ラッキー・ウィズ・ユー」。

 

M08.I Got Lucky With You(2’36”)ザ・スウィ—トバック・シスタ—ズ

-E.Miller-  BSMF 6121

 

N  実に気持ちの良い響きです。ザ・スウィ—トバック・シスタ—ズで「アイ・ガット・ラッキー・

ウィズ・ユー」でした。

日本でも「アコースティック・スウィング」なる呼称をつけて、ジャムプ・ブルーズやカントリー・

スウィングを軽く演奏する集団に夜の繁華街などで出会う事があります。大抵は

男女混合で楽しそうには見受けられますが、大体はそこまで。このくらい上

手にやってくれたら嬉しいですね。

ではザ・スウィ—トバック・シスタ—ズ、次は曲調も少々変り、終了部分の厚いヴォ—カル・

ハーモニーが聞き物です。

「イフ・ドリンキン・ドント・キル・ミー」。

 

M09.If Drinkin’ Don’t Kill Me (Her Memory Will)(4’16”)

ザ・スウィ—トバック・シスタ—ズ

-H.Sanders, R.Beresford-  BSMF 6121

 

M10.The Mona Lisa(3’29”)Brad Paisley  

-B.Paisley, C.DuBois-  Hump Head  HUMP197

 

N  はい、この声と節回し、ご存知ブラッド・ペイズリーです。実に彼らしい元気一

杯の「ザ・モナ・リーサ」でした。2013年の作品です。

これはこの間出た『5イヤーズ・オヴ・カントリー・トゥ・カントリー ベスト・オヴ 2013-2017』

という2枚組からのトラックです。2013年からイギリスで行われているカントリー音楽祭

「C To C」、その「5周年を記念して制作された」と帯にありまして、収録ア—

ティスツは有名どころばかり。これは嬉しいと飛びつきました。その音楽祭の実

況録音だと思ったんですね。

しかし、そうではなく過去に出演した人たちの既発表曲を集めたオムニバス盤

でした。ちょっとガックリ来ましたが、現在のカントリ—音楽界最前線で活躍する若

手、中堅どころがズラリ。言ってみればコンテムポラリー・カントリ—最新型録です。

通して聞くとね、「あー、今はこうなんだ」という思いも新た。平均してど

れも一定音圧が高く力強い響きで、最新の高度な録音技術を駆使して作られ

ている事が分ります。あまり田舎的な響きではありません。今のカントリ—・ラジオ

局は一日中こんな感じか・・・。正直に言うと一度目に聞いた時ははとても

疲れました。

でもそれはこの盤の造りが音楽家同士を競い合わせるようになっていて、

特に昨今のカントリ—音楽の充実度を誇らし気に唄い上げている、という理由も成

立するでしょう。わたしですらこれまでも数年間は彼らの新しい作品をずっ

と喜んで聞いて来たのですからね。

これら現代北米田舎音楽の象徴がブラッド・ペイズリーでしょう。溢れんばかり

の生命力を漲らせ、イタリア人女性のモーナ・リーサに「ウ−ノ、ドゥオ、トリ、クァトゥロ」と声

を掛けていました。

次はダリアス・ルーカー。黒人のカントリ—歌手です。絶対数としては少ないものの、

決して奇異な存在ではありません。カントリー・チャート第一位のヒットも持っています。

「サニー」のボビ−・ヘブやチャ—リ—・プライドも同列の人たち。今のエアロン・ネヴィルも

そうかもしれないし、チャック・ベリーだって「あいつは白人だ」って映画「キャディ

ラック・レコード」の中で言われてるでしょ。デビュ—作の「メイベリーン」はほぼ完璧な

カントリ—曲ですよ。

その現代版、ダリアス・ルーカーで聞きましょう。「カム・バック・ソング」。

 

M11.Come Back Song(3’51”)Darius Rucker

-D.Rucker, M.Green-  Hump Head  HUMP197

 

M12.Take Hold Of My Hand(3’45”)Dwight Yokam 

-Ritchie, Yokam-  Hump Head  HUMP197

 

N  『5イヤーズ・オヴ・カントリー・トゥ・カントリー ベスト・オヴ 2013-2017』から続けまし

たのは、ドゥワイト・ヨーカムで「テイク・ホ—ルド・オヴ・マイ・ハンド」。ずっと可愛い感じ

でいた彼も既に中堅どころ、押しも押されもしないヴェテランで、他のトラックに引

けを取らない出来の作品を提供しています。

去年かな、レイベルがアトランティックだという事で興味を掻き立てられて聞いたハンタ

—・ヘイズという若い唄い手を覚えていますか。アルバムを聞いた時には、ちょっ

とやんちゃ坊主のような印象を持ちました。彼はこの2枚組にもしっかり参

加しています。音の造りからはあまりカントリ—色が感じられないのですが、盛り

上げて行く唄の筋道には、他のトラックと共通する表現方法があります。やっぱ

カントリ—歌手なんだ、と改めて認識した次第。オムニバス盤にはこんな楽しみもあり

ますね。

ではそのハンタ—・ヘイズです。「アイ・ヲント・クレイズイ」。

 

M13.I Want Crazy(3’58”)Hunter Hayes 

-Hayes, Verges, McKenna-  Hump Head  HUMP197

 

M14.Tennessee Whisky(4’53”)Chris Stapleton   

-D.Dillon, L.H.Bartholomew-  Hump Head  HUMP197

 

N  やんちゃ坊主ハンタ—・ヘイズに続いては、ぐっと落ち着いて「テネシー・ウイスキー」、

クリス・ステイプルトンでした。エミル—・ハリスと共同名義でアルバムを作ったり、自身の『トラ

ヴェラー』が数々の音楽賞に輝いたりと、知る人ぞ知る実力派。「テネシー・ウイスキー」

はごく当たり前の簡単な形式の中に、独特な想いが込められているようです。

流石はジャック・ダニエルズ。

こうやってカントリ—音楽最新型録を聞いていますと、この音楽の今の姿がよく

分ります。結果を急ぎ過ぎて破壊力を持て余し自滅して行ったR&Bやロックと

は少し違って、この30年ほどでゆっくり時間をかけて確かな力を付けて来た

んだなあ、というのがわたしの今の率直な感想です。

さて次も人気者。ヒット打ちの常連、ラスカル・フラッツです。2013年のベストセラ—・アル

バム『チェインヂード』から、「バンジョー」。

 

M15.Banjo(3’45”)Rascal Flatts 

-T.Martin, W.Mobley, N.Thrasher-  Hump Head  HUMP197

 

N 多分にイレクトリックでロック的な造りながら、これが今のカントリ—だ、と言わんばかり

の音楽でした。ラスカル・フラッツの「バンジョー」。アレンヂにも巧みにこの楽器がフィーチュア

されていましたね。泥沼、荒れ地にハマッても、四駆でとにかく突き進め、バンジ

ョ—の音を聞くまでは・・・。短時間集中豪雨には気をつけましょう。

この国で一般的にはディキシー・ジャズやブルーグラス専門であまりシュッとした印象

のない楽器、バンジョ—。でも上手に使うと非常にリズムを刺激的にしてくれます。

例えば、ザ・コースターズの「ザット・イズ・ロックンロ—ル」や、ドゥービーズの「リスン・トゥ・

ザ・ミュージック」をよく聴くと、ビ—トの要がバンジョ—だ、と分る筈です。そもそ

もは「バンシヨウ」と言ってアフリカから持ち込まれた楽器だそうです。有名な絵画

にもなっています。ミレーの「晩鐘」。

確かジョン・レノンが実母のジュリアから教わった楽器はバンジョ−でしたね。クヲリーメン

の頃この楽器を持った写真があったような・・・。

さて今バンジョ—と言えば、ベラ・フラックという狂気の天才がいて、次々と意欲

作を発表しています。これまでも何回か紹介していますね。今朝は彼以外の

バンジョ−奏者も聞いてもらいましょう。

ノーム・ピンクリーというアメリカのバンジョ—弾きが、1976年に発表された『ケニー・

ベイカ—・プレイズ・ビル・モンロー』というアルバムをなぞった2013年の作品、『ノーム・

ピンクリー・プレイズ・ケニー・ベイカ—・プレイズ・ビル・モンロー』からです。ケニー・ベイカーと

いうのはフィドル弾きで、彼がビル・モンローの作品をカヴァしたLPを、ノーム・ピンクリー

がバンジョーで再度カヴァしたというややこしい成り立ちですが、内容は太鼓判を

押せる出来。緊張感の高い生セッションです。

その中からどうぞ「モンロ—のホーンパイプ」。

 

M16.Monro’s Hornpipe(3’06”)Noam Pinkely

-B.Monro-  Compass 4616

 

N  何処かしらクラシック音楽にも繋がる響きを持った「モンロ—のホーンパイプ」、ノーム・ピ

ンクリーでした。バンジョ—、マンドリンやアコーディオンなど、今はあまり表に出て来ない楽

器には隠された能力がありまして、名手が操ると一瞬にしてその音楽全体を

塗り変えてしまう事がしばしあります。みなさんもこのバンジョ—、ちょっと注

目してみて下さい。などと考えていたらとても面白いアルバムに出逢いました。

スミソニアン・フォークウェイズから今年発表された『スティーヴン・ウェイド アクロス・ジ・アメリキー』

という、バンジョ—研究者の作品です。全編ひとりで弾き語り、トラックニよっては

文字通り語りを交えての生演奏録音。各曲の調弦法やカポタストの位置までが記

載された学術的な解説付きです。スミソニアン・フォークウェイズだから当然か。

まず1曲、彼の先輩音楽家がお母さんから受け継いだ遊び唄、なのかな。

「スウィング・アンド・ターン、ジュービリー」。

 

M17.Swing And Turn, Jubilee(3’56”)スティーヴン・ウェイド 

-trd. J.Ritchie-  オフィス・サンビーニャ FLSI-23212

 

N  「スウィング・アンド・ターン、ジュービリー」、スティーヴン・ウェイドの唄とバンジョ—でした。

とても素朴で可愛らしい。バンジョ—の腕も確かです。今のようにギタ—が発達普

及する前は、このように一般家庭でバンジョ—が親しまれていた事を偲ばせます

ね。スティーヴン・フォスタ—の「おお、スザンナ」の唄い出しにも「あたしゃアラバマから

バンジョーを抱えてやって来た」とあるでしょう。この楽器は金属の骨組みを持

っていて、音の立ち上がりは早く、かなり大きな響きを伴いますから日本家

屋では気軽に弾けないでしょうが、アメリカの田舎の豊かな木材を使った広い部

屋ならこんな風に優しく可愛らしい音を奏でてくれるのですね。

しかしそれだけではない。野外でも逞しく鳴らせます。次の曲ではスティーヴ

ン・ウェイドが鉄道の駅やキリスト教会から聞こえて来るモチ—フを重ね合わせて、ひと

つの南部の田舎の風景画を描いています。注釈は語り。後半は「コ—ル・クリ—ク鉱

山の騒動」という物語につながります。これは「アルプス一万尺」だな。

ではスティーヴン・ウェイド、「トラブル・アット・ザ・コール・クリーク・マインズ」。

 

M18.Trouble At The Coal Creek Mines(5’20”)スティーヴン・ウェイド  

-trd.-  オフィス・サンビーニャ FLSI-23212

 

N  バンジョ—と語り、唄だけで、とても幅広い表現が出来る証明、「トラブル・アット・

ザ・コール・クリーク・マインズ」でした。

さて、この『スティーヴン・ウェイド アクロス・ジ・アメリキー』の中には、他にとても興

味を惹かれたトラックがあります。お聞き下さい、これです。

 

M19.KC Whistle(2’38”)スティーヴン・ウェイド     

-H.Smith-  オフィス・サンビーニャ FLSI-23212

 

N  このアルバムでのタイトルは「KC ウィッソー」となっていますが、お分かりですね。

ザ・ローリング・ストーンズの『ベガーズ・バンクエット』に収録されている「放蕩息子」

です。彼らがロバ—ト・ウルキンズ師の「ザッツ・ノー・ウェイ・トゥ・ゲット・アロング」から盗

用し、それをジャガ—/リチャード作としたものだから、世界中の良心的ブル—ズ愛好

家から袋だたきにされて、それでも何故か未だにジャガ—/リチャード作となってい

るイワク付きの1曲です。このアルバムの解説にはスト—ンズこそ出て来ませんが、ウィル

キンズ師始め、ロイ・エイカフなどによる流用例が紹介されています。ここでは原曲

をホーバート・スミス作としていますね。スティーヴン・ウェイドは「E」のオープンチューニングで

の演奏です。この調弦法なら、誰でも簡単に、しかもそれらしく弾けます。

本当に簡単です。

ではその分り易い例をお聞き下さい。

 

M20.放蕩息子(2’53”)ザ・ローリング・ストーンズ     

-M.Jagger, K.Richards-  ポリドール P25L 25043

 

M21.That’s No Way To Get Along(Prodigal Son)(2’55”) ロバ—ト・ウルキンズ

-R.Wilkins-  Pヴァイン PCD-2251

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N  ザ・ローリング・ストーンズの「放蕩息子」、そしてその元ネタ「ザッツ・ノー・ウェイ・トゥ・

ゲット・アロング」でした。ミックとキ—スがお手本にしたのは、同じウィルキンズ師でもこ

れとは違うヴァ—ジョンだという指摘もあります。そっちはもっとそっくりな筈

です。

この種の民間伝承音楽は作者を特定するのが難しく、楽曲として形を定め

た人間が自分の創造作品として登録すればそれで勝ち、という世界。そう云

った例は地球中に沢山あります。ただストーンズの場合は明らかな盗用で、言い

逃れが出来ないのではないでしょうか。同じブル—ズ愛好家として先達に敬意

を表して欲しかったところですね。「P.D.」、「trd.」という表記もごく一般的

なんですから。バンジョ—の話から回って、とんだオチになりました。

「音楽は一生かけて楽しもう」音楽雑誌エリスの最新号が公開されています。

今号では、ワツシイサヲが「月光仮面」について論じています。どうぞご覧下さい。

興味あるでしょ。ご意見、ご感想を頂けたら、幸いでございます。

http://erismedia.jp/    ここからお入り下さい。購読は無料です。

今朝の特別付録は、以下の隠し場所。こちらもどうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/69f39fbb945ecabb2aacc9351054d8fb03ed38cc

ダウンロードパスワードは、sfd3t3r9です。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国9500万人のあなたにも、アサー。


東京都中央区にある中央エフエムからの生放送です!
※当日はド深夜の放送になりますので、スタジオ前からの観覧はできません。サテライトスタジオからの無観客放送になります。

    • りす仮面参上
    • 2017 9/9 3:17am

    今週もありがとね!!
    錦糸町の疲れはとれましたか?
    月末は墓場シフトもあるんだから
    ご自愛くださいな。

  1. 【幻】更新 感謝・多謝です。

    前にお知らせした時には TokyoFMとお知らせしましたが、浅田あつこさんのHPが間違っていたようで、「おはようサタデー」(ミュージックバード制作)はTokyoFMをネットしていないようです。

    下記で聴けるとおもいます。

    モーブルの妹・浅田あつこ情報
    9月9日(土)このあと 8:30~「おはようサタデー」出演予定
    関東「FM世田谷」http://radio1.bitmedia.ne.jp/fm834/old_viewer.html
    沖縄「FMいしがき」リスラジhttp://listenradio.jp (九州・沖縄)

    以上、おしらせでした。

    • nrj45979タクシードライバー
    • 2017 9/10 7:14pm

    ありがとう!

    • 日曜日のグリ子
    • 2017 9/10 7:14pm

    今日はオイルサーディンの缶詰。
    油をぬいて冷蔵庫で15分。
    お酢に漬けた玉葱を添えて少しの醤油と胡椒。
    冷やした白いワインで。
    もうしばらくは口に冷たいものがごちそうです。

    子供の頃のおでかけはいつも父の自家用車でした。
    家族5人で狭いながらも楽しいドライブ。
    休みの日には山へ海へ。

    今週のカントリーやブルースはなんかホネっぽいワ。
    鷲巣さんありがとう。

  2. m(_ _)m

    • フェス ロンゲ
    • 2017 9/15 9:42pm

    鷲巣さん 澤田さん こんばんは。

    今週も幻ありがとうございます。
    メイヴィスステイプルズのライブじっくり味わいました。
    どの曲もゴーカで、それぞれの演奏もすばらしい。
    こんなライブはぜひとも体感してみたいものです。

    オリジナルも聴きたくなったのでインプレッションズ。
    出ビット盤の東急ハンズ繰り返し聴いてます。
    もちろん後半のカントリー〜2回目のバンジョー特集もGood!

    明日の放送も楽しみにしてます。

  1. トラックバックはまだありません。