【幻】モーニン・ブルーズ 2017/09/16

mb170916

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

今月28日の墓場実況に備えて、現場の下見をして参りました。と言いまし

ても先月に真夏特番で使っているし、それ以前にも何度か見ている放送設備

です。生送りの部屋は機材を一新したそうで、澤田修も慎重を期して何度か

作動確認などを行なっています。それに同行しました。わたしは沢山のサウド・

ロゴを使ったり、細かなミックスを施すやり方ではないので、それほど高度な機材

を必要とはしません。直接かつ確実に応えてくれればそれでいい。これは結

構大変な信頼性なのですがね。今週の下見で概ね信頼出来る、という結論が

持てました。あとは中身。連続番組でないと、何を採り上げたらいいのか分

りません。いきなり「幻」のように馴れ馴れしく話しかけられても、当惑す

る人が殆どでしょうからね。これから残った時間でまとめなきゃ。

さて今朝の「幻」は初登場の男で始まります。

ジム・ローダーデイルで「ワット・ハヴ・ユー・ガット・トゥ・ルーズ」。

 

M01.What Have You Got To Lose(3’00)ジム・ローダーデイル

-J.Lauderdale, D.Penn-  BSMF 6120

 

N  「ワット・ハヴ・ユー・ガット・トゥ・ルーズ」、ジム・ローダーデイルでした。彼は既にグラミ

—受賞などで知られているカントリー界の大物です。手や喉を合わせた相手には大

物がズラリ。今回のアルバムはタイトルに『ロンドン・サザーン』とある通り、基本録音はロン

ドンで行なわれました。演奏はニック・ロウのバンドのメムバが手伝っていまして、プ

ロデユースも その関連のニール・ブロックバンクとロバート・トレハーンのふたり。オーヴァ・ダブ

ではナッシュヴィルのスタジオも使っています。今の曲のベイスは、マスルショ—ルズのデイヴィ

ド・フットが担当していました。

お聞きのようにゆったりとしたカントリー・ソウル、南部の香り漂う内容で、心が

落ち着きますね。ジャケット写真では如何にも南部男といった風貌のジム・ローダーデ

イル。こちらを見据えている目には自身の歩いて来た道、信じていた音楽に対

する誇りが感じられます。フェイドアウトで安易に処理せずでなく、ちゃんと唄い

終えているのにも好感が持てますね。この作品でなんと29枚目という事だそ

うです。

今の「ワット・ハヴ・ユー・ガット・トゥ・ルーズ」は、ダン・ペンとの共作でした。次は

あのジョン・オーツと書いた作品です。

「ディファレント・カインド・オヴ・グルーヴ・サム・タイム」。

 

M02.Different Kind Of Groove Some Time(4’43”)ジム・ローダーデイル  

-J.Lauderdale, J.Oates –  BSMF 6120

 

M03.Move Something(3’44)グレイディ・チャンピオン

-unknown-  BSMF 2528

 

N  共通した南部感覚ながら、もうちょっと元気良く若々しい唄声はグレイディ・

チャムピオン。以前もお届けした1年前に出ていたアルバム『ワン・オヴ・ア・カインド』

から、ムーヴ・サムシングでした。こういう音楽の形がもう世の中の主流になる筈

もないのでしょうが、こうやって若い世代が精一杯の表現をしてくれると、

何故かうれしくなります。グレイディ・チャムピオンでした。

さて先週ムジ鳥さんが教えてくれた浅田あつこの即売会、行って来ましたよ。

9日の中野ブロードウェイ名曲堂、ここは何回かレコ—ド探しで訪れた事がありますが、

このような催しでは初めて。というか歌謡曲の新譜即売会自体が、わたしに

とっては初体験。馴れない環境、状況で戸惑いましたが、無事に楽しむ事が

出来ました。

みなさんにも聞いてもらいましょう。浅田あつこ2017年9月の新譜です。

「泣いてもいいの」。

 

M04.泣いてもいいの(4’00”)浅田あつこ 

-Y.Yume, T.Ike-  徳間 TKCA-90984

 

N  浅田あつこの新譜「泣いてもいいの」でした。ジュリ—の「勝手にしやがれ」、

倍賞千恵子の「さよならはダンスの後で」が浮かんで来る曲調です。本人は「ラ

テン調」と説明していましたが、珍しい位のモロ歌謡曲です。

本人は想像していたより細い声だな、というのが第一印象。新曲に合わせ

た発声なのでしょうか。細いと言えば足が細くてね。グッチやヴィトンではモデルと

して採用されないのではないか、とも思いました。ジャケットで見ていると、年々

可愛くなって来ているのも事実でして、左側だけ長めにした最新の髪型の本

物も美しかったですよ、確かに。

 

M05.河内のからくち(4’48)浅田あつこ  「女の操」「夫婦春秋」

-R.Hayato, T.Yano-  徳間 TKCA-90984

 

N  こちらはぴんからトリオ「女の操」、村田英雄「夫婦春秋」を連想させる新曲B

面の「河内のからくち」です。「カップリング曲はとても大事」と本人も言ってま

した通り、ここ数年密かに彼女がバラ撒いている「河内地雷」のひとつですね。

「河内女のバラッド」以降、「カッパ」「男」と続いた作品群、今回はつれなくな

った男を想ってひとり呑む辛口酒です。それほど河内臭は強くないですね。

前曲が少々やり過ぎだったかな。

ではお聞き下さい。

「わたしの彼は河内男」。

 

M06.わたしの彼は河内男(3’41”)浅田あつこ

-R.Hayato, T.Yano-   徳間 TKCA-90842

 

N  これで麻丘めぐみを連想する人は少なくても、確かな傑作「わたしの彼は河

内男」、お聞き頂きました。実演が終ってからサイン会になりまして、わたしも

一筆貰いました。「河内のヒトなの」と聞いたら「そうよ」と少し嬉しそうに答

えてくれました。もっと話したかったのですが、後ろに並ぶ高齢者を待たせ

てはいけません。今回はここでちょうど時間となりました。

会場に入る時には新譜のチラシが配られてまして、その裏側の略歴に拠ればも

うデビュ—して22年です。年齢も分ってしまいました。「出身地 大阪府」とな

っていますが、河内の何処か知りたいですね。ちなみに事務所の市外局番は、

「072」、明らかにカワチです。

それではかつて「現」モーニン・ブルーズでもヘヴィ・ロ—テイション指定だった名曲、

「河内女のバラッド」をどうぞ。

 

M07.河内女のバラッド(4’15”)浅田あつこ

-S.Mozu, W.Hjirikawa-  徳間 TKCA-90582

 

M08.Night Train To Memphis(2’55”)Red Foley  

-Bradley, Hughes-  ドキュメント 222687-354

 

N  夜の河内から突然メンフィス行きの夜行列車にご乗車いただきました。キャーフォーニャ

にもアラバマにもインディアナにも行きたくない、メンフィスに連れてって、だそうです。

ここで検札でございます。キセル、薩摩の守などご注意願います。

滅多に行かないレコ—ド店で面白い組み物を見つけました。『トレインズ・アンド・

カーズ』という4枚組です。ドキュメンツというドイツのレイベルから出ていまして、

「ドキュメント」なんてカタカナで表記もされてます。アメリカ合衆国の戦後、主に1950

年代の「自動車」と「汽車」を主題にしたカントリ—、ヒルビリ—、ロックンロ—ル、ブル—ズ

曲を集めてあります。当時の庶民の生活の中で、汽車は憧れの遠い場所まで

連れて行ってくれる宇宙船、自動車は時間、空間を自由にしてくれるだけで

なく、速度という魔物と親しくなれる道具であり、富の象徴にもなりました。

これらの乗り物は夢をも運んでたのでしょう。ドイツ語と英語の詳しい解説も

ついていまして、値段は格安でした。

これは楽しそうだ、と即座に購入したのですが、意外と初めて聞く物が多

かったですね。今朝はまずその「汽車」を唄ったいくつかを聞いてもらいま

しょう。今の「ナイト・トレイン・トゥ・メムフィス」はエイス・レコ—ドの優れたR&Bコムピレイシ

ョン・アルバムのタイトルにもなっていますが、これが初出仕様なのかな。完全なカントリ

ー・ソングですね。レッド・フォーリーは「2500万枚のレコ—ドを売った男」と紹介され

ています。

次は誰でもご存知のこの歌です。

 

M09.Chattanooga Choo Choo(2’15”)Bill Haley & The Comets  

-Gorden, Warren-  ドキュメント 222687-354

 

N  オリヂナルはグレン・ミラー楽団ですね、「チャタヌガ列車」でした。唄と演奏は「ロック・

アラウンド・ザ・クロック」のビル・ヘイリーとコメッツ。原盤の都合でしょうか、彼らはこの

4枚組でしばし顔を出します。1954年のカヴァですから、グレン・ミラーの13年後

に吹き込んだことになります。先ほども言いましたように、この4枚組には

カントリ—、ヒルビリ—、ロックンロ—ル、ブル—ズが混在していますが、その中でビル・ヘイリーと

コメッツは異色です。非常にコマーシャルですね、出してる音が。既にポップスです。

さて、「チュー・チュー」と来れば、これが入ってなきゃ話になりません。

ルイ・ジョ—ダンです。「チュー・チュー・チ・ブーギ−」。

 

M10.Choo Choo Chi Boogie(3’06”) 

-Horton, Darling, Gabler-  ドキュメント 222687-354

 

N  何回も繰り返されるキイ・ワード、「あの便に乗せてくれよ、オッサン」、ここが

イカしてますね、「チュー・チュー・チ・ブーギ−」でした。この4枚組『トレインズ・アンド・

カーズ』は、表紙に黒人音楽家の写真が沢山使われていますが、かなり南部の

白人寄りで構成されていて、カントリ—、ヒルビリ—曲が全体の4分の3程を占めます。

わたしが初めて聞く曲が多い、と感じたのもそのせいでしょう。一応「自動

車1」、「自動車2」、「汽車1」、「汽車2」と各盤に名前が付けられていますが、

ブルーズ、R&Bは最後の「汽車2」に詰め込まれています。ちょっと企画倒れ

かな。詳しい解説も、もう一回校正をした方が良いような気がします。でも

ノヴェルティ調の面白いトラックがズラリですから、手に入れた事を後悔してはいません。

これもわたしが初めて聞いた1曲です。

ジミー・デイルの「テネシ—幽霊列車」。

 

M11.Tenessee Ghost Train(2’38”)Jimmie Dale  

-Dale-  ドキュメント 222687-354

 

M12.Rocket88(2’49”)Jackie Brenston & His Delta Cats 

-J.Brenston-  Sony  88697639342

 

N  ジミー・デイルの「テネシ—・ゴースト・トレイン」に続きまして、お待たせしました、

「ロケット88」、ジャッキー・ブレンストンです。しかしこれは先の4枚組『トレインズ・アンド・

カーズ』からではなくて、映画「ノーウェア・ボーイ」のサントラ盤からでした。近所の

レコ—ド屋で某グル—プのベストを物色中に店内で流れていたのが気になってカウンタ—

で訊ねたら、この盤だったのです。中古盤でバック・インレイ中央に折った跡があ

るためでしょうか、なんと「100円」。即刻、買いました。

これはビ—トルズのジョン・レノン、リヴァプ—ルでの下積み時代を描いた映像作品ら

しく、クヲリーメンからシルヴァ・ビートルズ、そしてビートルズになって行く過程で彼らが

影響を受けた音楽を並べているようです。「らしく」「ようです」と、歯切れ

の悪い表現が続くのは、わたし自身がこの映画の存在を知らなかったからで、

盤を手にしてもすぐに気付かず、「主役はジョンに似ているなあ」などと思って

いた位です。

ちょうど、先々月ハンター・デイヴィスの名著「ビ—トルズ」()を入手、合わせて部

分的に更新されている文庫本()も買い入れて、この時代のジョンの行動をお

さらいしていた事もあって、とても楽しく聞けました。

ハンター・デイヴィスの名著「ビ—トルズ」は、68年の発行直後に手に入れて、それ

から3年間は毎晩数頁読んでから眠る、という生活を繰り返したワツシイサヲです。

いくつかの部分は諳んじていまして、その確認のために今回また読み直しま

した。多分3度目の購入です。友人のところに行ったまま帰って来なかった

り、本棚の中で行く方が分らなくなってしまったりと、書籍雑誌も、楽器や

レコ—ドと同じですね。今回は以前持っていた初版をオ—クションで入手しました。う

っかりしていて3回ほど流してしまったのですが、他に誰も入札者がいなく

てね。すんなり落とせました。

みなさんもよくご存知のように世に出る前のビ—トルズはリヴァプ—ルで爆発的

人気を持つ田舎バンドとして活動していたのですが、将来が約束されていた訳

ではなく、まあビート音楽に繋がった不良集団の延長でしかありませんでした。

ジョンは幼少時の両親の離婚後、叔母の家に預けられてそこで生活していまし

た。

この保護者、ミミ叔母さんというのが傑作でね。ジョンをなんとか健全な青年

に「戻し」たくて連日連夜奮闘努力を続けたのです。ハンター・デイヴィスの「ビ—

トルズ」の中で最も長く書かれているのは、この時代のジョンじゃないかな。何

度も出て来るやりとりは本当に面白い。ジョンが出演しているキャバーンに乗り込

むところなんか、何度読んでも、思い出しても笑ってしまいます。

この映画については詳しく知りませんが、この時代のジョンは本当に狂気と

共に生きていました。ビ—トルズとして世に出てからは彼は録音スタジオ以外では

死んでしまったようにも見える位です。そんな情景がこの映画「ノーウェア・ボ—イ」

の中ではどんな風に描かれていたのでしょうか。興味があります。

わたしは、自然消滅して行った解散以降、憑き物が落ちたようにビ—トルズ周

辺にあまり興味がなくなってしまいました。「新事実」を伴う新たな制作物に

も食傷気味で、いくつかの貴重な作品を敢えてやり過ごしています。この「ノ

ーウェア・ボ—イ」もそのひとつだったようです。

 

M13.Movin’ And Groovin(2’04”)   

-D.Eddy, L.Hazelwood-  Sony  88697639342

 

N  これは、ドュエイン・エディの「ムーヴィン・アンド・グル—ヴィン」。このサントラのオリジナル演

奏です。チャック・ベリ—の「お茶目な色男」のイントロと繋げるこの閃き。他のレコ—ド

物色中のわたしがカウンタ—に駆けつけて「これなんですか」と訊ねたのは、この

トラックが鳴っていた時でした。

 

M14.Raunchy(1’33”)The Nowhere Boys  

-S.Manker, W.E.Justis-  Sony  88697639342

 

N  こちらは「ロウンチー」、サム・フィリップス制作、ビル・ジャスティスのヒット・シングルです。こ

の曲はジョンのお気に入りだったようで、先のハンター・デイヴィス著「ビ—トルズ」の

中にも出て来ます。加入直後のジョージ・ハリスンが得意としていた1曲で、どこ

かのオーディションに出掛けるバスの中で「『ロウンチー』を演ってくれよ、ジョージ」とリク

エストする行りがあったと思います。

このサントラには、このようなオリジナル演奏だけでなく、当時影響を受けていた

とされる楽曲が原盤のまんま何曲か入っています。それらには意外な物も多

い。ジーン・ヴィンセントは分りますが、例えば「ロケット88」もそうですし、スクリーミン・

ジェイ・ホウキンズの「呪いかけてやる」とか、ビッグ・ママ・ソーントンの「湯煙夏原ハウン

ド・トッグ」など、直接的には彼らの音楽に反映されなかった楽曲群からは、

蓄えの豊かさを感じます。

これもそれと同列の1曲、ジョンの実演での滅茶苦茶なオルガン演奏は、ひょっ

としたらこの人から感染したのかも知れません。

ジェリー・リー・ルイスで「俺は自然児、やりたいようにやる」。

 

M15.Wild One(1’53”)Jerry Lee Lewis   

-O.Keefe, Owens, Greenman-  Sony  88697639342

 

M16.ライク・ア・ボート・オン・ザ・ウォーター(4’34”)ベン・シドラン     

-B.Sidran- ポリスタ— SOCL-4004

 

N  ベン・シドランという音楽家ご存知でしょうか。ボズ・スキャッグスの代わりにスティー

ヴ・ミラー・バンドに入ったピアニストです。日本ではあまりヒットがなく、わたしもす

ぐには思い浮かべられない。でも特別な出逢いがありました。

今のテレビ番組などでは主題歌も背景音楽も、ミエミエの出ドコがすぐ割れる楽曲

を使うのが美徳のような風潮ですが、かつてのラジオ番組では逆でして、誰の

何だか分らないけれど印象に残るものを探し出して来るのが、ディレクタ—の甲斐

性でもありました。それが番組を通して知られるようになって、「あのテーマは

何ていうの」、なんて噂になり少しでもヒットすれば、「ザマアミロ」なんですよ。だ

からレコ—ド室に籠って棚の間に座り込んで探すワケ。非常に非効率的ですが、わ

たしには密かな歓びのある作業でした。

ベンと出会ったのもそんな時で、わたしは彼の事を全く知りませんでした。

彷徨える阿蘭陀人レイベルから出ていたLPの収録曲がカッコ良くて、即座に採用。

「スリッパリイ・ヒップ」と言ったかなあ。そう言えばここ30年以上聞いてないで

すね。ピアノの器楽曲で、ビ—トがえらくファンキでした。その直ぐ後に突然来日し

たので、新宿厚生年金会館で実演を観ました。お客さんの入りも悪く盛り上

がりにも欠けましたが、ベンが気持ち良さそうにしていたのが印象に残ってい

ます。

それから10年以上経った1990年、吉成伸幸という日本の洋楽王の発案か

ら、ポリスタ—が彼自身のレイベルを設立しました。その時に縁あってわたしも協力

する事になり、何度か実際に会って、案内ブックレットやプロモ—ション・ラジオ番組の制

作でお手伝いをしました。自分で言うのも何ですが、ここでは比較的良い仕

事をしたと自負しています。

ベン・シドランは非常に知的な人で、「ブラック・トーク」という黒人音楽研究の学位

論文を書いていて、ペンギンのペイパ—バックでも出版されていました。その論旨

の核は「リズムと社会は非常に密接な関係があり、同じした瞬間にそれぞれは

突然新しく変わって行く」というもので、いつもながら浅学非才のわたしに

も思い当たる事象がいくつかあったので、非常に納得したものです。

創り出す音楽もそれに倣って含蓄に富んだ高品質を保っていますが、果た

して世界で、特にこの国で彼の意図を何人が理解出来ていたか不詳ですし、

わたしも理解で来ているとは、とても言えません。

何しろ幅広く音楽を聞き、理解しています。しかもその影響をそのまま表

現するほど愚かではありません。いつもベン・シドランの音楽として出して来ま

す。

そこんとこがカッコ良くてね。ドナルド・フェイゲンとも共通する嗜好、背景を持っ

ていますが、あれほど録音偏執狂ではなく、生の実演奏に重きを置いた制作

方針に、わたしは大いに好感を持てちます。

レイベル立ち上げ時に協力したのに最後の方では知らないアルバムが何枚かあり

まして、今の「ライク・ア・ボート・オン・ザ・ウォーター」も『ミスタ・ピーズ・シャッフォー』と

いうわたしの持っていないアルバムからです。オリジナルは1996年に出ていたのが、

ディスク・ユニオンから2015年に復刻されていたようですね。

話が長くなりました。1曲聞きましょう。

今と同じくマージー・コクスとのデューオで聞かせてくれます。「センチメンタル・ジャーニー」。

 

M17.センチメンタル・ジャーニー(5’27”)ベン・シドラン              

-B.Green, B.Homer, L.Brown-  ポリスタ— SOCL-4004

 

N  「センチメンタル・ジャーニー」、ベン・シドランとマージー・コクスでした。このヴァ—ジョンは多少

話題になっていたようですね。多分この国の特別な分野「A.O.R.」ファンに評判

が良かったのではないでしょうか。分るな。

このような軟派路線にも充分に対応可能なベン・シドランですが、わたしは彼

の事を本質的にはジャズ音楽家と見ています。ベン・シドランの幅広く深い知識、

含蓄は、やはりジャズという領域での表現が相応しい。ただスタンダード的な保守

反動ジャズの世界とは重なる部分が少ない、とも思いますが。

自身の弾くピアノはとても上手です。強いタッチの制御が非常に独特ですね。ま

たビ—ト感覚はとてもファンキです。単純なブルーズ循環で、その腕の確かさをお聞

き下さい。

かつて出入りしていたジャズ・クラブの名前を拝借したナムバです。アルバムの表

題曲にもなっています。

「ミスタ・ピーズ・シャッフォー」。

 

M18.ミスター・Pズ・シャッフル(4’35”)ベン・シドラン            

-B.Sidran, L.Sidran-  ポリスタ— SOCL-4004

 

N  「ミスタ・ピーズ・シャッフォー」、ベン・シドランでした。ギタ—がフィル・アップチャーチ、ベイス

はリチャ—ド・デイヴィス、オルガンはリッキ—・ピータスンという素晴らしい面子です。こう

いう何でもない、ジャムに毛の生えたようなセッションが得意なのも彼の重要な個性。

積み重ねた本番経験に裏打ちされたものです。

では彼独特のスタンダ—ド解釈力が発揮された有名曲を聞いて下さい。

ちょっと演奏時間が長くなりますが、たっぷりどうぞ。

「ラヴァ・マン」。

 

M19.ラヴァー・マン(8‘24”)ベン・シドラン       

-J.Davis, R.Ramirez, J.Sherman-  ポリスタ— SOCL-4004

 

N  「ラヴァ・マン」、ベン・シドランでした。ご感想はさまざまでしょう。ぜひ聞かせ

て頂きたいですね。

それとは別に、冒頭と終了部分でカデンツァ的に奏でていたメロディが、とても気

になりました。これはおそらくマイルス・デイヴィスの『マイルストーン』に収録されてい

た「ビリー・ボーイ」からの引用ではないでしょうか。キャノンボ—ル・アダリ—とコルトレイン

を擁していた世界最強マイルス・セクステット時代のレッド・ガ—ランドのピアノ、ポール・チェイン

バーズがピアノ、そしてドラムスがフィリー・ジョ−・ジョーンズという黄金のリズム・トリオだ

けで演奏された古い歌曲です。わたしはこのヴァ—ジョンでしか聞いた事があり

ません。こちらも少し長い演奏ですが、滅多に聞く機会もないでしょうから、

一気に通しましょう。

「ビリー・ボーイ」。

 

M20.Billy Boy(7’14”)Miles Davis Quintet

Red Garland(pf.), Paul Chambers(b.), “Philly” Joe Jones(ds.)

-trd.-  Colmbia CK 40837

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

 

N  久し振りに聞きました「ビリー・ボーイ」。ガ—ランドは日本でとても愛された

ピアニストです。この時代にはマイルスの元で数々の美しいソロをとってました。は

っきり言えば前時代的感覚のお方で、御大がモードの探求に入った直後の、

まだ詩情の余韻が漂っていた頃に辛うじて存在できた、という感じかな。

わたしは好きな一人です。まあ他にジャズ・ピアノ奏者をそれ程知らない、と

いう事もありますが。

さて冒頭でお話しした9月28日早朝、中央エフエムの生放送は0時から澤

田修の「オーサム・ビーツ」、3時から「モ—ニン・ブルーズ」という伝説の復活です。

そこに、更に、素晴らしいゲストが来てくれる事になりました。来る10月

21日、22日に行なわれる「ライヴ・マヂック」の企画制作責任者、ピ—タ—・

バラカンです。この時間帯に生出演、前夜は池袋でイヴェント出演、当日は朝から

テレビの収録で新潟へ出張という過密日程の隙き間に重労働をお願いしまし

た。早起きの人だから、途中で眠っちゃうかもしれない。みなさん、生の

反応を願いますよ。

わたしの悩みもこれで解消。楽しみです。全国9500万人の方々も聞ける

ようですが、その方法は修に聞いて来週ここでもお知らせしましょう。ち

ょうどあと10日間。リクエストはこの「幻」宛にどうぞ。多分チューオーエフエム所蔵

音源では対応出来ないでしょうから、早めに頼みます。

さて今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/9bce42b969ec4d7f353fa45f253990d55f5399e2

   ダウンロードパスワードは、ipjd9fpvです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

東京都中央区にある中央エフエムからの生放送です!
※当日はド深夜の放送になりますので、スタジオ前からの観覧はできません。サテライトスタジオからの無観客放送になります。

    • 山奥リスのバラッド
    • 2017 9/16 3:20am

    えーん
    月末墓場生放送、
    観覧できないのますますザンネンムネンじゃあーりませんかー

    • 八王子60オーバー
    • 2017 9/17 6:43pm

    ドキドキ、ドキドキ。
    27日ちゃんと聴けますように。。宜しく御教授下さいますようお願いいたします。
    前回、途中でPC固まってしまいアタフタする間に番組終了でした(涙)。

    今の気分♪「AT LAST」(etta james)リクエストします。

    28日の朝が明けるころには「TILL I SEE YOU AGAIN](Gladys knight & the pips)
    になってるんですね。。。

    久しぶりの「河内おんなのバラッド」♪最終放送回思い出します。。。

    • ちびやや冷え
    • 2017 9/17 10:25pm

    アタシのリクエストはね、
    Where were you when I needed you(あんたいったいドコ行ってたのよ)/Al Cooper 。
    そうね、フェニックスあたりからコソ〜ッと帰ってきた感じでつないでもらおうかしら。
    (ナマで放送聴けなくても起きてますからっ♨)

      • ちびやや冷え
      • 2017 9/18 9:21pm

      まちがいちゃった。
      アルクーパーって「Kooper」だった (>∀<)マタヤッチマッタ

    • 日曜深夜のグリ子
    • 2017 9/17 11:44pm

    浅田あつこさんの「ねーあんた。何しとんねん。」を聴くと
    やっぱり生放送のモーニングブルースを思い出してしまいます。
    3月頃よくかかってましたね。

    その頃を思い出しながら明日は休みだしアメリカンウイスキーにします。
    テネシーじゃないけど、ラベルはもちろんI.W.ハーパー。
    つまみはやっぱり「ポテトベーコン」。
    深夜の台所。
    ウスターソースで仕上げます。

    ピーターバラカンさんもゲストでやってくる27日のA.B.とM.B.。
    今からとても楽しみです。

    鷲巣さん、澤田さん、ありがとう。

    • ワツシイサヲ
    • 2017 9/18 12:25am

    凄い。ここまで全部、女の人。いい気持ち。

      • 泉の助ソウダラ。
      • 2017 9/18 1:00am

      今晩は!ひとり、自慢のロングヘアだけど、ジェンダーフリーの方がいらっしゃる模様。今リクエストボンヤリ熟考してます。ありがとう!電波ラジオ。

  1. ♪時差感謝♪この夏〜秋は、色々と環境が変わりつつある真っ只中におりまして、日々戦々恐々としております。そんな気分に合った「楽しい」「アメリカ/イギリス以外の曲」が、おまかせリクエストでかかったら嬉しいです。(アメリカでも南部産の曲ならOKです)

    • 累次穴
    • 2017 9/18 1:53am

    (意味あって)得意の流れを無視したハツゲン(楽器)

    あるケンキュウキカンが所得の高い人の共通の特徴を調べた所、それは学歴でも、親の裕福度でもなく、当然ヨウシでもなく、、、、それは何かといふと、、丁度時間とはならなく、、”〇〇力”とのことでした。

    • 累次穴
    • 2017 9/18 2:22am

    ジョージアには雨が降っているのであろうか??

    • 類似穴
    • 2017 9/18 2:38am

    裏、思いつき(番組一本を通しての)リクエスト

    イッケン(イッチョウ)バラバラな様で一本筋の通った選曲をされたらシビレます。

    難しいのはリスナーのお察し力がためされるところでせうか??

    • リス子の操
    • 2017 9/19 12:50am

    リクエスト?

    ナツカシあの頃聴かせてくれた
    3匹のリスたちの歌声を。

    聴けたら嬉しいなぁ

    • フェス ロンゲ
    • 2017 9/20 10:19pm

    鷲巣さん 澤田さん バラカンさん こんばんは。

    「一夜限り」って言われるとリクエストの余地なし?って遠慮が、、、。
    でも「一夜限り」じゃないことを強く希望するリスナーにとっては
    放送の終わりに「では、また、、、。」って聴きたいですよね。
    世界中のリスナーからたくさんのリクエストが来ることを願います。

    私も遠慮なく。27日の電波放送へリクエスト。
    秋の深夜のラジオから大好きなDJのアナウンスでしっとり流れてくれば最高な3曲です。

    オーサムビートさんへ
    トムウエイツの「土曜日の夜」の「NEW CORT OF PAINT」。
    (高校生の時、二つ上の兄が友達から借りてきたLPが気に入って、カセットにコピー
    してずっと聴いてました。
    今思うと何でかと思うような酔いどれソングを子供の私が。(笑))

    モーニングブルースさんへ
    マジックサムの「ブラックマジック」から「YOU BELONG TO ME」。
    (これも高校生の時に当時大学生のアマチュアバンドがやってたブルースでした。
    初めて聴いたギブソンの335のセミアコの音にはしびれましたね。
    実は、私がマジックサムのオリジナルに再会したのはホントについ最近です。)

    ピーターバラカンさんへ
    ロバートワイアットの「SHIPBUILDING」。
    (これは20代の初めに7インチでづーと聴いてました。
    イギリスの造船所の工員さん達を画いた絵画のすばらしいジャケットと供に。)

    チャオ!

    • ハギリョウ
    • 2017 9/21 7:27pm

    リクエストしちゃいます。
    ピーターさんがいらっしゃる!といえばピーターさん&近田サンの脱法ラジオ!もうやらないのかなァ。
    そこでワッシーなら近田春夫&ハルヲフォンかけてくれるかなァ。
    近田サンもバンド再結成してオルガン弾きまくってますよ!!
    でもなかなか音源ないかなァ。
    と云う訳でもしハルヲフォンあればハルヲフォンならなんでも!
    なければハルヲフォンもデヴュー当時カヴァーしたThe McCOYS の Come on Let’s Go
    を是非!これでピーターさん、ワッシー、近田さんが繋がる(←無理矢理)!
    本当はね、2年前のヨコハマ、ファーストでやったワッシーとピーターさんのピンポンDJの際に
    ワッシーがかけてくれたエーちゃんのチャイナタウンも捨てがたいんだよォ!!

    祈!モーニン’ブルース復活!!

    カワサキ、モトスミの五大洋光ことハギリョウより

    • ヴェンテン
    • 2017 9/22 2:06am

    27日、リアルタイムで聴けるかな〜〜(>_<)。とにかくリクエストはやっぱり平山三紀ちゃまか〜( ^ω^ )。第1位は「私の場合は‥‥」だけど、「ノアの箱舟」・「心のとびらをノックして」・「恋のダウン・タウン」・「月曜日は泣かない」「銀河のはてに」‥‥タイトル列記だけでグッと来るう〜♬。

    • まゆりん
    • 2017 9/22 5:15am

    祝・オ-サム・ビーツ、祝・モ-ニン・ブル-ズ@中央エフエム!
    おめでとうございます!
    待ち遠しうございますよ(*´︶`*)

    リクエストは
    Sam Cooke / THE HARLEM SQUARE CLUB 1963 から
    ワッシ-のお気に入りの1曲をお願いします。

    一夜限りとおっしゃらず、今後も復活を祈るアサ-!!!

    • 泉の助スケソウダラあるいはizumi furujiku
    • 2017 9/22 6:16am

    おはようございます!来週ですね、電波のラジオが激烈に楽しみです!楽しみになりすぎて張り切って番組始まる前に寝落ちしてしまわぬように気をつけます。(この間のBon dance特集の時はそうだった。)
    requestは高田渡 生活の柄 です。これから寒くなりますね。行路の人も難儀です。が、巷の行路の人が日本中で減ったとの調査結果が出ました。これ、実質なのか否か???「例えばなしで疾患を抱えた病気の国民は減りました!日本国民健康になりました。と謳っているが、実はみんな疾患を抱えてた人死亡しているんだよね。」
    ではないの?ないの?ないの?(しつこい)
    中央区にもいつも顔を覚えるくらいの行路の人を見かけました。今は見かけないね。でも中央FMをトランジスタラジオで聞いている人がいるかも、その人たちに送ります。

    • 類似穴
    • 2017 9/22 7:44pm

    幻へのリクエスト (週初に書いたのですが上手く遅れませんでした)

    M19の(クダンのイントロ)のメロディを聴いた瞬間に(脳内で言語化することなく)ああ『嗚呼懐かしい、好きな曲だ』と感じましたが、、、私の思っていた曲とは違う曲でした。そのカンチガイした曲がすぐには思い出せなくまた、自力で思い出せないであろうとすぐに感じました。、微かな記憶はin the evening he goes fishing (??)

    カセットテープを漁って手書きの曲名を探すのは時間的に危険なので、現代っ子のわたくしは反則のamazonを利用。

    そのカンチガイした曲、、 Old Songs for the New Depression というアルバムに入っているであろう。
    Old Folksをリクエスト

    中央FMのリクエストはOld Folksにもアッ、チョット、アッチョトチョット、関連した曲、、、その曲は
    丁度時間となりました~。

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