【幻】モーニン・ブルーズ 2018/01/06

mb180106

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

2018年、明けました。おめでたい方にも、おめでたくない方にも、新しい

一年の始まりです。モ—ニン・ブルーズ、今年もお付き合い下さい。今日はもう六

日、新年のニチジョーが始まります。

さあ新春第一曲、まずはイヒョーを突くこれで行きましょう。

 

M01.Have You Seen Her(5’29”)Chi-Lites   

-E.Record-   Edsel / Brunswick  DIAB 872

 

N  シャイ・ライツ、「ハヴ・ユー・シーン・ハー」です。え、12月の歌ぢゃないの、という声

が聞こえますが、今年はこれで始めました。

未だ着手に至らない大編纂版「わたしが選ぶ1001曲」に、必ず入るこの歌、

12月には合計3回ほど皆さんにも強制的にお聞き頂きました。日毎に寒さが

厳しくなって来る年の瀬に、ひとりで聞いているとジーンと来ますね。正に名

曲、間違いなし。

年も改まった1月の最初にこれを持って来たのには、ちょっと訳がありま

した。ご存知でしょうが、この歌は作者ユジーン・レコードのこんな想いが詠まれ

ています。

 

   ひと月前までは雲雀のように幸せだった

   今あの公園へ行きひとり同じベンチに座る

   子供達が集まって笑いながら言葉を交わす

   でもそんな事じゃこの心は癒されない

   想い出から逃げられない

   何度やってみてもだめだ

   今日もひとりで言い続けてる

   きっとあの娘は帰って来ると

   ああ、叫びが虚しく響くだけだ

 

恋人を失った哀しみに耐えられなく、ただ彷徨い続けるひとりの淋しき男

の姿が描かれます。そしてこの次にあの有名な繰り返しが続けられます。

 

   何処へ行っても面影が浮かぶ

   街角に立っても映画をみても

   あの娘を見かけた事はないか

   教えてくれ、あの娘を見てないか

   

   冷たい風の中にあの声が聞こえる

   ラジオからの甘い歌を聞いた時さえ

   あの娘を見かけた事はないか

   教えてくれ、あの娘を見てないか

 

   何ゆえにあの娘は居なくなってしまったんだろう

   いつもすぐ側にいてくれたのに

   ここにひとりぼっちで取り残されてしまった

 

きっと皆さんも心の底に、思い当たる同類の出来事のひとつやふたつはあ

るでしょう。突然、何の前触れもなく去っていった最愛の人。追いかけよう

にも何の手掛かりもなく、ただ出会う人間に、見た事はないか、知らないか、

と訊ね続ける事しか出来ない・・・、泣かせますね。

この、居なくなってしまった恋人を探し続ける想いは古今東西、数多の芸

術芸能作品の主題となっています。そんな中で永遠の名作と言えば、ハンフリ—・

ボガートの「カサブランカ」でしょうか。先々週の「港のヨーコ、ヨコハマ、ヨコスカ」も同じ

ですね。その気になれば、他にいくらでも出て来る筈です。

そんな事を考えていたら、ある歌が浮かびました。

 

M02.上海帰りのリル(3’33”)津村 謙

-J.Tojo, M.Wakuchi-  キング KICM 8214

 

N 「上海帰りのリル」津村 謙、1951年のヒット曲です。これをわたしはずっとデ

ィック・ミネの歌だと信じていたのです。

西新宿のラジオ局で丁稚奉公をしていた頃、わたしは仕事を早く覚えたくて

自分の担当外の番組の制作スタジオにも出入りさせて貰っていました。あるドラマ

番組の制作者に面白い人がいましてね。テイプを巻き取る空リ—ルをデッキにかける

時に、決まって「リール、リール」とこの歌を口ずさむのです。時には例のひっく

り返し符丁で「ルーリ・・・」なんて言ってね。

その頃はテイプ・レコーダーが機材の主役ですから、もう何回も何回も「リール、リー

ル」が出て来るのですよ。このC調さがたまらなく可笑しい。実に馬鹿馬鹿し

いのですが、作業が終ってからスタジオを出て、ひとりでよく笑ったものです。

「たれかリルを知らないか」という行りが印象的な「上海帰りのリル」はそれ

以前から知っていまして、子供ながらにある種の感慨を覚えていました。そ

の頃から、てっきりこれはディックの歌だと信じ込んでいたようですね。今回シャ

イ・ライツの「たれかあの娘を知らないか」から連想して「そうだ、あれがある」

と閃いたつもりで、2017年も押し迫った頃にディック・ミネのアルバムを入手したら、

そこにあったのは「上海リル」という題名の楽曲でした。そして聞いてみたと

ころ、どうも違うんだな、これが。

 

M03.上海リル(3’49”)ディック・ミネ     

-A.Dubin, H.Warren, I.Tsuda-  テイチク TECE-3085

 

N  ディック・ミネ1924年のヒット曲で、「上海リル」でした。こちらの主人公「リル」は

上海在住。舞台はそこの日本租界でしょう。新天地を求めたか、本土を逃げ

出したか、ここに渡ったリルは夜の女。男は単身赴任中。日華事変が勃発する

前の、特殊任務を背負った諜報部員とすると情況はグッと盛り上がりますね。

まあ只のナムパ師かも知れませんが。彼が行きずりに出会ったリルを偲んでほの

かな恋心を唄ったのが、「上海リル」でした。ここでのディックの歌はほぼ完璧と

言って良い出来です。キャブ・キャロウェイもかくや、と思わせる程、限りなくバタ臭

い。終了部に付け加えられた半音進行のスリルは堪りません。元々は外国曲なん

ですね、これ。

さて戦後日本に帰って来た元シークレット・エ−ジェイントマンは、まだリルが忘れられず

に、探し続けます。あの街にいたらしい、という噂を聞きつけて訪ねたのが、

やはりミナト横浜だった訳です。「ハマのキャバレ—に居た」らしいのですよ。海を見

ているんですよ。

もうお分かりですね。東条寿三郎作詞、渡久地政信作曲「上海帰りのリル」

は「上海リル」の返歌だったのです。それも17年の長き間を、第二次大戦を挟

んでのアンサ・ソングでした。これにはわたしも感動しましたね。同じタンゴ調でと

ても品良くまとめられています。やられました。安価なDVDで売られてい

た同名映画も入手して観たくらいです。これは「クリフサイド」という横浜元町の

有名な、崖っ縁にあったナイトクラブが舞台になっていました。

「上海リル」と「上海帰りのリル」物語、如何でしたでしょうか。実を言いま

すと、この閃きは12月14日の梅勇芸徒での「生語り皿回し」の時に天から

降臨して来ました。年が変わったら早速、と決めていたのですが、こんな顛

末を迎えるとは思いませんでした。とても面白かったですね。「リル」というの

は 「little darlin’」の事らしい。「上海リス」ではありませんのでお間違えな

いように願います。

さてその「生語り皿回し」の時にファッツ・ドミノーに触れて「私の青空」はシング

ルで日本でも出ていてヒットしたんじゃないか、と話したら前の方に陣取った

R&B通の方から、「ありゃディック・ミネだよ」とのご指摘を受けました。「あ

あ、そうなのか」と手に入れたばかりのベスト盤を調べましたが入っていませ

ん。他には・・・と探したら、榎本健一の唄った「私の青空」がありました。

 

M04.私の青空(2’24”)榎本健一

-C.Tobias, S.Namishima, K.Enomoto-  東芝 TOCT 6019/20

 

M05.雨に消えた初恋(3’00”)カウシルズ  

-A.Komfeld, S.Duboff-  WPCR 17926

 

N  1928年、堀内敬三が訳詞した「私の青空」、エノケンの歌でお聞き頂きました後、

西の空に雨雲が発達しまして、突然の雨。そこにわたしの初恋は消えてしま

いました。

「雨に消えた初恋」1967年、牛も知ってるカウシルズでお届けしました。これ

は先々週から紹介している『DJ糸居五郎 黄金のレイディオ・ヒッツ ゴ−・ゴ−・ゴ−!』

の第一集からです。12月27日に三枚連作で発売されたこのアルバムは、文句な

しの出来で、大変気に入っています。アルバムでは必要ないけれど、この1曲は

欲しいなあ、というのがズラリと並んだ楽しい企画です。

同傾向のオムニバス盤には、矢口清治たちポップス好きが続けている『僕たちの

洋楽ヒット』というシリーズもあります。こちらもなかなかに凝った内容で、今や

ここでしか聞けないトラックも沢山あって、わたしも見つければ手に入れていま

す。作品全体の印象はとても真面目で健全。ああ、こういう人たちが洋楽市

場を支えているんだな、という事実を思い知らされます。

それに較べるとこちらの『DJ糸居五郎 黄金のレイディオ・ヒッツ ゴ−・ゴ−・ゴ−!』

は、もう少しテキトー、イーカゲン。選ばれた1曲、1曲に制作者の人格が反映してい

るようにも感じられますが・・・。

さて、制作者よりももっとテキトー、イーカゲンなワツシイサヲにはこの盤で初めて聞い

たんじゃないか、と思われる仕様も何曲かありました。そのひとつが、これ

です。

トーイズの「ラヴァーズ・コンチェルト」。

 

M06.ラヴァーズ・コンチェルト(2’34”)トーイズ  

-Linzer, Randell-  WPCR 17926

 

N  全米チャ—トで2位まで上がったヴァージョンの「ア・ラヴァーズ・コンチェルト」でした。

これはわたしも、全く知らなかったですね。黒人3人のガール・グループです。

曲目解説にもある通り、日本でよく知られたのはサラ・ヴォーンの歌でした。わた

しの家でも、姉が突然、この「ア・ラヴァーズ・コンチェルト」が1曲目に入っている

LPを買って来ましてね、「わたしはジャズ歌手になる」と宣言してしばらく熱

心に聞いていました。でもじきに放り出したので、すぐわたしの物になりま

した。フエルト張りの豪華仕様だったですよ、そのアルバムは。

 

M07.ラヴァーズ・コンチェルト(2’45”)サラ・ヴォーン

-Linzer, Randell-  TYCJ-60012/3

 

N  「ア・ラヴァーズ・コンチェルト」、やはりサラ・ヴォーンの歌は圧倒的ですね。終了部分の

ロングトーンの制御は信じ難い水準にあります。これには弦も入っていますし、明

らかにポップ市場を意識した造りですが、ヒット曲にはならなかったのかな。

わたしにとって、『DJ糸居五郎 黄金のレイディオ・ヒッツ ゴ−・ゴ−・ゴ−!』

収録曲はその殆どがその昔ラジオで耳にしていた楽曲ばかりですが、先ほどの

トーイズのように知らない物に出会うと、音楽を聞く歓びもヒトシオ。結構な出来映

えです。

DJ糸居五郎の語りが入っているところも嬉しいですね。

 

M08.悲しき願い(2’27”)アニマルズ 

-Benjamin, Marcus, Caldwell-  ワーナー WPCR 17926

 

M09.バス・ストップ(2’54”)ホリーズ  

-G.Gouldman-  ワーナー WPCR 17926

 

N  DJ糸居五郎の語りに続けて、アニマルズの「悲しき願い」、そして 「バス・ストッ

プ」ホリーズでした。

アニマルズは日本でもスター・グループでしたね。「朝日のあたる家」、この「悲しき

願い」、そして「悲しき叫び」、どれもラジオから流れていました。特に印象的

だったのは、隣の兄さんのスタンド洗車に連れて行って貰ってカ—ラジオで聞いた

「悲しき叫び」です。これがサム・クックの「ブリング・イト・オン・ホーム・トゥ・ミー」だ

と知るの、はかなり後の事ですが、わたしにとっては劇的な出会いでした。

現在の公式資料ですとアニマルズは1965年に「悲しき叫び」を発表した事になっ

ていますが、もっと前のような気がするなあ。ひょっとしてサム・クックだったり

して・・・、まさか。

ホリーズは60年代中期イギリスのビート・グループでもコーラス・ハーモニーが別格的に美し

い。R&Bカヴァの選定も、ちょっと他とは違っていました。なんせグレアム・ナッシ

ュが居たからねえ。ハ—モニ—の相方、アラン・クラークとは小学校で席が隣だったそうで

す。この『DJ糸居五郎 黄金のレイディオ・ヒッツ ゴ−・ゴ−・ゴ−!』の解説で知り

ました。

次はハーマンズ・ハーミッツです。「ヘンリ—8世君」、「ミセス・ブラウンのお嬢さん」はよく聞

いていた覚えがありますが、このアルバムに入っていた「見つめ合う恋」は、恥

ずかしながら、カーペンターズで知っていました。彼らも通常のビート・グループとは

ひと味違う音楽性でした。解説には他の英国グル—プが失速する中で人気グル—

プの座を護り孤軍奮闘した、というような事が書かれていますが、確か66年

に来日した際はお客の入りが悪く、「この手のグル—プはもう終わりだ」なんて

酷評を朝日新聞の夕刊で呼んだ覚えがあるな。

では「見つめ合う恋」、ハーマンズ・ハーミッツとカーペンターズで続けて聞いて貰いまし

ょう。

 

 M10.見つめ合う恋(2’36”)ハーマンズ・ハーミッツ 

-D.Black, M.London-  ワーナー WPCR 17926

 

M11.見つめ合う恋(3’04”)カーペンターズ

-G.Stephens, L.reed-  ポニー キャニオン  PCCY-10091

 

N  「見つめ合う恋」、ハーマンズ・ハーミッツとカーペンターズで続けて聞いて頂きました。

ここまで『DJ糸居五郎 黄金のレイディオ・ヒッツ ゴ−・ゴ−・ゴ−!』第一集から、

ほぼ収録順にお届けしています。それでこんなに物語が繋がってしまうので

す。さすがラジオ番組を基本構成としているだけの事はあります。わたしの話

もつい長くなってますね。

50年前の生放送ですから、DJの発言には今ではとても考えられない、ア

ッと驚く言語が電波に載っています。そのひとつがこれ。

 

M12.いつも心に太陽を(2’44”)ルル    

-D.Black, M.lomdon-  ワーナー WPCR 17926

 

N  ルールを「出目狸」だって。凄いなあ。確かに60年代にはこういう身体的特

徴を揶揄した愛称が良く使われていました。すぐ浮かぶのはエロガッパ、これは

鳳啓介ですね。放送作家だった前田武彦はたくさんの誹謗的愛称命名で知ら

れていました。ナマズのオバさん、三日前のハムバーグなどありましたね。

子供の頃わたしの周りには「出目」と呼ばれている男がいまして、本当に

目が出てるんですよ。もちろん本人承認の仇名。授業中には教師からもその

ように指命されていました。「はい、次は出目、お前」とね。この間当時の学

友と話していてこの話題が出ましてね。お互いに何とも言えない笑いを抑え

るのに必死でした。ル—ルが「出目狸」というのは知らなかったなあ。

 

M13.君の瞳に恋してる(3’20”)フランキー・ヴァリ    

-B.Crewe, B.Gaudio-  ワーナー WPCR 17926

 

M14.かなわぬ恋(3’10”)アソシエイション  

-D.Addrisi, D.Addrisi-  ワーナー WPCR 17926

 

N  2017年モーニン・ブルーズ最終放送曲でもあった「君の瞳に恋してる」、オリヂナル

のフランキー・ヴァリで、そして52年振りくらいで聞く「かなわぬ恋」、ディ・アソシエイ

ションでした。これはグループサウンズのカヴァ演奏でしか聞いたが事なかったかも知

れません。元々は初代ジャニーズのために書き下ろされた曲だそうです。これも

解説からの引用です。凄い事実だなあ。それを知ってたのもまた凄い。

今の2曲とも穏やかな曲調のヒットでした。ではここからは60年代後半のコマ

ーシャルなビ—ト・ポップスを続けます。この辺の楽曲も今では埋もれてしまってい

てなかなか聞く機会がありません。この第一集後半で4曲続けてくれたのは

嬉しかったですね。そのまんまどうぞ。

 

M15.ハンキー・パンキー(2’51”)トミー・ジェイムス・アンド・ザ・ションデルズ  

-J.Barry, E.Greenwich-  ワーナー WPCR 17926

 

M16.ラ・ラ・ラ(3’07”)シャムロックス  

-Paul-  ワーナー WPCR 17926

 

M17.悪魔とモーリー(4’23”)ミッチ・ライダー・アンド・ザ・デトロイト・ホイールズ

-W.Stevenson, F.Long, J.Maracalco, R.Blackwell-  WPCR 17926

 

M18.ノー・ノー・ノー(2’52”)ヒューマン・ベインズ  

-O.Isley, R.Isiey, R.Isley-  ワーナー WPCR 17926

 

N  「ハンキー・パンキー」トミー・ジェイムス・アンド・ザ・ションデルズ

「ラ・ラ・ラ」シャムロックス

「悪魔とモーリー」ミッチ・ライダー・アンド・ザ・デトロイト・ホイールズ

「ノー・ノー・ノー」ヒューマン・ベインズ

いづれも60年代後半のチャ—トを賑わしたビ—ト・ポップスです。カッコいいね。「ラ・

ラ・ラ」はね体育の授業中に唄って教師から怒鳴られた経験があります。シャムロッ

クスがスウェーデンのグル—プだったという事も全く知りませんでした。「ノー・ノー・ノー」

も嬉しかったね。

 

M19.春がいっぱい(3’02”)シャドウズ   

-Bennett, Welch-  ワーナー WPCR 17926

 

N  さて今朝は来週の蔦屋代官山店での宮治淳一との生DJにも備えて三枚連作

の『DJ糸居五郎 黄金のレイディオ・ヒッツ ゴ−・ゴ−・ゴ−!』を中心にお届けしま

したが、なんと1枚目だけで終盤まで来てしまいました。ここまで記憶を呼

び起こしてくれるなんて、凄い内容ですね。皆さんは如何でしたか。若い人

には聞いた事のない歌ばかりだったかも知れませんが、逆に新鮮だったんじ

ゃないかな。今こういう感触のヒット曲はありませんからね。この世から消えて

しまった歌謡曲と同じかな。来週も一夜漬けならぬ、朝漬けでちょっとおさ

らいする予定です。お楽しみに。蔦屋代官山店の生DJについては、後枠で詳

しくお伝えいたしますので、そちらをご覧下さい。

『DJ糸居五郎 黄金のレイディオ・ヒッツ ゴ−・ゴ−・ゴ−!』から、今朝の最後は

シャドウズの「春がいっぱい」でした。

 

M20.When A Woman Loves A Man(2’51”)Ester Philips 

-C.Lewis, A. Wright-  Rhino / Atlantic  R2 72624

 

N  年を越えてもパーシー・スレッヂの「男が女を愛する時」を使ったテレビ・コマーシャル

が続いて流れています。わたしはとても嬉しい。今朝はその女性編、「女が男

を愛する時」、エスタ・フィリップスでお届けしました。先月も聞いて貰いましたね。

エスタを年末年始によく聞きました。まだ全体像を捉えるところまでは来てい

ませんが、時代の流れを乗り越えた、素晴らしい唄い手だった事は今更いう

までもないでしょう。

今のような気の効いたカヴァで彼女の才能は最大限に発揮されています。次

の実況録音仕様でもその魅力が充分以上に伝わって来ます。

ビートルズの「アンド・アイ・ラヴ・ハー」ならぬ「アンド・アイ・ラヴ・ヒム」。

 

M21.And I Love Him(6’27”)Ester Philips    

-J.Lennon, P.McCartney-  ワーナー WPCR-27598

 

M22.What A Diff’rence A Day Makes(4’22”)

-M.Grever, S.Adams-  Sony ZK 45483

 

N  「アンド・アイ・ラヴ・ヒム」、エスタ・フィリップス1970年、ロス・エインジェルズのクラブ「パ

イド・パイパ−」での実況録音でした。後半「ハ—トに灯を点けて」の行りを引用

しているところなんかが、実にエスタです。時空を超えた唄、演奏ですね。

続けましたのはクロスーヴァ時代にまた輝いたエスタの代表作、75年録音の「恋は

異なもの」です。当時エスタはLP1枚に尊敬するダイナ・ワシントンの持ち歌を必ず入

れているとも言われていました。ただこれは宣伝文句に過ぎない、というの

が私の判断です。確かに何曲かは吹き込んでいますが、毎LPに1曲という

程ではなかったのが実情。ただ、ダイナが唄で取り込んでいた、ブル-ズ、R&B、

ジャズという都会の黒人音楽領域を文字通り「クロスオーヴァ」させて行く感覚、能

力がエスタには備わっていて、時代こそ違えどもそこを上手に重ね合わせたのだ

ろう、と考えます。実際に発声、節回しは時にそっくりに聞こえますからね。

彼女のクロスオーヴァ感覚はそれ以前にも光っていました。大人になってからの

第一ヒット作は、カントリ—・ソングだったのです。1967年にR&Bチャ—トで一位、全米

ポップ・チャ—トでも8位に輝いた、「リリース・ミー」。

 

M23.Release Me(3’17”)Ester Philips

-E.Miller, W.Stevenson-  Rhino / Atlantic  R2 72624

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  「リリース・ミー」エスタ・フィリップス、いいですね。このヒットの頃、エスタにはまだ「Little」

が付いていたかも知れません。「リル・エスタ・フィリップス」ですね。日本でこの歌が

初めて流行ったのはエンゲルベルト・フムパティンクだった筈。そっちも長い事聞いてな

いなあ。どんなだろう。

今朝はすっかり『DJ糸居五郎 黄金のレイディオ・ヒッツ ゴ−・ゴ−・ゴ−!』に

乗っ取られてしまいましたが、来週も第二集、第三集からお届けする予定で

す。どうぞお楽しみに。

 

関連イヴェント出演のお知らせをもう一度しておきましょう。

2018年1月13日(土)代官山蔦屋

   「DJ糸居五郎、深夜放送、このころの洋楽」を語るトークショウ

三枚連作『DJ糸居五郎 黄金のレイディオ・ヒッツ  ゴ−・ゴ−・ゴ−!』

の制作者、宮治淳一の対談相手にワツシイサヲの登場です。

当日は、13時45分に開場して、14時から開始の予定。入場出来るのはこの

CDを予約あるいは購入した方先着100名様ゲンテー、急げ。と言ってもこの前の

梅勇芸徒みたいに一杯になってくれるかなあ。会場自体が広そうだし。

みなさん、お願い致します。招集いたします、病的重度聴取者たちよ、

蔦屋だよ、全員シューゴー。

詳しくは、蔦屋代官山店までお問い合わせ下さい。

〒150-0033 渋谷区猿楽町17-5

電話:03-3770-2525

event_daikanyama@ccc.co.jp http://real.tsite.jp/daikanyama/event/index.html

 

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/33d0063090f1f379e4c9a39c70cad209c97114ad

     ダウンロードパスワードは、g9m5p3ibです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

 

    • 上海リス子
    • 2018 1/6 3:36am

    あけまして
    おめでとうございます。
    今年も【幻】
    おっかけますわよ。

    山奥なので海は見つめてはいません・・・

    • クリやん
    • 2018 1/6 7:08am

    楽しみな【幻】の初荷、受け取りました。
    今年も、よろしくお願いいたします。

    さえずりには、あいまいな情報ですので、書きませんが、
    「入場出来るのはこのCDを予約あるいは購入した方」との件について。
    私が入場予約をしたときは、
    「CDを予約あるいは購入した方ですか」と尋ねられましたが、
    あいまいな回答をしましたところ、
    大人の対応をしていただいた気がします。
    私の勘違いでしたら、申し訳ありません。
    会場が、ガラガラでは、DJや名盤に申し訳ありませんよ。

    • ワツシイサヲ
    • 2018 1/6 9:39am

    ち冷えさま
    カーペンターズは図書館で借りたので、本来のジャケットがバラバラにされて、紙の箱に入ってて、そこに多分バックインレイの曲目表が貼付けてあるのです。解説なんてボロボロでした。ポニー時代のCDだからね。
    淳の伝言は、これ傑作なんだけど、今のところ秘密。リスは海を超えたようです。

      • ちび冷えびえ
      • 2018 1/7 4:11am

      はじめて宮治さんのラヂオ(TBS)聴いたのは、現MBのころだったかな。
      ジョージ・ハミルトンⅣのオーラ・リィをリクエストしたな。
      かけてもらえなかったけど。カントリーは苦手?
      オモシロい人ね♪

    • ヴェンテン
    • 2018 1/6 8:33pm

    正月早々ゴタゴタして、せっかくの幻・初夢を土曜夜の今ごろ聴いてるアサ〜ッ( ^ω^ )♬。リール、リール、誰か五郎を知らないかッ。皆んな皆んな懐かしいですねー。あら、3日前のハンバーグだなんて、お若い方はご存知ないですわね。ワタシは小学生なのに彼の楽曲が好きで唄っていましたよ(@_@)。

    • フェス ロンゲ
    • 2018 1/6 11:30pm

    ゴーゴーゴー ))&(( ゴーズオン!

    1月のハブユーンシーハー。
    ありがとうございます。
    私もいつも何かを探してますよ。

    「あの日に聞いたあの曲」
    「今日履いてく靴下」
    「夜の晩酌」
    「なぜか去っていった彼女」
    「昨日寝る前に外したメガネ」
    「私の青空」
    「おいしい水」

    チャオ!

    • nrj45979タクシードライバー
    • 2018 1/7 12:01pm

    本年もよろしくお願いします。

    • 七草のグリ子
    • 2018 1/7 7:53pm

    今日は糸居五郎さんのCDを鷲巣さんのDJで。
    なんて贅沢な。

    昼はお粥でお腹も休日。
    でも夕方ワインを飲み始めたら、なんかピザが食べたくなってきた。
    パイ生地こねてアンチョビのせて焼こうかな。
    今週の幻でもう一度タイムスリップぐり子。

    新しい年もどうぞよろしく。

    • 八王子60オーバー
    • 2018 1/7 11:36pm

    お年玉のような今回の幻。
    「雨に消えた初恋」流れた途端あの頃に♪

    スコットの名前も出てきてキャー。
    当時アイドルぽい感じだったホリーズのコンサート行きました♪
    ルル曲、シドニーポワチエの映画も懐かしい。。
    幸せな年の初めになりました。
    今年も宜しくお願いいたします。

    (未だに歯医者に行く時は「edison lighthouse」の「Love glows」聴きながら出かけます。)

    • 上海リス子を知らないか
    • 2018 1/7 11:54pm

    うううっ( ´:ω:` )
    フランス·ギャルちゃん
    召されてしまったのね。

    吉岡正晴 (@soulsearcher216)
    2018/01/07 23:17
    訃報。フランス・ギャル France Gall 2018年1月7日パリで死去。70歳。癌を患っていた。goo.gl/KBzEmf「夢見るシャンソン人形」(フランス語原題:Poupée de cire, poupée de son)が1965年日本でも大ヒットした。同曲は日本語でも歌唱し、日本でも人気を博した。

  1. 【幻】更新 感謝・多謝です。
    今年もよろしくお願いします。

    今年の初校正です。
    ❌Ester Philips ⇨ ⭕️Esther Phillips

    あと、文中に
    《ディック・ミネ1924年のヒット曲で、「上海リル」でした。》
    とありますが、これは1936年の間違えではないでしょうか?

    そもそも、津村謙の「上海帰りのリル」が1951年ですから、大正の1924年では
    《それも17年の長き間を、第二次大戦を挟んでのアンサ・ソングでした。》
    にはなりません。

    少なくとも1934年の間違えではないかと思いますが、自分がネットの情報で調べたところでは、ディック・ミネの「上海リル」の発売は1936年のようです。

    【つづく】

  2. 【つづき】

    「上海リル」のオリジナルは、1933年の映画『Footlight Parade』(フットライト・パレード)の中で歌われる「Shanghai Lil」のようです。ハリー・ウォーレンとアル・デュービンによる曲で、劇中で、米兵士が上海で恋人リルを探すという設定で、ジェイムス・ギャグニーによって歌われるているとのことです。

    ※参照

    Shanghai Lil
    ⇨https://goo.gl/AmZXas

    Shanghai Lil(タップダンスのシーン)
    ⇨https://goo.gl/w3Skus

    Footlight Parade (1933)  Shanghai Lil (Full Scene)
    ⇨https://goo.gl/Gr1Dmr

    そして、このミュージカル映画『Footlight Parade』(フットライト・パレード)の(日本版の?)主題歌として最初に日本語で歌われたのが、唄川幸子の「上海リル」ようです。(訳詩:服部竜太郎 作詞・作曲:アル・デュービンとハリー・ウォーレン=A.Dubin & H.Warren)
    これが1934年4月発売のようなので、これならば、1951年の「上海帰りのリル」が「17年を経てのアンサ・ソング」となりますし、辻褄も合うのではと思います。

    【つづく】

  3. 【つづき】

    「上海リル」を発売順に示すと以下の通りで、訳詩(日本語詩)は主に4つあるようです。
    (ディック・ミネは自分の訳詩では歌ってないんですね…)

    唄川幸子 上海リル
    ⇨https://goo.gl/1anhbz
    (1934年4月 詩:服部竜太郎)
    上記のように、これが日本語詩では初出ではないかと思われます。?

    川畑文子(日系三世)上海リル
    ⇨https://goo.gl/NJc4EA
    (1935年3月 詩:三根徳一 = ディック・ミネ)

    ディック・ミネ 上海リル
    ⇒https://goo.gl/wDDSPr
    (1936年1月 詩:津田出之)

    江戸川蘭子 上海リル
    ⇨https://goo.gl/vjHdY7
    (松竹歌劇 1936年4月 詩:名古屋宏)
    これは『松竹少女歌劇・上海リル』の主題歌だったそうです。

    何年か不明ですが、ディック・ミネ の再録音もあるようです。
    ディック・ミネ  上海リル
    ⇨https://goo.gl/RT1dVi
    (再録音源 詩:服部竜太郎)

    その他以下の6組が「上海リル」を歌っているようです。

    クリスタルファイブスターズ 1935年
    ジミー宮下(ユージニー・宮下) 1936年  
    宗近明 1936年
    岡進二 1936年
    デッド木村 1936年
    筑波秀郎 1939年

    【つづく】

  4. 【つづき】

    話は変わりますが「上海帰りのリル」から派生した以下の「リル」の曲が…。
    (二匹目の鰌ってことでしょうか…)

    =====================

    津村謙 上海帰りのリル(1951年)
    ⇒https://goo.gl/1NnZRB
    作詞:東條寿三郎 作曲:渡久地政信 編曲:林伊佐緒

    =====================

    津村謙 リルを探してくれないか(1952年)
    ⇨https://goo.gl/LQkTiW
    作詞:東條寿三郎 作曲・編曲:渡久地政信

    津村謙 心のリルよなぜ遠い(1953年)
    ⇨https://goo.gl/RQJ3bV
    作詞:東條寿三郎 作曲・編曲:渡久地政信

    三条美紀 私がリルよ(1952年)
    ⇨https://goo.gl/9Kb7k1(ニコニコ)
    作詞:和田隆夫 作曲:東為二 編曲:松尾健司

    三鳩ひとみ 私がリルの妹よ(1953年)
    音源見つからず

    三条町子 私は銀座リル(1952年)
    ⇨https://goo.gl/Uuyxhh
    作詞:松村又一 作曲・編曲:渡久地政信

    久慈あさみ 霧の港のリル(1952年)
    ⇨https://goo.gl/Di9ZMn
    作詞:佐伯孝夫 作曲:吉田正 編曲:加藤光男

    【おわり】

      • 泉の助ソウダラはメガネ狸です。
      • 2018 1/12 3:03pm

      鳥さん、ぐっじょぶやなぁ。(^_^)
      素晴らしいです。新年「リル祭り」ですね。
      今度リス祭りも参加希望です。もしありましたらの話ですが。
      でもって、リル映画。これは以前、京橋のフィルムセンターでの香川京子特集の時の上映で観ました。私の香川京子イメジとはまた違って「ワケ有り女」もやっちゃってたわけね。でした。しかし、純な感じがちらほらほら漂って、ワケはないリル嬢でした。
      https://m.youtube.com/watch?v=19n7uyalzmc
      森繁も出てましたね。
      香川京子と森繁共演とくれば山田五十鈴と香川のバトルがすざましい、「猫と庄造と二人のをんな」1956|豊田四郎 があります。谷崎苦手だけどこの映画は最高です。猫と弱者は親和性が高いという事がわかります。ってね。
      メガネ狸と一部の人から言われている助ソウダラ

        • メガネ
        • 2018 1/12 3:27pm

        猫と庄造と二人のをんな
        1959年でした。間違えました。

    • リス子を探してくれないか
    • 2018 1/10 3:34am

    私が山奥のリスよ

    (すみません、鳥ちゃんの読んでてあまりの面白さに、ちょっと言いたかっただけです)

    • まゆりん
    • 2018 1/12 8:46pm

    ワッシー殿、オーサム殿
    明けましたね、2018年(^-^)

    サラ・ヴォーンのラヴァーズ・コンチェルトは、随分むかし、確か某航空会社のTVCMで流れていて、当時高校生だった私は、この曲に恋に落ちました(笑)
    芳醇で優雅に感じたんですよね。

    どんなことにも、ひとにも、「あ、いいな。好きだな」と想う心を抱き続けたいと願うワタクシです。

    本年も、どうぞよろしう、お願い申し上げまする(^v^)

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