【幻】モーニン・ブルーズ 2018/06/02

mb180602

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます。アサー、ワツシイサヲです。

先週、忘れかけていた唄声に再会しました。瞬時に世界が蘇りまして、と

ても嬉しかったですね。翌日直ぐに盤を探して、残部希少のベストを手に入れ

ました。聞いていたら、当初の目当てとは違う「この歌」が出て来ました。

 

M01.ドント・レット・ミー・ダウン(5’40”)フィービ・スノウ

-J.Lennon, P.McCartney-ソニー SICP 8005

 

N  フィービ・スノウで「ドント・レット・ミー・ダウン」でした。1976年の『雪模様』という

C調な邦題の付けられたLPからです。42年前になりますね、この録音は。

でも全然古臭くないでしょ。その昔NHK-fmの午後の「軽音楽をあなたに」

って言ったかな、没個性的な原稿をアナウンサが棒読みするというナンセンスな番組が

ありまして、全く面白くないのですが、話題の新譜がほぼ全曲紹介され流の

で、それを目的に聞いている人がほとんどだった筈です。事前に曲目、順番、

時間までが発表されるという、歪んだこの国のFMラジオ方式の骨頂ですね。

わたしのような貧乏人たちは当然カセット・テイプへ録音する目的で、ポウズ・ボタン

に指をかけてずっと待機状態のまま聞いていました。

この時の『雪模様』はうまく録音出来まして、何度も聞いた覚えがありま

す。これだけ時間を経て聞き直すと、あの頃には全く気付かなかった音が鳴

っていたのが分かるんです。今の「ドント・レット・ミー・ダウン」の後半にスティール・

パンが入ってたなんて全く記憶になかった。楽器の名前すら知らなかったんじ

ゃないかな。唄そのものも、なんと豊かな表情でしょう。これも感じていな

かったなあ、子供の頃は。

実はこの盤との再会のきっかけは、次の歌だったのです。

 

M02.ティーチ・ミー・トゥナイト(4’31”)フィービ・スノウ

-Chan, Depaul-  ソニー SICP 8005

 

N  「ティーチ・ミー・トゥナイト」です。ひょっとしたら当時のLPには「今夜教えて」

という邦題がついていたかも知れません。今回手に入れたベスト盤では英語読

みのままのカタカナ曲名でした。

 

   わたしが恋の経験豊富だって言ったけど

   そんな事はないの、勘違いしないでよ

   ABCからXYZまで恋の謎を今夜教えてね

 

わたしの大好きな歌でして、ここしばらくは沢口靖子似のブレンダ・リーのを

聞いてましたが、先日夜更けのバーのカウンターで突然流れたフィービ・スノウにはやら

れました。モロにノックアウトでした。

「この酔いしれる感覚を何と表現したらいいのだろうか。ヴォーカルもバックの

音も完璧で、どんな言葉をもってしても物足りないほどだ」と解説にありま

す。制作がデイヴィド・ルービンスンですから間違いはありません。この文章を書い

たのは滝上よう子。この人は西新宿の放送局のレコード室にいまして、わたしは

「返却が遅い」と始終追っかけられていました。そう言えば、フィービを「ポエト

リー・マン」の頃から好きだったね、よう子さん。

いつかお話しした雑誌の音楽家自前オーディオ特集で、フィービが見せてくれたの

は、何と小型トランジスタ・ラジオ1台。本人のコメントに「ここヌー・ヨークでは数え切れ

ない程のラジオ局があるから、これだけで好きな音楽を聞けるの。わたしのスーパ

ー・オーディオよ」とかありまして、何とも羨ましかったですね。その他やはりヌー・

ヨークのライヴ・スポット、ミケールズかスモール・パラダイスかでゴードン・エドワーズのスタッフが演

奏しているスナップに、フィービがお客さんで写っていた事がありました。これも

「凄いや」と感心したものです。

皆さんも「ティーチ・ミー・トゥナイト」にはノックアウトされて貰いたい。わたし自身に、

「ドント・レット・ミー・ダウン」の印象が強く残っていたのですが、この歌の事をす

っかり忘れていました。思い出せて嬉しかったですよ、本当に。

 

M03.Teach Me Tonight(2’46”)Dina Washington

-Chan, Depaul-  Golden Stars GSS 5287

 

N  正に決定的なダイナ・ヲッシントンの「ティーチ・ミー・トゥナイト」でした。こちらも素晴ら

しい。しかし、フィービが満を持して歌っている感じがするのに対して、ダイナの

方を聞いていると、一人でのこのことスタジオにやって来て、「ああ、ちゃんと

黒人演奏家も雇ってんのね、上等じゃない」なんて言いながら、「今日はこれ

ね、2回しか唄わないわよ、いいわね」とあっという間に仕上げて、「はい頂

戴100ドル、約束でしょ」なんて帰っていく姿が見えて来ました。多分実際に

そうだったんじゃないかな、ダイナの吹き込みは。

さて、歴史的女傑から変わって、現代的なロック的な女性ふたりの唄を紹介し

ておきましょう。共にコマーシャルな世界で売り出されているメイジャーな存在ではあ

りませんが、なかなか面白いですよ。

まずはルビー・ヴェラで「壊れた女」。

 

M04.Broken Woman(3’20”)ルビー・ヴェラ & ザ・ソウルフォニックス

-unknown-  BSMF REDN-0003

 

N  部分的にエイミー・ワインハウスを感じさせるルビー・ヴェラの「ブロークン・ヲーマン」でした。

彼女はザ・ソウルフォニクスという専属の演奏家集団を持っていまして、この「ブロー

クン・ヲーマン」を含む新しいアルバムも、彼らと一緒に制作しています。かなり往年

のソウル・ミュージック的な試みが随所に見られまして、多分その辺りの響きを目指

しているんでしょう。難しいぞ、こういうのを再現するのは。

次はカリフォーニャ生まれのニッキ・ブルーム。着ている物のせいでしょうか、どこかし

ら70年代のロック・クイーンのような雰囲気が漂います。大女でね、音楽も「ロック」

だなあ。ただ唄は、よく聴くと可愛らしいですよ。

「シングズ・アイヴ・ダーン」。

 

M05.Things I’ve Done(3’21”)ニッキー・ブルーム

-unknown-  BSMF 6144

 

M06.Tumbling Dice(3’48”)The Rolling Stones

-M.Jagger, K.Richards-  Virgin 7243-83950-24-

 

N  ニッキ・ブルームで「やっちまった事」でした。続けたのは冒頭のリズム・ギターから

連想したザ・ローリング・ストーンズの「ダイスをころがせ」でした。これはヴァージンか

らのCD盤ですが、ミクスし直されてるのかな、特にドラムズの音が違って聞こえ

ます。永遠の名曲名唱名演ですね。傑作2枚組LP『メインストリートのならず者』か

らでした。

これは1972年夏のヒット曲。これが発売になった時、今のリズム・パタンを聞い

て「ニヤリ」と笑った人がいました。

この人です、マーク・ボラン。Tレックスで「ゲット・イト・オン」。

 

M07.Get It On(4’29”)T.Rex

-M.Bolan- Universal 493 488-2

 

M08.もう話したくない(4’47”)ロッド・スチュワート

-Whitten-  ワーナー  WPCR-75098

 

N  Tレックスで「ゲット・イト・オン」でした。このリズムは今でも十分に乗れますね。

これをもう少しゆっくりにすると、「ダイスをころがせ」のビートと同じ、にはな

りませんが、よく似た感じです。アクセントの場所が近い、というかこの頃の進ん

だ流行リズム感覚だったのでしょうか。

今ユニヴァーサルから出ているベスト盤からです。記載はありませんが、このジャ

ケット写真は、鋤田正義の写真ですね。72年当時「ニュー・ミュージック・マガジーン」

の特写でした。

その次は先週の「ダヤシンク・アイム・セクシー」から引っ張られてるのかな。妙に聞

きたくなったロド・ステュアートの「もう話したくない」。この時のロドは本当にいい

ですね。このアルバム『アトランティック・クロシング』はLP時代にA面が「ファスト・サイド」

B面が「スロウ・サイド」と銘打たれていまして、それぞれの面に早いテムポーの曲、

ゆっくりな曲がまとめられていました。CD盤では曲目表示だけですが、「ファ

スト・ハーフ」、「スロウ・ハーフ」と括られています。なるほどね。

75年に出た時ローリング・ストーン誌に「スロウ・サイドでロドは村一番の内気男を演じ

ている」というようなレコード評が載り、それを本人がとても喜んでいたエピソード

がありました。いい話です。ただしその後すぐ商業的成功に満心してしまい

ました。某イギリス人が「真面目に歌を唄わなくなった」と評したくらいです。

全く事実ですが、とても残念だなあ。

さて先週末ここの大家さん、澤田修に会って久しぶりにゆっくりと話しま

した。その日は早朝に国際電話インタヴュウが会ったそうで、それについて興奮冷

めやらずといった感じで語っていました。何でも「アウトロウ・カントリー音楽」を、「南

部の貧困白人のパンク・ロックだ」と表現したのを相手にエラく気に入ってもらえた

そうです。良かったじゃないか、オサム。

それを思い出していたら連想で、「幻」で以前お届けしたある楽曲が浮かん

で来ました。

まずは聞いていただきましょう、この歌です。覚えてるかな。

 

M09.Punk Rock Johnny Cash(4’23”)カレン・ラブリー

-unknown-  BSMF 2565

 

N  「カレン・ラブリーで『パンク・ロック・ジョニー・キャッシュ』、如何でしたか。この歌の背景

を只今調査中。ご存知の事象ありましたら教えて下さい。充分に精査してお

伝えしたいところです」

昨年の7月29日付「幻」モーニン・ブルーズからの引用です。「充分に精査」は

そのままになっていまして、歌の背景追求は放置されていました。この題名

には「パンク・ロック」とカントリー音楽界の権化「ジョニー・キャッシュ」が併存しています。

先の「アウトロウ・カントリー即ち南部の貧困白人のパンク・ロック」説で再び思い出したの

で、今回は少し調べてみました。

ここで唄われている「パンク・ロック・ジョニー・キャッシュ」とは、ジェシー・モーリスとい

う白人の音楽家です。彼はサンフランシスコでバーテンをしながら、地下鉄の駅などで路

上演奏活動をしていました。ジーパン、革ジャン、刺青、短髪というパンクロックの出

で立ちで、生ギターを爪弾いて唄うのがジョニー・キャッシュの「サンデイ・モーニング・カミン・

ダウン」。クリス・クリストファスンの書いた、朝食にビールというかなりイカれた男が失った

過去を悔やむ穏やかな歌です。映像で観たジェシー・モーリスは、決して怒鳴ったり

叫んだりせずに歌うのですが、不釣り合い感が付きまといます。その姿から「パンク・ロック・ジョニー・キャッシュ」と呼ばれるようになったらしく、カレン・ラブリーのこ

の歌はこの男を主人公にしていたのです。

 

   初めて見た時あんたはあそこに立ってた

   オレンジ色の髪のパンク・ロック・ジョニー・キャッシュよ

   道ゆく人から小銭を恵んで貰いながら

   「サンデイ・モーニング・カミン・ダウン」を唄うのよ

 

商業的な成功は何ひとつも得られなかっだェシー・モーリスは、サンフランシスコでは有

名人で、亡くなった時には町中の新聞に訃報が載ったそうです。

一方白人保守派の象徴のようだったジョニー・キャッシュ自身も相当なはみ出し者

で、カントリー音楽界で重要な地位を築きながらも、ナッシュヴィルで造られる明るく楽

しい健全なカントリーとは明らかに違う音楽を求めていました。まずはあの不遜な

態度が人気稼業的じゃありません。ボブ・ディランには早くから注目していまし

たし、B.B.キングより早く刑務所での慰問音楽会実況録音盤を出しているのも

その表れでしょう。刑務所、好きだったみたいですよ。

では一曲どうぞ。「お尋ね者」。

 

M10.Wanted Man(3’25”)Johnny Cash

-B.Dylan-  Columbia / Legacy CK 66017

 

N  「お尋ね者」ジョニー・キャッシュ。多くの凶悪犯が服役するサンクゥェンテイン刑務所で行

われた慰問音楽会の実況録音です。このパンク精神は見上げたものです。偉い

ですね。ちなみに歌の作者はボブ・ディランでした。沢山の名曲を残したハンク・

ウイリアムズとも重なるジョニー・キャッシュの心根。わたし自身はかねてより全てのゲージ

ツはパンクであるというシソーで生きていますけれど、合格ですね。授業料免除だ。

ジョニー・キャッシュのような存在は決して珍しくなく、通常の幸せ、成功から外

れた南部の白人たちにどうしようもなく付きまとっている音楽がアウトロウ・カントリ

ーですから「南部貧困白人パンク・ロック」説はあながち間違いではないですね。

そんな外れ者4人が集まって1985年から10年間組んだのが、ザ・ハイウェイ・

メン。クリス・クリストファスン、ウイリー・ネルスン、ワイロン・ジェニングズ、そしてジョニー・キャッシュ。

ダグ・サームたちのテキサス・トーネイドーズは彼らをヒントにしたのかな、とも思えます。

ではこの4人が順々に唄い継いでゆく「ビグ・リヴァ」、こちらも実況録音で

どうぞ。

 

M11.Big River(3’25”)Highwaymen

-J.R.Cash-  Columbia / Legacy 88985306692

 

M12.Chinky Pin Hill(3’26”)I’m With Her

-J.Cash, I’m With Her-  Columbia / Legacy 88985306692

 

N  ザ・ハイウェイ・メンで「ビグ・リヴァ」。1990年ナッソーでの実況録音とありますが、

バハマの首都の事でしょうか。彼の地でこんな暑苦しい音楽が受けるのかなあ。

それに続けたのはアイム・ウィズ・ハーで「チンキ・ピン・ヒル」、ジョニー・キャッシュが残し

た言葉に様々な音楽家たちが旋律を付けて作り上げたアルバム『フォエヴァ・ワーズ』

からお届けしました。

さてほぼ1年かかった「パンク・ロック・ジョニー・キャッシュ」の解明、これで説明つ

いたかな。

次は築地のセリ場に並んでいるマグロのカマからの発想でリクエストを頂いた、カマシ・

ヲッシントンです。アルバム『ハーモニー・オヴ・ディファレンス~格差の調和』は、この言葉でま

とめられた、コンセプト・アルバムで、六つのトラックが微妙に繋がっている点もその現

れでしょう。現代の常識として参加演奏家の技量は非常に高く、全編に亘っ

て鋭い音色が行き交います。当初は難解な印象を持ちましたが、普通に聞く

事も充分に可能で、この手のものにありがちな独り善がりな前衛性は感じら

れません。過剰な重量感もなく、個々のフレイズには親しみ易ささえ漂います。

今朝は冒頭曲「煩悩」をお聞きください。

 

M13.Desire(4’35”)カマシ・ワシントン     

-K.washington-   Beat Records YTCD171

 

M14.Swagism(4’02”)ゴースト・ノーツ

-unknown- BSMF 5050

 

N  カマシ・ワシントンの最新作『ハーモニー・オヴ・ディファレンス』から「ディザイア」でした。充

分に鍛錬を積んだ演奏技術は、こういう表現を可能にするんでしょう。

続けて飛び込んできたやや過激な演奏はドラムズ担当のロバート・シーライト、パカッシ

ョンのネイト・ワースのふたり組、ゴースト・ノウトの新作からです。量感たっぷりな2枚

組というで、若手ジャズ客演者が大挙して最先端の音を競っています。ただ、

妙に響きが懐かしい。70年代初頭の変わって行くジャズのようにも聞こえるん

です。先のカマシ・ワシントンも参加しています。また改めてお届けしますが、今朝

はまずリズム解釈が面白いアルバム表題曲「スワギズム」を聞いていただきました。

最後の電話会話もトラックの一部です。

 

 

M15.テン(5’04”)マッドハウス

-Madhouse-  ワーナー 32XD-869

 

N  ゴースト・ノウトの「スワギズム」を聞いていて連想したのが、プリンスの制作したジャ

ズ的未確認演奏家集団、マドハウスです。彼らは1986年に登場ですから、もう

32年も前なんですが、カマシ・ワシントンらの現代若手ジャズを聞いていると、わたし

の中で、妙にマドハウスと繋がります。今回のゴースト・ノウトも、モロにそうでした。

今の「テン」と「スワギズム」は、4つと16のビート解釈がほぼ同じにように聞こ

えますし、トラックの合間に短い会話を挟む構成手法も、似ています。

さてこの辺りはゴースト・ノウトの2枚組新作をもう少し聴き込んで見てから、

またお話ししましょう。

 

M16.Mama Don’t Like No Wah Wah(3’56”)マイク・ジト

-M.Zito, B.Arrison- BSMF 2607

 

M17.Do You Wanna Dance(2’35”)Bobby Freeman

-R.T.Freeman-  Fremeaux & Associes  FA 5415

 

N  「ママ・ドント・ライク・ノー・ワー・ワー」、マイク・ジトでした。最新アルバム『特級人生』

からです。今のはバナード・アリスンとの共作。なかなか同時代的なファンキー・ブルーズ

ですね。今回のアルバムには、地味ですが力の入った作品がいくつかあります。

またお聞きいただく事にいたしましょう。

その次はボビー・フリーマンの「踊ろよベイビー」。わたしはビーチ・ボーイズのカヴァで

この曲を知りました。その後数十年を経て出会ったベット・ミドラーのスロウ仕様に

は感動しましたね。

この何でもないダンス曲、実は3枚組『ザ・ルーツ・オヴ・パンク・ロック・ミュージック

1926-1962』に収録されている1曲なんです。時間をかけて読解中の難物であ

るこのコムピ盤の意図は、未だに釈然としません。この「踊ろよベイビー」も、

なぜこれがパンクなんだろうと、疑問のままです。まあ、人生に謎はあった方

がいいかもしれません。ゆっくりと解いて行きましょうか。

さて西城秀樹、彼に「ブルースカイブルー」という代表曲があったのは、ヴェンテンさ

んの投稿を読むまで知りませんでした。すぐ図書館で探しましたが借り出さ

れていて未だ聞けず。戻ってきたらお届けします。その代りに今朝は先週も

登場したジム・クェスキンでどうぞ「ブルー・スカイズ」。

 

M18.Blue Skies(3’42”)Jim Kweskin

-I.Verlin-  Blix Street  G2-10091

 

M19.Satori Part I(5’30”)フラワー・トラヴェリン・バンド

-Flower Travelin’ Band- ワーナー WPC6-8425

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  今朝の最後は、フラワー・トラヴェリン・バンドで「サトリ パート・ワン」でした。先週の

日曜日昼ごろ、家への帰り道で突然「サトリ パート・トゥ」が聞こえてきましてね。

通り沿いのアパートの2階からです。かなり大きな音で聞こえてきたので、嬉し

くなりまして、その場でずっと聞いていました。ようやく終わったらすぐに

英語の曲目紹介的な語りが入りましたから、「あ、ラジオだ」と分かりました。

その日は天気が良かったから「サン・シャインズ・エヴェデイ」に引っ掛けたのか。悪

くないセンスじゃないの。それに対抗して、「幻」も1971年の日本のロックの極限

状態を象徴する1曲、プログレ、ハード、第三世界、そして絶叫の「サトリ パート・

ワン」でした。

さて「処分を重く受け止め」ながらも監督、コーチの「命令」を認めない教育

機関、日本大学。多分これで時間が経てば通り抜けられるつもりなんですね。

全くやり方がジミントーアベとおんなじだ。こういう事がまかり通る国では、国民

が噓をついたり、約束を守らなかったりするのが当たり前になるんです。あ

なたもすでに身近なところで実例に枚挙に遑がないでしょう。いいのかな、

民の範たる教育者、政治家、官僚がそういう事をして。

よく立ち上がったぞ、教職員。「報復の恐れ」なんて前提を公言する位、

腐っているんだね、当局は。いちばん大事な一般学生たちよ、お前たちはこ

のままで良いのか。集え、語れ、叫べ。

わたしにもかつてこんな事がありました。カドカワから出ていた「週刊ザ・テレ

ビジョン」に連載していたコラム「レイディオ・フラッシュ」1986年3月7日号からの引用

です。書いたのは今より32歳若いワツシイサヲでした。以下。

 

子供達に罪はない (1986/3/7)

数年前、わたしは民放FMで「ミュージック・ラボラトリー」という番組

の制作を担当していた。一所懸命やっていたのだが、ある時音楽を間違えて

流してしまった。更に悪い事には、それに気づかず居た。数日たって、聴取

者から葉書が来た。関西に住む中学校一年生だったと思う。彼は放送の誤り

を指摘した上で、こんな事を書いて来た。

「この間違いを誰にも喋らずに黙っておくから、LPレコードを送って欲し

い」アーティスト名、作品名も添えてあった。何の事はない、一種の恐喝で

はないか。わたしは啞然とした。「欲しい物が手に入らない辛さは解る」。け

れど、何故こんな発想が出来るのだろう。

当時は一連の田中角栄問題の他、戦後の物質金権主義一直線の結果として、

倫理の乱れが続けて露わになった頃だ。きっとこの少年も、そういった出来

事に日常茶飯事の如く接しているうちに、道を見失ってしまったのだ。

転じて昨今の「いじめ」である。これとて「数が多ければ」「有名ならば」

「力があれば」何をしても良い、という大人社会を支配する論理の反映だ。

ラジオも含めて、今のマスコミはこの考え方を増幅させて子供達に伝えてい

る部分が目立つ。しかも娯楽の中に巧みに隠して、である。言う迄もなくそ

の影響力は計り知れない程大きい。

冒頭にあげた「間違え事件」は、きちんと番組の中でお詫びと訂正をした。

担当者としてとても恥ずかしかったが、フェア・プレイを通した。これが当

然の道だったからだ。あの少年は、今どんな若者になっているだろう。

グリコ犯だったりしてえ…。

以上。

 

今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/acce738a5ecef4b4bac13e2c859497db1448a4e0

  ダウンロードパスワードは、0s09n2nxです。

今朝もちょうど時間となりました。あ、写真に『アトランティック・クロシング』入っ

ていませんね。曇り空だったから光らずに撮れたのに。足も写ってないし。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

    • 黙っておくからリス子
    • 2018 6/2 3:22am

    光ってないのはともかく(一枚抜けても)、
    ワッシーのおみ足は等は写っててもよくってよ。

    • リス子(黙っとくよ)
    • 2018 6/2 3:39am

    検索で [幻][ラジオ]・・・
    ってやってたら、幻のラジオ体操第三、てのがあるのね。
    なかなかよいメロディでした。

    • ヴェンテン
    • 2018 6/2 6:36am

    あらッブルースカイブルーご存知なかった?阿久悠先生のあの歌詞を、当時のヒデキが見事歌い上げてるですね。出棺の時にも流されている映像を見ました。泣ける名曲なので是非ぜひ。ところで英語ではskyとskiesのビミョーな使い分けがあるですね。ちょっとおベンキョしました( ^ω^ )。

    • 類似穴
    • 2018 6/2 10:07pm

    ブルースカイブルー。金曜日・民放のテレビの天気予報のときに流れて(アナウンスの後ろで小さめに)、一瞬だけ気になったのですが、幻の放送によって蘇えさせられました。ハリのある声で、西城秀樹は歌声デカイのではないかと思いました。
    話かわりまして、今、アンゴラルイジアナ、サン・クエンティンを渡り歩いた囚人(おクスリ中毒で服役)の書籍を読んでいるのですが、ジョニーキャッシュの影響を受けています。”ラインの上を進んでゆく、ラインの上を歩くのだ”と書いてあります。件の少年はその後ラインの上に乗れたのでしょうか?

    リクエストは(本人歌唱ではないようですが、)伝記映画『ジョニーキャッシュ一代記』ではなく『ウォーク・ザ・ライン』のサントラから良いものがあればお願いします。

    • 川崎の五大洋光ハギリョウ
    • 2018 6/3 6:25am

    川崎の五大洋光、ハギリョウです。
    更新感謝ッ。
    ロッドのファスト・サイド、スロウ・サイドを当時意識したのが甲斐バンドのオリジナル・メンバーでの最後の最高傑作アルバム(誘惑)でした。甲斐さんもかなりあからさまに⁈あちこちからアイデア拝借してますが(笑)、それはそれでその作品の事好きなんだなぁ、とイヤな感じにならずニヤッと勉強になったりもしたアーティストでした。甲斐バンドのアルバム(破れたハート〜)の2曲目(ランデブー)では妹尾サンのハープが縦横無尽に走りまくりです♬あぁ。しかし今朝はFTBのsatori1とグリコ犯がアタマの中脳内リピなアサーッ‼️なのでした^o^ありがとうこざいます

    • おーたか
    • 2018 6/5 4:25am

    こんばんは。

    娘とゲームセンターでゲームをして、出てきたカードが不具合があって、メーカーに問い合わせて交換をしてもらう問い合わせをしたときに、お詫びで何かもらえないかなぁ、なんて思っちゃったことが恥ずかしい。口にはしませんでしたが。。。

    最後の鷲巣さんのコラムを読んでそう思ってしまいました。昨今、当たり前のことが当たり前じゃなくなってきていますから、自分だけの意思ははっきりとしておかないとね。

    • 45979タクシードライバー
    • 2018 6/5 7:43pm

    今回も感謝です。Highwaymenとボブ・ディランから思いだして昨年に録画してあったB.S3のボブ・ディラン30年記念コンサート・マディソン。スクウェアガーデンを見ました。1992年なんで皆若い若い、3時間見てしまいました。とにかく出演メンバーがすごい。それと。えっ!そーだったの?がオージイェイズでした。イキヨイでスコセッシュのNO DERECTION HOME も見てしまいました。鷲巣さんの解説でディランを聴いてみたいと思うAimost 70 。。。。。

      • 45979タクシードライバー
      • 2018 6/8 8:59pm

      Almost70の間違いです(笑)

    • 45979タクシードライバー
    • 2018 6/7 4:52pm

    バーバラ・デイン 興味深く拝読しました。お勧めを聞かせてください。

    • 木曜日のグリ子
    • 2018 6/8 1:45am

    高校生の頃よく通ってたレコード屋のお姉さんが勧めてくれた名盤再発的なカタログの
    「サンフランシスコ・ベイブルース」とヴェルヴェットアンダーグラウンドのライブ盤。
    2枚申込ましたが発売日までにお小遣いがなくなりフィービースノウは無念キャンセル。
    それから聴く機会がなかったフィービースノウは雑誌かなにかの紹介を読んで気になり
    購入した「サムシング・リアル」ですっかりそのボーカルの虜になってしまいました。
    幻のトランジスタラジオのお話が素敵でした。
    私も、物持たない老人になって余生をおくれたらと思います。
    ラジオから好きな音楽が流れる電波が途切れることがないように、心から。
    鷲巣さん 澤田さん
    今週も更新ありがとう。

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