【幻】モーニン・ブルーズ 2019/06/08

mb190608

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようざいます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2019年06月08日を

 始めましょう。

  昨年の秋、ストーブを出そうとしたら、仕舞ったはずの場所になくてひと騒動、

 というお話を致しましたが、また似たような出来事がありました。今回は半

 ズボンです。諸般の事情から普段よりだいぶ遅れた衣替えを先週行ったのです

 が、半ズボンの箱が見当たりません。かなりの量なのでそう簡単にはどこかに

 入ってしまわない筈ですが、ありません。それほど高価な物はありませんが

 本物のグルカ・ショーツとか大事にしていたものばかり。ここのところ暑くなって

 きたので、家の中や近所までなら半ズボンで済ませたいのですが、なんせ現物

 がない。また大捜査線を張らなければならない。困ったなあ。

  今朝は、聞こえて来ました、聞こえて来ました・・・、

M01.We Shall Over Come(5’44”)Wingless Angels

-Z.Horton, F.Hamilton, G.Carawan, P.Seeger-  Island Jamaica

N  この時期、「幻」の定番にもなっているウイングレス・エインジェルズで今年はピート・

 シガーの「勝利を我らに」です。歌詞はラスタラリズム調に置き換えられているよう

 です。大勢での斉唱、その辺にある物を適当に鳴らす演奏、ジャメカの山奥や海

 辺で夜間に行われる音楽集会「ナイヤビンギ」スタイルで奏でられた「勝利を我らに」、 

 歌そのものにとても似合った表現形態ですね。

  非常に興味があるものの、わたしはこのナイヤビンギの生の現場はまだ知りま

 せん。というか本格的なラスタファリアンの集会は、海外の旅行者が簡単に行けるよ

 うな場所で行われてはいないようです。

  ラスタファリズム、キリスト教がこの地で独自に発達した形です。エチオピアが聖地で、そ

 この皇帝がジーザス・クライストの生まれ変わりである神様「ジャー」とする思想です。

 文明を否定して町へ出ず、爪や髪を切ることは拒否します。洗うこともしな

 い。だから長く伸びたまま汚れてあんなドレッド・ヘアになってしまうのです。

  ウイングレス・エインジェルズのメムバ全員が純粋なラスタ教信者かどうかは分かりません

 が、ジャメカの人間は多かれ少なかれラスタファリズムの影響を受けていて、ボブ・マーリ

 ーもそのひとりだった事は皆さんご存知の通り。

  ナイヤビンギの音楽、続けましょう。次はその名もチャーチクー・チャンツ・オヴ・ナイヤビン

 キという集団です。

  「アイ、アイ、アイ」。

M02.I,I,I(3’24”)Churchical Chants Of The Nyabingi

-unknown-  Heartbeat  CD Hb 20

N  チャーチクー・チャンツ・オヴ・ナイヤビンキで「アイ、アイ、アイ」でした。ウイングレス・エインジェルズ

 よりこっちの方が生々しいですね。なんせエインジェルズの方はプロデューサーがキース・

 リチャーズですから。チャーチクー・チャンツは1982年の録音です。英語の一人称「アイ」は

 ピジン・イングリッシュと呼ばれる訛ったジャメカ英語の場合、二人称で使われる事も

 多く、「アイ・アンド・アイ」というのは「ユー・アンド・ミー」なのです。ボビー・ティロット

 スンです。そんな名前のレゲ団体が日本にあったような覚えもあります。

  さてナイヤビンギ音楽の代表格と言えば、ミスティック・レヴェレーション・オヴ・ラスタファーライ

 です。ただ、ここの創始者カウント・オジーはキングストンで交通事故にあって亡くなっ

 ているんですね。「なんだ、町に出てるじゃないか」このヌーズを聞いた時には、

 そんな思いでした。彼らは長い事活動状況が不明でしたが、2006年に突然『イ

 ンワード1』と言うアルバムを発表します。もちろんCDです。かつてのようなフィー

 ルド・リコーディング的な音でなく、最新スタジオでディジトー録音されていましたが、

 不思議とナイヤビンギ感は失われておらず、大変快い響きを運んでくれました。

  そこから21世紀初頭のダブ・サウンドを聞きましょう。

  「ラスタ・レゲ」です。

M03.ラスタ・レゲエ(6’00”)ミスティック・レヴェレーション・オヴ・ラスタファリ

-C.Brooks- ライス HMR-5017

N  ミスティック・レヴェレイション・オヴ・ラスタファーライで「ラスタ・レゲ」でした。

  さて今朝このようにジャメカ音楽を続けてお送りしていますのには、ひとつ

 訳がありまして、NST & ザ・ソウル・ソース・ミーツ・キム・ユルヒの新譜を聞いたからで

 なのす。韓国の音楽集団、と言うかレゲ・バンドNST & ザ・ソウル・ソースが、彼

 の地の伝統音楽パンソリ歌手のミキム・ユルヒと組んで作ったアルバム『ヴァージョン』です。

 エンヂニアは日本人の内田直之が担当していて、かなり面白い仕上がりなのです。

  まずは冒頭の1曲を聞いて下さい。

  「ベンドク」。

M04.ペンドク(5’07”)NST & ザ・ソウル・ソース・ミーツ・キム・ユルヒ

-unknown arr. By Soul Sauce, K.Yulhee-  Pヴァイン PCD-24581

N  「ベンドク」、NST & ザ・ソウル・ソース・ミーツ・キム・ユルヒでした。原曲は韓国の田

 舎を舞台にした小説を基に唄われていた俗謡歌のようですが、そのパンソリの節

 が見事にまとめられています。韓国語は全く分からないわたしですが、音韻

 とレゲのリズムが無理なく調和しています。やられたね。

  次はエンヂニア内田直之の手腕が冴える同じ「ベンドク」のダブ・ヴァージョン、

 「ペン・ダブ」を聞いて下さい。

M05.ペン・ダブ(4’38”)NST & ザ・ソウル・ソース・ミーツ・キム・ユルヒ

-unknown arr. By Soul Sauce, K.Yulhee-  Pヴァイン PCD-24581

N  「ペン・ダブ」、NST & ザ・ソウル・ソース・ミーツ・キム・ユルヒ、フィーチュアリング内田直之

 でした。これもかなり結構ですね。アナログ作業だったそうですが、そうすると

 効果機器の操作は全て同時進行ですか。スリルあっただろうな。羨ましい。

  このアルバム『ヴァージョン』は、通して聞いています素材としての楽曲が塾考さ

 れ、厳密にリハーサルを重ねて最終の録音セッションに入った様子が伺えます。しかも

 その間、相当張り詰めた集中力が維持されたようです。力作ですね。

  では韓国語の音韻、響きが上手く取り入れられたこれも聞いてみて下さい。

  「真実のセレナーデ」、NST & ザ・ソウル・ソース・ミーツ・キム・ユルヒです。

M06.真実のセレナーデ(5’13”)NST & ザ・ソウル・ソース・ミーツ・キム・ユルヒ

-N.Sonteck, K.Yulhee-  Pヴァイン PCD-24581

M07.Mishima / Kurosawa(6’00” )Jah Wobble & The Nippon Dub Ensamble

-J.Wobble-  30Hertz  30hzcd31

N  韓流レゲに対抗して、日本語の語りがダブに載せられた「ミシマ・クロサワ」、ジャー・

 ヲボーとジャパニーズ・アンサムボー、2010年の作品でした。ドラムズも担当しているホリ

 タ・ジョージが日本語の「謡い」と言えるかなあ・・・、芝居掛かったセリフを

 詠んでいました。「ミシマ」は土地の名前として出てきましたが、題名の「ミシマ・

 クロサワ」、これは明らかに三島由紀夫と黒澤明でしょう。

  さてここに於いては、NST & ザ・ソウル・ソース・ミーツ・キム・ユルヒの方が自分たち

 の言語による節とレゲのリズムを上手く調和させて仕上げていたように思えま

 す。ヲボーのは調合具合がやや安易に聞こえました。皆さんは如何でしたでし

 ょうか。

  では1991年の日本代表、ランキン・タクシー フィーチュアリング・スティーヴン・スタンリーで、

  ダブ版「アタマカラダ」。

M08.アタマカラダ(4’32”)ランキン・タクシー フィーチュアリング・スティーヴン・スタンリー

-T.Shirahama-  WEA WMC3-17

M09.Bitch Dub(4’35”)LKJ

-L.K. Johnson-  Mango / Island  162 538 650-2

N  日本で初めてのダブ・アルバム『さっすがあスティーヴン』から「アタマカラダ」、そして

 日本をダブの衝撃に陥れた『LKJ イン・ダブ』から「ビッチ・ダブ」でした。こ

 ちらは1980年の発表です。流石に主にハードウェアの性能に起因する音質の限界

 は感じられますが、このブッ翔んだ感覚は今でも凄いですね。このダブ・アルバ

 ム発表の後で坂本龍一教授がそのエンヂニアのデニス・ボーヴェルと仕事をしました。

 その時スタジオの調整室は紫の煙が充満していて何も見えなかったそうです。わ

 たしもその10年後くらいにロンドン南端の移民地区ブリクストンにあったスパークサイド

 録音でデニスと一緒にミクス作業をした事があります。その時もずっとキメまくりで

 したね。煙の元を買いに行って作業に遅刻したりしてましたし。

  さて韓流に刺激されて始まった今朝のダブ集、これまでは比較的新しい音

 楽を聞いてもらいました。ここからは、キングストン・ジャメカの歴史的エンヂニアたち

 の主に70年代前半の、おそらくは4チャンネンル程度のマルチ・レコーダー、あるいはステ

 レオ・マスターからのダイレクト・ダブ・ミクスでしょう。

  まずマッド・プロフェッサで「ハード・コア・ダブ」、

  続いてサイエンティストの「ブラーッド・ダンザ・ダブ」、

  そしてキング・ジャミーは「ジャムプ・ソンド・ダブ」、

  最後にキング・タビーズで「マニ・ダブ」です。

  許される限りの大きな音でどうぞ。

M10.Hard Core Dub(2’45”)Crazy Mad Professer

-unknown-  Rhino RNCD 2046

M11.Blood Danza Dub(3’07”)Scientist

-unknown-  Rhino RNCD 2046

M12.Jump Sond Dub(3’32”)King Jammy

-unknown-  Rhino RNCD 2046

M13.Money Dub(3’00”)King Tubbys

-unknown-  Rhino RNCD 2046

N   歴史的技術者たちの傑作集、マッド・プロフェッサで「ハード・コア・ダブ」、サイエンティ

 スト「ブラーッド・ダンザ・ダブ」、キング・ジャミー「ジャムプ・ソンド・ダブ」、キング・タビ

 ーズ「マニ・ダブ」でした。いずれも同時期にあの島国で競い合った間柄の人間

 たちです。彼らがいたからこそ、その後のレゲ・ミュージック隆盛時代が来た、そ

 んな思いも致します。ま、その前のコクスン他を忘れちゃいけないけどね。

  ダブは手に入れた物を残らず完全に食べ尽くす、いや骨までまでしゃぶり

 尽くすジャメカ人たちが創り出した録音制作物で、その概念、手順は1980年代

 以降の音楽を変えてしまった、と言うほど革命的なものでした。今じゃ珍し

 くも何ともないリミクス仕様も、元を正せばダブが始まりです。

  娯楽に乏しいキングストンの町で、たまたま潜り込めた録音スタジオで朝まで過ご

 すには・・・と考え出したミキシング・コンソールや周辺機器を使っての遊びがダブを

 生み出したのだと考えます。偉大だよ、あんたたちは。

  暗い中、大音量でこれらのダブと向き合っていると、自分自身の想像力が

 露わになります。豊かなのか貧弱なのかは、そこまでの人生の反映でしょう。

 単純なモチーフの繰り返しが効果的で、延々と続くかのような余韻に身を任せれ

 ば、紫の煙は必要ありません。ここまでのダブは全て煙と関係を持っていま

 した。

  では煙と無縁のダブも登り始めた太陽の下で聞いていただきましょう。

  ザ・チャプターズ・オヴ・ダブのアルバム『エンドレス・ダブ』から、

  「ワッツ・ゴーイン・オン」、

  そして「マン・イン・ザ・ミラー」。

M14.ワッツ・・ゴーイン・オン(4’40”)~マン・イン・ザ・ミラー(4’21”)ザ・チャプターズ・オヴ・ダブ

-M.Gaye, A.Cleveland, R.Benson, S.Garrett, G.Ballard-

ポリスター  PSCW-5019

M15.Love Has Found Its Way(6’00”)シヨ

-D.Brown-  Creole Steam Music CSMCD^033

N  今朝初めてのレゲではない、と言っても原曲はデニス・ブラウンだから、やはりレ

 ゲか。こちらはイギリスで活動するギタリスト、シヨです。「ラーヴ・ハズ・ファウンド・イッツ・・

 ウェイ」、名手アーネスト・ラングリンを代表格として、メロウなギタリストをジャメカは何人も輩出

 しています。その殆どの憧れがジョージ・ベンスンでして、何か分かるような気が

 しますね、その気持ち。ただし、ベンスンの最新作はロックンロールですよ、お忘れな

 く。

  今朝の最後は、やはりオリヂナル・ミスティック・レヴェレイション・オヴ・ラスタファーライで締め

 ましょう。取り替えようのない、この1曲です。

  「ウェイ・バック・ホーム」。

M16.Four Hundred Years(Way Back Home)(4’35”)

Mystic Revelation Of Rastafari

-Copyright Control-  Dejavu Retro  R2CD-40-74

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  今朝はもうちょっと幅広い音楽をお届けしようとしてたんですが、冒頭の

 ウイングレス・エインジェルズ以降、すっかりジャメカ音楽集になってしまいました。正直

 に言いましてNST & ザ・ソウル・ソース・ミーツ・キム・ユルヒの『ヴァージョン』には、か

 なりやられた感じです。この国でこう言う質の音楽を創り出すのは、不可能

 なのでしょうか、そんな事も考えさせられました。

  それと、思いの外、テムポー感が心地良かったです。普段は意図的にズッコケさ

 せたり、爆発を期待して地雷を埋め込んだりする事もありますが、今朝はず

 っと一定のリズムが続いてたように感じました。皆様は如何。禁欲的なのは面

 白くないか。

  それと今朝は女の声が殆どなかったですね、女性ヴォーカル好きな還暦タクシー・

 ドライバーさん、申し訳ありませんでした。この次に期待して下さい。わたしは

 ここのところ沢口靖子が気に入ってまして、木曜日の「科学捜査班」をすっ

 と観ています・・・、あ、何の関係もなかったですね。重ねて失礼致しまし

 た。

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

http://firestorage.jp/download/8551e4e49e13137d63f931d0e534c6715b29821f

  ダウンロード・パスワードは、9t8tjhj9です。

  さて今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

♪♪ Twitter “#blues761″の閲覧はコチラ♪♪

深夜の生放送、復活!

AWESOME BEATS & MORNIN’ BLUES

2019年7月5日金曜日24時~翌朝5時。
出演:澤田修・鷲巣功
中央エフエムの大きい方のスタジオから、当然、生放送!
ご期待ください!!
※アプリ”Listen Radio”から日本全国どちらからでもお聴きいただけます。



    • リスタマン
    • 2019 6/8 4:10am

    トーキョーもツユイリした模様で
    これからジメジメですから
    レッゲでアタマの中くらいは
    吹き飛ばしたいですね(笑)

    捜し物は見つかりましたか?
    科捜研の女マリコだったら
    スグに見つけ出してくれるかも!!

      • たべるトンちゃん。たまに食べない事がある。
      • 2019 6/8 4:54am

      Hi! Risuco! 東京は梅雨入りしたみたいですね。あー。誰だか分からないけどマリコ、ウチにも来て欲しいです。

    • 還暦タクシードライバー
    • 2019 6/9 10:21am

    期待してます。ありがとうございます。

    • 日曜日のグリ子
    • 2019 6/9 3:41pm

    幻のレゲエにまみれながら揚げにブルーチーズをはさんで焼く。
    これを肴にちびちびやりながら、今日はカレーを作っています。

    なじみのない料理を作る時の「鉄則」。
    それは信頼している人のレシピどおりに作ること。
    決して自分かってに何かを変えたり足したりはしないこと。

    おいしいチキンティッカマサラは夕方には出来上がる。
    Way Back Home を聴きながらもう少し。

    • ヴェンテン
    • 2019 6/10 1:44pm

    6月4日に河村要助御大が亡くなられたそうですね。まだ彼が療養中の頃、わっしーが、「個展を観たので原画を一枚買いたいなあ」と言っておられたのを思い出します。河内音頭のポスターももう描いていただけませんね。目瑠璃堂のマスターが、サルサをかけては踊っていた御大の思い出を語っておられました。来週はサルサを色々お願いします。

    • たべるトンちゃんは疲れ過ぎで平らなところで転びました。
    • 2019 6/13 7:42am

    7月の生放送‼️ごっつぁんです。涙目。嬉しい
    幻も毎週ありがとうございます。レゲエは和みます。
    澤田大黒氏は牛食べてるね。ジンギスカン好き?

    • フェスロンゲ
    • 2019 6/15 4:31pm

    鷲巣様
    (私のパソコンがずいぶん低速になってしまい
    今さら先週の幻にコメントですみません。)

    丸い地球のいろんなリズム。
    ありがとうございました。
    河村要助さんのいろんなアーティストのイラストを、音楽雑誌や
    レコードジャケットで文章や音楽と同等に楽しんできました。
    休みの釣りなんかは音と絵が完全にセットになっていますね。
    大切な河村画伯の河内音頭大会のうちわで今年も錦糸町の夏が来ます。あの世へ皆でいっしょにおくりましょう。

    サルサってウイリーコローンしかの私にも是非幻で特集を。
    来週も幻聴かせてくだい。

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