【幻】モーニン・ブルーズ 2020/05/02

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TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年2月29日

 を始めましょう。2002年5月の第一土曜日です。来週、第二日曜日は「母の

 日」。知人から「なるほどな」と共感できるリクエストが来ていました。が、それ

 に逆らって、こちらで始めます。

 ザ・テムプターズで「おかあさん」。

M01.おかあさん(3’00”)ザ・テンプターズ

-H.Matsuoka, Y.Matsuzaki-   テイチク TECH 32412/3

N  ザ・テムプターズで「おかあさん」でした。これを聞いた時にワツシ少年は、「ああ、

 グループサウンズも終わったな」と実感しましたね。大宮の不良少年たちザ・テムプ

 ターズには「忘れ得ぬ君」で世に出た時から大いに期待しておりまして、新し

 い世界を切り開いてくれる筈だったんですよ。ヨッチン、松崎由治は才能あった

 し、所属事務所スパイダクションの田辺昭知が買ってあげたんでしょうが、本物の

 良い楽器使ってました。それが「エメラルドの伝説」以降は、ショーケンの異常人気に

 依存したフツーのGSになってしまった。久しぶりにヨッチンが作ったのがこの「オカ

 ーサン」。芸能雑誌で歌詞を公募したのが元になったんじゃないでしょうか。

  ゲンメツでした。ビートグループにこの主題は反則だよ。これまでアレルギー的に遠ざ

 けていたので、通して聞いた記憶もありません。ひょっとして今朝が初めて

 かも。感想としてはそれほど酷い物ではなかったですね。でも「オー、ママ、ママ」

 の繰り返しが非常に安易に聞こえます。もう一度言いましょう、ビートグループ

 にこの主題は反則だよ。

  次もリクエスト外からお届します。

  森進一で「おふくろさん」。

M02.おふくろさん(3’40”)森進一

-K.Kawauti, K.Inomata-   ビクター VICL-60604

N  「サビになると、目は涙でいっぱい。あれほど聴衆を感動させる歌謡は滅

 多にない。見ていて私もジーンとなった」と作曲者の猪俣公章も絶賛する「お

 ふくろさん」、森進一でした。

  今の談話は、塩澤実信という人の著した「昭和の作詞家 20人 100曲」(論

 創社 2020年)からの引用です。同じ本によると、森進一自身は母親への感謝

 の念が人一倍あって、それがこのような表現になったという事ですが、わた

 しにはちょっと過剰な感情表現に聞こえますね。

  詞(ことば)は川内康範です。この歌の導入部分に創作した言葉と旋律をつけ

 て実演で披露していたのを知って、月光仮面のおじさんが激怒、森進一が謝

 りに青森の自宅まで出向いた、なんて出来事もありましたね。これは森進一

 の失態です。しかもその謝罪行にテレビ取材を同行させたり、手土産をありき

 たりの菓子折で済まそうとした、なんてのはみっともない。そもそもこの時

 の月光仮面のおじさんの怒りは、以前に何らかの伏線があったのではないで

 しょうか。森進一の不義理とかの・・・。

  ただ「新しい部分と繋げて改作するのは罷りならん」とする川内康範の主

 張は間違っている、というのがわたしの考えです。こんな事を言われたらカヴ

 ァなんか出来なくなる。独特な解釈が原作品を更に強固にして行くのです。誰

 だって当該作品を嫌いで採り上げる筈がない。然るべき尊厳の元に、「自分だ

 ったらこうしたい」、と独自の表現を盛り込むのです。これは後から演る者の

 特権でもあります。ベートヴェンは寺内タケシを聞いて「謝りに来い」と菓子折を要

 求したでしょうか。あ、生きていないか。

  人に弄られたくなかったら、大切にしまっておいて、発表しなければ良い

 のです。しかもこの場合は、別に盗作やパクリではなく、本作品は著作権協会

 に権利を委託していますから、使われれば月光仮面にもお金が入るのです。

 あ、とにかく「おふくろさん」、森進一でした。

  「おふくろさん」ねえ。わたしも母親には感謝の思いがずっとあります。

 しかし、いま振り返るとそれだけではない。もう少し複雑です。付き合いも

 長かったですから、そんなに簡単なものではありません。どなたも同じでは

 ないでしょうか。6月第三日曜日の「父の日」はオマケみたいなもんですから、

 シャレでやり過ごせますが、この母の日というのは一般的な認識も高いですし、

 実に面倒なのですよ。確か中学校2年生の英語の教科書には、ちょうどこの

 頃に「マザーズ・デイ」なんて章がありました。九月開始の新学年新学期になる

 と、どうなるのかな。この九月新学年制度は、そう簡単に導入出来る事じゃ 

 ないでしょう。一斉休校指示に次いで、どうも教育現場を混乱させるのが好 

 きみたいだな、あのソーリダイジンは。

  さて、先週お届けした、ジ・イントゥルーダーズのベスト盤『カウボーイズ・トゥ・ガールズ』

 には母の日に相応しいこんな歌が入っていました。

M03.Mother And Children Reunion(4’05”)The Intruders

-P.Simon-  P.I.R. / Legacy / Epic ZK 66688

N  ジ・イントゥルーダーズ「母と子の絆」、1973 年の発表です。ポール・サイモンが自身2

 枚目のソロ・アルバム 、1年前に発表したのがオリヂナルでした。こちらはレゲのリズム

 が心地良い仕上がりで大ヒットしました。ジャメカのダイナミック・ステューディオで録音され

 ていますから現地の演奏家を使っているんでしょう。

  アメリカ南部のマスルショールズ周辺の音楽事情を綴った記録映画「黄金のメロディ」で

 は、ステイプル・シンガーズの「アイル・テイク・ユー・ゼア」につながるヒット曲からの発想で、

 その頃スタクス・レコードを取り仕切っていたアル・ベルにポール・サイモンが直接電話をか

 けてきて、「あの録音に参加した演奏家を使いたいけど、紹介してくれ」と頼

 みます。アル・ベルは快く了承します。そして一言「構わんが、奴らは白人だぞ」

 と念を押します。サイモンはそれを聞いて絶句するんですね。この映画でわたし

 が一番面白く観た場面です。これはこの2枚目のソロ・アルバム制作開始時のやり

 取りではなかったでしょうか。一転してキングストン録音になったのは何故か分か

 りませんが、このジ・イントゥルーダーズのカヴァで、黒人たちによる仕様も出来上が

 りました。

  ケニー・ギャムブルとリオン・ハフのフィラデルフィア・インタナショナル・レコーズに代表されるフィリー・

 ソウルは70年代の思想を牽引しました。その核は「家族の絆」でした。そもそ

 もがMFSBは「マザーズ、ファーザーズ、シスターズ、ブラザーズ」の頭文字です。マーヴ

 ィン・ゲイが「ワッツ・ゴーイン・オン」で漠然と提示した、反戦、平等、公正さなどを

 「家族」という単位で要約したのです。「セイヴ・ザ・チルドレン〜次の世代の子供

 達に」という言葉も大いにハバを効かせました。マーティン・ルーサー・キングが暗殺さ

 れてひとつの時代を終えた公民権運動の後、ソウル・ミュージックには社会性が要求

 され、自分たちが暮らしている場所を清潔にしよう、それにはまず魂を浄化

 しようという「クリーナップ・ゲトー」運動もこの後の1977年に興りました。その

 資金は、フィラデルフィア・インタナショナル・レコーズで充分に稼いでいたギャムブル / ハフから供

 出されたのです。それはとにかく70年代のフィリー・ソウルはこの種の「家族愛」

 で彩られていました。

  ジ・イントゥルーダーズはその象徴とも言えるこんな歌も唄っています。

 「アイル・オールウェイズ・ラヴ・マイ・ママ」。

M04.I’ll Always Love My Mama(6’30”)The Intruders

– K.Gamble, L.Huff, McFadden & Whitehead- P.I.R. / Legacy / Epic ZK 66688

N 「アイル・オールウェイズ・ラヴ・マイ・ママ」、ジ・イントゥルーダーズ、1973年の作品です。

 今のは長尺版で6分半もあります。後半のメムバによるやり取りが全部入って

 います。ちょっと蛇足の感もありますが、当時のディスコ・プレイで要求され始め

 た長時間演奏に対応したのでしょう。

  さてイントゥルーダーズのベスト盤『カウボーイズ・トゥ・ガールズ』を聞いていたら、とて

 も懐かしい1曲に出会えました。それは「アヲナ・ノウ・ヨ・ネイム」というナムパ歌謡

 です。これは80年代にとても長い名前を持ったR&Bヴォーカル・グループがカヴァ

 してましてね。遅れて来たソウル・ファンのわたしはそちらを気に入っていたので

 すが、年期入りのマニアが「その原曲は、イントゥルーダーズだよ」と教えてくれたの

 です。

  毎度ながら到りませんで、今その長い名前を持ったR&Bヴォーカル・グループ

 を思い出せません。リーダーの名前があって、「アンド」でグループ名が付いてた筈

 です。12インチのシングルも持っていたんだけどなあ・・・。

  今朝は先輩に教えて貰ったイントゥルーダーズの原仕様でどうぞ。

  「アヲナ・ノウ・ヨ・ネイム」、これも1973年のシングルでした。

M05.I Wanna Know Your Name(5’50”)The Intruders

-K.Gamble, L.Huff-    P.I.R. / Legacy / Epic ZK 66688

M06.What Your Name(2’17”)Don & Juan

-Johnson-  Collectable COL-5519

N  ジ・イントゥルーダーズ「あんたのお名前おせーてよ」、続けてドンとホアンで「あんた

 のお名前なんだっけ」でした。と言いましても「アベック歌合戦」や、左とん平

 ではありません。このドンとホアンが「幻」に登場したのは今年に入ってからで

 したか。それまではダグ・サームで聞いて貰っていました。この歌を彼がLP『ジ

 ュークボクス・ミュージック』に入れたかった訳が分かります。やはりオリヂナルが素晴ら

 しい。この黒人男声デューオには、この「ワッチョー・ネイム」以外にあまり傑出したヒッ

 トはありませんで、いわゆる「一発屋」でした。よくある事ですが、デビュー・

 ヒットを飾った後の第2弾が、この「ワッチョー・ネイム」にクリソツなんですね。特に終了

 部のひと声は全く同じ、ここには笑ってしまいます。

 最後まで注意して聞いて下さい。

 「トゥー・フールズ・アー・ウイ」。

M07.Two Fools Are We(2’46”)Don & Juan

-Johnson-  Collectable COL-5519

N  「シュビドバッパドゥー」、同じでしたね。

M08.Color Of The Blues(2’54”)George Jones

-G.Jones-  Blue 178

N    別れてからは、俺の唄う歌に必ずブルーノートが入って来る、ああ憂鬱だ・・・

 20世紀の最大の発明とわたしが主張するのは、西洋長音階の3度と7度が

 半音下がるブルーノートです。まあひとりの個人が見つけ出したものではありませ

 んが、このブルーノートのおかげで世界中の音楽は表現力を向上させました。決し

 て哀愁を誘うだけではなく、時として他に較べようのない力強さも奏でてく

 れますが、今の「カラー・オヴ・ザ・ブルーズ」ではどうやら悲しい響きを運ぶ音

 のようですね。今では珍しい典型的なカントリー・スタイルで、変人ジョージ・ジョーンズ

 の「カラー・オヴ・ザ・ブルーズ」でした。1961年の作品です。

M09.Marle’s Boogie Woogie(3’02”)Marle Travis

-M.Travis-  グッドデイズ GSRS 2113

N  今度は「マールズ・ブーギー・ウーギー」もちろんマール・トラヴィスです。彼はカントリー・ギ

 ターのギャロッピング奏法を編み出した功績で高く評価されていますが、ここでは

 更にテープの倍速回転を使って、驚異的なフレイジングを聞かせています。レス・ポー

 ルも同じような事をやってましたが、ジェフ・ベックはそれを実演で生演奏で、つ

 まり倍速で弾いて再現してくれます。上手く行った時には実に嬉しそうな、

 得意そうな顔がオマケに付いて来ます。これを見られるのも格別ですね。

  次はコンウェイ・トゥウィティ、彼は傑作アルバム『リズム、カントリー、アンド・ブルーズ』でサム・

 ムーアと一緒に「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」を唄っていて、わたしはそこで知っ

 たのですが、彼の地では50年代からたくさんのヒットを持つ大物でした。エルヴィ

 ス・プレズリの前のロカビリー・スターだったようです。今わたしの手元にある昔のコンウ

 ェイ・トゥウィティはこれだけです。

  「トリート・ミー・ミーン、トリート・ミー・クルーエル」。

M10.Treat Me Mean, Treat Me Cruel(1’35”)Conway Twitty

-C.Twitty-  Metro Tins / Union Square METROTN080

N 1分35秒という短さのシングル曲「トリート・ミー・ミーン、トリート・ミー・クルーエル」、コンウェ

 イ・トゥウィティでした。「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」とはだいぶ趣が異なります。

 多分若い頃のヒット曲はこう行ったロカビリー調のものが多いのではないか、そんな

 邪推をしております。

 さて、ジョージ・ジョーンズ、マール・トラヴィス、コンウェイ・トゥウィティと、わたしにとって

 は馴染みの薄い3人の歌をお聞き頂きました。勘の良い人ならば、もうお分

 かりでしょう。先週お届けしたデイヴィド・ブロムバーグの「ジョージ、マール・アンド・

 コンウェイ」という歌に登場するカントリー音楽家たちです。まだ詳しい資料がないの

 で、歌の内容はほんの少ししか分かりません。しかも自分なりに調べて行く

 うちに、「マール」」は、「トラヴィス」では無くて「ハガード」ではないか、という説

 も台頭して来ています。

  ではマール・ハガードも聞いておかなきゃね。

 やはりこれですね、「オーキー・フロム・ムスコーギー」、実況録音です。

M11.Okie From Nuskogee(2’36”)Marle Haggard with The Strangers

-Haggerd, Burris-  Music Digital CD6054

N  「俺たちゃマリワナなんて吸引しない」と唄い出す「オーキー・フロム・ムスコーギー」、

 マール・ハガード1969年の大ヒットです。ギャロッピング奏法が出て来ちゃうとマールとは

 自ずから「トラヴィス」になりますが、果たしてどうでしょう、お楽しみにもう

 しばらくお待ち下さい。

  ではデイヴィド・ブロムバーグの「ジョージ、マール・アンド・コンウェイ」を今朝もう一度

 聞きましょう。

M12.George, Merle & Conway(4’49”)デイヴィド・ブロムバーグ

-unknown-  BSMF 6290

M13.Guajiras(4’56”)Paco De Lucia

-P.D.Lucia-  Philips 06007 5379793

N  「ジョージ、マール・アンド・コンウェイ」に続けて、ここのところマーキュリーでのアルバムを

 続けて聴き込んでいるパコ・デ・ルシア、今朝は実況録音盤です。これは1974年

 マドリードのテアレス・レアルで行われた演奏会の模様が収められています。今のは最

 終曲の「グアジラス」、サイド・ギターが伴奏をつけていました。素晴らしい集中力

 が伝わって来ます。多分ね、どこでどう行くか、こう変わるか、なんてのは 

 打ち合わせではいないでしょう。フラメンコの神様がこの二人の肩に降りています。 

 もう次に起こる事が見えているのです。怖ろしい。これが霊感というもので

 しょう。

  ただしレコードとしての仕上がりにはちょっと問題を感じました。最終曲です

 から拍手喝采を浴びてこの後にアンコールとなるのですが、お聞きのようにガヤの

 中で調弦が始まるような編集がされています。神様を前にして、精神統一に

 入る演奏家にそんな失礼が許される訳がありません。聴衆の殆どはフラメンコを理

 解しているスペイン国民ですし。同じような箇所は他にも見られ、演奏後の拍手

 が急すぎたりと、仕上がりに文句をつけたくなります。ロックじゃないんだよ。

 来週は同じ盤から、そのアンコールをお聞き頂きます。

M14.ユー・シュック・ミー(6’22”)レッド・ツエッペリン

-W.Dixon-  ワーナー・パイオニア 32XD-520

N  はい、ハードロック・ファンの皆様、お届けしましたレド・ゼペリンです。デビュー・アル

 バムから3曲めの「ユー・シュック・ミー」、わたしがこのグループで許せる唯一のトラック

 でもあります。

  わたしはこれでウイリー・ディクスンの名前を知りました。15歳の時です。他にも

 イギリスのハードロック・グループがカヴァしているブルーズ曲で、「いいな」と感じるのは

 大抵の作者名記載欄に、マキンリ・モーガンフィールドか「W.Dixon」がありました。

  その彼の1974年にシカ–ゴのラジオ局用の実況録音が発見され、日本でも今月

 発売になります。これが凄い出来。どちらかと言えば裏方、陰の顔役だった

 ディクスンが前面に出てヴォーカルを取ります。マディ・ヲーターズとハウリン・ヲーフの両巨頭に

 楽曲を書き下ろしていたディクスンですから、リパトゥワに困るなんて事はありませ

 ん。既によく知られたシカゴ・ブルーズの代表曲がズラリと並びます。

  まずはお聞き下さい。

  「フーチー・クーチー・マン」、

  そして「リル・レド・ルースター」。

M15.Hoochie Coochie Man(4’39”)ウイリー・ディクソン

-W.Dixon-  BSMF 7606

M16.Little Red Rooster(5’00”)ウイリー・ディクソン

-W.Dixon-  BSMF 7606

N  「フーチー・クーチー・マン」「リル・レド・ルースター」1974年のシカーゴWXRTラジオ局用の

 実況演奏、パースネルは、ウイリー・ディクスンがリード・ヴォーカルで、その他は、キャリー・ベル

 のハーモニカ、ラファイエット・リークがピアノ、 バスター・ベントンがギター、 ジェイムズ・クリフトゥンの

 ドラムズでした。ディクスンとツインのように合わせるヴォーカルは誰だろう、キャリー・ベル

 かなあ。でもハープの音がしてる時にも入ってるし、ラファイエットかも。こんな迫力

 で続く『ライヴ・イン・シカーコ1974』、充実した内容です。

  ウイリー・ディクスンの専門楽器はベイス、それもエレキではなくてアップライトの方です。

 フリートウド・マクの『ブルーズ・ジャム・アット・チェス』のジャケットにベイスを弾いている姿が

 あって、「ああ、ベイスを演るのか」と知りました。確かチャック・ベリーの「メイベリー

 ン」のベイスは、ディクスンがその場で合わせて弾いている筈です。

  ただそれ以上にシカーゴのブルーズ界では親分的な存在で、この町では彼を通さ

 ないとどんなセッションも行えなかったそうです。チェス・レコーズの作家としても大御

 所ですからねえ。

  ただし、自分がバリバリの現役だった頃は、自作品ほどブラック・マジック・ブルーズ

 的ではなく、どちらかと言えば洒落た音楽を演奏していました。ナッキン・コール・

 トリオ的な高度な演奏力とアンサムブルに支えられた小粋な響きを目指していたみた

 いです。

  ではジャイヴ・ウイリー・ディクスンを聞いてみましょう。

 彼がリーダーのビグ・スリー・トリオです。1947年録音の

  「ビグ・スリー・ブーギー」、

  そしてピアニストのメムフィス・スリムに付き合ってパリで演奏した時の録音で、

  「ロック・アンド・ローリング・ザ・ハウス」、1962年、ドラムズはフィリップ・コムベルです。

M17.Big 3 Boogie(2’30”)Big 3 Trio

-unknown-   Columbia  CK  46216

M18.Rock And Rolling The House(4’01”)Memphis Slim feat. Willie Dixon

-W.Dixon-   Polydor / Privilege    276 673-6

N  1947年、そして1962年、現役のアップライト・ベイス奏者、ウイリー・ディクスンの参加

 した演奏で「ビグ・スリー・ブーギー」、「ロック・アンド・ローリング・ザ・ハウス」でした。

 どうですか、小味の効いたお洒落な演奏でしょう。意外です。彼の代表作は

 どれにもブードゥーやモージョといった黒人たちの頼る縁起の悪い超現実支配力が

 背景に横たわっていて、それはブルーズ音楽の重要な骨格であると同時に、そ    

 れらを唄うマディ・ヲーターズやハウリン・ヲーフたちの取り替えられない人格の一部でも 

 ありました。先の「フーチー・クーチー・マン」はその象徴ですね。そういう怖ろしさ 

 がほとんどなく、「可愛らしい」と表現しても良い位の演奏家ウイリー・ディクスン、

 現役時代の録音でした。

  とは言いましても、やはりブラック・マヂック、カリズマ的なブルーズ概念とディクスンは

 切っても切れない深い関係にあります。最後に代表作を聞きましょう。

  レド・ゼペリンに「胸いっぱいの愛を」という題名の作品の原曲として盗まれ

 てディクスン本人も「深く傷ついた」という、

  マディ・ヲーターズの「ユー・ニード・ラーヴ」、

  そしてクリームの喧嘩演奏の素材として知られるようになった、

  「スプーンフル」、ハウリン・ヲーフです。

M19.You Need Love(2’40”)Muddy Wataers

-W.Dixon-     MCA / Chess MCD 16500

M20.Spoonfull(2’46”)Howlin’ Wolf

-W.Dixon-     MCA / Chess MCD 16500

TM Born In Chicago 「アサー入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  ウイリー・ディクスンの存在はやはり圧倒的ですね。マディとヲーフ二枚の大看板に楽曲

 を提供していた彼は、相方から「あいつにばっかいい歌をあげてる」と常に

 嫉妬を浴びていたそうです。これ、わたしの好きな話です。

  さて緊急事態宣言が延長されました。あ、まだ正式には発表されていない

 のかな。センモンイインカイの意見を尊重しているようですから。ここまで「セーフとし

 て判断しました」とか言って、勝手な事を続けて来ておきながら、こういう

 時には責任転嫁ですか。

  今回もアベシンゾーの不手際ですね。5月6日一杯で解除して「わたしの功績で

 す。正しかった、間違っていなかった、わたしの功績です」と言いたかった

 だけなんですよ、ソーリダイジンは。オリムピックの時と同じシソーですね。他にダイアモンド・

 プ リンセス事件からも何も学んでいない。ガクシューノーリョク皆無じゃないの。選んで

 しまったわたしたちの責任はともかく、この人間をこのままに放置していて

 いいのかねえ。

  ただこのまま行ったら5月7日の晩は国中「乾杯」とパチンコの嵐で、暴動が

 起こっても不思議ではない、と見ていましたから、正直なところわたしはホッ

 としています。そもそも5月6日には何の根拠もないからね。この問題がそ

 んなに簡単じゃないのは誰にも分かる筈です。

  ところであの小型アベノマスク、カメラがないところでは着けてないらしいですね。

 無能官僚たちも同じらしい。これも馬鹿にした話だ。そもそもソーリは滑舌が最

 悪なのに会見時にあんなフィルターされたら、殆ど何言ってんだか全く分かりませ

 ん。まあ、聞くに値もしませんが。大阪府知事は会見時に外して喋ります。

 距離も空間も大きく取ってあるからこちらの方が正しい姿です。

  興味深いのは都道府県の長(オサ)たちが、中央政府に対して、異議を唱え始め

 た事です。ジミントーに泣きついて次の都知事選での支援を取り付け、事前運動

 まがいのテレビ会見を続けているトチヂは別ですがね。やたらと自分しか知らな

 いつもりの安易なカタカナを使いたがるのも困ったモンですね。世界であんなデカイツ

 ラしてる人間はいないでしょうが、「自称小顔」だそうです。

  政府と地方自治体の関係は、江戸時代の幕府と藩にも似ています。ここま

 では忖度でどれだけ助成してもらえるか、というのが地方自治の歴史でした。

 大体が税収の殆どを政府が握ってんだから、気に触るような事は出来ない。   

 参勤交代と同じような締め付けに耐えて来たのです。でも今回は「要望」と

 いう言葉で、不平不満をはっきりと口にする首長が何人かいて、頼もしく見

 ています。「絶対安全地帯」からでは、事態の切迫度合いは何も分からないの

 ですよ。

  さて、今はラジオが一番です。今朝の特別付録は、以下の隠し場所、どうぞ

 存分にお楽しみ下さい。

https://firestorage.jp/download/ec43f8a6fa70826e5c521cae1411440db824cc53

  ダウンロード・パスワードは、h1y75eieです。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

 そして全国で9500万人のあなたにも、オー、ママママ・・・ではなくて、アサー。

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    • 夜中にモゾモゾりす
    • 2020 5/2 3:24am

    5月ですね。
    昨日は八十八夜でした。

    都内某目黒区でも20時過ぎると商店街は静かになり人通りもまばら。
    もしかしたらこれは正しい人間の営みなのではないか?
    と考えながらひたすらテクテク彷徨ったりしています。

    ワッシー、オーサム、
    そして皆様、お体に気をつけて。

    • タクシードライバー45979
    • 2020 5/2 6:05am

    今日もありがとうございました。M05,M06 この二曲でチークダンスいいなぁ❕

    • ワツシイサヲ
    • 2020 5/2 12:32pm

    そうです、日野さん。フランク・フッカーとポジティヴ・ピーポーです。ありがとうございます。嬉しいな。流石、検索の魔術師ですね。このジャケットには見覚えがあります。シングルとLP両方持ってたのかな。いま聞きました。

      • ワツシイサヲ
      • 2020 5/2 12:56pm

      その他、冒頭の日付に間違いがあります。この回は「2020年5月2日、2020年の5月第1土曜日」です。

    • 日曜日のグリ子
    • 2020 5/3 4:37pm

    今まで牡蠣はRの月としか知らなかった。
    でも、春のそれはまた別物でした。
    豆腐と葱とで小鍋。
    島根のお酒をぬる澗で。
    後半チェスのブルースが幻らしい。

    鷲巣さん今週も幻ありがとう。

    • フェスロンゲ
    • 2020 5/5 9:21pm

    澤田さん鷲巣さん

    今週もありがとうございます。
    京橋からの深夜の電波放送。
    待っていますよ。

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