【幻】モーニン・ブルーズ 2020/05/16

mb200516

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年5月16日

 を始めましょう。 5月12日の東京新聞1面コラムに、9日に亡くなったリル・

 リチャードが採り上げられていました。チャック・ベリーの時はどんなだったのかな、

 と思い出そうとしましたが、記憶がありません。チャックの時は社会面に大きな

 記事が出ました。リル・リチャードは通常の死亡記事で、そこまでは行かなかった

 んですけれど、このコラムにわたしは感謝しています。いたんだねえ、好きな人。

  今この国で彼の事が知られているのは、このカヴァ・ヒットのチカラが大きいと思

 います。

  ザ・ビートルズです、「のっぽのサリー」。

M01.ロング・トール・サリー(2’02”)ザ・ビートルズ  

-Johnson, Penninan, Blackwell-  東芝 TOCP-71041/53

N  ポールの絶叫、ジョンとジョージのワン・コーラスずつのギター・ソロ、終了部分で聞かせる

 リンゴのロール打ち、そしてジョージ・マーティンの三連ピアノ、2分そこそこの短い時間に、

 ロックンロールの全てが詰め込まれています。「のっぽのサリー」でした。

  小学校4年生の時に持っていたシングル盤です。裏が「アイ・コール・ヨ・ネイム」

 でね、ジャケットのモノクローム写真を覚えています。この歌の題名、今は「ロング・トール・

 サリー」になっているんですね。2009年に発売されたモノ・ボクス の表記はこうな

 っていました。でもわたしは、断然「のっぽのサリー」と呼びます。それじゃな

 きゃ岸部修三が「サリー」になれません。

  その後で買ったビートルズの譜面集にも「のっぽのサリー」は載ってました。作

 者に「Johnson」とあったのは、ずっと記憶から離れませんでした。シンコーの月

 刊音楽誌「ミュージック・ライフ」のAMラジオ・スポットがBGMにこの「のっぽのサリー」

 を使っていまして、新しい号の発売日前後には何度となく耳にしたものです。

  エルヴィス・プレズリも唄っているこの決定的なロックンロールで、人生が変わってしま

 った人は世界中にいくらでもいるでしょう。そのオオモトのリル・リチャードが2020年  

 5月9日に他界してしまいました。チャック・ベリーと同じで、わたしにとっては死

 なない人だったのに・・・、いやこの人は死んじゃいけない人でした。今も

 こうやって思い出を語っていると、何故か興奮してきます。

  「のっぽのサリー」は、わたしが17歳の頃に組んでいたグループの需要なリパトゥ

 でした。リード・ヴォーカルは、シャンという、高校を3日で辞めた同世代の男。英語

 なんて全くデタラメでしたから、唄い出しの「’Bout Uncle John」は、ずっと「暴

 論ジョン」と聞こえていました。これはこれで成立します。

  オリヂナルのロックン・ロール・レコードが殆ど市場になかったこの時代、次に出会った

 リル・リチャードの歌はこれでした。

  クリーデンス・クリアヲータ・リヴァイヴォーの「グッド・ゴーリー、ミス・モーリー」。

  ジョン・フォガティが狂っています。

M02.グッド・ゴリー、ミス・モーリー(2’43”)クリーデンス・クリアヲータ・リヴァイヴァル

-O.Blackwel, J.Marascalco-  ビクター VICP-63512 

N  「グッド・ゴーリー、ミス・モーリー」。クリーデンス・クリアヲータ・リヴァイヴォーの2枚目LP『バ

 ユー・カントリー』からです。この盤は、ジャケット表にオリヂナルでは裏にあったメムバの顔

 写真を持ってきて、本来のA面とB面のトラックをそっくり入れ替えるという日

 本独自の「編集」過程を経た形で東芝から発売されていました。ですから、1

 曲目は、今の「グッド・ゴーリー、ミス・モーリー」なんです。

  思い出すなあ、誰かから借りて、学校から帰って毎日聞いていたのを。夏

 の暑い頃でした。ももいろクローヴァZ並みに全力疾走のジョン・フォガティ、リル・リチャ

 ードばりに叫び続けています。一度どこかで一緒に演って欲しかったね。もち

 ろんこの歌で。後年、リル・リチャードは、「ジョン・フォガティの『トラヴェリン・バンド』は

 俺の作品を盗んで作った」とブチ上げてましたから、顔を合わせてすんなり行 

 ったかどうかは不明ですが。

  次は王様エルヴィス・プレズリ。彼は先ほどの「のっぽのサリー」、「レディ・テディ」な

 どをカヴァしてました。世代的にはエルヴィスの方が少し後になります。なんせカヴ

 ァですから、当然ですね。

  今朝はこれです、「リト・イト・アップ」。

M03.Rit It Up(1’52”)Elvis Presley 

-O.Blackwel, J.Marascalco-  RCA07863 66050-2

M04.ミス・アン(3’40”)ジョニー・ウインター    

-Johnson, Penninan-  Colubmia C2K 85735

N  エルヴィス・プレズリ「リト・イト・アップ」、そしてジョニー・ウインタで「ミス・アン」。彼は同

 じLP『セカンド・ウインタ』で他に「スリッピン・アンド・スライディン」を採り上げています。

 ジョニー・ウインタのロックンロール感覚には確かにリル・リチャードの影響が見て取れます。「狂

 気」で通じるところがあったように思えますが、真相は何処に。

  そして、サム・クックとリル・リチャードから影響を受けた、と語っていたこの人のこ

 の歌、デビュー・アルバム『ペイン・イン・マイ・ハート』から

  「ルシヤ」、オーティス・レディングです。

M05.Lucille(2’29”)Otis Redding

-A.Collins, R.Penniman-  Rhino / Atco  8122 79827 4

N  「ルシヤ」、オーティス・レディングでした。発声や節回しはリル・リチャードにクリソツですが、

 こちらには何か風格のようなものが感じられました。原仕様にはない落ち着 

 きもありました。この歌は「のっぽのサリー」よりもリル・リチャードの名前をこの国

 に拡げたのではないでしょうか。日劇ウエスターン・カーニヴァル時代には出演者が競っ

 て採り上げていたようです。一番売れたのは、平尾昌晃のかな。「ゼニゼニ」は

 鈴木やすしの十八番でした。

  オリヂナルのリル・リチャード版はもちろん御大の狂った唄いっぷりが一番の印象で

 すが、「ゴーヘー、ゴーヘー」と全速前進感満点のアール・パーマーのドラム・ビート、リー・

 アレンのサクスフォーン・ソロなど、聴き処は沢山あります。わたしはイントロのほんの一瞬

 だけ聞こえるピアノのグリッサンドにリル・リチャードの繊細さを感じています。ご静聴

 下さい。

  「ルシヤ」です。

M06.ルシール(2’28”)リトル・リチャード

-A.Collins, R.Penniman-  Pヴァイン PVCP-8109

M07.キープ・ア・ノッキン(2’15”)リトル・リチャード  

-Penniman, Williams, Mays-  Pヴァイン PVCP-8109

N  皆様のご静聴に感謝致します。リル・リチャードの「ルシヤ」でした。そして凶暴な

 爆発ぶりが凄まじい「キープ・ア・ノッキン」、こういうのは真似出来ませんね、誰

 にも。天下無敵のロックンローラー、リル・リチャードの真骨頂です。多分ポール・マカートニは、

 こういうところに今でも痺れているんじゃないでしょうか。ハンター・デイヴィスの

 「ビートルズ」には彼がテレビでリル・リチャードの実演を観て、何かを掴み「分かった

 ぞ」とバイクでジョンその「分かった」事を伝えに行く場面が書かれています。

 ポールは火急速やかにこの謎解きを伝えたかったんですが、ミミ叔母さんがジョン

 に会わせてくれなかったそうです。この時、「分かった」のは何だったんでし

 ょうか。

  リル・リチャードは、殆どのアップテムポー曲をこの調子で唄いました。1933年のミュー

 ジカル・ナムバもこんな風になります。

M08.ベイビー・フェイス(2’15”)リトル・リチャード

-Davis, Akst-  Pヴァイン PVCP-8109

N  ボビー・ダーリンも唄っている「ベイビー・フェイス」です。他の仕様で聞くと、可愛

 らしい旋律、ユーモア感じられるリズムなどが作用して、とても肯定的な楽曲に思

 えますが、このリル・リチャート版にはなんかそういう健全さを茶化しているような

 臭いが撒き散らされています。本人には何の悪意もなく、全力で取り組んで

 いるのでしょうが、絶対に他では得られない雰囲気です。この歌を彼に与え

 た企画発案者には、ノーベル賞ですね。

  ご存知のようにリル・リチャードは何回か引退と復活を繰り返していまして、そ

 の背景にはキリスト教があります。最初の引退は1957年の絶頂期でした。オーストラ

 リア公演に向かう途中の飛行機の発動機が火を吹いて墜落寸前となり、機上で

 必死に祈りを捧げて窮地を逃れた経験から、宣教師として出直す事を決意し

 たのです。その後も聖と俗の間を行ったり来たりしていました。確か「現」

 時代に「ロス・エインジェルズの街角で突然リル・リチャードに出会った。その時彼はキリスト

 教の勧誘員をしていた」というお便りを読ませてもらった事がありましたね。

 その時わたしは、ポールの「分かったぞ」と同じような気分になりました。

  60年代にも似たような言動を繰り返しながら、「バッド・ボーイ」や「スロウ・ダ

 ウン」、「デイジイ・ミス・リジイ」などでシビートルズ、特にジョン・レノンに気に入られてい

 たラリー・ウイリアムズの下で、録音制作を行います。この作品はあまりヒットしなかっ

 たものの、ロックンロールからR&Bへと時代の波を越えて行くリル・リチャードの姿を捉

 えていました。

  ではその時1967年の作品で、ダクタ・ロックの異名を取るロックンロール研究家、チャー

 ルズ・ホワイトが「然るべき宣伝活動が伴えば、今でもヒットする」と断言する、

  「ア・リトル・ビット・オヴ・サムシング(ビーツ・ア・ホール・ロッタ・ナシング)」をどうぞ。

M09.ア・リトル・ビット・オヴ・サムシング(3’07” )リトル・リチャード 

-L.Williams-  ソニー  MHCP298

N  この世で唯一の存在、リル・リチャードは、50年代のスペシャルティ期があまりに桁外

 れ的に素晴らしいので、どうしても後の時代はパッとしないように見えますが、

 彼自身の全力本気体制は、全く衰えていませんでした。その好例が、1994年

 に発表された『リズム、カントリー・アンド・ブルーズ』アルバムへの吹き込みです。

  ここで彼はエディ・コクランの「サムシン・エルス」をタニア・タカーと唄っていますが、若い

 頃の迫力はそのままで、後半はタニアが「もうやめてよ」と言い出すまでに、迫

 力満点で煽り続けるのです。これは側にいたら恐怖でしょう。ビディオで観る

 と、特に笑えます。

  ではその場面を想像しながら聞いて下さい。

  タニア・タカーとリル・リチャードです、「サムシン・エルス」。

M10.Something Else(2’51”)Little Richard & Tanya Tucker

-B.Cochran,S.Sheeley-   MCA  MCAD-10965   

N  リル・リチャード、タニア・タカーと「サムシン・エルス」でした。面白いでしょう。このアルバ

 ム中、このトラックだけがモノーラルでした。オシレイターの中でピンと斜めに伸びた一文字信

 号が綺麗だったのを覚えています。

  彼は絶頂期もその後も結局来日せずにあの世へ旅立ってしまいました。機

 会があったら至近距離で確かめたかったですね、あの狂乱ぶりを。

  今の「サムシン・エルス」の2年前、1992年にはなんとフュージョンの世界で大成した

 ギタリスト、高中正義と1枚のアルバムを作っています。ジャケット中面にはリル・リチャード

 自身によるエクゼクティヴ・プロデューサーの石坂敬一を始めとする日本人関係者への

 謝辞が綴られていますが、よくある「昔の名前で演ってます」盤で、御大も

 不完全燃焼。そもそもが安易な企画ですし、何より高中がリル・リチャードを何に

 も尊敬していないのがあからさまに伝わってくるので、可哀想です。その中

 から、なんとか他の伴奏者に支えられて聞ける1曲、

  「カンザス・シティ〜ヘイ、ヘイ、ヘイ」のメドリーをどうぞ。

M11.カンザス・シティ~ヘイ、ヘイ、ヘイ(3’50”)リトル・リチャード

-J.Leiber, M.Stolle, R.Penniman-  東芝 / East world  TOCT6619

M12.センド・ミー・サム・ラヴィン(2’21”)リトル・リチャード

-J.Marascalco, L .Price-  Pヴァイン PVCP-8109

N  「センド・ミー・サム・ラーヴィン」でした。1956年の録音ですね。

  ここまでリル・リチャードの事を夢中になって話してきましてけれど、ふと振り

 返れば、もうこの世にあの人はいないわけです。最初にお話したように、わ

 たしにとってリル・リチャードは死んではいけない存在でした。それを思えば気分

 は時折寂しくなりますが、これだけ素晴らしい吹き込みが手元にあるのです

 から、いつだって会える、唄を聞かせて貰えます。わたしはこれからも彼の

 全力投球に付き合って生きて行けます。合掌。

M13.Back In The U.S.A.(2’29”)Chuck Berry

-C.Berry-  MCA / Chess   CHD#-80,001

M14.Back In The U.S.S.R.(2’44”)The Beatles

-J.Lennon, P.McCartney- 東芝 TOCP-71041/53

N  リル・リチャードと同じくわたしの大切なあの世の人、チャック・ベリーで「バック・イン・

 ザU.S.A.」そしてザ・ビートルズ、の「バック・イン・ザU.S.S.R」でした。この流

 れはリル・リチャードの訃報を聞く前に考えていて、今朝はこうやって始まる予定

 でしたが、先にリル・リチャード関連をお送りしました。

  「バック・イン・ザU.S.S.R」はポール・マカートニひとりの多重演奏です。そしても

 ちろん「バック・イン・ザU.S.A.」のパロディ作品です。この中の「ジョージア・イズ・

 オールウェイズ・オン・マイ・マインド」の行りはホーギー・カーマイケル作で、レイ・チャールズで有名

 な「ジョージア・オン・マイ・マインド」の本歌取りですが、U.S.S.R、ソビエト連邦下で

 は「グルジア」と呼ばれていた属国でした。ソ連崩壊後独立しましたが、一昨年

 だったかな、国名の呼び方を「ジョージア」に改めました。使われている言語は

 グルジア語と言いますが、米英風に「ジョージア」にしちゃっていいのかな、とそ

 の時に感じましたね。旧ソビエト連邦への嫌悪は想像がつきますがね。

  それはともかく、そこでコジ付けようとしたのが、この歌です。

M15.Rainy Night In Georgia(5’13”)Sam Moore & Conway Twitty

-T.J.White-  MCA  MCAD-10965

N  トニー・ジョー・ホワイトの名作「雨のグルジア〜レイニー・ナイト・イン・ジョージア」です。名

 盤『リズム、カントリー・アンド・ブルーズ』からですが、このアルバムは先ほどリル・リチャード

 に関連して使ったばかりですね。これだけ聞いても、いかに素晴らしいアルバム

 であるか、お分かりいただけるでしょう。

  さて、今の「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」を唄っていたのは、サム・ムーアとコンウェ

 イ・トゥウィティというR&Bとカントリーのヴェテラン同志。サム・ムーアの方はわたしもサム・アン

 ド・デイヴ時代から知っていましたが、コンウェイ・トゥウィティはわたしにとっては名

 前をかろうじて知っていた程度の唄い手です。この「レイニー・ナイト・イン・ジョージ

 ア」が素晴らしいので、何度も聞くうちに当事者にも興味が募っておりました

が、オリヂナルのアルバムに手を出すには至りませんでした。それが、先々週のデイヴィド・ブロムバーグの新譜に入っていた「ジョージ、マール・アンド・コンウェイ」という歌で好奇心が拡大し、もう少し知ってみようか、となった次第です。

M16.Make Me Know Yore’ Mine(2’21”)Conway Twitty

-A.Schroeder, D.Hill-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145    

M17.It’s Only Make Believe(2’09”)Conway Twitty   

-C.Twitty, J.Nance- MPC / Reel To Reel  RTRCD145

N  コンウェイ・トゥウィティで「メイク・ミー・ノウ・ヨーマイン」、そして「イッツ・オンリー・メイク・ビリーヴ」

 でした。後の方が1958年に全米1位を記録。「思わせぶり」という邦題があ

 りますから日本国内でも発売されたのかもしれません。先に聞いていただい

 たのには、その次の大当たりを狙った2番煎じ感がしましたが、どちらも大

 変上手く唄われています。

  本当は適当なベスト盤を探していたのですが、どれも収録曲数に不満があり

 まして、結局初期の6枚のLPとそれ以外のシングル曲をまとめたCD4枚組を

 手に入れました。全93曲ですからかなりの量です。年代は1957年から62

 年まで。古き良き時代スレスレ、まだロックの世界価値革命前の音楽です。今朝は

 その始めのCD2枚から聴いて行きます。お付き合い下さい。

  最初のLPの2曲めに「ハレルヤ、アイ・ラーヴ・ハー・ソウ」があったので、きっと 

 コンウェイはレイ・チャールズを好きなんだろう、と閃きました。そうしたら案の定、こ

 んなカヴァも入っていました。

  ハンク・ウイリアムズ作で、レイも吹き込んでいる、これです。

  「ユー・ウイン・アゲイン」。1959年の作品です。

M18.You Win Again(2’19”)Conway Twitty    

-H.Williams-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145

N  いい味ですね。先ほど「大変上手く」と表現しましたが、実際とても上手。

 この時代のポピュラー歌手に必須だった基本的歌唱力を身につけています。音声

 のコントロールが上手い、と言ったらいいかな。全体の表現がちゃんと考えられて

 いますね。

  古き良き時代の唄い手ですから、いわゆるスタンダード曲もたくさん唄ってい

 ます。例えばこんな具合に。

M19.Danny Boy(2’44”)Conway Twitty     

-trd. F.Weatherly-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145

N  「超」の字がつくスタンダード・ナムバ「ダニー・ボーイ」でした。編曲がちょっと

 新しく、リズム重視なところが面白かった筈です。コンウェイ・トゥウィティはこんな様に

 なかなかに前向きな録音制作を続けていたようです。わたしがざっと聞いた

 感じでは、「古き良き時代の最後に現れた上手な唄い手」という事になりかけ

 ましたが、そのうちにある革命的スーパー・スターの影がちらつき始めます。

M20.Heart Break Hotel(2’13”)Conway Twitty      

-Axton, Durder, Presley-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145

M21.Blue Moon(2’19”)Conway Twitty    

-Hart, Rodgers-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145

N   コンウェイ・トゥウィティで、「ハート・ブレイク・ホテル」「ブルー・ムーン」をお聞きいただきまし

 た。そうです、革命的スーパー・スターとはエルヴィス・プレズリです。この2曲ともエルヴ

 ィスが得意としていたナムバですね。これを初めて聞いた時は、特にあの決定的

 な「ハート・ブレイク・ホテル」には、この歌を数年遅れて同年代がカヴァしてどうなる

 んだろう、という疑問が湧いて来ました。当時周囲の認識としては「ハート・ブ

 レイク・ホテル」イクォール「エルヴィス・プレズリ」ですからね。

  1994年制作の『リズム、カントリー・アンド・ブルーズ』に収められていた「レイニー・

 ナイト・イン・ジョージア」で正式に出逢った身には理解し難いのですが、そもそも

 コンウェイ・トゥウィティはロカビリー歌手として売り出されています。それが革命的スーパー・

 スター、エルヴィス・プレズリの登場で自身にはない性格を持たされる事になった、こ

 のコンウェイ・トゥウィティ初期のアルバムを聞いていて、彼の運命がわたしにも分かって

 来ました。

  当時、若くてロカビリー的な歌を唄う人間は何人もいたでしょう。それが成長

 してカントリーの大御所になる、そんな図式は既に出来上がっていた筈です。しか

 しエルヴィス・プレズリは「若くてロカビリー的な歌を唄う」だけの人間ではなかった、

 もっと世の中を動かす力、人間性を持っていた。コンウェイ・トゥウィティは次世代を担

 う唄い手として、その種のカリズマ的性格を持たされたのではないでしょうか。

  今お聞き頂いた2曲は、新鮮味やアレンヂの面白さを除けば、ひょっとしたら

 コンウェイ・トゥウィティの方が上手く仕上げているかもしれない。そんな気もします。

 ただエルヴィスが全米を震撼させた、あの恐ろしさは感じられません。誰でもが

 安心して聞く事の出来るポピュラー音楽です。「若くてロカビリー的な歌を唄う人間」

 は、何より安全な存在でなくては、将来もなかったのです。そこで コンウェイ・

 トゥウィティは合格でした。しかしポピュラー歌手としては時流に合わせて、エルヴィス的

 な音楽も採り上げなくてはならなかったのではないでしょうか。彼はデビュー

 直後からとても唄の上手な人です。それはこの2曲のカヴァで充分に分かりま

 した。だからこそ最盛期を過ぎても「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」を、あんな

 に素晴らしく唄えたのです。

  次の1曲ももエルヴィスの持ち歌ですが、これに限っては、過度なカリズマ性のな

 い分、コンウェイ・トゥウィティの方が上手く仕上がって知るようにも聞こえます。

   リーバー・ストーラー作の「トリート・ミー・ナイス」。

M22.Treat Me Nice(2’07”)Conway Twitty   

-J.Leiber, M.Stoller-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145

M23.Jailhouse Rock(2’15”) Conway Twitty   

-J.Leiber, M.Stoller-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145  

N  「トリート・ミー・ナイス」、そして「監獄ロック」、いずれもコンウェイ・トゥウィティのカヴァでお

 聞きいただきました。「ハート・ブレイク・ホテル」と並ぶ決定的なエルヴィスのロックンロール、

 唄が上手なら、こんな普通の演奏でも成立するんですね。ブチ込まれた罪状も

 凶悪犯ではなくて軽犯罪でしょうか。でもエルヴィス版のあの衝撃を味わってし

 まうと、どうしても物足りなさが残ります。これは仕方のない事でしょう。  

  時代のヒットを唄わなければならない諚めで、コンウェイ・トゥウィティはこんな歌も吹

 き込んでました。

  なんと「ダイアナ」です。

M24.Diana(2’30”)Conway Twitty    

-P.Anka-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145

N   ここでもコンウェイ・トゥウィティの高所からの解釈と控えめな表現が冴えています。

 わたしポール・アンカよりもはこっちの方が好みですね。最後まで聞いていられる。

  如何でしょうか、古き良き時代最後の唄い手、コンウェイ・トゥウィティ。ここまでで 

 わたしはエルヴィスの煽りを食らって変わってしまった生命に興味が湧いて来ま

 した。ここから「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」までの道程も、もう少し知りた

 い。この後もお付き合い下さい。

  さてもう1曲お聞きいただきましょう、これです。

M25.Hey Miss Ruby(2’21”)Conway Twitty

-unknown-  MPC / Reel To Reel  RTRCD145

N  コンウェイ・トゥウィティで「ヘイ、ミス・ルビー」でした。これとそっくりな、ヒット曲があり

 ます。もうお分かりでしょう、ザ・ドリフターズの

  「ルービー・ベイビー」です。

M26.Ruby Baby(2’22”)The Drifters     

-J.Leiber, M.Stoller- Warner / Atlantic 8122-73249-2     

N  若い人たちはダナウ・フェイゲンがカヴァしていた事でご存知でしょう。リーバー・スト

 ーラーの傑作のひとつ、「ルービー・ベイビー」でした。廉価盤ゆえ、コンウェイ・トゥウィティ

 の盤には作者記載がありませんが、多分リーバー・ストーラーではないでしょう。き

 っと1959年当時、あちこちで唄われていた俗謡歌のひとつなんでしょう。わ

 たしとしましても、これは大いに産駒になりました。

  さてリーバー・ストーラーの傑作を唄ってヒットを飛ばし続けたのは、何と言っても

 ザ・コースターズです。先週ちょっとご紹介した「ブリティッシュ・ヒット・パレイド  ザ・

 Bサイド」にも「チャーリー・ブラウン」の片面として入ってました。

  「スリー・クール・キャッツ」。

M27.Three Cool Cats(2’07”)The Coasters

-J.Leiber, M.Stoller-  Acrobat ACQCD7068 

M28,悲しき願い(4’45”)ジョー・コッカー

-B.benjamin, G.Galwdwell, S.Marcus-  テイチク25CP-34

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

N  リル・リチャードの死という突発時があった為、ここのところ続けて聞いて来てい

 ましたパコ・デ・ルシアは、今朝なしです。ご了承下さい。

  最後は「悲しき願い」、ジョー・コカーでした。これ原題は「Don’t Let Me Be

 Missunderstood」、見捨てられた恋人の悲痛な願いが唄い上げられています。 

 「あなたを信じてこの恋を終えたい。だから、どうか誤解させないでくれ」

 です。美しい。分かるなあ、この想い。

  PCR検査を受けられる基準として設定されていた「体温37.5度が4日以上」

 がなんと「国民の誤解」だなんてヌカした加藤勝信よ、死んでしまえ。ここ2

 ヶ月間、毎日20回以上はこの「37.5度が4日以上」という基準はあらゆる方

 面で叫ばれていました。命に関わる事項です。「国民の誤解」だったら即刻

 訂正させるのが道でしょう。ふざけるな。加藤六月の婿養子勝信は、ここの

 ところどんどん厚かましくなっているのが、あのふてぶてしい表情で分かり

 ますね。

  加えて、政府の役人たちの国会での答弁がみんなソーリダイジンやカンボーチョーカンと

 同じになって来ているのを強く感じます。つまりテキトーにアシラットケと国民を明ら

 かに馬鹿にしている。こんなわたしでさえ、生まれた事実に誇りを持って生

 きたいのです。あらゆる暴挙を繰り拡げている現政権、これ以上許せますか。

 相撲取りが亡くなった過程でのタライ回し、門前払いも、医療現場が悪いんじゃ

 なくて、元を正せば政府の方針の間違いが原因なんです。

  でもソーリダイジンやカンボーチョーカンを選んだのはわたしたちなのです。この事実も

 お忘れなく。

  こんな世相をぶっ飛ばす企画のお知らせです。来たる5月23日、来週の土

 曜日に、わたしが議長を務めております首都圏河内音頭推進協議会 イヤコラセ東

 京の主催で、「河内ONdoLINE盆踊り」を開催いたします。コロナ禍の影響で、

 本場河内でも盆踊りの日程が立てられない状況です。「今年は無理かも」こ

 んな悲しい噂も囁やかれている程です。もうわたしたちとは縁が切れた錦糸

 町の河内音頭大盆踊りも下請け業者には「不開催」の通告が流れているよう

 です。

  みなさんご存知のように、盆踊り会場は危険な「三密」を凝縮した場所で

 す。だからこそあの雰囲気が生まれます。加えて「密談」「密告」そして「密

 通」もしばし起こります。救いは「密閉」空間でない事でしょうか。

  ですからこの時世にとんでもない事なんですが、これがないと1年が通せ

 ない人たちが関東にも大勢います。そんな音頭狂のボヤキから生まれたこの「河

 内ONdoLINE盆踊り」は、全世界で同じ時にみんなで勝手に踊ろう、という

 呼びかけです。インタネットを使った試みが盛んに行われていますが、これは何よ

 りも「みんなが同じ時に」というライヴ感を大切にします。「俺たち元気だぜ」

 と実感を分かち合おうではアーリマセンカ。

  音楽は本場河内から、もちろん生の実演をお届けします。次の世代を担う

 油の乗り始めた現役音頭取り、地方(ぢかた)を超会派で揃えました。523

 日、土曜日の午後5時半からです。皆さん、それぞれお好きなところで、社

 会的間隔を保ちながら参加して下さい。ズームの会議システムを使います。PCでも

 スマフォでも接続可能。音と画の品質は「それなりに」ですが、とにかく今、生

 の河内音頭実演です。貴重ですよ。詳細は主催団体「首都圏河内音頭推進協

 議会 イヤコラセ東京」ウェブサイトをご覧下さい。

  アドレスは、https://sites.google.com/view/iyakorasetokyo/  です。

  さて、「幻」モーニン・ブルーズ、今朝の特別付録、こちらは以下の隠し場所で

 す。どうぞお楽しみ下さい。

https://firestorage.jp/download/a4fd95bd27b3b6f1bbff4cbb660dc17bfb8ee48a

  ダウンロード・パスワードは、vt8b9z24です。

  今朝もちょうど時間となりました。

 こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。オンドー。

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    • 月夜のリス子
    • 2020 5/16 3:30am

    来週土曜日。
    さて、部屋であの踊りが踊れるスペースがあるだろうか(笑)
    前にも増して巣ごもりリスはどんぐり貯めまくりなのよ( ;∀;)

    • タクシードライバー45979
    • 2020 5/16 8:20am

    おはようございます。いつもありがとうございます今日のような放送は鷲巣さんの声で聞きたいと思うのは私だけでしょうか?  Rhythm Country and Blues は素晴らしいです。ありがとうございました。

    • 月夜のロンゲ
    • 2020 5/16 8:29pm

    5月23日のzoomでのFROM河内音頭楽しみです。
    でも今現在お支払いが完了してい培養です。
    もうすこし情況見ておきます。

    やっぱりルシールはスタンダードですね。

      • ワツシイサヲ
      • 2020 5/18 11:13am

      申し訳ありません。参加申し込み、今から稼働しました。わたし自身がこういうシステムに疎いものですから、どうしても詰めが甘くなります。ただ専門的な人間が対応しておりますので、不明な点はお問い合わせください。イヤコラセ東京のウェブサイトに直接で構いません。

        • フェスロンゲ
        • 2020 5/18 6:31pm

        鷲巣功様

        余計な書き込みをしてすみませんでした。
        今日支払いを完了してオンラインイベント参加方法のメールいただきました。
        今回の問題は支払いに使うバーコードを送ってもらったのですが
        スマフォを持っていないのでコンビニで自力で支払いが出来なかったことでした。
        何はともあれ無事完了。

        さて、23日のfrom河内オンド楽しみです。
        鷲巣さんが何度かラジオと本で解説されてた河内音頭のエレキギターの導入。
        その革新性は今回のZOOM開催も同じでしょう。
        全世界同時に感染しないで踊れる盆おどり大会。

        1回目の成功と2回目以降の継続を心より願っています。

    • 日曜日のグリ子
    • 2020 5/17 6:00pm

    ロックンロールには押さえてならぬ
    衝動を表現したものがある。
    そのひとつ。
    ルシール。
    だと思います。
    今週も更新ありがとうございます。

  1. 時差で、感謝〜

    • 金曜日のグリ子
    • 2020 5/22 9:14pm

    明日の盆踊り楽しみです。

    どんなになるやら。

    先ずは粉もんとビールは用意が必要だね。

    • 大家
    • 2020 5/23 5:11am

    【幻】モーニン・ブルーズ 5月23日の放送分楽しみにされている皆様、大家でございます。
    私のサイトが不調でございまして、管理画面から編集ができない状態になりました。

    緊急事態ということで、非常時用に設けてありますアメーバブログに転記いたしました。
    お手数ですがこちらからお楽しみください。

    https://ameblo.jp/djsawada/entry-12598864887.html

    https://ameblo.jp/djsawada/

    鷲巣さんの晴れ舞台の日に申し訳ありません!

      • ワツシイサヲ
      • 2020 5/23 10:12am

      今日は通信環境が全体に不調のようです。世界初同時間帯河内音頭生実演の日に縁起でもない。大丈夫かな。

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