【幻】モーニン・ブルーズ 2020/06/13

mb2020613

 

TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年6月13日

を始めましょう。

今朝は普段と違いまして、襟を正して始めましょう。白人警察官に殺され

た黒人ジョージ・フロイドさんのお葬式が6月4日に行われました。その費用を、

同じく黒人で元ボクシング・チャムピオンのメイザー・ジュニアが負担した、という美談が

僅かばかりの気休めにもなります。

では「幻」からも、その足元にも及びませんが、同様の熱い想いを伝えま

しょう。ご静聴願います。

「ア・チェインヂ・イズ・ゴナ・カム」、サム・クック。

 

M01.ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム(3’17”)サム・クック

-S.Cooke-  ABKCO / ユニバーサル  UIGY-7043

 

N  「ア・チェインヂ・イズ・ゴナ・カム」、サム・クックでした。

アメリカ合衆国では白人警察官による黒人殺人事件を発端に人種差別反対運動

が燃え上っています。そこへ出てきましたね、オバマ元大統領です。彼はトラムプ

という史上最低の男に大統領職を譲った後、もうこのような場には出て来な

いだろうと思っていました。何も変えられなかった自分自身、そして変わろ

うとしなかったアメリカ合衆国という現実の壁の厚さに、辟易し戦意喪失してい

た筈です。でも、今回の騒動に鮮やかに登場して来ました。わたしは拍手で

迎えます。そして彼が大統領選期間中、常に口にしていた「チェインヂ」、これは

「ウィ・キャン」と同じく、音楽からの連想で生まれたキャッチ・フレイズですね、その

閃きを与えてくれた一曲、「ア・チェインヂ゙・イズ・ゴナ・カム」をお送りしました。

皆さんのご静聴に感謝致します。

音楽の世界では黒人優位の事実が、圧倒的とは言えないまでも進行してい

ますが、実際の社会、生活では、まだまだ人種差別が現状として存在するの

がアメリカ合衆国です。元々が先住民族を追い出して成立した難民の国なのに、

どうもそれを忘れているようですね。ただ巡査などの一般警察官達には潜在

意識として「黒人は凶暴で恐ろしい」という刷り込みがあるようです。ずい

ぶん前ですがヌー・ヨークの外れで、深夜何もしていないわたしが5台のパトカーに

囲まれた事があります。降りて来たのは全員が白人警察官でした。その時に

わたしは黒人と一緒に居たのです。それを見かけた何者かが通報したんでし

ょう。「不審な黒人がウロついている」と。職務質問を受けながら、「何で5台

も集まって来るんだ」と疑問でした。

「それは俺が黒人だからさ。奴らは田舎から勤務に来ている。日頃接触が

ないから特に黒人を怖がっている。ここでこんな時間帯なら、何をしでかす

か分からないという妄想を抱くんだ」と、解放された後にその友人が教えて

くれました。そう言えば警察官達は皆ビビッてましたね。

今度の事件も詳細な事実は分かりませんが、背景にはまず歴然とした人種

差別、そしてこのような拭えない黒人恐怖症があるのではないでしょうか。

確かに黒人達は体格に優れており屈強です。運動神経もいいから、とても敵

わない。極限状態での行動も読めません。例えば、今回もこの事件を切っ掛

けに暴動や略奪が起きています。しかしなぜ彼らがそういう状態に追い込ま

れてしまうのか、という根元を解明しなければ、このような事件は必ずまた

起こるでしょう。ロス・エインジェルズのロドニー・キングさんが射殺されたのは1992年。

それから大きな報道はされていませんが、似たような事件は皆無ではない筈

です。

人種差別がなくなるのは、「幻」モーニン・ブルーズの願いです。ワツシ・イサヲは、バ

ラク・オバマ元大統領に、大いに活躍を期待します。イギリスでは奴隷商人の記念像

が倒されたり、アメリカ本国でも大陸発見者コロムブスを「先住民虐殺者」と否定す

る見識が出たりしています。これらの動きを、わたしは遠くから複雑な気持

ちで見守るだけですけれども。

さて、今の「ア・チェインヂ・イズ・ゴナ・カム」は64年発表のLP『エイント・ザット・

グッド・ニューズ』に収められている原仕様です。お聞きのように3コーラスとサビの

構成で、今ではこちらが一般的になっているかも知れません。でもそれまで

はずっと第二コーラス抜きの短縮版が正規の「ア・チェインヂ゙・イズ・ゴナ・カム」で通

っていました。わたしがこの歌を知ったのはオーティス・レディングのカヴァでした。

そちらは短縮版をお手本に再現していました。ザ・バンドが『ムーン・ドグ・マチネ

ー』でカヴァした時も同じです。何より黄色いジャケットのLP『ザ・ベスト・オヴ・サム・

クック』に入っていたのが、こちらの短縮版だったのです。

わたし自身、長尺物の存在に気づいたのは、オリヂナルと同じ形でLP『エイント・

ザット・グッド・ニューズ』が出る事になって、その解説を担当した時で、1986年

という決定的に遅買ったのでした。

この取り除かれたコーラスは「映画を観に行ったら、『おい若いの、ウロウロすんじ

ゃねえ』という言葉を投げつけられた」という人種差別をほのめかす内容で

す。当時サムは明らかに黒人のリーダーでしたから、RCAの白人管理職たちが恐

れをなしてこの部分を抜き取ったのでしょう。暴動寸前に盛り上がるフロリダ、

ハーレム・スクエアの実況録音をオクラ入りにしたのも彼らでしたね。ですから去勢され

た「ア・チェインヂ゙・イズ・ゴナ・カム」は、生まれ育ちを振り返る、漠然とした美

しい歌になってしまっていたのです。オーティスもザ・バンドの連中もきっとシングル

盤を持っていたか、ラジオで親しんでいたのでしょう。

ただ、最後のコーラスの「生きているのはとても辛い、でも死ぬのは怖い」と

いう行りには、まだ奴隷制度の延長線上に置かれていた黒人達の境遇が現れ

ている、とわたしは読んでいます。

と、長い話で「ア・ チェンジ・イズ・ゴナ・カム」、でした。

 

M02.ホープ・ソー(3’45”)J・ラモッタ・すずめ     

-unknown-  Pヴァイン PCD-24952

 

N  「すずめ」と日本語、それもひらがなで芸名に入れているJ・ラモッタの新譜、

「ホープ・ソー」でした。イスラエル生まれ、ドイツに在住、歌は英語で、その響はお聞

きの通り、「新世代ソウルの女王」なんて呼ばれるらしいですけれど、まさに無

国籍な今の音楽です。今後おそらく特に女性のヴォーカル音楽は、ほとんどがこ

ういう造りになっていくのでしょう。それは時代的な必然ではないかと、わ

たしは考えています。

次はどうかな・・・。

 

M03.The Cat(4’18”)Long House

-J.Smith- アオラ / ABY 021

 

N  ジミー・スミスでお馴染み、「ザ・キャット」。これは子供の頃に深夜のテレビ番組の主

題曲として聞いた覚えがあります。おそらくアメリカの番組でしょう。わたしが

観られたのはたった1回だけですけれど、このヤクザっぽい旋律とハモンド・オルガ

ンの音色は瞬時に心の襞まで沁みこんで、今に至ります。どなたかこの番組を

覚えていないかなあ。

お聞きいただきましたのは、60年代のジミー・スミスではなくて、2018年のロン

グ・ハウス〜長屋という徳島のジャズ・コムボです。盤はこの6月に初めて見かけ

たから、今年の発売ではないでしょうか。現地で少なくとも40年ほどは演奏

を続けている人達です。皆堅気で、オルガンの伊藤和範は地方公務員だったそう

で、定年退職してから、演奏活動に力を入れ出したというお話。

このアルバム『阿波ジャズ』は阿波踊りを観に徳島を訪れた久保田麻琴が出会

って感激、即座に制作したもので、四国大学のスタジオでの録音となっています。

想像でしかありませんが、部屋の狭さが場末のジャズ・クラブ的な雰囲気を醸し

出していますね。

ではもう1曲アルバム『阿波ジャズ』から聞きましょう。ギターのトーンがとても個

性的です。

「匕首マック」。

 

M04.Mack The Knife(3’44”)Long House

-K.Weill, B.Brecht- アオラ / ABY 021

 

N  「マック・ザ・ナイフ」、徳島のロング・ハウスの演奏、アルバム『阿波ジャズ』からでした。

では真打にお願いします。ジミー・スミスで「ス・ワンダフォー」。

 

M05.S Woderful(4’59”)Jimmy Smith

-G.Gershwin, I.Gershwin-   Blue Note CDP 7 46097 2

 

N  ジミー・スミス、1959年のアルバム『ザ・サーモン』から「ス・ワンダフォー」でした。アブス

トラクト寸前のジミーのソロ、実にファンキーでしたね。トラムペットは、「サイドワインダー」の。リー・

モーガンです。このアルバムは各トラックの演奏時間がとても長い。そもそもアルバムとし

て企画制作されたものではなく、「時間のある人は来ていいよ」と声をかけて、

集まった人間のヘッド・アレンヂで形が決まったような内容です。表題曲「ザ・サー

モン」は、なんと20分を超えています。

オルガニストっていうのは一度神様から霊感を貰うと、しばらくはずっと弾き続

ける性格が共通しています。ベイスもペダル鍵盤だから、思うままに進行できま

すしね。それにしても驚異の長時間演奏です。これらの録音、LP時代にはこ

れと『ハウス・パーティ』の2枚に振り分けられていました。当然でしょう。

さてジミーではないもう一人のオルガン・スミスと来れば、ロニー・スミス。ぶっつけ本

番のセッション、次郎吉での収録『ライヴ・ジャム』から「スラウチン」。

 

M06.スラウチン(6’50”)ジャズ・ファンク・マスターズフィーチュアリング・ロニー・スミス

-L.Smith-  Pヴァイン PCD-2401

 

M07.Honey Bee(3’56”) Father Muddy Waters and Sons 

-M.Morganfield-   Chess / MCA CHD-92522

 

N  高円寺ブガルー「スラウチン」、ジャズ・ファンク・マスターズフィーチュアリング・ロニー・スミスでした。

さて続けて、先週勿体つけてお届けしたアルバムから同じく実況録音でお聞き

いただきました。父マディ・ヲーターズとその義理の息子達で「ハニー・ビ」こちらは

シカーゴのスーパー・コズミック・ジョイ・スカウト・ジャムボリー、1969年4月の録音です。

アルバム『ファーザーズ・アンド・サンズ』、これは本当の名盤ですね。一時期やたら

と流行った「トリビュート」物の唯一の成功例でしょう。ポール・バタフィルドとマイケル・

ブルームフィルドが中心になって、自分たちにたくさんの事を教えてくれた言わば

「父親」たちと一緒に演奏をして記録に残そう、それをひとりでも大勢の人

たちに聞いて貰って、ブルーズ音楽を愉しんで貰おう、と企画したこの2枚組

は、選曲、演奏、録音、すべての釣り合いがうまく取れていて、ミケロッティのシステ

ィーナ礼拝堂天井画をパロったジャケットも大変宜しかったし、何より題名『ファーザー

ズ・アンド・サンズ』が決定的だったですね。バタフィルドたちの狙いは見事に当た

りました。そのカモのひとりがわたしです。確か一昨年に亡くなった妹尾龍一

郎も、このLP2枚組を聞いてハモニカを吹き始めたと言っていました。嬉しかっ

たね。

「父の日」にちなんで今年はこの名盤を、と考えていました。しかし、6月

の第3日曜日は、明日ではなく来週だったのです。お粗末。

 

M08.Forty Days And Forty Nights(3’05”)Father Muddy Waters and Sons

-B.Ross-   Chess / MCA CHD-92522

 

M09.Sigi Gno Gonya(8’05”)Ballake Sissoko & BabaSissoko

Federation / homerecords.be  HR4446209

 

N  「40日と40夜」、マディ・ヲーターズとその義理の息子達でした。マディが元気一

杯なのには、聞いていてつい顔がほころんでしまいます。唯一の来日時に、

貫禄は感じられましたけれど、もう少し元気でいて欲しかったと願ったのは、

わたしだけではないでしょう。

続いてお届けしたコラとアフリカン・ドラムの演奏は、バラケ・シソコとババ・シソコの最新

盤『シソコ・アンド・シソコ』から「シジ・グノ・ゴニャ」。ブルーズ的なモチーフを繰り返して

その上に自由度の高い即興霊感演奏が拡がります。演奏している場所の空気

感が左右のスピーカの間に見えるように漂うのがなんとも素敵です。気分が変わ

りますよ。

似たようなブルーズ的なモチーフはこちらでも聞けました。ロビ・トラオレ、と発音す

るのかなあ、ギターを弾いて、私たちにも馴染みのあるブルーズ的なパタンを繰り

返します。彼は西アフリカ、マリの音楽家。エレキを弾く事が多かったですね。この溜

め込んだようなビート感は唯一のものでしょう。

曲名は「ア・ラメン」、と読んでいいのかな・・・。

 

M10.A Lamen(2’21”)Lobi Traore

Glitterhouse Records  GRCD 7111

 

M11.Higher Ground(3’43”)Stevie Wonder

-S. Wonder-  ビクター  BVCM-5007

 

N  続けましたのは、非常に酷似したリフレインで構成されたスティーヴィー・ワンダーの「ハ

イヤー・グラウンド」、絶頂期にあった1973年のLP『イナー・ヴィジョンズ』からです。

「ヘルプ・ミー」や「グリーン・オニオンズ」でも聞かれる、黒人ダンス物によく出てくる

パタン、ブルー・ノートを使用した相手に有無を言わせない強引な平行移動フレイズで

す。

さてスティーヴィーのLP『イナー・ヴィジョンズ』と言えばこの曲が忘れられません。

「リヴィン・フォー・ザ・シティ」です。そのカヴァ演奏を、発売直後に大阪アメリカ村のタワ

ー・レコーズの店内演奏で耳にして大いに気に入り、その場で購入しました。そ

の興奮が家では得られなかったのも事実ですが、充実した内容を持つ好盤と

して、今も時折聞いています。カーク・ウェイラムのサクスフォンでどうぞ。

「リヴィン・フォー・ザ・シティ」。

 

M12.Livin’ For The City(4’33”)Kirk Whalum

-S. Wonder-  Columbia  CK 64364

 

M13.ChaChaCha(3’06”)Brazzos Et O.K.Jazz

-unknown-  Soul Jazz Records  SJR CD437

 

N  「リヴィン・フォー・ザ・シティ」カーク・ウェイラムでした。そして「チャチャチャ」、演奏してい

るのはブラゾズ・エ・オウケイ・ジャズです。『コンゴー・リヴォルシオン』という編集アルバム

からで「リヴォルーショナリイ・アンドエヴォルーショナリイ・サウンズ・フロム・トゥー・コンゴーズ 1955-62」

という副題が付いていて、ベルギーとフランスふたつの国に領土を分けられていた

時代のダンス音楽を集めた盤です。立派な冊子も付いています。このコンゴーとい

う国はフランコという音楽の天才を輩出していまして、彼が組織していたオウケイ・

ジャズという集団がふたつのコンゴーの音楽に大きな影響を与えていました。こ

こに収められている演奏家集団のほぼ全てがオウケイ・ジャズに何らかの関連を持

っています。このアルバムはその時代のシングル曲、SP盤でしょうか、を集めた物

です。音質は頗る良好です。

お聞きのようにクーバ音楽の影響が強いのは、第二次大戦後のアフリカ独立国家

がその範をカリブ海の社会主義国クーバに倣った事による、副作用的効果です。

ですからカリブ海ダンスの基本パタン「チャチャチャ」が取り入れられている訳ですね。「マ

ムボ」なんて掛け声も聞こえました。

次も綴りこそ違え、同じ「チャチャチャ」です。

 

M14.Tcha Tcha De Mi Amour(3’09”)Brazzos Et O.K.Jazz

-unknown-  Soul Jazz Records  SJR CD437

 

N  前と同じグループ、ブラゾズ・エ・オウケイ・ジャズで「チャチャ・デ・ミ・アモール」でした。

これは「チャチャチャ」の二番煎じ曲でしょうか。何れにせよクーバから持ち込まれ

たリズムですね。エレキ・ギター主体の演奏が、ピアノを土台とする本家クーバとは違う

ところです。もちろん夜の飲食店やクラブで演奏されていたのでしょうが、響

きはあまり水商売的ではありません。

次も明るい太陽を連想させる楽しそうな演奏です。

エドゥとオウケイ・ジャズで「ソイ・サゲ・アモール」。

 

M15.Soi Sage Amour(3’07”)Edo Et O.K. Jazz

-unknown-  Soul Jazz Records  SJR CD437

 

M16.Les Voyeurs(2’39”) Rock-A-Mambo

-unknown-  Soul Jazz Records  SJR CD437

 

N  コーラス・ハーモニーが何とも楽しげな「ソイ・サゲ・アモール」。エドゥとオウケイ・ジャズでした。

そして、これも明るい器楽曲「レ・ヴォイヤーズ」、ロッカ・マムボというグループです。

管楽器の合わせ方がとても洗練されていました。これは独自の発案でしょう

か。同年代の北米ジャズにもなかなか見出せない響きです。粋でした。

さて先週大量のシングル盤がわたしの元にやって来ました。その昔に新宿のfm

局で一緒に働いていた人が「貰ってくれ」と送って来たのです。あらかじめ

話はついていたので全部目を通してから、シングル盤収集をしている友人のとこ

ろへ運び込みました。先方は歓迎してくれまして、無駄にならずに済んで良

かった。もちろんわたしも何枚か抜きましたが、興味を持った物の全てでは

ありません。何せわたしは収集家ではありませんで、既に管理しきれなくな

っております。

その抜いた1枚、これはLPの宣伝用に特別に作られた見本盤ですね。担当

者の熱心な解説が付いていました。今朝はそちらをお届けしましょう。

誰かお分かりでしょうか。

 

M17.おきなサイ(3’58”)山内テツ

-T.Yamauchi-  シーソー / キャニオン  WF-9002

 

N   お分かりになった方はおそらくいないでしょう。元明治大学フォーク・ソング同

好会員、その後ミッキー・カーチスとサムライ、ロド・スチュアートのいたフェイシズでベイスを担当し

た山内テツの「おきなサイ」です。フェイシズの解散に伴って帰国して作ったソロ・アルバ

ム『ききょう』の冒頭に収められていた1曲です。わたしは発売当時にラジオで

聞いた覚えがありますが、大向こうには全く理解されなかったのではないで

しょうか。あまりに本人がリラクスしすぎているような気は、当時わたしも感じ

ました。その頃の日本ではもっとハード・ロック的な要素が求められていましたか

らね。でもこのリラクス感は欧米ロックの最先端にあったのです。テツは当時世界最高

峰でロックを演奏していた男です。ですから日本の音楽界、いや歩みだしたばか

りのロックの世界との時差はどうしようもなかったのでしょう。

今ならわたしも、ゆっくりと聞けます。唄があまりにも弱々しい、とかの

指摘は出来ますが、この歌は力強かったら成立しません。ロック音楽の幅広さが

理解されない「夜明け前」の悲劇というには大袈裟かな。テツはこの後英国人

をリード・ヴォーカルに据えてグド・タイム・ロール・バンドを結成しましたが、こちら

の結果もパっとしませんでした。山内テツの「おきなサイ」、ソロ・アルバム『ききょ

う』からでした。

さて、パコ・デ・ルシアの連続聞き、ここまで何の反応もいただけておりませ

んが、あと4枚のLPをお付合い下さい。今朝は個人でなくて六人編成の名義

です。先週お届けした『ソロ・クイエロ・カミナー』の吹き込みに参加したメムバがほと

んどそのままパコ・デ・ルシア・セクステットとなって、世界巡業をしたのでしょう。

これは1984年5月にフランスで実況録音されています。スペインはフランスと国境を

接していまして、非常に近い関係にあります。多分客席にはスペイン系の人たち

も多かったのではないでしょうか。何度か大きな声がかかります。全体の編

集も前の実況盤より自然で上出来。タイトルは『ライヴ・・・ワン・サマ・ナイト』と

英語で来ました。

では最後に収められている「ジタノス・アン・ダルーセス」をどうぞ。六人の火の出

るような楽器演奏の応酬がたまりません。

 

M18.Gitanos An Daluces(5’27”)Paco De Lucia Sextet   

-P.D.Lucia-  Philips / Universal 06007 5379798 (set 06007 5379796)

 

TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  パコ・デ・ルシア六重奏団の演奏、いかがでしたか。ベイスの音色が何ともフュージ

ョン的なので、わたしとしては今ひとつ馴染めない部分もありましたが、この

音色は、このような民族楽器アンサムブルの為にあったのか、と思い知らされまし

た。更には、この位ならば世界を回っても娯楽音楽として親しまれる気がし

ます。パコひとりだけの演奏では、やはり個人の崇高な心根や姿勢が、取り付

き難い雰囲気を出し過ぎていたようにも思えます。

民族の音楽に限らず、文学や絵画、彫刻を含む広範囲な芸事が人に知られ

支持されて行く過程では様々な相互作用が起こります。その結果、最初に漂

わせていた本質が変わってしまう事例も珍しくはありません。パコの10枚の

アルバムを聞いていると、大衆性と真髄の駆け引きが感じられて、なかなかに面

白い。わたしは決してゴリガンなオリヂナル信奉者ではありませんので、お間違い

なきように願います。

さて芸能の変容について続けます。それが最初から「世界」という広い範

囲を対象として見えている人間の場合は、ちょっと違うんです。いま続々と

生まれているアフリカの音楽には、そういった非常に意識された世界感覚と極め

て狭い社会で継承されて来た共有感覚が混在していて、興味深く感じていま

す。あなたは如何でしょうか。

さて今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

https://firestorage.jp/download/c43542e7acc55a93b921e80d223552148a62cf93

ダウンロード・パスワードは、7ww016fbです。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。

そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。

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→ https://8.gigafile.nu/0712-dbe92e3c8a6e443b1d35a63455ac15ead

    • 山奥定額給付金いつ
    • 2020 6/13 3:53am

    何とか辿りつけてます。お久しぶり。

    • ペタシ66
    • 2020 6/13 10:56pm

    今週も更新有難うございます。
    恥ずかしながら私「起きなサイ」は、その昔へたくそバンドでコピーした思い出があります、、(汗)
    なのでどちらかと言うと「ききょう」よりも「The Good Times Roll Band – Live」で桑名晴子が歌っていたものの方が馴染みがありまして本日久々に聞き返してしまいました。
    鷲巣さんが今回大量のシングル盤からあえて抜き取った他の物が何なのか興味深いです。この先聴けるのでしょうか?

    • 日曜日のグリ子
    • 2020 6/14 6:10pm

    「おきなサイ」
    兄が友人から借りてきたレコードで好きになった一枚。
    ききょうの一曲目。
    カセットテープにタビングして繰り返し聞いてました。,
    気を抜いてリラックスしている感じが今も好き。

    昨日スーパーで安く売ってた牛スジを煮込みながら
    ブルーチーズをクラッカーと一緒に冷やした白ワイン。
    もう1度サムクック。

    鷲巣さん澤田さん 今週もありがとう。

    • フェスロンゲ
    • 2020 6/19 9:01pm

     O  )) JAZZ (( K

     オーケイジャズもロッカマンボも日本のこれからの季節にあいますね。
     キャッチポールさん推薦の東京JAZZ喫茶廻りは再開できそうですが、
     人に心配や迷惑がかからないように少しづつ。
     少しづつ。

     明日の放送楽しみにしてます。

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