【幻】モーニン・ブルーズ 2020/01/25
- 2020 1/25
- 投稿者 : 大家
mb200125
前TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band
-R.Johnson- Rhino 8122 798434 0
N おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年1月25日
を始めましょう。
今週深夜に、路上で転びましてね。朝起きたら左肘から血が流れていて、
体の左側全体が非常に痛い。こういう時は集中力が持続出来なくなるんです
ね。何をしてもダメで1日を棒に振りました。確か昨年も年明け早々に倒れて
歯を縁石にぶつけた事がありました。同じような事を繰り返してますね。お
恥ずかしい。幸い今回は医者にかかる事もなく済みました。まだ痛いですけ
れども。皆さんもどうぞお気を付け下さい。
さあ、まず1曲目です。クーバのソネス・デ・オリエンテの新譜から表題曲です。
「ソンを奪われるな」。
M01.Sonを奪われるな(5’04”)Sones De Oriente
-W.Cobas- DMV Japan DMV-005
N ソネス・デ・オリエンテで「ソンを奪われるな」でした。「クーバ人たちよ、神の恵みで
もある大切な歌をしっかりと守ってくれよ」と、ハーモニーを取らずに大勢がユニソー
ンで唄うスタイルが印象的ですね。どこか微笑ましい。コーラスというよりも掛け声の
ようです。
この盤、実は昨年末に手に入れていたのですが、デジパック風の盤留めがち
ょっと珍しい形で、普通に外そうとしたらCDが割れてしまいました。
CDケースには既にいろいろな形のものが出回っているのはご存知の通りです
が、この盤留めの部分が特許になっているんだそうです。だからここが微妙
に違う。留め方、外し方にもそれぞれに合わせたコツが必要、という訳です。
それを普段のつもりでやろうとしたので、盤が割れてしまったのです。以前
にも同じような事が確かありました。
レコード盤の塩化ビニールに比べると信号が記録されたフィルム・シートを守っている
CD外皮のポリカーボネイトは意外ともろく、ちょっとした力で割れてしまいます。
そうすると現状復帰は不可能で、プレイヤでも読み取れません。
今回のは明らかにわたしの取り扱いが悪かったので、不良返品は出来ませ
ん。それで今年になって新しく買って来たのです。初回に試聴機でほんの少
し聞いただけだったので、全編を通したのは今週の事でした。
これは国内盤でして、不完全ではありますが、短い解説も付いています。
総勢7人。中面の写真を見ますとベイス、ギターがふたり、そしてフルート、後の3
人はパカッションです。この新譜は「結成80周年のメモリアル盤」という事です。現在
は当然オリジナル・メムバではないでしょうが、グループは1940年に組まれて、それ
から80年間、屋号を守って来たのですね。
お聞きのように最近の録音技術はあまり使われておらず、ひょっとしたら
全員で同時に演奏して、それを録音したのかもしれません。最近あまり耳に
する機会のないフルートの音が妙に新鮮です。
では結成80年のソネス・デ・オリエンテでもう1曲。
ボレーロをどうぞ、「フィナーレ」。
M02.フィナーレ(3’41”)Sones De Oriente
-Y.C.Almenares- DMV Japan DMV-005
M03.Willin’(3’38”)Greg Allman
-L.George- Rounder 1166100054
N ソネス・デ・オリエンテの「フィナーレ」に続けまして、「ウィリン」でした。リトル・フィートで有
名ですね。ロウウェル・ジョージが書いたナムバです。演奏者名義はグレグ・オールマン。遺
作となったアルバム『サザーン・ブラッド』からお届けしました。この作品、発表さ
れてから2年経ちますが、わたしは知りませんでした。レコード屋の店頭で見つ
けて、びっくりしたほどです。ましてドン・ヲズが制作担当だったのにもあっ
と驚きました。公園のような屋外の写真を使った地味な仕上げですから、意
外と気づく人は少ないかもしれません。付属の冊子にはグレッグの姿がありま
すが、とても老けて見えます。彼が2017年5月27日に亡くなった時はまだ
69歳ですから、まだ「若い」と言って良い位でしたが、白髪が長く、髭も仙
人のように伸びていますから、とても60代とは思えない出で立ちです。広い
ステューディオの中でオーヴァ・ダビングでしょうか、ひとりでハモンド・オルガンを引い
ている姿には、どこかしら痛ましさすら覚えます。でもお聞きのように内容
はそんな弱々しいものではありません。タイトル通り「南部の血脈」を感じさせ
てくれます。
少々意外ではありますが、ジャクスン・ブラウンが1曲自作に参加しています。
「ソング・フォー・アダム」。
M04.Song For Adam(6’25”)Greg Allman feat. Jackson Browne
-J.Browne- Rounder 1166100054
M05.I Love The Life I Live(3’34”)Greg Allman
(I Live The Life) -W.Dixon- Rounder 1166100054
N ドン・ヲズ制作、グレグ・オールマンの遺作『サザーン・ブラッド』からジャクスン・ブラウン
が唄っていた「ソング・フォー・アダム」に続けましては「アイ・ラーヴ・ザ・ライフ・アイ・
リヴ」でした。
「胸いっぱいの愛を」で深く傷ついたシカゴの大物ウイリー・ディクスンの、自伝の題
名にもなった歌のカヴァです。ブルーズの本質をしっかりと押さえながら、どこ
か愛嬌のある、ディクスンらしい作品ですね。グレグは過去を振り返ってこの歌を
吹き込んだのでしょうか。ちょっと考えてしまいました。
さて以前お届けしたミシシッピのジューク・ジョイント経営者、兼専属実演家のジミー・
ダック・ホームズもディクスンの歌を吹き込んでいます。
ご存知「リル・レド・ルースター」。
M06.Little Red Rooster(3’22”)Jimmy “Duck” Holmes
-W.Dixon- East Eye Sound EES-011
M07.ヤスジのオラオラ節(4’46”)谷岡ヤスジ
-H.Asai,M.Nozawa, K.Suzuki- Pヴァイン PCD-1525
N 突然の「アサー」は「ヤスジのオラオラ節」パートI & II、歌は谷岡ヤスジ本人です。何
とも言えない唄です。決して上手いとは言えませんが、あの漫画そのままの
雰囲気です。オネーサン方も大健闘でして、この録音は傑作ですね。
この「ヤスジのオラオラ節」をお聞きいただいたのには訳があります。日活映画
の活劇大スター宍戸錠が18日に亡くなっていまして、生前の様々な姿や逸話が
報道されました。そしてそこでは決して表面化しなかった出演作品に「谷岡
ヤスジのメッタメタ ガキ道講座」というのがあって、なんと「エースのジョー」が「ムジ鳥」
役で出ていたのです。ポスターにもちゃんと頭に日の丸を立てた錠が載ってます。
一体どんな演技をしていたのでしょうか。これを探し出してくれたのは投稿
常連の「ムジ『火の』鳥さん」でした。流石です。多謝。
出演者一覧を見ますと、相当豪華な顔ぶれがズラリ。また役名が馬鹿馬鹿し
くてね、それだけで笑えます。詳しく知りたかったら、笑いたかったら、
さて「エースのジョー」は日活時代に歌も唄っていました。
お聞き下さい、「ジョーの子守唄 パートI & II」です。
M08.ジョーの子守唄(3’07”)宍戸 錠
-J.Takida, T.Kosugi- テイチク TECS-10561/5
N これは1961年野村博志監督の「赤い荒野」という和製西部劇の挿入歌です。
わたしは観ていませんが、島根の牧場を地元の乳製品会社が乗っ取ろうとす
る事件が物語で、旅から帰った「エースのジョー」がその謀略を暴いて怒り炸裂、
となってます。最後はコルト45の撃ち合いになるのでしょうか。歌詞に「ミルク」
が出てくるのも頷けますね。それにしても、この設定・・・。
ちょうど先週『日活100年101映画〜娯楽映画の黄金時代〜』という5枚
組を新品特価で手に入れたばかりなので、しばらくはこの中から、これまで
知らなかったいくつかの録音を聞いて行きましょう。
M09.寒い朝(2’01”)吉永小百合 浜田光夫
-T.Saeki, T.Yoshida- テイチク TECS-10561/5
N こちらは1963年の「いつでも夢を」からです。「寒い朝」は吉永小百合の
デビュー曲で、マヒナスターズと唄った仕様が一般的ですが、ここでは映画の中から
浜田光夫とのデューオでお聞き頂きました。
さて、先ほど「和製西部劇」という恐ろしい領域にびっくりした貴方、日
活にはもっと衝撃的な作品がありました。
これです、「OK牧場の物語」、平尾昌章が唄います。
M10.OK牧場の物語(3’56”)平尾昌章
-unknown- テイチク TECS-10561/5
N 「OK牧場の物語」、平尾昌章でした。これは1960年の西河克己監督作品。
保安官ワイアット・アープの子孫が日本に住んでいる恩人に現金10万ドルを届けに来
て、そこでのひと騒動を描いた物。「変な外人」E.H.エリックがワイアット・アープの宿
敵の孫だったり、OKならぬ「大川牧場」だとか、ほとんど冗談です。原題は
「俺の故郷は大西部」で主演の和田浩治が唄っていました。今の「OK牧場の
物語」はおそらくデッチ上げのウエスターン挿入歌なのでしょう。「作者不詳」なのも
分かりますね。いや、恐るべし日本映画です。いつもこちらのお願いに、投
稿欄で「OK牧場」と答えてくれるロンゲさん、ガッツ石松より凄い存在がありま
したよ。
さて日活のスターと言えばユージローとアキラ。その小林旭には「現」生放送以来、
わたしもちょっと取り憑かれています。これまでそんなにいいとは思わなか
ったんだけどなあ。この『日活100年101映画〜娯楽映画の黄金時代〜』に
もアキラの歌がたくさん入っています。それも全てサントラ仕様ですから、全てかな
り貴重な吹き込みでしょう。
今朝は「流れ者」シリーズで唄われて彼の代表曲ともなった、
「さすらい」をお聞き下さい。
M11.さすらい(2’42”)小林旭
-S.Nishizawa, K.Ueuchi- テイチク TECS-10561/5
N 「さすらい」小林旭でした。後半で曲調が変わって行くのは、映画の冒頭で
まずこの主題歌が流れ、本編へ入って場面転換につながって行くからでしょ
う。
さて『日活100年101映画〜娯楽映画の黄金時代〜』と同じ時期に手に入
れた大瀧詠一監修『アキラ1』でも小林旭は全開です。特に初期のノヴェルティ歌謡曲
は、どれも驚くほどの内実で21世紀の庶民に迫ります。
まずは「オチ」が効いている「アキラのまっくろけ節」をどうぞ。
M12.アキラのまっくろけ節(3’37”)小林旭
-S.Nishizawa, S.Komabayashi- コロムビア COCP-31757
N そして、決定的なこれです、「ズンドコ節」。
M13.ズンドコ節(3’18)小林旭
-S.Nishizawa, M.Endoh- コロムビア COCP-31757
N 「アキラのまっくろけ節」、「ズンドコ節」でした。氷川きよしなんてのは足元に
も及びませんね。いや素晴らしい。
しかし、わたしがこれまでイメヂしていた「ズンドコ節」は、やはり何と言っ
てもこの人たちのこれでした。
M14.ドリフのズンドコ節(3’03”)ザ・ドリフターズ
-unknown- 東芝TOCT-6352
N テレビ番組「8時だよ、全員集合」で圧倒的な人気を持っていたザ・ドリフターズ
の「ズンドコ節」です。わたしはアキラの原曲を知らなかったので、こちらのテムポ
ーとアレンヂが正規のものとばかり思っていました。それを考えると、ドリフ版は
非常に独創性がありますね。演出もいい。
さて60年代も後期となりますと、世界中で新しい文化状況が生まれて出て
来ます。この国の音楽ではやはりエレキ・ギターの普及が新時代を切り拓きました。
ザ・ヴェンチュアズ作曲の主題歌を持つ映画もありました。
和泉雅子と山内賢です、「二人の銀座」。
M15.二人の銀座(1’03”)和泉雅子、山内賢、ヤング・アンド・フレッシュ
-B.Blgle, N.F.Edwards,M.Tayler, D.Wilson、R.Ei- テイチク TECS-10561/5
M16.二人の銀座(1’14”)ヤング・アンド・フレッシュ
-B.Blgle, N.F.Edwards,M.Tayler, D.Wilson、R.Ei- テイチク TECS-10561/5
N 「二人の銀座」和泉雅子と山内賢、そして同じ歌の器楽仕様でした。クレジッ
トされているヤング・アンド・フレッシュというのは実体が分かりません。固定メムバが
いたかどうかも怪しいですね。「ひょうたん島」の前川陽子も参加していた匿
名的女声ヴォーカル・グループに「ヤング・フレッシュ」というのがありましたが、それと
は関係がなさそうです。
さて、次は九ちゃん、坂本九です。これは「上を向いて歩こう」を唄う1
年前、ダニー飯田とパラダイス・キングをやめた直後でしょうか。同時代の唄い手と
同じく九ちゃんもエルヴィス・プレズリの影響を強く受けていて、いつだったかな、
唄い出しだけやってみせた「ワン・ナイト」には、子供ワツシイサヲもドキッと来ました。
では「スキヤキ」前の坂本ヒサシです。
「九ちゃんのロカビリー」。
M17.九ちゃんのロカビリー(1’58”)坂本九
-unknown- テイチク TECS-10561/5
M18.Crazy Drums(2’51”)ハナ肇とクレイジー・キャッツ
-unknown- テイチク TECS-10561/5
N 「九ちゃんのロカビリー」に続いては、「クレイジー・ドラムズ」。これはクレイジー・キャッ
ツが実際に演奏している録音だそうです。貴重ですが、どこか頼りない。スイン
グ・ジャーナルの人気投票で上位に着けていた谷啓のトロムボーンは割と冴えています。
さてこのように音楽的にも多くの財産を持っていた日活です。この5枚組
には詳しい解説がありまして、それを読むのも大変に楽しい。あっという間
に時間が過ぎていきます。もちろん全てではありませんが、大抵の映画は収
録されて居る筈です。聞いて読んで、本編をたくさん観たくなったなあ、と
ても。殆ど観てませんからね、わたしは。
さて宍戸錠の訃報から綴って参りました日活映画音楽集、最後は「エースのジ
ョー」ならぬ「キラー・ジョー」で締めましょう。マンハタン・トランスファーです。
M19.ザッツ・キラー・ジョー(5’03”)マンハッタン・トランスファー
-J.Hendricks, M.Golson- ワーナー 32XD-360
M20.Arabesque(5’38”)Coldplay
-Berryman,Buckland,Champion,Martin- Parlophone no number
M21.Come Together(5’20”)Manou Gallo
Manou Gallo feat.Bootsy Collins, Azia Love, Chuck D.& Jessi Jumanji
-M.Gallo- Contre Jour cj033
後TM Born In Chicago 「アサー入り / Paul Butterfield Blues Band
-N.Gravenites- Rhino 8122 798434 0
N 最後はコールドプレイの「アラベスク」、そして初登場、アフリカ女5弦ベイス奏者マヌ・ギ
ャロの最新作『アフロ・グルーヴ・クイーン』から「カム・トゥゲザー」、これにはウイリアム・ブー
ツィ・コリンズ、エイジア・ラーヴ、チャック・ディー、ジェシ・ジューマンジも加わっての吹き込
みです。
冒頭でお伝えした痛みはだいぶ和らいで来ました。それにしても酷い目に
あったもんだ。皆さま、夜の闇にはくれぐれもお気をつけ下さいね。
明日の「アサー」は4時半からトキヨウエフエムでお会い出来ます。お楽しみに。
今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。落とせなかったら言ってね。
https://firestorage.jp/download/318dc30dbbaf91742e4446ebe9690cd8608c792e
ダウンロード・パスワードは、g2ek16czです。
今朝もちょうど時間となりました。
こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/
「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。
そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。
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