【幻】モーニン・ブルーズ 2020/11/28
- 2020 11/28
- 投稿者 : 大家
mb201128
前TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band
-R.Johnson- Rhino 8122 798434 0
N おはようございます、ワツシイサヲです。「幻」モーニン・ブルーズ2020年11月28日
を始めましょう。
先週は済みませんでした。大事な生放送のお知らせを忘れてしまいました。
大家の澤田修が後方支援で告知を追加してくれて助かりました。次の生放送
は、2020年12 月19日の朝3時、あるいは2時30分頃からです。もう時間
がないね。準備に入らなくちゃ。
急に夏日を記録したりと不安定だった気候も例年並みになって来ました。
わたしはまだ暖房機を使っていません。正直言うと寒い。仕事をする部屋は、
これまで何回もお話しているように自信を持って「都内23区最低温度」を
誇れる場所です。計測はしておりませんが。この時期になると指先がかじか
んでしまってね。それをこすって暖めます。さあ、来週はストーブ着火式だ。
今朝も音楽でわたし自身を、そして皆様方を暖めます。まずこれです。
M01.あれなんやったかな(4’40”)玉手箱
-unknown- BSMF TMTY-002
N 玉手箱で「あれなんやったかな」でした。「忘れて、忘れて、困っちゃう」
と言う言葉が印象的です。この「・・・ちゃった」「・・・ちゃう」と言う完
了形の用法が、関西の、特に大阪人には「東京言葉」として引っかかるらし
く、以前は関東者をからかう時に、「ボク、それ忘れちゃってさあ・・・」的
によく使われていました。昨今では大阪の人たちもこの「ちゃった」を割と
自然に使うようになってますね。
今まで全く知らなかった大阪のグループ「玉手箱」、ファンクやブルーズを咀嚼した
オリヂナル曲でアルバムを発表しています。けっこう深刻な歌も入ってますが、この
「あれなんやったかな」は別格的な面白さです。キャミーオの大ヒット曲「ワード・アップ」
を土台に老人性認知症、老年痴呆、いわゆるボケを主題に面白く聞かせてくれ
ました。
最後の会話部分を聞いていると、わたしの知り合いの大阪人の顔が浮かん
で来ます。声もよく似てる。これは懐かしいやら迷惑やら、フクザツですね。そ
れとは別に、この「あれなんやったかな」全体を聞いていて思い出した歌が
ありました。
M02.むかでの錦三(4’36”)上田正樹とサウス・トゥ・サウス
-M.Ueda- 徳間 / バーボン TKCA-73244
N 上田正樹とサウス・トゥ・サウスの実況録音アルバム『この熱い魂を伝えたいんや』
から、「むかでの錦三」でした。こちらは大人のエログロ漫画週刊誌の連載の登
場人物を主人公にした創作です。発表は1975年。この頃わたしはこのグループ
に夢中で、東京に来る度にいつも観に行っていました。遠く埼玉県の山奥の
城西大学の学祭を観に行った事もあります。最初は本郷東京大学の五月祭だ
ったかな。ぶっ飛びました。みんな上手だった。最後の「お前を離さない」
は当然ですが、ルーファス・トーマスのカヴァが新鮮で、「カッコ良いなあ」と痺れっぱなし
でした。
今回の玉手箱をきっかけに思い出して、調べたらその後に何種類かわたし
が知らなかった録音作品がありました。
M03.バッドジャンキー ブルース(4’30”)上田正樹とサウス・トゥ・サウス
-H.Sato- DIW / Fuji FJSP371
N 「バッド・ジャンキー・ブルーズ」、上田正樹とサウス・トゥ・サウスでした。この頃の上田
正樹の実演は、相棒の有山淳司との生セット、そしてサウスとの電気セットの2段構え
で、ふたつの距離がちょっと離れてはいたものの、今になって考えるとわた
したちの日常生活もここに反映されていたように思えます。とにかく1975年
の最新型として、非常に充実した実演でした。
今の「バッド・ジャンキー・ブルーズ」1974年夏の郡山ワンステップ・フェスティヴァルでの
収録ですね。わたしが出会う以前すでに全国的に知られていた証しです。こ
の「郡山ワンステップ・フェスティヴァル」、1年ほど前に関連した新聞記事を読んだ記憶
がありますが、今ではすっかり、全く、跡形もなく、忘れられています。郡
山出身の年下の音楽好きがこの催しについて何も知らなかったのは、大きな
驚きでした。
それから約50年経った現在は。映像も含めて沢山の記録に接する事が出来
るようになっているようでして、これも数枚の連作の中からの1枚です。た
だ新しくこの音楽会を知った若い人たちがどのくらいいるでしょうか。キー坊
こと上田正樹たちもサウス・トゥ・サウスを名乗ってはいますが、後の不動メムバとは
若干構成員が異なっているようです。
M04.メムバ紹介(3’10”)上田正樹とサウス・トゥ・サウス
-unknown- DIW / Fuji FJSP371
M05.あこがれの北新地(2’57”)上田正樹と有山淳司
-M.Ueda 徳間 / バーボン TKCA-73243
N 1974年の郡山ワンステップ・フェスティヴァルでの上田正樹とサウス・トゥ・サウスのメムバ紹介
に続いては、翌75年に発表された「上田正樹と有山淳司」名義のアルバム『ぼ
ちぼちいこか』から「あこがれの北新地」です。この作品も完成度の高い素
晴らしい出来で、わたしはずっと聞き続けました。ですから今回久しぶりに
聞いたら、収録されている全曲を殆ど口ずさむ事が出来たのには自分でもび
っくりでした。
大阪に暮らす庶民の姿が写実的に、どうしようも無く深い愛情で語られて
います。いまでも聞き返す価値が充分にあります。みんなにも聞いて欲しい
ですね。
そこからもう1曲、
「俺の借金全部でなんぼや」。
M06.俺の借金全部でなんぼや(2’20”)上田正樹と有山淳司
-K.Mikami, M.Ueda, J.Ariyama- 徳間 / バーボン TKCA-73243
N 「俺の借金全部でなんぼや」、上田正樹と有山淳司でした。玉手箱の「あれ
なんやったかな」をきっかけに聞き直した上田正樹とサウス・トゥ・サウス、わたし
にも今、いろいろと考えさせてくれました。上田正樹本人とは袖をすり合わ
せた程度の接触しかなく、その他ではあまり愉快でない出来事が関わってい
ましてすっきりとしない思いもありますけれど、彼がわたしの人生を決定づ
けた重要な歌唄い、音楽家、である事はこれからもずっと変わり得ないでし
ょう。
その上田正樹とサウス・トゥ・サウス、彼らはまだひとりもかける事なく全員が音
楽に関わっているようです。衛星放送番組のために1991年に再集結していた
んですね、全く知らなかった。それもCDになっていました。ここでも不動
のメムバで、あの頃のリパトゥワに力いっぱいで取り組んでいます。その姿には圧
倒されます。ただこの録音作品制作には雑用係がいなかったようで、録音周
辺詳細が分かりません。そこのところがとても残念でした。
では上田正樹とサウス・トゥ・サウス『サウス・トゥ・サウス ‘91ライブ シンパイスナ、アンシンスナ』
からこれです。
「大阪へ出てきてから」。口ずさみながら聞いていると、涙が出てきます。
M07.大阪へ出て来てから(7’00”)サウス・トゥ・サウス
-M.Ueda- Amazon Records AZRC 1006/7
M08.Long Ago And Far Away(2’22”)James Taylor
-J.Taylor- Warner Bros. 7599-27252-2
N ジェイムズ・テイラーの「遠い昔」、1971年のLP『マッド・スライド・スリム アンド・ブルー・
ホライズン』からです。この間ある場所で、ジェイムズのこの歌の実演を観せて貰い
ました。初めてです。良かったなあ。まだ相当に若い頃でしょう。オリヂナル録
音は僅か2分ちょっとの短い歌ですが、とても素晴らしい。少々幻想的なの
は、ジェイムズの神経症がまだ完治してなかった頃の歌だからでしょうか。
ただしわたしがこの歌に出会ったのは、こちらの仕様でした。
M09.遠い昔(5’38”)アール・クルー
-J.Taylor- 東芝 TOCJ-6733
N アール・クルーのLP『フィンガー・ペインティングズ』から「遠い昔」でした。優しい音色
が心に残ります。制作はデイヴ・グルーシン、1977年の作品です。イントロのリフがい
いですね。わたしはこの演奏でこの歌を知って、それからジェイムズのオリヂナルに
遡ったのです。みんながJ.T.の事を騒ぎ始めた頃、わたしは何にも知らなか
ったのですよ。嗚呼、恥ずかしい。
さて某所にて観た実演映像、それはユーチューブに揚がっていた映像でして、家
に帰ってからもう一度観ました。するとその時気づかなかった、ピアノ伴奏者
がいました。この人でした。
M10.ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トマロウ(4’12”)キャロル・キング
-C.King, J.Goffin- ソニー EICP 842 When The Sun….
N はい、何の説明の必要もありませんね、キャロル・キングです。この初めて観た画
はどこなのかは分かりませんが、それほど広い会場ではないところでしたね。
ホットパンツで「ロコモーション」のゴーゴーを踊る彼女じゃなくて、『つづれ織り』のキャロル
がグランド・ピアノで伴奏とコーラスをつけている素晴らしい映像でした。皆さんも
探してみて下さい。今の「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥマロウ」ではとても息のあった
バックグラウンド・ヴォーカルをJ.T.がつけていましたけど、このふたり、近年では割
と疎遠のようですね。何年か前に行われた武道館でのJ.T.とキャロル・キングの公
演を観に行ったら、「アップ・オン・ザ・ルーフ」もJ.T.は当初キャロル・キングの作品だ
とは知らなかった、なんて漏らしていましたくらいです。
だいぶ遅れての出会ったJ.T.でしたが、わたしは 彼の採り上げるカヴァ・
ソングが特に好きでした。そのきっかけはこの歌かな・・・。
M11. ハウ・スウィート・イット・イズ(3’10”)マーヴィン・ゲイ
-E.Holland, L.Dozier, B.Holland- ユニバーサルUICY-94041
M12.How Sweet It Is(3’33”)James Taylor
E.Holland, L.Dozier, B.Holland- Warner Bros. 7599-27293-2
N マーヴィン・ゲイの圧倒的実況録音盤『ライヴ』から、「ハウ・スウィーティーズ」でした。
J.T.は1975年の『ゴリラ』で、当時の夫人カーリー・サイモンと一緒に唄っています。
邦題が「君の愛に包まれて」、これはなかなかの命名です。いいぞ、田中敏明。
確かわたしは最初カメちゃんのラジオ番組で聞いたんじゃなかったかな。
次もカメちゃんのラジオで聞きました。こちらははっきり覚えています。
「寂しい夜」。
M13. Don’t Let Me Be Lonley Tonight(2’39”)James Taylor
-J.Taylor- Warner Bros. 7599-27293-2
M14.Caroline In My Mind(4’00”)James Taylor
-J.Taylor- Warner Bros. 7599-27293-2
N J.T.、ジェイムズ・テイラーで「寂しい夜」、そして「思い出のキャロライナ」でした。こ
れはまだJ.T.が、ピーター・アッシャーと仕事をしていた頃の作品です。彼はビートルズ
のアップル・レコードからデビューしてます。この時にピーターとの関係が出来ていた
んですね。しかしアップルではあまり上手く行かず、アメリカに戻って世界的な大成
功を果たします。ピーター・アッシャーも一緒でした。こんな大魚を取り逃がすとは、
当時のアップルの担当者は何を聞いていたんでしょうか。わたしが役員ならクビ
にしてますね。
さて、先週お送りしたナッシュヴィルの歌書き、ウォード・デイヴィスの新譜に、今の
「思い出のキャロライナ」にとてもよく似た歌がありました。
こちらは「コロラド」です。
M15.Colorado(3’42”)ウォード・デイヴィス
-unknown- BSMF 6197
N 多分ウォード・デイヴィスの心の何処かに「思い出のキャロライナ」が引っ掛かっていた
んじゃないかとも思える「コロラド」でした。最新アルバム『黒猫と烏』からです。
さて先週は優れたヴォーカルを聞いて頂いたビリー・ストリングズ、今朝はその卓越
したギターをお届けします。慌ただしくて散漫な紹介になっていますけれど、
この人確かに上手い。ただわたしは基本的な感覚が70年代後期のものに聞こ
えるんです。サイケ的でもありますし、あの時代の混沌が好きみたい。見開きジ
ャケットの内側には録音中のスナップ写真が沢山ありまして、その雑然とした混乱の
度合いもほぼ70年代後期なんです。様々なケイブルの散らかり具合は今時珍し
いくらいです。モニターに使っているアムプなんて、練習ステューディオでアメイチュアが使っ
てるのとおんなじだし、演奏している場所も空いてるところに座ってる感じ
なんです。この散らかり方は凄いな。
ではサイケな感じの濃厚な1曲をどうぞ。
「ギター・ピース」。
M19.Guitar Peace(4’16”)Billy Strings
-Apostol- Rounder 116610038
N 余韻を持たせて突然終わる古いシンセサイザーの音、どう聞いても70年代の終わ
り的です。皆さんはどの様にお聞きでしょうか。
さて、ギル・スコットヘロンで「家庭は暖かく愛情の溢れた場所とは限らない」、を
2週間ほど前にお届けしました。如何にもギル・スコット的な皮肉、かつ真実であ
りますが、これをエスタ・フィリップスがカヴァしていたんですね。クドゥ時代のベスト盤
の最初に出てくる位ですから、かなりの成功作と言っていいでしょう。確か
にいい出来です。エスタがギル・スコットの思想を深く理解していたかどうかは別と
して、思い当たるところは少なからずあった筈です。1971年の録音です。
M20.Home Is Hatered Is(3’24”)Ester Phllips
-G.Scott-Heron- Epic / Legacy ZK 45483
M21.マイ・プレイヤー (3’35”) ディー・ディー・ブリッヂウォーター
-G.Boulanger, J.Kennedy, S.Berinstein- イーストウエスト AMCY-2857
N エスタ・フィリップスの「ホーム・イズ・ウェア・ザ・ヘイテド・イズ」の次は、もうひとりの
ディー・ディー 、ディー・ディー・ブリッヂヲーターの「マイ・プレイヤ」です。当時この作品
は一種の衝撃でしたね。古いスタンダード曲を、最新の編曲、演奏、そして素晴
らしい歌唱力で唄い上げる・・・、モノクロ、超アップの顔写真ジャケットと共に強い
印象を世の中に与えました。76年のデビュー・アルバムの冒頭曲です。わたしは深
夜のハード・ボイルドfmラジオ番組で初めて聞きました。そう、「トヨタ自動車がお送
りする『あいつ』」です。
でも久しぶりに聞いたら、ドナ・サマーが連想されて仕方なかった。この頃ミュン
ヘンから台頭してきたディスコの女王に対して「アタシだってその位できるわよ」と
いう対抗意識があったんでしょうか。ところでこの「マイ・プレイヤ」、このアルバム
の最初と最後に2種類の仕様が収められています。今のディスコ調のは1曲目、
最後はテムポーをぐっと落とし、「(バラッド)」という断り書きがある通り重量感
に溢れた仕上げで、再び同一曲を唄っています。コーダ部分の語りを混じえた
行りは、ドナ様にも出来ないのではないでしょうか。
お聞き下さい「マイ・プレイヤ(バラッド)」、ディー・ディー・ブリッヂヲーターです。
M22.My Prayer (5’39”)Dee Dee Bridgewater
-G.Boulanger, J.Kennedy, S.Berinstein- イーストウエスト AMCY-2857
後TM Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band
-N.Gravenites- Rhino 8122 798434 0
N 「伝説の『ベイシティブルーズ』を、私は岡山で1年間だけ聞いていました」
と、ポークパイさんからお便りを頂きました。5人目の重度聴取者登場です。 1
時間版への編集、そしてAM局からの放送、共に今わたしの記憶にはありま
せん。制作責任者として知らない筈ないんだけどね。知っていれば、岡山の
人たちにも呼びかけたのになあ・・・。ピーターに尋ねてみます。どうもありが
とうございます。
今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。
https://firestorage.jp/download/fc0aa6b029659e39d854665eaf3410cc97e64c54
ダウンロード・パスワードは、ryj6n2es
使用音楽素材図絵は、こちら。
https://firestorage.jp/download/999edbf58ebf931c4276df2fd49d97a731b669fd
ダウンロード・パスワードは、同じくryj6n2esです。
今朝もちょうど時間となりました。
こちらは、http://osamusawada.com/category/mornin-blues-by-isaowashizu/
「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週も首都圏で9人のあなただけに。
そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。
来週はもう、今年最後の一ヶ月がやって来ます。
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【管理人よりお知らせ】
今年2020年最後の”現実”生放送の日時が決まりました。
Awesome Beats & Mornin’ Blues
2020年12月18日金曜日24時~29時@中央エフエム
※2020年12月19日土曜日0時~2020年12月19日土曜日早朝5時~
年の瀬でご多忙中と存じますが、是非聴いてくださいませ!
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